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1329KB - 和歌山工業高等専門学校
7 各 施 設 の 活 動 7.1 地域共同テクノセンター 7.1.1 受託研究・民間等との共同研究・技術協力依頼・技術相談 本年度は、受託研究3件、民間等との共同研究8件、技術相談などが16件あった。共同研究に関 しては、件数および金額とも昨年より増加した。 受託研究 民間等との共同研究 技術協力依頼・技術相談 16件 件 数 3件 8件 金 額 1,079千円 1,860千円 7.1.2 民間機関との研究会 代表研究者等 支援機関等 研究会等の名称 電気情報工学科 教 授 藤 本 晶 (公財)わかやま産業振興財団 県特産品への感性価値付与検討研究会 物質工学科 教 授 野 村 英 作 (公財)わかやま産業振興財団 有機テクノロジー研究会 ホストゲスト化学とセンシング機能材料 ワーキンググループ 環境都市工学科 准教授 小 池 信 昭 (公財)わかやま産業振興財団 津波防波堤研究会 7.1.3 教育研究奨励助成・戦略的研究助成 個人研究に関しては科学研究費獲得に向けて競争力を強化するために、名称ならびに内容を変更 して2年目となる。本学の教員または技術支援室員3名以上で構成され、地域特性を組み込むとと もに、地域の企業、自治体などが参加・協力できる研究プロジェクトとしての戦略的研究、科学研 究費の獲得を目指した研究領域Aおよび本校が特に奨励するテーマである研究領域Bに関する研究 を募集し、戦略的研究3件、個人研究領域A9件、研究領域B4件を採択し、助成を行った。戦略 的研究助成に関して、昨年度より2件増加し、来年度も引き続き行われる。研究テーマの一覧は下 記のとおりである。 戦略的研究助成 テーマ名 研究者名 1 感性価値を付与した紀州特産物の創生に関する研究 (継続) 岩本仁志・藤本 晶・森 徹 2 カルサイト析出による地盤液状化対策の低コスト化と環境負 林 和幸・奥野祥治・小川忠繁 担低減技術の提案 3 デマンド型交通システムの開発とその有効性評価に関する実 伊勢 昇・謝 孟春・津田尚明 践的研究 ∼教育研究奨励助成(研究領域A)∼ 1 剛性最大化と黄金比を用いた美しい形体の創生 2 柑橘由来ポリメトキシフラボノイド類の薬物代謝酵素阻害機 物質工学科 構の解明 奥野祥治 3 リチウム同位体を用いた和歌山県北西部の群発地震に関与す 物質工学科 る深部流体の起源の解明 西本真琴 4 酸化ストレス条件下における細胞膜構造の変化とアミロイド 物質工学科 線維形式のモニタリング 森田誠一 51 知能機械工学科 山東 篤 炭酸カルシウムによる固化改良砂の長期強度に及ぼす養生温 環境都市工学科 度の影響に関する研究 林 和幸 6 個人属性と地域特性を考慮した買い物支援策選択モデルの構築 環境都市工学科 伊勢 昇 7 カルマンフィルタを用いた海底津波計データを利用した津波 環境都市工学科 警報の高精度化 小池信昭 8 CMOS撮像素子を用いた高速画像取込に関する研究 岡本和也 9 高専生へのコンプライアンス法学教育についての調査・分析 一般科目 5 電気情報工学科 後藤多栄子 教育研究奨励助成(研究領域B) 微粒子構造制御のためのMPS法とMD法を組み合わせた新 1 知能機械工学科 しい複雑流体解析法の開発 QUアン 早坂 良 2 Optical Mark Reader(SR-2300)を用いたhyper ケート集計の検討 電気情報工学科 直井弘之 3 スマートフォンを利用したe Learningシステムの開発 電気情報工学科 村田充利 一般科目 4 ティーチングアシスタント(TA)を活用した演習授業 知能機械工学科 秋山 聡 右代谷昇 平岡和幸 濵田俊彦 7.1.4 交流会事業 和歌山工業高等専門学校産官学技術交流会(事務局:御坊商工会議所)および南紀熊野産官学技 術交流会(事務局:田辺商工会議所)を中心として、講演会、技術懇話会などを開催し、技術交流 を深めている。 本校が地域産業界との連携で行った事業及び関連事業は次のとおりである。 ① 講演会 産官学の交流を進めるため、御坊市、田辺市および有田市で講演会を実施し、技術や情報の 交換を行った。 ・和歌山工業高等専門学校産官学技術交流会 開催日 平成24年6月18日(月) 場 所 御坊市「花ご坊」 講 師 電気情報工学科 助教 竹下 慎二 演 題 「プラズマが創る未来−地上から宇宙まで−」 ・南紀熊野産官学技術交流会(和高専・次世代テクノサロンと同時開催) 開催日 平成24年8月21日(火) 場 所 田辺市「紀伊田辺シティプラザホテル」 講 師 電気情報工学科 助教 岡本 和也 演 題 「線形ビジュアルサーボによるヒューマノイドロボットの移動制御」 ・地球を救う技術講演会 開催日 平成25年2月20日(水) 場 所 有田市「有田市文化福祉センター」 参加者 200名 講 師 環境都市工学科 准教授 小池 信昭 演 題 「東日本大震災の教訓と東南海・南海地震 地球を救う技術講演会の様子 津波の新想定」 52 ② 和歌山高専技術懇話会 産官学の技術交流や最新の情報交換を図るため、本校独自の研究奨励費補助に基づいて教育 研究奨励研究発表会を開催し、産官学の交流を深めた。研究成果の詳細については本校地域共 同テクノセンターから発行される「広報」に掲載される。 開 催 日 平成25年3月12日(火) 場 所 本校会議室 研究発表 戦略的研究 3件 教育研究A 9件(科研) 教育研究B① 0件(メンタルヘルス) 教育研究B② 3件(教育方法) 教育研究B③ 1件(スタートアップ) 技術懇話会・教育研究奨励研究発表会 ③ きのくにロボットフェスティバル2012 地域貢献の一貫として、人々にロボットを通じて「ものづくり」への興味を深めてもらい、 科学技術の振興に資することを目的に、きのくにロボットフェスティバル2012を実施した。 開 催 日 平成24年12月16日(日) 場 所 御坊市立体育館 入場者数 約8,000人 内 容 企業ロボットショー、全日本小中学生ロボット選手権など ④ 和高専・次世代テクノサロン 紀南地域における産官学民の連携を強化し、異業種交流を活発に行うことで地域の産業技術 の高度化や多様化に対応し、産業振興の一助とすることを目指し、本校教員や研究開発や実業 界で活躍されている方々を講師に招き、本年度で6年目となる和高専・次世代テクノサロンを 実施した。 開催日 講演者 講演題目 24.5.16 和歌山工業高等専門学校 環境都市工学科 准教授 小池 信昭 東日本大震災の教訓と東南海・南海地震について 24.7.19 和歌山工業高等専門学校 知能機械工学科 助教 早坂 良 機能性流体開発のためのシミュレーション 24.8.21 和歌山工業高等専門学校 電気情報工学科 助教 岡本 和也 線形ビジュアルサーボによるヒューマノイドロボッ トの移動制御 24.9.11 株式会社 木の屋石巻水産 中村 暢宏氏、鈴木 誠氏 石巻体験と防災への示唆 24.11.14 和歌山県工業技術センター 福本 憲治氏 食品会社の経営に生かす品質管理とは 25.1.19 和歌山工業高等専門学校 環境都市工学科 准教授 小池 信昭 釜石の奇跡の教訓と東南海・南海地震津波の新想定 25.2.20 自主研究会「夢創造の会」 世話人 川端 俊次氏 言葉なきところに真実が−過去の地震・津波から学ぶ− 53 和高専・次世代テクノサロン 7.1.5 公開講座 本校教員による公開講座を実施した。一覧を下記に示す。 講 座 名 開催日 開催場所 担 当 参加人数 対象者 お手軽アニメーション作成 7/21(土) 本校 青山 4 中学生以上 簡単なコンピュータ回路を作ろう 7/26(木) 本校 渡邊 18 中学生 世界の化学・生物実験 −Cosmetic Science:香粧品の世界− 7/28(土) 和歌山ビッグ愛 奥野 13 中学3年生 おもしろ科学の実験工作教室 8/6(月) 田辺商工会議所 西本 (圭) 16 小・中学生 夏の楽しい化学実験 −科学の世界を体感しよう!− 8/6(月) 本校 米光 15 中学2、3年生 8/8(水)∼ 8/9(木) 和歌山工業 技術センター 山口 22 小・中学生 8/10(金) 本校 山口 10 一般 和歌山高専の地上絵 8/20(月) 本校 山田 12 小学校5、6年生 中学生 電脳ロボットを作ろう 8/22(水) 本校 森 19 中学生 指導者養成講座 「名犬ロボットの製作」 8/23(木) 本校 山口 9 一般 全方位移動車の原理を学ぼう 9/1(土) 本校 北澤 31 中学生 ロボットの『しくみ』で学ぶ 知能機械工学∼計測編∼ 9/1(土) 本校 津田 17 中学生 マイクロコンピューターで 電子回路 9/1(土) 本校 佐久間 10 中学生 世界の化学・生物実験 ∼光と色で遊ぼう色んな世界∼ 9/1(土) 本校 岸本 20 中学生 和歌山高専 文化講座 「あきらめの数学・理科」 「少しの運動で大きく変わる!? 