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C 最適化 - Asian Clean Fuels Association
Asian Clean Fuels Association 月刊誌 C4 最適化 流動式接触分解技術の発展に伴い、世界中の精錬所は1日 に何千バレルのブタン、ブチレン、少量のブタジエンを 含んだ流水を廃棄するという問題に直面しました。当初、 それらはすべて精錬所の燃料として消費されました。ア ルキル化プラントの出現により多量のブチレンがアルキ レートに変換されることになり、その後、プロパンやブ タンを分解していた精錬所のオレフィンプラントは、副 産物のC4 炭化水素流水を産出し始めました。軽油やナフ サを原料とするオレフィンプラントによりさらにC4 流水 が生産されていました。最終的に、ガス田にあるブタン の体積の増加に伴い、天然ガス田も拡大しました。 Vol. 5 2号 - 2007年2月 本号の内容 C4 最適化 エキスパートトーク: Methanol InstituteのJohn E. Lynn氏およびGregory A. Dolan氏へのインタビュー インドネシア会議、大気環境改善をメインテーマに タイのガソホール計画改定 こ れ ら の C4 生成物の流水をどうするか、またそれらの価 値をどのように高めるかという問題が発生しました。さら に別の問題も発生しました。これらの問題には、石油のオ クタン含有量を減らすだけでなく、揮発度を下げる鉛添 加剤の除去や硫黄レベルの削減といった世界的な動きが ありました。幸い、すぐに対処できる解決法がありまし た。それは、C4 流水をメタノールと反応させ、メチル第3 ブチルエーテル(MTBE)を生成することでした。 MTBEを生成するために、イソブチレンを触媒上で選択的 にメタノールと反応させます。反応は、固定層反応器で 発生します。反応器の廃液には未反応の給水とMTBEが含 まれており、流水と生成物をリサイクルするように断片 化されます。C4 流水全体が供給され、イソブチレンが選 択的に反応する点でMTBE処理は魅力的です。 MTBE生産プラントには以下の3種類があります。 • 精錬所/石油化学プラント: 流動式接触分解装 置と石油化学エチレンプラントで副産物とし て生成されるイソブチレンがメタノールと反 応してMTBEを生成します。 これらは、生成物の出力という意味では一般 的に最も小型のプラントですが、生成された MTBEは精錬所内で使用されます。 • 商業プラント: これらのプラントでは通常のブタンがイソ ブタンに異性化され、イソブタンから水素を取り除きイ ソブチレンにします。次に、イソブチレンをメタノール と反応させMTBEを生成します。商業プラントでは、契約 に基づきまたは自由(現金取引)市場で売買される多量の MTBEが生産されます。 アジア太平洋地域からの報告 • TBAプラント: TBA (第3ブチルアルコール)は酸化プロピ レンを生産する場合の副産物です。TBAはメタノール と反応し、MTBEを生成します。世界で稼動している TBAベースのプラントはごくわずかです。 体積増とは別に、MTBEは石油の性能と品質について特に 価値が高い3つの主要な属性を持っています。MTBEはオク タン価が高く、蒸気圧が低く、分子構造の中に酸素を含ん でいます。RON 116という高オクタン価により、石油混合 に使用する他の製品(鉛、芳香化合物、アルキレートなど) への経済的な代替製品となります。MTBEの高いオクタン価 は、硫黄還元による体積やオクタン損失の代替においても 価値があります。この傾向は、アジア太平洋地域を含む他の地 域でも続くと思われます。 MTBEの低い蒸気圧により、精錬業者や石油混 合業者は柔軟に対応でき、年間を通して使用 で き ま す 。 精 錬 業 者 は VOC排出要件を満たすのに必要な蒸気圧制御が 必要な夏季に、過剰なブタンやペンタンを抽出 する必要がなくなります。 さらに、これは特に、マニュアル仕様の車両での低速運 転性能への理想的な添加剤である低沸点品質を石油に与 える点で魅力的です。この特性も、高性能エンジンには 欠かせない石油の蒸留特性の維持に役立ちます。 (5ページへ続く) [email protected]にメールいただくか、ウェブサイト:.www.acfa.org.sg. をご覧ください。Copyright 2007. Asian Clean Fuels Association. エキスパートトーク Methanol InstituteのJohn E. Lynn氏およびGregory A. Dolan 氏へのインタビュー 1996年以降、John E. Lynn 氏は、世界のメタノール 業界を代表する産業団体 である米国バージニア州 アーリントンに本拠地を 置くMethanol Institute (MI) の社長/CEOに就任してい ます。 