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事業報告 - JASRAC

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事業報告 - JASRAC
2 0 1 3 年 度
事業報告
自
2013年 4月 1 日
至
2014年 3 月31日
一般社団法人 日本音楽著作権協会
目
次
事 業 報 告
概要----------------------------------------------------------------------------------------------- 3
第1
徴収関係
1
演奏-------------------------------------------------------------------------------------- 5
2
録音-------------------------------------------------------------------------------------- 9
3
出版-------------------------------------------------------------------------------------- 9
4
貸与-------------------------------------------------------------------------------------- 10
5
複合-------------------------------------------------------------------------------------- 10
6
補償金----------------------------------------------------------------------------------- 12
第2
違法利用等への対応
1
演奏-------------------------------------------------------------------------------------- 13
2
複製-------------------------------------------------------------------------------------- 13
3
インタラクティブ配信-------------------------------------------------------------- 14
第3
資料関係-------------------------------------------------------------------------------- 15
第4
分配関係
1
著作物使用料分配規程の変更---------------------------------------------------- 16
2
利用曲目報告への対応------------------------------------------------------------- 16
3
管理手数料---------------------------------------------------------------------------- 17
第5
会務関係
1
信託契約の締結等------------------------------------------------------------------- 18
2
会員・信託者に対する情報の提供---------------------------------------------- 18
3
会長選挙及び正会員理事候補者選挙------------------------------------------- 18
4
社員への事業報告会---------------------------------------------------------------- 19
第6
システム関係
1
基幹システム------------------------------------------------------------------------- 19
2
その他のシステム------------------------------------------------------------------- 20
第7
組織のあり方に関する検討------------------------------------------------------- 20
第8
著作権信託契約約款等の変更
1
著作権信託契約約款---------------------------------------------------------------- 20
2
信託期間に関する取扱規準------------------------------------------------------- 21
第9
著作権の保護及び制度の整備に関する取組
1
著作権保護期間延長及び戦時加算義務解消に向けた取組---------------
21
2
私的録音録画補償金制度の見直しに向けた取組---------------------------
22
3
クラウドサービス等に対応した著作権法改正を求める動きへの対応----- 22
4
電子出版権の整備に対する対応-------------------------------------------------- 23
第10 国際関係
1 内国作品の外国地域における利用に関する対応----------------------------- 23
2 国際著作権組織等との連携-------------------------------------------------------- 23
3 アジア地域の著作権管理水準の向上を図る対応----------------------------- 24
第11 広報関係
1 主要メディア等を活用した広報------------------------------------------------- 24
2 JASRAC賞及び定例記者会見---------------------------------------------------- 26
3 著作権思想の普及に資する取組------------------------------------------------- 27
4 音楽文化の振興に資する取組---------------------------------------------------- 28
第12 その他協会の状況に関する事項
ね
1 こころ音プロジェクト-------------------------------------------------------------- 29
2 創立75周年記念事業---------------------------------------------------------------- 29
3 公正取引委員会への対応----------------------------------------------------------- 30
4 会議の開催----------------------------------------------------------------------------- 31
5 役員の異動----------------------------------------------------------------------------- 31
6 会員及び信託者の異動-------------------------------------------------------------- 31
7 業務組織の一部変更----------------------------------------------------------------- 33
8 職員の状況----------------------------------------------------------------------------- 33
第13 内部統制システムの整備
1 内部統制システムの整備に関する基本方針---------------------------------- 34
2 リスク管理規程の制定-------------------------------------------------------------- 34
概要
2013年度の使用料徴収額及び分配額は、下表のとおりである。
(単 位 : 千 円 )
目標額
実績額
目標比
前年度比
徴
収
107,487,895
110,845,584
103.1%
99.1%
分
配
105,017,407
109,950,104
104.7%
100.3%
使用料徴収額は、過去4番目の実績であった2012年度には及ばなかったが、目
標額を33億5千万円上回り、2年連続で1,100億円台を維持した。
これは、2012年に復調の兆しを見せたCD及び近年好調であった音楽ビデオ に
係る徴収額が大幅に減少した一方で、演奏等において演奏会等が過去最高の実
績額を記録したこと、インタラクティブ配信においてストリーム形式の配信サ
ービスに係る徴収額が大きく伸びたこと、民放各社の使用料の算定基礎となる
2012年度の放送事業収入が好調であったことなどによるものである。
こうした中、徴収業務の基盤整備の一環として、既存管理分野については利
用実態の変化に対応するための使用料規定改定に、新規管理分野については使
用料規定の策定に、それぞれ継続的に取り組んでおり、2013年度においては、
