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第6章 都市計画の理念と目標
第6章 都市計画の理念と目標 1.都市計画の理念 2.都市計画の目標と重点整備地区 1)都市計画の目標 2)重点整備地区 3.都市計画の計画フレーム 1)計画フレームの設定 2)区域区分の見直しに関する方針 3)用途地域の見直しに関する方針 4)建物の高さ規制に関する方針 第 6 章 都市計画の理念と目標 1.都市計画の理念 時代の変化とこれからの都市計画の基本方向 我国の社会経済情勢の変化は著しく、地球環境問題への配慮、来るべき高齢化社 会への備え等都市計画として対応すべき課題は多い。そして、こうした課題に対し ては従来の右肩上がりの成長を前提とした都市計画ではなく、既存ストックを活用 した質的向上を目指す都市計画が求められている。 特に、今後の人口減少や厳しい財政状況などの都市を取り巻く状況の大きな変化 を想定すると、これまでの都市づくりの方向性を大きく転換し、都市を構成する多 様な都市機能が適切に集約・連携する都市構造への再構築が強く求められる。さら に、今後、人口減少を抑えるためには、各々のまちの歴史や伝統が生み出す産業や まちなみ、豊かな自然など地域固有の資源を再発見・活用しながら、魅力を高め、 地域活力を維持・創出し、様々な人が、他のまちから移り住みたくなるようなまち づくりが求められる。 <時代の変化と都市計画の課題> ●環境重視社会への対応 ●人口減少・高齢化社会への対応 ●厳しい財政的制約への対応 ●交流社会・情報社会への対応 ●国際的な都市間競争社会への対応・独立都市自治体の強力な推進 ●市民参加社会への対応 <都市計画の基本方向> ●質的充実・持続可能なまちづくり ●環境にやさしく、環境と共生するまちづくり ●都市機能が適切に集積し誰もが安心・便利に暮らせるまちづくり ●産業・交流により活力を創出するまちづくり ●歴史や文化を活かした個性的で魅力あるまちづくり ●都市防災の推進・災害に強い防災まちづくり ●市民参加・協働のまちづくり 139 第2次新総合計画における都市ビジョン 本市では第2次新総合計画のテーマを『夢ある都市「元気な各務原市」の発展∼ 公園都市・共生都市・快適産業都市』と定め、社会の閉塞感が蔓延する中で、新た な将来都市像「夢ある都市」を掲げ、全市民・企業・行政が独創的な施策を戦略的 に展開することで、人々や産業、地域が心の底から夢が湧くような都市を実現する ため、6つの都市戦略を掲げている。 6つの都市戦略と施策の柱 都市戦略 安全・安心の都市 人づくり都市 人にやさしい都市 取り組む施策の柱 ・災害対策の推進 ・防犯体制の充実 ・消防・救急体制の充実 ・消費生活対策の推進 ・学校施設耐震化の促進 ・市民相談体制の充実 ・交通安全の推進 ・乳幼児教育の推進 ・心豊かでたくましい学校教 ・高等学校・高等教育機関と 育の推進 の連携 ・学びの機会の充実 ・家庭・地域の「教育力」の充 ・地域の担い手の育成 実 ・高齢者の社会参画の促進 ・社会保障制度の充実 ・高齢者福祉の推進 ・地域福祉の推進 ・人権・平和の尊重 ・環境保護活動の推進 ・地球環境の保全 ・子ども福祉の推進 ・障がい者(児)福祉の推進 ・保健・医療の充実 ・市民コミュニケーションの 充実 ・循環型社会の形成 ・都市環境緑化の推進 文化創造都市 ・市民生活に息づく文化・芸 ・歴史遺産の保存・継承 術の振興 ・美しい都市景観の推進 ・都市の中の自然の創造 ・文化交流ネットワークの推 ・スポーツの振興 進 産業活力都市 ・ものづくり活力の強化 ・サービス産業の振興 ・観光・交流の拡大 ・「人財」育成の推進 ・多様なビジネスネットワー ・農林業の振興 クの形成 未来への基盤づくり ・適正な土地利用の推進 ・住環境の整備 ・上水道の整備 140 ・都市空間の整備 ・交通体系の整備 ・下水道・河川の整備 各務原市における都市計画の理念 社会経済情勢の変化による課題や時代の変化とこれからの都市計画の基本方向、 第2次新総合計画における将来都市像と6つの都市戦略等を踏まえ、本市における これからの都市計画の理念を以下に定める。 ①都市再生と都市活力の創出 各務原飛行揚とその関運工場、高等農林学校(岐阜大学の前身)が本市の発 展に大きく寄与したように、都市の活力を高めるためには産業、教育、文化、 交流等において本市ならではの情報を発信する拠点性の高い機能・地区が形成 されていることが重要である。近年本市では、都心ルネサンス地区や鵜沼・新 鵜沼駅周辺の整備などにより拠点性の高い機能・地区の形成が進み、また合併 を契機に新たな地区間の交流・連携の強化が図られつつある。