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ユー・エス・エス 伪中古車オークション市場シェアトップの業界最大手 伪

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ユー・エス・エス 伪中古車オークション市場シェアトップの業界最大手 伪
Company Research and Analysis Report
FISCO Ltd.
http://www.fisco.co.jp
ユー ・ エス ・ エス
4732 東証 1 部
伪伪中古車オークション市場シェアトップの業界最大手
ユー ・ エス ・ エス <4732> は中古自動車のオークション運営事業で市場シェア 32% とトップ。
2014 年 12 月 29 日 (月)
子会社で中古自動車等買取販売事業やリサイクル事業なども手掛ける。 営業利益率で 50%
に迫る高い収益性と、 400 億円を上回る潤沢なネットキャッシュ (手元流動性と有利子負債と
の差額) を背景に、 株主還元に積極的 (連結配当性向 45% 以上) な企業として注目される。
Important disclosures
and disclaimers appear
at the back of this document.
2015 年 3 月期の第 2 四半期累計 (2014 年 4 月 -9 月期) の連結業績は、 売上高が前年
同期比 0.4% 減、 経常利益が同 3.9% 増となった。 オークションの出品台数が前年同期比 4.1%
増と堅調に推移したことに加え、 2013 年 8 月に名古屋会場を新築移転した際に発生した諸
経費や販促費の減少などが増益要因となった。
企業調査レポート
執筆 客員アナリスト
佐藤 譲
2015 年 3 月通期の業績は、 売上高が前期比 0.7% 減、 経常利益が同 0.7% 増と前期並み
の水準を見込む。 オートオークション事業では、 出品台数が前期比 4.5% 増、 成約台数が同
1.4% 減を計画。 新車販売台数の減少傾向が続くなか、 出品台数のハードルはやや高いもの
の、 成約台数は計画を上回るペースで推移しており、 通期の業績計画は十分達成可能と弊
社ではみている。
中期戦略として、 オークション会場の出品台数シェア 35% を当面の目標としている。 シェア
拡大策として、 オークション会場の利便性向上に向けた設備投資を強化している。 2013 年の
名古屋会場に続いて、 2014 年 8 月には岡山会場を新築移転したほか、 2015 年以降は札幌
会場や静岡会場の建替えも検討している。 会場の利便性を向上することで、 オークション来
場者を増やし、 オークション会場としての価値を高めていくことで、 シェアの拡大を進めていく。
国内の自動車市場は成熟化が進んでいるものの、 中古車オークション市場でのシェア拡大に
よって、 同社の業績は今後も安定成長が続くものと予想される。
同社は株主還元策に積極的で、 配当金に関しては連続増配を続けており、 連結配当性向
基準で 45% 以上を基本方針として掲げている。 2015 年 3 月期の 1 株当たり配当金は 37.00
円 (連結配当性向 45.0%) を予定しているが、 業績が計画を上回るようであれば、 更なる増
配も期待されよう。また、個人安定株主の拡大を目的に株主優待制度も今期より拡充している。
伪伪Check Point
・ オークション出品台数シェアは 2 位以下を大きく引き離す
・ 2Q 累計売上微減だがオークション堅調で増益に
・ 中古車事業の影響で売上高下方修正だが利益据え置く
本資料のご利用については、 必ず巻末の重要事項 (ディスクレーマー) をお読みください。
1
売上高と営業利益の推移
売上高(左軸)
(百万円)
ユー ・ エス ・ エス
(百万円)
㻟㻟㻘㻜㻜㻜㻌
