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ウォルフォウィッツ・ドクトリン(1992年3月8日 ニューヨークタイムズ紙)
米国戦略計画は、ライバルが発展しない保証を求める PATRICK E.タイラー、 発行日:1992 年 3 月 8 日 (訳者注:ニューヨークタイムズ紙 WEB 版より。 http://www.nytimes.com/1992/03/08/world/us-strategy-plan-calls-for-insuring-no-rivals-develop.html) ワシントン、3月7日;その最終草案段階にある広い新たな政策声明では、国防総省は、冷戦時代後のアメリカ の政治的、軍事的任務は、西ヨーロッパ、アジアや旧ソ連の領土で、ライバルとなる大国の出現を許さないこと を保証することとなるだろう。 1週間にわたってペンタゴンの最高レベルで廻っており、それをチェイニー国防長官が、今月末にリリースする と期待する 46 ページの文書は、アメリカのミッションの一部は、 「かれらの正当な利益を保護するために、より 大きな役割を熱望しあるいはより積極的な姿勢を追求する必要がないことを、潜在的な競合者達に説得すること になるだろう」 。 その機密文書は、その地位が建設的な行動と十分な軍事力によって永続することができる 1 つの超大国によって 支配された世界のためのケースを作り、どの様な国あるいは国のグループもアメリカの優位性に挑戦することを 抑止する。 集団的アプローチを拒否 この役割を永続させるために、米国は、 「我々のリーダーシップに挑戦することあるいは確立された政治·経済秩 序を覆す試みを彼らに思いとどまらせるために、先進工業国らの利益を考慮しなければなりません」、と文書は 述べている。 1 つの力による慈悲深い支配の概念に焦点を当てて、ペンタゴン文書は、集団的国際主義の時代、つまり 5 つの 戦勝国が紛争を仲介し暴力の発生を監視することになるであろう国連を形成しようとしたときに第二次世界大 戦から浮上した戦略、への最も明確な拒絶反応を表現しています。 文書はペンタゴンの内部にあり、議会に提供されていないものの、その政策陳述は、国家安全保障会議で協議さ れ、そして大統領や彼の上級国家安全保障顧問と相談のなかで展開されています。その草稿は、ペンタゴンの政 策次官であるポール·D.ウォルフォウィッツによって監修されています。ウォルフォウィッツ氏は、多くの場合、 国家と防衛部門によって支配される省庁間プロセスで政策を策定する下院委員会でペンタゴンを代表していま す。 この文書は、この後の冷戦戦略の議論は公式の場で行われるべきであると考えている職員によってニューヨーク ·タイムズに提供されました。それは議会で、そしてアメリカの同盟国間で、統一欧州あるいはより自己主張の強 い日本から、地域のリーダーシップの為のより大きな願望を容認することへのアメリカの意向について、さらな る議論を誘発する可能性が高いようです。 アメリカの支配的な役割を確実にするために必要な軍事力のレベルにそれを付け加えるとともに、この政策案は、 約 1.2 兆ドルのコストで、今後 5 年間で 160 万人の人員の軍を支えるためのブッシュ政権の「基礎軍事力」提案 のための詳細な正当化である。議会では、多くの民主党は、不必要に高価としてこの提案を批判しています。 暗黙のうちに、この文書は、将来的に、実質的な再軍備のコース、特に核武装の追求からドイツと日本を押し 留める世界の安全保障体制の構築を予測します。 その冒頭の段落では、この政策文書は、冷戦の終わりでの「見えにくい」勝利を述べるが、それは、 「集団安全保 障の米国主導のシステムへのドイツと日本の統合と民主主義的“平和の領域”の創造」として、それを定義して いる。 この戦略目標の継続は、北朝鮮、イラク、ヨーロッパのソ連の後継共和国のような国々で、また欧州での核兵器 やその他の大量破壊兵器の拡散を防止するために、必要があれば軍事力を行使することについて、この文書中あ るいは他のペンタゴン計画の中のどこかで、強い協調を表明しています。 超大国の行動によってチェックされなかったら、核拡散は、地域の敵からの攻撃を阻止するための核兵器の取得 へと、ドイツ、日本およびその他の産業力を誘うだろう。