今後は、産業ビ ジョンに基づく施策・事業を推進するとともに、拠点性の高い地区でのさらな る都市機能等の再生・集積強化や地区間の一層の交流促進、河川環境楽園を中 心とする交流拠点の機能強化等を進め、産業・交流により新たな都市活力を創 出していく必要がある。 ②田園環境と自然環境を活かした公園都市(パークシティー)の形成 各務原台地上に立地する飛行場と広がる市街地、これを取り囲む優良な田園 地域と木曽川、大安寺川、新境川による水辺空間、その背景となる山並みと独 立峰の存する風景、そして豊かな自然に恵まれた川中島、本市の景観の特徴は こうした風景のコントラストの明確さにあり、その田園環境と自然環境は今後 も維持していく必要がある。そして、 水と緑の回廊計画 や 景観計画 を 推進し、台地や川中島に形成された市街地では生活環境の改善・充実及び市街 地における緑を創出して、緑豊かで美しい景観を有する 公園都市 にふさわ しい都市環境の形成を図るとともに、低炭素社会の形成に一層取り組む必要が ある。 ③車社会と公共交通の共存 市民の移動手段として車が欠かせない中、本市においても車の利便性を高め るための道路整備を行ってきた。一方、本市は市域のほぼ中央を2本の鉄道が 東西に横断し、更に駅間距離が短い16の駅を有するなど、公共交通の利便性 の高い都市である。また、ふれあいバスや路線バスによる公共交通のサービス も行われている。これからは、古くから鉄道とともに発展してきた本市の特性 や地球環境問題や高齢社会への対応の観点から、鉄道やバスといった公共交通 の再評価を行い、車社会と公共交通が共存するまちづくりを進める。さらには 歩いて暮せる街、快適に自転車が利用できる街の実現に向けて歩道等の整備を 行う必要がある。 141 ④地域の歴史・文化を活かした都市づくり 都市の個性化が重要になってきているが、人の個性がその生い立ちに強く影 響されるように、都市の個性もその生い立ちに見い出すことができる。中山道 の宿場及び高等農林学校があったという歴史、飛行場と共存してきたという歴 史、木曽川の氾濫と戦ってきた歴史等はまさに本市の生い立ちを物語る貴重な 資源であり、今後はこれら資源を活かして個性的なまちづくりを進めるととも に歴史・文化を未来へ継承する必要がある。 特に、一定の水準の社会資本(インフラ)が整備された本市にあっては、既 存のストックを活用しながら、これら地域固有の歴史や文化を再発見・再評価 し、個性的なまちづくりを進めることによって、都市環境、産業集積、市民生 活など様々な分野において独自性を高め、地域活力の維持・創出につなげてい く必要がある。 ⑤少子高齢化に対応した都市づくり これまで本市の人口は着実に増加する傾向にあったものの、今後は減少に転 じることが予測され、同時に高齢化が一層進むことが予測されている。 本市においては、優れた公共交通の利便性を活かして、居住、公共公益、商 業等の都市機能を適切に集積し、それらが鉄道やバスなどの公共交通により連 携するなど、過度に自動車交通に依存することなく快適に生活できる都市構造 へと再構築を進めていく必要がある。また、今後高齢化が一層進むと、高齢者 の運転免許返納が増大することも予想されることから、公共交通の一層の充実 が求められる。 同時に、鉄道やバスなどの公共交通結節点や日常サービス施設、医療福祉施 設周辺など高齢者の日常的な利用頻度が高い地域などでは、歩道の段差解消や スロープの設置、ユニバーサルデザインの導入などにより、高齢者を含め誰も が安心して安全に移動できる環境を確保する必要がある。 ⑥戦略的な都市経営 本市は、高い産業集積と定住人口の増加により堅実に発展してきた都市であ り、現在、岐阜県下で最も財政基盤がしっかりした都市である。また、道路、 公園等の都市基盤施設の整備も着実に進められ、社会資本ストックの集積も高 い。 今後は、低成長時代にあってもこうした都市経営基盤の維持拡大を図るとと もに、上記の社会経済情勢の変化から求められる都市経営上の課題に的確に対 応し、堅実な都市経営基盤を次世代に継承することが必要である。 そのためには、今までのように都市計画マスタープランに即して計画的に都 市づくりを進めること、充実した社会資本ストックを活かし市民生活をより豊 かにする福祉や歴史のまちづくりを進めること、都市の活力維持に不可欠な産 業立地の受け皿を確保すること、社会資本ストックの維持管理を適切に行いそ の有効利用を図ること、都市経営に関する情報を市民に開示し、行政と市民・ 事業者が協働して都市づくりにあたり、部門によってはNPO等の新たな公的 セクターを主体として都市づくりを進めることが必要である。 142 2.