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フィリピン復興徐々に 防災教育も始まる
フィリピン復興徐々に 防災教育も始まる contents 2014 年初夏フォトニュース 2 〈寄稿〉 ナバノバ・アイリーンさん 3 連載 子どもへのまなざし 3 4 活動紹介 図書の管理 6 活動日誌 ( 5月~ 7月) 7 子どもたちの健康と 心の回復を目指して フィリピンを襲った超大型台風 30 号から約半年、現地では徐々に復興 が進んでいます。2013 年 11 月フィリピ ンでは最大瞬間風速は 90 メートルに 達する超大型台風 30 号が上陸しまし た。その結果、子ども 590 万人を含 む 1,410 万人が被災し、400 万人が家 を失いました。台風は非常に強く、家 の屋根は飛び、国道は通行することが できず、警察は海辺の人々を強制的に 退去させる事態となりました。台風が 来ないと思われていた地域にも襲来し たため、被害は拡大し、現地は深刻 な状況となりました。 ユニセフでは、災害発生直後から フィリピンへ緊急支援活動を行いまし た。8 万人の子どもたちに対して予防 接種をし、4 万 7,000 人の子どもたち レイテ島で災害を目の当たりにした姉妹(写真提供:JAFS) このようなユニセフや国際社会の復 伝え、いざというときは子どもたちも 興協力に加えて、フィリピン国内でも 応急セットを使えるよう指導しています。 台風対策が進んでいます。アジア協会 一方でシバロム町副町長のゾイロ・ アジア友の会(JAFS)の活動報告会 ベルナルド氏は「まだ災害から復旧で で聞いたところでは、フィリピンAFS- きていない子どもたちもいます。フィリ パンダン代表のネリー・レクトラ氏は 「漁 ピンには学校の復興がまだ進んでいな 業関係者は、大規模台風災害に備えて い所があるのです。教科書や勉強場 の知見を積むことができました。今回 所がいまだにない子どもたちがいます。 の経験を活かし今後の大規模台風災 さらに、台風災害を経験した子どもた 害へ備えていきます」と言います。ま ちには心に傷が残っているため、心理 たシバロム町の学校では、防災のため 的なケアを行う専門家が必要となって の教材を作り、防災教育を始めました。 います」と現地の様子を語りました。 防災教育プログラムでは、さまざまな 今後ユニセフとして子どもたちが災 自然災害に備えるため、台風対策に加 害から立ち直り、教育を受けられるよ え地震対策の教育も行っています。さ う、支援していきたいと思います。 らに非常用救急用具セットの重要性を に学用品を提供しました。加えて、つ らい経験から生じた心の傷を乗り越え られるよう 2 万 5,000 人の子どもたち に心理的なケアを行いました。また衛 生キット、医薬品、栄養補助食等を 被災地に届け、きれいな水が飲める ように給水施設などの復旧に取り組み、 100 万人が清潔な水を使えるようにし ました。 サマール等で被災者に生活物資を配布する(写真 提供:JAFS) ─1─ フィリピン災害教育のための教材