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ショックアブソーバピストンの 3次元形状計測

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ショックアブソーバピストンの 3次元形状計測
Application Note
ショックアブソーバ ピストンの
3次元形状計測
応用領域
VIB レーザドップラ振動計を
使用した振動測定
LSV レーザ表面速度計を
使用した速度・長さ計測
TOP 白色光干渉計を使用した
表面形状計測
ST
近赤外線分光法を使用した
スペクトル材料プロパティの
計測
自動車のショック アブソーバに使用されているピストンは、機械加工における許容値が非常に小さく、
にも関わらず、高レベルなスループットが求められます。
品質管理に利用される接触式の測定システムでは、
ピストンが持つ複雑な形状により、要求される再現
性を達成できないことが多くあります。TopMap白色光干渉計は、
それとは対照的に、高精度な表面形
状測定をあらゆる表面に対して、わずか数秒で実行できます。
ショックアブソーバ ピストンに求められる条件
ショックアブソーバは振動の吸収や運動の抑制に使用
される部品であり、あらゆる産業、特に自動車業界にお
いて広く用いられ、
さまざまな問題を技術的に解決する
手段として多く役立っています。たとえばモータ駆動の
乗用車には、
ショックアブソーバは安全性と乗り心地の
向上に貢献する部品として搭載されています。
標準的な自動車用ショックアブソーバでは、運動エネル
ギーを熱エネルギーに変換します。
この作用は、油圧シ
ョックアブソーバでは、
ピストン
(図1)が油圧シリンダ内
の運動を抑制する時の粘性摩擦によって生じます。ピ
ストンは設計上、油圧オイルが流れるようにオリフィス
が開いています。
オリフィスの形状は要求される流量特
性、
つまりショックアブソーバの減衰特性に合致するよう
に最適に設計されています。
またピストンは、多くの場合、バルブなど他の部品との
組み立てを計算して加工されるため、非常に厳密な許
容値の下で製造される必要があります。一般的にこう
したピストンの表面形状は、触針式などの接触式測定
装置によって計測されています。
しかしながら、高さの
差や平坦度、
うねり、平行度の測定は難しく、時間も掛
Advancing Measurements by Light
ポリテックジャパン株式会社
アプリケーションノート
図1: ショックアブソーバ ピストン
かる作業です。また、連続性のない凹型の形状を持つ
ピストンは、測定の再現性の確保という難しい課題も
抱えています。
TOP-04
2008年11月
www.polytec.co.jp
ピストンの3D形状特性
白色光干渉計は、部品の複雑な表面特性を非破壊で評
価できる強力な光学測定ツールです。
この手法では、定
量的な3D表面形状データ
(図2)を、高い再現性で測定
できます。
図3は、ピストン上面から見た3Dの等高線図と、環状リ
ムの表面形状を示しています。TMS Softwareでは、マ
スクを設定することで複数の面を非表示にでき、個別
の表面を詳細に観察することが可能です。
また、角度、
傾き、高さの差などの形状パラメータも容易に収集で
きます。
図4には、外側の環状リムの3D等高線図と表面形状が
示されており、内側のエッジに付いたギザギザがはっ
きり表示されています。
図5では、内側の2つの環状リムの3D等高線図と線形状
が表示されています。
この図から、大きいほうの内側の
リムと外側のリムが平行でないことが簡単に判別でき 図3: ピストン上面から見た3Dの等高線図および環状リム
ます
(図4と対照的な色のグラデーションを参照)
。
また、 の表面形状
最も内側のリムの表面が傾斜していることも分かります
(図5の線形状を参照)。
図2: ピストン内側表面の3D等高線図
円形状の断面図は、図6に示すように、1つの表面をリフ
ァレンスとして用いることで収集できます
(図6では外側
の表面をリファレンスとしています)
。測定した結果の再
現性を確保したり、異なる表面と比較できるようにする 図4: 外側の環状リムの3D等高線図と表面形状
ため、形状は各表面で同じポイント
(アンカーポイント)
で測定する必要があります。回転対称型の表面につい
ては、
このポイントは円の中心となり、
ソフトウェアで簡
単に判別できます。
アンカーポイントを使用することで、
部品の角度は平行度によってのみ変化し、
高さの差によ
る影響は生じないことが確実である円形状の断面図を
作成できます。
図7は、
傷ついた表面に対する繰り返し測