健やかな明日のための健康講座」 9/9(日) きのくに志学館 秋山 芥河 8 高校生以上 世界の化学・生物実験 −Cosmetic Science:香粧品の世界− 9/22(土) 和歌山県情報 交流センター BigU 奥野 5 中学3年生 GPS測位データ受信機の製作 10/27(土) 本校 岡本 8 中学生 ソーラーカーの製作講座 11/3(土) ∼4(日) マリーナシティ 第一駐車場 西本 (圭) 60 小学生と 保護者 おもしろ科学の実験工作教室 指導者養成講座 「空気の力」 54 「なるほど体験科学講座」 手作り望遠鏡で楽しもう 11/10(土) 本校 樫原 12 小学校1年生 ∼4年生 「なるほど体験科学講座」 手回し発電で クランク歩行ロボットを動かそう 11/10(土) 本校 三原 10 小学校1年生 ∼4年生 「なるほど体験科学講座」 ライントレースロボットを作ろう! 11/10(土) 本校 岡本 13 小・中学生 「なるほど体験科学講座」 コンピュータでキャラクタを作ろう 11/10(土) 本校 村田 10 小学校5年生 ∼中学生 「なるほど体験科学講座」 −銀の鏡と万華鏡を作ろう− 11/10(土) 本校 河地 9 小・中学生 「なるほど体験科学講座」 世界の化学・生物実験 −Gene Analysis:遺伝子解析− 11/10(土) 本校 奥野 13 小学校5年生 ∼中学生 「なるほど体験科学講座」 地震時の砂の液状化現象 11/10(土) 本校 林(和) 2 小学校5年生 ∼中学生 「なるほど体験科学講座」 セメントでカラフル文鎮づくり 11/10(土) 本校 三岩 7 小・中学生 「なるほど体験科学講座」 MakingPC 11/10(土) 本校 青山 7 小5∼中3 和歌山高専 文化講座 解けない問題の使い道 −「解けなさ」が情報セキュリティにど う活用されているか− 11/24(土) 御坊市立 中央公民館 平岡 5 高校生∼ 社会人 和歌山高専 文化講座 親子で楽しむコーディネーショントレー ニング 12/1(土) 御坊市立 武道館 桑原 19 小学生と 保護者 バットやゴルフクラブのスイング 速度測定器の製作 12/8(土) 本校 岡本 12 小・中学生 なぜなぜ地震・津波・液状化 12/8(土) 本校 林(和) 4 中学生 ロボット操縦体験 12/24(月) 和歌山県情報 交流センター BigU 山口 約500 小学生 今、どこにいるのかな? &振るスピードを測ってみよう! 1/29(火) 本校 岡本 9 一般 ロボット体験学習 2/2(土) 広川町 中央公民館 山口 41 小学生 電脳ロボットを作ろう 和歌山高専の地上絵 55 世界の化学・生物実験 7.1.6 出前授業・実験 地域における出前授業や出前実験を積極的に実施した。 地域の市町村にある教育委員会などの要請による出前講座 ●株式会社 エス・アール・アイ 講 座 名 ロボットを楽しもう! ロボットを学ぼう! 開催日 4/14(土) ∼15(日) 担当学科 ロボット教育 センター 講 師 参加人数 対象者 山口 約300 小・中学生 開催日 6/25(月) 10/5(金) 11/30(金) 担当学科 環境都市工学科 国際交流委員会 物質工学科 講 師 大久保 留学生 岩本 参加人数 19 20 20 対象者 中学生 中学生 中学生 開催日 担当学科 講 師 参加人数 7/30(月) 電気情報工学科 山口 28 対象者 小学4年生 ∼6年生 開催日 担当学科 講 師 参加人数 対象者 8/7(火) 電気情報工学科 山口 22 小・中学生 開催日 8/22(水) 担当学科 電気情報工学科 講 師 山口 参加人数 33 対象者 小・中学生 開催日 担当学科 ロボット教育 センター 講 師 参加人数 山口 50 対象者 小学3年生 ∼6年生 開催日 8/27(月) 担当学科 電気情報工学科 講 師 若野 参加人数 18 開催日 担当学科 講 師 11/17(土) 電気情報工学科 山口 ●御坊市名田中学校 講 座 名 この水、きれいかな? 留学生交流事業 液体窒素実験 ●御坊市こども会連合会 講 座 名 夏休み子ども工作体験 ホバークラフト作り ●由良町中央公民館 講 座 名 夏休み子ども講座 光センサで音楽スタート ●田辺市青少年育成市民会議 龍神地区協議会 講 座 名 ソーラーカーを作ろう ●印南町教育委員会 講 座 名 子ども科学実験教室 名犬ロボット製作 8/24 (金) ●日高川町土生ボランティア会(なごみ会) 講 座 名 ソーラーカーを作ろう 対象者 小学生 ●白馬中学校 講 座 名 白馬祭体験講座 ロボシュータの製作 参加人数 対象者 17 小・中学生 (保護者含) ●青少年のための科学の祭典・おもしろ科学まつり2012 講 座 名 土の液状化を体験しよう 開催日 12/15(土) 担当学科 環境都市工学科 講 師 林(和) 参加人数 対象者 3500 小学生∼一般 開催日 2/1(金) 担当学科 電気情報工学科 講 師 山口 参加人数 11 ●田辺市教育委員会 講 座 名 ソーラーカーを作ろう ホバークラフト作り 光センサで音楽スタート 56 対象者 小・中学生 名犬ロボット作製 7.1.7 その他の事業 ① 和歌山県内企業合同説明会2012(産業界と教育界のマッチング) 12月15日(土)に本校体育館において(株)紀陽銀行と の共催による「企業合同説明会」を開催し、4年生および 専攻科1年生とその保護者が参加した。この説明会は、学 生のキャリア教育並びに地域経済活性化への貢献を目的と して本校と同行が平成20年3月に締結した「連携協力に関 する協定書」に基づいて平成20年度から開催され今回が第 5回目の開催である。大阪南部の企業を含めて、合計36社 和歌山県内企業合同説明会 の企業からの参加を得た。 ② 和高専人材バンク 今後の和歌山高専における技術者教育や地域連携推進をさらに推進するために、様々な分野 で活躍されてきた卒業生に協力を得るシステムとして、「和高専人材バンク」を立ち上げ、さ らに退職教職員に拡大し登録を積極的に推進しており、平成25年3月現在213名の登録者を得 た。平成21年度から人材バンク登録者との情報交換の場としてのメールマガジンを発行継続し、 人材バンクの活動状況や本校からの依頼事項などの情報を提供し、登録会員からも多くの情報 が寄せられている。 また、当人材バンクの活用として、学生向け講演会、次世代テクノサロン講師や各種イベン トへの協力を得た。特に、全国ロボコン大会に応援に駆けつけた同窓生との学校長を交えた交 流会の定例行事化、前年度の御坊市に続いて本年度に発足した有田川町の少年少女発明クラブ からの要請に応えた指導員派遣、企業技術相談や生産技術改善への対応などの実績がある。今 後とも、産学官連携や共同教育を含めて、科学技術の普及促進に多面的な展開が期待されてい る。 ③ 学校施設の防災力強化プロジェクト 文部科学省より募集のあった学校施設の防災機能強化の推進に関する支援事業「学校施設の 防災力強化プロジェクト」に応募するための企画立案を行った。「ソフト・ハード一体となっ た学校防災」に採択されたことから、以後の活動はプロジェクトチームに引き継いだ。 ④ 各種イベントでの発表・宣伝活動 イベント名 開催日と開催場所 主 催 出展など 広報、和歌山高専シーズ集の配布 パネル展示「紀州特産品がヒトの感性 に与える影響に関する研究」電気情報 工学科 藤本晶教授・物質工学科 奥 野祥治准教授、 「音が出る、繰り返し体 験できる液状化再現装置の開発」環境 都市工学科 林和幸准教授 第10回 全 国 高 専 テクノフォーラム 平成24年8月20日 (月) (独)国 立 高 等 専 門 学 京都国際会館(京都) 校機構 わかやまテクノ・ ビジネスフェア 12 「加熱水蒸気によるバイオマス活性炭の 平成24年11月13日 (火) (公 財)わ か や ま 産 業 調製」物質工学科 岸本昇教授、 アバローム紀の国 振興財団、和歌山県 「繰り返し実演が可能な液状化再現装置 の開発」環境都市工学科 林和幸准教授 57 平成24年12月5日 (水) ∼6日(木) 大阪国際会議場 近畿地区7高専コーナー出展 産学官連携活動と教員研究シーズの発 表「ダンパーや記録材料の開発」 池田泉州ホールディン 知能機械工学科 早坂良助教 グス、池田泉州銀行 「画素データを直接演算メモリに転送が 可能なシステム」 電気情報工学科 岡本和也助教 青少年のための 科学の祭典−お もしろ科学まつ り−和歌山大会 平成24年12月15日 (土) ∼16日 (日) 和歌山大学 青少年のための科学の 祭典・和歌山大会実行 委 員 会、 (一 財)雑 賀 ブース出展「土の液状化を体験しよう」 技術研究所、日本物理 環境都市工学科 林和幸准教授 教 育 学 会 近 畿 支 部、 (公財)日本科学技術 振興財団・科学技術館 科 学・技 術 フ ェ スタ in 京都2012 平成25年3月16日 (土) ∼17日 (日) 京都パルスプラザホテル 内閣府、総務省、文部 広報、和歌山高専シーズ集の配布 科 学 省、厚 生 労 働 省、 高専ロボコンin京都に参加 農林水産省、経済産業 電気情報工学科 山口利幸教授 省、環境省 他 ビジネス・エンカ レ ッ ジ・フ ェ ア 2012 ⑤ 広報活動 和歌山工業高等専門学校地域共同テクノセンター広報・シーズ集Vol.21を発行して、各機関 へ配布するとともに、会議、展示会等で配布した。