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セキュリティ専門委員会 - TTC 一般社団法人情報通信技術委員会
◉特集 TTC Report 2012. July Vol.27/No.2 セキュリティ専門委員会 委員長 三宅 優 (KDDI株式会社) 1.はじめに セ キ ュ リ テ ィ 専 門 委 員 会 は、2011年12月 に 設 立した新しい委員会である。本委員会では、ITU-T 副委員長 松野 徹 (日本電信電話株式会社) われており、この体制は2012年までのものである。 2012年末のWTSA会合において2013年以降の体 制が決定し、新体制がスタートする。 SG17(セキュリティ)のアップストリーム活動、 ITU-T SG17の活動に関連するTTC標準等の策定及び アップデート、関係組織での検討動向等に関する情報 共有と意見交換、セミナー等の開催によるセキュリティ 標準に関わる普及活動が主な活動内容となっている。 2. 2 主な検討内容 ITU-T SG17において、日本として特に寄与を行っ てきた案件について簡単に説明する。 [課題3:Telecommunications information security management] 2.ITU-T SG17について セキュリティ専門委員会は設立されたばかりである 通信事業者向けISMS(情報セキュリティマネージ メントシステム)、および、これに関連するハンドブッ が、アップストリーム活動の対象となっているITU-T クやユーザズガイドの作成 SG17には、以前から日本として積極的に関与して [課題4:Cybersecurity] きた。ここでは、ITU-T SG17の活動状況と日本の 関与について説明する。 通信事業者間で脆弱性情報やネットワークへの攻撃 情報を交換するプラットフォーム(CYBEX)構築に 必要となる技術 2. 1 ITU-T SG17の構成 ITU-T SG17は、表1が示すように、3つのワーキ ングパーティ(WP)とそれぞれのWPに属する15の 課題から構成されている。 こ れ ま で の 会 合 で は、 日 本 か ら は 主 に 課 題3 (Q3/17) 、 課 題4(Q4/17) 、 課 題6(Q6/17)、 課 題7(Q7/17) 、 課 題9(Q9/17) 、 課 題10 (Q10/17)に寄書を提出し、勧告作成に貢献してき た。また、課題8(Q8/17)に関しては、クラウド コンピューティングが議論の中心となってきたため、 [ 課 題 6 : S e c u r i t y a s p e c t s o f u b i q u i tous telecommunication services] IPTVやスマートフォン等のモバイルデバイスに関 わるセキュリティ [課題7:Secure application services] SAML/XACMLのITU-T勧 告 化 や ネ ッ ト ワ ー ク サービスに利用される各種認証フレームワーク [課題9:Telebiometrics] 通信環境でバイオメトリクス認証を実現するための 技術 フォーカスグループ(FG)の活動等を通じて、セキュ リティ分野のとりまとめに貢献をしてきた。ちなみ に、 2012年3月の会合から課題8のタイトルが「SOA 3.セキュリティ専門委員会の活動予定 実質的な初年度となる今年度は、下記の活動を予定 security」 か ら「Cloud computing security」 と している。 変更されている。 ITU-T SG17へのアップストリーム活動を行う。 ITU-TにおけるStudy Groupの見直しは4年毎に行 2013年から新研究会期が始まることから、これま 11 ◉特集 TTC Report 2012. July Vol.27/No.2 表1 ITU-T SG17の体制 WP WP1/17: Network and information security WP2/17: Application security WP3/17: Identity management and languages 課題 タイトル Q1/17 Telecommunications systems security project Q2/17 Security architecture and framework Q3/17 Telecommunications information security management Q4/17 Cybersecurity Q5/17 Countering spam by technical means Q6/17 Security aspects of ubiquitous telecommunication services Q7/17 Secure application services Q8/17 Cloud computing security Q9/17 Telebiometrics Q10/17 Identity management architecture and mechanisms Q11/17 Directory services, Directory systems, and public-key/attribute certificates Q12/17 Abstract Syntax Notation One (ASN.1), Object Identifiers (OIDs) and associated registration Q13/17 Formal languages and telecommunication software Q14/17 Testing languages, methodologies and framework Q15/17 Open Systems Interconnection (OSI) での活動の継続とともに、今後の取り組み方針に関 する議論も行う。 4.最後に TTCでのセキュリティ活動は始まったばかりであ ITU-T SG17で制定された勧告のTTC標準化につ り、これを機に、情報通信に関わるセキュリティ標準 いて検討を進める。最初の候補として、X.1051 の活動をより活性化させていくべきであると考えてい (Information security management guidelines ます。多くの皆様に本専門委員会にご参加いただけま for telecommunications organizations based on ISO/IEC 27002)を検討の対象とする。 2012年3月のCJK会合で設立が承認されたCJK セキュリティ WGの活動を通じて、日本、中国、韓 国間で連携した標準化活動を進める。8月に日本に おいてCJKセキュリティ WGの会合を行うことと なっている。 セミナーの開催により、ITU-T SG17、および、 TTCでの活動の情報展開を行い、この分野におけ る日本での活動の活性化と作成された勧告の普及を 目指す。 12 すようお願い申し上げます。