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東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所で確認された不適切な

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東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所で確認された不適切な
27 原機(も) 638
平成 28 年 3 月 31 日
原子力規制委員会 殿
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
理 事 長
児 玉
敏 雄
「東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所で確認された不適切なケーブル
敷設に係る対応について(指示)」に係る報告(高速増殖原型炉もんじゅ)
について
平成 28 年 1 月 6 日付け「東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所で確認され
た不適切なケーブル敷設に係る対応について(指示)」
(原規規発第 1601063 号)
により報告の指示があった事項に関し、高速増殖原型炉もんじゅに係る調査の
結果について、別紙のとおり報告いたします。
別紙 「東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所で確認された不適切なケーブ
ル敷設に係る対応について(指示)」に係る報告(高速増殖原型炉もん
じゅ)
別紙
「東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所で確
認された不適切なケーブル敷設に係る対応につ
いて(指示)
」に係る報告
(高速増殖原型炉もんじゅ)
平成28年3月31日
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
高速増殖原型炉もんじゅ
目
次
1.はじめに ...............................................1
2.指示事項 ...............................................2
3.不適切なケーブル敷設に関する調査 .......................3
4.QMSに関する検証 .....................................7
5.まとめと今後の予定 ....................................13
1.はじめに
平成28年1月6日に発出された原子力規制委員会(以下「規制委員会」と
いう。)指示文書「東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所で確認された不適切
なケーブル敷設に係る対応について(指示)」
(平成28年1月6日 原規規発第
1601063号)において指示のあった事項について、平成28年3月28
日までに実施した高速増殖原型炉もんじゅ(以下「もんじゅ」という。)に係る
調査の結果を報告する。
1
2.指示事項
規制委員会は、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下、
「原子力機
構」という。)に対して以下に従い所要の対応を行うことを求めている。
(1)貴機構が設置する発電用原子炉施設及び再処理施設(ただし、廃止措置
計画の認可を受けた施設を除く。以下同じ。)における既存の安全系ケ
ーブル敷設の状況について、系統間の分離の観点から不適切なケーブル
敷設の有無を調査すること。
(2)(1)の調査の結果、系統間の分離の観点から不適切なケーブル敷設が
確認された場合は、不適切なケーブル敷設による安全上の影響について
評価するとともに、不適切にケーブルが敷設された原因の究明及び再発
防止対策を策定すること。
(3)柏崎刈羽原子力発電所における不適切なケーブル敷設に係る工事が安
全機能を有する設備に火災防護上の影響を与えたことと同様に、発電用
原子炉施設及び再処理施設内の工事により、安全機能を有する設備(既
に受けた許可又は指定に係るものに限る。以下同じ。)に対して、火災
防護上の影響等、安全機能に影響を与えるような工事が行われるおそれ
のある手順等になっていないか、貴機構の品質マネジメントシステム
(以下「QMS」という。)を検証すること。また、検証の結果、QM
Sに問題があると判断した場合には、既存の安全機能を有する設備に対
して影響を与えた工事の事例の有無、影響の程度を調査すること。
(4)上記の結果を平成28年3月31日までに当委員会に報告すること。
(5)(1)の調査の結果、不適切なケーブル敷設が確認された場合及び(3)
の検証の結果、QMSに問題があると判断した場合は、速やかに適切な
是正処置を実施し、その結果を遅滞なく当委員会に報告すること。
2
3.不適切なケーブル敷設に関する調査
指示事項(1)及び(2)に対し、既存の安全系ケーブル敷設の状況につい
て、系統間の分離の観点から不適切なケーブル敷設の調査を行った。
3.1 調査方針
もんじゅにおける既存の安全系ケーブルの敷設状況(異なる区分間に跨って
敷設されているか否か、分離板等の機能を阻害する破損、損傷、変形が有るか
否か)を確認し、系統間の分離について定めた社内基準の要求事項に適合して
いることを判断基準として、不適切なケーブル敷設を調査する。
不適切なケーブル敷設が確認された場合は、QAP830「もんじゅ不適合
管理要領」に基づき不適合管理を行う。この不適合管理の中で、不適切なケー
ブル敷設による安全上の影響について評価するともに、不適切なケーブルが敷
設された原因の究明及び再発防止対策を講ずる。
3.2 調査対象範囲
もんじゅにおける電気ケーブルは、現場機器から電線管、ケーブルトレイ、
中央制御室床下又は同室フロアケーブルピットを経て、中央制御盤へと入線さ
れる。このうち、ケーブルトレイについてはトレイ上部に開放部がある。電線
管には開放部がなく、現場機器、電線管(現場機器側)については異なる区分
のケーブルが混在することなく入線する構成となっている。ケーブル敷設構成
の例を図-1に示す。もんじゅの中央制御室床のフロアケーブルピットは、床
コンクリートピット、同ピット内の分離金属板や金属ダクトによって、区分を
分離する構造となっている。
