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本文 - 加西市WEBサイト

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本文 - 加西市WEBサイト
基
本
計
画
1 産業集積の形成又は産業集積の活性化に関する目標
(1)地域の特色と目指す産業集積の概要について
(地理的条件、既存の産業集積の状況、インフラの整備状況等地域の特色について)
【地理的条件】
① 位置と地勢の概況等
加西市は、兵庫県の南部、播州平野のほぼ中央に位置し、市域面積は150.19k㎡で、東西12.4km、
南北19.8kmの広がりを有し、東は小野市及び加東市に、西は姫路市及び福崎町に、南は加古川市に、
そして北は西脇市、多可町及び市川町にそれぞれ隣接している。
気候は、瀬戸内式気候に属し、冬期の降水量が少なく年間 1,100mm 前後、平均気温は 16℃前後と
温暖で暮らしやすいところである。また、玉丘古墳に代表される古墳の多さは、この地が古代から
開け、また災害の少ない地域であることを物語っている。
なお、現在、加西市は、「地球に優しい環境都市加西」の実現を最終目標として「創エネ」(新エ
ネルギーなどの導入を進め、電力供給量の拡大を図る)
・
「省エネ」
(電力のピークカットを図る)
・
「蓄
エネ」
(電力のピークシフトを図る)の 3 つの取り組みを推進するため、「加西市グリーンエナジー
シティ構想」を制定し、関連企業の誘致などにより環境先進都市を目指している。
観光資源としては、兵庫県フラワーセンター、西国二十六番札所法華山一乗寺、五百羅漢、古法
華自然公園、また播磨国風土記に関連が深い玉丘史跡公園等があり、年 85 万人が訪れている。特産
品の開発としては、加西ブランド協議会を中心にその充実が図られ、産業団地内に進出した食品関
連企業とも協力しながら、更なる加西の魅力の発信に努めている。
② 人口動向
加西市の総人口は平成 22 年の国勢調査によると 47,993 人であるが、本市では「5 万人都市の再
生」に向け、UJI ターンを希望する若年者の取り込みや市内在住の若年者の流出を抑制するために、
積極的に市内企業を PR し又若年者が住みよい環境を創出するための様々な定住促進施策を推進し
ている。
また、本市と近隣市町間の道路交通網等が整備されたことから、通勤等が容易となり、市外から
も多くの人が働きに来られており、就業意欲のある人材を容易に確保できる。(国勢調査によると、
夜間人口に対する昼間の流入人口については、昭和 60 年の 3,984 人から平成 22 年には 9,914 人へ
と年々増加しており、平成 22 年には昼間人口率が初めて 100%を超えた。)
また、本市の大きな特徴として、約 20 カ国、約 750 人にのぼる外国人の在住が挙げられる。これ
は総人口の 1.6%を占め、約半数は中国人研修生を含む中国で、次いでベトナム、ブラジル、韓国
と続いている。
全体面積
15,019ha
可住面積
56%
人
口
47,993 人
-1-
【既存産業の産業集積の状況】
① 第 2 次産業の概要
平成 24 年の加西市の製造品出荷額等は 2,325 億円、付加価値額は 803 億円であり、当地域に集
積する主な業種ははん用機械器具(油圧機器、精密機械等)を筆頭に、電気機械器具製造業(家電
製品・部品、電磁部品等)
、金属製品製造業(金属精密加工)
、鉄鋼業(鍛造、特殊鋼加工)
、輸送用
機械器具製造業(自動車部品)
、プラスチック製品製造業(製品樹脂枠、包装資材)となっている。
また、従業員 10 人未満の事業所が約 80%を占めている。
(表2)加西市において主たる製造業種が占める割合
事業所数
パルプ・紙・紙加工
品
プラスチック製品
従業者数
製造品出荷額等
(所数)
(割合)
(人)
(割合)
(億円)
10
3.2%
329
3.7%
95
4.1%
23
2.9%
27
8.7%
868
9.8%
263
11.3%
79
9.8%
8
2.6%
500
5.7%
274
11.8%
62
7.7%
鉄鋼業
(割合)
付加価値額
(億円)
(割合)
金属製品
67
21.7% 1,274
14.4%
347
14.9%
175
21.8%
はん用機械器具
