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GLAB プレスリリース タイトル: 変形性膝関節症(O 脚変形)に朗報。1 回
㈱GLAB プレスリリース タイトル: 変形性膝関節症(O 脚変形)に朗報。1 回のトレーニングで膝の痛みと歩行が劇的に改善し た「リアライン・レッグプレス」による新しいリハビリ。 要旨: 広島国際大学と福岡リハビリテーション病院の研究グループは、O 脚変形を伴う変形性膝 関節症患者に対して、膝の捻れを正常化するための「リアライン・レッグプレス」を治療 に用いた。その結果、1 回の治療により、10m歩行時間および 3m の往復歩行時間の短縮、 歩行およびスクワット中の痛みの軽減が得られた。この研究は、広島国際大学の蒲田准教 授により、7 月 19-21 日に沖縄で開催される学会 JOSKAS で発表される予定。 リリース本文: ●日本人の 2500 万人が、潜在的に膝の変形(変形性膝関節症)を有していると推定され、 約 800 万人が O 脚変形を伴う膝の痛みに悩んでいる。これに対して、広島国際大学と福岡 リハビリテーション病院の研究グループは、O 脚変形がある変形性膝関節症患者に対して、 膝の捻れを正常化するための「リアライン・レッグプレス」を治療に用いた。その結果、1 回の治療により、10m歩行時間および 3m の往復歩行時間の短縮、歩行およびスクワット 中の痛みの軽減が得られた(詳細は次ページ参照) 。薬物を使わずに痛みや運動機能に対し てこれほどの即時効果が著明に得られるという成果は珍しく、今後整形外科分野の注目を 浴びそう。この研究結果は、広島国際大学の蒲田准教授により、7 月 19-21 日に沖縄で開 催される学会 JOSKAS で発表される予定。 ●「リアライン・レッグプレス」(写真) (株 GLAB)は、膝関節における下腿内旋および 外旋のトレーニングを実施することができる運動器具。膝関節の内旋位を保ちながら下肢 の伸展・屈曲を行なうことにより、理想的な膝の捻れを最獲 得するために必要な筋活動パターンを学習・習得することが できる。レッグプレス使用方法の例については、以下の URL の動画を参照。 http://www.glabshop.com/seminar/online-seminar-free/ ●リアラインとは re-align(歪みを整える)という意味。リアライン・トレーニングは、筋 力が最大限かつ安全に発揮できるよう、関節の歪みを整えることを目的とした新しいトレ ーニング理論。 ●レッグプレス並びに RRR プログラムの考案者を努める蒲田和芳(学術博士、理学療法士) は、アトランタ/シドニーオリンピックに JOC 本部医務班として帯同するなど、理学療法 士として多くの膝疾患の治療に携わった経験を持つ。略歴については別添資料を参照。 このプレスリリースに関するお問い合わせ先: 株式会社 GLAB(担当:伊藤拓哉) 開発者: 東広島市黒瀬町宗近柳国 889-1 蒲田和芳(広島国際大学 准教授) TEL&FAX.0823-36-2468 TEL&FAX.0823-70-4550 EMAIL:[email protected] EMAIL:[email protected] 付録1:1回のトレーニング前後の変化 内旋群:変形性膝関節症に特有のねじれ(下腿外旋)に対して、下腿を内旋させた状態 でレッグプレス運動を反復したグループ。 中間群:つま先を真直ぐにして、特にねじれの矯正を行おうとせずにレッグプレス運動 のみを繰り返したグループ。 内側型変形性膝関節症に対するスクリューホーム運動改善を目的とした下腿内旋エクササイ ズの即時効果:無作為化対照試験 Effect of an exercise program intended for restoring screw home movement on the functional improvement of primary knee osteoarthritis: RCT 花田 謙司 1)2) 原 道也 2) 藤原 明 2) 花田 弘文 2) 蒲田 和芳 2) 1) 福岡リハビリテーション病院 2) 広島国際大学大学院 医療・福祉科学研究科 Key words 変形性膝関節症 回旋キネマティクス 運動療法 即時効果 【目的】 変形性膝関節症(OA 膝)は関節内の退行性変化を伴う慢性疾患であり、その進行メカニズム は解明されていない。OA 膝は、屈曲域での脛骨外旋および伸展域での脛骨外方偏位を特徴と するマルアライメントを呈し、SHM の異常を伴う(Sarri2005)。OA 膝では全可動域に渡って下 腿外旋位であるため内旋増大を意図した運動療法が必要である可能性がある。先行研究にお いて下腿内旋位での屈曲伸展を実施するレッグプレス運動(LP 運動)が、即時的に膝関節可動 域、膝関節痛を軽減した (吉田 2012)。しかし、下腿中間位で LP 運動を対照群とした RCT は 実施されていない。本研究の目的は、RCT において OA 膝に対するレッグプレスを用いた下腿 内旋エクササイズの効果を検証することとした。仮説は、 「下腿内旋位で実施する LP 運動は パフォーマンスの向上、膝関節痛を軽減させる」とした。 【方法】 対象は片側に内側型膝 OA 患者 60 名を下腿内旋位での LP 運動(内旋群)と下腿中間位での LP 運 動(中間群)の 2 群に割り付けた。除外基準は、対側膝に Kellgren &Lawrence(KL)分類 3 以上の 者とした。方法はリアライン・レッグプレス(GLAB 社)を用いて、疼痛のない範囲でのレッグプレス 運動を 10 回 5 セット実施した。観察因子は、最大 10 歩行時間(10m 歩行)、Timed up and go test (TUG)、スクワット屈曲角度、膝痛と動作困難度(歩行、スクワット動作)を介入前後に測定し た。統計学的検定には共分散分析(有意水準 p<0。05)を用いた。 【結果】 内旋群 30 例(男性 6 例,女性 24 例,平均年齢 64±8。9 歳,平均 BMI25。1±3。1,KL 分類 Ⅰ:6 例,Ⅱ:15 例,Ⅲ:9 例)、中間群 30 例(男性 5 例,女性 25 例,平均年齢 67±8。1 歳, 平均 BMI24。9±3, KL 分類Ⅰ:10 例,Ⅱ:15 例,Ⅲ:5 例)が同意書に署名した。 内旋群は 10m 歩行(p=0.001)、TUG(p=0.001)、歩行、スクワット動作時の膝関節痛(p=0.001)、 歩行(p=0.001)、スクワット動作時(p=0.003)の動作困難度において有意に改善した。 【考察】 本研究の目的は、OA 膝の保存療法において効果が得られている下腿内旋位でのレッグプレ ス運動の効果を実証することであった。その結果、内旋群は 10m 歩行、TUG、歩行、スクワッ ト動作時の膝関節痛、歩行、スクワット動作時の動作困難度において有意に改善した。本研 究の限界として、スクワット時の膝関節屈曲角度測定において前額面上での動作を把握でき ていないこと、膝関節周囲の筋力および筋活動の評価を実施していないこと、が挙げられる。 サマリー 膝関節回旋キネマティクス改善を意図したレッグプレス運動(LP 運動)の即時効果を RCT にて検 証することを目的とした。対象は内側型膝 OA 患者 60 名を無作為にて下腿内旋位での LP 運動(内 旋群)と下腿中間位での LP 運動(中間群)の 2 群に割り付けた。観察因子は、最大 10 歩行時間(10m 歩行)、Timed up and go test (TUG)、スクワット屈曲角度、膝痛と動作困難度(歩行、スク ワット動作)を介入前後に測定した。その結果、内旋群は 10m 歩行、TUG、歩行、スクワット 動作時の膝関節痛、歩行、スクワット動作時の動作困難度において有意に改善した。