これまで、それぞれ別冊としていたが、利 便性等を考慮して、本年度から統合することとした。 7.1.8 自己点検結果 受託研究は3件、1,080千円(昨年度7件、10,004千円) 、民間等との共同研究9件、1,860千円 (昨年度8件、2,282千円)となり、民間等との共同研究が増加し、受託研究が減少する結果となっ た。また、技術相談件数については、16件(昨年度19件)と減少した。今後、更なる対外的な広報 活動が必要であると思われる。 学内研究奨励費助成については、限られた予算を有効に活用して成果に結びつけていくために、 教育奨励研究と研究奨励の二つの研究助成を教育研究奨励助成として1つにまとめるとともに、研 究領域を明確化することで、それぞれの研究の成果を着実にあげられるようにシステムを変更して 2年目となる。特に、科研費を含む外部資金の獲得を目指した研究を支援することを主眼とした。 科研費新規申請数は33件(昨年度31件)と2件増加し、前年度からの継続分4件と合わせ昨年度よ り若干増加した。次年度についても科研費を含む外部資金の獲得増加に向けて、申請件数を増加さ せる取り組みを強化させる必要がある。 「和高専人材バンク」については、登録案内を積極的に推進しており、213名(昨年201名)と着 実に登録者が増加した。人材バンク登録者との情報交換の場としてメールマガジンを継続発行して おり、登録会員からの情報提供も多く、双方向の情報交換の場として有効に機能している。さらに 有効な運用を目指していく予定である。 また、学生のキャリア教育の充実と地元企業とのマッチングを目的として、地元大手銀行である 紀陽銀行と平成20年3月に締結した連携協力協定に基づき、第5回目となる企業合同説明会を開催 した。泉南の企業2社を含めて36社の参加(昨年39社)を得て、学生、参加企業ともに好評であっ た。 さらに、きのくにロボットフェスティバル2012の開催への協力、和高専・次世代テクノサロンを 58 実施した。単年度事業となるJSTの平成24年度科学技術コミュニケーション推進事業活動実施支 援「地域ネットワーク支援」を受けて、小中学生対象の公開講座・出前授業や一般市民対象の公開 講座も活発に実施した。 特に平成24年度については、平成23年度に引き続き、防災に対する市民の関心の高まりを受けて 多くの支援活動、防災活動が展開された。本校も外部と連携しながら、防災講演会やテクノサロン を積極的に開催した。さらに文部科学省より募集のあった学校施設の防災機能強化の推進に関する 支援事業「学校施設の防災力強化プロジェクト」に応募するための企画立案を行い、「ソフト・ ハード一体となった学校防災」に採択された。以後の活動をプロジェクトチームに引き継いだ。今 後とも防災活動の重要性は継続することから、防災活動支援などさらなる地域貢献を目指していく。 広報活動では、各種展示会等で研究紹介のパネル展示などの宣伝活動を行うとともに、広く市民 に関心を持ってもらうための工夫を重ね、外部への発信を意識した情報発信を行った。 7.2 ロボット教育センター 平成20年度に、和歌山高専におけるロボットにかかわる教育の進展と地域におけるロボットを活 用した科学技術の理解促進に貢献することを目的として、本センターを設立した。平成21年度∼平 成23年度に取り組んだ科学技術振興機構(JST)の地域の科学舎推進事業(平成23年度は科学コ ミュニケーション連携推進事業)「地域ネットワーク支援」の事業を継続・発展させるために、平 成24年度もJSTの科学技術コミュニケーション推進事業活動実施支援に「きのくにロボットフェ スティバルとおもしろ実験工作教室」 が採択され、当該事業に取り組んだ。この事業を含めて、平 成24年度の活動を以下に報告する。 7.2.1 科学技術コミュニケーション推進事業「活動実施支援」への取組み 本事業では、子供たちの創造性を育み、科学技術への興味を引き出すとともに、広く一般の方々 の科学技術に対する興味・関心を高めることを目的として、「きのくにロボットフェスティバル」 と「おもしろ体験工作教室」について取り組んだ。さらに、県外機関とも連携しながら科学技術コ ミュニケーション活動を広く推進していくことも目指した。個々の活動については次項以降に紹介 するが、本事業における成果としては、以下の点である。 ①申請時には6回であった活動が、人材や予算の工夫により、22回の活動を実施することができた。 その結果、全活動を合わせた参加者数は9,063名となり、多くの方々に科学技術コミュニケーショ ン活動を体験していただく機会を提供できた。参加者アンケートから科学技術への興味・関心が 向上したとの回答が92%あり、科学技術への興味・関心を高めることができた。 ②学生ロボットコンテストの参加者は、競技課題をクリアするロボットの製作を通じて、創造性を 育む貴重な体験をすることができた。競技課題は、小学生部門、中学生部門、高校生部門に分か れており、それぞれの年齢に応じた難易度を設定している。特に、中学生部門はややハイレベル の課題設定であったが、見事課題を時間内にクリヤするロボットも多くあり、創造性の豊かさに 驚いた。これらの体験は、単にロボットの工夫だけに留まらず、勉強することへの動機づけとな り、自ら考え工夫する生徒を育てる効果がある。 ③学生ロボットコンテストのロボット講習会や予選会は、和歌山県教育委員会の協力のもと和歌山 県内の工業高校等を中心に6カ所で実施された。さらに、県外では、京都府、兵庫県、大阪府、 59 奈良県、三重県、岐阜県、福井県の高等専門学校、徳島県の科学館の協力のもとで実施された。 きのくにロボットフェスティバルで行われた決勝大会には、これらの予選会から選ばれた代表が 参加した。このような形態の取組みは大変ユニークであり、和歌山県外の機関との連携が広まっ た。このような機会の広範な提供が、参加者の中でより多くの学生が高専等への進学を目指し、 理工系への進路を決めるなど科学技術への興味・関心からもう一歩進んだ人材育成に繋がる効果 があると考える。 ④「おもしろ体験工作教室」の講師を養成する講座を、当初計画の1回から3回に増やしたことか ら、参加者が講師を務める講座を開催できた。参加者からは、講師を体験して「子供たちへの指 導のポイントなどが体感できて良かった」や「今後も講師を務めたい」などの意見が聞かれた。 このような講師の養成により、科学技術コミュニケーション活動を広くかつ継続的に展開してい くことに貢献できた。 また、新聞報道等も25件あり、広報面においても高専のプレゼンス向上に貢献した。 7.2.2 きのくにロボットフェスティバル2012 本イベントは、高専ロボコン2006全国大会で本校チームが準優勝したことを契機にして、子供た ちにものづくりや科学技術に興味を持ってもらい、和歌山県や日本の発展を支える人材に育ってほ しいとの願いから、和歌山県、和歌山県教育委員会、御坊市、御坊市教育委員会、御坊商工会議所、 和歌山高専、和歌山高専産官学技術交流会が実行委員会を組織して、2007年から毎年開催している。 近畿地区6高専、福井高専と岐阜高専、徳島県立あすたむらんどこども科学館(2012年∼)が共催 に、後援には、文部科学省、経済産業省、高等専門学校連合会、(独)国立高等専門学校機構も 入っていただき、大臣賞の表彰がある全国規模の大会と位置付けられている。 12月16日(日)、御坊市立体育館において「きのくにロボットフェスティバル2012」が、JST の科学技術コミュニケーション推進事業「活動実施支援」の支援を受けて開催された。第6回目を 迎えた今回のフェスティバルでは、従来近畿、東海、北陸、四国などの15ブロックで予選を開催し ていた「きのくに学生ロボットコンテスト」の小学生部門と中学生部門を、全国から出場可能な一 般ブロックを新設することでメインイベントの「全日本小中学生ロボット選手権」に拡大発展させ た。さらに、企業などの最先端ロボットや高専ロボコンの全国優秀校ロボットによる「スーパーロ ボットショー」も行われ、約8,000人の来場者で熱気に包まれた。 全日本小中学生ロボット選手権・小学生部門の競技課題は、 「道成寺へ釣り鐘を運べ!」である。6足歩行ロボットを 使って、コップを高さ5cmのゴールエリアに運ぶ競技で、 ゴールの周囲には傾斜と幅が異なる3つの坂が設けられてい る。