このため、調査対象範囲は、電線管、ケーブルトレイ、中央制御室床下又は
同室フロアケーブルピットまでの「原子炉施設内の安全系ケーブル(電力ケー
ブル、制御・計装ケーブル)」の敷設ルートとした。
3.3 不適切なケーブル敷設の判断基準
想定されるケーブルの敷設パターンを図-2に示す。
もんじゅの安全系ケーブルには多重性が持たされており、安全系電力ケーブ
ルは独立したA,B,Cの3つのトレン(専用のケーブルトレイ等で区分され
たもの)に、安全系制御・計装ケーブルは独立したI,Ⅱ,Ⅲの3つのチャン
ネルに敷設されている。一方、常用系のケーブルは、これらと異なるNトレン
に敷設されている。
社内基準(以下「MJ基準」という。)のうち系統分離の基準を定めたMJ-
406では、安全系同士及び安全系と常用系は区画の分離・距離の確保・隔壁
3
の設置のいずれか又は組合せにより「互いに分離」し、安全系の回路と常用系
の回路とが必要最小分離条件が満たさない場合、安全系の回路の機能を容認し
難い程には性能低下させないことを証明することにより、安全系の回路と常用
系の回路の併設を可能と定めている。すなわち、ケーブルの跨ぎの状態のうち、
系統の単一故障の防止の観点から3つある安全系のうち2系統が独立確保され
ていれば原子炉の安全機能に影響を与えることはないため、MJ基準を満足す
る。
パターン1は、全てのトレンが独立しているため、原子炉の安全機能に影響
を与えることはない。
パターン2は、安全系と常用系が1区分で跨ぎ混在した場合であり、系統の
単一故障の防止の観点から、3つある安全系のうち2系統は独立確保されてい
るので原子炉の安全機能に影響を与えることはない。
パターン3は、安全系と常用系が複数区分で跨ぎ混在した場合である。常用
系ケーブルが制御・計装ケーブルであった場合、発生し得る過電流による加熱
の影響は当該ケーブルの断線・短絡のみであり、火災が発生し他の区分へ広が
ることはない。したがって、常用系制御・計装ケーブルが安全系ケーブルが存
在する複数区分にわたり跨ぎ混在していたとしても、安全系ケーブルへの影響
は1区分に留まり原子炉の安全機能に影響を与えることはない。しかし、常用
系ケーブルが電力ケーブルであった場合はその影響が複数区分の安全系ケーブ
ルに及ぶ可能性があるため、常用系電力ケーブルが安全系と複数区分で跨ぎ混
在した場合は不適切なケーブル敷設と判断する。
パターン4は、安全系ケーブルが異区分で跨ぎ混在していた場合、すなわち
独立すべき安全系が混在していた場合は、MJ基準を満たさないため、不適切
なケーブル敷設と判断する。なお、安全系機器に接続している電力ケーブル及
び制御・計装ケーブルが、異なる区分の安全系ケーブルトレイに付設されてい
る場合も、パターン4の不適切なケーブル敷設に当たるとした。
不適切なケーブル敷設の判断基準を表-1に示す。
不適切なケーブル敷設であった場合は、
「発電用原子力設備に関する技術基準
を定める省令(昭和四十年六月十五日通商産業省令第六十二号)」
(以下、
「旧基
準」という。)に照合し、火災による損傷の防止に係る要求事項を定めた技術基
準への適合性についても確認する。
3.4 調査方法
3.2「調査対象範囲」に示した安全系ケーブルについて、図-3不適切な
ケーブル敷設に関する現場調査フローに従い以下の項目を確認していき、不適
切なケーブル敷設を確認する。
4
① 異トレン跨ぎの確認
現場の電線管、ケーブルトレイ、中央制御室床下までの安全系ケーブル
敷設ルートにおける現場ウォークダウンの目視確認により、異トレン間を
跨いで敷設されているケーブルの有無を確認する。また、中央制御室床の
フロアケーブルピットについては、目視確認により異トレン(ピット間及
びピット内の分離された区分)間を跨いで敷設されているケーブルの有無
を確認するほか、その区分を構成するピット内の分離板(バリア含む)等
の破損、損傷、変形の有無も確認する。
異トレン間を跨いで敷設されていない場合は3.3「不適切なケーブル
敷設の判断基準」のパターン1のとおりにケーブルが敷設されているもの
と判断する。異トレン間を跨いで敷設されているケーブルがあった場合は
3.3「不適切なケーブル敷設の判断基準」のパターン2~4の何れかに
あたり、②の確認を実施する。
なお、高所等の理由で現場ウォークダウンにより確認できないケーブル
がある場合は、カメラ等の機材を用いて確認する。また、調査対象範囲の
ケーブルが電線管で敷設されている場合は、電線管両端以外の途中経路に
は開口部が無く他のケーブルと混在することがない構造であることから、
確認を行わないこととする。
② 判断基準への適合性の確認
異トレン間を跨いで敷設されているケーブルが確認された場合は、当該
ケーブルの種類(難燃/非難燃)及びケーブル用途(安全系/常用系、電
力ケーブル/制御・計装ケーブル)を確認する。現場でケーブル用途が確
認できない場合は、図面等にて確認する。その上で、表-1と照合するこ
とにより当該ケーブルと判断基準の適合性を確認する。判断基準に適合し
ないと判断された場合、旧基準に照合し、火災による損傷の防止に係る要
求事項を定めた技術基準への適合性についても確認したうえで不適合管
理を行う。
3.5 調査結果
もんじゅにおけるケーブル敷設に関する現場調査の結果を表-2に示す。
安全系電力ケーブル、安全系制御・計装ケーブルともに、現場の電線管、ケ
ーブルトレイ、中央制御室床下又は同室フロアケーブルピットまでの安全系ケ
ーブル敷設ルートを確認した結果、3.3「不適切なケーブル敷設の判断基準」
に照らし、不適切なケーブル敷設がないことを確認した。
また、中央制御室床のフロアケーブルピットについては、異トレン(区分)
間を跨いで敷設されているケーブルは無く、その区分を構成するピット内の分
5
離板(バリア含む)等の破損、損傷、変形はなく、安全系の系統間の分離のた
めの機能が阻害される状態にない事を確認した。
3.6 不適切なケーブル敷設状態に対する安全上の影響評価と原因の究明及
び再発防止対策
3.5「調査結果」に示したとおり、不適切なケーブル敷設が確認されなか
ったことから、安全上の影響に関する評価、原因の究明及び再発防止対策は不
要である。
6
4.QMSに関する検証
指示事項(3)に対し、QMSに関する検証を行った。QMSの検証では、
QMS文書を対象としたQMSの要求とプロセスの検証と、既存の安全機能を
有する設備に対して影響を与えた工事についてのQMSの有効性の確認を行っ
た。なお、これまでにもんじゅで発生した安全機能を有する設備に影響を与え
た不適合事象については、確実な不適合管理の下、不適合の除去及び是正処置
