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3D−CAD/CAEソフトウェアを用いた FSAEフォーミュラカーの基礎的開発

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3D−CAD/CAEソフトウェアを用いた FSAEフォーミュラカーの基礎的開発
技術論文
41
3D−CAD/CAEソフトウェアを用いた
FSAEフォーミュラカーの基礎的開発
(大会出場をめざした一部の車両構造設計と解析)
金 田 徹*
大 貫 雅 和*
Foundational Development of a FSAE Formula Car using 3D−CAD/CAE Software
(Design and Analysis of Partial Structure in Preparation for Participating
Student Formula SAE Competition of Japan)
by
Tohru KANADA
Masakazu OHNUKI
Abstract :
The“Student Formula SAE Competition of Japan”is a chance to step up students’motivation and study
mechanical engineering from real experience. In the development of a formula car to put in the competition,
several parts are designed, analyzed and assembled in a computer. The students will grow up by attempting to
pass the car inspection and score good points in static and dynamic contests through this kind of developmental
research and learning by real experience(PBL: Project Based Learning). Though there are many points that
need to be worked out, the designed parts are analyzed in terms of material strength and aeromechanics. Then,
the improvement of part design is done on the basis of the analytical results.
Key words: Student Formula car, Competition, 3D−CAD/CAE, Design, Analysis, Manufacturing, Development
1 .はじめに
1. 1
(以下,FSAE と称する)を開始し,現在では世界中
全日本学生フォーミュラ大会・FSAE Japan
から100チーム以上が参加する規模に育っている.そ
近年,少子化による青少年(学生)人口の減少に加
の後,FSAE West,Formula Student UK,FSAE
え,理工系離れといわれるほど日本の若手技術者の
Austrasia, FSAE Italy, FSAE Brazil, Formula
レベル保持が課題となっている.高度なもの作り技
Student Germany など,各国に広がりを見せている.
術の結晶である自動車の業界では,アメリカの SAE
日本では,学生が参加する全国的なコンテストとし
(the Society of Automotive Engineers)International
て,ソーラーカー大会や鳥人間コンテスト,各種ロボ
が1981年に,学生が参加する Formula SAE
大会
ットコンテストなどがあるが,自動車関係では,上述
*関東学院大学工学部機械工学科 2011年 3 月 7 日受理
― 41 ―
42
関東学院大学工学部研究報告第55−1 巻
(2011)
の FSAE の動きを受けて(社)自動車技術会が,2003
結果を残している(カリキュラムや設計・開発環境,
年から全日本学生フォーミュラ大会(以下,学生フ
試作環境が整備されている背景もある)
.また,大会
ォーミュラ大会・FSAE Japan)を開催している 1 ).
で競われる項目を表 1 に示す.なお,全日本の大会
学生フォーミュラ大会では,学生がチームを組み,
は、世界大会の予選も意味あいもある.
フォーミュラスタイルの小型レーシングカーを企画・
1. 2
設計・製作し,その車両の性能走行,車両コンセプ
取り組みの目的
ト,設計,コストを競う.主な設計要件は,①タイ
学生フォーミュラ大会では,大学における設計関
ヤがカウルで覆われておらず,②コックピットがオ
係の講義ではあまり意識されることのない車両のコ
ープンなフォーミュラカーであること,③ 4 サイク
スト管理 3 ),プレゼンテーションなどの静的競技を
ルピストンエンジンで排気量610cc以下であることな
行う点にも大きな特徴がある.また,静的競技が全
どがある.競技は,最終的にドライバーのスキルに
得点の30%超を占めていることからも,無視できな
勝敗を委ねる自動車レースとは異なり,次に述べる
い重みがある.コスト管理の観点において,2009年
静的競技と動的競技の総合点を競う.
からは車両製造コストの制限はなくなったこともあ
静的競技は,④車両生産に必要なコスト審査,⑤
り,どの程度のコストで車両を製造するかというこ
「製造会社の役員に設計の優位性,市場性を確信させ
とを参加チーム自身が決定しなければならなくなっ
る」という仮想のシチュエーションのもとでのプレ
た.
車両設計におけるコストや開発時間の削減には,
ゼンテーション能力を評価するプレゼン審査,⑥製
作した車両の設計,技術の適切さ,加工性,組立性
3 次元 CAD/CAE(Computer Aided Design/ Engi-
などを競う設計審査からなる.動的競技では,⑦加
neering)技術を使用することが有効である.この技
速性能,⑧旋回性能,⑨ 1 周約 1 kmの周回路のタイ
術を適用すれば,実際の部品製作や組立をおこなわ
ムなどを競う.
なくても,事前にコンピュータに構築された 3 次元
このように,車両の速さだけでなく,マーケティ
空間モデルとしての車両について,構成部品間の干
ング,企画・設計・製作,コストなどのものづくり
渉チェック,機構解析,運動解析,強度(安全性)
の総合力が問われている.そのため,大学の講義だ
解析,熱・流体力学的解析などが可能である.その
けでは培うことが難しい実践的なものづくりの経験
解析結果に不具合があれば,再設計が容易であり,
を積むことができる .2003年に開催された第 1 回
ある種の最適化が図れるので,大幅なコスト削減が
大会開催時に参加したチーム数は17であったが,参
期待できる.
