...

PDFファイル(全159ページ、14385KB)

by user

on
Category: Documents
799

views

Report

Comments

Transcript

PDFファイル(全159ページ、14385KB)
和歌山工業高等専門学校
平成
年度年報
23
平成23年度年報
平成24年8月
は じ め に
校 長 堀 江 振一郎
昭和37年に高専制度が動き始めて50年、今年平成24年秋には、
高等専門学校制度創設50周年記念式典が予定されています。5年
間一貫教育の「高専」も半世紀を迎えました。
和歌山工業高等専門学校は、創造性のある実践的な技術者を
育成し、地域の発展に貢献することを使命とした高等教育機関
で、制度創設3年目の昭和39年に和歌山県中南部の御坊市に開校
し、50周年まであと2年となっています。
この年報は、例年一貫した方針の下で編集され、本巻では平成
23年4月から翌24年3月までの学校暦1年の間に行った様々な活
動を記録し、取り組んだ改革の歩みを振り返っています。23年度
は、東日本大震災後の1年であるとともに、9月に和歌山県は台風12号による大雨被害に遭うとい
う厳しい年でした。その中で、本校の教育、研究、生活、その他の諸活動が、どのように動いたか、
状況をできるだけ正確にご紹介するよう努めています。ご高覧の上、お気づきの点をご指導いただ
ければ、喜びます。
学校では、これからも教職員一同が力を合わせて、学生の成長と地域の発展のために努力を続け
たいと思いますので、お力添えをここにお願い申し上げます。
平成24年8月 目 次
1 運営
1.1
1.2
2 教務関係
2.1
2.2
2.3
2.4
2.5
2.6
2.7
2.8
2.9
2.10
2.11
2.12
2.13
3 専攻科関係
3.1
3.2
3.3
3.4
3.5
3.6
3.7
3.8
3.9
3.10
4 外部評価関係
4.1
主な活動内容
自己点検結果
1
6
学修単位の実施
履修規則の施行
資格取得による単位認定
キャリア教育
インターンシップ(学外実習)
平成23年度5年生卒業研究
授業改善への取組み
学校行事
入学志願者の確保
入学試験
転科
成績および及落判定
自己点検結果
7
7
8
8
8
13
17
18
20
21
23
23
24
入学試験と入学者の確保
専攻科教育の充実
学修単位の実施
インターンシップ
学会発表
学位申請・技術士補となる資格
平成23年度専攻科2年生特別研究テーマ
平成23年度進路
専攻科棟の有効利用
自己点検結果
25
25
25
26
26
27
27
28
29
29
日本技術者教育認定機構(JABEE)による「地域環境デザイ
ン工学」教育プログラムの審査
自己点検結果
30
30
4.2
5 厚生補導関係
5.1
学生会活動
5.2
クラブ活動
5.3
デザコン、プロコン、英語プレコン
5.4
交通安全
5.5
避難訓練(授業時・クラブ時)
5.6
補導
5.7
修学支援
5.8
進路指導関係
5.9
自己点検結果
6 寮務関係
6.1
概要
6.2
入寮選考
6.3
生活指導
6.4
食事
6.5
学寮生活環境整備改善
6.6
主なイベント等
6.7
寮生会活動
6.8
自己点検結果
7 各施設の活動
7.1
地域共同テクノセンター
7.2
ロボット教育センター
7.3
情報処理教育センター
7.4
図書館
7.5
技術支援室
8 国際交流関係
8.1
外国の大学等との交流協定について
8.2
外国の大学等からの教職員、研究者及び学生等の受入れ
8.3
外国の大学等への教職員及び学生等の派遣
8.4
外国の大学等からの訪問
8.5
外国の大学等への訪問
8.6
本校外国人留学生に係る活動
8.7
外国人留学生相談員
8.8
本校外国人留学生に係る活動
8.9
自己点検結果
9 人権及び健康教育
9.1
人権教育委員会
9.2
学生相談室
9.3
ハラスメント相談室
9.4
安全衛生委員会
9.5
自己点検結果
10 広報活動(情報企画委員会)
10.1
ホームページ
10.2
広報活動
10.3
広報誌
10.4
自己点検結果
11 教員の研究活動
11.1
調査方法
11.2
教員の研究業績
12 学内組織
31
32
36
36
37
38
38
38
39
41
41
42
42
42
43
48
49
51
59
65
67
71
76
77
77
79
80
80
83
83
84
85
86
87
88
88
89
89
90
90
91
94
152
1 運 営
1.1 主な活動内容
1.1.1 地球を救う技術講演会を開催
1月14日(土)、紀 伊 田 辺 シ テ ィ プ ラ ザ ホ テ ル 鳳 凰
ホールを会場に、地球を救う技術講演会を開催した。
この企画は平成23年9月に受けた台風12号の被害調査結
果を中心に、今後の減災方法等を提言するものであり、国
土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所や気象庁和歌
山地方気象台、和歌山県など、23機関の後援を受けて実現
した。当初先着200名の定員としていたが、聴講希望者が
多く、参加申込み263名、当日参加19名となる大盛況ぶり
三岩准教授の講演
であった。
今回は「平成23年台風第12号と大雨」(気象庁和歌山地
方気象台 予報官 笠井将伸氏)、「土砂災害のしくみと減災
に向けて」(本校 林 和幸 助教)、
「橋梁被害とその発生メ
カニズム」
(本校 三岩敬孝 准教授)の三題で講演が行わ
れ、講演ごとに行われた質疑応答の時間では、各講師に日
頃もっている災害への疑問について質問する姿も見られた。
聴講者からは「このような講演があれば、また参加した
熱心に聴講する参加者
い。」
「今回のような地域に根付いた講演をこれからもして
ほしい。」という意見が集まった。
1.1.2 災害復旧ボランティアを派遣
平成23年度は災害とその復旧に明け暮れた年で
あった。前年度末には東日本大震災が発生し、東北
地方をおそった大津波が原子力発電所の事故を引き
起こした。その記憶が生々しい9月には、和歌山県
を台風12号が襲い、近くの日高川町を含む紀中・紀
南地域に大きな洪水被害をもたらし、本校在校生の
中にも自宅が被害を受けた者がでた。
和歌山高専では前期末の定期試験が終了した9月
28日から30日にかけて、日高川町に台風被害被災地
ビニールハウス内に入った土砂の
搬出作業を行う(日高川町にて)
の復旧のために学生・教員からなるボランティアを派遣した。3日間で延べ42名の学生を11名の教
職員が引率して、ビニールハウスの泥出し、屋内外の片付け作業、田畑の泥かき等を手伝った。平
日は災害ボランティアの応募者が少ないらしく、今回の学生達の作業が地元の復旧に大いに役に
立った。
1
1.1.3 上海電機学院から高専機構へ義援金
昨年度に新たな交流協定を結んだ中国上海市の「上海電機学
院」から、東日本大震災で被害を受けた東日本地区の高等専門
学校の関係者への義援金として18万8,000円が贈られた。この
義援金は、両校の交流協定に基づいて3月末に本校から上海電
機学院に出向いていた短期留学生に手渡されたもので上海電機
学院学校学生会生活部長・機械学部2年生の林
君から上海に
短期留学中であった本校学生会長の岸川知里さんに手渡された。
本校では託された義援金を高専機構本部を通じて、東日本の
被災された高専関係者の支援に使うことにしている。
林
君から義援金を受け取る
岸川学生会長(左)
1.1.4 平成23年度西日本地域高等専門学校技術職員特別研修会(物質系)を開催
本校を担当校として、平成23年度独立行政法人国立高等専門学校機構技術職員特別研修会(物質
系)が、豊橋技術科学大学を会場に8月24日(水)から26日(金)まで3日間の日程で開催された。
この研修会は、全国の高専を東西の2地域に分け、国立高等専門学校等の技術職員に対して、分
野別に職務の遂行に必要な高度で専門的な知識を修得させるとともに、資質の向上を図ることを目
的として実施されているものであり、西日本地域では今年度は物質系の分野に携わる技術職員を対
象として開催され、14高専から17名の技術職員の参加があった。
研修では、角田豊橋技術科学大学副学長による「物質系で教
育・研究を遂行するために:環境の変化への対応」、堀江本校
校長による「世界の中で共に生きる力を育てる」と題した特別
講演をはじめ、豊橋技術科学大学環境・生命工学系の水嶋准教
授、岩佐准教授による講義、本校物質工学科の岸本准教授、楠
部准教授による研究報告、豊橋技術科学大学環境・生命工学系
の佐藤助教、原口助教による学内施設見学、技術課題の発表及
特別講演を行う
角田豊橋技術科学大学副学長
び討議並びに花王株式会社豊橋工場の見学が行われた。
技術課題の発表及び討議では、受講生個々の発表に対してお
互いに質疑応答や意見交換が活発に行われるとともに、豊橋技術科学大学教員及び本校教員が助言
者となり、受講生にアドバイス等がなされ、今後の職務を行う上で大変有意義な研修会となった。
1.1.5 IT業界の精鋭が特別講義
6月1日(水)にIT業界で活躍中の(株)ビープラウド社長の佐藤治夫氏と、同じく(株)
ビープラウドのアーキテクト・岡野真也氏(機械工学科OB)
を講師に招いた特別講義を実施し、学生や教職員約30名が聴講
した。この講義は電気情報工学科4年生の「システム設計」の
一環として実施したもので、佐藤氏はIT業界やソフトウエア
開発の概要を分かり易く説明した。また岡野氏は学生時代の様
子を交えながら、これまでの足跡を語り、「ソフトウエア開発
は楽ではないが楽しい。」「勉強は、時間をかければある程度は
できる。」などと、OBならではの話を披露した。
2
講義中の本校OB・岡野氏
講義終了後は、茶菓を食べながらの懇談会に移り、参加した
学生らは、「女性が働き続けられるか?」「フリーでやっていた
際の苦労は?」等とざっくばらんな質問が出されるなど、有意
義な講義と懇談会になった。
1.1.6 『和歌山県工科系Uターン支援システム』を運用
7月8日(金)より和歌山大学システム工学部および近畿大
学生物理工学部と共同で工科系人材のUターン支援システムの
茶菓を食べながらの懇談会
運用を開始した。この事業は平成23年度
の和歌山県の「緊急雇用創出事業臨時特
例基金活用事業」の一環として行われて
いるもので、県外に流出した工科系の人
材の和歌山県へのUターンを促進しよう
とするものである。
この支援システムは、登録していただ
いた和歌山県へのUターンを希望する方、
和歌山県内に就職を希望する方に、県内
の企業情報を掲載したメールマガジンを
定期的に送付するもの。
1年間運用した結果、28名のメールマ
ガジン登録者に県内42社の求人情報を掲
載したメールマガジンを計19回発行でき、
県内企業からはすこぶる好評であった。
1.1.7 国立科学博物館「サイエンススクエア」出展、テレビ取材も
本校・環境都市工学科は、東京・上野の国立科学博物館で開催された「2011夏休みサイエンスス
クエア」に『なぜなぜ地震・液状化』のテーマで企画を出展した。
同イベントは7月26日(火)から8月21日(日)にかけて開
催され、訪れた小中高校生が工作や実験を通して科学に親しむ
機会を持つというものである。本校の『なぜなぜ地震・液状
化』は8月2日(火)から8月4日(木)まで出展され、地震
動表示装置や地震発生メカニズム説明装置を使った説明、液状
化実験によって、来館者に地震への理解を深めてもらった。1
日3回(10:00∼、13:00∼、15:00∼)各12名の募集に対し
液状化実験の様子
て、各回すべてが満員になり、好評であった。
参加者からは「夏休み自由研究のテーマにしたい」との声や、東日本大震災で液状化の被害が
あった浦安市から参加した子供からは「近所のマンホールが浮かび上がった原因が分かりました」
などの声があった。『なぜなぜ地震・液状化』の企画は、サイエンススクエアのイベントの中でも
特に注目され、フジテレビの朝の番組「めざましテレビ」からも取材を受けた。
3
1.1.8 小林栄養士が「未来につなぐ食育プロジェクト」で講演
2月27日(月)、京都市の京都テルサを会場に農林水産省近畿農政局が主催する「近畿地域食育
実践者等の交流会」と「未来につなぐ食育プロジェクト」の成果発表会が開催され、本校学生寮で
長年学生の健康管理に携わってきた小林和美栄養士(寮務係
長)の取り組みが「未来につなぐ食育プロジェクト」発表事例
に選ばれた。この発表会は、近畿管内の各地域で食育活動を推
進している食育実践者や組織の連携強化を進めるための情報交
換の場として農林水産省が実施しているもの。
小林栄養士は自らの取り組みを「先ず健康―強い身体を創
る・強い心を創る―」と題した講演にまとめて、本校の寮生食
小林栄養士の発表
堂における朝食の米食化の試みや料理の選択制の導入を通じた
食育の実践、全国高専の寮食堂で最も安価な食費を維持するための努力等を詳しく説明した。
講演後は「家庭でしておかなければならないと思われる食育を、なぜここまで学寮食堂において
できるのか?」と興味を持った小中学校の校長や企業関係者がポスターブースを多数訪れ、熱心な
意見交換が行われた。
1.1.9 女子学生のキャリアプラン講演会を開催
1月24日(火)、女子学生対象講演会「キャリアプラン
を考える」を大講義室で開催、女子学生38名が参加した。
物質工学科・西本真琴助教の司会で、本校卒業生・山本
加寿代(平成13年物質工学科卒業)と笹野有未さん(同)
が、進学・就職先での体験や、結婚・出産と仕事の両立な
どについて講演した。山本さんは、赤ちゃんを抱いて講演
し、途中赤ちゃんが泣き出すハプニングもあったが、女子
学生に「結婚や出産をしても、仕事を是非続けてほしい。」
本校卒業生・山本さんの講演
と熱く語った。また、笹野さんは「後悔のない選択をするために、社会の中の『自分』を知り、ア
ピールする技術を身につけてほしい。」とアドバイスした。
1.1.10 防災講演会ほか
3月11日、わが国を襲った東日本大震災の悲報に私たちは大きな衝撃
を受けた。地震や津波に関する研究とその成果の公表によって、あるい
は募金活動によって、本校も社会の要請に応えようとしている。一方で、
災害への備えを再度点検することも当然必要とされる課題である。
5月11日(水)、本校大講義室において、周辺学校の教職員の方にも
開放された「津波を中心とした防災講座∼地震∼液状化∼津波」を開催
し、本校環境都市工学科の
原治教授(地震関連)、小池信昭准教授
(津波関連)、林和幸助教(液状化関連)がそれぞれ講演を行った。
8月には津波からの避難を想定し、校長の指示に基づいて、キャンパ
ス内の建物入り口に各地点の海抜を示す表示シールを貼付した。本年度
は津波を想定したクラブ時の避難訓練も新たに行っている。
4
建物入り口に貼付された
海抜を示すシール
また、東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所被害の影響調査のため、文部科学省の
依頼を受けて、4月11日から8月10日まで毎日、8月17日から12月27日まで毎週、校地内の環境都
市工学科棟横の屋外において、空間放射線量の測定を行った。環境都市工学科と事務部総務課によ
り、24時間毎の累積量の報告を続けた。期間内の放射線量にほとんど変化はなく、4月の平均で、
毎時0.0875マイクロシーベルト、12月の平均で毎時0.0878マイクロシーベルトであった。
1.1.11 学生・教職員の活躍
平成23年度も多くの学生・教職員が対外試合等で活躍し、優秀な成績を収めた。以下に活躍状況
を列挙する。
4月には柔道部の籔田大晴君(環境都市工学科1年生)が静岡県藤枝市の静岡県武道館で開催さ
れた平成23年度全日本カデ柔道体重別選手権大会男子55kg級において第3位(ベスト4)に入る
好成績を残した。籔田選手は、1回戦の延長戦を接戦で制し、2回戦では本大会同階級優勝者と対
戦して、惜しくも小差で敗れたものの第3位に入賞する健闘をみせた。
5月には平成23年度和歌山県高等学校総合体育大会(ボクシング競技)で増田誠君(環境都市工
学科2年生)がライトウェルター級に出場して和歌山北高等学校の選手に判定勝ちし、ライトウェ
ルター級の優勝に輝いた。また、フライ級に出場した龍神健太君(環境都市工学科2年生)、バン
タム級に出場した瀬名畑健太君(電気情報工学科2年生)とともに、団体戦で2位に入った。
8月には兵庫県豊岡市の円山川公苑で開催された第12回コン
クリートカヌー大会で環境都市工学科5年生チームが総合3位
に入賞した。大会には高校、大学を含め、15校19艇のカヌーが
出場し、本校からは三岩敬孝准教授の指導のもと、環境都市工
学科の5年生6名と4年生6名がそれぞれ出場した。5年生
チームの製作したカヌーは、製作の部5位、アイデアの部優勝
および競漕の部2位により見事総合3位に入賞し、4年生チー
ムの製作したカヌーも総合8位と健闘した。
また鹿児島工業高等専門学校で開催された「平成23年度全国
3位に入った
コンクリートカヌーチーム
高専教育フォーラム・教育研究活動発表会」で教育研究活動を発表した物質工学科の石丸裕士准教
授が「優秀発表賞」を受賞した。石丸准教授は教育研究分野において「Q−Uによるクラスの状態
把握に基づいた授業プログラムの実践」と題して講演を行い、今回の受賞となった。
11月には環境・福祉ボランティアサークル アメーバ(代表世話人:機械工学科4年 伊藤圭祐)
が、平成23年度和歌山県更生保護功労者顕彰式にて和歌山保護観察所長感謝状を受彰した。これは、
美浜町更生保護女性会(古屋せい会長)が行う薬物乱用防止の啓発活動への協力や和歌山保護観察
所へのクリスマスカードの贈呈などの活動が認められたもの。
また恒例のアイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテ
スト2011全国大会(高等専門学校連合会、NHK、NHKエン
タープライズ主催)では、本校の「ウメトラマン」
(選手は機
械工学科4年 天津悟君(美浜町)
、知能機械工学科3年 宮
口拓己君(日高川町)、同2年 林裕一朗君(上富田町))がベ
スト8に輝いた。「ウメトラマン」は1回戦を9秒のパスで幸
テストランに臨むウメトラマン
先良いスタートを切ったが、準々決勝ではパスが決まらず敗退
5
した。本校からの出場ロボットは最近6年間で準優勝3回、ベストエイト3回と、安定して上位の
実力を発揮している。
2月には電気情報工学科1年木下侑依さんが和歌山市民会館市民ホールにおいて開かれた「わか
やまソフトウエア・CGコンテスト 11」の「CG部門」で、最優秀賞
である和歌山県情報化推進協議会会長賞を受賞した。木下さんは今年の
テーマ部門「大好きニッポン!∼私にできること∼」に作品「小さなこ
とから」で応募し、200点の応募作品の中から最優秀に選ばれた。なお
ソフトウエア部門で機械工学科4年勝田敏耶君と電気情報工学科2年の
田中博峻君が企業賞を受賞した。
3月には物質工学科5年生の塩 恵未さんと谷尾吉祥君が、大阪科学
技術センターで開催された社団法人日本化学会近畿支部主催の第14回工
業高等専門学校生・化学研究発表会で、ともに日本化学会近畿支部支部
長賞を受賞した。この賞は優秀な卒業研究に対して与えられるもので、
塩
さんは研究テーマ「ホルムアルデヒド分解菌のスクリーニング」に
ついて、谷尾君は「非天然型イミノ酸を含むコラーゲンモデルペプチド
電気情報工学科・木下さんの
受賞作
の合成」を発表し、高い評価を受けた。
1.2 自己点検結果
平成23年度は東日本大震災や台風12号の豪雨災害など、自然災害とその復旧に明け暮れた年でも
あった。本校からも学生・教職員がボランティアや募金を通じて災害からの復旧に微力ながら協力
できたものと考える。そのような意味でも目新しい行事や改善は多くなかったが、地域に役立つ事
柄を着実に実行できたものと考える。さらに、特に学生を中心とした活動が活発となり、対外試合
で優秀な成績を残す学生も増加してきている。教育機関として嬉しい限りである。
またUターン支援事業をはじめ、幾つかの地域に密着した事業を実施することができ、
「地域に
密着した学校」、「地域に開かれた学校」の実現に近づくことができた。これからも着実に歩みを進
めていきたい。
6
2 教 務 関 係
2.1 学修単位の実施
高専への学修単位(国際標準単位)の適用開始以来、積極的に導入を進めている。
この学修単位は大学(諸外国を含む)での単位と同じで、外国留学の際にも単位として同等に換
算される。本年度(平成23年度)に本科で導入している学修単位は下表のとおりである。なお、専
攻科ではすべての科目を学修単位として運用している。
平成23年度に実施した学修単位科目一覧
学科(コース)
機械工学科
機械工学科
機械工学科
科 目
専門科目
専門科目
専門科目
区 分
必修科目
選択科目
選択科目
学 年
5
5
5
授業科目
応用数学
流体工学
材料強度学
単位数
2
2
2
電気情報工学科
電気情報工学科
電気情報工学科
電気情報工学科
電気情報工学科
電気情報工学科
電気情報工学科
電気情報工学科
電気情報工学科
電気情報工学科
電気情報工学科
専門科目
専門科目
専門科目
専門科目
専門科目
専門科目
専門科目
専門科目
専門科目
専門科目
専門科目
必修科目
必修科目
選択科目
選択科目
選択科目
選択科目
選択科目
選択科目
選択科目
選択科目
選択科目
4
4
4
4
4
4
5
5
5
5
5
電子工学
電子計測
数値解析
半導体工学
IC応用回路
メカトロニクス
情報科学
電子デバイス
マルチメディア工学
回路網理論
実験計画法
2
2
2
1
1
2
2
1
1
2
1
物質工学科(物質工学コース)
物質工学科(物質工学コース)
物質工学科(生物工学コース)
物質工学科(生物工学コース)
物質工学科
物質工学科
物質工学科
物質工学科
専門科目
専門科目
専門科目
専門科目
専門科目
専門科目
専門科目
専門科目
必修科目
必修科目
必修科目
必修科目
選択科目
選択科目
選択科目
選択科目
5
5
5
5
5
5
5
5
合成化学
反応工学
分子生物学
培養工学
蛋白質工学
機械工学概論
物質工学実用数学
食品工学
2
2
2
2
1
1
1
2
環境都市工学科
環境都市工学科
環境都市工学科
環境都市工学科
環境都市工学科
専門科目
専門科目
専門科目
専門科目
専門科目
必修科目
選択科目
選択科目
選択科目
選択科目
4
4
4
5
5
測量学Ⅳ
都市環境工学
環境計画学
環境地盤工学
計画数理
1
1
1
1
1
2.2 履修規則の施行
単位を落として留年あるいは仮進級となる学生の状況を分析した結果、欠席が多い学生が相当数
いたことから、このような学生に授業に出て勉強時間を確保してもらうため、科目の履修には授業
の3分の2以上の出席を必要とする規則を制定し、平成22年4月から運用を開始した。ただし、病
気等の場合は、成績判定会で審議し、3分の2以上の出席がなくても履修を認定する余地を残した。
この結果、全体の平均欠席時間数は、平成21年度の36時間から昨年度と本年度は共に28時間に減少
し、欠席に対する一定の抑制効果を認めることができた。一方、この期間における留年あるいは仮
進級となる学生数は、116名、113名、150名と不規則な変化を示した。
7
2.3 資格取得による単位認定
専門に関連する資格試験に合格すると単位を認定する制度を平成21年10月から施行した。本制度
は、将来のエンジニアに向けたキャリア教育の推進ということと、学生のうちに自ら勉強するとい
う姿勢をしっかり身につけてほしいということでスタートさせた。資格の認定者数は、平成22年度
が、英語および専門の各資格で、それぞれ21名、15名の合計36名であったのが、本年度はそれぞれ
32名、19名の合計51名(機械工学科13名、電気情報工学科27名、物質工学科9名、環境都市工学科
2名)と増加した。今後も、このような資格取得を目標に頑張ってくれる学生が多数出ることを期
待している。
2.4 キャリア教育
本校では各科の人材養成目的を学則で明文化しており、そのために必要なキャリア教育・職業教
育を実践してきた。特に、キャリア教育についてはさまざまな部署で必要と判断して実施してきた
経緯があるが、学校として体系的に捉え、補完すべき取組みなどを検討する必要があると考え、昨
年度から学年進行に合わせた取組み等を教務委員会で議論してきた。
本年度は、下表に示す学年進行に合わせた取組み方針に基づき、各学科の事情に合わせて、3学
年以下では主に研修や工場見学、4学年以上ではインターンシップ、研修旅行、企業実践講座、お
よび卒業研究の取り組み等が行われた。
学年
項 目
内 容
勉強に対する意欲、技術者となるための意欲が自分にどれくらいあるのか。また、どのよう
1年 自己分析
な技術者が自分に向いているのかについて自己分析を行う。
(自己理解・自己管理能力、人間関係形成)
各専門教員との校外活動を開催することにより目上の人に対するコミュニケーション能力の
向上を図るとともに、卒業までに何をし、卒業後どのような職種に就きたいのかについてア
2年 将来設計
バウトな将来設計を構築し実践する。
(人間関係形成・社会形成能力、キャリアプランニング能力)
各種コンテストへの参加により、ものづくりを通した製品開発の難しさを学習するとともに
ものづくりの実践と 開発チームの一員としてコミュニケーション能力の向上を図る。さらに、就職、進学等、将
3年
将来設計
来自分の進むべき進路について決定する。
(課題対応能力、キャリアプランニング能力)
インターンシップを通して、将来、自分が進むべき職種について確認するとともに、就職活
動に向けたビジネス基礎講座を開設する。また、研修旅行を通して異文化交流を行い、幅広
4年 就業体験
く見聞を深める。
(人間関係形成・社会形成能力)
プレゼンテーション 学会発表や卒研発表を通して、プレゼンテーション能力の強化を図る。また、社会人として
5年 能力の強化とビジネ のビジネスマナーの習得を図る。
スマナーの修得
(課題対応能力、社会形成能力)
2.5 インターンシップ(学外実習)
将来、技術者として活躍する学生にとって、在学中に企業等で就業体験を積んでおくことは貴重
な経験になる。そのため、インターンシップを科目の一つとして位置付け、専門工学の知識や能力、
および工学技術者が経験する実務上の問題点と課題を理解し、適切に対応できる基礎的な能力を養
成するために開設している。本年度も第4学年のほぼ全員の146名がインターンシップに参加した。
インターンシップ期間中は、本校教員が受け入れ先を訪問し、実習生の様子を伺うと共に、本校の
学生教育に対する意見等を伺っている。企業等との情報交換を通じて、より優れた技術者教育の実
現に繋げていければと考えている。以下に本年度の学外実習先一覧を示す。
8
機械工学科
氏 名
実 習 先
期 間
秋山 宗之
ヴィストン㈱
明楽 大輝
桝谷精工㈱
7月25日㈪∼7月28日㈭
天津 悟
大阪大学工学部/大学院工学研究科
8月4日㈭∼8月9日㈫
伊藤 圭祐
ダイソー㈱
8月22日㈪∼8月26日㈮
上田 昌雄
三菱電機㈱冷熱システム製作所
8月1日㈪∼8月5日㈮
上野 悠貴
ダイセル化学工業㈱
8月22日㈪∼8月26日㈮
岡本 慎
旭化成㈱
8月1日㈪∼8月5日㈮
落合 太朗
住金マネジメント㈱和歌山事業所
8月1日㈪∼8月5日㈮
亀田 昌冶
豊橋技術科学大学
7月25日㈪∼7月29日㈮
川島 達也
豊橋技術科学大学
7月25日㈪∼7月29日㈮
久保 亘
桝谷精工㈱
7月25日㈪∼7月28日㈭
桑原 一樹
中部電力㈱
8月7日㈰∼8月12日㈮
境 祐史
花王㈱和歌山工場
7月25日㈪∼8月4日㈭
下村 尚史
パナソニック㈱ホームアプライアンス社
8月22日㈪∼8月26日㈮
白井 隼太
綜合警備保障㈱
8月22日㈪∼8月26日㈮
田中 昭伍
塩野義製薬㈱摂津工場
8月22日㈪∼8月26日㈮
田中 宏育
オカジ紙業㈱
8月22日㈪∼8月25日㈭
鎭西 雄太
㈱万陽
8月22日㈪∼8月26日㈮
