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資料7 国際軍事情勢(我が国周辺情勢を中心に)
資料7 国際軍事情勢 (我が国周辺情勢を中心に) 平成21年2月6日(金) 北 海 道 防 衛 局 ○ 2004年(16大綱策定)以後に生起した主な軍事関連事象 p1−2 ○ グローバルな安全保障環境 p3−11 ー 米国の軍事力と経済力 ー 軍事費上位国の推移 ー テロ事件発生状況 ー 大量破壊兵器等の拡散状況 ー 主な紛争・対立地域 ー 気候変動 ー 海賊発生状況 ○ 我が国周辺の安全保障環境 p12ー28 ー 中国 ー ロシア ー 北朝鮮 ー 主な多国間枠組みと防衛交流の拡大 ○ 世界から見た日本の印象 p29ー30 ○ 海賊に対する国際社会の対応 p31ー33 2004年(16大綱策定)以後に生起した主な軍事関連事象① 米国、欧州 中東、アフリカ 2004年 ・マドリードで列車爆破テロ発生 ・イラク暫定政府発足(6/1) (3/11) ・アフガニスタン正式政府発足 ・ブルガリアやルーマニア等7カ (12/24) 12/24) 国がNATO加盟(3/29) ・ポーランドやチェコ等10カ国が EU加盟(5/1) ・ブッシュ米大統領が軍事態勢 見直しについて演説(8/16) 中国、ロシア、朝鮮半島 アジア太平洋地域(左地域除く) ・チェチェン独立派武装勢力が北オ セチアで学校占拠(9/1) ・胡錦濤国家主席が中国共産党中 央軍事委員会主席に就任(9/19) ・中国原子力潜水艦による我が国 領海内潜没航行事案発生(11/10 ) 領海内潜没航行事案発生(11/10) ・パキスタンのムシャラフ大統領が カーン博士による核供与について 謝罪(2/5) ・スマトラ沖大地震・インド洋津波災 害発生(12/26 ) 害発生(12/26) 2005年 ・ロンドンで連続爆破テロが発生 ・スーダンで南北包括和平合意(C ・北朝鮮が「核兵器製造」等を内容 ・バリ島で連続爆破テロが発生 とする外務省声明発表(2/10) (10/1) (7/7) PA)調印(1/9) ) ・国連安保理がUNMISの設立決 ・中国全人代が「反国家分裂法」採 ・パキスタンで大地震発生(10/8 ・パキスタンで大地震発生(10/8) 択(3/5) 定(3/24) ・第4回六者会合で共同声明発表 ・イラク移行政府発足(4/28) ・イランでアフマディネジャード大統 (9/19) 領就任(8/3) ・IAEA理事会がイランの保障措置 協定違反を認定(9/24 ) 協定違反を認定(9/24) 2006年 ・米国がQDR発表(2/3) ・イランがIAEAにウラン濃縮活動 ・米国が国家安全保障戦略発表 再開を通告(1/3) (3/16) ・アフガニスタン協約合意(2/1) ・パレスチナでハマス主導の自治 政府内閣発足(3/29) ・スーダンでダルフール和平合意 (DPA)調印(5/5) ・イラク新政府発足(5/20 ) ・イラク新政府発足(5/20) ・ヒズボラとイスラエルの紛争開始 (7/12) ・北朝鮮が弾道ミサイル計7 ・北朝鮮が弾道ミサイル計7発を発 射(7/5 ) 射(7/5) ・北朝鮮が核実験実施発表(10/9 ) ・北朝鮮が核実験実施発表(10/9) ・中国のソン級潜水艦が米空母近 傍に浮上(10/26) ・韓国で「国防改革に関する法律」 が制定(12/1) ・初のASEAN国防相会議開催 (5/9) ・ジャワ島中部地震発生(5/27 ) ・ジャワ島中部地震発生(5/27) ・ネパール政府がマオイストと和平 合意(6/16) ・ムンバイで列車連続爆弾テロ発 生(7/11) 1 2004年(16大綱策定)以後に生起した主な軍事関連事象② 米国、欧州 中東、アフリカ 中国、ロシア、朝鮮半島 アジア太平洋地域(左地域除く) 2007年 ・ブルガリアとルーマニアがEU 加盟(1/1) ・ブッシュ米大統領が貯蔵核弾 頭数の大規模削減を承認 (12/18) ・ブッシュ米大統領がイラク新政策 発表(1/10) ・イラク・コンパクト採択(5/3) ・国連安保理がUNAMIDの設立決 定(7/31) ・シリアがイスラエル空軍機による 国内施設攻撃を非難(9/6) ・ブッシュ米大統領がイラク増派部 隊の撤退開始を表明(9/13) ・イスラエルとPLOとの間で和平条 約締結のための交渉開始で合意 (11/27) ・中国が衛星破壊実験実施(1/12 ) ・中国が衛星破壊実験実施(1/12) ・第5回六者会合で初期段階の措 置に合意(2/13) ・プーチン露大統領が遠距離航空 部隊の戦闘当直飛行再開に言及 (8/17) 8/17) ・中国の中距離爆撃機が日中中間 線付近まで進出飛行(9 線付近まで進出飛行(9月) ・第2回南北首脳会談(10/2) ・第6回六者会合で第二段階の措 置に合意(10/3) ・ロシアがCFE条約履行義務停止 を発動(12/12) ・パキスタンで赤いモスク立てこも り事案発生(7/3) ・ASEAN憲章採択(11/20) ・オーストラリアでラッド首相就任 (12/3) ・パキスタンでブット元首相暗殺 (12/27) 2008年 ・コソボ自治州がセルビアからの 独立を宣言(2/17 ) 独立を宣言(2/17) ・米イージス艦が制御不能衛星 の撃墜成功(2/20) ・クロアチアとアルバニアのNAT O加盟招請が決定(4/3) ・米国が第4艦隊の再設置を発 表(7/12) ・米国が国家防衛戦略発表 (7/31) ・米国が北朝鮮の支援の下シリア が建設した核施設を公表(4/24) ・ソマリア周辺海域の海賊行為に 関する国連安保理決議第1816号 採択(6/2) ・ブッシュ米大統領がイラク派遣部 隊の一部撤収及びアフガン派遣部 隊の増派を表明(9/9 ) 隊の増派を表明(9/9) ・米国がアフリカ軍の運用開始 (10/1) ・イスラエル軍によるガザ地区大規 模空爆開始(12/27) ・李明博韓国大統領就任(2/25) ・チベット自治区ラサでチベット仏 教僧らによる暴動発生(3/14) ・メドヴェージェフ露大統領就任 (5/7) ・中国四川省大地震発生(5/12 ) ・中国四川省大地震発生(5/12) ・馬英九台湾総統就任(5/20) ・グルジア紛争開始(8/8 ) ・グルジア紛争開始(8/8) ・中国が「神舟7号」打上げ成功 (9/25)、初の船外活動(9/27) ・米国が北朝鮮のテロ支援国家指 定解除(10/11) ・ミャンマーで大型サイクロン発生 (5/2) 5/2) ・パキスタンでムシャラフ大統領辞 任(8/18) ・米印民生用原子力協力協定に署 名(10/10) ・タイで国際空港占拠(11/25) ・ムンバイで連続テロ発生(11/26) 2009年 ・オバマ米大統領就任(1/20 ) ・オバマ米大統領就任(1/20) ・米イラク地位協定発効(1/1) ・中国海軍艦艇がソマリア沖で任 務開始(1/6) 2 米国の軍事力と経済力 米国の軍事力と経済力 軍事力(国防支出) (注:緑字は、日本を1としたとき の各国の国防支出の比率) 億ドル 2000 冷戦期 (1979年) 1500 15.9 17.0 9.7 1000 500 0 1.4 1 米国 ソ連 中国 日本 EC (ミリバラ80∼81) 億ドル 6000 冷戦後 5000 (2006年) 4000 3000 2000 1000 0 11.9 5.7 1.6 米国 ロシア ※ 米国の軍事費が世界総額に占める割合(SIPRI年鑑による) 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 36% 43% 47% 47% 48% 46% 45% 経済力(GDP) 冷戦期 (1979年) (GNP) (注:緑字は、日本を1としたときの 各国のGDP(又はGNP)の比率) 兆ドル 3 2.3 2 2.3 1.1 1 0 1 0.3 米国 ソ連 中国 日本 EC (ミリバラ80∼81) 2.8 1 中国 日本 兆ドル 冷戦後 (2007年) (GDP) 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 EU (ミリバラ2008) 3.8 2.9 0.7 1 0.4 米国 ロシア ※ 米国のGDPが世界総額に占める割合(IMFによる) 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 31% 30% 28% 26% 24% 23% 21% 19% 中国 日本 (ミリバラ2008) EU 3 最近の軍事費上位国の推移(SIPRI年鑑による) 2001 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 軍事 費 国名 ( 10億$ ) 米国 281.4 ロシ ア 〔43.9〕 フラ ン ス 40.0 日本 38.5 英国 37.0 ドイツ 32.4 中国 〔27.0〕 サ ウジ ア ラビ ア 26.6 イタリア 24.7 ブラ ジ ル 14.1 インド 12.9 韓国 10.2 イス ラエ ル 9.1 トル コ 8.9 ス ペイン 8.0 2002 世界総額に 占める 割合 (%) 36 〔6〕 5 5 5 4 〔3〕 3 3 2 2 1 1 1 1 2005 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 軍事 費 ( 10億$ ) 国名 米国 478.2 英国 48.3 フラ ン ス 46.2 日本 42.1 中国 〔41.0〕 ドイツ 33.2 イタリア 27.2 サ ウジ ア ラビ ア 25.2 ロシ ア 〔21.0〕 インド 20.4 韓国 16.4 カナダ 10.6 オー ス トラリア 10.5 ス ペイン 9.9 イス ラエ ル 9.6 軍 事費 (10億$ ) 国名 米国 335.7 日本 46.7 英国 36.0 フ ラ ンス 33.6 中国 31.1 ド イツ 27.7 サ ウジ ア ラビ ア 21.6 イタ リア 21.1 イラ ン 17.5 韓国 13.5 イン ド 12.9 ロ シア 11.4 トルコ 10.1 ブラジル 10.0 イス ラエ ル 9.8 2003 世界総額に 占め る 割 合 (% ) 43 6 5 4 4 4 3 3 2 2 2 2 1 1 1 国名 米国 日本 英国 フ ラ ンス 中国 ド イツ イタ リア イラ ン サ ウ ジ アラ ビ ア 韓国 ロシア イン ド イス ラ エ ル トル コ ブラジル 2006 世界総額に 占める 割合 (%) 48 5 5 4 〔4〕 3 3 3 〔2〕 2 2 1 1 1 1 軍 事費 (10億$ ) 国名 米国 528.7 英国 59.2 フ ラ ンス 53.1 中国 〔49.5〕 日本 43.7 ド イツ 37.0 ロ シア 〔34.7〕 イタ リア 29.9 サ ウジ ア ラビ ア 29.0 イン ド 23.9 韓国 21.9 オ ース トラ リア 13.8 カナ ダ 13.5 ブラジル 13.4 ス ペイン 12.3 軍事 費 (10億 $ ) 417.4 46.9 37.1 35.0 〔32.8〕 27.2 20.8 〔19.2〕 19.1 13.9 〔13.0〕 12.4 10.0 9.9 9.2 2004 世界総額に 占める 割合 (%) 47 5 4 4 4 3 2 〔2〕 〔2〕 2 1 1 1 1 1 世界総額に 軍 事 費 占め る 割合 国名 (10億 $) ( %) 米国 455.3 47 英国 47.4 5 フ ラ ンス 46.2 5 日本 42.4 4 中国 〔35.4〕 〔4〕 ド イツ 33.9 3 イタ リア 27.8 3 ロシア 〔19.4〕 〔2〕 サ ウジ アラ ビ ア 19.3 2 韓国 15.5 2 イン ド 15.1 2 イス ラエ ル 10.7 1 カナ ダ 10.6 1 トル コ 10.1 1 オ ース トラ リア 10.1 1 2007 世界総額に 占め る 割 合 (% ) 46 5 5 〔4〕 4 3 〔3〕 3 3 2 2 1 1 1 1 世界総額に 国名 米国 英国 中国 フ ラ ンス 日本 ド イツ ロシア サ ウ ジ アラ ビ ア イタ リア イン ド 韓国 ブラジル カナ ダ オ ース トラ リア ス ペ イン 軍事 費 占める 割合 (10億 $ ) (%) 547.0 45 59.7 5 58.3 5 53.6 4 43.6 4 36.9 3 35.4 3 33.8 3 33.1 3 24.2 2 22.6 2 15.3 1 15.2 1 15.1 1 14.6 1 注: 〔 〕はSIPRIの推定 4 