2)
加チーム数は年々増え続け,2010年の第 8 回大会で
ここでは,3 次元 CADソフトウェアである Solid
は日本以外に韓国,タイ,インドなどの海外からも,
Works
合計85チームが参加した.最近では,上智大学,東
ドオンされている COSMOS
京大学,横浜国立大学,大阪大学などが常に上位の
学生フォーミュラ大会出場を目標とした車両を設計
,3 次元 CAE ソフトとして SolidWorks にア
シリーズを使用して,
開発する. 本報告においては,特に操舵(ステアリ
表1
競技項目 3 )
ング)系統とペダル系統の設計および解析を行い,
その過程における教育的な意義を見いだそうとする
ものである.本来は,複数の学生でチームを組み,
大会出場までの軌跡とその結果を述べたいところで
あるが,本報告はその基礎的段階の部分についての
みの記述であることを断っておく.
2 .大会競技項目
競技項目の概要は,表 1 にまとめたとおりである
― 42 ―
3D−CAD/CAE ソフトウェアを用いた FSAE フォーミュラカーの基礎的開発
が,ここでは各項目の内容について述べておく 4 ).静
43
(3)設計
的競技・動的競技に入るためには,まず車検を通過
事前に提出された設計資料と開発された車両をも
する必要がある.もし車検が通過しなかった場合,
とに,どのような技術を採用し,どのような工夫を
次年度に同じフレームの車両を出場させることがで
しているか,またその採用した技術が市場性のある
きる配慮もなされている.
妥当なものかが評価される.具体的には,車体およ
び構成部品の設計の適切さ,革新性,加工性,補修
2. 1
車検
性,組立性などについて口頭試問が実施される.
(1)技術審査
2. 3
安全性(運転手の 5 秒以内での脱出可能性)やフ
レームなどの設計・製造法に問題があるかが確認さ
動的審査
(1)アクセラレーション
れる.
0 −75m加速で,各チーム 2 名の運転手がそれぞ
れ 2 回,計 4 回走行し,そのタイムを競う.
(2)チルト
チルトテーブル試験(車両を45度の傾斜で燃料や
(2)スキッドパット
オイルの漏れ無し,運転手乗車状態で車両が60度の
傾斜での車両転覆なし)が実施される.
8 の字コースによるコーナリング性能評価で,各
チーム 2 名の運転手がそれぞれ 2 回,計 4 回走行し,
そのタイムを競う.
(3)騒音
騒音試験,すなわち所定条件下で排気音110dB以
(3)オートクロス
下であることが確認される.
直線・ターン・スラロームなどからなる約800mの
コースを 2 周走行する.各チーム 2 名の運転手がそ
(4)ブレーキ
れぞれ 2 回,計 4 回走行し,そのタイムを競う.
ブレーキの効き具合や 4 輪ロックの可能性などが
(4)エンデュランス
確認される.
直線や曲線からなるコースを約20km走行し,走行
2. 2
静的検査
時間によって車の走行性能と耐久性を競う.
(1)コスト
事前に提出したコスト報告書のコストに関する精
(5)燃費
度,チームによる製造度合等を確認し,事前報告書
のコストと開発された車両との適合や,妥当性さら
上記(4)のエンデュランス走行時の燃料消費量で
評価する.
に競争力を審査する.部品製造プロセスなどの口頭
2. 4
試問を行い,それらの知識・理解度が評価される.
大会の流れ
毎年 2 月下旬に参加受付が締め切られ,3 月上旬
(2)プレゼンテーション
にカー(車両)ナンバーが通知される.その後,6
学生のプレゼンテーション能力を評価することが
月に安全性に関する現物,レポートなどを提出し(提
狙いである.プレゼンテーションは,
「競技のコンセ
出遅延は,減点対象であったり,失格となったりす
プトに沿い,製造会社の役員に設計上の優れている
る)
,7 月以降にシェークダウン(車両完成)証明を
ことを確信させる」という仮想のシチュエーション
提出し,8 月上旬に書類選考通過チームが発表され
のもとで,あたかも開発した車両を製造・販売する
る(最大75チーム)
.その後,いくつかの書類を提
ためのプレゼンテーション技術を競う.
出し,9 月上旬の 5 日間で大会が開催される.大会
の様子を,図 1 に示す.
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関東学院大学工学部研究報告第55−1 巻
(2011)
技外の行動も含め,チームメンバーの安全面・健康
面・行動面や引率を含めた指導・監督をおこなう.
FAが不在の場合,その期間中は,チームピット作業
および競技への参加が認められない.
3 .車両計画
自動車(特に,フォーミュラカーのような競技車
(a)最終日全体写真
両)を計画するには,自動車とはどういうものか,
その性能にはどのようなものがあるかを理解する必
要がある.本章では,自動車のなかでも,本競技に
限定した車両(表 1 の競技項目で高得点を得るとい
う前提)を計画する場合の考え方,計画上留意すべ
き事柄について述べておく 6 ).