映画上映に関する規定を一部変更した(2014年1月1日実施)。
使 用 料 分 配 額 は 、 目 標 額 を 49億 3千 万 円 上 回 り 、 2012年 度 に 比 べ 2億 7千 万 円
の増となった。これは、2012年度下半期及び2013年度上半期の徴収実績を反映
したものである。
管理手数料については、収支の見込みを精査しながら業務効率化の進捗も織
り込み必要に応じて検討しており、第12回理事会(2014年2月5日開催)において、
2014年度の各分配期に適用する実施料率の一部引下げ(映画上映、貸レコード及
び貸ビデオの3区分の引下げ)を決議した。
また、分配委員会の答申を受け、インタラクティブ配信の使用料の分配につ
き利用実態をより的確に反映することなどを目的とする著作物使用料分配規程
の一部変更を第5回理事会(7月3日開催)において決議した。
深刻な状況が続くインターネット上の違法利用については、他の権利者団体、
インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)、アフィリエイト広告提供事業 者
の団体、警察庁等との連携・協力による取組を進めた。
-3-
広報関係の事業については、協会の事業・役割に対する理解の促進や違法利
用の防止を図るため、インターネットや放送、新聞・雑誌等の主要メディアを
活用したほか、著作権思想の普及や音楽文化の振興を目的とする取組を継続し
た。
重要な課題として取り組んでいる保護期間延長及び戦時加算義務の解消につ
いては、政府への意見提出、外国管理団体に対する協力要請等を行ったほか、
記者懇談会を開催して正確な情報の提供と意思疎通を図り、広く一般の理解を
得るため新聞広告を出稿した。また、私的録音録画補償金制度については、文
化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会において、抜本的な見直しを求
める意見を述べた。
協会の将来像を展望しつつ公益社団法人又は一般社団法人のいずれとして存
立することがふさわしいかを調査審議した定款改正委員会においては、当面は
一般社団法人として存立することが適当であるとする方向性が確認された。
一方、信託契約約款改正委員会からは、委嘱作品に係る管理の留保又は制限
に 関 す る 規 定 の 整 備 等 を 内 容 と す る 第1次 答 申 が5月 に 、 信 託 期 間 の 更 新 要 件 の
緩和を内容とする第2次答申が2014年1月にそれぞれ提出され、第1次答申を踏ま
えた著作権信託契約約款の変更が定時社員総会(6月26日開催)において、第2次答
申 を 踏 ま え た 信 託 期 間 に 関 す る 取 扱 規 準 の 変 更 が 第 11回 理 事 会 (2014年 1月 8日
開催)においてそれぞれ決議された。
東日本大震災からの復興と被災地の音楽文化の振興を音楽作品により継続的
ね
に支援する目的で2011年3月に開始した「こころ音 プロジェクト」については、
協会ホームページ、動画投稿(共有)サイト等を活用して引き続き取組内容の周知
に努め、会員・信託者に一層の協力を呼びかけた。
公正取引委員会が協会に対する排除措置命令を取り消す審決(2012年6月12日
付け)を行ったことを不服として、株式会社イーライセンスがその審決の取消し
を求めて提起した訴訟で、東京高裁が同社の請求を認めて審決を取り消す判決
(2013年11月1日付け)を言い渡したことを受け、この訴訟の参加人である協会は、
11月13日、上告の提起及び上告受理の申立てを行った(被告である公正取引委員
会も同日上告受理の申立てを行った。)。
-4-
第1
1
徴収関係
演奏
(1) 演奏等
(単 位: 千 円 )
種目
目標額
実績額
目標比
前年度比
15,027
53,186
353.9%
97.0%
演奏会等
4,444,882
5,014,421
112.8%
106.5%
社交場
1,800,000
1,878,900
104.4%
100.7%
12,350,000
12,676,099
102.6%
100.9%
266,000
316,731
119.1%
101.0%
18,875,909
19,939,339
105.6%
102.2%
上演
カラオケ
ビ デ オ 上映
合計
(注 ) 各 種 目 の 実 績 額 の 和 が「 合 計 」欄 の 額 と 一 致 し な い の は 、そ れ ぞ れ 千 円 未 満 を
切り捨てているためである。
ア
演奏会等
演奏会については、コンサート市場の好調を受け、一般社団法人コ
ンサートプロモーターズ協会加盟社を中心に催物の開催件数が大きく
増加したことなどから、目標を達成した。
新 規 管 理 分 野 で あ る フ ィ ッ ト ネ ス ク ラ ブ (2011年 度 管 理 開 始 )及 び カ
ルチャーセンター(2012年度管理開始)については、契約件数が順調に増
加したことなどから、目標を達成した。
このため、演奏会等全体でも目標を達成し、過去最高の実績額であ
った2012年度を更に上回った。
イ
社交場
近年増加傾向にある結婚披露宴を行う設備を設けたレストラン等に
対する契約締結を推進したこと、無許諾利用者等に対する法的措置を
積極的に実施したことなどから、目標を達成した。
ウ
カラオケ
社交場カラオケについては、市場の縮小が小幅になったこと、協定
を締結しているリース事業者との連携 1 を強化して新規店舗との迅速 か
1
リース先店舗からの利用許諾契約の申込みを取りまとめることなどを内容とする業務
協定を全国のリース事業者と締結している。
-5-
つ確実な契約締結に努めたことなどから、目標を達成した。
カラオケ歌唱室については、広域チェーン店の出店が引き続き好調
であったこと、使用料滞納の解消等に積極的に取り組んだことなどか
ら、目標を達成した。
このため、カラオケ全体でも 2012年 度 実 績 額 を 上 回 り 、 目 標 を 達 成
した。
エ
使用料規定の変更
映画上映に関する規定について、利用実態に即した内容に変更する
ため、利用者団体との協議を継続した。このうち、特に実態とのかい
離が大きい単発で開催される映画上映会に適用する使用料規定 2 につい
て 、 全 体 の 見 直 し に 先 立 ち 暫 定 的 に 変 更 す る こ と と し 、11月 11日 、 文
化庁長官に使用料規定の変更を届け出た(2014年1月1日から実施)。
(2) 放送等
(単 位: 千 円 )
種目
目標額
実績額
目標比
前年度比
NHK・民 放 地 上 波
26,703,611
26,670,317
99.9%
100.8%
(う ち CM放 送 )
(5,610,000)
(5,368,857)
(95.7%)
(100.9%)
2,607,448
2,994,789
114.9%
112.4%
84,707
97,763
115.4%
106.1%
29,395,766
29,762,870
101.2%
101.9%
民 放 衛 星波
その他
合計
(注 ) 各 種 目 の 実 績 額 の 和 が「 合 計 」欄 の 額 と 一 致 し な い の は 、そ れ ぞ れ 千 円 未 満 を
切り捨てているためである。
ア
NHK・民放地上波
(ア) NHK
使用料の算定基礎となる2012年度の放送事業収入は、2012年10月
に実施された受信料引下げの影響を受け減少したものの、受信料未
2
従 来 の 使 用 料 規 定 で は 、 映 画 上 映 会 の 入 場 料 が 300円 以 上 に な る と 使 用 料 額 が 一 律 に な
る仕組みであったが、入場料の増加に応じて使用料額も増額される加算規定を新たに設
けた。
-6-
払の解消などにより、その減少幅は小幅にとどまった。このため、
2012年度の実績額は下回ったものの、目標は達成した。
(イ) 民放地上波
東日本大震災からの回復基調やロンドンオリンピック開催に伴い
企 業 の 広 告 出 稿 量 が 伸 び 、 使 用 料 の 算 定 基 礎 と な る 2012年 度 の 放 送
事業収入が増加したことから、目標を達成した。
(ウ) CM放送 3
企業の業績改善に伴いテレビにおけるスポット広告が好調であっ
た こ と な ど に よ り 2012年 度 実 績 額 を 上 回 っ た も の の 、 当 初 予 想 し た
ほどには至らず、目標額を下回った。
イ
民放衛星波
視聴料収入及び広告収入の好調を受け、使用料の算定基礎となる
2012年 度 の 放 送 事 業 収 入 が BS・ CS放 送 と も 増 加 し た こ と に 加 え 、BS
放 送 に お い て 一 般 社 団 法 人 日 本 民 間 放 送 連 盟 (民 放 連 )と の 協 定 に 基 づ
く使用料率の段階的な引上措置が適用されていることなどから、目標
を達成した。
ウ
全曲報告実現への取組
放送で利用された全曲目の電子的報告(全曲報告)については、引き続
き 未 実 施 の 放 送 事 業 者 に 働 き か け を 行 っ た 結 果 、 地 上 波 放 送 28社 34局
が 新 た に 開 始 し た 。2013年 度 末 現 在 、 全 曲 報 告 を 実 施 し て い る 事 業者
は、民放地上波193社227局のうち161社183局となった。
エ
利用者団体等との協議
放送事業者を取り巻く環境や利用実態に合った許諾条件等の合意に
向け、NHK、民放連、一般社団法人衛星放送協会等との間で協議を継
続した。
3
民 放 地 上 波 に お け る CMで 利 用 さ れ る 管 理 著 作 物 の 放 送 使 用 料
-7-
(3) 有線放送等
(単 位: 千 円 )
種目
目標額
目標比
実績額
前年度比
有 線 ラ ジオ放 送
742,691
767,767
103.4%