都市計画の目標と重点整備地区 1)都市計画の目標 本市における6つの都市計画の理念に基づき、都市計画の目標を以下のように定め る。 1 まちの顔の整備充実 ○西の都市拠点においては、都心ルネサンス地区(学びの森等)の利用増進、行政・ 文化施設が集積する市役所周辺の既存機能の強化、商業・業務施設が集積する那 加・新那加駅周辺の既存機能の充実を図る。 ○東の都市拠点においては、鵜沼駅・新鵜沼駅のバリアフリー化、鵜沼東町・南町地 お が せ 区の面的整備事業の施行、本市の顔として中山道鵜沼宿及び苧ヶ瀬池周辺の景観形 成を図る。 ○交流拠点(河川環境楽園周辺)においては、緑地や水辺を体感できる施設、広域的 な観光レクリエーション施設等を整備するなど、賑わいのある自然との共存・ふれ あいの場を創出する。 2 水と緑のまち ○街と自然が共生し、水と緑が豊かな暮しを育む田園環境を保持し育成するため、 「水 と緑の回廊計画」による3つの回廊及び7つの拠点づくりを進める。 ○苧ヶ瀬池周辺の自然景観を活かし、歴史と自然が調和するふるさと景観の形成を図 る。 ○本市のランドスケープ※の骨格となる美濃山地の緑地空間、木曽川沿いの自然景観、 市街化調整区域の田園景観の保全を図る。 ○都市緑化の積極的推進により、美しく快適な市街地景観、沿道景観の形成を図る。 ○東西ネットワークを形成する重要な緑として羽島用水路敷の整備を進める。 ○新境川堤をはじめ市内の桜の名所を大きな桜の輪でつなぎ、日本一の 桜回廊都市 の形成を図る。 ○川島地区の河跡湖公園周辺においては、自然と共生した公園整備と周辺緑地の保全 を進める。 3 歴史と文化のまち ○中山道鵜沼宿では、残された歴史的雰囲気を大切にし、場にふさわしい歴史的な街 並みの形成を図るとともに、新加納立場地区についても歴史的な趣と調和するまち づくりに着手する。 ○「中山道鵜沼宿」 「苧ヶ瀬池周辺地区」 「村国座周辺地区」をつなぐ中山道、苧ヶ瀬 街道等及びその道路沿道を歴史街道と位置付け、都市の中の風格ある沿道景観の形 成を図る。 ○川島地区の玉石積み(ごんぼ積み)を家屋の基礎として、建物を建てているごんぼ 積み集落では、地域の個性である川中島特有の景観の維持、回復を図る。 ○岐阜県の名勝地としての歴史がある苧ヶ瀬池周辺の景観形成を図る。 ○城山、伊木の森など木曽川沿いの古くからの歴史と一体となった自然景観の保全を 図る。 ○田園景観の中で豊かに居住する生活文化の継承を図る。 ○飛行場がある都市としての歴史を継続する。 ※ランドスケープ: 狭義では地形を基本とした景観のこと。なお、広義では景観から造園まで幅広い意味を持つ。 143 4 活力あるまち ○車社会と共存する歩行者・公共交通を構築するため、鵜沼駅・新鵜沼駅周辺の整備 を進めるとともに、 2眼レフ (西と東の2つの都市拠点)のうちの東部都市拠点 の機能強化を図る。 ○都市の活力を創出する産業拠点としてインターチェンジ周辺地区、テクノプラザ地 区の整備を進める。 ○インターチェンジ周辺地区においては、商業・工業が交流する新産業の創出を図る。 ○テクノプラザⅡ期地区においては、情報産業・次世代産業の立地を促進するととも に、隣接するテクノプラザⅢ期地区の整備を進め、新たな活力複合拠点への進化を 図る。 ○航空宇宙科学博物館周辺においては、岐阜県グリーンスタジアム等の集客施設との 連携を図りながら、航空機等に関連した施設誘致等、地域資源を活かしより多くの 人を引き付ける魅力を有した観光レクリエーション拠点の形成を目指し、市街化調 整区域の性格を大きく変えない範囲で、一定の都市的土地利用の誘導を図る。 ○産業活動及び生活文化交流を支える、(都)坂祝バイパス、(都)犬山東町線バイパス、 (都)各務原扶桑線、(都)岐阜鵜沼線、(都)日野岩地大野線等の道路整備を進める。 ○旧各務原市・旧川島町両地域の連携の強化、交流を促進するため、(仮)各務原大 橋・ (仮)那加小網線の整備を進める。 5 安心して暮らしやすいまち ○狭あいな生活道路を改善し、身近に利用できる街区公園を整備し、誰もが安全・安 心に暮せる都市環境の整備を進める。 ○浸水危険・延焼危険な地区の解消を図る。 ○高齢者や障がい者が公共交通機関を利用しやすい環境を創出するため、鵜沼駅・新 鵜沼駅周辺のバリアフリー化やユニバーサルデザインに配慮したまちづくりを推 進する。 ○大規模地震や集中豪雨などの自然災害による被害を最小限に食い止めることがで きるようコミュニティ、地域力の育成を図り、都市防災の推進・災害に強いまちづ くりを進める。 6 近隣都市と連携したまち ○本市は通勤、通学において岐阜市と繋がりが強く、市街地も行政界に係わらず連続 している。