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No.250タンク浮き蓋沈下原因調査結果
添付資料 №250タンク浮き蓋沈下原因調査結果 2007年 3月30日 新日本石油精製㈱室蘭製油所 原因調査委員会 1.№250タンク概要 (1)№250タンク仕様 タンク型式 : カバードフローティングルーフタンク 容 量 : 23,437KL 浮き蓋型式 : 鋼板製パン型バルクヘッド付 寸 法 : 直径 40.700m×高さ 19.515m 油 種 : ナフサ 第4類第1石油類 設置許可: 1972年3月29日 ブリーザーバルブ ゲージハッチ 空気抜き サンプル取出口 屋根 マンホール×3 シェルベント×28 ガイドポール×2 19,515 デッキマンホール×3 浮き蓋 ゲージハッチ×3 インナーリム プレート アウターリム プレート デッキポ-スト 40,700Φ デッキシール (2)浮き蓋の構造 ポンツーン型 パン型(№250タンク) デッキ 環状の浮き 側板 アウターリム 側板 デッキシール デッキ コンパートメント (全周を26室に仕 切っている) インナーリム バルクヘッド (仕切り) デッキポースト コンパートメント インナーリム 2.No.250タンク概略フロー <水素化分解装置(HDC)> 残油脱硫装置 ナフサ 灯油水素化精製装置 ナフサ GAS GAS スタビライザー 反応油 L-ナフサ CW 分解ナフサ 第1精留塔 GAS H-ナフサ 灯油 軽油 重質軽油 第2精留塔 潤滑油基材 通常、分解 ナフサは、 №250タン クに受入れ ない №250 タンク 海上からのナフサ受入れ 21G-10 運転状態が不安定 7/13~7/23、7/28~8/8 No.250タンクへ送油 <常圧蒸留装置(TOP)> GAS GAS LPG(to N-HDS) LPG+ ナフサ(WSR) 原油 灯油 軽油 重質軽油 精留塔 常圧残油 デブタナイザー 蒸圧蒸留装置ナフサ (WSR) ナフサ水素化精製装置 (N-HDS) 3.これまでの経緯 8月8日(火) ¾事故発見、直ちに室蘭市消防本部へ通報 ¾所内に非常対策本部設置 8月9日(水) ¾タンク内の在槽油抜き出し作業開始 9月1日(金) ¾在槽油抜き出し作業および内部清掃作業終了 ¾所内原因調査委員会設置(延べ27回開催) 9月5日(火) ¾道主催第1回事故調査委員会(∼6日) 12月1日(金) ¾道主催第2回事故調査委員会 3月23日(金) ¾道主催第3回事故調査委員会 4.№250タンク浮き蓋沈下時期の推定 <経緯> ①7月26日(水): 操油Grのサンプリング時に浮き蓋の健全性 を確認 ② 8 月 4 日 ( 金 ) : タンクレベルゲージの急激な液面の低下 (約60mm) ③ 8 月 8 日 ( 火 ) : 浮き蓋の沈下を発見 <近隣の臭気情報> 後日確認した結果、8月4日以降に臭気情報有り 8月4日(金)に浮き蓋の沈下が始まった 5. 浮き蓋沈下の原因 №250タンクの内部浮き蓋の沈下原因 タンクに受入れたナフサに軽質ガスが混入し、これが浮き蓋デッキシール部か ら噴出、浮き蓋上にナフサが滞留し浮力を失った事で沈下に至ったものと推定。 なお、沈下の経緯は以下の通りと推定する。 ステップ1: 受入配管からの軽質ガス流入 ステップ2: デッキシールからの軽質ガス噴き出し ステップ3: 飛沫同伴によるコンパートメント部へのナフサ滞留 ステップ4: コンパートメント部アウターリムが液面下への変形 ステップ5: 浮き蓋の沈下 ステップ1:受入配管からの軽質ガス流入 軽質ガスが流入した期間 ・7月13日∼7月23日 ・7月28日∼8月 8日 流入したガス総量の推定 ・1300㎥ コンパートメント ガイドポール デッキ ステップ2:デッキシール等からの軽質ガス噴き出し 軽質ガス噴き出し箇所 ・分解ナフサ受入ノズル周辺 ガイドポール コンパートメント デッキ 水平移動 ステップ3:飛沫同伴によるコンパートメント部へのナフサ滞留 分解ナフサ滞留箇所 ・受入ノズル直上を中心にしたコンパートメント連続5室+周辺デッキ 飛沫同伴量の推定 0° ・13㎥ Step3 ガイドポール UP サンプリングハッチ M/H M/H 270° 90° 9 鉛直変位により液面高さが アウターリムを越える 1 M/H 380mm 受入ノズル ステップ4:コンパートメント部アウターリムの液面下への変形 ・受入ノズル直上のコンパートメント部の浮力が失われる ・液面高さが連鎖的に隣接するバルクヘッド頂部を越える ・最終的にコンパートメント連続5室の浮力を失う ガイドポール インナーリムを越え デッキへ溢流 デッキ ステップ5:浮き蓋の沈下 ・液面高さがインナーリム頂部を越えてデッキ上に溢流する ・短時間に浮き蓋全体の浮力が失われ、浮き蓋沈下 ガイドポール デッキ 沈下 6.再発防止策 直接原因への対策 ポ イ ン ト 具 体 策 軽質ガスのタンクへの 持込みを回避 軽質ガスを含むナフサのタンクへの持ち込みを回 避するために、タンクを経由せず直接下流装置へ 払い出す配管を設置 浮き蓋型式の変更 より沈下しにくいポンツーン型へ変更 その他の対策 異常現象の早期発見 万一軽質ガスがタンク内部へ持ち込まれた場合に 早期発見できるようガス検知器を設置