...

仮設工事の創意工夫

by user

on
Category: Documents
14

views

Report

Comments

Transcript

仮設工事の創意工夫
仮設工事の創意工夫
株式会社 鈴恭組
1.はじめに
長谷川 恒治
国道1号磐田バイパスは、東西軸の交通渋滞に対して不足する交通容量を補完し
物流の効率化を図るとともに交通渋滞の解消及び交通安全性の向上・沿道環境の
改善を目的に暫定2車線から完成4車線化を図る拡幅事業。
その中で、中川上橋の耐震補強工事を行うものです。
工事名
平成21年度 1号磐田BP中川上橋下部工事
工期
平成22年2月4日∼平成22年10月28日
工事場所
静岡県磐田市見付地内
発注者
国土交通省 中部地方整備局 浜松河川国道事務所
工事内容
道路土工 1式 橋台工(A1、A2橋台) 1式 RC橋脚工(P1、P2橋脚)1式 護岸基礎工 1式
仮設工 1式
3
.1
NO
4
.5
16
4+
5
側
面
図
S=1:400
38
.1
NO
.
+3
5
02
橋 長 66480
17040
30800
A1
450 350
5.82m 50 m
H=2 = 18.
Dep
6.1
H=2 = 18.28
Dep
5
N値
13
8.80
9.00
18
11 . 2 0
11 . 4 5
3375
2/ 3 2
16
35
50 / 2 6
48
8750
50 / 2 8
50
49
50
39
50
50 / 5
2000
0 10
1:
1.
5
3375
11.885
3500 600
H=17.4
= 12.
Dep
17.500
20
30
40
H.W.L
50
32
N値
0 . 00
16.700
0
10
20
5
1.
11
14.500
16
5
1.
1:
1 . 45
3375
2 . 00
30
40
50
8750
10
2000
2 . 80
12
4
中川
37
8750
E
0
10
20
30
40
50
24.686
13
28
既
N O NO.
1
15°0'
.
G H 13 8
=1
+
6.
2
97 .00
4000
0m
0
10
22
コンクリート巻立て
t=250mm
19
34
41
0 10
20
40
50
11
42
18
36
12.000
30
36
3375
19
11000
17
26.029
1 .0 0
30
50
11
0 .0 0
15
1 . 00
6 . 00
50/2
20
50
12 .9 0
30
50 /3
50
50 /1 1
50 /1 7
7 . 45
44
8750
43
50
50 /6
50
27
50 / 1 5
50 /4
50
5 0 / 22
20
18 . 5 0
000
1:
2)
-3(P
H21B 3m
m
17.500
250
50
20600
0
70
0.
3
B- 6+
既 .13 50 6m
N O 1 6.
=
GH
コンクリート巻立て
t=250mm
750
40
600 3500
5
100
11
6200
7.00
1500
23
30
28800
7/ 3 2
100
20
14000
20
9.45
0 10
300
16 / 3 4
6.47
23.994
新設
5550
1:
1.
8
00
.0
2
15
NO 4+
B- .13 387m
N O 15.
=
GH
新設
23.705
14000
4
3.00
3.50
4000
5
1.
1:
5
8/ 3 2
5
1.
1:
N値
E
E
50
1.
6200
40
1500
30
100 750
20
300
10
2.00
250
0
1.47
5550
0.00
100
25.775 1:
E
24.440
A2
2)
-2(A
H21B 3m
m
2000
H21B
1:
1.
4433
17040
P2
P1
1)
-1(A
4424
350 450
18 .2 8
50 /1 3
37
VCL
5 0 / 12
36
50/7
50
50
1 2 . 32
5 0 / 17
50
50
50
202
190
172
137
50
50
119
049
029
979
967
0%
I=0.35 0
0.00
L=26
P1橋脚
下り線(新設)2期線施工
上り線(改築)1期線施工
9873
498
9750
9000
750
8375
1000
4781
29.029
2.問題点
2.0%
2.0%
▽ 27.809
▽ 27.619
25.885
1362 1000
1300 1000
1226 1000
3250
新設
25.947
5550
2.0%
25.811
当現場は、工期に余裕がない上に施工ヤードが狭く、
同時施工が困難な現場でした。
その中でいかに作業期間を短縮させることが出来ないかを検討した。
2449
2500
1851
17.500
6200
躯体工事からは中々短縮させることは見つけられず、
仮設工事(土留・仮締切工)
を創意工夫して短縮を考えた。
9450
9450
下地処理
ウ ォータージェット
6200
13926
保護コンクリー トはつ り
14062
既設部
300
6800
コンクリート 巻立て
7500
t=250mm
100
2000
2750
250
500
1500
250
1500 750
2750
14.135
11.885
875
100
1750
2250
1750
7500
=施工箇所
875
100
▽ 13.885
平 面 図
8%
8%
30800
10750
498
1000
2
0.
2
0.
0
4.0
3.
0
4.5
7500
5
1.
NO. 137
4.5
9200
9000
7500
750
2
NO. 136
5
0.
1.
2
2
0.
5
1.
A2橋
0
.0
5
0.
1.
2
0.
700
3.
3
0
3.5
4.0
3.
0
3.
4.0
5.5
A
二重締切り
中川
9200
二重締切り