勝敗は、ゴールエリアの中に入っているコップの数が多 い方が勝ちとなるが、時間内であっても、10個のコップを ゴールに入れた時点で勝利となる「10ゴール」も設けられた。 試合時間は前大会より短縮された2分間で、35チームによる 全日本小中学生ロボット選手権・小学生部門 トーナメント方式で行われた。予選会を勝ち抜いたロボットだけに、2分以内に10ゴールで決着の つく緊迫した試合が多かった。混戦を制して優勝したのは、5回の全試合で約1分で10ゴールを連 発したマコーカサス号(徳島県藍住町立藍住南小学校)であった。 全日本小中学生ロボット選手権・中学生部門の競技課題は「整理整頓!」で、34チームによる 60 トーナメントが行われた。コート内に並べられた4色のボー ルポストに、同じ色のボールを入れる競技で、黄・赤各色3 個ずつ、緑・青各色6個ずつで合計18個使用し、多くボール を入れた方が勝ちとなる。ただし、時間内であっても18個の ボールがすべて指定のボールポストに入るとパーフェクトと なり、その時点で勝者となる。今回の競技では、試合時間が 2分30秒に短縮され、試合開始と同時に、選手自らがかごに 全日本小中学生ロボット選手権・中学生部門 入った4色のボールをボールエリアにセットしなければなら ないので、操縦時間はさらに短くなる。その上、ボールポストは固定されていないので倒れないよ うにしなければならない。この競技でのパーフェクトは難しいと思われたが、中学生の発想力とそ れを実現する技術には、もはや驚きであった。パーフェクトを1分30秒程度で毎回達成して優勝し たのは、シンプリー(奈良県生駒市立生駒中学校)で、初の女子チャンピオンが誕生した。 きのくに高校生ロボットコンテストは「バトンタッチしてボールを投げ込め!!」の競技課題で、 県内から選抜された8チームによるトーナメント方式で行われた。手動ロボットと自動ロボットが あり、手動ロボットはスタートゾーンから出発してボールを取り込み、隣のコートにある自動ロ ボットにボールを渡し、そしてタッチして自動ロボットをスタートさせる。自動ロボットはコート 内のラインに沿って反時計方向に回り、シュートエリアに入った後、相手チームの手動ロボットエ リアにボールを投げ入れる。各チームが使用するボールはそれぞれ30個で、試合時間3分が終わっ た時に、自分のコートの中に入っているボールの数が少ない方が勝ちとなる。相手チームから投げ 入れられたボールは時間内であれば、同じ手順で相手コートに投げ返すこともできる。和歌山工業 高校メカトロ技術部1の大和大山丸が、30個のボールを確実に取り込む手動ロボットとライント レースを正確に行う自動ロボットの活躍で優勝の栄冠を獲得した。 スーパーロボットショーでは、本田技研工業(株)のAS IMOが登場し、ダンスや走りなどの見事な動きを披露し、 観客を魅了した。高専ロボコンチームのデモンストレーショ ンでは、2012全国大会で準優勝した熊本高専八代キャンパス、 同ベスト4の鈴鹿高専、そして、和歌山高専Aチーム(近畿 地区大会優勝)とBチームが、ペット・ロボットを操り、課 題を華麗にクリアする動きを実演した。特に、鈴鹿高専チー ムには、以前のきのくにロボットコンテストに出場した学生 高専ロボコンロボットの実演 がメンバーに入っており、本イベントの成果の一つである。 本フェスティバルでは、さらに、ロボット操縦体験コーナーも設け、コンテスト参加者以外の一 般来場者もロボットの操縦を体験することで興味を持ってもらうことに努めた。また、 「わかやま 産業を支える人づくりプロジェクト展」 、小中学生発明の「私たちのくふう展」 、「御坊市少年少女 発明クラブ展」、「ROBO−ONE&ロボットゆうえんちコーナー」も併設された。 7.2.3 アイデア対決全国高等専門学校ロボットコンテスト2012 高専ロボコンは、全国から57校62キャンパスの高等専門学校が参加する全国規模の教育イベント である。各キャンパスから2チームがエントリーし、全国8地区(北海道・東北・関東甲信越・東 海北陸・近畿・中国・四国・九州沖縄)で開催される地区大会に出場し、そこで選抜された25チー 61 ムにより全国大会が開催される。平成22年度から、高専ロボコンチームの募集、選出や大会終了ま での支援について、本センターが担当することになった。 平成24年度の第25回大会の競技課題は「ベスト・ペット」で、ペット・ロボットと高専生(伴走 者)が協力して玉入れをする競技。しかも、今回は、高専ロボコンで初めて、コントローラーを使 わないで、ペット・ロボットと共同作業をする内容になっている。フィールド上に散らばったボー ルを伴走者が拾ってペット・ロボットに渡し、ボールを受け取ったペット・ロボットが9つのゴー ル全部にボールを早く入れた方が勝利(パーフェクト)となる。 11月4日(日)に、近畿地区大会が、大和郡山市総合公園施設多目的体育館で開催され、近畿地 区の高等専門学校7校から14チームが出場して熱戦を繰り広 げた。本校からは、Aチームの「八咫等烏(ヤタラガラス)」 とBチームの「ミパンダ」の2チームが出場した。Bチーム は1回戦で勝利し、2回戦では準優勝した奈良高専Bチーム に残念ながら惜敗したものの、和歌山の特産のミカンと有名 なパンダをモチーフにしたロボットを披露し、愛らしいパン ダの動きに大きな拍手が送られた。Aチームは、ボールを多 Bチーム「ミパンダ」の試合 くゴールに導くと言われている熊野本宮大社の八咫烏をモ チーフにしたペット・ロボットで、全試合でパーフェクトを達成して見事優勝を果たした。パー フェクトタイムも全8地区中2番目に速いタイムを記録した。本校チームの全国大会出場は、連続 7回目(通算14回目)となる。 全国大会は11月25日(日)に両国国技館で開催され、全25チームがトーナメント形式で対戦した。 1回戦は35秒でパーフェクトを決めて幸先良いスタートを切ったが、続く2回戦では55秒でパー フェクトを達成したものの相手チームが僅かに早くパーフェクトを決めて敗退した。全国大会で 06、 07、 10年に準優勝しており、優勝への期待が高かったが、今回も優勝には手が届かなかった。 全国大会の出場メンバーは、選手で知能機械工学科4年 宮口拓己君、同4年 寺嶋瑞仁君、電気 情報工学科3年 落合将也君、ピットメンバーで機械工学科 5年 秋山宗之君、同5年 天津悟君、電気情報工学科4年 佐藤翔馬君、同4年 田中一平君、同2年 竹中未来君であ る。 本校ロボコンチームの活躍は、近畿地区大会が11月23日 (金)、全国大会が12月16日(日)NHK総合テレビで放送 された。さらに、 「きのくにロボットフェスティバル2012」 や出前授業など県内外の各種イベントにも出展し、子供たち 全国大会1回戦のAチーム の科学技術への興味喚起に貢献した。 7.2.4 教育イベント等への参画・協力 本センターでは、各種の教育イベント等に協力している。これらへの協力を通じて、多くの方々 の科学技術やものづくりへの関心をより一層高めることは、次代を担う優秀な人材を育成する礎に なると考えている。これらの活動の一部は、本校の出前授業やJST科学技術コミュニケーション 推進事業「活動実施支援」 、サイエンスパートナーシッププロジェクトとして実施された。本セン ターが平成24年度に行った活動を以下に示す。 62 教育イベント等での講演やデモンストレーションなど 開催日 4/15 5/15 イベント等名称 白浜商工祭SRI企画イベント 「ロボットを楽しもう」 第64回和歌山県連合小学校長会研究 協議会(総会)・日高大会 会場等 概要 田辺市 Big−U 高専ロボコンロボットのデモンストレー ション・解説と各種ロボットの操縦体験 南部町 紀州南部ロイヤ ルホテル 和歌山県連合小学校長会主催。基調講演 「 『夢をかなえる』−ものづくりを通し て−」 8/23 JST指導者養成講座 「名犬ロボットの製作」 御坊市 和歌山高専 科学技術教室等の講師を養成する講座。 モーターの仕組みと犬型ロボットの製作 指導 8/24 印南町教育委員会へ出前授業 「名犬ロボットの製作」 印南町 印南中学校 モーターの仕組みと犬型ロボットの製作 9/1 オープンキャンパス 御坊市 和歌山高専 高専ロボコンロボットの展示とVTR上映 10/5 SPP事業「ロボット教室①」 湯浅町 山田小学校 6足歩行ロボットの製作と競技 御坊市 和歌山高専 携帯電話やナビシステム等で使われてい るGPSからのデータを表示する受信機 を製作 和彩会子どもの夢かなえますプロ ジェクト「はたらくくるま大集合」 和歌山市 マリーナシティ 高専ロボコン2010ウメンライダーWの展 示とソーラーカー製作教室 11/4 宮子姫みなとフェスタ 御坊市 Sioトープ 高専ロボコン2011ウメトラマンの展示と 各種ロボットの操縦体験 11/17 出前授業「ロボット製作教室」 有田川町 白馬中学校 モーターの仕組みとロボシュータの製作 12/8 JST公開講座「バットやゴルフク ラブのスイング速度測定器の製作」 御坊市 和歌山高専 加速度センサを使って野球のバットなど をスイングした時の速度を表示する測定 器を製作 12/24 U遊祭2012 田辺市 Big−U 高専ロボコンロボットの展示と各種ロ ボットの操縦体験 初詣初笑い神事 日高川町 丹生神社 日高川町観光協会主催。