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iCAP 7400 Duo ICP発光分光分析装置による電子グレード硫酸銅中の

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iCAP 7400 Duo ICP発光分光分析装置による電子グレード硫酸銅中の
電子グレード硫酸銅中の不純物元素分析
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社
Joy Allied Technology Inc.(台湾)
Application Note EL14002
iCAP 7400 Duo ICP発光分光分析装置による
キーワード
電子グレード硫酸銅、CuSO4、原材料評価
目的
このアプリケーションノートでは、複雑なマトリックスを持つ電子グレードの硫酸銅の分
析において、
Thermo Scientific™ iCAP™ 7400 ICP-OES Duoが優れた性能および
高い光学的分解能を持つことを実証します。
はじめに
技術が進歩するにつれて、電子製品に求められる製造技術が高度
化しています。電子製品でもっとも利用されている導電体は、高
試料と標準溶液の調製
純度銅です。高密度配線(HDI )プリント回路基板、バンプ接続
電子グレードの固体の硫酸銅
(CuSO4)
試料を、
脱イオン
(DI)
水
(抵
で使用されるフリップチップ、ウェハー部材といった部品は、高純
抗率 >18 M Ω /cm )に溶解しました。5 gの固体試料を50 mL
度の硫酸銅を使用して製造されます。銅の陽イオンを硫酸銅か
のDI水に溶解し、最終的に250 mLに定容し、測定しました。また、
ら所定の表面に結合する際は、電気めっきが利用されます。この
濃度が0、20、50、および100 µg/L(ppb )で、
マトリックスが試料
電 気めっき技 術を用いた結果として、鉄、カルシウム、クロムと
に一致する(2 % CuSO4)多元素の検量線溶液を用意しました。
いった、硫酸銅中に存在する他のすべての陽イオンも表面にめっ
きされるため、銅内に不純物が生じ、導電効率が低下します。した
がって、求められる高品質を維持するため、硫酸銅を使用する前
に、含有される不純物を定量化する必要があります。
誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP-OES )は、正確かつ高ス
ループットの多元素分析が可能でありながら、最低限の試料調製
で済むため、硫酸銅中の不純物の分析技術として最適です。
この分析では、iCAP 7400 ICP-OES Duoを使用しました。この
装置は、必要な装置パラメーターの制御能力および分析速度を備
えていると同時に、軸方向プラズマ測光により微量分析に求めら
れる高感度が得られるため、もっともコスト効率の高いソリュー
ションです。
分析メソッド
Thermo Scientific Qtegra™ Intelligent Scientific Data
Solutionを 使 用して、対 象 元 素を 分析するための Labbookを
作成しました。元素および選択した分析波長を表1に、測定パラ
メーターや試料導入系を表 2に示します。作成した標準溶液(0、
20、50、および100 µg/L )を使用して、検量線を作成しました。
2
表1:測定元素、波長および得られたメソッド検出限界(MDL )
元素
波長(nm)
Ag
As
MDL(µg/L)
元素
波長(nm)
MDL(µg/L)
328.068
1.0
Mg
279.553
0.03
189.042
2.3
Mn
257.610
0.17
Ca
393.366
0.04
Na
589.592
0.20
Cd
226.502
0.15
Ni
231.604
0.39
Co
228.616
0.33
Pb
168.215
4.1
Cr
267.716
0.47
Sn
189.989
0.67
Fe
259.940
0.82
Ti
336.121
0.16
In
230.606
4.2
Tl
190.856
2.2
K
766.490
0.44
Zn
206.200
0.23
表 2:測定パラメーター
パラメーター
設定
ネブライザー
ガラス K タイプ同軸型
スプレーチャンバー
ガラス サイクロン型
センターチューブ
2 mm
高周波出力
1150 W
測光方向
軸方向
ネブライザーガス流量
0.45 L/min
補助ガス流量
0.5 L/min
20 秒
低波長
積分時間
5秒
高波長
ぺリスタルティックポンプ速度
50 rpm
繰り返し数
3
表3:4試料の分析結果および50 µg/L 添加試料の添加回収率
元素
濃度単位 346 50X
Ag
µg/L
ND
添加
346 50X
回収率
+50 µg/L
(%)
48.26
96.52
348 50X
添加
348 50X
回収率
+50 µg/L
(%)
ND
49.30
98.60
484 50X
ND
添加
484 50X
回収率
+50 µg/L
(%)
48.95
97.90
486 50X
添加
486 50X
回収率
+50 µg/L
(%)
ND
48.66
97.32
As
µg/L
ND
50.51
101.03
ND
50.24
100.48
ND
51.77
103.54
ND
52.08
104.16
Ca
µg/L
0.62
50.96
100.69
1.16
51.47
100.62
0.56
52.04
102.96
1.77
52.31
101.07
Cd
µg/L
ND
49.08
98.16
ND
49.09
98.18
ND
50.38
100.76
ND
49.97
99.94
Co
µg/L
ND
50.31
100.62
ND
50.38
100.76
ND
51.73
103.46
ND
51.20
102.40
Cr
µg/L
0.49
49.56
98.14
ND
49.55
99.10
ND
50.65
101.30
0.46
50.94
100.96
Fe
µg/L
8.38
57.57
98.38
