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HP Systems Insight Manager 5.2 評価ガイド

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HP Systems Insight Manager 5.2 評価ガイド
HP Systems Insight Manager 5.2 評価ガイド
How to use
概要................................................................................................................................................... 2
HP SIMとは..................................................................................................................................... 2
HP SIMをインストールするサーバの選定方法 ....................................................................................... 3
HP SIMに必要なハードウェアリソースの算出方法 ............................................................................. 3
HP SIMの入手方法 .............................................................................................................................. 4
HP SIMのテクニカルサポートについて ............................................................................................. 5
HP SIMのインストールおよび初期設定 ................................................................................................. 5
HP SIMのインストール前に.............................................................................................................. 5
HP SIMのインストール時 ................................................................................................................. 5
HP SIMのインストール後 ................................................................................................................. 6
HP SIMの基本機能の確認..................................................................................................................... 8
システムの稼動状態の監視 .............................................................................................................. 8
HP製システム管理ソフトウェア、ドライバ、ファームウェアの情報収集およびメンテナンス ............... 9
ハードウェア障害の検出および通知 ............................................................................................... 10
レポート機能 ................................................................................................................................ 11
柔軟な権限管理............................................................................................................................. 12
柔軟なタスク実行.......................................................................................................................... 12
関連情報 .......................................................................................................................................... 14
概要
本文書は HP ProLiant サーバのハードウェア管理ツールとして、HP Systems Insight Manager (以下
HP SIM)のバージョン 5.2 を実際にインストールしてご評価いただく際に必要な情報をまとめた資
