Comments
Description
Transcript
Untitled - Kyushu University Library
分子問相互作用力の異なるポリスチレン 誘導体の熱力学的特性に関する研究 氷室 昭 一 と欠 第1章 1 論 序 . 1 研究目的と背景 1 . 1 . 1 研究目的 1 . 1. 2 1 . 1 . ーー ーーーーー ーーーーーーーー ーー ー ー ー ー ーーーーーーーーーーーーーー ーー 'ーーーーーーーーーーー ー- 研究背景- 2. 1 --一ーーーーーーーーーーーーー ー ー 一一'一- - - -一-ー ・ーーーーーーーーーーー- 一一ーー一ー ーー ・一一ー -一- - - - - - -一ーー一一ーーー- . 4 ーーーー ー ー ー ーーーーーー ーーーーー ーー . 2. 5 本論文の構成 参考文献 第2章 0 1 6 -- 2 0 一- - - - - -ーー一一ー一一一一一ーーーーーー一一ー 2 0 - ポリ( 4ーヒドロキシスチレン)の 工業的応用 1.2 1 ポリ( 4ーアセトキシスチレン)とポリ( 4ー ヒドロキシスチレン)のガラス転移温度 1 . 1 4 ポリ( 4ーヒドロキシスチレン)の 赤外および電子スペク卜ル 1 . 1 .2 ー-ーーーーーー ーーーーーーーー- ポリ( 4ーヒドロキシスチレン)の 水素結合能 1 . 1 . 2. 3 4 ポリ( 4ーアセトキシスチレン)とポリ( 4 ヒドロキシスチレン)の溶解性 1 . 1 .2.2 1 ー ー ーーーーーーーーーーーー ー ー ー ー ーー ー ー - ー 』 ーーー一一ーーー ー ー ー ー ー ー 一ーーー- -一一ーー 一ー一一ーーー一一ーーーーーーーーーー ー ーーーーーーー一ーーーーー一一 2 3 2 4 ポリ( 4ーアセトキシスチレン)とポリ( 4ー ヒドロキシスチレン)の 溶解度パラメータ 2. 1 緒 言 2. 2 実 験 2. 2. 1 試 ー ー ーーー ー ・ーー' ーー ー 幅 ー ーー ーーー ーー ー ーー ー ー ーーーーーーーーーーー ーー ー ー ーーー ー- --ーーーーーーー ーーーーー ー ー ーーーーー ーーー ーー ーーー ーーーーーーー ー ー ー ーーーーーー-ー ー ' ーー 骨 ーーー司ーーーーーーー- 料 ーーーーーーーーーーー ・ ー ー ー ー ー ー ー ー ー 『 ーー ' ーー ー ー - -一-一-一-一ーーー'ーーーー- 2 7 2 8 2 8 2. 2. 2 ポリ( 4ーアセトキシスチレン)の重 合と分別 ーーー 2 9 2. 2. 2 ポリ( 4 -ヒドロキシスチレ ン)の合 成 ーーーー ーー ーーーーー 3 0 2. 2. 4 溶解テスト -ーー ーーーーー ー ー ーーー ー ー ー一ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 3 0 2. 2. 5 粘度測定 一ーーー一ーー一一一ーーーー一一ー-一- --ー一一一ー一ーー一一 3 0 2. 2 . 6 2. 2. 7 2. 3 沈澱点測定 密度測定 果 結 -一- - -ー一一ーーーー一一ー一ーーーーー一一一一一ーー一一- 一一一一----ー-一一一ー一一ー一一ーー一ーー-一-一一一 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 骨 ーーーーーー一一 2. 3. 1 溶解テスト 2. 3. 2 粘度法からの溶解度パラメー タ 2. 3. 3 沈澱点法からの溶解度パラメ 2. 3. 4 三次元溶解度パラメー タ 2. 3. 5 計算法からの溶解度パラメ 2. 4 考 察 2. 5 総 括 参考文献 第3章 . -ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ー ーーーーーーーーーーー ー ーーーーー一一 タ ーーー 骨 ーーーー , ー一 ー ーー ーーーー ー ー ーーーーーーーーーー ーーーー , ー タの推定 ー ーーーーーーーーー - - ーーーーーーーー ーーーーー- ー ー ーーーーーーー ー ーーーーーーーーーーー ー一ーーーーーーー ーーーー ーーー ー ーー ー ー “ 一 ー ーーー ーー- -- ー ーーーーー ーーー ー ー ーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー ーー 喧 ーー一一ーーーーーーー- ー一' 一ーーーーー一ー一ーーー一-ーーー一一ーーー ーー ーーーーーーーー ーー一 一ーー一ー-- -一一 3 1 3 1 3 1 3 1 3 7 3 9 42 5 1 5 4 5 9 6 0 ポリ( 4ーアセトキシスチレン)の希薄溶液物性 3. 1 緒 邑 3. 2 実 験 3. 2. 1 試 ーー ーーーー ー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ー ーー 『ー-- - ー一ーーーーー ーー ー ー 料 ー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーー ーーーー ー一-- -- ーー ・ ー ーー ー ーー ー 3. 2. 2 Aと分別 3. 2. 3 光散乱測定 3. 2. 4 粘度測定 3. 2. 5 沈澱温度測定 ー ーーーーー ーー ー ーーーーーーーーーーーーーーーーー ' ーーーーーーーー ー ーー-- - ・ ー ーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー一ー ー一一 ーーーーーーー -一ー ーーー一一一一一一 一ー一一ー 『ーーー一一一一一一ー 一一一一一 一一一一一一一一 一一一一一一一 一 一一-一一ー一一一一ー一一一一一一ー一ー一一一一 6 2 6 3 6 3 6 3 6 5 6 6 6 6 3. 2. 6 ゲ ル浸透 ク ロマト グ ラフ ィー 3. 2 . 7 部分比容測定 3. 3 結果 と考察 ーーー-一-ーーーーーーーーーーーーーーー- ー ーーーーー 『ーーーーー司 ーーーーーーーーーーーーーーー ーー ー ーーーー一----- 一ー ー ーーーーーーーーー一一ーー ーーーーー ー ーーーーーーー ーーー一一ーー ーー一一 3. 3. 1 光散乱 と ゲ ル浸透 ク ロマト グ ラフ 3. 3 . 2 ポリ( 4一アセト キシスチ レン )のMwと < s 2> zおよびA2 との関係 ィ 一一 ーーーーーーーーーー - - ーーーーー ー ーーーーーーーーー ーーー ーー ア セ ト キ シ ス チ レン ) の 相分離 3. 3. 3 ポリ ( 4 3. 3. 4 ポリ( 4ーアセト キシスチ レン )の[η]と ー Mwとの関係 3. 3. 5 統計熱力学的考察 総 第4章 括 - ーー一一一ーーー ーーーーーー一ー 一ーーーー ー一---- ・ ーーーーーーーーーー ーー-ー-ーー ー ーーーーーーー一ーーーー-- --- - ーーーー ーーーーー ーーーー ーーーーー ーーーーー ー ーーーーーーーーーーーー ー ーーーーーーーーーーー ーーー--- -ー-一ー ーーー ーーー-一-ーーーーーーー一一ーーー一一一一ーー ーーー一一一一一ー 7 6 8 6 8 7 1 7 1 7 3 7 7 8 3 8 8 8 9 ポリ( 4 -ヒド ロキシスチ レン )の希薄溶液物性 4. 1 緒 言 4. 2 実 験 ーーーー ・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー- - ーーーー ーーーーー , ーーーーーーーー- -- ーーーーーーーーーーーーー ー ー , ーーーー ーーーー ー ーーーーーーーーーーーーーーーーー 『ーーーー司 ーーー-- 料 4 . 2. 1 試 4 . 2. 2 光散乱 測定 4 . 2. 3 粘度調IJ定 4. 2. 4 沈澱温度調Ij定 ー- 4 . 2. 5 部分比容測定 4. 3 6 ポリ( 4ーアセト キシスチ レン )の 3. 3. 6 参考文献 唱 ーーーー ーーーーー ー ー ーーーーーーー ー ー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー---- 非摂動鎖の広がり 3. 4 ーーーーーーー 6 7 結果 と考察 4. 3. 1 ー ーーーーーーーーー 骨 ー ーーーーーーー ーーーーーーーーーー ーーー ー ーーーーーーーーーーーーーー ' ー ー- 一ー一一ーーーーー ーーーーーーー一一ーーー一一一一ー一一一 ーー一一ーーー 一一一一ーーー ー一 一一一ー ーーーーーーー ー一一ーーー 9 2 9 3 9 3 9 4 9 4 -一一一 ーーー一一ー一一一ーーーーー ー一一一一一 9 5 ー-一-ーー・ ーーーー 一一ー一一ー ー一一一 ー 一一ーーーー 9 5 ーー ・ ーー ーー一一 ・ーー一 一・ 旬 ー一ー一一ー一一 ーーーー 一- - - 一 9 6 光散乱測定結果 一ーーーー 一一一 一ー一 一一一一一 一一一一一 9 6 4.3.2 ポリ( 4ーヒドロキシスチレン)の[η]と Mwとの関係 4.3. 3 ーーーーーーーー一一ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー---_,_ーー-- 9 9 ポリ( 4ーヒドロキシスチレン)の 非摂動状態での広がり 一一ー一一ー・ーーーーー一一一一一一-102 4. 3.4 統計熱力学的考察 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー--- 111 4.3.5 ポリ ( 4ーヒドロキシスチレン)の相図・司ーーーーー--. 11 7 4.4 総 128 括 129 参考文献 第5章 ポリ( 4ーヒドロキシスチレン)の蛍光スペクトル と極限粘度数 5.1 緒 日 133 5.2 実 験 135 135 5.2.1 試 5.2.2 蛍光測定'ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・ーーーーーーー骨ーーーーーーーーーー-_. 135 5.2.3 粘度調Ij定 5.3 料 - ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー---. 136 結果と考察 5.3. 1 ポリ( 4 -ヒドロキシスチレン)の 蛍光スペクトル 5.3.2 総 参考文献 141 ポリ( 4ーヒドロキシスチレン)の 一一ー一一一ーー一-一一ーーーー 極限粘度数の温度依存性 5.4 136 ポリ( 4ーヒドロキシスチレン)の 蛍光スペクトルの温度依存性 一ー一一一ーーーーーーーーーー 5.3.3 136 括 143 148 149 ポリ( 4ーヒドロキシスチレン)とポリ( 4 - 第 6章 アセトキシスチレン)の相溶性 緒 6. 1 = 151 験 152 実 cコ 6. 2 料 6. 2. 1 試 6. 2. 2 ブレンド試料の 調整 6. 2 . 3 示差走査熱量計お よ びフーリエ変換 ー ーー一_ . 一ーーーーー ーーーーーーーーーーー ー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ー ー - - _ 赤外スペクトルの測定 6. 3 結果と考察 ーーーーーーーー ー ーーー一ーーー ー ーーーーーーーーー 司ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーー ー ー ー ー ーーーーー- - _ . 1 53 153 154 6. 3. 1 ガラ ス 転移温度の分子量依存 性 6. 3. 2 示差走査熱量計 に よ る相溶性 6. 3. 3 フーリエ変換赤外スペクトルに よ る相溶性 『ーーー-. 158 6. 3. 4 ポリ( 4ーヒドロキシスチレン)ーポリ( 4ー 6. 4 総 括 辞 結 ー ーー ー ー ーー一ーーーーーー一一 _ . -ーーーーーーー ー ー ーーーーーーーー ー ー ーーーーーー一 ーーーーーーーー 一ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ー - 154 154 164 167 168 参考文献 第7章 一 ーーーーーーー ーーー ーーーーーーー ーーー- アセトキシスチレン) 系の相図 謝 . 