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サイエンスショー「空気パワー」実施報告

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サイエンスショー「空気パワー」実施報告
大阪市立科学館研究報告 17, 135-140 (2007)
サイエンスショー「空気パワー」実施報告
長 谷 川
能 三
*
概 要
私 たちの身 のまわりには空 気 があり、私 たちの体 は絶 えず大 気 圧 で押 されている。その大 きさは、ての
ひらの上 だけで100kgのものをのせたくらいに相 当 するが、なかなかその大 きさを実 感 することはない。
そこで、この大 気 圧 の大 きさを実 感 すること、また一 般 に吸 いつけられるという現 象 は圧 力 が小 さくなる
だけで引 っぱる力 ではないことを理 解 することなどを目 標 として、を2005年 12月 2日 ~2006年 2月 28日
にサイエンスショー「空 気 パワー」行 なった。またこの期 間 中 、特 別 サイエンスショーとして大 気 圧 によるド
ラム缶 つぶしの実 験 も行 なったので、あわせて報 告 する。
次 に 、直 径 1 mあ まりの 巨 大 風 船 を 膨 らませ 、来 館
1.はじめに
大 気 圧 に関 するサイエンスショーとしては、2002年
者 にさわってもらった。その上 で感 想 を聞 いたところ、
夏 に実 施 した小 野 学 芸 員 企 画 の「空 気 パワー」をはじ
「 柔 らか い」「ふ わふわしている」と いった 中 に「 軽 かっ
め、これまで何 回 か行 なってきた。今 回 、新 たな実 験 を
た」もしくは「重 かった」という感 想 があれば、そこから巨
加えたり、実 験 道 具も作りかえるなどし、再 構 成 した。
大 風 船 は 軽 く 感 じたか 重 く 感 じたかをあらためて聞 い
また、大 がかりな大 気 圧 の 実 験 と して「ドラム缶 つぶ
た。結 果 は、「軽 かった」という回 答 が8~9割 を占 めて
し」の実 験 があり、当 館 でも これまで数 回 行 なったこと
いたが、「重 かった」という回 答 も1割 程 度 あった。これ
がある。今 回 、通 常 のサイエンスショーでは過 去 に行 な
は、風 船 が大 きくゴムも厚 いため、「想 像 していたより重
ったドラム缶 つぶしのビデオ映 像 やつぶれたドラム缶を
かった」ということだと思われる。
見 ても らったが、12・1・2月 にそれぞれ1回 、計 3 回 、
科 学 館の入り口 前 広 場 で実 施 した。
2.実 験 内 容
サイエンスショーでは、主 に以 下 のような実 験 を行 な
った。ただし、演 示 担 当 者 や見 学 者 層 により、実 験 の
選 択や順 序は異 なる。
2-1.空 気 の存 在と重 さ
ここ数 年 、土・日 曜 日 などの家 族 連 れの来 館 者 の子
どもの年 齢 が 大 きく下 がってきていると思 われる。そこ
で、今 回 のサイエンスショーでは、最 初 に普 通 の大 きさ
写 真1.巨 大 風 船
の風 船 を膨 らませ、風 船 の中 に何 が入 っているかを尋
ねることから始 めた。もちろん、多 くの回 答 は「空 気 」で
あるが、中 には「二 酸 化 炭 素 」や「窒 素 と酸 素 と二 酸 化
2-2.空 気 の質 量
巨 大 風 船 を軽 く感 じたか重 く感 じたかにかかわらず、
炭 素」といった回 答も希にあった。
ではそもそも空 気 の重 さ(質 量 )があるのかを尋 ねてみ
*1
大阪市立科学館 学芸課
E-mail : [email protected]
ると、子 どもでは「ある」と「ない」でおおむね 半 々に 意
見 が分 かれた。大 人 では「ある」が多 かったが、それで
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長谷川 能三