最近の地域別テロ事件発生件数 最近の地域別テロ事件発生件数 ※ 米国NCTC(National Counterterrorism Center)データベースを基に作成 10,000 8,738 8,630 10000 8,000 欧 州 8000 6,000 4,722 (NIS諸国含む) ロシアが4割前後 6000 中 東 4,000 4000 イラクとアフガニスタンで8割以上 2,000 2000 683 535 564 2005年 2006年 2007年 0 0 2005年 2006年 2007年 10000 8000 北米・中南米 6000 コロンビアが9割前後 10,000 アジア・オセアニア 8,000 パキスタン・タイ・ミャンマー等で増加傾向 インド・ネパール・スリランカ等で減少傾向 4000 10000 2000 866 828 480 アフリカ 6000 ソマリア・コンゴ民主共和国・ ナイジェリア等で増加傾向 0 2005年 2006年 6,000 8000 2007年 4,527 3,925 3,907 2006年 2007年 4,000 2,000 4000 2000 342 523 2005年 2006年 917 0 2007年 0 2005年 5 核兵器保有・懸念国の現状と移転・拡散の懸念 英 ロシア 1952∼ 米国 1945∼ 1945∼ 中国 仏 1964∼ 1960∼ 北朝鮮 イスラエル ?∼ (国数) 5 核保有国 (NPT加盟) 3 事実上の核保有国 (NPT非加盟) 2 懸念国 移転・拡散の懸念 イラン ・イランの反体制組織が、イ ランによる重水製造施設 の建設及び地下の大規模 施設によるウラン濃縮計 画を公表。(2002年8月) ・数次の安保理決議に関わ らず、イランはウラン濃縮 関連活動などを継続。 パキスタン 1998∼ 印 ・「北朝鮮は1992年以前に製造した プルトニウムを使用して1発もしくは 2発の核兵器を保有していると評価し てきた。」 (ケリー国務次官補の下院外交委員 会における証言) (2003年2月) ・「自衛のために核兵器を作った。」 (北朝鮮外務省声明) (2005年2月) ・「地下核実験を安全かつ成功裏に実 行した。」(朝鮮中央通信)(2006年10 月) 1974∼ 資料源: Arms Control Today 等 ・通常戦力の代替を大量破壊兵器などで補おうとする国家の存在→兵器及び技術の移転・拡散の可能性 ・自国の国土や国民を危険にさらすことへの抵抗が少ない→大量破壊兵器が実際に使用される可能性 ・関連技術・物質の管理体制が不安な国家の存在→テロリストへの関連技術・物質の移転・流出の可能性 ・テロリストへの移転・流出→技術を持たずとも、関連物質の入手により、テロの手段として活用する危険性 6 弾道ミサイルの主な拡散状況 弾道ミサイルの主な拡散状況 ノドン 旧ソ連 スカッドB スカッドB スカッドB エジプト 北朝鮮 スカッドB・C スカッドB ↓ スカッドC ノドン (テポドン) 中 国 スカッドB アフガニスタン アルメニア アゼルバイジャン ブルガリア グルジア カザフスタン ルーマニア スロバキア ウクライナ アラブ首長国連邦 ベトナム イエメン コンゴ エクアドル パキスタン スーダン ペルー M−11 スカッドB スカッドB CSS−2 スカッドB スカッドB ノドン ノドン スカッドB・C ノドン スカッドB イラン イラク コンゴ エチオピア UAE ベトナム キューバ シリア インド ノドン ↓ シャハブ3 上記の他、弾道ミサイル関連の物資や技術の移転経路 として、 ・ロシア→中国,インド,イラン,シリア ・中 国→北朝鮮,パキスタン,イラン,シリア ・北朝鮮→パキスタン,イラン,シリア等が指摘されて いる。 サウジ アラビア パキスタン M−11 ノ ド ン ↓ ↓ (ハトフ) (ガウリ) (シャヒーン) 自主開発 (出典) Department of Defense “Proliferation: Threat and Response” CIA “Unclassified Report to Congress on the Acquisition of Technology Relating to Weapons of Mass Destruction and Advanced Conventional Munitions” International Institute for Strategic Studies “The Military Balance” Jane’s “Strategic Weapon Systems” Carnegie Endowment for International Peace “World Missile Chart – Countries (注) ( )は開発中のミサイル Possessing Ballistic Missiles” 7 主な紛争・対立地域 8 安全保障に影響を与え得る新たな要因(気候変動) 大規模災害の増加 ・ 救難活動、人道復興支援活動、治安維持活動などの任務に、各国の軍隊が出動する機会が増大 Ex. ハリケーン「カトリーナ」、インド洋津波災害、四川大地震 島嶼・沿岸地域の水没 ・ 居住可能地・加耕地の減少、インフラ施設の水没や沿岸防災のための追加コスト ・ 領土・領海権問題の生起 ・ 各国の軍事施設や軍事構想にも影響 Ex. ディエゴ・ガルシア島(英国領)は、多くの場所の海面高度が2m以下 大規模な人口移動 ・ 民族・宗教を巡る対立や限られた資源を巡る争いを誘発・悪化 Ex. ダルフール紛争は、気候変動による深刻な旱魃や土地不足に直面したアラブ系遊牧民が、定住農業を営む黒人居住地に 移動したことに起因するとの見方 破綻国家の発生(もともと対立・摩擦要因を抱える地域や統治能力の弱い国の不安定化) ・ 犯罪の増加や過激派の台頭、テロリストの聖域化 ・ テロリストによる大量破壊兵器の拡散、活動資金源としての薬物拡散 Ex. ソマリアが破綻国家となりテロ組織の温床となっている要因の一つとして、気候変動による砂漠化があるとの見方 軍隊に対する負担の増加 ・ 災害救援を含む国外活動の増加 ・ テロや大量破壊兵器の拡散 ・ 軍事構想や計画の再検討 9 日本のシーレーンと周辺の海賊発生状況 日本のシーレーンと周辺の海賊発生状況 ● ● ● ホルムズ海峡 ● ● ● ● ● ●● ● ● ●● ● ●●● ● ● ●● ● ● ● ● 5 ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ● ● ● 5 ● ● ● ● ● タンザニアで 2件発生 バシー海峡 ● ● アデン湾 ● 10 ●● ● ●● ● ● ●● ● ● ● 海域別の海賊発生件数 その他( 東南ア ジア 除く ) , 6 0 マレーシ ア, 9 マ・ シ 海峡, 1 0 ナイジェリア, 42 その他( 東南ア ジア ) , 1 8 バングラデシュ , 15 インド, 1 1 タンザニア, 1 1 ソマリア, 3 1 紅海・ アデン湾, 13 ● ● ● マラッカ・シンガポール海峡 インドネシア, 43 ● 海上輸 送路( シーレ ーン) ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●● ● ●● ● ● マカッサル海峡 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ロンボク海峡 IMB(International Maritime Bureau) より、2007年データ ●は海賊襲撃事例の起こった場所 ●は海賊襲撃未遂事例の起こった場所 は2008年に日本関係船舶が襲撃を受けた場所(12件) 10 海賊発生(未遂含む)件数の推移 海賊発生(未遂含む)件数の推移 100 92 マラッカ海峡 90 アデン湾・紅海 80 ソマリア 70 60 50 38 40 35 31 30 20 28 18 19 12 10 8 3 2 10 11 13 10 10 7 2 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 ※ 国際海事局(IMB)2007・2008年報告書より作成 マラッカ海峡の発生件数は減少傾向 アデン湾・紅海は増加傾向 11 中国の情勢認識と国防政策 中国の情勢認識と国防政策 (「2008年の中国の国防」白書による) 情 勢 認 識 基本認識 世界は大変革・大調整・大変化の最中 平和と発展は時代の主要な命題 グローバルな挑戦の増加・新たな脅威の出現 経済グローバル化と多極化が加速 世界の平和・発展は多様な困難と挑戦に直面 軍事・安全保障要因の国際関係に与える影響が増大 新世紀新段階の国防政策 国 防 政 策 国家の安全・統一の維持 国家発展の利益の保障 情報化を主要基準とした 軍の質的強化 自衛防御の 核戦略の堅持 全面的・協調的で持続可能な 国防・軍建設の実現 積極防御の 軍事戦略の貫徹 平和的発展に有利な 安全保障環境の醸成 グローバルな挑戦・新たな脅威 戦略要地、戦略資源、 戦略的リーダーシップをめぐる争い 覇権主義・強権政治 地域紛争・地域混乱 米国発の金融危機 エネルギー・食糧問題 経済リスク テロ、環境災害、気候変動、 疫病、国際犯罪、海賊 国際的軍備競争 軍近代化戦略 積極防御の軍事戦略方針 国防・軍の情報化の推進 情報化条件下の 局地戦の勝利を目標 経済建設と国防建設の 統合的計画 危機と戦争の抑止を重視 国防・軍の改革の深化 多様な脅威への対処と多様な 軍事任務の達成のための能力を強化 飛躍的発展の路線 人民戦争の戦略思想を 堅持・発展 13 中国の国防費 中国の国防費 公表国防費額 国防費対前年度 伸び率 % 公表国防費 億元 4500 中国の国防関連支出に関する米国の見方 25 4000 国防費対前年度伸び率 20 3500 3000 15 2500 2000 ○ 中国の実際の国防費は、公表数値の約2倍 から約3倍 ○ 公表国防費に反映されていない項目 −海外からの兵器調達にかかる支出 −準軍隊にかかる支出 −戦略部隊(核・ミサイル)の支出 −国防関連の研究開発費 10 1500 国防予算の各国比較(97年度と07年度) 1000 5 500 0 5298 2582 公表国防費額 88年 90年 92年 94年 96年 98年 00年 02年 04年 06年 08年 0 億ドル 1000 900 800 約215億元 10年で約4.2倍 約910億元 10年で約4.5倍 約4099億元 97年 07年 700 611 600 20年で約19倍 ○ 中国政府は、08年度の中国の国防費を、 4,099億4,000万元、対前年度比17.7%の伸びと発表 ○1元=15円で換算すると、 6兆1,491億円 ○当初予算比では、20年連続して10%以上の伸び ○日本の平成20年度予算案における防衛関係費は 約4兆7,426億円(SACO関係費及び米軍再編関係費は含まれていない) 517 500 400 355 467 371 429 437 432 271 300 200 113 95.8 97 100 0 米国 英国 フ ラ ンス 中国 日本 ドイツ 台湾 資料源:ミリタリー・バランス1997/98および2008 (米国は予算教書の数値) 14 中国の軍事力近代化の方向性 中国の軍事力近代化の方向性 基 本 方 針 世界の軍事技術発展の趨勢(湾岸戦争、コソボ紛争、イラク戦争)に対応し、 軍事力のハイテク化、情報化を推進 「中国の特色ある軍事変革」を推進(急速な近代化) 陸 軍 区域防衛型 ⇒全域機動型 海 軍 近海防御の縦深拡大 空 軍 国土防空型 ⇒攻防一体型 ◆ 中国は軍事目的での宇宙利用を行っている可能性が あり、対衛星兵器の開発も行っている。 ◆ 中国はサイバー戦の専門部隊を編成し、訓練を行って いるとみられている。 