152 論 - 170 176 会結 1 F芋 1 1 . 1 . 1 石汗多毛 言命 白勺と手当F長ヨt 研究目的 高分子鎖上の官能基が水素結合する能力をもっ高分子は、 の 一 つであり、 機能性高分 特異的な相互作用という理 論 的観点だけからでな く 、 新素材として工学的分野からも注目を集めている。 しかしながら、 水素 結合のような強い相互作用が支配的な高分子一溶媒系および高分子一高 分子系の物性に関する基礎的な研究報告は少なく、 完全には明らかにされていないのが現状である。 これらの系の物性は 本研究では、 水素結合 が支配的であるような高分子一溶媒系の溶解性および高分子一高分子系 の相溶性に関する熱力学的特性について明らかにすることを目的とする ものである。 そのためのモデル高分子として、 分子間相互作用力の異なる2種のポ リスチレン( p s )誘導体を選んだ。 それらを図1 . 1に示す。 一つは分 子内にアセトキシル基を有するポリ( 4ーアセトキシスチレン) (p A s )で、 もう一つは分子内にフェノール性の水酸基を有するポリ( 4ー ヒドロキシスチレン)(P H S)である。 を集め、 P H Sは、 近年工業的にも注 その水酸基から生じる特有の性質を利用して、 基盤、 難燃性接着剤、 いる。 歴史的には、 フォトレジスト、 プリント配線 金属表面処理剤等に応用されて 195 9年にSovish1)により重合などが研究され、 その後196 9年には 加 藤 れ によりヒドロキシスチレンの各 異 性体の重 A性に関して系統的な研究がなされた。 また、 その高分子物性について も、 後述するごとく少しづつ明らかにされてきている。 本研究では、 P A SとP H Sについて溶液中での高分子形態に及ぼす 水素結合能を有する極性基の効果を、 すでに報告されているP Sやその 誘導 体 と比較 検 討 することで 明 らかにし、 混合エントロビー、 するものである。 さらに熱力学的性質(混合熱、 相図など)に対するそれら極性基の効果を明らかに また、 本研究の後半では、 P A SとP H Sの相溶性に おける水素結合の役割について明らかにする。 性基をもっP S誘導体について、 本研究は、 4一位置に極 いくつかの側面からその相互作用の果 たす役割を明らかにすることを目的とする。 。,u 一←CH 2一CH-←n 一←CH 2ーCH→-n O-H O-C-CH3 11 o Poly (4-hydroxystyrene) (PHS) Poly(4-acetoxystyrene) (PAS) -←CH 2一CHートn Polystyrene(PS) Figure 1.1 Structures of poly(4-acetoxystyrene), hydroxystyrene), and polystyrene. poly(4- 円。 1 . 1 . 2 研究背景 PHSとPASの溶解性 1 . 1 . 2. 1 高分子の溶媒への溶解性を熱力学的に取り扱うと、 ざり合って溶液が形成されるためには、 る必要がある。 溶媒と高分子が混 混合の自由エネルギーが負であ 周知のように混合の自由エネルギーは、 エントロビーの項からなる。 Oから正の値をとり、 エンタルビーは分散力のみが働く場合には、 混合には不利に働くが、 低分子化合物ではエント ロビーの正の寄与によって打ち消されるごとが多い。 聞の相溶性については、 エンタルピーと 一方、 異種高分子 混合エントロビーの値が小さくなるため、 一般 的には相溶しないことが多い。 P A SおよびP H Sの低分子化合物への溶解性については、 表1 . 1お よび1 . 2に示されるごとくDanusso3・4 )により報告されている。 は、 ベンゼン、 クロロホルム、 ジオキサン、 P H Sについては、 とがわかる。 一方、 可溶であり、 また水に不溶で、 P A S ケトン類には可溶であるこ アルコール類、 ジオキサンには アルカリ水溶液には溶解する。 a且τ Table 1.1 Solubility tests Solvents Solubilities for the 3 PHS-solvent system ) Solvents Solubilities Methanol Soluble Acetic acid Soluble E thanol Soluble Ethyl acetate Soluble lsopropanol Soluble Benzene lnsoluble Isoamyl alcohol Soluble Tetraline Soluble Acetone Soluble CC14 Insoluble Butanone Soluble CHC13 lnsoluble Diethyl ether Swollen Heptane Insoluble Dioxane Soluble Water Insoluble 5%NaOH water Soluble CS2 Insoluble Table 1.2 Solubility tests for the Solvents Solubilities 4 PAS-solvent system ) Solvents Solubilities Methanol Swollen Acetic acid Soluble Ethanol Swollen Ethyl acetate Soluble Isopropanol Swollen Benzene Soluble Isoamyl alcohol Soluble Tetraline Soluble Acetone Soluble CC14 Swollen Butanone Soluble CHC13 Soluble Ether Insoluble Heptane Insoluble Dioxane Soluble Tetrahydrofuran Insoluble Pyridine Soluble Fhd 前述したごとく異種高分子は、 相溶しないことが多いが、 素結合能力の高い水酸基をもつため、 カルボニル基、 P H Sは水 エーテル基を有す いくつかの高分子と相溶する る高分子との聞に強い相互作用が働いて、 ことが示されている。 相溶性の判定には目視による濁りの有無、 ガラス 転移温度( T g)の測定などの方法がある。 示差定 熱量計( D S C )によりTgを測定し、 Tgからの判定法は、 混合試料のTgが混合前の2種 の高分子のTgとは異なるひとつの値を示した場合に相溶と判定されてい る。 この方法によって、 チル、 P H Sはポリ酢酸ピニル、 ポリメタクリル酸エチル、 メタクリル酸イソプロピル、 ポリアクリル酸ブチル、 ポリメタクリル酸メ ポリメタクリル酸nープロピル、 ポリ ポリメタクリル酸テトラヒドロフルフリル、 ポリ(2ーエチルー2-オキサゾリン)と相溶 するとの報告がある5-8) 。 Meftahiら9 )は、 P H Sとポリ(4ービニルピリジン)(P4VP)と の相溶性について報告している。 の変化を示す。 図1 . 2にそれぞれの組成に対するTg ブレンド試料のT gは、 だ直線より大きく上にずれている。 それぞれの純高分子のTgを結ん しかも、 P H SとP4VPの組成が、 セグメントあたりのモル比1対lのとき最大にずれている。 このことは、 P H SとP4 VPが水素結合することによりl対lのコンプレックスを 形成し、 相溶していることを示唆するものである。 さらに、 は4ーヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体を合成し、 Meftahiら9 ) P Sに導入 された水酸基による相溶性への効果に関するモデルとしてP4V Pとの 相溶性を検討している。 スチレンと4ーヒドロキシスチレンの割合が1 : 1のコポリマーはP4VPと相溶するが、 スチレン割合が大きいコポ リマーはP4 V Pの混合率が高くないと相溶しない。 このことから水素 結合の作用しないスチレンユニットが導入されると相溶性が減少してい - 6 - 200 夫\iで 25 50 Weight % poly ( 4・hydroxystyrene ) in blend Figure 1.2 Glass transition temper atures of of polY(4-vinylpyridine) versus blends and polY(4-hYdroxystyr ene) weight per cent of pol Y(4-hYdroxystyrene). The straight line is the weight average value of T g as a function of com position9) - 7 - るのがわかる。 Colemanら5 )は、 P H Sとポリ酢酸ピニルの相溶性をフーリエ変換赤外 分光(FT-I R)法を用いて検討した。 図1 . 3にP H Sとポリ酢酸ピ ニルのブレンド試料におけるP H Sの水酸基の伸縮振動に基づくFT1 Rスペクトルを示す。 収帯で、 ある。 3 5 2 5 cm-1は、 P H Sのフリーの水酸基の吸 33 6 0 cm - 1は水酸基どうしが水素結合した水酸基の吸収帯で ポリ酢酸ビニルの混合量が増すと3 5 2 5 cm- 1の吸収が減少する とともに、 ピークの極大は33 6 0 cm-1から3 4 6 0 cm-1にシフトし、 これはP H Sの水酸基がポリ酢酸ピニルのカルボニル基と相互作用する ことを示している。 いても、 また、 カルボニル基の伸縮振動に基づく吸収帯にお ポリ酢酸ビニル単独の場合の1 7 3 9 cm - 1のカルボニル基の吸 収に加えてP H Sの混合により1 7 1 4 cm - 1の吸収が出現して、 カルボ ニル基と水酸基の聞に水素結合が存在することを示している。 この方法によってP H Sは、 ープロビオラクトン)、 ン、 ポリ(εーカプロラクトン)、 ポリビニルピロリドン、 ポリエチレンオキシド、 ル( 2 5 % ) コポリマ一、 ポリエチルオキサゾリ ポリビニルエーテル、 ル( 7 0 % ) コポリマーと相溶すること、 ポリ( ß エチレンー酢酸ビニ ならびにエチレンー酢酸ビニ ポリビニルイソブチルエーテルと相溶しない ことが示唆されている引。 Colemanら10-12)はさらに水素結合の度合いから求めた高分子閣の会合 定数およびP H Sの自己会合定数を用いて水素結合に基づく混合自由エ ネルギー( 6 G H)を求め、 これに溶解度パラメータ から求めた混合エン タルビー項および混合エントロビー項を加算して、 次の(1 - 1 )式に より全混合自由エネルギー( 6 G M)を算出している。 - 8 - OJ9 014 隻丈o 段)J Figure 1.3 cm1 ESO FT-IR spectra in the regions 3800-3000 and 1800-1650 cm-1 recorded at room temperature of po1y(4hydroxystyrene)ーpoly(viny1 acetate) THF-so1ution containing and (E) 0 (A) 100. wt% poly(vinyl acetate) - 9 - blends cast from (B) 80. 5> . (C) 50. (D) 20. � G M/ R T = (φA/ NA) 1 nφA+ (φB/ NB) 1 nφB +φAφBχ+ � G H/ R T こごでφAとφBは高分子AとBの容積分率、 合度、 (1 - 1 ) NAとNBは高分子AとBの χは両高分子聞の相互作用パラメー夕、 対温度である。 リレート、 彼らは、 Rは気体定数、 この式を用いてポリアクリレート、 ポリアセテート、 ポリラクトン類の相図を描き、 験結果に大略一致すると述べている。 Tは絶 ポリメタク これらが実 Co1emanらの計算法によれば、 ポリ メタクリル酸イソプロピルおよびポリメタクリル酸tertーブチルについ ては相溶のためにコポリマー中の4ーヒドロキシスチレン量の下限は5 および1 4%、 上限は9 0および5 0%となっている。 