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2 - 国立環境研究所

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2 - 国立環境研究所
一般財団法人化学物質評価研究機構
[対象媒体:水質]
イソプロペニルベンゼン
Isopropenylbenzene
IUPAC 名:イソプロペニルベンゼン
別名:α-メチルスチレン、1-メチルエテニルベンゼン、2-フェニルプロピレン、
メチルスチレン
α-Methylstyrene, 1-Metylethenylbenzene, 2-Phenylpropylene, Methylstyrene
シクロヘキサン
Cyclohexane
IUPAC 名:シクロヘキサン
別名:ヘキサナフテン、ヘキサヒドロベンゼン、ヘキサメチレン
Hexanaphthene, Hexahydrobenzene, Hexamethylene
【対象物質の構造】
シクロヘキサン
CAS 番号:110-82-7
分子式:C6H12
イソプロペニルベンゼン
CAS 番号:98-83-9
分子式:C9H10
【物理化学的性状】
項目
イソプロペニルベンゼン
1)
分子量
分子量(モノアイソトピック質量)
沸点
融点
118.17
118.0782503
165.4°C 2)
-23.2°C 2)
蒸気密度
蒸気圧
水溶解性
log Pow
4.07(空気=1)2)
0.4 kPa (25°C)2)
560ppm (25°C) 2)
3.48 2)
33
シクロヘキサン
84.18 1)
84.09390038
80.7°C 2)
6.47°C2)
2.9 1)
133 hPa(60.8°C)1)
0.0052%(23.5°C)2)
3.44 2)
【毒性】
イソプロペニルベンゼン 2)
環境中
生分解性
運命
好気的生分解(化審法):難分解性と判定
好気的生分解(その他):生分解され難いが、
特定の微生物により生分解される可能性があ
る。
生物濃縮性
濃縮性がない又は低いと判定(化審法)
生物濃縮係数 BCF:15-140 (0.3 mg/L)(コイ)
オクタノール/水分配係数 log Kow: 3.48(測定値)
環境影響
藻類に関する
毒性
急性:72 時間 EC50:6.88 mg/L(生育速度)・2.56
mg/L(バイオマス)(セレナストラム生育阻害
淡水
OECDTG201)
慢性:72 時間 NOEC:0.396 mg/L(生育速度)・
0.172 mg/L(バイオマス)(セレナストラム生育
阻害
無脊椎動物に
関する毒性
淡水
OECDTG201)
急性:48 時間 EC50:2.62 mg/L(オオミジンコ遊
淡水 OECDTG202 GLP)
泳阻害
慢性:21 日間 NOEC:0.401 mg/L(オオミジンコ
繁殖阻害
魚類に対する
毒性
健康影響
急性毒性
刺激性及び腐
食性
淡水 OECDTG211 GLP)
急性:96 時間 LC50:7.28 mg/L(メダカ
OECDTG203
淡水
GLP)
経口:LD50:4500 mg/kg(マウス)、4900-5900 mg/kg
(ラット)
吸入:LCL0:3000ppm(14490 mg/m3)(モルモット
6 時間)
経皮:3160 mg/kg 以上で、自発運動の低下、摂餌
量減少、軽度の体重増加抑制がみられ、7940 mg/kg
群では 4 日後に 1/1 例が死亡(ウサギ 3160、5010、
7940 mg/kg を経皮投与)
備考:ヒト関連情報(7.2 章「疫学調査及び事例」
参照
皮膚:腐食性あり(ウサギ 24 時間 0.5 mL ドレイ
ズ法)
眼:軽度の刺激性を有する(ウサギ 1 時間 0.1 mL
ドレイズ法)
備考:ヒト関連情報(7.2 章「疫学調査及び事例」
参照
34
経口:NOAEL:40 mg/kg/日(NOEL:40 mg/kg/
日)(ラット雄:交配 14 日前から 43 日間 雌:
交配 14 日前からほ育 3 日目まで強制経口 雄雌の
肝臓・腎臓の絶対相対重量増加、肝細胞の好酸性
変 化 、 雄 の ALT 上 昇 、 雌 の 胸 腺 の 萎 縮
OECDTG421)
吸入:LOAEL:75ppm(368 mg/m3)(マウス雄雌 6
時間/日 5 日/週 13 週 雄雌 鼻部粘液分泌腺の
萎縮及び過形成、嗅上皮の萎縮及び化生、雌 体
重増加抑制)
備考:ヒト関連情報(7.2 章「疫学調査及び事例」
参照
生殖・発生毒性 NOAEL:1000 mg/kg/日以上(ラット雄:交配 14
日前から 43 日間 雌:交配 14 日前からほ育 3 日
前まで強制経口 生殖・発生毒性は最高用量でも
みられていないと判断 OECDTG422)
遺伝毒性
遺伝毒性を有さないと考えられる
in vitro 及び in vivo 試験報告あり
発がん性
(結論の記述なし)
実験動物に対する発がん性試験報告あり
反復投与毒性
発がん性 2)
評価機関
IARC
ACGIH
評価内容
評価ランク:2B;ヒトに対して発がん性を示す可能性がある
A3: 動物に対して発がん性が確認された物質であるが、ヒトへ
の関連性は不明な物質
シクロヘキサン 3)
健康影響
急性毒性
発がん性 2)
評価機関
EPA
経口:LD50:12705 mg/kg(ラット)
評価内容
