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成功に導く新しいレーザー研究(豪州) - 新エネルギー・産業技術総合開発

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成功に導く新しいレーザー研究(豪州) - 新エネルギー・産業技術総合開発
NEDO海外レポート
NO.955, 2005. 5. 18
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海外レポート955号目次 http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/955/
【産業技術】
石油探査方法を改善し、成功に導く新しいレーザー研究 (豪州)
オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)のグループ企業である CSIRO
Petroleum とドイツの研究機関レーザーセンターハノーバー(LZH:Laser Zentrum
Hannover eV)は、石油探査費用を大幅に削減し、地球化学・石油分野における豪州
の新しい分析技術を欧州に導入するための共同プロジェクトを実施している。
(注)
3 ヶ年計画の本プロジェクトは、現在 6 ヶ月目を迎えた。
両機関の研究者たちは、
品質管理と地球化学分野の分析に使用する「オンライン・レーザー熱分解ガスクロマ
トグラフ質量分析計(LaPy-GC/MS)」の性能向上に取り組んでいる。
レーザー熱分解の手法は広く受け入れられ、効果的な技術として多くの用途に採用
されている。その一例は石油産業の地化学調査、レーザー医学の細胞分析、石油化学
分野の品質管理、レーザーを利用した製品の生産等である。
シドニーに拠点を置く CSIRO Petroleum の有機地球化学者 Simon George 博士に
よれば、現在 CSIRO と LZH が異なる用途に使用している類似の技術について、その
利点を統合することが本プロジェクトの目的である。
LZH では自動車製造、高分子加工、木工産業等の品質管理ツールとしてレーザー熱
分解の研究を進めてきた。
一方、CSIRO は主に石油産業及び地球化学分野にこの技術を適用してきたが、それ
以外にも法医学分野における活用法として塗料片や毛髪、コピー機用トナーの分析を
行っている。通常これらのサンプルは微小サイズで、ごくわずかな情報しか得られな
いことから、法医学分野のツールとして、レーザー熱分析技術はかなり有望視されて
いる。
「CSIRO の観点に基づいてこの技術を発展させれば、根源岩と貯留岩に含まれるご
く少量の有機物、例えば有機粒子、微化石、ビチューメン(瀝青)、石油成分を含む流
体包有物等の分析精度が更に高まるだろう」と、George 博士は述べ、次のように続け
た。
「つまり、異なる種類の有機物が持つ石油生成能力について理解が深まり、根源岩
の生成時期の予想が更に正確になる。仮に単独の根源岩の状態を分析できれば、石油
の堆積過程をより詳細に推測することが可能になり、探鉱の対象となる新しい油井の
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場所を正確に予測することにつながる。本共同プロジェクトによって、他の方法では
実現不可能な速さで石油探査技術の改善と開発が前進し、CSIRO はメリットを享受す
るだろう。また、この研究活動で連携する両国においては科学分野の新プロジェクト
や企業間の連携活動が促進される。」
LZH の科学者 Stephan Barcikowski 博士によれば、実用可能なレーザー熱分解シ
ステムは世界でもほとんど例が無く、技術改良を目指す研究体制は分散し、孤立状態
にあった。
Barcikowski 博士は「レーザー熱分解に関しては世界で最も活発な研究を行う両機
関の連携で、研究資源と発想の蓄積、共通のコンセプトに基づく試験、迅速な技術開
発と技術促進が実現する。LZH にとっては、石油/地球化学分野、ドイツ及び欧州の
石油化学市場に新たな接点を見出すことが、プロジェクトに期待される 1 つの成果で
ある。LZH と CSIRO が各々のシステムの利点を統合し、この分析技術の有用性を更
に高めることができれば、他用途に適用するための可能性も最大限に拡がるだろう」
と述べた。
両機関が新たに開発する分析機器・分析方法については、特許の共同出願が検討さ
れる。
CSIRO と LZH の共同プロジェクトは、ドイツ連邦政府教育研究省国際局から一部
の助成と、ドイツ航空宇宙センターの支援を受けている。
以上
翻訳:千葉
朗子
(出典:http://www.csiro.au/index.asp?type=mediaRelease&id=laser&style=mediaRelease
Copyright 1997-2005, Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation.
All rights reserved. Used with permission)
(注)2005 年 2 月 7 日現在
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