ポリアクリル酸 tert-ブチルでは、 実際に4ーヒドロキシスチレン28,..._,66%で相 浴する領域が観察されている。 Chenら1 3 )は、 4ーヒドロキシスチレンースチレンコポリマーとメタク リレート類の相溶性を蛍光法で調べ 、 ポリメタクリル酸メチルおよびポ リメタクリル酸エチルに対しては4ーヒドロキシスチレン1モル%以上 を含むコポリマーが相溶すると報告している。 1 . 1 . 2 . 2 PHSの水素結合能 Hatakeyamaら14-20)は、 とTg挙動を通して、 その概要を示す。 で、 場合、 P H 微量の水を含むP H Sの吸着水の結品化現象 P H Sの水素結合に関する研究を展開した。 図1 . 4は水の含有量を変えたP H Sの冷却D S C曲線 S吸着水の結晶化曲線を示している。 吸着水が1.8%と少ない 熱的変化は何も認められず、 凍水は、 以下に 不凍水の存在を示している。 ごの不 P H S側鎖の 水酸基と強固な水素結合により束縛され、 水分子 - 10 - Peak II し E U一 に」」ω L H0 ℃ c u C B A 220 240 230 250 260 Temperature (K) Figure 1.4 DSC cooling hydroxystyrene): A): 9 . 2% (curve curves of water sorbed the amount of sorbed water is B): 10.7% (curve C): curve E is for pure water19>. - 11 - and on poly(47.8完(curve 26.3完(curve D) : どうしが集合、 配列して結品化できない。 水分量の増加にともなって2 つの発熱ピークが遂次生じる。 ピークIは自由水の結晶化であり、 結晶 化温度が2 5 5 K付近となるのはD S Cの降温速度による過冷却現象で ピーク日は束縛水の結晶化に対応し、 ある。 束 縛されているが、 不凍水より 相 互 作用は強くなく水分子どうしが 集 合、 配列して結晶化できる位置にあり、 ると解釈されている。 加し、 水分子はP H Sの分子鎖に その結果自由水より低温で結晶化す 全束縛水量は、 P H Sの水酸基の増加とともに増 P H Sの1モノマー単位当たり最大約o . 7モル吸着した計算値 を得ている。 これはP H Sの水酸基の水素結合を切断して、 縛された水であり、 水酸基に束 lモノマー単位当たり吸着した束縛水量( 1)は mo Sのiモノマー当たりの水素結合の形成能力の指標であると考えら P H れる。 この数値は4ーヒドロキシスチレンースチレンコポリマーおよび4ヒドロキシスチレン-4ーアセトキシスチレンコポリマーのTgに関し て、 水分量の変化に対してTgの変化が大きい領域と小さい可塑化領域 の境界に対応する臨界水分率から計算した値とも一致している。 図1 . 5にP A Sを部分的に加水分解した4ーヒドロキシスチレン4ーアセトキシスチレンコポリマーについてのTgと吸着水分率、 分解度の関係を示す1 5 ) 。 共重合体のTgの水による低下は、 スチレンのモル比の高いものほど大きくなっている。 加水 ヒドロキシ ごれは、 水酸基の ーが多い高分子ほどTgの水による影響は大きいことを示している。 た、 ま 図1 . 6に4ーヒドロキシスチレンースチレンコポリマーのTgと吸 水分率、 ヒドロキシスチレンのモル比の関係17)を示すが、 トキシスチレ ンの共重合体と同じような結果が得られている。 - 12 - 4ーアセ /\ 450 PHS 430 さ410 ....t>,... 、 390 F 350 0 100 60 1.5 , 40 ,_Aポ\ V. 20 ,..,\ 判 q》 〈 q, , 0 。即 込fつ 8 Figure . 80 . '\‘ \0 \ 。 Three dimensional diagram for poly(4- acetoxystyrene) with the Tg on the vertical axis. and the water content and degree of hydrolysis of the polymer on the horizontal axes. Point E and F show the Tg values of completely hydrolyzed polymer and original polymer15>. - 13 - '50 430 o m r句 「J )P V4 ( 370 A 350 <; "<0.,. Figure 1.6 J 。 。 ‘% brp o 小 b f G P uo dvM! " ψ一 I Three dimensional dia gram for styrene- hydroxystyrene cop01y mer with Tg on the and vertical axis. weight percent of abs orbed water and mole fraction of hydroxystyrene on the horizonta1 show the styrene)・ Tg axes. Point A and D va1ues of p01ystyre ne and p01Y(4-hydro xyLine AC shows the cri tical water content16 >. 14 - 0.8 (α コO 」m z o ~ ω 一 oε ) O N工 0.6 0-4 0.2 。 。 0.2 0.4 0.6 0.8 HS mole fraction Figure 1. 7 group of Moles of bound water attached to a hydroxyl the copolymers17>. 15 - スチレンとのコポリマーにおける水酸基1個あたり の吸着水量は、 1 . 7に示すように、 図 ヒドロキシスチレンのモル分率の高いものほど大き 水酸基 の少ない共重合体は、 くなっている。 これは、 水分子の拡散、 吸着が行われ難く、 水とP H 疎水性を強く示し、 Sの水酸基どうしの隣接す る確率が低いためと考えられている16) 。 1.1. 2. 3 PHSの赤外および電子スペクトル Sovish1)により報告されているP に 示す。 11 H Sの赤外吸収スペクトルを図1.8 8 25 cm - 1に4位置換ベンゼン面外δCH、 10 10、 70 cm -1にベンゼン面内δCH、 144 5、 16 10 1510、 1 100、 1 5 96/ cm -1にベンゼン環ν C=C、 1 230 と1 3 70 cm - 1にフェノール 性ν COとν OH、 28 00""-' 3000 cm - 1にν CH、 3 100""-' 3 600 (極大3 3 60) cm - 1ν OHの吸収がみられる。 ν OHの吸収帯が幅広いの は水素結合のためであり、 は狭くなり、 高温で測定すれば水素結合は減少して吸収幅 フリー の水酸基に相当する3 525 cm - 1 のピークの極大が 現れる。 Jiangら2 1 )により報告されている電子スペクトルを図1 . 9に示す。 λmaxは 2 7 9 nmである。 あるが、 ごれは P H S内のベンゼン環に基づく 吸収帯で ベンゼン環にアルキル基と助色基である水酸基が置換されたた めベンゼンの256 nmの吸収帯が長波長に移動したものである。 また、 彼らにより報告され ている蛍光スペクトルを図1 . 10に示す。 励起状態は振動構造であり、 スチレ ンと異なり4位置換基の水酸基の存 在により芳香環 は並列にならず、 エキシマーは形成されないと結論して いる。 - 16 - 0.0 と 0.1 てU5コ 0.2 3 E日可 0 三 0.3 0 .4 0.5 1.0 4000 3000 Figure 1.8 2400 2000 1600 1400 1200 1100 Wave number (cm-I) 1000 900 800 Infrared spectrum of poly (4-hYdroxystyrene) - 17 - 700 1) . ω U C O 心 」O ω 心 《 3.5 3_4 3.3 3.2 3.1 0 230250 300 350 400 450 A/nm Figure 1. 9 -styrene) Absorption spectrum of poly(4-hydroxy PHS 1n CH2C12/CH30H - (9 18 - : 1 2 by vol.) 1>. ω 0.5 -・ー" . ._ C コ 360nm 1 1 0- � ___.__ 4・ 10-l.mol/l /l� 340 nm 小 グ 10-l.mol/l 2・ 1山I/t 5・10-5 mol/l ,. 10-5mol/l 5・10-6 mol/l 2,5・10-6mot/l 土0,3 /三 1 一 tf) C Q) s; 0.2 (l) 〉 . 一 ‘-ー' � Q) 0_ - . 1 Cと 。 260 300 350 /.00 450 500 A/nm Figure 1.10 Flu hydroxystyrene) CH2C12!CH30H(9:1 wevelength: ce spectra of poly(4- at different concentrations in by vol.) solution. 256nm21>. - 19 - Excitation 1 . 1 . 2. 4 PHSとPASのガラス転移温度( IIatakeyamaら22)により報告されたP A Tgの分子量依存性を図1 . 1 1 ,こ示す。 S、 い値を 示 している。 PHSおよび単分散PSの PASおよびPHSのいずれも ごれは水酸基による水素結合が 主 鎖の運動を制限し ているためであろう。 さらにNakamuraら1 5 )は、 0 5)の加水分解度を変えるごとにより、 を合成し、 P A g) 同じ分子量の単分散PSよりも高い。 特にP H Sはかなり高 そのTgは、 1 T そのTg変化を研究している。 Sの加水分解度が増加すると、 PAS (M=l. Ox PASとPHSのコポリマー 図1 . 1 2にその結果を示す。 その共重合体のTgも直線的に増加し ていることがわかる。 1 . 1 . 2 . 5 P PHSの工業的応用 HSの4位の水酸基から生じる特有の性質を利用して最近では工業 的応用がかなりなされてきている。 そのなかでもPH Sは、 脂の硬化斉IJとして、 エポキシ樹 従 来の硬化剤では得られない耐熱性と寸法安定性に すぐれた硬化物を与えるとの報告がある23) 。 エポキシ-PHS硬化樹脂 は機械的強度、 接着性、 電気絶縁性、 耐薬品性に優れ、 成形物、 積層板、 最近では特に、 高 度に発達した電子機器関係への高機能性材料としての需要が著しい。 P コーティングなどの形態で種々の分野に用いられる。 H Sのこの特長の原因は、 P H Sがエポキシ樹脂の硬化剤として異例の 大きい分子量をもつためであるといわれている。 このようにP H Sの用途は、 エポキシ樹脂の硬化斉1 J にとどまらず機能 性 高分子素材としての多様性が次第に 認 識され、 クロム代替の金属表面 処理剤や最近では6 4メガビット以降の超L S 1加工のためのフォトレ ジスト材料など用途が拡大してきている21・24-28) 。 ごのようにP H S 20 440 。 400 ご〈 / 〆" " " .,..... -- _., .-- - ・ F ・ 一 一 - ー・圃 ・圃圃・・ / 10 J 10 4 10 んf Figure 1.11 n Effects of mo1ecu1ar weight on Tg of po1y(4-hydroxystyrene) and standard 5 (0), po1y(4-acetoxystyrene) po!ystyrene(一ーー) - 22) . 21 - (6) 470 と 410 h..