津木 翼
㈱LIXIL上野事業所
7月25日㈪∼8月4日㈭
田 瞭
8月1日㈪∼8月5日㈮
㈱栗本鐵工所
7月25日㈪∼7月29日㈮
出羽 祐貴
福原ニードル㈱
7月25日㈪∼7月29日㈮
長尾 宗
電源開発㈱
8月22日㈪∼8月26日㈮
中本 涼太
関西電力㈱御坊発電所
8月9日㈫∼8月12日㈮
西井 雄哉
花王㈱和歌山工場
7月25日㈪∼8月4日㈭
畑 絢斗
東燃ゼネラル石油㈱
7月26日㈫∼8月5日㈮
濱 知晃
関西電力㈱和歌山支店
8月8日㈪∼8月11日㈭
藤井 和樹
住友金属物流㈱
8月8日㈪∼8月12日㈮
船津 大海
山梨大学工学部
8月1日㈪∼8月5日㈮
古川 景喜
東燃ゼネラル石油㈱
8月16日㈫∼8月26日㈮
堀井 基弘
豊橋技術科学大学
7月25日㈪∼7月29日㈮
松室 圭亮
㈱スーパーツール
7月25日㈪∼7月29日㈮
御前 僚介
関西グリコ㈱
8月23日㈫∼8月26日㈮
道浦 寿基
大阪ガス㈱
7月20日㈬∼7月28日㈭
宮本 翔平
花王㈱和歌山工場
7月25日㈪∼7月29日㈮
宮本 力
日建産業㈱
8月22日㈪∼8月26日㈮
安川 和輝
㈱カワタ
8月22日㈪∼8月26日㈮
山本 翔
住金マネジメント㈱和歌山事業所
8月1日㈪∼8月5日㈮
山本 貴哉
㈱島精機製作所
8月22日㈪∼8月31日㈬
李 賢紀
三菱電機ビルテクノサービス㈱
8月1日㈪∼8月6日㈯
9
電気情報工学科
氏 名
実 習 先
期 間
淺井 嵩純
太洋工業㈱
8月18日㈭∼8月31日㈬
池本 光良
関西電力㈱和歌山支店
8月8日㈪∼8月11日㈭
上東 佑一
関西電力㈱和歌山支店
8月8日㈪∼8月11日㈭
上山 祐平
関西電力㈱和歌山支店
8月8日㈪∼8月11日㈭
加藤 泰敬
南海電気鉄道㈱
8月2日㈫∼8月5日㈮
金丸 渉
㈱カワタ
8月22日㈪∼8月26日㈮
川原 安晴
奈良先端科学技術大学院大学
8月1日㈪∼8月5日㈮
岸 飛翔
関西電力㈱和歌山支店
8月8日㈪∼8月11日㈭
岸川 知里
三菱電機㈱冷熱システム製作所
8月1日㈪∼8月5日㈮
北野 雅之
湯浅町
8月1日㈪∼8月5日㈮
木下 拓也
㈱エスアールアイ
8月22日㈪∼8月26日㈮
木村 賢二
特定非営利活動法人和歌山IT教育機構
8月5日㈮∼8月10日㈬
清水 仁成
㈱エスアールアイ
8月22日㈪∼8月26日㈮
丈六 一真
三菱電機㈱冷熱システム製作所
8月1日㈪∼8月5日㈮
髙垣 翔平
千代田インテグレ㈱大阪支店
8月22日㈪∼8月26日㈮
武田 侑也
和歌山県立紀南図書館
8月24日㈬∼8月28日㈰
竹林 瑞基
関西電力㈱御坊発電所
8月9日㈫∼8月12日㈮
竹村 瑞生
住友金属物流㈱
8月5日㈮∼8月11日㈭
谷 剛志
南海電気鉄道㈱
8月2日㈫∼8月5日㈮
瑞樹 永祐
日新電機㈱
8月22日㈪∼8月26日㈮
玉置 真哉
全日空空輸㈱
8月22日㈪∼8月26日㈮
中本 祥太
中部電力㈱
8月7日㈰∼8月12日㈮
中家 祥博
ダイキン工業㈱
8月1日㈪∼8月12日㈮
西山 航平
㈱島精機製作所
8月22日㈪∼8月31日㈬
林 亮太
特定非営利活動法人和歌山IT教育機構
8月5日㈮∼8月10日㈬
平田 真由
千代田インテグレ㈱大阪支店
8月22日㈪∼8月26日㈮
藤原 尚樹
日本アイビーエム㈱
8月22日㈪∼8月26日㈮
前嶋奈々子
コーンズドッドウェル㈱
8月22日㈪∼8月26日㈮
水井 裕一
京セラ㈱ 滋賀蒲生工場
8月1日㈪∼8月5日㈮
宮口 知也
大洋化学㈱
8月22日㈪∼8月26日㈮
村上 侑斗
㈱カワタ
8月22日㈪∼8月26日㈮
湯川 翔平
㈱第一電工
8月1日㈪∼8月4日㈭
10
物質工学科
氏 名
実 習 先
期 間
青田 晃英
第一工業製薬㈱
8月23日㈫∼8月26日㈮
石田 翔大
中野BC㈱
7月21日㈭∼7月31日㈰
石谷 将大
大阪ガス㈱
7月20日㈬∼7月28日㈭
永廣 香奈
剤盛堂薬品㈱
8月1日㈪∼8月5日㈮
岡部 翔太
長岡技術科学大学
7月25日㈪∼7月29日㈮
岡本 廉
住友化学㈱
8月22日㈪∼8月26日㈮
垣内 崇宏
湯浅醤油㈲
7月21日㈭∼7月31日㈰
柿本 恭宏
豊橋技術科学大学
7月25日㈪∼7月29日㈮
川本 恭平
ミナベ化工㈱
7月21日㈭∼7月29日㈮
切目 有紀
センカ㈱
8月22日㈪∼8月26日㈮
酒井 祐輝
花王㈱和歌山工場
7月25日㈪∼8月4日㈭
大洋化学㈱
7月26日㈫∼7月30日㈯
佐々木 希
豊橋技術科学大学
7月25日㈪∼7月29日㈮
庄堂 竣
田岡化学工業㈱
7月25日㈪∼7月29日㈮
神保 好城
スガイ化学工業㈱
8月4日㈭∼8月12日㈮
杉谷 健太
中外製薬工業㈱
8月22日㈪∼8月26日㈮
炭家 俵太
共栄樹脂㈱
7月25日㈪∼7月29日㈮
田口 輝斗
日本アイビーエム㈱
8月22日㈪∼8月26日㈮
玉置 瑞基
豊橋技術科学大学
7月25日㈪∼7月29日㈮
德保 秀彰
日本製薬㈱大阪工場
7月29日㈮∼8月5日㈮
永井 千尋
DIC㈱
7月25日㈪∼8月5日㈮
中川 実宣
和歌山県農林水産総合技術センター果樹試験場うめ研究所
8月22日㈪∼8月26日㈮
西 祐次
武田薬品工業㈱
7月28日㈭∼8月3日㈬
野村 紗希
徳島大学工学部
7月25日㈪∼7月29日㈮
浜中 椋平
小西化学工業㈱
8月1日㈪∼8月5日㈮
原田 悠希
日本たばこ産業㈱関西工場
8月22日㈪∼8月26日㈮
東中屋 敦
三洋化成工業㈱
8月1日㈪∼8月5日㈮
古山 祐
塩野義製薬㈱摂津工場
8月22日㈪∼8月26日㈮
松下 力
㈱日本触媒
7月25日㈪∼8月5日㈮
南出 成梧
和歌山県農林水産総合技術センター農業試験場
8月22日㈪∼8月30日㈫
向井 健人
北広ケミカル㈱
8月22日㈪∼8月26日㈮
森 千尋
東洋水産㈱
8月8日㈪∼8月12日㈮
森畑 裕基
サカタインクス㈱
7月25日㈪∼7月29日㈮
山本 早紀
㈱資生堂大阪工場
7月26日㈫∼8月3日㈬
吉原 圭亮
出光興産㈱愛知製油所
8月1日㈪∼8月5日㈮
立瀬 大暉
本州化学工業㈱和歌山工場
8月23日㈫∼8月31日㈬
和田口直弥
東洋水産㈱
7月25日㈪∼8月5日㈮
山 智伊
11
環境都市工学科
氏 名
実 習 先
期 間
石井 寿典
南海電気鉄道㈱
8月2日㈫∼8月5日㈮
井渓竜太郎
㈱白浜試錐
8月18日㈭∼8月26日㈮
伊藤 弘晃
御坊市
8月8日㈪∼8月12日㈮
岩 貴哉
和歌山県東牟婁振興局建設部
8月1日㈪∼8月5日㈮
岩本 和士
西日本高速道路㈱
8月22日㈪∼8月26日㈮
上西 拓郎
和歌山県有田振興局建設部
8月22日㈪∼8月26日㈮
宇治田光輝
和歌山市まちづくり局都市計画部
8月17日㈬∼8月30日㈫
宇和 宏規
高田機工㈱和歌山工場
8月8日㈪∼8月12日㈮
岡 卓也
和歌山県日高振興局建設部
8月1日㈪∼8月5日㈮
柿木 庸平
㈱駒井ハルテック和歌山工場
7月25日㈪∼7月29日㈮
勝山 元揮
和歌山市建設局基盤整備部・住宅部
8月17日㈬∼8月30日㈫
川口 充洋
南海電気鉄道㈱
8月2日㈫∼8月5日㈮
川口 拓真
和歌山県那賀振興局建設部
7月25日㈪∼7月29日㈮
喜多 亮介
高田機工㈱和歌山工場
8月8日㈪∼8月12日㈮
桑原 佑季
田辺市
7月25日㈪∼7月29日㈮
小阪 佳平
関西電力㈱御坊発電所
8月9日㈫∼8月12日㈮
小谷 桂子
メタウォーター㈱
7月25日㈪∼8月5日㈮
坂口 雅也
東燃ゼネラル石油㈱
7月26日㈫∼8月5日㈮
坂本 成輝
和歌山県日高振興局建設部
8月1日㈪∼8月5日㈮
阪本 眞文
和歌山県伊都振興局建設部
8月8日㈪∼8月12日㈮
鈴木 樂夫
田辺市
7月25日㈪∼7月29日㈮
寒川 大輔
御坊市
8月1日㈪∼8月5日㈮
髙澤 大真
和歌山県有田振興局建設部
8月22日㈪∼8月26日㈮
千葉 那央
和歌山県海草振興局建設部
7月25日㈪∼7月29日㈮
中川 達貴
㈱エステック
8月22日㈪∼8月26日㈮
中谷 優一
㈱小池組
7月26日㈫∼7月29日㈮
野久保裕己
和歌山市建設局基盤整備部・住宅部
8月17日㈬∼8月30日㈫
野尻 貴文
田辺市
7月25日㈪∼7月29日㈮
野田 拓史
大阪ガス㈱
7月20日㈬∼7月28日㈭
松本なつみ
和歌山県西牟婁振興局建設部
7月25日㈪∼7月29日㈮
森 一也
国土交通省近畿地方整備局
8月22日㈪∼8月26日㈮
森 由紀子
紀の国住宅㈱
8月22日㈪∼8月28日㈰
矢田 翔真
豊橋軌道工業㈱
7月26日㈫∼7月29日㈮
山本 昻祐
㈱環境地盤
7月25日㈪∼7月29日㈮
山本 大道
南海電気鉄道㈱
8月2日㈫∼8月5日㈮
山本 有祐
豊橋軌道工業㈱
7月26日㈫∼7月29日㈮
結城 弘晃
豊橋軌道工業㈱
7月26日㈫∼7月29日㈮
米地 昭洋
和歌山県東牟婁振興局建設部
8月1日㈪∼8月5日㈮
12
2.6 平成23年度5年生卒業研究
2月8日(水)、卒業研究発表会を学科ごとに開催した。さらに、各学科ごとに優れた研究テー
マ4件を選定し、2月29日(水)に4学科合同卒業研究発表会を開催した。各学科1テーマの最優
秀賞が選出され、卒業式の日に特別賞が授与された。下表に、本年度の卒業研究テーマ一覧を示す。
機械工学科
学生氏名
卒業研究テーマ
指導教員
岩田 有哉
CAD・CAMシステムを用いた実験・実習教育方法の提案
西本
岩本 大輝
小型水力発電装置の開発
坂田
川村 仁知
非線形計画法を用いたロボットの最適制御
山東
木村 光希
アトマイズ法による粉末製造実験
福田
坂井 郁也
松葉杖歩行の簡易計測法の提案
津田
崎山 慎悟
最適化手法を用いたエクステリアデザイン(2)
山東
清水 康伸
円筒の圧壊
藤原
新谷 幸平
二輪駆動バイクの製作
三原
進藤 健太
高専ロボコン用ロボットの開発
佐野
杉本 圭爵
高専ロボコン用ロボットの開発
佐野
鈴木 智仁
リンク機構を用いた高揚力装置の製作
北澤
多田 喜進
アトマイズ法による粉末製造実験
福田
多田 洋光
MQL加工における冷却対策
三原
玉井 至
アトマイズ法による粉末製造実験
福田
出合 正樹
高専ロボコン用ロボットの開発
佐野
鳥居 佑貴
拭き残しの少ないワイパーの試作
北澤
中川 直哉
スラリー流量計の作成
福田
中島吉太郎
小型風力発電装置の開発
坂田
成田 昌史
筆記動作の教示のための振動触覚提示
津田
西川 洸平
最適化手法を用いたエクステリアデザイン(1)
山東
西野 康平
高専ロボコン用ロボットの開発
佐野
野田 良介
柱の座屈強度
藤原
野水 将哲
円筒の圧壊特性
藤原
硲 隆宣
Al-Mg-Si合金の粗大結晶の作製および機械的性質の調査
樫原
長谷 佳明
MQL加工における冷却対策
三原
広畑 拓也
人の指と同等の可動範囲を有するマニピュレータの製作
北澤
藤井 皓介
松葉杖歩行の簡易計測法の提案
津田
的場 信人
最適化手法を用いたエクステリアデザイン(1)
山東
丸山 直人
柱の座屈強度
藤原
道下 寛也
二輪駆動バイクの製作
三原
宮脇 常二
最適化手法を用いたエクステリアデザイン(2)
山東
森下 侑三
小型水力発電装置の開発
坂田
山上 遼子
リンク機構を用いた高揚力装置の製作
北澤
山本 将起
CAD・CAMシステムを用いた実験・実習教育方法の提案
西本
山本 芳輝
拭き残しの少ないワイパーの試作
北澤
弓倉 和真
小型風力発電装置の開発
坂田
高専ロボコン用ロボットの開発
佐野
ジェジェ
シャフィ
MQL加工における冷却対策
三原
許 豪
高専ロボコン用ロボットの開発
佐野
13
電気情報工学科
学生氏名
卒業研究テーマ
指導教員
青木 祐弥
振動片方式粘度計の測定精度向上に関する研究
徳田
井谷 浩紀
Cu2ZnSn(S,Se)4系薄膜太陽電池の作製に関する研究
山口
上田 圭祐
風力発電設備への雷撃を工学的に観測するシステム
山吹
上田 祥平
避難所運営支援システムの改良
永廣 一鷹
大気圧プラズマ発生装置の製作とその応用基礎研究
竹下
片山 稜太
洋上風力発電設備の連接ケーブルにおけるサージ伝搬特性の研究
山吹
加藤祐士郎
半導体ガスセンサの表面反応とモデル化
藤本
金本 良彦
Cu2ZnSn(S,Se)4系薄膜太陽電池の作製に関する研究
山口
川崎 紘祐
日本語数式文書処理ソフトウェアに関する研究
渡邊
岸田 太貴
DPH(電磁誘導加熱)の電気分野への適用に関する研究
徳田
北山 利義
可視光通信を用いた車輪型ロボットによる移動制御に関する研究
岡本
草分 裕也
Kinectを用いた知育ソフトウェアの開発
村田
坂下 陽亮
スパッタ法によるCrO膜の作製と評価に関する研究
佐谷 敬吾
振動片方式粘度計の測定精度向上に関する研究
塩見 洋之
ゾルゲルNiO薄膜の抵抗スイッチング膜厚依存性評価に関する研究
佐久間
杉山 竜巳
エリプソメトリーとFTIRによるNiO薄膜の評価に関する研究
佐久間
高橋 健太
新規Ⅲ-Ⅴ族三元混晶半導体のバンドギャップエネルギーに関する研究
直井
竹中 惇人
DPH(電磁誘導加熱)の電気分野への適用に関する研究
徳田
武野 聖也
振動片方式粘度計の測定精度向上に関する研究
徳田
谷口 陽祐
食品の消臭に関する研究
藤本
中井 脩介
Cu(In,Ga)Se2系薄膜太陽電池の作製に関する研究
山口
中山 雄太
半導体ガスセンサによる飲料製造プロセスの制御
藤本
西本 卓生
可視光通信を用いた車輪型ロボットによる移動制御に関する研究
岡本
西山 純世
半導体ガスセンサによる醤油醸造プロセスの制御
藤本
野村 隼人
RFIDを用いた物品探知機と共用可能な物品管理システムの開発
村田
畑下 晴恒
誘導検出自励式ブラシレスモーターの製作とメリーゴーラウンドトイへの応用
渡邊
原 直士
可視光通信を用いた車輪型ロボットによる移動制御に関する研究
東 優太
ゾルゲルNiO薄膜における抵抗スイッチングのノイズ特 性に関する研究
佐久間
松裏 征志
Kinectをポインティングデバイスとして使用するためのソフトウェアの開発
村田
三原 将徳
マイコン用ビジュアルプログラミング環境の構築
森
佐久間
徳田
岡本
森
宮崎 健太
誘導検出自励式ブラシレスモーターの製作とメリーゴーラウンドトイへの応用
渡邊
森田 和貴
Cu(In,Ga)Se2系薄膜太陽電池の作製に関する研究
山口
山田 健太
タッチパネルを用いたロボット制御システムの開発
村田
山本 誠人
ゾルゲルZnO薄膜の作製と熱電性能の評価に関する研究
吉岡勇一郎
匂いや味が人間の感性に与える影響の評価
藤本
吉岡侑久人
垂直接地電極の過渡相互インピーダンスについての研究
山吹
吉崎 直哉
Androidにおける物理シュミレーション教材の開発
吉村 祐太
佐久間
森
リーダーの形状による配電系への誘導雷の影響の研究
山吹
サン
太陽光発電システムの性能評価に関する研究
山口
ロイ
遺伝的アルゴリズムを用いたインバースハーフトーンの研究
14
森
物質工学科
学生氏名
卒業研究テーマ
指導教員
石橋 勇規
コラーゲンポリマーの合成と応用
土井
井渓 琴水
フェルラ酸からインダン誘導体の合成
野村
大久保順平
アルミニウム媒介イミノピナコールカップリング反応による[2.2]メタシクロファンの合成
河地
尾西 桂
C.elegansタンパク質に対するモノクローナル抗体の作製
山川
加藤 寛史
スピロベンゾピランのソルバトクロミズムおよびイオノクロミズム
岩本
加茂 絢香
アゾ染料分解菌 Bacillus sp.KM株のアゾ染料分解特性
米光
川端 俊宏
CdSナノ粒子を用いたシステインの発光増幅
木原 綾乃
ジフェノキシメタンの合成と光二量化反応
釘貫 暁
CdSナノ粒子を含むイオンゲルの合成
小林 栄介
新規フォトクロミック化合物の合成
岩本
脂肪酸混合リポソームとアミロイドβ-ペプチドの相互作用
森田
佐倉 有香
クエン酸誘導体の合成と梅酢中での探索
奥野
塩 恵未
ホルムアルデヒド分解菌のスクリーニング
米光
杉原あさみ
耐熱性セルラーゼ生産菌の同定と遺伝子クローニング
楠部
田口ひかる
リチウム二次電池電解質に用いるイオン液体の低粘度化の検討
綱島
竹内 保浪
大麦β-グルカン由来オリゴ糖の精製と生理活性
米光
谷尾 吉祥
非天然型イミノ酸を含むコラーゲンモデルペプチドの合成
土井
土谷 茜
フェルラ酸からバニリンを経由したバニリルアミンの合成
野村
寺守 拓也
光触媒を用いた梅干調味廃液の酸化処理に関する研究
岸本
健太
林
野村
林
中村 顕大
修治処理エゾウコギに含まれる新規桂皮酸誘導体の立体構造決定
奥野
西端 茂展
ウツボが持つ有効成分の抽出
土井
西山 久恵
梅種子に含まれるリグナン類の探索と機能性
奥野
橋爪 祐衣
タンパク質精製のための抗体の作製と精製
山川
馬場 竜希
イオン液体を用いたCdSナノ粒子合成場としての検討
濵田 星
タバコBY-2細胞に与える静水圧の影響
楠部
林
林 健太郎
クラウンエーテルを有するシリカナノ粒子による金 属イオンセンシング
岩本
原田 奈実
臭化サマリウムを用いるピナコールカップリング反応による[2.2]メタシクロファンの効率的合成
河地
平石 哲也
脂肪酸混合リポソーム -amyloid β-peptide間の相互作用
森田
平原 直倖
梅干表面に生育する酵母に対する増殖抑制法の検討
山川
平山 明奈
炭素系吸着剤における天然色素の吸着:平衡関係
岸本
福島 雅広
プロトン性ホスホニウムイオン液体の合成と燃料電池電解質特性
綱島
堀江 知津
炭酸ガス圧力を用いた野生株酵母の処理
楠部
松林 高弘
低粘度型イオン液体を用いたピロールの電解酸化重合反応の開発
綱島
三浦 文歌
気液界面における脂質単分子膜とアミロイド性ペプチドとの相互作用
森田
森脇 寛人
C.elegansに対する免疫組織染色法の改善および抗体による特異的染色
山川
山崎 啓司
コバノランタナに含まれるポリフェノール類と機能性
奥野
山中 悠平
ニトリル型ホスホニウムイオン液体の合成と色素増感太陽電池電解質特性
綱島
結城 諒介
ヘアピン構造を持つデカペプチドの合成
土井
架橋部に第1級アミノ基を有する[2.2]メタシクロファンの合成
河地
イザニ
15
環境都市工学科
学生氏名
卒業研究テーマ
指導教員
宇井 拓磨
コンクリート用骨材の乾燥収縮特性に関する研究
中本
上田 貴裕
炭素繊維とソーラーパネルを用いた水質浄化システムについて
面矢 晴紀
台風12号による被害の状況とその対策
笠谷 亮太
様々な粒径の砂に対するカルサイト析出による液状化対策の適用性
木下 亮
和歌山県海南港における浮上式津波防波堤の強度の検討
切目 和樹
礫を含む中間土の細粒分を考慮した液状化強度評価手法の提案
栗谷 滉基
津波によって防潮堤に加わる力についての検討
小池
小和田真道
銅スラグ骨材を使用したRCはりの変形挙動
三岩
芝 義人
芯材を有するグラベルドレーンの液状化対策効果に関する振動台実験
芝山 功
椿山ダムによるダム下流の河畔植生への影響に関する研究∼ダム上下流の比較評価∼
靏巻
荘司 匡岐
個人属性を考慮した買物行動様式に関する離散選択モデルの構築
伊勢
瀬戸 一喜
日高川流域におけるため池の水環境保全について
大久保
瀬戸 佑樹
津波によって建築物に作用する力についての検討
小池
高木 啓太
骨材の強度および弾性特性に関する研究
中本
滝波 順也
和歌山県御坊市における津波ハザードマップの再検討
小池
久保井
三岩
林
小池
林
林
田代 翔大
避難所収容能力とカバー人口に基づく「道の駅」の防災拠点ニーズに関する分析
伊勢
月山 拓
銅スラグ骨材を使用したコンクリートの硬化後の特性について
三岩
中村 祥之
観光資源と路線バスの連携事業に関するフィージビリティスタディ
伊勢
西川 裕貴
バスサービスに対する必要性認識と支援意識形成における提供情報の有効性評価
伊勢
西田 圭吾
ブレースを有する一層門形ラーメンの耐荷力特性
西中 友明
炭素繊維とソーラーパネルを用いた水質浄化システムについて
西峰 寛行
和歌山県湯浅湾における津波防波堤の強度の検討
小池
東野 太紀
日高川町における間伐材の燃料利用による温室効果ガス削減ポテンシャルに関する研究
靏巻
尾藤 綾花
音による癒し効果について
大久保
平岡 友雄
東日本大震災による下水道被害とその対策について
大久保
広瀬 健
バス利用行動促進に対する提供情報の効果評価 −公共性と事業性を視点として−
伊勢
古山 純也
産業副産物のスペントカーバイド・砕石粉の地盤改良への有効利用について
久保井
宮原 和子
利用者の利便性を重視した災害時避難シミュレーションシステムの開発
原
宮本耕太郎
地盤震動の鉛直アレー観測記録を用いた地盤の減衰特性値の同定
原
百々 正隆
椿山ダムによるダム下流の河畔植生への影響に関する研究∼ダム上下流の比較評価∼
森 堅一
礫を含む中間土の液状化後の強度・変形特性に関する実験的研究
森本 喬太
ブレースを有する一層門形ラーメンの耐荷力特性
保田 直希
河川環境の癒し効果の定量化について
大久保
山口 俊貴
産業副産物のスペントカーバイド・砕石粉の地盤改良への有効利用について
久保井
山下 直人
フラッドヘッドスキャナを用いた収縮ひずみの測定
中本
山本 真也
地域景観保全のための景観の感覚評価に関する研究
靏巻
山本 拓磨
フラクタル次元による景観の特性分類に関する研究
靏巻
山本 直樹
日高川流域におけるため池の水環境保全について
脇村有加里
東北地方を対象としたLED地震動表示装置の開発
ダニ
カリラ
軸力変動を考慮したはり崩壊型門形ラーメンの弾塑性履歴性状
音による癒し効果について
山田
久保井
靏巻
林
山田
大久保
原
山田
大久保
16
2.7 授業改善への取組み
2.7.1 教員による授業参観
本年度も、学生に分かりやすい授業の実現により資する教育力の向上を図ることを目的に教員相
互の授業参観を11月から1月にかけて実施した。授業参観は毎年行っており、近年は学生による授
業アンケート結果で平均3.0を切る授業も少なくなった。平成21年度からは、このような状況と教
員の負担軽減を考慮し、常勤教員については各科ごとに半数の教員を対象にし、残りの半数は翌年
度、実施するようにしている。授業を参観した教員は被授業参観教員と後日面談し、報告書を作成
している。また、非常勤教員については、全員を対象に参観を実施している(ただし、面談は省
略)。
2.7.2 学生による授業アンケート
毎年、各授業が終了する時期(前期科目なら前期末、通年および後期科目では年度末)に学生に
対し授業アンケートを実施している。アンケートの記入は平成21年度よりweb化され、本年度も
webによる方式で実施した。集計結果に対する教員のコメントは3月末までに記入してもらい、
4月当初から全教職員、全学生にweb上で公開している。記入のweb化により、学生は一定期
間内で随時記入することが可能になったが、拘束力が働かないためか記入率の低迷が続いており、
改善が必要である。
2.7.3 国立高等専門学校学習到達度試験
本試験は、平成18年度(物理は平成19年度)から、全国の国立高等専門学校で実施されている。
高専教育の基礎となる科目の学習到達度を全国一斉に調査し、各高専における教育内容・方法の改
善に資すると同時に、自己の学習到達度を把握することを通じて、学生には学習意欲を喚起させ、
主体的な学習姿勢を形成することを促す目的がある。対象学年は3年生、科目は数学と物理である。
本年度は、1月12日(木)に試験を実施した。結果は、数学の全国平均207点(400点満点)に対し、
本校は218点と昨年に引き続き全国平均を上回った。一方、物理では、全国平均109点(300点満点)
に対し、本校は106点であったが、下のグラフに示すように年々全国平均に近づき、並ぶところま
で来ている。終業式にて、各科目の成績上位者、および2科目とも全国平均を上回った学生に対す
る表彰を行った。
数学得点における全国平均に対する本校の推移
物理得点における全国平均に対する本校の推移
17
2.7.4 保護者土曜参観の実施
より多くの保護者に学校の状況を知ってもらうことを
目的に平成18年度から保護者土曜参観を行っている。仕
事を持っている保護者の便宜を図るために、保護者参観
日を土曜日に設定し、また、開催時期を早める等の試行
錯誤を続けている。本年度は昨年度より約2カ月早い4
月29日(金)に実施し、昨年を50名上回る604名(兄弟
等の重複を含めると633名)の保護者が参加した。
保護者は学内の配置図と時間割表を手に希望のクラス
の授業や実験実習を自由に参観した。また、授業参観に
授業参観参加者数(兄弟等の重複含)
クラス 人 数 クラス 人 数
1A
57
3C
46
1B
62
3D
22
1C
57
4A
30
1D
58
4B
17
2A
32
4C
19
2B
38
4D
18
2C
46
5A
9
2D
28
5B
19
3A
23
5C
9
5D
14
3B
29
合計
633
あわせて学生寮の状況の説明もあり、普段寮生が食べて
いる寮食堂の食事を試食するなど、学生が普段体験して
いる学生生活についても紹介された。授業終了後にはク
ラス担任を囲んでの懇談会が行われ、保護者はクラスの
状況を聞くとともに、普段感じている疑問や要望をぶつ
ける等、熱心な意見交換が行われた。同じクラスの保護
者が集まる機会がほとんどない中で、この参観は学校の
様子を知るとともに学年やクラスの共通の問題を話し合
授業参観の様子
える貴重な機会となっている。
2.8 学校行事
2.8.1 新入生の教育特別活動
本年度の新入生を対象に、4月8日(金)∼9日(土)の両日、由良町大引の和歌山県立白崎青
少年自然の家において、平成23年度新入生特別教育活動を実施した。この活動は、合宿生活を通じ
て規律と協調の精神を養うとともに、学生生活を円滑にスタートさせる目的で毎年行われているも
ので、今年は1年生164名、教職員10名が参加した。白崎青少年自然の家にバスで到着後、入所式
を行い、合宿生活がスタートした。荷物を整理後、みんな揃って夕食をとり、研修室で夜の行事を
行った。まず、堀江振一郎校長から「入学にあたって」と題して、有意義な高専生活を過ごすため
の種々の心構えについての講話があった。続いて、専攻科1年の芝野好希君と山本真由美さんから
「先輩からのアドバイス」と題して、自らの5年間の高専生活や勉強方法について話があり、新入
生は興味深く耳を傾けていた。2日目は6時30分
に起床し、朝の集い、清掃、朝食を済ませた後、
山川文徳教務主事から「本校での学習について」
と題して、シラバスを中心にした学習方法につい
ての話があった。続いて、保健室の小川敏子看護
師から「学生相談室から」と題して、パワーポイ
ントによる学生相談室の内容の紹介と共に、
「気
「朝の集い」での体操
楽に利用して」との呼びかけがあった。
18
講話の後、新入生は各班に分かれて、クイズを解きながらチェックポイントを通過していく
ウォークラリーに参加した。薄日の差す中、満開の桜や白い岩肌と紺碧の海がマッチした海岸線な
どの素晴らしい景色を眺めながら、班員が協力して約1時間半のラリーを楽しんだ。昼食後の退所
式でウォークラリーの表彰式が行われ、参加者全員がノートなどの賞品を手にし、盛り上がった楽
しい研修となった。
2.8.2 各種の行事
それぞれの学科および学年に応じた行事を推奨する目的で、適宜、行事日を設けている。以下の
表に、前期末試験終了後の補講日を行事日として活用し、実施した行事をまとめた。
第4学年における学科別研修旅行は平成16年度から毎年実施しており、本年度の行き先は機械工
学科、物質工学科および環境都市工学科が北海道、電気情報工学科が台湾であった。研修旅行先で
は、当該学科に関連する企業訪問による研修を行うとともに訪問地の歴史や文化などを理解する良
い体験となった。本校の年中行事の一つとしてすっかり定着しており、学生にとって思い出に残る
楽しい行事である。
平成23年度 行事等計画表
行事場所
学年 クラス
日 程
午前
A
9.26㈪
B
1年
C
(独)造幣局本局(工場・博物館)
引率:濱田・三原
8:30 出発
8:15 出発
16:30 着
18:15 着
9.26㈪
研修:ユニバーサルスタジオジャパン
【引率】 和田、楠部、右代谷、秋山、西本
D
2年
【工場見学】
午後
C
9.27㈫
A
9.26㈪
A
9.
