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原田 伶 - 日大生産工学部建築工学科
平成 24 年度 生産実習成果報告書 実 習 生 建築工学科 3年 04188 原田 伶 実習先名称 北山造園 実習 平成 24 年 8 月 6 日(月)~8 月 16 日(木) 期間 1. 実習の目的及びテーマ 北山造園では依頼先の希望に従い日本庭 [10 日間] また開園もするためお客様の拝観の邪魔 になりうる。日差しが強くなるのを見越し 園の手入れ、創造する。主な依頼先(お得意 て、水は必ず葉の部分にはかけないように 先)は鷲峰山高台寺、円徳院、竜安寺の 3 つ して水は自然の雨の様にする、さもなけれ であり、地方への依頼がある場合、車で出 ば葉は日光に焼かれ、木の周りの土に水溜 張する。ちなみに北山造園の心掛けは依頼 めができてしまい後に悪影響を及ぼす。雨 先では一挙一動を意識し、決して失礼のな の様な水はホースの口部分を親指の腹部分 い様に注意して日本庭園を手入れ、創造す で調整しながら作る。 ること。 次は掃き掃除。使用する箒には 2 種類、硬 い竹箒、柔らかい竹箒である。それぞれ用 2. 実習内容 どの業界も同じだが、造園の業界はより 途が違い、硬い竹箒は千砂利を掃くのに使 用する。そして柔らかい箒は葉を掃くのに、 繊細な技術力が必要となってくる。そこで つまり砂利の上の葉を掃きたい時に使用す アマチュアである私はプロフェッショナル る。これらを使い分けることにより使用者 である上司の下につき、日本庭園の手入れ の掃きたいものを定めて掃くことが可能と の仕方を 10 日間でたたき込まれた。 なる。しかし、1 つ注意点があり竹は水分を 2-1.日本庭園の手入れについて 吸うと硬くなる性質をもっているので柔ら 日本庭園の主な手入れの内容は水やり, かい箒は必ず雨に当ててはならない。掃き 掃き掃除,砂利引き・詰め・運び,雑草抜 方にはコツがあり箒で砂利や葉を掃くので き,草引き,枝切り,葉っぱの散髪である。 はなく、箒を振ることで生まれる微量の風 これらの数ある濃密な作業内容は AM 8:00 圧を利用して掃くことで、掃きたいものだ ~PM 18:00 の限られた時間の中で正確にか けを掃き、余分なものは掃かずに済む。掃 つ俊敏にこなさなければならなく初見では き掃除と同時に景観で目立つ雑草があれば 難しい。そこで作業効率の上昇のために実 草押しという道具で雑草を引き抜く、この 習初日は全ての作業で使用する道具の基本 道具は木を鉛筆の様に先を尖らせた道具で 的な使い方のレクチャーを受けた。 ピンポイントに雑草を引き抜く事ができる。 2-2.作業詳細・道具の使用方法 名称通り雑草の根元に草押しを付き当てて 鷲峰山高台寺に着いて最初にすることは 手のひらで押すことで、周りの苔や花を傷 水やり。AM 10:00 には日差しが強くなりこ つけずに雑草を引き抜くことができるのだ。 の時間帯に苔や草木に水を与えてしまうと ここまでが午前の内容であり、午後では 湯を与えるのと変わりないため、鷲峰山高 午前で終わらなかった箇所の続きと枝切り、 台寺到着 AM 8:00 からの 2 時間が勝負だ。 葉っぱの散髪、水やりがある。枝切りの切 り箇所は葉の色が大幅に変色している所で必 料の運搬と根抜き。作業内容にどれも工夫は必 ず手ではなく、ノコギリで枝の根元を切るこ 要なかったが、相当の体力が必要であった。 と、これを続けることでより夏らしい緑 1 色 下の写真は作業風景。 の景観が保たれる。次は葉の散髪、複数の葉 が 1 か所に集中されて生えている時に草鋏を 使用する。地面に着きそうな葉や前後左右の 葉を隠してしまっている葉があれば、根元に 狙いを定め草鋏で切る。それによってはりが ある元気な緑の景観を作ることができる。 これらをすべてこなすことで初めて日本庭 園の美しい景観法が発揮される。 4. 感想 この 10 日間は日本庭園の手入れも大変だっ たが、それよりも展望台の製作がより大変であ 3. 実習成果 3-1.展望台の製作 った。とにかく自分の持っている忍耐力の上限 を何度も更新したかの様なハードな毎日であ 展望台の作成は大文字の灯火日、つまり実習 った。京都という避暑地であるうえ更に炎天 期間最終日 3 日前に行われ、無事に成功した 下という中、何度も地べたにひれ伏し限界を 。場所は山の頂で階段を作成し京都の町並み 感じた。その度に私は何のために頑張ってい や大文字山を眺めれるポジションを選んだ。 るのだろうと考えた。最初は上司の人達より先 下の写真は完成した後の展望台からの景色 にへばってはいけないという緊張のためとし か答えはでなかった。しかし答えは展望台を完 成した後の景色を観た瞬間出せた。 自分の汗水流した分だけの結果が左の写真で 出ていたことには純粋に喜び、感動と達成感を 手に入れた。私はこの実習をしなければ恐らく 一生仕事でのやりがいに出会わなかっただろ う。 5. 謝辞 この度は実習という勉学するにあたり、いまだ 3-2.製作段階の説明 未熟である私に担当者の和田様から、丁寧かつ 山の頂にあるためにそれに続く階段を作らな 熱心なご指導を賜りました。北山造園の皆様に ければ行けないため、山のふもとから頂まで 感謝の気持ちと御礼を申し上げたく、謝辞にか の坂の距離を使用する材料の運搬に労力を割 えさせていただきます。 かれた。使った主な材料は階段の蹴上に使用 する防虫剤漬けされた赤松、踏み面に敷き詰 める砂利、手すりに使用する竹。これらは全 て死んだものや使わなくなったものを再利用 されていて、コストを最小限に抑えられてい る。私が立ち触った作業は山のふもとにある材