料となります。HP SIM は Microsoft Windows Server、Linux および HP-UX の各 OS 用のパッケージ
が用意されていますが、HP Integrity サーバの管理は HP-UX 版 HP SIM、HP ProLiant サーバの管理は
Windows 版 HP SIM で最適化されています。本文書では基本的に HP ProLiant サーバと Microsoft
Windows Server を組み合わせた環境で HP SIM を利用することを想定し、以下の情報を提供します。
• HP SIM をインストールするサーバの選定方法
• HP SIM の入手方法
• HP SIM のインストールおよび初期設定
• HP SIM の基本機能の確認
HP SIMとは
HP SIM は、お客様の IT 環境におけるすべての HP 製サーバ、ストレージ、およびシステムハード
ウェアの管理を支援する、HP 統一サーバ・ストレージ管理アプリケーションです。HP SIM は、小
規模ネットワークから大規模な企業ネットワークまで広範な IT 環境に、エンタープライズレベルの
利点をもたらします。HP SIM の基本機能は以下のとおりです。
• システムの稼動状態の監視
• HP 製システム管理ソフトウェア、ドライバ、ファームウェアの情報収集およびメンテナンス
• ハードウェア障害の検出および通知
• レポート機能
• 柔軟な権限管理
• 柔軟なタスク実行
HP SIM を利用した管理環境
HP SIM を利用した管理環境では、中央管理サーバ(CMS)、管理対象システム、ネットワークク
ライアントが必要となります。CMS は HP SIM がインストールされたサーバであり、管理対象シス
テムから管理情報を収集し、ネットワーククライアントに対して、Web GUI もしくは SSH 経由の
2
CLI 管理インタフェースを提供します。HP SIM は IP アドレスを持つ任意のシステムを管理対象シス
テムとすることが可能となっていますが、HP SIM の機能をフルに活用するためには、HP の管理エ
ージェントである Insight マネジメントエージェント(IMA)が動作している HP ProLiant サーバを
管理対象として登録する必要があります。IMA は HP ProLiant 100 シリーズでは動作しないため、
HP SIM の評価をする際には、管理対象のサーバとして、300 シリーズ以上の HP ProLiant ML/DL サ
ーバまたは HP ProLiant BL サーバを少なくとも 1 台はご用意ください。
HP SIM をインストールするサーバの選定方法
Microsoft Windows 用 HP SIM は任意の Windows Server 2003/2008 x86 または x64 システム上に
インストールすることができます。(x64 システム上にインストールした場合は 32 ビットモード
用アプリケーションとして動作します。)基本的に、300 シリーズ以上の HP ProLiant ML/DL サー
バまたは HP ProLiant BL サーバ上で動作する Windows Server 2003 x86 で動作させることが推奨と
なりますが、簡単な評価目的であれば、VMware ESX サーバ上の仮想マシンで動作させることも可
能です。いずれの場合でも HP SIM のテクニカルサポートを受けるためには、HP Insight Control
Environment もしくは HP iLO Power Management Pack の何れかのサポート契約が必要となります
のでご注意ください。
注意
HP Insight Control Management DVD の統合インストーラは Windows
Server 2003 x64 および Windows Server 2008 に対応しておりません。
HP SIMに必要なハードウェアリソースの算出方法
HP SIM のシステム最小要件は 1GHz のプロセッサ 1 個と 1GB のメモリとなります。ただし、HP
SIM を安定して動作させるためには、管理対象システムのノード数に応じたハードウェアリソース
を用意する必要があります。管理対象システムのノードとなるものには、HP ProLiant サーバ本体、
HP ProLiant サーバの遠隔管理ツールである iLO、ネットワークスイッチや SAN スイッチ、サーバ
仮想化環境のホストサーバおよびその上で動作する仮想マシンなど、IP アドレスを持つもの全てが
含まれます。(例えば、100 台の HP ProLiant サーバのみを管理する場合、管理対象システムノー
ド数はそのサーバ自身と iLO が含まれるので、合計 200 ということになります。)尚、HP SIM 自
身では管理対象システム数に制限を設けていませんが、最新のハードウェアを使った場合でも、1
台の HP SIM サーバで管理できるノード数の上限はおよそ 5000 程度となっています。参考までに、
100 ノード、500 ノード、2000 ノード、5000 ノードを管理する際の推奨ハードウェアリソース
を以下に記載します。
管理対象システムノード数
推奨されるハードウェアリソース
100 ノード以下
シングルコア 3.0GHz/800MHz, 1GB メモリ
500 ノード以下
デュアルコア 3.2GHz/1066MHz, 1GB メモリ
2000 ノード以下
デュアルコア 3.2GHz/1066MHz 2 個, 3GB メモリ
5000 ノード以下
クアッドコア 2.33GHz/1333MHz 2 個, 8GB メモリ
注意
上の表は、HP SIM 専用サーバ(データベースサーバは別途用意)として
用意する際に必要となるハードウェアリソースとなります。HP SIM の基
3
本機能のみを利用する場合を想定しているため、プラグインを使用する
場合やデータベースサーバと共存する場合は上記の推奨値以上のハード
ウェアリソースが必要となります。また、ハードディスクに関しては、
