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報告(7) (PDF形式 412キロバイト)

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報告(7) (PDF形式 412キロバイト)
案
28世教指行第453号
平成28年6月
世田谷区立幼・小・中学校(園)長
日
あて
世田谷区教育委員会教育長
堀
平成28年度
恵 子
夏季休業日の生活指導について(通知)
このことについて、例年格段のご配慮をいただいております。
夏季休業日は、長期に学校(園)を離れ、幼児・児童・生徒(以下「児童・生徒」とい
う)が自ら工夫して生活の計画を立て、実践することを通して自主的・自律的な生活態度
を身に付けるよい機会です。また、家族の一員であることを自覚させることにより、家族
との人間関係を深めたり、地域行事に参加することを通して地域の人々との交流を行った
りするよい機会にもなります。
各学校(園)におかれましては、夏季休業中における児童・生徒の健全育成に資するた
め、各学校(園)が、児童・生徒に対する事前の指導を徹底するとともに、学校と家庭、
地域、関係諸機関等が連携して、児童・生徒を守り育てる体制を確立するよう下記事項に
ついて指導の徹底を図るようお願いいたします。
記
1 指導の重点
(1)夏季休業前の児童・生徒への指導について
ア 自殺や凶悪犯罪による被害を防止するため、生命を尊重する指導や、心配なこと
がある場合には身近な大人に助けを求める指導を徹底する。
イ 犯罪や問題行動等を起こさせないようにするため、人権意識や規範意識を高めた
り、相談機関に相談したりするよう指導する。
ウ いじめを行ったり、見て見ぬふりをしたりしないようにするため、「いじめは絶
対に許されない行為である」という自覚を高める指導を徹底する。
エ 犯罪や事故、災害等の危険を予測し回避できるようにするため、連れ去り被害や
飛び出しによる交通事故、火災時の行動等、安全に関する問題を具体的に取り上げ
て、実践的な能力や態度を形成する指導を徹底する。
オ 健康で規則正しい生活ができるようにするため、生活習慣の確立に向けた指導を
行う。
- 1 -
カ 子どもだけで問題を抱え込み、重大な事態に至ることを防ぐため、不安や悩み等
について、身近な大人や相談機関等に伝えたり相談したりする指導を徹底する。
(2)夏季休業前の児童・生徒への対応等について
ア 犯罪被害、いじめ、児童虐待等から児童・生徒を守るため、夏季休業前に児童・
生徒の状況を把握するとともに、気になる様子が見られる児童・生徒に対しては、
夏季休業中に、家庭や関係諸機関等と連携して見守りや支援を行う。
イ 長期休業日明けに、自殺が急増する傾向があることに留意し、組織的に対応でき
る体制を整えるとともに、少しでも心配な状況が考えられる児童・生徒については
長期休業日が終了する前や長期休業中においても、家庭と緊密に連絡を取り合い、
当該児童・生徒の状況確認等を行う。
ウ 事件・事故、災害発生など緊急の場合に、児童・生徒の安全確保や同様の事件・
事故の再発防止を図るため、教職員、家庭、地域、関係諸機関等が連携して対応を
行う。
エ 不登校や長期欠席等の児童・生徒の状況把握と安全確保のため、家庭や関係機関
等と連携して、当該児童・生徒に対する支援を行う。
オ 部活動や水泳指導等における重大事故の発生を防止するため、安全に配慮した計
画に基づき、適正な指導を行う。
2 具体的な指導及び対応等の内容
(1)夏季休業前の児童・生徒への指導内容
ア 自殺、凶悪犯罪による被害の防止
生徒が自ら命を断つというたいへん痛ましい重大な事態が全国で発生している。
夏季休業日前等の機会をとらえ、「児童・生徒を自殺等の深刻な事態に至らせない
ために ~まわりにこのような児童・生徒はいませんか~」(平成 25 年 3 月東京