3. 1
質量・慣性能率
自動車の質量と慣性能率は,加減速,旋回,登坂,
降阪などの各運動の基本特性値である.質量は,積
載条件により空車質量,車両総質量などの定義があ
るが,ここでは,運転手乗車を前提とした車両総質
(b)東京大学チームの車両
図1
量を第一に考えるのが妥当である.加減速にかかわ
大会の様子 5 )
る運動では,エンジンや変速機などの回転慣性モー
最新のルールに準拠して,フレームが新規に製作
されていることが,
「 1 年目車両」の条件となる.前
メントを,回転部分相当質量に換算して加えた車両
相当質量を考慮する必要がある.
年度大会に出場した車両のうち,車検を通過しなか
3. 2
った車両は,
「 2 年目車両」として参加可能である
が,減点対象となる.
動力性能・運転性
動力性能は,エンジンによる駆動力が,走行(登
坂)抵抗に打ち勝って,車両相当質量を加速させて
2. 5
参加資格
走行させる性能のことで,加速性能,登坂能力,最
(1)参加チーム
高速度などで代表される.
1 大学につき 1 チームで,車両は 1 台とされてい
る.
運転性は,運転者がアクセルペダルを操作したと
きに,意図通りに車両の加速度を制御できるかどう
かの性能である.ここで車両に搭載するエンジンは,
(2)参加チームメンバー
市販二輪車のものを流用する予定であるので,エン
当該大学に所属する18歳以上の学生であること
(大会の 7 ヶ月前までの間に卒業したものは参加でき
ジンから駆動輪までにいたる減速比を適切に設定す
る必要がある.
る)と,運転手は普通自動車免許を所持しているこ
3. 3
とが条件である.
燃費
燃費は,エンジンの動力発生効率(単位燃料消費
(3)チーム指導教員(FA)
当たりの仕事量)と,車両の質量(等価慣性質量)
当該大学の常勤の教職員(複数登録可)で,大会
および走行抵抗(動力伝達損失を含む)の組み合わ
期間中は常にチームに帯同しなければならない.競
せにより決まる.上述のようにエンジンは市販品を
― 44 ―
3D−CAD/CAE ソフトウェアを用いた FSAE フォーミュラカーの基礎的開発
45
流用するので,エンジン出力を駆動輪まで伝達する
ラッチ)などの操作のしやすさ,確実さ,安全さを
部分の抵抗の低減や空力性能の向上(高速走行時)
考慮すればよい.これらの操作装置の配置,操作方
が必要となる.
向,操作力,操作ストローク,視認性などは,人間
工学的見地からの検討・評価が必要である.
3. 4
制動性能
制動時の必要踏力,停止距離,車両の方向安定性・
(3)視認性
操縦性,フェード特性(高速からの繰返し制動時の
自動車の運転に必要な情報の80%は,視界から得
必要踏力の変化)などが,制動性能を表す指標であ
られるといわれるが,1 . 1 節で述べたように,ある
る.制動は,車両の運動エネルギーを摩擦により熱
いは図 1 のように屋根がないオープンな車両である
エネルギーに変換する仕組みであるが,摩擦材の諸
ので,視界の確保は比較的簡単である.
特性,各車輪への制動力配分,踏力の倍力装置など
を考慮して,確実な制動が,高得点を得るためには
(4)外形のバランス
重要である.
3. 5
競技項目ではないので,ここでは考慮しない.
操縦安定性
(5)空力特性
さまざまな運転条件下での,操縦の容易さ・安全
さを表す性能である.方向安定性,操縦応答性,横
空気との相対速度から生じる空気力(空力特性)
は,3 軸方向の各力(抗力,横力,揚力)と各軸まわ
風安定性などの操縦しやすい運動特性とするために
りのモーメント(ローリング,ピッチング,ヨーイン
は,各タイヤの接地力,方向,傾きなどを運転状況
グ)の 6 分力に分けられる.空気抵抗力は速度の 2
に応じて適切に保つ必要がある.そのために,重心
乗に比例して増大するが,大会では最高速80km/h
位置(質量配分)
,サスペンションやステアリングの
程度であるので,空力特性の向上は大きな効果を生
特性,タイヤの特性などが選定される.高速走行で
じないと判断し,考慮の優先順位を低くした.
は空力特性も重要となるが,競技は空力特性が大き
な影響をおよぼす速度域よりは,中・低速域ではお
(6)耐熱性能
こなわれることが多い.
大会開催は初秋であるので,ある程度の気温の上
昇も考慮して,特に,ブレーキ装置周辺からの放熱
3. 6
その他の特性
性を高めておく必要がある.
