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変形性膝関節症 膝関節全置換術

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変形性膝関節症 膝関節全置換術
これか ら 手 術・治 療 を 受 け られる 方へ
疾患と治療の説明書
へん
けい
せい
ひざ
かん
せ つ
しょう
変形性膝関節症
膝関節全置換術
ひざ
かん
せつ
ぜん
ち
入院時、必ず持参してください
◎あなたの名前を書いてください
済生会熊本病院
外来担当医:
担当看護師:
かん
じゅつ
変形性膝関節症と
診断された患者さんへ
この説明書は、変形性膝関節症の治療を行う患者さんの理解を深めると同時に、
患者さんやご家族に知っておいて欲しいことをお伝えするためのものです。
説明を聞き、
ご自身でメモをとることで、あなただけの説明書となります。
目 次
1
1.
症状について
P2
2.
治療方法
P3
3.
手術前外来受診の流れ
P6
4.
入院中の流れ
P8
5.
入院中服用いただく薬について
P15
6.
リハビリについて
P16
7.転院について(リハビリ目的)
P17
8.
入院費用の目安(人工膝関節置換術)
P18
変形性膝関節症膝関節全置換術 疾患と治療の説明書
1.
症状について
変形性膝関節症とは、膝関節のクッションである軟骨のすり減りや筋力の低下が要因となって、
膝の関節に炎症が起きたり、関節が変形するなどして痛みが生じる病気です。中高年の方に多い
病気ですが、
とりわけ女性に多く、
50歳以降になるにつれて患者さんの数が増えていきます。
発病初期は痛みがすぐに治まったり、痛みがあっても年のせいだとあきらめたりして病院を訪れ
る人が少ないのが現状です。一度発病したら若いころのような膝に戻すことはできませんが、適切
な治療を受ければ症状の進行を遅らせることで、普通に日常生活を送ることができます。
【初期の症状】―朝、膝に違和感を覚える―
朝起きて歩き始めた時の「膝の違和感」が最も早く現れる症状です。この段階では、膝に力がか
かる動作で痛みがでることもありますが、この痛みは長続きせず、
しばらく休むと痛みがなくなる
場合がほとんどです。
なお、症状の進行は、人によって様々で、朝の違和感だけがずっと続いて、本格的な変形性膝関
節症にならない人もいます。
【中期の症状】―症状が簡単には治らない―
初期症状を放置しておくと、徐々に進行して症状が悪くなっていきます。まず、痛みがはっきりと
自覚できるようになり、膝が完全に曲がらない、伸びない状態が進み、正座やしゃがみこむ等の動
作が苦痛になってきます。階段の上り下りもつらく、特に下りがつらくなります。
また、炎症が起きてくるために、膝の周辺が腫れたり、熱感をともなったり、むくんだりしてきま
す。さらに、膝に水がたまって膝が張っているような重くだるい感じもでてきます。
この段階では、膝の変形がひどくなり、膝に力のかかる
動きをするとコリコリ、ガリガリと鳴るような感覚を受けます。
2
【末期の症状】―さらに痛みがひどくなる―
この段階になると、日常生活に支障が起こるほどの痛みになります。そのため、仕事をする、買い
物に行く、旅行に出かけるなどの社会活動が思うようにできなくなります。活動範囲が狭まり、
外 界からの刺激が少ない生活になるとストレスがたまり、
うつ状態に陥りやすくなります。また、
高齢者の中には、
こうした家の外に出ない生活が続くと、痴呆の症状が現れる人もいます。
相当進
す
この段階では、骨の変形が相当進んできますので、
外見的にも関節の変形が目立つようになり
ます。
治療には保存的治療と手術療法の2種類があります。患者さんの膝の
これから
どうなるのか
状 態や現在の痛み、生活レベルに基づき担当の先生とご相談の上検討い
たします。
手術療法になった場合は、外来受診を行い手術前の準備を行います。
2.