都教育庁指導部指導企画課)、「子供に伝えたい自殺予防
教育導入の手引」(平成 26 年 7 月文部科学省
学校における自殺予防
児童生徒の自殺予防に関する調査研
究協力者会議)等を活用するとともに、道徳教育等を通じて、自分の生命も人の生
命もかけがえのない尊いものであることなど、生命を尊重することについて、発達
段階に応じて子どもたちに深く考えさせ、理解させる指導の充実を進めるとともに、
共感的な心で児童・生徒に寄り添い、きめ細やかにかつ組織的に児童・生徒理解に
努め、生活指導の一層の徹底を図る。
また、他人から脅迫や暴力行為等を受けたり、受けることが懸念されたりする状
況にある場合は、保護者や教職員等に相談するよう指導するとともに、安全が脅か
されることが推測される場合には、110番に通報して助けを求めるよう指導する。
イ 犯罪行為、問題行動等の防止
(ア)問題行動を起こしがちな児童・生徒の状況を十分に把握し、事故の防止に努める。
日頃から児童・生徒理解を心掛け、保護者や関係機関、近隣の学校等との連携を
深めながら事故の防止に努める。長期に学校を離れる解放感等によって、生活のリ
ズムが乱れる傾向がある。地域で行われる祭礼や花火大会など大勢が集まる場所で
のトラブル、深夜徘徊、飲酒・喫煙、無断外泊、家出、自殺、問題行動をとる卒業
生との関わり、万引きや自転車・オートバイなどの盗み、ゲームセンター・カラオ
- 2 -
ケボックス等への頻繁な出入り、花火等の火を使った遊び、各種チケット購入にま
つわるトラブル、金銭の賃借によるトラブル、性にかかわる問題行動の発生等が懸
念される。児童・生徒の状況、所持品等に十分留意し、家庭・地域社会・関係諸機
関との連携を深めて、児童・生徒の生活や行動に関する情報交換を適宜行い、生活
指導の徹底を図る。
また、「人権教育プログラム(学校教育編)(平成28年3月)」、犯罪防止・
犯罪被害者理解教材「STOP!それは犯罪だと気付いていますか(平成22年3
月東京都教育委員会)」及び万引き防止教材(警視庁)等を効果的に活用し、児童
・生徒の規範意識を高め、社会のルールの大切さを理解させ、それを守ろうとする
態度や正しい判断の下に行動できる力を育成する指導を行う。
(イ)
携帯電話やインターネットによる非行や事故の防止に努める。
携帯電話やスマートフォンによる誹謗・中傷行為、出会い系サイト等に関わる性
犯罪、ネットオークション等を利用した犯罪行為等が増加している。特に、近年利
用者が増えているコミュニティ型のWebサイトや無料通話アプリケーション(S
NS・ソーシャルネットワーキングサービス、「LINE」や「Twitter」等)の
利用によるトラブルが増加している。「リーフレット『インターネットトラブルか
ら子どもを守るために』(平成28年3月 世田谷区教育委員会)や「ネットリテ
ラシー醸成講座」での指導内容、「SNS東京ルール」(平成27年11月
東京
都教育委員会)「インターネット等の適正な利用に関する指導事例集・活用の手引」
(平成27年3月東京都教育庁指導部)各校で作成した「学校ルール」を活用する
などして、情報モラルに関わる指導を適切に行う。特に、インターネットがもつ匿
名性と簡易性によりインターネット上のいじめの被害者にも加害者にもなる可能性
があることから、新たな通信手段等の利用に関わるいじめやトラブル、自分や友人
の個人情報の掲載、過度な使用についても十分に注意を喚起し、携帯電話やスマー
トフォン等を適切に利用し、事件や事故の被害者・加害者にならないための指導を
徹底する。
また、保護者に対してフィルタリング機能を設定することの重要性や携帯電話利
用に係る家庭でのルールづくりの促進等について啓発を行い、児童・生徒が犯罪や
トラブルに巻き込まれたり、生活が乱れたりすることのないよう被害防止に努める。
(ウ)
薬物乱用の防止に努める。