評価ランク(1999):Data are inadequate for an assessment of human
carcinogenic potential: 発がん性評価には情報が不十分な物質
【用途】
イソプロペニルベンゼン 3)
ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂の耐熱・耐衝撃性の強化
剤、ABS 樹脂の耐熱・耐衝撃性強化用改質剤
35
シクロヘキサン 2)
シクロヘキサノン(カプロラクタム原料)・アジピン酸原料、有機溶剤
出典
1) Webkis-plus(化学物質データベース)(http://db-out.nies.go.jp/kis-plus/)
2) 独立行政法人製品評価技術基盤機構:化学物質総合情報提供システム(CHRIP)
( http://www.safe.nite.go.jp/japan/db.html )
3) 神奈川県化学物質安全情報提供システム(kis-net)
( http://www.k-erc.pref.kanagawa.jp/kisnet/ )
§1
分析法
(1) 分析法の概要
水質試料に内標準物質を添加し、パージ・トラップ-GC/MS-SIM 法で測定する。
(2) 試薬・器具
【試薬】(注 1)
イソプロペニルベンゼン
イソプロペニルベンゼン-d10
シクロヘキサン
シクロヘキサン-d12
メタノール
アセトン
精製水
:和光純薬工業製 特級(純度 98.0%)
:CDN 製
:和光純薬工業製 特級(純度 99.5%)
:ALDRICH 製(純度 99.6%)
:和光純薬工業製 トリハロメタン測定用
:関東化学工業製 残留農薬・PCB 用
:ミネラルウォーター(ボルビック)(注 2)
【標準液の調製】
〔標準液〕
イソプロペニルベンゼン及びシクロヘキサン各 50.0 mg をあらかじめメタノ
ールを約 40 mL 入れた 50 mL メスフラスコに量り取り、メタノールを加えて定
容し、1000 μg/mL の混合標準原液とする。
〔内標準液〕
36
イソプロペニルベンゼン-d10 及びシクロヘキサン-d12 各 50.0 mg をあらかじめメ
タノールを約 40 mL 入れておいた 50 mL メスフラスコに量り取り、メタノール
を加えて定容し、1000 μg/mL の混合内標準原液とする。混合内標準原液をメタ
ノールで希釈して、12.5 μg/mL の混合内標準液を調製する。
〔検量線用標準液〕
1000 μg/mL 混合標準原液をメタノールで順次希釈し、検量線用標準液を調製
する。検量線用標準液の各濃度は、0.250 ∼ 50.0 μg/mL とする。各濃度の検量
線用標準液には、イソプロペニルベンゼン-d10、シクロヘキサン-d12 の濃度が 12.5
μg/mL となるように混合内標準液を添加する。
【器具】
マイクロシリンジ
バイアル
:内標準の添加に用いる(注 3)。
:VOC 測定用(内容量 40 mL)
(3) 分析法
【試料の採取及び保存等】
「化学物質環境実態調査実施の手引き」(平成 21 年 3 月)の「試料の採取及
び検体の調製等」に従って採取する。特に、揮発性有機物質の分析試料の採取
方法に従って、気泡が入らないように採取し、試料搬入後は速やかに分析する。
【試料の前処理及び試験液の調製】
50 mL メスフラスコに水質試料を気泡が入らないよう入れて標線に合わせ、混
合内標準液(12.5 μg/mL) 2.00 μL を添加し、ゆるやかに混合する。これをバイア
ルに気泡が入らないように入れて満水にし、試験液とする。
【空試験液の調製】
試料水と同量の精製水を用い、
【試料の前処理及び試験液の調製】の項に従っ
て操作し、得られた試験液を空試験液とする。
【測定】
〔GC/MS 測定条件〕
GC/MS 機器
カラム
:GCMS-QP2010 Ultra(島津製作所製)
:DB-624(Agilent 製)
60 m × 0.25 mm, 0.50 μm
37
昇温条件
注入法
キャリヤーガス
インターフェース温度
イオン源温度
イオン化法
イオン化電圧
検出モード
モニターイオン
:35°C (7 min) → 5°C /min → 90°C → 20°C /min→
230°C (5 min)
:ダイレクト
:2.5 mL/min(定流量)
:230°C
:200°C
:電子イオン化法 (EI)
:70 eV
:Selected Ion Monitoring (SIM)
:イソプロペニルベンゼン
(定量)m/z 118.0(確認)m/z 117.0
:シクロヘキサン
(定量)m/z 56.0 (確認)m/z 84.0
:イソプロペニルベンゼン-d10
(定量)m/z 128.0(確認)m/z 126.0
:シクロヘキサン-d12
(定量)m/z 64.0 (確認)m/z 96.0
〔パージ・トラップ測定条件〕
装置
:AQUA PT 5000J PLUS(GL サイエンス製)
クライオフォーカス
:あり
フォーカス温度:-100°C、インジェクト時間:2 min
インジェクト温度:200°C、スタンバイ温度:150°C
塩析
:なし
:AQUA-TRAP1(GL サイエンス製)
吸着管
:100 kPa
キャリア圧力
バルブ温度
トランスファー温度
マウント温度
パージ温度
パージ時間
パージ流量
ドライパージ時間
ドライパージ温度
ドライパージ流量
ディソーブ温度
