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医療保険の調査

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医療保険の調査
医療保険について
2014年9月
免責事項
 本セミナーで使用した資料、講師の発言等はすべて、講師の個人的な意見であり、
所属団体および主催者の意見や考え方を代表するものではありません。
 本セミナーにおきまして使用した資料、講師の発言等を用いて資料作成等を行い、
それにより損失等を被った場合でも、本セミナーの講師、所属団体および主催者は
責任を負いません。
 本セミナーで登場する会社・保険商品は、具体的な事例として挙げているだけであり、
それらの商品等に対して推奨・批判等を行うものではありません。
 資料に登場するA社、B社などの表示は一定の序列で機械的に付与したものです。
異なるページで同じ表示であっても、同じ会社を表すとは限りません。
2
目次
1.マーケットの動向
2.医療保険の仕組み
3.商品開発上の留意点
4.公的データ
5.トピックス
3
1.マーケットの動向
(1)個人保険新契約件数_生保全体
(万件)
その他
1,600
1,489
1,400
1,200
1,000
800
(合計)
1,217
1,277
42
72
55
64
175
172
51
40
124
7
46
39
118
303
6
71
64
1,339
35
66
174
178
34
28
31
51
5
214
6
62
56
養老保険
166
利率変動型積立終身保険
39
23
222
9
定期付終身保険
定期保険
終身保険
医療保険
353
387
337
236
400
126
135
156
142
139
338
337
335
364
383
2009年度
2010
2011
2012
2013
0
【出典】生命保険協会『統計資料』(http://www.seiho.or.jp/data/statistics/)より作成。
4
変額保険
ガン保険
123
600
200
学資保険(こども保険)
1,440
(注)転換契約は含まない新契約ベースの数値。(単位未満切捨てのため合計が不一致。)
終身保険を抜いて
医療保険が件数
トップに!
医療+ガン保険
2年連続500万件
突破!
1.マーケットの動向
(2)医療保険新契約件数_会社別
(万件)
400
350
300
383
(合計)
338
68
A社
364
334
64
323
B社
70
C社
56
D社
E社
45
54
F社
52
250
200
150
100
50
G社
50
53
53
33
7
18
21
18
9
21
17
13
14
7
15
4
5
21
22
16
10
19
16
12
13
7
14
10
0
6
25
23
49
45
2009年度
(35%)
I社
J社
23
17
16
17
15
11
12
8
12
15
2
30
22
21
20
17
15
13
12
11
11
11
10
29
2010
2011
2012
2013
(35%)
(33%)
(30%)
(30%)
0
【出典】インシュアランス生命保険統計号(保険研究所)、各社ディスクロージャー資料
(注)単位未満切捨てのため合計が不一致。
5
H社
K社
数
値
未
入
手
L社
M社
医療保険
29社販売
↓
15社が
新契約
10万件
以上!
↓
競争
激化!
N社
O社
その他の会社計
←
上位2社シェア
1.マーケットの動向
(3)個人保険保有契約件数_生保全体
(万件)
16,000
その他
14,388
13,601
14,000
12,000
10,000
(合計)
11,705
6,000
1,289
1,250
1,832
808
566
1,078
807
544
992
7
817
6
1,264
1,241
2,064
4,000
780
1,281
807
603
809
588
12,191
855
516
913
807
8,000
12,720
758
6
751
1,166
1,229
1,652
1,432
利率変動型積立終身保険
9
定期付終身保険
定期保険
終身保険
ガン保険
医療保険
2,316
2,642
2,054
2,901
2,116
1,888
1,929
1,984
2,205
2,383
2,553
2,778
2,998
2009年度
2010
2011
2012
2013
0
【出典】生命保険協会『統計資料』(http://www.seiho.or.jp/data/statistics/)より作成。
(注)単位未満切捨てのため合計が不一致。
変額保険
1,204
2,000
6
養老保険
1,238
1,160
5
学資保険(こども保険)
医療+ガン保険
5,000万件
突破!
