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今振り返る、私が教師として成長できたきっかけ
編集発行・横須賀市教育委員会教育政策担当 教師である幸せ ~キラキラした瞳を~ 今夏、「神奈川県・相模原市教員採用試験」に関わる仕 事をする機会をいただきました。北海道から沖縄まで、 まさに日本全国からの受験者たち。中には、東日本大震 災の影響で教員採用試験が実施できない福島県出身の 受験者もいました。受付・案内などの様々な場面で彼ら と接する機会がありましたが、その瞳は、なんとキラキ ラしていたことでしょう。子どもたちと関わり合いた い、学校現場で共に過ごしたいという、意欲に満ちあふ れた瞳、まさに希望に満ちた瞳です。 神奈川を希望した理由として、 「自己肯定感を育てる 教育・ふれあい教育を重視しているから」と、神奈川の 目指す教育をよく理解していることからも意欲を感じ ました。さらに、教員志望の理由としては、 「小学校の 時の先生にあこがれたから」 「中学校の担任の先生のよ うに悩みを聞いてあげたいから」と、教師の影響を挙げ た受験者が多くいたことも、教育に携わる者の一人とし てうれしく思いました。 今回、このような場を経験することで、改めて教師と つ な が る 第6 号 平成 23 年(2011 年) 9 月 1 日 いう仕事の魅力を感じることもできました。長く教壇に 立っていれば、辛い時やうまくいかない時もあるでしょ う。しかし、目の前に子どもがいる幸せ、念願の教師に なれた幸せを再確認することも大切かと思います。数 倍、年によっては数十倍の難関を越えてなった教師とい う職業は、受験者からは大変うらやましがられ、尊敬さ れる立場なのですから。 さて、夏休みが終わり、教室に元気に戻ってきた子ど もたち。その子どもたちはキラキラした瞳で担任(学校) を見つめているでしょうか。もし、表情が曇りがちであ るならば、それは何かのサインで、早めの声かけが必要 です。その際には、一人で考えすぎず、 『4つのワーク …… ヘッドワーク・フットワーク・チームワーク・ネ ットワーク』を存分に使って、全員で笑顔があふれる学 校を作りたいものです。そして、あの受験の日を、念願 の教師になれた喜びを思い出して、子どもも教師もキラ キラした瞳が見られる、そんな実り多い秋になることを 願っています。 【教職員課 河合】 今振り返る、私が教師として成長できたきっかけ 教師としての経験を重ねる中で、教師は教師として成長していくものです。 経験年数の違うそれぞれの先生方に、これまでの教師としての人生を 振り返っていただきました。 私自身の成長に不可欠だったの は、先輩・同僚の存在です。 学級経営や児童・保護者対忚など でよく悩んでいた時に、忙しくても 仕事の手を止め、しっかりと私に向 き合って話を聞いてくれたり、アド バイスをくださったりしました。 そのような先輩・同僚の先生の姿 勢は、その時の問題解決に役立つだ けでなく、その後の児童・保護者対 忚の私の姿勢を変えてくれました。 改めて教師として周囲の方と話す ことの大切さに気付きました。 まだまだ未熟でつまずくことも あるかと思いますが、それをまた糧 として成長する教師でありたいと 思います。 【久里浜小学校 阿部 由香里】 新採用から早 11 年が経った近頃、 特に心がけていることは「初心忘る べからず」感謝の心と謙虚な気持ち を大切にすること。 そして、今の自分があるのは一言 では語れないが、沢山の失敗を経験 してきたことも一つにある。 自分は全力で取り組んだつもりで も相手の心とすれ違ってしまったり …でも、どんな失敗もプラスに変え ていくことが大切と先輩の先生から 教わった。 失敗を“失敗”に終わらせない。 子どもや保護者、そして自分にとっ ても前に進むためのチャンスにして いくこと。答えはすぐに出なくても …何年も先に返ってくることもあ る。 