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㻌㻣㻜㻘㻜㻜㻜
㻌㻢㻤㻘㻜㻜㻜
営業利益(右軸)
㻞㻣㻘㻥㻡㻞㻌
㻟㻡㻘㻜㻜㻜
㻞㻥㻘㻟㻜㻠㻌
㻟㻜㻘㻜㻜㻜
㻞㻠㻘㻟㻟㻞㻌
㻞㻡㻘㻜㻜㻜
㻌㻢㻢㻘㻜㻜㻜
4732 東証 1 部
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㻢㻣㻘㻥㻠㻥㻌
2014 年 12 月 29 日 (月)
㻢㻣㻘㻡㻜㻜㻌
㻌㻢㻞㻘㻜㻜㻜
㻢㻠㻘㻜㻜㻥㻌
㻌㻢㻜㻘㻜㻜㻜
㻝㻡㻘㻜㻜㻜
㻝㻜㻘㻜㻜㻜
㻢㻟㻘㻞㻠㻟㻌
㻡㻘㻜㻜㻜
㻢㻝㻘㻠㻝㻣㻌
㻌㻡㻤㻘㻜㻜㻜
㻜
㻝㻝㻛㻟期
㻝㻞㻛㻟期
㻝㻟㻛㻟期
㻝㻠㻛㻟期
㻝㻡㻛㻟期予
伪伪事業概要
オークション出品台数シェアは 2 位以下を大きく引き離す
同社の事業セグメントは、 オートオークション事業、 中古自動車等買取販売事業、 その他
事業 (リサイクル事業等) と 3 つに区分されており、 このうちオートオークション事業が売上
高の 74.3%、 営業利益の 96.2% を占める主力事業となっている。
売上高・営業利益の構成比(㻞㻜㻝㻡㻛㻟期 第㻞四半期)
中古自動車等
買取販売
㻝㻚㻝㻑
リサイクル等
㻝㻜㻚㻤㻑
中古自動車等
買取販売
㻝㻠㻚㻥㻑
オートオークション
㻣㻠㻚㻟㻑
売上高
リサイクル等
㻞㻚㻣㻑
オートオークション
㻥㻢㻚㻞㻑
営業利益
出所 : 決算説明資料
本資料のご利用については、 必ず巻末の重要事項 (ディスクレーマー) をお読みください。
2
■事業概要
■
(1) オートオークション
オートオークション事業では、 運営会場を国内 17 ヶ所で展開している。 主な収入は出品会
員から徴収する出品手数料及び成約手数料、 落札会員から徴収する落札手数料からなる。
同社グループのオークション出品台数シェアは、 2014 年 1-6 月実績で 32.3% と 2 位以下を
ユー ・ エス ・ エス
大きく引き離し、 業界最大手となっている。 現車会員数は 46,149 社 (2014 年 9 月末) と圧
4732 東証 1 部
倒的な数を誇っている。 東京会場や名古屋会場など大規模会場を利便性の良い郊外に立地
し、 良質な中古車を大量出品することで集客力を高め、 成約台数を増やし、 さらに出品台数
を増加させるビジネス戦略をとっているのが特徴だ。
2014 年 12 月 29 日 (月)
オートオークション出品台数シェア
(㻞㻜㻝㻠年㻝㻙㻢月、%)
㻟㻞㻚㻜㻑
㻟㻞㻚㻟㻑
㼁㻿㻿
㼀㻭㻭
㻶㻭㻭
㻯㻭㻭
アライ㻭㻭
ホンダ
㻟㻚㻝㻑
㻷㻯㻭㻭
㻟㻚㻢㻑
㻥㻚㻥㻑
その他
㻠㻚㻥㻑
㻢㻚㻜㻑
出所:(株)ユーストカー
㻤㻚㻞㻑
地域別出品台数シェアで見ると、同社グループは北海道、東北、関東・甲信越、中部、九州・
沖縄地区でトップシェアとなっている。 反面、 近畿、 中国 ・ 四国地区ではシェアが 10% 台にと
どまる。 うち近畿では JAA の 100% 子会社である HAA 神戸が 36.5% と強く、 同社は 2 番手に
位置している。 一方、中国・四国地区ではトップが JU 広島の 17.2% であり、僅差の 2 位となっ
ている。
また、同社の地域別出品台数構成比では、関東・甲信越が 42.9%、次いで中部が 27.6% となっ
ており、 この 2 ブロックで全体の約 70% を占めている。
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3
■事業概要
■
USS地域別出品台数シェア
(%)
㻢㻜㻚㻜
㻞㻜㻝㻞年
㻡㻢㻚㻤 㻡㻢㻚㻥
㻞㻜㻝㻟年
㻡㻜㻚㻜
ユー ・ エス ・ エス
4732 東証 1 部
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㻟㻜㻚㻜
㻞㻠㻚㻠 㻞㻟㻚㻡
㻝㻣㻚㻣 㻝㻣㻚㻜
㻞㻜㻚㻜