:150°C
:150°C
:60°C
:加温なし
:6 min
:40 mL/min
:3 min
:20°C
:40 mL/min
:225°C
38
ディソーブ時間
パージ試料量
:6 min
:5 mL
〔検量線〕
50 mL メスフラスコに精製水を入れて標線に合わせ、検量線用標準液(内標準
物質 12.5 μg/mL)2.00 μL を添加し、ゆるやかに混合する。これをバイアルに気
泡が入らないように入れて満水にし、パージ・トラップ-GC/MS 装置に導入し、
対象物質と内標準物質の濃度比及び得られたピーク面積比から検量線を作成す
る。
〔定量〕
試験液をパージ・トラップ-GC/MS に導入し、得られた対象物質のピーク面積
と内標準物質のピーク面積の比を検量線に照らして定量する。
〔濃度の算出〕
試料水中濃度 C (ng/L) は次式により算出する。
C =R・Q/V
R : 検量線から求めた内標準物質濃度に対する対象物質濃度の比
Q : 試料中に添加した内標準の量 (ng)
(= 添加する内標準の濃度 (ng/μL) × 添加する内標準の容量 (μL))
V : 試料水量 (L)
本分析法に従った場合、以下の数値を使用する。
Q = 25.0 (ng)
(= 添加内標準の濃度 (12.5 ng/μL) × 添加内標準の容量 (2.00 μL))
V = 0.0500 (L)
即ち、
C = R × 500 (ng/L)
である。
〔装置検出下限値(IDL)〕
本分析に用いたパージ・トラップ-GC/MS の IDL を表 1 に示す(注 4)。
39
表1
IDL の算出結果
IDL
(ng/mL)
試料量
(L)
最終液量
(mL)
IDL 試料換算値
(ng/L)
イソプロペニル
ベンゼン
0.00070
0.050
50
0.70
シクロヘキサン
0.0011
0.050
50
1.1
物質名
〔測定方法の検出下限値(MDL)及び定量下限値(MQL)〕
本測定方法における MDL 及び MQL を表 2 に示す(注 5)。
表2
物質名
イソプロペニルベンゼン
シクロヘキサン
MDL 及び MQL の算出結果
試料量
最終液量
媒体名
(L)
(mL)
水質
0.050
50
MDL
(μg/L)
0.00052
MQL
(μg/L)
0.0013
0.050
0.0011
0.0029
水質
注
50
解
(注 1)ここで示す製品は実際に使用した商品を掲げたが、これらを推奨するわ
けではなく、これらと同等以上の品質、性能のものを用いても問題ない。
(注 2)使用前に空試験を行い、ブランクが検出されないことを確認する。
(注 3)吐出誤差 2%以下であることをあらかじめ確認しておくことが望ましい。
精度を保証するため、校正されたデジタルマイクロシリンジや検量証明
書付きマイクロシリンジの使用が有効である。例として SGE 製があるが
推奨するものではない。
(注 4)IDL は、「化学物質環境実態調査実施の手引き」(平成 21 年 3 月)に準
じて、以下の表 3 のとおり算出した。
40
表3
対象物質名
IDL の算出結果
イソプロペニルベンゼン
シクロヘキサン
試料量 (L)
注入液濃度 (ng/mL)
0.0500
0.0113
0.0500
0.0100
結果 1 (ng/mL)
結果 2 (ng/mL)
結果 3 (ng/mL)
結果 4 (ng/mL)
結果 5 (ng/mL)
結果 6 (ng/mL)
結果 7 (ng/mL)
0.0116
0.0112
0.0111
0.0112
0.0112
0.0110
0.0111
0.00977
0.00982
0.00996
0.00924
0.00984
0.00967
0.00933
平均値 (ng/mL)
0.01119
0.009662
標準偏差 (ng/mL)
IDL (ng/mL)*
IDL 試料換算値 (ng/L)
S/N 比
CV (%)
0.000181
0.00070
0.70
8.3
1.6
0.000273
0.0011
1.1
17.8
2.8
アバンダンス
(x100)
7.0
118.00
117.00
6.0
5.0
24.758
*: IDL = t (n-1, 0.05) × σn-1 × 2
m/z 118(定量用)
m/z 117(確認用)
4.0
3.0
2.0
1.0
時間→
22.0
23.0
24.0
25.0
図 1-1
IDL 測定時 (0.0113 ng/mL) イソプロペニルベンゼンのクロマトグラム
41
26.0
27.0
1.75
(x10,000)
128.00
126.00
24.689
アバンダンス
m/z 128(定量用)
1.50
1.25
1.00
m/z 126(確認用)
0.75
0.50
0.25
22.0
23.0
図 1-2
アバンダンス
1.50
24.0
25.0
27.0
IDL 測定時 (0.500 ng/mL) イソプロペニルベンゼン-d10
のクロマトグラム
(x100)
56.00
84.00
1.25
26.0
13.523
時間→
m/z 56(定量用)
1.00
0.75
m/z 84(確認用)
0.50
0.25
11.0
図 1-3
アバンダンス
3.5
12.0
13.0
16.0
m/z 96(確認用)
m/z 64(定量用)
2.5
15.0
IDL 測定時 (0.0100 ng/mL) シクロヘキサンのクロマトグラム