【池上小学校 杉本 美紀子】 今思い返してみると、先輩教師に 教えられた『我以外皆我師』という 吉川英治の言葉が、教師としての意 識を変えさせてくれたように思いま す。生徒の前に立つ以上“魅力ある 大人”でありたいものですが、自分 を成長させてくれる学びの場はいた る所にあります。 経験豊かな先輩からはもちろん、 若い後輩や時として生徒からも教え られることはあるものです。生徒に 「他者から学び、自分を成長させよ う」という思いを話すのですが、実 は自分自身への投げかけでもありま す。 そんな謙虚な気持ちや向上心を忘 れず、自分磨きをしていきたいもの です。 【浦賀中学校 山下 資也】 <学校紹介> 本市で唯一の市立の高等学校です。平成 15 年 4 月に、これまでの市立横須賀高校、市立 商業高校、市立工業高校を統合し、総合学科の高校として開校しました。 さらなる発展は「学力向上」から 総合学科の特色は、幅広い選択科目の中から生徒が自分で科目を選択し、生徒の個性を生かした主体的な学習 を行うことと、将来の職業選択を視野に入れた、自己の進路への自覚を深めることを大切にした教育です。 この特色を最大限に生かすには、生徒に選択能力をつける必要があります。 そこで本校では、1年次は総合学科の独自科目である「産業社会と人間」を、2年次以降は「総合的な学習の 時間」における「キャリア教育」を重視しています。 本校は、開校9年目を迎えました。この間、教職員一丸となって「横須賀 総合高等学校」を育ててきました。その結果、進路実績、部活動、行事、生 徒指導等、着実に成果をあげ、中学生・保護者・地域からは、一定の評価を いただけるようになりました。 今後、横須賀総合高等学校をさらに発展させていくためには「学力の向上」 を重点とした取り組みが必要です。そのためにも市内の小・中学校の先生方 と、今以上に連携を深めていくことが大切であると考えております。 ご理解とご支援を、よろしくお願いいたします。 【全日制の課程】 【校長 外川 昌宏】 【定時制の課程】 生徒たちは、総じて真面目で誠実。自らの「行く道 定時制には、毎年、小・中学校時代不登校であった人、 の模索」 「夢の実現」に向け、日々若いエネルギーを全 仕事に就いている成人者、他校から学び直す目的で進路 力でぶつけています。 を変更する人なども多く入学します。そのため、本校で 神奈川県下各地域から生徒が集う学校ではあります が、この横須賀の地に、横須賀市ただ一校の市立高等 学校として立つ本校は、ある意味「横須賀の教育の集 大成」とも言えます。 は教師と生徒、生徒と生徒の関わりを作る場面を多く取 り入れ、きめ細かい指導を心掛けています。 年度初めの「全校春季遠足」では、全ての教師と生徒 がまさしく歩いての遠足を行う中で、さまざまなことを 小学校・中学校教育を経て「真面目で、誠実で、エ 語り、感じ、学んでいきます。 ネルギッシュ」な生徒たちに育てていただきました。 受け取ったバトンは、大切にそして進化させて、次へ <全校春季遠足> のステージにつなげて行かなければなりません。 雨の上がった 海の公園にて 1 年次集合写真 <小体育的行事> クラス対抗大縄跳び 開始直前! 団結を図る 生徒会は活発に活躍しており、各行事の企画運営はも とより、今年度は当初より「節電キャンペーン」を実施 しています。部活動も盛んで、今年の「全国定通体育大 会」柔道の部では、1年次女子が個人・神奈川県団体メ 10 代後半の「青春時代」は、時に脆く傷つきやすい ンバーでそれぞれベスト8に入り、陸上の部では3年次 男子が個人 400mで6位入賞、神奈川県4×400mリレー 時期でもあります。 横須賀総合高校は、そのような生徒たちに寄り添っ ていく「学び舎」として、この「開国久里浜」の地よ り次世代を担う若者たちをたくましく育んでいます。 【副校長 高橋 享子】 メンバーとして準優勝を果たしました。 生徒指導は、社会における公共のルールを守ることを 主眼に据え、生徒の主体的な活動や学習を支援するよう 努力しております。 