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脳神経科学からナノ医療までを サポートする夢のワイヤレス通信
平 成 25 年 度 客員教授 脳神経科学からナノ医療までを サポートする夢のワイヤレス通信 ナノマシンを司る Body Area Nanonetwork(BAN2) NPO Wireless Brain Network 理事長 堀越 淳 所謂、無線通信技術が現在における医療技術 NPO WBN( 理 事 )の西 本 氏による支 援を得て あるいは日常の健康管理に与えている利便性は次 プロトタイプ装置の開発設計をすすめ、無線レシー 第に確 固なものとなりつつあります。ワイヤレスチッ バ先の PC モニター上に送信 波形を再生するまで プを搭 載した多くのヘルスケア製 品 が 市 販され 社 に達しました。 入 力アナログ部ではシナプス信 号 会に受け入れられる状 況 が 到 来しつつあることは 対 応は間に合わなかったため、EEG センサにて 無 線 通 信を研 究 分 野としてきた者にとって感 慨 深 代 用し、A D C としては 今 後 の目標を考 慮して いものがあります。勿論、そのような状況を生み出 24-bit ΔΣ-ADC(Max. sample rate:16KSps) す環境を整える(標準化)努力と云う背景があっ を用いています。MCU としてはソフトウエア、ハー てのことですが。しかし、 一 方において、 例えば ドウエア共 に 開 発 環 境 が 整っている M SP 430、 ヘルスケアのためのワイヤレス機器を設計すると云 ワイヤレスネットワークとして IEEE 802.15.1a std. う技 術の具 体 的 特 徴 内 容についてはあまり知られ (Bluetooth 2.0+EDR(class 1)) デ バイスを てはいないと云う思いはあります。そこで、ワイヤレ 組み込んであります。実用に向けた小型化と取得 ス・ヘルスケア関連デバイスと装置の開発にとって 信号からの特徴抽出とそれに基づく符号化・復号 必 要となる特 徴を幅 広い開 発 設 計 者に知って貰う 化は今後の課題です。 目的で、理工学研究院電子情報部門小林教授が ワイヤレスを言 葉 通りの 用 例 で「 通 信 のため 主催する“アナログ集積回路研究会”にてセミナー の 線 路(line)を用 いない 」 を表 す 最 近 の 医 を開 催しました。セミナーテーマは 「ヘルスケア環 療 工 学 領 域 での 技 術を耳にすることが 増えてい 境とワイヤレス技術−アナログセンサーから ICT 機 ます。Wireless intracellular とも呼 ば れる最 能 付 加 LSI まで−」 で、当 方の寄 留 先である医 新のバイオ分 子 医 療 技 術に属する基 本 機 能です 学系研究科白尾教授の御厚意を得て理工学部に が、Body Area Nanonetworks(BAN 2 ) の て開催したものです。ヘルスケア関連ワイヤレスデ 範 疇として細 胞 間あるいは細 胞 内でのナノデバイ バイスは体内への埋め込みのような、長期間のメン ス通信を実現する通信形態です。治療用ナノマシ テナンスフリーを必要とする等、従来のモバイル機 ン(NM)では計 測 結 果を実 行 する通 信 が 必 要 器開発に必要とされた知識では補いきれない特別 ですが、それらを正しく実現することは容易ではあ な設 計 視 点が必 要とされます。セミナーでは装 置 りません。現象は細胞や分子レベルで起こるので、 をアナログ入力 LSI、制御 MCU、ワイヤレス LSI 物理的な不確定性から生じる信頼性の欠如と(意 サブシステムに分けてそれぞれの設 計についての 図通りの結果を生むための)制御の難しさを克服 特 性と、システム全体を構成するための電力配分 することがシステム構築における当面の課題です。 技術などについて紹介しました。 BAN 2 に関する指 標はこのような課 題を解 決する 一 方、 昨 年 度のセンターニュースでも紹 介しま ための第一段階の試みと云えます。ナノワイヤレス したシナプト信 号 やニューロ信 号を自然な環 境 で 技 術は次 世 代における医 工 連 携としての電 子 通 取 得するためのワイヤレス装 置の開 発に関しては 信領域からの新たな貢献分野と考えています。 − 43 −