これは、米国との地球規模の競争や、国益上の危機に 際し、軍事闘争への道へと、彼らを出発させるだろう。 この政策案は、 「我々の核戦力は、同時に報復の脅威を介して、第三者の大量破壊兵器の使用を阻止する貢献を しながら、復活したあるいは不測の地球規模の脅威の可能性に対する重要な抑止力のヘッジをもまた提供する」 と言い、新しい時代のアメリカの核兵器の役割を調整していると思われます。 無視された国連アクション この文書は、クウェートにおけるイラク軍にたいする同盟の攻撃についての委任を提供し、そしてすぐに彼の停 戦義務をもってサダム·フセイン大統領に応じるよう強制する為の新たな委任を提供するように求められであろ う、そうした国連を通じた集団行動への言及を著しく欠いています。 この草案は、連合はペルシャ湾岸戦争のように「集団行動を促進するためのかなりの約束を保持する」と述べて いるが、「我々は将来の連合がその場限りの集合であることを期待すべきで、しばしば危機の撃退を超えて持続 しないし、多くの場合、完遂すべき目標にわたる一般的な合意のみを掲げる」とも述べている。 それが言う最も重要なことは、 「世界秩序は、最終的に米国に支えられているという認識」であり、 「米国は集団 行動が統制できないとき、または迅速な対応が求められる危機のなかでは、単独で行動する姿勢であるべき。」 ということだ。 ブッシュ政権当局者は、彼らは国連の枠組みの中で動きたいと、暫くの間、公式に言ってきたが、しかし、かれ らは必要に応じて、重要なアメリカの利益を保護するために、一方的にまたは選択的な連合を介して行動するオ プションを留保していることも述べてきた。 しかし、この公式に述べられた戦略は、世界の安全保障が安定したので、また他の国は国連を通じた国際集団行 動に重点を置いたので、アメリカの軍事力の最終的な平準化を排除しなかった。 対照的に、この新しい草稿は、その指導者が「より大きな地域または地球規模の役割に意欲的でさえある潜在 的な競争相手を抑止するためのメカニズムを維持しなければならない」ような一国支配の軍事力が存在する世界 を描いている。 管理者に送られた この文書は、軍事指導者と文民国防総省のヘッドに、今後 10 年のために彼らの軍事力、予算そして戦略を如何 に準備するかを指示するために配布されたペンタゴンの専門用語で防衛計画指針(the Defense Planning Guidance)という内部管理政策ステートメントとして知られています。この政策指針は、一般的に隔年用意され ており、現在の草稿は、冷戦終結後に生成された最初のこのような文書となるだろう。 国防総省上級当局者は、この文書が今月、チェイニー国防長官によって発行されると述べています。ウォルフ ォウィッツ氏の代理、デール A.ベッサーからの 2 月 18 日付けの覚書によると、政策指針は、米国の軍事力を戦 闘に引き出す可能性のある将来の外国の争いのための、 「例示的」シナリオのセットとともに発行されるだろう。 2 月 4 日に軍役ごとに発行されたこれらのシナリオは、先月ニューヨークタイムズ紙の記事に詳述されました。 それらはイラクや北朝鮮に対する地域の戦争だけでなく、リトアニアのロシアの攻撃と米国軍が将来直面する可 能性がある小さい軍事的不測事態を仮定しました。 この政策指針文書と組み合わされたこれらの仮定上の紛争は、かれらが軍を訓練し装備するのであるから、軍の 指導者たちに、適合するように準備されるべき軍事的脅威の種類に関する特定の情報を与えることを意味してい ます。それはまた、そのなかで様々な部隊と訓練オプションを評価する一貫した戦略の枠組みを彼らに与えるこ とを意図しています。 (核)拡散の恐れ 将来の脅威を評価するなかで、この文書は、如何に「大量破壊兵器の実際の使用は、あってもそれ以外では直接 に米国の利益を係合しない紛争においてでさえ、次には世界秩序を脅かすかもしれない更なる(核)拡散に駆り 立てことになる」かについて力説している。 「米国は、大量破壊兵器の開発や使用を防止するために軍事的措置をとるべきかどうかという問題に直面するだ ろう」と、それは述べ、これらの段階は、核兵器、化学兵器あるいは生物兵器による差し迫った攻撃の先取り、 「あるいは攻撃者の処罰または、このような兵器を製造する工場への攻撃を含む様々な手段を通じた侵略者の脅 迫的な処罰を含むであろうことに特に言及している。 