い空 気 がのっているのに重 くないですか?」と話 した後 、
も100%というわけではなかった。
そこで、実 際 に空 気 の質 量 を量 る実 験 を行 なった。
実 際 に持 ち上 げてもらった。表 面 が平 らな電 話 台 の上
炭 酸 飲 料 用 の1.5リットルのペットボトルのキャップに
に下 敷きを置き、下 敷きのまん中 にホームセンターなど
自 転 車 のチューブの金 具 を取 り付 けたもの用 意 する。
で売 っている普 通 の吸 盤 をくっつけ、その吸 盤 を引 っ
まず、そのままペットボトルの質 量 を 量 り、空 気 入 れを
張ってもらった。
使 って空 気 を余 分 に入 れてから量 ると質 量 が数 グラム
増 えているのがわかる。さらに、ペットボトルのふたをゆ
るめて空 気 を抜 くと、元 の質 量 に戻 る(空 気 中 の 水 分
が結 露 するため、元 の質 量 に戻 るには、ふたをゆるめ
たまま10~20秒 程 度かかる)。
写 真3.持ち上 げられない下 敷き
多くの場 合 、引っ張っても持 ち上がらなかったが、時
には下 敷 きが曲 がって空 気 が入 ったり、下 敷 きを横 へ
滑 らせて一 部 が台 からはみ出 すことによって下 敷 きが
持 ち上 がることがあった。尚 、台 が高 いと下 敷 きを真 上
写 真2.空 気 入れでペットボトルに空 気を入れる
に引 っ張 り上 げずに手 前 へ引 き寄 せてしまいがちにな
元 々ペットボトルには約 1.8グラムの空 気 が入 ってい
るので、天 板の高さが低 い台 を用いた方がよい。
るので、質 量 が1.8グラム増 えればペットボトルの内 圧
下 敷 きが持 ち上 がらなかった理 由 について、下 敷 き
は約 2気 圧 、3.6グラム増 えれば約3気 圧 ということにな
の上 には空 気 があるが、下 敷 きの下 には空 気 がないこ
る。炭 酸 飲 料 用 の ペットボトルはお 茶 などのペットボト
とを説 明 した。
ルと比 べて耐 圧 性 が高 いが、目 的 外 使 用 であることや、
サイエンスショーでは何 度 も使 用 することを考 え、空 気
2-4.自 然 に落ちる吸 盤
下 敷きを持 ち上げるのに使 った吸 盤も空 気に押され
入れを動 かす回 数を数 え、内 圧 が3気 圧 程 度 までにな
てくっついていること、空 気 はどんな方 向 からでも押 す
るようにとどめた。
今 回 、質 量 を量 るのにはデジタル式 の上 皿 ばかりを
ことを説 明 し、まわりの空 気 がなかったら吸 盤はどうなる
使 用 し、表 示 部 をモニタに大 きく映 し出 した。デジタル
かを予 想 してもらった。すると、下 敷 きの実 験 があった
表 示 は0.1グラム単 位 であったが、小 さな子 どもでは小
ためか、吸 盤が落ちるという予 想が多かった。
数 点 のある数 字 や小 数 点 を含 んだ数 の引 き算 がまだ
できないので、1グラム単 位 の表 示 のはかりにした方 が
よかった。また、演 示 台 の上 にペットボトルを置いたまま
空 気 を入れられるように、空 気 入 れのホースを2倍の長
さにした。
2-3.持 ち上げられない下 敷 き
空 気 には質 量 があることを確 認 した上 で、「そんな空
気 が頭の上 にたくさんあると重 くありませんか?」と尋 ね、
さらに手 のひらに「100kg」と書 いた100cm 2 の紙 をの
せ、手 のひらの上 にはおよそ100kgもの空 気 が乗 って
いることを話 した。
次 に下 敷 きを取 り出 し、「下 敷 きの上 には500kgくら
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写 真4.真 空にすると落 ちる吸 盤
サイエンスショー「空気パワー」実施報告
その上 で、真 空 鐘 の内 側 に吸 盤 をくっつけ、真 空 に
