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旅立ちの日を前に - 甲府市立上条中学校
上条中学校 校長室通信 H25.3.8 文 責 第22号 数 野 篤 人 “旅立ちの日を前に” 春 ・・・・それは旅立ちの季節。 今年も全国の学校で卒業式が行われ、 多くの若者が自らの未来に向けて、大きな一歩を踏み出して行きます。 中学校の卒業式で歌われる歌として、思い浮かぶのは、 中学校の卒業式で歌われる歌として、思い浮かぶのは、『仰げば尊し』 『仰げば尊し』『蛍の光』 『大地讃頌』 『大地讃頌』『巣立ちの歌』などである。その懐かしいメロディーからは、誰もが持 っている郷愁とともに、若かりし頃の青春の思い出が甦ってきます。 近年では、全国各地の学校で歌われている歌に、 近年では、全国各地の学校で歌われている歌に、『旅立ちの日に』があります。 少年の夢と希望と勇気を乗せたこの歌は、卒業していく生徒達の心に響いています。 ◆物語のはじまりは、小さな中学校でした。そ ◆一面に広がる紺青の海と紺碧の空をバックに飛 して、たった一度きりで終わるはずの歌でした。ぶしらとりを描いたこの作品は、明治40年につ ◆埼玉県秩父市立影森中学校。萌える緑とやわ くられました。真っ白なしらとりを純粋な少年の らかな光に包まれた秩父の山間にあるこの学校 心に置き換えてみると、一人で飛んでいて寂しく に、昭和63年4月、小嶋 登校長先生と音楽 ないのか?どんな想いで飛んでいるのだろうか? 教師の坂本浩美先生が一緒に赴任してきまし 広い世界に旅立つ今、いつまでも染まることなく、 た。この年は、上条中学校が開校した年です。 その心のままに飛んでいてほしい。 当時の影森中学校は、ものすごく荒れていて、 小嶋先生は、牧水の詩に自分自身の青春時代の 服装は乱れ、挨拶はできず、一部の生徒は非行 思い出を重ね、翌日には、坂本先生の机の上に完 に走り、始業式では校歌がほとんど聞こえなか 成した詩を置きました。坂本先生は、その詩を抱 ったといいます。 きかかえるようにして音楽室へ向かいました。 ◆そんな生徒達の姿を見て、歌の力を信じ、学 1991年(平成3年)2月下旬のことでした。 校を建て直そうと小嶋先生は決意しました。 「歌 ◆まもなく迎えた3年生を送る会。舞台に並んだ 声の響く学校を目指そう」を学校教育目標の一 先生方の真ん中で小嶋先生は優しい口調で語りま つに掲げ、校内のいろいろな所にその目標を貼 した。「これまで頑張った皆さんに、この学校に りました。坂本先生は、プレッシャーを感じな しかない歌を贈ります。この歌はきれいなメロデ がらも、こちらを向いてくれない生徒を前に、 ィーでとても覚えやすいので、皆さんもすぐに覚 時にはピアノの椅子に立ち上がって指導しまし えられると思います。」空き時間や放課後を使っ た。悩み苦しんだ日々、先生方のねばり強い姿 て練習した歌です。その歌声は、校長先生の独唱 勢に生徒達の心が次第に動いていきました。そ に始まり、先生方の声が響くと、いつしか生徒の して、少しずつ朝に放課後に、歌声が響き渡る 口ずさむ声が重なり、心が一つになりました。 ようになって、学校に笑顔が戻ってきました。 ◆そして、「旅立ちの日に」がこの世に誕生した ◆3年後、歌声の響く学校を一緒に築き上げた のです。 生徒達の卒業の日が近づいてきました。坂本先 生は、卒業生のために、世界に一つしかない歌 のプレゼントをしたいと考えました。「校長先 生、詩を書いていただけませんか?先生と一緒 に曲を作りたいんです。」この一言が、この歌 の誕生のきっかけとなりました。作詞を依頼さ れた時、学生時代から好きだった若山牧水の一 編の詩が浮かんだそうです。 白鳥は かなしからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ -1- ◆この歌に込められた願いや想いが、メ 「旅立ちの日に」 ロディーとともに全国の子ども達の心に 小嶋 登作詞 響き、いつしか広がっていきました。 坂本浩美作曲 校長室には、今も小嶋先生の思いの書 白い光の中に 山なみは萌えて が飾られているそうです。 遙かな空の果てまでも 君は飛び立つ ◆さて3年生は、どんな「旅立ちの日に」 限りなく青い 空に心ふるわせ を聴かせてくれるのでしょうか。 自由を駆ける鳥よ 振り返ることもせず 「真っすぐな少年の心を 勇気を翼に込めて 希望の風に乗り いつまでも忘れずに・・・・」 この広い大空に 夢を託して♪ ♪ ♪懐かしい友の声 ふとよみがえる 意味もないいさかいに 泣いたあのとき 心かよったうれしさに 抱き合った日よ みんな過ぎたけれど 思い出強く抱いて 勇気を翼に込めて 希望の風に乗り この広い大空に 夢を託して♪ ♪今 別れのとき 飛び立とう未来信じて 弾む若い力信じて この広いこの広い 大空に♪ ←2年生 今年度最後の (3月5日)1年生→ 授業参観・学年PTA総会に ご参加ありがとうございました 1年生は、これまでの中学校生活(成果と課題)を振 り返って、残りわずかとなった日々をクラスみんなで何 に取り組んで、どう過ごしていくのかを学級役員が代表 して発表しました。【写真右】また、一年間の成長をスラ イドでたどり、新入生保護者説明会と3年生に贈る会で 歌った合唱曲を1年生らしく元気いっぱいに歌いました。そして2年生は、4月から最上級生に なるに当たって、進路に関わる学習会を親子で行いました。来年度の主な流れ、今年の高校入試 の特徴や状況、前期試験の内容等々、真剣な態度で聞いていました。『もう、ウカウカしてはいら れないぞ。』と誰もが思ったことでしょう。そして、生徒会本部役員の紹介、若杉学年生徒会長の 挨拶、生活局・学習局・合唱局の代表と、各クラスの代表が成果や課題をそれぞれ発表しました。 最後に、入学式で新入生に披露する『歓喜の歌』を合唱【写真上】し、力強い応援で締めくく りました。今年一年、保護者の皆様のご理解とご協力に深く感謝申し上げます。誠にありがとう ございました。来年度も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。 卒業式の準備・・・着々と! 昨日、公立高校後期試験・定時制の入試が終わり、3年生 は、最後の授業である卒業 式に向けて、今日から本格 的な練習に取り組んでいま す。在校生の1・2年生も、 校舎内外の美化清掃や式場 になる体育館の装飾に力が入ります。昨日の朝早く、学校に来 ると1年生の有志(5人)が中庭にある“文化の泉”を長靴を 履いてデッキブラシで擦って、きれいにしてくれていました。 自主的なボランティア活動に感謝します。本当にありがとう。 -2-