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おうちの方へ
みんなで考える道徳 学校と家庭を結ぶ道徳通信 6年 おうちの方へ <特色> ●家庭に,道徳の授業の内容と子どものようすを伝えます。 ●家庭での話し合いや活動・体験に役立ちます。 ●家庭での子どものようすや保護者の感想の返信をうながします。 <この道徳通信の使い方> ●この内容は,一つの文例です。使用される際は,実際にされた 授業内容や子どもの実態にあわせて変更し,ご使用ください。 日本標準 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「1.日付とコトバ」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「日付を意識することで,その日を目標にして努力をしようとする心構えをも つ」です。 あらすじ 日本新聞協会が毎年実施する新聞広告コンテストにおいて,2003 年度最優秀賞を受賞した 青木一也さんの「日付にのせて」を題材にした資料である。「1月1日 あけましておめでとう。」 「2月14日 好きでした。」「3月31日 また会おうね。」と,12月まで毎月1つの日を選んで,コト バをつけてある。青木さんは「そういえば,日付のもつチカラってあるな。」と思って,あるコトバに 日付を付け,最後に「日付をつけると,コトバは強くなる。」と締めくくった。 授業の内容と子どものようす 最初のページの空欄にあてはまる日付(3つ)を,みんなで考えることから授業をスタートさせ ました。クイズ形式で進めたので,子どもたちは楽しい雰囲気で,6年生の道徳の授業に入るこ とができたようです。 次に,青木さんの作品を読んで,なぜ「二度とくり返さない。」というコトバに,8月15日という 日付が付いているかなど,1つ1つのコトバと日付の意味を考えていきました。 最後に,これからの1年をどんな1年間にしたいか,自分の目標を毎月の日付で考えてみまし たが,最終学年の1年間の大切さを,子どもたちは改めて認識したようです。 おうちの方へ 目標を決めても,それが常にうまく達成できるわけではありません。子どもたちは成就したとき の喜びだけでなく,そうならないときの挫折感もしばしば味わっています。けれど,人間は失敗と 成功の経験の積み重ねによって成長していくのではないでしょうか。 1年間の目標を決めて,その日に向かって努力しようとしているお子さんたちを,まずは励ま してあげてください。うまくいかないときも,おうちの方からの励ましや賞賛は大きな支えになるで しょう。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「2.キッパリ! 自分を変えよう」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「自分の生活を見直し,望ましい生活習慣に改善しようとする意欲を高める」 です。 あらすじ 自分を変えるために,今すぐ実行できる方法を4コマ漫画の形で紹介した,上大岡トメ著の 「キッパリ!」「スッキリ!」をもとにした資料である。①「約束の 5 分前に行く。」②「人にしたことは, いつか自分にもどってくる。」③「知ったかぶりをしない。」④「人と比べない。」⑤「『遅い』『今さ ら』『どうせ』は言わない。」⑥「結果が出なくても,すぐにあきらめない。」の6題の漫画を読み, 最後に,自分を変えるためにやろうと思うことを,自作の 4 コマ漫画にする。 授業の内容と子どものようす 資料の漫画を読んで,思い当たることがないかどうか話し合った後,6 年生として,「○○しな くてはいけないと思うけど,すぐにはできない。□□だから。」という形で,できていない自分を出 し合いました。漫画という教材のため,子どもたちの心の中に抵抗なく入り込んで,自分で思い 当たることを楽しく出し合うことができました。 次に,自分を変えるためにやろうと思うことを漫画にまとめ,お互いの考えを出して話し合いま した。友だちの意見を聞く中で,みんな同じようにやろうと思っていてもできないことがあるという ことに気づき,「みんなと一緒に自分を変えてみよう」という思いをもつことができたようです。 おうちの方へ 6 年生になると,学校でも最高学年としてみんなの手本になることが求められます。でも,頭で は「やらなくてはいけないとわかってはいるけど…」と思っていてもなかなかできないのが人間で す。また,わかっているからこそ,まわりから言われるとかえって反発してしまうことも,この年頃の 子どもにはあります。 今日の授業で,自分を変えるためにやろうと思うことを子どもたちはそれぞれ漫画にしました。 そのことを実行できているかどうか,ご家庭で話し合い,見守っていただければと思います。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「3.だから私はがんばれる!」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「常に誠実に行動し,向上心をもって明るい心で楽しく生活しようとする心情 を養う」です。 あらすじ 2006 年 2 月 23 日夜,トリノオリンピックのフィギュアスケート会場に歌劇「トゥーランドット」のメ ロディーが流れ,荒川静香選手のフリー演技が始まる。会場が緊張と興奮につつまれる中,荒 川選手はとても落ち着いて見えた。これまでのいろいろなことがよみがえり,最後のステップを踏 んでいる瞬間,ここまでやってこられたことや最後の舞台に立てている自分が楽しくて,そしてう れしかった。だからメダルは,どうでもよかった。そのとき,荒川選手にとっての結果は順位では なかった。自分の気持ちが結果だった。 授業の内容と子どものようす 授業では,まず,自分が今まで長い間続けているものがあるかを出し合う時間をとりました。 子どもたちからは,音楽やスポーツのほかにも,犬の世話など日常の生活からの発言も多く活 発な導入となりました。 次に,資料を読み進めながら,荒川さんの気持ちを考えました。日本代表の座を巡る苦しい 戦いの様子を補足したので,子どもたちには荒川さんの気持ちが素直に届いたようです。最後 の荒川さんの日記(ホームページ)は,冷静に見える荒川さんのおちゃめな面がよく出ていて, 子どもたちの荒川さんに対する親しみがぐっと増しました。 おうちの方へ 高学年になると,自我が強くなると同時に,周囲からの目も気にかかるようになります。まじめ に物事に取り組むことがややもすると茶化されてしまうような世間の風潮がある中で,子どもたち にもそうした言動が見られることがあります。しかし,そのような風潮には歯止めをかけていきた いと考えています。この機会に,ぜひご家庭でも,「本気で」「まじめに」「誠実に」行動することの 意味について,ご家族の経験も含めてお話ししていただけたらと存じます。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「4.ロレンゾの友だち」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「互いに信頼し,理解し合って友情を深め,心から助け合っていこうとする意 欲を高める」です。 あらすじ ある日,警察に追われているロレンゾから 3 人の幼なじみに手紙が届く。「明後日,故郷へ戻 る。20 年ぶりの再会を楽しみにしている」という内容だった。 3 人は,自分たちを信頼して会いにくるロレンゾを待ちながら,どうすればいいのか話し合う。 「お金を持たせて逃がしてやる」という者,「自首をすすめるが,本人が納得しなければ逃がして やる」という者,「自首しようとしなければ,警察に知らせたほうが本人のためだ」という者……。 友を思う気持ちは同じでも,どうすべきかについてはそれぞれ考えが異なっていた。 授業の内容と子どものようす はじめに,友だちがいてよかったことを話し合い,「困っているとき助けてくれた」「悩みを聞い てくれた」など,友情についての子どもたちの考えが出されました。 次に,ロレンゾの 3 人の友だちのそれぞれの考えを確認し,自分ならだれの考えに賛成する か,また,その理由も発表しました。みんなで話し合う中,子どもたちはいろいろ迷いながらも, 「本当の友だち」とは何かを改めて考え直すことができたと思います。 どれが正しいかと結論を求めるのではなく,よりよい友だち関係について,さまざまな観点か ら考え,意見を出し合うことを目的としました。 おうちの方へ この時期の子どもたちは,友だちとのかかわりも多くなり,友だち関係や友情について真剣に 考え,悩み始めます。友だち同士のトラブルも多く,いじめの原因ともなりかねません。家族や 地域社会の構造の変化もあり,人間関係の経験が浅く,よりよい関係の築き方を知らない子も 多いようです。お子さんがよりよい友だち関係を作っていけるよう,ご家庭でも日頃から話を聞い てあげながら,ご家族の方の経験を交え話し合われてはいかがでしょうか。