WARAIロ ボットの展示と実演 1/12 SPP事業「ロボット教室②」 湯浅町 山田小学校 高専ロボコンロボットのデモンストレー ションと解説・操縦体験 1/12 出前実験「わくわく体験−ロボット −」 湯浅町 湯浅中央公民館 高専ロボコンロボットのデモンストレー ションと解説・操縦体験 1/29 JST公開講座「今、どこにいるの かな? &振るスピードを測ってみ よう!」 御坊市 和歌山高専 指導者養成講座。GPS受信機の製作と 加速度センサ測定器の製作 2/2 出前授業「ロボット体験教室」 広川町 町民会館 高専ロボコンロボットのデモンストレー ションと解説・操縦体験 3/16∼17 科学・技術フェスタin京都2012 京都市 京都パルスプラザ 高専ロボコンロボットの実演と各種ロ ボットの操縦体験 10/27 11/3∼4 1/3∼7 JST公開講座 「GPS測位データ受信機の製作」 出前授業「ロボット体験教室」 科学・技術フェスタin京都2012 63 7.2.5 その他の活動 大学間連携共同教育推進事業「近畿地区7高専連携による防災技能を有した技術者教育の構築」 のコンペティション作業部会を本センターが担当することになった。第1回会合が12月8日(土) に神戸市立青少年科学館で開催され、作業部会として「レスキューロボットコンテスト」と「乗り 物コンテスト」を実施することになった。3月2日(土)の第2回会合を受けて、本校では「乗り 物コンテスト」への対応を知能機械工学科で検討していただき、平成25年度の正規授業で実施する ことになった。 インドネシアのバンカ・ベリトゥン工専から大学ロボコンへの取り組みについて指導を仰ぎたい との依頼があり、質問等にメールで対応した。さらに、同工専に日本から技術協力で派遣されてい る先生が本校を3月5日(火)に訪問された際に、山口センター長と西本副センター長が対応した。 7.2.6 自己点検結果 JSTの科学コミュニケーション連携推進事業(旧地域の科学舎推進事業)「地域ネットワーク 支援」(平成21年度∼平成23年度)に続き、平成24年度も科学技術コミュニケーション推進事業 「活動実施支援」に採択され、財政面が確保できたので十分な活動を実施できた。さらに、県内 252校の小学校の校長先生の総会で本センターの活動を紹介する機会を得て、学校でのロボット作 りの気運の盛り上がり(紀伊民報2013年1月1日掲載)やSPP事業への申請など波及効果が見ら れ、地域貢献や理工系人材の育成に貢献できている。今後も財政面の確保や活動の一層の充実に向 けた努力を続けていきたい。 きのくにロボットフェスティバルでは、新たに徳島県の参加を得て、かつ全国から参加できる一 般ブロックを新設し「全日本小中学生ロボット選手権」に名称変更して、発展してきている。さら に、ロボット選手権参加者が高専に入学する例も見られる。一方、参加者や来場者の増加に合わせ て、より細やかな対応も求められるようになり、十分な準備を行っていく必要がある。 本センターが高専ロボコンチームをどのように支援していくかまだ十分確立できていない。引き 続き、学内の合意も得ながら的確な支援に努めていきたい。 WARAIロボットについては、平成25年の新年には日高川町観光協会からの要請で例年同様の 実演を行ったが、第3日目に老朽化による修理不可能な故障が発生し、以降は展示に切り替えた。 WARAIロボットの修理や維持管理等について日高川町観光協会と方策を検討していく必要があ る。 7.3 情報処理教育センター 7.3.1 公開講座「お手軽アニメーション作成」 日 時:平成24年7月21日(土)1日間 時 間:10:00∼15:00 場 所:和歌山工業高等専門学校 図書館棟 第三演習室 対 象:中学生∼一般 講 師:本校の教職員 青山歓生、森 徹、寺西 信、眞田 順 64 本講座では、平成19年度より続けているフリーのFlashアニ メーション作成ツールSuzukaを用いて、アニメーション作成 の実習を行った。Suzukaを用いると、普通のパソコンを用い て誰でも簡単にアニメーションが作成できるようになる。受講 生は中学生3名、一般1名で講師は本校の教職員4名が担当し た。午前中は、講師の教職員の指導を受けながらアニメーショ ン作成の練習を行った。午後は各自、自由テーマでアニメー ション作成に取組み、最後に作品の発表会を行った。自分の作 成したアニメーションを思いどおりに動かすのは楽しい体験だったようである。受講後のアンケー トもおおむね好評であり、次年度以降も実施していく考えである。 7.3.2 パソコンの組み立て(なるほど体験科学教室) 11月10日(土)に「Making PC ∼パソコンなんて怖くない∼」とのテーマで、パソコン組み立 ての体験を行った。これは、平成24年度理工系教育推進事業「なるほど体験科学教室」で開設して いる教室の一つで、小・中学生を対象に科学のおもしろさを 知ってもらう目的で毎年実施しているものである。 参加者は小学生1名、中学生6名、講師は情報処理教育セン ターのスタッフ青山歓生教員、眞田順技術職員が担当した。 パソコンの仕組み及び各部品について簡単な説明を行った後、 各自一人一台を組み立てた。パソコンは市販の組み立てパソコ ンを利用した。講師の指導の下、パソコン筐体への各装置の組 パソコン組み立て風景 み込みから配線まで行った。 7.3.3 高速キャンパスネットワークシステムの更新とLANの拡充 平成25年3月に、高速キャンパスネットワークシステムの更新を行った。今回の更新では、高専 機構本部が導入した認証サーバと、本校のメールシステム、データサーバシステムとのユーザ認証 の連携を行った。このことにより、各ユーザが単一のアカウントで複数のサービスを利用できるこ ととなり、システム利用の利便性が高まった。さらに、このことにより、セキュリティ上強固なパ スワードポリシーを設定することが可能となり、情報システムのセキュリティが強化された。 平成25年1月から学寮にLANシステムが導入され、寮生がインターネットサービスを利用する ことが可能となった。学寮LANシステムを学内LANシステムに一部接続することにより、学寮 からeラーニングサーバや就職情報の閲覧等のサービスが利用可能となった。また、平成25年3月 に図書館およびオープンラウンジに無線LANを設置し、学生は17時以降もネットワークにアクセ スすることが可能となった。 7.3.4 自己点検結果 情報処理教育センターでは、公開講座「お手軽アニメーション」、なるほど体験科学教室「Making PC」を行った。受講生からも良い評価を得ており、今後とも続けることにしている。 放課後や休憩時間における学生の第一演習室(49台)および第二演習室(11台)の利用率は相変 わらず高く、現在17時までの開館時間を延長してほしいという要望がこれまで多かった。平成24年 65 度に学寮にLANシステムを設置し、オープンラウンジと図書館閲覧室に無線LAN接続を実施し たことでこの要望に対応できるものと期待している。 さらに、現在第3演習室のみが図書館棟に離れて設置されているので、利用及び管理に不便な点 があることについて、施設改修に際して情報処理教育センターの施設・設備を図書館棟にまとめ、 図書館と一体化したメディアセンターとして本校の情報収集・発信の拠点とする計画が進行中であ る。 7.4 図書館 本校図書館は、「誰もが親しみ、利用しやすく」を目標に、諸施策の実施や機材導入・改善に努 力を続けている。学内に対しては、読書感想文コンクール、教員・学生による図書推薦、学生図書 委員会による「図書館だより」発行等を図書館設立当初より継続して実施している。平成21年度か らは、図書館に対する意識向上を図るため、「読書会」 を実施してきた。平成22年度からは、年間 貸出冊数の多かった優良利用者を表彰している。さらに平成24年度からは読書スタンプラリーを開 始した。また、視聴覚コーナーを設置し館内所蔵のビデオやCD・DVD・BD・LD等をいつで も利用できるようにしている。 所蔵している図書情報のデータベース化により、館内の検索端末機やホームページを通じて容易 に検索できる状態になっている。平成23年度には長岡技術科学大学と高専間の統合図書館システム に加入し、それに伴いシステムを一新した。館内の検索端末機やホームページから本校図書館のみ ならず、全国の高専と長岡技術科学大学図書館の所蔵検索が可能になった。 