9.38
58.01
97.25
7.35
57.58
100.47
12.63
62.57
99.88
In
µg/L
ND
47.21
94.42
ND
47.70
95.40
ND
48.19
96.38
ND
48.32
96.64
K
µg/L
ND
49.19
94.38
ND
46.24
92.48
ND
47.33
94.66
ND
46.70
93.40
Mg
µg/L
0.18
49.73
99.09
0.25
49.43
98.37
0.20
50.57
100.74
0.36
50.35
99.98
Mn
µg/L
ND
49.00
98.00
ND
48.88
97.76
ND
49.91
99.82
ND
49.74
99.48
Na
µg/L
0.82
51.71
101.77
1.13
50.33
98.41
1.62
51.83
100.42
1.09
50.94
99.69
Ni
µg/L
ND
50.53
101.06
ND
50.79
101.58
ND
51.98
103.96
ND
51.74
103.48
Pb
µg/L
ND
47.27
94.54
ND
46.05
92.10
ND
50.72
101.44
ND
47.65
95.30
Sn
µg/L
ND
48.16
96.32
ND
48.33
96.66
ND
49.80
99.60
ND
49.45
98.90
Ti
µg/L
ND
48.83
97.66
ND
48.65
97.30
ND
49.78
99.56
ND
49.89
99.78
Tl
µg/L
ND
46.18
92.36
ND
46.18
92.36
ND
47.05
94.10
ND
46.78
93.56
Zn
µg/L
ND
49.71
99.42
ND
51.25
102.50
ND
51.13
102.26
ND
50.30
100.60
分析結果
マトリックスをマッチングさせたブランクを10回繰り返し測定し
た結果の標準偏差(SD )を3倍して、メソッド検出限界(MDL )を
3
表4:50 µg/L 添加試料の分析結果
元素
平均値(µg/L)
SD(µg/L)
RSD(%)
Ag
49.95
0.69
1.38
算出しました。算出した検出限界を表 1に示します。
As
52.15
0.57
1.09
マトリックスに標準溶液を添加した試料を分析して、分析メソッド
Ca
52.90
0.56
1.07
の適合性を検証しました。電子グレードの4種の硫酸銅試料に、
Cd
50.21
0.24
0.47
すべてのターゲット元素を50 µg/L添加しました。添加した試料
Co
53.35
0.34
0.63
と添加していない試料の両方を分析し、測定濃度を比較しまし
Cr
51.71
0.49
0.94
た。この分析の結果と添加回収率を表 3に示します。すべての試
Fe
62.50
0.55
0.88
料について、全元素の添加回収率が92 % ∼ 105 %の間に収まっ
In
53.47
1.02
1.90
ています。
メソッドおよび機器の安定性を実証するために、電子グレードの
硫酸銅試料に、すべてのターゲット元素を50 µg/L添加したのち、
60分間にわたって繰り返し分析しました。その結果を図 1に示し
ます。また、平均値、標準偏差(SD )、および相対標準偏差(RSD )
を表 4に示します。鉛が4 %未満となった以外、他のすべての元
素の相対標準偏差が2 %未満となりました。
図1:添加試料の安定性試験結果
まとめ
安定性試験において得られた相対標準偏差が小さいことと、試料
の添加回収率(% )から考慮すると、iCAP 7400 ICP-OES Duo
によって、正確で精度の高い分析結果が得られることが分かりま
す。
また、iCAP 7400 ICP-OES Duoはメソッド検出限界が優れてい
るため、電子工場、半導体工場、貴金属技術の拠点、およびその他
の電子グレードの原料の試験で求められる、電子グレードの硫酸
銅の分析を簡単に実施できることも示されました。
K
48.16
0.86
1.79
Mg
51.76
0.47
0.91
Mn
50.94
0.43
0.84
Na
51.99
1.00
1.92
Ni
52.72
0.31
0.59
Pb
50.69
1.58
3.13
Sn
53.13
0.33
0.62
0.92
Ti
50.97
0.47
Tl
48.63
0.69
1.43
Zn
51.37
0.25
0.48
Application Note EL14002
iCAP 7000 シリーズ ICP-OES
導入に必要なユーティリティー
装置寸法・重量
●
●
ICP 装置本体
冷却水循環装置
ガス供給
832 mm(W)
×744 mm(D)
×589 mm(H)、85.5 kg
361 mm(W)
×627 mm(D)
×696 mm(H)、57.2 kg
●
アルゴン
電源
●
●
●
本体用
冷却水循環装置
データシステム
0.6 MPa(6.2 kg/cm2)
純度 >99.998 %
最大 20 L/ 分(通常運転時は 17 L/ 分)
(パージ用に窒素ガスを使用する際にはご相談ください)
排気設備
200 V 単相、50/60 Hz、30 A
200 V 単相、50/60 Hz、7 A
100 V、50/60 Hz、10 A
●
●
排気風量
ダクト口径
10 m/s(Duo)、5 m/s(Radial)
125 mm(耐熱・耐酸性のもの。調節ダンパをご用意ください)
設置環境
●
●
室温
湿度
15 ∼ 35 ℃±2 ℃ / 時
20 ∼ 80 %RH(15 ∼ 30 ℃)結露しないこと
設置スペースの例
冷却水電源
単相 200 V 7A
装置電源
単相 200 V 30 A
アルゴンガス
供給口
冷却水
循環装置
データシステム電源
アクセサリー電源
100 V
ASX-260
PC 本体
TFT モニタ
プリンタ
オートサンプラー
(オプション)
設置架台
(W:1500 D:750 H:800)
(オプション)
データシステム用デスク
約 2500 mm
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