98.9%
有線テレビジョン放送
3,532,000
3,745,795
106.1%
98.7%
1,988
1,569
79.0%
68.8%
4,276,679
4,515,132
105.6%
98.7%
その他
合計
(注 ) 各 種 目 の 実 績 額 の 和 が「 合 計 」欄 の 額 と 一 致 し な い の は 、そ れ ぞ れ 千 円 未 満 を
切り捨てているためである。
ア
有線ラジオ放送
加 入 者 数 が 減 少 傾 向 に あ る こ と か ら 、 使 用 料 の 算 定 基 礎 と な る2012
年度の有線放送事業収入は減少したものの、協定に基づく使用料率の
段階的な引上措置が適用されていることなどから、目標を達成した。
イ
有線テレビジョン放送
利用者団体との6年間の協定に基づく管理が順調に進捗したこと、使
用料滞納事業者への働きかけを強化したことなどから、目標を達成し
た。
(4) BGM
(単 位 : 千円 )
種目
BGM
目標額
実績額
480,000
目標比
434,489
90.5%
前年度比
102.7%
BGMの製作・供給を行う事業者団体から市場に関する情報を効率的に
収集するなどして増収に努めたほか、BGMを利用する事業者の団体に契
約促進についての協力を要請するとともに、音楽利用状況を確認する書
面を全国の商業施設に送付して管理の拡充を図った。この結果、目標額
は下回ったものの、2012年度の実績額を上回った。
-8-
2
録音
(1) オーディオディスク
(単 位 : 千円 )
種目
オーディオディスク
目標額
実績額
12,752,688
14,152,546
目標比
111.0%
前年度比
91.0%
2012年に 14年 ぶ り に 上 向 い たCD生 産 実 績 が 再 び 減 少 に 転 じ た 4 こ と な
ど か ら、 2012年度の実績額は下回ったものの、減少幅が想定よりも小幅
であったことから、目標を達成した。
(2) ビデオグラム
(単 位:千 円 )
種目
ビ デ オ グラム
目標額
実績額
19,818,750
目標比
19,382,613
97.8%
前年度比
89.8%
アニメやドラマ作品に一部ヒット作が見られたものの、ビデオソフト
全体の売上金額・数量が減少傾向にある 5 ことに加え、2012年度まで好調
が続いた音楽ビデオやパチンコ機器での利用が大きく減少したことから、
目標額を下回った。
ビデオソフトの低価格化などに対応した使用料規定の変更に向け、利
用者団体との間で協議を継続した。
3
出版
(単 位: 千 円 )
種目
出版等
教 科 用 図書補 償 金
合計
目標額
実績額
目標比
前年度比
1,140,644
1,069,998
93.8%
94.2%
26,623
25,665
96.4%
93.5%
1,167,267
1,095,664
93.9%
94.2%
(注 ) 各 種 目 の 実 績 額 の 和 が「 合 計 」欄 の 額 と 一 致 し な い の は 、そ れ ぞ れ 千 円 未 満 を 切
り捨てているためである。
4
一 般 社 団 法 人 日 本 レ コ ー ド 協 会 の 調 査 に よ る 。 同 協 会 加 盟 社 の 2013年 CD生 産 実 績 (金
額 ・ 数 量 )は 、 そ れ ぞ れ 2012年 比 で 87.3% 、 87.7% で あ る 。
5
一 般 社 団 法 人 日 本 映 像 ソ フ ト 協 会 の 調 査 に よ る 。 同 協 会 加 盟 社 の 2013年 ビ デ オ ソ フ ト
売 上 金 額 ・ 数 量 は 、 そ れ ぞ れ 2012年 比 で 97.4% 、 96.8% で あ る 。
-9-
楽譜・書籍・雑誌市場の縮小に歯止めがかからず、目標額を下回った。ま
た、少子化の影響を受け発行部数が減少を続けている教科用図書に係る補償
金についても、目標額を下回った。
利用実態の変化に対応した使用料規定の変更に向け、利用者団体との間で
協議を継続した。
4
貸与
(単 位: 千 円 )
種目
貸 レ コ ード
貸ビデオ
合計
目標額
実績額
目標比
前年度比
2,795,500
2,729,098
97.6%
127.5%
831,306
754,875
90.8%
96.0%
3,626,806
3,483,973
96.1%
119.1%
貸レコードについては、4月から実施された使用料規定の変更 6 に伴う増収
分があったことなどから、2012年度の実績額は上回ったものの、CDレンタ
ルを行う店舗数の減少が続いていることから、目標額を下回った。
貸ビデオについては、貸レコード同様店舗数の減少が続いていることな
どから、目標額、2012年度実績額を共に下回った。
5
複合
(1) 通信カラオケ
(単 位 : 千円 )
種目
通 信 カ ラオケ
目標額
実績額
6,120,000
6,470,670
目標比
105.7%
前年度比
102.6%
使用料の算定基礎となる情報料が高額な新機種への移行が続いている
こと、通信カラオケを利用する分野が広がっていることなどから、目標
を達成した。
6
貸 与 回 数 に 応 じ た 定 額 方 式 か ら 、基 本 使 用 料 に 営 業 収 入 の 額 の 一 定 率 に 相 当 す る 額 を 加
算する方式に変更した。なお、営業収入の額に乗じる一定率については、使用料額の激
変 緩 和 の た め 段 階 的 に 引 き 上 げ る こ と と し て お り 、 2013年 度 は そ の 初 年 度 に 当 た る 。
- 10 -
(2) インタラクティブ配信
(単 位 :千 円 )
種目
目標額
実績額
目標比
前年度比
ダ ウ ン ロード
4,364,677
4,193,395
96.1%
99.8%
着メロ・着うた・着ムービー
737,983
572,640
77.6%
62.0%
動 画 等 配信
422,420
505,894
119.8%
110.3%
541,880
994,656
183.6%
149.7%
1,784,933
2,070,784
116.0%
171.9%
456,235
383,988
84.2%
126.4%
8,308,128
8,721,360
105.0%
112.4%
音楽配信
ス ト リ ーム
音楽配信
動 画 等 配信
その他
合計
(注 ) 各 種 目 の 実 績 額 の 和 が「 合 計 」欄 の 額 と 一 致 し な い の は 、そ れ ぞ れ 千 円 未 満 を
切り捨てているためである。
ダウンロードについては、スマートフォン、タブレット型端末等の新
たな機器の普及や通信技術の発達に伴い、携帯電話の着信音サービスを
始めとする従来型音楽配信の利用が減少したものの、ビデオオンデマン
ドサービス 7 などの動画等配信が好調であった。
他方、ストリームについては、定額聴き放題サービス 8 の利用者の増 加
や動画投稿(共有)サイトとの契約が順調に推移した。このため、インタラ
クティブ配信全体では2012年度実績額を上回り、目標を達成した。
クラウドコンピューティング 9 を利用した音楽配信が拡大を続ける中、
使用料規定の整備に向けて利用者団体との間で協議を継続した。
7
ユーザーのリクエストに応じて映像コンテンツを配信するサービス
8
月 額 又 は 年 額 の 定 額 料 金 を 支 払 う こ と で 、当 該 サ ー ビ ス が 提 供 し て い る 全 て の 楽 曲 を い
つでも何度でも聴くことができるサービス
9
エ ン ド ユ ー ザ ー が ネ ッ ト ワ ー ク を 通 じ て 提 供 さ れ る 「 役 務 (サ ー ビ ス )」 の み を 意 識 し 、
実際に提供している機器は意識する必要がないという特徴を有するサービス
- 11 -
6
補償金
(単 位: 千 円 )
種目
目標額
実績額
目標比
前年度比
私的録音
32,695
56,708
173.4%
72.5%
私的録画
0
11,855
-
14.4%
32,695
68,564
209.7%
42.6%
合計
(注 ) 各 種 目 の 実 績 額 の 和 が「 合 計 」欄 の 額 と 一 致 し な い の は 、そ れ ぞ れ 千 円 未 満 を 切
り捨てているためである。
(1) 私的録音補償金
携帯音楽プレイヤーやスマートフォン、パソコンなど、現在私的録音
に利用されている機器・媒体の多くが補償金の対象として指定されてい
ないことから、補償金の額は減少の一途をたどっている。
(2) 私的録画補償金
2012年に最高裁が一般社団法人私的録画補償金管理協会(SARVH)の上
告 を棄却したことから、補償金収入は途絶え、 2013年度は、収支差額 金
の一部について還付を受けたのみである。
(私的録音録画補償金制度の見直しに向けた取組については、「第9 著作
権の保護及び制度の整備に関する取組」参照)
- 12 -
第2
1
違法利用等への対応
演奏
2014 年 2 月、無許諾の飲食店にカラオケ機器をリースしている事業者等
に対し、同機器の使用禁止と損害賠償を求める訴えを名古屋地裁に提起し
た。カラオケリース事業者に対する本案訴訟は、東海地区初である(全国で
は 8 例目)。
上記を含めた法的措置の実施件数は、下表のとおりとなった。
(
2
)内 は 2012年 度
刑事告訴
本案訴訟
仮処分
民事調停
支払督促
その他
合計
0件
(1件 )
5件
(4件 )
19件
(26件 )
1,031件
(1,130件 )
59件
(40件 )
32件
(10件 )
1,146件
(1,211件 )
複製
(1) 法的措置
海 賊 版 MixCD 10 の 販 売 事 案 に つ い て 、 協 会 初 と な る 刑 事 告 訴 を 行 い 注
意喚起を図ったほか、無許諾の業務用通信カラオケ機器等を販売してい
