...

第 26 回全日本マウンテンバイク選手権大会 レースレポート

by user

on
Category: Documents
21

views

Report

Comments

Transcript

第 26 回全日本マウンテンバイク選手権大会 レースレポート
第 26 回全日本マウンテンバイク選手権大会 レースレポート
MIYATA-MERIDA BIKING TEAM 斉藤 亮
大会名:第 26 回全日本マウンテンバイク選手権大会
期日:2013 年 7 月 20 日(土)
会場:日本サイクルスポーツセンター
天気:曇/晴
気温:29℃
競技種目:男子エリート 4.6km×8 周+スタート
ループ 1 周
出場者数:47 名
レース結果:2 位
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
年に1度、日本一を決めるレース。それが全日本マウンテンバイク選手権大会。選手にとって
も、チームにとってもやはり特別な大会。そんなプレッシャーの中でも気負い過ぎないこと、自
分のペースを崩さないことを意識しながらレースに向けて準備を進めた。今回の会場は静岡県伊
豆市にある日本サイクルスポーツセンター内に新設された 1 周 4.6km の XC コース。高低差は
少なく平坦基調な印象。しかしバームや沢渡り、4X コースの一部を使用するなどテクニックを
必要とするセクションも多数ある。パワーとテクニックの両方が必要されるコースと言える。
前戦の J2 きじま平ステージから約 1 ヶ月近くレース期間が開いたが、全日本選手権に向けた
強化合宿やローカルレースにも積極的に出場した。むしろこの 1 ヶ月の期間でしっかりとトレ
ーニングを積むことが出来たことで自分なりの手応えを掴んでいた。目指すはタイトル奪取。そ
して絶対王者である山本幸平選手(Specialized
Racing Team)と競い合える走りをすること。
週間天気予報を確認しても天候は問題なさそう。
気になる気温も 2 日前をピークに徐々に涼しく
なり信州と変わらない暑さ。
決戦当日、男女ジュニア・マスタークラスか
ら時間が押し気味・・・スタート時間が 30 分ず
れ込んでのスケジュールとなる。レース 2 時間
前に会場入り。スタッフとレースに向けた詳細
を確認し合う。準備万端。トレーナーにスター
トオイルでマッサージやストレッチをしてもら
1
いアップ開始。会場に足を運んで下さる観客の多さに自然とテンションが上がり、緊張感も増し
てくる。今回所属チームであるミヤタサイクルの社員の皆さんが応援に駆け付けて下さり、どこ
のチームにも負けない大応援団を結成して下さった。良い走りを魅せたい・・・。その思いを胸
に号砲を待つ。
男子エリートのスタートは 14 時。定
刻通りにスタート。号砲と共に反応よく
一気に加速。課題のスタートダッシュも
問題なく決まった。スタートから 400~
500m程続く舗装路のサーキットで確実
に前方をキープし最初のダートを 2 番手
で進入していく。理想のカタチ、理想の
展開だ。予想通り前半からハイスピード
の展開。オーバーペース気味でもトップ
に食らい付く。勝ちたい、その気持ちが
自然とそうさせる。1 周目のスタートループをトップ通過。
山本幸平選手と 2 人でパックを形成。あまりのハイペース
に呼吸が苦しい。呼吸の乱れからフォームを崩さないよう
気を付け後続との差を徐々に広げていく。一度ペースを落
ち着かせ呼吸を整えたい。しかしペースを落としたら幸平
選手から離される・・・必死で食らい付き周回を重ねる。
登り区間では自分の方が身体の動きが軽快だ。消極的で守
りに入らないよう前に出たり後ろに下がったりを繰り返
し相手の出方を伺う。
3 周目中盤、下りからの登り返しでバランスを崩し左足
のペダルが外れる。その場でリスタート出来ず、バイクを
押して登り切る。そんなミスを見逃すはずもなくアタック
され、トップを走る幸平選手との差は少しずつ開いてい
く・・・。まだレースは前半戦、諦めることなくプッシュ
し続け見える範囲でレースを展開。30 秒程の差は開いたも
のの、その後の周回はタイム差が開くこともなく、同じ距
離間でレースは進んでいく。最後の最後まで何があるかわ
からない。だからこそ集中力と冷静な判断力が試される。
補給箇所では冷水を頭部からぶっ掛けて少しでも体温を
下げる。水分補給に失敗すればレースが終わってしまう。
だからこそ冷静沈着かつ攻撃的に攻め続ける。5 周目で 3
位集団との差は 2 分以上離れていると情報を得た。トップ
2
を走る幸平選手とは 40 秒以内の差。彼は海外(WC)のレースを中心に急速なスピードで進化
している。海外を転戦してきたプライドがあるだろう。しかし自分もポラールのデータに基づき
今まで過酷なトレーニングを続けてきたのは日本一を目指したもの。だから 2 位でもいい。そ
んな思いは一切ない。ただ前だけを見て、トップを目指し追い込み続ける。国内ベースで活動す
る選手でもやれば出来るんだ。そういう姿を皆に見て
もらいたい。だからこそ絶対に諦めない。意地と意地
のぶつかり合い、ガチンコバトル。観客が盛り上がり、
走っていて苦しいが楽しい。