1.マーケットの動向
(4)医療保険保有契約件数_会社別
(万件)
2,998
3,000
A社
2,778
2,500
(合計)
2,205
2,383
484
416
230
230
189
1,000
500
0
197
194
360
H社
230
206
I社
202
185
J社
192
158
142
133
117
114
107
99
89
87
60
182
148
87
128
79
69
47
19
59
62
37
150
152
102
130
97
85
66
23
65
72
46
162
2009年度
2010
2011
2012
(32%)
(32 %)
(31%)
(31%)
【出典】インシュアランス生命保険統計号(保険研究所)、各社ディスクロージャー資料
(注)単位未満切捨てのため合計が不一致。
7
F社
G社
155
128
132
108
105
88
26
75
80
54
155
196
E社
233
301
1,500
D社
345
323
282
C社
514
455
2,000
B社
543
2,545
数
値
未
入
手
11社が
保有契約
100万件
以上!
K社
L社
M社
N社
O社
その他の会社計
2013
(30%)
←
上位2社シェア
1.マーケットの動向
(5)入院・手術給付金の支払推移_生保全体
【出典】生命保険協会『統計資料』(http://www.seiho.or.jp/data/statistics/)
8
1.マーケットの動向
(6)お客様の声_生活保障に関する調査_1
【出典】生命保険文化センター『平成25年度 生活保障に関する調査』(http://www.jili.or.jp/research/report/chousa10th.html)。
9
1.マーケットの動向
(7)お客様の声_生活保障に関する調査_2
【出典】生命保険文化センター『平成25年度 生活保障に関する調査』(http://www.jili.or.jp/research/report/chousa10th.html)。
10
1.マーケットの動向
(8)お客様の声_生活保障に関する調査_3
【出典】生命保険文化センター『平成25年度 生活保障に関する調査』(http://www.jili.or.jp/research/report/chousa10th.html)。
(注)○印は平均よりも統計的に優位に高いゾーン、▲は平均よりも統計的に優位に低いゾーン。
11
1.マーケットの動向
(9)都道府県別の保有契約(個人保険+個人年金保険)
全国平均
1,121件
【出典】生命保険協会『統計資料』(http://www.seiho.or.jp/data/statistics/trend/pdf/15-16.pdf)
総務省『平成25年3月31日住民基本台帳人口・世帯数、平成24年度人口動態(都道府県別)(総計)』
12
(http://www.soumu.go.jp/main_content/000267002.xls)
2.医療保険の仕組み
(1)生命保険文化センターによる説明
 公益財団法人生命保険文化センターHP(注1)では、以下の説明あり。(吹出しを除く)
死亡保険金
・医療保険は29社が発売。
無のみ 11社
有のみ
4社
有無併売 14社
・定期型は22社が発売し、
すべて更新制度あり。(注2)
(注2)
太陽生命が販
売中。なお、引
受基準緩和型
は、契約後1年
以内の給付が
半額のパターン
が多い。(注2)
13
(注1) 生命保険文化センターHP(http://www.jili.or.jp/knows_learns/basic/kind_main/medical.html)
(注2)『各社個人保険商品一覧(平成26年4月現在)』 生命保険文化センター
2.医療保険の仕組み
(2)入院給付金
No
1
2
3
項目
日額 vs 一時金
免責日数
限度日数
内容
◆ 入院日数に応じて日額×給付日数を
支払うタイプ、入院日数に関係なく
一時金を支払うタイプに大別。
◆ 支払事務簡素化の観点からは、短期
入院は入院日数に関係なく一律の金額
を給付するものあり。
(例.4日以内入院 ⇒ 4日分給付)
