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第3回 - 東京外国語大学

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第3回 - 東京外国語大学
第三回留学便り
第三回留学便り
2014 年 5 月 31 日
PRSP 班
外国語学部スペイン語専攻 4 年
留学先:Universidad Autónoma de Madrid
(Las
多良奈那子
(マドリード、スペイン)
Fallas。スペイン3大祭りの1つ、「バレンシアの火祭り」へ行ったとき
の写真。バレンシア市の地区や団体ごとにこのようなモニュメントを1年かけてつくりま
す。最後の夜に火が放たれ全部燃えます。燃やすまでの一週間ほどバレンシアは毎日お祭
り騒ぎです。爆竹の音が聞こえない夜はありません。写真のものはモニュメントの中でも
最大級のものです。バレンシアはパエリアが有名なので火祭りを見に行ったついでに食べ
ました。)
お久しぶりです。マドリードの留学生活もついに終わりました。十カ月の留学はあっとい
う間でした。最近のマドリードは日の出の時間が長いです。朝 5 時には日が出て、日が暮
れるのは夜の 10 時近くです。夜 8 時に授業が終わってもまだ太陽がサンサンと照っていて
びっくりします。外の明るさに騙されて、のんびり過ごしていると、いつの間にか夜 10 時
を過ぎていることも多いです。また、日中の日照りがとても強いです。日本にいたときサ
ングラスはファッションとしてつけるものだと思っていましたが、ヨーロッパに来て目を
太陽光から守るための物だと痛感させられました。サングラスのように、人生初めてのヨ
ーロッパで、学ぶことは多かったです。
留学を振り返って
留学に行く前に3つ目標をたてていました:(1)スペイン語レベルをビジネスで通用するレ
ベルまで引き上げる。具体的には DELE C1(上級)の取得。(2)異文化コミュニケーショ
ンを体験し、理解を深め、実戦能力を養う。(3)国際経済学についてより専門的な知識を取
得する。
(1) スペイン語レベルは上がりましたがビジネスレベルまでは到達しませんでした。毎日経
済の授業をスペイン語で受けていたためリスニング能力は向上しました。授業は大体理
解できるようになりました。最初の頃に全然聞き取れなかった早口の友達のスペイン語
も聞き取れるようになりました。スピーキング能力も向上しました。友達と会話を楽し
めるようになり、スペイン国内の旅行でも困ることはなくなりました。帰国後もスペイ
ン語の勉強を継続し、ビジネスレベルを目指したいと思います。
(2) 異文化コミュニケーションは多く体験できたと思います。特に仲良くなった友達がスペ
イン、フランス、ドイツ人で、彼らと天皇/王についてどう思っているか、現代の宗教に
ついて、ヨーロッパ経済についてなど様々な話をして盛り上がりました。またヨーロッ
パ各地を旅行して国によって国民性が全然違うことも体感しました。例えばスペインや
イタリアでは電車のチケットを窓口で買うのに1時間は待ちますが、スイスやドイツは
待ち時間が 10 分のみでした…。スペインではスーパーで 15 分待ち・レジ係りがお客さ
んと談笑し始めるのは当たり前なので、オランダでは素早くレジをうっていて感動しま
した…。その割に飛行機を降りるときスペイン人はシートベルトサインが消える前にみ
んな立ち始めて我先にと降りようとします。不思議です。百聞は一見に如かず、実際に
現地で体験できて異文化理解がぐっと深まりました。
(3) 国際経済については基礎を学べたと思います。授業でFMIやミレニアム宣言など日本
でも勉強したことを復習できました。また課題の関係でスペインの新聞に目を通してい
ました。一面や国際面を飾るのがヨーロッパの出来事ばかりなので面白かったです。日
本だったら扱いが小さいであろうスペインの細かい内政問題についても記事を読みま
した。また時折日本についての記事を読むときも新鮮でした。宮崎駿の風立ちぬは新聞
に数度登場し、スペインでも話題になっていました。
留学前に掲げた目標をすべて完璧に達成することはできませんでしたが、どれも大きな前
進をしたと思います。またこれら学業面だけでなく初めての一人暮らしということで生活
面でも大きなレベルアップを果たしました(人並みに料理ができるようになりました!)。
留学に行って人間として一皮むけたと思います。行って良かったです。大満足です。
(蟻の行列。暖かくなって蟻の活動が活発でした。田舎のキャンパスだということもある
かもしれませんが、寮から大学までの 100mを歩くと5つほど蟻の行列を横切ります。毎日、
踏まないように下を見ながら歩いていました。寮に帰る時は蟻の行列を 30 分ほど眺めてい
ることもありました。昆虫の死骸はもちろん植物の種や綿をせっせと運んでいました。こ
うやって植物は種を運んでもらうのだなぁと生存戦略の神秘を感じました。)
私がマドリード留学をお勧めする理由3
滞在して感じたマドリードの魅力ベスト3です。スペインへの留学を考えている人へはも
ちろん、他の留学先の検討の際に見るべきポイントとしても参考になったら嬉しいです。
1)交通の便がいい!