治療方法
保存的療法
・薬物療法
変形性膝関節症に限らず現在病気の治療に使う薬は大変多くの種類と様々な使い方があり
ます。薬物治療の原則は「必要最低限の薬を適切な使い方」です。自分のひざの状態をよく理
解し、医師とよく相談の上、適切な内容を選択してください。
・装具療法
装具の目的はひざ関節にかかる負担を軽くすることと関節を安定化させることです。装具には
次のようなものがあります。
・
・足底板・機能的膝装具・杖 》
《 サポータ−
3
変形性膝関節症膝関節全置換術 疾患と治療の説明書
・リハビリテーション
変形性膝関節症に対するリハビリテーションの目的は膝の曲げ延ばし
(関節可動域訓練)
と
膝を支える筋力の回復(筋力訓練)です。関節の2大機能である可動性と支持性を回復させる
リハビリテーションは、変形性膝関節症の治療法のみならず予防法としても大変重要であり、多く
の人に積極的に行っていただきたい内容です。
手術療法
手術の種類
具体的な手術内容
ひざの中にカメラ
(内視鏡)
を入れて行う手術です。
関節鏡視下手術
関節内を観察しながら、変成した半月板や軟骨、増生した滑膜や骨棘の処
理を行います。創(キズ)
も小さく、手術後数日で歩行が可能で、早期に社
会復帰ができます。ただし、効果の持続性が短い場合もあります。
脛骨のかたちをかえて、O脚を矯正し、
ひざの内側にかかる負担を軽減する手術です。
高位脛骨骨切り術
矯正した骨の部分がくっつくまで2∼3ヶ月を必要としますが、仕事やス
ポーツを含めて活動できるまで回復します。40∼60才代の方で比較的
日常活動性の高い方が治療の対象となります。
変形した関節の表面を
金属などでできた人工の部品で置き換える手術です。
人工関節置換術
関節が大きく変形し、痛みが強く生活に支障をきたす場合に行われます。
痛みを取り除く効果は高く、
日常生活に支障をきたすことはなくなりますが、
正座などの深い曲げ伸ばしや運動などの無理はできません。
4
手術後の写真
手術後の合併症
手術に伴う危険性・合併症および予後見込みについて
①麻酔、出血によるショック
(心不全や呼吸不全)の発生
②手術創の感染
③肺塞栓の発生
④人工関節の緩み
⑤以上のほかに高齢による全身各臓器の予備能の低下から、
術中および術直後に予期しない合併症を併発することもあり得ます。
*もし合併症が発生した場合には、その症状により最良の方策を行います。
症状に応じて処置を施行いたします。
セカンド・オピニオンについて
今回の治療について他の医師の意見をお聞きになることができます。
ご希望の方は、お申し出ください。
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変形性膝関節症膝関節全置換術 疾患と治療の説明書
3.
手術前外来受診の流れ
深部静脈血栓症の確認
足を動かせない状態等が長く続くと、体の深い部分の静脈に血の塊
(血栓)
が出来ることがあります。
これを深部静脈血栓症といいます。そしてこの血栓が肺や心臓に運ばれると突然の呼吸困難になりま
す。これを肺血栓塞栓症といいます。人工関節置換術の合併症の一つで、当院での全患者さんの発生
頻度は0.08%程度です。ひとたび肺塞栓
(肺梗塞)
症状を起こすと重篤になる可能性があるため、当院
では事前に深部静脈血栓症の検査を施行しております
(下肢エコー検査)
。深部静脈血栓症が認められ
ない患者様には外来にて予防法
(ストッキングの着用・下肢の自動運動の推進)
を実施しておりますので
入院するまでは自宅にて是非、施行して下さい。主治医より説明がありますので、同意書の記入をお願
い致します。また深部静脈血栓症が見つかった場合には、内服薬や点滴の治療が必要になります。
自己血の準備
この手術にはおおよそ手術時、手術後と合わせて500∼1000ml程度の出血が認められます
ので、たいていの場合は輸血が必要となります。現在当院では輸血の副作用を防ぐ目的で、自分の
血液を手術前に貯血し術後の出血に備える自己血貯血システムを行なっております。
術前に800mlの貯血を行い手術に備えます(別途説明します)。
手術前検査・入院日の決定
手術前1週間∼10日前に手術が可能かどうか確認するため、検査に来院して頂きます。手術
前の検査で何か異常があれば、他の科を受診していただいたり、新たに内服薬が処方されたり、
手術が延期になったりすることもあります。検査に問題がなければ入院の予定日が決定いたし
ます。ほとんどの方は手術前日の入院となります。
入院
入院の時間は13:30です。102入院受付に入院の準備をしておいでください。必要物品は入
院用のパンフレットを参考にしてください。
6
入院の準備
◎準備物品について
□ 現在服用中の薬(必ず持参してください )
□ T字帯( 院 内のローソンで販売しています)
□ 寝衣(パジャマ・前開きの 物)
□ バスタオル(手術後に必要となります)
□ シャンプ−・リンス・体を洗うタオル
□ リハビリ用 の靴(かかとがある物)
*詳しくは入 院案内パンフレットをご参照ください
◎手術までの日常生活の注意点
今すぐ禁煙をしましょう
当院は敷地内禁煙になっています。喫煙されている方は術後の合併
症(肺炎や感染)の可能性が高くなります。禁煙できない方は手術を延期
や、お断りする場合があります。
清潔にしましょう
自宅でシャワー浴や入浴・手足の爪切りを行い身体を清潔にしましょう。
マニュキアの除去もお願いします。また、手洗いやうがいを行い体調管
理には十分気をつけてください。
手術前に出来る
リハビリを行いましょう
自宅でも足首を動かす訓練や、イスに座った状態で膝の曲げ伸ばしの
訓練を行いましょう。
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膝の曲げ伸ばし
変形性膝関節症膝関節全置換術 疾患と治療の説明書
4.