ットボトルに水 を満 たしたものが何 kgかということは、多
することで吸 盤 が落 ちるのを見 てもらった。普 段 の生 活
くの子 どもにとっては常 識 ではないので注 意 が必 要 で
で吸 盤 が自 然 に落 ちることもあるので、真 空 鐘 の内 側
ある。また、吸 盤 におもいものをぶら下 げたまま放 置 し
には複 数 の吸 盤 をくっつけ、また比 較 のために真 空 鐘
ておくことは危 険 なので、家 庭 では行 なわないように注
の外 側 にも吸 盤 をひとつくっつけて実 験 した。また、ち
意を促した。
ょっとしたことであるが、真 空 ポンプのホースを長 くして
おくと取り回しが楽になる。
次 に、吸 盤 が大 きくなれば空 気 が押 す面 積 も増 える
ことから、吸 盤 を 押 さえている空 気 の 力 は 大 きくなると
いうことから、ガラスなどの運 搬 に使 われる大 型 の吸 盤
2-5.人がぶら下がることができる吸 盤
を用 意した。
実 際 に 空 気 が 吸 盤 を 押 さ え ている 力 の 大 き さ を 実
感するために、吸 盤におもりをぶら下げた。吸 盤はホー
ムセンターなどで売 られている直 径 約 6cmのもので、く
っつけるときにロック機 構 (フック部 分 がレバーになって
いて、フックを起 こすことにより吸 盤 の中 央 部 を引 き寄
せる機 構 )の ないものを 使 用 し、ぶら下 げた 板 の 下 面
にくっつけた。
写 真6.吸 盤に人 がぶら下 がる
この吸 盤を先 程と同 じ板 にくっつけ、子どもから大 人
までぶ ら下 が っ ても らっ た 。今 回 使 用 した 吸 盤 は 、 吸
盤 の面 積 に大 気 圧 をかけるとおよそ250kg重 もあるが、
吸 盤 や取 り付 ける板の表 面 に汚れがあるとはずれやす
くなるので注 意 が必 要 である。また、吸 盤 を取 り付 ける
写 真5.ペットボトルを7本ぶら下げた吸 盤
板 と しては 分 厚 く て表 面 が つるつるしたものとして、ホ
ームセンターで売 っている小 型 テーブルの天 板 を利 用
この吸 盤 に水 を入 れた2リットルのペットボトルをぶら
し、鎖や金 具も耐 重 量を考 慮 して選んだ。
下 げていくと、7~8本 (14~16kg)ぶら下 げると吸 盤
がはずれた。吸 盤 の 直 径 か ら考 えると25kg程 度 まで
2-6.勝 手 に膨らむ風 船・大 きくなるプチケーキ
ぶら下 げられることになるが、実 際 にやってみると、フッ
このように、大 気 圧 は非 常 におおきいのであるが、そ
ク 部 分 を 引 っ 張 られ る こと で吸 盤 が 変 形 し、 板 と の 接
んなに強 い力 で押 されていることを実 感 することはない。
触 面 積 が 小 さ く なっ ていくこ とが わかる 。それ でも 、吸
そこで、まわりの空 気 がなくなったらどうなるかの例 とし
盤 に10kg以 上 のおもりをぶら下 げられることは、来 館
て、少 しだけ空 気 を 入 れ て口 を 結 ん だ 風 船 を 真 空 鐘
者 にとって意 外 な結 果 となっていた。尚 、2リットルのペ
に入 れ、風 船 のまわりを真 空 にするとどうなるかを考 え
写 真7.勝 手に膨らむ風 船
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長谷川 能三
写 真8.大きく膨らむプチケーキ
写 真9.空 気を入れるとしぼむプチケーキ
てもらった上 で、実 際 に実 験 した。このとき、排 気 盤 の
マシュマロ・グミ・大 福 などいろいろと試 してみたが、や
中 央 に排 気 口 があるため、風 船 はセロハンテープで真
はり中 に空 気 があり柔 らか いホイップクリームが速 く大
空 鐘 の中にぶら下 げた。風 船が大きく膨 らんだところで、
きく膨 らんだ。しかし、毎 回 のサイエンスショーでホイッ
今 度 は真 空 鐘 に 空 気 を入 れるとどうなるかを考 えても