31
10.0% 1,255
14.2%
378
16.3%
137
17.0%
生産用械器具
42
13.6%
701
7.9%
87
3.7%
46
5.8%
5
1.6%
258
2.9%
51
2.2%
16
2.0%
4.9% 1,458
16.5%
391
16.8%
113
14.0%
443
5.0%
79
3.4%
33
4.1%
100% 8,818
100%
2,325
100%
803
100%
業務用機械器具
電気機械器具
15
輸送用機械器具
31
市全体
309
10.0%
※平成 24 年経済センサス活動調査
【インフラの整備状況等地域の特色について】
① 交通環境
高速自動車道路については、加西市のほぼ中央を横断する形で中国自動車道が走り、加西 IC が加
西市のほぼ中央に位置すると同時に、福崎町との境に加西 SA(上り下りとも)が整備されている。
加えて、加西市の南端をかすめる形で山陽自動車道が走り、加古川北 IC は加西市から 1 分の位置に
ある。これら両 IC を有する加西市の「ダブルアクセス」は、物流等における本市の優位性を示すも
のであり、佐川急便、福山通運、西濃運輸等の大手をはじめ多くの運送会社が市内にターミナルを
構えている現実がその証明である。
市内の道路網は、姫路市から京都を結ぶ国道 372 号線や、加西の中心市街地を走る主要地方道三
木宍粟線等があり、近隣地域とのアクセスも充実している。加えて、県道北条高砂線から加古川バ
イパスを経由して阪神高速神戸線等へと繋がり、この路線を含めると京阪神への「トリプルアクセ
ス」を有することとなる。
鉄道については、第三セクターの北条鉄道(全7駅)により、JR 加古川線粟生駅に連絡しており、
神戸まで 1 時間、大阪まで 1 時間半で接続する。年間の輸送人員は 34 万人である。なお、北条鉄道
では、更なる経営改善を図るだけでなく、地域に不可欠な交通機関として地域と連携して駅のトイ
レを整備し、また年間を通じた様々な集客イベントを実施することで、近年輸送人員は増加傾向に
-2-
転じている。また、同鉄道のボランティア駅長システムは、地域の鉄道を地域住民や全国の鉄道フ
ァンがボランティアで盛り上げようとするユニークなもので、経済産業省の提言に基づき設立され
た組織「新日本様式協議会」によって新日本様式 100 選にも選定されている。
また、バス交通については、中国自動車道等を運行する大阪・神戸・京都方面への高速バス、加
西市と隣接市町を結ぶ路線バス、北条町駅を中心に放射状に加西市内を運行するコミュニティバス
等がある。
② 工場用地
公的工業団地は、兵庫県土地開発公社が開発した加西工業団地、鎮岩工業団地、加西南産業団地、
加西東産業団地の 4 つがある。
なお、加西南産業団地と加西東産業団地は兵庫県の産業集積促進地区に、鎮岩工業団地は同じく
産業活力再生地区に指定されており、兵庫県もこれらの地域への企業誘致に努めている。
今後は、集積区域内の企業の更なる事業拡張が図れるよう努めていく。
【加西南産業団地】
・所在地 加西市網引町 (41.15ha)
【加西東産業団地】
・所在地 加西市常吉町 (14.57ha)
【鎮岩工業団地】
・所在地 加西市鎮岩町 (22.6ha)
【加西工業団地】
・所在地 加西市朝妻町 (34.5ha)
全ての工業・産業団地が、中国自動車道加西 IC と山陽自動車道加古川北 IC 双方に近く、大阪の
中心まで 60km というアクセスの良さを誇る。
③ 教育・研究機関
兵庫県内に優秀な理工学系の大学、高等専門学校等があり、優秀な人材が確保しやすいことなど
から、県内臨海部を中心に国・県の公設施設をはじめ数多くの試験研究機関が設立されている。
また、市内には、兵庫県立農業大学校、兵庫県立播磨農業高校、神戸大学大学院農学研究科附属
食資源教育研究センター、兵庫県立農林水産技術総合センター等、特に農業関係の教育研究機関が
多いが、農業技術の研究に留まらず、第 2 次産業に応用可能なバイオテクノロジー等の技術研究が
行われ、様々な産業での実用化が進んでいる。
一方、加西市近隣の工業系高校としては、30 分圏内に、平成 25 年 7 月にドイツで行われた技能
五輪国際大会の優勝者を輩出した兵庫県立小野工業高校、高校駅伝で何度も全国優勝している兵庫