同氏は世界のメタノール業界に影響を与える立法、健康、安 全、規制に関するイニシアチブを担当しています。 それは明らかに、規制についての製品管理努力なのです。 市場展開については、新しいメタノール消費者が製品を安 全に処理する正しい情報を得られるよう懸命に努力してい ます。我々はすでにバイオディーゼル生産業者へのガイド ラインを示し、排水処理施設の運用業者に対する新たな努 力に着手しています。正直この努力のいくらかは米国の MTBEでの実績が動機となっています。我々は優れた製品を 持っていましたが、特にガソリンスタンド業者など流通網 にある他社は、タンクのMTBE含有ガソリンを適切に保管す Lynn氏は現在、発電や排水処理でのメタノールの使用促進、 ることができませんでした。今では、下流側にいる顧客と メタノールを動力源とする燃料セル技術の開発を行いなが 密接に協業していく必要があると認識しています。 ら、よりクリーンな改質ガソリンでメタノールを継続的に 使用しようと一生懸命努力しています。また、米国で毎年 質問2: メタノールを直接使用燃料と調査している他の諸外国は、 開催され、Methanol Instituteが主催する卓越したメタノール 1990年代半ばからの米国メタノール(M85)開発プログラム 産業の会議であるメタノールフォーラムの企画も管理して から何を学ぶことができるでしょうか います。 Gregory A. Dolan氏は連絡と政策担当副社長として2001年7 月にMIに再び参画して以来、Methanol Instituteの連絡と政 策担当の副社長です。元々、連絡担当部長として後に広 報担当副社長として1996年3月から2000年3月までMIに従事 していました。2000年4月から2001年6月まで、Dolan氏は U.S. Fuel Cell Councilの副常務取締役として従事していまし た。 Dolan氏は、このメタノール業界の産業団体のためにメディ アの広報活動、学校教育、アウトリーチの努力を指揮して います。また、州政府関連活動や連盟組織の展開だけでな く、MIの議会および連邦政府関連の活動のほとんどをコー ディネートしています。現在は、改質酸化ガソリンへのメ タノール添加剤の使用を集中してサポートし、メタノール を動力源とする新たな燃料セル技術の開発を促進していま す。 Dolan氏は、燃料セル業界の産業団体であるU.S. Fuel Cell Councilの役員としても活躍しています。 Greg Dolan: まず、米国でメタノールを直接輸送燃料として 使用したのは成功でした。我々は、メタノールと互換性があ る車両や燃料流通インフラの構築方法を知っています。エタ ノール業界が米国および他国での何百万台というE-85車を導 入したこともその成功のたまものです。メタノールプログラ ムがなぜこの国で消えてなくなったのかいくつか意見を述べ させていただきたいと思います。M-85プログラムが全盛期の 時代、米国には約14,000台のメタノール適性燃料車両(FFV)と 約140箇所の給油ステーションがあり、ほぼ全車両がカリフォ ルニアで動いていました。これは、ガソリンがガソリンスタ ンドで1ドル/ガロンしない1990年代半ばのことでした。メタ ノールのエネルギー含有量はガソリンの約半分なため、競争 面で不利な立場になりました(もちろん、ガソリン価格がメタ ノールの2倍となった現在はその逆もまた真なりです)。自動 車メーカーはM-85の能力を持ったフルサイズのセダンのみ生 産し、複数の年式を生産していたのはフォードだけでした。 FFVにはメタノールもガソリンも使用できるため、ガソリン で走らせることが多く、メタノールスタンドでそこそこの処 理量を実現することが困難でした。MIには、車両へのメタノ ール使用に関心のある他国と共有している強力な知識ベース があります。 質問1:Methanol Instituteの使命、目標、現在の集中的に取 質問3: ご存知のようにここ数年北米では、MTBEがガソリン り組んでいることについてお話ください の混合成分として自主的に取り除かれています。しかし、 John Lynn: Methanol Instituteは主に製品の管理と市場の展 大気汚染の少ない燃料が進歩するチャンスが諸外国を含め 開をしています。世界のメタノール業界の産業団体として、 出てきました。どの分野にそのチャンスがあると思います 製品管理は我々が行うあらゆることの核となるものです。 