第二砲兵 戦略抑止・通常打撃力向上 「5次元空間」が 将来の情報下戦争の主体 (陸、海、空 + 宇宙、電磁) 15 中国の軍近代化の動向 中国の軍近代化の動向 ¾ 陸上戦力 ⇒ 能力重視の軍隊へ ・人員の大幅な削減 ・ 機動力の向上 陸上兵力 棒:兵員数(万) 150 100 50 0 1985 ¾ 海上戦力 ⇒ 近海での総合的作戦能力の増強 ・新型の国産各種艦艇の増強 (水上戦闘艦艇・揚陸艦・補給艦・潜水艦など) ・能力の高いロシア製艦艇も導入 (ソブレメンヌイ級駆逐艦(超音速対艦ミサイルを装備)やキロ級潜水 艦(静粛性に優れる)を導入 ) ¾ 航空戦力 ⇒ 攻撃・防衛一体型の空軍へ ・第4世代戦闘機の増強 (ロシアからSu-27、Su-30を導入し、国産J-10戦闘機 を量産) ・空中給油・早期警戒管制能力の獲得努力 ・弾道ミサイルの性能向上 (固体燃料推進方式の新型ICBMの開発など) ・巡航ミサイルも開発 2003 2004 2005 2007 63師団 約160万人 135師団 約316万人 海上兵力 棒:艦艇隻数 2000 1500 1000 500 0 1985 1730隻 約88万トン 線:排水量(万トン) 150 100 50 0 2003 2004 2005 2007 780隻 約107万トン 航空兵力 ※ 第4世代戦闘機 数推移 350 01年、Su-30調 達開始 300 250 07年現在 J-10: 62機 Su-30:121機 Su-27:148機 92年、Su-27調 達開始 200 150 ¾ 核・ミサイル戦力 ⇒ 即応性、残存性、打撃力等の向上 線:師団数 400 300 200 100 0 100 計 331機 50 0 91年 93年 95年 97年 99年 01年 03年 05年 07年 ※ 戦闘機の世代区分には明確な基準は無いが、一般的には、1980年代以降 に開発・実用化された戦闘機を第4世代戦闘機と分類することが通例 (出典:ミリタリーバランス、ジェーン年鑑) 16 中国の弾道ミサイルの種類 性 能 諸 元 種類 ICBM IRBM 名称 DF-5(A) DF-31(A) (CSS-9) (CSS-4) DF-4 DF-3(A) (CSS-3) 28.0 2段式液体 (CSS-2) (CSS-5) (CSS-6) 21.2 1段式液体 10.7(12.3) 2段式固体 9.1(10.0) 1段式固体 全長(m) 推進方式 射程(km) 36.0 2段式液体 12,000 (13,000) 13.0(18.4) 3段式固体 8,000 (14,000) 命中精度(m) 800(500) 基数 20 MRBM SRBM DF-21(A) DF-15(A) 4,750 2,650 (2,800)2,150 (2,500) 300 1500 2,000 (1,000) 700(50) 6 20 2 33 600 SLBM DF-11(A) JL-1(A) (CSS-7) (CSS-N-3) 7.50(8.50) 10.7(12.3) 1段式固体 2段式固体 280-350 (350- 2,150 (2,500) 530) JL-2 (CSS-NX-5) 13.0 3段式固体 8,000 300(30-45) 600 (200又は20-30) 700(50) 300 225 500 12 − 核4MT又は4- 核1MT又は 核20-500KT, 核90KT,HE, 核2-20KT,化 核1MT又は 核3MT 核3MT 核20-500KT 6MIRV(核 3-5MIRV(核 化学,EMP,子 学,FAE,HE,子 3-8MIRV 子弾 , 化 HE, 弾頭威力 (又はHE) 学,EMP 150-350KT) 20-150KT) (核20-150KT) 弾 弾 1999 (20071980 1970 (1987) 1987 (1996) 1990 (1996) 1992 (1998) 1987 2008頃 運用開始年 1981 (1986) 2009) MIRV: Multiple Independently-targeted Reentry Vehicle (ミリタリーバランス、ジェーン年鑑等) (複数個別誘 30m ミサイル性能の向上 導再突入体) 即応性、残存性向上 ・固体燃料化 ・車載化(TEL) 20m (予想図) 打撃力向上 ・誘導制御技術に よる精度の向上 ・弾頭の小型化、 高威力化 10m (予想図) DF−5 DF−31 DF−4 DF−3 DF−21 DF−15 DF−11 JL−1 17 ロシアの安全保障政策 ロシアの安全保障政策 2020年までのロシア発展戦略 ○ 2008年2月8日、プーチン大統領(当時)は、国家評議会拡大会合において「2020年までのロシア発 展戦略」と題した演説を行った。 ○ 演説の内容 (1)現状認識 ・現在、露は強い国家として、尊重されかつ自らを擁護できる国家として世界の舞台に復帰。 ・(資源依存体制から脱却し、)露は世界の技術大国にならなければならない。 ・最も発達した国々が軍備競争を仕掛けている。西側はNATO拡大等の一方的な行動をとっている。 (「これに対し露は対応策の用意がある」と発言) ・現状の年8%程度の成長ペース維持により、2009年末までのGDP倍増(99年末を基点)が可能。 (2)主な達成目標 ・国際競争力を有する航空宇宙、造船、エネルギー部門の発展重視 ・2020年までの軍事力整備戦略の策定(「軍事力整備への配分は、国の能力に適合したものとし、社 会・経済発展を犠牲にしてはならない」と発言) ・新型装備の生産を可能とする工業の発達 2007年から2015年までの装備国家綱領 ○ 2006年10月にロシア装備国家綱領が承認され、2007∼2015年までの間の装備の開発・調達などに5 兆ルーブル(約22兆円)が投じられる。 ○ 綱領に基づき、核戦力については、新型ICBMおよびSSBN、戦略爆撃機の取得が行われるとみられ、 通常戦力については新型戦闘爆撃機「Su-34」などが取得されるとみられる。 18 ロシアの国防予算の推移 ロシアの国防予算の推移 国防費 GDP比 (億ドル) 400 3.0% 350 2.5% 300 2.0% 250 200 1.5% 150 1.0% 100 0.5% 50 0 0.0% 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 国防費 GDP比 資料源:ロシア連邦統計庁 ロシア大統領HP *2007年の予算では、国防発注が約20%増額されており、新装備導入のテ ンポが加速(06年08月31日:イワノフ国防相(当時)発言) 19 ロシアの軍事力の動向 ロシアの軍事力の動向 コンパクト化(兵力削減) 300万人 「兵力数を将来的に望ましい水準である100万人にまで削減する」 (2006年5月10日、プーチン大統領年次教書演説) 兵力規模(定員) 現在の水準ほぼ維持 100 万人 113 万人 プロフェッショナル化 ・徴兵制主体 ・徴兵制主体 ⇒ ⇒ 志願兵制導入 志願兵制導入 ・専門部隊(山岳部隊、PKO専任部隊) ・専門部隊(山岳部隊、PKO専任部隊) 「ロシア軍の3分の2以上が職業軍人(志願兵)となりつつある。