た事案など計6件の刑事告訴を行った。
(2) 違法複製物の根絶に向けた活動
①
不法録音物対策委員会と連携して、ラジオ大阪へのCM出稿、講習会
での啓発ビデオの上映等を実施し、著作物の適法な利用を呼びかけた。
②
インターネットオークションにおける海賊版の流通を阻止するため、
オークション事業者に対して、海賊版の販売を行っている者の出品者
ID削除を要請した。
③
そのほか、楽譜コピー問題協議会(CARS)、不正商品対策協議会(ACA)
等と連携し、海賊版等の撲滅を図る啓発活動を実施した。
10
市 販 用 CD等 に 収 録 さ れ て い る 様 々 な ア ー テ ィ ス ト の 様 々 な 楽 曲 を 音 源 と し て 、楽 曲 同
士 の テ ン ポ を 合 わ せ た り 、2曲 同 時 に 再 生 す る な ど の ア レ ン ジ を 加 え て 、複 数 の 楽 曲 が 切
れ 目 な く 再 生 さ れ る よ う に つ な ぎ 合 わ せ た も の を 収 録 し た CD
- 13 -
3
インタラクティブ配信
(1) 法的措置
フ ァ イ ル 共 有 ソ フ ト や レ ン タ ル ス ト レ ー ジ サ ー ビ ス 11 を 悪 用 し た 違 法
配信に対する措置として、15件の刑事告訴を行った。
(2) 違法利用防止のための活動
①
監 視 シ ス テ ム(J-MUSE)に よ っ て 発 見 し た 著 作 権 侵 害 行 為 に つ い て 、
違法利用を警告し、適正に許諾を得るよう求めるメールを侵害者に送
信するとともに(501件)、インターネットサービスプロバイダ(ISP)に対
して、プロバイダ責任制限法著作権関係ガイドラインに基づき送信防
止措置を講じるよう要請した(2,044件)
②
12 。
ファイル共有ソフトによる著作権侵害行為について、ファイル共有
ソ フ ト を 悪 用 し た 著 作 権 侵 害 対 策 協 議 会 (CCIF)が 作 成 し た ガ イ ド ラ イ
ンに基づき、違法音楽ファイル等の削除を求める通知を侵害者に送る
ようISPに要請した(4,532件) 13 。なお、違法音楽ファイルが多数流通し
て い る フ ァ イ ル 共 有 ソ フ ト 「 Gnutella」 に よ る 侵 害 行 為 を 通 知 の 対 象
に加えるよう同協議会に要請し、2014年4月から実施されることとなっ
た。
③
広告料収入を得て行われている著作権侵害行為及び著作権侵害を助
長する可能性がある行為について、日本アフィリエイト協議会との間
で合意している著作権侵害対策 14 に基づき、侵害情報を同協議会へ提供
するとともに、侵害サイトや広告事業者等の情報の効率的な収集方法
を検討した。
④
教 育 委 員 会 等 の 協 力 を 得 て 2011年 度 か ら 継 続 的 に 実 施 し て い る 全 国
の中高生に対する啓発活動の一環として、 2013年度は、大阪府及び 和
11
インターネット上に音楽ファイル等のデジタルデータを一時的に保管することができ
12
るサービス
ISPに 対 し て 要 請 を 開 始 し た 2002年 10月 か ら 2014年 3月 ま で の 間 、侵 害 停 止 措 置 が 講 じ
ら れ た フ ァ イ ル 数 は 累 計 で 約 76万 件 で あ る 。
13
ISPに 対 し て 要 請 を 開 始 し た 2010年 6月 か ら 2014年 3月 ま で の 間 の 累 計 数 は 、 約 1万 8千
件である。
14
①アフィリエイト広告を掲載している違法音楽配信サイトに関する情報共有、②サイ
ト運営者への警告、③サイトへの広告の掲載中止、④サイト運営者に対する広告料の支
払停止、の四つである。
- 14 -
歌山県の中学・高等学校 (1,035校)に 対 し 、 ネ ッ ト ワ ー ク 上 の 著 作 物 の
適正利用を呼び掛ける啓発リーフレットを配布した。
⑤
公職選挙法の改正によりインターネットを利用した選挙運動が解禁
されたことを受け、適正な音楽利用を案内するため、7月、選挙運動音
楽利用窓口を開設した。
第3
資料関係
正確な許諾・徴収・分配業務の実施のためには、管理作品の情報を正確
かつ迅速に作品データベースに反映することが欠かせない。そのため、会
員・信託者に対し作品届の早期提出を働きかけるとともに、作品届提出依
頼リスト 15 の送付や作品届オンライン受付システムの利用促進を図った。そ
の結果、権利関係の変動が多い外国作品について、音楽出版者からの作品
届の9割以上が同システムを利用して提出され、より効率的な作品データベ
ースへの反映作業を実施することが可能になった。
また、内国作品の外国地域における利用について、相互管理契約を締結
する外国団体が的確に管理できるよう延べ約1万3千曲の国際票 16 及び約6千
件の映像コンテンツ情報(キューシート )を提供したほか、CISネ ッ ト 17 に対
する内国作品データの提供を継続した。
【参考】作品DB登録件数の推移
2009年 度 末
2011年 度 末
2012年 度 末
2013年 度 末
内国作品
1,384,414
1,486,672
1,584,462
1,680,106
1,777,247
外国作品
1,804,824
1,911,738
2,060,994
2,225,390
2,426,911
3,189,238
3,398,410
3,645,456
3,905,496
4,204,158
合
15
2010年 度 末
計
協会が利用実績を把握しているにもかかわらず、作品届が未提出である作品の権利情
報を確認するために著作者等に送付するリスト
16
相互管理契約を締結する団体の間で、作品情報を交換する方法の一つとして使用され
ている標準書式
17
CISACが 、 加 盟 各 団 体 の 管 理 作 品 情 報 等 を ネ ッ ト ワ ー ク 上 で 共 有 す る た め に 開 発 し た
デ ー タ ベ ー ス で 、 協 会 は 、 2011年 8月 に デ ー タ 提 供 を 開 始 し 、 2013年 度 末 ま で に 約 130
万件を提供している。
- 15 -
第4
1
分配関係
著作物使用料分配規程の変更
分配委員会(2012 年 9 月設置)は、分配方法の基本的なあり方について検
討を重ね、6 月、理事会に答申した。これを受けて理事会は、7 月、著作物
使用料分配規程の一部変更を決議した(8 月 1 日施行 18 )。
主な変更点は、以下のとおりである。
①
インタラクティブ配信について、品揃え 19 を評価する分配を 廃止し、
使用料は全てリクエスト実績に応じて分配する。
②
これまで細則及び実施基準に規定していた事項を、使用料規定との
整合を図りつつ、可能な限り著作物使用料分配規程に移行した。
また、同委員会は、9 月から 2014 年 3 月までの間に 4 回の会合を開催し、
関係権利者に編曲者又は訳詞者が含まれる場合の分配率の定め方及び放送
等使用料に係る分配点数の取扱いについて検討を行った。
2
利用曲目報告への対応
増加を続ける利用曲目報告に対応し、効率的な分配業務を行うため、自
動照合システムを改善したほか、一般社団法人著作権情報集中処理機構
(CDC)との連携に努めた。その結果、利用曲目報告の楽曲特定に係る手作業
での照合件数が減少し、資料作成に要する経費の削減に効果を上げている。
18
イ ン タ ラ ク テ ィ ブ 配 信 使 用 料 に 関 す る 規 定 に つ い て は 、 12月 分 配 期 か ら 適 用
19
インタラクティブ配信は、①配信事業者等が、配信可能な楽曲を配信用サーバー等へ
蔵置し、②サーバーに蔵置された楽曲の中からユーザーのリクエストに応じた楽曲が配
信されるという複合的な利用である。このうち、①でサーバー等に蔵置されている状態
を品揃えという。
- 16 -
【参考】インタラクティブ配信、放送等における利用曲目の報告数等
(
J-NOTES
)内 は 2012年 度
J-BASS
インタラクティブ配信
放送
有線ラジオ放送
14億 3,761万
(13億 6,412万 )
105.3%
3,519万
(3,046万 )
1,099万 9千
(778万 9千 )
141.2%
106万 6千
(85万 6千 )
1億 2,985万
(1億 3,078万 )
99.2%
498万 2千
(615万 9千 )
自 動 照 合 に よ る 作 品 DBと の 一
致率
97.5%
(97.7%)
90.3%
(89.0%)
96.1%
(95.3%)
③ 手 作 業 に よ る 作 品 DBと の 照 合
が必要な件数※
100万
(153万 )
45万 2千
(37万 7千 )
9万 3千
(9万 5千 )
0.06%
(0.11%)
4.10%
(4.84%)
0.07%
(0.07%)
①報告数
対前年度比
② 自 動 照 合 で 作 品 DBと 一 致 し な
かった件数
手作業比率
※ 同 一 楽 曲 に 対 す る コ ー ド 付 与 等 の 重 複 作 業 を 避 け る た め に 、② の う ち 曲 名 、権 利 者
名などが共通するデータを一定のルールに従ってとりまとめたものが③となる。
3
管理手数料
管理手数料の実施料率については、事業収入及び事業支出の予定を精査
しながら業務効率化の進捗も織り込み必要に応じて検討しており、2014年2
月、理事会は、2014年度の各分配期に適用する料率の一部引下げ(映画上映、
貸レコード及び貸ビデオの3区分の引下げ)を決議した。
区分
2010年 度
2011年 度
2012年 度
2013年 度
2014年 度
演奏等
27%
27%
26%
26%
26%
映画上映
30%
30%
30%
30%
26%
放送等
11%
10%
10%
10%