県立西脇工業高校があり、加西市内から多くの生徒たちが通い、電気や機械といった専門的な技術
等の知識を修得した優秀な人材が輩出されている。卒業生の多くは地元の電気・機械関連企業へ就
職することから、当市においても同校の優秀な人材を容易に確保することができる。
さらに、近年加西市では、大学との連携強化を図っており、兵庫教育大学(子育て教育関係)、関
西大学(包括協定)などと各分野で協定を結び各分野における共同研究を進めている。加西商工会
議所等とも協力しながら、今後も様々な大学や研究機関等と工業技術等も含めた様々な分野での連
-3-
携を図っていく。
④ 情報環境
加西市では市街地、工業・産業団地にむけて民間通信事業者による超高速通信・光ブロードバン
ドサービスも提供されており、グローバルな市場競争を勝ち抜くための情報化戦略も可能である。
(目指す産業集積の概要について)
【環境貢献産業】
加西市は平成 25 年 3 月「加西市グリーンエナジーシティ構想」を制定し、
「地球に優しい環境都
市加西」の実現のため、新エネルギーなどの導入を進め、電力供給量の拡大を図る「創エネ」
、電力
のピークカットを図る「省エネ」、電力のピークシフトを図る「蓄エネ」の 3 つの取り組みを組み合
わせた「創省蓄エネ」を活用し、エネルギー自給力を高めることを推進している。
特に、鎮岩工業団地内においては、三洋電機㈱加西事業所が、環境対応車用リチウムイオン電池
の生産拠点として、平成 22 年秋に低炭素社会の実現に向けた次世代の環境配慮型工場「加西グリー
ンエナジーパーク」を開業している。この工場はエネルギーの効率的な活用を実証する実験場とし
て位置づけられるとともに、顧客への最適な省エネシステムを提案するショールームとしても活用
されている。今後も、このような環境意識が高く、環境事業に積極的に取り組んでいる環境貢献産
業を集積する。
【高度技術産業】
加西市は、三洋電機㈱の発祥の地であり、1947 年 2 月に三洋電機製作所北條工場で自転車用発電
ランプの製造を始められて以来の同社協力業者や部品メーカーが多くあり、今や各分野でのトップ
メーカーに成長し、大きく躍進している。市内 4 箇所の工業・産業団地においても、金属、電機・
一般部品製造業、食品製造業等を中心に高い技術力を持つ各種企業約 50 社が立地している。
これら企業は、長年培ってきた経験と確かな技術によって、環境対応車用リチウムイオン電池を
大量生産する最新鋭の高度な製造技術、搬送コンベアシステム、各種チエイン、ロボット部品にお
ける高度な技術を用いた全自動化、高度な生産管理システムの導入を実現しており、加西市への進
出を図ろうとする事業者はこれらを活用することが容易になる。また、自動車関連部品又はこれら
の工作機械の製造、鍛造における温間鍛造システムと温間・冷間ローリングシステム、金属加工や
精密機械における塑性加工技術といった様々な高度技術を有する企業も多数あることから、今後は、
これらの高度な技術による製品を用いた高精度・高付加価値の製造を行う市内既存企業の拡張支援
等を実施することで高度技術産業を市内 4 箇所の工業・産業団地を中心に集積を推進する。
(2)具体的な成果目標
現状
集積区域における集積業種
全体の付加価値額
計画終了後
803 億円
-4-
893 億円
伸び率
11.2%
(3)目標達成に向けたスケジュール
取組事項
(取組を行う者)
平成 26 年度
平成 27 年度
平成 28 年度
環境インフラ整備(加西市、兵庫県) (平成 26 年度~平成 30 年度)
人材・労働力確保のための諸施策
(平成 26 年度~平成 30 年度)
(加西市、兵庫県、加西商工会議所)
ものづくり人材の育成と技能・技術
(平成 26 年度~平成 30 年度)
の振興のための諸施策(加西市、兵
庫県、加西商工会議所等)
兵庫県立工業技術センターによる技
(平成 26 年度~平成 30 年度)
術開発への支援
ものづくり現場改善と産学交流の推
(平成 26 年度~平成 30 年度)
進(兵庫県)
市・県連携による企業誘致体制の強
(平成 26 年度~平成 30 年度)
化(加西市、兵庫県)
加西市産業振興促進条例、県産業集
(平成 26 年度~平成 30 年度)
積条例等による国内外企業の誘致
(加西市、兵庫県)
工場用地等の情報提供
(平成 26 年度~平成 30 年度)
(加西市、兵庫県)