(1)居住性・乗降性
フォーミュラカーの居住性は,コックピット内の
(7)小回り性・駐車性
運転手の頭部,肩,膝,脚部などの周囲に最低限必
小回り性については,スラローム時に関係するが,
要な余裕寸法を設けて,運転操作に支障がないよう
駐車性とともに競技項目ではないので,ここでは考
にすればよい.短時間の運転時間であるので,快適
慮しない.
性は犠牲にするという考えもできる.
運転手の乗降動作は,特に緊急時に数秒で脱出で
(8)不整路走破性
きるようにしておく必要があり,人間工学的な考慮
も重要である.
整地されたコース上の走行が対象であるので,こ
の項目については重要視しない.
(2)操作性
(9)乗り心地
通常の自動車に装備されるべきものが,フォーミ
運転手の官能評価もありえるが,乗り心地の振動
ュラカーでは省略できる.したがって,ステアリン
モデルは,質量としての乗員・車体・ばね下・エン
グホイールおよびペダル(アクセル,ブレーキ,ク
ジン駆動系,ばね系としてのシート・タイヤ・サス
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(2011)
ペンション,エンジン駆動系のマウント系などで構
は,排気量 610cc 以下の 4 サイクルエンジンでなけ
成されるので,完成車両についての数値的評価は可
ればならない.また,吸気リストリクタ装着の義務も
能である.
あり,選択することができるエンジンが限られる.排
表2
(10)振動・騒音
PC40Eユニット(駆動系を含む)諸元 8 )
振動・騒音にかかわる快さ,不快さ,静粛性の観
点から評価される.振動・騒音源は,タイヤ,エン
ジン,回転部分のアンバランスなど多様であるが,
競技項目としては,排気音が所定条件のもとで規定
値(110dB)以下であることを守ればよい.
(11)整備性・修理性
点検・整備や修理の容易さ,修理に要する費用の
安さで評価される性能である.今回の車両の場合,
メカニズムや計器類はむき出しでもあり,必要最小
限の部品類のみ車体に取り付けられることになる.
したがって,整備や修理のための作業空間は十分な
ものである.
(12)生産性・組立性
自動車の製造時のつくりやすさ,組立てやすさを
示す指標であり,製造,組立に必要な時間で評価さ
れる場合が多い.競技項目ではないことや,上述の
ように基本的な車両構造でしかないので,3 次元CAD
ソフトウェアに含まれる組立性シミュレーションの
機能を活用することで,事前のチェックが可能であ
る.
3. 7
車両計画の進め方
一般的な設計では,機能・性能の設計と同時に,
(a)外観写真 8 )
形状・部品配置の設計を両立させておこなう.初期
の設計計画段階では,可能な限り少ない要素で車両
の本質を表している簡単なモデルを構築することが
重要である.設計の過程が進行するにしたがって,
部品配置も具体化していくが,求める最終的な機能・
性能にも影響をおよぼすので,常にすりあわせ(最
適化)をしながらまとめていくことも必要となる 6 ).
4 .一部の具体的設計(部品選定)結果
4. 1
エンジンの選定
(b)三次元CADモデル
全日本学生フォーミュラ大会で使用するエンジン
― 46 ―
図2
選択したエンジン(HONDA PC40E)
3D−CAD/CAE ソフトウェアを用いた FSAE フォーミュラカーの基礎的開発
47
気量を 400cc まで下げると,選択肢が広がるが,動
的性能が低下することにつながる.過去の大会に出
場しているチームの車両に搭載されている実績も検
討して,ここでは,HONDA 社製自動二輪車・CBR
600RR に搭載されているエンジン(型式 PC40E)を
使用するとして開発を進めることにした.この排気
量は 599cc で,電子燃料噴射方式を採用している.
また,PC40E の場合,ストック・レース用の改造キ
ットが発売されており,これを用いれば点火時期や
燃料噴出量を変更することができるという観点から
も,このエンジンを選定した 7 ).表 2 に PC40E の諸
元を,図 2 に外観写真 8 )と三次元 CAD モデルを示
図3
スペースフレームの三次元 CAD モデル
す.クラッチおよび変速機も,そのまま流用するこ
とにして,設計作業を簡略化することにした.
矩形の枠(バルクヘッド)を,車体各部の必要な形
状に合わせていくつか作り,それらをパイプで継ぎ
4. 2
フレームの設計
合わせていくつかのベイを構成し,1 つのフレーム
レーシングカーのフレーム形式の決定に当たって
は,①十分な強度,②高い剛性,③軽量であること
としたものである.図 3 は,ここで設計したフレー
ムを示している.
に考慮して決定する必要がある.
スペースフレームタイプの長所は,上述した前 2
フレームは各ユニットをつなぎ,車両としての機
者の形式に比べて,軽量かつ高剛性が得られること
能を発揮させる要素であることから,まず,各ユニ
である.しかし,エンジン性能の向上とタイヤ性能
ットの結合部に働く実走行時の動的荷重に耐える十
の向上に伴って,より高いねじり剛性が要求され,
分な強度が必要である.