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「5.目の前にあることを一生懸命やる」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「夢の実現のために,目の前にあることを一生懸命努力しようとする心情を 養う」です。 あらすじ 宇宙飛行士山崎直子さんは,小学校の理科の授業で宇宙への漠然としたあこがれを抱いた が,「将来は絶対に宇宙飛行士になってみせる」という強い思いがあったわけではなかった。 アメリカの少女との文通,宇宙工学の勉強,英会話クラブの仲間と力を合わせてつくった英語 劇など,中学から大学まで,そのときどきで面白そうなことに興味をもって一生懸命取り組んでき た。そのことが,結果として,宇宙飛行士という後の自分の夢の実現に役立ったのではないかと 山崎さんは語っている。 授業の内容と子どものようす 授業では,まず「自分の夢」を出し合うことから始めました。子どもたちは,スポーツ選手,漫画 家,保育士といった職業のほかに,人を喜ばす人になりたいなど,いろいろな夢を話してくれま した。ただ,そのためにどうすればいいかというところまで考えている子は少数でした。 その後,宇宙飛行士山崎さんの小学生時代からの回想を資料でたどり,何が将来の役に立 つかわからないこと,また,何が夢の実現につながっていくのかわからないことを学びました。そ の中で,今,自分の好きなことや興味のあることを一生懸命やることが大切であるという前向きな 気持ちをもてたようです。 おうちの方へ 大人であっても,つい希望や夢を見失い,自分のやっていることに無力感を感じ,いいかげ んにほうりなげてしまうことがあります。子どもたちも同様に,勉強などを目標をもって粘り強くや りぬくことが大切とわかっていても,継続することのむずかしさを経験してきています。しかし,今 やっていることに無駄なことはないということ,だから一生懸命やることが大切なことを,おうちの 方のご経験を交えて話していただければと思います。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「6.涙そうそう」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「人の死にかかわる出来事や周囲の人々の心情に触れさせ,生命の重さを 感じ,大切にしようとする心情を養う」です。 あらすじ 森山良子さんは,自分がパーソナリティーをつとめるラジオ番組のゲストにビギンに来ていた だくことにした。「いっしょに何か曲を作れるといいね。」と,森山さんが軽い気持ちで伝えると, 本番の2,3日前に美しいメロディーが届いた。タイトルは「涙そうそう」。どんな意味?と問う森山 さんに比嘉さんは電話の向こうから「涙があふれてポロポロこぼれる様子」と説明してくれた。そ の瞬間,森山さんのなかに23歳という若さで亡くなった兄への想いがあふれた。「涙そうそう」の 歌詞に兄への想いを込めた森山さんに,この歌に励まされ癒された人たちからたくさんのお便り が届いた。そして森山さんも,そのお便りに励まされる。 授業の内容と子どものようす 授業では,最初に「涙そうそう」のCD を聴きながら歌詞に目を通しました。そして,歌(歌詞) から感じたことを発表しました。(ここは軽く進めました) 次に,資料「涙そうそう」の森山さんの文章を読んでいきながら,1 つの生命の死をめぐり,ど れだけの愛惜や悲しみがあり,どれだけまわりの人たちが長い間忘れられずにいるか考えまし た。子どもたちは,自分のことと重ねあわせて,自分の生命がかけがえのないものであることを 自覚したようです。最後に,もう一度CDを聴いて授業を終えました。 おうちの方へ 6年生といっても,今の子どもたちは,生命の誕生や近親者の死に立ち会った経験は多くな いと思います。そしてTVなどでは,毎日のように「人の死」が報道されます。そうした子どもたち に生命のかけがえのなさや死の重みをどう伝えたらよいか苦慮なさっていることと存じます。 この機会に,「涙そうそう」をお子さんと一緒に聴きながら,ご自分の経験なさったことやお子さ んへの想いをお伝えになってはいかがでしょう。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「7.世界がもし100人の村だったら」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「世界には自分と異なる立場の人がいることを理解し,世界の人々の平和と 幸せのために努力しようとする心情を養う」です。 あらすじ ○メールを通して世界中に広まった「世界がもし 100 人の村だったら」からの資料。 ○国連が発表した「2000 年に生まれた世界の子どもが 100 人だったら」の資料 の2つの資料。 地球には,63 億の人が住んでいる。それを,100 人の村に縮めて考えると,世界の現状が見 えてくる。さまざまな村人の違いを理解すること,そして,その人たちをありのままに受け入れるこ とがとても大切だ。 授業の内容と子どものようす はじめに,「世界がもし 100 人の村だったら」の資料を読んで,わかったこと・気づいたことを 話し合いました。村人の中のさまざまな違いに改めて気づいたようです。 次に,「2000 年に生まれた世界の子どもが 100 人だったら」の資料を読んで,わかったこと・ 気づいたことを話し合いました。子どもたちは,命の危険にさらされている子どもが世界にはたく さんいることにも驚いていました。 最後に,同じ地球上に住む人間たちが争いを繰り返す現実の中で,お互いが理解し合い,と もに幸せに暮らしていくためには,自分の立場で何をしていけばよいのかを話し合いました。 おうちの方へ 授業では,「地球という村で,お互いが理解し合い,幸せに暮らしていくにはどうしたらよい か」について話し合いました。このような学習を通して,子どもたちがクラスの仲間たちの一人一 人の違いを知り,違いを違いとして受け入れていくことにつなげていければと思っています。ご 家庭でも,クラスの中の意見の違いやけんかなどの対立について話をすることもあるかと思いま すが,そのようなとき,お子さんと一緒に考えてみてはいかがでしょうか。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「8.ごみ出しまかせて」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「身近な集団の中で,自分の役割と責任を果たす実践意欲と態度を育てる」 です。 あらすじ 北陸中日新聞の夕刊に載り,日本新聞協会編の『心がぽかぽかするニュース』でも紹介され たエピソードである。 石川県志賀町の奥下雅士君(中学 1 年生)は,近所の川口さんに代わってごみ出しを続けて いる。奥下君は,年配の川口さんが,雨の日に足を引きずりながらごみを出す姿を見て,自分 が代わってあげようと決めた。川口さんがおこづかいをあげようとしても奥下君は受け取らない。 「ぼく,それが欲しくて,しとるんじゃないげん。」と言うばかりだ。 授業の内容と子どものようす まず,家のごみ出しをどうしているか,近所の人たちはどうか,協力し合っていることはないか など知っていることを出し合いました。 次に,資料を読んで,奥下君がどんな気持ちから川口さんの代わりにごみ出しをしているの か,川口さんはどのような気持ちだったかを短い文章の中から考えました。そして,奥下君の行 動が,日頃からの地域のつながりの中で自然に出てきたものだということを感じとると,子どもた ちは,地域のあり方についても考えを進めたようです。 おうちの方へ 6年生になると,子どもたちは最高学年としての自分を意識するようになります。昔は近所の 年の違う子どもたちが一緒に遊び,その中で年長者・年少者それぞれが自然に自らの役割を自 覚し,協力し合うことを学んでいました。現在ではそういう姿が少なくなってしまいましたが,もし ご家族の方が,地域活動へ参加するような機会がございましたら,ぜひお子さんも誘われたらい かがでしょう。地域活動への参加は,お子さんの社会性をはぐくむ上で,重要な役割を果たすも のだと思います。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「9.自分の気持ち おしゃべりしあおう」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「自分の特徴を知って,悪いところを改め,よいところを伸ばそうとする態度を 育てる」です。 あらすじ 3,4 人でグループを作り,「最近悲しかったこと」「みんなにじまんしたいこと」「生まれてよかっ たと思うとき」などの質問を書いたカードを切って,裏返しておく。1枚ずつめくって出た質問に, グループのみんなで答える。 聞いている人は,「なるほど」「へえー」「知らなかったよ」などとあいづちを打ちながら聞く。 