資金調達・設備導入等の支援
(平成 26 年度~平成 30 年度)
(兵庫県)
商工業制度資金利子補給(加西市)
(平成 26 年度~平成 30 年度)
地域ブランドに対する支援
(平成 26 年度~平成 30 年度)
(加西市、兵庫県、加西商工会議所)
交通アクセス整備(加西市、兵庫県) (平成 26 年度~平成 30 年度)
-5-
平成 29 年度
平成 30 年度
2 集積区域として設定する区域
(区域)
加西市全域
設定する区域は、平成 20 年 1 月 1 日現在における行政区画により表示したものである。
ただし、集積区域は、以下の地域を除くものとする。
・自然公園法(昭和 32 年法律第 161 号)及び兵庫県立自然公園条例(昭和 38 年兵庫県条例第 80
号)に基づいて指定された自然公園
・自然環境保全法(昭和 47 年法律第 85 号)に基づく自然環境保保全基礎調査において環境省が選
-6-
定した特定植物群落
・日本の重要湿地 500(平成 14 年 2 月環境省)に指定された区域
・鳥獣の保護および狩猟の適正化に関する法律(平成 14 年法律第 88 号)に規定する鳥獣保護
区
・環境の保全と創造に関する条例(平成 7 年兵庫県条例第 28 号)に基づいて指定された自然環境
保全地域及び自然環境特別地区
(集積区域の可住地面積) 8,395ha
(集積区域に指定されている理由)
加西市は、平成の大合併が始まった平成 11 年をさかのぼること 32 年前、昭和 42 年 4 月に加西郡
の泉町・加西町・北条町の 3 町が合併して誕生した市であり、平成 25 年度をもって市制施行 45 周
年を迎えた。
古くからの自然的経済的社会的条件から見た一体性に加え、市制施行 45 年を経て産業基盤は一層
のつながりを強めており、豊富な農産物を背景とした第一次産業から製造業を中心とする第二次産
業、商業などの第三次産業まで広範囲にわたる産業基盤があり、4 つの産業・工業団地を中心に大
企業の事業所と中小企業が区域一帯に広く立地している。このため、市域全域を集積区域として指
定し、産業集積の形成及び活性化を図ることとする。
3 集積区域の区域内において特に重点的に企業立地を図るべき区域
(区域)加西南産業団地、加西東産業団地、鎮岩工業団地、加西工業団地
(※集積区域図参照、※地番別添資料参照)
設定する区域は、平成 25 年 1 月 1 日現在における地番により表示したものである。
4 工場立地法の特例措置を実施しようとする場合にあっては、その旨及び当該特例措置の実施によ
り期待される産業集積の形成又は産業集積の活性化の効果
現在のところ予定していない。
5 集積業種として指定する業種(以下「指定集積業種」という。)
(1) 業種名
(業種名又は産業名)
【環境貢献産業】
(日本標準産業分類上の業種名)
10 飲料・たばこ・飼料製造業 (酒類・たばこ製造業を除く)
12 木材・木製品製造業
13 家具・装備品製造業
-7-
14 パルプ・紙・紙加工品製造業
15 印刷・同関連業
16 化学工業(塩製造業を除く)
18 プラスチック製品製造業
19 ゴム製品製造業
22 鉄鋼業
23 非鉄金属製造業
24 金属製品製造業
25 はん用機械器具製造業
26 生産用機械器具製造業
27 業務用機械器具製造業
28 電子部品・デバイス・電子回路製造業
29 電気機械器具製造業
30 情報通信機械器具製造業
31 輸送用機械器具製造業(鉄道車両・船舶製造業を除く)
44 道路貨物運送業
47 倉庫業
(業種名又は産業名)
【高度技術産業】
(日本標準産業分類上の業種名)
09 食料品製造業
10 飲料・たばこ・飼料製造業(酒類・たばこ製造業を除く)
11 繊維工業
12 木材・木製品製造業
13 家具・装備品製造業
14 パルプ・紙・紙加工品製造業
15 印刷・同関連業
16 化学工業(塩製造業を除く)
18 プラスチック製品製造業
19 ゴム製品製造業
22 鉄鋼業
23 非鉄金属製造業
24 金属製品製造業
25 はん用機械器具製造業
26 生産用機械器具製造業
27 業務用機械器具製造業
28 電子部品・デバイス・電子回路製造業
29 電気機械器具製造業
30 情報通信機械器具製造業
31 輸送用機械器具製造業(鉄道車両・船舶製造を除く)
(2) (1)の業種を指定した理由
