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変革のアソシエ講座 2010 年度:菅孝行「近代天皇制とナショナリズム」第 8 回レジュメ
ケネス・ルオフ
国民の天皇
構成
§1近代天皇制
§2象徴天皇制の性格規定
§3戦後政治における内奏
§4裕仁の戦争責任問題と明仁
§5復古的天皇制イデオロギーの復活と限界
§6明仁が大衆天皇制を完成させた
第1章
近代天皇制の略史 制度 観念 軍国主義による歪曲=国体明徴運動 敗戦による一掃
裕仁の政治介入自体には言及していない(主題は象徴天皇制民主主義)
第 2 章 立憲的象徴君主制
□伝統回帰
英国王室の参照
津田左右吉の天皇制理解 象徴性は伝統回帰 74⇒
象徴の語は起草に影響せず
和辻哲郎 <象徴天皇制=伝統回帰>論
石井良助 津田・和辻を裏付ける 不執政こそ天皇の伝統
新たな天皇の地位は革命的なものではない
□天皇の役割・権能
84⇒法制度改革は日米協力の賜物(古関彰一) 1 章は争点
86:GHQ と政府の国体護持問題をめぐる相克 主権の所在と国体 金森徳次郎
美濃部の意見変更 はじめは主権在民 後には戦後も君主制
宮沢は共和制
90:天皇制が存在していて共和政は可能か
元首は誰か 憲法は曖昧にしている 天皇? 内閣?GHQ の方針の混乱が原因
92:国事行為(明記は 13)と私事 グレーゾーン
国会開会式出席さえ憲法上正当化されてはいない
全国巡幸:国事行為ではない(その他)
天皇の権限・誰が元首かは曖昧なまま…メッセージを発することはできないという了解
52 年のお言葉で国会紛糾 部分講和 日米同盟の肯定<憲法 天皇 日米同盟>98
皇太子を代理に送り各国は元首待遇
政府見解 国事行為 象徴としての地位における行為 私的行為
黒田覚 元首でない君主
長谷川正安 巡幸 伊勢参りは憲法違反 特に伊勢参りは政教分離原則に違反(批判派)
清宮四郎 象徴としての地位における行為は儀式である限り有効( 政府見解敷衍)
国体開会式出席を国民は容認した 103
(叙勲の復活 63 年まで停止)
□象徴天皇制への右からの反対論
52 天野貞祐:天皇への尊敬を指導要領へ 井上清反対
52 小泉信三:福沢君主論への回帰 帝室論
52 津田左右吉 象徴天皇制擁護論
神社本庁 天皇主権への回帰を主張
自由党憲法調査会(会長岸) 三潴信吾 平泉澄 藤井甚太郎 の右派見解
改進党と共同で改憲提案
国民は象徴支持
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変革のアソシエ講座 2010 年度:菅孝行「近代天皇制とナショナリズム」第 8 回レジュメ
□憲法調査会 116
保守合同⇒自民党憲法調査会 天皇主権への改憲 国民と乖離
高柳賢三 会長 改正派が勝利する可能性はなくなった 124 高柳の警告
□立憲的象徴君主制
中曽根 象徴天皇擁護の改憲論
128:池田内閣叙勲を復活
象徴天皇制と伝統との関係
・明治天皇制の改良版
・国民主権は戦後特有
・純粋な伝統へ回帰などしていない 大嘗祭も近代の産物
天皇への忠誠によって規定される国家は明治に生まれた (和辻批判)
象徴的元首論
第 3 章 内奏
□戦前国家の裕仁 政治的決定に深く関与
証拠は独白録 136
□占領期・新憲法下
安全保障 奥村勝蔵の漏洩 辞任 漏らしたのは白州次郎 入江相政日記
天皇が事情を全て知っていたことが分かる
政治の情報を欲しがる裕仁 内奏を要求する裕仁 芦田均日記 142
裕仁の政治的関心の強さ
沖縄占領継続論 144
共産党対策 閣僚人事 146 芦田均日記
※皇室財産没収 宮内省解体 宮内府長官&侍従長更迭 147
※王室の経済的自立の終わり イギリス王室との違い
内奏削減 芦田
内奏復活 吉田二次以降・・・私的なもの 152
閣僚名簿に疑問(岸が戦犯だから佐藤は大丈夫か?)
朝鮮戦争に関心
書簡でアチソンに米軍に感謝 ダレスに追放緩和を求める書簡
ダレス天皇会談
日米が共に手を携えて進むことを希望するとトルーマンへの伝言を託す
リッジウエイと会談 155
日米の政治家との接触を求め続けた・・・政治的関与は戦後も続いた
□独立後
宮内庁 内奏を目立たなくする プライバシー保護 158
小泉信三の本音 天皇は象徴以上のもの 福沢―小泉⇔バジョット 内奏の重要性
鳩山 内奏を回避 パイプは重光葵 160-161
石橋 岸 池田:不明 161
佐藤:過剰な密着 163 贈り物で裕仁を辟易させる・・・角栄に盆栽を送るなと注意
裕仁:赤木正雄への文化勲章叙勲を批判
沖縄返還の功績を報告 天皇陛下万歳?