か たとえば、米国環境保護庁(EPA)は現在、メタノールが原因 となる癌の等級を確立する保健衛生評価を行っています。 我々はEPAとともにトロント大学との4年間に渡る広範囲の 研究調査に資金援助するなど、現代最高の科学に専念して います。我々は、メタノールは人間に対して発癌性がある 物質であるとは思いません。少なくとも、メタノール汚染 と癌とを結びつけようとする文献には不適切な情報が存在 します。 2007年2月 Lynn: 2006年10月にテキサス州ヒューストンで開催されたメ タノールフォーラムで (3ページへ続く) ページ2 エキスパートトーク Methanol InstituteのJohn E. Lynn氏およびGregory A. Dolan氏への インタビュー (2ページから続く) Hank Williams、次にJim Jordan & Associatesとともに、北米でのMTBEの消滅で失われたメタノール 需要は、2008年までに世界中でのバイオディーゼル生産に対する メタノール需要で補うことができるとコメントしました。昨年の 米国のバイオディーゼル生産は、7500万ガロンから2億5000万ガロ ンへと増加しましたが、欧州やアジア全体の成長市場でのバイオ ディーゼル需要と比較しても見劣りします。我々はともに、燃料 品質や地域間の流通可能性両方を改善する燃料基準の開発に始ま り、バイオディーゼルの成長を阻害する可能性のある障壁を取り 除く必要があります。 質問4: Methanol Instituteは最近International DME Association と戦略的パートナーシップを締結しました。新しいクリーン燃料 に向けたパートナーシップとその目標についてお話ください Dolan: 産業団体は基本的に情報パイプの役割を果たします。MIとIDAは 相互のWebサイトに記載できる情報を交換し、世界的な展開を目指 しています。また、我々双方の業界の成長を促進するため、公共 政策に関する課題についてパートナーシップを結ぶチャンスも模 索しています。 質問5: 大統領の一般教書演説で、ブッシュ米国大統領はバイオ燃料の 使用増加に対する重要な政策目標を発表しました。これらの目標を達 成するため、メタノールはどのような役割を果たすことができるので しょうか Lynn: ブッシュ大統領は、2017年までに350億ガロンの米国の輸送 燃料を代替燃料でまかなうという大胆な発言をしました。話題は ほとんどセルロースエタノールなどのエタノールでしたが、メタ ノールも重要な役割を果たすことができます。バイオディーゼル 燃料生産の原材料として、メタノールは急速に拡大を続けるこの 業界で極めて重要な役割を果たします。大規模な輸送燃料生産に 利用可能な原材料を考えるとき、(木質バイオマスや都市ごみな ど)廃棄物と石炭の2つの原材料が浮かび上がります。利用可能な ガス化技術を使用して、1トンの廃材を約200ガロンのメタノール に変換することができます。米国のガルフコーストを横切ったハ リケーン・カトリーナでなぎたおされた何百万トンもの木材を考 えてみてください。その可能性がすぐに理解できるでしょう。米 国同様、中国にも莫大な石炭が埋蔵されており、現在、石炭を原 材料とするメタノールが発展しうる戦略的輸送燃料とみなされて います。それは、石炭べースの燃料を推進している米国議会の議 員の間で反響を巻き起こしています。 質問6: グローバルな製品管理努力の一環として、MIはメタノール基金を設 立しました。その役割と研究内容をお話ください ディーゼル生産技術を追求している大学の研究者へ財政的な援助を 行っています。メタノール基金は、今後期待される新しい市場の直 接的な研究に役立ち、業界が政府筋からの財政援助を利用する手段 を提供しています。 質問7: 燃料電池技術を含め、今後、クリーン燃料開発においてメタノール の用途についてお話ください Lynn: もちろん、メタノールのクリーン燃料での主な用途はMTBE 生産の原材料です。MTBEは米国はもちろん、世界中多数の国々で 大気汚染の減少に役立っている優れた酸化化合物です。にもかか わらず、地下水への影響などの理由でMTBEは同国で段階的に廃止 されました。しかし、これはより大きな問題のほんの1つの兆候で しかありません。米国政府説明責任局によると、10年近くも基準 や規制が設けられているにもかかわらず、漏れのある米国の地下 燃料貯蔵タンクはわかっているだけで117,000個もあり、これらの 現場のクリーンアップ作業に数十億ドルもの費用がかかると言わ れています。欧州は異なるアプローチを取り、この潜在的なリス クを管理するために適切な地下貯蔵システムを設けることに取り 組んできました。