7.4.1 活動内容 学生図書委員が中心となり教員図書委員の指導のもと、パソコンで編集した4色刷りの「図書館 だより」を年2回発行(第123号、第124号)した。編集はメディアセンター長、副センター長及び 図書委員が行い、印刷だけを業者に依頼した。 「読書感想文コンクール」への応募作品は42編で、その中から、第1席1編、第2席1編、第3 席2編、計4編の作品が選ばれた。表彰式は11月9日(金)に行われ、入賞者には堀江振一郎校長 から賞状と賞品(図書カード)を授与した。 その他本年度も次のような活動を行った。 ・新入生、編入生、留学生、新任教員に対して図書館の利用についてのオリエンテーションを 行った。 ・メディアセンターとロボット教育センターの共同企画として、 「ロボット」講演会を行った。 ・優良利用者3名を表彰した。 ・年度初めに長期貸出中の研究用図書の確認を行い、夏季休業中に蔵書点検を実施し、蔵書の 管理を徹底して行った。 ・4回実施された校内の大掃除の際に学生に対し書籍の配列の乱れを整理させ、図書を「日本 十進分類法」に基づき分類順に配架していることを教え、図書館利用の認識をもつように指 導した。 ・今年度から新しい学生向けのイベントとして読書スタンプラリーを開始した。 66 ・陸前髙田市図書館ゆめプロジェクトへの参加を呼びかけ、学生図書委員を中心に不用図書等 を回収し、陸前髙田市図書館復興に寄与した。 ・地域のみでなく、全国レベルでの資料提供を促進するため、所蔵図書のNACSIS−CA T(国立情報学研究所が運営している全国の大学図書館等の総合目録データベース)への 及入力を昨年に引き続き行っている。 7.4.2 利用状況 今年度の図書館利用状況については、以下のとおりである。 ここ数年貸出冊数は、減少傾向にあったが、平成22年度から増加に転じている。分野別に見ると 「総記」「哲学」「自然科学」 「言語」分野が昨年度を下回っているが、残りの分野は全て増加して いる。入館者数は昨年度を少し下回った。今後もこの水準を維持・向上させていくためには、より 一層授業と図書館との関連を密接にするとともに、一般教養書などの蔵書の充実が必要である。 (表7.1、表7.2) 本校図書館は地域にも公開しており(平成12年8月1日(火)より) 、自然科学・工学技術系図 書が多く利用されている。この地域にあっては一般公共図書館にない特色が現れている。また、芸 術・文学書等も多く借り出されており、登録利用者層の広さがうかがわれる。中高校生の入館もあ り、学習の場として積極的に利用されている。今年度は昨年度よりも新規登録者数が増加しており、 今年度行った近隣中学・高校への広報資料配布が一定の効果を挙げたと考えられる。今後も周知方 法を検討していく必要がある。学外利用者の貸出冊数は昨年度に比べ減少したが、入館者数は増加 した。また、今年度、学外利用新規登録者数が平成12年度の公開以来ついに900名を超えた。(表7. 3、表7.4、表7.5) 7.4.3 和歌山地域コンソーシアム図書館 県内の高専・大学及び地域の公共図書館が参加する「和歌山地域図書館協議会」において、 「和 歌山地域コンソーシアム図書館」を平成13年度に発足させ、同10月より「蔵書情報の検索・提供 サービス」をweb上から利用可能とした。本校では平成15年2月13日(木)からサービスを開始 している。年々web公開数は増加しているが、まだまだ利用度が低いので、いかに利用を増やし ていくかが課題になっている。 7.4.4 自己点検結果 本校の「図書館だより」の発行システムは教員・学生図書委員の協力のもとに効率よく機能を果 たしている。 本校図書館は蔵書管理、入館者管理が非常にきめ細かくチェックされて、蔵書の紛失も極めて少 ないことが特徴である。 図書館利用促進策として、今年度から読書スタンプラリーを開始し、多くの学生が登録してコメ ントを寄せてくれた。ただ、前期に比べて後期にスタンプ押印の数が減少したので、年間を通して の周知・宣伝活動の必要を感じた。 陸前髙田市図書館ゆめプロジェクトに参加したことで、本校図書館も東日本大震災の復興に少し は役立てたと自負している。学生図書委員には古本の収集作業に協力してもらい感謝している。 ハード面では、無線LANが閲覧室に設置され平成25年度から本格的に稼働するので来館者数増 67 加につながるものと期待している。 他の高専図書館と共通するかもしれないが、本校図書館もいくつかの課題を抱えている。まず、 昨今の情報環境の整備・情報関係サービスの向上を基盤にしたIT社会への適応について、財政基 盤に配慮しながら検討しなければならない。次に、現在図書館棟の改修計画が立案中であるが、そ の中でバリアフリーに対応する一層の設備更新・施設整備を進める必要がある。耐用年数を過ぎた 入館システムの更新も急務である。図書館業務の内容面では、本校の教育・研究、地域産業に関す る技術資料等の厳選と蔵書増に益々努めるとともに、一般教養図書についても学内外からの要望を できるだけ受け入れられるようにしたい。さらに、各地域の図書館との連携を活かした情報提供 サービスを一層向上させ、紀南の情報発信源としての積極的な取組みを果たすことが求められてい る。図書館は、より活発な利用形態を追求することで、情報処理教育センターとともに、メディア センターの両輪として、本校の教育を積極的に支援していきたい。 表7.1 入館者数 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 昼 間 (8:30∼17:00) 16,906人 (674) 13,656人 (454) 14,943人 (1,061) 14,705人 (540) 14,276人 (984) 夜 間 (17:00∼21:00) 4,782人 (236) 4,406人 (189) 4,287人 (148) 4,679人 (96) 4,680人 (310) 合 計 21,688人 (910) 18,062人 (643) 19,230人 (1,209) 19,384人 (636) 18,956人 (1,294) *( )は、一般利用者(内数) *定期試験期間中の夜間開館は、17:00∼21:50 表7.2 貸出冊数 分類(NDC) 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 0 総 記 141冊 85冊 81冊 1 哲 学 81 92 69 103冊 75 42 89冊 2 歴 史 148 117 168 128 145 3 社会科学 221 196 215 233 233 4 自然科学 940 713 1,071 1,068 909 5 技 術 897 736 888 677 784 6 産 業 37 29 35 22 30 7 芸 術 736 455 722 736 939 8 言 語 318 229 324 739 736 9 文 学 1,119 892 1,408 1,500 1,634 図 書 合 計 4,638 3,544 4,981 5,281 5,541 雑 誌 458 303 283 299 190 合 計 5,096 3,847 5,264 5,580 5,731 土曜日貸出冊数(内数) 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 294冊 205冊 296冊 286冊 300冊 *貸出冊数については、昼間・夜間の区分はしていない 68 表7.3 一般開放に伴う学外利用者職業別登録者数 区 分 平成20年度 平成21年度 平成22年度 1人 平成23年度 平成24年度 小 学 生 2人 0人 0人 1人 中 学 生 32 16 6 4 8 高 校 生 1 1 1 5 6 大 学 生 1 1 3 0 1 専門学校生 0 0 0 3 0 会 社 員 8 8 5 4 8 公 務 員 1 2 2 2 4 農 業 0 0 0 0 0 自 営 業 0 1 0 1 1 主 婦 0 0 0 0 1 そ の 他 20 23 19 18 26 新規登録者計 65 52 37 37 56 年度更新者計 60 47 45 41 37 合 計 125 99 82 78 93 表7.4 一般開放に伴う学外利用者入館者数 平成20年度 利用時間 平 日 土 曜 日 合 計 9時∼17時 565人 565人 17時∼21時 236人 236人 10時∼16時 合 計 801人 109人 109人 109人 910人 平成21年度 利用時間 平 日 土 曜 日 合 計 9時∼17時 402人 402人 17時∼21時 189人 189人 10時∼16時 合 計 591人 52人 52人 52人 643人 平成22年度 利用時間 平 日 土 曜 日 合 計 9時∼17時 913人 913人 17時∼21時 148人 148人 10時∼16時 合 計 1,061人 69 