27㈫∼29㈭
B
9.26㈪∼29㈭
C
9.27㈫∼29㈭
D
9.27㈫∼30㈮
【工場見学】
花王(株)和歌山工場
引率:楠部・西本
8:00 出発
【工場見学】
8:30 出発
(独)造幣局本局(工場・博物館)
引率:濱田・三原
【研修旅行】
6:15 出発
【研修旅行】
7:30 出発
13:30 着
16:30 着
北海道
引率:樫原・北澤
21:30 着
台湾(台北)
引率:直井・徳田
22:00 着
北海道
引率:土井・奥野
22:45 着
北海道
引率:山田・林(和)
17:15 着
4年
【研修旅行】
6:15 出発
【研修旅行】
15:00 御坊駅集合
19
2.9 入学志願者の確保
2.9.1 アンケート調査の実施
本校1年生を対象に4月にアンケート調査を行った。本調査は毎年行っているものである。1昨
年度の調査で「高専に関心を持ったきっかけは」との質問に対して、「口コミ」との回答が最も多
かったことから、前回のアンケートから「口コミ」の情報源に対する設問を増やした。その結果、
情報源としては前回同様に親が最も多く、以下、友人、中学校の先生、先輩、塾、兄・姉の順で
あった。また、本校主催の「学校説明会」、
「オープンキャンパス」は、共に口コミと同等、あるい
はそれ以上に重要な情報源になっていることが窺われた。一方、昨年度は上位にあった本校ホーム
ページが今年度は中位以下であった。
2.9.2 中学校訪問
毎年、全教員が手分けして中学校訪問をし、本校の紹介を行っている。直接、中学生に説明でき
る進路説明会を開催している中学校もあり、中学生に本校を知っていただく良い機会になっている。
中学生に直接話ができない場合でも、進路指導の先生方に、本校を説明している。平成23年度は、
和歌山県内全域、大阪府(堺市以南)、奈良県(五條市)、三重県(南牟婁郡、熊野市、尾鷲市)の
中学校242校と県内の塾14校を訪問した。さらに、和歌山市中学校長会私立高等学校入試説明会
(9/20)、五ツ木書房進学説明会(10/10)
、第一ゼミナール主催高校入試進学説明会(10/10)
、近
畿4高専合同説明会(10/22)、和歌山県私塾共同組合個別進学相談会(10/30)
、泉州私塾連合会公
立高校説明会(10/30)に参加した。
2.9.3 パンフレット・リーフレット・クリアファイルの活用
毎年、本校をPRする「凄い!」リーフレットや「中学生のみなさん
へ」パンフレットを作製し、さらに平成22年度からは和歌山高専ロゴ入
りのクリアファイルを追加した。右図は、平成23年度版「凄い!」リー
フレットである。「中学生のみなさんへ」パンフレットも新しい内容を
盛り込んだ平成23年度版に更新した。中学校訪問や各種イベント等でこ
れらを活用した本校のPRを行った。さらに、後援会の保護者の方に、
「凄い!」リーフレットを配布し、積極的な高専のPRをお願いした。
「凄い!」リーフレット
2.9.4 オープンキャンパス
8月27日(土)、オープンキャンパスを開催した。この催しは本校の
教育内容を公開する目的で例年この時期に行われているものである。天候にも恵まれ、中学3年生
200名を含む計538名が参加し、県下はもとより他府県からの参加者も見受けられた。各学科の体験
コーナーや公開講座には多数の小中学生が参加し、どの会場とも大盛況であった。
「極低温の世界
を体験しよう」「ヒューマノイドロボットで遊ぼう」「メカ子の会」「すごろくで交通を学ぶ」
「料理
を科学する」など魅力的なイベントが目白押しで、参加者は楽しみながら科学技術に触れていた。
また、午前と午後に実施された入試説明会には来春の受験を目指す中学生や保護者350名が参加し、
会場は熱気に包まれた。
20
2.9.5 学校説明会
10月15日(土)に学校説明会を開催した。参加したのは
和歌山県内や大阪府南部を中心に中学生245名、保護者238
名、中学校教員20名の計503名で、昨年度に比べて全体で
は135名の大幅な増加となった。この説明会は中学3年生
が進路について具体的に検討を始めるこの時期に例年開催
されているもので、学内の施設見学や各学科の実験・実習
を体験することで、受験を考えている中学生や保護者に進
盛況のため学校紹介を
2会場で同時に開催
路を選択する際の参考にしてもらう催しとなっている。最
初に本校における教育システムの特色と卒業後の就職・進
学の実績紹介があり、その後、教室や実験・実習室等の見学が行われた。また、昨年度からの試み
として学生寮の見学では寮の先輩である学生が寮内を案内した。
学科見学では、「PCで製図をしよう」
(知能機械工学
科)、
「ロボット実演」(電気情報工学科)、
「ニンヒドリン
反応を用いた指紋の検出」(物質工学科)、
「地震と防災∼
東日本大震災に迫る∼」
(環境都市工学科)等の実験・実
習の体験があり、多くの中学生が参加した。さらに、昨年
度の入試問題を使った入試体験コーナーや進路相談室も開
設され、多くの参加者で賑わった。多くの中学生の参加が
学科体験コーナー
あり、夏のオープンキャンパスに引き続き本校をさらによ
く知ってもらい、より良い進路決定の参考になったものと思われる。
2.9.6 科学技術への理解を増進させる活動
理工系離れが深刻化する中、将来の日本を担う技術系人材を育成するためには、小中学生の段階
から科学技術に興味を持ってもらうことが重要である。そのため本校では、本校や県内各所で「公
開講座」や「出前授業」、「なるほど体験科学教室」などを開催するとともに、各種イベントで高専
ロボコンロボット等の実演を行い、科学技術への理解増進に努めている。本年度も、これらの活動
を行い、多くの参加者にさまざまな科学技術体験をしていただいた。詳細は、これらを所掌する地
域共同テクノセンター及びロボット教育センターの報告を参照いただきたい。
2.10 入学試験
本校では、3種類の新入生選抜入試(体験実習、学
校長推薦、学力)および2種類の4年次編入学入試
(推薦、学力)を実施している。
新入生選抜入試では、入学志願者の確保に努めてい
ることもあり、平成22年度入学者選抜入試(志願者の
対中学卒業者比2.9%)までは増加傾向であった。平
成23年度入試(志願者の対中学卒業者比2.7%)でや
21
(1)県内・県外志願者の比較
上段:県内、下段:県外
や減少したが、平成24年度入学者選抜入試で志願者
は295名(志願者の対中学卒業者比2.9%)と再び増
え、減少前にほぼ回復した。右図に受験者数の推移
を示す。また、女子志願者は毎年増加する傾向を示
し、平成24年度も前年度より4名増加した。この傾
向は、女子中学生向けの体験教室やPRに努めてい
ることの効果の現れと思われる。
入試関係で本年度から導入したものとして、1つ
目に、学力入試での近畿地区国立4高専による共同
(2)男子・女子志願者の比較
上段:男子、下段:女子
試験会場(天王寺)の開設がある。大阪地区からの
志願者を増やす目的で運用を開始し、第一回の本年 《体験実習入試》
度は奈良高専が主管校を務めた。第二回の次年度は
本校が主管校を務める予定である。2つ目は、外国
人私費留学生3年次編入学試験への参加である。本
学 科 名
知能機械工学科
電気情報工学科
物質工学科
環境都市工学科
計
志願者数
45
27
30
37
139
校における入学選考基準を新たに作成し、志願者へ 《学校長推薦入試》
学 科 名
志願者数
の対応を整備した。ただし、高専全体に対する志願
者数がそれほど多くなかったこともあり、本年度は
この入学選考基準を活用するには至らなかった。
以下に、各入試における状況を報告する。
倍率 合格者数 入学者数
5.63
8
8
3.38
7
7
3.75
8
7
4.63
9
9
4.34
32
31
21
26
37
29
113
倍率 合格者数 入学者数
1.75
12
12
2.17
14
14
3.08
14
14
2.42
12
12
2.35
52
52
志願者数
50
42
53
56
201
倍率 合格者数 入学者数
2.50
21
20
2.10
20
20
2.65
20
20
2.80
20
20
2.51
81
80
知能機械工学科
電気情報工学科
物質工学科
環境都市工学科
計
《学力検査入試》
2.10.1 体験実習入試
平成16年度から導入した体験実習入試(旧AO入
学 科 名
知能機械工学科
電気情報工学科
物質工学科
環境都市工学科
計
試)を1月7日(土)に実施した。選抜方法は、調
査書10%、体験実習50%、面接15%、小論文25%である。今回の応募者総数は139名で、定員(各
学科8名)に対する平均倍率は4.34倍(昨年度4.44倍)となった。受験生は、学科別に定められた
テーマに基づく体験実習に臨み、各学科8名の計32名が合格した。
2.10.2 学校長推薦入試
学校長推薦入試を1月28日(土)に実施した。選抜方法は、調査書60%、面接20%、小論文20%
である。県内を中心に県外の中学生を含め113名が受験した。試験当日、受験生は午前と午後の2
グループに別れ、小論文試験、面接試験に臨んだ。定員(各学科12名)に対する各学科の平均倍率
2.35倍(昨年度2.04倍)を突破した合格内定者は、知能機械工学科が12名(志願者21名)、電気情報
工学科が14名(志願者26名)、物質工学科が14名(志願者37名)、環境都市工学科が12名(志願者29
名)であった。
2.10.3 学力入試
学力入試を2月19日(日)に実施した。入試会場は大阪市(天王寺)、和歌山市、橋本市、御坊
市(本校)、田辺市、新宮市の計6か所とした。昨年度、かつらぎ町に設けた会場は、改修工事が
完了した橋本市の会場に復帰させた。また、本年度から開始した近畿地区高専合同試験会場の運用
に伴い、これまでの岸和田会場は天王寺の合同試験会場に変更した。理科、英語、数学、国語の4
22
科目で筆記試験を行い、4科目の合計得点の上位者から選考した。定員(各学科20名)に対する各
学科の平均倍率2.51倍(昨年度2.30倍)を突破した合格者は、知能機械工学科が21名(志願者50名)、
電気情報工学科が20名(志願者42名)、物質工学科が20名(志願者53名)、環境都市工学科が20名
(志願者56名)であった。
2.10.4 編入学推薦入試
6月8日(水)に推薦による平成24年度編入学試験を
編入学
《編入学推薦入試》
実施し、4名(知能機械工学科2名(県内1名)、電気
情報工学科1名(県内1名)、物質工学科1名)が受験
した。選抜は面接(口頭試問を含む)および調査書によ
り行われた。試験の結果、合格者は2名(知能機械工学
学 科 名
機械工学科
電気情報工学科
物質工学科
環境都市工学科
計
志願者数 合格者数 入学者数
2
1
1
1
0
0
1
1
1
0
0
0
4
2
2
科1名(県内1名)、物質工学科1名)であった。本校 《編入学学力入試》
では平成21年度より推薦による編入学試験を導入し、全
国の工業系高校より全学科あわせて若干名を募集してい
る。なお、和歌山県教育委員会との協定により、和歌山
学 科 名
機械工学科
電気情報工学科
物質工学科
環境都市工学科
計
志願者数 合格者数 入学者数
1
0
0
4
1
1
0
0
0
1
1
1
6
2
2
県内より若干名の特別枠を設けているほか、本年度入試
からは1校あたりの推薦人員を、従来の「各校1名」から、「各志望学科につき1名」に変更して
いる。
2.10.5 編入学学力入試
6月19日(日)に本科4年次への学力による編入学試験を実施した。編入学試験を受験したのは
工業高校および普通科高校の来春卒業予定者6名(知能機械工学科1名、電気情報工学科4名、環
境都市工学科1名)で、選抜方法は、英語と専門科目の筆記試験及び面接試験で行われた。試験の
結果、合格者は2名(電気情報工学科1名、環境都市工学科1名)であった。
2.11 転科
本校では学則の第21条で第3年次進級までに限っての転科を認めているものの、これまでに転科
の事例はなかった。本年度、環境都市工学科への転科を希望する学生の申し出を受け、申請を受理
するために必要な条件を満たしているかを審査すると共に、その後の手順(編入先の学科が課す試
験を含む)と関係書類等を整備し対応した。一連の手順を経て審議した結果、物質工学科1年次修
了を認定された学生1名に対し、環境都市工学科2年次への平成24年4月からの転科を許可した。
2.12 成績および及落判定
入学した学生が卒業できるように教育環境の整備を進め、さらに、普段の授業以外にも補習や特
別指導などで学生の学力向上に努めている。また昨年度に引き続き、学生にはきちんと授業に出る
ように指導し欠席の減少に力を入れてきた。その結果、全体の平均欠席時間数は、1昨年の36時間
23
が、昨年および本年は共に28時間へと減少した。一方、年度末の成績判定の結果、平成23年度は留
年28名、仮進級122名で、1昨年および昨年と比べ、留年は4名(17%)及び2名(11%)の増加、
仮進級は30名(33%)及び35名(40%)の増加になった。これら成績不振学生の多くが英語および
数学といった主要な基礎科目で苦戦している。
2.13 自己点検結果
学生の教育面で、出席に関する履修規則の制定により2年連続で欠課時間数が減少したことは評
価できる。一方、留年・仮進級者を低減させる上で効果があったとは言い難く、今後の推移を注視
しながらさらなる工夫が必要である。特に、数学および英語ではより有効な対策を打ち出すための
検討を要すると考える。
キャリア教育に関しては、学年ごとの目標の下、担任を中心に各学科の掲げる方針に沿っての取
り組みが行われた。本方式導入の初年度ということで、学科や学年での実施状況に多少のバラツキ
が出たことはやむを得ない。今後の継続的な取組みと内容の充実に期待したい。
国立高専学習到達度試験における数学の平均点が昨年度に引き続き全国平均を上回ったことは、
近年の数学ワーキング等の取組みによる努力の賜物である。また、物理についても全国平均に匹敵
するまでに接近し、物理ワーキングの取組みの成果が現れたものと考える。これらの取組みの継続
によりさらに向上することを期待する。
授業アンケートのweb化については、2年目となる本年度、学生への周知徹底と入力期間の延
長等で記入率の向上に努めた。その結果、やや向上したものの記入率における低迷は昨年度同様に
高学年を中心に見られ課題として残った。次年度も改善の重点事項である。
入学志願者数では、ここ数年で最大の志願者数を記録した2年前と同程度に回復した他、女子学
生の志願者数も増加した。これは本校を直接PRする活動の他に、地域における公開講座等を含む
各種取組みの効果によるものと評価できる。引き続き、技術系に興味を持つ子供たちの育成活動に
取組んでいくことは重要である。
高専機構本部の方針である外国人留学生の受入れ数増加については、本校は高専としての国費留
学生の受入れ数で全国有数であり、十分対応している。さらに本年度は、高専機構が平成22年度か
ら開始した私費留学生向け3年次編入学の統一入試にも参加した。本年度、新たに編入学する私費
留学生はいなかったが、今後該当者が増加することを期待している。
24
3 専 攻 科 関 係
3.1 入学試験と入学者の確保
平成23年度入学者は26名(メカトロニクス工学専攻13名、エコシステム工学専攻13名)であった。
また、平成23年度に実施した平成24年度専攻科入学者選抜試験の状況は下表のとおりであった(メ
カトロニクス工学専攻入学予定者9名、エコシステム工学専攻入学予定者10名)。
平成24年度専攻科入学者選抜試験の受験者数、合格者数および入学者数
推薦入試
学力入試
社会人
特別選抜
受験者数
13
15
0
合格者数
13
13
0
入学者数
13
6
0
3.2 専攻科教育の充実
大学等の他の研究機関に比べた際の専攻科のメリットとして、徹底した少人数教育に裏付けられ
た学生と教員との距離の近さが挙げられる。特に特別研究や特別ゼミナールでは、マンツーマンに
近い指導が可能であり、教員は学生の特質を見極めた上で、丁寧な指導が可能である。
このメリットを生かし、専攻科担当教員全体の活性化を図るために、各教員の受け持つ特別研究
生の数を原則1名とし、多くとも2名までに絞ることにして、平成23年度を移行期間として平成24
年度以降に完全実施することにした。これによって大学では実現し得ないきめ細かな指導を実現し、
文字通り手塩に掛けた修了生を世に送り出すことが可能となる。
また、専攻科教育で最も重要と考える問題発見・解決能力を養うために、引き続き1年生の工学
特別実験(必修・4単位)のテーマに9週間の「創造デザイン部門」を入れている。平成23年度の
テーマは「教材コンテンツの開発」であり、学生はグループごとに課題に取り組み、問題発見・解
決のためのプロセスを体験し、得られた成果を発表した。
3.3 学修単位の実施
学修単位の規定をより厳格に運用するために、平成19年度より1、4時間目の講義については、
110分の講義を15回実施し、2、3時間目の講義科目については90分授業を18回実施している。
しかしながら、90分授業の場合、時間割上に現れない3回分の授業について適宜実施していたた
め、3回分の授業が学期末に集中するなどの問題が見られた。この問題を解決するために、90分授
業の科目については、3回分の講義を予め時間割の空き時間に配置し、学期はじめに専攻科生と担
当教員にその時間割を配布して対応した。
25
3.4 インターンシップ
企業等での就業体験や大学院での研究体験を行うインターンシップを選択科目(2単位)として
開設している。平成23年度は、企業等で13名、大学院で3名がインターンシップを行った。
平成23年度専攻科インターンシップの実施状況
メカトロニクス工学専攻
学生氏名
岡 祐介
芝野 好希
本 義孝
冨永 浩太
西出 裕登
花坂 昭洋
濵端 直人
森口 芽依
実 習 先
住友金属物流株式会社
豊橋技術科学大学
日建産業株式会社
株式会社 LIXIL 上野事業所
紀州技研工業株式会社
NPO法人 わかやまNPOセンター
NPO法人 わかやまNPOセンター
御坊商工会議所
正和産業株式会社
期 間
8/1㈪∼8/12㈮
8/29㈪∼9/2㈮
9/5㈪∼9/16㈮
8/22㈪∼9/8㈭
8/29㈪∼9/9㈮
8/22㈪∼9/9㈮
8/22㈪∼9/9㈮
8/1㈪∼8/12㈮
8/22㈪∼8/26㈮
エコシステム工学専攻
学生氏名
岩木 梓
岡本 侑也
小島 直也
中西 竜哉
宮本 亮佑
村瀬 本弥
山本真由美
椎名 浩太
実 習 先
新中村化学工業株式会社
和歌山県農林水産総合技術センター果樹試験場
奈良先端科学技術大学院大学
小西化学工業株式会社
和歌山染工株式会社
奈良先端科学技術大学院大学
株式会社アンズコーポレーション
株式会社環境地盤
期 間
8/22㈪∼9/2㈮
8/1㈪∼8/12㈮
8/22㈪∼9/2㈮
8/22㈪∼9/2㈮
8/17㈬∼8/31㈬
8/29㈪∼9/9㈮
8/29㈪∼9/9㈮
9/19㈪∼9/30㈮
3.5 学会発表
指導教員が学会での発表に値する成果が得られたと判断した場合に、学生の学会での発表を勧め
ている。学会での発表は学内での発表と異なり、学生が自ら得た研究成果を学外の識者に評価して
もらえる貴重な機会であり、また他大学・高専の発表を見て視野を広げる絶好の機会である。学生
の発表時の経費については、和歌山工業高等専門学校後援会から援助をいただいており、学生の負
担軽減に役立っている。
平成23年度には下表に示すように合計27件の発表を行った。その中から、メカトロニクス工学専
攻の大浦慎右君が電気関係学会関西連合大会での発表によって論文賞を受賞した。また、エコシス
テム工学専攻の森内悟君は地盤工学会での発表によって優秀論文発表者賞を受賞した。
26
平成23年度専攻科生による学会発表実績
クラス
1M
1E
2M
2E
発表件数
5
6
12
4
3.6 学位申請・技術士補となる資格
学生23名(メカトロニクス工学専攻11名、エコシステム工学専攻12名)が(独)大学評価・学位
授与機構へ学位審査の申請を行い、12月に実施された小論文試験を経て、23名全員が「学士(工
学)」の学位を取得した。
高専全体での学位審査合格率は95%と発表されているが、本校ではこれまでに171名が専攻科を
修 了 し、そ の う ち169名 が 秋 季 の 審 査 に 合 格 し て お り、合 格 率 は98.8% と な っ て い る。ま た、
JABEE認定「地域環境デザイン工学」教育プログラムも171名全員が修了して、技術士補となる資
格を取得した。
3.7 平成23年度専攻科2年生特別研究テーマ
平成23年度の専攻科2年生の特別研究テーマは次のとおりである。メカトロニクス工学専攻が11
テーマ、エコシステム工学専攻が12テーマである。
メカトロニクス工学専攻
区分
氏名
特別研究テーマ名
指導教員
大浦 慎右
Cu2ZnSnSe4薄膜の作製と太陽電池への応用
山口
喜多 正光
半導体ガスセンサの過渡応答モデルの構築
藤本
木村 太郎
簡易脳波測定器を用いた脳波と覚醒度に関する研究
村田
小櫻 和寛
Cu2ZnSnS4薄膜太陽電池に関する研究
山口
坂下 泰基
人間の視覚特性を考慮した遠隔操作システムの構築
北澤
Cu(In,Ga)Se2薄膜太陽電池の作製に関する研究
山口
中屋 拓真
JPEG画像におけるノイズ除去に関する研究
徳田
西村 卓馬
酸化物薄膜抵抗スイッチング特性の評価
佐久間
羽田 正雄
ゾルゲル法によるNiO薄膜の作製と評価
佐久間
福本 航多
半導体ガスセンサの過渡応答への活性化エネルギーの影響
藤本
森本 健太
MAP推定による超解像処理の性能評価
徳田
田 和真
27
エコシステム工学専攻
区分
特別研究テーマ名
氏名
指導教員
後 光雄
モノクローナル抗体によるC.elegans の抗原性タンパク質の調査
山川
大谷 英響
コラーゲンポリマーの化学合成
土井
勝山 大介
長鎖アルキル基を導入したペンタガロイルグルコースの合成と相転移
野村
椎名 浩太
コンクリート乾燥収縮ひずみの早期判定に関する研究
中本
隅澤 杏介
環境DNA由来1,3-1,4-β-グルカナーゼ遺伝子c45 の大腸菌中での発現
米光
中 裕紀子
キラルビシクロクラウン化合物の合成
河地
中岡 晴河
マイクロ波を用いたカリックス[4]アレーン類の高効率合成
野村
松本 光平
生コンスラッジの有効利用に関する研究
中本
森 緑
親水性イオン液体中でのCdSナノ粒子合成
林(純)
森内 悟
礫を含む中間土の液状化特性に関する一考察
林(和)
山田可奈子
アミロイドβと脂肪酸混合脂質膜の相互作用の検出
森田
脇村晋太郎
固定化菌体による好気条件下でのアゾ染料分解の検討
米光
3.8 平成23年度進路
進 路 先
メカ専攻
エコ専攻
[ 企 業 ]
阪神高速技術株式会社
1
NECネッツエスアイ・エンジニアリング株式会社
1
三洋化成工業株式会社
1
関西電力株式会社
1
パナソニック株式会社AVCネットワークス社
1
オカジ紙業株式会社
1
株式会社エヌ・ティ・ティ・ネオメイト
1
KYB株式会社
1
共栄樹脂株式会社
1
株式会社新日本科学
1
セイカ株式会社
1
株式会社三宝化学研究所
1
株式会社富士ピー・エス
1
東和織物株式会社
1
東京水道サービス株式会社
1
エヌ・ティ・ティ・インフラネット株式会社
1
SC有機化学株式会社
1
旭化成ケミカルズ株式会社
1
[ 進 学 ]
和歌山大学大学院
1
奈良先端大学院大学
1
3
11
12
合計
28
3.9 専攻科棟の有効利用
専攻科棟は安全上の理由から玄関に電子錠を設置し、専攻科生と関係者のみが入館できるように
なっているが、使用するカードキーが特殊、かつ高価であった。そこで平成23年度には専攻科棟の
入口および各実験室等に、学生全員が持っているIC学生証をカードキーとして使用できる電子錠
を設置した。これにより、データを登録するだけで専攻科生や本科の卒業研究生も専攻科棟に入館
できるように準備を進めた。実際の運用は平成24年度にずれ込んだが、このシステムの導入により、
必要な学生はデータを登録するだけで自由に専攻科棟に入館でき利用率の向上が見込める。また実
験室にも電子錠を設置したので、誰がいつ入館したか等の情報の記録が可能になり、安全上も防犯
上も大きなメリットが見込める。
3.10 自己点検結果
推薦入試および学力入試で定員を満たす合格者および入学者を出している。これら入学者に少人
数教育を行えるように、特別研究の配置の適正化を図ることができた。
また問題発見・解決能力育成のため開設した、工学特別実験の「創造デザイン部門」を続けるこ
とができた。特別研究では27件の学会発表があり、活発な研究活動が行われた。
学位審査では、2学年修了学生23名(メカトロニクス工学専攻11名、エコシステム工学専攻12
名)全員が(独)大学評価・学位授与機構の学位審査に合格し、「学士(工学)」の学位を取得した。
JABEE審査においても全員が「地域環境デザイン工学」教育プログラムを修了し、技術士補とな
る資格を取得した。
専攻科棟入口および実験室にIC学生証をカードキーとして使用できる電子錠を設置し、安全
面・防犯面の要求と使用者の利便性を両立させて、専攻科棟の利用率を向上させる準備を整えるこ
とができた。
29
4 外 部 評 価 関 係
4.1 日本技術者教育認定機構(JABEE)による「地域環境デザイン工学」
教育プログラムの審査
本校は、平成18年度に「地域環境デザイン工学」教育プログラム(工学(融合複合・新領域)関
連分野)で(社)日本技術者認定機構の審査を受け、3年間の認定を受けた。その後、平成20年度
に中間審査を受審し、新たに3年間認定が継続されている。本年度はJABEE継続審査の受審年で
あ り、外 部 評 価 検 討 委 員 会 W G で 受 審 に 向 け て の 作 業 を 行 い、7月 末 に 自 己 点 検 書 を 作 成、
JABEE事務局へ送付した。受審分野は前回と同じく「融合・複合」領域である。
実施審査は10月30日∼11月1日にかけて行われ、根拠・裏付け資料の確認や学生・教職員との面
接等が為された。審査の中で幾つかの問題点や改善すべき点
が指摘されたが、大きな問題はなくおおむね良好と判断され
た。審査終了後には指摘事項に対して、速やかに改善できる
項目については改善を行い、時間がかかる項目については改
善の方向性をまとめた「改善報告書」をJABEE本部に送付
した。JABEE審査を教育の質の向上につなげるため、今回
指摘いただいた事項について、年度を超えても改善の努力を
自己点検書
続けることにした。
4.2 自己点検結果
JABEE受審の結果、大きな問題点の指摘はなく、W(弱点)やD(欠陥)評価は付かないと予
想される。これは教職員の間で成績等についての説明責任の必要性の認識が浸透してきたこと、改
善のための組織が機能していることを表しており、これまで続けてきた教育の質の向上への取り組
みが実を結びつつあるものと考える。
しかし、いくつかの重要な指摘もいただいており、指摘されたことの改善を通じて、さらなる教
育の質の向上を図っていく所存である。
※JABEEは A(適合)、C(懸念)、W(弱点)、D(欠陥)の4段階評価。
30
5 厚 生 補 導 関 係
厚生補導関係として、学生の自主活動や人格形成の立場から、学生会活動、クラブ活動、交通安
全、補導および進路などの指導を行っている。
5.1 学生会活動
学生会は、学生会長の岸川知里さん(電気情報工学科4年)を中心に春と秋の校内体育大会、高
専祭、クラブ活動支援(高専体育大会の壮行会やクラブ予算の会計)などを実施した。
5.1.1 校内体育大会
校内体育大会は学生会の主催で、体育委員会が準備を行い、例年春と秋の2回実施している。今
年度は、5月17日(火)に春季体育大会を、10月18日(火)に秋季体育大会を実施した。
春は、晴天に恵まれ、絶好の体育大会日和となり、ソフトボール、サッカー、ソフトテニス、み
んなでジャンプ、バスケットボール、バレーボール、卓球などの種目が行われた。大会のフィナー
レには学年別リレーと学科対抗綱引きが行われ、熱の入った応援が繰り広げられた。総合得点で競
うクラス順位では、環境都市工学科4年が総合優勝の栄冠を勝ち取った。
秋の大会も、晴天に恵まれ、清々しい風の中、堀江振一郎校長の挨拶の後に競技が始まり、春と
同様の各競技をこなした。競技の結果、環境都市工学科4年ならびに環境都市工学科3年が同点で
総合優勝に輝いた。環境都市工学科4年は2回連続の優勝である。
サッカー
学科対抗綱引き
5.1.2 高専祭
11月5日(土)、6日(日)の2日間にわたって45回目
となる高専祭を開催し、大勢の訪問客でにぎわった。第1
日目のオープニング・セレモニーに高専機構の林勇二郎理
事長をお迎えし、吹奏楽部の演奏と今年度の高専祭テーマ
提案者の表彰からスタートした。あいにくの雨空にもかか
わらず、学生や家族連れが続々と訪れ、例年にも増して賑
やかな学園祭となった。訪れた人はお化け屋敷やタイムス
リップ空間など趣向を凝らした各クラスの展示や、各クラ
31
高専機構・林理事長(高専祭にて)
ブの模擬店、それに恒例となった「漢前(おとこまえ)コンテスト」や「女装コンテスト」、
「高専
祭ライブ」等を堪能した。またバスケットボールやバドミントンなどのOB戦が行われ、久々に母
校を訪れたOBとの親交を深めた。
ライブパフォーマンス
クラス企画
5.2 クラブ活動
5.2.1 近畿地区高等専門学校体育大会および全国高等専門学校体育大会
第48回近畿地区高等専門学校体育大会(14種目)が近畿地区の7高専で各校2種目ずつ分担して
開催された。この大会は8月の全国大会の予選会を兼ねる地区大会であり、全国大会への切符をか
けて各種目で熱戦が展開された。本校担当種目はソフトテニスと剣道であり、ソフトテニスをかわ
べテニス公園にて、剣道を本校第2体育館にて実施した。特にこの2競技は、地元開催ということ
もあって応援する学生・職員の数も多く、たくさんの声援と温かい拍手が選手達の大きな力となり、
ソフトテニスでは男子団体2位、男子個人1位、2位、剣道では男子団体優勝と好成績をあげ、そ
れぞれ全国大会の切符を獲得した。その他の近畿各会場でも全国大会を目指して熱戦が繰り広げら
れ、本校チームは多くの競技で全国大会への切符を獲得した。
第46回全国高等専門学校体育大会が8月に関東・信越地区の高専の主管で開催され、本校からは
5つの競技において近畿地区大会を勝ち抜き、全国大会に進出した。
本校選手の第48回近畿地区高等専門学校体育大会での成績上位者
および第46回全国高等専門学校体育大会での成績
種 目
陸上競技
選 手 名
大会成績
近畿地区
全 国
男子砲丸投げ
2C 村田 守
2位
22位
女子砲丸投げ
1C 宮本 佳奈
1位
9位
4D 野尻 貴文
4A 畑 絢斗
予選リーグ1位突破
3B 白樫 善
ソ フ ト
テ ニ ス
男子団体
3D 野村 将義
3B 中出 良太
3D 東山 直樹
4B 岡谷 直弥
5B 永廣 一鷹
32
2位
準決勝敗退
同率3位
3B 白樫 善
男子個人
1位
2回戦敗退
2位
1回戦敗退
2位
予選リーグ敗退
2位
予選リーグ敗退
1位
予選リーグ敗退
1位
予選リーグ敗退
1位
予選リーグ敗退
4D 山本 有祐
3位
1回戦敗退
3D 小出 健太
3位
2回戦敗退
3C 松本 弥夕
1位
1回戦敗退
3C 谷川公実子
2位
1回戦敗退
1位
1回戦敗退
2位
1回戦敗退
3D 野村 将義
4D 野尻 貴文
4A 畑 絢斗
男子シングルス
男子ダブルス
卓 球
女子シングルス
女子ダブルス
4B 竹村 瑞生
4C 浜中 椋平
4B 竹村 瑞生
5C 平山 明奈
5C 平山 明奈
4D 小谷 桂子
4D 山本 有祐
1A 大重 優輝
4D 石井 寿典
3D 小出 健太
男子団体
(下段は全国大会オー
剣 道
ダー)
2C 山田真希人
3D 岸裏 純弥
1A 大重 優輝
2A 大重 季輝
1D 石徹白翔太
1D 石徹白翔太
1C 中西 浩平
男子個人
女子シングルス
3C 谷川公実子
テ ニ ス
女子ダブルス
2C 井上 真緒
3C 松本 弥夕
2B 玉置 羽慶
バスケットボール
3位
ラグビー
3位
男子団体
柔
道
3位
男子個人60kg級
5A 進藤 健太
3位
男子個人60kg級
2A 寺嶋 良寛
3位
男子個人73kg級
3D 野口 流星
3位
33
5.2.2 高等学校体育連盟大会および県競技団体主催大会
近年、高校体育連盟の大会や県競技団体主催大会においても本校クラブ活動の活躍は著しい。
以下に今年度の活躍を紹介する。
クラブ
主 催
大 会 名
種 目
選 手 名
団体
県高体連
ボクシング部
県高校総合体育大会
順 位
2位
ライトウエルター級
2D 増田 誠
1位