【環境貢献産業】
加西市は平成 25 年 3 月「加西市グリーンエナジーシティ構想」を制定し、
「地球に優しい環境
都市加西」の実現のため、新エネルギーなどの導入を進め、電力供給量の拡大を図る「創エネ」
、
電力のピークカットを図る「省エネ」、電力のピークシフトを図る「蓄エネ」の 3 つの取り組みを
組み合わせた「創省蓄エネ」を活用し、エネルギー自給力を高めようとしている。
本構想にある具体的な取組みとして、既に鎮岩工業団地内の三洋電機㈱加西事業所が、低炭素
社会の実現に向けた次世代の環境配慮型工場「加西グリーンエナジーパーク」として 1.0MW のメ
ガソーラー及び 1.5MWh のリチウムイオン電池のメガバッテリーを設置し、
「創エネ」と「蓄エネ」
を組み合わせた先進技術の実証実験を行っている。平成 24 年 7 月から電力固定価格制度が開始さ
れてからは、市内 2 箇所にメガソーラーが建設され、現在計 3 箇所で発電容量合計約 8MW の施設
-8-
が稼動している。平成 25 年度からは加西市において住宅用太陽光発電システムの設置に対する補
助制度も開始している。
また、加西市では「創エネ」と「省エネ」を組み合わせたソーラーLED 街路灯が市道に設置さ
れただけでなく、平成 25 年中に市内の約 3,000 基の防犯灯を LED 防犯灯に更新し、消費電力量の
削減とランプの高寿命化を図り、低炭素型社会の構築を推進している。
その他、学校校舎等の公共施設には太陽光発電システムと蓄電池が設置され、北条鉄道北条町
駅には市内観光の移動手段として、創エネに利便性が付加した電動アシスト自転車が常設されて
いる。なお、この自転車のバッテリー電源は、駐輪場とプラットホームの屋根にある太陽光発電
による電力を利用している。
この構想はまだ緒についたばかりだが、身近な生活空間におけるエネルギーを自給できる「ま
ちづくり」を実現するため、先の加西市独自の取り組みを通して、新エネルギーに関わる技術革
新、新産業の育成・支援を進め、今後も環境意識が高く、環境事業に積極的に取り組んでいる環
境貢献産業を集積する。
【高度技術産業】
加西市は、三洋電機㈱の発祥の地であり、1947 年 2 月に三洋電機製作所北條工場で自転車用発
電ランプの製造を始められて以来の同社協力業者や部品メーカーが多くあり、今や各分野でのト
ップメーカーに成長し、大きく躍進している。市内 4 箇所の工業・産業団地においても、金属、
電機・一般部品製造業、食品製造業等を中心に高い技術力を持つ各種企業約 50 社が立地している。
これら企業は、長年培ってきた経験と確かな技術によって、環境対応車用リチウムイオン電池
を大量生産する最新鋭の高度な製造技術、搬送コンベアシステム、各種チエイン・ロボット部品
における高度な技術を用いた全自動化、高度な生産管理システムの導入を実現しており、加西市
への進出を図ろうとする事業者はこれらを活用することが容易になる。また、自動車関連部品又
はこれらの工作機械の製造、鍛造における温間鍛造システムと温間・冷間ローリングシステム、
金属加工や精密機械における塑性加工技術といった様々な高度技術を有する企業も多数あること
から、今後は、これらの高度な技術による製品を用いた高精度・高付加価値の製造を行う市内既
存企業の拡張支援等を実施することで高度技術産業を市内 4 箇所の工業・産業団地を中心に集積
を推進する。
6 指定集積業種に属する事業者の企業立地及び事業高度化の目標
目標数値
指定集積業種の企業立地件数
7社
指定集積業種の製品出荷額等の増加額
144 億円
指定集積業種の新規雇用創出件数
267 人
-9-
7 工場又は事業場、工場用地又は業務用地、研究開発のための施設又は研修施設その他の事業のた
めの施設の整備(既存の施設の活用を含む。)、高度な知識又は技術を有する人材の育成その他の
円滑な企業立地及び事業高度化のための事業環境の整備の事業を実施する者及び当該事業の内容
円滑な企業立地及び事業高度化のための事業環境の整備の事業を実施する者及び当該事業の内容
(産業用共用施設の整備等に関する事項)
(1)環境インフラの整備(加西市、兵庫県)
・既存の 4 つの産業・工業団地(加西工業団地・鎮岩工業団地・加西南産業団地・加西東産業
団地)内の上下水道、電気・通信網の更なる充実はもとより、公園等の維持管理に努める。