覚醒剤のみならず、MDMAや大麻、危険ドラッグなど、乱用される薬物がます
ます多様化している。また最近、違法薬物の入手が容易になり、薬物事件の報道が
相次ぐなど、大変憂慮すべき状況となっている。これら薬物の乱用は、法律違反で
あり、生涯にわたって心身の健康を損なう恐れのある危険な行為である。
「薬物乱用防止に関する指導資料」(平成27年3月東京都教育委員会)等の活
用や警察署等の協力を得、早い段階から薬物乱用が心身に与える影響の重大さを実
感させる指導を行う。
- 3 -
(エ)
ウ
危険な遊び等の防止に努める。
花火・爆竹・エアガン等の危険な遊びや、学区域における危険箇所での遊びにつ
いては、PTA研修活動への協力・地域諸団体と協力して事故防止の方策を立てて
安全の確保に努める。また、火を扱う場合は、児童・生徒だけでは扱わないよう指
導を徹底する。
「いじめ」の防止
いじめは、どの児童・生徒にも、起こりうることから、この問題にはすべての児
童・生徒を対象としたいじめの未然防止の観点が重要であり、すべての児童・生徒
が互いに認め合い、心の通う望ましい人間関係をはぐくむために、学校をはじめ、
関係者が一体となった継続的な取組が必要である。
いじめの未然防止、早期発見・早期対応に向けて、「一人ひとりの子どもが安心
して毎日を過ごせるように~いじめ防止に向けた手引き~」(平成28年3月)、
いじめ防止教材「STOP!いじめ
あなたは大丈夫?」(平成24年度東京都教
育委員会)、「STOP!いじめⅡ
見つめよう
考えよう-いじめをなくすため
に-(平成27年3月 東京都教育委員会)、「いじめ問題に対応できる力を育て
るために―いじめ防止教育プログラム-」(平成26年2月東京都教育委員会)等を
活用し、いじめは人間として絶対に許されない人権侵害であることを児童・生徒に
認識させ、児童・生徒理解の充実、学級経営の充実、学校全体の組織的な取組・対
応の推進など教育相談活動の充実などを進め、いじめの未然防止を徹底する。
また、各学校で策定した「学校いじめ防止基本方針」のもと、「学校生活につい
てのアンケート」や「Q-U調査」の結果やスクールカウンセラー全員面接の結果
の活用をするとともに、夏季水泳指導や部活動、学校行事、面談などの機会を活か
して、児童・生徒が話しやすいよりよい人間関係を築き、児童・生徒から発信され
るさまざまなサインを見逃すことなく、いじめの未然防止に向けた指導の充実を図
るとともに、児童・生徒が電話相談できる「せたがやホッと子どもサポート」等の
情報を伝えるなど相談体制を整える。
万が一、いじめの情報やいじめの兆候が確認された場合には、いじめを受けてい
る児童・生徒などの安全確保をはじめ、再発の防止など学校において組織的に迅速
に対応していくことが重要である。また、保護者や教育委員会への連絡・相談や、
状況に応じ関係機関との連携が必要である。
エ
犯罪、事故、災害等に対する危険予測と回避
(ア)
災害時の安全の確保等について指導する。
地震や台風など災害時における児童・生徒の生命及び身体の安全確保に万全を期
すため、「安全教育プログラム」(平成28年3月 東京都教育委員会)、「地震
と安全」(平成28年6月 東京都教育委員会)、「3.11を忘れない」(平成
27年度版 東京都教育委員会)、「防災ノート『東京防災』」(平成27年8月
東京都教育委員会)等を活用し、夏季休業日までに安全、防災に関わる計画を確実
に行う。また、「学校安全対策マニュアル」を参照し、学校の防災に関わる計画を
見直し、万一災害が発生した場合の対応や校内における連絡体制等について、すべ
- 4 -
ての教職員で確認する。
(イ) 児童虐待の防止に努める。
「児童虐待の防止等に関する法律」(平成16年10月及び平成17年4月
一
部改正)や「児童虐待の防止等に関する法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」