このように隣接都市との一体感が強い一方、行政界付近の地域は行政区 域間で計画の不整合が生じたり、ともすれば行政区域の遠隔地となり都市づくりに 対する配慮が不足する可能性があることから、岐阜市と連携して都市づくりに取り 組む。 ○(仮)各務原大橋、新愛岐大橋の木曽川架橋により本市と愛知県との連絡性はます ます高まるため、こうした関係強化を活用しながら広域的な交流と産業立地を促し、 都市活力の創出を図る。 ○本市と犬山市は木曽川景観協議会を設置して広域的な景観行政に協働して取り 組んでいるが、今後はこの取り組みを継続拡大し、木曽川を軸とする歴史まちづく り、景観まちづくりを積極的展開して両市にまたがる広域交流エリアの形成を進め る。 144 重点整備地区 位置図 重点施策図 145 2)重点整備地区 都市計画の目標を達成するための先導的まちづくりを展開する地区を重点整備地区 とし、以下の地区を位置付ける。 目標:拠点の顔の整備充実 重点整備地区 鵜沼駅周辺地区 東の都市拠点に位置する鵜沼東町、鵜沼南町、鵜沼 駅・新鵜沼駅、鵜沼宝積寺町地区及び城山地区の5地区 を鵜沼駅周辺地区として位置付け、本地区の課題である (都)犬山東町線バイパスや鉄道による地域分断を地域 住民の利用に資する生活幹線道路を南北に整備するこ とで解消する。また本地区と中山道鵜沼宿との連携を図 ▲現在の集落(鵜沼南町地区) ることにより、東の都市拠点としての個性を高める。 鵜沼東町地区においては、(都)犬山東町線バイパスの事業化に併せて、市街化区域 への編入と地区計画等による面的整備を検討する。 鵜沼南町地区においては、住民参加型のまちづくりを推進し、(都)犬山東町線バイ パス、生活幹線道路の(仮)南町通り等の道路の整備を図るとともに、幅員4m未満 の生活道路を解消し、公園及び排水等、居住環境の向上に資する都市基盤施設※の整 備を図る。 鵜沼駅・新鵜沼駅周辺地区においては、交通結節点として整備された両駅前広場の 交通利便性を活用した東の拠点としてふさわしい都市機能の集積を図る。この地区は、 JR、名鉄の両軌道により地区が分断されているが、整備された空中歩道の活用によ り歩行者ネットワークの充実を図る。また、土地の有効利用を促進するため、鵜沼駅 東部土地区画整理事業を推進する。 鵜沼宝積寺町地区においては、木曽川の自然環境や美しい都市景観に配慮した住居 系の土地利用を図る。 城山地区においては、戦国時代に鵜沼城であった城山の景観の保全に配慮した土地 利用を推進する。 重点風景地区(鵜沼駅前地区・木曽川河畔地区・木曽川沿い地区・大安寺川地区) としての景観形成を図る。 住民参加によるまちづくり ▲城山とツインブリッジ(犬山橋) 平成21年撮影 ※平成20年6月から3回の委員会が開催され、12月 に市長へ提言書が提出された。(出典:(仮)犬山 東町線バイパス住民参加型みちづくり委員会) ▲木曽川沿い 平成21年撮影 ※都市基盤施設: ここでは、道路、鉄道、河川、上下水道、公園・緑地など、都市における生活や産業活動の基盤を形成する公共施設をさす。 146 鵜沼駅周辺地区の方針 J ▲鵜沼東部土地区画整理事業区域 ▲にんじん通りの拡幅(現在のにんじん通り) 平成21年撮影 施行面積 2.23ha 拡幅前幅員 4.5m 施行年度 平成20年度~平成24年度 拡幅後幅員 6.0m 147 目標:拠点の顔の整備充実 重点整備地区 国営木曽三川公園 国営木曽三川公園は愛知県、岐阜県、三重県にまたがる日本最大の国営公園である。 木曽川、長良川、揖斐川からなる総延長107km、面積約1万haにおよぶ広大な 区域を国営木曽三川公園事業として国土交通省が整備を進めており、約13箇所の拠 点施設が計画され、11施設が整備済となっている。 本市においては、国営公園、岐阜県営公園(世界淡水魚園等)、自然共生研究セン ター、日本道路公団川島パーキングエリアで構成されている河川環境楽園の整備が進 むとともに、本市周辺では138タワーパーク・江南フラワーパーク等の拠点施設が 整備されている。 今後、本市に位置する当該公園区域においては、都市の住民が豊かな自然と空間の 広がりの中で自由にのびのび憩い、豊かな人間関係をうちたて、明日への活力を養う 場として水と緑に恵まれた自然環境の保全と活用を図り、自然とのふれあい空間とな るアウトドア・レクリエーション拠点を形成する。また、既存の勤労青少年運動場の 有効利用を図りつつ、市民スポーツの活動拠点として大規模なスポーツ・フィールド の集積地を形成する。 なお、河川環境楽園周辺地区については、自然に親しめる場の形成を図るとともに、 その周辺のかさだ広場、各務原アウトドアフィールド等を一体的に活用し、交流拠点 の形成を促進するため、サイクリングロードの整備を進める。 ▲世界淡水魚園と観覧車 平成21年撮影 ▲河川環境楽園① 平成21年撮影 ▲138タワーパーク 平成21年撮影 ▲かさだ広場 平成21年撮影 ▲勤労青少年運動場① 平成21年撮影 ▲勤労青少年運動場② 平成21年撮影 148 ▲河川環境楽園② 平成21年撮影 ▲江南フラワーパーク 平成21年撮影 目標:緑豊かなまち 重点整備地区 羽島用水 本市においては、農業用水路の多自然化、歩行者空間の整備により緑豊かな水辺の ネットワークを創出することを目指している。また、主要な農業用水路である羽島用 水が国営事業により暗渠化され、用水路敷きを緑地化する地域用水環境整備事業が平 成14年度より順次推進されている。これを重点整備地区として位置付け、引き続き 県事業での整備を促進する。 なお、羽島用水路敷は、水と緑の回廊計画において、空の森緑化重点地区に含まれ、 東西ネットワークを形成する重要な緑として位置付けられている。 ▲羽島用水上部利用① 平成21年撮影 ▲羽島用水上部利用② 平成21年撮影 羽島用水(断面図) 149 目標:緑豊かなまち 重点整備地区 河跡湖公園周辺地区 河跡湖は昔の木曽川の洪水の足跡であり、 歴史的遺跡である。さらに河跡湖周辺の緑地 には豊かな自然が残されており、市街地にお ける貴重な自然環境である。 この地区については、重点風景地区(河跡 湖公園地区[予定])としての景観形成を図り、 自然と共生して整備された河跡湖公園周辺 の緑地の保全を進めるとともに、周辺市街地 においては自然環境と調和したまちづくり ▲河跡湖公園 を進める。 平成21年撮影 ▲河跡湖公園周辺地区② 平成21年撮影 ▲河跡湖公園周辺地区① 平成21年撮影 150 目標:緑豊かなまち 重点整備地区 お が せ 苧ヶ瀬池周辺地区 苧ヶ瀬池の良好な水辺空間の保全と池周辺の公園及び遊歩道の活用にあわせ、所有 者の理解を得ながら風致地区の指定により愛宕山の南側山林の保全を図る。また、周 辺の市街地及び集落地についても、建物・看板等に関する住民等の申し合わせにより、 景勝地のほか、重点風景地区(おがせ池地区)としての景観形成を図る。 苧ヶ瀬池周辺地区の方針 ※昭和34年6月14日。岐阜タイムス(現岐阜新 聞)社が行った 岐阜県新八景八十勝選定 の 人気投票結果が発表され、「岐阜県新八景」の 第1位に苧ヶ瀬池が選ばれた。 平成 21 年撮影 151 目標:歴史と文化のまち 重点整備地区 中山道鵜沼宿地区 鵜沼宿は中山道の69宿のうち西(京都 三条大橋)から18番目の宿であり、本 市にとって歴史的に重要な文化遺産である。 平成18年度よりまちづくり交付金※活用事業により歴史建築物の改修整備及び歴 史文化遺産である脇本陣の復元、広場の一体的な整備等によりまちづくりを進めてき ており、今後も引き続き当該事業によるまちづくりを進めるとともに、重点風景地区 (中山道鵜沼宿地区)としての景観形成を図る。 ・歴史的建築物の一般開放利用 ・地区公民館の外観修景整備 ・中山道の道路美装化・案内板・ストリートファニチャー※・水路復元等の整備 中山道鵜沼宿の方針 ※まちづくり交付金: 地域の歴史・文化・自然環境等の特性を活かした個性あふれるまちづくりを実施し、全国の都市の再生を効率的に推進するこ とにより、地域住民の生活の質の向上と地域経済・社会の活性化を図るため、市町村が作成した都市再生整備計画に基づい て実施される事業に対して交付金を交付する制度。 ※ストリートファニチャー: 街灯、案内板、ベンチなど道路上に置かれた備品の総称。 152 目標:歴史と文化のまち 重点整備地区 中山道新加納立場地区 新加納は、中山道の「立場」として江戸時代を通じて重要な役割を担っていた。(第 3章ポイント②参照) 平成20年8月に重点風景地区に指定した「中山道新加納立場地区」を重点整備地 区として位置付ける。歴史文化遺産の活用により、魅力と活気あふれるまちづくりを 推進し、安心して楽しめる沿道空間を創出することにより、歴史的な趣と調和するま ちなみの保全と再生を目指す。 また、土地の有効利用を促進するため、新加納土地区画整理事業を推進する。 ▲中山道のまちなみ 平成21年撮影 ▲地区の歴史を紹介する案内板 平成21年撮影 ▲少林寺の緑 歴史的な文化遺産の活用 新加納土地区画整理事業区域 ・施行面積 3.0ha ・施行年度 平成21年度~平成25年度 153 目標:歴史と文化のまち 重点整備地区 歴史街道地区 景観計画の重点風景地区である「中山道鵜沼宿地区」「おがせ池地区」と、修復さ れた国指定重要有形民俗文化財「村国座」の周辺地域とをつなぐ中山道、苧ヶ瀬街道 等の道路沿道を各務原市の主要な歴史的資源・地区を結ぶ「歴史街道」と位置付け、 それぞれの地区にある施設を有効に活用することにより、歴史・文化・景観等に配慮 した交流拠点の形成を目指す。 ▲広報かかみがはら 平成 20 年5月 15 日号 【町屋館】 ▲町屋館(正面) 平成 20 年撮影 ▲町屋館(内部) 平成 20 年撮影 ▲町屋館(離れ) 平成 20 年撮影 【皆楽座】 ▲皆楽座(正面) 平成 18 年撮影 ▲皆楽座(内部) 平成 18 年撮影 154 【苧ヶ瀬池】 【各務野櫻苑】 【村国座・村国神社】 平成 21 年撮影 平成 21 年撮影 平成 21 年撮影 村国座の改修 築 130 年という江戸から明治へ時代をまたいで建設された村国座が老朽化したため、平成 18 年から3ヵ年をかけて「平成の大修理」を行った。 ▲村国座 平成の大修理(編集企画 各務原市) 岐阜新聞社:平成 21 年 3 月 ▲修復工事施工中 小屋組解体 ▲修復工事完成 外観 平成 21 年撮影 平成 20 年撮影 ▲修復工事施工前 内観 平成 18 年撮影 ▲修復工事施工中 石積解体 平成 19 年撮影 155 ▲修復工事完成 内観 平成 21 年撮影 目標:歴史と文化のまち 重点整備地区 ごんぼ積み集落周辺地区 川島渡町、北山町地区では、水害対策として玉 石積み(ごんぼ積み)を家屋の基礎として、建物 を建てている。そしてこの石積みに挟まれるよう に細い路地が竹林や社寺を結ぶという、川中島特 有の景観を有しており、個性ある地域として重要 である。 ごんぼ積み周辺地区を重点整備地区として位 置付け、これらの景観を維持、回復するために、 重点風景地区指定により、ごんぼ積みの保全方策、 建物や工作物の緑化、既存の竹林を利用した緑地 保全等の基準づくりを推進するとともに、道路拡 幅や、防火水槽の設置等による防災に関するまち づくりを進める。 ▲ごんぼ積み集落周辺地区の現状① 平成21年撮影 ▲ごんぼ積み集落周辺地区の現状② 平成21年撮影 ごんぼ積み集落周辺地区の方針 都市公園(既存) 156 目標:活力あるまち 重点整備地区 航空宇宙科学博物館周辺地区 航空宇宙科学博物館周辺地区では、岐阜県グリーンスタジアム等の集客施設と連携 を図りながら、航空宇宙文化にふさわしい魅力を有した施設誘致等、地域資源を活か し、より多くの人を引き付ける魅力を有した地区として、市街化調整区域の性格を変 えない範囲で、土地利用の誘導を検討する。 低騒音 STOL 実験機 飛鳥 低騒音ファンジェット STOL 開発のための基 礎技術確立の目的で、科学技術庁航空宇宙 技術研究所によって研究開発された実験機 ▲各務原航空宇宙科学博物館 平成21年撮影 「航空機産業と飛行実験の街 各務原」の博物館として、戦前・戦後の国産機の 資料を収集するとともに、戦後の国産機や日本の航空技術開発に寄与した実験機 を重点的に収集している。 陸軍乙式一型偵察機 サルムソン 2A-2 各務原で最初に量産された飛行機 ▲岐阜県グリーンスタジアム 平成21年撮影 岐阜県グリーンスタジアムは、平成 12 年7月に完成しました。全面人工芝のホッ ケーコートが2面あり、観客収容力 5000 人を誇る国内有数のホッケー場です。 また、市では「ホッケー王国 各務原」をめざし、ホッケー競技の普及と発展を 図るため、平成 17 年8月に岐阜県グリーンスタジアムに隣接して、新たに人工 芝ホッケーコート1面を整備した。 157 ▲ホッケー王国かかみがはら 平成16年撮影 目標:活力あるまち 重点整備地区 (仮)各務原大橋・(仮)那加小網線 中長期整備促進路線として位置付けられていた、都心南北軸(けやき通り)につな がる飛行場通り延伸路線((仮)那加小網線)を各務原市と川島町の合併に伴い、両 地域の連携の強化、交流を促進させるため早急に整備する路線として位置付けること とした。 そのルートについては、平成16年度住民参画型道づくり委員会からの提言を参考 に、上戸町から川島小網町を結ぶルートを決定した。また、(仮)各務原大橋につい ては、雄大で自然にあふれた木曽川の景観に融合した橋として整備を進めるため、 (仮)各務原大橋景観懇談会及び(仮)各務原大橋総合検討委員会の提言を踏まえ、 指名プ口ポーザル方式※により橋梁のデザイン方針を決定した。 国土交通省の補助により平成18年度から用地買収、平成19年度から取付道路工 事に着手、平成21年度から橋梁工事に着手した。 [ (仮称)那加小網線 計画延長約2.5km、うち(仮称)各務原大橋 計画延長約0.6km] 開通後には、交流促進の路線として、沿道における土地利用を検討するとともに、 橋周辺については、重点風景地区((仮称)各務原大橋周辺地区・木曽川沿い地区) として景観形成を図る。 