それに対応するには質量が増加せざるを得ないとい
ボディ剛性(フォーミュラカーではフレーム剛性)
う欠点が生じてきた.この欠点を解消するのが,モ
は,走行性能(特にハンドリング性能)に影響を与
ノコックタイプであるが,製作が比較的困難で,高
える重要な要素である.特にねじり剛性が低いと,
価になり,故障時の修復が困難であるという面を持
コーナリング時に発生する横方向の慣性力により,
っている.
フレームのねじれ角が大きく変化する.このため,
4. 3
前後のサスペンションのバランスが一定に保てず,
タイヤおよびホイールの選定
ハンドリング性能を著しく損なうことになる.した
全日本学生フォーミュラ大会では,タイヤおよび
がって,競技車両においては,このねじり剛性の確
ホイールについては呼び径 8 インチ以上でなければ
保が特に重要な課題である.
ならない.また,ほとんどのチームは,13インチの
他の部品と同様に,動的性能の向上のために,フ
タイヤを採用している.
本研究でも他の出場チームと同様に,表 3 に示す
レームについても軽量であることが基本要件として
ような13インチタイヤを装着した,表 4 に示すよう
要求される.
フォーミュラカーで考えられる主なフレーム構造
なアルミ・マグネシウムホイールを使用するものと
は,ツインチューブラタイプ,マルチチューブラタ
した.図 4 は,ホイールにタイヤを装着した状態の
イプ,スペースフレームタイプおよびモノコックタ
三次元 CAD モデルを示す.
イプである.それぞれに長短があるが,過去の出場
チームも多く採用しているスペースフレームタイプ
を採用することにした.すなわち,正方形あるいは
― 47 ―
48
関東学院大学工学部研究報告第55−1 巻
(2011)
表3
表4
タイヤ諸元 9 )
ホイール諸元 10)
図5
カウルの三次元 CAD モデル
こともできるが,これについては今後の課題とした.
さらに,デザイン的な観点も購買意欲を高めるに
は重要であるので,結果的にスペースフレームを覆
うカウルは,図 5 に示すような形状とした.
カウルの材料として,ここでは,加工のしやすさ
やコストの面から,GFRP(ガラス繊維強化プラス
ティック)を使用することにした.
4. 5
サスペンションの設計
サスペンションに要求される機能は,①路面から
の振動・衝撃の吸収,②ボディとタイヤ間の力の伝
達,③ハンドリング特性の向上,④アジャスタブル
性である.一般的な競技用車両のサスペンションは,
ダブルウィッシュボーン型式である.これは,タイ
ヤの接地力を確保するためにタイヤを常に路面に垂
直に保てるようなアジャスタブルな機構にすること
が容易であるからである.ここでは,典型的なレイ
図4
アウトでもある,サスペンションの上下アームのフ
タイヤおよびホイールの三次元 CAD モデル
レーム側ピボットのホイール側に,ダンパユニット
4. 4
カウルの設計
走行が高速域であるほど,車両の空力特性が効果
を発揮する.しかし,3 . 6 節の(5)で述べた理由か
ら,空力特性を向上させることに優先順位を上げな
い.駆動輪を路面に押しつける力(逆揚力)を増加
させるために,リアウィングなどを装着するチーム
もあるが,ここでは,軽量化を優先させつつ,前面投
影面積を小さく(空気抵抗を小さく)することを念
頭に設計した.また前後のタイヤ間に,前面投影面積
に大きな影響を与えないサイドスカート,サイドウ
図6
ィングを装着して,車両中心部付近に逆揚力を得る
― 48 ―
フロントサスペンション(アウトボード方式)の三次元
CAD モデル
3D−CAD/CAE ソフトウェアを用いた FSAE フォーミュラカーの基礎的開発
49
を配置するアウトボード方式を採用することにした.
舵角の関係が,比較的リニアになるような機構を設
図 6 に,フロントサスペンションの設計結果を示す.
計することに留めることにした.
基本的に,リアサスペンションも同様な設計をおこ
なった.
操舵感の観点では,人間感性との関連が深いこと
や競技項目ではないことから,違和感のない程度の
適度であればよしとする.
4. 6
ブレーキの方式
車両静止状態でステアリングホイールを操作する
競技用車両では,次のような理由から,ドラム式
と,タイヤが弾性体としてねじり変形し,次にタイ
よりディスク式が選ばれる.すなわち,①コントロ
ヤ接地面全域が滑り出し,その飽和した値として据
ール性がよい,②安定性が高い,③ディスク表面の
え切りトルクが発生する.車両が極低速で動き始め
付着物を払拭できる,④発熱による摩擦係数の低下,
ると,タイヤの転がりによって接地面の滑りが回復
つまり耐フェード性が高い.
し,操舵力は急激に減少する.したがって,この据
ここでは,四輪に対して,ブレーキディスクをす
べてのホイール内に配置するアウトボード方式を採
え切りトルク以上のトルクをステアリングホイール
の回転によって発生させればよいことになる.
用し,レーシングカート用に市販されているディス
過去の経験則なども含めてまとめられたさまざま
な文献情報を基に 13)−16),表 5 に示すような設計デー
クブレーキを購入することにした .