・今後新たな工場用地の需要が見込まれる中、新規工業用地の開発を視野に入れた第 5 次加西
市総合計画(平成 23 年~平成 32 年)及び加西市国土利用計画(平成 24 年~平成 33 年)が
策定された。
・既存の産業・工業団地の残区画が少ない中、今後は平成 14 年に創設された兵庫県特別指定区
域制度等を活用し、加西市都市計画マスタープランで位置付けた土地利用促進地区を中心に、
建築制限の緩和による企業立地の促進を図る。
具体的には、「既存事業所の拡張区域」「地域振興のための工場区域」の指定と、既に産業施
設が点在し、地域の特性から将来的に施設集積していく区域を目的型特別指定区域に位置付
けていく。
(人材の育成・確保に関する事項)
(1)人材・労働力確保のための諸施策(加西市、兵庫県、加西商工会議所)
加西市では、県、地域経済団体、自治会、管内ハローワーク等の関係機関のネットワーク化
により、立地検討企業への積極的な人材・労働力に関する情報提供を行うほか、加西市雇用開
発福祉協議会による就職ナビサイトへの市内企業の掲載や企業説明会・面接会の実施、地域求
人情報の集約と U ターン・I ターン就職希望者に対するタイムリーな情報提供等、地域雇用開
発促進のための措置を実施することにより、地域における人材確保の円滑化を図る。
また、平成 26 年 1 月から、加西市ふるさとハローワークが駅前再開発ビル内に開設されるが、
今後この施設を加西市の雇用政策の拠点とし、これまで以上に立地検討企業への人材・労働力
に関する情報提供を実施する。
(2)ものづくり人材の育成と技能・技術の振興のための諸施策(加西市、兵庫県)
集積産業を支える企業の技術者や技能者を育成するため、隣接する姫路市にある「ものづく
り大学校」等を活用し、①ものづくり体験・学習を通じて青少年の理解と意識を高めるととも
に、②技術・技能の継承やものづくり現場を支える人材の育成・供給等を図る。
また、ひょうごものづくり技術大賞、兵庫県技能顕功賞、ひょうごの匠の認定、又加西市技
能顕功賞等による技能者の顕彰により、技能労働者の地位及び技能水準の向上を図る。
(技術支援等に関する事項)
(1)ものづくり技術の高度化の推進(兵庫県)
- 10 -
①兵庫県立工業技術センターによる技術開発への支援
・中小企業の技術力向上への支援
中小企業のものづくり基盤技術の向上を図るため、県立工業技術センターにおいて、技術
相談や技術研究開発支援、技術者育成等に取り組む。
・県立工業技術センターの機能強化
中小企業の技術開発ニーズに加え、本県の基幹産業の基盤的技術ニーズに対応した企業、
大学等との共同研究等に取り組むため、県立工業技術センターを先端技術研究開発機器や
産学連携・交流機能を有した開放型の支援施設として整備を進める。
・兵庫県工業技術振興協議会による技術交流・研究開発の推進
中堅・中小企業の技術振興を図るため、淡路瓦技術研究会をはじめ業種別に 15 の研究技術
団体を組織し、異業種間の情報の交換、大学や県立工業技術センターとの技術交流等を推
進する。
②ものづくり現場改善と産学交流の推進
・ものづくり現場の改善への支援
中小企業におけるものづくり現場の改善を促進し、品質基準や生産性、収益性等の向上を
図る。
・異分野提携への支援
異分野間の産学官連携を促進することにより、ものづくり産業の新たなビジネスチャンス
の開拓と競争力の強化を図る。
(その他の円滑な企業立地及び事業高度化のための事業環境の整備に関する事項)
(1)市・県連携による企業誘致体制の強化(加西市、兵庫県)
加西市では、市内への企業誘致を重点的に進めるため、地域振興部商工観光課において企業
誘致マニュアルの作成を行い、農地転用、道路占用、開発行為、工場設置届等、各種行政手続
きに協力することにより企業立地の迅速化を図る。
今後、企業進出に伴う諸手続きの一層の円滑化と迅速化を図るため、市・県の更なる連携強
化を図る。
(2)加西市産業振興促進条例、県産業集積条例等による国内外企業の誘致(加西市、兵庫県)
加西市では、産業奨励金制度や固定資産税の課税免除制度を設け、立地企業に対して積極的
な支援を行っている。
また、加西南・東産業団地は兵庫県産業集積条例の産業集積促進地区に、鎮岩工業団地は同
条例の産業活力再生地区に指定されており、条例認定した企業に対しては、不動産取得税の不