凡例 整備予定ルート ▲現況写真 平成21年撮影 ※指名プロポーザル方式: 発注者が技術提案書などの提出を求め、提出された技術提案書などをもとに審査し、その結果特定された業者が入札 を行う方式。 158 ▲(仮)那加小網線の整備イメージ (小網地区) (上中屋地区) ■(仮)各務原大橋のデザインコンセプト この地を育んできた木曽川という雄大なランドスケープの自然をひきたて、それと調和・融合す るシンプルで素朴な橋、渡り行く人々が水と緑を感じながら楽しく渡ることができるような、歩いて みたくなるような橋とする。 また、広場やデッキなどを設け、自然を感じる空間の創造、存在感、物語性、朝日夕日などの眺望、 森を抜けて川のオープンスペースへという連続性、新しい時代への先駆的な橋とする。 ▲(仮)各務原大橋イメージパース ▲歩行空間(橋上テラス) 159 目標:活力あるまち 重点整備地区 インターチェンジ周辺地区 都市の活力を創出するため、交通利便性 の高い岐阜各務原インターチェンジ周辺 地区を重点整備地区に位置付け、平成 19 年 7 月に開業した大型商業施設と一体と なった新たな産業拠点の形成を図る。 大型商業施設と隣接する工業系用途地 域が交流する産業拠点の形成にあたって は、土地利用の方針に沿った民間開発を誘 ▲平成21年6月撮影 導するとともに、重点風景地区(岐阜各務原 I.C.周辺地区)としての景観形成を図る。 インターチェンジ周辺地区の土地利用方針 160 目標:活力あるまち 重点整備地区 テクノプラザ地区 テクノプラザ地区は、Ⅰ期地 区、Ⅱ期地区、Ⅲ期地区で構成 する。第2次新総合計画におい てテクノプラザ地区は、ロボッ ト技術など科学技術に関する 各種研究開発を行うⅠ期地区、 新規産業の計画的な誘致・育成 を図るⅡ期地区、知識産業・次 世代産業などの立地を促進す るⅢ期地区として、本市の産業 拠点としての位置付けがされ ている。 また、テクノプラザ地区は、 ▲平成21年6月撮影 既に景観地区に指定されてい るⅠ期地区、Ⅱ期地区にⅢ期地 区を含め、周辺の緑と調和した 良好な景観形成を図る。 [景観に配慮した建物] ▲テクノプラザⅠ期地区 平成21年撮影 ▲テクノプラザⅠ期地区 平成21年撮影 ▲テクノプラザⅡ期地区 平成21年撮影 ▲テクノプラザⅡ期地区 平成21年撮影 161 3.都市計画の計画フレーム 1)計画フレームの設定 (1) 将来人口フレーム 本市の人口が、国や県の総人口が減少局面にある中で、これまで着実に増加 する傾向にあったのは、これまでに水と緑の豊かな都市環境の形成と都市機能 の充実に努めてきた成果である。 今後は平成22年の14.5万人をピークに減少に転じることが予想され、 目標年次である平成32年には約14.3万人(市街化区域内人口は、約11. 4万人)になるものと予測されている。 図・表-人口・世帯数の動向 人口(人) S55 年 60 H2 7 12 17 122,317 132,633 138,264 141,055 141,765 144,174 33,782 37,090 40,492 43,407 45,907 49,081 3.62 3.58 3.41 3.25 3.09 2.94 世帯数(世帯) 世帯当たり人員(人/世帯) (人) (世帯) 160,000 60,000 145.2 千人 50,000 142.6 144.7 135.3 140,000 139.3 120,000 40,000 100,000 80,000 30,000 65 歳以上人口 60,000 20,000 10,000 3.2 3.9 4.2 世帯数 人口 4.3 4.4 40,000 20,000 0 0 S55 60 H2 7 12 17 22 27 32 37 42 (資料:国勢調査、ただし H22 以降の人口は県推計値・65 歳以上人口は市推計値) 注)住民基本台帳登録人口では、平成 20 年 2 月に人口は 15 万人を超えている。 しかしながら、各務原市第2次新総合計画では、 「夢ある都市」として、引き 続き本市の特性を活かしたまちづくりを積極的に展開し、計画の目標年次であ る平成32年の目標人口を15.0万人と設定している。 (2) 将来市街地フレーム これまで本市では、増加する人口に対応するように市街化区域の拡大が行わ れてきた。なお、川島地区については、昭和 46 年の当初線引き以降、市街化区 域の拡大は行われていない。 近年は、地区計画による計画的な市街地整備を条件に市街地の拡大を行って きている。 