授業の内容と子どものようす 読み物資料ではなく,「友だちづくり」の力を身につけるために,子どもたちが活動しながら学 ぶものです。ゲーム感覚で気軽に楽しくおしゃべりしながらできるので,子どもたちもいつもと違 う雰囲気を楽しみながら,生き生きとした表情を見せてくれました。 質問に答えながら,自分を素直に表現し,他人にそれを聞いてもらい,理解してもらうことがど んなに気持ちのいいことか,少しでもわかってくれたのではないでしょうか。 おうちの方へ 自分を見つめ,短所を改め長所を伸ばすためには,自分について心を開いておしゃべりでき ることが大切です。 子どもたちは大きくなるにつれ,自分のことを他人に正直に表現できなくなりがちです。特に 私たち大人には,なかなかその思いを話しづらいようです。自分の願いや夢などを素直に話し たとき,どう受け止められるかという不安もあるのです。自分を認めてもらい,失敗や欠点もやさ しく受け入れてもらえれば,子どもたちは安心して自分を語れるようになるのではないでしょう か。 なかなか難しいことではありますが,私たちも,またご家庭でも,そのような態度で子どもたち に接するよう心がけていくことが必要だと思います。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「10.よみがえった立ねぷた」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「郷土の文化と伝統を大切にしている人たちの努力を知り,郷土や国を愛す る心情を養う」です。 あらすじ 青森県五所川原市で,明治・大正時代に市街地を練り歩いていた高さ 20 メートルの立ねぷ たが,約 1 世紀ぶりに市民の手によって復活した。台座の設計図と当時の一枚の写真をもとに して,多くの市民の協力で復元された。立ねぷたの製作には,多くの市民が協力している。 高知で始まった「よさこい祭り」は,北海道の「YOSAKOIソーラン祭り」に代表されるように, 「よさこい文化」として全国に広がっている。 授業の内容と子どものようす 資料を読んで,巨大な立ねぷたを復元したのは,市民のどのような願いからなのかを考えま した。子どもたちは,立ねぷたの大きさに驚くとともに,それだけのものを復元した五所川原の人 たちが,郷土の伝統や文化を大切に思い,守り,次の世代に伝えていきたいと考えていることが 理解できたようです。 最後に,わたしたちが住んでいる地域の祭りについて話し合い,どのように守られているかに ついて考えました。 おうちの方へ お子さんは,地域の祭りに参加していますか。地域の人たちの,一つになって協力する姿や, 郷土の伝統や文化を大切にしている姿が,祭りを通して見えてくるのではないでしょうか。今は, 違う年齢の子ども同士の交流がないといわれますが,地域の行事への参加は違う年齢の子ども たちと一緒に行動することにもなり,年少者の面倒を見るなど,集団の一員としての協調性も育 っていきます。 おうちの方も一緒に地域の祭りに参加してみてはいかがでしょうか。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「11.今,いちばん苦しんでいるのは…」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「相手の立場に立って考え,自分と異なった立場や相手の過ちなどに対して も広い心で受けとめることができる態度を育てる」です。 あらすじ 友幸君は,よいところもいろいろあるが,自分の思い通りにならないと我慢できず,大騒ぎして クラスのみんなを困らせる。ある日,友幸君が大暴れした。そのとき先生が,「今,いちばん苦し んでいるのは,自分の気持ちをおさえることのできない友幸君自身なのだ。苦しんでいる友幸 君をきらわないでほしい」とみんなに話した。それからは,クラスのみんなは,友幸君を前よりや さしく受けとめるようになり,友幸君も自分の気持ちをおさえようとし始めた。 クラスのお楽しみ会では,友幸君の面白さを生かしたコントをやってもらい,盛り上がった。 授業の内容と子どものようす 資料の「いちばん苦しんでいるのは友幸君自身だということ。それをわかってほしい」という先 生の言葉を,子どもたちがどう受けとめるかが授業でのポイントでしたが、友幸君の立場になっ て考えることで、「困った子」は、その子自身が「困っている」のだということを感じとることができ たようです。また、まわりの友だちの広い心ややさしい接し方で、友幸君によい変化が生まれて いったということも理解でき、相手の立場に立った思いやりのある声のかけ方や接し方はどうや ったらよいか、具体的に考えることもできました。お互いを理解し合うことが何より大切であること を感じ取ったようです。 おうちの方へ 自分で自分の気持ちや行動をコントロールできないで苦しんでいる友幸君のような子がいて も,まわりの子どもたちは,なぜなのかなかなか理解できないでいます。そのため、無関心や排 除の対象になってしまうことがありますが,子どもたちにはお互いを理解し合えるような友だち関 係を築いていってほしいと考えています。社会に目を向ければ,グローバル化の中で,自分と は違う考えや行動をする人を理解し,受け入れることがますます重要になっている現状もありま す。ぜひ、ご家庭でもそうしたことについて一緒になって話し合っていただければと思います。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信 6 年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「12.二十一世紀をになう若い人たちへ」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「勤労の意義を理解し,進んで社会のために役立とうとする心情を養う」で す。 あらすじ 国連難民高等弁務官としてご活躍された緒方貞子さんからの日本の子どもたちへのメッセー ジである。外国には,自分の国で戦争や迫害がおこったため,難民となって,よその国に避難し て暮らしている子どもたちが大勢いる。将来の保障もなく,いつ祖国に帰れるかどうかもわからな い状態が続いている。それに対し,日本の子どもたちは,難民の子どもたちと同じ位の年齢であ りながら,とても恵まれた環境で生活している。 世界中の誰もが平和に人間らしく暮らすためにはどうしたらいいかを,日本の子どもたちにも 考えてほしいというメッセージである。 授業の内容と子どものようす 資料を読み,事前に用意しておいた写真資料などを見せながら,難民として生活している世 界の子どもたちのようすを知ってもらうことから始めました。 国連難民高等弁務官として活躍された緒方さんがどういう仕事をしてきたのかを紹介し,緒方 さんが難民と出会って感じたことや,どうしてこの大変な仕事を努力して続けてきたのかを考え ました。 最後に,世界の誰もが人間らしく平和に暮らすためにはどうすればいいか話し合いました。 おうちの方へ 残念ながら,紛争が絶えることのないのが世界の現状です。テレビのニュースなどで,難民の 子どもたちのようすを目にされることも多いと思われます。 自分たちの今の生活から難民の子どもたちの厳しさを思い,考えることは,子どもたちにとって 難しいことではありますが,自分たちと同じぐらいの年齢であることから,ぜひとも考えてほしい 問題です。 とても大きな問題ではありますが,紛争や平和について,おうちでも話し合う時間をもたれて みてはいかがでしょうか キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「13.『ほしい』ってなに?『必要』ってなに?」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「自分の生活を振り返り,本当に必要なものを考えながら生活しようとする態 度を育てる」です。 あらすじ だれでも,必要なものがある。でも,必要だと思っているものが,すべて「どうしても必要」という わけではない。 「生きるのに必要」なものはなんだろう。便利だから必要なものもある。「くらしの中でなにがあ ると便利」なのだろう。便利にもいろいろ程度がある。「ほしい」ってどういうことなのだろう…と,順 を追って考える資料である。物がはんらんする社会の中で,適切に判断する方法や,「ほしい」 という気持ちを楽しさや生きるエネルギーに変える考え方を示してくれる。 授業の内容と子どものようす まず,自分たちが「今,ほしいと思っているものは何か」「どうしてそれがほしいのか」を子ども たちといっしょに話し合いました。 次に,本資料を読んでいきながら,生きるのに必要なものにはどんなものがあるか,あると便 利なものはどんなものかを話し合いました。子どもたちは本からの情報と自分の生活経験をもと にしながら,真剣に考え,自由に意見を出し合いました。こういうふうに整理して考える方法を楽 しんでいたようです。 最後に,自分がほしいものについて,どうしてそれがほしいのかを自分の言葉で整理し,ワー クシートに書いて,改めて考えてみました。 