バンタム級
2B 瀬名畑健太
2位
フライ級
2D 龍神 健太
2位
県アマチュアボクシ
県高校ボクシング
ライト級
2D 増田 誠
1位
ング連盟
選手権大会
バンタム級
2A 西浦 雄貴
2位
バンタム級
2D 増田 誠
1位
バンタム級
2D 増田 誠
3位
県高体連
県高等学校ボクシン
グ新人大会
関西アマチュアボク
近畿高校ボクシング
シング連盟
新人大会
2B 上西 佑治
2B 坂本 竜也
2C 岡田 恵丞
卓 球 部
県高体連
県高校新人卓球大会
男子学校対抗
2C 野田 拓海
2D 熊代 大輝
5位
1C 大江 宏幸
1D 中村 貴俊
1D 山口 恭平
県高体連
全日本柔道連盟
県柔道連盟
柔 道 部
県高体連
県高体連
全国高専柔道専門部
弓 道 部
県高体連
県高校選手権大会
全日本カデ柔道体重
別選手権大会
県ジュニア柔道体重
別選手権大会
団体戦Bリーグ
2位
男子55kg級
1D 籔田 大晴
3位
男子55kg級
1D 籔田 大晴
2位
1D 籔田 大晴
2位
2A 寺嶋 良寛
3位
県高校柔道新人大会
男子60kg級
全国高校柔道選手権
男子60kg級
1D 籔田 大晴
3位
大会県予選
男子60kg級
2A 寺嶋 良寛
3位
体重別団体戦
3D 野口 流星
優秀選手
男子個人戦
3C 福島 雅也
8位
全国高専柔道体重別
団体選手権大会
県高校弓道選手権
大会
34
5.2.3 文化系クラブ
文化系クラブの多くは11月の高専祭における発表を大きな目標として活動しているが、年間を通
して独自の活動を展開しているクラブの例として、吹奏楽部およびボランティアサークル「アメー
バ」を以下に紹介する。
吹奏楽部(部長:電気情報工学科4年平田
真由さん)は、高専体育大会の壮行会、高校
野球の応援、高専祭、卒業式などで演奏を行
い、本校の活動の様々な場面を音楽でサポー
トしている。
1月21日(土)には23回目となる定期演奏
会を御坊市民文化会館において開催した。第
吹奏楽部第23回定期演奏会
1部は現役部員18名によるステージで、吹奏
楽のオリジナル曲3曲に取り組み、息の合った演奏を披露した。第2部では事前のアンケートによ
るリクエスト曲から選んだ「ZARD-負けないで」などの4曲を明るく元気に演奏した。第3部
では吹奏楽部OB・OGが加わり、総勢45名を超えるメンバーによって 「ディスコ・キッド」 など
4曲を迫力のサウンドで演奏した。
また、2月11日(土)には国立病院機構和歌山病院(美
浜町)を部員13名が訪問し、リハビリテーション室にて入
院患者や職員の方々約40名に楽器紹介なども交えて約1時
間の演奏を聴いていただいた。
環境・福祉ボランティアサークル「アメーバ」
(代表世
話人:機械工学科4年伊藤圭祐さん)は、年に数回の本校
周辺の海岸清掃をはじめ、森林ボランティア活動や里山の
国立和歌山病院への訪問演奏
自然林を守る活動を展開している。
学校裏の名田海岸の清掃は4月24日(日)以降、計6回
行い、延べ42名の学生が参加した。毎回、プラスチック類
等の漂着ゴミが多く回収されるが、紀伊半島に大きな被害
を残した台風12号後の10月8日(土)の清掃活動では、多
量の流木の隙間に漂着物が散在していたため、ゴミの回収
に大変苦労した。
森林ボランティア活動としては、9年前に印南町川又の
国有林に植えた木々の成長を促すため7月3日(日)に同
アメーバ(海岸清掃活動)
地の下草刈りを行った。さらに、3月10日(土)には同地の空きエリアに新しくサクラやサザンカ
の苗木10本を植樹した。今後、これらの木々の成長を継続的に見守っていく予定である。
また、アメーバは地域の福祉団体への協力も続けており、11月1日(火)には平成23年度和歌山
県更生保護功労者顕彰式にて和歌山保護観察所長感謝状を受彰している。これは、美浜町更生保護
女性会(古屋せい会長)が行う薬物乱用防止の啓発活動への協力および和歌山保護観察所へのクリ
スマスカードの贈呈などの活動が認められたものである。
35
5.3 デザコン、プロコン、英語プレコン
「全国高等専門学校デザインコンペティション(デザコン)2011 in 北海道」が、
「ひらく」を
テーマにして11月12日(土)∼13日(日)に北海道釧路市の釧路市観光国際交流センターで開催さ
れた。デザコンは高専の土木建築系学科に所属する学生を中心とする全国の高専生が、普段の学習
で培った学力やデザイン力を応用して、構造デザイン、環境デザイン、空間デザイン、ものづくり
の4部門のいずれかの課題に取り組むものである。
構造デザイン部門は、与えられた材料、載荷方法、テー
マのもと、強度と構造美を兼ね備えた橋を提案するもので
ある。今年度のテーマは「片持構造物の強度コンテスト」
で、クレーンのブームや建築構造物によく用いられる片持
ち構造物をヒノキ材を用いて製作しその強度を競った。今
回の構造デザイン部門には、環境都市工学科2∼5年生で
構成された「K-boy bridge」と「A raTttttTai」の2チー
ム計12名が参加し、全53チーム中、それぞれ、25位、26位
耐荷力試験風景
にランクインした。なお、本校からは紙製の楽器を製作するものづくり部門にもエントリーしたが、
こちらは残念ながら予選通過を果たすことができなかった。
第22回全国高専プログラミングコンテストは、12月22日
(木)∼23日(金)に京都府舞鶴市総合文化会館で行われ、
本校はコンピュータ部のメンバーが競技部門に参加した。
今回は、「よみがえれ、世界遺産」というタイトルで、
あらかじめ加工された画像に与えられた複数のスタンプ画
像を順次適用する(排他的論理和をとる)ことで加工前の
画像を修復する競技だった。本校チームは健闘したものの
プログラミングコンテストの様子
上位に勝ちあがることはできなかった。
第5回近畿地区高専英語プレゼンテーションコンテストは、11月12日(土)、13日(日)に京都
リサーチパークを会場として開催された。11日にはスピーチの部、12日にはプレゼンテーションの
部が行われ、本校は全部門に参加した。コンテストの結果、和歌山高専からの出場者がスピーチの
部で5位に入賞し、留学生が特別賞を受賞した。
5.4 交通安全
5.4.1 セーフティラリーチャレンジ
本校では無免許運転や保険無加入車両の使用を防止する
ため、バイクおよび自動車での通学を許可制としている。
しかしながら、交通事故や交通違反が多く発生し、平成21
年4月には下校中の学生の二輪車による死亡事故が発生し
た。本年度も和歌山高専の学生および教職員の交通安全意
識と交通マナーの向上を図り、交通事故を抑止するための
36
セーフティラリー開始式・交通講話
試みとして、セーフティラリーチャレンジを実施した。
セーフティラリーチャレンジとは、御坊警察署およびJ
A紀州中央の協力・協賛をいただき、和歌山高専および和
歌山高専学生会交通安全委員会が共同主催した交通安全の
ためのプロジェクトである。学生及び教職員が5人を1
チームとして、チーム単位で期間中(7月4日(月)∼10
月21日(金)の110日間)の無事故・無違反を目指した。
参加した31チーム(154名、内訳:学生17チーム、教職
セーフティラリー表彰式
員14チーム)のうち、22チーム(学生10チーム、教職員12
チーム)が期間中の無事故・無違反を達成した。また、同時に行われた交通安全ペーパーテストの
結果も含めた最優秀チームに賞状と副賞が、参加者にJA紀州中央から記念品が贈られ、通学・通
勤の交通安全啓発に貢献した。
5.4.2 二輪車安全運転講習会
本校では、二輪車による通学や寮持ち込みをしている2、3年生を対象にして、安全運転励行と
運転技術向上のため、二輪車安全運転講習会を毎年実施している。
本年度は和歌山県警交通機動隊および御坊警察署交通課のご協力により、2月1日(水)の放課
後、校内に設置した特別コースにて開催した。47名の受講者は県警交通機動隊の白バイ隊員4名と
御坊警察署交通課職員の方々を講師に3班に分かれて「交
差点での進路変更」「急制動」「車両点検」の3つのテーマ
に関する実技講習を受けた。「交差点での進路変更」では
右左折時の指示器操作と安全確認のタイミングを再確認し
た。「急制動」では通常走行する自身の車両が緊急停止す
るまでの距離を実体験した。「車両点検」ではブレーキワ
イヤの伸び等の不備を指摘される車両もあり、日頃の整備
の重要性とその方法について真剣に耳を傾けていた。
指導を受ける受講生
5.5 避難訓練(授業時・クラブ時)
12月14日(水)、授業時の避難・消防訓練を行った。知能機械工学科の材料実験室から出火した
という想定で、学生全員の避難、点呼確認を行い、御坊市消防本部より講評をいただいた。その後、
教職員が実際に消火器を用いて、消火訓練を行った。
また、本年度はクラブ活動中の地震も想定し、7月22日(金)∼10月20日(木)の間に、クラブ
単位でクラブ活動中の避難訓練を実施、24クラブ、290名以上の学生が参加した。各クラブの主将
が避難を指示すると、学生たちは図書館棟前に避難、指導教員もしくは学生主事、主事補からの避
難指示で、さらに高台の名田中学校に避難した。
37
5.6 補 導
厚生補導委員会では、学生の交通安全と非行防止のため登校時の校門指導や昼休みの学校周辺の
巡回を行っている。また、御坊広域青少年補導センターとの連携による学生指導も行っている。
本年度に審議対象となった補導件数は98件(交通関係77件、飲酒・喫煙4件、その他17件)で、
前年度136件(交通関係89件、飲酒・喫煙15件、その他32件)と比較して、総件数では減少したも
のの、加害交通事故が多発した。飲酒の違反は発生しなかったが、喫煙違反は前年なみであった。
その他の補導で重大な事案は窃盗である。カンニング、深夜外出も依然として減少していない。
本年度に発生した窃盗事件は、世情に言われる規範意識の低下が背景にあると思われる。高等教
育機関の学生として自覚を高めるよう指導していきたい。また深夜外出の違反は県青少年健全育成
条例違反(夜間外出の制限)に関する補導センターからの報告に基づくものである。近隣のコンビ
ニエンスストアでの低学年寮生の補導が散見され、自身の行為が校則違反にとどまらず、社会的に
も許容されない行為であり、重大な非行の入口になりかねないことを自覚するよう強く求めたい。
停学を含む校長訓告以上の重い補導件数は16件で、前年度の39件と比べると半減している。
5.7 修学支援
修学支援として、(独)日本学生支援機構の奨学金をはじめとする各種奨学金によって、現在約
130名の学生が貸与を受けている。また、授業料免除は、授業料等の免除及び徴収猶予委員会にお
いて適正に審査を行い、予算の不足額については国立高等専門学校機構本部に申請手続きを行なっ
ている。
また、平成18年度から独自の制度として和歌山工業高等専門学校後援会中津奨学金制度がスター
トした。勉学意欲が強く、卒業する意志のある学生を上記委員会にて選考し、後援会長に推薦した。
最終的に、前期1名、後期1名の学生に授業料相当額の貸与が行なわれた。
5.8 進路指導関係
学生の進路指導については、4年次夏期休暇中のイン
ターンシップ(学外実習)を契機に、自分の進路を真剣に
考えさせるように進路アンケートを実施し、それをもとに
担任が個人面談を行い指導した。その後12月に4年生の保
護者を対象とした進路指導説明会を実施して進路情報を説
明した。同時に学生および保護者対象の県内企業合同説明
会も開催し、キャリア教育の推進と地元企業の紹介もあわ
和歌山県内企業合同説明会
せて行った。
卒業生・修了生は本科が160名、専攻科が23名で、このうち本科90名(56%)
、専攻科18名(78%)
が企業等に就職している。進学は本科生で67名(42%)、うち本校専攻科に19名が進学し、他の国
公立大学等へ48名が進学した。専攻科では5名(22%)の修了生が大学院へ進学した。
38
景気の低迷から企業からの求人数の減少が心配されたが、求人倍率は平均で約14.7倍となり昨年
度と同程度で、就職率は100%となった。
平成23年度卒業生の進路
卒業生・修了生 企業等就職
公務員
進 学
その他
求人企業数
求人倍率
機械工学科
39
21
0
18
(6)
0
440
21.0
電気情報工学科
42
25
0
15
(3)
2
453
18.1
物質工学科
38
20
0
18
(8)
0
228
11.4
環境都市工学科
41
23
1
16
(2)
1
202
8.4
本科合計
160
89
1
67
(19)
3
1323
14.7
メカトロニクス工学専攻
11
9
0
2
0
305
33.9
エコシステム工学専攻
12
9
0
3
0
184
20.4
専攻科合計
23
18
0
5
0
489
27.2
( )内は専攻科進学者内数
5.9 自己点検結果
学生会は学生会長を中心に、校内体育大会や高専祭を自主的に運営している。学生会活動におけ
る予算の健全化として、学生会費の収入に見合った支出を念頭に、企画やクラブ援助費の決定をす
るよう指導した。夏休みなどの長期休暇中の課外活動については、学寮と連携した形で指導体制を
作っているが、長期休暇中の閉寮に対応した課外活動指導体制の検討が必要である。今年度も高専
プロコン、デザコン等のコンテストへの積極的な参加があった。コンクリートカヌー競技大会では
総合3位を獲得するなどの活躍があった。今後も学生の自主活動については、その重要性を認識し
て支援体制の継続が必要である。近畿地区高等専門学校体育大会では、本校はソフトテニスと剣道
の2種目を主管し、関連クラブの指導教員等多くの教職員の協力を得て、無事に実施することがで
きた。
交通安全については、死亡事故を繰り返さないよう安全運転・防衛運転を強調している。通学等
で車両の利用を許可しているからには指導を徹底しなければならず、そのため定期的に校門に厚生
補導委員が立ち、朝の交通指導も実施している。さらに、昨年度よりセーフティラリーチャレンジ
を地元警察並びにJAの協力・協賛を得て実施し、交通安全運動の推進を行った。本校の立地の都
合上、車両の使用をなくすことができないため、交通安全には一層の指導が必要である。また、保
護者との連携がますます重要となってきている。
補導については、昼の学校周辺の巡回、クラス担任からの注意・クラス掲示ならびに犯罪防止の
講演会などを実施している。校長訓告以上の指導については、二度と繰り返さないよう保護者同席
の上で行なっている。また、学生本人には反省文も課している。また、未然に犯罪を防止するため、
「犯罪と非行防止」の講演、防犯カメラの増設、教室内のロッカー設置、全校集会での注意・啓発
などを行った。今後もハードとソフトの両面において安全で安心して学べ、活動しやすい環境づく
りを継続する必要がある。
学生の進路指導については、4年次夏期休暇中のインターンシップ(学外実習)を契機に、自分
の進路を真剣に考えさせるように進路調査を実施し、それをもとに指導した。その後12月に4年生
39
の保護者を対象とした「進路指導説明会」を実施すると同時に、学生および保護者対象の「県内企
業合同説明会」を開催した。1月には近畿地区の高専生を対象にした「高専生のための合同会社説
明会」に、希望学生を引率するなど、キャリア教育の推進と地元企業・地域産業の紹介もあわせて
おこなった。本校は技術者育成の教育機関であるため、入学時から意識的に進路情報を学生に伝え、
キャリア教育をしてきている。その最終段階として、4年次に行う学外実習と進路指導説明会は時
期と内容について妥当と考えている。卒業生の進路は就職が56%、進学42%となった。景気低迷の
中、求人倍率は平均で14.7倍、就職率は100%となった。一方、進学は本校専攻科が最も多く、そ
れ以外は国公立大学(3年次編入)であった。不景気の中、就職、進学率ともに良好であったが、
高専生採用を希望する企業は多く、卒業生の社会での活躍が大きな要因のひとつと考えられる。し
かし、これに甘んじず、進路指導をより強化していく必要があろう。
40
6 寮 務 関 係
6.1 概要
本校の学生寮(柑紀寮)は、全7棟からなる定員520名の全国有数の規模を誇る学生寮である。
現在、学寮には全寮制対象の低学年男子学生を中心に、男女寮生が日々生活しており、寮での集団
生活を通して自立と協調の精神を身につけ、相互の協力と信頼を育み、豊かな人間性を養えるよう
に努めている。寮の運営は、寮務主事他8名の教員と学生課長他3名の事務職員で行われている。
さらに、選抜した指導寮生及び副指導寮生を各寮棟の各階に配置し、彼らには寮生の指導等を委ね
ている。寮生数は525名で、内定員82名の女子寮には76名が入寮している。女子寮は定員を満たし
ていないが、男子寮には多くの入寮希望者がおり、1年生には3人部屋を設けているため、定員以
上の寮生が生活している。
平成23年度寮生数
(平成23年5月1日現在)
1年
2年
3年
4年
5年
研究生
専攻科生
合 計
152
(20)
136
(16)
93
(12)
〈5〉
71
(12)
〈3〉
63
(12)
〈8〉
1
9
(5)
525
(77)
〈17〉
〈1〉
( )内は女子内数〈 〉内は外国人留学生内数
平成23年3月末に100名定員の新寮棟建設に係る実施設計を終えたが、3月11日に発生した東日
本大震災という未曽有の災害の影響で、現在、建設の見通しは立っていない。高専機構本部に強く
働きかけを行っているところである。
本校では女子寮室に買取方式によりエアコンが設置されていたが、男子寮室にはなかった。本年
度、猛暑による熱中症対策や老朽化したスチーム暖房設備への対応のため、男子寮へもエアコンの
整備を行った。電源設備については高専機構本部からの予算により対応し、エアコン本体は寮生に
よる負担として10年間のリース契約を行った。11月30日に設置工事が完了し、12月1日から運用を
開始した。
6.2 入寮選考
本校では1、2年生男子は原則全寮制を実施している。そのため全寮制対象者(通学可能等の入
寮免除者を除く)で寮の定員の半数を越えている。女子学生はすべて入寮は任意であるが、1、2
年生は優先的に入寮させている。女子寮は定員を満たしていないため、特に問題がなければ入寮で
きる。一方、男子学生の入寮希望者は、例年定員を大幅にオーバーしているため、学寮運営に貢献
した評価点と規則違反等集団生活を送る上で問題となる行為に対する減点などを総合的に評価する
選考を行って、3年生以上の入寮者を決定している。入寮選考は新1年生の合格発表後(2月末)
に入寮者数が決定して初めて3年以上の入寮可能者数が決まる。2月当初に予備選考を行い、本年
度は残れない可能性の高い92名の寮生本人及びその保護者にその旨を連絡した。
41
平成24年度の新1年生は143名の入寮希望者があり、平成21年度から4年連続140名を越える入寮
者が出ている。高学年の入寮者の数は年々減らす必要があり、寮生には生活指導などを通じて自宅
からの通学や下宿をお願いしてきた。このため、過去2年間80名の入寮希望者へ入寮をお断りする
状況が続いていたが、本年度は50名とやや緩和された。しかし、依然多くの入寮希望者に応えるこ
とができず、早期の新棟の建設が望まれる。
6.3 生活指導
寮生が規則正しい生活を行うため、1年生対象の生活指導を7回、2年生男子対象を6回、3年
生男子対象を2回、3∼5年生男子対象を1回、4∼5年生男子対象を1回、1∼5年生女子対象
を4回、合計21回にわたる生活指導を行った。1、2年生には特に集団生活としての規則や寮生活
における注意事項などについて説明を行った。また、学寮委員の先生には交替で20分程度の講話を
実施してもらった。講話は各教員の専門や得意分野からテーマを設定して行い、寮生にとっては授
業とは違った先生の一面を知ることができる良い機会となっている。
6.4 食事
寮では朝、昼、夕の3食を寮食堂で提供している。食材費は1日665円であるが、限られた予算
の中で少しでも魅力ある食事を提供できるように努力を重ねている。寮生が好みの食事を選択でき
るように、朝食、昼食、夕食のいずれも2種類のメニューから選択できるようにしている。また、
クリスマス等各種記念日には特別料理などが提供され、寮生も楽しみにしている。また、寮生会食
堂委員会はアンケートを実施し、その結果は給食業者や学寮委員会、和歌山高専後援会寮生部会に
おいて報告され、学寮食堂のより良い改善等の資料として利用している。寮生からは食事について
おおむね好意的な評価を得ている。平成24年度も特に大きな問題がなかったため、給食業者は本年
同様㈱魚国総本社に決定した。なお、業者は3年間問題がなければ継続できるが、平成24年度末で
3年目となる。
6.5 学寮生活環境整備改善
今年度は学寮環境整備費として600万円の予算が機構本部から年度当初に付いた。ちなみに昨年
度は1000万円であるが、年々減額となっている。この経費により今年度は防臭対策として玄関にプ
ラズマクラスターを計7台設置した。また、逐次進めてきたロッカーの更新(6号館の121台)を
実施し、これを全て完了することができた。また、食堂の故障していた給茶器を含め、4台の更新
を行った。その他、風呂などの老朽箇所の修繕工事を行った。
概要でも述べた通り、男子寮6棟へのエアコンの設置が完了し、12月1日から運用を開始した。
電源工事は機構本部からの予算で行われ、エアコン本体は利用者負担による10年間のリース契約と
なっている。このエアコン整備により4月から男子寮生の寮生負担金が女子と同額の8千円となる。
42
その他、学内予算にて2号館の非常階段および食堂2階のアメニティースペースの階段の補修等を
実施した。
寮内LANの整備については、現在、全寮室へ有線LANを敷設する仕様などの策定を行ってい
る。平成24年度のできるだけ早い時期の運用を目指したい。
その他、老朽化したカードキーシステムの更新、渡り廊下の改修など早急に対応する必要がある。
6.6 主なイベント等
柑紀寮では、寮生が安全で安心な寮生活を送れるように、また、寮生の交流や人格豊かな人間
形成を図るため、数多くの行事やイベントを行っている。平成23年度に柑紀寮で行ったイベントや
種々の施策等は以下のとおりである。
6.6.1 指導寮生の研修会および交流会
(1)任命式・研修会
4月8日(金)∼9日(土)に平成23年度前期指導寮生研修会が実施され、指導寮生35名、副指
導寮生32名、教職員10名の合計77名が参加した。この研修会は学寮自治の中心的役割を担う指導寮
生、副指導寮生としての心構えや一般寮生への指導方法の理解
を得たり、新規に加わったメンバーとの親睦を深める機会とし
て毎年実施されている。
最初に指導寮生任命式が行われ、野村寮務主事から任命書が
手渡された。指導寮生委員長として任命を受けた電気情報工学
科5年生の山本誠人君から、「今年も指導寮生、副指導寮生が
一丸となって柑紀寮を良くしていこう」と力強い宣誓があった。
任命式
その後、8人の号館長を中心としたグループに分かれ、4つの
課題(盗難、指導寮生に対しての指導、一般寮生とのコミュニケーション、防災のために各フロア
で出来ること)についてロールプレイ(役割演技)と呼ばれる手法を用いて理解を深め、それぞれ
の対処方法について議論した。
翌日には各グループが議論した課題の対処方法を演劇として
発表して、他の指導寮生等からの質問や意見に答えた。発表さ
れた劇はいずれも時に笑いあり、また感動ありで充実したもの
であり、質疑応答も活発に交わされた。指導寮生達の意識の高
さが感じ取れる研修会であった。
後期指導寮生任命式は10月6月(木)に実施され、指導寮生
35名、副指導寮生32名、教職員10名の合計77名が参加した。寮
務主事より任命書が手渡された後、研修会として本校カウンセ
研修会風景
ラーで臨床心理士の坂田鈴先生から「心理的に不安定な学生の特徴と対応方法について」の講演を
していただき、問題を抱える寮生の指導について議論した。
43
23年度学寮指導寮生・副指導寮生名簿
指導寮生委員長 5B 山本 誠人
指導寮生副委員長 5C 山崎 啓司、5D 森本 喬太
号
前 期
指導寮生
号館長
副指導寮生
5D 宮原 和子
3C 一ツ田史奈
4C 佐々木 希
3C 魚海 彩加
3D 出 大揮
4A 津木 翼
3D 殿水 悠太
4B 藤田 勇磨
3C 山 真也
4C 杉谷 健太
3C 大和 尚平
4C 和田口直弥
4D 上西 拓郎
本 義孝
5A 西野 康平
5C 濵田 星
5C 森脇 寛人
5C 尾西 桂
4D 米地 昭洋
4D 岩 貴哉
5A 中川 直哉
5C 山崎 啓司
専
44
本 義孝
5D 百々 正隆
5C 松林 高弘
5D 西田 圭吾
5D 山下 直人
1
3A 村林 史
3A 高橋 潤
5A 鳥居 佑貴
5A ジェジェ
5D 高木 啓太
山本 誠人
5A 多田 洋光
4A イクワン
5B
1
多田 洋光
7
5A
5D 山下 直人
3C 大橋 一徳
5B 岸田 太貴
5
5
5D 西田 圭吾
4B 定 大己
4
5C 松林 高弘
3C 松尾 喜人
4D 上西 拓郎
4C 古山 祐
松林 高弘
5C
4
松林 高弘
5C
5A 多田 喜進
4C 玉置 瑞基
3
3
6
5D 百々 正隆
3B 坂田 康輔
2
専
4C 杉谷 健太
5D 山本 真也
1
2
5A 山本 芳輝
3B 岡本 貴文
3
5A ジェジェ
4D 結城 弘晃
4C 西 祐次
鳥居 佑貴
5A
1
鳥居 佑貴
5A
5A 鳥居 佑貴
5A 玉井 至
2
3
5B 岸田 太貴
4D 川口 充洋
岸田 太貴
5B
2
5A 長谷 佳明
4A 安川 和輝
3C 大和 尚平
3A 高橋 潤
5B 坂下 陽亮
4A 伊藤 圭祐
3C 山 真也
3A 村林 史
1
1
5
岸田 太貴
5B
5D 山本 真也
4B 岸川 知里
4B 藤田 勇磨
5C 尾西 桂
4D 鈴木 樂夫
3C 魚海 彩加
4B 前地 剛
3
3
5B 坂下 陽亮
4B 湯川 翔平
3C 上西はるか
4B 水井 裕一
2
5C 山崎 啓司
5C 福島 雅広
4C 佐々木 希
5D 芝山 功
坂下 陽亮
5B
2
4
坂下 陽亮
5B
4B 水井 裕一
4D 勝山 元揮
1
1
5A 中川 直哉
3C 一ツ田史奈
5D 森本 喬太
3
3
5D 芝山 功
2
2
4B 前地 剛
4C 石田 翔大
芝山
功
5D
5A 玉井 至
1
1
3B 坂田 康輔
3
3
3B 岡本 貴文
4D 岩 貴哉
5D 宮原 和子
4A 津木 翼
2
2
3
芝山 功
5D
4C 玉置 瑞基
玉井
至
5A
3C 松尾 喜人
4D 松本なつみ
1
1
2
玉井 至
5A
5B 山本 誠人
副指導寮生
5C 杉原あさみ
5C 加茂 絢香
3C 松本 弥夕
3C 大橋 一徳
5D 森本 喬太
指導寮生
3
3
4D 松本なつみ
4B 定 大己
4D 米地 昭洋
階
2
4B 岸川 知里
宮原 和子
5D
2
宮原 和子
5D
1
5C 杉原あさみ
5C 加茂 絢香
後 期
1
階
1
館
号館長
5B 山本 誠人
4C 石田 翔大
4D 勝山 元揮
3A 廣野 翔太
4B 湯川 翔平
3C 川 龍一
4D 鈴木 樂夫
4A 伊藤 圭祐
4B 木下 拓也
4D 川口 充洋
4D 結城 弘晃
4C 西 祐次
4C 古山 祐
4A イクワン
5A 西野 康平
4D 石井 寿典
5C 濵田 星
5C 森脇 寛人
4D 阪本 眞文
3B 小野塚政人
5D 高木 啓太
3D 出 大揮
3D 殿水 悠太
(2)豊田高専との交流会
指導寮生研修会の一環として指導寮生が10月22日(土)に豊
田高専学生寮(寮生数551名)を訪問し、指導寮生としての在
り方や寮運営等について意見交換を行った。
柑紀寮の指導寮生による他高専寮の訪問は、平成7年度から
毎年実施しているもので、今回で17回目となる。今回訪問した
のは指導寮生15名と教職員3名の計18名である。本校と同様に
豊田高専学生寮も大規模寮であり、お互いの寮運営に大きな教
訓を得ることができる機会であると思われた。両校の寮生およ
全員での記念撮影
び寮関係者が一同に会して双方の活動内容等を紹介した後、豊田高専の寮内を見学した。豊田高専
の寮運営では、アッセンブリーと呼ばれる寮生を集めた会議が週1回午後9時から低学年(2年以
下)と高学年で2カ所に分かれて開催されていた。また、低学
年は毎朝グラウンドで集合し、体操と点呼を行う。さらに、夏
休みと春休みは完全閉寮で、特別在寮の制度はなく、春休みは
すべての荷物を持ち帰るなど、多くの点で柑紀寮と大きな違い
があった。見学を通して本校の良い点や好ましくない点が明ら
かとなった。
寮食堂での夕食後は、グループに分かれて個別テーマでの意
議論する指導寮生
見交換を行い、寮内での諸問題や低学年に対する指導等の内容
について熱心な議論が続いた。最後に、今後の両校の学生寮の発展と交流を誓い合うことができ、
大変有意義な訪問となった。
6.6.2 避難訓練
寮生全員を対象とした避難訓練は毎年2回実施している。
第1回目は新しい寮生を迎えた入学当初で4月19日(火)に
実施した。午後4時30分に3号館1階の火災報知器が鳴らされ
ると、手順に従い、直ちに火災発生現場が確認され、続いて寮
内緊急放送により避難命令が流された。
寮生たちは指導寮生・副指導寮生に誘導されながら、各自日
頃から準備してある非常用持出袋を持って避難場所(図書館棟
第1回避難訓練(昼間)
前駐車場)に避難した。避難命令を伝える寮内放送から11分6秒で、避難場所での寮生全員の点呼
確認が完了できた。東日本大震災の後でもあり、寮生の避難に対する意識が高く、例年より機敏に
避難ができた。
10月13日(木)には第2回目の避難訓練を実施した。本訓練
は、夜間に火災が発生したとの想定で行った。午後7時00分に
5号館3階の火災報知器が鳴らされると、直ちに火災発生現場
を確認し、続いて寮内緊急放送により避難命令が流された。
寮生たちは、指導寮生・副指導寮生に誘導されながら、各自
日頃から準備して ある非常用持出袋を持って避難場所である
第2回避難訓練(夜間)
図書館棟前駐車場に避難した。
45
避難命令を伝える寮内放送から15分07秒後に避難場所での寮生全員の点呼が完了し無事が確認で
きた。
今年東日本大震災や県内でも未曾有の大水害などがあり、防災意識が高まっているが、学寮の訓
練は火災を想定した訓練であり、地震や津波の場合には違った対応が必要である。1人1人が状況
の把握と適切な判断をして自分の生命を守るために火災以外の防災にも役立ていきたい。
6.6.3 新入寮生(1年生)との交流
柑紀寮では新1年生の生活指導が最も重要であると考え、指導寮生と新1年生の親睦を深める交
流イベントを4月と1月に指導寮生委員会が中心となって実施している。
(1)ウェルカミングパーティー
今年で16回目となる新入寮生歓迎イベント「ウェルカミング
パーティー」を4月23日(土)に開催した。1年生149名と1
年生担当の指導寮生・副指導寮生、及び学寮関係教職員の合
計約180名が参加し、バレーボール大会とカレーパーティーを
行った。
バレーボール大会では、指導寮生をチームリーダーとした
21チームが予選リーグを戦った後に、決勝トーナメントを行い、
優勝した「食べるラー油」チーム
最強のチームの座を争った。
みごと優勝したのは女子チーム「食べるラー油」(1号館2
階)で、女子チームのハンデを感じさせない力強いチームプ
レーで勝ち上がった。フロア優勝も1号館2階の女子が獲得し
た。また、指導寮生チームと堀江校長らの教職員チームとの対
戦も組まれ、好プレーや珍プレーに、会場は大いに盛り上がっ
た。 熱戦後には、女子寮生有志による手作りのカレーライス(大
女子寮生有志による
手作りカレーライス
鍋6種類)が用意され、一緒に汗を流した者同士で仲良く山盛
りのカレーライスを頬張っていた。
(2)ニューイヤースポーツフェスティバル
1年生寮生と指導寮生との2回目の交流イベントとして1月に「ニューイヤースポーツフェス
ティバル」を実施している。今年で17回目となるが、内容は例
年と同様にバレーボールと餅つき大会を1月21日(土)に開催
した。
バレーボール大会は、各号館各階の指導寮生がリーダー、そ
のフロアの1年生がメンバーとなるチームを組み、予選リー
グと決勝トーナメントを戦い抜くもので、今回は男女合わせ
て22チームが参加し頂点を目指した。熱戦の末、チーム「アツ
いジャックの15cmのチョコバット」(7号館1階)が優勝した。
フロア優勝は2号館1階が獲得した。
46
優勝チーム「アツいジャックの
15cmのチョコバット」のメンバー
バレーボール大会終了後は、堀江校長も参加し、恒例の「新
春餅つき大会」が催された。指導寮生によるサポートの下、1
年生達は慣れない手つきで杵を振り下ろし、つき上がった餅は
寮生らの手で丸められ並べられた。参加者たちはつき上がった