1968 年核不拡散条約は 1995 年にまでに更新であることを注意しながら、この文書は、 「もしもそれが失敗した 場合、米国および関係するパートナーが対処の為に準備しなければならない不特定な重要な課題を生じるであろ う」潜在的に過激な不安定化プロセスが結果として起きるだろう」と言います。 この草稿指針は、 「 キューバと北朝鮮の双方は、激しい危機- 主に経済的にだが政治的にでもある-- の時期に入 りつつあるようだが、それは、政府に、そうでなければ不合理と思われる行動を取るようにさせるかもしれない」 と警告します。それは「中国に同じ可能性が存在する」と付け加える。 防衛計画指針プロセスが、国家安全保障政策を形成するために開始されて以来、初めて、この新しい草稿は、旧 ソ連軍基地の断片化は、どのような後継者にも地球規模の通常戦争を仕掛ける能力を排除したと述べています。 しかし、この文書は、 「我々は国家主義ロシアでの民族主義者の反発や、ウクライナ、ベラルーシ、そしておそら く他の新たに独立した共和国をロシアに再び組み込むための取り組みから生じる、欧州の安定へのリスクを考慮 するのを止めてはいけない」と言って、その評価に修正を加えています。 それは、米国の核の標的計画は「旧ソ連の国々における歓迎すべき発展を考慮して」変更されているものの、ア メリカの戦略核兵器は、旧ソ連の軍施設の重要な側面を標的とし続けるであろうと言います。この標的政策の継 続のための理論的根拠は、ロシアが「米国を破壊する能力を持つ世界で唯一の力」を残すであろうから、米国は 危険な状態で「現在の--そして将来の--ロシアの指導者や他の核の敵が最も評価するこれらの武器や能力を保持 し続けなければならない」ということです ロシアの核兵器の武器工場が無害化されるまで、「我々は、閉鎖的で権威的そして敵対的な体制に戻す可能性が ある人たちの手の中に強固な戦略核戦力の可能性に直面し続ける」と文書は述べています。それは、地球規模で の対ミサイルシステムの「早期導入」を求めています。 ヨーロッパについての計画 ヨーロッパでは、ペンタゴンの文書は、 「ヨーロッパでの実質的なアメリカの存在感と西欧同盟内での継続的な 結束」は重要なまま、しかし、発展からの競合関係を回避するために、"我々は、NATO を弱体化させるであろう ヨーロッパだけでの安全保障体制の出現を防止するよう求めなければならない」と主張しています。 この草稿は、ヨーロッパでの米国の短距離核兵器の、そして海洋での同様の武器の廃絶で、欧州に拠点を置く核 攻撃航空機のどのような撤退も考慮すべきではないと述べており、そして、ロシアからの脅威の復活が発生した 場合に、「我々はそうするように同盟の決定が必要である東ヨーロッパの地域の遠く前方に、このような脅威か ら防衛するよう計画するべきである。 」 この文書は、ロシアから旧ワルシャワ条約機構加盟国を守るために、明示的な約束(コミットメント)を提供し ている。それは、米国は、ペルシャ湾に沿って、サウジアラビア、クウェート、他のアラブ諸国に拡張したもの と同様に、東ヨーロッパおよび中央ヨーロッパ諸国の安全保障コミットメントへの拡張もまた検討するだろうこ とを示唆しています。そして、東ヨーロッパの経済安定化と民主主義の発展を助けるために、この草案はできる だけ早く東欧諸国へ構成員の資格(メンバーシップ)を提供するように欧州共同体に呼びかけている。 この報告書は、東アジアで米国はさらにその力を引き下ろすことができますが、しかし、 「我々は、この地域での 第一の大きさの軍事力としての地位を維持しなければなりません。 」と述べている、 「これは、バランス力として作用することにより、アメリカが、地域の安全と安定に貢献し、真空または地域覇 権国の出現を防ぐこと継続することを良く可能にします。 」 また、この草案は、どのような米国の軍事力の急激 な撤退も、日本からの不要な反応を引き起こすであろうことを警告し、そしてこの文書は、 「我々はまた、特に、 日本しかしおそらく韓国もまた引き起こすかもしれない我々の同盟の一部への役割を強化した潜在的な不安定 化効果に対してもまた、敏感で有り続けなければなければなりません。 」と述べている。 南北間の和平交渉が成功した場合には、この草案は、米国が「統一民主韓国との同盟関係を維持することを求め るべきである。 」と勧告している。 (注:太字は訳者による)