(x1,000)
64.00
96.00
3.0
14.0
13.118
時間→
2.0
1.5
1.0
0.5
時間→
11.0
12.0
13.0
14.0
15.0
16.0
図 1-4 IDL 測定時 (0.500 ng/mL) シクロヘキサン-d12 のクロマトグラム
42
(注 5)MDL 及び MQL は、
「化学物質環境実態調査実施の手引き」
(平成 21 年
3 月)に準じて、以下の表 4 のとおり算出した。
表4
対象物質名
試料
試料量 (L)
標準添加量 (ng)
最終液量 (L)
操作ブランク平均 (μg/L) *1
無添加平均 (μg/L) *2
結果 1 (μg/L)
結果 2 (μg/L)
結果 3 (μg/L)
結果 4 (μg/L)
結果 5 (μg/L)
結果 6 (μg/L)
結果 7 (μg/L)
平均値 (μg/L)
標準偏差 (μg/L)
MDL (μg/L) *3
MQL (μg/L) *4
S/N 比
CV (%)
MDL 及び MQL の算出
イソプロペニルベンゼン
河川水
0.0500
0.563
0.0500
< 0.00052
< 0.00052
0.0107
0.0110
0.0107
0.0111
0.0110
0.0110
0.0110
0.01092
0.000135
0.00052
0.0013
28
1.2
シクロヘキサン
河川水
0.0500
0.500
0.0500
< 0.0011
0.00208
0.0108
0.0109
0.0116
0.0113
0.0111
0.0115
0.0111
0.01119
0.000287
0.0011
0.0029
12
2.6
*1: 試料マトリクスのみがない状態で他は同様の操作を行い測定した値の平均値 (n = 2)
*2: MDL 算出用試料に標準を添加していない状態で含まれる濃度の平均値
(n=2)
*3: MDL = t (n-1, 0.05) × σn-1 × 2
*4: MQL =σn-1 × 10
43
24.757
アバンダンス (x100)
7.0
118.00
117.00
6.0
m/z 117(確認用)
m/z 118(定量用)
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
時間→
図 2-1
22.0
23.0
24.0
25.0
26.0
27.0
MDL 測定時 (0.0113 ng/mL) イソプロペニルベンゼンのクロマトグラム
24.690
アバンダンス (x10,000)
128.00
2.0
126.00
m/z 128(定量用)
1.5
m/z 126(確認用)
1.0
0.5
時間→
22.0
図 2-2
23.0
24.0
25.0
26.0
27.0
MDL 測定時 (0.500 ng/mL) イソプロペニルベンゼン-d10
のクロマトグラム
13.518
アバンダンス (x100)
56.00
84.00
2.0
m/z 56(定量用)
1.5
m/z 84(確認用)
1.0
0.5
時間→
11.0
図 2-3
12.0
13.0
14.0
15.0
16.0
MDL 測定時 (0.0100 ng/mL) シクロヘキサンのクロマトグラム
44
13.109
アバンダンス (x1,000)
64.00
96.00
4.0
m/z 64(定量用)
3.0
m/z 96(確認用)
2.0
1.0
時間→
11.0
12.0
13.0
14.0
15.0
16.0
図 2-4 MDL 測定時 (0.500 ng/mL) シクロヘキサン-d12 のクロマトグラム
§2
解
説
【分析法】
〔フローチャート〕
分析法のフローチャートを図 3 に示す。
水質試料
パージ・トラップ
50.0 mL
5.0 mL
GC/MS-SIM
シリンジスパイク添加
(イソプロペニルベンゼン-d10 25.0 ng)
(シクロヘキサン-d12 25.0 ng)
図3
分析法のフローチャート
〔検量線〕
検量線を図 4-1 及び図 4-2 に、検量線作成用データを表 5-1 及び表 5-2 に示す。
なお、シクロヘキサンについては高濃度領域(1000 ng/L 以上)で分析カラム
(DB-624)の保持が弱くピーク形状が悪くなるため、検量線は濃度範囲 10.0 ng/L
∼500 ng/L で作成した。
45
6.0
0.7
0.6
y = 1.3887 x + 0.1219
2
R = 0.9985
4.0
ピーク面積比
0.5
ピーク面積比
5.0
y = 1.5964 x + 0.0046
2
R = 0.9999
0.4
0.3
0.2
3.0
2.0
1.0
0.1
0.0
0.0
0.0
0.1
0.2
0.3
濃度比
濃度 (ng/L) 10 20 50
100
0.0
0.4
1.0
2.0
3.0
4.0
濃度比
200 濃度 (ng/L) 100 200 500
1000
2000
図 4-1 イソプロペニルベンゼンの検量線
(低濃度領域 10.0 ng/L∼200 ng/L、高濃度領域 100 ng/L∼2000 ng/L)
1.4
1.2
y = 1.3226 x + 0.0046
2
R = 0.9997
ピーク面積比
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
0.0
0.2
0.4