おうちの方へ 子どもたちのまわりには,さまざまなものがはんらんしています。何が必要なものか判断がつ かないほどに情報もはんらんしていますし,いろいろなものを手に入れたいという欲求も肥大化 しています。何かほしいものが出てきたときには,ご家庭でも「それって本当に必要?」と,合言 葉のように一度は口に出すようにしてみてはいかがでしょうか。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「14.科学は平和のためにある」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「外国の人々や文化を大切にする心をもち,日本人としての自覚をもって世 界の人々との親善と平和のために努力しようとする心情を養う」です。 あらすじ 第二次世界大戦の始まる頃,アインシュタインはナチスが特殊相対性理論を利用して原子爆 弾を作ろうとしているという話を聞いた。ナチスを許せなかった博士は,それに対抗して原子爆 弾の研究をするようアメリカ大統領に進言した。しかし,それが完成する前にナチスはすでに滅 び,原爆は広島と長崎に投下され悲惨な結果を生んだ。博士は責任を感じ,心を痛め,平和な 世界をつくるため立ちあがろうと決心した。 戦後も,アメリカをはじめ各国で,軍事力増強のために科学を利用し,原爆や水爆が作られ 続けた。博士は,「ナチス=ドイツのやり方と同じだ」とアメリカを公然と批判した。そして,世界の 科学者たちにも訴え,戦争と核兵器に反対する声明書が発表された。 授業の内容と子どものようす 資料を読む前に,原子爆弾について知っていることや核兵器に対する考えを発表しました。 資料を読んで話し合い,感想文を書きました。広島・長崎の原爆についてはかなりよく知って いますが,原爆が当初ナチスを抑制する目的で作られたということは,子どもたちにも意外だっ たようです。そして,科学が悪用されるのを見るアインシュタインの悲しみや,「科学は平和のた めにあるべきだ」という彼の思想と行動力に共感する意見が多くありました。 おうちの方へ 地球上から核兵器をなくすことは,世界中の人々の願いです。にもかかわらず,現実には核 保有国の政治的理由から,なかなか廃棄にいたっていません。 戦争や原爆の体験者は年々減っていますが,わたしたちはそれを過去のものとして忘れては なりません。6年生になると,世界の出来事にも関心が高まります。おうちでも,ニュースなどをも とに話し合われてはいかがでしょうか。戦争に関する本なども,是非 1 冊は読んでほしいと思い ます。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「15.エイズと闘った少年の記録」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「生命がかけがえのないものであることを知り,自他の生命を尊重する態度 を育てる」です。 あらすじ 重い血友病という病気をもって生まれたライアンは, 13 歳のときにエイズと診断された。血友 病の治療薬を注射することにより,エイズになってしまったのだ。そのときから,彼は差別や偏見 とも闘わなければならなかった。クラスの父母たちが自分の子どもにうつることを恐れ,学校が登 校を禁止したためだ。結局,裁判で登校禁止は解かれたものの,その後も事態はあまり変わら なかった。ライアンは学校でみんなから避けられ,陰口を言われ,一人ぼっちだったが,母親の 支えのもとに明るく一生懸命生きていった。 授業の内容と子どものようす 最初にエイズについて知っていることを発表し合い,教師からも補足説明をした上で,エイズ の子が転校してきたらどうするか率直な考えを出し合いました。日本のニュースでもよく取り上げ られていますが,まだまだこの病気を正しく理解していた子は少ないようです。 ライアン,ライアンのお母さん,クラスの子どもや親たちと 3 つの役を決めて役割演技をさせま した。子どもたちは実際に演じてみることにより,差別や偏見がどのような苦痛を与えるか実感し たようです。演じた後,感想を発表し,正しい知識をもつことの大切さ,差別の怖さ,生命の尊さ についてみんなで考えました。 おうちの方へ 高学年では保健の授業でエイズについて学習しますし,この授業の中でも日本での薬害エ イズや患者数について説明しましたが,子どもたちにとってあまり身近な問題でないだけに,ま だまだ関心がもてないようです。差別や偏見をなくすためには,正しい知識が必要です。また, 病気の苦しみを乗り越えて,自分の命を大切にし,前向きに生きている患者さんたちもたくさん いらっしゃることを,お子さんに話してあげてはいかがかと思います。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「16.どうして,学校へ行くのかな?」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「自他の権利を守り,義務を果たすことの大切さに気づき,進んで義務を果 たそうとする態度を育てる」です。 あらすじ 「親と子の悩み相談室」の Q&A をもとにした資料。「学校に行くのがめんどうくさい。なぜ,行 かなければならないのか?」という子どもの質問に,作家の那須正幹さんは次のように回答して いる。「学校に行くのは義務ではないが,教育を受ける権利を放棄することになる。学校は,た だ勉強するためだけではない。自分と違う大勢の人間とつきあうことで,自分を成長させ,社会 性を身につけることが大切だ。学校がつまらなければ,自分自身が学校を変えてみたらどうか」 那須さんの回答を読む前に,この質問に対する回答を自分で考えて書く欄を設けている。 授業の内容と子どものようす 授業のはじめに,「学校へ行きたくないと思ったことがあるか」と子どもたちにたずねたところ, どの子からも一度は行きたくないと思った経験が出てきました。そうした導入から,資料の「どうし て学校へ行くのか」という質問にどう答えるかを話し合わせたところ,「将来のため」「友だちをつ くるため」など活発に意見が交わされました。 次に,作家の那須さんの書いた回答を読んで,子どもにとって教育を受けるのは権利である ことの意味について話し合い,権利を行使するためには義務をきちんと果たす必要のあることを 学んでいきました。子どもたちは改めて学校へ行く意味をとらえなおすことができたようです。 おうちの方へ 6 年生ともなると,さまざまな経験をしてきて,きまりを強く意識できるようになりますが,同時に 自己主張も強くなってきます。しかし,権利を主張するには,義務を果たさなくてはならないこと にまで,子どもたちの考えが及んでいないことも多いようです。 生活のさまざまな場面で,権利を主張するときには,果たさなければいけない義務について, ご家庭でもお話ししていただけたらと存じます。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「17.積極的に聞こう」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「互いに信頼し合って,男女仲良く助け合い,友情を深めようとする心情を養 う」です。 あらすじ 2人でペアになり,1人が「話し手」,もう1人が「聞き手」になる。 話し手は「自分の好きなこと」について2分間話し,聞き手はできるだけ一生懸命聞こうとする 態度をとる。「話し手」と「聞き手」の役割を交代してやってみる。 次に,「1年生のときの自分」というテーマで同じように話をする。今度は聞き手は相づちも打 たず,なるべく聞かない態度をとって,時間がたったら交代する。 授業の内容と子どものようす 日頃クラスで問題になっていることや注意されることなどを考えながら,上手な話の聞き方,よ くない聞き方について話し合いました。 「聞く練習」「聞かない練習」の2通りを交代でやってみて,感想を出し合いました。「話しやす い」「うれしかった」,反対に「いやな感じだった」「さみしかった」など,聞き手の態度のちがいに よって話し手がどんな気持ちになるか,実感としてつかみとれたようです。 最後に,積極的に聞くための具体的方法を読み,今後気をつけることを考えました。 おうちの方へ 話していても相手がちゃんと聞いてくれないと,いやな気持ちになって,それ以上話す気もな くなることがあります。それが続くと,段々に他人とコミュニケーションをとる意欲も失せていくかも しれません。 大人も忙しさにまぎれ,つい子どもの話をうわの空で聞いたり,最後まで聞かずに,こちらの 言いたいことだけを言っておしまいにしてしまうことがあるのではないでしょうか。おうちではいか がですか。よい人間関係を築く上で,「聞き上手」になることはとても大切なことだと思います。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「18.