� 370 3 350 20 40 100 60 Degree of hydrolysis (%) Figure 1.12 Effect of degree of hydrolysis on the Tg of polY(4-acetoxystyrene). Dotted line was calculated from the following relation: l/Tg=Wa/Tga+Wb/Tgb where Tg is the glass transition temperature of the copolymer: Tga and 19b are the glass transition temperatures of the homopolymers a and b: and Wa and Wb are the weight fractions of the constituents15'. - 22 - -圃.. は、 多彩な産業分野の製品に実採用され、 さらに用途と需要を増 しつつある。 1 . 2 オヌ言命�こOJt誇長支 本研究では、 水素結合が支配的であるような高分子一溶媒系の溶解性 および高分子一高分子系の相溶性に関する熱力学的特性について明らか にするため、 分子問相互作用力の異なるP A SとP H Sを選び、 それぞ れの高分子の分子形態および熱力学的性質に対する水素結合能を有する 置換基の効果について検討した。 第1章は、 本論文の序論である。 までの報告を総括する。 主に、 P A SとP H Sの物性に関し、 これ 第2章以下の考察の参考となる実験事実 に ついて取り上げる。 第2章では、 に、 P A SとP H Sの溶媒への溶解性について検討し、 それぞれの溶解度パラメータをいろいろな方法から決定する。 さら 特に、 P H Sのようなフェノール性の水酸基をもっ極性の大きい高分子への溶 解度パラメータの理論の適用性を検討する。 第3章は、 P A Sの希薄溶液物性を明らかにすることを目的とする。 P A Sの極限粘度数と分子量の関係、 非摂動状態における高分子鎖の広 がりに及ぼすアセトキシル基の効果、 P A Sと溶媒の間の相互作用に関 する知見を得る。 第4章では、 P H Sの希薄溶液物性を明らかにするととを目的とする。 非摂 動 状態における高分子鎖の 広がりに関して、 P S誘導体の結果と比 試して水酸基の効果を論ずる。 また、 23 P H Sと溶媒の聞の相互作用に関 する知見を得るとともにPHSー溶媒系の相図についても考察する。 第5章では、 PHSの溶液中における分子形態、を蛍光法と粘度法を用 いて検討する。 PHSが蛍光スペクトルを示すことを明らかにし、 にその温度依存性と極限粘度数の温度依存性からP さら Sの高分子鎖の広 H がりについて考察する。 第6章では、 PAS-PHS系の相溶性について検討する。 ようなフェノール性の水酸基を有する高分子では、 P H Sの 水素結合が相溶性を 支 配すると考えられる。 この相溶性を示す ブ レンド 系での水素結合の役 割について考察する。 第7章では、 本研究で得られた結果をまとめ、 結論とする。 警きさ ヨ考コミこ 南犬 1. R. C. Sovish. 2. M. Kato. 3. F. Danusso. li. 1345(1959). A-1. Sci.. 1. 2405(1969). Chim. Ind.(Milan). 、.5F nu a 'EA 2ム ・ U例 .AU nH Y4 4 m . ,A Lu n・u . 市ム ny qu e Fι pu um um AA Au nM au ‘i +し nu FA r-‘ ρv F←a E. Chem.. P. Ferruti and C. G. Marabelli. Il' nド& Fhd phu ' n『u nu --A qu qδ Hu n『u nu 5. Org. Polym. it s aq a nu 司,e 一 aq 一 Fr 組且τ 立. J. J. 55(1965). J. Moskala. Macromolecules. S. E. Zhu. Slow. S. F. Chen.. Macromolecules. P. C. Painter and M. M. Coleman. 11. 1671(1984). 6. S. H. Goh and K. S. 7. K. J. Howe. Polym. Bu11.. T. Ho. 包. 150(1990). - 24 - E. 日. 453(1987). M. Pearce and T. K. Kwei, 8. P. Lin, T. K. Kwei. ACS div. 9. M. V. de Polym. Prepr. 包 , 173 (1986). Polym. Chem., Meftahi and K. Clash, M. Pearce and E. J. M. J. Fre' chet. Polymer. 29, 477 (1988). 10. M. ACS. 11. M. A. M. Co1eman. Div. Polym. Chem., C. J. Serman. 13. C. T. Chen and 14. 中村邦雄. 15. K. Nakamura. Polymer, P. C. Painter. Polym. Prepr. 452 (1988). P. C. Painter, 包 . 586 (1989). P. C. Painter and Xu, Y. Macromolecules. _g_旦, Lichkus and A. M. M. Co1eman, Macromolecules. 12. Lichkus and M. U. 2015 (1989). H. Morawetz. 畠山立子. Coleman M. M. Macromolecu1es, 包 . 159 (1989). 高分子論文集. 担, 763 (1981). 畠山兵衛. T. Hatakeyama and H. Hatakeyama. U , 473 (1981). 16. 中村邦雄. 畠山立子, 畠山兵衛 , 高分子論文集, 笠. 763 (1981). 17. 中村邦雄. 畠山立子. 畠山兵衛. 高分子論文集. 担. 53 (1982). 18. K. Nakamura. Polymer. li. 361 (1983). 19. K. Nakamura. Polymer. 20. T. T. Hatakeyama. Y. Hatakeyama and C. Jiang, K. Nakamura and Acta. Hatakeyama, J. Lucki. T. Hatakeyama. H. Hatakeyama. 123. 153 (1988). Makromol. Chem. Rapid 22. H. f_生. 871 (1983). Thermochim. 21. T. Hatakeyama and H. Hatakeyama. J. F. Rabek and Commun.. B. Ranby, ?_. 563 (1986) . K. Nakamura and H. Hatakeyama. Fhu qノu U!_. 593 (1978). Po1ymer. 23. 藤原寛 . 高橋震生. 熱硬化性樹脂. 24. A. Gupta. 藤井勤也. Scott. D. App1. Po1ym. Sci. Proc.. 25. S. Yoshida and O. Vog1. Technol. . 27. 松本理. 28. 松本理. 関谷正明. 鈴木健. 1. 14 (1980) . G. W. 26. Y. Okamoto. 中村孝一, K1iger and O. Vogl, 笠. 719 (1982). Makromo1. Chem.. M. Khojasteh and C. J. Hou. 183. 熱硬化性樹脂. 熱硬化性樹脂. �. 36 (1987). U_. 36 (1992). - 26 - 259 (1982). Po1ym. Sci. 11. 111 (1982). 藤原寛. Org. Coatings 気ミ 2 ポリ( 4-アセトキシスチレン)とポリ( 4- 主主 ヒドロキシスチレン)の溶解度パラメータ 2. 1 糸者 三吉 ポリ( 4 ーアセトキシスチレン) (PAS)とポリ( 4ーヒドロキシ スチレン) (P H S )の溶液中における性質を明らかにするため、 では、 まずこれら高分子の溶媒への溶解性について検討し、 本章 さらにそれ ぞれの溶解度パラメータを決定することを目的とした。 溶解度パラメータ(δ)の概念は、 非極性溶媒と非極性溶質からなる 正則溶液を対象に誘導されたものであり、 すため、 液体中の分子間力の強さを表 次式で表されるように単位体積あたりの蒸発エネルギーの平方 根という簡単な定義のもとに、 Hildebrand1>により提案されたものであ る。 δ= (6Ev/V ) 1/2 ここで、 ( 2 6Evは溶媒のモル蒸発エネルギ一、 - 1 ) Vは溶媒のモル体積である。 - 6Evは気体が液体に凝集する際のエネルギ一変化であり、 Vは溶媒の単位体積あたりの凝集エネルギーに相当し、 - 6Ev/ 凝集エネルギー 密度( C E D )と呼ばれている。 一般に高分子を蒸発させるごとができないので、 メータは、 高分子の溶解度パラ 溶媒分子とほぼ同体積の高分子鎖のセグメントiモルあたり の蒸発エネルギーと体積から定義されている。 27 高分子の溶解度パラメー タは、 高分子と溶媒の相互作用の大きさにを示すパラメータであるとと もに、 無定形状態における高分子の分子問力に関する情報を与える高分 子のC E Dとも関係づけられるので重要である。 解度パラメータは、 高分子の可塑化、 接着 剤 、 工業的にも高分子の溶 塗料などの分 野 で重要で ある。 とくに水素結合などいわゆる溶媒和が起こり、 溶解熱が発熱を示す系 への溶解度パラメータの有用性を拡張することは極めて重要であり、 こ れまで多くの検討が行われてきた。 本章では、 アセトキシル基を有するP A Sおよびフェノール性の水酸 基を有する極性の強いP H S について溶解度パラメータをいくつかの実 験的方法と計算法から決定し、 ある。 なお、 ポリスチレン( p S)についても溶解度パラメータを決定 比較検討する。 し、 2 2 . 2 それぞれの方法について検討するもので . 2 . 1 竺妄三 試 恵食 料 4ーアセトキシスチレンは、 を、 丸善石油(株)より提供して頂いたもの 重合禁止期!として o . 0 1 %の1 . 1ージフェニルー2ーピクリルヒ ドラジルを添加して、 分を重合に用いた。 窒素気流中で減圧蒸留し、 6 5 oC / 0 . 1 m m H gの留 1 . 1ージフェニルー2ーピクリルヒドラジル、 重合 開始剤の2 , 2 · ーアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)は2回以上 再結品したものを用いた。 重合および分別用溶媒は一般的精製法にした がい蒸留したものを測定に用いた。 P A SおよびP H Sの溶解テストに 28 は和光純薬工業(株)製、 東京化成工業(株) ナカライテスク(株)製、 製の特級の溶媒を用いた。 2. 2 . 2 PASの重合と分別 4ーアセトキシスチレンから溶媒としてベンゼン、 開始剤としてA 1 Nを用いてラジカル重合法によりP A Sを合成した。 B 、で置換した。 一定時間反応をさせた後、 へ反応物を投入して反応を停止させ、 し、 非溶媒でよく洗浄し、 反応容器内は室 非溶媒であるメタノールの中 沈澱した生成ポリマーを吸引減過 約6 0 OCで減圧乾燥させた。 合して得られたP A Sについて目立(株)製赤外分光光度計E D 1 -2型を用いて1 Rスペクトルを測定した。 測定法には、 ート上にP A Sのクロロホルム溶液を滴下し、 し薄い試料膜を得る方法を用いた。 N a C 1プレ 少し加熱して溶媒を除去 得られたP A Sの1 Rスペクトルは、 Danussoられによって報告されているスペクトルと完全に一致した。 得られたP A Sについて分別沈澱法により低分子量部分を取り除き、 分子量分布幅の狭い試料を作製した。 溶液に、 P A S試料の2ーブタノン1 . 5% 3 0 OCに コントロールした恒温槽中にて、 るメタノールを滴下し、 溶液を白濁させた。 げて白濁した高分子を再溶解させた後、 相に分離させた。 