【教頭 大古 聡】 【定時制 ~横須賀総合高等学校には、同好会も含めると、全日制には 39 種類、定時制には 18 種類の部があります~ 【全日制 野球部】 野球部のグラウンドに足を一 歩踏み入れると、選手の大きな声が響き渡り、何とも 言えない緊張感が伝わってきました。廣川先生と石井 先生のノック1本1本から、今は、どんな場面の何の ための練習なのか、選手自身に考えさせ、自分で判断 させたいという思いが伝わってきます。 このことは、場所をグラウ ンドから教室に移しても、教 師が子どもたちとの関わりの 中で大切にしていきたいこと であると思います。 7月 18 日、横須賀スタジアムで夏の大会3回戦で、 第2シードの横浜桜陽高校と対戦しました。惜しくも、 延長 10 回、2対3で涙をのむ結果になりましたが、選 手たちは、自分で考え、自分で判断する日頃の練習の 成果を、試合の中で存分に発揮していました。 橋本キャプテンの「中学ではみんなについていく自 分だったが、高校では目標をもって、自分から取り組 む自分になった」という一言に、横須賀総合高校野球 部の姿が映し出されているように感じました。 陸上部】 現在、部員は5名、内2名は 野球部とのかけもちで活動を行っています。夏休み、 陸上部の練習は 17:00 から始まりますが、通常の授業 がある日は、授業終了後の 21:00~22:00 が練習時間で す。今年は節電対策のため練習は週3日間に限ってい ます。 取材当日は、全国大会出場に向けて練習を行ってい ました。ウォーミングアップを終えると、選手は個々 の練習に入りました。種目が それぞれ違う中で、互いを気 にかけながら練習に取り組む チームワークや、一人での練 習に自分から取り組む強い意 志を感じました。 3年生の宮間選手は、 「1年生の時は、ただ走れば良 いと思っていたけれど、今は試合に勝ちたいという気 持ちが強くなった。勝つためにはどうしたら良いのか を考えて練習をしています」と話してくれました。 (8月17日・18日) 3選手が教育長を訪問 8月 12 日~14 日に国立競技場で 開催される、全国高等学校定時制 通信制体育大会出場決定の報告に 【教育政策担当 中川】 ~大盛況、市内外からの参加者約1000 人~ 体験プログラムは、生徒会役員が中心となって学校生活などを紹介する「説明会」と、先生方が開設する 22 講座 から2講座を選択する「体験授業」の2部構成でした。 「説明会」は生徒会役員がユーモアを交えて進行し、パワーポイントの画面を効果 的に活用して、横須賀総合高校の良さを堂々と紹介していました。 「体験授業」では、先生方の専門性あふれる授業に、中学生は目を輝かせて取り組 んでいました。また、80 人ものボランティアの高校生が、通路や教室などのあちこ ちで、笑顔で親切に案内や説明をしている姿も印象的でした。 ≪参加した中学生の感想≫ ---------------------------------・将来のことを考えられる学校で、将来の夢が膨らんだ。 ・楽しい授業が受けられて良かった。授業の内容が印象的だった。 ・校舎がとてもきれいで雰囲気がいい。素晴らしい施設や設備にも驚いた。 ・先輩たちが私たちのために、みんなで取り組んでくれている姿に感動した。 ・積極的な高校生が多く、どの方も笑顔であいさつしてくれたので過ごしやすかった。 ≪生徒会のみなさんの話≫ --------------------------------------------------------------------------・この学校で私たちが日々楽しく生活していることを、素直に中学生に伝えたかった。 ・自分も先輩たちに楽しく説明してもらったことがうれしかったので、進行役に立候補した。 ♪♪ 【教育政策担当 北原】 ※今後「学校紹介」では、市立幼稚園・市立特別支援学校を取り上げ、紹介していく予定です。 <支援教育課> 支援の情報を、本当に必要とする子ども・家庭に ~不登校対策・ハートフルフォーラム開催~ 登校支援の在り方は、当然その状況に応じて大きく異なりますが、共通するポイントもあります。 その1つが「本人やその家族を孤立させることなく、どこかがつながりながら、関わりを継続させる こと」です。 昨年度、150 日以上欠席のあった市内の不登校児童・生徒は 139 人でした。これは不登校全体の 25% 弱を占めます。ほとんど登校することができなかったこれらの子どもたち(その家庭)の中に、どこに も相談せず(できず) 、家族の中で悩みながら、孤立してしまうケースはどれくらいあったのでしょう。 6月 25 日、総合福祉会館で行われたハートフルフォーラム。その目的は、このような「どこにもつ ながっていない子どもやその家族を、必要かつ有効な支援機関・施設につなげ、孤立した状況からの改 善を図る」というものでした。当日は相談教室・フリースクール3団体・こども青尐年支援課の協力の もと、各ブースで活動内容等の情報提供や、個別の相談活動が行われました。その中で、関係機関への 新規相談につながるケースもあり、参加者 38 人にとって有意義な会になりました。 会の冒頭では、大学3年生になった相談教室の先輩が体験談を発表してくれました。「一人だと同じ ことばかり、また悪いことばかり考えてしまいがちだが、他の人の意見や考えを聞くと、新たな発見が あり、気持ちが楽になる」 「一人で抱え込まないで話してみると良い」 「学校はとても大切だが、そこが 駄目だからといって、全て駄目ではない」 「誰にでもやっていける環境や社会はある」等 の言葉の数々。不登校に悩む多くの子ども、その家族にぜひ聞いてほしい内容でした。 そしてそのためにも、まずこの会の開催情報を本当に必要とする子ども・家庭にしっか りと届ける真摯な取り組みと努力の必要性を痛感しています。 【井上(泉)】 『横須賀市相談支援チーム連絡会議(相談支援チーム)』活動紹介! ■どうしていますか?こんなとき 「学級や学校に障害のある子ども・困り感のある子どもが在籍しているが、その子にとってどのよう な支援が効果的なのか、悩んでいる」 「卒業及び社会への出口を意識して、障害のある子に対する日々 の支援の在り方を見つめ直してみたい」 「障害のある子の支援にあたり、幼稚園・保育園と小学校との より強い連携を築きたい」…こうした悩みや課題に応えるのが『相談支援チーム』です。 ■『相談支援チーム』って何をするの? 相談支援チームでは、 「障害のある子ども及びその保護者を支援するためのネットワークシステムの 構築や具体的な方策について、研究及び事業を行う」ことを目的に、教育・福祉・保健・医療・労働等、 幅広い分野の皆さんに委員としてご協力いただき、就学前から卒業後までの充実した支援の確立を目指 して活動しています。 ■平成 23 年度の目標は? 今年度、相談支援チームは、結成 10 周年を迎えました。この間、自分の力だけで解決できない課題 を抱えている子どもの数は大幅に増加し、その課題も多様化・複雑化してきています。そこで、今年度 は、 『相談支援チームの魅力・再発見』というテーマを掲げ、 「現在の活動・事業の丁寧な見直しを通し て、時代のニーズに応えた活動・事業を模索すること」「チームとしての取り組み・部相互の連携の意 義を問い直すこと」等を課題として、5つの部会に分かれて活動・事業を展開しています。 部会名 平成 23 年度の主な活動・事業 就学相談部会 ○就学前機関と小学校とのよりよい連携の検討 巡回相談部会 ○園・学校からの要請に応じた巡回相談 授業支援部会 ○「指導法のユニバーサルデザイン化」の研究およびその成果の全市的な周知 就労相談部会 ○就労支援者のための合同相談会の開催 調査研究部会 ○「横須賀の支援教育の現状」についての調査研究 ○「支援シート」の活用の検証 ○学校における支援体制づくりの推進 ○障害のある子どもの保護者の企業見学会の開催 【小菅】