入院中の流れ
●手術は 月 日 時の予定です
手術について
手術前日までに、看護師から手術の準備、スケジュール、手術後の経過について説明します。
手術前日(入院日)
● 必 要物品と手術時間の確認をします。
● 主 治 医から手 術について説 明を行 います。手 術 の 同 意 書にサインをして提 出してください 。
(ご家族と一緒にお待ちください。)
● 麻酔科医が麻酔について説明を行います。麻酔の同意書にサインをして提出してください。
● 食事については、
夕食まで可能です。それ以降は手術が終了して許可が出るまでは絶食です。
水分制限については看護師から時間の説明があります。
● 緊張して眠れない時は睡眠導入剤をお渡ししますので看護師へお伝えください。
手術当日(術前)
● 現 在 薬を内 服されている方は医 師 の 指 示 が ある時 の み 内 服して頂きます。看 護 師 が 前日に
説明しますので、自己判断で内服しないでください 。
● 手術当日の朝からシャワー浴を行います。
シャワー浴ができない方は看護師が身体を拭きます。
● 午後の手術の場合は
( : )から点滴を開始します。
● 手 術室入室の3 0 分程前から最終準備を行 いますので、排 泄をすませておきましょう。
● 手術室に行くまでに外しておく物
指輪・時計・めがね・コンタクトレンズ・アクセサリー・化粧・入れ歯・湿布・エレキバンなど
(手術室入室まで装着可能な物もあり相談してください)
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8
1
7
9
12
2
6
3
4
8
5
手術が終わったら
● 術 後説明について
医師から術後の経過について説明があります。
● 安 静について
麻酔後はしばらく安静が必要です。離床時間は看護師がお知らせいたします。
前方侵入法で手術を受けられた方は、痛みのない範囲で体を動かすことが出来ます。
患者さん自身で体の向きを変えたり・付き添いの方が体を動かしたりしない様にお願いいたします。
長時間のベッド上安静により床ずれを起こしやすくなりますので、体の向きを変えたり、足を動
かしたりする時は必ず看護師をお呼びください。
● 創 部について
ガ−ゼで保護されています。手術部には血液が排出するチューブや背中には痛み止めを流す
チューブ(硬膜外麻酔)が挿入されます。感染の危険性が高くなりますので創部のガーゼに触れ
ないでください。術後2日目にガーゼ交換を行う予定です。
● 痛 みについて
痛みの状態をお聞きします。疼痛のスケール
を 活 用してくだ さ い 。我 慢 せ ず に 看 護 師 に
「 10を最 大 の 痛 みとした場 合 、
今 の 痛みはどの あたりですか?」
お 知らせください 。鎮 痛 剤には注 射や坐 薬 、
内服があります。
0
1
2
痛 み がない
3
4
5
6
中等度の痛み
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8
9
10
最悪 の 痛 み
● 食 事について
術後数時間して看護師が腸の動きを確認したら水分や食事が開始されます。
自己判断で飲食はしないようにしてください。
● 排 泄について
手術後は尿の管が入った状態で病室に帰って来ます。手術2日目に抜きますので、それ以降は
車椅子にてトイレに介助します。
● 点 滴について
術後は点滴や抗生物質があります。薬が合わなかった場合、アレルギー症状や副作用が出現す
る場合があります。痒みや湿疹息切れ等が出現したときは速やかに看護師にお知らせください。
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変形性膝関節症膝関節全置換術 疾患と治療の説明書
● 内 服 中 の 薬について
術後医師の開始指示にて再開となります。
● 静脈血栓症予防について