10%
貸 レ コ ード
11%
11%
11%
11%
10%
貸ビデオ
11%
11%
11%
11%
10%
私 的 録 画補償 金
11%
10%
10%
10%
10%
(注 ) 2011年 度 以 降 に 料 率 を 変 更 し た 区 分 の み を 抜 粋 し て 掲 載 し て い る 。
- 17 -
第5
会務関係
1
信託契約の締結等
筆名数の制限 20 を4月から廃止し、著作者の自由度を高めるとともに、イ
ンターネット上での番組配信 21 、協会ホームページの資料請求フォーム等 を
活 用 し 、 会 員 ・ 信 託 者 の 増 加 に 努 め た 。 2013年 度 に 新 た に 信 託 契 約 を 締 結
した者は、460者(著作者380者、音楽出版者80者)である。
2
会員・信託者に対する情報の提供
①
会報「JASRAC NOW S.Q.N. 」を毎月発行し、協会が行う事業等に関
する情報を提供した。
②
利用明細データ提供システムによる放送等及びインタラクティブ配信
に係る利用明細情報の提供を継続するとともに、2014年4月の開始を予定
している分配明細情報に係る基本的な項目のデータによる提供に向けて、
希望する会員・信託者からの申込受付を開始した。
③
会員・信託者から問合せの多い分配明細書の項目、用語等に関する基
本的な説明・解説についてまとめた 「分配明細書ガイド」を作成した(同
ガイドは2014年4月発行の会報に同封し、全ての会員・信託者に送付)。
3
会長選挙及び正会員理事候補者選挙
(1) 会長選挙
会長の任期が2014年3月31日をもって満了することから、定款及び定款
細則に基づき、同年1月から会長選挙を実施した。その結果、立候補者が
現任の都倉俊一会長一人であったため、同氏を無投票で当選人として決
定した(同年4月1日付けで再任)。
(2) 正会員理事候補者選挙
理 事 の 任 期 が 2014年 6月 開 催 予 定 の 定 時 社 員 総 会 終 結 時 を も っ て 満 了
することから、定款及び定款細則に基づき、同年1月から正会員理事候補
者選挙を実施した。同選挙において は、全ての選任区分(作詞者区分、作
曲 者 区 分 及 び 音 楽 出 版 者 区 分 )に お い て 立 候 補 者 が 定 数 (各 6人 )を 上 回 っ
20
1人 の 著 作 者 が 使 用 で き る 筆 名 を 原 則 と し て 二 つ ま で に 制 限 し て い た 。
21
「 第 11 広 報 1(1)② 」 (25ペ ー ジ )参 照
- 18 -
たことから、正会員による投票を実施し、区分ごとに得票数上位6人を当
選人として決定した。
当選人は、定款に基づき会長が推薦する学識経験者等区分の候補者と
併せて、次期理事の選任議案として定時社員総会に付議される予定であ
る。
4
社員への事業報告会
11月20日、法人法 22 上の社員である正会員を対象として、社員への事業報
告会を開催し、2013年度上半期に執行した事業等について報告した。
第6
システム関係
1
基幹システム
①
再構築を進めてきた録音包括・個別許諾請求システムについて、新旧
システムの並行処理確認を経て、計画どおり6月に稼働した。
②
2014年 度 の 稼 働 を 予 定 し て い る 通信カラオケシステム 23 及びAVDBシス
テム 24 の再構築について、開発作業を進めた。
③
再構築を終え既に稼働しているシステムについて、自動コーディング 25
の機能改善により、業務の効率化を図った。特に、演奏会種目について
は、初めて自動コーディング機能を開発し、2014年1月から演奏会曲目報
告の自動照合を実施した。また、貸レコードの使用料規定変更による全
店全量報告化 26 に対応し、大量の報告データを効率的に処理できるよう、
製品番号からの自動照合機能を強化した。
④
4月に実施した業務体制の変更 27 に対応するシステム変更を行った。
22
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
23
業務用通信カラオケ使用料の分配計算システム
24
劇場用映画等のキューシート情報のデータベースシステム。放送や上映使用料の分配
計算及びビデオグラムの使用料請求・分配計算に用いる。
25
利用者から提出された利用曲目報告を協会の作品データベースと機械的に照合し、作
品情報を特定する機能
26
貸 レ コ ー ド に つ い て は 、貸 出 し を 行 っ た 全 て の CD等 の 製 品 番 号 で 報 告 を 受 け る こ と と
している。
27
「 第 12 そ の 他 協 会 の 状 況 に 関 す る 事 項 7」 (33ペ ー ジ )参 照
- 19 -
2
その他のシステム
作 品 届 や 許 諾 申 請 な ど の 受 付 を 行 う 各 種 EDI(電 子 デ ー タ 交 換 )シ ス テ ム
について、利用者の利便性の向上や協会の業務の効率化を目的とする機能
の追加・改良を行った。
第7
組織のあり方に関する検討
定款改正委員会(2012年9月設置)は、協会の組織及び事業の将来像を展望
しつつ、公益社団法人又は一般社団法人のいずれとして存立することがふ
さわしいかについて、検討を重ねた。
その結果、2014年3月27日開催の第14回委員会において、現行の公益法人
制度と協会内外の現状とを前提とする限り、当面は公益認定を受けずに一
般社団法人として存立することが適 当である とする方 向性が確 認された 28 。
第8
1
著作権信託契約約款等の変更
著作権信託契約約款
信託契約約款改正委員会(2012年9月設置)は、著作権の管理の留保又は制
限のあり方及び管理実務の合理化・効率化に資する規定の整備に関する検
討を重ね、5月、一定の方向性を得た課題について理事会に答申した(第1次
答申)。
これを受けて理事会は、6月の定時社員総会に著作権信託契約約款の変更
案を提出し、社員総会はこれを可決した(2014年1月1日施行 29 )。
主な変更点は、次のとおりである。
①
演劇、ミュージカル、バレエ、オペラ用委嘱作品に係る管理の留保
又は制限に関する規定の新設
②
ゲーム用委嘱作品に係る管理の留保又は制限に関する規定の新設
③
委託者が使用料の額を定めることができる利用形態として広告利用
目的の出版を追加
28
2014年 5月 開 催 の 理 事 会 に 答 申 さ れ る 予 定 で あ る 。
29
た だ し 、 変 更 点 ③ に つ い て は 、 2014年 1月 1日 以 後 の 日 で あ っ て 理 事 会 が 定 め る 日 ま で
の 間 は 適 用 し な い こ と と さ れ て お り 、 2013年 度 末 時 点 で 適 用 開 始 日 は 未 定 で あ る 。
- 20 -
2
④
信託の終了と清算手続の合理化・効率化を図る規定の整備
⑤
国外における管理の空白地域を解消するための規定の整備
⑥
録音物製作者の指定に係る管理の留保又は制限に関する規定の廃止
信託期間に関する取扱規準
同委員会は、引き続き管理実務の合理化・効率化に資する規定の整備に
関する検討を重ね、信託期間の更新のあり方について一定の方向性を得た
ことから、2014年1月、理事会に答申した(第2次答申)。
これを受けて理事会は、同月、信託期間に関する取扱規準の変更を決議
し、信託期間中の一定期間に分配実績を有することを信託期間更新の条件
としている現行制度を改め、分配実績の有無にかかわらず信託期間を更新
することとした(2014年1月9日施行)。
第9
著作権の保護及び制度の整備に関する取組
1
著作権保護期間延長及び戦時加算義務解消に向けた取組
①
TPP協 定 30 に お い て 保 護 期 間 延 長 が 交 渉 項 目 の 一 つ と し て 挙 げ ら れ て
いることから、政府開催の説明会などを通じて情報収集に努めるととも
に、7月に実施された意見募集に対し、保護期間の早期延長及び戦時加算
義務の解消を求める意見を提出した 31 。また、報道関係者に対し正確な情
報を提供し、意思疎通を図ることで公平な報道を促すため、8月、菅原理
事長及び浅石常務理事が出席して記者懇談会を開催した。
②
6月、都倉会長が駐米日本大使及びASCAP(アメリカ)会長を訪問し、保
護期間延長及び戦時加算義務解消について、理解と協力を求めたほか、
国内においては、アメリカ及びフランスの各駐日大使館並びに駐日EU代
表部に対し、役職員が同様の働きかけを行った。
③
30
12月 、 保 護 期 間 と 戦 時 加 算 義 務 の 問 題 に つ い て 分 か り や す く 親 し み や
環太平洋パートナーシップ協定。非関税分野や新しい貿易課題を含む包括的な協定と
し て 交 渉 が 行 わ れ て お り 、 2013 年 度 末 現 在 、 シ ン ガ ポ ー ル 、 ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド 、 チ リ 、
ブルネイ、アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア、メキシコ、カ
ナ ダ 及 び 日 本 の 12 か 国 が 参 加 し て い る 。
31
同意見募集に対しては、上記のほか、法定賠償制度の導入を求める意見も併せて提出
している。
- 21 -
すい形で広く一般に周知することを目的として、スポーツ報知に都倉会
長とプロゴルファー樋口久子氏との対談記事を出稿した。対談の中で都
倉会長は、ルールが共通だからこそ多くの日本人が海外でも活躍してい
るゴルフを例にとり、著作権の保護期間についても国際的なルールへの
統一が必要であることを訴えた。
2014年 3月 、 来 会 し た SACEM(フ ラ ン ス )の 国 際 担 当 役 員 と 菅 原 理 事 長