餅をぜんざいに入れたり、あんこやきな粉、おろし醤油などの
タレを付けたりと、思い思いに楽しく食べていた。1年生寮生
も指導寮生たちも、充実した時間を過ごしていた。
つき大会
6.6.4 救急救命講習会
5月21日(土)に御坊市消防本部の指導の下で普通救命講習会を実施し、学寮の生活指導を担当
している指導寮生・副指導寮生17名、一般寮生1名、寮関係教職員3名の計21名が受講した。この
講習会は過去に寮生が病死したことをきっかけとして毎年この時期に行っているもので、今回で15
回目となる。
柑紀寮では、非常時に即座に対応できるように、常日頃から
学生寮で寮生指導に当たっている指導寮生・副指導寮生の過半
数の受講を目指している。参加者は講師から心肺蘇生法などの
説明を受けた後、ダミー人形を相手に人工呼吸や心臓マッサー
ジ、AED(自動体外式除細動器)による心臓電気ショック等
の実技を体験した。講習会の最後には、修了試験に相当する効
果測定が行われたが、参加者が熱心に取り組んだ結果、全員が
AEDの実技
無事合格となった。
6.6.5 第3回柑紀寮ビジネスマナー講習会
11月15日(火)に、昨年度から始めた4学年寮生を対象とした第3回柑紀寮ビジネスマナー講習
会を開催した。本講習会は、学生寮の「キャリア支援教育」の一環として、来年度の就職活動等に
おいて実戦的に対応できるようにと実施されたものである。今回は「スーツの着こなし」と題して、
青山商事の江種阪和ブロック長、南橋御坊店長らにより1時間
の講習が行われた。ネクタイの結び方、お辞儀の仕方といった
実技指導も交えた講習に、参加した59名の寮生全員は真剣な面
持ちで講義に聞き入っていた。
4年生にとって就職活動等は来年度早々に迫っており、本講
習会が今後の就職活動に多いに役立つ内容であったと好評で
あった。
ビジネスマナー講習会
6.6.6 第5回柑紀寮テーブルマナー講習会
5学年寮生(63名)を対象とした「第5回柑紀寮テーブルマナー講習会」を前半の10月24日(月)
と後半の11月7日(月)に分けて開催した。
この講習会は、将来社会人として正式な場面に直面したときに臆することなく対応できるように
47
と、学生寮の「食育」の一環として実施されているもので、参
加者は、会場となった紀州南部ロイヤルホテルの合田講師から、
「テーブルマナーとは相手への気遣いである」「一番大事なの
は楽しんで食事をすること」との説明を受けたのち、用意され
たフランス料理のコースディナーを味わった。
参加した寮生は全員、正装(スーツ姿)で緊張気味ではあっ
たが、講師のわかりやすい説明に従って料理を楽しんでいた。
参加者からは「とてもいい経験になった」「料理もすごくお
講師の説明を聞く受講生
いしかった」との感想が寄せられるなど好評であった。なお、5学年の通学生も希望があれば、実
費にて参加できる。
6.7 寮生会活動
6.7.1 寮生総会
寮生総会は5月に開かれ、寮生会長の選挙が行われた。5年機械工学科の多田洋光君が信任され、
執行委員長の4年電気情報工学科の定大己君と共に活動の中心となった。主な活動は、寮祭、学寮
スポーツ大会、世界はファミリー(留学生交流討論会)の実施、広報誌「ナダデココ」
、文集「潮
風」の発行である。また、大きな特徴として後述するグリーンキーパー活動がある。
6.7.2 寮祭
6月24日(金)から26日(日)にかけて2011年度の寮祭が
行われた。このイベントは毎年この時期に行われており、寮
での最大のイベントとなっている。25日(土)にはスポーツ
大会が開催され、バレーボールには30チームが参加した。予
選、決勝トーナメントと白熱した試合が続いた結果、3年生
で編成された「YOUTH ∼青い春」チームが1セットも落
とさない圧倒的な強さで優勝した。準優勝は1年生の「リア
ミニゲーム「大縄飛び」
充になりたい」、3位は昨年の優勝チーム「ブタゴリラ再び
現る」が続いた。その後はマルバツゲームや夜の映画上映と盛りだくさんの企画に多くの寮生が
参加した。翌26日(日)には寮のフロア対抗ミニゲーム大会が行われ、午前中には「みんじゃん」
「スリッパ飛ばし」「フリースロー」、午後には「5人6脚」
、「ぐるぐるバット」「障害物競走」が
行われ、各フロアの代表が景品である富くじを一枚でも多く
得るため、必死の戦いを見せていた。
最後には、富くじ抽選会が行われ、プリンタやデジカメ、
ハードディスク等の豪華賞品が幸運な当選者に贈られた。
6.7.3 世界はファミリー(留学生交流討論会)
この催しは、留学生と日本人学生との交流推進を目的とし
て年1回行われているもので、今回で13回目となる。今回か
48
「世界はファミリー」
ら国際交流委員会の主催として開催され、学生寮寮生会が運営実務を担当した。今回のテーマは
「観光地」で、学生寮寮生会の岡本博希君(知能機械工学科2年)と榎本遼典君(環境都市工学科
2年)の司会により、現在本校に在籍している3∼4年生の5名の留学生(マレーシア、バングラ
デシュ、インドネシア)と2年生寮生有志が質問し合う形式で進められ、出席した1年生寮生も積
極的に議論に加わっていた。
6.7.4 グリーンキーパー活動
グリーンキーパー活動とは寮内のボランティア活動のことで、今年度は287名の寮生が参加した。
活動内容は昨年度と同じく、家庭菜園班(56名)、花壇班(30名)、溝掃除班(30名)、寮内ゴミ拾
い班(36名)、寮外ゴミ拾い班(54名)、草刈り班(30名)、ペットボトル回収班(22名)、アメニ
ティースペース掃除班(29名)の8班に分かれ、年間を通じてそれぞれの班が9∼38回の寮敷地近
辺の美化活動や環境整備活動に励んだ。また、秋には家庭菜園班が栽培したさつまいもが大きく実
り、寮食堂でてんぷら等に料理され、寮生のおかずの一品に加えられた。
6.8 自己点検結果
学生寮(柑紀寮)は定員520名の全国有数の大規模寮である。1、2年生男子は原則全寮制で寮
生全体の約半分以上を占める。恒常的に入寮希望者が定員を超えており、毎年、入寮選考を行って
入寮者の制限をしている。平成24年度の入寮者については50名の希望者に入寮許可を出すことがで
きなかった。過去3年の80名と比較するとやや緩和されたが、依然厳しい選考をせざるを得ない状
況である。これは、和歌山県全域からの入学者が増加して自宅通学可能な学生が減ったことと、通
学可能でも課外活動に参加しやすいように寮に入る新入生が増えたためと推測される。このため、
100名定員の新男子寮棟の建設を高専機構本部に要望し、実施設計を完了したが、昨年度末にわが
国を襲った東日本大震災の影響で、当面建設は凍結状態に置かれている。学生の生活上の負担、保
護者の経済的負担、通学・生活上の安全などから、希望に応える寮整備が急がれる。また、新棟の
建設は1年生の3人部屋を解消し、本来の姿である2人部屋として運用するとともに、緊急時の空
き部屋を十分に確保する上でも必要性が高いと考えられる。さらに、定員増に併せて、手狭な寮食
堂の拡張や管理運営体制を見直していく必要がある。
悲願となっていた男子寮室へのエアコン導入については12月1日から運用を開始することができ
た。すでに設置されていた女子寮との格差是正、猛暑による熱中症からの防御、さらに老朽化した
集中スチーム暖房への対応が急がれていたことから、早期に導入できたことは快適・安全な学寮運
営に大きなプラスとなった。
整備が遅れていた寮内LANの整備については、来年度の早期の整備を目指して仕様策定を行い、
運用を開始したい。
昨年3月の東日本大震災、台風12号による和歌山県内への大水害など多くの災害に見舞われた年
でもあり、寮生の防災意識は高まったと思われる。避難訓練を昼と夜間の2回実施したが、例年よ
り指導寮生の意識も高く、緊迫感のある迅速な避難が行われた。さらに、将来予想される東南海・
南海地震、津波に対する防災意識を高めていく必要性があると考えられる。
寮の事務的管理業務は、3名の寮事務職員(非常勤1名を含む)で行っている。しかし、520名
49
の寮生に対する事務的業務は依然多忙を極めており、さらに新棟建設が予定されることから更なる
業務の効率化や簡素化が求められる。例えば、業務の簡素化として、寮内LANの整備に伴い、点
呼報告や食券等の電子化システムの導入を進めることが必要である。また、7棟に分散している各
館の管理を効率的にするために老朽化した接触式のカードキーシステムを非接触型に換え、事務室
から集中管理できるシステムの導入が必要である。
50
7 各 施 設 の 活 動
7.1 地域共同テクノセンター
7.1.1 受託研究・民間等との共同研究・技術協力依頼・技術相談
本年度は、受託研究7件、民間等との共同研究8件、技術相談などが21件あった。受託研究なら
びに共同研究は金額、件数ともに昨年度より増加した。
受託研究
民間等との共同研究
技術協力依頼・技術相談
21件
件 数
7件
8件
金 額
10,004千円
2,282千円
7.1.2 民間機関との研究会
代表研究者等
支援機関等
研究会等の名称
電気情報工学科
教授 藤 本 晶
(公財)わかやま産業振興財団
県特産品への感性価値付与検討研究会
物質工学科
教授 野 村 英 作
(公財)わかやま産業振興財団
有機テクノロジー研究会
ホストゲスト化学とセンシング機能材料
ワーキンググループ
環境都市工学科
教授 小 池 信 昭
(公財)わかやま産業振興財団
津波防波堤研究会
7.1.3 戦略的研究助成・教育研究奨励助成
個人研究に関しては科学研究費獲得に向けて競争力を強化するために、名称ならびに内容を変更
した。本校の教員または技術支援室員3名以上で構成され、地域特性を組み込むとともに、地域の
企業、自治体などが参加・協力できる研究プロジェクトとしての戦略的研究、科学研究費の獲得を
目指した研究領域Aおよび本校が特に奨励するテーマである研究領域Bに関する研究を募集し、戦
略的研究1件、研究領域A12件、研究領域B11件を採択し、助成を行った。総数は昨年度より4件
増加した。研究テーマの一覧は下記のとおりである。
戦略的研究助成
テーマ名
1
研究者名
感性価値を付与した紀州特産物の創生に関する研究
岩本仁志・藤本 晶・森 徹
教育研究奨励助成(研究領域A)
1
繰り返し重ね接合圧延(ARB)法によるアルミニウム単結
知能機械工学科
晶の超強加工
樫原恵藏
2
重合メッシュ法における不連続関数の三重積分を厳密に計算
知能機械工学科
するための新しい領域分割法
山東 篤
3
新規Ⅲ−Ⅴ族半導体混晶のバンドギャップエネルギーに関す
知能機械工学科
る研究
直井弘之
4
ヘンタンパク質反応中間体の構造の解明を目指した高酸化ヘ
物質工学科
ムの振動分光学的研究
石丸裕士
5
フラボノイド類の薬物代謝酵素阻害機構の解明
物質工学科
奥野祥治
6
多官能基化シンクロファン類の新規合法性の開発
物質工学科
河地貴利
7
過熱水蒸気による新規吸着剤の開発・探索
物質工学科
岸本 昇
8
静水圧を用いた植物培養細胞株保存方法の開発
物質工学科
楠部真崇
51
9
親水性イオン液体中の含水量に依存したナノ粒子サイズ制御
物質工学科
とその反応場としての特性
林純二郎
10
酸化ストレス条件下における細胞膜構造の変化とアミロイド
物質工学科
線維形成のモニタリング
森田誠一
11
最適な津波計の配置計画についての研究
環境都市工学科
小池信昭
12
2方向地振動を受けるはり崩壊型鋼製ラーメンの新しい弾塑
環境都市工学科
性地震応答解析手法の開発
山田 宰
教育研究奨励助成(研究領域B)
1
メンタルヘルス不調への気づき−身体症状をとおして−
学生課
小川敏子
2
担任主導によるQ−Uを用いた学級経営の全学的な実践
知能機械工学科
三原由雅
3
携帯情報端末に対応したe-Learningシステムの開発
電気情報工学科
村田充利
4
効果的防災教育に向け繰返し実演が可能な液状化再現装置の
環境都市工学科
開発
林 和幸
5
高専祭でのクラスイベント(映画製作上映)についての実証
一般科目
的研究
森岡 隆
6
Positive Organizational Scholarship(POS)理論研究と和歌
一般科目
山高専におけるその応用事例
後藤多栄子
7
情報技術と電子制御技術の統合実験システムの構築
寺西 信
8
可視光空間通信を用いた移動ロボットの移動制御に関する研究 電気情報工学科
岡本和也
9
大気圧プラズマを用いた表面洗浄、表面改質、殺菌への応用
電気情報工学科
基礎研究
竹下慎二
10
イオン選択性電極を用いたタンパク質−麻酔薬間の相互作用
物質工学科
研究
西本真琴
11
持続可能な地域公共交通の実現に向けた協働及び利用行動促
環境都市工学科
進のための提供情報の有効性評価
伊勢 昇
技術支援室
7.1.4 交流会事業
和歌山工業高等専門学校産官学技術交流会(事務局:御坊商工会議所)および南紀熊野産官学技
術交流会(事務局:田辺商工会議所)を中心として、講演会、技術懇話会などを開催し、技術交流
を深めている。
本校が地域産業界との連携で行った事業及び関連事業は次のとおりである。
① 講演会
産官学の交流を進めるため、御坊市、田辺市および美浜町で講演会を実施し、技術や情報の
交換を行った。
・和歌山工業高等専門学校産官学技術交流会
開催日 平成23年6月14日(火)
場 所 御坊市「旅路旅館」
講 師 環境都市工学科 助教 伊勢 昇
演 題 「住民を主体とした協働による地域公共交通づくり」
・南紀熊野産官学技術交流会
開催日 平成23年8月25日(木)
場 所 田辺市「紀伊田辺シティプラザホテル」
講 師 物質工学科 助教 西本真琴
演 題 「紀伊半島北西部の湧水の地球化学的研究
−地震発生予測の指標としてリチウムの可能性」
52
・地球を救う技術講演会『自然災害発生のメカニズムと防災への提言∼台風12号に関して∼』
開催日 平成24年1月14日(土)
場 所 田辺市「紀伊田辺シティプラザホテル」
参加者 270名
講 師 気象庁和歌山地方気象台 笠井将伸 予報官
演 題 「平成23年台風第12号と大雨」
講 師 環境都市工学科 助教 林 和幸
演 題 「土砂災害発生のしくみと減災に向けて」
講 師 環境都市工学科 准教授 三岩敬孝
演 題 「橋梁被害とその発生メカニズム」
地球を救う技術講演会(田辺)
・防災講演会
開催日 平成24年3月28日(水)
場 所 美浜町「美浜町地域福祉センター」
参加者 200名
講 師 環境都市工学科 教授 原 治
演 題 「巨大地震への備えと災害時の行動
∼東日本大震災に学ぶ∼」
講 師 環境都市工学科 助教 林 和幸
演 題 「大地震時の地盤の液状化と美浜町」
防災講演会(美浜町)
② 和歌山高専技術懇話会
産官学の技術交流や最新の情報交換を図るため、本校独自の研究奨励費補助に基づいて戦略
的研究および教育研究奨励研究発表会を開催し、産官学の交流を深めた。なお、関心のある研
究について、深く質疑応答できるように、ポスター発表形式に変更した。研究成果の詳細につ
いては本校地域共同テクノセンターから発行される「広報」に掲載される。
開 催 日 平成24年3月8日(木)
場 所 本校会議室
研究発表 戦略的研究 1件
教育研究A 12件(科研)
教育研究B① 1件(メンタルヘルス)
② 6件(教育方法)
③ 4件(スタートアップ)
技術懇話会・教育研究発表会
③ きのくにロボットフェスティバル2011
地域貢献の一貫として、人々にロボットを通じて「ものづくり」への興味を深めてもらい、
科学技術の振興に資することを目的に、きのくにロボットフェスティバル2011を実施した。
開 催 日 平成23年12月24日(土)
場 所 御坊市立体育館
入場者数 約7,000人
内 容 企業ロボットショー、学生ロボットコンテストなど
53
④ 和高専・次世代テクノサロン
紀南地域における産官学民の連携を強化し、異業種交流を活発に行うことで地域の産業技術
の高度化や多様化に対応し、産業振興の一助とすることを目指し、本校教員、研究開発や実業
界で活躍されている方々を講師に招き、本年度で5年目となる和高専・次世代テクノサロンを
実施した。
開催日
講演者
講演題目
23.
5.18
和歌山工業高等専門学校
環境都市工学科 助教 林 和幸
東北地方太平洋沖地震による地盤液状化被害
23.
8.25
和歌山工業高等専門学校
物質工学科 助教 西本真琴
紀伊半島北西部の湧水の地球化学的研究
−地震発生予測の指標としてリチウムの可能性
23.
9.14
石橋技術士事務所
石橋伸之氏
今後のエネルギー問題を考える
23.
11.
9
和歌山工業高等専門学校
環境都市工学科 准教授 三岩敬孝
台風12号による和歌山県内の被害調査報告
24.
2.15
株式会社タスク
吉野雅博氏
LED食物工場の現状および未来
和高専・次世代テクノサロン
7.1.5 公開講座
本校教員による公開講座を実施した。一覧を下記に示す。
講 座 名
開催日
開催場所
担 当
参加人数
対象者
指導者養成講座「6足歩行ロボット
の製作と競技例」
23.6.18
本校
山口・西本
9
一般
指導者養成講座「液状化に関する実
験」(おもしろ理科実験隊)
23.8.11
本校
林
(純)・林(和)
5
一般
指 導 者 養 成 講 座「4chリ モ コ ン ロ
ボットの製作と競技方法」
23.9.24
本校
西本
(圭)・佐野
11
一般
指導者養成講座「くだもの電池で
LEDを光らせよう」
23.10.29
本校
佐久間
11
一般
指導者養成講座「液晶温度計を作っ
てみよう」(おもしろ理科実験隊)
23.11.28
本校
奥野
4
一般
お手軽アニメーションの作成
23.7.23
本校
情報処理教育センター
28
中学生∼
一般 太陽電池とソーラーカー
23.7.25
本校
山口
31
小学生・
中学生 54
和歌山高専に隠された宝を探せ!?
23.7.30
本校
山田・林(和)
・伊勢
17
中学生
世界の化学・生物実験
「DNA Profiling:DNA鑑定」
23.7.30
ビッグU
楠部・西本(真)
・米光
10
中学3年生
世界の化学・生物実験
「DNA Profiling:DNA鑑定」
23.7.31
ビッグ愛
楠部・西本(真)
・野村
30
中学3年生
夏の楽しい化学実験「色の不思議と
遺伝子の抽出を体験しよう!」
23.8.1
本校
林(純)
35
中学3年生
LEGOロボットで遊ぼう
23.8.19
本校
森
20
中学生
マイクロコンピュータで電子回路
23.8.21
本校
佐久間
10
中学生以上
簡単なコンピュータ回路を作ろう
23.8.25
本校
渡邊
21
中学生
Flavor:フルーツの香り
23.8.27
本校
河地
20
中学3年生
ヒューマノイドロボットで遊ぼう
23.8.27
本校
村田
12
中学生
ロボットの「しくみ」で学ぶ知能機
械工学∼エレキ編∼
23.8.27
本校
津田
10
中学生
全方位移動車の原理を学ぼう
23.8.27
本校
北澤
34
中学生
物語られた世界
−社会と人間2011−
23.9.25
きのくに
志学館
平山・森岡
9
一般
ロボットの「しくみ」で学ぶ知能機
械工学∼数学編∼
23.10.29
ビッグ愛
津田
18
中学生
二足歩行ロボットの足を作ろう
23.11.5
本校
佐野
7
小5∼中学生
手作り望遠鏡で楽しもう
23.11.5
本校
樫原
11
小1∼小4
くだもの電池でLEDを光らせよう
23.11.5
本校
佐久間
10
小1∼中学生
コンピュータでキャラクタを作ろう
23.11.5
本校
村田
9
小5∼中学生
銀の鏡と万華鏡を作ろう
23.11.5
本校
河地
8
小1∼中学生
いろんな色と香りの入浴剤を作ろう
23.11.5
本校
米光
8
小5∼中学生
セメントでカラフル文鎮づくり
23.11.5
本校
三岩
9
小1∼中学生
コンピュータでまちづくり
23.11.5
本校
伊勢
7
小5∼中学生
Making PC
23.11.5
本校
森
7
小5∼中学生
温度で色が変わる使い捨てカイロ!
23.11.5
本校
石丸
9
小5∼中学生
電気で放っとケーキ
23.11.5
本校
山田
3
小5∼中学生
南紀熊野産官学技術交流会
二足歩行ロボットの足を作ろう
55
世界の化学・生物実験
7.1.6 出前授業・実験
地域における出前授業や出前実験を積極的に実施した。
地域の市町村にある教育委員会などの要請による出前講座
●NPO法人和歌山IT教育機構
講 座 名
Big Uこどもの日 夢をかたちにす
るしくみ
開催日
担当学科
講 師
参加人数
対象者
23.5.5
環境都市工学科
中本・林(和)
700
小学生∼一般
23.12.17
∼18
知能機械工学科
佐野
150
小中学生∼
一般
開催日
23.5.15
担当学科
物 質 工 学 科
講 師
土井・河地
参加人数
15
対象者
小学生
開催日
23.7.29
担当学科
電気情報工学科
講 師
山口・岡本
参加人数
56
対象者
小中学生
講 座 名
犯人を捜せ!
開催日
23.8.5
担当学科
物 質 工 学 科
講 師
参加人数
対象者
楠部・西本(真)
16
小学5∼6年生
トンボ玉を作ろう
23.11.26
物 質 工 学 科
講 座 名
化学変化は色んな世界!
開催日
23.7.28
担当学科
物 質 工 学 科
川の水を色によって調べよう!
23.8.4
環境都市工学科
小池
51
小学生
開催日
23.8.22
担当学科
知能機械工学科
講 師
坂田
参加人数
20
対象者
小学生
開催日
23.8.27
担当学科
電気情報工学科
講 師
若野
参加人数
20
対象者
小中学生
開催日
担当学科
講 師
参加人数
24.1.22
電気情報工学科
山口
56
対象者
小中学生∼
一般
開催日
担当学科
講 師
参加人数
24.1.22
電気情報工学科
山口
34
開催日
担当学科
講 師
参加人数
24.2.5
電気情報工学科
山口
45
担当学科
講 師
林(和)
・
中本・津田
参加人数
U遊祭2011 ロボット操縦体験
●新宮市
講 座 名
「元気・商店街」∼みんなに元気を∼
●古座川町教育委員会
講 座 名
夏休み古座川寺子屋塾
●かつらぎ町教育委員会
土井
13
小学5∼6年生
●印南町教育委員会
講 師
参加人数
綱島・林(純)
58
対象者
小学生
●日高川町土生ボランティア会(なごみ会)
講 座 名
風上に進む車
●紀の川市青少年健全育成推進協議会
講 座 名
子ども夢工房 in Naga
●湯浅町山田小学校
講 座 名
ロボット体験学習
●湯浅町教育委員会
講 座 名
ロボット体験学習
対象者
小中学生∼
一般
●岩代大梅林観梅協会
講 座 名
ロボットの実演と解説
対象者
小中学生∼
一般
●青少年のための科学の祭典・和歌山大会実行委員会
講 座 名
なぜなぜ地震・液状化
開催日
23.12.10
∼11
環境都市工学科
56
247
対象者
小中学生∼
一般
●(公財)わかやま産業振興財団
講 座 名
おもしろ科学の実験工作教室
「ホバークラフトを浮かせ」、
「三角
形の力をためそう」、「液晶温度計を
作ろう」、「ソーラートレインを走ら
そう」の実験工作
おもしろ科学の実験工作教室
「ホ バ ー ク ラ フ ト を 浮 か せ」、
「ソ ー
ラートレインを走らそう」の実験工作
Making PC
開催日
開催場所
23.8.4
∼
23.8.5
和
23.8.8
田
歌
山
辺
担 当
参加人数
対象者
市
山口・西本・
米光・奥野・
靏巻
34
小学生
中学生
市
山口・西本
18
小学生
中学生
セメントでカラフル文鎮づくり
コンピュータでキャラクタを作ろう
7.1.7 その他の事業
① 和高専企業合同説明会2011(産業界と教育界のマッチング)
12月10日(土)に本校体育館において株式会社紀陽銀行
との共催による「企業合同説明会」を開催し、4年生およ
び専攻科1年生とその保護者が参加した。この説明会は、
学生のキャリア教育並びに地域経済活性化への貢献を目的
として本校と紀陽銀行が平成20年3月に締結した「連携協
力に関する協定書」に基づいて平成20年度から開催され今
回が第4回目の開催である。大阪南部の企業2社を加えて、
昨年よりも3社多い合計39社の企業からの参加を得た。
和高専企業合同説明会
② 和高専人材バンク
今後の和歌山高専における技術者教育や地域連携推進をさらに推進するために、様々な分野
で活躍されてきた卒業生に協力を得るシステムとして、「和高専人材バンク」を立ち上げ、さ
らに退職教職員に拡大し登録を積極的に推進しており、平成24年3月現在201名の登録者を得
た。一昨年度から人材バンク登録者との情報交換の場としてのメールマガジンを発行継続し、
人材バンクの活動状況や本校からの依頼事項などの情報を提供し、登録会員からも多くの情報
が寄せられている。
また、当人材バンクの活用として学生向け講演会、次世代テクノサロン講師や各種イベント
への協力を得た。特に、全国ロボコン大会に応援に駆けつけた同窓生との学校長を交えた交流
会の定例行事化、昨年発足した御坊市に続いて有田川町の少年少女発明クラブからの要請への
指導員派遣、企業技術相談や生産技術改善への対応などの実績がある。今後とも、産学官連携
や共同教育を含めて、科学技術の普及促進に多面的な展開が期待されている。
57
③ 知的財産講演会の開催
FDの一環として本校教員および学生を対象に知的財産講演会を開催した。
開催日 平成23年12月6日(火)
場 所 本校第1会議室
講 師 一般科目 教授 後藤多栄子
演 題 「米国特許法改正について−新基準そしてStanford case 最高裁判決事例など」
④ 各種イベントでの発表・宣伝活動
イベント名
開催日と開催場所
主 催
2011夏 休 み サ イ
エンススクエア
平 成23年8月2日(火)∼
4日(木)
(独)国立科学博物館
国立科学博物館
第9回 全 国 高 専
テクノフォーラ
ム
平成23年8月4日(木) (独)国 立 高 等 専 門 学
学術総合センター(東京) 校機構
近畿地区高専
JST産 学 マ ッ チ
ングフェア
平成23年12月5日(月)
OSTEC大 阪 科 学 技 術 セ
ンター
出展など
「なぜなぜ地震・液状化」環境都市工
学 科 原 治 教 授、三 岩 敬 孝 准 教
授、山田 宰准教授、林 和幸助教、
伊勢 昇助教
広報、和歌山高専シーズ集の配布
パネル展示「ウツボが持つ有効成分
の抽出と構造解析」
物質工学科 土井正光教授
「半 導 体 ガ ス セ ン サ に よ る 匂 い の 識
近畿地区国公私立7高
別」電気情報工学科 藤本 晶教授、
専、福 井 高 専、(独)
「微圧炭酸ガス処理による調味梅干
科 学 技 術 振 興 機 構、
し加工技術の開発」物質工学科 楠
JSTイノベーションプ
部真崇准教授
ラ ザ 大 阪、JSTイ ノ
パネル展示:「植栽用容器」知能機械
ベーションプラザ京都、
工学科 藤原昭文教授、
「環境にやさ
JSTイノベーションサ
しいコンクリート」環境都市工学科
テライト滋賀
三岩敬孝准教授
わかやまテク
ノ・ビ ジ ネ ス
フェア 11
平成23年12月7日(水)
アバローム紀の国
「微高圧炭酸ガス処理による調味梅干
し加工技術の開発」物質工学科 楠
部真崇准教授、「強ひずみ加工による
(公 財)わ か や ま 産 業 金属材料の結晶粒微細化」知能機械
「遠隔操作
振 興 財 団、和 歌 山 県、 工学科 樫原恵蔵准教授、
(社)和歌山情報サー システムのためのインターフェイス
開発」知能機械工学科 北澤雅之教
ビス産業協会
授、「情報処理演習室における授業支
援システムに関する研究」電気情報
工学科 村田充利准教授
科 学・技 術 フ ェ
スタ in 京都2011
平成23年12月17日(土)
∼18日(日)
国立京都国際会館
広報、和歌山高専シーズ集の配布
内閣府、総務省、文部
ロボット操縦体験、ロボコンで活躍
科 学 省、厚 生 労 働 省、
したウメトラマンの展示、ウメンラ
農林水産省、経済産業
イダーWなどの操縦体験
省、環境省 他
電気情報工学科 山口利幸教授
⑤ 広報活動
和歌山工業高等専門学校地域共同テクノセンター広報Vol.20および平成23年度和歌山高専
シーズ集を発行して、各機関へ配布するとともに、会議、展示会等で配布した。
7.1.8 自己点検結果
受託研究は7件、10,004千円(昨年度4件、9,051千円)
、共同研究8件、2,282千円(昨年度5件、
1,150千円)といずれも件数、金額ともに増加した。しかしながら、技術相談件数については、21
58
件(昨年度27件)と大きく減少した。今後、更なる対外的な広報活動が必要であると思われる。
学内研究奨励費助成については、限られた予算を有効に活用して成果に結びつけていくために、
教育奨励研究と研究奨励の二つの研究助成を教育研究奨励助成として1つにまとめるとともに、研
究領域を明確化することで、それぞれの研究の成果を着実にあげられるようにシステムを変更した。
特に、科研費を含む外部資金の獲得を目指した研究を支援することを主眼とした。科研費新規申請
数は31件(昨年度29件)と若干増加した。次年度についても科研を含む外部資金の獲得増加に向け
て、申請件数を増加させる取り組みを強化させる必要がある。
「和高専人材バンク」については、登録案内を積極的に推進しており、201名(昨年164名)と大
幅に増加した。人材バンク登録者との情報交換の場としてメールマガジンを継続発行しており、登
録会員からの情報提供も多く、双方向の情報交換の場として有効に機能している。さらに有効な運
用を目指していく予定である。
また、学生のキャリア教育の充実と地元企業とのマッチングを目的として、地元大手銀行である
紀陽銀行と平成20年3月に締結した連携協力協定に基づき、第4回目となる企業合同説明会を開催
した。泉南の企業2社を含めて39社の参加(昨年36社)を得て、学生、参加企業ともに好評であっ
た。
さらに、きのくにロボットフェスティバル2011の開催への協力、和高専・次世代テクノサロンを
実施した。最終年度となるJSTの地域の科学舎推進事業「地域ネットワーク支援」においては、
小中学生対象の公開講座・出前授業や一般市民対象の公開講座も活発に実施した。
特に平成23年度については、平成23年3月11日の東日本大震災、9月2日から4日にかけての台
風12号被害を受けて、かつてないほどの防災に対する関心の高まりと多くの支援活動、防災活動が
展開された。本校も外部と連携しながら、防災講演会やテクノサロンを積極的に開催した。今後と
も防災活動の重要性は継続することから、防災活動支援などさらなる地域貢献を目指していく。
広報活動では、各種展示会等で研究紹介のパネル展示などの宣伝活動を行うなど、外部に向けた
情報発信を行った。
7.2 ロボット教育センター
平成20年度に、和歌山高専におけるロボットにかかわる教育の進展と地域におけるロボットを活
用した科学技術の理解促進に貢献することを目的として、本センターを設立した。具体的な業務は
以下の4点である。
① ロボットにかかわる教育方法の検討
② ロボットにかかわる教材の開発
③ ロボットを活用した教育イベント等への参画・協力
④ その他必要な事項
平成21年度には、科学技術振興機構(JST)に申請した地域の科学舎推進事業(平成23年度は
科学コミュニケーション連携推進事業)
「地域ネットワーク支援」に、全国の高専で初めて採択さ
れ(平成21年度∼平成23年度)、地域共同テクノセンターと共同して、当該事業に取り組んでいる。
この事業を含めて、平成23年度の活動を以下に報告する。
59
7.2.1 科学コミュニケーション連携推進事業「地域ネットワーク支援」への取組み
本校が提案したのは、「きのくにものづくり人材育成支援ネットワークの構築」である。本ネッ
トワークは、和歌山高専が運営機関となり参加機関と協力して、県内の小中高校生を中心に科学技
術の楽しみを体験してもらい、明日の和歌山や科学技術立国日本を担う人材を育成することを目指
している。3年計画の最終年度である平成23年度は、3年間の総括を以下に報告する。
①きのくにものづくり人材育成支援ネットワークの構築
平成21年度に9機関から成る「きのくにものづくり人材
育成支援ネットワーク」を立ち上げ、運営機関の和歌山高
専に事務局を設置した。ホームページも開設し、広報活動
にも努めた。さらに、科学技術理解増進活動を行っている
県下の各種機関との連携を推進し、当初目標の18機関を上
回る21機関から成るネットワークを構築できた。設立当初、
県中西部と北西部に偏っていた連携機関を、県内全域に拡
大することができ、より多くの方々に科学技術理解増進活
動を提供できる体制が確立できた。
ネットワーク連携機関
②ものづくり人材育成支援活動の推進 各機関が単独または連携して開催するものづくり教室、