P A Sの非溶媒であ 次いで、 恒温槽の温度を上 徐々に冷却して3 0 OCに保ち2 上部希薄相を容器から取り出し、 残った濃厚相に少量 の2ーブタノンを加えてから大量のメタノール中に投入して沈澱させ、 減過し、 減圧乾燥器にて重量変化が見られなくなるまで乾燥させた。 - 29 - PHSの合成 2. 2. 3 重合して分別したP ASを田中ら3 )の方法を改良して加水分解し、 HSに変換した。 に溶かし、 加水分解は、 PAS(5g)をジオキサン(80 ml) 撹枠しながらゆっくりと0.8モル/ 1のN 、川流中で滴下して行った。 a 0 H水溶液を室 反応物をゆっくりと撹伴しながら、 Hのモル比に比べて過剰のH C 1を含む希塩酸のなかに投入し、 た沈澱物を、 N a 0 得られ 硝酸銀水溶液を用いて塩素イオンが検出されなくなるまで、 水で数回洗浄した。 その後、 減圧乾燥器にて重量変化が見られなくなる まで乾燥させた。 合成したPHSについて、 トルを測定した。 測定試料は、 ドロフラン溶液を滴下し、 1 p Rスペクトルは、 N a C PASと同様に1 Rスペク 1プレート上にPHSのテトラヒ 溶媒を除去して調製した。 得られたPHSの Sovi ぬれによって報告されているス ペクトルと完全 に一致した。 2. 2. 4 溶解テスト PASとP H Sの溶媒への溶解テストを、 った。 それぞれの高分子を2wt%含む溶液または混合物をガラス管に入 れ密封した。 梓し、 Izumiらの方法引を用いて行 それらを氷水中、 室温、 約70-900Cの温水中でよく撹 直視による溶液の透明性で浴解度テストを行った。 それぞれの粘 度平均分子量1.53xI06および1.25xI05のPASとPHS試 料を溶解度テストに用いた。 2. 2.5 粘度測定 粘度測定は、 o ウッベローデ型の毛細管希釈粘度計を用い、 . 0 1 oC に 保たれた恒温水槽中で行った。 30 25 :t すべての溶液と溶媒は測定 前にG 3タイプのガラスフィルターで鴻過した。 し、 初濃度をo . 5 g/dlと 希釈しながら4点から5点の濃度において溶液の粘度を測定した。 全ての粘度のデータは、 HugginsおよびMead-Fuossの式を用いて解析す ることにより極限粘度数[η]を決定した。 運動エネルギーの補正は 無視できた。 2 . 2. 6 沈澱点測定 沈澱点測定は、 SuhとClarkeにより提唱されている方法6 )にしたがっ た。 25:tO. O lOCに コントロールされた恒温水槽中で、 度o 2 g/dlの溶液に、 . 非溶媒をゆっくり添加し、 高分子の濃 その容器のうしろに 固定した銅線が鮮明には見えなくなる点を終点として測定を行った。 非 溶媒には溶解度パラメータの大きいものと小さいもの2種類を用いた。 2. 2. 7 密度測定 PASとP H Sの密度を比重びんを用いて25:t 0 . 0 1 oCに コント ロールした恒温水槽中で測定した。 とメタノールを使用した。 浸漬液としては、 それぞれトルエン 密度測定に用いたPASとP H Sの試料は、 両方ともアセトン溶液から水銀の上で、 ゆっくり溶媒を蒸発させてレン ズ状に調製した。 2 . :3 2 . 3. 1 系 身ミL 溶解テスト 表2. 1と2. 2にPASとP H Sの溶解テストの結果を示す。 - 31 - -・._ Table 2. 1 at o oC (L) Solubility tests for th e PAS-diluent system • room temperature respectively. where symbols of the polymer soluble. and a letter • N' Diluents L R H ‘ + ' , denote respectively, + + 3,6・Dioxa・l-octanol 3,6-Dioxa-l-decanol 3,6・Dioxa・1,8・ octanediol Acetaldehyde Acetone 2・Butanone 3-Methyl-2・butanone _ + + + + 2-Pentanone ..!... 4・Methyl-2・pentanone 3-Pentanone ↓ 2,4-Dimethyl-3・ pentanone 2・Hexanone + 5・Methyl-2・hexanone 2・Heptanone 3・Heptanone 土 + 一+ + + + + + + + + + + 32 - + 一+ + + + + 一± Dichloroacetic acid Ethyl formate Ethyl acetate Propyl acetate Isopropyl acetate 1・Met hylpropyJ acetate 一+ N + + + + + Butyric acid Acrylic acid Methacrylic acid 一+ N + Acetic acid Propionic acid 一+二 + + + 4・Heptanone 2,6-Dimethyl-4・ heptanone 2・Octanone 3-Nonanone Formic acid 2-Buranol + Bis(2・hydroxyethyl) ether 一+ + + + + + + H 一+ + + + + + + + R 一+ +一+ + + L 一+ + + + + + + 一+ + + + + + + + + 2・Methyl・2-propanol l-Butanol 1,2-Propanediol 1,3・Butanediol , 一+ 土 + + 1,1,1・Trichloroethane Tetrachloromethane 1 ,1,2,2・Tetrabromo・ ethane + 1,1,2,2・Tetrachloro ethane + Tetrachloroethylene Pentachloroethane + Methanol Ethanol l-Propanol 2-Propanol 2・Methyl-l-propanol 2・Methyl-2 ・butanol l-Pentanol 2-Pentanol 2・Ethyl-l・hexanol 2-Propen-1-o1 ‘+' Diluents 一+ + + 二 + + + + + + + + + 一N + + N + + + + Dichloromethane 1,1・Dichloroethane 1,2-Dibromoethane 1,2・Dichloroethane Bromoform Chloroform 70-900C (H). diluent frozen at the temperature range Dodecane Bromoethane 1・Bromopropane l-Bromobutane トChlorobutane Bromoethylene and insoluble and swollen. Pentane 1,2・Ethanediol (R) + 一 一 - Table 2. 1 (continued) + + + 一一 Propyl propionate Isopropyl propionate Phenol 3-Met hylphenol Anisole Phenyl acetate Butyl propionate Isobutyl propionate Phenyl propionate Isopentyl propionate Phenetyl aIcohol Hexyl propionate Ethyl dodecanoate Benzyl acetate Ethylamine +++ 一 Dimelhyl sulphoxide + + + +++ 一 Carbon disulphide Benzyl propionate 一N + + Nlethyl methacrylate Benzyl alcohol Elhylened iamine Methyl benzoate Ethyl benzoate Methyl salicylate Benzoyl chloride Aniline 2,2',2" -Nitrilo triethanol Acetophenone N 2・Methylaniline + + + naphthalene acetamide + + + + + + l-Chloronaph thalene Acetonitrile Nitroethane Piperidine +++++ +++++ 2,2-Dimethyl-l,3diox 0 I an-4-metha no I Morpholine + + + 33 - ++ 土 土 + +土 N Ligroin Water 戸し曹 戸し曹・t 凶 1 司4 ‘ . a, u l wt L a u9 』 ・同 且 E ・ E M・ i 同 u t e a a a ct AM 由LW 'Ea p」 戸しv c-- a vd は ay i a 司, ・J ・ ・ ・ ・・・ ・ E a, 4uy 引 リb 刊HP h Uゆ 引 O + + B h PAh + + Diethyl ether 2・Butoxyethanol + + Parallin oil + + 1,5-Pentanediol Glycerol + + Petroleum ether 1,2,4-Trichloro Benzyl chloride + + 1,4-Dioxan +++ +++ 一 1,2-Dichlorobenzene benzene Furfuryl aIcohol Tetra hydrofuran +++ 一 ßromobenzene Chlorobenzene 4・Methylpyridine-N oxide 2・Furaldehyde 1,2-Dimethylbenzene 1,4・Dimethylbenzene 2・Ethylpyridine ++++N Benzene Toluene Elhylbenzene 2-Methylpyridine 3-Methylpyridine pyridine +++ CycIohexanone Pyridine 5・Ethyl・2-methyl + + +一 Cyclohexanol N+++二 一 CycIohexane Methylcyclohexane ++ 一 Nitromethane ++ 一 propiononitrile 一+ + N 3-Hydroxy 1- Bromonaphthalene 一 +++++ formamide N,N-DimetllYト 一+ + + + + + N,N-Dimethylaniline Decahydro H ++++ ++ 一 Formamide N,N -Dimethyl R L +++++++++++++++++ + + Ethyl propionate Diluents H N++++++++++++++++ Methyl propionate R N++++++++++++++++一 L +++ Diluents -- Solubility tests for the PHS-diluent system Table 2.2 at o oC (L) • room temperature(R) and 70-900C (H). respectively. where symbols of the polymer soluble. and a letter ‘N' ‘ ‘ + ' ' .