0.6
濃度比
濃度 (ng/L) 10 20 50 100 200
0.8
1.0
500
図 4-2 シクロヘキサンの検量線
(濃度領域 10.0 ng/L∼500 ng/L)
46
表5-1 検量線作成用データ(イソプロペニルベンゼン)
応答値
対象物質(As)
内標準物質(Ais)
標準液濃度
応答比
濃度比
(ng/L)
[イソプロペニルベ
[イソプロペニル
(As/Ais)
(Cs /Cis)
(Cs)
ンゼン]
ベンゼン-d10]
(m/z 118)
(m/z 128)*
10.0
0.0200
2174
62013
0.0351
20.0
0.0400
4356
65555
0.0664
50.0
0.100
11011
66079
0.167
100
0.200
21374
65473
0.327
200
0.400
44193
68895
0.642
500
1.00
107758
68617
1.57
1000
2.00
210863
69974
3.01
2000
4.00
397899
70901
5.61
*: 内標準濃度: 500 ng/L (Cis)
表5-2
検量線作成用データ(シクロヘキサン)
応答値
標準液濃度
濃度比
対象物質(As)
内標準物質(Ais)
(ng/L)
(Cs /Cis) [シクロヘキサン] [シクロヘキサン-d12]
(Cs)
(m/z 64)*
(m/z 56)
10.0
0.0200
1535
53829
20.0
0.0400
3064
62393
50.0
0.100
8184
57995
100
0.200
14653
54921
200
0.400
30007
54767
500
1.00
75773
57322
*: 内標準濃度: 500 ng/L (Cis)
47
応答比
(As/Ais)
0.0285
0.0491
0.141
0.267
0.548
1.32
〔標準液のクロマトグラム〕
イソプロペニルベンゼン、イソプロペニルベンゼン-d10、シクロヘキサン及び
シクロヘキサン-d12 のクロマトグラムを図 5-1∼5-4 に示す。
アバンダンス (x1,000)
118.00
117.00
3.0
m/z 117(確認用)
2.5
m/z 118(定量用)
2.0
1.5
1.0
0.5
時間→
22.0
図 5-1
23.0
24.0
25.0
26.0
27.0
イソプロペニルベンゼン(0.0563 ng/mL)のクロマトグラム
アバンダンス (x10,000)
128.00
126.00
1.75
1.50
m/z 128(定量用)
1.25
m/z 126(確認用)
1.00
0.75
0.50
0.25
時間→
22.0
図 5-2
23.0
24.0
25.0
26.0
27.0
イソプロペニルベンゼン-d10(0.500 ng/mL)のクロマトグラム
アバンダンス (x100)
56.00
84.00
7.0
6.0
m/z 56(定量用)
5.0
m/z 84(確認用)
4.0
3.0
2.0
1.0
時間→
11.0
12.0
13.0
14.0
15.0
図 5-3 シクロヘキサン(0.0500 ng/mL)のクロマトグラム
48
16.0
アバンダンス (x1,000)
64.00
96.00
4.0
3.5
3.0
m/z 64(定量用)
2.5
2.0
m/z 96(確認用)
1.5
1.0
0.5
11.0
時間→
12.0
図 5-4
13.0
14.0
15.0
16.0
シクロヘキサン-d12(0.500 ng/mL)のクロマトグラム
〔マススペクトル〕
標準物質のマススペクトルを図 6-1∼6-4 に示す。
アバンダンス %
100
117
118
75
103
50
25
m/z →
0
40
50
図 6-1
60
70
80
90
100
110
120
イソプロペニルベンゼンのマススペクトル
アバンダンス %
128
126
100
75
50
25
m/z →
0
40
50
図 6-2
60
70
80
90
100
110
120
イソプロペニルベンゼン-d10 のマススペクトル
49
130
アバンダンス %
100
56
75
84
41
50
25
0
m/z →
40
50
60
70
80
90
図 6-3 シクロヘキサンのマススペクトル
アバンダンス %
100
96
64
75
50
25
m/z →
0
40
50
60
図 6-4
70
80
90
100
110
120
シクロヘキサン-d12 のマススペクトル
〔操作ブランク試験〕
操作ブランクは微量に検出されたが、MDL(イソプロペニルベンゼン:0.52
ng/L、シクロヘキサン:1.1 ng/L)未満であった。クロマトグラムを図 7-1、7-2
に示す。
アバンダンス (x100)
118.00
1.75
117.00
1.50
1.25
24.759
1.00
0.75
0.50
0.25
時間→
22.0
23.0
24.0
25.0
26.0
27.0
図 7-1 操作ブランクのクロマトグラム(イソプロペニルベンゼン)
50
アバンダンス (x10)
56.00
84.00
13.547
4.0
3.0
2.0
1.0
時間→
11.0
12.0
図 7-2
13.0
14.0
15.0
16.0
操作ブランクのクロマトグラム(シクロヘキサン)
〔添加回収試験〕