(平成20年4月)では、児童の目の前でドメスティック・バイオレンスが行われ
る等、被害が間接的なものについても児童虐待に含み、児童虐待を受けたと思われ
る児童を発見した者は、福祉事務所若しくは児童相談所等に通告しなければならな
いとされるとともに、学校は児童及び保護者に対して、児童虐待の防止のための教
育又は啓発に努めなければならないとされている。
特に学校は児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童・生徒の生活
状況を把握することが大切である。児童・生徒の理解や保護者との連携に努め、関
係機関等と定期的に連絡・相談を行うなど対応ができるよう体制を整える。
(ウ)
不審者等への対応について指導する。
夏季休業中も、水泳指導や部活動など児童・生徒が学校で活動するさまざまな状
況がある。常に児童・生徒の安全が図られるよう、「学校安全対策マニュアル」等
を活用し、校内の安全管理や危機管理体制を再度確認するとともに、地域社会や関
係機関等との連携・協力のもとに安全確保の徹底を図る。
夏季水泳指導や部活動等における安全な登下校については、児童・生徒が極力一
人にならないよう学校と保護者との共通理解を図る。
(エ)
誘拐や性に関わるによる被害防止に努める。
誘拐事件による被害を防止するためには、セーフティ教室における指導内容の徹
底や家庭や地域社会、関係諸機関と協力して、被害防止の方策を具体的に講ずるな
ど、不審者を見逃さないような地域活動を支援することが大切である。
また、外出の際は家人に、行き先、経路、同行者、帰宅予定時刻等を知らせ、見
知らぬ人からの誘いに応じたり、好奇心から自動車等に乗せてもらったり、物をも
らったりすること等がないよう具体的に指導する。
さらに、マンションのエレベーターに乗るときや人通りの少ない場所を一人で通
行するとき、公園での一人遊びのときなど、保護者の不在時における住居への不法
な侵入などの事件の事例についても十分注意し、自分の身を自分で守るための方法
を児童・生徒とともに、考えていくことが大切である。
(オ) 不審な電話等による個人情報の聞き出しについての指導を徹底する。
不審な人物が、実在の保護者や警察、宅配便の業者、卒業アルバムの印刷会社等
を装って電話を掛け、児童・生徒に関わる個人情報を求めることがある。また、児
童・生徒の誘拐を装った恐喝事件や送りつけた品物の代金を請求される事件なども
あり、その手口はますます巧妙になっている状況から、保護者会等の機会を活用し
その特徴等を各家庭へ情報提供するとともに児童・生徒への指導を徹底する。
(カ) 交通事故などの防止に努める。
児童・生徒の自転車の二人乗り、道路への飛び出し、特に自転車による飛び出し
- 5 -
による交通事故は依然減少していない。世田谷区内の児童・生徒の交通事故の報告
数は5月までに3件発生しており、大きな怪我につながることも考えられる。
平成25年12月及び平成27年6月の道路交通法の一部改正や施行により、自
転車に関する交通ルール等の規定が改正されている。夏季休業日前の安全指導等の
機会をとらえて、安全な自転車の乗り方等を指導するとともに、自らが加害者にな
らないよう、進んで交通ルールを守ろうとする態度を育てる指導を徹底する。
<指導内容例>
○車両事故の特徴を知り、安全な歩行や自転車走行の仕方を指導する。
1 自動車は急に方向を変えて進んできたり、歩道に近付いてきたりする場合がある
こと
2 交差点や横断歩道では、青信号であっても左右を確認してから通行すること
○「安全教育プログラム」(平成26年3月 東京都教育委員会)を活用し、以下の内容な
どの「必ず指導する基本的事項」を年間指導計画に位置付けた安全教育を推進する。
1 道路における交通法規と安全な歩行の仕方を確認