◆ 従来は4日免責が多かったが、最近は
1泊2日または日帰り入院を保障するも
のが多い。(次ページ参照)
◆ “4日免責”には2通りの意味あり。
5日以上入院した場合の給付は、
《例1》 日額×(入院日数-4日)
《例2》日額×入院日数
の2つのパターンが考えられる。
◆ 従来は120日が多かったが、最近は
60日が多い。
◆ 患者調査によれば、平均在院日数
(病院+一般診療所)は短期化傾向。
◆ 29社(100商品)中、25社(61商品)が
60日限度を販売。
◆ 最短30日、最長1,095日。
◆ 1,000日、1,095日が多い。
4
通算限度日数
◆ 29社(100商品)中、
1,000日限度 ⇒ 9社(27商品)
1,095日限度 ⇒ 18社(49商品)
◆ 最短540日、最長1,095日。
(注)『各社個人保険商品一覧(平成26年4月現在)』 生命保険文化センター
14
備考
《平均在院日数(単位:日)》
H5 H8 H11 H14 H17 H20 H23
41.9 40.8 39.3 37.9 37.5 35.6 32.8
◆ 傷病を限定せずに通算限度日数を
無制限にする医療保険は(今のところ)
ない。
◆ 通算限度日数の違いが保険料に
与える影響は後述。
2.医療保険の仕組み
(3)日帰り入院の保障ニーズ
 明治安田生命は、2002年4月から『入院初期特約』を発売。3人中2人が日帰り入院タイプの保障を希望。(注)
15
(注)明治安田生命HP(http://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2001/pdf/20020320.pdf)
2.医療保険の仕組み
(4)傷病別の平均在院日数
(単位:日)
傷 病 大 分 類
総 数
Ⅰ
感染症及び寄生虫症
Ⅱ
新生物
悪性新生物
良性新生物及びその他の新生物
Ⅲ
血液及び造血器の疾患並びに免疫機構の障害
Ⅳ
内分泌,栄養及び代謝疾患
Ⅴ
精神及び行動の障害
統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害
気分[感情]障害(躁うつ病を含む)
神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害
その他の精神及び行動の障害
Ⅵ
神経系の疾患
Ⅶ
眼及び付属器の疾患
Ⅷ
耳及び乳様突起の疾患
Ⅸ
循環器系の疾患
高血圧性疾患
心疾患(高血圧性のものを除く)
脳血管疾患
Ⅹ
呼吸器系の疾患
ⅩⅠ
消化器系の疾患
ⅩⅡ
皮膚及び皮下組織の疾患
ⅩⅢ
筋骨格系及び結合組織の疾患
ⅩⅣ
腎尿路生殖器系の疾患
ⅩⅤ
妊娠,分娩及び産じょく
ⅩⅥ
周産期に発生した病態
ⅩⅦ
先天奇形,変形及び染色体異常
症状,徴候及び異常臨床所見・異常検査所見
ⅩⅧ
で他に分類されないもの
ⅩⅨ
損傷,中毒及びその他の外因の影響
ⅩⅩⅠ 健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用
平成8年
11
14
17
20
23
(注)
40.8
28.5
35.8
46.0
18.6
31.6
42.1
330.7
606.1
130.6
72.5
227.0
81.9
10.3
15.9
71.3
63.6
38.9
119.1
26.1
25.5
23.3
55.2
26.6
8.2
12.2
27.8
39.3
26.6
31.4
40.1
15.0
26.2
41.5
315.7
635.7
107.9
59.9
209.6
76.7
10.4
16.3
63.1
64.0
31.6
110.1
26.2
23.2
22.6
44.2
24.7
8.0
11.6
25.6
37.9
28.4
28.9
35.7
13.5
33.7
37.4
296.5
580.0
105.6
46.7
221.9
58.9
9.2
15.6
58.3
45.7
29.3
102.1
23.5
22.0
22.0
41.4
23.5
7.8
11.7
22.6
37.5
23.5
24.6
29.6
10.7
26.0
31.5
298.4
609.5
93.6
54.2
204.8
66.6
9.8
