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母と娘の購買行動 黒須研究室

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母と娘の購買行動 黒須研究室
母と娘の購買行動
The purchase behavior of mother and daughter
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科
黒須研究室
黒須誠治教授 内田亨 保市登貴子
渡辺志鶴子 佐藤真知子 森田泰弘
< 目 次 >
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
2003/03/08
本研究テーマの背景
仮説~母と娘の購買行動~
対象データ
統計手法
データ解析結果
仮説の検証まとめ
データの解析を踏まえた提案
今後の課題
黒須研究室
No.2
1.本研究テーマ(1)
今、母と娘の購買行動が注目を浴びている。
Ⅰ.【母娘消費調査】出所; (株)シニアコミュニケーション調査(2001年11月)
母娘揃っての外出は、お互い近くに住んでいれば月に1回以上(約70%)
2003/03/08
黒須研究室
No.3
1.本研究テーマ(2)
出所; (株)シニアコミュニケーション調査(2001年11月)
2003/03/08
黒須研究室
No.4
1.本研究テーマ(3)
Ⅱ.日本経済新聞朝刊2002年8月17日付:
【2番目、3番目の財布】
Ⅲ.日本経済新聞夕刊2002年10月31日付:
【世代ごとのアンテナ(1)消費溌剌(女と
時間と日本経済) 】
Ⅳ.商業界2001年12月連載記事:
【母(マザー)と娘(ドウター)
=M&D消費に対応した商品がビジネス
チャンスを広げる】(長原紀子著)
母娘の購買がデパートの売上げに
与える影響は大きい
2003/03/08
黒須研究室
No.5
2.仮説~母と娘の購買行動が鍵?!~
母と娘が居る家族は、
売上向上に非常に強く結びつく!?
ターゲットは母と娘が
居る家族!
2003/03/08
黒須研究室
No.6
3.仮説に基づく対象データ
母娘
データ
サンプル数
顧客属性(家族稼
動属性あり).csv
枝番を持つ顧客を
抽出
母と娘と思われる顧
客を含むデータ抽出
65,535人
24,164人
1,606人
(サンプル数)
11,368家族
(親番に父親を含めたサンプル数)
599家族
※16歳以上の年齢差を母と娘とみなす。
一般
データ
サンプル数
顧客属性(家族稼
動属性あり).csv
母と娘と思われる顧客を含
む家族を除くデータ抽出
978人
65,535人
(単独、夫婦、子供が男子の家族等)
599家族
—母娘を含む家族の方が、1家族における枝番を持つ数が多い=1家族における人数が多い
—母娘を含む家族の方がカードを持つ確率が高い=買い物に対する意欲が高い?
2003/03/08
黒須研究室
No.7
4.統計手法
1.売上高の高い上位3ヶ月と1月をセレクト
母娘データから売上高の高い月は、12月、11月、7月の3ヶ月
であった。それ以外に常月として1月をセレクトし、計4ヶ月を
分析対象とした。
2.分析の方法
母娘データと一般データから、セレクトされた4ヶ月の単純集
計とクロス集計と回帰分析を実行した。
3.分析の内容
購入金額や点数、件(回)数、購入部門別の比較、滞在時間
と売上高、食堂の利用形態、等
2003/03/08
黒須研究室
No.8
5.データ解析結果(1)
• 母娘データ各月購入金額
\14,000,000
\12,000,000
\10,000,000
総
購
\8,000,000
入
金
\6,000,000
額
\4,000,000
\2,000,000
\0
母娘データ 総購入金額
2003/03/08
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
\9,912,066
\7,120,273
\9,389,532
\8,653,246
\8,832,870
\9,614,937
\10,617,622
\8,017,247
\8,781,687
\10,305,018
\10,915,494
\12,558,146
黒須研究室
No.9
5.データ解析結果(2)
• 母娘データと一般データとの比較(左=母娘 右=一般)
②購入点数1点当りの金額
①1件(回)当りの購入金額
総購入金額÷総購入点数
総購入金額÷総購入件(回)数
\900
\800
\700
\600
\2,500
\500
\400
\300
\200
\2,000
\100
\0
\1,500
1月
7月
11月
12月
母 娘 デー タ 1点 当 りの 購 入 金 額
\702
\839
\809
\740