均一課税や設備投資及び雇用に対する補助金、低利融資等の優遇措置を実施している。
今後さらに、県の優遇政策との連携を図り、立地企業への支援を充実させていく。
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根拠条例 優遇措置
加西市
根拠条例
優遇制度
加西市産業振興促進条例
○産業奨励金の交付
(平成 3 年 3 月 25 日条例第6
産業団地:固定資産税相当額(5 年間)
、年間
号)
水道使用料の 2000 立米を超える分にかかる
使用料の半額(10 年間)
その他の地域:固定資産税相当額の 4 分の 3(5
年間)、年間水道使用料の 6000 立米を超える
分に係る使用料の半額(5 年間)
加西市企業立地の促進等による
○固定資産税の課税免除
地域における産業集積の形成及 ・土地・家屋・構築物にかかる固定資産税の課
び活性化のための固定資産税の
税を免除(3 年間)
課税免除に関する条例
(平成 21 年 12 月 21 日条例第
35 号)
兵庫県
産業の集積による経済及び雇用
○不動産取得税の不均一課税(土地建物にかか
の活性化に関する条例
る不動産取得税の 1/2 軽減・2 億円限度)
(平成 14 年 4 月 1 日条例第 20
○新事業・雇用創出型産業集積促進補助金
号)
・ 新規地元雇用に対する補助(5 千万円以上
※加西市では、加西南産業団地、
の設備投資(土地を除く)を行い 11 人以
加西東産業団地、鎮岩工業団地
上の新規地元雇用を行う場合に 30 万円/
が対象
人)
・ 設備投資補助(20 億円以上の設備投資(土
地を除く)の 3%以内)
・ 新エネルギー設備に関する補助(5 千万円
以上の設備投資(土地を除く)の 1/2 で 3
億円を限度)
・ 研究開発型企業向け設備投資補助(5 億円
以上の設備投資(土地を除く)の 3%以内)
○拠点地区進出貸付(地元雇用 11 人以上、100
億円を限度、利率 1.00%(固定)、15 年以内(据
置 2 年以内))
(3)工場用地等の情報提供(加西市、兵庫県)
加西市及び兵庫県、兵庫県土地開発公社等が連携して誘致体制の強化、工場適地や遊休地等
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の情報、さらに進出の際に必要な様々な現地情報等の提供、進出相談など国内外の企業立地を
支援する。
また、立地決定後の資材調達、人材確保、行政手続き等、稼動までの様々な諸問題に、県・
市・地元商工会議所・民間企業が一体となったワンストップサービスの体制で支援を行う。
(4)資金調達・設備導入等の支援(兵庫県)
兵庫県では、中小企業新事業活動促進法に基づく経営革新計画の承認取得等を支援するとと
もに、承認を受けた企業等が行う革新性の高いモデル的な取組を後押しするため、無利子の資
金貸付等を行う。
また、兵庫県や(公財)ひょうご産業活性化センターでは、新規事業や事業拡大等に取組む中
小企業の円滑な資金調達・設備導入等を支援するため、中小企業を対象とする融資・設備貸与
等の各種制度を設けている。
(5)商工業制度資金利子補給(加西市)
加西市では商工業者等が融資を受けた制度資金(運転資金及び無利子資金を除く。)に対して
利子補給を行い、商工業者等の経営の近代化を支援する。
(6)地域ブランドに対する支援(加西市、兵庫県、加西商工会議所)
加西市、加西商工会議所、兵庫みらい農業協同組合の三者が協定を結び、平成 19 年に加西ブ
ランド協議会を立ち上げ、加西独自の工業製品、加工品、農産物、特産品を市民レベルで掘り
起こすべく、現在各部門でブランド化に向けた研究を重ねている。
また、兵庫県では地域ブランドの確立等に向けた地場産業支援の各種補助制度を設けている。
(7)交通アクセス整備(加西市、兵庫県)
既存の4つの産業・工業団地(加西工業団地・鎮岩工業団地・加西南産業団地・加西東産業
団地)と、中国自動車加西 IC 並びに山陽自動車道加古川北 IC のダブルアクセスの更なる強化
を図るべく、両 IC を結び加西市、西脇市、多可町、丹波市を経て北近畿豊岡自動車道に通じる
広域幹線道路整備として地域の活性化を図る最重要路線と位置づけられる「北播磨ハイラン
ド・ふるさと街道」を県との連携のもと整備を進めている。加えて関連市道等の改良・整備に