12.7
56.0
41.4
27.8
101.7
28.6
19.4
22.2
37.8
25.2
7.6
11.6
19.2
35.6
22.7
22.4
23.9
13.7
25.1
32.0
290.6
543.4
109.7
44.2
219.1
74.1
7.4
10.2
52.7
45.8
24.2
104.7
27.3
14.6
26.1
36.0
24.2
8.0
10.8
19.9
32.8
20.5
19.5
20.6
13.2
30.0
29.4
296.1
561.1
106.2
50.1
211.4
76.2
5.3
8.2
45.3
41.2
21.9
93.0
26.5
12.9
26.8
32.2
22.1
8.0
11.4
16.5
19.1
18.5
18.3
20.6
20.6
19.7
35.0
5.0
35.2
5.2
34.9
5.6
37.8
5.8
34.8
9.1
33.4
7.4
【出典】厚生労働省 『患者調査』(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/11/dl/toukei.xls)
16 (注)“精神及び行動の障害”を除外した平均在院日数は、25.4日
2.医療保険の仕組み
(5)手術給付金
No
1
項目
88種 vs 1,000種
内容
◆ 従来は88種の手術を保障するタイプ
が多かったが、最近は1,000種の手術
を保障するタイプが多い。
◆ 2005年4月にプルデンシャル生命が
89種目の手術(骨髄幹細胞採取)を
追加。
◆ 入院給付金日額に倍率を乗じるタイプ
が多い。
◆ 手術保障の商品27社(81商品)中、
◆ 倍率は、以下の2種類に大別。
2
給付倍率
《パターン1》 手術別にグルーピング
(例.10、20、40倍)
《パターン2》 一律
(例.10倍)
3
4
《パターン1》 12社(26商品)
《パターン2》 24社(55商品) ※
※ 入院中手術と入院外手術で倍率が
異なるものを含む。
入院要件
◆ 従来は入院なし手術をカバーするタイ ◆ 次ページ参照。
プが多かったが、近年の手術給付金の
◆ かんぽ生命は、民営化前を含めて、
上昇傾向を踏まえて、入院要件を導入。
入院要件を導入済み。
通算限度
◆ 通算限度が設定されないタイプが多い。 ◆ 内視鏡等による手術では施術開始日
から60日間に1回の給付を限度とする
こともある。
(注)『各社個人保険商品一覧(平成26年4月現在)』 生命保険文化センター
17
備考
2.医療保険の仕組み
(6)手術給付金の支払状況(平成5年~14年)
平成15年
9月
住友生命
『救Q隊
OK』
を発売。
手術対象
88種
↓
1000種
入院が要
件に。
【出典】生命保険文化センター『生命保険ファクトブック2003年』(http://www.jili.or.jp/research/factbook/factbook2003.html)
18
2.医療保険の仕組み
(7)その他の給付例①
No
1
2
3
19
項目
先進医療特約
給付の概要
備考
◆ 先進医療の技術料に対して実額を
てん補するタイプが主流。5~15万円
程度の一時金をプラスする会社もあり。
◆ 現在実施されている先進医療で最も高
額の治療は約1,300万円かかる
◆ 技術料の通算算限度は商品によって
500万円~2,000万円まで異なる
◆ 主契約と同じ終身保障か10年更新で
80~90歳で更新終了が一般的
◆ 更新タイプの場合、先進医療実施の
状況次第で保険料が変化しうる点に
注意
◆ 女性特有の疾病に対して入院給付金
を倍額にするタイプが主流
◆ 女性特有の疾病の定義は会社に
よって異なる。主としてリウマチ、甲状腺
の病気等の扱いに注意が必要。
◆ 手術給付金の増額や診断給付金は
ない
◆ がんについては全てのがんについて
給付を上乗せするのが一般的
◆ 60歳等で保険料が払込終了後は
死亡ないし解約時に入院日額の
10~40倍程度の給付が一般的
◆ 通常の解約返戻金とは意味合いが
違うため、払込保険料に対してかなり
低水準
女性疾病特約
死亡保障と
解約返戻金
(治療名:重症症低血糖発作を伴う
インスリン依存性糖尿病に