④
及び小原常務理事が意見交換を行い、保護期間延長及び戦時加算義務の
解消について協力を要請した。
2
私的録音録画補償金制度の見直しに向けた取組
文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会は、クリエーターへの
適切な対価還元に向けた制度の整備を検討課題の一つとして挙げ、同課題
を集中的に検討するためにワーキングチーム 32 を設置した。同小委員会及び
ワーキングチームに浅石常務理事が委員及びワーキングチーム員として参
加し、現行の補償金制度は実質的に機能していないことから、抜本的な見
直しが必要であることを訴えた。
また、11 月 14 日、協会を含む Culture First 推進 85 団体が次の 2 点を
骨子とする「新たな補償制度創設に係る提言」を表明した。
①
補償の対象を私的複製に供される複製機能とすること。
②
新たな補償の支払義務者を複製機能を提供する事業者とすること。
このほか、2014 年 3 月、日本経済新聞、読売新聞、産経新聞及び朝日新
聞に意見広告を出稿し、補償金制度見直しの必要性を広く一般に訴えた。
3
クラウドサービス等に対応した著作権法改正を求める動きへの対応
クラウドサービス、メディア変換サービス 33 等と著作権法との関係を整理
することについても検討課題の一つとしている上記小委員会及びワーキン
グチームにおいて、浅石常務理事が、現在存在するクラウドサービス等の
大半が許諾済みである実態を説明した上で、適法なクラウドサービス等の
32
著作物等の適切な保護と利用・流通に関するワーキングチーム
33
例 え ば 、VHSテ ー プ に 録 画 さ れ た コ ン テ ン ツ を DVDや ブ ル ー レ イ・ デ ィ ス ク と い っ た
異なるメディアに複製するサービス
- 22 -
提供は権利者との利用許諾契約の下で行われることが原則であり、安易に
権利制限等をすべきではないことを主張した。
4
電子出版権の整備に対する対応
文化審議会著作権分科会出版関連小委員会は、9 月、電子書籍に対応した
出版権(電子出版権)の整備を適当とする中間まとめを公表し、意見募集を 行
った。協会は、同意見募集に対し、電子出版権の整備自体には異論はない
ものの、同小委員会の検討の過程で提起された楽譜に関する課題について、
別途議論の場を設けることが望ましいとの意見を提出した。
第10
国際関係
1
内国作品の外国地域における利用に関する対応
協会が管理する内国作品の利用が増加傾向にあるアジア地域を中心に、
相互管理契約を締結する外国団体に対し、協会が独自に収集し、又は委託
者から寄せられた外国地域における利用に関する情報を提供して適正な管
理を要請した。
国際的な管理ネットワークの拡充を図るため、MCT(タイ)との間で、録音
権の相互管理契約を締結した(演奏権については既に締結済み)。
2
国際著作権組織等との連携
①
協会は、CISAC総会において理事団体に、BIEM総会において執行委員
団体にそれぞれ再任された。また、CISACアジア太平洋委員会において、
小原常務理事が副委員長に再任された。
②
9月、新たに就任したCISACアジア太平洋地域代表が来会した際、協会
実務について説明したほか、アジア地域における諸問題について意見を
交換した。
③
あらゆる分野の著作権の適切な権利保護を目的とする広報活動を効果
的に実施するために設置された「CISACアンバサダー」について、CISAC
か ら の 要 請 を 受 け 、 都 倉 会 長 を 始 め と す る 15人 の 正 会 員 及 び 準 会 員 を 選
任した。
- 23 -
こ の ほ か 、 来 会 し た SACEM(フ ラ ン ス )、 ABRAMUS(ブ ラ ジ ル )の 役 職
④
員と著作権に関する国際的な諸問題について意見を交換した。
3
アジア地域の著作権管理水準の向上を図る対応
11月、世界知的所有権機関(WIPO)と文化庁とが共催する「APACEプロ
①
グラム」の一環として行われた研修において、インドネシア、マレーシ
ア及びタイの政府関係者、著作権管理団体の職員等に対して協会の著作
権管理実務を説明したほか、カンボジアを始めとする6か国の政府関係者
に対して協会の業務の概要や違法利用対策について説明した。
②
シンガポール、タイ及びマレーシアで開催されたWIPO・文化庁のセ ミ
ナーにそれぞれ職員を派遣し、集中管理団体の役割、協会の実務等につ
いて説明した。
③
文化庁及び特許庁の要請を受け、ミャンマー、インドネシア及びベト
ナムの政府幹部職員に対して研修を実施したほか、集中管理のあり方等
に関して意見を交換した。
④
中国政府が進めている中国著作権法改正に関連し来会した全国人民代
表大会常務委員会法制工作委員会等からの研修員に対して、協会の実務
等について説明した。
⑤
このほか、KOMCA(韓国)の役職員と著作権制度に関する動向等につい
て、MCSC(中国)の役員と中国の著作権法改正等について、それぞれ意見
を交換した。
第11
1
広報関係
主要メディア等を活用した広報
協会の事業・役割に対する理解の促進や違法利用の防止を図るため、次
の広報を行った。
(1) インターネット
①
閲覧者の利便性等の向上を図るため、協会ホームページのデザイン、
構成等について全体的な見直しを行った。また、中高生や学校関係者
からのアクセスが多い、学校での音楽利用について解説するページを
- 24 -
更に充実させたほか、インタラクティブ配信について、利用者が自己
の利用に適用される使用料額等を簡便に知ることができるページを新
設した。
②
若年層のインターネットユーザーに向けて協会に関する情報を提供
するため、ライブ配信サービス「ニコニコ生放送」を利用した番組「THE
JASRAC SHOW!」を計 12 回配信した。毎回正会員等をゲストに迎え、
創作にまつわるエピソードを紹介するとともに、職員が出演して協会
の役割等について解説した。
③
若年層に閲覧者の多いパソコン向けウェブサイト「コロコロコミッ
ク公式サイト」、「フジテレビ☆プラネッツ」や携帯電話向けウェブサ
イト「mobage」、
「Ameba」等にバナー広告 34 を出稿し、協会ホームペ
ージ内に設けた著作権制度等につい て分かりやすく解説したページへ
誘導した。
④
主に小学生を対象としたウェブサイト「学研キッズネット『夏休み
自由研究プロジェクト 2013』」に著作権制度に関するページを設け、
自由研究のテーマに取り上げることを提案する企画広告を出稿した。
(2) 放送
主に中高生を対象とした TOKYO FM の番組「SCHOOL OF LOCK!」
において特別番組及び CM を放送し、著作権制度や協会の役割等につい
て解説した。
(3) 新聞・雑誌
読売新聞社が小学生を対象に発行している読売 KODOMO 新聞に著
①
作権について解説する広告を出稿した。
②
若年層に読者の多い雑誌「Vジャンプ」、
「Seventeen」等に著作物の
適正利用を呼び掛ける広告を出稿するとともに、同広告に QR コード 35
を掲載することで協会ホームページ内に設けた著作権制度等について
分かりやすく解説したページへ誘導した。
34
主に横長の画像で短い広告文などが表示されており、画像をクリックすると提供元の
ウェブサイトに誘導する仕組みの広告
35
携 帯 電 話 の カ メ ラ 等 で 読 み 取 る こ と で ウ ェ ブ サ イ ト の URL等 が 表 示 さ れ る 仕 組 み の バ
ーコード
- 25 -
(4) その他
①
利用許諾契約を締結している社交場、フィットネスクラブ、カルチ
ャーセンター等に対する協会の情報提供を目的として、冊子「JASRAC
だより」を発行し、計 16 万 3 千部を配布した。
②
各地の学校で音楽教育に携わる教員が組織する全日本音楽教育研究
会の全国大会にブースを出展し、参加した教員に対して著作権教育へ
の積極的な取組を求めた。
③
中高生向けの音楽フェスティバル「閃光ライオット」に協賛し出展
したブースにおいて、著作権に関するクイズを出題するコーナーなど
を設け、来場者に対し、著作権に対する意識の向上を図った。
④
教育機関等からの要請を受け、著作権等について解説する講演・講
義に延べ 40 人の役職員を講師として派遣し、聴講者は延べ 3,509 人に
上った。また、中学・高等学校の修学旅行生、大学生、一般企業の社
員、司法修習生等計 192 人の来会を受け入れ、協会の業務等を説明し
た。
2
JASRAC 賞及び定例記者会見
2012 年度分配額上位の作品を JASRAC 賞として選定し、5 月 22 日、け
やきホールにおいて関係する著作者及び音楽出版者を表彰した。また、同日、
定例記者会見を行い、2012 年度の協会の事業の概況等について説明した 。
51 社 104 人の報道関係者が出席し、テレビ、新聞、インターネット等で 多
数報道された。
(敬 称 略 )
金賞「ヘビーローテーション」
作詞者
秋元
康
音楽出版者
株式会社AKS
作曲者
山崎
作曲者
すみだ
作曲者
井上
燿
銀賞「フライングゲット」
作詞者
秋元
康
音楽出版者
株式会社AKS
しんや
銅賞「Everyday、カチューシャ」
作詞者
秋元
康
音楽出版者
株式会社AKS
- 26 -
ヨシマサ
国際賞「NARUTO-ナルト-疾風伝BGM」
作曲者
高梨
康治
音楽出版者
株式会社テレビ東京ミュージック
外国作品賞「Rising Sun」
作詞者
ATSUSHI
作曲者
Didrik Thott
/
Sebastian Thott
/Johan Becker
Sharon Vaughn
音楽出版者
【O.P. 36 】
RAZOR BOY MUSIC PUBLISHING AB