オトちゃんルール」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「自分の長所を知り,それを伸ばしていこうとする態度を育てる」です。 あらすじ 乙武さんには,生まれたときから手と足がない。小学校時代,勉強や遊びをほとんどほかの子 どもと同じようにやってきたという。むしろ,勉強にも遊びにも積極的に取り組んできたといえる。 明るく芯が強く,少々のことには音を上げない乙武さん。クラスの子どもたちもそんな乙武さんを 自然に受け入れて,当たり前のこととして一緒に遊んだ。 でも,どうしても同じにはできないことがあった。そこで子どもたちが考え出したの が「オトちゃんルール」だった……。 授業の内容と子どものようす はじめに,乙武さんの写真を見せて,知っていることや驚いたことを発表し合いました。子ども たちは,手も足もないことに驚きつつ,表情の明るさに気づきます。 実話であることを話し,資料を読んで感想文を書きました。 子どもたちは,「すごいな。」と乙武さんの明るさやあたりまえに生きる強さに感動していました。 また,まわりの友だちが,ふつうにクラスメイトとして一緒に遊ぶために,「オトちゃんルール」を考 え出したことが印象的だったようです。 おうちの方へ 子どもたちは,授業の最後に,これから障がいのある人が身近にいたら,「いっしょに遊ぶ。」 「手伝ってあげる。」などの意見をもちました。障がいのある人も自分たちも,人間としては同じで あることを感じ,これから生きていってほしいと思います。 学校で感じたことを行動に移していくのは,なかなか難しいことでしょう。実際に,交流の機会 があればよいのですが,それができなくても,新聞や本などでいろいろな人の生き方が描かれ たものを見受けられることと思います。そのような機会をとらえて,「ともに生きていくこと」につい ておうちで話し合っていただければと思います。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「19.しらんぷりはできないよ」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「誰に対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にしようとする 心情を養う」です。 あらすじ 「耳がきこえません,こんなときはよろしく」と「車椅子です,こんなときはよろしく」の二部構成。 障がいのある人たちのために子どもたちでもできることを,イラストをまじえ具体的に示している。 手話を知らなくても耳のきこえない人と伝え合う方法,「電話をかけて」と頼まれたときのやり方, 身近でおきた小さなニュースを筆談で伝えてあげると喜ばれること,車椅子の人が手が届かなく て困っているときの手助けのし方,車椅子を押すときの注意とテクニックなど。 授業の内容と子どものようす 体の不自由な人やお年寄りに町で出会ったとき,「しらんぷりできないな」と心で思っても,恥 ずかしかったり,どうしたらいいのかわからなくて何もできなかったという子が多いようです。 資料を読んで,耳のきこえない人に出会った設定で役割演技をしました。実際にやってみる と,いざというときどうすればいいのかがよく理解できます。車椅子の人への手助けについても 話し合いましたが,機会があれば,実際に車椅子を使った体験学習もしてみたいと思います。 これをきっかけに,何か小さなことでもいいからやってみようと,子どもたちに呼びかけました。 おうちの方へ 相手の立場や気持ちを考えない安易な同情や親切の押し付けは,かえって迷惑にもなりか ねません。知識や経験が大切です。また,電車でお年寄りに席をゆずりたくても恥ずかしくて言 い出せないというように,行動に出る勇気も必要でしょう。 少しでも知識があったり,経験があったりすれば,自信がつき,積極的に実行する勇気にもつ ながるのではないでしょうか。ボランティア活動に関する本もたくさん出ています。アイマスクや 車椅子を使った体験ができる機会もあります。何かできることを見つけて,親子で参加してみる のもよいのではないでしょうか。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「20.コタンに生きる」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「自分もその一部である自然がもつ,人間の力を超えた摂理や力に畏敬の 念をもち,感動する心情を養う」です。 あらすじ 朝日新聞アイヌ民族取材班による取材記事。 アイヌ語には「自然」という言葉が存在しない。あえて言えば「カムイ(神)」だという。長老の話 では,自然界のものだけでなく,人間の作った家,舟など自分のためになるものすべてをカムイ として敬ってきた。そして,心の中のカムイと上手に付き合う(自分自身を大切にする)ことが大 事だという。 授業の内容と子どものようす 最初にアイヌ民族について知っていることを発表しました。子どもたちにとってあまり身近では ないので,アイヌという言葉を聞いたことはあっても,アイヌの歴史や文化については,ほとんど 何も知らない子がかなりいました。 資料を読んで,アイヌ民族のカムイ(神)の考え方や自然とのかかわり方について話し合いま した。同じ日本の中にも,全く違う言語と独自の文化をもつ先住民がいることに驚き,また,豊か な自然に感謝しながら,自然とともに生きてきたアイヌ民族の生活や文化に感動したようです。 おうちの方へ 日本はよく単一民族国家と言われますが,実は多くの民族が融合して現在の国や郷土を作り 上げてきました。この資料がそれを理解するきっかけになればと思います。 自然と共生してきたアイヌ民族の文化は,わたしたちが忘れかけている大事なものを教えてく れています。 今の社会では,たくさんの残飯が捨てられています。わたしたちには,「食べ物」のもとの姿が 見えず,食べることに対する感謝の気持ちも薄れがちです。自分を生かしてくれるものへの感 謝を忘れないよう,子どもたちに語りかけていく必要があるのではないでしょうか。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「21.親しき仲にも礼儀あり」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「時と場をわきまえて,礼儀正しく真心をもって接しようとする態度を育てる」 です。 あらすじ 「親しき仲にも礼儀あり」ということわざを示して,自分の言葉で意味を考える資料。 「親しき仲にも垣を結え」「親しき仲は遠くなる」など,同じようなことわざも提示。 授業の内容と子どものようす まず,知っていることわざを発表し合い,それらが「昔から伝わっている真理や教訓を含んだ 生活の知恵」であることをおさえました。 資料を読んで,自分たちの経験を出し合いながら,ことわざの意味を考えました。実際,相手 に礼儀よくされて気持ちがよかったり,ちょっと恥ずかしかったり,反対に,礼儀知らずな人に会 っていやな気持ちになったりした経験は少なからずあるようです。 次に,「友だち同士」など親しい間柄での場面を設定し,役割演技をしました。そこでどんな 気持ちがしたかをもとに,これからの日常生活で心がけていくことをみんなで考えました。 おうちの方へ 親しい相手に接するとき,気安さや甘えからつい態度がいいかげんになったり,礼儀をおろ そかにしてしまうことがあります。でも,相手の心を無視しては,いくら親しい人でも不愉快になる でしょう。みなさんのおうちでもそんな経験はありませんか。 例えば,家庭でのあいさつや食事のマナーなども,家族がお互い気持ちよく暮らすためには 大切なことですね。そういったことを日々の生活の中でお子さんに伝えていただけたらと思いま す。「おはよう」「ありがとう」など,おうちの方から積極的に声をかけてあげてはいかがでしょう。 基本的な礼儀が身についていれば,子どもたちが学校や社会で人間関係を築いていく上で もおおいにプラスになることと思います。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「22.まゆみちゃんと私」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「家族の一員として,家族を思い,進んで家族のために役立とうとする態度 を育てる」です。 あらすじ 「まゆみちゃん」というのは「私」の42歳になるお母さんだ。私は6年生。今の私と同じ歳のとき に,まゆみちゃんはお母さんを亡くした。今では,おこりんぼでお茶目でちょっとヘンなお母さん だけど,私には,ひとりぼっちでご飯を食べていたさびしがりやの小さなまゆみちゃんの姿が見 えるような気がした。まゆみちゃんはアイロンのかかっていないくしゃくしゃの服を着て,ぴんぴ んはねた短い髪をしている…。 ある日,虫歯が化膿してお母さんが寝込んでしまった。私はひとりで台所に立ちながら,毎日 毎日,誰にも教わらずにご飯を作っていただろう小さいまゆみちゃんのことを考えていた。 