11)
タを設定するとともに算出した.その結果として,
4. 7
図 7 にステアリング系のアセンブリ状態を示すが,
ステアリング(操舵)系の設計
一般の自動車では,パワーアシスト付きであり,
表5
さらに技術の進歩に伴い,いわゆる可変ギアレシオ
ステアリング系設計データ
ステアリングやそれを応用したアクティブフロント
ステアリングも実用化されているが,今回の競技車
両の操舵には,基本的な油圧などのパワーアシスト
のない基本的なステアリング系を設計することにし
た 12).
運転者はステアリングホイールを介して車両を制
御しているため,操舵特性の性能要件としては,ス
テアリングホイールの操作が容易で,意図通りの進
路修正やコース追従が可能であり,操作の結果とし
ての車両挙動を予測しやすいことが重要である.特
に車両が極低速で走行しているとき,車両運動は操
舵角に対してほぼ幾何学的に決まるため,運転者は
操舵角を操作入力としていると考えられる.運転者
の操舵負荷を少なくするために,操舵力の適正化と
操舵角量の低減が重要となるが,操作しやすさの観
点からオーバーオールステアリングギア比(ステア
リングホイール回転角度と車輪が動く角度との比)
には最適値がある.
一方,高速・低横加速度域や中高横加速度域では,
さまざまな特性があり,パワーアシストを考える場
合は,高価になるが高度な制御が可能である.ここ
では,ステアリングホイールの回転角度と前輪の操
― 49 ―
図7
ハンドル−ステアリング軸の三次元 CAD モデル
50
関東学院大学工学部研究報告第55−1 巻
(2011)
ステアリングホイールの回転が,2 つのユニバーサ
ルジョイント(この中には,結合こまと結合ピンが
含まれている)で接続され,軸を介在させて前輪の
角度を変化させるラック・ピニオン機構(設計は未
完)に伝達されるようにした.
4. 8
ペダル系の設計
減速ギア切替え時のクラッチ操作については,多
くのチームがエンジンユニットに付属するクラッチ
ユニットを流用している.ここでもその方式を採用
図8
し,想定するエンジンを搭載する自動二輪車のクラ
ペダルユニットの三次元 CAD モデル
ッチユニット(クラッチレバーも含めて)をそのま
ま,適切な位置に配置することにした.したがって,
5 .解析と設計へのフィードバック
ここで言うペダル系とは,アクセルとブレーキの 2
5. 1
フレームの力学的解析
実車両試験の前に,ここでは CAEソフトウェア・
つのペダルのことを指している.
アクセルペダルの構造としては,吊り下げ式とオ
COSMOSWorks
を利用して,力学的な解析を行っ
.吊り下げ式では,運転者の足首
た.図 3 に示したスペースフレームを構成する素材
の動きに対して,ペダルパッドの動きの方向が一致
として,放熱性や強度・延性に優れているダクタイ
しないことが生じやすく,動的競技の得点に影響を
ル鋳鉄(他大学チームでの採用の実績がある)を選
およぼす可能性がある.ここでは,その心配がない
択して,次の 3 通りの条件を設定して,CAE 解析を
オルガン式を採用することにした.
おこなった.
ルガン式がある
17)
ペダル配置にあたっては,アクセルとブレーキを
踏み間違えない配置とするために,次の点に注意が
(1)縦方向荷重に対する安全率
必要である.①ブレーキペダルとアクセルペダルと
図 3 に示すフレーム中央・下部を固定するという
の踏込み方向の段差が大きすぎると,とっさにアク
拘束条件で,サスペンション配置部周辺に車両総質
セルペダルからブレーキペダルに踏替えるとき,足
量(運転手も含む,320kg)による力が静的に作用
がブレーキペダルに引っかかってしまうので,段差
するものとして安全率の解析を行った.その結果を
の設定には十分な配慮が必要である.②ブレーキペ
図 9(a)に示す.安全率の最低値が4. 7程度となって
ダルとアクセルペダルの横方向の隙間は,広いほう
おり,安全範囲であることがわかる.
が踏違いは起こしにくいが,広すぎると,アクセル
からブレーキに踏み替えるとき,操作しづらくなる
(2)横方向荷重に対する安全率
ので適度な広さとする.
フレーム中央部のシート背もたれ部を固定すると
また,ブレーキについては,油圧で作動させる必
いう拘束条件で,サスペンション装着部付近に合計
要があるため,油圧シリンダ(前二輪,後二輪用に
2000Nの力を作用させて解析した.これは,車検時
合計で 2 つ.
(株)TAIYO 製 35S−16SD2050T)のピ
に実施されるチルト試験で傾斜角60度の状態を仮定
ストンを動作させる機構とした.ペダルユニットを
している.解析結果を図 9(b)に示す.この場合の,
構成するその他の主な部分として,ペダルアーム(足
安全率最低値も3. 9程度となっており,安全範囲であ
が踏む部分)
,ブラケット(コックピットの床面と固
ることがわかる.