EUが行ってきた3年間に渡る包括的評価は2001年 に完了し、MTBEは石油成分として安全に使用可能であると結論し ました。 特にアジアや中東地域など他の地域では、鉛の段階的廃止が進み、 大気汚染抑制に役立つクリーン燃料の必要性が認識されるにつれ て、MTBEの利用はさらに増えると考えています。また、メタノー ルは水素担体燃料としても明るい未来があると考えています。 2007年が終わるまでに、メタノール燃料電池によるノートパソコ ンや他の電子機器が市場に現れることが期待できます。 質問8:中国も重要な地域となってきていますが、中国にたいす るMIの努力と活動計画をお話ください Dolan: ワシントンD.C.で陝西、河南地方などからの派遣団を含め中 国の重要関係筋とミーティングを行っています。いくつかの課題 はありますが、中国でメタノールを幅広く燃料として利用できる ことがさらにはっきりイメージできてきています。現在中国の同 胞と共有しているメタノール適正燃料車両における我々の過去の 実績からさまざまな貴重な経験をしました。 Lynn: 中国国家発展改革委員会が戦略的輸送燃料として石炭を原 料とするメタノールを追求する手伝いをするために技術支援を す で に 行 っ て い ま す 。 NDRCやChinese Association of Alcohol and Clean Ether Fuels and Automobilesとともにメタノール混合燃料仕様 について引き続き取り組んでいきます。これも製品管理イニシア チブの1つです。車であろうと出力タービンであろうと、中国がメ タノールを安全に利用する方法を見つけるよう支援することが明 らかにメタノール業界にとり最大の利益になります。 Dolan: メタノール基金は世界のメタノール産業の調査部門です。 Johnがコメントしたように我々がトロント大学と協同で行っている メタノールの健康上の影響調査は、同基金の援助で行われています。 また、米国エネルギー省の支援によるプロジェクトに関して燃料電 どうもありがとうございました。 池企業とパートナーシップを組み、家庭用電化製品や軍用のメタノ ール燃料電池の商用化に取り組んでいます。さらに、新しいバイオ 2007年2月 ページ3 インドネシア会議、大気環境改善をメインテー マに 2006年12月13日から15日の3日間、世界各国の為政者、 技術専門家、政府役人、業界の代表者を集めインドネシア のジョグジャカルタでBetter Air Quality 2006会議が開催さ れました。参加者約900名のこの最新のプログラムでは、 2002年の会議開始以来最高の参加者を数えました。ACFA の代表もこの重要なフォーラムに参加し、重要関係者との ネットワークおよびコラボレーションの展開だけでなく、 知識、アイデア、最良事例を交換しました。 50件の本会議、サブセッション、ワークショップのほとんど で200件近くのプレゼンテーションが行われました。主なテー マは以下のとおりです。 • 一般的な大気環境の管理 • 自動車の排気ガス削減 • 固定および地域の汚染源と室内汚染物質 ほとんどのプレゼンテーションで、アジア各都市における 大気環境プログラムへの最良事例や最新のアプローチにつ いて述べていました。自動車の排気ガス削減に関するセッ ションでは、都市部の公共交通機関、バイオ燃料、代替燃 料、管理プログラム、二輪車、三輪車の課題、船舶の排気 ガス、燃料添加物の使用や排気ガスの影響などの話題を扱 っていました。 最後の本セッションでは、以下のような同地域の都市部の さらなる大気環境改善のための活動計画とコミットメント が提示されました。 •正しい科学に基づいた大気環境管理 (AQM): このアプロー チでは、大気環境の監視強化、特に監視の品質管理と品 質制御(QA/QC)、正式な排出目録と原因分担調査構成リ ストが必要である。 そのような目録や調査がないと大気 環境改善やアジア各都市での組織的 な努力に大きな障害となる。都市部 の大気環境管理と整え、大気環境を 改善するには地域の努力が不可欠と 思われる。 出典: Jitu Shah、 World Bank、大気環境、健康上への影 響、影響評価に関するプレゼンテーション 道路輸送政策基本方針による 大気汚染削減アプローチ • 大気環境とエネルギー需要を同時に考慮する • 本質的にクリーンな車両と燃料を追求する • 同じ役割を果たす車両は同じ基準を満たすべき • 明確に定義された役割分担により誰もがメリットを享受 • 新産業はボトムではなくトップを目指すべき • 車両と燃料は両方で1つのパッケージである • 相互に矛盾ではなく補強する政策を採用する • 担当環境庁は強力な技術能力を持つべき 出典: Axel Friedrich、Environment & Transport Umweltbundesmt Germany、 道路輸送による大気汚染削減アプローチに関するプレゼンテーション • 都市部の大気汚染の根本原因に対 処するための効果的な政策およびプ ログラム: 地球に優しい都市輸送、 クリーン技術、省エネプログラムの 推進により多量の排出物削減を防止 ぐことができるが、自動車および固 定汚染源が原因の大気汚染への取り 組み活動計画と組み合わせる必要が ある。 (5ページに続く) 2007年2月 出典: May Ajero、Clean Air Initiative-Asia、アジアのAQMに関するプレゼンテーション ページ4 インドネシア会議、大気環境改善をメインテーマに 地球に優しいプログラムの採用は、 効果的なインセンティブプログラムが開発・実施されれば 促進される。 (4ページから続く) • 都市部大気環境管理、気候変動緩和、適応方法を結合/統 合する共同メリット戦略: 都市部の大気汚染と気候変動 には多くの共通原因があり、しばしば同様の管理と緩和 戦略が必要である。共同メリット戦略を採用すればより 効果的な結果が生まれるだろう。 • パワーの結合:. 地方自治体や政府、市民社会、学会、企 業部門が力を合わせ、大気汚染防止とその方策管理を行 う必要がある。 Better Air Quality 2007会議中に発表されたように、 Clean Air Initiative for Asian Cities (CAI- Asia)は2007年 初 頭 に 独 立 機 関 に な り ま す 。 World Bank と Asian Development Bankにより6年前に組織されたCAI-Asia はアジアの大気環境管理の改善を専門に扱います。 その新組織の構造は、都市部の大気環境管理のフォーラム と国と地域のネットワーク拠点である非法的団体 CAI-Asia Partnership、活動のコーディネートと実施だけでなく、 契約の締結と協定承諾ができる法的団体である CAI-Asia Centreの2つの要素で構成されています。 15名の協議会メンバーが組織を統括しており、 ACFAは協議会を調整するCAI-Asiaのメンバーです。 タイのガソホール計画改定 タイ政府はEnergy Policy and Planning Office (EOPPO)が発表 した報告書に従い、同国のガソリン計画を改定しました。 改定計画に基づき、同国のエタノール供給が不確実なため RON 95ガソリンが継続して市場に供給されます。ガソリン 混合用燃料エタノール生産許可を持つ多くのプラントは、 供給不足に終わる建造計画の再開に二の足を踏んでいまし た。 さらに、自動車メーカーは、現在稼動中500,000台を超える既 存の旧モデルがガソホールを使用できるかという点について保 証していません。また、RON 95ガソホールに完全移行する前 に、ガソホールの品質に影響を与える不純物を取り除くため 燃料貯蔵状態の検査も行う必要があります。その結果、政府 が市場でRON 95ガソホールの継続を決定するにはさらにリー ドタイムが必要と見られています。 タイのエネルギー省は、燃料エタノールの可用性、価格設 定、旧車両向けに緩和されている互換性/影響を考慮しつ マーケティング以外では、ガソリンの等級にはRON 91と RON 95の2種類があり、タイではRON 95ガソリンを10 vol% つ、ガソホールへの適切な完全移行スケジュール設定する 役割を担いました。同省は石油、自動車、エタノールの各 エタノールと混合したRON 95ガソホールを所有しています。 業界の代表とその供給について協議し、RON 95ガソリンを 元々の計画は2007年1月までにRON 95ガソホールに移行を完 打ち切る場合は2007年3月までに発表すると述べています。 了することでした。しかし、ガソリン混合用エタノールの現 また政府は、バイオ燃料生産プラントの状況と認可政策も 在の需要が総RON 95ガソリン需要の44%である需要を継続し 評価しています。 て満たすには不十分な約350,000リットル/日です。 C4 最適化 (1ページから続く) MTBE内の酸素のおかげでより完全に 燃焼し、車両からの排ガスが削減されます。特に旧型車両にはそ のメリットがあります。 その混合特性が炭化水素に近いため、MTBEは、精錬所での混合 が認可され、引き続きパイプライン経由で輸送されている唯一広 範囲に生産されている一般的な酸化化合物です。結果的に、市場 へ製品を提供する最も経済的かつ効率的な手段となっているので す。 