術後は痛みや管が挿入してある為足を動かせない状態が続きます。これにより体の深い部分の
静 脈に血 の 塊( 血 栓 )が 出 来ることが あり、これを深 部 静 脈 血 栓 症とい います。予 防 のために
ストッキングの着用と、術後3日間はフットポンプの着用を行います。
●術後の様子
酸素マスク
心電図
酸素モニター
輸液
尿パック
ドレーン
フットポンプ
● 術 後 の 装 具について
手術直後は膝周囲の筋肉が安定しな
い状態です。そのため車いす移動時
は装具を装着してください。
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様予定表
月 日
人工膝関節置換術クリニカルパス
前 日
/ ( 曜日)
当 日(手術前)
当 日(手術後)
/ ( 曜日)
処置治療
( : )
手術予定
1 日目
/ ( 曜日)
点滴をします
フットポンプを装着します
ドレーンを
抜去します
検査
検査が入り次第
お知らせします
血液検査があります
活 動 リハビリ
麻酔から覚めると体を
起こすことができます
尿カテーテルが入って
います
指示された安静度を
守りましょう
体を起こすことが
できます
清潔
マスキン浴で体を
清潔にしましょう
シャワー浴
体を拭きます
食事
( : )以降の
飲食はできません
飲食はできません
説 明 その 他
手術当日の流れ等を
説明します
夕食から開始です
医師が手術後の説明を
いたします
痛みは我慢せずに看護師
にお伝え下さい
鎮痛剤などを使用できます
質問などがあり
ましたら、ご自由に
お書きください。
看護師
サイン
※状況に応じて内容が変更になることがございますのでご了承ください。ご不明な点がありましたら、いつでもお尋ねください。
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飲食できます
変形性膝関節症膝関節全置換術 疾患と治療の説明書
立案日
主治医は
2 日目
医師
3 日目
担当看護師は
4 日目
月 日
です
5 日目
6 日目
/ ( 曜日) / ( 曜日) / ( 曜日) / ( 曜日) / ( 曜日)
点滴があります
硬膜外麻酔を
抜去します
フットポンプを
はずします
傷の状態を
確認します
血液検査があります
リハビリが始まります
装具をつけて車椅子に
リハビリがあります
乗ることができます
尿カテーテルを抜きます
リハビリをします
車椅子に乗ることが
できます
リハビリがあります
シャワー浴
12
様予定表
月 日
人工膝関節置換術クリニカルパス
7 日目
8 日目
9 日目
10 日目
/ ( 曜日) / ( 曜日) / ( 曜日) / ( 曜日)
処置治療
創の状態を確認します
創の状態を確認します
検査
レントゲン・
血液検査をします
活 動 リハビリ
装具をはずします
歩行器を使用して
歩くことができます
リハビリがあります
清潔
シャワーで体を
きれいにしましょう
シャワー浴
食事
飲食できます
説 明 その 他
質問などがあり
ましたら、ご自由に
お書きください。
看護師
サイン
※状況に応じて内容が変更になることがございますのでご了承ください。ご不明な点がありましたら、いつでもお尋ねください。
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変形性膝関節症膝関節全置換術 疾患と治療の説明書
立案日
主治医は
11 日目
医師
12 日目
担当看護師は
13 日目
月 日
です
14 日目
/ ( 曜日) / ( 曜日) / ( 曜日) / ( 曜日)
血液検査があります
リハビリをします
歩行器を使用して
歩くことができます
リハビリがあります
ご質問等が
ありましたら、
お尋ねください
転院予定です
転院手続きの書類
などをお渡しします
14
5.