BMG RIGHTS MANAGEMENT GM
YOGA MUSIC HBT GMBH
BECKERVILLE SONGS
SONY/ATV MUSIC PUBLISHING (UK) LIMITED
エイベックス・エンタテインメント株式会社
【S.P. 37 】
株式会社ソニー・ミュージックパブリッシング
株式会社フジパシフィック音楽出版
エイベックス・ミュージック・パブリッシング株式会社
3
著作権思想の普及に資する取組
知的財産権分野の人材育成に寄与するため、以下の事業を実施した。
(1) 研究会(奨学寄附)
東京大学大学院「著作権法等奨学研究会(JASRAC)」
(2) 寄附講座・寄附科目
①
早稲田大学大学院寄附講座「著作権侵害をめぐる喫緊の研究課題」
②
宮崎大学寄附科目「現代社会と著作権」
③
東北大学法学部寄附科目「現代社会と著作権」
36
Original Publisherの 略 称 。 著 作 者 と 直 接 契 約 を 締 結 し た 音 楽 出 版 者 を い う 。
37
Sub Publisherの 略 称 。O.P.か ら 日 本 に お け る 楽 曲 の 著 作 権 の 管 理 権 限 を 付 与 さ れ て い
る音楽出版者をいう。
- 27 -
④
4
放送大学教養学部寄附科目「著作権法概論」
音楽文化の振興に資する取組
(1) 少年少女のための音楽鑑賞会「音楽職人が創るステージ」
若年層に生演奏を鑑賞する機会を提供し、著作権を守ることの大切さ
を伝える演奏会を次のとおり開催した。
6月29日
気仙沼市
はまなすの館はまなすホール
6月30日
大船渡市
市民文化会館リアスホール
(2) 昭和の歌人たち~日本の歌謡史を彩った作家達~
昭和時代に活躍した作家の作品や創作にまつわるエピソードなどを紹
介する催物を次のとおり開催した。また、当日の模様は NHK BS プレミ
アムで放送された。
8月26日
第26回
中山晋平氏
けやきホール
10月22日
第27回
川内康範氏
和光市民文化センター大ホール
1月24日
第28回
西條八十氏
オリンパスホール八王子
(3) ミュージック・ジャンクション
世界の様々な楽器や音楽をテーマに解説を行い、その代表曲を演奏す
る公開講座を次のとおり開催した。また、当日の模様はライブ配信サー
ビス「ニコニコ生放送」を利用して公開された。
なお、第 30 回は、協会の創立 75 周年記念事業の一環として開催され
たものである 38 。
9月5日
第29回
ポストモダン時代のジャズ
2月15日
第30回
ワ ー ル ド ミ ュ ー ジ ッ ク 特 別 編 イイノホール
~世界を旅する音楽~
38
「 第 12 そ の 他 協 会 の 状 況 に 関 す る 事 項 2① 」 (29ペ ー ジ )参 照
- 28 -
けやきホール
第12
1
その他協会の状況に関する事項
ね
こころ音 プロジェクト
東日本大震災からの復興と被災地の音楽文化の振興を音楽作品により継
ね
続的に支援するため2011年3月に立ち上げた「こころ音 プロジェクト」への
会員・信託者の参加を引き続き募るとともに、プロジェクトの意義を広く
一般に周知し協力を得るため、協会ホームページ、動画投稿(共有)サ イ ト 、
会報等を活用した広報を実施した。また、有線放送事業者の協力によって
ね
2012年3月に開設された「こころ音 プロジェクトチャンネル」において、プ
ロジェクト参加作品を継続して放送した。
ね
プロジェクトによって集まった震災復興基金(こころ音 基金)については、
時宜にかなった支援の実施に向け、検討を継続した。
2013 年度
【プロジェクト参加状況等】
プロジェクト参加作品・参加者数
(う ち 、「 う た ア ク ト 39 」参 加 作 品・参 加 者 数 )
ね
「こころ音 基金」拠出額
2
累計
61 作品・35 者 324 作品・173 者
15 作 品 ・19 者
82 作 品 ・84 者
5,337,327 円
33,723,125 円
創立75周年記念事業
協会は、2014年11月に1939年の設立から75周年を迎えることから、シン
ボルマーク及びキャッチコピーを決定し、協会ホームページや各種印刷物
に 掲 載 す る な ど し て 、 協 会 の 75周 年 を 広 く 内 外 に 周 知 し た ほ か 、 以 下 の 記
念事業を実施した。
①
ミ ュ ー ジ ッ ク ・ ジ ャ ン ク シ ョ ン30回 記 念 「 ワ ー ル ド ミ ュ ー ジ ッ ク 特
別編~世界を旅する音楽~」 40 (2014年2月15日、イイノホール)
②
シンポジウム「著作権集中管理団体に求められる役割とは」 41 (同年
3月24日、東京コンベンションホール)
39
40
プロジェクトの一環として、会員・信託者が被災者の心の支援を強く願って創作した
作品をホームページ等で紹介する取組
30回 目 を 迎 え 、 75周 年 記 念 事 業 と し て 開 催 し た こ の 回 で は 、 日 本 を 含 め 世 界 各 地 の 音
楽に精通する音楽評論家を招き、複数の地域の音楽・楽器を取り上げて紹介した。
41
同シンポジウムは、大学教授、弁護士等を招き、デジタル技術の進展が著作権の集中
管理のあり方等にどのような影響をもたらすのか、これからの著作権管理団体に求めら
れる役割とは何か等について検証することを目的として開催された。
- 29 -
3
公正取引委員会への対応
(1) 審決取消請求事件 42
6月7日の第3回期日をもって口頭弁論が終結し、11月1日、東京高裁は
株式会社イーライセンスの請求を一部認容して審決を取り消す判決を言
い渡した。
東京高裁の判断は法令の解釈適用を誤ったものであり、株式会社イー
ライセンスには本件訴訟の原告となる資格がない上に、審決を取り消す
べ き 理 由 も な い こ と か ら 、 11月13日 、 協 会 は 上 告 の 提 起 及 び 上 告 受 理 申
立てを行った 43 。
(2) 事件記録閲覧謄写許可処分取消請求事件 44
6月13日の第2回期日をもって口頭弁論が終結し、9月12日、東京高裁は
協会の控訴を棄却する判決を言い渡した。
本事件は協会の事業上の機密保持に関わる重要な事案であることから、
9月25日、適正な判断を求め、最高裁に対し上告の提起及び上告受理の申
立 て 並 び に こ れ に 伴 う 執 行 停 止 の 申 立 て を 行 っ た (10月 31日 付 け で 執 行
停止が決定)。
(3) 記者懇談会の開催
審決取消請求事件について、誤った情報や理解に基づく報道等が散見
されたことから、同事件の背景や経緯、協会の業務に関する正しい情報
を提供し、公正な知見からの報道等を促すため、12月2日、記者懇談会を
開 催 し た 。 同 懇 談 会 に は 、 報 道 関 係 者44人 が 参 加 し 、 菅 原 理 事 長 及 び 北
田理事と質疑応答・意見交換等を行った。
42
2012年 6月 、公 正 取 引 委 員 会 が 協 会 に 対 す る 排 除 措 置 命 令 を 取 り 消 す 審 決 を 行 っ た こ と
を 受 け 、同 年 7月 、株 式 会 社 イ ー ラ イ セ ン ス が 公 正 取 引 委 員 会 を 相 手 方 と し て 、こ の 審 決
の取消しを求める訴えを東京高裁に提起した。協会はこの訴訟への参加を申し立て、同
年 9月 、 参 加 が 認 め ら れ た 。
43
同日、被告である公正取引委員会も、東京高裁判決を不服として最高裁に対し上告受
理申立てを行った。
44
公正取引委員会が協会に対する排除措置命令に係る審判の事件記録の謄写を株式会社
イ ー ラ イ セ ン ス に 許 可 し た こ と を 受 け 、 2011年 5月 、 協 会 は そ の 許 可 処 分 の 取 消 し を 求
め る 訴 え を 東 京 地 裁 に 提 起 し た が 、 2013年 1月 、 東 京 地 裁 が 協 会 の 請 求 を 棄 却 す る 判 決
を 言 い 渡 し た こ と か ら 、 同 年 2月 、 協 会 は 東 京 高 裁 に 控 訴 し て い た 。
- 30 -
4
会議の開催
(1) 社員総会
定時社員総会(6月26日)
[報告事項]
2012年度事業報告・決算報告の件
定款改正委員会の審議状況報告の件
[決議事項]
著作権信託契約約款変更の件【可決】
(2) 理事会
定例理事会
12回
臨時理事会
1回
(3) 監事会
14回
(4) 委員会
5
広報事業検討委員会
3回
信託契約約款改正委員会
4回
定款改正委員会
8回
分配委員会
6回
編曲審査委員会
4回
放送委員会
2回
役員の異動
7月30日付けで岡千秋氏が理事を退任した。
6
会員及び信託者の異動
(1) 会員の異動
ア
正会員の異動
2012年度末現在正会員数
1,405者
2013年度資格取得正会員数
30者
2013年度資格喪失正会員数 45
22者
2013年度末現在正会員数
45
1,413者
準会員・信託者への変更、信託終了、死亡など
- 31 -
イ
著作者、音楽出版者等正会員数(2013年度末現在)
作詞者
236 者
作曲者
284 者
作詞作曲者
638 者
音楽出版者
255 者
計 1,413 者
ウ
著作者、音楽出版者等準会員数(2013年度末現在)
作詞者
1,245 者
作曲者
854 者
作詞作曲者
1,492 者
音楽出版者
508 者
著作権の承継者(相続による承継者)
223 者
13 者
著作権の承継者(相続による承継者を除く)
計 4,335 者
(2) 信託者の異動
ア
信託数の異動
2012年度末現在信託数
イ
16,312件
2013年度信託契約新規締結数 46
486件
2013年度信託終了数 47
198件
2013年度末現在信託数
16,600件
著作者、音楽出版者等信託数(2013年度末現在)