を適切に実施し、QMS文書への反映を実施していることから、QMS文書は
改善されている状態であるため、これまで発生した不適合事象は検証の対象外
としている。
4.1 QMSの要求とプロセスの検証
4.1.1 検証方針
もんじゅ原子炉施設内の「補修、取替及び改造工事」※1に関わる業務プロセ
スについて規定したQMS文書について、安全機能を有する設備に対して、安
全機能に影響を与えるような現場作業が行われるおそれのある手順になってい
ないかを要求とプロセスの両面から確認する。
QMS文書に「安全機能に影響を与えるような工事が行われる」ことを防止
する要求やプロセスがないことを確認した場合は、QAP830「もんじゅ不
適合管理要領」に基づき不適合管理を行い、安全上の影響について評価すると
ともに、QMSの問題が発生した原因の究明及び再発防止対策を講ずる。
※1:設備の機能・性能変更、材質変更、形状・構造・強度変更、設備の追加
又は改造、設備所掌担当課が異なる設備間のインターフェースの変更等
の設備変更工事を指す。
4.1.2 検証対象範囲
もんじゅ原子炉施設内の「補修、取替及び改造工事」に関わるインプット、
アウトプット、検証及び妥当性確認の各段階の流れを図-4に示す。
検証対象範囲は、原子力機構もんじゅのQMS文書のうち、
「補修、取替及び
改造工事」に係る業務プロセス(設計の計画、調達、工事の実施、検査及び試
験)について規定された以下の二次文書及び三次文書を調査対象とする。また、
設備等の機能維持、機能回復を目的とした点検については、元の状態への復元
を目的としているため、QMS文書の調査としては対象外とした。
1)MQ730-01「設備変更管理要領」
2)QAP740「もんじゅ物品等調達管理要領」
3)MQ730-02「設計審査要領」
7
4)MQ715-05「作業要領書標準記載要領」
4.1.3 検証方法
4.1.2「検証対象範囲」に示したQMS文書について、業務プロセスご
とに「安全機能を有する設備に対して、安全機能に影響を与えるような現場作
業が行われるおそれのある手順等になっていないか」を確認する。すなわち、
各QMS文書における要求事項として、
「現場作業が安全機能を有する設備に対
する影響を評価し必要な措置等を行うこと」が抜け落ちなく明記されているか
否かを検証する。あわせて、「安全機能に影響を与えるような工事が行われる」
ことを防止するプロセスの有無を確認する。
4.1.4 検証結果
もんじゅ原子炉施設内の「補修、取替及び改造工事」に関わる業務プロセス
について規定したQMS文書について、設計・開発の計画及びインプット、ア
ウトプット、検証及び妥当性確認の各段階に「安全機能を有する設備に対して、
安全機能に影響を与えるような現場作業が行われるおそれのある手順等になっ
ていないか」を検証した結果、
「安全機能に影響を与えるような工事が行われる」
ことが、要求とプロセスの両面から防止されていることを確認した。各QMS
文書の確認結果を以下に示す。
1)MQ730-01 設備変更管理要領
・ もんじゅ原子炉施設における「補修、取替及び改造工事」については、設
計・開発の計画及びインプット段階で「設計計画書」を立案することとし
ている。「設計計画書」には、具体的な工事の内容、既設備の情報などを
記載することとし、それらに係る内容が発電所の安全性、信頼性に関する
機器に係るものであるか否かについて検討することを求めている。すなわ
ち、「設計計画書」を立案することにより、安全機能を有する設備を変更
する際は具体的な工事の内容を明記し、所定の安全機能を満足できること
を確認するとともに、周辺の安全機能を有する設備に対しては安全機能に
影響を与えるような現場作業が行われる計画となっていないことを確認
していることになる。
・ また、「設計計画書」は1次レビュー及び2次レビューの段階でレビュー
され、1次レビューでは設計担当課長のレビューを受け、2次レビューに
おいては、設計担当部長、品質保証室長及び運営管理部長によるレビュー
並びに設計・開発に係る専門家として発電用原子炉主任等によるレビュー
を実施することとしている。すなわち、安全機能に影響を与えるような現
8
場作業が行われる計画となっていないことを、責任と権限を有する者が確
認している。
2)QAP740 もんじゅ物品等調達管理要領
・ 「設計計画書」が承認された後、設計・開発からのアウトプット段階で「引
合仕様書」を作成することとしている。
「引合仕様書」には、
「設計計画書」
※2
を受けた技術仕様が明記されており、「一般仕様書 」には、発注者の所
有する設備に損害を及ぼすことのないよう責任を持って万全の予防措置
を講じることを要求している。すなわち、
「もんじゅ物品等調達管理要領」
に基づき、「設計計画書」で検討した内容を「引合仕様書」に確実に明記
し、発注者の所有する安全機能を有する設備に対して影響を与えることが
ないようにするため、万全の予防措置を講じて作業に取り組むことを「一
般仕様書」で要求している。
※2:正式名称は「請負契約にかかわる一般仕様書」である。これは、
「引
合仕様書」のような技術仕様ではなく、品質保証・管理、安全管理
等の一般仕様を定めたものを指す。
3)MQ730-02 設計審査要領
・ 設計・開発の検証段階では、受注者は「引合仕様書」を受け、「補修、取
替及び改造工事」により当該設備及び影響を受ける関連設備についての設
計図書を改訂することとしている。この改訂の具体的な検証方法としては、
設計審査シート※3を用いて、提出された設計図書を審査し、そのシート
中で既設備への影響、設置許可申請書との整合性確認等の確認を行うこと
としている。すなわち、「補修、取替及び改造工事」による当該設備及び
影響を受ける関連設備については、設計審査要領に基づいて設計図書の改
訂がなされ、改訂内容の検証が確実に行われることで安全機能に影響を与
えるような設計が行われることを防止している。
※3:図書の種類に応じ、検証項目を定めたシートを指す。
4)MQ715-05 作業要領書標準記載要領
・ 設計・開発の検証及び妥当性確認段階では、「補修、取替及び改造工事」
を請け負った受注者から作業要領書等が提出され、その作業要領書等に基
づき工事が施工され、検査及び試験により妥当性確認を実施している。作
業要領書等を作成するための要求事項には、設備の状態、環境条件等を事
9
前に調査、確認し、既設運用等に影響がないよう必要な措置等を含めるこ
とを要求している。また、「補修、取替及び改造工事」による検査及び試
験項目を標準化し、工事内容に応じた検査及び試験が抜けなく実施するこ