148人 148人 148人 1,209人 平成23年度 利用時間 平 日 土 曜 日 合 計 9時∼17時 420人 420人 17時∼21時 96人 96人 10時∼16時 合 計 516人 120人 120人 120人 636人 平成24年度 利用時間 平 日 土 曜 日 合 計 9時∼17時 825人 825人 17時∼21時 310人 310人 10時∼16時 合 計 1,135人 159人 159人 159人 1,294人 表7.5 一般開放に伴う学外利用者分類別貸出数 分 類 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 0 総 記 10冊 6冊 15冊 16冊 2冊 1 哲 学 6 12 3 1 6 2 歴 史 17 6 9 11 13 3 社会科学 16 6 19 11 7 4 自然科学 54 46 37 75 25 5 技 術 107 67 75 59 57 6 産 業 9 3 10 4 2 7 芸 術 128 57 45 22 39 8 言 語 5 6 9 8 0 9 文 学 234 250 333 217 231 雑 誌 11 4 24 7 12 合 計 597 463 579 431 394 7.5 技術支援室 技術支援室は、技術に関する業務を組織的かつ効率的に行うとともに、その職務遂行に必要な能 力、資質の向上を図り、教育・研究に関する技術的支援と専門的業務を円滑かつ効果的に行うこと を目的としている。 この目的を達成するため、次に掲げる業務を行っている。 一 学生の実験・実習、卒業研究及び課外活動等の技術支援に関すること。 二 工作機器・実習設備等の保守に関すること。 三 教員の教育・研究活動に伴う技術支援に関すること。 四 地域連携活動に伴う技術支援に関すること。 五 技術の習得、継承、保存及び研修に関すること。 六 その他教育・研究の支援に関すること。 70 業務を遂行する組織として、以下の体制をとっている。 技術支援室長 (教員が兼務) 技術長 (電気・情報グループ長を兼務) 生産・加工グループ ・グループ長(技術専門職員)1名 ・技術専門職員 2名 ・技術職員 1名 化学・環境グループ ・グループ長(技術専門員) ・技術専門員 ・技術専門職員 ・技術職員 電気・情報グループ ・グループ長(技術長を兼務)1名 ・技術専門職員 2名 ・技術職員 1名 1名 1名 1名 2名 本稿では、業務に対応した平成24年度の活動を記載する。 7.5.1 学生の実験・実習、卒業研究及び課外活動等の技術支援 学科や情報センター等の要請に応じて、グループ毎に下表の分担で対応している。また、授業時 間割に対応させた担当表も作成している。 生産・加工グループ 電気・情報グループ 化学・環境グループ ・知 能 機 械 工 学 科 の 実 験、実 習、 ・情報センターを使う授業 授業、卒研 ・情報ネットワークの運用 ・専攻科の実験 ・電 気 情 報 工 学 科 の 実 験、授 業、 卒研 ・知能機械工学科の実験 ・物質工学科の実験 ・環 境 都 市 工 学 科 の 実 験、実 習、 卒研 ・専攻科の実験 ・一般科目「化学」の実験 さらに、実験等や課外活動等に関する以下の技術支援を行った。 業 務 内 容 担当グループ名 依頼部署 専攻科特別研究加工 生産・加工グループ 専攻科 ロボコン部からの部品加工・相談 生産・加工グループ ロボコン部 アルミボックスの製作 電気・情報グループ 電気情報工学科 アクリル板の切断 電気・情報グループ 電気情報工学科 ホール測定冶具の作製 電気・情報グループ 電気情報工学科 ニアストレングコンテスト出品の作製 化学・環境グループ 環境都市工学科 7.5.2 工作機器・実習設備等の保守・管理・更新等 実験・実習等で使用する機器等の保守管理を行っている。さらに、情報ネットワーク環境の更新 や新規導入が頻繁に行われることから、メディアセンターや情報セキュリティ推進委員会からの要 請を受けて、電気・情報グループで以下のような業務に対応した。 業 務 内 容 担当グループ名 依頼部署 マイクロソフト包括ライセンス運用管理 電気・情報グループ メディアセンター委員会、 情報セキュリティ推進委員会 ソフトウェアライセンス管理関連業務 電気・情報グループ メディアセンター委員会、 情報セキュリティ推進委員会 機構一括調達の認証サーバ管理業務 電気・情報グループ メディアセンター委員会、 情報セキュリティ推進委員会 認証サーバユーザ登録(全教職員) 電気・情報グループ メディアセンター委員会、 情報セキュリティ推進委員会 71 UPKI登録担当 電気・情報グループ 機構本部 学寮ネットワーク整備に関する技術支援 電気・情報グループ メディアセンター委員会、 情報セキュリティ推進委員会 基幹システムリプレイスに関する業務 電気・情報グループ メディアセンター委員会、 情報セキュリティ推進委員会 基幹システム入札の仕様書作成作業 電気・情報グループ メディアセンター委員会、 情報セキュリティ推進委員会 基幹システム入札の技術審査に関する業務 電気・情報グループ メディアセンター委員会、 情報セキュリティ推進委員会 今年度、実習工場を「ものづくりセンター」に改修する予算 措置が図られ、平成24年7月から平成25年3月にかけて工事が 行われ同センターが完成した。この間、従来設備の一時移転・ 移設、新規設備の導入、搬入後の調整・立ち上げなどに多くの 時間を要した。また、当該期間中には不便な環境での実験・実 習等の支援など困難な面もあったが、連携して対応することが できた。平成25年度当初から実験・実習等に対応できるように 改修されたものづくりセンター 準備を進めている。 7.5.3 教員の教育・研究活動に伴う技術支援 アルミ双結晶のTiG溶接(生産・加工G)、FPGAやDSP開発及び可視光制御(電気・情 報G)、成分分析の技術相談(化学・環境G)、微生物に関する依頼実験(化学・環境G)にも対応 した。さらに、教職員の教育研究環境を整えるためパソコンに係るWindowsのインストール、 Officeのインストール、Symantecウィルス対策ソフトのインストール、PCの設定、圧縮解凍ソフ トのインストール、掲示板・ザイトス等へのショートカットの作成、プリンターへの接続、学内共 有サーバへの接続トラブル対応、コンピュータトラブル対応などを行った。 7.5.4 地域連携活動に伴う技術支援 ロボット教育センターからの依頼があり、和歌山県や本校等が主催している「きのくにロボット フェスティバル2012」の開催に協力した。また、公開講座・出前授業・なるほど体験科学教室にも 各部署からの依頼に沿って、以下の通り支援を行った。さらに、平成25年度公開講座にも主催講座 の申請を行った。 【公開講座】 実施日 講座名 実施場所 依頼部署 7月21日 お手軽アニメーション作成 本校 メディアセンター 8月10日 ホバークラフトの製作 本校 電気情報工学科 8月20日 和歌山高専の地上絵 本校 環境都市工学科 8月23日 名犬ロボットの作製 本校 電気情報工学科 10月27日 GPS測位データ受信機の製作 本校 電気情報工学科 12月8日 バットやゴルフクラブのスイング測定器の製作 本校 電気情報工学科 【出前授業】 実施日 6月10日 講座名 光センサで音楽スタート 実施場所 フォルテワジマ 72 依頼元 (株)島精機製作所 7月30日 ホバークラフトの製作 御坊市青少年センター 御坊市子供会育成会連絡協議会 8月7日 光センサで音楽スタート 由良町中央公民館 由良町中央公民館 8月22日 ソーラーカーの製作 田辺市龍神市民センター 龍神公民館 8月24日 名犬ロボットの製作 印南中学校 印南町教育委員会 8月27日 ソーラーカーの製作 日高川町なごみ会 土生会館 日高川町なごみ会 11月4日 ソーラーカーの製作 和歌山マリーナシティ駐車場 和彩会 11月17日 スポーツロボシューターの製作 有田川町白馬中学校 有田川町立白馬中学校 【なるほど体験科学教室】 実施日 11月10日 講座名 実施場所 依頼部署 ライントレーサーの製作 本校 電気情報工学科 Making PC 本校 メディアセンター 7.5.5 技術の習得、継承、保存及び研修 (1)研究等(外部資金への申請) ①科学研究費 平成24年度科研費へ1件申請したが、結果は残念ながら不採択であった。平成25年度科研費 へは下記の3件を申請した。 申請課題 グループ名 申請者 高等専門学校における長期的な気象観測 物質・環境グループ 小川 忠繁 動かして学ぶ組み込みデータベース教材の開発 電気・情報グループ 寺西 信 次世代を担う技術者育成のための学生実験テーマ「太陽電池作製」の開発 電気・情報グループ 中嶋 崇喜 ②本校戦略的研究助成 平成24年度戦略的研究助成に4名の技術支援室員が共同研究者として3件に申請し、1件が 採択された。