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議事録(PDF形式:162KB)

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議事録(PDF形式:162KB)
第3回調査分析部会
1.日時:平成25年5月27日(月)
議事録
15:00-16:40
2.場所:内閣府宇宙戦略室5階会議室
3.出席者
(1)委員
中須賀部会長、青木部会長代理、秋山委員、五百木委員、磯部委員、城山委員、
橋本委員、渡邉委員
(2)事務局
西本宇宙戦略室長、明野宇宙戦略室審議官、山田宇宙戦略室参事官、深井宇宙戦
略室参事官、國友宇宙戦略室参事官
4.議事録
(1)欧州の宇宙政策について
JAXAから資料1について説明を行った。説明の概要は以下のとおり。
・EU(欧州連合)とESA(欧州宇宙機関)間で宇宙政策の調整が行われて
きているが、財政規律の不一致や加盟国間の不調和といった課題も指摘され
ている。
・ESAへの拠出金については、現在ドイツが1位、フランスが2位、イタリ
アが3位という順番である。
・フランスは、CNES(国立宇宙研究センター)が軍事・非軍事両面で研究
を推進し、ロケットにおいてはアリアンスペース社が重要な役割を果たして
いる。
・ドイツは、DLR(航空宇宙センター)を中心に軍事を含む国家プロジェク
トを推進するとともに、全球的環境・安全保障監視「コペルニクス」への出
資を重視している。
・イタリアは、小型の固体ロケットであるベガの開発を主導している。
・英国は、宇宙産業の強化を重視し、産業界を宇宙で牽引するという方向を目
指している。
・欧州の利用推進の事例として、
「コペルニクス」において商業アイデアを公募
するビジネスコンテスト(コペルニクスマスターズ)が行われている。
・コペルニクスマスターズは、測位衛星システム「ガリレオ」において実施さ
れている同様のビジネスコンテストをモデルとし、EC(欧州委員会)の支
援を受けて、ESA、ドイツのバイエルン州経財省、DLR及び民間企業で
あるT-systems 社が共同で設立したものである。
SJACから資料2について説明を行った。説明の概要は以下のとおり。
・欧州の軍事宇宙予算について、各国ごとに明確になっていないが、欧州全体
で約1,000百万ユーロという情報がある。
・欧州の宇宙機器産業の売上は、約6,000百万ユーロである。従業員数は、
約3万5000人で、人工衛星関係が最も多い。
・EADSアストリウム社が人工衛星やロケットを製造する主な企業で本拠地
はフランスにある。フランスでは他にも、サフラングループでロケットエン
ジン及び固体モータを製造するスネクマ社、人工衛星の製造が得意なタレス
アレニアスペース社、ロケットの打上げサービスを担うアリアンスペース社
がある。
・ドイツでは、TerraSAR-Xにおいて官民連携でデータ販売・配布を
行っている。商業利用のデータ販売については、EADSアストリウム社の
子会社であるインフォテラ社が行っている。
・イタリアでは、アビオ社がベガロケット及びアリアンロケットの固体ブース
ターを製造している。
・英国では、サリー大学からスピンオフした小型衛星のSSTL社があり、2
009年にEADSアストリウム社が株式を買収して傘下に収めた。また、
英国の科学技術・イノベーション担当大臣は、英国の宇宙産業は不況に影響
されることなく成長しており、今後20年間で現在の6倍以上の40,00
0百万ポンドの売上げ規模を目指したいと2010年に発言している。
三菱総合研究所から資料3について説明を行った。説明の概要は以下のとおり。
・リモートセンシング衛星の潮流として大別すると、サブメートル級の高分解
能、分解能2m程度、分解能10m程度とカテゴライズできる。
五百木委員から資料4について説明を行った。説明の概要は以下のとおり。
・英国DMCii 社のように衛星のコンステレーションに中国、スペイン、ナイ
ジェリアといった様々な国が参加するという形態や、米国Skybox im
aging社のように安価で大量に打ち上げて高頻度に観測するという新し
いビジネスモデルが出てきている。
・DMCii 社は、中国の政府系企業である21AT社と衛星3機分の撮像権を
7年間継続して提供する契約を110百万ポンドで締結した。これは、衛星
を英国で製造し、ロシアのロケットで打ち上げて、中国企業は撮像権のみに
ついて支払うという形態であり、DMCii 社の関係者は、通信衛星の回線リ
ース料収入に類似したビジネスモデルであると答えている。
・Skybox imaging社は、1m分解能、100kgの衛星を20数
機打ち上げて、1日に3~4回程度の撮像を行うというものである。同社は、
新たなユーザーの開拓を目指し、シリコンバレーのベンチャーキャピタルか
ら資金を調達して起業されたもの。
・フランスの高分解能衛星のプレアデスは、フランス政府が衛星の開発費の大
半を負担しているが、SPOT6及び7はEADSアストリウム社が自社投
資として衛星の開発費の全額を負担していると言われており、国が負担する
ものと民間がビジネスとして負担するものを混在させながら整備している。
なお、報道情報によると民間が開発費を出すことに対する負担の増大につい
てEADSアストリウム社は長い間訴えているため、国との負担の線引きに
ついては、まだ安定的な答えにたどり着いてはいないという様子である。
説明の後、以下のようなやりとりがあった。(以下、○委員発言、●事務局発言)
○ EUとESAの間でEUによる社会的課題解決のニーズの吸い上げや予算の調整がど
のように行われているのか、優先順位はどのように決められているのかといったメカ
ニズムについて今後調査が必要である。(中須賀部会長、城山委員)
● 時代認識として、1990 年代に商用高分解能の勃興とされている資料について、恐らく
米国の IKONOS が 1999 年に打ち上げられたことを指していると思うが、それ以前に
10 メートルよりも精度が高いものは、1982 年に SPOT イマージュ社が設立され、1986
年に SPOT 衛星が打ち上げられている。また、PPP が 2000 年代とされている資料が
あるが、英国のスカイネットの PFI は 1988 年から進められており、世界の PPP の流
れは、1980 年代からあったと当室は認識している。低分解能衛星画像データの無償
化の潮流という見方についても、無償化になれば、その分市場規模は縮小するのが
現実で、世界の流れは衛星データのアプリケーションの開発を重視し、それにより市
場を拡大させようとしているという流れを見なければならないと考えている。付加価値
をつけたアプリケーションの開発に各国がいかに注力しているのかに着目することが
重要である。(國友宇宙戦略室参事官)
○ 衛星画像のアプリ―ケーションに関する利用拡大のために取られている戦略につい
て、コペルニクス計画などを進める欧州を中心に調べる必要がある。(中須賀部会
長)
(2)その他
事務局より、6月の開催については調整中との旨連絡があった。
以
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