定の結果を示しています。
この結果から、
それぞれの線
形状が相互に一致していることが分かります。
2
白色光干渉計では、1つの測定サイクルで広範囲の表
面を測定できるため、平行度、平坦度の値も比較的短
時間で計算することができます。
テストの実行時、常にセンサヘッドに対して測定ターゲ
ットを適切に設置できるわけではありませんが、確認
できる外部の面が含まれないようにする必要がありま
す。TMS Softwareではこうした面を識別し、除外するこ
とができます。
製造工程における白色光干渉計
スキャニング白色光干渉計は、CADデータから作成した
表面形状に含まれる偏差の検出といった、複合的な測
定にも使用できます。そのため、内側と外側のリム(図
4および5)の平坦度や高さの違いも容易に測定できま 図5: 内側の環状リムの3D断面
す。
しかし製造工程における品質管理を目的とした測定
の場合、
それほど厳密な機能は必要とされません。TMS
Softwareでは、TMSシステムを正確に制御できるため、
高い再現性とリピータビリティを達成できます。
さらに
TMS Softwareでは、たとえば部品番号、製造日、製造時
刻などの補足情報も残すことができます。
図6: リングの表面形状
図7: 傷のある表面の繰り返し測定
3
白色光干渉計の測定原理
白色光を用いた測定手法は、
マイケルソン干渉計の原理
をベースとしています。下図にその光学的構成を示しま
す。構成にはµmレンジのコヒーレンス長を持つ光源が
搭載されています。一本の光ビームは、ビームスプリッ
タで測定ビームと参照ビームに分光されます。測定ビー
ムは測定オブジェクトに照射され、参照ビームはミラー
に照射されます。測定オブジェクトとミラーから反射し
た2つの散乱光は、再びビームスプリッタで重ね合わせ
られ、カメラで捉えられます。ビームスプリッタからオ
ブジェクトまでの測定ビームの距離と、ビームスプリッ
タからミラーまでの参照ビームの距離が一致すると、
光源のスペクトラムに含まれるすべての波長に、強め合
う干渉が派生し、対応するオブジェクト ポイントのカメ
ラピクセルの明度が高くなります。逆にこの条件を満た
さないオブジェクト ポイントでは、割り当てられるカメ
ラピクセルの明度は低くなります。結果として、カメラは
同一の高さにあるすべてのピクセルを記録します。干渉
計の内部では、ビームスプリッタを基準に参照ビームま
たは測定ビームのいずれかの距離が変化します。評価
する距離をずらすことで、ピクセルごとの干渉を収集で
き、つまりオブジェクトの高さのスキャンを実行できま
す。測定が完了すると、試料の形状的な構造のデジタ
ル化も完了しています。
技術的な仕様は予告なく変更される場合があります。OM_AN_TOP-04_2008_11_300_J
ポリテックのTopMap白色光干渉計シリーズ
TMS-100 TopMap Metro.Labは、連続した測定を必
要としない用途に適した手頃な研究用ツールです。オ
プションで、測定物をパレットの上に設置し、自動で測
定を実行できます。TMS-300 TopMap In.Lineは、生産
管理など計測に適さない環境で表面形状の計測が必
要とされる場合も、高精度に計測できる理想的な測
定システムです。このコンパクトな装置は、生産ライン
にも設置でき、既知の仕様値(平坦度、形状など)を
短いサイクルタイムで計測できます。 スピーディな測
定は完全に自動化できます。Z分解能は数ナノメータ、
測定視野は用途に応じて4.2 mm x 5.5 mmから最大
19 mm径までを選択できます。 さらに、測定距離が
長く、曲げミラーを利用することで測定視野を拡張す
ることもできます。
ポリテックジャパン株式会社
〒222-0033
神奈川県横浜市港北区新横浜
3-1-9 アリーナタワー13F
Tel. (045) 478-6980
Fax (045) 478-6981
[email protected]
Polytec GmbH (Germany)
Polytec Headquarters
Polytec-Platz 1-7
76337 Waldbronn
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Fax +1 734 662 4451
TopMap 表面形状計測システムシリーズの詳細は、ポリテックジャパン 営業部(Tel: 045-478-6980)
までお気軽にお問い合わせください。
また、ポリテックジャパン ホームページ www.polytec.co.jp からもご覧いただけます。
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