定される部分)およびペダルの回転を支持するピボ
ット部がある.ペダルユニットの三次元 CAD モデル
を図 8 に示す.
― 50 ―
3D−CAD/CAE ソフトウェアを用いた FSAE フォーミュラカーの基礎的開発
51
(a)タイヤ装着なし(側面)
(a)縦方向荷重に関する安全率解析結果(最低値4. 7程度)
(b)タイヤ装着なし(平面)
(b)横方向荷重に関する安全率解析結果(最低値3. 9程度)
図9
5. 2
フレームの力学的解析結果の一例
カウル(車両)まわりの空気流れ解析
(c)タイヤ装着あり(平面)
カウルを装着した車両について,さらにタイヤ装
図10 車両まわりの空気の流れ解析の一例
着の有無による車両全体周辺の空気流れの解析をお
こなった.使用したソフトウェアはCOSMOSFlo
Works
6 .おわりに
で,車両時速60km(約16. 7m/s)での走行
6. 1
を想定した.そのために,SolidWorks によって作成
未設計部分
した風洞を利用し,車両をその風洞内に配置し,車
設計あるいは解析が完了していない,いくつかの
両前方より約16. 7m/s の流速の空気流れを与えた.
重要な部分があるので,それについても触れておく.
図10(a)および同図(b)は,タイヤが装着されな
6. 1. 1
い状態での空気流速の分布を示している.また,同
サスペンションの運動解析
図(c)は,タイヤが装着された状態における同様な
サスペンションの性能は,走行に大きな影響をお
結果である.流速分布のみでは,詳細な判断は困難
よぼす.ここでは,サスペンションの運動解析の一
であるが,タイヤの有無による影響は大きく,実際
例として,今後,凹凸のある路面走行に関する解析
の走行ではタイヤが装着された状態であることを考
をおこなう予定である.ソフトウェアとしては,
えると,タイヤ装着を前提とした空力特性の向上を
COSMOSMotion
図ることも重要である.しかし,空力特性が大きな
しているサスペンションを構成するスプリングとダ
影響をおよぼす速度域での競技ではないこともあり,
ンパの条件を,表 6 に示しておく.
別の残されている課題の先決が必要と判断した.
― 51 ―
を使用する.なお,現状で設定
52
関東学院大学工学部研究報告第55−1 巻
(2011)
表6
スプリングおよびダンパ条件
の場合,4. 8節で述べたペダル機構を,変速操作のた
めのペダル機構に変更する必要もある.
6. 1. 3
駆動系の設計・解析
エンジンユニットからの出力(軸回転)を,小回り
性を向上させるために必ず必要となるディファレン
シャルギアも含めて,駆動輪(後輪)に伝達するた
6. 1. 2
ギア変速機構の設計・解析
めの機構の設計・解析も,課題として残されている.
出場チームの多くも,ギア変速機構については,
6. 2
エンジンユニット内の既存のものをそのまま利用し
まとめ
ている.ここでは,市販の自動二輪車のエンジユニ
未完な部分もいくつか残されているが,現時点で
ットを使用するので,クラッチも含めたギア変速機
設計開発されている三次元 CAD モデルを図11に示
構を,そのまま流用する方針である.したがって,
す.また表 7 は,車両の寸法的な諸元を示している.
運転者の後方に配置されたエンジンユニットのギア
実際に製作に必要な物品(材料・素材,市販品な
変速軸を回転させるための機構とともにクラッチ操
ど)の準備(購入)は,まったく進んでいない.現
作のための機構についても,今後の設計課題として
在は,コストの制限はなくなったが,数年前の FSAE
残されている.
のレギュレーションでは25, 000ドル以内という制限
4. 7節でも触れたように,現状では円形のステアリ
があった.このことからも,実際のコストは200万
ングホイールを使用する前提であるが,場合によっ
円から300万円程度であろうことが予想される.ま
ては自動二輪車のステアリングホイール(左にクラ
た,車両を運搬し,大会にチームとして遠征する費
ッチレバー,右にブレーキレバーおよびアクセルス
用なども考慮すると,最低総額500万円程度が必要
ロットルを持つ) を利用する案も考えられる.こ
と見積もられる.
18)
図11 現状での設計開発結果(未完部分あり)
― 52 ―
3D−CAD/CAE ソフトウェアを用いた FSAE フォーミュラカーの基礎的開発
表7
53
参考文献
設計した車両の諸元(単位:mm)
1 )関根太郎,星野倫彦:日本大学におけるFormula
Car を用いた“ものづくり”実践教育,設計工
学会誌,38,2(2003)
,71
2 )城坂哲哉:全日本学生フォーミュラ大会参戦記,
日本機械学会誌,109,1057(2006.12)
,944
3 )野口昭治,金田徹,大貫雅和:機械工学科学生
の機械部品価格知識調査,設計工学,46,8
実際に携わった学生の声として,機械工学を学ぶ
(2011)
,448
者が,このような大会に参加することを前提として
4 )自動車技術会 第 9 回全日本学生フォーミュラ
(仮に出場できないとしても)
,無の状態からもの作
大会 ―ものづくり・デザインコンペティショ
りをしていく過程の現場を体験できることに大きな
ン― PDFファイル
喜びを感じ,また達成感も感じていることが明確に
http://www.jsae.or.jp/formula/jp/9th/docu/
わかる.また,文献 3 に示されているように,この
participate.pdf(2011年 2 月15日アクセス)
ようなプロジェクトに関係しない学生との差も確認
5 )東京大学フォーミュラファクトリーおよび全日
されている.