努める。
8 環境の保全その他産業集積の形成又は産業集積の活性化に際して配慮すべき事項
(環境の保全について)
加西市では、加西市民の美しい環境をまもる条例(平成 16 年加西市条例第 16 号)により、事
業地内の自然緑地の確保に努める、又は樹木及び草花の植栽を行う等緑化推進に積極的に努めな
ければならない。
そのほか、企業立地に際しては、地域住民の理解が得られるよう、必要に応じて地域住民等へ
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の説明会を開催するほか、大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、悪臭等の公害を防止するため、立
地企業、地元、市の三者が公害防止協定を締結するなど、環境の保全に取り組むものとする。
兵庫県において、花と緑に関する取組の方向性を示す総合計画として平成 19 年 7 月に策定され
た「ひょうご花緑創造プラン」
(目標年度:平成 27 年度)に基づき、緑の量の創出や質の向上、
県民の主体的参画による緑化の推進等の取り組みを総合的に推進している。
また、県民による緑化活動のより一層の普及を図るため、緑化活動に興味を有する県民や実践
者等を対象にしたセミナーの開催や普及啓発を行うほか、環境の保全と創造に関する条例に基づ
き、工場等の新設等を行う者に対する緑化の届出制度を義務付け、その指導に努めている。加え
て屋上緑化やグリーンパーキング等の事業への補助も実施している。
さらに、加西市では平成 25 年 4 月に生物多様性基本法(平成 20 年法律第 58 号)に基づき「生
物多様性かさい戦略」を策定し、緑化の際における地域の生物多様性への配慮を推進している。
(安全な市民生活の確保について)
(1)兵庫県では、県民一人ひとりが、自らの安全の確保に対する意識を高めることはもとより、県
民、地縁団体等、事業者がともに連携し地域の絆を一層高め、地域ぐるみで犯罪を防止するた
めの活動その他安全で快適な暮らしを実現するため、平成 18 年 4 月に「地域安全まちづくり
条例」を施行したところである。この条例の趣旨を踏まえ、企業立地を通じた地域の産業集積
によって、犯罪及び事故を増加させ、又は地域の安全と平穏を害することのないようにするた
め、住民の理解を得ながら次の取り組みを推進する。
①防犯に配慮した環境の整備
道路、公園等の公共空間における犯罪を防止するため、防犯灯、街路灯等を設置する。
道路、公園、事業所等における植栽の適切な配置により見通しを確保する。
② 業所における防犯設備等の整備
事業所内外に防犯カメラや防犯ベル等の緊急通達装置を設置するほか、防犯マニュアルの策定、
防犯設備の点検整備を実施する。
③ 防犯責任者の設置
事業所ごとに防犯責任者を設置し、防犯マニュアルの整備、定期的な防犯訓練を実施する等防
犯体制を整備する。
④ 暴力団の排除
暴力団に対して利益の供与をしないことや、利用しないことで暴力団による不当な影響を排除
する。
⑤ 警察への通報体制の整備
犯罪や交通事故等が発生した場合の通報体制を整備する。
⑥ 地域住民との連携
地域住民が行う自主防犯ボランティア活動等へ参加・協力する。
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(2)企業立地にあたって、加西東・南産業団地、鎮岩工業団地においては地区計画を策定しており、
歩行者の安全確保のための出入り口の制限、路上駐車対策としての敷地内駐車設備等の項目が
あり、それらの履行を通じて住民生活の安全確保を図っている。
(3)今後とも、上記の事業を実施していくとともに、兵庫県警察本部、加西警察署、加西市防犯協
会等と連携を図りながら、安全で安心して暮らすことができる社会の実現を図っていく。
9 法第5条第2項第3号に規定する区域における同項第7号の施設の整備が、農用地等として利用さ
れている土地において行われる場合にあっては、当該土地を農用地等以外の用途に供するために行
う土地の利用の調整に関する事項
該当なし。
10 計画期間
本計画の計画期間は、同意の日から平成 30 年度末日までとする。
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