プクリームを使 うのはいろいろ問 題 があるので、プチケ
らい、まわりの空 気 から押 されてくるとことを印 象 づけな
ーキの 模 造 品 とした 。模 造 品 は カップにス ポンジを 入
がら風 船が小さくなっていく様 子を見てもらった。
れ、上 にシェービングクリームをのせてビーズ振 り掛 け
次 に 、風 船 の 代 わり にプチケーキ( 模 造 品 )を 入 れ
たのである が、来 館 者 の 反 応 は「 アイスク リーム!」や
て実 験 した。ケーキを使 うことで子 どもたちの興 味 は非
「アイス!」(ソフトクリーム)であった。尚 、台 所 用 スポン
常 に 高 まったが 、本 物 のケ ーキかどうかと いうことも 気
ジは色 がきついため自 動 車 のワックス用 のものでクリー
になってしまい、本 来 の実 験 目 的 の方 へ引 き戻 すのに
ム色 のスポンジを選 び、シェービングクリームは無 香 料
苦 労 もした。しかし、空 気 を抜 いていってケーキが大 き
のものを使 用 した。
くなっていく様 子 ・空 気 を入 れてケーキが小 さくなって
しまう様 子 はインパクトが強 かった。また、ケーキを大 き
2-7.フラスコの内 側に膨らむ風 船
いまま食 べたいのなら…ということから、人 間 の体 も 真
ここまでは、気 圧 を 下 げるの に真 空 ポンプを 使 って
空 中 では 膨 張 してしまうこと 、宇 宙 服 の 重 要 性 などの
いたが、ここからは水 蒸 気 や掃 除 機 を使 った実 験 を行
話をすることができた。
なった。
まずは、中 で少 量 のお湯 を沸 かしたフラスコを用 意
真 空 に した とき に 膨 らむ も の と して、 予 備 実 験 では
し、お湯 を捨 てた後 、風 船 を被 せた。中 の水 蒸 気 が冷
えて水 に戻 るにつれ、風 船 がフラスコの中 に 入 ってい
き、フラスコの内 側 に大 きく膨 らんでいく。ここで、風 船
は吸 い込 まれるのではなく、大 気 圧 で押 し込 まれてい
写 真10.真 空 にして膨らんだ本 物のプチケーキ
写 真11.フラスコの内 側 に膨らむ風 船
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サイエンスショー「空気パワー」実施報告
ることを説 明した。
非 常 に低 く、0.9気 圧 程 度 にしか下 がらない。そこで、
尚 、以 前 は案 内 員 にフラスコを支 えてもらって風 船
ボーリングの球 と、内 径 がほぼボーリングの球 と同 じア
を被 せていたが、今 回 は一 人 で実 験 を行 なうため、あ
クリルパイプを用 意 し、写 真 13のようにして大 気 圧 との
らかじめ風 船 を被 せた筒 を用 意 しておき、この筒 をフラ
差 でボーリングの球 を持 ち上 げた。尚 、アクリルパイプ
スコの口 にのせることで、スムーズに実 験 を進 めること
とボーリングの球 との間 にわずかな隙 間 があるため、ボ
ができた。筒 は掃 除 機 の汎 用 継 手 パイプの堅 いタイプ
ーリングの球 には幅 広 の荷 造 り用 テープを巻 き、空 気
のものと柔らかいタイプのものを二 重にして使 用 した。
漏れを少なくしている。
この実 験 は非 常 にインパクトの強 いものであるが、掃
2-8.大 気 圧 で缶をつぶす
除 機 でボーリングの球 を「吸 い上 げている」ように見 え
次 に、同 じように空 き 缶 の 中 でお湯 を 沸 騰 させ、大
気 圧 でつぶす実 験 を行 なった。空 き缶 は炭 酸 飲 料 や
てしまうので注 意 が必 要 である。このため、私 自 身 はこ
の実 験を割 愛することが多かった。
ビールなどのアルミ缶 を使 用 した。尚 、アルミ缶 の場 合 、
ふたを しなく ても 、水 を 入 れ たボウルに 一 気 に 伏 せ れ
3.特 別 サイエンスショー