授業の内容と子どものようす 資料を読み,感想を話し合いました。子どもたちは,ユーモアたっぷりの文章の中に,小さい まゆみちゃんの心細さやさびしさを敏感に感じ取ったようです。母と子のやりとりに素直に感動し, お母さんと一緒にいられる「私」の喜びを共有することができました。 最後に,自分の家族を振り返って,その温かさを感じることがあったかなど経験を出し合い, 家族のためにできることを考えました。 おうちの方へ この資料は,小学校の部で文部科学大臣賞を受賞した読みごたえのある児童作文です。文 章からお母さんへの理解と感謝と思いやりが伝わってきます。 子どもたちは普段あまり意識していなくても,日常の何かの機会におうちの方々の温かい愛 情や家族のよさを感じることがあるようです。将来自分が大人になり,親になったとき,それをより 深く理解してくれることでしょう。この資料が,自分の父・母・家族を改めて見つめ直し,家族を大 切にしようという気持ちが生まれるきっかけになってくれたらと思います。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「23.積極的に話そう」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「誰に対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にしようとする 心情を養う」です。 あらすじ 3人でグループを作り,①「話しかける人」②「否定的な言い方をする人」③「相手の気持ちを 大切にする言い方をする人」の役割を決め,(例)のように言い合う。役割を交代する。 (例)①「ねえ,みんな待ってるんだ。はやくサッカーをしに行こうよ。」 ②「うるさいな~。今,いそがしいんだ。少しぐらい待てないのか。」 ③「ごめんね。もうちょっとで用事がすむから,少し待ってくれるようにみんなに伝えて。」 授業の内容と子どものようす 「友だちづくり」の力を育てるための活動学習です。 やり方を理解した上で,役割を決め,言い合いました。それぞれの役割のときの気持ちがどう だったか書き,またどんな話し方がよいかまとめました。否定的な言い方の他のいろいろな例も 演じ,自分たちが日常つい言ってしまいがちなことが,相手をどんな気持ちにさせるか,実感で きたのではないでしょうか。 最後に「相手の気持ちを大切にする言い方」についてまとめ,日常生活の中でも心がけてい こうと話し合いました。 おうちの方へ 子どもは正直に話をしてしまうことが多く,それが知らずに相手を傷つけてしまうこともあります。 相手の気持ちを大切にするには,相手のよいところを見つけて話をしたり,自分の思っているこ とを前向きに話して,素直に自分の考えや気持ちを伝えることが大切だと思います。 これはなかなか難しいことで,学校でやっただけですぐに身につくものではありません。おうち でも,日頃気がついたときには注意したり,どう言えばよかったのか,お子さんと一緒に考えてみ てはいかがでしょうか。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「24.助け合って生きる」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「勤労の意義を理解し,進んで社会のために役立とうとする心情を養う」で す。 あらすじ 医師である正夫の父は,阪神・淡路大震災の惨状をテレビで見て,医療ボランティアとして 神戸にかけつけた。まだ,余震も続く危険な被災地にいる父を思い,正夫は心配でたまらない。 しかし,帰ってきた父親の話から,多くのボランティアの人たちが困っている人を助けるため 懸命に働いていたこと,被災した人たち同士も助け合っていたことを知り,正夫は他人事のよう に思っていたことが何だか申し訳ない気になる。そして,今度父親が被災地に行くときは,自分 も行って何かできることをしたいと思うのだった。 授業の内容と子どものようす 阪神・淡路大震災のボランティア活動の写真や新聞記事を見たり,この資料を読んで,ボラン ティアの人たちがどういう気持ちで働いていたのか話し合いました。「生死にかかわる大災害で 困っている人を何とかしなくては」といういてもたってもいられない気持ちに,子どもたちはとても 共感したようです。 正夫の気持ちも,自分たちにおきかえて考えてみました。そして,自分も身のまわりで何か手 助けできることはないか話し合いました。 おうちの方へ 阪神・淡路大震災のとき,たくさんの若い人たちがボランティアとして救援活動に参加しました。 日頃,自分本位だとか,何かと批判されがちだった若者たちの行動は,みんなの気持ちを明る くしました。どの子どもたちも,本当は人のために役立ちたいという気持ちを心の内にもっている のではないでしょうか。そういう心を育て,実践に入る手助けをしてやることが必要でしょう。 おうちでも,身近でボランティアをしている人がいたらお子さんと一緒に話を聞いたり,ボラン ティアに関する本を読んだりして,何かできることがないか話し合ってみてはいかがでしょうか。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「25.サケの一生」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「自然の偉大さを知り,自然環境を大切にしていく態度を育てる」です。 あらすじ サケは海で成長し,たまごを産むために4年後に,生まれ育った川に帰ってくる。数々の障害 を乗り越え,ようやく川の上流にたどりついたときには,からだは傷だらけになっている。たまごを 産んだ後も,そのたまごを死ぬまぎわまで守り続け,最後にはぼろぼろになって息絶えるのだ。 そのようなひたむきなサケの一生をたどったドキュメンタリー。 授業の内容と子どものようす 最初に,回帰性をもつ動物について発表し合い,世界地図でその行動範囲を示してから,資 料を読んでいきました。 サケがたまごを産むために生まれた川の上流まで辛く長い旅をすることに,子どもたちは驚き, 自然の神秘を感じたようです。そして,メスが力をふりしぼってたまごを産み,それを守るために 砂や小石をかけ,やがて力尽きて死ぬ壮絶な光景を写真を通して見て,強い印象を受け,また 感動したようです。 人間社会をはじめ,他の自然界ではどうなのかも,考えさせるようにしました。「人間の親も子 どもを命がけで守っている」という意見も出ました。 おうちの方へ どんな生き物でも命をもち,必死に生きています。人間も他の生き物も自然界に生きる生物 の仲間なのだということを改めて考えてほしいと思います。 現代の社会では,環境保護が大きな課題となっていますが,自然とのかかわりを意識しなが ら生きている子どもたちは少なくなってきています。最近の子どもたちの心の荒れの表れとして, 動物虐待からよりエスカレートした問題に発展する例もあります。ご家庭でも,身近な生き物に 接し,その営みを見つめる機会をもたせ,自然の素晴らしさ,自然を守ることの大切さについて 話し合われるとよいでしょう。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「26.人と人をつなぐ地域通貨」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「日々の生活が人々の支え合いや助け合いで成り立っていることに感謝し, 自分にできることをやろうとする態度を育てる」です。 あらすじ 全国各地で広がっている「地域通貨」の活動を紹介している資料。地域通貨とは,地域で困 っている人を助けるシステムのことで,地域の人のために自分ができるサービスと,自分がしても らいたいサービスを登録して申し込む。困っている人に手助けすると,地域通貨を受け取ること ができ,その地域の商店での買い物に使ったりすることができる。 千葉県の「ピーナッツクラブ」をはじめとし,全国にたくさんの地域通貨があり,地域の人々の 支え合いの輪を広げている。 授業の内容と子どものようす 地域活性化の施策の1つとして,日本各地で「地域通貨」が導入されています。授業では,地 域通貨を通して人と人が助け合い,つながりが広がっていることを学びました。 そして,実際の地域通貨の例として,千葉県のピーナッツクラブでは町の人が子どもたちを見 守り,子どもたちも町のために自分にできることをしていることを学習する中で,自分たちの住む 地域を振り返りました。子どもたちは,今まで自分がしてもらってきたことに対し,自分が地域の ためにしたことの少なさに気がついたようです。また,支えられて育ってきたことに,改めて感謝 の気持ちをもてたようです。 おうちの方へ 子どもたちは,人々の支え合いや助け合いをあまり実感として受け止められていません。むし ろ自分ひとりで生きていると考えがちな子もいます。今の子どもは,どうしていいかわからないこ とがあっても,人に聞くことが苦手になってきているという現実もあります。