入院中服用いただく薬について
● 現 在 内 服 中 の 薬について
ワーファリンやパナルジンなどの抗凝固・抗血栓薬を服用中の方は、受診時に必ずお申し出くだ
さい。また現在内服されている薬は看護師にお知らせください。
場合によっては服薬を一時中止する必要があります。
● 手術前日の 薬
眠れない時は睡眠導入剤をお渡ししますので看護師にお申し出ください。
● 手術当日の 薬
看護師の説明通りに服用します。
《抗生剤》
傷口から細菌が入って化膿するのを防ぐため、手術室で抗生剤の点滴を行います。手術後に
病室に戻ってから、2日間は抗生剤の点滴があります。
発疹(かゆみ)
や下痢などが起こることがありますので、何か異常を感じた場合は速やかにお知
らせください。
《その他》
体の水分・エネルギーを補うための点滴があります。術後の痛みを緩和する為に痛み止めの
注射や坐薬を使用します。痛みがあるときは看護師にお知らせください。
● 手術当日の 薬
痛みは我慢せずご相談ください。痛み止めの注射・坐薬を使います。腸が動き出して、薬が飲める
ようになったら、普段服用されていた薬も必要に応じて再開となります。また、食事開始後に痛み
止めの薬が始まります。腹痛・吐き気などの副作用が起きることがあります。症状がみられたら
ご相談ください。
● アレルギー・副作用について
・薬を飲み始めて、気になることがあった場合はご相談ください。
・薬が体に合わなかった場合、かゆみ・発疹・息切れなどのアレルギー反応や、それぞれの薬に特
有の副作用が起こることがあります。
例)痛み止めを飲んで胃が痛くなる
血圧の薬を飲んで血圧が下がりすぎる など
上記のような症状を以前に経験された方はお知らせください。
*薬についてご不明な点がありましたら、
お気軽に病棟薬剤師または104薬局までお尋ねください。
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変形性膝関節症膝関節全置換術 疾患と治療の説明書
6.
リハビリについて
手術後2日目に足に入れている管が抜けてから、膝の装具を装着して本格的なリハビリが開始と
なります。リハビリの中には膝を曲げる訓練として器具を使用するリハビリもあります。
リハビリが開始になるにつれ足のはれや痛みが出現してきます。痛みが強くリハビリができない
ときは、痛み止めの坐薬や薬で痛みをおさえます。リハビリをしないと余計に腫れが強くなったり
足腰が弱なったりして立てない状態になります。リハビリの担当の指導のもと、筋力訓練や可動域
訓練を行います。
術後は膝の筋力が弱くなっています。
トイレの時や車いす移動時は膝装具を着用してください。
自分でできるリハビリとは
リハビリ室で行うリハビリだけがリハビリではありません。
リハビリが休みの時にも自己リハビリを行いましょう。
①痛くない方の足は少しでも動かす事を心がけてください。
膝の曲げ伸ばしは良い運動になります。
②足首の運動は両足とも行いましょう。
血栓形成の予防にも有効です!
!
16
③膝伸展訓練や股関節屈曲訓練。
はじめは膝を伸ばしたり、股関節を屈曲するのが難しいですが、
練習すると徐々にできるようになってきます。
7.
転院について(リハビリ目的)
手術をされた方は筋力低下などの合併症を起こさないように早期にリハビリテ−ションを行い、
日常生活に戻れるようにしていくことが大切です。手術後2週間程度である程度は歩けるようにな
りますが、自宅退院まで不安がある場合や、もう少し歩行練習をした方がよい場合は、
リハビリテ−
ション病院へ転院となります。
転院先としてはかかりつけの病院、自宅近くの病院、御家族が希望される病院などがあります。
転院先については遠慮なく医師や看護師にご相談ください。
退院後の生活に不安や心配がある方はいつでも看護師または、病院棟2階の相談支援センター
にご相談下さい。介護保険の申請方法や在宅での介護サービス等について情報提供いたします。
医師や看護師に
ご相談ください。
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変形性膝関節症膝関節全置換術 疾患と治療の説明書
8.
入院費用の目安(人工膝関節置換術)
入 院日数 が 1 6日間 の 場 合 の 平 均 的 な 入 院 費 用 の 目 安です。治 療 内 容や入 院 期 間によって
金 額が異なる場合があります。
■全額負担の場合
医療費:165万円
70歳以上の方 約44,000円
■健康保険のみ使用される場合はその方の負担割合の計算となります
■食事代・個室料について
食事代:
1食につき260円
個室をご利用の方は、
「 個室料」が入院日数分加算されます。
特別個室
一般個室
15,750円(1日あたり)
8,400円(1日あたり)
■高額療養制度のご案内
健康保険加入者(一部を除く70歳未満)の方は、
基本的に
「高額療養費制度」
を利用することができます。
◇手続きをされる場合の注意事項
※食事代、個室代、文書代等の保険外料金は高額療養制度の対象となりません。
※領収書の再発行はいたしておりませんので、大切に保管ください。
※詳細については、ご加入の保険窓口にお問い合わせください。
ご不明な点がありましたら、お気軽にお尋ねください。
四肢外傷センター
TEL:096-351-8000(代表)熊本市南区近見5丁目3番1号
18
制作・著作
TEL
:
096-351-8000
(代表)
初 版 2013年10月24日
[No.0022-1]
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