そしていよいよファイナルラップへ突入。トップと
の差は 46 秒差。限界ギリギリまで追い込みペースをキ
ープするのがやっと。左脚のふくらはぎが痙攣して痛
い。所々ペースアップを試みるが、限界を迎えつつあ
る身体は気持ちとは裏腹に動いてくれない・・・。差
が縮まるどころか少しずつ離されていく・・・歯を食
いしばり我武者羅にペダルに力を込める。もう酸欠状
態にも近い。後少しでゴール・・・・その思いでペダ
ルを踏み込む。詰りそうで詰らない僅かな差。この差がどれだけ大きいかは自分が一番理解して
いる・・・。ゴールに集まる観客の皆さんからたくさんの拍手と声援を頂き 2 位でのフィニッ
シュ。
攻めの姿勢。このスタイルは最後まで貫いた。これには結果以上に大きな意味がある。シーズ
ンを通して、J シリーズ戦はリベンジが出来るが、全日本選手権のリベンジとなれば来年になっ
てしまう。1 年の集大成が終わった。そして、この全日本を迎えるにあたり、本当にたくさんの
方々の協力を頂いた。チームスタッフやメカニックが朝早くから夜遅くまでバイクを整備・調整
してくれた。ケミカルメーカーであるホルメンコールの担当者は忙しいスケジュールにも関わら
ず、不眠不休でバイク・チェーンを完璧にコーティングし仕上げてくれた。トレーナーとして帯
同して下さった「きりん整骨院」の院長も自信を持って身体をチューンナップしてくれた。ミヤ
タサイクルの社員の皆さんはどこのチームにも負けない大声援を送ってくれた。サプライヤーさ
んにも全日本スペシャルとして様々なアイテムを準備して頂いた。それぞれがそれぞれの持ち場
を完璧に全うして下さり、最高の環境と最高の状態でレースが出来たことに感謝しています。恵
まれた環境に甘えることなく、もっと先。その先を追い求めていきます。皆さまのサポートと応
援が本当に心強かったです。自分自身は次のステージに進むための手応えを得ているのは確かで
す。チームスタッフを始めとする、多くのスポンサー様方、家族、友人、ファンの方々、皆さま
の応援本当にありがとうございました。
3
【レース結果】
1. 山本幸平
北海道/ Specialized Racing Team
2. 斉藤
長野県/MIYATA-MERIDA BIKING TEAM
亮
3. 小野寺健
京都府/SPECIALIZED RACING JAPAN
4. 平野星矢
長野県/ブリヂストンアンカーサイクリングチーム
5. 千田尚孝
愛知県/自転車村 R
6. 門田基志
愛媛県/TEAM GIANT
【使用機材】
バイク:MERIDA / BIG.NINE CARBON TEAM-D
フロントフォーク:DT-SWISS / XMM100-29 TS REMOTE TAPER
クランクセット:SRAM / XX1
サドル:SELLE ITALIA SLR XC
ホイル:DT-SWISS
タイヤ:
シューズ:NORTHWAVE / エクストリームテック MTB S.B.S
ヘルメット:KOOFU/WG-1
サングラス:adidas eye wear / evil eye halfrim pro /グレイメタリック
ケミカル:HOLMENKOL
チェーン:ルーベエクストリーム、ダートプロテクター、ライニガー、スポーツクリーン
スプロケット:ダートプロテクター、ライニガー
フレーム:スポーツポリッシュ、アクアスピード、ダートプロテクター、エッジ&サイドウ
ォールフィニッシュ
4
ウェア、シューズ:ハイテクプルーフ、テキスタイルウォッシュ
サングラス:ノーフォグ
斉藤亮選手のコメント
今回の会場はとくに WET 過ぎもせず、DRY 過ぎもせず、いつも通りのコーティングをしても
らいました。チェーンはルーベエクストリームで注油、チェーンサイドはダートプロテクターを
吹き付けたケアフリースで拭き取り。これで余計な汚れが付着しなくなります。フレームに『エ
ッジ&サイドウォールフィニッシュ』という聞きなれない製品名がありますが、これはその名の
通りスキーのエッジとサイドウォール用のワックスです。ダウンチューブ下部や BB 後方など、
泥が付着しやすい部分に塗布します。とくにバイク重量を重たくする捏ねられた泥に対しては抜
群の効果を発揮します。ただし非常に滑るので手に触れる部分やブレーキ付近には厳禁です。レ
ース当日は WET コンディションではなかったのでこれが顕著なアドバンテージをもたらせた
わけではないのですが、どんなコンディションにも対応させるコーティングがホルメンコールの
特長です。僕にとっての「いつも通り」は、どんな状況でもベストパフォーマンスを発揮するこ
とをかなえてくれる、ホルメンコールコーティングの「いつも通り」と同じです。
メーター:POLAR / RS800CX BIKE
エネルギージェル:shotz ENERGY GEL
ドリンク:Electrolyte shotz
レースウェア:WAVE ONE
レ ー ス ソ ッ ク ス : NORTHWAVE /
Black-White
レースグローブ:KABUTO / PRG-3
アンダーウェア:CRAFT
インソール:SUPER feet / Black
アパレルウェア:Columbia
テーピング:New-HALE
5
Fly UP