河川水(渡良瀬川)、海水(佐賀県伊万里湾)への標準物質添加回収試験結果
を表 6-1、6-2 に、クロマトグラムを図 8-1∼8-8 に示す。
表 6-1 添加回収試験結果(イソプロペニルベンゼン)
試料
河川水
海水
試料量
(mL)
添加量
(ng)
試験数
50.0
無添加
2
50.0
2.82
50.0
50.0
検出濃度
(ng/L)
回収率
(%)
変動係数
(%)
<0.52
−
−
5
56.7
101
0.13
無添加
2
<0.52
−
−
2.82
5
56.8
101
0.20
表 6-2 添加回収試験結果(シクロヘキサン)
試料
河川水
海水
試料量
(mL)
添加量
(ng)
試験数
検出濃度
(ng/L)
回収率
(%)
変動係数
(%)
50.0
無添加
2
2.28
−
−
50.0
2.50
5
52.3
100
50.0
無添加
2
<1.1
−
−
50.0
2.50
5
48.6
97
0.49
51
1.3
アバンダンス (x100)
1.75
118.00
117.00
1.50
1.25
24.758
1.00
0.75
0.50
0.25
22.0
23.0
24.0
25.0
図 8-1
無添加試料(河川水)のクロマトグラム(イソプロペニルベンゼン)
アバンダンス (x1,000)
3.0
118.00
117.00
m/z 118(定量用)
2.5
26.0
27.0
24.756
時間→
2.0
m/z 117(確認用)
1.5
1.0
0.5
時間→
図 8-2
22.0
23.0
24.0
25.0
26.0
27.0
河川水添加回収試験のクロマトグラム(イソプロペニルベンゼン)
アバンダンス (x100)
1.50
118.00
117.00
1.25
1.00
0.75
0.50
時間→
図 8-3
22.0
23.0
24.0
25.0
26.0
27.0
無添加試料(海水)のクロマトグラム(イソプロペニルベンゼン)
52
アバンダンス (x1,000)
3.5
118.00
117.00
3.0
m/z 118(定量用)
2.5
2.0
m/z 117(確認用)
1.5
1.0
0.5
時間→
22.0
23.0
24.0
25.0
26.0
27.0
アバンダンス (x10)
56.00
84.00
7.0
13.523
図 8-4 海水添加回収試験のクロマトグラム(イソプロペニルベンゼン)
m/z 56(定量用)
m/z 84(確認用)
6.0
5.0
4.0
3.0
2.0
11.0
時間→
図 8-5
12.0
13.0
14.0
16.0
無添加試料(河川水)のクロマトグラム(シクロヘキサン)
13.518
アバンダンス (x100)
7.0
56.00
84.00
6.0
m/z 56(定量用)
5.0
15.0
m/z 84(確認用)
4.0
3.0
2.0
1.0
時間→
11.0
12.0
13.0
14.0
15.0
16.0
図 8-6 河川水添加回収試験のクロマトグラム(シクロヘキサン)
53
アバンダンス (x10)
56.00
84.00
7.0
6.0
5.0
4.0
3.0
2.0
11.0
時間→
12.0
13.0
14.0
15.0
16.0
図 8-7 無添加試料(海水)のクロマトグラム(シクロヘキサン)
アバンダンス (x100)
56.00
84.00
7.0
6.0
m/z 56(定量用)
5.0
m/z 84(確認用)
4.0
3.0
2.0
1.0
時間→
11.0
12.0
13.0
14.0
15.0
16.0
図 8-8 海水添加回収試験のクロマトグラム(シクロヘキサン)
〔分解性スクリーニング試験〕
分解性スクリーニング試験結果を表 7-1、7-2 に示す。
pH
表 7-1 分解性スクリーニング試験結果(イソプロペニルベンゼン)
3 日後の
7 日後の
初期濃度
1 時間後の
残存率(%)
残存率(%)
試験数
(ng/L)
残存率(%)
暗所
明所
暗所
明所
5
113
2
110
103
−
119
−
7
113
2
96
103
102
114
111
9
113
2
104
106
−
115
−
54
表 7-2
分解性スクリーニング試験結果(シクロヘキサン)
3 日後の
7 日後の
1 時間後の
残存率(%)
残存率(%)
試験数
残存率(%)
暗所
明所
暗所
明所
pH
初期濃度
(ng/L)
5
100
2
100
83
−
90
−
7
100
2
97
96
82
89
90
9
100
2
98
82
−
89
−
〔保存性試験〕
保存性試験結果を表 8 に示す。
初期濃度 100 ng/L に調製した河川水及び海水を冷暗所 (4°C) で 7 日間保存し、
濃度を測定した。また、生分解を抑制するために硫酸銅を 1 g/ L となるように添
加した各々の試料についても同様の検討を行った。イソプロペニルベンゼン及
びシクロヘキサンは硫酸銅無添加試料においても 3 日後までは 80%以上残存し
ていたが、7 日後には河川水における残存率が約 60%まで低下するため、試料採
取後には速やかに分析する必要がある。また、標準液は冷暗所で 1 ヶ月間安定
であった。
表 8-1 保存性試験結果(イソプロペニルベンゼン)
初期
残存率(%)
試験
試料
濃度
数
1 日間
3 日間
7 日間
(ng/L)
1 ヵ月
100
3
94
89
59
−