徴兵 期間は2008年1月1日より12ヶ月に短縮される」 (2007年4月26日 プーチン大統領年次教書演説) 「徴兵期間を12ケ月に短縮することが可能となった」( 2007年12月 28日セルジュコフ国防相2008年に向けての祝辞) 近代化(新装備導入) ・戦略核戦力:低水準での対米均衡のための新型ミサイ ・戦略核戦力:低水準での対米均衡のための新型ミサイ ル開発 ル開発 ・通常戦力:低調(2007∼15年の装備綱領策定) ・通常戦力:低調(2007∼15年の装備綱領策定) 1989年 将来 2005年 (2012年まで?) 11694 発 弾頭数 6,412 発 4138 発 3,662 発 2284 発 1,620 発 1492 発 624 発 1989 年 2008年7月 モスクワ条約の 水準まで削減 1700 ∼ 2200 発 2012 年時点 「戦略核戦力のバランスの維持が最重要の課題。今後5年間にロシア 軍の核の3本柱の装備が向上する」 ( 2006年5月10日プーチン大統領年次教書演説) コンパクト化概成。今後、プロ化・近代化を推進 20 極東ロシア軍の状況 極東ロシア軍の状況 極東ロシア軍の軍事力 ・極東地域のロシア軍の戦力は、ピーク時に 比べ大幅に削減された状態にあるが、依然 として核戦力を含む相当規模の戦力が存在 している。 ・訓練活動などの減少傾向は、下げ止まり、 近年は練度回復を図る中にあって、活発化 の傾向もみられる。 棒:兵員数(万) 60 地上兵力 43個師団約39万人 線:師団数 15個師団 40 約9万人 40 20 20 0 0 1976 1989 1990 1995 2003 2004 2005 2006 2007 2008 左:主要水上艦艇 150 海上兵力 右:潜水艦 約140隻 約100隻 100 50 極東地域のロシア軍の将来像については、ロ シア軍全般が戦略核部隊の即応態勢を維持し、 常時即応部隊の戦域間機動による紛争対処を 重視する傾向にあることを踏まえつつ、その 位置付けや動向について、引き続き注目して おく必要がある。 60 約20隻 0 1976 1989 1990 1995 2003 2004 2005 2006 2007 2008 航空兵力 作戦機数 3000 約2,430機 2000 1000 約630機 0 1976 1989 1990 1995 2003 2004 2005 2006 2007 2008 1976:51大綱策定時、89:ピーク時、90:初減少、95:07大綱策定時 21 北朝鮮の軍事情勢 北朝鮮の軍事情勢 ○ 深刻な経済困難に直面しているにもかかわらず、軍事面に資源を重点配分。 ・ 国家予算に占める国防費の割合は15.8%だが、実質的な国防費の一部に 過ぎないとみられている。 ・ 総人口の約5%が現役の軍人 (日本:約0.2%、米国:約0.5%、ロシア:約0.7%、韓国:約1.4%) ○ 陸上兵力中心、装備の大半は旧式 ○ 陸軍:歩兵中心。ただし、地上兵力の約3分の2をDMZ付近に配備し、D MZ沿いの長射程火砲等は韓国北部の都市・拠点等をその射程内 ○ 海軍:小型艦艇中心。小型潜水艇による隠密上陸能力 ○ 空軍:作戦機は旧式機主体。小型輸送機(AN-2)を多数保有 ○ 特殊部隊:約10万人と大規模 ○ 核兵器計画・化学剤・生物兵器生産基盤を保有、弾道ミサイルを開発・配 備・拡散 22 朝鮮半島の軍事情勢 朝鮮半島の軍事情勢 漁郎 遮湖 北 朝 鮮 軍 総 兵 力 約110万人 陸上兵力 27個師団約100万人 戦 車 約3500両(T-62、T-54/-55等) 艦 艇 約650隻約10.7万㌧ (フリゲート3、潜水艦23等) 作 戦 機 約590機 (第3/4世代航空機= Mig23:46、Mig29:20、Su25:34) 墨湖 在 韓 米 軍 総 兵 力 約2.6万人 陸上兵力 1個師団約1.8万人 戦 車 M-1(約120両) 艦 艇 支援部隊のみ 作 戦 機 作戦機約60機 (F16:40等) 徳山 价川 退潮 馬養島 南浦 ●平壌 ● 黄州 中和 板門店 ● 北方限界線 沙串 平澤 議政府 ● ●ソウル 水原 ●烏山 群山 大邸 光州 木浦 釜山 鎮海 韓 国 軍 総 兵 力 約69万人 陸上兵力 22個師団約56万人 戦 車 約2330両(88型、M-47、M-48等) 艦 艇 約180隻約15.3万㌧ (駆逐艦7、フリゲート9、潜水艦10等) 海 兵 隊 2個師団等約2.8万人 作 戦 機 約610機(第3/4世代航空機= F4:130、F16:152、F15:40) 23 北朝鮮による核開発の現状について 北朝鮮による核開発の現状について 核兵器計画の現状 ○ 北朝鮮が極めて閉鎖的な体制をとっていることもあり、断定的なことは申し上げられないが、過 去の核兵器開発疑惑が解明されていないことに加え、一連の北朝鮮の言動を考えれば、核兵器 計画が相当に進んでいる可能性も排除できない。 ○ また、2006年、北朝鮮が核実験を実施した蓋然性が極めて高いと判断されたことは、北朝鮮が 核兵器計画をさらに進展させた可能性が十分にあることを示すもの。 小型化・弾頭化の現状 1 北朝鮮の核兵器計画の現状については、弾頭化の段階まできているか否かを含め、断定的な ことは申し上げられない。 2 一般に、核兵器を弾道ミサイルに搭載するための小型化には相当の技術力が必要とされている。 北朝鮮は核兵器を弾道ミサイルに搭載する努力をしているものと考えられるが、現時点において、 北朝鮮がそうした技術力を持っているとの情報には接していない。 3 しかしながら、米国、ソ連、英国、フランス、中国が60年代までにこうした技術力を獲得したとみら れることを踏まえれば、北朝鮮が、比較的短期間のうちに、核兵器の小型化・弾頭化の実現に至 る可能性も排除できない。 