対する脳死ドナー又は
心停止ドナーからの膵島移植)
2.医療保険の仕組み
(8)その他の給付例②
No
項目
給付の概要
◆ 七大生活習慣病に対して、60日等の
入院日数限度を拡大する特約
4
5
6
7
20
七大生活習慣病
限度日数拡大
がん特約
三大疾病診断給
付金特約
通院特約
備考
◆ 商品によっては主契約に組み込まれ
ているかのようだが、実際は特約
◆ 七大生活習慣病とは、がん、心疾患、
脳血管疾患、高血圧性疾患、糖尿病、
肝硬変、腎不全を指す
◆ 女性疾病特約と異なり、診断給付金
のみが基本で、プラスして入院給付等
もついている商品がある
◆ 上皮内がんに対する給付金額、複数
回給付はあるか等、一般的ながん保険
と同じチェックポイントが当てはまる
◆ がんの診断または、脳卒中ないし急性
心筋梗塞により、60日の障害状態継続
に対して一時金の支払が主流
◆ No.4でいうところの、「心疾患」や
「脳血管疾患」とは定義が異なる
◆ 三大疾病に対する保険料払込免除も
給付事由は同じ
◆ 入院給付金を受け取った病気やケガ
について、退院後120日以内の通院に
対して、入院日額の一定割合を給付
◆ 給付が少額になりやすく、請求し忘れ
が多いはず、利用する側にも意識が
必要
3.商品開発上の留意点
(1)保険料計算基礎率
No
項目
内容
◆ 入院、手術など、医療保険の主たる
保障の発生率。
1
予定給付発生率
2
予定死亡率
3
予定解約率
4
予定利率
5
予定事業費率
◆ 入院では、入院発生率に加えて、予定
平均給付日数(入院日数とは必ずしも
一致しない)も必要。
備考
◆ 第1分野および第3分野とも、基データ
の入手元は以下の3種類が一般的。
・自社データ
・生命保険協会データ
・公的データ(患者調査など)
◆ 健康に不安のある者が相対的に多い
と思われるため、死亡保険用死亡率に
比較的近いと考えられる。
◆ 死亡給付がない場合でも、死亡により
保険料払込が停止するため、保険料の
計算には予定死亡率が必要。
◆ 解約返戻金を抑制するタイプで導入。
◆ 第1分野の予定解約率と必ずしも一致
しない。
◆ 貯蓄性商品よりも高めの設定が可能。
(満期、生存保険金等がない場合)
◆ 医療保険も標準責任準備金の対象。
(標準生命表、標準利率が適用)
◆ 入院日額を、第1分野の保険金額と
考えて、入院日額および営業保険料に
比例する体系が一般的。
◆ 入院日額が高額の場合に高額割引を
実施する会社あり。
(例.大同生命。適用日額は非開示。)
◆ 件数比例の予定事業費率の導入で、
自動的に高額割引が導入。
21
3.商品開発上の留意点
(2)解約返戻金の抑制
 解約返戻金を抑制した商品は定期保険が最も多いが、併売は医療保険が最も多い。
定期保険
医療保険
33社中24社が販売
29社中23社が販売
(うち17社が併売)
(うち18社が併売)
終身保険
30社中13社が販売
31社中21社が販売
(うち8社が併売)
(うち8社が併売)
こども保険
17社中1社が販売
(併売社なし)
【出典】生命保険文化センター『各社個人保険商品一覧(平成26年4月現在)』より作成。
22
3.商品開発上の留意点
(3)販売条件
 第3分野では、『保険料負担者=保険金受取人』となるケースがあるため、モラルリスクが混入しやすい。
 このため、例えば以下のような販売条件を設定し、モラルリスク排除に努めている。
No
項目
内容
◆ 『日額≦月収の1/30』という例あり。
1
入院日額
2
地域
◆ 最低: 1,000円(朝日生命、フコクしんらい生命)
最高:40,000円(大同生命:法人契約のみ)
◆ 『普通死亡保険金≦年収×10』
『通算月額保険料≦月収×20%』
という例も。
◆ 入院等発生率が高い地域の日額を制限
(例.日額5,000円以下など)
◆ 病院数などの環境格差も影響あり。
◆ 危険の伴う職業(プロ格闘家、レーサーなど)
◆ かんぽ生命は職業による加入制限
がない。(注2)
3
職業
◆ 入院給付日額等に制限があるもの
(例.消防士やタクシー運転手、高所ビル
外壁清掃、(高圧)電気取扱職業など)(注1)
4
趣味
◆ 危険度の高い趣味があれば、取扱者報告書等
に記載。