科学教室等を、平成21年度38件(20,382名)
、平成22年度
56件(28,150名)
、平成23年度58件(26,785名)実施し、地
域の科学技術理解を持続発展的に増進させた。参加者が科
学技術への理解を今後も継続して深めていけるように、御
坊市の小学校のパソコンから本ネットワークのイベント一
覧へリンクを張る広報活動を行った。今後も本広報活動を
実施件数と参加者数の推移
県内に広げていく予定にしている。
また、地域の科学技術理解を持続発展的に増進させるた
めに、各機関が主催するものづくり教室、科学教室等の講
師となりうる人材を養成することは重要である。平成21年
度から講師(指導者)養成のためのテキストを作成し、現
在27テーマの講座を収録できている。さらに、本テキスト
等を活用しながら、平成22年度に5回(69名)、平成23年
度に5回(43名)の指導者養成講習会を開催した。本講習
会の参加者が講師やボランティアとなって、ものづくり教
室や科学教室等を開催していただき、科学技術への理解を
継続的に展開することができた。
指導者養成講座のテキスト
③教材・コンテンツの開発・共有
参加機関等が教材やコンテンツ等を、平成21年度に7件(ロボット関係2件)、平成22年度
に8件(ロボット関係4件)、平成23年度に13件(ロボット関係10件)開発した。これらは本
60
ネットワークのホームページで公開するとともに、フォーラムを毎年開催し、成果を報告した。
さらに、これらはネットワークが企画するイベントだけでなく、学校教育の場などでも利用さ
れた。
④参加機関の拡大と地域教育の継続的発展
ネットワークを構築し、連携機関による科学技術理解増進活動が実施され、これらの情報が
ホームページ、フォーラムや新聞等を活用して公表された。さらに、教材等も多数開発された。
これらの取組みを未参加機関に積極的にアピールする活動を行い、参加機関の増加を図った。
その結果、当初の9機関から県内全域の21機関に参加機関を増やすことができた。今後もネッ
トワークの参加機関による科学技術理解増進活動を広く実践し、ものづくり人材育成支援を通
じた地域の科学技術教育を継続的に発展させる体制が確立した。
今後の展望として、支援終了後も、和歌山高専が運営機関となり各参加機関を取りまとめ、現在
のネットワークを維持するとともに、和歌山県内の山間部などの未参加機関に参加を働きかけ、参
加機関を増やしていく。また、科学技術理解増進活動を積極的に展開している県外の高等専門学校
との連携も深め、参加者により興味を持っていただけるような事業を展開していきたいと考えてい
る。今後も本ネットワークとして、科学技術理解増進活動を実施していく予定にしている。さらに、
開発した教材やコンテンツ等が学校教育にも活用されるように、いずれの学校であっても制限する
ことなく科学技術教室等を開催していく予定にしている。
以上の3年間の活動について、JSTの最終ヒアリング審査の結果、以下の評価を受けた。
本企画について、計画は達成され、十分な活動の実績をあげた。毎年実施のロボットフェス
ティバルで多くの参加者を集めるとともに、当初の目標を超える数の参加機関からなる全県
的なネットワークが構築された。また、指導者養成のためのテキストやコンテンツを独自に
開発し、それが学校教育の現場などでも利用されている。
7.2.2 きのくにロボットフェスティバル2011
本イベントは、高専ロボコン2006全国大会で本校チームが準
優勝したことを契機にして、県内の子供たちにものづくりや科
学技術に興味を持ってもらい、和歌山県や日本の発展を支える
人材に育ってほしいとの願いから、和歌山県、和歌山県教育
委員会、御坊市、御坊市教育委員会、御坊商工会議所、和歌
山高専、和歌山高専産官学技術交流会が実行委員会を組織して、
2007年から毎年開催してい
る。近畿地区6高専、福井
開会式での仁坂知事の挨拶
高専と岐阜高専(2011年から)が共催に、後援には、文部科学
省、経済産業省、高等専門学校連合会、
(独)国立高等専門学
校機構も入っていただき、大臣賞の表彰がある全国規模の大会
と位置付けられている。このように大きな大会を、本校が関
係機関と連携しながら、中核的役割を担っている意義は大きい。
ロボットコンテスト中学生部門
本イベント開催に向けて、本校では1月から準備作業を進めた。
61
今回で5回目となる「きのくにロボットフェスティバル2011」が12月24日(土)に御坊市立体育
館で開催された。本イベントの目玉企画は小・中・高校生対象のきのくに学生ロボットコンテス
トと高専ロボコン全国大会優勝校等のロボットや企業等の最先端ロボットのデモンストレーショ
ンである。ロボットコンテストの小学生部門では「運んで分けろ!∼倉庫ゲーム∼」という課題
で、コートの中に並べられた大小2種類の紙コップを6足歩行ロボットを操縦してそれぞれのコッ
プ専用の収納場所に運び、得点を競った。今回は競技時間が昨年より1分短くなり2分に設定され
た。中学生部門では、「タワーを建てろ!!∼紙コップ積み上げゲーム∼」で、ゴールステージに
紙コップをより高く積み上げた方が勝ちとなる。高校生部門は、「山を越えろ!∼玉入れゲーム∼」
で、ロボットがコート中央付近の階段を超えて、その先にあるボールを取り込み、再び戻ってきて
自分のカゴにボールを入れた数を競った。本コンテストでは、優勝、準優勝、第3位の表彰以外に
も、アイデア大賞の文部科学大臣賞と、デザイン大賞の経済産業大臣賞、さらに、資源エネルギー
庁長官賞、高等専門学校連合会会長賞などの特別賞も授与された。
ロボットのデモンストレーションでは、産業技術総合研究所
の人間に近い動きができるサイバネティックヒューマンHRP
−4C「未夢」と千葉工業大学の災害対応ロボットQuinceな
どの最先端ロボットが見事な動きを披露し、観客を魅了した。
高専ロボコンチームのデモンストレーションでは、2011全国大
会で優勝とロボコン大賞をダブル受賞した仙台高専名取キャン
パス、同ベスト8の奈良高専、そして、和歌山高専Aチーム
(ベスト8)とBチームが、課題を華麗にクリアする動きを国
高専ロボコンロボットの実演
技館同様に実演した。また、国内だけでなく、韓国からもロボットのデモンストレーションに参加
を得ており、国際的な技術の交流の機会にもなっている。
本フェスティバルでは、さらに、ロボット操縦体験コーナーも設けられ、コンテスト参加者以外
の一般来場者もロボットの操縦を体験することで興味を持ってもらうことに努めている。また、小
中学生発明の「私たちのくふう展」、わかやまソフトウェア・CGコンテスト展、御坊市少年少女
発明展、わかやま版「地域産業の担い手育成プロジェクト」展、ROBO−ONE&ロボットゆう
えんちコーナーも併設された。
本フェスティバルの来場者は前回と同程度の約7,000名で
あった。また、小・中・高校生のロボットコンテストへの製作
講習会・予選会の参加者も年々増加している。本イベントの趣
旨である、科学技術に興味を持ってもらう子供たちが着実に増
えていることが窺える。
最後に、関係機関が本フェスティバルのためにほぼ1年をか
けて準備しているご努力に敬意を表するとともに、共催の各高
ロボットコンテストの受賞者
専の組織的な協力に深謝する。
7.2.3 アイデア対決全国高等専門学校ロボットコンテスト2011
高専ロボコンは、全国から57校62キャンパスの高等専門学校が参加する全国規模の教育イベント
である。各キャンパスから2チームがエントリーし、全国8地区(北海道・東北・関東甲信越・東
海北陸・近畿・中国・四国・九州沖縄)で開催される地区大会に出場し、そこで選抜された25チー
62
ムにより全国大会が開催される。平成22年度から、高専ロボコンチームの募集、選出や大会終了ま
での支援について、本センターが担当することになった。
第24回大会の競技課題は「ロボ・ボウル」で、2足歩行の攻撃ロボットが、学生から受け取った
アメリカンフットボールを、相手チームの防御ロボットをかいくぐり、ゴールゾーンにいるチーム
メイトの学生に向けてノーバウンドでパスを送り、そのパスが成功するまでのタイムを競うもの。
近畿地区大会は、10月23日(日)に近畿大学記念会館(東大阪市)で開催され、近畿地区の高等
専門学校7校14チームが出場し、熱戦を繰り広げた。本校から
は、Aチームの「ウメトラマン」とBチームの「光線をクエ」
の2チームが出場した。Bチームは地元日高町の協力を得て、
クエをデザインしたロボットを製作した。試合では初戦敗退し
たものの、地元の自慢クエをアピールできた。Aチームは初
戦で今大会最速の9秒でパスを成功させ、2回戦でも10秒を記
録した。しかし、準決勝では11秒でパスを成功させたが、相手
Bチームのディフェンスロボット
チームがそれを上回る9秒でパスを決めて、敗退した。Aチー
ムは技術賞を受賞するとともに、全国大会への出場権を獲得した。本校チームの全国大会出場は6
年連続、13回目となる。
全国大会は、11月20日(日)に東京の両国国技館
で開催され、全25チームがトーナメント形式で対戦
した。1回戦は9秒でパスを決めて幸先良いスター
トを切ったが、準々決勝ではパスが決まらず敗退し
た。場内からは選手の健闘に暖かい拍手が送られた。
最近6年間で準優勝3回、ベストエイト3回と安定
した上位の実力を発揮しているが、今回も優勝には
手が届かなかった。全国大会の出場メンバーは、選
全国大会1回戦のAチーム
手で宮口拓己君(知能機械工学科3年)、天津悟君(機械工学科4年)、林裕一朗君(知能機械工
学科2年)、ピットメンバーで秋山宗之君(機械工学科4年)、寺嶋瑞仁君(知能機械工学科3年)、
佐藤翔馬君(電気情報工学科3年)、落合将也君(同)、田中一平君(同)である。
本校ロボコンチームの活躍は、近畿地区大会が11月6日(日)、全国大会が12月11日(日)NH
K総合テレビで放送された。さらに、『きのくにロボットフェスティバル2011』や出前授業など県
内外の各種イベントにも出演し、子供たちの科学技術への興味喚起に貢献した。
7.2.4 教育イベント等への参画・協力
本センターでは、各種の教育イベント等に協力している。これらへの協力を通じて、多くの方々
の科学技術やものづくりへの関心をより一層高めることは、次代を担う優秀な人材を育成する礎に
なると考えている。これらの活動の一部は、本校の出前授業やJST科学コミュニケーション連携
推進事業「地域ネットワーク支援」、サイエンスパートナーシッププロジェクトとして実施された。
本センターが平成23年度に行った活動を以下に示す。
63
教育イベント等での講演やデモンストレーションなど
開催日
イベント等名称
会場等
概要
SPP グランドスラム科学技 御坊市
術体験「ロボット技術体験」
名田中学校
高専ロボコンロボットのデモン
ストレーションと解説
6/18
指導者育成講習会「6足歩行ロ 御坊市
ボットの製作と競技指導」
和歌山高専
科学技術教室等の講師を養成す
る講座。きのくに学生ロボコン
小学生部門に使われているロ
ボットの製作と競技の仕方を指
導
7/29
夏休み古座川寺子屋塾
古座川町
中央公民館
各種ロボットの操縦体験と電子
工作「光センサで音楽スタ ー
ト」
8/10
電気学会関西支部、大阪市立科 大阪市
高専ロボコンロボットの解説、
学館主催「小中学生のための電 大阪市立科学
実演、操縦体験
気教室」
館
8/27
ソーラーカーの製作とリモコン
紀の川市
子ども夢工房 in Naga(出前授
那賀総合セン で動くロボット・音や光で動く
業)
ロボットなどの操縦体験
ター
8/27
和歌山高専「オープンキャンパス」
5/6
9/14
御坊市
和歌山高専
高専ロボコンロボットの展示
国立教育政策研究所主催。本校
「中学校・高等学校における理 東京
の取組を発表してほしいとの要
系進路選択に関する研究」公開 文部科学省3 請を受け、「地域と連携した科
研究会
学技術教育への高専の取組」を
階講堂
発表した。
9/24
指 導 者 養 成 講 習 会「4chリ モ
御坊市
コンロボットの製作と競技方
和歌山高専
法」
科学技術教室等の講師を養成す
る講座。きのくに学生ロボコン
中学生部門に使われているロ
ボットの製作指導
9/29
出前授業「ロボットと人間の未 御坊市
来」
御坊小学校
小学5年生の社会の授業を実施。
高専ロボコンロボットや各種ロ
ボットの説明と体験
10/30
宮子姫みなとフェスタ
御坊市
EEパーク
高専ロボコンロボットの展示と
各種ロボットの操縦体験
12/17∼18
U遊祭2011
田辺市
Big−U
高専ロボコンロボットの展示と
各種ロボットの操縦体験
12/17∼18
科学技術フェスタin京都 2011
京都市
高専ロボコンロボットの実演と
国立京都国際
各種ロボットの操縦体験
会館
熊本高専PBL総合教育セン
ター主催。本校の取組を発表し
てほしいとの要請を受け、『地
域等と連携して和歌山高専が取
り組む「きのくにものづくり人
材育成支援ネットワーク」』を
発表した。
12/26
平成23年度国立高専機構高専改
革推進事業 平成23年度高専サ 福岡市
イエンス支援ネットin九州沖縄 東洋ホテル
科学技術教育支援研修会
1/14
公開講座「ロボット体験学習」
御坊市
和歌山高専
高専ロボコンロボットのデモン
ストレーションと解説・操縦体験
1/22
出前実験「ロボット体験」
湯浅町
山田小学校
高専ロボコンロボットのデモン
ストレーションと解説・操縦体験
1/22
高専ロボコンロボットのデモンス
出 前 実 験「わ く わ く 体 験−ロ 湯浅町
ボット−」
湯浅中央公民館 トレーションと解説・操縦体験
2/5
岩代大梅林イベント「ロボット みなべ町
と遊ぼう」
岩代大梅林
64
高専ロボコンロボットのデモンス
トレーションと解説・操縦体験
指導者養成講座
「4chリモコンロボットの製作と競技方法」
出前実験「ロボット体験」
和歌山IT教育機構からKONDO二足歩行ロボットの活用について技術相談があり、電気情報
工学科の村田充利准教授がこれに応じた。さらに、御坊市内紀央館高校の先生から自立型ロボット
(KHR)の制御方法について技術相談があり、同じく村田教員が制御方法の技術指導を行った。
また、日高川町観光協会と共同開発したWARAIロボットの機能低下が著しいことから、正常
に動作しかつ操作性を向上させるように補修、改良を行った。今年度は台風12号の被災により、恒
例の観光イベント「初詣・初笑い神事」は実施されなかった。
7.2.5 自己点検結果
全国の高専で初めて採択された、
(独)科学技術振興機構(JST)の科学コミュニケーション
連携推進事業(旧地域の科学舎推進事業)「地域ネットワーク支援」(平成21年度∼平成23年度)を
無事終了することができた。外部評価やJSTの最終ヒアリング審査でも高い評価をいただき、十
分満足している。これもひとえに本事業にご協力、ご支援くださった連携機関や本校教職員の皆さ
まのおかげであり、改めて御礼申し上げたい。平成24年度以降も構築したネットワークの発展に努
めたい。しかしながら、活動に伴う費用等については課題を残しており、外部資金の獲得など方策
を検討していきたい。
また、本校の取組について、中学校・高等学校における理系進路選択に関する研究を推進してい
る国立教育政策研究所や平成23年度国立高専機構高専改革推進事業を行っている熊本高専PBL総
合教育センターから要請を受け、講演する機会を得たことは喜ばしい限りである。今後も、本校の
取組がモデルとなることを期待したい。
本センターが高専ロボコンチームをどのように支援していくか、まだ十分確立できていない。引
き続き、学内の合意も得ながら的確な支援に努めていきたい。また、WARAIロボットの維持管
理等について、台風12号の影響があり日高川町観光協会と協議できていない。復旧具合を見ながら
方策を検討していきたい。
7.3 情報処理教育センター
7.3.1 公開講座「お手軽アニメーション作成」
日 時:平成23年7月23日(土)1日間
時 間:10:00∼15:00
場 所:和歌山工業高等専門学校 図書館棟 第三演習室
対 象:中学生∼一般
講 師:本校の教職員 森 徹、村田充利
65
本講座では、平成19年度より続けているフリーのFlashアニメーション作成ツールSuzukaを用い
て、アニメーション作成の実習を行った。Suzukaを用いると普通のパソコンを用いて、誰でも簡
単にアニメーションが作成できるようになる。受講生は中学生28名で講師は本校の教職員3名が担
当し、電気情報工学科の学生3名が補助した。午前中は、講師の教職員や補助学生の指導を受けな
がらアニメーション作成の練習を行った。午後は各自、自由テーマでアニメーション作成に取組み、
最後に作品の発表会を行った。自分の作成したアニメーションを思いどおりに動かすのは楽しい体
験だったようである。受講後のアンケートもおおむね好評であり、次年度以降も実施していく考え
である。
7.3.2 パソコンの組み立て(なるほど体験科学教室)
11月5日(土)に「Making PC ∼パソコンなんて怖くない
∼」とのテーマで、パソコン組み立ての体験を行った。これは、
平成23年度理工系教育推進事業「なるほど体験科学教室」で開
設している教室の一つで、小・中学生を対象に科学のおもしろ
さを知ってもらう目的で毎年実施しているものである。
参加者は小学生1名、中学生6名、講師は情報処理教育セン
ターのスタッフ森川寿教員、森徹教員、真田順技術職員が担当
パソコン組み立て風景
した。
パソコンの仕組み及び各部品について簡単な説明を行った後、各自一人一台を組み立てた。パソ
コンは市販の組み立てパソコンを利用した。講師の指導の下、パソコン筐体への各装置の組み込み
から配線まで行った。
7.3.3 教育用電子計算機システムの充実
平成24年2月に、情報処理教育センターと図書館棟第三演習室を光ファイバーで直接接続した。
これにより、ネットワーク回線速度が向上し、授業や実習の効率が改善されるものと期待される。
また、平成24年3月に、Visual Studio 2010を情報処理教育センター第二演習室のパソコン11台に
導入した。Visual Studioはソフトウェア開発のための統合開発環境である。この導入により、授業
などでソフトウェアを制作することが格段に容易になり、教育効果の向上も見込まれる。
7.3.4 自己点検結果
情報処理教育センターでは、公開講座「お手軽アニメーション」、なるほど体験科学教室「Making
PC」を行った。受講生からも良い評価を得ており、今後とも続けることにしている。放課後や休
憩時間における学生の第一演習室(49台)および第二演習室(11台)の利用率は相変わらず高く、
現在17時までの開館時間を延長してほしいという要望もある。この要望には、学寮へのLANケー
ブル設置や、オープンラウンジなど学内の特定の施設における無線LAN設置で対応すべく計画中
である。
さらに、現在第三演習室のみが図書館棟に離れて設置されているが、施設改修に際して、情報処
理教育センターの施設・設備を図書館棟にまとめ、図書館と一体化したメディアセンターとして、
本校の情報収集・発信の拠点とするべく検討中である。
66
7.4 図書館
本校図書館は、
「誰もが親しみ、利用しやすく」を目標に、諸施策の実施や機材導入・改善に努
力を続けている。学内に対しては、読書感想文コンクール、教員・学生による図書推薦、学生図書
委員会による『図書館だより』発行等を図書館設立当初より継続して実施している。平成21年度か
らは、図書館に対する意識向上を図るため、「読書会」 を実施している。平成22年度からは、年間
貸出冊数の多かった優良利用者を表彰している。また、視聴覚コーナーを設置し、館内所蔵のビデ
オやCD・DVD・BD・LD等をいつでも利用できるようにしている。
所蔵している図書情報のデータベース化により、館内の検索端末機やホームページを通じて容易
に検索できる状態になっている。平成23年度には長岡技術科学大学と高専間の統合図書館システム
に加入し、それに伴い、システムを一新した。館内の検索端末機やホームページから本校図書館の
みならず、全国の高専と長岡技術科学大学図書館の所蔵検索が可能になった。
7.4.1 活動内容
学生図書委員が中心となり教員図書委員の指導のもと、パソコンで編集した4色刷りの『図書
館だより』を年2回発行(第121号、第122号)した。また、読書感想文コンクール入選作品集『群
青』(第8号)を発行した。編集はメディアセンター長、副センター長及び図書委員が行った。『図
書館だより』『群青』のいずれも業者には印刷・製本だけを依頼した。
「読書感想文コンクール」への応募作品は198編で、その中から、第2席1編、第3席1編、佳
作7編、計9編の作品が選ばれた。なお、第1席は該当者がなかった。表彰式は平成23年11月9日
(水)に行われ、入賞者には堀江振一郎校長から賞状と賞品(図書カード)を授与した。
その他本年度も次のような活動を行った。
・新入生、編入生、留学生、新任教員に対して図書館の利用についてのオリエンテーションを
行った。
・読書会を3回行った。
・優良利用者5名を表彰した(予定は3名であったが貸出冊数の同数者が多く5名となった)。
・年度初めに長期貸出中の研究用図書の確認を行い、夏季休業中に蔵書点検を実施し、蔵書の
管理を徹底して行った。
・4回実施された校内の大掃除の際に学生に対し書籍の配列の乱れを整理させ、図書は「日本
十進分類法」に基づき分類順に配架していることを教え、図書館利用の認識をもつように指
導した。
・地域のみでなく、全国レベルでの資料提供を促進するため、所蔵図書のNACSIS−CA
T(国立情報学研究所が運営している全国の大学図書館等の総合目録データベース)への遡
及入力を昨年に引き続き行っている。
67
7.4.2 利用状況
今年度の図書館利用状況については、以下のとおりである。
ここ数年貸出冊数は、減少傾向にあったが、平成22年度から増加に転じている。分野別に見ると
「歴史」「自然科学」「技術」「産業」分野が昨年度を下回っているが、残りの分野は全て増加して
いる。特に「言語」分野は昨年度に比べて貸出冊数が倍以上増加している。入館者数も平成22年度
から増加に転じている。今後もこの水準を維持・向上させていくためには、より一層授業と図書館
との関連を密接にするとともに、一般教養書などの蔵書の充実が必要である。(表7.1、表7.2)
本校図書館は地域にも公開しており(平成12年8月1日(火)より)、自然科学・工学技術系図
書が多く利用されている。この地域にあっては一般公共図書館にない特色が現れている。また、芸
術・文学書等も多く借り出されており、登録利用者層の広さがうかがわれる。中高校生の入館もあ
り、学習の場として積極的に利用されている。今年度は昨年度よりも更新登録者数が減少しており、
今後、地域への告知方法を考えていく必要がある。学外利用者の貸出冊数は昨年度に比べ減少した。
(表7.3、表7.4、表7.5)
7.4.3 和歌山地域コンソーシアム図書館
県内の高専・大学及び地域の公共図書館が参加する「和歌山地域図書館協議会」において、
「和
歌山地域コンソーシアム図書館」を平成13年度に発足させ、同年10月より「蔵書情報の検索・提供
サービス」をweb上から利用可能とした。本校では平成15年2月13日(木)からサービスを開始
している。年々web公開数は増加しているが、まだまだ利用度が低いので、いかに利用を増やし
ていくかが課題になっている。
7.4.4 自己点検結果
本校の『図書館だより』の発行システムは教員・学生図書委員の協力のもとに効率よく機能を果
たしている。
本校図書館は蔵書管理、入退館者管理が非常にきめ細かくチェックされて、蔵書の紛失も極めて
少ないことが特徴である。
本校図書館もまた、昨今の情報環境の整備・情報関係サービスの向上を基盤にしたIT化社会へ
の適応を余儀なくされており、それに対する検討が急務である。運営面においては、バリアフリー
に対応する一層の設備更新・施設整備を進める。また、本校の教育・研究、地域産業に関する技術
資料等の厳選と蔵書増に努めるとともに、一般教養図書についても学内外からの要望をできるだけ
受け入れ可能とする必要がある。さらに、各地域の図書館との連携を活かした情報提供サービスを
一層向上させ、紀南の情報発信源としての積極的な取組みを果たすことが今後の課題である。最後
に、上記の情報処理教育センターの項でも述べているが、メディアセンターの一翼として、図書館
のより活発な利用形態を検討していきたい。
68
表7.1 入館者数
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
昼 間
(8:30∼17:00)
18,100人
(601)
16,906人
(674)
13,656人
(454)
14,943人
(1,061)
14,705人
(540)
夜 間
(17:00∼21:00)
3,959人
(325)
4,782人
(236)
4,406人
(189)
4,287人
(148)
4,679人
(96)
合 計
22,059人
(926)
21,688人
(910)
18,062人
(643)
19,230人
(1,209)
19,384人
(636)
*( )は、一般利用者(内数)
*定期試験期間中の夜間開館は、17:00∼22:00
表7.2 貸出冊数
分類(NDC)
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成23年度
0 総 記
180冊
85冊
81冊
1 哲 学
136
81
92
69
75
2 歴 史
126
148
117
168
128
3 社会科学
267
221
196
215
233
4 自然科学
1,144
940
713
1,071
1,068
5 技 術
1,164
897
736
888
677
6 産 業
40
37
29
35
22
7 芸 術
706
736
455
722
736
8 言 語
279
318
229
324
739
9 文 学
1,486
1,119
892
1,408
1,500
図 書 合 計
5,528
4,638
3,544
4,981
5,281
雑 誌
482
458
303
283
299
合 計
6,010
5,096
3,847
5,264
5,580
土曜日貸出冊数(内数)
141冊
平成22年度
103冊
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
364冊
294冊
205冊
296冊
286冊
*貸出冊数については、昼間・夜間の区分はしていない
表7.3 一般開放に伴う学外利用者職業別登録者数
区 分
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
小 学 生
0人
2人
0人
1人
0人
中 学 生
26 32 16 6 4 高 校 生
2 1 1 1 5 大 学 生
2 1 1 3 0 専門学校生
1 0 0 0 3 会 社 員
7 8 8 5 4 公 務 員
0 1 2 2 2 農 業
0 0 0 0 0 自 営 業
2 0 1 0 1 主 婦
0 0 0 0 0 そ の 他
20 20 23 19 18 新規登録者
計
60 65 52 37 37 年度更新者
計
57 60 47 45 41 合 計
117 125 99 82 78 * 平成12年8月1日から一般開放
69
表7.4 一般開放に伴う学外利用者入館者数
平成19年度
利用時間
平 日
土 曜 日
合 計
9時∼17時
497人
497人
17時∼21時
325人
325人
10時∼16時
合 計
822人
104人
104人
104人
926人
平成20年度
利用時間
平 日
土 曜 日
合 計
9時∼17時
565人
565人
17時∼21時
236人
236人
10時∼16時
合 計
801人
109人
109人
109人
910人
平成21年度
利用時間
平 日
土 曜 日
合 計
9時∼17時
402人
402人
17時∼21時
189人
189人
10時∼16時
合 計
591人
52人
52人
52人
643人
平成22年度
利用時間
平 日
土 曜 日
合 計
9時∼17時
913人
913人
17時∼21時
148人
148人
10時∼16時
合 計
1,061人
148人
148人
148人
1,209人
平成23年度
利用時間
平 日
土 曜 日
合 計
9時∼17時
420人
420人
17時∼21時
96人
96人
10時∼16時
合 計
516人
70
120人
120人
120人
636人
表7.5 一般開放に伴う学外利用者分類別貸出数
分 類
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
9冊
10冊
6冊
15冊
16冊
0 総 記
1 哲 学
9 6 12 3
1
2 歴 史
16 17 6 9
11
3 社会科学
7 16 6 19
11
4 自然科学
69 54 46 37
75
5 技 術
83 107 67 75
59
6 産 業
2 9 3 10
4
7 芸 術
30 128 57 45
22
8 言 語
7 5 6 9
8
9 文 学
247 234 250 333
217
雑 誌
28 11 4 24
7
合 計
507 597 463 579
431
* 平成12年8月1日から一般開放
7.5 技術支援室
技術支援室は、技術に関する業務を組織的かつ効率的に行うとともに、その職務遂行に必要な能
力、資質の向上を図り、教育・研究に関する技術的支援と専門的業務を円滑かつ効果的に行うこと
を目的としている。
7.5.1 研修・懇談会
①平成23年度西日本地域高等専門学校技術職員特別研修
8月24日(水)から26日(金)にかけて、標記の物質系技術職員特別研修が豊橋技術科学大
学情報メディア基盤センターにおいて開催された。本校から化学・環境グループの林、花田が
研修生として参加した。また研修会運営のため技術支援室から山口室長、眞田技術長が出席し
た。研修会の参加者は14高専17名で、研修内容は下記に記載した特別講演(豊橋技科大副学長
角田教授、和歌山高専堀江校長)、講義(豊橋技科大水嶋准教授、岩佐准教授)、研究報告(和
歌山高専岸本准教授、楠部准教授)
、施設見学(花王(株)豊橋工場、豊橋技科大環境生命工
学系)および研修生の課題発表であった。研修の概要は下記のとおりである。
9:00
講義1
8/25
「環境を守る
(木)
触媒技術」
12:00 13:00
技術課題の発表及
び討議
第1セッション
技術課題の発表及び討議
第2セッション
14:00
特別講演2
「世界の中で共に生
きる力を育てる」
15:00
16:00
17:00
学外施設見学
研究報告
講義2
「梅調味廃液の処理 学内施設
「有機化学の射程」 と 有 効 利 用 を 目 指 見学
して」他
技術課題の発表及び討議
第3セッション
71
18:00
19:00
情報交換会
閉講式
8/26
(金)
11:00
特別講演1
「物質系での教育・
研究を遂行するた
めに:環境の変化
への対応」
開講式
受
付
8/24
(水)
10:00
研修生による課題発表では出前授業、地域研究協力、学生実験などに関するものが多かった。
本校から参加した林技術専門員の課題発表タイトルは「地域研究協力と技術支援」であり下記
の内容であった。
和歌山高専技術支援室では、実習工場や専門学科の設備を用いて行われる教育研究および地
域協力において技術支援を行っており、その業務はルーチンワークとしての学生実験・実習へ
の技術支援業務のほか、テンポラリーワークの一つとして、地域企業等からの技術協力依頼・
技術相談を受けた教員からの技術支援依頼がある。これらの業務は、地域の企業等から地域共
同テクノセンターあるいは教員が受け入れた地域研究協力で、加工や実験・測定等において技
術支援が必要な場合、担当教員から技術支援の依頼が出されることになっている。このような
技術支援業務は、技術支援室発足以前から行われていたが、技術支援室の発足により支援依頼
の手続きが整理された。
今回の課題発表では、これまでに地域研究協力などに技術支援を行ったいくつかの事例とし
て、環境教育としての研究支援、地元NPO法人からの塩にがりの成分分析、地域でのガラス
細工の技術指導、排水処理管理に関する油脂分解効果の確認について紹介した。
②第4回近畿地区国立高等専門学校技術職員懇談会
8月26日(金)に、舞鶴工業高等専門学校の中会議室において開催され、本技術支援室から
生産・加工グループの小口、巨海が参加した。参加者は他に舞鶴高専(教員1名,技術職員6