24 北朝鮮の保有する弾道ミサイル 北朝鮮の保有する弾道ミサイル (m) 30 20 エジプトより輸入 1段目をノドン、2段 目をスカッドに スカッドを大型化 1段目を新型ブース ター 、2段目をノドン に 10 種類 スカッドB スカッドC ノドン テポドン1 テポドン2 射程 約300km 約500km 約1,300km 約1,500km以上 約6,000km ・スカッドCのエアフレーム 及びエンジンを大型化 ・ 93年の日本海に向けて の発射実験で使用された 可能性が高い ・06年にキテリョンから発 射 ・1段目にノドン、2段目に スカッドを使用 ・98年、日本上空を飛び 越える形でテポドン1を基 礎とした弾道ミサイルを発 射 ・1段目に新型ブースター、 2段目にノドンを使用。 ・06年、テポドン地区より 発射し、失敗 ・81年、エジプトよりスカッドB 及びTELを輸入 ・スカッドCは、スカッドBの寸 法を変えることなく、内部の 推進剤タンクを大型化 出典: Jane’s Strategic Weapon Systems これらの弾道ミサイルに加え、北朝鮮は新たに、中距離弾道ミサイルや固体燃料推進方式の短距 離弾道ミサイルの開発を行っていると考えられる。 25 北朝鮮の保有する弾道ミサイルの射程 北朝鮮の保有する弾道ミサイルの射程 6,000km アンカレッジ 4,000km サンフランシスコ テポドン1(射程約1,500㎞以上) テポドン1(射程約1,500㎞以上) ノドン(射程約1,300㎞) ノドン(射程約1,300㎞) 1,500km スカッドB(射程約300㎞)及び スカッドB(射程約300㎞)及び スカッドC(射程約500㎞) スカッドC(射程約500㎞) 1,300km 北京 ハワイ 500km テポドン 東京 沖縄 沖縄 グァム 新型IRBM(射程2,500∼4,000㎞) 新型IRBM(射程2,500∼4,000㎞) テポドン2(射程約6,000㎞)※ テポドン2(射程約6,000㎞)※ ※ 上記図は、便宜上大浦洞(テポドン)を中心に各ミサイルの到達可能距離を概略のイメージとして示したもの。 ※ 米NIC公表資料(01年)は、2段式では10,000km、3段式では15,000kmの可能性があるとしている。 26 アジア太平洋地域における主な多国間枠組み ARF(ASEAN地域フォーラム)(25か国+EU) (1994∼) ASEAN+3 (1997∼) ASEAN(東南アジア諸国連合) (1967∼) SCO(上海協力機構) (2001∼) カザフスタン ウズベキスタン キルギス タジキスタン ※モンゴル、イラン、 パキスタン、インドが オブザーバー参加 ブルネイ インドネシア マレーシア タイ フィリピン シンガポール ベトナム 中国 ロシア 日本 韓国 六者会合 (2003∼) 北朝鮮 米国 豪州 ラオス カンボジア ミャンマー カナダ ニュージーランド パプアニューギニア EU モンゴル パキスタン インド 東ティモール バングラデシュ ペルー メキシコ チリ 香港 チャイニーズ・タイペイ ※太平洋経済協力会議事務局 太平洋諸島フォーラム事務局 ASEAN事務局がオブザーバーとして参加 APEC(アジア太平洋経済協力)(1989∼) 参考資料:外交青書 平成19年版 等 27 防衛交流の拡大 防衛交流の拡大 防衛首脳レベル 実務レベル(注) (注) 25 国際会議での会談 20 16 14 15 12 5 5 8 6 5 3 1 4 4 5 10 9 10 0 20 6 15 20 訪問 受入 5 21 1 2 4 1 '90 5 5 3 4 5 3 1 6 4 1 '95 7 7 4 4 2 2 5 4 6 3 4 4 2 3 4 '00 5 5 4 4 '05 多国間の安全保障対話 10 8 8 9 6 5 1 9 3 0 90 95 04 08 (注) 外務・防衛当局実務者間協議、防衛当局実務者間協議、日中防衛 当局事務次官級協議、日印事務次官・国防次官級防衛政策対話 <最近の主な動き> (中国) 2007年 8月 日中防衛相会談(「共同プレス発表」) 11月 中国海軍艦艇初訪日 2008年 5月 胡錦濤国家主席訪日(防衛分野を含む「共同プレス発表」) 6月 海自艦艇の初訪中 (豪州) 2007年 3月 ハワード首相訪日(安全保障協力に関する日豪共同宣言) 6月 初めての日豪防衛・外務閣僚協議(「2+2」) 2008年12月 日豪防衛交流覚書の改定、第2回日豪「2+2」 4 0 3 7 9 (韓国) 2008年11月 日米韓防衛実務者協議の開催(02年5月以来) 6 2 10 6 6 3 3 13 6 7 13 0 90 1 95 04 08 (インド)2006年 5月 日印防衛相会談(「共同発表」) 2007年 4月 第1回日印防衛政策対話(次官級) 4月 初めての日米印3国間訓練 9月 多国間海上共同訓練(マラバール07-2)に海自が初参加 2008年10月シン首相訪日(安全保障協力に関する日印共同宣言) 28 世界から見た日本の印象 世界から見た日本の印象 ○ BBCは13カ国とEUを対象とする好感度調査を実施(2008年4月発表。05年から4回目) ○ 我が国は、ドイツに次いで2番目に肯定的な評価。2005年以降一貫して最も好感度の高い国の 一つ。 ○ 最も否定的に評価されているのは、イラン、イスラエル、パキスタン ○ 米国に対する好感度の悪化に歯止め。ロシア、中国に対する好感度は昨年より上昇 各国の影響力に対する好感度 米国の影響力に対する世界の見方 肯定的 否定的 % 38 35 31 60 28 26 21 50 51 55 49 50 15 14 3 40 -13 30 -21 -32 -33 -34 イラ ン イ スラ エ ル パキ スタ ン 北朝鮮 米国 ロシ ア イ ンド 中国 ブラ ジ ル 英国 フラ ンス EU 日本 ドイ ツ 50 40 30 20 10 0 -10 -20 -30 -40 38 32 20 28 32 10 0 2005 2006 2007 2008 (注1)調査は、2007年10月31日から2008年1月25日にかけて実施、34カ国で無作為に抽出された約1万7千人の市民に対し、13カ国及びEUについて、それぞれの世界 における影響力が「mainly positive(肯定的)」か「mainly negative(否定的)」かを質問。 (注2)「好感度」=「肯定的」と回答した市民の割合−「否定的」と回答した市民の割合 29 世界から見た日本の印象 世界から見た日本の印象 ○ 我が国に対する好感度は、韓国と中国で低い。