土' denote respectively. insoluble and swollen. diluent frozen at the temperature range Diluents L R H Pentane Hexane Dodecane Bromoethane l-Chlorobulane Dichloromethane 1,1・Dichloroethane 1,2-Dichloroethane N Dibromoethane Chloroform Bromoform 1,1,1・Trichloroethane Tetrachloromethane 1,1,2,2-Tetrachloroethane 1,1,2,2・Tetrabromoethane Tetrachloroethylene l-Butanol 2-Butanol 3-Mel hyl-l-butanol 2-Methyl・2-butanol l-Pentanol 2-Pentanol 2-Ethyl-l-hexanol Allyl alcohol 1,2・Ethanediol 1,3・Butanediol 1,5-Pentanediol Glycerol Diethyl ether 2-Butoxyethanol Bis(2・hydroxylethyl) ether - 34 - 一+ + 2・恥1ethyl・2・propanol + + + + + + + + + + + + + + + + + + 2-Methyl-l-propanol 一+ + l-Propanol 2・Propanol + + + + + + + + + + + + + + + + + + Ethanol 一+ + Methanol + + + + + + + + + + + + + + + + + + Pentachloroethane - Table 2.2 (continued) DiJuents L R PropyJ propionate IsopropyJ propionate ButyJ propionate Isobulyl propionate IsopentyJ propionate Hexyl propionate Dimelhyl suJphoxide + + + + 土土 MethyJ propionate Ethyl propionate H + + + + 土 + 一+ 一+ 一+ 一 +一+ + + + + + 一± + 一+一+ 一+ 一N PentyJ acetate Isopentyl acetate + Formamide EthyJenediamine N,N -Dimel hy Jformamide N,N -DimethyJac�tamide Acetonitrile 3-HydroxylpropiononitriJe 3,6・Dioxa-l-octanol 3,6・Dioxa-l-decanoJ 3,6・Dioxa-l,8-octanediol Acetaldehyde Acetone Butanone 2-Pentanone 3-Pentanone 4・Methyl・2・pentanone 2,4・Dimethylふpentanone 2・Hexanone 5・MethyJ・2・hexanone 2・Heptanone 3-Heptanone 2,6-DimethyJ-4-heptanone 2-0ctanone 3-Nonanone 一 N+ 一 +++++ + + Formic acid Acetic acid Butyric acid Ethyl formate Ethyl acetate Propyl acetate Isopropyl acetate i司Methylpropyl acetate Butyl acetate Isobutyl ace tate - 35 - + + 一 + + + + + + + + + + + + + + + + 一+ + + + ± ++二++一 ++++ +++ 一 + + + + 十 + + + + + + + + + + + 一+ + + + + 一+ 士 + 一 + + + + + + + + + + + + + + + + 一+ + + + +←+ + 一一 + + 一+ + + + + + + Carbon disuJphide Butylamine Triethylamine 圃圃.._ -ー一 Table 2. 2 (continued) Diluents L R H Nitromethane Nitroethane Cyclohexane Methylcyclohexane 一+ + 一+ + 一土 土 + + + + 一+ + + 一+ 土 + ヂ + + + + + 一+ + + N + + + + + + + + 一+ + + + + + + + + + + + 一+ + + + + + + + + + + + Cyclohexanone 一+一+ + + + 一+ + + Cyclohexanol 一+ + N Benzene Toluene Ethylbenzene Cumene Xylene Chlorobenzene Bromobenzene Dichlorobenzene Benzyl chloride 3・Methylphenol Anisole Phenyl acetate Phenyl propionate Benzyl alcohol 2-Phenylethanol Benzyl acetate Benzyl propionate Acetophenone Methyl benzoate Ethyl benzoate Aniline 3,3'-Dimethylbenzidine l-Bromonaphthalene 1,2,3,4・Tetrahydrona phthalene Deca hydronaphthalene Furfuryl alcohol 2・Furaldehyde Tetra hydrofuran 1,4-Dioxane Pyridine 2-Methyl pyridine 3-Methylpyridine 4・Methylpyridine 2-Ethylpyridine 5-Ethyl-2・methy lpyridine Piperidine Morpholine Water - 36 - 圃圃IIIIIIL - 表中のL、 R、 それぞれ氷水中、 Hは、 で 調べた結果を示す。 膨潤を表し、 不溶、 また、 Nは、 室温、 約70-900Cの温水中 表中の 記号の+、 一、 ±は、 それぞれ可溶、 測定中にその温度で溶媒が凝固したごとを表 P A Sはケトン、 エステル、 アミン類、 芳香族化合物やハロゲン化物には可溶であるが、 エーテル、 脂肪族アル している。 コ ール、 これらの結果から、 脂肪族炭化水素には不溶であることがわかった。 は脂肪族のアルコール、 ケトン、 一方、 エステル類に可溶であるが、 P H S 脂肪族炭 化水素や芳香族炭化水素には不溶であることがわかった。 ごれらの結果から、 P A SとP H Sを比較すると、 類やベンゼンについての溶解性は対照的であるが、 通しているのは、 小さな溶媒分子の方が、 脂肪族アルコー ル P A SとP H Sに共 かさばった分子構造の溶媒よ りも溶解する能力が強いことである。 2 . 3. 2 粘度法からの溶解度パラメータ 鎖状高分子をある溶媒に溶かしたとき、 鎖の流体力学的ひろがりは、 溶媒との熱力学的相互作用によって大きく変化する。 この点について、 例えばFloryの理論7 )を基にした極限粘度数と溶媒の溶解度パラメータと の聞の関係式が、 に、 Mangarajられに よって以前から提案されている。 高分子の溶解度パラメータ( 0 2)を同じ値の溶解度パラメータ( δ1 )をもっ溶媒に溶かしたときに、 その高分子の極限粘度数[η]が最 大値をとるというごとが示されてきている。 のo 1、 P H 一般 表2. 3に使用した溶媒とそ モル体積V1および2 5 oCでそれぞれの溶媒で測定したP A Sと Sの極限粘度数[η]を示す。 δ1はHansen9・10)やIzumiら引のデー タを用いた。 37 :..... 司圃-ー Table 2.3 Limiting viscosity numbers of PAS and PHS in various solvents and their solubility parameters for each solvent Solvent V1 01* (ca1/cm3) 1/2 (cm3/mol) [η] P A S (d1/g) P H S Propylene glycol 14. 8 73. 7 3.65 Methanol 14. 3 40.7 3.79 Dimethyl su1foxide 12.9 71.3 0.495 4.89 Dimethylformamide 12.1 77.4 0.580 5.26 Aniline 11.0 91.5 O. 656 2-Butanol 10.9 92.4 5.11 Dioxane 9.87 85.7 O. 558 4.08 Tetrahydrofuran 9.52 98.2 0.466 3.28 Ethyl acetate 9.10 98.5 0.425 2.57 4-Methyl-2-pentanone 8.57 牢Values of 125 δ1 for solvents literat ure5). g) . 0.225 were cited from the 10) 一 38 - --冒- 図2.1と2. 2にP してプロ ットした。 P Sの[η]をそれぞれの溶媒のδ1 に対 A SとP A Sについて約11 (cal/cm3) 1/2、 P H いて約12(cal/cm3) 1/2で愚大値を示している。 くな い ので、 彼らは、 Sにつ 最大値のところが鋭 正確にそれぞれの高分子のδ を決定するため、 2 の方法8 )を用いて解析した。 H Mangarajら [η]とそれぞれの溶解度パラメ ータの聞には次のような関係式が成立するとした: [η] = [η] maxe X p [η] maxの値には、 用いた。 {一V 1(δ1一δ 2) 2} (2 - 2) プロ ットした点に最もよく一致する曲線の極大値を それぞれの溶媒 についてP H SとP A Sの粘度のデータから {V1-1(ln [η] max/ [η]) } 1/2を計算し、 図2.1と2.2に δ1に対してプロ ットした。 プロ ットした点に最もよく合うように直線を引き、 からP A SとP H Sのδ2を、 縦軸がOになる点、 それぞれ11.1(cal/cm3) 1/2と11 . 7 (cal/cm3) 1 /2と決定した。 2. 3. 3 沈澱点法からの溶解度パラメータ Suhらによって提唱されている沈澱点法6 )は、 Flory-Hugginsの高分子 一溶媒の相互作用のパラメータχ1が次の(2 - 3 )式のごとくエンタル ビーの項χhとエントロビーの項χ sに分離できるというごとに基づくも のである。 χ1 一 χh + χB (2 - 3 ) - 39 - 圃._ 司- 1 .0 10 r、a o × F骨・ c:: 0.5 × 。 c:: ,-..0 C � -I�ケ 、ー 。 8 10 12 6 Figure 2.1 δ2 for 14 1 Determination of the solu bility PAS by viscosity 10 parameter method. 10 6 f『e C3 ....・・ × '帝噂 C 戸 × 句 。 212 � C 、--- 仁ご b主 ー|よ 2 Hu -ES 10 12 6 Figure 2.2 δ2 for 1 Determination of the solubility PHS by viscosity 10 method. - 40 - parameter ・ .... 」 冒- χhの寄与は次の(2 - 4 )式のごとく直接δ2に関係づけられている。 χh= (Vt/RT) (δ1一δ2) この方法は、 2 (2 - 4 ) δ1値の異なるいくつかの溶媒に溶かした高分子溶液に 5値の低い非溶媒と高い非溶媒の2つの非溶媒を用いて滴定し、 澱点からÕ2を決定するものである。 希薄高分子溶液では、 おいてχhの値が一定になるとすると、 その沈 その沈澱点に δ値の低い非溶媒を用いた場合と 6値の高い非溶媒を用いた場合の沈澱点でのχhは等しくなるので、 次の 関係式が成立する。 (Vm1/RT) (Õ2-Õml) 2= (Vmh/RT) (δmh一δ2) 2 (2 ごごで、 - 5 ) VmlとÕ m 1はδの値の低い非溶媒を用いた場合の沈澱点におけ る溶媒と非溶媒の混合溶媒のモル体積と溶解度パラメータを表し、 V mh とÕmhはδの値の高い非溶媒を用いた場合の混合溶媒のモル体積と溶解 度パラメータを表す。 Vmとδmの値は次の相加平均に基づく近似式から 出できる。 