ととしている。なお、作業要領書等提出時には、原子力機構職員が内容を
レビューし、所管課長の承認を得ることとしている。すなわち、「補修、
取替及び改造工事」による当該設備及び影響を受ける関連設備については、
作業要領書等に必要な措置等が明記され、工事内容に応じた検査及び試験
が実施されることのレビューを実施し、作業要領書等に明記する検査及び
試験に立ち会い、安全機能に影響を与えていないことを確認している。
4.2 QMSの有効性の確認
4.2.1 確認方針
4.1「QMSの要求とプロセスの検証」により「安全機能を有する設備に
対して、安全機能に影響を与えるような現場作業が行われるおそれのある手順
等になっていないか」を確認したうえで、現場作業に係る仕様書、工事報告書
等の内容を調査し、そのQMSが有効に機能しているか否かを確認する。
QMSが有効に機能しなかった現場作業があった場合、QAP830「もん
じゅ不適合管理要領」に基づき適切に不適合管理を行う。この不適合管理の中
で、安全上の影響について評価するともに、QMSの問題が発生した原因の究
明及び再発防止対策を講ずる。
4.2.2 確認対象範囲
確認対象範囲は、原子炉施設保安規定からQMSが要求された平成16年6
月以降、今回の指示書の発出(平成28年1月6日)までに行われた「補修、
取替及び改造工事」のうち、安全機能を有する設備又は安全機能を有する設備
が工事エリア内にある周辺設備に係る現場作業を確認対象範囲とした。
4.2.3 QMSの有効性に関する判断基準
原子炉施設内において実施される「補修、取替及び改造工事」等に係る現場
作業において、安全機能に影響を与えるような現場作業が行われるおそれがな
いとは、QMSの仕組みと実行によって、安全機能が維持されることを意味す
る。すなわち、現場作業に係る仕様書、設計審査シート、工事報告書等がQM
Sの要求を満たしており、安全機能を有する設備に影響を与える現場作業が行
われなかったことを確認することで、QMSが有効に機能したと判断する。
10
4.2.4 確認方法
4.2.2「確認対象範囲」に示した原子炉施設内での現場作業について、
図-5QMSの有効性に関する確認フローに従い確認し、4.2.3「QMS
の有効性に関する判断基準」に基づきQMSが有効に機能しているか否かを確
認する。
① 「補修、取替及び改造工事」現場作業のうち安全機能を有する設備又はそ
の周辺設備に係る現場作業の抽出
平成16年6月以降に作成された設計計画書(又は工事計画書)の管理
台帳に記載されている「補修、取替及び改造工事」について、PS-1~
3(異常の発生防止の機能を有する構築物、系統及び機器の安全重要度の
クラス)機器、MS-1~3(異常の影響緩和の機能を有する構築物、系
統及び機器の安全重要度のクラス)機器を含む設備に対して行われた現場
作業又は作業エリア内にPS-1~3機器、MS-1~3機器が存在する
周辺設備に対して行われた現場作業を抽出する。作業エリア外にPS-1
~3機器、MS-1~3機器があったとしても、現場作業がこれらの機器
に影響を与える可能性がある場合は、作業エリア内にPS-1~3機器、
MS-1~3機器が存在する周辺設備に対して行われた現場作業とした。
これらは、安全機能を有する設備又はその周辺設備に影響を与える可能性
がある「補修、取替及び改造工事」の現場作業である。その他の場合につ
いては、今回の確認対象範囲外とする。
② 法令・基準等への準拠の確認
現場作業に係る仕様書の「適用又は準拠すべき法令等」に示す内容に、
法令や基準等への準拠が明記されていることが確認できた場合、続いて③
の確認を行う。明記されていない場合、実際の現場で適切な作業が行われ
ていたことを確認したうえで、④の最終確認を行う。
③ 設計審査が適切に行われていることの確認
受注者提出の設備図書に対する設計審査項目「既設備に与える影響の確
認」、
「許認可申請書との整合性確認」及び「安全性、信頼性の確認」が適
切に実施されたことが確認できた場合、更に「作業要領書標準記載要領」
の品質管理程度表に基づいた検査項目が選択され、検査及び試験の結果に
問題が無かったことを確認したうえで、安全機能を有する設備に影響を与
えていない現場作業と判断する。設計審査が適切に実施されていなかった
場合、安全性確認等が行われていたことを確認したうえで、④の最終確認
を行う。
11
④ 安全機能を有する設備に対する影響の最終確認
作業手順/作業管理チェックシート、施工状況、検査及び試験により、
安全機能を有する設備に対して影響を与えていないことを確認する。また、
必要に応じて現場を確認する。影響を与えていないことが確認できた場合、
安全機能を有する設備に影響を与えていない現場作業と判断する。影響が
否定できなかった場合、安全機能を有する設備に影響を与えた現場作業と
判断し、4.2.1「確認方針」に示す通り不適合管理を行う。
4.2.5 確認結果
4.2.4「確認方法」の①の手順により、
「補修、取替及び改造工事」現場
作業のうち安全機能を有する設備又はその周辺設備に係る現場作業は112件
であった。確認対象となった工事件名リストを別添-1に示す。4.2.4「確
認方法」の②以降の手順によりこれら112件の現場作業がQMSの要求を満
足していることを確認できた。また、112件の現場作業の検査及び試験の結
果に問題はなかった。したがって、112件の全ての現場作業が安全機能を有
する設備に対する影響していなかったことを確認でき、QMSが有効に機能し
ていたこととなる。
4.3 QMSに問題があった場合の安全上の影響に関する評価と原因の究明及
び再発防止対策
4.1.4「検証結果」及び4.2.5「確認結果」に示したとおりQMS
に問題はなかったことから、安全上の影響に関する評価、原因の究明及び再発
防止対策は不要である。
12
5.まとめと今後の予定
もんじゅにおける既存の安全系ケーブルの敷設状況を調査した結果、安全系
電力ケーブル、安全系制御・計装ケーブルともに、現場の電線管、ケーブルト
レイ、中央制御室床下までの安全系ケーブル敷設ルートにおいて異トレン間を
跨いで敷設され、不適切な敷設と判断されたものは存在しなかった。また、中
央制御室床のフロアケーブルピットについては、異トレン(区分)間を跨いで
敷設されているケーブルは無く、その区分を構成するピット内の分離板(バリ
ア含む)等の破損、損傷、変形はなく、安全系の系統間の分離のための機能が
阻害される状態にない事を確認した。すなわち、もんじゅにおいて「系統間の
分離の観点から不適切なケーブル敷設」が無いことを確認できた。