2014 年 12 月 29 日 (月)
㻝㻝㻚㻟 㻝㻝㻚㻤
㻝㻜㻚㻜
㻜㻚㻜
北海道
東北
関東・甲信越
中部
近畿
中国・四国
九州・沖縄
出所:(株)ユーストカー
地域別出品台数シェア(㻝㻡㻛㻟期㻞㻽累計)
㻢㻚㻝㻑
㻥㻚㻤㻑
㻟㻚㻝㻑
㻟㻚㻝㻑
北海道
東北
㻣㻚㻠㻑
関東・甲信越
中部
近畿
中国・四国
㻠㻞㻚㻥㻑
九州・沖縄
㻞㻣㻚㻢㻑
中古車の買取チェーン店を全国展開し出品する中古車を確保
(2) 中古自動車等買取販売
2014 年 7 月に同社子会社の ( 株 )R&W から会社分割して設立した子会社の ( 株 ) ラビット・
カーネットワークで中古車の買取チェーン店 「ラビット」 を全国に 171 店舗 (うちフランチャイ
ズチェーン店 148 店舗) 展開している。 また、 R&W は 2015 年 1 月 1 日付で商号を ( 株 ) リ
プロワールドに変更することを決定しているが、 引き続き事故現状車の買取販売を行ってい
く。 買い取った中古車両に関しては、大半を同社グループのオークション会場に出品しており、
オートオークション事業の補完的事業の位置付けとなっている。
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4
■事業概要
■
リサイクル事業や中古車の輸出手続代行サービスを展開
(3) その他
その他事業では、 子会社の ( 株 ) アビヅや ( 株 ) カークエストの東洋事業部でリサイクル事
ユー ・ エス ・ エス
業を展開しているほか、 ( 株 )USS ロジスティクス ・ インターナショナル ・ サービスで、 中古自
動車の輸出手続代行サービスを行っている。
4732 東証 1 部
アビヅは廃自動車の解体などによって生じる鉄スクラップや中古パーツなどの販売、 カーク
エストの東洋事業部では廃タイヤなどを原料とした弾性舗装用ゴムなどの製品化を行ってい
2014 年 12 月 29 日 (月)
る。 また、 USS ロジスティクス ・ インターナショナル ・ サービスは、 東京会場と横浜会場の 2
拠点で、 両会場で成約した輸出業者向けのサービスを提供している。
伪伪決算概要
2Q 累計売上微減だがオークション堅調で増益に
(1) 2015 年 3 月期の第 2 四半期累計業績概要
11 月 11 日付で発表された 2015 年 3 月期の第 2 四半期累計連結業績は、 売上高が前年
同期比 0.4% 減の 32,254 百万円、 営業利益が同 3.9% 増の 15,731 百万円、 経常利益が同 3.9%
増の 16,028 百万円、 四半期純利益が同 11.6% 増の 10,384 百万円となった。 売上高は中古
自動車等買取販売事業の低迷により期初計画を若干下回ったものの、 利益ベースではオート
オークション事業やその他事業が堅調に推移したことで、 いずれも計画を上回る格好となった。
2015 年 3 月期の第 2 四半期連結業績
売上高
売上原価
販管費
営業利益
経常利益
特別損益
四半期純利益
14/3 期 2Q 累計
実績
対売上比
32,379
12,730
39.3%
4,503
13.9%
15,145
46.8%
15,428
47.6%
-194
-0.6%
9,305
28.7%
会社計画
32,900
15,550
15,800
10,150
(単位 : 百万円)
15/3 期 2Q 累計
実績
対売上比 前年同期比 計画比
32,254
-0.4%
-2.0%
12,419
38.5%
-2.4%
4,104
12.7%
-8.9%
15,731
48.8%
3.9%
1.2%
16,028
49.7%
3.9%
1.4%
278
0.9%
10,384
32.2%
11.6%
2.3%
営業利益の増減要因はグラフのとおりで、 主な増益要因としてはオークション事業における
出品台数の増加や廃自動車等リサイクル事業の増益、 商品売上原価や販促費の減少に加