2 通学路の交通事情や通学方法に応じた安全な通学の仕方を確認
3 交差点を横断する際の危険について知り、安全な行動の仕方を確認
4 雨の日の安全な歩行の仕方を確認
○「自転車安全利用五則」(警視庁)を基に指導する。
1 自転車は、車道が原則、歩道は例外
・ただし、13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者等は歩道を通行することがで
きる。13歳以上は「自転車の歩道通行可」の標識があるときや車道又は交通の
状況からみてやむを得ないとき、歩道を通行することができる。
2 車道は左側を通行
3 歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
4 安全ルールを守る
・二人乗り・併進の禁止
・夜間はライトを点灯
・交差点での信号遵守と一時停止・安全確認
5 子どもはヘルメットを着用
・自転車を運転する児童の保護者は、児童にヘルメットを着用させるよう努めなけ
ればならない。
- 6 -
(キ) 児童・生徒が被害にあいやすい場所等への出入りの防止に努める。
児童・生徒が盛り場・繁華街等、被害にあいやすい場所へ安易に出入りをしない
よう指導を徹底する。特に「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の改正に伴
い、同条例第15条の4「保護者は、(中略)正当な理由がある場合を除き、深夜
(午後11時から翌日午前4時までの時間)に青少年を外出させないように努めなけ
ればならない。」など、18歳未満の青少年の深夜外出の制限等があることについ
て、児童・生徒への指導及び保護者・地域社会の理解と協力を促すよう努める。
(ク) 感染症の予防に努める。
夏季休業中についても、各家庭・学校において感染性胃腸炎、インフルエンザ、
デング熱等の感染症の予防に努める必要がある。外出先から帰宅したら、石鹸でよ
く手洗いをし、丁寧にうがいを行うこと、発熱、咳、咽頭痛などの風邪症状、腹痛
などが認められる場合には、外出を控え、医療機関に受診させること、「早寝・早
起き」など規則正しい生活を心掛け、十分な休養と栄養バランスを考えた食事を摂
るなど、身体の抵抗力を低下させないように気を付けさせることなど、感染症の予
防に努めさせるよう指導する。
(ケ) 自然災害等の防止に努める。
この時期に起こりやすい水難事故、山岳事故、熱中症等を防止するため、気象状
況等に留意し、安全への十分な配慮の下に適切な活動を行うよう指導する。
オ
生活習慣の確立
(ア)自主的・自律的な生活態度を養う。
豊かな生活経験が得られるよう、児童・生徒一人ひとりの実情に即して計画表を
作成させるなど、各自の計画に沿って自主的・自律的に実行できるよう支援する。
また、地域の公共施設等も活用しながら、継続的に学習しようとする態度を育て
る。
(イ)自然に親しみ、多様な体験を通して他と共生する心や豊かな情操などを育てる。
動植物の観察や飼育・栽培等の経験を通して、自然や生き物に親しむ気持ちを育
てる。また、長期休業日を利用し、自然への畏敬や生命の大切さなど、他と共生す
る心や豊かな情操などが育つよう指導する。
(ウ)体力の向上と心身のたくましさを育てる。
体力は、人間のあらゆる活動の源であり、社会を生き抜く力の土台となることか
ら、世田谷区では「世田谷3快プログラム~快眠・快食・快運動~」をスローガン
に掲げている。規則正しい生活を心がけ、体力を保持・増進できるよう心と体の健
康づくりを図るとともに、安全に留意して生活するよう指導する。
(エ)家庭や地域社会の一員としての自覚をもたせる。
家庭における自己の役割を考えさせ、仕事を分担するなど協力することや責任を
果たすことの大切さを理解するよう指導する。
また、同年齢・異年齢間の交流を深めたり、地域社会等の行事に積極的に参加し