一 般 デー タ 1点 当 りの 購 入 金 額
\783
\888
\617
\895
③購入件(回)数当りの購入点数
総購入点数÷総購入件(回)数
\1,000
3.00
2.50
\500
2.00
1.50
1.00
\0
1月
7月
11月
12月
母娘データ 1件当りの購入金額
\1,984
\1,930
\2,051
\2,172
一般データ 1件当りの購入金額
\1,794
\2,397
\1,634
\2,156
2003/03/08
0.50
0.00
1月
7月
11月
12月
母娘データ 1点当りの件数(回数)
2.82
2.30
2.53
2.94
一般データ 1点当りの件数(回数)
2.29
2.70
2.65
2.41
黒須研究室
No.10
5.データ解析結果(3)
• 購入部門別購入件(回)数比較
2003/03/08
黒須研究室
No.11
5.データ解析結果(4)
• 母娘データに着目~家族人数と滞在時間と売上げ~
重回帰分析の結果、家族人
数と滞在時間を説明変数とし
た売上高との因果性が低く、
有意な結果が得られなかっ
た。
■滞在時間に関しては、「最
後に購買した時間-最初の
購買時間+30分」で算出し
ている。
2003/03/08
黒須研究室
No.12
5.データ解析結果(5)
• 母娘データに着目~食堂利用方法~
50
40
30
20
10
0
1
2
3
1月
7月
11月
12月
18
13
29
37
9
32
28
6
25
48
16
45
1=最初に食堂を利用している、2=他の買い物の合間に利用している、
3=最後に食堂を利用している
2003/03/08
黒須研究室
No.13
6.解析結果からの結論(1)
以上の解析結果から、我々は、以下の理由で
スライドNo.12に注目した!
●*一般論に反して、滞在時間と売上げ金額への相関が
低い。
一般論例1:電器店では、非購入者の帯店時間は5分6秒
購入者の帯店時間は、9分29秒
一般論例2:玩具店では、非購入者の帯店時間は10分
購入者の帯店時間は、17分以上
店内への滞在時間が長くなれば長くなるほど、売上げが
伸びる
2003/03/08
*パコ・アンダーヒル著(鈴木主税訳)「なぜこの店で買ってしまうのか~ショッピングの科学~」
黒須研究室
No.14
6.解析結果からの結論(2)
何が購買意欲を妨げているのか?
1.母娘から見ると買いたいと思わせる店舗が少ない
2.母娘から見ると買いたいと思わせる商品が少ない
3.母と娘が楽しめる場を提供していない
4.死に筋商品が多い…etc.
2003/03/08
黒須研究室
No.15
7.データ解析の結論を踏まえた提案(1)
鍵は、母娘へのサービス充実!
トレンドボックスモニター調査
【”いっしょ“が楽しいその理由~母娘市場の実態を探る~】によると母娘が
一緒に出かけたときのお得なサービスやプランが無いという結果を得ている。
母と娘で出かけた時に、お得なサービスやプランの利用経験
2003/03/08
黒須研究室
n=132 *自由回答より集計
No.16
7.データ解析の結論を踏まえた提案(2)
<母娘に対する付加価値のあるサービス案>
■食堂の充実!
スライドNo.11によると、母娘データの食堂利用が一
般データより、少ない。母娘や家族が買い物をレ
ジャーという概念で楽しむことができるプランを充実さ
せる。
♦母娘が一緒に食べる豪華ランチ
♦母娘限定のVIPルームでティータイム
■商品購入における母娘への特典!
♦各テナント毎に母娘のどちらかが商品を購入した際
に、購入しなかった方にプレゼントを提供
♦どちらかが商品を購入した際、月毎に替わる「試作
品のお菓子」又は「カフェ券」をプレゼント
2003/03/08
黒須研究室
No.17
7.データ解析の結論を踏まえた提案(3)
■母娘で来店する回数を増やすため、
使用カードにおける付加価値を付ける!
♦母娘が購入するとポイント倍増、又は同伴家族の人
数に合わせてポイント倍増等
(同時に家族が一緒に来ることでポイントが増える等
のメリットを与える)
2003/03/08
黒須研究室
No.18
8.今回の反省点
1.データを取り違えず、きちんとデータ数を把握する。
2.サンプル抽出の際に男女比を考慮する。
3.母と娘の年齢差を16歳だけにせず、世代も考える。
例:60歳と40歳の母娘のパターンと40歳と20歳の母娘パターンの違い
は何かないか?
4.家族人数と滞在時間と売上だけでなく、娘の年齢など
も説明変数に使用し、解析する
5.土日と平日の比較をしたほうが良いのではないか?
6.母娘と一般データを比較しきれなかった点を改善
例:一般データの滞在時間や食堂利用の調査等
7.死に筋商品や売れない商品との関係調査
等
2003/03/08
黒須研究室
No.19
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