河川水(硫酸銅添加) 100
3
99
96
88
−
海水
100
3
100
94
96
−
海水(硫酸銅添加)
100
3
100
97
101
−
標準液
100
2
−
−
96
河川水
55
−
表 8-2
保存性試験結果(シクロヘキサン)
初期
濃度
(ng/L)
試験
数
100
3
94
81
65
−
河川水(硫酸銅添加) 100
3
105
96
77
−
海水
100
3
106
94
70
−
海水(硫酸銅添加)
100
3
108
102
74
−
標準液
100
2
−
−
試料
河川水
残存率(%)
1 日間
3 日間
7 日間
1 ヵ月
97
−
〔溶媒の検討(シクロヘキサン)〕
標準原液の希釈にアセトンを用いた場合、ピークが分割し(上図)、カラムに
シクロヘキサンが保持されず、一部が先に流れ出していることが考えられた。
そこで、溶媒をメタノールに変更したところ、改善された。クロマトグラムを
図 9 に示す。
<希釈にアセトンを用いた場合>
アバンダンス (x1,000)
TIC
56.00
1.0084.00
41.00
0.7555.00
69.00
(1.57)
(2.06)
(2.47)
(3.89)
(4.31)
シクロヘキサン
0.50
0.25
時間→
11.5
11.6
11.7
11.8
11.9
12.0
12.1
12.2
12.3
12.4
12.5
12.6
12.7
12.8
12.9
13.0
13.1
13.2
13.3
13.4
13.5
<希釈にメタノールを用いた場合>
アバンダンス (x1,000)
TIC
5.0 56.00
84.00
4.0 41.00
55.00
69.00
3.0
(1.48)
(1.98)
(2.49)
(4.34)
(4.84)
シクロヘキサン
2.0
1.0
時間→
11.5
11.6
11.7
11.8
11.9
12.0
図9
12.1
12.2
12.3
12.4
12.5
12.6
12.7
12.8
12.9
13.0
13.1
13.2
溶媒の検討(シクロヘキサン 200 ng/L)
56
13.3
13.4
13.5
〔クライオフォーカスの検討(シクロヘキサン)〕
クライオフォーカスを用いることで、ピーク形状が改善した。クロマトグラ
ムを図 10 に示す。
(x1,000)
アバンダンス 56.00
11.385
56.00
2.00 84.00
1.75
1.00
m/z 56
1.50
12.848
アバンダンス (x100)
84.00
m/z 56
0.75
m/z 84
1.25
1.00
0.50
m/z 84
0.75
0.25
0.50
0.25
時間→
11.00
11.25
11.50
11.75
時間→
<クライオフォーカスなし>
図 10
12.50
12.75
13.00
13.25
<クライオフォーカスあり>
クライオフォーカスの検討(シクロヘキサン 20 ng/L)
〔分析カラムの検討(シクロヘキサン)〕
シクロヘキサンは、操作ブランクや環境試料から若干検出されることがある
ため、ピーク同定のために別のカラム(GL サイエンス製 AQUATIC 60 m × 0.25
mm × 1.0 μm)を用いて、同様の条件で測定を行った。クロマトグラムを図 11-1
及び図 11-2 に示す。結果として、AQUATIC でもイソプロペニルベンゼンとの
同時分析が可能であったが、同カラムの方がシクロヘキサンのピークに妨害成
分が被りやすく、低濃度の測定では注意が必要である。ただし、DB-624 より若
干保持が強いため、高濃度領域の分析には有効と考えられる。
アバンダンス (x100)
1.25 56.00
84.00
m/z 56(定量用)
1.00
m/z 84(確認用)
0.75
0.50
0.25
時間→
12.0
12.5
13.0
13.5
14.0
14.5
15.0
15.5
16.0
16.5
17.0
図 11-1 無添加試料(河川水)のクロマトグラム(シクロヘキサン)
57
アバンダンス (x1,000)
56.00
1.00 84.00
m/z 56(定量用)
m/z 84(確認用)
0.75
0.50
0.25
時間→
12.0
図 11-2
12.5
13.0
13.5
14.0
14.5
15.0
15.5
16.0
16.5
17.0
河川水(標準添加 100 ng/L)のクロマトグラム(シクロヘキサン)
〔環境試料の分析〕
本分析法を用いて、環境試料を分析した結果を表 9 に示す(クロマトグラム
は〔添加回収試験〕を参照)。
表9
環境試料(水質)分析結果
試験数
イソプロペニル
ベンゼン
(ng/L)
シクロヘキサン
(ng/L)
渡良瀬川
2
ND
1.5
伊万里湾
2
ND
ND
地点
58
【評価】
本分析法におけるイソプロペニルベンゼン及びシクロヘキサンの MDL は、そ
れぞれ 0.52 ng/L 及び 1.1 ng/L、MQL は、それぞれ 1.3 ng/L 及び 2.9 ng/L であっ
た。河川水及び海水を用いた添加回収試験の回収率は、イソプロペニルベンゼ
ンでそれぞれ 101%及び 101%、シクロヘキサンで 100%及び 97%であった。また、
環境試料を分析したところ、MDL 以上のシクロヘキサンが検出された。
以上の結果から、本法は、環境水中に 0.52 ng/L レベルで存在するイソプロペ