計画決定告示年月日 昭和46年 昭和47年 昭和53年 昭和55年 昭和62年 3月31日 2月18日 2月 1日 4月 1日 4月 1日 市街化区域及び市街化調整区域 都市計画区域 市街化区域 面積 面積 7,952 1,504 7,952 1,579 7,952 1,520.8 7,952 1,520.8 7,952 1,989.2 162 (単位:ha) 市街化調整区域 面積 6,448 6,373 6,431.2 6,431.2 5,962.8 平成 5年 4月 1日 平成 9年 9月16日 昭和46年 平成 4年 平成 5年 平成21年 7,975 1,989.2 7,975 2,348.3 市街化区域及び市街化調整区域(川島地区) 3月31日 800 419 4月 1日 821 419 4月 1日 802 419 市街化区域及び市街化調整区域(都市計画区域の変更) 1月30日 8,777 2,767.3 5,985.8 5,626.7 381 402 383 6,009.7 今後は、平成32 年の目標人口を150,000人と設定するが、現状の市街 化区域および拡大予定区域における住居系市街地を維持し、都市基盤施設の積 極的な整備により都市的未利用地※の宅地化促進を図る。 ただし、新産業又は商業施設立地に対応する区域等においては、計画的な市 街地形成を図るために、市街地の拡大を検討する。 2)区域区分の見直しに関する方針 上記の将来市街地フレームの考え方を踏まえ、区域区分の見直しに関する方針 を以下のように定めるものとする。 ・基本的には平成 22 年度の拡大予定区域および現状の市街化区域における住居系 市街地を維持し、市街化区域内にみられる都市的未利用地の宅地化を促進する。 ・新産業又は商業立地需要等への対応に加え、大規模、中規模な住宅開発区域(民 間による小規模住宅地開発は除く)については、市街化区域への編入を検討す る。 ・現在の市街化区域内において都市的利用の困難な地域については、良好な自然 景観を維持し、都市環境の保全を図りつつ、今後の土地利用を検討する。 市街化区域拡大予定区域 ※鵜沼南町地区は、当面は特定保留地区とし、(都)犬山東町線バイパスの整備と ともに地区整備計画が具体化した時点で、市街化区域拡大を検討する。 ※都市的未利用地: ここでは、都市的土地利用の割合が著しく低い市街地内の田・畑、山林等をさす。 163 3)用途地域の見直しに関する方針 用途地域は、都市計画が定める地域地区のうち最も基礎的なものである。都市 全体の土地利用の基本的枠組みを設定するものとして市街化区域内の土地は、原 則としていずれかの用途地域(12 種類)が指定されている。各用途地域において は、用途地域ごとに異なった内容の、建築物の建築に対する制限が生じる。 本市においては、昭和 47 年に用途地域が指定され、その後市街化区域の拡大等に あわせて昭和 53 年、昭和 58 年、昭和 62 年、平成 8 年、平成 9 年と用途地域の変 更が行われてきた。なお、川島地区については、平成 8 年に用途地域の変更が行 われたのみである。 用途地域制度を有効に活用し、適正かつ合理的な土地利用に資するために、社 会情勢の変化に伴う土地利用の変化や都市基盤施設の整備の状況など地域の実情 にあわせた、また、長期的な計画のもと都市全体にわたる都市機能の配置・構成 の観点から用途地域の見直しを行っていく必要がある。 そこで、今後は必要に応じて、以下に基づき、用途地域の見直しに関する検討 を行うものとする。 ・住居系用途地域については、基本的には現状維持とする。 ・商業系用途地域についても基本的には現状維持とするが、鵜沼各務原町、鵜沼 三ツ池町、蘇原花園町で、既に大型商業施設が立地している地域については商 業系用途地域への見直しを検討する。 ・工業系用途地域のうち準工業地域については、現在定められている用途地域の 意図(将来像)と現況の土地利用実態又は将来の土地利用と大きく異なる地区 を中心に見直しを検討する。 4)建物の高さ規制に関する方針 本市では都市計画法、景観法、航空法に基づき、下図に示すように建築物の高 さの最高限度が定められているが、商業系用途地域の一部区域では、この高さの 最高限度が定められていない区域もみられる。 今後は、景観面に加え、高層建築物の立地による生活環境へ影響(日照や交通 問題等)を抑制するため、都市計画法に基づく高度地区※の指定の検討を行うもの とする。 建築物の高さの最高限度(景観法) 建築物の高さの最高限度(景観法以外) 4km ※高度地区: 用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るために定める地区である。建築物の高さの最高限度又は最 低限度の制限を行う。 164