また、もんじゅ原子炉施設内の「補修、取替及び改造工事」に関わるQMS
の要求とプロセスの検証を行った結果、QMS文書の規定により、
「安全機能に
影響を与えるような工事が行われる」ことが、要求とプロセスの両面から防止
されていることを確認し、更に、原子炉施設保安規定からQMSが要求された
平成16年6月以降、今回の「調査等の指示」の発出(平成28年1月6日)
までに行われた現場作業について、そのQMSが有効に機能していることを確
認した。すなわち、これらの現場作業が「安全機能を有する設備に対して、安
全機能に影響を与えるような工事」ではなかったことを確認できた。
今後、見直しが予定されている新規制基準への適合性に係る工事計画認可申
請とこれに伴う改造・改善工事等を通じ、原子炉施設の安全性を更に向上させ
るとともに、保安活動を通じて更なる改善を図っていく。
13
表-1
不適切なケーブル敷設の判断基準
判断基準(○:適切、×:不適切)
ケーブル
敷設パターン
MJ基準ベース
原子炉設置許可(参考)
電力
ケーブル
制御・計装
ケーブル
電力
ケーブル
制御・計装
ケーブル
パターン1
安全系と常用系の
全てが区分で分離
○
○
○
○
パターン2
安全系と常用系が
1区分で跨ぎ混在
○
○
○
○
パターン3
安全系と常用系が
複数区分で跨ぎ
混在
×
○
×
○
パターン4
安全系同士が
異区分で跨ぎ混在
×
×
×
×
MJ基準 : もんじゅにおける建設当初の基本設計条件書(設備図書)であり、
この基本設計条件書に基づき原子炉設置許可申請書に記載の安全設計(基本方
針)を行っているものである。
14
表-2
もんじゅにおけるケーブル敷設に関する現場調査の結果(1/2)
(1) 安全系電力ケーブル敷設状況に関する調査結果
※ ○:表-1の判断基準に照らし適切、×:表-1の判断基準に照らし不適切
連番
調査範囲(建屋フロア又は場所)
確認日
判 定※
1
原子炉補助建屋(A/B) EL14.5M (非管理区域)
2016.3.24
○
2
原子炉補助建屋(A/B) EL14.5M (管理区域)
2016.3.24
○
3
原子炉補助建屋(A/B) EL22.0M (非管理区域)
2016.3.18
○
4
原子炉補助建屋(A/B) EL22.0M (管理区域)
2016.3.18
○
5
原子炉補助建屋(A/B) EL29.0M (非管理区域)
2016.311
○
6
原子炉補助建屋(A/B) EL29.0M (管理区域)
2016.3.24
○
7
原子炉補助建屋(A/B) A-304,305
フロアピット内ダクト及びバリア配置図
2016.3.22
○
8
原子炉補助建屋(A/B) EL36.0M (非管理区域)
2016.3.18
○
9
原子炉補助建屋(A/B) EL36.0M (管理区域)
2016.3.17
○
10
原子炉補助建屋(A/B) EL43.0M (非管理区域)
2016.3.18
○
11
原子炉補助建屋(A/B) EL43.0M (管理区域)
2016.3.17
○
12
原子炉補助建屋(A/B) EL50.5M (非管理区域)
2016.3.10
○
13
原子炉補助建屋(A/B) EL50.5M (管理区域)
2016.3.3
○
14
格納容器内 Aループ エリア
2016.3.22
○
15
格納容器内 Bループ エリア
2016.3.22
○
16
格納容器内 Cループ エリア
2016.3.22
○
17
格納容器内 炉上部ピット室
2016.3.22
○
18
格納容器内 運転床 エリア
2016.3.22
○
19
ディーゼル建屋(D/B) EL10.3M EL14.8M
2016.3.18
○
20
ディーゼル建屋(D/B) EL17.2M
2016.3.18
○
21
ディーゼル建屋(D/B) EL21.2M EL25.0M~36.0M
2016.3.18
○
22
屋外配管トレンチ 補機冷却系海水管路
2016.3.4
○
23
屋外取水ポンプ地下 スクリーンポンプ室
2016.3.4
○
15
備 考
表-2
もんじゅにおけるケーブル敷設に関する現場調査の結果(2/2)
(2) 安全系制御ケーブル、計装ケーブル敷設状況に関する調査結果
※ ○:表-1の判断基準に照らし適切、×:表-1の判断基準に照らし不適切
連番
調査範囲(建屋フロア又は場所)
確認日
判 定※
1
原子炉補助建屋(A/B) EL14.5M (非管理区域)
2016.3.24
○
2
原子炉補助建屋(A/B) EL14.5M (管理区域)
2016.3.24
○
3
原子炉補助建屋(A/B) EL22.0M (非管理区域)
2016.3.18
○
4
原子炉補助建屋(A/B) EL22.0M (管理区域)
2016.3.18
○
5
原子炉補助建屋(A/B) EL29.0M (非管理区域)
2016.311
○
6
原子炉補助建屋(A/B) EL29.0M (管理区域)
2016.3.24
○
7
原子炉補助建屋(A/B) A-304,305
フロアピット内ダクト及びバリア配置図
2016.3.22
○
8
原子炉補助建屋(A/B) EL36.0M (非管理区域)
2016.3.18
○
9
原子炉補助建屋(A/B) EL36.0M (管理区域)
2016.3.17
○
10
原子炉補助建屋(A/B) EL43.0M (非管理区域)
2016.3.18
○
11
原子炉補助建屋(A/B) EL43.0M (管理区域)
2016.3.17
○
12
原子炉補助建屋(A/B) EL50.5M (非管理区域)
2016.3.10
○
13
原子炉補助建屋(A/B) EL50.5M (管理区域)
2016.3.3
○
14
格納容器内 Aループ エリア
2016.3.22
○
15
格納容器内 Bループ エリア
2016.3.22
○
16
格納容器内 Cループ エリア
2016.3.22
○
17
格納容器内 炉上部ピット室
2016.3.22
○
18
格納容器内 運転床 エリア
2016.3.22
○
19
ディーゼル建屋(D/B) EL10.3M EL14.8M
2016.3.18
○
20
ディーゼル建屋(D/B) EL17.2M
2016.3.18
○
21
ディーゼル建屋(D/B) EL21.2M EL25.0M~36.0M
2016.3.18
○
22
屋外配管トレンチ 補機冷却系海水管路
2016.3.4
○
23
屋外取水ポンプ地下 スクリーンポンプ室
2016.3.4
○
16
備 考
安全系ケーブルトレイに繋がる電線管
安全系電力ケーブルトレイ
(Aトレン)
跨ぎの調査
?