日常生活で,他人に たずねたり,頼んだりしないといけない場面で,自分で進んで聞くことによって,支えられている という実感をもてるようにしていくことが大切だと考えています。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「27.目ざめよ日本」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「日本の伝統や芸術を守り育てた人々の考え方と業績を理解し,大切にしよ うとする心情を養う」です。 あらすじ 文明開化の頃,行き過ぎともいえる西洋崇拝の風潮が見られた。岡倉天心はそれが我慢で きなかった。モース,フェノロサなどの学者に励まされ,天心は,美しく生きることや心の豊かさを 第一に考えてきた日本のよさや伝統を大切にしようと訴えた。そして,西洋のものでも,よい点は 学んでこそ日本のよさを伸ばすことができると主張した。 そのような考えをもとに,天心は文化財の調査や芸術家の保護に努めた。また,いくつもの本 を英語で書き,日本や東洋の心を外国に紹介した。 授業の内容と子どものようす 資料の最初にある利休の「そうじ」に関する逸話は,子どもたちにとって印象的でした。これ以 上することがないほどきれいに掃除された茶室への道に,利休は美しい紅葉を点々と散らし, 「そうじとはこういうことだ」と言ったそうです。西洋の合理的な「きれいさ」と日本的な「美しさ」の 精神の違いを理解するためのよい例だと思います。 文明開化の頃の風潮について話し合い,天心の考え方や業績について読み取りました。そ して,文化財の写真や身のまわりにある例を挙げながら,「日本のよさやすぐれた伝統」につい て話し合いました。 おうちの方へ 現在,わたしたちの生活にも西欧文化の影響があふれ,文化や伝統も変化しつつあります。 外国のよい点は学びながら,日本のよさを認め,大切にしていきたいものです。国際化時代を 迎え,自分の国を知りそのよさを守ることは,他の国のよさを認める気持ちにもつながるでしょう。 身のまわりの伝統行事などについて,それがなぜ行われ,どんな意味があるのかをお子さん と一緒に考え,話し合ってみませんか。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「28.犬と私の10の約束」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「自分で決めるという自由な意志を尊重すると同時に,自由を貫く,規律ある 態度を育てる」です。 あらすじ 北海道の小さな海辺の町で両親と暮らすあかりは,ずっと「犬を飼いたい」と願っていた。でも お父さんは犬が苦手。そんなある日,お母さんが入院する。しばらくして退院してきたお母さん は,あかりに犬を飼わないかと提案する。そして,犬を飼うとき守らなければいけない犬との約束 を,あかりに伝える。「一つ目。残念だけど,あなたといっしょにいる時間は十年くらいしかありま せん。」「二つ目。理解し合えるのに,時間をいっぱいください。」「三つ目。たくさん,私と話をし てください。」……。九つ目まで話して,十個目の約束を残したまま,お母さんの話は終わった。 授業の内容と子どものようす 最初に,犬を飼うとしたらどんなことを守らなければいけないか,予想を出し合い発表しました。 次に,資料を読んで,九つの約束についてどう思ったか感想を出し合いましたが,子どもたちか らは,はじめに思っていたことと少し違っていた,自分はずいぶん簡単に約束を考えていたなど の言葉が出ました。そして十個目の約束は何か予想してみました。この犬との「約束」の内容に ついては,共感する子も多かったようです。 おうちの方へ 「犬と私の10の約束」という物語は,生き物を飼うときの飼い主の責任について考えさせられ るとともに,人の死,動物の死,すなわち「看取る」ということを考えさせられるお話です。資料は その一部分でしたが,ご家庭でも,機会がありましたらお子さんと一緒に一冊全部読んで,感想 を話し合われると,より心が伝わることと思います。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「29.こんなとき,どうする?」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「誰に対しても差別や偏見をもつことなく,公正,公平にし,正義の実現に努 めようとする態度を育てる」です。 あらすじ 言われたくないことや,おどかしたり追いつめたりすることを「言う人」と,それに対し「答える人」 を決め,役割演技する。 (例)「こんなすみっこのほうまでわかんないよ。ザッとそうじしておけばいいよ。見つからなけれ ばおこられないよ。」 「わからなければいいの?きれいにするためにやるんだよ。おこられるからやるんじゃない よ。」 その他の例についても,グループで答え方(言い方)を考え,役割を決めて言い合ってみる。 授業の内容と子どものようす 「友だちづくり」の力を育てるための活動学習です。最初に,自分が嫌なことを言われてつらい 思いをしたことがないか発表しました。みんなそれぞれいろいろな経験があるらしく,他の子の 発言を共感しながら聞いていました。資料を読んでロールプレイを繰り返しながら,なぜそういう 言い方がいけないか考え,それに対しどう言い返すか,よりよい答え方を見つけていきました。 子どもたちは,演技をする中で,自分の言いたいこと,正しいと思うことを相手にはっきり言え たとき,気持ちがすっきりすることに気がついたようです。 おうちの方へ 高学年になっても,なかなか自己本位な考え方が抜けきらず,自分に関係なければ間違った ことも見て見ぬふりをしたり,自分が何か言われてもきちんと言い返せなかったりすることがあり ます。一方,正義感も育ち,公正・公平を求める心情は強くなって,心の中に葛藤を抱えること が多いようです。難しいことですが,自分の考えを大事にして,公正・公平や正義をおし通すこ とができるように努力していってほしいと願っています。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「30.木のいのち」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「進んで新しいものを求め,工夫して生活していこうとする態度を育てる」で す。 あらすじ 宮大工だったおじいさんの下できびしい修業を積んだ常一は,棟梁として法隆寺の大修理を 手がけることになる。日本の伝統的な技法を学び身につけることは,大変な努力を必要とした。 常一は,「木と話ができなあかん」「同じヒノキでも一本一本性質がちがうんやで」という,おじいさ んの言葉の意味を求めて,誰の手も借りず,自分の手,足,頭,心を使って調べ,「木のいのち を生かす」ということを理解し,仕事にはげんだ。 授業の内容と子どものようす 宮大工として日本一といわれた西岡常一が法隆寺の昭和の大修理にたずさわったときの話 です。法隆寺が 1300 年を経た今もしっかりと建っていること,宮大工が特殊な技術であり,古い 建物の修理のし方を自分で考えなければならないことを子どもたちに話しました。 そのような状況の下で,常一が何を考え,何をしたのかを一つ一つ読み取るうちに,子どもた ちは,基本から学び,自ら調べ,新しいことを見つけていく常一の姿勢に感銘したようです。 さらに,そのためにはどんな小さなことでもやってみようという意欲も大切だということに気づき ました。学校生活でも,そのような意欲をできるだけ引き出せるよう心がけたいと思います。 おうちの方へ 物質的に恵まれている今の子どもたちは,欲しいものが簡単に手に入り,必要な情報も居な がらに入手できる状況にあります。その便利さのあまり,自ら工夫し何かを創り出したり,改善し ようという態度が見られにくく,指示待ち,受け身的な行動が多く見受けられます。 ご家庭の生活の中で,何か小さなことでも自分で考え工夫して取り組めることはないか,話し 合われてはいかがでしょうか。それをやり遂げた努力や,やろうとした意欲を温かく認めてあげる ことも大切だと思います。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「31.落書き」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「公徳心をもって,法やきまりを守り,自他の権利を大切にして,義務を確実 に果たそうとする態度を育てる」です。 あらすじ 商店の前の自動販売機や壁にも塀にも落書きが――。落書きのはんらんは,街だけでなく, お寺や彫刻作品にまで及んでいる。落書き被害の現状と,その落書きを消す人たちの活動と努 力を,写真を中心にして紹介している。 授業の内容と子どものようす まず,街にかかれた落書きの写真や,彫刻作品にかかれた落書きの記事について,感じたこ とを発表しました。「ひどい。」「だれが,何の目的で,こんなことをするのだろう。」という意見が多 く出されました。