4車 線 化 に伴 う 新 設道 路
3.
4.0
3.
17.2
4.5
4.5
3.
0
0
1.
5
2
2
0.
4.0
0.
8750
5
1.
5
1.
1.
5
P2橋
1000
5.0
1000
1000
1000
10750
P1橋
8750
1000
5.5
700
鋼矢板 IV型
L=11.0m n=25枚
打込長 L=10.5m
10000
19.00
4.0
A1橋
17040
19.00
5.0
A
10800
鋼矢板 IV型
L=10.5m n=27枚
打込長 L=10.0m
橋 長 66480
17040
3.5
3375
矢板天端▽17.50
鋼
矢
板
II
I型
供用済
I型
56
枚
00
打
当
込
打 り
L=
込 2箇 L= 長
6
長
所 9. 0 L=4 .0
m
L= 、 m
.
n
4. 切 n 0m
=
0m 断 =
9枚
1箇 5枚
所
4000
9枚
=
n
0m
6.
2
L=
り
0m I型 当 長
4. II 1枚 打込
L= 板 手
I型 長 鋼矢 継
板
込
II
矢
打
板
矢
鋼
矢板天端▽17.50
3375
仮設鋼矢板の施工方法
3375
4000
3375
As
供用済の桁下の施工は高さ制限の為、継矢板を使用し、WJ併用圧入機
による打設が当初設計でした。
鋼矢板Ⅳ型 L=12.5m 1枚当たり4か所溶接
(2.5m+3.0m+3.0m+3.0m+1.0m)
日当たり打設枚数が、1枚もの鋼矢板L=12.5m 8枚/日
継矢板鋼矢板L=12.5m 2枚/日 ということが、積算基準や協力会社の経験(施工箇所・N値等)からわかった。
現場踏査・事前測量の結果より、桁下からずらして鋼矢板を打込むことが可能なことがわかった。
既設構造物(供用済の道路・桁)の位置についての測量はかなり綿密に行った。
1600
3200
鋼矢板IV型 L=12.5m n=8枚
(桁下部)矢板継手1枚当り4ヶ所
870
10750
圧入長 L=9.2m
800 800
1600
鋼矢板
1200
3375
鋼矢板IV型 L=12.5m n=27枚
(桁下部)矢板継手1枚当り4ヶ所
鋼矢板IV型 L=12.5m n=24枚
打込長 L=9.2m
9500
3000
615
445
4000
1600
3000
NO. 136
4000
2750
1385
鋼矢板IV型 L=16.0m n=24枚
打込長 L=15.5m
15500
4X2000=8000
1500
(桁下部)矢板継手1枚当り4ヶ所
圧入長 L=7.4m
800 800
3375
9875
9875
圧入長 L=9.2m
鋼矢板IV型 L=12.5m n=31枚
打込長 L=7.4m
1200
10750
鋼矢板IV型 L=12.5m n=27枚
(桁下部)矢板継手1枚当り4ヶ所
1600
3375
鋼矢板IV型 L=12.5m n=8枚
3000
4000
鋼矢板IV型 L=12.5m n=24枚
打込長 L=9.2m
壁高らん
250
3375
1000
1600
3000
9500
2750
NO. 136
3101
4000
2750
1000
7500
9500
鋼矢板IV型 L=16.0m n=24枚
打込長 L=15.5m
1000
当初設計
既設高架橋の下に打ち込む為、
高さ制限でバイブロハンマーの使用が出来ない為、
油圧圧入機での継ぎ矢板施工
3000
8750
1600
1000
4X2000=8000
10750
1000
壁高らん
1600
鋼矢板IV型 L=12.5m n=27枚
打込長 L=9.2m
3000
8750
1600
2750
10750
400 1600
変更設計
鋼矢板IV型 L=12.5m n=27枚
打込長 L=9.2m
1000
桁をよけて鋼矢板を打込
む。フーチングと鋼矢板の
最小離隔が445mmなので。
型枠組み立ても狭小ながら
鋼矢板IV型 L=12.5m n=13枚
打込長 L=7.4m
5200
1600
3200
鋼矢板IV型 L=12.5m n=8枚
(桁下部)矢板継手1枚当り4ヶ所
1500
平面図
1600
100
当初設計
1600
970
400 1600
1600
鋼矢板IV型 L=12.5m n=13枚
打込長 L=7.4m
5200
9500
7500
平面図
フーチング
445
着手前
施工状況(鋼矢板打込み 圧入機)
既設壁高欄に
近接して鋼矢
板を打設する
ため、見張り員
を配置し、損傷
させないように
に気を配った。
完成
施工状況
3.施工方法変更の効果
数量
P1橋脚の桁下側鋼矢板の枚数27枚
P2橋脚の桁下側鋼矢板の枚数27枚
作業日数の短縮
P1橋脚 当初14日間→変更4日間
P2橋脚 当初14日間→変更4日間
工事金額の減額
P1橋脚 直接工事費 概算-6.000.000円
P2橋脚 直接工事費 概算-6.000.000円
※減額根拠、鋼矢板を継矢板を止め、1枚ものにすることにより溶接手間を省くことができた。
又、継矢板で使用する矢板は3.0m以下の為、スクラップ扱いになるが、1枚もの(12.5m)
で施工が出来たので、賃料で済んだ。
4.おわりに
今回の工事は、工期に余裕がなくどうしたら作業を短縮できるか、というところから始まり、結果的に
工期内に竣工はできましたが、決して余裕をもって終わることは出来なかった。
もし、仮設工での短縮が出来なければ、工期内に工事を終わることが出来なかった気がします。
今回改めて気が付いたことは、設計が全て正しいではない。ということです。特に仮設工事では、施工者側の
創意工夫を発揮できる箇所ではないかと思います。
今回は、着手前に現場を何回も、本社や協力会社の方々と見て、問題点や施工方法を考えていきました。
その中で思いついた事でした。
些細なことですが、今回のような変更で、大きな作業の短縮・工事金額の減少が出来ました。
これからも、着手前には現場を色々な角度からみることを心がけ現場を行っていきたいと思います。
Fly UP