田中:増原防衛庁長官 166 の内奏漏洩問題
園遊会への子分の招待 167
天皇の政治利用が問題となる
□内奏の必要性 171
国事行為遂行のため 「めくら判」は捺せない だから合憲―小林直樹
英国 サッチャー―エリザベスの謁見 秘密 日本のようにばれない
内奏は首相だけ ただ、保守党の候補から国王が首相を選んだことがある
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変革のアソシエ講座 2010 年度:菅孝行「近代天皇制とナショナリズム」第 8 回レジュメ
日本 閣僚みんな内奏
福田(父)裕仁お気に入り
大平 一言も話さなかった
中曽根 不沈空母発言で高い評価 靖国公式参拝断念 正しい判断と述べた 177
裕仁 受動的象徴に満足せず 強い関心 周囲が抑制して受動的印象を作った
(戦争突入の政治過程から裕仁の印象を遠ざける)だから謝罪を明仁が背負った
第 4 章 戦争責任と謝罪
□裕仁免責工作 186
有責は明らか
裕仁を平和的人物にする大作戦
終戦の詔書と共に始まる
鈴木貫太郎 内閣告諭
東久邇稔彦 天皇への感謝→一億総懺悔 責任は軍国主義者(政治軍事指導者)
富樫準二 皇室ジャーナリスト 毎日新聞記者 天皇は平和主義者だった
誰もが開戦のことは語らない!
永井隆 長崎の鐘の医師 神が天皇を鼓舞して戦争を終結させた!
異論 高倉テル 渡辺清 ジョン・ダワー
日本人の多くは天皇が平和主義者だという神話を受け入れてはいなかった 193
共産党 栗原貞子 奥崎謙三
退位論 中曽根(吉田:退位論は非国民) 木戸幸一(裕仁が拒否)
□戦争の記憶の浄化
佐藤忠男:民衆の免責のための天皇の免責
フランスの場合 ドゴール神話 ヴィシー政権も美化 悪者は尐数
ユダヤ人迫害や同胞売り渡しなどなどを全部忘却
国民的神話 68 年に瓦解
日本もそうなる筈だと著者はいう(ソウカネ?)
□象徴天皇制を承認する右派
津田、和辻、石井は例外だった
児玉誉士夫
中曽根康弘
相原良一(国家学)
石原慎太郎 米国があわれ
上山春平 梅原猛 矢野暢
□天皇の謝罪と憲法
裕仁訪欧 西欧諸国明の反感 戦争の記憶が喚起された
横井庄一の帰還 その熱烈な天皇主義
天皇の命令でなかったという見解に違和感を表明 211
裕仁の控えめな「謝罪」はじまる 政府は天皇の意に反した戦争、で一貫
86 本島等 戦争責任発言 テロ
89 裕仁の死が戦争責任を語りやすくした
95 ジャック・シラク ユダヤ人追放への加担を謝罪
90 年代従軍慰安婦問題 歴史家の功績
謝罪政治 外圧 215
90 盧泰愚訪日 明仁の明確な謝罪 謝罪は憲法違反という議論が左右から起きた
92 中国訪問で「痛惜」 明確な自責
イギリスで起きた女王のサッチャー批判への左右の対応と似ている
記憶を巡る内戦 220
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変革のアソシエ講座 2010 年度:菅孝行「近代天皇制とナショナリズム」第 8 回レジュメ
第 5 章 天皇制文化の復活と民族派の運動
紀元節復活運動 改憲運動の見通しが暗くなった右派が推進した
67 年建国記念日 紀元節ではなかった
極右の式典 政府の式典の分裂
元号法制化運動 79 年制定
数尐ない成功例の意味するもの 274
第 6 章 大衆天皇制
天皇制イメージの浸透に対するメディアの役割
46 宮本顕治の天皇制反対論
49 横田喜三郎 天皇への忠誠は後進性
国民の天皇になりきれなかった裕仁
先述の富樫のイメージ作りも甲斐なし
皇太子明仁の登場
ヴァイニングの教育
53 年訪欧
英国王室との対比 ラスキの説 292
皇太子の退学 清水幾太郎の提起 聴講生にする
恋愛結婚
中曽根 女性天皇を提案 55
小泉 ハロルド・ニコルソン ジョージ五世論の重要性 義務に忠実な天皇 309
松下圭一 大衆天皇制 312
316 アカハタとマスコミ 松下圭一の失敗 井上清との論戦
大衆天皇制への右派の反発
平井義一 権威の失墜
嶋中事件の恐怖
三島 文化防衛論
村松 黛 藤島 司会中村菊男 流動
明仁天皇 温かくファジーな王室
ダイアナ妃スキャンダルから右派の英国王室批判 退廃しない象徴天皇制が支持される
スペインのカルロスのようにはなれない
福祉 被災地慰問などを介したソフトな天皇
皇太子 秋篠 配偶者 後継者のイメージ作り
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