名)、明石高専(技術職員2名)、奈良高専(技術職員3名)の合計14名であった。
開会式では太田舞鶴高専校長の挨拶、野間教育研究支援センター長の挨拶、参加者の自己紹
介が行われた。承合事項確認では各高専30分の持ち時間で、事前に提出していた17件の承合事
項の確認を行った。その結果、各高専の抱えている問題点や紙面上ではわからない部分も直接
話をすることによって確認できた。引き続き、協議事項が話し合われた。協議した事項は①貸
し出し協定以上の連携②懇談会の定例化の2件である。担当校の舞鶴高専より提案説明がなさ
れた後、活発な意見交換が行われたが、2件とも今回参加していない大阪府立大学高専、神戸
市立高専、近畿大学高専の参加を含む内容だったため結論を出すに至らなかった。閉会式で野
間教育研究支援センター長の挨拶があり、その後、舞鶴高専実習工場を見学し、終了となった。
③情報システム統一研修
5月2日(月)より6月20日(月)までの間、CD−ROMによる情報システム統一研修を、
本技術支援室から、電気・情報グループの寺西が受講した。研修内容は、XML技術であった。
④平成23年度近畿地区高専情報処理教育連絡協議会
8月2日(火)に、新大阪ステーションホテルにおいて、標記の協議会が開催された。本技
術支援室から、電気・情報グループの寺西が参加した。各高専から提出された承合事項につい
て議論が行われた。
⑤平成23年度国立高等専門学校機構IT担当研修会
8月18日(木)から19日(金)にかけて、αラーニングセンター水道橋において、情報シス
テム及び情報ネットワーク等の運営に携わる教職員を対象としたIT担当研修会が開催された。
72
本技術支援室から、電気・情報グループの寺西が参加した。研修内容は、情報セキュリティや
仮想化技術等であった。
⑥平成23年度国立高等専門学校機構ネットワーク管理者研修会
12月26日(月)から27日(火)にかけて、国立オリンピック記念青少年総合センターにおい
て、ネットワーク管理者研修会が開催された。本技術支援室から、電気・情報グループの寺
西が参加した。研修内容は、認証基盤システム、ファイアウォール、IPv6、無線LAN等で
あった。
7.5.2 研究
平成23年度和歌山高専教育研究奨励助成
「情報技術と電子制御技術の統合実験システムの構築」
技術支援室 電気・情報グループ 寺西 信
平成23年度和歌山高専教育研究奨励助成を受け、3月8日(木)にポスター発表を行った。本研
究では、情報技術(ネットワーク・データベース・セキュリティ等)と電子制御技術(モータ制
御・マイコン開発等)を連携させて学ぶことができる実験システムを構築した。
7.5.3 公開講座・出前授業
①夏休み古座川寺子屋塾
電気・情報グループ:小畑俊二、濱口龍弘
7月29日(金)、13時より古座川町内の小学生と中学生の参加で夏休みを利用して「古座川
町寺子屋塾」科学体験教室「光で動くオルゴール」を開催し、30名を募集した。その結果、19
名の応募があり、当日は小学生15名と中学生3名の参加で実施した。和歌山高専から技術支援
室の小畑、濱口が参加し、古座川町職員5名の応援もありほぼ時間内に完成した。
ハンダごてを使うのは初めての子供たちが多く、ハンダについての説明、工具の取り扱い方
法の注意をし、慣れない手つきで作業を開始した。部品チェック、CdS取付(3個程リード線
が腐食でハンダが付かないトラブル発生)、抵抗取付と順調に進み、電池ホルダー2個取付も
クリヤー、ブザー用リード線黒線取付も無事クリヤーし、+側(赤線)は部品の構造上ハンダ
付けが難しいので指導者で取り付けることにした。組立後
も基盤のパターン剥離やハンダの付け過ぎによるブリッジ
(短絡)、部品の過熱不良による目玉(接触不良)
、ブザー
の+(赤線)線の剥がれ等があり、スタッフ全員の協力で
修理し、作品が完成した。
子供達全員による「今日はありがとうございました」と
いう元気な挨拶が印象的であった。
夏休み古座川寺子屋塾
②第8回おもしろランド春祭り(潮岬青少年の家主催)出前授業
電気・情報グループ:小畑俊二、濱口龍弘
2月26日(日)、13時より潮岬青少年の家主催の第8回おもしろランド春祭り体験コーナー
の1つとして和歌山高専より「光センサーで音楽スタート」のタイトルで「光で動くオルゴー
73
ル」の製作体験を実施した。
当日、20名の予定で整理券を発行して募集をし、小学生
16名と中学生1名の合計17名(男子3名、女子14名)と父
兄6名の参加があった。テーマがオルゴール作りだったか
らか、女子生徒の参加が多かった。最初に簡単に高専の概
要を説明し、次に光センサーについて説明、パワーポイン
トを使いながら組立指導をスタッフ3人で行った。ハンダ
ごてを使った経験があるのは中学3年の女子生徒1名のみ
で、みんなぎこちない手付きでの作業が続いたが、なんと
おもしろランド(潮岬青少年の家)
の出前授業
か全員完成して喜んで帰っていただくことができた。
7.5.4 その他の業務
●共通
業 務 内 容
依頼元
期間
ロボットフェスティバルの競技フィールドの製作
JST
6/13、14
きのくにロボットフェスティバル
JST
12/23、24
学校説明会
各学科
10/15
●生産・加工グループ
業 務 内 容
依頼元
期間
加工及び加工指導
ロボコン部
通年
加工及び加工指導
自動車部
通年
ネット用ポストの修理
バドミントン部
7/21
教室ロッカーの修理
知能機械工学科
4/7
CADソフトのインストール
知能機械工学科
7/25、26
卒研時間外指導
知能機械工学科
通年
各種機械加工
知能機械工学科
9/16∼9/28
ソーラー台車の製作
電気情報工学科
2/2∼3/27
寮のベッド用はしごの修理
学生課・寮務係
6/17
テント支柱の修理
学生課・学生係
11/72/21
学生イベント用溶接物の製作
電気情報工学科
10/11∼10/30
アルミ溶接講座
自動車部
10/6∼12/14
3A創作実習競技フィールドの製作
知能機械工学科
11/21∼12/5
技能検定受検実技指導
知能機械工学科
11/24∼1/27
体験実習入試用試験装置の製作
知能機械工学科
11/15、18、12/19
参観授業
知能機械工学科
4/29
教育に関する部品の製作
各学科
通年
●電気・情報グループ
業 務 内 容
依頼元
期間
サーバ(基幹系、教育系)の管理
情報処理教育センター
機構本部から来る情報関連業務
総務・企画係、情報処理教育
通年
センター
包括ライセンス契約によるPCへのWindows及び
Officeのインストール
総務・企画係
情報処理教育センター
通年
ホームページの作成
情報企画委員会
通年
74
通年
JSTきのくにものづくり人材育成支援
ネットワークのホームページ作成
JSTきのくにものづくり人
通年
材育成ネットワーク
進路情報(求人情報、公務員情報、編入学情報)
の更新
学生課・学生係
学生課・教務係
通年
開示用定期試験問題をサーバーにアップ
学生課・教務係
通年
学内ネットワーク更新に関する業務
情報処理教育センター
通年
学内PCおよびネットワークトラブルへの対応
情報処理教育センター
通年
なるほど体験科学教室「Making PC」
情報処理教育センター
11/5
●化学・環境グループ
業 務 内 容
依頼元
期間
公開講座「夏の楽しい化学実験-色の不思議と遺伝
子の抽出を体験しよう!」
物質工学科
8/1
なるほど体験科学「銀の鏡と万華鏡を作ろう」
物質工学科
11/5
体験実習入試業務
物質工学科
1/7
地域研究協力
地域共同テクノセンター
3/3∼9/15
公開講座「和歌山高専に隠された宝を探せ」
環境都市工学科
7/30
7.5.5 自己点検結果
学生の実験・実習の技術支援、卒業研究支援は時間外も含め、十分に行えたと思う。
また、課外活動の技術支援に対してはロボコン部、自動車部に対して指導が行われたり、実験実
習等に使用する機器・設備の保守も行われている。
地域連携活動については、ガラス細工の指導や出前授業等が行われている。
学力入試、体験実習入試、学生定期健康診断、校内安全パトロール、公開講座等、本校が行う行
事や、JSTが行うロボットフェスティバルへの支援を行った。
また、サーバーの管理や情報関連、ホームページ関係の支援、校内の物品修理等、学内の運営に
も大きな支援を行なっている。
研修では、西日本地域高等専門学校技術職員特別研修、情報システム統一研修、国立高等専門学
校機構IT担当研修会、国立高等専門学校機構ネットワーク管理者研修会への参加、近畿地区国立
高等専門学校技術職員懇談会、近畿地区高専情報処理教育連絡協議会への参加のほか、個人の研究
も行われ、ポスター発表が行われている。
これらを踏まえ、技術支援室としては全員がよく頑張っていると思われる。まだ余力があれば、
研究・発表を行ったり、公開講座、出前授業等を企画・実行したりできればと思う。また、平成17
年度に組織の見直しにより技術支援室が発足したが、今回、技術支援室として活動状況を初めて年
報で公表することにした。今後、他高専技術職員組織の有益な活動などを参考にしながら、本校技
術支援室の充実に一層努めたい。
75
8 国 際 交 流 関 係
本校における学術及び教育の国際交流に関する事項を審議し、国際交流の促進を図るため、国際
交流委員会が設置されており、同規則第2条に、以下の審議事項が規定されている。
第2条 委員会は、次の事項を審議する。
一 外国の大学等との交流協定に関すること。
二 外国の大学等からの教職員、研究者及び学生等の受け入れに関すること。
三 外国の大学等への教職員及び学生等の派遣に関すること。
四 外国の大学等からの訪問に関すること。
五 外国の大学等への訪問に関すること。
六 外国人留学生に係る生活指導及び外部団体への対応に関すること。
七 外国人留学生相談員に関すること。
八 その他国際交流に関すること。
本稿では、上記事項に対応させて、平成23年度の現状を報告する。
8.1 外国の大学等との交流協定について
8.1.1 成都電子機械高等専科学校・成都航空職業技術学院との交流協定
平成22年12月19日(日)に開催された「きのくにロボットフェスティバル2010」に中国・成都
電子機械高等専科学校(成都高専)を招聘したことを契機とし
て、同校との交流を近畿地区国立4高専と連携して推進するた
め、平成23年2月27日(日)から3月2日(水)まで近畿地区
国立4高専校長が成都高専を視察訪問した。その後、協議を進
めた結果、近畿地区国立4高専(舞鶴高専、明石高専、奈良高
専、和歌山高専)と成都2校(成都電子機械高等専科学校、成
都航空職業技術学院)との間で学術交流協定を締結することに
なり、平成23年9月13日(火)に明石高専で調印式が執り行わ
明石高専での調印式
れた。
8.1.2 上海電機学院との学生交流に関する協定
平成14年に上海電機技術高等専科学校(上海電機学院の前
身)と学術交流協定を締結し、その後、相互の短期留学生の受
入れ・派遣や教職員の交流を行ってきた。さらに、平成22年に
は、上海電機学院から本校機械工学科4年生に編入学生を受け
入れた。このような経緯を踏まえ、平成23年3月23日(水)に、
堀江校長をはじめ本校訪問団が上海電機学院を訪れ、相互の学
校において正規課程修了を目指した修学が可能となる「学生交
上海電機学院での調印式
流に関する協定」に調印した。
76
8.2 外国の大学等からの教職員、研究者及び学生等の受入れ
8.2.1 国費留学生・マレーシア政府派遣留学生の受入れ
平成22年度の外国人留学生は15名(内1名は私費留学生)で、平成23年3月に5名が卒業した。
平成23年4月には、国費留学生2名(バングラデシュ、インドネシア)とマレーシア政府派遣留学
生3名が入学した。さらに、平成23年3月に発生した東日本大震災による影響を受け、5月に福島
高専から本校環境都市工学科第5学年にマレーシア政府派遣留学生1名が転入学してきた。その結
果、平成23年度は最多の16名の外国人留学生が本校で学ぶことになった。国別、クラス別の人数は
下表のとおりである。なお、男子12名、女子4名である。
国別留学生数
クラス別留学生数
国名
人数
クラス
3年
4年
5年
マレーシア
9名
知能機械工学科
2
−
−
インドネシア
3名
機械工学科
−
1
3*
バングラデシュ
2名
電気情報工学科
0
1
2
ベトナム
1名
物質工学科
2
1
1
中国
1名(私費)
環境都市工学科
1
0
2
*1名が私費留学生
平成24年3月に5年生8名が全員卒業し、全員が国立大学第3学年に編入学した。一方、平成24
年3月で4年生の国費留学生1名が帰国することになった。平成24年度の留学生の受入については、
マレーシア政府派遣留学生1名が予定されている。
8.2.2 外国人私費留学生の受入れ
平成22年4月に、交流協定を締結している上海電機学院から本校機械工学科第4学年に編入学生
として1名を受け入れた。交流協定により入学金や授業料を不徴収としたが、学費や生活費等は必
要で、日本国際教育支援協会奨学金と地元企業の紀州技研工業株式会社の奨学金による支援をい
ただき、勉学の大きな支えとなった。本校での2年間の学修を終え、平成24年3月に無事卒業した。
卒業後の進路は、国立大学第3学年編入学が決まった。
平成23年4月から9月まで、本校知能機械工学科に外国人私費留学生1名を研究生として受け入
れた。期間中研究を行い、終了後、本国へ帰国した。
外国人私費留学生を受け入れるために、(独)国立高等専門学校機構が行う平成24年度国立高専
第3学年編入学試験[外国人学生対象]に参加した。本校の受入可能人数は、電気情報工学科、物
質工学科、環境都市工学科にそれぞれ1名と公表したところ、知能機械工学科と物質工学科にそれ
ぞれ1名の志願者がいたが、最終的には合格者はいなかった。
8.3 外国の大学等への教職員及び学生等の派遣
8.3.1 在外研究員の派遣
(独)国立高等専門学校機構は、毎年、在外研究員派遣制度を実施している。これは、国立高専
の教職員を海外の教育研究機関等に派遣し、先進的な研究や優れた教育実践に参画させることなど
77
により、教育研究能力の向上を図り、もって各国立高専の教育研究を充実させることを目的として
いる。本校企画会議で人選し、同機構へ申請した結果、平成22年度は電気情報工学科、謝孟春教授、
平成23年度は物質工学科、楠部真崇准教授が採択された。それぞれの渡航先等は下表のとおりであ
る。
在外研究員の派遣
派遣教員
渡航国
研修先
研修テーマ
渡航期間
電気情報工学科
謝 孟春
アメリカ
防災・減災システム構築 平成23年3月25日
ジョージ・メイソン大学
ための機械学習手法に関
∼
Krasnow研究所
する研究
平成24年3月16日
物質工学科
楠部真崇
アメリカ
カリフォルニア大学
サンディエゴ校
微生物の生理機能に与え 平成24年3月20日
∼
る高圧力の影響に関する
研究
平成25年3月12日
8.3.2 上海電機学院への短期留学派遣
短期留学の学生募集を行ったところ14名の応募があり、英語による面接を行い、12名の学生を選
抜した。2回の事前オリエンテーションを経て、3月21日(水)から3月31日(土)の11日間、学
生12名(引率教員2名)が上海電機学院に短期留学した。今回は、移転した上海電気学院・臨港新
城新キャンパスを訪問し、同キャンパス内のビジター用の寮(ホテル形式で教員1室/1名、学生
1室/2名)に滞在した。食事は原則、学内学生食堂を利用した。様々な交流プログラムが用意さ
れていて、講義等では、中国語講座、書法、水墨画、太極拳の中国文化を体験した。学生交流では、
日中学生交流、中国文化体験(二胡などの演奏)、日中学生親睦会などで、他にも、学生会のメン
バーや本校への短期留学の経験のある学生が積極的に対応して、プログラム外でも交流を行ってい
た。観光等では、上海市内(オリエンタルパールタワー、上海博物館、外灘、南京路)
、東海大橋
及び洋山景観地区、蘇州(拙政園、寒山寺)などを訪問した。参加した本校学生も充実した短期留
学を体験できた。国際合作交流処を中心に対応していただいたが、常時懇切丁寧なもてなしを受け
たことに対し、心よりお礼を申し上げたい。
上海電機学院短期留学派遣団
役割等
所属等
氏名
団長
環境都市工学科教授
靏巻 峰夫
副団長
一般科目准教授
森岡 隆
学生代表
物質工学科 4 年
岡部 翔太
学生
機械工学科 4 年
津木 翼
学生
機械工学科 4 年
堀井 基弘
学生
機械工学科 4 年
安川 和輝
学生
機械工学科 4 年
山本 貴哉
学生
知能機械工学科 3 年
FATMI,AL MASHROOR
学生
電気情報工学科 4 年
添谷 彰太
学生
電気情報工学科 4 年
藤田 勇磨
学生
電気情報工学科 4 年
MAHMOOD,FAISAL
学生
電気情報工学科 3 年
松岡 佑海
学生
物質工学科 3 年
魚海 彩加
学生
環境都市工学科 3 年
谷口羽留香
78
日中学生親睦会の様子
8.3.3 海外への学生派遣
ISTS(International Symposium on Technology for Sustainability)は、国際的な雰囲気の
場で高専学生(主として専攻科生)に自らの研究成果を英語によって発表する機会を提供し、英
語コミュニケーション能力の向上と国際感覚の涵養に貢献することを主な目的としている。ま
た、本シンポジウムは高専教員の英語による研究発表の指導力を高めるなど、高専全体の英語力
と国際性の向上に寄与することも期待されている。本年度のISTS(ISTS2011)は、(独)
国立高等専門学校機構及び交流協定を結んでいるタイのKMITL(King Mongkut s Institute of
Technology Ladkrabang)が主催して、KMITLキャンパスを会場に、1月27日(金)∼29日
(日)に開催された。本校からは、専攻科メカトロニクス工学専攻1年生羽田正雄君が「Preparation
and Characterization of Sol-Gel Processed NiO Thin Films」の研究テーマで発表を行った。また、
本校物質工学科・綱島克彦准教授がプログラム委員として組織委員会に参画した。
そのほか、国立高等専門学校機構が行っている「海外インターンシッププログラム」「テマセ
ク・ポリテクニック技術英語研修」についても学生募集を行った。
8.4 外国の大学等からの訪問
8.4.1 タイ商工会議所大学からの訪問
7月16日(土)に、タイのタイ商工会議所大学からタナット・
ルングシラタナ助教とウォラチット・ルングセッタパット氏の2
名の教員が本校を訪問され、お互いの教育システムや特徴につい
て紹介し、活発な議論が行われた。その後、本校の研究室や設備
を見学され、研究中の学生と、日本語と英語を交えて質疑応答を
タナット先生らに研究内容を
説明する本校学生(左手)
行った。ロボットフェスティバルへの招待など親睦を深めていくことを確認し、大変有意義な会談
となった。本校からは、堀江振一郎校長、山口利幸電気情報工学科教授(国際交流委員長)、後藤
多栄子一般科目教授(国際交流副委員長)、竹下慎二電気情報工学科助教が参加した。
8.4.2 上海電機学院からの短期留学受入
本校と交流協定を締結している上海電機学院の短期留学訪問団(勇博敏(Liu Bomin)団長、䆌
洲(Tong Yazhou)副 団 長、男 子 学 生9名、女 子 学 生3名)を7月7日(木)か ら18日(月)
まで本校に受け入れた。本短期留学は平成16年度から始まり、今回で8回目となる。期間中、訪問
団は本校国際交流会館に滞在し、授業や実験参加、生け花や着付けの文化体験、京都、大阪や白浜
の観光や海水浴、企業見学、寮生会、学生会、上海短期留学経験者などとの催しなどを通じて、本
校学生との交流を深めるとともに、日本や本校についても理解を深めた。
短期留学訪問団歓迎会
短期留学生着付け体験
79
8.5 外国の大学等への訪問
(独)国立高等専門学校機構とシンガポールのポリテクニック5校との主催で、第5回国際工学
教育研究集会(ISATE2011)が、9月27日(火)∼9月29日(木)の期間にリパブリック・ポ
リテクニックを会場として開催された。この研究集会は、同機構とシンガポールのポリテクニック
5校(Nanyang Polytechnic, Ngee Ann Polytechnic, Republic Polytechnic, Singapore Polytechnic,
Temasek Polytechnic)との間で締結している交流協定に基づく事業の一つであり、実践的技術者
教育、工学教育について討論や情報交換を行うものである。本校教職員に開催案内を周知したが、
参加者はいなかった。
海外で開催された国際会議等への参加などを含めた海外渡航者の学科別のべ人数を下表に示す。
海外へ用務のため渡航した学科別人数
目的・用務 知能機械工学科 電気情報工学科
国際会議参加
1
5
在外研究員
0
1
学生引率
0
2
物質工学科
3
1
0
環境都市工学科
1
0
1
一般科目
1
0
1
8.6 本校外国人留学生に係る活動
8.6.1 近畿地区4高専連携事業
近畿地区の国立高専に在学している外国人留学生の交流を図
ることを目的とし、毎年交流会が開催されている。今年度は、
本校が担当校となり、世界遺産でもある高野山の名所・名跡を
散策して日本文化を体験し、和歌山県の魅力ある観光スポット
を訪ねるとともに、自国の状況、各自の勉学・生活状況等につ
いて情報交換を行うことにより、お互いの理解を深め、交流を
図ることを目的として、10月8日(土)∼10月9日(日)に実
和歌山城にて記念撮影
施した。当初、白浜や熊野那智大社などの散策を予定していたが、台風12号の被災のため、高野山、
和歌山城、和歌山マリーナシティに行き先を変更して実施した。近畿4高専から40名の留学生が参
加した。高野山や和歌山城では熱心に歴史的文化遺産を見学するとともに、ガイドさんの説明を聞
いていた。各所で記念撮影をしたりして、盛り上がった交流会であった。
8.6.2 きのくにサイエンスセミナー
日本の科学技術や文化等について理解するとともに、体験や学習を通じて日本に関する基本的な
知識を習得することを目的に、下記の3回のセミナーを開催した。
きのくにサイエンスセミナー
開催日時
11月19日(土)
10:00∼12:00
実施場所
物質工学科棟1階
多目的教室
テ−マ
11月23日(水)
10:00∼12:00
電気情報工学科棟3階
将棋体験
第3セミナー室
〃
徳田
12月3日(土)
9:00∼10:30
環境都市工学科棟2階 防災対策について考えてみ
5DHR教室
よう
〃
三岩
色素増感太陽電池の作製
80
対象者
3、4年留学生
5年留学生希望者
講師
綱島
8.6.3 サイクリング・バーベキュー大会
本校に在籍する外国人留学生に、地元の文化、自然を見学させることを目的とし、6月18日(土)、
自転車によるサイクリングおよびバーベキュー大会を計画した。しかし、当日は、雨天のため急遽、
体育館での球技大会に変更した。留学生、チューター(外国人留学生相談員)および教職員が交代
でバレーボール、バドミントンを楽しんだ。体育館前にテントを張り、バーベキューの会場とした。
海老、鶏肉、帆立貝、秋刀魚、鯖、玉葱、薩摩芋、キャベツ、焼きそばなどを大いに楽しんだ。昼
食後、球技大会を再開し、午後3時頃、試合は終了。体育館を清掃した後、最後に学生たちに西瓜
が振る舞われた。当初の予定通り3時30 分に本大会を終了した。
8.6.4 留学生スピーチ大会
11月16日(水)に、留学生と日本人学生の交流を目的に「留学生スピーチ大会」を開催した。こ
れは、留学生を新規に受け入れる第3学年の全学生対象に、年に一度合同HRで実施しているもの
である。当日は、3Aマシュルー君(バングラデシュ)、3Aファズリ君(マレーシア)、3Cディ
ナさん(インドネシア)、3Cラジ君(マレーシア)、3Dハフィズル君(マレーシア)の5人が、
同級生に向けて日本語でスピーチをした。
彼らはそれぞれ、母国の紹介や自分たちの18歳の頃の様子などについて、彼らが前もって準備し
た画像を使って、流暢な日本語で紹介した。同じ学年の2名の日本人学生が、企画・司会を行い、
参加した3年生160人は、留学生たちの話に興味深げに耳を傾け、ときおり笑いが起こるなど、皆
楽しい時間を過ごした。
8.6.5 世界はファミリー
2月1日(水)に、留学生交流討論会「世界はファミリー」
を開催した。この催しは、留学生と日本人学生との交流推進
を目的として年1回行われているもので、今回で13回目となる。
今回のテーマは「観光地」で、学生寮寮生会の岡本博希君(知
能機械工学科2年)と榎本遼典君(環境都市工学科2年)の司
会により、現在本校に在籍している3∼4年生の5名の留学生
(マレーシア、バングラデシュ、インドネシア)と2年生寮生
有志が質問し合う形式で進められ、出席した1年生寮生も積
世界はファミリーで説明するラジ君
極的に議論に加わっていた。まずマレーシア出身のラジ君(物質工学科3年)、バングラデシュ出
身のマシュルー君(知能機械工学科3年)、インドネシア出身のディナさん(物質工学科3年)が、
それぞれの国の観光地を紹介した。近代的な都市の建物、どこまでも続く美しい海、珍しい動物が
住む自然豊かな山などの美しい写真に、参加者は魅了されていた。その後、活発に質疑応答が行わ
れ、最後に、臨席していただいた一般科目の重松正史教授から総評があり、有意義な討論会を締め
くくった。
8.6.6 卒業予定留学生との交流会
3月1日(木)に、本校を卒業する留学生8名と4年生以下の留学生との交流会を開催した。本
校を3月に卒業する留学生は、本校在学期間中に学習や様々な交流等を通じて多くのキャリアを積
み、それぞれの進路選択等においても十分な準備や対策を行っている。5年生から、和歌山高専で
81
の体験談を交えたスピーチがあり、特に、日本人との交流に積極的に参加することの大切さが伝え
られた。また、進路の決定では、早めの準備が重要であるとの話があった。卒業した後も和歌山高
専へ来てくださいとの下級生からの話もあり、卒業後も連絡し合える関係を築けたと思われる。在
校生から卒業する5年生へのプレゼントも用意されていて、楽しく交流できた会合であった。
8.6.7 名田中学校との交流会
御坊市立名田中学校から、中学校の国際交流活動で、本校の留学生との交流会を行いたいとの申
し出があり、協力することになった。9月30日(金)に、本校留学生の3Aマシュルー君(バング
ラデシュ)と3Cラジ君(マレーシア)が、名田中学校で生徒に自分の国のことを紹介し、交流し
た。生徒にとって大変有意義な交流であったと名田中学校から謝意があった。また、本活動は地元
の新聞でも報道された。
8.6.8 御坊ロータリークラブとの交流会
10月15日(土)御坊商工会館において、御坊ロータリークラブと本校の留学生との交流会が開催
され、留学生のプレゼンテーションや意見交換等を行った。意見交換会では、ロイ君(ベトナム)、
許(キョ)君(中国)、ファイ君(バングラデシュ)の3名の留学生が日高地方の観光をテーマに
プレゼンテーションを行い、ロータリークラブの会員から様々
な質問を受けた。プレゼンテーションの中では、御坊市の寺内
町や御坊祭等、留学生にとっては始めて訪れる場所や行事も多
く、外国人から見た観光の魅力が語られた。質問では、「美浜
町にはアニメで有名な場所がある。」等、ユニークなものもあ
り、終始和やかな雰囲気で交流会が進められた。意見交換会終
了後、親睦会が行われ、本校から参加した11名の留学生との親
日高地方の観光について
プレゼンする許君
睦が図られた。
8.6.9 御坊駅長・御坊駅前商店街振興組合との懇談会
12月12日(月)、御坊駅長との懇談会が御坊駅で開催され、5Aジェジェ君、5Bロイ君、5B
サンさん、4Bファイ君、3Cディナさんが出席した。御坊駅長から御坊駅の概要の説明の後、留
学生からエレベーターや自動改札機の設置、電車の遅延や運休
時の対応などについて要望が述べられ、サービス向上に向けて
努力するとの回答があった。また、切符を購入する間がない場
合の無札証明のしくみなどについても紹介された。さらに、駅
構内も案内していただいた。その後、引き続き、御坊駅前商店
街振興組合との懇談会がいきいきうどん御坊駅前店で開催され
た。懇談会では、鍋料理を囲み談笑しながら、情報交換を行っ
た。さらに、留学生一人一人が御坊の印象や良い点などを話し
御坊駅構内の見学
た。留学生たちは、地元の方との交流を深めることができ、有意義で楽しい体験の機会となった。
82
8.6.10 和歌山地域留学生等交流推進協議会事業への協力
和歌山県内の留学生等を支援するために各関係機関等が「和歌山地域留学生等交流推進協議会」
を設立しており、事務局は和歌山大学にある。本協議会事業の広報誌「きのくに」第22号の発行に
際し、本校留学生のサンさん(マレーシア)が「私の故郷はこんな国」と題する寄稿文を作成した。
さらに、本校留学生の交流関係行事を紹介した。また、外国人留学生生活実態に関するアンケート
調査に本校留学生7名が協力した。
8.7 外国人留学生相談員
外国人留学生が本校での学習や生活等に適応
平成23年度チューター
クラス
してもらうために、最初の1年間、留学生それ
留学生氏名 チューター氏名
知能機械工学科3年
ファズリ
古川 敬太
知能機械工学科3年
マシュルー
丸山 拓真
物質工学科3年
ラジ
杉若 隆一
学生の近くに居住するように配慮している。平
物質工学科3年
ディナ
苫谷 沙和
成23年度のチューターは右記のとおりである。
環境都市工学科3年
ハフィズル
山形 真徳
ぞれにチューターを配置している。チューター
の選任は寮務主事に依頼し、学寮においても留
8.8 本校外国人留学生に係る活動
8.8.1 各種集会への参加
(1)平成23年度留学生・国際交流担当者研究集会
(独)国立高等専門学校機構留学生交流促進センターが主催して、平成23年7月31(日)∼8
月1日(月)に、沖縄県市町村自治会館で開催され、山口国際交流委員長が出席した。本研究
集会の目的は、国立高専における留学生の派遣・受入並びに国際交流に関する体制の整備、担当
者のスキルアップ、及びネットワーク形成を図ることである。今回初めて参加して、高専機構が
留学生の受入や高専生の派遣に力を入れている印象を強く持った。その中で、先進的な取組みを
している高専の事例が紹介された。国際交流のカテゴリーとして①国際交流協定の締結、②海外
留学、③海外インターンシップ、④国費・私費留学生(正規生)の受入、⑤短期留学生の受入と
派遣、⑥国際シンポジウムISATE(教員対象)やISTS(専攻科生対象)への参加、⑦英
語による専門科目の授業、⑧技術英語研修(本科4年生∼専攻科生対象)⑨海外研修旅行があり、
多くの取組みが近年急拡大してきた。先進校の取組みでも海外派遣に伴う課題は、費用の自己負
担、学生の英語力などが挙げられ、本校でどのような制度をどのように作っていくかは十分検討
しながら進める必要がある。また、多くのカテゴリーがあるが、分類分けして、担当部署を明確
にする必要性も感じた。
(2)平成23年度和歌山地域留学生等交流推進協議会運営委員会
和歌山地域留学生等交流推進協議会(事務局:和歌山大学)が主催して、平成23年7月14(木)
に、和歌山大学本部共通棟で開催され、山口国際交流委員長が出席した。和歌山県内で受入れて
いる留学生を支援する方策を議論する場になっている。平成23年度の事業計画では、本校は①広
83
報誌「きのくに」第22号の発行、②留学生と地域との交流行事の情報提供、③和歌山大学主催留
学生による日本語スピーチコンテストへの対応が必要である。
(3)阿南高専国際フォーラム
阿南高専が主催して、平成24年3月3日(土)に、徳島市阿波観光ホテルで開催され、三岩国
際交流委員が出席した。本フォーラムは、阿南高専が高専改革推進プログラム(国際性の向上)
の採択を受けた「海外提携校との協働による交換留学生・私費留学生受け入れを倍増させる高専
ゲートウエイの構築」事業に取り組んできた成果の報告会であり、「ものづくりのグローバル化
と国際的視野を持った技術者の育成−高専教育が抱える喫緊の課題」をテーマに開催された。高
専の当面の最重要課題として国際的に活躍できるグローバル人材の育成が必要である。先進的な
取組みとして、3か月間のロングインターンシップとして学生を海外派遣、外国人留学生の同窓
会設置と卒業した留学生の里帰り事業(フォローアップ)の実施、高専生の英語運用能力を無理
なく伸ばす多読授業、技術職員の海外研修などが紹介され、参考になった。
8.8.2 国際交流の活性化に向けてのその他の取り組み