さらに、MTBEは、、芳香化合物 (特にトルエン)に代わる魅力的 なオクタン代替物質で、石油化 学原料として利用可能です。 MTBEを混合することで MTBEおよびメタノール生産施設 精錬業者は他の操業バランスを決定することができます。言い換 MTBEは、混合成分として軽質アルコールを添加することによる複 えれば、装置の出力を最適化するということです。例として、重 雑性のない、自動車燃料でメタノールを使用する間接的な手段を提 大度が低い接触改質装置の操業能力があります(ま た MTBE混合燃 供しています。MTBEは、混合ブチレンからイソブチレンを分離しな 料はオクタン損失からの回復にも役立ちます)。 ければならず、オクタン制限のある、低コストメタノールなど特別 な経済的誘因がある精錬業者にとり極めて魅力的です。 (6ページへ続く) 2007年2月 ページ5 アジア太平洋地域からの報告 デリー発: 車の急増が大気汚染を加速 中国発: 燃料脱硫のメリット – 最新報告 インドのCenter for Science and Environment (CSE)は、最近の 下降気味の傾向に反して、車両台数の急増が冬季のデリー の大気汚染を加速しているとの新たな査定結果を発表しま した。政府の記録によると、個人の車両登録合計台数は過 去10年間で105% (車のみでは157%の増加)上昇しました。こ の増加は、大都市で使用されていたディーゼルバスを以前 に段階的に廃止したことで得られた排出利益を圧倒してい ます。CSEは、冬季の車両排ガス削減を推進する手段をさ らに進め、ディーゼル以外の燃料で走る車の利用拡大を推 進しています。 International Council on Clean Transportation (ICCT)と清華大学 が中国の国家環境保護総局の協力を得て発表した最新報告 では、クリーン燃料の費用対効果と車両基準の改善を調査 しました。 ホーチミンシティ発: 大気汚染 調査 欧州、北米、アジア太平洋諸国の車両排ガスプログラムでは 重要な部分である、低い燃料硫黄レベルがまだ中国全土では 完全に実施されていません。将来的な中国の基準を満たすの に必要な高度な排ガス制限技術にはクリーン燃料の使用が不 可欠です。現在の政策では、中国における使用硫黄レベルは 2008年までに認可燃料硫黄レベルから逸脱することになるで しょう。 ICCT報告書では、中国は脱硫ガソリンとディーゼル燃料の ベトナムの商業の中心地であるホーチミンシティでの大気汚染の30ヶ月 小売原価の1%~3%のコスト増、1週間の運転平均コスト増 に渡る新たな影響調査が、アジア開発銀行からの資金援助を受けて行わ が1元~3元で、2030年までに約370,000人の早死を防ぐこと れています。調査では、劣悪な大気環境の因果関係が貧民街でより明確 ができると報告しました。最近採用されたクリーン燃料と に見られるかどうか判断するため、家族や子供の大気汚染による影響を 車両基準により、すでにその期間で110万人の早死を防ぐと 調査します。地方自治体と米国健康影響研究所が研究を支援しています。 推定されています。調査結果では、軽量Euro IV品質基準が 約$800/車両のコスト増となる一方で、EuroV基準では約 $1,150のコスト増となるとしています。報告書の全文は http://www.theicct.org/でご覧ください。 C4 最適化 限られた石油化学生産物が必要で、MTBEは精錬サイクルの外 で完全に他の製品と組み合わされました。最終結果として、 1973年にイタリアで最初に商業的に生産されたMTBEは、石油 石油混合に著しく付加価値の高い製品が生まれたのです。 混合と品質へのユニークなアプローチであることが即座に明 確になりました。このプロセスには精錬時の副産物と価値が (5ページから続く) 会議&イベントの予定 China International Oil & Gas Conference 2007年4月3日、4日 北京 2007 IMPCA Asian Methanol Conference 2007年5月9日~11日 シンガポール Middle East Petroleum & Gas Conference 2007年4月15日~17日 ドバイ JSAE/SAE Fuels & Lubes Conference 2007年7月23日~27日 京都 ACFANewsに関するお問い合わせやご意見は、[email protected]または、 Lee Chook Khean (+656236 0248) またはEメール[email protected]まで連絡ください。 ウェブサイト: http://www.acfa.org.sg 2007年2月 ページ6