自国評価は調査対象国の中で最も控えめ ○ 中国に対する好感度は、中東及びアフリカで高く、我が国で最も低い。自国評価は最も高い 日本の影響力に対する世界の好感度(2008年BBC調査) 58 46 51 53 35 21 54 42 48 46 3 33 33 66 22 51 46 65 27 44 7 33 62 58 55 -15 17 21 -23 中国 日本 イ ンド 韓国 自国評価 オ ー ス トラ リ ア フ ィリピ ン イ ンドネ シ ア ガー ナ ナ イ ジ ェリ ア ケ ニア エジ プ ト トルコ UAE レバ ノ ン イ スラ エ ル ドイ ツ ポ ルトガ ル フラ ンス ス ペイ ン ロシ ア イタ リ ア 英国 メキ シ コ ア ルゼ ン チ ン 中央 アメリカ ブラ ジ ル チリ カ ナダ 米国 100 80 60 40 20 0 -20 -40 -60 中国の影響力に対する世界の好感度(2008年BBC調査) 41 -21 5 21 42 8 1 10 25 -15 11 44 -11 -9 56 71 52 58 86 51 40 33 18 32 -10 -28 -31 4 -47 中 国 自 国 評 価 日本 イ ンド 韓国 オ ー ス トラ リ ア フ ィリピ ン イ ンドネ シ ア ガーナ ナ イ ジ ェリ ア ケ ニア エジ プ ト トルコ UAE レバ ノ ン イ スラ エ ル ドイ ツ ポ ルトガ ル フラ ンス ス ペイ ン ロシ ア イタ リ ア 英国 メキ シ コ ア ルゼ ン チ ン 中央 アメリカ ブラ ジ ル チリ カ ナダ 米国 100 80 60 40 20 0 -20 -40 -60 (注1)調査は、2007年10月31日から2008年1月25日にかけて実施、34カ国で無作為に抽出された約1万7千人の市民に対し、13カ国及びEUについて、それぞれの世界 における影響力が「mainly positive(肯定的)」か「mainly negative(否定的)」かを質問。 (注2)「好感度」=「肯定的」と回答した市民の割合−「否定的」と回答した市民の割合 30 海賊が多発 海賊発生状況(2007年) 「高山」襲撃事案(2008年4月21日) ・ 日本郵船所有・日本船籍タンカー「高山」(約15万 トン、邦人7名含乗員23名)が、アデン湾にて被弾。 ・ 海自が補給したことのあるドイツフリゲート艦が救 援に向かった。 アデン湾11件 ソマリア沖31件 © NYK LINE ※発生件数:IMB(国際海事局)海賊センター統計による (被弾した「高山」、全長332m) ケミカルタンカー「ゴールデン・ノリ」 シージャック事案(2007年10月28日) (米艦艇要員から支援を受け るケミカルタンカー「ゴールデン・ ノリ」 ※第5艦隊HPより) ・ 日本のドーヴァル海運株式会社所有・パナマ船籍 のケミカルタンカー「ゴールデン・ノリ」号(乗員23名、 邦人なし)が、ソマリア沖でシージャック。 ・ 海上阻止活動に参加する米軍艦船による救援。 31 海賊に対する国際社会の対応 諸外国の派遣状況 CTF150 米 アデン湾における 船舶の護衛、哨戒活動 EU マレーシア 露 印 中 サウジ 海上阻止活動での海自の 主な補給ポイント 英 パキスタン※1 独 カナダ※2 仏 韓国(予定) ※1パキスタンによる海賊対策 実施の有無は不明 ※2カナダは昨年末に活動中断 イラン EU ジブチ 英 スペイン 独 オランダ 仏 ベルギー リア ソマ CTF-150が設置した 海洋安全哨戒海域 デンマーク ノルウェー 海賊多発海域 スウェーデン ケニア 2009年3月頃 艦艇派遣予定 食糧輸送船の護衛 EU 中 CTF-150活動範囲 1月8日にCTF-151を設置 独自派遣 露 イラン 印 マレーシア 中 サウジアラビア 海賊対策のための統一した司令 部は存在せず、独自派遣の各艦 はE-mail等により個別に情報共 有を行っている 資料源:各種公開資料 32 海賊に対する国際社会の対応 国際的な海賊対策の枠組み ◇EU 海上部隊 Operation ATALANTA (2008年12月8日作戦開始、司令部:ノースウッド(イギリス)) ○ 概要 ・NATO海上部隊の海賊対策活動を引き継ぎ、EUが行う初の海上作戦 ○ 任務 ・WFPの食糧輸送船の護衛 ・ソマリア沿岸海域を通過する船舶の護衛、航路の安全確保及び海賊行為の阻止 ◇CTF151(2009年1月8日に米国だけで発足) ○ CTF151発足の理由 ・CTF150参加国の中には法的制約から海賊対策任務に従事できない国が存在 ・海賊対策のため新たに艦艇等を派遣する国が参加しやすい部隊を編成する必要性 ○ CTF151へ参加又は協力の意図を表明した国 ・英国、サウジアラビア、UAE、パキスタン、豪州 (トルコも関心を示す) ○ 他国との協力関係 ・海賊対策参加14カ国に米部隊の意図、スケジュールを発信し、緊密に協力 ・中国、ロシアの部隊とは電子メール(unclassified net)や無線(radio transmission)で情報交換実施 派遣に関する各国内の状況 独(08年12月派遣):議員の88%が賛成して国会承認。輸出大国として重要航路の不安定化を懸念する世論が派遣を後押し 印(08年10月派遣):被害船舶に多数の自国籍船員が乗り組む。世界の船員の2割をインド船員で占めることを目標にしている ことから船員の安全対策が必要 韓(09年3月予定):韓国世論は概ね賛成。派遣法の国会提出の延期の背景として財政的要因があった模様。 マレーシア(08年9月派遣):国内最大の海運会社が自社船の被害を受け、保護のための派遣を強く要請 国連決議 ◇昨年5つの安保理決議が発出(1816(08年6/2)、1838(08年10/7)、1844(08年11/20)、1846(08年12/2)、1851(08年12/16))。 ○主な内容 ・海賊行為、武装強盗行為制圧目的でのソマリア領海への進入容認 ・ソマリア沖での活動への軍用機、艦艇派遣による、積極的参加を要請(1838、1846) ・ソマリア領土、領空への海賊対策を目的とした進入の容認。(1851) ・各国に対しソマリアの海賊に対応するための国際協力メカニズムを構築するよう呼びかける。(1851) ・ソマリア沖での海賊対策に対する国連安保理決議のマンデートは2009年12月まで(1846) 33