(独)国立高等専門学校機構では、中期目標・計画において、国の「留学生30万人計画」の方針
のもと積極的な活動を展開することとしており、その一環として、アジア地域の16歳から20歳まで
の学生を日本に招聘し、高専の生活体験を通じて、高専教育の有用性と有効性とを体験させること
により、高専への留学意識の涵養を図る「アジアの学生の高専体験プログラム」を毎年行っている。
本校が申請した上海電機学院の学生が参加した年度もあるが、今年度は申請に至っていない。また、
高専機構が行った「英語(外国人講師)による専門授業」「高専改革推進プログラム(国際性の向
上)」への申請、(独)日本学生支援機構の「留学生交流支援制度(ショートステイ、ショートビ
ジット)」への申請については採択に至らなかった。
8.9 自己点検結果
(独)国立高等専門学校機構がグローバル人材の育成を目指して、国際交流関連事業を急拡大し
てきている近年、本校として十分対応しきれていない面がある。本校は平成15年に国際交流委員会
規則を制定し、平成21年には改正しているが、現実的には、本規則に沿った事項をすべて審議して
いるわけではない。まず、国際交流関連事業がどの程度あり、本校のどの部署で対応するのか区分
けをしっかり決める必要があるとの観点から、本稿では関連事業をできるだけリストアップするこ
とに努めた。国際交流委員会が審議する事項を選別し、審議事項に相応しい委員等を配置した上で、
実効的に実務を処理していきたい。あわせて、国際交流委員会規則も改正したい。
個々の事業においても改善を要する事項が多々あるが、特に、海外インターンシップの推進、中
期目標・中期計画に挙げている「アジアの学生の高専体験プログラム」への対応、平成22年度に開
設した国際交流会館の有効活用などについて検討していく必要がある。
8.1∼8.8には記載していないが、3Aマシュルー君がクラブ活動中に左ひざを痛め11月に入院し、
手術した。退院後は松葉杖を必要としたが、リハビリに励み、1月には松葉杖なしに歩行できるよ
うになった。当該期間中は、学級担任、チューター、留学生、クラブ顧問、知能機械工学科、学生
係、寮務係、国際交流委員会が連携してマシュルー君のあらゆる面をサポートできた。緊急時の対
応を以前に決めていたので、早急な対応を図れたことが功を奏したが、いっそうの整備に努めたい。
84
9 人 権 及 び 健 康 教 育
9.1 人権教育委員会
9.1.1 平成23年度の活動
本委員会に関する規定を改訂するとともに、本校の人権教育に関する基本方針と本年度の人権教
育計画を確認した。これに基づいて教職員や学生を対象とした人権に関する講演会等を実施した。
また学生相談室と合同でメンタル面の問題を抱える学生の支援について検討し、個々の対応例の情
報交換や学校全体としての支援体制の必要性などについて協議した。
9.1.2 教職員対象講演・講習会
1月31日(火)、メンタルヘルス講演会を開催した。「職場におけるメンタルヘルス対策∼自己と
職場環境においての予防」 と題して、ストレスを溜めない仕事のあり方について外部講師に講演い
ただいた。
9.1.3 学生対象講演・講習会
1月18日(水)、1年生を対象に、人権講話を開催した。講師は本校の重松教授で、いじめ等を
中心に人権問題をとりあげ、その原因や防止等について講話を行った。
人権講話
9.1.4 平成23年度近畿地区高等専門学校人権教育連絡協議会
日 時 平成23年11月25日(金) 14:00∼16:15
場 所 大阪府立大学 中之島サテライト
出席者 明石高専人権教育推進委員長、近畿大学高専人権教育室長、神戸市立高専学生主
事・学生副主事1名、奈良高専学生副主事1名、舞鶴高専学生主事、和歌山高専
学生主事、大阪府大高専人権教育推進委員長・人権教育推進委員1名
内 容
1.協議事項 なし
2.承合事項
⑴ 外部からのカウンセラーの有無と守秘義務の範囲について
⑵ 生活指導と人権への配慮について
85
⑶ 日本語を母国語としない受験生に対して学力試験受検時に特別な配慮をされて
いたら、その内容を教えていただきたい。
⑷ 学生に対する人権教育の1年を通しての取り組みを教えていただきたい。
⑸ 各校所在地域の人権教育関係団体等との関わりについて
⑹ 研究室内で発生の危険があるアカハラ・セクハラ防止についてハード面での対
策をとっておられたらご教示いただきたい。
⑺ クラスあるいはクラブでの“いじめ”について、各校の①実態、②対処方法と
処分の基準、③防止策をご教示いただきたい。
⑻ 障害のある学生が不利益を受けた事例がありましたらご教示ください
9.2 学生相談室
学生相談室は、学生一人一人が悩みつつも成長していけるよう、担任・教科・寮・厚生補導など
とは独立して、どんな相談も受け入れ、秘密は厳格に守りつつ、解決への方向を共に考えサポート
することを目的として設置されている。
9.2.1 平成23年度の体制
相談室長1名(教員)、各専門学科と一般科目の教員4名、寮務係長、
看護師、計7名を相談員とし、事務面を学生課長と学生課学生係がサ
ポートしている。また臨床心理士1名を委嘱して、週1回校内でカウン
セリング活動に当たっていただいている。また、学校近くの大谷クリ
ニックの大谷先生に学校医として基本指導を受けると共に、緊急時や時
間外にメンタル面でも診察をお願いしている。以上のうち、臨床心理士
は福利棟内の「オレンジルーム」において、その他の相談員は各自の教
員室等で相談を受けることとしている。
9.2.2 平成23年度の相談の概略
カウンセリングを行っている
オレンジルーム
延べ相談件数は以下の通り。
臨床心理士への相談 145件
看護師への相談 106件
その他の相談員への相談 10件
計 261件
(参考:平成16∼22年度の合計相談件数の推移は
113 → 80 → 95 → 143 → 187 → 112 → 169 となっている。
)
相談内容の内訳は、「健康・精神衛生」に関わるものが41%で最も多く、次いで「友人・対人関
係」21%、続いて「学業」15%、「進路・将来」及び「寮生活」が各々3%、「家庭」が2%となっ
ている(「その他」15%)。相談者の内訳についてみると、1年生が最も多く31%となっている。次
いで「教職員・保護者・卒業生」が28%、続いて3年生が20%、4年生が11%、2年生が5%、5
86
年生が3%、その他2%となっている。
以上から注目すべき点について考える。
① 1年生をはじめ全体の相談件数が大きく増えているが、これは学生の状況が深刻化したという
よりは相談室としての周知と働きかけの活動が浸透してきた効果と考えている。引き続き、担任
や学生への広報などを重視していきたい。
② 臨床心理士と看護師以外の相談員への相談が今年度も少なかった。(ただしこれは「相談室員」
として相談を受けた回数であって、担任や教科担当などとして少なからぬ相談を受けている分は
含まれていない。)一つには、教員が卒研指導などで多忙な中、学生が教員室を訪問しにくい環
境があるという指摘もあり、改善していく必要がある。また気になる学生への声かけなど相談員
側からのはたらきかけも一層重視していく必要がある。定年後の教員への相談員の委嘱について
も引き続き検討していく。
9.2.3 本年度のその他の主な活動
⑴ 相談室員の研修、力量向上のため各種研修会等へ出席した。
◎近畿学生相談研究会(1名参加)
◎近畿地区メンタルヘルス研究協議会(1名参加)
◎近畿地区高専カウンセリング連絡協議会(3名参加)
◎全国国立高等専門学校メンタルヘルス研究集会(2名参加)
◎発達障がい学生支援研修会(1名参加)
⑵ 相談室ミーティングを5回(4月及び各定期試験後の4回)実施した。
⑶ 10月12日(水)に坂田臨床心理士を講師としてメンタルヘルス研修会を開催した。
24名の教職員が参加した。
⑷ 広報活動としては、ホームページ更新、学生相談室リーフレットの作成配布、クラス担任向
けメールやピロティーでの掲示、「オレンジルーム便り」の配布、和高専緊急時掲示板への相
談室メールアドレスの掲示、23年度入学説明会での相談受け付け、4月の新入生合宿研修での
学生相談室の説明を行った。
⑸ 学生主事・寮務主事との情報交換を適宜行った。これは今後より密にする必要がある。
⑹ 成績判定会への相談室長のオブザーバー参加を始めた。(22年度後半より)
9.3 ハラスメント相談室
ハラスメント相談室(旧称セクハラ相談室)では女子学生・女性からの相談のみならず、広くハ
ラスメントに関する相談を男子学生・男性からも受け付けている。平成23年度の相談件数は6件で
ある。また、2月1日(水)には、大阪大学セクシャルハラスメント相談室・専門相談員の植木美
恵子氏を招聘し「男女協働参画セミナー」を開催した。
87
9.4 安全衛生委員会
教職員の安全衛生を担う本委員会では、教職員全員参加で当番制による月1回の安全パトロール
を継続的に実施して、安全衛生の徹底を図っている。また、衛生管理者資格の取得を奨励し、その
結果、これまで11名であった資格取得者が15名に増加するという大きな成果をあげた。さらに、9
月22日(木)に御坊消防署の協力を得て、救急救命講習会を開催し、14名が参加し受講証明を得た。
また、1月31日(火)には水田美恵子氏を講師として招き、「職場におけるメンタルヘルス対策に
ついて」という題目での講演会を開催し、29名が参加、活発な質疑応答があった。
9.5 自己点検結果
人権教育委員会については、教職員や学生を対象とした人権に関する講習会を実施して啓発を
行ったが、今後も学生に対する人権意識の啓発や教職員の研修を引き続き行う必要がある。また、
近畿の高専間で定期的に開催される連絡会等で情報交換し、より効果的な人権教育活動を検討して
いくことが求められる。
学生相談室については、潜在的なニーズを実際の相談につなげる広報活動に一定の成果が得られ
た。今後も引き続き相談行動へ移る際の障壁を低くする努力を重ねる。また、日常的な情報収集と
働きかけを一層重視し、緊急な事例には機敏に対応し、他部署との連携を重視して学生支援活動全
体の整備・効率化を図っていくなどの努力が求められる。
安全衛生委員会については、教職員パトロールで問題が発見された箇所を安全衛生委員でパト
ロールして是正するという方法が定着し、効果をあげたと考えている。衛生管理者の資格取得は今
後も必要であり、各学科の安全衛生に必要な特有の資格取得にも努めるべきであろう。職場でのメ
ンタルヘルス対策は今後ますます重要になると考えられるため、事例を含めた講習会を継続的に開
催する必要がある。
88
10 広 報 活 動
(情報企画委員会)
10.1 ホームページ
ホームページの更新の遅れが昨年度も問題となった。特に年度替わ
りの更新が遅れる傾向にある。平成23年度は更新手順を簡素化するな
どの改善を行い、5月には更新を終えることができた。しかしながら、
新入生の保護者等は、入学当初から学校の最新情報を必要としている
点を考慮すると、4月当初には更新を終えておく必要がある。来年度
に向けて更なる改善を行う予定である。
また、平成20年度から、近畿地区高専共同PR事業としてホーム
ページ「高専辞典」を作成しており、本校ホームページからもリンク
されている。平成23年度の幹事校は本校であった。予算が減額される
中、作業部会2回、学生編集委員会を3回開き、記事を2回更新して
いる。
本校ホームページ(23.4.1)
10.2 広報活動
広報窓口(情報企画委員会−総務課総務企画係)を通じての新聞各紙への情報提供を続けている。
今年度は地元紙を中心に、本校関係の記事を499件掲載していただいた。件数では昨年度の558件に
比べて減少したが、掲載されている記事の質は向上しつつあると考える。これは教員や学生の活動
の質が向上し、新聞社からの取材が増えつつあり、学校の「活性」は確実に向上しているものと考
える。
今後も積極的に学内の情報を発信し続けるのは勿論であるが、新聞社からの取材申し入れが増加
するように、学内から発信する情報の質の向上にも努めていきたい。
平成23年度新聞記事掲載実績(平成24年4月1日本校確認分)
平成 月
文教 文教
ニュース 速報
23年 4
文教
計
毎日
新聞
讀賣
新聞
2
2
9
9
1
5
2
6
8
1
6
1
1
2
1
7
3
6
9
3
8
1
1
3
3
9
1
3
4
2
2
10
3
9
12
11
2
7
9
1
1
12
2
3
5
24年 1
1
5
6
2
1
6
7
3
1
4
5
18
59
77
合計
朝日
新聞
3
産経 全国紙 紀州
新聞
計
新聞
2
7
13
15
2
3
12
12
1
10
12
3
12
14
22
3
1
10
11
15
3
2
9
8
11
3
1
1
2
1
13
12
2・1
紀州
紀伊 わかやま 地元紙 熊野
民報 新報
計
新聞
6
2
1
1
34
1
26
1
24
43
1
紀南 生活 紀南
その他 合計
新聞 ニュース 計
3
4
54
1
38
2
2
29
5
6
70
2
5
7
2
35
1
2
3
49
1
3
2
25
1
3
4
42
1
1
12
17
2
31
2
10
12
1
23
1
2
6
10
1
17
2
2
26
2
5
6
9
2
17
6
6
34
1
1
14
15
1
5
8
54
121
158
1
14
日高
新報
15
89
1
7
7
8
52
2
2
36
2
32
6
6
46
1
14
3
3
23
41
47
499
24
11
321
6
10.3 広報誌
平成23年度における本校の主な定期刊行物は次表のとおりである。
平成23年度の定期刊行物発行実績
名 称
和歌山高専学園だより
学校要覧
和歌山工業高等専門学校年報
和歌山工業高等専門学校地域共同テクノセンター広報*
和歌山高専シーズ集*
巻 号
発行日
87号
88号
23.6
24.3
(23年度)
23.7
(通巻10号)
23.10
20号
23.12
平成23年度
(第6版)
23.6
*は本校・地域共同テクノセンター発行
平成23年度に発行された定期刊行物
10.4 自己点検結果
多くの変更が必要となる年度の変わり目のホームページの更新を4月末までに終えることができ
た。しかし、4月当初に変更されているのがあるべき姿であり、まだまだ改善の余地があると考え
る。次年度には更なる改善ができるように努力する。
新聞に掲載された記事の件数はやや減少した。従来は掲載される記事の件数を増やすことに重き
を置いていたが、少しずつ掲載される記事の質の向上へと軸足を移した結果だと考える。今後は本
校からの情報発信と並行して、情報の質を高めて新聞社からの取材申込みの件数も増やせるように
努力を続けたい。
90
11 教 員 の 研 究 活 動
本校の教育研究の活性化を図るために、自己点検評価の一環である教員の研究業績調査を下記の
とおり実施した。
11.1 調査方法
平成24年3月1日∼3月31日にかけて実施した。以下にこの調査の対象者及び研究業績調査票を
記載する。
学 科 名
知能機械工学科
役 職
教 授
准教授
電気情報工学科
講 師
教 授
准教授
助 教
物質工学科
教 授
准教授
助 教
氏 名
北澤 雅之
福田 匡
坂田 光雄
樫原 恵藏
西本 圭吾
溝川 辰巳
青山 歓生
佐野 和男
津田 尚明
濵田 俊彦
三原 由雅
山東 篤
佐久間敏幸
藤本 晶
山口 利幸
謝 孟春
徳田 将敏
渡邊仁志夫
直井 弘之
村田 充利
森 徹
山吹 巧一
岡本 和也
竹下 慎二
米光 裕
山川 文徳
野村 英作
岸本 昇
土井 正光
林 純二郎
岩本 仁志
奥野 祥治
河地 貴利
楠部 真崇
綱島 克彦
森田 誠一
西本 真琴
学 科 名
環境都市工学科
役 職
教 授
准教授
一般科目
助 教
教 授
准教授
91
氏 名
原 治
大久保俊治
中本 純次
久保井利達
靏巻 峰夫
小池 信昭
林 和幸
三岩 敬孝
山田 宰
伊勢 昇
宮本 克之
森川 寿
後藤多栄子
重松 正史
太古 隆治
和田 茂俊
赤崎 雄一
秋山 聡
芥河 晋
右代谷 昇
桑原 伸弘
中出 明人
平岡 和幸
平山 規義
森岡 隆
吉田 芳弘
平成23年度年報 研究業績調査
提 出 者: 学科 氏名 提出年月日: 項目1、2について、調査対象期間を限定しません。
1.学協会等への加入、活動状況
(1)現在加入している学協会名を記入してください。
(2)学協会で務めた役職とその期間を学協会毎に記入してください。
2.学位取得(博士号)の状況
(1)取得している学位と取得年月を記入してください。
(2)学位論文の題目を記入してください。
(3)学位を取得した機関(大学等)を記入してください。
以下の項目についての調査対象期間は、平成23年度(平成23年4月1日∼平成24年3月31日)とし
ます。なお、実績がない場合は、「なし」とご記入下さい。
3.学外活動、兼職状況
(1)学協会以外で、学外の委員会、財団等で務めた役職とその期間を記入してください。
(2)他高専、大学等での兼職(非常勤講師等)とその期間を記入してください。
4.科研費の応募、採択状況
(1)平成23年度を研究期間とする科研(申請は平成22年度)に応募したものについて、研究
種目、研究課題を記入してください。
(2)上記(1)のうち、採択されたものを再度記入し、平成23年度の交付金額を記入してください。
5.助成金等の受入状況
(1)調査対象期間を助成期間とする助成金(研究助成、海外渡航助成等)に応募したものに
ついて、助成機関、研究課題を記入してください。
(2)上記(1)のうち、採択されたものを再度記入し、平成23年度の交付金額を記入してください。
6.奨学寄付金等の受入状況
(1)企業等から受け入れた奨学寄付金について、課題、金額を記入してください。ただし、
上記5(2)を奨学寄付金にした場合は、記入しないでください。
7.学内予算による研究補助金等への応募、採択状況
(1)平成23年度に応募した学内予算による研究補助金について、申請区分、テーマを記入してください。
(2)上記(1)のうち、採択された申請区分、テーマを再度記入し、その金額を記入してください。
8.著書・編書の状況
(1)全員の著者名、著書名、出版社名、発行年(西暦)の順に記入してください。
9.論文の発表状況
(1)全員の著者名、論文名、論文誌名、Vol.、No.、発行年(西暦)、pp.最初のページ−最後
のページの順で、原文のまま記入してください。なお、レフェリーの査読を経て掲載され
た国際会議のプロシーディングスも含めてください。
92
10.特許等(外国のものを含む)の取得状況
(1)特許番号(公開を含む)、発明の名称、特許権者、登録年月日を記入してください。
(2)実用新案についても上記(1)と同様に記入願います。
11.国際会議への出席、発表状況
(1)国際会議で役員や会議の座長等を行った場合、その会議名(開催地、開催期間)と役割
を記入してください。
(2)発表した(共同研究者としての連名も含む)講演等について、全員の著者名、演題、ア
ブストラクト等がある場合はアブストラクト等冊子名、pp.最初のページ−最後のページ、
ない場合は会議名(開催地、開催期間)の順で記入してください。
12.国内学会、研究会等への出席、発表状況
(1)役員や座長等を行った場合、その学会や研究会の名称(開催年月)と役割を記入してください。
(2)発表した(共同研究者としての連名も含む)講演等について、全員の著者名、演題、ア
ブストラクト等がある場合はアブストラクト等冊子名、pp.最初のページ−最後のページ、
ない場合は会の名称(開催年月)の順で記入してください。
13.その他執筆活動の状況
(1)全員の著者名、記事名、掲載誌名、Vol.、No.、発行年月(西暦)、pp.最初のページ−最
後のページの順で、原文のまま記入してください。
14.講演会、各種行事での講演状況
(1)上記11、12以外で、講演会、各種行事等で講演を行った場合、行事等の名称(講演年月)、
主催者、演題を記入してください。
15.受賞等の状況
(1)研究成果に対して表彰等を受けた場合、受賞名、贈呈機関を記入してください。
16.内地留学等・在外研究員の状況
(1)内地研究員として、内地留学等をした場合、研究課題、派遣先研究機関、留学等の期間
の順で記入してください。
(2)在外研究員として、海外留学した場合、研究課題、派遣先研究機関、留学期間の順で記
入してください。
17.調査研究等による海外出張・海外研修の状況
(1)上記11、16(2)以外で、調査研究等による海外出張・海外研修をした場合、出張(研
修)目的、主な出張(研修)先機関、渡航国、出張(研修)期間の順で記入してください。
18.共同研究、受託研究の状況
(1)実施した共同研究について、研究課題、共同研究機関を記入してください。
(2)実施した受託研究について、研究課題、依頼先機関を記入してください。
19.技術相談、技術指導の状況
(1)技術相談・技術指導等の依頼内容、その依頼機関を記入してください。
93
11.2 教員の研究業績
平成23年度、本校における科学研究費補助金の採択数は、「研究活動スタート支援」1件880,000
円、「若手研究(B)」1件2,300,000円、
「基盤研究(C)」4件3,600,000円、計6件6,780,000円であ
る。
また、外部資金の導入件数は、
「寄附金」11件21,480,000円、
「受託研究」7件10,003,660円、「受
託事業」2件14,156,293円、
「民間等との共同研究」6件2,281,700円、計26件47,921,653円である。
以下に教員の研究業績を記載する。なお、各項目の記載内容は次の通りである。
(1)所属
現在の所属学科、役職、現在の役職に関する履歴を示す。
(2)学位取得の状況
取得している学位(博士)名、取得機関、学位論文題目と取得年月を示す。
(3)研究成果の公表件数
平成23年度における著書・編書、論文、特許等、国際会議、国内学会等、その他の執筆活動で
の公表件数を示す。
(4)加入している学協会名
現在加入している学協会名を示す。
(5)学外活動
平成23年度の期間に、学協会、学外の委員会、財団等で務めた役職とその期間及び他高専、大
学等での兼職(非常勤講師等)、講演会、各種行事等で行った講演について示す。
(6)研究助成金の受入状況
平成23年度を研究期間とする科学研究費補助金、助成金(研究助成、海外渡航助成等)
、企業
等から受け入れた奨学寄付金、学内研究補助金等について、申請件数および採択課題名、金額
(平成23年度分)を示す。複数の研究者が共同研究として申請、採択されたものについては、そ
れぞれの研究者の業績と見なし、研究者毎にカウントしている。金額に関しては、共同研究の場
合、総額を示す。
(7)地域との連携
平成23年度に、実施した地域との連携に係る「技術相談」
、
「受託研究」、
「民間等との共同研
究」についてその件数示す。
(8)他機関との共同研究・受託研究
平成23年度に、実施した他機関(大学等)との連携において、
(7)の項目に該当しないもの
について、相手方と研究課題を示す。(但し、個人レベルでの共同研究については論文等の公表
として表現するので割愛した。)
(9)海外出張(海外研修含む)
平成23年度に、国際会議又は在外研究員以外で、海外出張した調査研究等について、出張目的、
主な出張先機関、渡航国、出張期間を示す。
(10)内地研究員・在外研究員の状況
平成23年度に内地研究員又は在外研究員として実施した内地留学等又は海外留学について、研
究課題、派遣先研究機関、留学等の期間を示す。
(11)受賞等の状況
平成23年度を含む期間に、研究成果等に対して受賞した表彰等について、受賞名、贈呈機関、
受賞年月を示す。
(12)研究成果一覧
平成23年度における著書・編書、論文、特許(特許公開、特許登録)等、国際会議及び国内学
会等での公表状況、その他の執筆活動を列記する。ただし、学位論文及び科研費(助成金)等を
受領後の成果報告書については、別項目で評価していることから、本項には記載していない。ま
た、共著のものについては、それぞれの研究者の寄与があると判断し、研究者毎に記載している。
ここで、[著書]は著書・編書、[国際]は国際会議発表、[国内]は国内学会等発表、[その他]
はその他の執筆活動を表す。なお、レフェリーの査読を経て掲載された国際会議のプロシーディ
ングスは論文として扱った。
94
11.2.1 知能機械工学科
95
96
97
98
99
100
101
102
103
11.2.2 電気情報工学科
104
105
106
107
108
109
110
111
112
113
114
115
116
11.2.3 物質工学科
117
118
119
120
121
122
123
124
125
126
127
128
129
130
131
11.2.4 環境都市工学科
132
133
134
135
136
137
138
139
140
141
142
143
11.2.5 一般科目
144
145
146
147
148
149
150
151
12 学 内 組 織
学内の各種委員会等の関係を表12.1、表12.2に示す。
表12.1 学内組織
校長
堀江
副校長
大久保
教務主事
山川
主事補
森、小池、吉田
学生主事
福田
主事補
森田、桑原、重松
寮務主事
野村
主事補
岸本、赤崎、秋山
専攻科長
藤本
副専攻科長
山東、河地
地域共同テクノセンター長
中本
副センター長
津田、林和
メディアセンター長
森川
副センター長
村田、平山
ロボット教育センター長
山口
副センター長
佐野、西本圭、徳永事務部長
技術支援室長
山口
・学科主任
知能機械工学科
北澤
主任補佐
電気情報工学科
佐久間
〃
村田
米光
〃
奥野
原
〃
三岩
宮本
〃
後藤
物質工学科
環境都市工学科
一般科目
津田
・学級担任
1年
2年
3年
4年
5年
濱田
三原
森岡
樫原
藤原
電気情報工学科
和田
太古
山吹
直井
徳田
物質工学科
楠部
平岡
林純
土井
綱島
右代谷
芥河
伊勢
山田
三岩
(知能)機械工学科
環境都市工学科
太字は学年主任
・ネットワーク担当委員長 村田
・共通科目担当
数学
物理
化学
生物
社会
国語
英語
体育
右代谷
溝川
岩本
米光
重松
和田
森川
桑原
・運営委員会・企画会議等
委員会名
委員長
企画会議
堀江校長
運営委員会
堀江校長
施設マネジメント委員会
堀江校長
主事補・副等
委 員 名
山川教務主事、福田学生主事、野村寮務主事、藤本専攻科長、
大久保副校長
中本テクノセンター長、森川メディアセンター長、徳永事務部長
大久保副校長、山川教務主事、福田学生主事、野村寮務主事、藤本専攻科長、
北澤知能機械工学科主任、佐久間電気情報工学科主任、米光物質工学科主任、
原環境都市工学科主任、宮本一般科目主任、中本テクノセンター長、
森川メディアセンター長、山口技術支援室長、徳永事務部長
企画会議メンバー、総務課長
大久保副校長
施設マネジメント部会
大久保部会長、坂田、直井(∼ 4/30)
、岡本(5/1 ∼)
、
石丸、林和、中出、総務課長、総務課長補佐、施設係長
運営委員会メンバー
環境マネジメント委員会
堀江校長
大久保副校長
防火防災対策委員会
堀江校長
総務課長
大久保部会長、中本テクノセンター長、津田、直井(∼ 4/30)、
環境マネジメント部会 竹下(5/1 ∼)、岩本、靏巻、平山、総務課長、総務課長補佐、
施設係長、総務・企画係長、学生課長、学生課長補佐
運営委員会メンバー
数学ワーキンググループ 山川教務主事
山東、濵田、徳田、佐久間、西本真、林和、右代谷、平岡、秋山
物理教育ワーキンググループ 山川教務主事
福田、溝川、渡邊、森田、山田
50周年記念事業準備
−
坂田、森川
152
表12.2 委員会等
委員会名
委員長
主事補・副等
委 員 名
坂田、佐久間、土井、 原、宮本
専攻科委員会
藤本専攻科長 山東、河地
教務委員会
山川教務主事 森、小池、吉田
厚生補導委員会
福田学生主事 森田、桑原、重松 佐野、村田(∼ 4/30)、岡本(5/1 ∼)、岩本、久保井
学寮委員会
野村寮務主事 岸本、赤崎、秋山 西本圭、渡邊(∼ 4/30)、竹下(5/1 ∼)、石丸、靏巻、中出
専攻科成績判定会
5学科主任、山川教務主事、山東、河地
オブ:大久保副校長
5学科主任
成績判定会
5学科主任、藤本専攻科長、森、小池、吉田
オブ:大久保副校長、福田学生主事、野村寮務主事
地域共同テクノセンター 中本
委員会
センター長
津田、林和
メディアセンター
委員会
森川
センター長
平山(図書)
村田(情報)
技術支援室委員会
山口
技術支援室長
山川教務主事、中本テクノセンター長、徳永事務部長、北澤、佐久間、米光、
原、眞田技術長、林技術専門員、小口技術専門職員
安全衛生委員会
大久保副校長
桑原(衛生管理者)、徳永事務部長(安全管理者)、西本(産業医)、
重松、平山、山田、総務課長、小川看護師
溝川、渡邊、奥野、中出、林技術専門員、総務課長、学生課長
図書委員会
三原、徳田、西本真、久保井、平岡、図書係長
情報処理教育セン 村田、津田、森、西本真、小池、右代谷、眞田技術長、
寺西技術専門職員、情報担当事務
ター委員会
情報セキュリティ 樫原、村田、森(IT)、総務課長
HP:楠部、 眞田技術長;年報、学校案内、学校要覧、
学園だより:後藤、和田、濵口技術専門職員、
;新聞記事:河地
情報企画委員会
藤本専攻科長 河地
FD委員会
大久保副校長
知的財産評価委員会
中本
センター長
外部評価検討委員会
藤本専攻科長
外部評価検討委員会
(長)藤本、山東、森、河地、小池、後藤
ワーキング
人権ハラスメント
委員会
福田学生主事
厚生補導委員会メンバー、総務課長、学生課長
進路対策委員会
福田学生主事
山川教務主事、藤本専攻科長、5年担任
国際交流委員会
山口委員長
広報担当
山川教務主事、福田学生主事、藤本専攻科長、総務課長、学生課長
後藤
山川教務主事、藤本専攻科長、出願学科主任、外部委員、総務課長
企画会議メンバー、総務課長、学生課長
後藤
山川教務主事、野村寮務主事、留学生在籍担任、総務課長、学生課長
授業料等の免除および
福田学生主事
徴収猶予委員会
山川教務主事、野村寮務主事、藤本専攻科長、5学科主任
組み換えDNA実験安 中本
全委員会
センター長
米光、土井、赤崎、太古、外部委員、総務課長
レクリエーション
委員会
徳永事務部長
西本圭、渡邊、楠部、中本、重松、(総務課2 、学生課1 、技術支援室1)
学生相談室
溝川室長
直井、河地、林和、芥河、小川看護師、小林栄養士、カウンセラー
学生指導支援室
福田学生主事
溝川学生相談室長、森田、桑原、重松学生主事補、学生課長、小川看護師、
対象クラス担任および学科主任が指名する者
ハラスメント相談室
後藤室長
学生相談室員(除カウンセラー)、総務課長、学生課長
教育システム点検
委員会
久保井委員長
溝川、若野嘱託教授、冨上名誉教授、学生課長
ロボット
教育センター
G
山口
センター長
運営会議
山口
センター長
W
佐野、西本圭、
徳永事務部長
岩本、伊勢、吉田、眞田技術長、岡本(5/1∼)
大久保副校長、福田学生主事、野村寮務主事、中本テクノセンター長、
佐久間電気情報工学科主任、徳永事務部長
関工協幹事
藤原、藤本
コンソーシアム和歌山委員
藤本、中本テクノセンター長
検討委員会
山口、中本、眞田技術長、宇藤
JST
(きのくにものづくり人材育成支援) 企画検討グループ 山口、中本、佐野、西本圭、楠部、徳永、眞田技術長、宇藤
153
編集後記
年報の第1号が平成13年度に出て、それから10年が過ぎました。
第11号となる今回の年報が新しい10年のスタートとなります。
関係者の努力によって、発行時期も以前に比べてずいぶん早
くなりました。
学内の活動の縮図でもあるこの年報の充実度は、学内の活性
度の反映となります。
これからも学校が活発な活動を続け、充実した年報の発行を
続けられるように努力したいものです。(藤本)
平成24年8月
□編 集 和歌山工業高等専門学校広報委員会
委員長 藤本 晶
□校 正 和田 茂俊(広報委員会)
154
和歌山工業高等専門学校
─平成23年度年報─
平成24年8月 印 刷
平成24年8月 発 行
編 集:和歌山工業高等専門学校広報委員会
発 行:和歌山工業高等専門学校
〒644 0023 御坊市名田町野島77
TEL(0738)29−2301㈹ FAX
(0738)29−8216
印 刷:株式会社 和歌山印刷所
〒640 8412 和歌山県和歌山市狐島609番地の9
TEL(073)451−4111㈹ FAX
(073)452−2631
和歌山工業高等専門学校
平成
年度年報
23
平成23年度年報
平成24年8月
Fly UP