安全系電力ケーブルトレイ
(Bトレン)
安全系ケーブルトレイに繋
がる電線管
安全系機器
(Aトレン)
安全系機器
(Bトレン)
安全系機器
(Aトレン)
1)安全系電力ケーブルの敷設構成例
安全系ケーブルトレイに
繋がる電線管
安全系制御・計装ケーブルトレイ
(Aトレン)
跨ぎの調査
?
安全系制御・計装ケーブルトレイ
(Bトレン)
安全系ケーブルトレイに
繋がる電線管
安全系電気盤
(Aトレン)
安全系電気盤
(Bトレン)
安全系電気盤
(Bトレン)
2)安全系制御・計装ケーブルの敷設例
図-1
ケーブル敷設構成の例
17
安全系
A区分
安全系
B区分
安全系
C区分
パターン1
安全系と常用系の全てが
区分で分離
パターン2
安全系と常用系が1区分
で跨ぎ混在
パターン3
安全系と常用系が複数
区分で跨ぎ混在
パターン4
安全系同士が異区分で
跨ぎ混在
区分跨ぎによる混在
図-2
ケーブル
区分(トレン等)
想定されるケーブルの敷設パターン
18
常用系
区分
現場ウォークダウンによる目視確認*1
①異トレン間を跨いでケー
ブルが敷設されている。
□no
□yes
ケーブル種別やケーブル用途等を確認する。
②MJ基準の要求*2 を満足
するか。
□yes
□no
③旧技術基準への適合性を確認する*3 。
確認完了
不適切なケーブル敷設*4
確認完了
適切なケーブル敷設
*1:ウォークダウンにより確認できない場合はカメラ等を用いて確認する。
*2:MJ基準については表-1に示す。
*3:確認結果については報告書に記載する。
*4:不適合管理を行うこととし、安全上の影響について評価するともに、
不適切なケーブル敷設の原因究明及び再発防止対策を策定する。
図-3
不適切なケーブル敷設に関する現場調査フロー
19
設計担当課
調達課
設計計画書作成
(設計・開発の計画)
設計管理シート作成
インプット
設計進捗管理
アウト
プット
引合仕様書
(工事の
契約)
(1) 保守管理業務で実施する保安上重要な補修、取替及び改造工事(次
の法令上の手続きを必要とする補修、取替及び改造工事※1(保守管理要領
による。))
① 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律並びに法律
施行令(以下「原子炉等規制法等」という。)
(2) 燃料管理業務で実施する原子炉設置変更許可申請書、工事計画の認
可申請書の変更のために実施する設計※2
(3) 保守管理業務で実施する保安上重要な点検等で設備変更を伴う工事
(次の保安上重要な点検・調査等を実施した結果、設備変更工事を必要と
するもの(保守管理要領による))
① 法令報告事象となった場合
② 保安規定に規定される運転上の制限を逸脱した場合
③ あらかじめ計画し必要な措置を講じた上で保安規定に規定される運転
上の制限を満足しない状態にて点検等を実施する場合
④ 計画外の原子炉停止が必要な点検等
⑤ 計画外の原子炉の出力制限が必要な点検等
(4) 「設計審査要領」で定める新設計に該当するもの
(5) 原子炉等規制法等以外で法律上の手続きを必要とする設備変更工事
(6) 各要領(もんじゅ不適合管理要領、保修票運用手順書、もんじゅ最新技
術情報の反映に係る管理要領、もんじゅ対外約束事項管理要領、設備改
善提案に関する取扱要領等)に基づき計画する設備変更工事又は設計担
当課が計画する設備変更工事
引合仕様書審査記録様式
アウト
ソース
受注者
検証
契約仕様書
受理
契約手続
引合仕様書に相違があった場合は
デビエーションリストを提出
検証
見積仕様書審査記録様式
見積仕様書
見積仕様書
作成
設計開始時の確認
設計開始時の確認記録様式
レビュー
設計開始
系統仕様検討
承認申請
系統設計図書の審査
アウト
ソース
系統設計段階の審査記録様式
検証
・設計仕様書審査
設計開始となった受注者は、系統仕様検討に入ります。 受注者が検討し
た新規承認図書や既存承認図書などがNRMを通じて、担当へ渡ります。
担当者は、受注者より提出される系統仕様について、設計審査要領に定
められてある個々の系統設計段階の審査様式に基づき、審査を実施する。
系統設計段階の審査記録様式には、品質管理の重要度分類が高い場合、
炉主任に合議を必要とするものもあります。
また、品質管理の重要度分類が高いものによっては、保安管理専門委員
会で審議し、中央安全審査・品質保証委員会に通知する場合もあります。
・設計条件書、基本計画書の審査
(系統設計
の審査)
・配管系統図の審査
・計装線図、計装系統図の審査
・単結線図の審査
・インタロック線図の審査
・総合機器配管配置図の審査
・総合的審査
承認図書返却
保管専等
機器図等の作成
次へ続く
図-4 もんじゅ原子炉施設内の「補修、取替及び改造工事」に関わる
インプット、アウトプット、検証及び妥当性確認の各段階の流れ(1/2)
20
設計担当課
調達課
受注者
機器図等の作成
承認申請
機器設計図書の審査
アウト
ソース
(機器設計
の審査)
機器設計段階の審査記録様式
検証
・機器外形図、構造図、基礎図の審査
機器設計段階においても受注者が検討した新規承認図書や既存承認図
書などがNRMを通じて、担当へ渡ります。 担当者は、受注者より提出される
機器仕様について、設計審査要領に定められてある個々の機器設計段階
の審査様式に基づき、審査を実施する。
また、品質管理の重要度分類が高いものによっては、保安管理専門委員