ニルベンゼン及び 1.1 ng/L レベルで存在するシクロヘキサンの検出に適応可能
であると判断される。ただし、保存安定性が悪く、7 日後には河川水で、イソプ
ロペニルベンゼンは 59%、シクロヘキサンは 65%にまで濃度が低下した。した
がって、分析は採水後できるだけ速やかに行うことが望ましい。また、精製水
において、MDL 以下ではあるが、イソプロペニルベンゼン及びシクロヘキサン
のブランクピークが検出された。用いる試薬類は、ブランクが MDL 以下である
ことを十分に確認する必要がある。
【担当者連絡先】
所属先名称 :一般財団法人 化学物質評価研究機構
所属先住所 :〒345-0043 埼玉県北葛飾郡杉戸町下高野 1600 番地
TEL:0480-37-2601
FAX:0480-37-2521
担当者名
:川勝 健伸、蒲池 祥子
E-mail
:[email protected], [email protected]
59
Isopropenylbenzene, Cyclohexane
This method provides procedures for the determination of isopropenylbenzene and
cyclohexane in water by the isotope dilution method using a purge and trap coupled
with a gas chromatograph/mass spectrometer with selected ion monitoring (purge
trap-GC/MS-SIM). Isopropenylbenzene-d10 and cyclohexane-d12 (25 ng each) as
internal standards are added to 50 mL of a water sample. Then the vial is filled with the
sample. Five milliliter of the sample is analyzed by purge trap -GC/MS-SIM.
The instrument detection limit (IDL) of isopropenylbenzene is 0.70 ng/L. IDL of
cyclohexane is 1.1 ng/L. The method detection limit (MDL) and method quantification
limit (MQL) of isopropenylbenzene are 0.52 ng/L and 1.3 ng/L, respectively. MDL and
MQL of cyclohexane are 1.1 ng/L and 2.9 ng/L, respectively. The averages of recoveries
(n=5) from 2.82 ng isopropenylbenzene and 2.50 ng cyclohexane added to river water
samples were 101% and 100%, respectively, and their relative standard deviations were
0.13% and 1.3%, respectively. The averages of recoveries (n=5) from 2.82 ng of
isopropenylbenzene and 2.50 ng of cyclohexane added to seawater samples were 101%
and 97%, respectively, and their relative standard deviations were 0.20% and 0.49%,
respectively.
Water Sample
50 mL
Purge-Trap
Syringe spike
GC/MS-SIM
5 mL
Isopropenylbenzene-d10, 25.0 ng
Cyclohexane-d12, 25.0 ng
60
物質名
[1]
分析法フローシート
備考
【水質】
分析原理:
パージ・トラップ
イソプロペニルベ
ンゼン
IUPAC 名:
Isopropenylbenzene
水質試料
50 mL
パージ・
トラップ
GC/MS-SIM
5 mL
シリンジスパイク添加
(イソプロペニルベンゼン-d10 25.0 ng)
(シクロヘキサン-d12 25.0 ng)
GC/MS-SIM
検出下限値:
【水質】 (ng/L)
[1]
別名:α-メチルス
0.52
チレン、1-メチル
[2]
エテニルベンゼ
1.1
ン、2-フェニルプ
ロピレン、メチル
分析条件:
スチレン
機器
GC/MS:
[2]
GCMS-QP2010
シクロヘキサン
Ultra(島津製作
IUPAC 名:
所)
Cyclohexane
パージ・トラップ
:AQUA PT 5000J
別名:ヘキサナフ
PLUS(GL サイエ
テン、ヘキサヒド
ンス)
ロベンゼン、ヘキ
カラム:DB-624
サメチレン
(60 m × 0.32 mm
× 1.8 μm)
(Agilent)
61
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