たりするなど、多くの人々と接する場や機会を設け、互いを理解し尊重する態度を
育てるようにする。
- 7 -
(オ)環境について考え、行動しようとする態度の育成を図る。
地域の清掃活動などにより、まちの美化を確保し、清潔できれいなまちづくりを
推進して、生活環境の向上を図ろうとする態度を育成するよう指導する。
また、「持続可能な発展のための教育(ESD)」の考え方を踏まえ、児童・生
徒に省エネルギーの必要性を理解させるとともに、節電への意識と意欲を高めて家
庭等においても具体的な行動を実践することができるよう指導する。
(カ)インターネットトラブルから身を守る態度の育成を図る。
インターネットや無料通話アプリケーション、オンラインゲーム等の長時間の利
用により、健全な生活や友達関係に悪い影響を及ぼすことを防ぐため、リーフレッ
ト「インターネットトラブルから子どもを守るために」(平成28年3月
世田谷
区教育委員会)をもとにした各学校の「学校ルール」や「SNS東京ルール」等を
参考に親子でインターネットの利用に関する家庭のルールを決めることを促すなど、
保護者と連携して指導を行う。
カ
大人への相談
学校は、児童・生徒の不安や悩みに対して、長期休業中であっても教職員が相談
に応じ、児童・生徒の心に寄り添って解決を図る体制を整えていることを具体的な
言葉で伝えるとともに、どんなに小さなことでも心配がある場合は、学校はもとよ
り保護者をはじめ身近な大人や外部の相談機関等に相談するよう指導する。
(2)夏季休業中の対応
ア 児童・生徒の状況把握及び支援
夏季休業前に、改めて児童・生徒一人ひとりの様子を把握し、心配な様子が見ら
れる児童・生徒については、夏季休業中の安全確保の体制や方策を確認し、家庭や
関係機関等と連携して見守り、声掛け等の支援を行う。
また、過去にスクールカウンセラー等に悩みや心配を訴えた児童・生徒について、
「スクールカウンセラー活動日誌」により相談した児童・生徒と相談内容等を再確
認するとともに、当該児童・生徒の現在の状況を把握し、心配な様子が見られる場
合についても、夏季休業中の安全確保の体制や方策を確認し、家庭や関係機関等と
連携して見守り、声掛け等の支援を行う。
イ
学校、家庭、地域、関係機関と連携した対応
教職員が、学校協議会などを通して PTA、町内会等との協力関係を深め、児童・
生徒が、地域社会で豊かな活動が行えるよう配慮する。
なお、地域の諸団体から学校に対して協力の依頼などがあった場合には、実施内
容を十分検討し、事故の防止等に十分留意して対応することが必要である。
ウ
不登校や長期欠席等の児童・生徒の安全確保への対応
長期にわたり欠席が続いている児童・生徒や悩み等を抱えている児童・生徒に対
しては、教育相談や家庭訪問などを行うなど、家庭や、スクールカウンセラー、ス
クールソーシャルワーカー、子ども家庭支援センター、児童相談所、世田谷少年セ
ンター等の関係機関との密接な連携を図り、また、一人ひとりの問題に即した対策
- 8 -
を立て、指導の充実を図る。夏季休業日及びその前後は、児童・生徒の家出等の問
題行動が発生しやすい。これらを早期に発見し、適切な指導を進めるために、家庭
や地域社会との連携を図るとともに、日頃より教師と児童・生徒との間に好ましい
人間関係を醸成することが大切である。
エ
部活動や水泳指導等における重大事故の防止
(ア)部活動等の指導における安全確保に努める。
部活動等の指導に際しては、運動種目の特性や練習内容・方法から予測される危
険性を再確認し、熱中症をはじめ、事故を未然に防止するよう活動を計画し実施す
る。また、体罰は学校教育法で明確に禁止されている違法行為であり、いかなる場
面や状況においても、体罰を行うことは絶対に許されるものではないこと、さらに
身体的な暴力と同様に、暴言や不適切な指導によるものも精神的な暴力であり、あ
ってはならないことを「部活動中の重大事故防止のためのガイドライン」(平成2