会で審議し、中央安全審査・品質保証委員会に通知する場合もあります。
・盤外形図、盤内面図の審査
・計算書の審査
・展開接続図の審査
・ダクト図の審査
・計装配管図の審査
・リストの審査
アウト
ソース
(製作開始
時の点検)
アウト
ソース
承認図書返却
保管専等
承認申請
製作設計段階での審査
製作設計段階の審査記録様式
詳細設計
仕様決定
製作図、要領
書類の作成
検証
・機器製作方案の審査
承認図書返却
・試験検査要領書等の審査
製作開始時における点検
機器製作指示
製作開始時の点検記録様式
レビュー
(製作開始
時の点検)
機器製作開始
工場製作等
溶接検査申請等
工場製作段階での
検査・試験の立会い
設計開発
の妥当性
確認の段階
検査・試験
現地
機器据付
現地据付段階での
検査・試験の立会い
検査・試験
完成図書確認・受領
完成図書作成
工事結果の確認
設計審査品質保証管理確認様式作成、設計管理シート完成
品質保証、進捗管理
図-4 もんじゅ原子炉施設内の「補修、取替及び改造工事」に関わる
インプット、アウトプット、検証及び妥当性確認の各段階の流れ(2/2)
21
平成16年6月以降の現場作業
補修、取替え及び改造工
事のうち安全機能を有す
る設備*1 又はその周辺設
備の現場作業であるか
調査の確認対象範囲外
□no
□yes
法令・基準等に準拠して
いるか*2
□no
適切な作業
が実施され
たことを確
認する*5
□no
安全性確認
等が実施さ
れたことを
確認する*6
□yes
設計審査が適切に行わ
れているか*3
□yes
検査及び試験が適切に
実施されているか*4
安全機能を有する設備
に対する影響がないか*7
□no
□no
□yes
□yes
確認完了
(安全機能を有する設備に影響を与えない現場作業)
確認完了
(安全機能を有する設備に
影響を与える現場作業)
*1:安全機能を有する設備とは、PS1~3機器、MS1~3機器を含む設備とする。
*2:引合仕様書(又は契約仕様書)に法令基準等への準拠の要求が明記されていることを確認する。
*3:設計審査要領における検証シートにより、設計審査対象図書が全て審査されていることを確認する。
*4:工事報告書等に示す検査及び試験行為が、「作業要領書標準記載要領」の通りに実施されていることを確認する。
*5:検査及び試験段階に作成した工事報告書により、法令・基準等が満たされることを確認する。
*6:検査及び試験段階に作成した工事報告書により、設計図書に対する要求を満たしていることを確認する。
*7:工事報告書等に示す作業手順や作業管理チェックシートの作業手順内容やホールドポイントの確認状況、
施工写真、施工状況、検査及び試験により、安全機能を有する設備に対する影響を総合的に評価する。
図-5
QMSの有効性に関する確認フロー
22
別添-1
QMSの有効性の確認対象工事(1/3)
QMSの有効性確認対象現場作業件名
No.
1
モニタリングポストの更新
2
エリアモニタリング設備の更新
3
[も]遅発中性子法破損燃料検出装置減速しゃへい体支持構造物信頼性向上対策作業
4
[も]原子炉補機冷却海水系配管取替作業
5
「も」原子炉補機冷却海水系配管製作作業
6
「も」原子炉補機冷却海水系設備健全性確認作業
7
「も」換気空調系アニュラス循環排気装置屋外ダクト健全性確認作業
8
「も」送水管路内海水系配管取替作業
9
「もんじゅ」アニュラス循環排気装置屋外排気ダクト当て板補修等
10
「も」原子炉補機冷却海水系設備点検等作業
11
「も」原子炉格納容器全体漏えい率検査
12
アニュラス循環排気装置 屋外排気ダクト改造の設計
13
1次主冷却系等設備点検(平成22年度分)
14
「もんじゅ」アニュラス屋外排気ダクト取替
15
アルゴンガス、窒素ガス供給系蒸発器補助蒸気供給配管交換
16
1次アルゴンガス系圧縮機シールオイルポンプ改造
17
福島第一原発事故を踏まえた安全性向上対策 原子炉補機冷却海水系配管改造
18
1次系エクステンション弁部品の製作(改善構造)
19
1次冷却系等設備点検(平成25年度分)
20
1次主冷却系等設備点検(平成26年度分)
21
高速増殖原型炉もんじゅナトリウム漏えい対策設備改善工事
22
「も」補機冷却海水系ポンプ津波対策作業
23
「もんじゅ」排気筒支持構造改良
24
「も」消火設備代替水源機械設備工事
25
中央制御室の居住性に係る被ばく評価に伴う鋼製扉気密性向上対策工事
26
原子炉補助建物片引き扉の製作及び据付作業
27
屋外排気ダクト取合い変更に伴う床・壁配管貫通孔設置工事
28
R型自動火災報知設備等の更新
29
水素爆発防止対策用排気口据付作業
30
24敦賀 原子炉建物背後斜面耐震裕度向上工事
31
背後斜面工事に伴うフェンス移設工事
32
特高開閉所77kV碍子洗浄設備凍結防止対策
33
[もんじゅ]高速増殖原型炉 2次系計算機等の更新
34
[もんじゅ]CRD関連制御盤及び1次冷却系主循環ポンプ関連制御盤の更新
35
[もんじゅ]水・蒸気系デジタル制御盤制御装置の更新
36
[もんじゅ]平成18年度直・交流電源設備等点検
37
[も] 水素計冷却管予熱ヒータ絶縁低下対策
38
[もんじゅ]平成18年度2次冷却系設備等点検
39
[も]水・蒸気系主給水制御設備改修
40
[も]DN法破損燃料検出設備の更新
23
QMSの有効性の確認対象工事(2/3)
QMSの有効性確認対象現場作業件名
No.