(注1)楽天の保険ニュース&リサーチ(http://hoken.rakuten.co.jp/news/article/220/)
(注2)かんぽ生命HP(http://www.jp-life.japanpost.jp/products/prd_point.html)
23
備考
◆ 保険加入後に危険度の高い趣味を
開始した場合の対応は悩ましい。
4.公的データ
(1)患者調査
【目的】病院/診療所を利用する患者について、傷病の状況等の実態を明らかにし、医療行政の基礎資料を得る。
【作成】厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/10-20.html)
【内容】年齢・性別・傷病分類・在院日数・都道府県などの切り口での入院および外来(通院)患者数など。
【公表】3年ごと(最新の平成23年調査は平成24年12月3日(まで)に公表)
《データの例(平成23年調査の場合)》
◆入院数 ⇒閲覧第6表(その1)推計患者数,性・年齢階級×傷病小分類×施設の種類・入院-外来の種別別(総数)
新入院 総数 0歳 1~4 5~9 10~14 15~19 20~24 25~29 30~34 35~39 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~74 75~79 80~84 85歳以上 不詳
総数 49.2 0.9 1.1 0.6
0.4
0.5
0.9
1.4
1.8
2
1.5
1.5
1.8
2.7
4.8
4.7
5.7
5.8
5.3
5.6 0.2
⇒ 例えば、40~44歳の入院発生率 ≒ 1.5(×1,000)人×365日÷9,315 (×1,000)人 ≒ 0.059
◆平均給付日数 ⇒ 閲覧第66表推計退院患者数,在院期間×傷病分類×病院-一般診療所別
総数
総数
0日
1日
2日
3日
4日
5日
6日
7日
8日
9日
10日 11日 12日 13日 14日 15-19日 20-24日 25-29日 30-39日 40-49日 50-60日 2月-
3月- 4月- 5月- 6月- 1年- 1年6月- 2年- 3年- 4年- 5年以上 不詳
1296.4 40.3 133.5 114 73.4 70.7 74.9 65.3 59.8 51.4 44.2 36.9 30.7 25.8 25.2 28 91.1 62.3 42.7 57.6 35.6 27.7 46.6 19.6 9.7 6.2 10.4 3.2
1.7 2.1 1.2 0.7
2.5 1.6
⇒ 例えば、60日以内の占率は約92%、120日以内の占率は約97%。
《利用時の注意点》
① 入院/外来 ⇒ 10月中旬の3日間のうち医療施設ごとに定める1日。退院 ⇒ 9月1日~30日までの1か月間。
② 在院日数は『0日』から始まる。『0日』とは入院日と退院日が一致するものであり、日帰り入院のこと。
したがって、入院率の計算では『0日』を1日と変換する必要がある。
③ 計数を四捨五入する関係で、男女合計が全体に必ずしも一致しない。
24
4.公的データ
(2)社会医療診療行為別調査
【目的】全国健康保険協会管掌健康保険、組合管掌健康保険、共済組合等の保険、国民健康保険及び後期高齢者
医療制度における医療の給付の受給者にかかる診療行為の内容、傷病の状況、調剤行為の内容及び薬剤の
使用状況等を明らかにし、医療保険行政に必要な基礎資料を得ることを目的とする。
【作成】厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/26-19.html)
【内容】診療報酬 ⇒ 年齢、傷病名、診療実日数、診療行為別点数・回数及び薬剤の使用状況(薬品名・使用量等)等
調剤報酬 ⇒ 年齢、処方せん受付回数、調剤行為別点数・回数及び薬剤の使用状況(薬品名・使用量等)等
【公表】毎年(最新の平成25年調査は平成26年6月18日に公表)
《データの例(平成25年調査の場合)》
◆手術数 ⇒ 第2表医科診療(入院)件数・診療実日数・回数・点数,傷病分類、一般医療-後期医療・年齢階級、
診療行為(大分類)別
総数
総数