本学生フォーミュラ大会のホームページ
従来から,多くの大学で製作しないことを前提に
http://utff.com/
授業が実施されている設計製図とは異なり,三次元
http://www.jsae.or.jp/formula/jp/
CAD モデルから製作のための図面が仕上がったとし
(2010年 6 月 5 日アクセス)
て,その後の製作や組立の段階で発生する(予想し
6 )教育図書編集委員会技術者育成委員会:自動車
ていなかった)不具合も,多々経験するものと思わ
工学 ―基礎―,自動車技術会,
(2009)
,215−
225
れる.しかし,その失敗経験さえも,成功のための
一プロセスであるので,それも意義のある貴重な経
7 )伊藤宏一:フォーミュラ SAE 参加希望チームへ
験であると考えている 19).
のアドバイス「航空高専 TEAM ALLOWS の取
り組み」
,設計工学,38,2(2003)1−7
PBL(Project Based Learning)的な性格をもつ教
育内容の効果は,いくつもの文献に見られるが
,
8 )本田技研工業(株)
20)
−22)
学生フォーミュラ大会出場を目標として,機械工学・
http://www.honda.co.jp/CBR600RR/spec/
技術を集大成したともいえる競技車両の設計・開発・
(2011年 2 月15日アクセス)
解析・製作を通じた教育(学習)には,大きな効果
9 )横浜ゴム(株)レーシングタイヤのホームページ
があると信じている.今後も,関係諸氏の協力をお
http://www.advan.com/japanese/motor_sports
願いして,まとめとしたい.
/tire/index.html(2011年 2 月15日アクセス)
さいごに本報告は,2010年度工学会研究補助費を
10)レーシングサービスワタナベのホームページ
受けたことを記すとともに,関係各位に深謝する.
http://www.rs-watanabe.co.jp/index2.htm
また,2007年度から2010年度の卒業研究に携わった
当時の学生である,小田真稔氏,内山賢二氏,羽二
(2011年 2 月15日アクセス)
11)例えば,三陽商事(株)ディスクブレーキのホ
生孝洋氏,山岸隆氏にも感謝したい.さらに,車両
ームページ
開発を開始するにあたって,三次元 CAD モデルを提
http://www.suntes.co.jp/contents/products/
供いただいた東京理科大学理工学部・野口昭治教授
index.html(2011年 2 月15日アクセス)
にも謝意を表する.
12)自動車技術ハンドブック編集委員会:自動車技
術ハンドブック第 3 分冊(設計(デザイン・ボ
ディ)編)
,自動車技術会,
(2008)
,133−141
― 53 ―
54
関東学院大学工学部研究報告第55−1 巻
(2011)
13)日本トライボロジー学会:トライボロジーハン
20)金田徹,阿久津敏乃介,辻森淳,武田克彦:関
東学院大学工学部機械工学科における実践例
ドブック,養賢堂,
(2001)
,264
(LEGO MindStorms Robotics Invention を利用
14)横浜ゴム株式会社:自動車用タイヤの研究,山
した PBL による教育課程)
,人工知能学会誌,
海堂,
(1995)
,32
21,5,
(2006)
,543−552
15)近藤政一:基礎自動車工学:後編,養賢堂,
(1976)
,115−116
21)金田徹,小松督,大貫雅和:姫路ロボ・チャレ
16)MOMO社 ステアリングホイールのホームペー
ンジを通じた PBL 的ロボット開発教育の一例
ジ http://www.momousa.com/products/
(関東学院大学工学部機械工学科ロボット研究会
products/steering-wheels.html
における実践例)
,関東学院大学工学総合研究所
報,37,
(2009)
,3−10
(2011年 2 月15日アクセス)
17)自動車技術ハンドブック編集委員会:自動車技
22)高津裕人,佐藤祐哉,茂木拓也,金田徹,大貫
術ハンドブック第 1 分冊(基礎理論編)
,自動車
雅和:試行錯誤による ET ロボコン出場のため
技術会,
(2008)
,24−248
の NXT 走行体(倒立振子制御型二輪トレーサシ
18)バイク用品デジタルカタログサイト
ステム)の開発,関東学院大学工学部研究報告,
54,1,
(2010)
,25−35
http://www.moto-log.com/contents/
(2011年 2 月15日アクセス)
19)Yotato Hatamura: Practice of Creative Design,
Proceedings of the 2nd International Conference
on Design Engineering and Science(ICDES
2010)
,(2011. 11, Tokyo)
, 1−6
― 54 ―
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