41
[も] C 2次主冷却系ナトリウム漏えい検出器点検
42
[も]炉内液面計予備ウェル内に設置する中性子検出器の製作
43
[も]炉内液面計予備ウェル内中性子検出器設置治具の製作
44
「も」2次主冷却系循環ポンプポニーモータ起動回路の改善
45
「も」1次系(Ⅱ)ナトリウム漏えい検出器等健全性確認作業
46
「も」2次ナトリウム漏えい検出器等健全性確認作業
47
「も」プロセスモニタの非常用電源化他補修作業
48
「も」ナトリウム漏えい検出装置(RID)調査・対策作業
49
「も」2次系ナトリウム漏えい検出器交換作業
50
「も」C/V漏えい率試験用SLDサンプリングポンプ等の製作・据付調整
51
「も」2次冷却系電気設備部品購入
52
「も」潮位計電源無停電化対策作業
53
[も]中央計算機設備ERSSシステム改良検討
54
「も」1次主冷却系(Ⅱ)Na漏えい検出設備点検及び計器類購入
55
「も」1次系(Ⅱ)Na漏えい検出設備警報回路改善作業
56
所外通信装置更新
57
補助ボイラ制御回路改造(地震トリップ回路追加)
58
水・蒸気系自動化盤他設備改善
59
Na・水反応生成物収納設備酸素計回路改善
60
換気空調設備フロン測定装置更新作業
61
プラント制御設備計装盤更新
62
1次主冷却系(Ⅱ)Na漏えい検出設備非常用電源化等の作業
63
1次Naオーバフロー系弁回路の改良
64
原子炉格納容器他窒素雰囲気室圧力伝送器交換等作業
65
所内通信設備用蓄電池更新作業
66
2次系設備計装品点検・保修
67
プラント制御設備給水流量制御系警報回路改善
68
1次Arガス系常温活性炭吸着塔室圧力高警報対策
69
淡水供給設備中和処理工程変更等作業
70
1次系等計測制御設備計装品類更新
71
カバーガス法破損燃料検出装置警報発報に対する恒久化対策
72
コントロールセンタ更新
73
77kVガス絶縁開閉設備接地開閉器修繕
74
2次系設備保修等作業
75
高速増殖原型炉もんじゅ緊急安全対策に係る電源接続盤等設置
76
1次主冷却系(Ⅱ)Na漏えい検出設備計器類の製作等
77
ERSS伝送情報の印刷機能追加作業
78
防護区域内枢要設備室における出入管理装置等の設置
79
原子炉格納容器等 設備点検
80
中性子計装設備検出器の製作及び取替
24
QMSの有効性の確認対象工事(3/3)
QMSの有効性確認対象現場作業件名
No.
81
ディーゼル発電機電圧調整器盤等更新
82
275kV 母線保護継電装置盤更新
83
H26年度 電気設備点検
84
燃料取扱及び廃棄物処理設備点検
85
もんじゅ中央計算機システム等の改良作業
86
タギング法破損燃料検出装置等更新作業
87
1次Arガス系純度監視装置更新
88
2次系ナトリウム漏えい検出設備故障警報回路の追加
89
1次主冷却系(Ⅱ)ナトリウム漏えい検出設備故障警報回路の追加
90
補給水タンク計装ラックの製作
91
1次系Na漏えい検出設備制御回路用タイマー更新
92
1次Na漏えい検出設備警報模擬入力回路改善
93
補助冷却設備CDU更新(設計)
94
コントロールセンタ ユニット更新
95
[も]新燃料検査装置シーケンサ更新等
96
[も]液廃系 洗濯廃液配管の一部更新作業
97
[も]水中燃料貯蔵設備等点検
98
[も]液廃系炭素鋼配管の一部更新作業
99
[も]燃料池水冷却浄化装置 循環ポンプ点検
100
「もんじゅ」液廃系配管(二重管部)の更新作業
101
「もんじゅ」液廃系洗濯廃液配管の更新作業
102
気体廃棄物処理系 屋外排気ダクトとの取合い変更
103
「もんじゅ」炉内中継装置落下に係る調査・対策
104
気体廃棄物処理系屋外排気ダクトとの取合い変更作業
105
「もんじゅ」炉内中継装置本体引抜き作業
106
炉外燃料貯蔵設備 DPDポンプ操作盤トリップ対策
107
炉外燃料貯蔵設備 DPDポンプトリップ対策
108
燃料池水冷却浄化設備計器電源断及びEVST DPD計器電源断警報追加等改善
109
「もんじゅ」炉内中継装置製作
110
原子炉機器輸送ケーシング等改造
111
炉外燃料貯蔵設備DPD異常検出機能改善
112
気体廃棄物処理系ブラインチラーユニット更新
25
Fly UP