4年5月東京都教育委員会)、「生徒の意欲を高める部活動指導の在り方を求めて」
(平成25年3月東京都教育庁指導部)、「体罰根絶に向けた総合的な対策」(平
成25年9月東京都教育委員会)、「体罰根絶映像資料(DVD)」(平成26年
3月東京都教育庁指導部)の文書や資料等を踏まえ、外部指導員を含めて徹底する。
(イ)水泳等の事故防止の徹底を図る。
夏季水泳指導や授業における水泳指導においては、「安全な水泳指導のために」
(平成28年4月東京都教育庁指導部)、「学校安全対策マニュアル」(平成23
年度改定世田谷区教育委員会)等を活用し、事故防止にむけた全校体制をとり、全
教職員の危機意識を高め、水泳等の事故防止の徹底を図る。
水中からのスタート等といった指導において安全に十分留意するとともに、プー
ルの排水口やプールサイド等の安全確認を確実に実施する。また、プールの水の排
水中に指導を行ったり、水深調整しないまま授業をしたりしない等、安全に向けた
指導体制(小学校では3人以上の指導者で授業を行うことを原則とする)をつくり
確実に実施する。
(ウ)熱中症等の防止の徹底を図る。
熱中症は、未然に防止することができるものであることや、児童・生徒の健康や
生命に甚大な影響を与えることを、学校全体及び指導者が十分に理解した上で、指
導に当たる。
児童・生徒の活動については、高温多湿の気象条件や光化学スモッグに対して適
切な配慮をするとともに、 活動内容・場所等の状況を適切に判断し、指導者が水
分補給や休憩時間の設定等の具体的な指示をすること。また、計画している場合で
あっても無理に活動せず、自粛するなどの適切な判断をする。
3
夏季休業日の事後指導の充実に努める。
夏季休業中に不規則な生活に陥ったことから、2学期の始めに、不登校を起こす
など学校生活に適応しにくくなる場合がある。長期欠席者や学校生活に適応が難し
- 9 -
い児童・生徒に対しては、児童・生徒が新たな気持ちで学校生活に意欲と希望をも
ち、目標をもって教育活動に取り組むことができるよう2学期開始前に連絡を取る
などして指導することが大切である。
また、2学期始めの一人ひとりの児童・生徒の様子を十分に観察・理解して、保
護者や地域社会と連携を取りながら、問題行動の未然防止を図ることが必要である。
4
その他
(1) 夏季休業中も、水泳指導や部活動等で児童・生徒が学校で活動する状況がある。
常に校内における諸活動や施設の安全管理を確認し、児童・生徒の安全確保の徹底
を図る。
(2) 夏季休業中は、長期間使用しない部屋があり、刃物や薬品等を確認する機会が少
なくなる。刃物等を保管している調理室等の施錠・確認を確実に行うとともに、保
健室や理科室等における薬品の管理・保管については、薬品を管理するための台帳
等を整備するなどして、管理を徹底する。
(3) 緊急時に備え、保護者への連絡方法や校内体制を点検し、家庭・教職員等へ確実
に連絡できるように配慮する。
(4) さまざまな課題解決を図るために、夏季休業日を利用して教育相談や家庭訪問日
を設けるなど、児童・生徒、保護者が相談しやすい体制をつくる。
(5)「児童・生徒の健全育成に関する警察と学校との相互連絡制度」の適切な運用や、
「学校サポートチーム」による組織的な対応等、警察等との関係諸機関と緊密な連
携を図った活動を推進する。
≪事故発生時の対応≫
万一、事故や問題が発生した場合には、事実を正確に把握し、管理職を中心に
全教職員が協力してその対応にあたるとともに、教育委員会へ速やかに連絡して
ください。
連絡先
世田谷区教育委員会事務局教育指導課
TEL
5432-2703~5
FAX
5432-3041
※教育指導課が不在の場合は、教育指導課長の携帯電話にご連絡ください。
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