00~04歳 05~09歳 10~14歳 15~19歳 20~24歳 25~29歳 30~34歳 35~39歳 40~44歳 45~49歳 50~54歳 55~59歳 60~64歳 65~69歳 70~74歳 75~79歳 80~84歳 85歳以上
904,278 16,084 6,663 5,762 7,699 10,288 18,913 26,646 29,770 27,341 26,954 33,568 45,519 80,967 96,895 116,193 128,133 113,578 113,305
⇒ 例えば、40~44歳の手術発生率 ≒ 27,341件×12か月÷9,315 (×1,000人) ≒ 0.035
《社会医療診療行為別調査を利用する際の注意点》
① 調査時期は6月(審査分)
② 調査時期によって対象が異なる。(昭和61 年から国保、平成11 年から組合健保、平成23年から共済等も対象)
25
4.公的データ
(3)第三分野標準生命表2007
【目的】第3分野保険の標準責任準備金を計算するために用いられる予定死亡率。
【作成】日本アクチュアリー会(http://www.actuaries.jp/lib/standard-life-table/seimeihyo2007_B2.pdf)
※ 作成方法も公開。( http://www.actuaries.jp/lib/standard-life-table/seimeihyo2007_B3.pdf)
【内容】年齢、性別、保障内容(死亡保険用、年金開始後用、第三分野用)別。
【公表】随時(1つ前の生命表は、生保標準生命表1996。ただし、第三分野用は2007で初登場。)
《データの例》
死亡保険用
(指数)
年金開始後用
(指数)
第三分野用
(指数)
平成25年 簡易生命表
(指数)
20歳
30歳
0.00084
(195%)
0.00037
(86%)
0.00043
(100%)
0.00048
(112%)
0.00086
(215%)
0.00048
(120%)
0.00040
(100%)
0.00064
(160%)
男性
40歳
50歳
0.00148
(168%)
0.00090
(102%)
0.00088
(100%)
0.00112
(127%)
0.00365
(141%)
0.00241
(93%)
0.00259
(100%)
0.00286
(110%)
60歳
70歳
20歳
30歳
0.00834
(127%)
0.00642
(98%)
0.00658
(100%)
0.00734
(112%)
0.02193
(122%)
0.01411
(78%)
0.01798
(100%)
0.01794
(100%)
0.00031
(238%)
0.00014
(108%)
0.00013
(100%)
0.00021
(162%)
0.00049
(223%)
0.00022
(100%)
0.00022
(100%)
0.00033
(150%)
《第三分野標準生命表2007を利用する際の注意点》
① 年齢は(満年齢方式ではなく)保険年齢方式であること。
② 保険料計算基礎率ではないこと。
26
女性
40歳
50歳
0.00098
(196%)
0.00047
(94%)
0.00050
(100%)
0.00064
(128%)
0.00216
(160%)
0.00118
(87%)
0.00135
(100%)
0.00160
(119%)
60歳
70歳
0.00379
(144%)
0.00218
(83%)
0.00264
(100%)
0.00321
(122%)
0.00914
(136%)
0.00410
(61%)
0.00670
(100%)
0.00742
(111%)
5.トピックス
(1)都道府県別の入院状況
全国平均
34.3日
全国平均
1,068人
【出典】厚生労働省 『患者調査(平成23年)』、『医療施設調査(平成24年)』
27
5.トピックス
(2)入院日額別の発生率
(‰)
【出典】日本アクチュアリー会会報第30号(第1分冊) 『災害および疾病入院給付金の支払状況について <木本正樹>』
28
(歳)
5.トピックス
(3)入院通算限度日数が保険料に与える影響