作詞者
4,609 件
作曲者
3,435 件
作詞作曲者
5,706 件
音楽出版者
2,818 件
32 件
著作権の承継者(相続による承継者を除く)
計16,600件
46
47
音 楽 出 版 者 事 業 部 と の 事 業 部 を 単 位 と す る 信 託 26件 を 含 む 。
信託期間の満了、信託契約解除など
- 32 -
7
業務組織の一部変更
4月1日付けで、以下のとおり業務組織を一部変更した。
( 1) 録 音 出 版 部 と 映 像 部 を 統 合 し て 複 製 部 と し 、 各 課 を 次 の と お り 統
合等した上で、包括契約課、録音課、出版課、ビデオグラム課及び
映画・CM課の5課体制とした。
①
録音一課と映像一課を統合し、包括契約課とした。
②
録音二課の名称を録音課に変更した。
③
映像二課の名称をビデオグラム課に変更した。
④
映画・CM課を新設した。
(2) 演奏部に統括推進課及び演奏業務課を新設し、2課体制とした。
( 3) 管 理 本 部 に 権 利 情 報 整 備 部 を 新 設 し 、 内 国 作 品 課 、 外 国 作 品 課 及
び照合課の3課体制とした。
(4) 内国資料部の2課(内国一課及び内国二課)を廃止し、内国資料部と
した。
(5) 外国資料部の2課(外国一課及び外国二課)を廃止し、外国資料部と
した。
(6) 分配部の 3課(分配課、分配事務課及びキューシート事務課)を廃止
した上で、分配計画課及び分配管理課を新設し、2課体制とした。
(7) 国際部に国際施策課及び国際業務課を新設し、2課体制とした。
8
職員の状況
2013年度末現在の職員数(嘱託職員を含む。)
男
女
計
本部
186
129
315
支部
123
44
167
計
309
173
482
- 33 -
第13
1
内部統制システム 48 の整備 49
内部統制システムの整備に関する基本方針
協 会 は、協会の活動が社会へ及ぼす影響に鑑み、 2010年4月、「 内 部 統 制
システムの整備に関する基本方針」(35~37ページに全文を掲載)を理事会に
おいて決議し、同方針に基づく適正な事業運営に努めている。
2
リスク管理規程の制定
上記基本方針に基づく内部統制システムの整備の一環として、協会を取
り巻く危険やリスクがもたらす損失を予防するとともに、実際に損失が発
生した場合に迅速かつ的確に対処するために必要な基本的事項を明文化す
ることを目的として、6 月、理事会はリスク管理規程を制定した。
48
49
内部統制システムとは、理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保する
ための体制その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要な体制の総称である。
法 令 上 、内 部 統 制 シ ス テ ム の 整 備 に つ い て 決 議 が あ る と き は 、そ の 内 容 (概 要 )を 事 業 報
告 に 記 載 し な け れ ば な ら な い と さ れ て い る (法 人 法 123条 2項 、 法 人 法 施 行 規 則 34条 2項 2
号 )。
- 34 -
内部統制システムの整備に関する基本方針
Ⅰ
内部統制システムの整備に関する基本的な考え方
当協会は、「音楽の著作物の著作権を保護し、あわせて音楽の著作物の利 用
の円滑を図り、もって音楽文化の普及発展に寄与すること」を目的として掲
げ、音楽の著作物の著作権に関する管理事業、音楽文化の振興に資する事業
などを通じて実践している。
当 協 会 は 、 こ れ ら の 事 業 の 運 営 に つ い て 、 そ の 指 針 と な る 「 JASRAC行 動
指針」に基づき、コンプライアンスを最優先して適切に行うとともに、次の
とおり内部統制システムの整備に関する基本方針を定める。
Ⅱ
内部統制システムに関する体制の整備
1
理事及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保する
ための体制( 第 90条 第 4項 第 5号 及 び 法 人 法 施 行 規 則 第 14条 第 4号 関 連 )
理事及び職員等が、法令及び定款を遵守することはもとより、高い倫理
を持ち、適切に職務を執行していくために、以下の取組みを行う。
(1) 「コンプライアンス推進規程」等の業務規程に基づき、当協会の社会
的信頼の維持及び向上に資するための体制を整備するほか、公益通報者
保護に関する体制を整備し、理事及び職員等の適切な職務執行を行う。
(2) 理 事 及 び 職 員 等 に 対 し て 、 定 期 的 に 研 修 等 を 実 施 し て 、 法 令 及 び 定 款
等違反を未然に防止する。
2
理 事 の 職 務 の 執 行 に 係 る 情 報 の 保 存 及 び 管 理 に 関 す る 体 制 (法 人 法 施 行 規
則 第 14条 第 1号 関 連 )
理事の職務の執行に係る情報の管理を行い、適正かつ効率的な職務執行
に資するため、以下の取組みを行う。
(1) 理 事 の 職 務 執 行 に 係 る 情 報 と し て 、 理 事 会 等 主 要 な 会 議 の 議 事 録 、 社
内決裁に係る起案書、各種契約書等を「文書処理規則」等の業務規程に
基づき、保管責任者、保管期間等を定め、文書又は電磁的情報により記
録し、保存する。
(2) 「 電 磁 的 業 務 情 報 保 護 管 理 規 程 」 等 の 業 務 規 程 に 基 づ き 、 情 報 セ キ ュ
リティ体制を構築し、文書又は電磁的情報等の漏洩、紛失等を防止する
- 35 -
とともに、情報の管理を徹底する。
3
損失の危機の管理に関する規程その他の体制 (法 人 法 施 行 規 則 第 14条 第 2号 関
連)
協会を取り巻く危険やリスクがもたらす損失を予防するとともに、実際
に損失が発生した場合に迅速かつ的確に対処するため、以下の取組みを行う。
(1) 「 リ ス ク 管 理 規 程 」 等 の 業 務 規 程 に 基 づ き 、 協 会 の 業 務 に 関 す る 様 々
なリスクを未然に防止するとともに、実際に損失が発生した場合には、
直ちに理事会及び理事長に情報が伝わる仕組みを構築し、損失の最小化
に努める。
(2) 協 会 の 財 産 の 損 失 を 防 ぐ た め に 、 協 会 財 産 の 管 理 ・ 運 用 に 係 る 基 準 等
を定める。
4
理 事 の 職 務 の 執 行 が 効 率 的 に 行 わ れ る こ と を 確 保 す る た め の 体 制 (法 人
法 施 行 規 則 第 14条 第 3号 関 連 )
理事の職務執行が効率的に行われるため、以下の取組みを行う。
(1) 各 事 業 年 度 の は じ め ま で に 事 業 計 画 及 び 収 支 予 算 を 定 め 、 限 ら れ た 経
営資源を効率的に活用する。
(2) 定例理事会を月1回開催する。
(3) 業 務 運 営 を 円 滑 に 行 う た め 、 理 事 長 、 常 務 理 事 、 常 任 理 事 、 協 会 の 職
員等で組織する経営会議及び業務執行会議を定期的に開催し、理事長若
し く は 常務理事又は常任理事の職務執行を効率的に行うための審議を行う。
(4) 「 経 理 規 程 」、「 決 裁 処 理 規 則 」 等 の 業 務 規 程 に よ り 、 理 事 及 び 職 員 等
の職務執行が円滑に行われるよう、その基準を明確に定める。
5
監事がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当
該使用人に関する事項( 法 人 法 施 行 規 則 第 14条 第 5号 関 連 )
監事から、監事の職務を補助すべき職員等の要請があった場合は、速や
かに監事補助人を配置し、監事補助人は監事の指示に従いその職務を遂行
する。
- 36 -
6
監 事の職務を補助すべき使用人の理事からの独立性に関する事項( 法 人 法
施 行 規 則 第 14条 第 6号 関 連 )
監事の職務を補助すべき職員等を置いた場合には、その独立性を確保す
るため、当該職員等の人事異動、人事考課等については、監事の意見を尊
重する。
7
理事及び使用人が監事に報告をするための体制その他の監事への報告に
関する体制( 法 人 法 施 行 規 則 第 14条 第 7号 関 連 )
理事及び職員等が、①法令、社会規範及び協会の規程等に違反し、又は
違反するおそれがある事項、②協会の社会的信頼又は事業運営の公平・公
正を失わせ、又は失わせるおそれのある事項、③その他、協会の業務又は
財産に重要な損害をおよぼすおそれがある事項を発見したときには、遅滞
なく監事に報告する体制を整備するとともに、当該体制を理事及び職員等
に周知徹底する。
8
監 事 の 監 査 が 実 効 的 に 行 わ れ る こ と を 確 保 す る た め の 体 制 (法 人 法 施 行 規
則 第 14条 第 8号 関 連 )
監事の監査が実効的に行われるため、以下の取組みを行う。
(1) 監事の求めに応じて、理事長、常務理事、常任理事、会計監査人等は、
定期的及び随時、監事と意見交換を実施する。
(2) 監 事 は 、 経 営 会 議 、 業 務 執 行 会 議 そ の 他 の 重 要 な 会 議 に 出 席 で き る も
のとする。
(3) 監 事 は 、 職 務 執 行 の 状 況 及 び 内 部 統 制 の 実 施 状 況 を 監 査 す る た め に 、
理事及び職員等に対して、いつでも報告を求めることができる。報告を
求められた理事及び職員等は、当該事項について速やかに報告を行う。
以上
- 37 -
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