δm-φ1δ1+φ3δ3 (2 Vm=V1V3/ (φlV3+φ3 V 1 ) 一 ( 2 41 - - - 6 ) 7 ) 圃.._ 可� こごで、 下付き数字の1と3はそれぞれ溶媒と非溶媒であることを示す。 Vはモル体積である。 φは体積分率であり、 (2-5 )式を変形して次 の(2-8)式を得ることができる。 02=(Vm11/2δml+Vmhl/20mh) / (Vm11/2+Vmh1/2) (2-8) P A Sに対しδ3 値の低い非溶媒としてヘキサンを用い、 高い非溶媒とし てメタノールを用いた。 PHSについてはδ3 値の低い非溶媒としてシク ロヘキサンを、 高い非溶媒としては1 2ージクロロベンゼンを用いた。 , PASとPH Sの溶媒としては、 o 1値の異なる溶媒を6種ずつ選ぴ、 れぞれの非溶媒で滴定し沈澱点を決定した。 PHSの測定結果を示す。 表2. 4と2.5にPASと (2-8)式から算出したそれぞれの高分子 の溶媒一非溶媒の混合溶媒における溶解度パラメータo 2' 2 . 5の中に示した。 このプロ ットにおいてバラツキの大きい点を除い 非溶媒の濃度がOになる点すなわちo 2' =δ1=δ2なる 関係が成立する点よりPASとPH Sのδ 2をそれぞれ1 0 cm3 ) 1/2 、 2 . 3 . 4 も表2. 4と 図2. 3と2. 4にPASとPH Sのδど に対する δ1のプロ ットを示す。 て直線を引き、 そ . 7 (cal/ 9 .5(cal/cm3) 1 /2 と決定した。 3次元溶解度パラメータ アルコール、 水、 有機酸などの水素結合形成能を有する液体の特異的 相互作用を溶解度パラメータで記述するため、 分子間相互作用を分散、 極性お よび水素結合の3つの部分に分けて考えるごとがHansenによって 1 )0 Hansenは、 提唱されてい るト 2 Hildebrandの溶解度パラメータを次式 のごとく各分子間力からの寄与の和として表している。 42 :..._ 可・- Table 2.4 Results of turbidimetric measurements for PAS Vt 中3 (cm3mol-') hexane methanol Solvents ð, ð' 2 (cal '/2 cm -=-3 /2) Acetic acid 57.5 0.29 0.38 10.5 10.6 Dioxane 85.7 0.33 0.65 10.0 10.6 Benzene 89.4 0.15 0.51 9.1 10.1 Tetrahydrofuran 98.2 0.25 0.54 9.5 10.3 106.9 0.05 0.50 8.8 10.0 1.2- Dichlorobenzene 113.1 0.26 0.45 10.0 10.4 Toluene Values of δ3 for hexane and methanol are 7.2 and 14. 3. respectively. Table 2.5 Results of turbidimetric measurements for V1 (cm3mol-') Solvents cyclo- 中3 hexane DCBa ð, ð� (cal 1/2 cm "':: 3/2) Acetic acid 57.5 0.28 0.49 10.5 10.0 Dioxane 85.7 0.40 0.74 10.0 9.7 Tetrahydrofuran 98.2 0.35 0.83 9.5 9.5 Ethyl acetate 98.5 0.39 0.75 9.0 9.3 4- Methyl-2-pentanone 125.8 0.40 0.74 Butyl acetale 8.4 8.9 132.5 0.38 0.72 8.5 9.0 Values of δ3 for cyclohexane and are 8.2 and 10. O. PHS 1.2-dichlorobenzene(DCB) respectively. - 43 - 圃・」 可周囲- 11 ー 10 ‘。 9 10 11 : 6 2 Figure 2.3 Determination of the solubility parameter δ2 for PAS by turbidimetric measurements. 10 '闘圃. 色<> 9 9 F 6 2 Figure 2.4 Determination of the solubility δ2 for PHS by turbid imetric measurements. - 44 - 10 parameter 圃・L 可園田- δ2=δd2+δp2+δh2 (2 ここでδは溶解度パラメータで、 ータの分散力、 極性力、 δp、 8 d、 - 9 ) 8hはそれぞれ溶解度パラメ 水素結合力の寄与である。 Hansenは、 の2 つの 軸の2 倍のスケールで三次元図 に表すと、 δd軸を他 ほとんどの高分子の 溶解領域が1つの球の内側にあることを経験的に見いだした。 三次元表 示においてその高分子 に対するすべての溶媒を含む球の中心点が高分子 の溶解度パラメータとして表される。 球の半径Rで特徴づけられる。 また、 高分子の溶解度は、 溶解度 この溶解度球における高分子と溶媒の溶 解度パラメータ間の距離は次式で計算できる。 68={[2 (δ 2d-81d)] 2+ (82p一δ 1p) 2 + (82hーδ1h) 2} 1/2 ここで下付きの2 は高分子、 溶媒であれば、 (2 -10) 1は溶媒を表している。 その液体は高分子を溶かし、 分子を溶かすととができない。 図2 . 5は、 その座標上に溶媒の点が決まり、 そこで 、 かの文献5・9 - 1 3)から引用し、 Aδ>Rならその液体は高 表2 . 1と2 . 2 の溶解テストの結 三次元座標の中にある溶解度球を二次 元座標の円と対応させたものである。 の中におさまりうる。 Aδ<Rの P A SとP H Sの三次元溶解度パラメー タを表す球の中心点を見いだすため、 果を用いて検討した。 もし、 二次元平面に投射した形 にすれば、 その点は溶解度球の投射された形の円 純液体のδ1 d、 81p 、 δ1hの値をいくつ 図2 .6と2 . 7にPASとP H Sについて δ1 dに対するδ1 p、 δ1 dに対するδ1 h、 それぞれ示した。 - 45 - 81 pに対するδ1 hのプロ ットを d且 司- δp R 1:義尚三?id dぷ�mm 、 ,F 、 , aF Òd (X 2) Figure 2.5 Sketch of a typical sphere of - 46 - solubility. 圃-、--- 15 a • '0 a A 12 Figure 2.6 Solubility of PAS in diluents. soluble (0) (・) (a)δlp versus δ1 d : : versus δld: . swollen (C) 0 lh (ム) and insoluble (b)δ1 h versus δ1 p・ - 47 - � 15 b • • • • • • 、 • A £ ‘。 0 0 0 0 0 A 言、が。 rf o 8 � ・ o 10 6 12 d 15 c • • • • • 10ト • • • /ふ�‘<l.... Zこ 旬。 。 5 10 s Figure 2.6 (continued) - 48 - 。 p 、..... lS a 。 • 12 Figure Solubility of 2.1 PHS in diluents. soluble (0) (・) (a)δ1p versus δ1 : versus δ1 d ; . swollen (c)δ1h (ム) and insoluble d : (b)δ1h versus δ1p・ - 49 - 司....- 15 b 。 。 10 d 12 d 15 c 。 。 £ 『コ 5 10 6 Figure 2.1 (continued) - 50 - p 司闘- これらの図において、 円の外側に溶媒が存在する割合を5%以内、 側に非溶媒が存在する割合を5%以内として、 PASとP H Sの溶解領 域の境界を示すそれぞれ円の中心と半径を決定した。 3成分の値を、 らに、 これらの図の円の中心から求め、 得られた3成分の値を(2 - 9 PASとP H Sの 表2 .6に示した。 さ )式に代入してPASとP H Sの 溶解度パラメータをそれぞれ1 0.6(cal/cm3) 1/2 、 cm3) 1/2 と決定し、 内 1 2 . 0 (cal/ さらにRは4 . 0 (cal/cm3) 1/2 と5 . 3 (ca1 / cm3) 1/2 と決 定した。 Izumiら5 )は、 δ2{直とR値の関係について検討し、 なるとRの値も大きくなることを示している。 図2.8にそれぞれの値をプロ ットした。 2 Hansenらの報告値1 )を引用した。 子のR値と同程度の大きさを示し、 ð 2の値が大きく PASとP H Sについて、 他の高分子のδ2値とR値は、 PASもP H Sも他の直鎖状の高分 ð 2値とR値には相関関係があるよ うに思われる。 2. 3.5 計算法からの溶解度パラメータ Smal114)とHoy15)は揮発性物質の蒸発熱と蒸気圧測定より、 種々の官 能基の molar-attraction constant(MA C)をそれぞれ誘導している。 彼らの方法は、 る。 凝集エネルギーが加成性をもっという仮定に基づいてい Smallは高分子の溶解度パラメータを次式で表した。 δ2=ρ2 L F i/ M ここでFiは官能基のMAC、 ρ2は高分子の密度である。 (2 - 1 1 ) Mは高分子の繰り返し単位あたりの分子量、 PASとP H Sの2 5 ocでの密度は、 51 - それぞ -- Table 2.6 Po1ymers Solubi1ity parameters of PAS and PHS Solubi1i ty parameters (cal/cm3) 1/2 δ2d δ2p δ 2h δ2 P A S 8 .7 4. 4 4.1 10. 6 4. 0 P H S 8 . 6 4. 9 6 .7 12.0 5. 3 R 10 。::: 5 8 12 10 6 figure 2.8 16 2 The re1ation between circles denote that of hu --- 。 R PAS and PHS. that of po!ymers and resins reported and δ2 ・ filled and open circles by Hansen12>. qru Fhd 、_....- れ 1 . 2 1 と 1 . 1 5g/cm3であった。 加えねばならない として (2-1 をさらに検討し直し、 .l: F 新たなMAC値を導いた。 Hoyの表からは 1 5 0 4 (cal/cm3) 1/2と なり、 った。 ごれらの値を用いて (2- 1 出し、 それぞれを表2. 7に示した。 v 4 3(cal/ P H Sの 1 2 0 1 (cal/cm3) 1/2とな 1 )式からP A SとP H Sのδ2を算 Fedorsの方法1 6 )を用いてP A SとP H Sのδ 2を算出した。 の方法で は、 L1 それぞれの官能基のM Smallの表からは 1 1 i値は それぞれ9 8 9 (cal/cm3) 1/2、 また、 構造形状を原子団の寄与に 1 )式におけるSma1 1 の官能基のMAC AC表を用いてP A Sの2: F i値は、 cm3) 1/2、 Hoyは、 こ 次式のようにモル体積Vをそれぞれの官能基のモル体積 1の和と考える。 V=2:L1Vl さらに、 (2-12) 蒸発エネルギ-L1 E vについても次式のようにそれぞれの官能基 の蒸発エネルギーの寄与L1 e 1の和と考える。 (2-13) L1EV=2:L1e l 溶解度パラメータδは (2- 1 )式を用いて計算できるので、 (2- 1 2 )式と (2- 13)式を(2-1 )式に代入すると次式より δを計 算するごとができる。 0= (2:L1e l/.l:L1Vl) 1/2 (2- 1 4) 内ぺυ Fhd 、_.....- 各官能基のð eとAνの値は、 Fedorsの報告値を用いて計算した。 