交通の便がいい! マドリードはスペインの首都です。国際空港であるバラハス空港
があるため他国へのアクセスが容易です。(残念ながらマドリードからすら日本への直
行便はありません…。将来日本スペイン間の直行便ができて欲しい、復活してほしい
です。)またマドリードはスペインの中心に位置しているため国内のアクセスも非常に
良いです。東西南北の都市にバスや電車がはしっています。他の都市の場合、例えば
南の都市セビージャからクロアチアへ行きたい場合はマドリードまで来なければいけ
ません。例えば東のバルセロナから南のグラナダへ電車で行きたい場合もマドリード
を経由しなければなりません、バルセロナからグラナダへの直通電車はありません。
マドリードの立地の良さは他の追随を許しません。
2)買い物に困らない
買い物に困らない!
買い物に困らない! 首都マドリードにはさまざまな人種が生活し、その需要を満た
すためにさまざまな店が存在しています。そのためマドリードにいると大抵の物は手
に入ります。有名店やチェーン店は一通り存在します。例えば衣服を買うときは H&
M のように日本にも進出しているお店へ気軽に行くことができます。例えば無印良品
もあるので(日本の倍以上の値で売っていますが…)日本製品を手に入れることもで
きます。食も不自由しません。日本・中国・インド・韓国料理など多くのアジア系レ
ストランが存在します。割高で小規模ですが日本食品を扱うスーパーもあります。ま
た営業時間が比較的長く、日曜日でも営業しているお店が多いです。スペインのスー
パーなどすべてのお店はレストランを除いて日曜日や祝日にほとんど閉まります。急
に必要なものがでてきたときにとても困りますが、マドリードの中心地にある百貨店
などは新年などを除いてほぼ毎日営業しているので便利です。
3)催し物が多い!
催し物が多い! 首都なので展覧会・ミュージカル・イベントなどが多く企画されて
います。私も「国内最高級イベリコ豚フェスティバル」で美味しい生ハムを食べたり、
「ジャポニスモ」という期間限定の日本絵画の展示会を訪れたり、「漫画展覧会」でス
ペインのオタク文化を満喫したりしました。毎週様々なイベントが行われているので
飽きません。「今週こういうイベントやっているらしいのだけど一緒に行かない?」と
意中の相手を誘うネタにも尽きませんよ。
(プラド美術館。マドリード最終日にどこに行くか…と考えたときに真っ先に思い浮かん
だのがプラド美術館でした。さすが昔「太陽の沈まぬ国」と呼ばれただけのことはありま
す、有名な西欧絵画がずらり。中でも私はスペイン宮廷画家だったゴヤの作品が好きです。
特に彼の黒い絵といわれる 14 作品が好きで、「砂に埋もれる犬」、「我が子を食らうサトゥ
ルヌス」、「食事をする二老人」などを閉館時間ギリギリまで鑑賞しました。同じく有名な
スペイン人画家ベラスケスの作品「ラス・メニーナス」の少女と目が合った気がしたので
またくるねとさよならをしました。)
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