いずれの場合も SAS ドライブを利用いただくことを前提としています。
Tips
HP SIM は Manager of Manager の管理階層を構成することはできないた
め、5000 台を越えるノード数を統合管理する場合は、複数の HP SIM で
管理ノードをグループ化し、HP Operations Manager などの管理ソフト
ウェア製品を利用して統合する必要があります。
HP SIM の機能評価をサーバ数台の環境で行う場合、HP SIM の CMS には、最低限のハードウェア
リソース(1GHz のプロセッサ 1 個と 1GB のメモリ)を用意すれば十分ですが、本格的に運用を
考える場合は、現在の管理サーバ台数および将来的に何台まで管理する必要があるのかを考慮して
CMS サーバのハードウェアリソースを決定します。将来の管理対象システムのノード数の増加予
測が難しい場合は、CMS サーバの置き換えを避けるためにも、その時点で最速のプロセッサを 2
個搭載可能で、メモリも 8GB 以上搭載可能なサーバ(例えば HP ProLiant DL380G5)で HP SIM を
利用することを検討してください。
Tips
HPではHP SIMに必要となるハードウェアリソースを見積もるためのツー
ルとして、HP SIM Sizing utility(英語)を提供しています。このツールは
http://www.hp.com/go/hpsimのページの左側にあるTechnical Supportの
リンクからConfiguration Information for sizing your SIM serverと辿ること
で利用することができます。このHP SIM Sizing utilityを利用する際は
Select CountryでJapanではなくUnited Statesを選択してください。Japan
を選択した場合は正しい結果が表示されません。
HP SIM の入手方法
HP SIMのインストールパッケージは国際化対応が施されており、英語版・日本語版共通の単一パッ
ケージとして、300 シリーズ以上のHP ProLiant サーバに標準添付されているManagement CDに含
まれています。ただし、Management CDに含まれるHP SIMは、サーバの購入時期によっては最新
のものではない可能性がありますので、可能な限りHPのWebサイト http://www.hp.com/jp/hpsim
から入手できる最新のパッケージを利用することをお勧めいたします。Webサイトから入手できる
パッケージは常に最新のものとなります。
その他の HP SIM の入手方法としては、HP ProLiant サーバの統合管理スイートである HP Insight
Control スイートが含まれている HP Insight Control Management DVD(ICM DVD)を使用する方法
もあります。ICM DVD の HP SIM は、Management CD および Web で提供している単体提供の HP
SIM と基本機能は共通となっていますが、Insight Control スイートのライセンス管理機能などが追
加されており、単体提供の HP SIM の機能拡張版となっています。Insight Control スイートに含まれ
る HP ProLiant Essentials Performance Management Pack や Vulnerability and Patch Management
Pack などの HP SIM プラグインソフトウェアを利用する場合は、単体提供の HP SIM ではなく、
ICM DVD の HP SIM を使用する必要がありますが、HP SIM の基本機能のみを利用するのであれば、
単体提供の HP SIM を使用します。
4
Tips
ICM DVDもHPのWebサイトから無償でダウンロードすることができます。
ただし、利用するには有償のライセンスが必要となります。Insight
Controlスイートの期間限定評価用ライセンスは以下のURL(英語)から入
手可能となっています。
http://h18004.www1.hp.com/products/servers/management/tryinsightco
ntrol/index.html
HP SIMのテクニカルサポートについて
HP SIM の技術的な質問については、HP の Web サイトにある IT Resource Center の Forum(英語)
で随時受け付けています。また、HP ProLiant サーバ購入後 90 日以内であれば、HP SIM のインスト
ールに関連する質問は HP カスタマ・ケア・センタで受け付けています。HP Insight Control
Environment もしくは HP iLO Power Management Pack の何れかのサポート契約をお持ちのお客様
は、いつでも電話によるテクニカルサポートを受けることができます。
HP SIM のインストールおよび初期設定
HP SIMのインストール方法は、HP ProLiantマニュアルライブラリ
(http://www.hp.com/jp/proliantessentials_manual)から入手することができる「HP Systems
Insight Manager 5.2 Microsoft Windows用インストール/コンフィギュレーションガイド」第 3 章
に詳しく記載されておりますので、はじめてインストールを行う場合は是非御一読されることをお
勧めします。インストールの流れの詳細については、上記のガイドをご参照ください。以下ではイ
ンストール時の留意事項を記載します。
HP SIMのインストール前に
HP SIM を使用するには、Microsoft SQL Server などのデータベースソフトウェアが必要となります。
HP SIM のインストールパッケージには、Microsoft から無償で提供されている Microsoft SQL Server