採択されたのは、林和幸准教授を代表とする「カルサイト析出による地盤液状化 対策の低コスト化と環境負荷低減技術の提案」で、化学・環境グループの小川忠繁技術職員が 参画した。模型地盤への薬液注入による浸透固化実験において、実験装置の設計、製作及び実 験実施に取り組んだ。 ③科学技術振興機構 平成25年度サイエンスパートナーシッププログラムに、 「和歌山県中南部における科学技術 体験実習教室の実施」の企画名で申請した。3月末に審査結果が届き、残念ながら不採択で あった。そのため連携機関に財源確保を依頼して教室の実施を図りたい。 ④情報技術と電子制御技術の統合実験システムの構築 本校の平成23年度教育研究奨励助成に採択されて、電気・情報グループの寺西信技術専門職 員が取り組んだ標記テーマの成果をまとめて、本校地域共同テクノセンター広報 Vol.21研究 報告(技術レポート)として発表した。 (2)技術の継承 平成24年度に生産・加工グループの1名が定年退職を迎えるに当たり、後任者への業務の引継 ぎについて、生産・加工グループで計画を立案した。今回は、平成25年3月に後任者が着任し、 業務の引継ぎを順調に実施できている。 73 (3)研修 ①平成24年度西日本地域高等専門学校技術職員特別研修会 (建設・環境系) この特別研修会は、高等専門学校の技術職員(学科、教室、教育研究センター、実習工場及 び練習船等における教育・研究の技術支援等に従事する職員)に対して、その職務の遂行に必 要な高度で専門的な知識を修得させ、技術職員の資質の向上を図ることを目的として、高専機 構が主催して、毎年開催されている。今回は、8月22日(水)から24日(金)にかけて、建 設・環境系技術職員を対象に豊橋技術科学大学において開催された。本校から化学・環境グ ループの小川忠繁技術職員が参加した。研修会の参加者は16高専17名であった。研修会は、特 別講演、講義、班別討議や技術課題の発表及び討議などで構成されていた。判別討議では、豊 橋技科大技術職員を交えた4班構成になっており、1班の「技術職員の減少に対する対応につ いて」に参加した。技術課題の発表及び討議では、技術課題が16テーマあり、本校からは「中 央アルプス将棋頭山における水蒸気動態」について発表した。 研修会の内容は、中堅以上の技術職員向けであるように感じられたが、一年目の私でも大い に参考になった。研修会全体を振り返って、各高専ともに技術職員を取り巻く環境が大きく変 わってきているのだと感じた。科研費等の外部資金を獲得することに力点を置くあまり、通常 業務が疎かになってはいけないと思うので、バランスが大切だと思った。科研費を技術職員全 員が申請している高専もあったようだが、これは各々の仕事量が違うため、一概に良い方法と は言えないという話だった。他高専の技術室では外部資金を獲得した場合、技術室に予算が計 上される仕組みになっているということだったので、このような制度は技術職員のモチベー ションにつながるのではないかと思った。また、研究等を行う環境(例えば予算面)が、他高 専に比べて和歌山高専は悪いと感じた。科研費等の実績を作り、環境が改善されるよう努力し ていこうと思った。 ②第15回近畿地区国立高等専門学校技術職員研修会 本研修会は、近畿地区国立高等専門学校の技術職員の職務遂行に必要な専門的知識を習得す ると共に、相互啓発の機会を設けることで技術職員の資質向上を図ることを目的に、2年毎に 開催され、今回は本校が担当校となって8月20日(月)∼21日(火)に実施した。近畿地区国 立4高専(舞鶴高専、明石高専、奈良高専、本校)の技術職員が集まった。本校からは、眞田 順技術長、濱口龍弘技術専門職員、中嶋崇喜技術職員が参加し、寺西信技術専門職員は、2日 目の技術実習研修「FPGA入門研修」の講師として参加 した。また、佐世保高専技術室 森晴樹技術長による「技 術職員の組織化後の在り方」や松江高専実践教育支援セン ター 福田恭司技術長による「松江高専における組織化後 の取組について」の特別講演および「花王エコラボミュー ジアム」の施設見学では、本校技術支援室全員が参加した。 各高専の取組報告では、「技術職員の組織化後のあり方に ついて、認識形成を図り実践的活動に繋げていくこと」を 技術実習研修の様子 テーマに発表を行った。 近畿各高専における、課題や活動を実際に聞く事ができ有意義な研修であった。他高専に比 べ極端に少ない予算の中で制約も多いが、本校でも各自が出前実験等などで高専のPRを積極 的に行うとともに平行して研究活動そして科研申請へと取り組み実績を積むことで予算面の改 74 善につなげていきたいと感じた。 ③平成24年度初任職員研修会 4月25日(水)から4月27日(金)まで、(独)国立高等専門学校機構主催による初任職員 研修が行われた。会場は学術総合センター 中会場1∼4で技術支援室からは、小川忠繁技術 職員が受講した。 ④平成24年度第1回ネットワーク管理者研修会 6月4日(月)から6月5日(火)まで、国立オリンピック記念青少年総合センター(東京 都)において、平成24年度第1回ネットワーク管理者研修会が開催された。 (独)国立高等専 門学校機構が主催し、情報ネットワークシステムの運用管理に携わる教職員を対象としており、 寺西信技術専門職員が参加した。内容は、各校に導入される情報ネットワークシステムに関す る研修で、特に、全国の高専に一括導入されるファイアウォールと認証サーバーの運用管理に 関する研修が重点項目であった。 ⑤機構本部一括調達機器ファイアウォールのハンズオントレーニング 9月14日(金)に(独)国立高等専門学校機構が主催する、情報ネットワークシステムの運 用管理に携わる教職員を対象としたファイアウォール(FortiGate)の実習に、寺西信技術専 門職員が参加した。このファイアウォールは、機構本部が来年度に一括調達する機器の一つで あり、明石工業高等専門学校を会場として行われた。 (4)資格等 技術の向上を図るために、技術支援室員が保有する資格等の一覧を下表に示す(技術支援室業 務一覧を基に集約した)。 免許・試験・資格等 人数 免許・試験・資格等 人数 危険物取扱主任者(乙種4、6類) 1 2級CAD利用技術者 1 危険物取扱者(丙種) 1 第一種衛生管理者 2 危険物取扱者(4類) 1 第2種電気工事士 2 毒物劇物取扱者(一般) 1 毒物劇物取扱者(特定品目) 1 ネットワーク接続技術者 (工事担任者 AI・DD総合種) 1 毒物劇物取扱者(農業用品目) 1 ガス溶接技能講習 2 特定化学物質・四アルキル鉛作業主任者 1 アーク溶接技術者特別教育 1 2級ボイラー技士 1 特定粉じん特別教育講習 1 三級機械検査技能士 1 自由研削といし特別教育講習 1 2級(冶工具仕上げ)仕上げ技能士 1 ボイラー実技講習 1 水質関係第二種公害防止管理者 1 マグネシウム取扱い安全講習 1 エックス線作業主任者 1 普通救命講習 3 75 7.5.6 その他教育・研究の支援 各部署からの依頼に沿って、以下の通り支援を行った。 業 務 内 容 担当グループ名 依頼部署 学校説明会 共通 教務係 健康診断 共通 学生係 入試業務 共通 教務係 安全衛生委員会からの安全パトロール 共通 安全衛生委員会 自衛消防隊消火班 生産・加工グループ 施設係 体験実習入試用試験装置の加工及び組み立て 生産・加工グループ 知能機械工学科 ホームページの作成 電気・情報グループ 広報委員会 開示用試験問題のサーバへのアップ 電気・情報グループ 教務係 進路情報データのサーバへのアップ 電気・情報グループ 学生係、教務係 情報セキュリティ推進委員会に関する業務 電気・情報グループ 情報セキュリティ推進委員会 メディアセンター委員会に関する業務 電気・情報グループ メディアセンター委員会 広報委員会に関する業務 電気・情報グループ 広報委員会 地域共同テクノセンター委員に関する業務 化学・環境グループ 地域共同テクノセンター委員会 7.5.7 自己点検結果 様々な業務に取り組むことができた。良かった点として、科研費への申請が増加したこと、来年 度に向けて技術支援室が主催する公開講座の申請を行ったこと、業務一覧表の作成により各自の業 務内容がわかりやすくなったこと、各自が所持している資格を申告したこと、支援依頼を年度当初 に各学科に確認したこと、研修会終了後に報告書の提出を義務づけたこと、年報に技術支援室の ページが設けられたことが挙げられる。 一方、改善を要する点として、公開講座、出前実験への支援業務の内容を点検し、特定の職員に 業務が偏らないようにする必要がある。運営面では、技術支援室長から、技術長、グループ長、関 係者まで、組織内の事前の協議を充実して、支援室の運営を一体的に進める改善を図りたい。また、 支援室での技術研修・技術発表を増やすとともに、資格取得を奨励するための支援策の導入を提案 していきたい。 76