また,街をきれいに保つために,落書きを消す作業を行う人たちの思いを考え ました。 また,自分自身や自分の身のまわりに目を向けて,落書きやゴミのポイ捨てなど,「自分ひとり くらい」という軽い気持ちでやってしまったことがないか,自分の行動を振り返ってみました。 や ったことをしかるのではなく,過ちを通して成長していくことが大切だということを話しました。 最後に,落書きはれっきとした犯罪であり,刑法 261 条によって禁止されていることを簡単に 説明しました。 おうちの方へ 落書きや,タバコの吸殻・空き缶などのポイ捨ては,子どもに限らず大人でも日常的に目にす ることです。軽い気持ちでついとはいいながら,これは自分本位でまわりのことを考えられないこ とから起こっています。相手やまわりのことを考える気持ちをもち,日常の中でもルールを守れる ようになってほしいと思います。 おうちでもお互いの守るべきルールを話し合ってみてはいかがでしょうか。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「32.インターネットの掲示板」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「インターネットの掲示板で起きている『なりすまし』の実態を知り,責任をもっ て情報を発信していく態度を育てる」です。 あらすじ ツクシは仲良しのマオやリコとインターネットの掲示板を始めたが,マオやリコは忙しくて,ツク シの書き込みになかなか返事をしてくれない。つまらなくなったツクシは,軽い気持ちで,リコに なりすまして書き込みをしてしまった。それに気がついたリコは,誰がやっているのかがわからず, 「やめて!気持ち悪い」と書き込んだが,ツクシはさらに悪乗りしてしまう。 こわくなったリコは先生に相談した。先生は「『なりすまし』は犯罪だから,心配なら警察に通 報することもできるよ」と言い,リコもその気になる。ツクシは困って下を向いてしまった。 授業の内容と子どものようす 携帯電話やパソコンから簡単に掲示板を利用できることから,友だち同士によるトラブルが増 えています。授業では,資料をもとに「なりすまし」の被害を受けたリコの気持ちを考えるとともに, 加害者であるツクシがどんな気持ちで掲示板に書き込んだかということを考えました。ネット上の 問題であっても,問題を起こすのは人間であることや,人の嫉妬心やむしゃくしゃした気持ち, ちょっとしたおふざけなどが原因となっていることを理解したようです。 最後に,掲示板などで被害にあったらどう解決したらよいかについて考え,いろいろな解決法 を出し合いました。 おうちの方へ 今や小学生にも携帯電話が普及し,子どもたちは小さい頃からメールやインターネットなどの ネット社会に親しんでいますが,正しい知識がないため,時には犯罪に巻き込まれてしまうことも あります。ニュースなどで,ネット上で人を傷つけたり,迷惑をかけたりしている事件を目にされ たら,誰がやったかわからないからといって面白半分にやったことでもそれがどんな結果をもた らすかということを,お子さんと話し合っていただきたいと思います。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「33.ヘソのおの話」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「生命の誕生にかかわる出来事に触れさせ,進んで自他の生命を大切にし ようとする心情を養う」です。 あらすじ ヘソの緒の役割についての説明と,児童の詩からなる資料。 母親のお腹の中にいる赤ちゃんが,ヘソの緒を通してお母さんの胎盤から栄養や酸素をもら うこと,ヘソの緒を通っている血液は赤ちゃん自身の血液で,赤ちゃんはお母さんと一体であっ て一体ではないということなどを説明。 詩では,母親が大切にとっておいたヘソの緒を見せてくれたことから,母親の愛情と親子のき ずなを感じた女の子の気持ちが表現されている。 授業の内容と子どものようす 資料を読んで,ヘソの緒をしまっておいたお母さんの気持ちや,「ブタのしっぽみたいな物」 が「とても大切なもの」に見えるようになった女の子の心の変化を読み取りました。 また,母と子が体の中でつながっていても,生命としては別のものであることに驚き,生命の 不思議さや神秘さを感じ取ったようです。 最後に,自分の生命の誕生について,家族やまわりの人たちから聞いたことを話し合いまし た。 おうちの方へ 最近,少年たちが自ら生命を絶ったり,簡単に他人の生命を奪う悲しい事件が目立っていま す。自分の生命が自分だけのものでなく,誕生から今まで家族や周囲の多くの人々によって守 られてきたことを理解し,他人の生命もまた同じであることを実感し,生命がかけがえのないもの であるということを強く自覚してほしいと思います。 性に関する興味・関心が高まるこの時期に,おうちの方からお子さんの誕生にまつわる喜び や苦労など話してあげることも大切でしょう。また,身近な人の出産に出会う機会があれば,お 子さんにとって心に残る体験となるでしょう。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「34.地球があぶない」の資料で学習しました。 ◇授業のねらいは,「自然の偉大さを知り,自然環境を大切にしていく態度を育てる」です。 あらすじ 地球の環境を憂い,危機感を訴える詩。 文明が発達し,技術が進歩するにつれ,人間は森林を切り,砂漠を増やし,木や化石燃料を 燃やして二酸化炭素を増やし続け,たくさんの廃棄物を出してきた。その結果,太古からさまざ まな命をはぐくんできた地球の自然は汚染され,破壊されている。地球の豊かな恵みを受けて 暮らしてきた人間が,今その地球を壊そうとしている。そして,その報いを受けるのも人間自身な のだ。 授業の内容と子どものようす 資料を読み,その中の地球の写真を見ながら話し合いました。人間にたくさんの恵みをもたら している美しい地球が,科学の発達によって汚染され,破壊され,それが逆に人間にいろいろ な被害を及ぼすことを,具体的な例を出し合いながら考えていきました。 紙の消費量と世界の森林面積に関する統計を見て,ハンバーガーを食べるのは熱帯雨林を 「食べて」いるのと同じであることを知り,子どもたちは驚いたようです。ふだん何気なく使ってい る品々が,結果的に自然破壊や環境汚染をしていることに気づき,これから自分たちに何がで きるかをみんなで考えました。 おうちの方へ 地球を守っていくために,自分たちに何ができるのかを常に考えることが大切です。子ども向 けの環境問題の本などもたくさん出ています。ご家庭でもお子さんとぜひ話し合って,できること から実行してみてください。 近頃は環境保護に対する関心も深まり,すでにいろいろ実行されているご家庭も多いでしょ うが,もう一度ご家族みなさんで生活を見直してみてはいかがでしょうか。 キリトリ線 ◇先生へ ( ) 月 日 曜日 学校と家庭を結ぶ道徳通信6年 おうちの方へ ◇道徳の時間に 「35.卒業まで五十日」の資料で学習しました。 授業のねらいは,「先生や学校の人々を敬愛し,みんなで協力し合い,よりよい校風をつくろう とする態度を育てる」です。 あらすじ 3学期に入ってすぐ,「卒業まで50日」という日をむかえた。和子さんの学校でも,お世話にな った「学校のすべての人たちへの感謝とお礼を形にしよう」という目標で,毎年卒業記念活動を 行っている。まず,学級会で卒業記念活動実行委員を決めることとなった。みんなに立候補を 促す先生と目が合ったとき,和子さんは思わず顔をふせてしまった。なぜかこういう場面ではい つも下を向いてしまう。そのとき,友人の早苗さんが手をあげ,和子さんに「やろうよ。」と声をか けた。先生や早苗さんの声かけに,和子さんは顔をあげて,小さい声で「はい。」と答えた。 授業の内容と子どものようす 最初に,卒業に向けてのまとめの時期をむかえて,今どんな気持ちか出し合いました。子ども たちも,自分がもうすぐ卒業するということを実感したようです。次に,資料を読みましたが,お世 話になった学校に何かしていきたい,感謝の気持ちを残したいという和子さんの思い,特に引っ 込み思案の和子さんが立候補するにいたるまでの心の動きに共感していました。 そして,卒業を前にして自分たちはこれからどうするか,具体例をあげながら話し合いました。 おうちの方へ 6年生になると最高学年としての自分を自覚し,さまざまな場面でリーダー的役割を担うように なります。そのような過程を通して,自分の学校に対する愛情と,さらによりよい校風をつくろうと いう意識が芽生えてきます。この資料の中でも,実行委員に立候補したときの学校や学校の 人々に対する感謝の気持ちを中心にとりあげていますが,卒業記念活動そのものが重要なの ではなく,学校を愛し,誇りに思い,学校のために何かしたいという意欲と,それをみんなでやり とげること自体が大切なのです。 お子さんたちが学校を愛し,よい思い出をたくさん作って卒業できるよう願っています。 キリトリ線 ◇先生へ ( )