2005 Express Edition SP2 が含まれておりますので、管理ノード数が 500 以下の環境および評価目
的であれば、別途データベースソフトウェアを用意する必要はありません。この HP SIM のインス
トールパッケージに含まれる SQL Server 2005 Express Edition SP2 を利用する場合は、HP SIM の
インストール前に Microsoft .NET Framework 2.0 をインストールしておく必要があります。
HP SIMのインストール時
インストールを開始すると、はじめにローカルにデータベースソフトウェアが存在するかどうかが
確認され、その結果に応じたデータベース設定画面が表示されます。続いてインストール方法の選
択となり、 [標準] と [カスタム] のどちらかを選択します。 [標準] を選択した場合は、HP SIM のコ
ンポーネントの各種設定が HP の既定値で自動設定されるため、HP SIM サービスアカウントの認証
情報設定後は、インストール完了まで各コンポーネントの設定値入力画面は表示されません。一方、
[カスタム] を選択した場合は、各コンポーネントのインストールを制御できますが、各コンポーネ
ントで設定値を指定する必要があります。HP SIM の基本機能評価テストが目的であれば、簡単に
インストールできる [標準] オプションを選択してください。
注意
HP SIM 5.2 のインストールパッケージに含まれるRemote Support
Software Managerコンポーネントは日本語Windows OSへのインストー
ルをサポートしていません。このコンポーネントはインストール後に手
動で構成しない限り動作しないため、評価テスト目的であれば、 [標準]
5
インストールオプションを選択してインストールしても大きな問題はあ
りませんが、本稼動目的のインストールであれば、 [カスタム] を選択し
て、このコンポーネントをインストールから除外することをお勧めしま
す。詳細に関しては、以下のURLをご参照ください。
http://h18013.www1.hp.com/products/servers/management/hpsim/dl_
windows.html#remote
Tips
インストール方法として [カスタム] を選択した場合でも、OpenSSH、
WMI Mapper、バージョンコントロールレポジトリはインストールして
おくことをお勧めいたします。OpenSSH は SIM のリモートシステムタス
ク実行に使用され、WMI Mapper は Windows 2000 以降のサーバからの
WMI データの収集に使用されます。バージョンコントロールレポジトリ
は、HP が提供する HP ProLiant サーバ用のソフトウェアおよびファームウ
ェアのバージョン管理と展開を行う際に必要となるコンポーネントです。
HP SIMのインストール後
インストール完了後は、一度 OS を再起動する必要がありますが、完了後直ちに再起動せずに、5
分ほど待ってから再起動を行ってください。これは、インストール後にバックグラウンドで MIB の
コンパイルを行っているためです。再起動後、デスクトップにある Systems Insight Manager アイコ
ンをダブルクリックして HP SIM の Web インタフェースを起動し、初めて HP SIM の Web インタ
フェースを起動する際に表示されるファーストタイムウィザードを完了させます。この時点で管理
対象サーバの検出を完了させてください。尚、管理対象サーバの検出は、ファーストタイムウィザ
ード中で指定することで自動的に行うことができる他、 [オプション] メニューの [検出] から手動
で個別に行うことも可能です。ファーストタイムウィザードの設定方法の詳細については、前述の
「HP Systems Insight Manager 5.2 Microsoft Windows 用インストール/コンフィギュレーションガ
イド」第 4 章に詳しく記載されておりますので、そちらをご参照ください。
続いて、バージョンコントロールレポジトリマネージャ(VCRM)の設定を行います。(インスト
ールオプションで [カスタム] を選択し、 [バージョンコントロールレポジトリ] を除外した場合は、
このコンポーネントはインストールされていません。)インストール直後の状態ではレポジトリに
は何も存在しないので、SmartStart CD からレポジトリを更新してください。また、HP SIM サーバ
がインターネットへ接続できる場合は、レポジトリが自動更新されるように VCRM を設定してくだ
さい。詳細な手順に関しては、HP ProLiant マニュアルライブラリから入手することができる「バー
ジョン コントロール レポジトリ マネージャ ユーザ ガイド」を参照してください。
ここまでの作業で HP SIM CMS 側の初期設定は完了となります。次に、必要に応じて管理対象サー
バへ必要なソフトウェアである ProLiant Support Pack(PSP)を配布します。PSP は、HP ProLiant サ
ーバを SmartStart CD でセットアップした場合、もしくは Rapid Deployment Pack から OS をインス
トールした場合には自動的にインストールされていますので、それらの方法でインストールを行っ
た場合には PSP を再配布する必要はありません。PSP の配布が必要なサーバがある場合は、HP SIM
から配布を行います。配布は HP SIM の [展開] メニューから [ドライバ、ファームウェアおよびエ
ージェントのインストール] 、 [初期 ProLiant Support Pack インストール] と選択することで行うこ
とができます。(配布する PSP は前述の VCRM のレポジトリ内に存在するものを指定することがで
きます。)
最後に、管理対象サーバから正しくイベント通知を受信するために必要な設定を行います。この設