ば、一 瞬でつぶれる。
今 回 のサイエンスショー 期 間 中 に、科 学 館 1 階 入 り
口 前 広 場 に て、実 際 に 大 気 圧 でドラム缶 を つぶす 実
験を3回 行なった。
3-1.実 施 日 時
2006年12月24日(日)
16時~約 150名 見 学
2007年 1月 7日(日)
16時~約 250名 見 学
2007年 2月 11日(日)
16時~約 400名 見 学
17時~約 300名 見 学
※2月11日は実 験 失 敗 のため、急 遽2回 行 なった
写 真12.一 瞬 にしてつぶれる空き缶
同 じ様 に、大 きくて堅 いド ラム缶 でも 大 気 圧 でつぶ
すことができるが、毎 日 のサイエンスショーでは、ビデオ
やつぶれたあとのドラム缶を見てもらった。
2-9.掃 除 機 でボーリングの球を持ち上 げる
真 空 ポンプに似 たものとして家 庭 用 の掃 除 機 がある
が、掃 除 機は排 気スピードは速 いものの、到 達 真 空 度
写 真14.特 別サイエンスショーの様 子
3-2.実 施 内 容
ドラム缶 に 少 し水 を 入 れ て沸 騰 させた 後 、ふたを し
て冷 やすことにより、大 気 圧 によってドラム缶 をつぶし
た。ドラム缶 の中 の水 が沸 騰 するまでの間 、「持 ち上 げ
られない下 敷き」「大 気 圧でアルミ缶をつぶす」といった
実 験を行 ない、通 常 のサイエンスショーを見 学 していな
い見 学 者にも実 験 内 容がわかるようにした。
この ド ラム缶 つ ぶ しの 実 験 は 、こ れ までも 当 館 で 何
度 か行 なっている。しかし、今 回 はこれまでと比 べて冷
写 真13.掃 除 機 で持ち上がったボーリングの球
やし始 めてからつぶれるまでの時 間が短 く、つぶれたド
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長谷川 能三
ラム缶 も 非 常 にコ ンパクトに なっていた 。これは 、他 の
4.考 察
実 験 も行 なったため、ドラム缶 の 中 でお 湯 を沸 騰 させ
サイエンス ショー にお いて、電 流 や 空 気 と いった 目
るのに十 分 長 い時 間 をかけたためだと思 われる。逆 に
に見 えないものを扱 う実 験 は、理 解 しづらく、盛 り上 が
言えば、これまでの実 験 では、まだドラム缶の中が水 蒸
りにも欠 けるようになってしまいがちである。しかし大 気
気 でいっぱいになっていなかったということになる。
圧 の実 験 については、2002年 に実 施 した時 から行 な
尚 、2月 11日 は一 度 実 験 に失 敗 したため、急 遽 もう
っている「掃 除 機 でボーリングの球 を持 ち上 げる」実 験
1回 実 験 を行 なった。原 因 は、ドラム缶 のふたのネジが
や、今 回 から行 なっている「大 きくなるプチケーキ」はか
錆 びていたためで、ふたを閉 めても隙 間 から空 気 が中
なりインパクトが強 い。サイエンスショー全 体 も盛 り上 が
に入 ってしまった。予 備 のドラム缶 でもう一 度 実 験 を行
っているためか、あまり難 解 な印 象はないようである。
ない成 功 したが、一 番 見 学 者 が多 いときだっただけに、
残 念だった。
尚 、2002年 に当 館で行 なってから、「掃 除 機 でボー
リングの球を持 ち上 げる」実 験は、全 国 的 に広まってい
る。しか し、十 分 な解 説 なしでこの 実 験 を 行 なうと、単
に「掃 除 機 で吸 い上 げている」ように見 えてしまうため、
注 意が必 要 である。
参考文献
小 野 昌 弘 「サイエンスショー「空 気パワー」実 施 報 告」
大 阪 市 立 科 学 館 研 究 報 告 13(2003)
写 真15.水 しぶきを上 げてつぶれるドラム缶
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