PA Sのð E vとVの{直は1 5 1 kcal/molと1 1 9 cm3/mol、 P H Sのð E v . とVの値は1 6 . 8 kcal/molと77 . 5 cm3/molとなった。 これらの値を用 いてP A SとP H Sのδ2を(2-14)式より計算して表2.7に示し た。 2. 4- 粘度法、 ヨ3f 努空E 沈澱点j去、 溶解度法の3つの実験的方法とSmall、 Hoy、 Fedorsの3つの計算法を用いて計算したPASとP H Sの溶解度パラメ ータを表2 .7にまとめた。 メータは、 これらの方法で得られたPASの溶解度パラ Smallの方法からの値を除いてよく一致している。 Smal1の方 法からの計算値は、 他の方法から求めた値よりいくらか小さい。 一方、 P H Sのδ2は 求めた方法によりいくらか異なった値を示している。 に、 沈澱点法からのÓ 2は かなり小さい値を示した。 また、 Fedorsの計算 2 法からP H SのÓ 2の値は14.7(cal/cm3) 1/ となったが、 きすぎる ように思われる。 モル体積が、 とく ごれは大 これ は( 2 - 1 2 )式 から計算したP H Sの 実験値と比べてかなり小さいごと と、 水酸基に対する ð e 1の値がかなり高いごと に起因するもの と思われる。 比較のためP Sのδ2を沈澱点測定法とSmall 、 ら決定し、 Hoy、 Fedorsの計算法か 表2 . 7に示した。 沈澱点測定法では溶解度パラメータの小さ い非溶媒としてn-ヘキサン、 大きい非溶媒としてメタノールを使用した。 この測定から決定したδ2の値は、 Cowie17)やSuhとClarke6)によって報 告されているPSのÓ 2とよく一致している。 - 54 - 表2 . 7に示されるごとく、 -- Table 2.1 from So1ubi1ity parameters of PAS, PHS and PS obtained various methods Po1ymers Viscosity Turbidity Hansen Estimation Sma1114) HOy 15) Fedors16) P A S 11. 1 10. 7 10.6 8.5 11.2 11.2 P H S 11. 7 9.5 12.0 9.5 11.5 14. 7 9.1 10. 3 10. 6 P S 8. 7 牢 *Va1ues cited 8.9 9.1牟 from the 1iterature7), 8) 「町υ FhJV 、-- p sについては3つの実験的方法から決定した値とSmallの値はよく一致 しているが、 Hoyと Fedorsの計 算 法による値はいく ぶ ん大きい。 がら、 P A SとP H Sについては、 った。 無極性高分子について、 しかしな Small の計算法の値はかなり小さくな 実験法によるδ2とSmallの計算法から導 きだした値とがよく一致するが、 極性高分子に対しては、 算法から導きだした値とよく一致するように思われる。 むしろHoyの計 これは、 Hoyが構 造形状を原子団の寄与に加えているためと考えられる。 SuhとClarkeの沈澱点測定による方法は、 てÓ 2の値がかなり影響される。 非溶媒を見つけるのは難しい。 いだせなかったため、 このような系では、 とくに、 極性の高い高分子に極性の高い P H Sに対しても極性の高い非溶媒を見 正確なδ2の値を決定できなかったものと思われる。 混合溶媒が平均として作用しない。 性の強い高分子に対して本方法は、 表2.8に、 使用する溶媒と非溶媒によっ したがって、 極 適当でないと思われる。 Hansen法で得られたδ2およびその3成分のパラメータの 値をHansen10)やIzumiら5 )により報告されている直鎖状の高分子の値と 比較する。 この表からわかるように、 べて非常に大きい値を示している。 P H SのÓ 2の値は他の高分子に比 これはP H S分子のセグメント間に かなり強い相互作用が存在することを示唆する。 の高分子と比べると大きい値を示し、 また、 P A SのÓ 2も他 セグメント聞に比較的強い相互作 用が存在することによると思われる。 Hansenの三次元溶解度パラメータの概念、は、 の性質を明らかにするのに有効である。 このような強い相互作用 表2.8の溶解度パラメータを構 成している3成分のなかの一つである分散力の寄与Ó 2dの値について、 P A SとP H Sの値はほとんど同じで、 さらにP Sやポリ( 4ークロロ スチレン )の値とも同程度の大きさを示している。 56 - ご れは高分子のセグ 、,__.- Table 2.8 Characteristic parameters for polymers Polymer 。2 Rubber 8.2 ð2d ð2p ð2h 8.2 。 。 。 。 。 。 。 3.5 Polyethylene 8.1 8.1 Polyisobutylene 7.7 7.7 Polybutadiene 8.3 8.3 Poly(vinylchloride) 9.6 3.5 Poly(vinylacetate) 9.4 8.2 7.7 4.8 2.5 Poly(methylmethacrylate) 9.3 7.7 4.0 3.3 Poly(propyleneoxide) 7.5 7.0 2.5 1.0 Polystyrene 9.1 9.0 0.5 1.6 Poly(4・chlorostyrene) 9.3 8.6 3.0 2.0 Poly(4-acetoxystyrene) 10.6 8.7 4.4 4.1 Poly(4-hydroxystyrene) 12.0 8.6 4.9 6.7 - 57 - 0.5 、-- メント聞の分散カの効果が、 P S誘導体についてほとんど同じであるこ 次に、 極性力の寄与を表すδ2 pについてみてみる とを示すものである。 と、 天然ゴム、 ポリエチレン、 ポリイソブチレン、 ポリブタジエン、 p Sのように無極性高分子はその構造から考えられるように零もしくは零 P A Sの4 . 4 (cal/cm3) に 近 い値を示している。 (cal/cm3) 1/2という値は、 P ASもP H Sの4. 9 ポリ酢酸ビニルやポリメタクリル酸メチル の値と同程度の大きさを示している。 さらに、 れについては、 1/ 2 、 P H 水素結合の寄与を表すδ Sも大きな値を示した。 P H Sのこの大き 分子内の水酸基の存在から生じる水素結合能に基づくものであ な値は、 ると考えられる。 このP Hatakeyamaら1 ように、 8 H Sの水素結合に関しては、 第1章でも述べた )により水酸基間の水素結合の形成が、 グメント運動を制限しているとの報告がなされている。 PASのo 2 hの大きな値について、 水素結合の寄与がP 主鎖のセ しかしながら、 H Sほど大きく はないが存在することを示唆する。 このことはδ引が比較的大きな値を 示しているポリメタクリル酸メチルやポリ塩化ビニルについても同様で ある。 Hansenの三次元図において、 その中心から次第に境界領域へ向かつて 溶媒はだんだんと貧になっていくことがわかる。 領域には0溶媒が存在することになる。 SとP H したがって、 その境界 得られた図から判断して、 PA Sともにエステル類およびケトン類中に0溶媒が存在している と推測される。 - 58 - 、・・-- 2. 5 来念、 亨舌 PASとP H Sについて、 タを決定することができた。 6種の異なる方法からその溶解度パラメー P A Sについては、 P H Sについては、 よい一致を示した。 算法から決定した値はよく一致したが、 粘度法、 Smallの計算法を除き、 Hansenの方法、 沈澱点法、 Hoyの計 SmallとFedorsの計算 法から求めた値にはバラツキが見られた。 PASとP H Sの他にP Sについても検討したが、 3種の計算法で、 どの方法が最良かを結論づけることは 難 しい。 用いる高分子の極性に応 じて使い分ける必要があるように思われる。 度法もHansenの方法もよく一致したが、 実験的方法については、 粘 P H Sについては沈澱点法を用 いるのは適当でない。 PASとP H Sの溶解度パラメータの値は、 べてかなり大きい値を示した。 しかし、 分けて見てみると、 Hansenの方法を用いて3成分に 分散力の寄与は他の直鎖状の高分子と同程度の値を 示した。 極性力の寄与は、 ともにポリ酢酸ビニルやポリメタクリル酸メ チルと同程度の値を示した。 値を示したのは、 他の直鎖状の高分子に比 他の直鎖状の高分子に比べてかなり大きい 水素結合の寄与である。 て高い値を示した。 また、 とくに、 P H Sのδ2hは極め Hansenの三次元溶解度図から、 P A SとP H ともにエステル類およびケトン類中に0溶媒の存在が示唆された。 溶解度パラメータ理論は、 るので、 分散カに関するLondonの理論に基づいてい 分散相互作用を有する無極性分子系溶液にしか適用できないと 思われていたが、 フェノール性の水酸基を有する極性の大きいP H Sに ついても粘度法やHansenの方法から求めた値はよく一致した。 また、 こ の2つの方法から得られたP A SおよびP Sの溶解度パラメータの値も 59 - 、_.....- 極性高分子の溶解度パラメータを決定 したがって、 よく一致している。 するのに粘度法とHansenの方法は有効であると結論できる。 警きさ 去三子�こ南犬 1. J. H. Hi1debrand and R. . 3rd Edn.. e1ectro1ytes・ 2. F . (Milan) . 3. 田中浩雄, 4. R. 5. Reinho1d. 千手諒一. C. Sovish. W. 1950. Dover. Chim. Ind. 生1. 493(1965). J. 木材学会誌. li. 394(1970). li. 1345(1959). Org. Chem.. �. 647(1972). Y. Izumi and Y. Miyake. Po1ym. J.. 6. K. New York. Narabe11. Ferruti and C. G. Danusso. P. ‘The Solubi1ity of Non Scott. L. Suh and D. H. C1arke. J. Po1ym. Sci.. A-1. 5. 1671(1967). 7. P. J. F1ory. ‘Princip1es of Po1ymer Chemistry' . Corne11 University Press. 8. Mangaraj. S. K. Ithaca. New York. Bhatnagar and S. B. Rath. (1953). Makromo1. Chem. 67. 75(1963). 9. C. M. Hansen. Ind. Eng. Chem. Prod. Res. Deve1op.. 8. 2 (1969). 10. C. M. Hansen. J. Paint Techno1. 39, 104(1967). 11. C. M. Hansen. J. Paint Techno1. 39. 505(1967). 12. C. M. Hansen and K. J. Skaarup, • ' 、‘.za' 司Fe phu n『u 'EA ( --E- .,Ea Fhd - 60 - J. Paint Techno1. 39 • 司-酔 13. Y. W. 14. P. A. Smal1. May, J. 15. K. L. 16. R. F. Fedors. 17. J. M. Hoy, Materials J. J. Cowie. Sci., Appl. Chem., 21. 71 (1953). 3, Paint Technol. 42, Polym. Eng. Sci. R. J. Ranson and 904 (1986) . 76 (1970). 14, W. 147 (1974). Burchard, Br. Polym. J., 187 (1969). 18. T. Hatakeyama, 19, K. Nakamura and 593 (1978). - 61 - H. Hatakeyama, Polymer,