定は HP SIM の [設定] メニューから [エージェントの設定および修復] を選択することで行います。
詳細な手順については、前述の「HP Systems Insight Manager 5.2 Microsoft Windows 用インストー
ル/コンフィギュレーションガイド」第 6 章に記載されておりますので、そちらをご参照ください。
6
Tips
管理対象サーバの検出を行う際、マルチホームホスト(複数のサブネッ
トの IP アドレスを持つサーバ)は HP SIM CMS から到達可能な全ての IP
アドレスを検出してください。HP SIM はデフォルトの状態では管理対象
として認識していない IP アドレスからのイベント通知を破棄しますので、
管理対象からのイベント通知を正しく受信するためには、HP SIM CMS
から到達可能な管理対象の IP アドレスを全て検出しておく必要がありま
す。
7
HP SIM の基本機能の確認
ここでは、HP SIM の基本機能を順番に確認します。
システムの稼動状態の監視
HP SIM はデフォルトの状態では 5 分間隔で監視対象サーバ(タイプがサーバ、クラスタ、管理プ
ロセッサの何れかとして検出された管理ノード)の稼動状態を監視しています。この監視機能は、
HP SIM のタスクとしてスケジューリングされており、 [タスク&ログ] メニューから [スケジュー
ルされたすべてのタスクの表示] を選択して表示される [サーバ ハードウェア ステータス ポーリン
グ] がその実体となっています。(監視間隔を変更する場合は、このタスクを編集します。)尚、
サーバとして識別されていない監視対象(タイプがサーバ、クラスタ、管理プロセッサ以外)に関
しては、10 分間隔で監視が行われます。これは、 [非サーバ ハードウェア ステータス ポーリン
グ] タスクとしてスケジュールされています。これらの監視間隔毎に各監視対象に対して、それぞ
れで有効となっている管理プロトコル(SNMP や WBEM 等)と ping によるステータス情報収集が
行われます。この結果、到達不可能と判断した場合にはシステム到達不能イベントが記録され、監
視対象のヘルスステータス(HS カラム)がクリティカルに変更されます。HS カラムのアイコンは、
各管理対象上で動作する System Management Homepage(SMH)へのリンクとなっており、ここ
を辿ることでコンポーネントレベルでの稼働状態を確認することができます。
ヘルスステータス
8
HP製システム管理ソフトウェア、ドライバ、ファームウェアの情報収
集およびメンテナンス
HP SIM は組込済みのタスクである [ソフトウェア バージョン ステータス ポーリング] を 1 週間に
一度実行します。このタスクにより、監視対象の HP ProLiant サーバ上で動作しているバージョン
コントロールエージェント(VCA)の状態が収集され、システム一覧のソフトウェアバージョンス
テータス(SW カラム)にその状態が反映されます。VCA は VCRM に格納された HP 提供のソフト
ウェア(ドライバおよびファームウェアを含みます)と現在インストールされているソフトウェア
のバージョンを比較して、クリティカルなバグフィックスを含む未適用の最新ソフトウェアが存在
するかどうかを判定し、その結果を保持します。クリティカルなバグフィックスを含む未適用のソ
フトウェアが存在する場合、監視対象上で動作している IMA から、定期的に「Critical Software
update Notification Trap」が送信されます。ソフトウェアのアップデートは、HP SIM のシステム一
覧の SW カラムのアイコンをクリックすることで起動する管理対象上の VCA から行うことができ
ます。
ソフトウェアバージョンステータス
9
ハードウェア障害の検出および通知
HP SIM における監視対象サーバのハードウェア障害の検出および通知は、監視対象サーバ上で動
作している IMA に依存しており、IMA の状態を定期的に監視して、そこから通知を受信すること
で監視対象サーバの障害を検出します。監視に関しては、前述のとおり 5 分間隔に行うサーバハー
ドウェアステータスポーリングで各監視対象サーバ上の IMA の状態を確認しているため、HP SIM
上のシステム一覧の HS カラムにハードウェア障害情報が反映されるまでには最大で 5 分かかりま
す。また、障害通知は IMA が障害を検知した時点で SNMP トラップとして HP SIM へ送信されるた
め、通常は HP SIM 上の HS カラムが変化する前に HP SIM へ障害が通知されます。
HP SIM における障害検出
HP SIM が障害通知(SNMP トラップ)を受信すると、その障害は管理下のシステムのイベントと
して関連付けられて HP SIM のデータベースに記録されます。尚、監視対象サーバ上で動作してい
る IMA が障害通知を出す前に OS が停止してしまった場合、HP SIM ではその監視対象サーバから
情報を収集することができなくなるため、そのサーバに対して「System is unreachable」イベント
を記録します。HP SIM を用いてハードウェア障害検出をタイムリーに行うには、これらのイベン
ト発生時に適切な処理を行うように、予め HP SIM を設定しておく必要があります。HP SIM ではこ
の設定を支援する機能として、「自動イベント処理」機能を実装しています。
HP SIM の「自動イベント処理」機能により、イベントが発生した場合に、指定した宛先へメール
で内容を通知する、指定したコマンドを実行する、SNMP トラップとして転送する、システムログ
(OS のイベントログ)へ書き込む、といった処理を自動で行うことができます。自動イベント処
理では、処理の対象とするイベントおよびシステムの指定や処理が有効となる時間帯も指定できる
ため、柔軟な設定を行うことが可能となっています。
Tips