【前提】予定死亡率、予定利率、予定事業費率=ゼロ、予定平均給付日数=33.8日(H23患者調査)、入院日額1万円、
40歳加入、保険期間=45年(第三分野標準生命表2007の40歳平均余命(男性41.92歳、女性48.29歳)和半)、
1年に2回以上の入院は発生しない。
【結論】入院通算限度日数が730日以上であれば、保険料に与える影響は極めて軽微。
《入院率=10%の場合》
入院回数
0回
1回
2回
3回
4回
5回
6回
7回
8回
9回
10回
…
合計
① 発生確率
② 支払金額
0.9%
0円
4.4%
338,000 円
10.7%
676,000 円
17.0% 1,014,000 円
19.8% 1,352,000 円
18.1% 1,690,000 円
13.4% 2,028,000 円
8.3% 2,366,000 円
4.4% 2,704,000 円
2.0% 3,042,000 円
0.8% 3,380,000 円
…
…
一時払純保険料 ⇒ 月払純保険料 ⇒ (一時払純保険料÷45年÷12か月)
支払期待値
(①×②)
0
14,750
72,112
172,268
267,973
305,192
271,281
195,925
118,177
60,730
26,991
…
1,521,000
↓
2,817
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
入院率
365日
(指数)
10% 2,815 (99.9%)
20% 5,367 (95.3%)
30% 6,569 (77.7%)
入院通算限度日数
730日
1095日
(指数)
(指数)
2,817 (100.0%) 2,817 (100.0%)
5,633 (100.0%) 5,633 (100.0%)
8,446 (100.0%) 8,450 (100.0%)
円
円
《注意点》
① H23患者調査に基づく入院率(40歳以上の平均)は約20%。
② 2回目以降の入院率(再入院率)は、通常、1回目の入院率よりも高いと考えられるため、
再入院率を考慮すれば、上表の差異は、さらに拡大するものと思われる。
29
5.トピックス
(4)定期タイプ vs 終身タイプ
 以下の意見を持つFPも存在するが・・・。
◆ 医療費用は公的医療制度、貯蓄で賄えるため、医療保険は不要。
◆ 支出の2大イベント(住宅購入、子供教育・結婚)で家計貯蓄が激減するまでの“つなぎ”で医療保険(定期型)の活用はあり。
◆ 終身医療保険を望む声は一定理解するが、日額5,000円程度の入院・手術のみで十分。
≪医療保険の加入期間( FPのイメージ)≫
住宅購入
[医療保険に対する FP見解]
子供教育・
結婚
 給付要件に入院が含まれるため、利用機会
が少ない。
世帯の貯蓄額
 通院にかかる費用(交通費、高額の薬剤費
など)がカバーできればよいが、そのような
保険商品はない。
時間
医療保険(定期型)でカバー
【商品案】
30
 老後は、介護時のリハビリ、住宅リフォーム
費用がかさむため、医療保険料を貯蓄に回
しておく。ただし、現在の介護保険は不要。
(保険料が高く、リハビリ等に非対応)
医療保険不要
(貯蓄でカバー)
(支出イベントがいつ訪れるかは(加入時には)通常不明であり、逆に、
いつ訪れても良いように)終身医療保険に加入し、支出イベント終了時
に解約返戻金を受け取る売り方であれば、FPは共感?
東京海上日動あんしん生命の
メディカルkitRに近い?
5.トピックス
(5)医療保障に対する私的準備状況
【出典】生命保険文化センター『平成25年度 生活保障に関する調査』(http://www.jili.or.jp/research/report/chousa10th.html)。
31
5.トピックス
(6)入院時の自己負担費用、逸失収入有無
【出典】生命保険文化センター『平成25年度 生活保障に関する調査』(http://www.jili.or.jp/research/report/chousa10th.html)。
32
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