「自動イベント処理」でイベント発生時の自動処理(アクション)とし
て Email の送信を選択する場合、メッセージフォーマットを [HTML] とす
ることをお勧めします。メッセージフォーマットを HTML にすると、デ
フォルトの [標準] の場合に比べ、より詳細な情報を含んだメールが送信
されます。
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レポート機能
HP SIM では、組込済みのタスクである [隔週データ収集] を 2 週間に一度実行し、インストールさ
れているハードウェア情報や OS の情報等の総合的なシステムデータ収集を行います。(収集され
るデータの種類は、システム種別やインストールされている WBEM プロバイダにより異なりま
す。)HP SIM は収集したデータから、HTML、XML または CSV フォーマットのレポートを生成す
ることができます。
レポートの例
また、 [隔週データ収集] とは別に、時系列変動解析用のデータ(スナップショット)収集を 2 回
以上行うことで、それらのデータの比較を行う [スナップショットの比較] 機能を利用することがで
きます。( [隔週データ収集] で収集されたデータは [スナップショットの比較] で使用することは
できません。)この機能では、同一システムから収集されたスナップショットの時系列の比較に加
え、4 つまでの異なるシステムのスナップショットを比較することもできます。この機能を活用す
ることで、障害発生時と正常稼動時のシステム状態の比較が容易となるため、障害時の問題の解析
を効率的に行うことができます。 [スナップショットの比較] 用のデータを収集するには、HP SIM
の [オプション] メニューから [データ収集] を選択し、 [新規データセットを追加(時系列変動解析
用)] を実行します。これは定期的に行うことをお勧めします。
11
柔軟な権限管理
HP SIM では、どのユーザが、どのシステムで、どの管理操作を実行できるかを、システム管理者
が細かく制御できるので、管理権限を効果的に委任することができます。この委任機能を活用する
と、HP SIM のインタフェース上、人事部のサーバは人事部内の部員は参照のみが可能で、人事部
のサーバ管理者は参照および設定変更を含む操作が可能だが、他の部門管理者には一切その情報を
見せない、といった制限をかけることができます。この設定は HP SIM の [オプション] メニューか
ら [セキュリティ] 、 [ユーザおよび認証] と辿ることで行うことができます。
HP SIM の管理権限の委任機能
柔軟なタスク実行
HP SIM ではタスクをスケジュールして実行し、システムとイベントを管理できます。HP SIM では、
あらかじめ組込済みのタスクに加え、ユーザが独自に作成したタスクをスケジューリングすること
もできます。ユーザが独自に作成するタスクは、HP SIM のツール(メニューから起動する機能)
を元に作成しますが、タスクを作成する元となるツールにユーザが作成したカスタムツールを利用
することもできます。タスク機能を活用すると、30 日を経過したイベントを削除する、といった
ことが可能になります。
Tips
30 日を経過したイベントを削除するタスクを作成する手順は、HP
ProLiant マニュアルライブラリから入手することができる「HP Systems
Insight Manager 5.2 テクニカル リファレンス ガイド」566 ページに記
載されております。尚、このタスクを実行した場合でも、「Discovered
System」イベントだけは削除することはできません。
Tips
HP SIM のツールは、SSA (Single System Aware)と MSA (Multiple System
Aware)の 2 種類に分類されます。SSA は別名リモートツールと呼び、ツ
12
ールが管理対象システム上で直接実行されます。エージェントのインス
トール等は SSA によって行われます。MSA は別名 CMS ツールと呼び、
ツールは CMS 上で実行されます。どちらのツールも複数の管理対象に対
して実行することができます。
13
関連情報
HP Systems Insight Manager
http://www.hp.com/jp/hpsim
HP 管理ソフトウェア
http://www.hp.com/jp/insightcontrol
HP ProLiant マニュアルライブラリ
http://www.hp.com/jp/proliantessentials_manual
HP ProLiant ホワイトペーパ
http://h50146.www5.hp.com/products/servers/proliant/whitepaper
HP SIM Sizer(英語)
http://h71019.www7.hp.com/activeanswers/Secure/274366-0-0-0-121.html
HP SIM Download Page(英語)
http://h18013.www1.hp.com/products/servers/management/hpsim/dl_windows.html
© Copyright 2008 Hewlett-Packard Development Company, L.P. 本文書に記載の事
項は、予告なく変更されることがあります。HP 製品およびサービスの保証は、各
製品およびサービスに添付された保証書に記載の明示保証のみとなります。追加
保証に違反すると解釈される事項は、本文書に一切記載されていません。HP は、
本文書に記載の技術上、編集上の過失または不作為に対し、法的責任はありませ
ん。
Microsoft および Windows は Microsoft Corporation の米国における登録商標で
す。
2008 年 6 月
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