えて、名古屋会場の新築移転に関連した消耗品費や租税公課の減少等が挙げられる。 一方、
減益要因としては、 オークションの成約率低下や中古自動車等買取販売事業の減益、 原材
料費の上昇などとなっている。
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■決算概要
■
ユー ・ エス ・ エス
4732 東証 1 部
2014 年 12 月 29 日 (月)
(百万円)
㻝㻘㻜㻜㻜
㻤㻝㻜
㻤㻜㻜
㻢㻜㻜
㻠㻜㻜
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㻙㻞㻜㻜
㻙㻠㻜㻜
㻙㻢㻜㻜
㻙㻤㻜㻜
出
品
台
数
増
営業利益の増減要因(前年同期比)
㻠㻜㻜
㻞㻡㻜
成
約
率
減
㻙㻢㻠㻜
中
古
自
動
車
買
取
販
売
減
廃
自
動
車
等
の
リ
サ
イ
ク
ル
増
㻡㻜
㻝㻜㻜
㻝㻠㻜
消
耗
品
費
減
人
件
費
減
販
売
促
進
費
減
租
税
公
課
減
㻙㻤㻜
㻙㻝㻟㻜
㻙㻡㻡㻜
㻝㻞㻜
商
品
売
上
原
価
減
原
材
料
費
増
業
務
委
託
費
増
新車 ・ 中古車販売連続マイナス成長も輸出が好調
(2) 市場環境
2014 年 4 月 -9 月期の市場環境を見ると、 新車販売に関しては消費増税前の駆け込み需
要の反動により前年同期比 2.8% 減の 2,473 千台、 中古車登録台数も新車販売の減少が影
響して同 4.4% 減の 3,102 千台となり、 いずれも 2 年連続のマイナス成長となった。 一方、 中
古車輸出台数に関しては引き続き円安を追い風にして、 アジアやアフリカなど新興国向けを
中心に同 9.2% 増の 658 千台と拡大基調が続いた。
新車・中古車登録台数及び輸出台数
(千台)
新車登録台数
㻟㻘㻞㻣㻢
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㻟㻘㻜㻜㻜
㻞㻘㻡㻥㻜
中古車登録台数
中古車輸出台数
㻟㻘㻞㻠㻟
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㻞㻘㻡㻠㻡
㻞㻘㻠㻣㻟
㻞㻘㻡㻜㻜
㻞㻘㻜㻜㻜
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㻝㻘㻜㻜㻜
㻢㻡㻤
㻢㻜㻞
㻡㻞㻞
㻡㻜㻜
㻜
㻝㻟㻛㻟期
㻞㻽累計
㻝㻠㻛㻟期
㻞㻽累計
㻝㻡㻛㻟期
㻞㻽累計
こうしたなかで、 中古車オークション市場全体の出品台数は、 前年同期比 3.2% 増の 3,590
千台、 成約台数は同 0.2% 増の 2,166 千台と堅調に推移した。
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6
■決算概要
■
中古車オークション市場の動向
(千台)
㻠㻘㻜㻜㻜
出品台数
㻟㻘㻢㻝㻢
成約台数
㻟㻘㻡㻥㻜
㻟㻘㻠㻣㻤
㻟㻘㻡㻜㻜
ユー ・ エス ・ エス
㻟㻘㻜㻜㻜
4732 東証 1 部
㻞㻘㻡㻜㻜
㻞㻘㻝㻢㻢
㻞㻘㻝㻢㻞
㻞㻘㻜㻟㻟
㻞㻘㻜㻜㻜
2014 年 12 月 29 日 (月)
㻝㻘㻡㻜㻜
㻝㻘㻜㻜㻜
㻡㻜㻜
㻜
㻝㻟㻛㻟期
㻞㻽累計
㻝㻠㻛㻟期
㻞㻽累計
㻝㻡㻛㻟期
㻞㻽累計
オークション環境は堅調だが、 中古車買取伸び悩む
(3) 事業セグメント別動向
○オートオークション事業
2015 年 3 月期の第 2 四半期累計の売上高は前年同期比 1.9% 増の 24,291 百万円、 営業
利益は同 4.1% 増の 15,057 百万円となった。 オートオークション出品台数が同 4.1% 増の 1,126
千台、 成約台数が同 0.1% 増の 726 千台となった。 期初計画対比では新車販売減の影響を
受けて、 出品台数が若干下回ったものの、 成約台数は堅調に推移した。 営業利益は販促
費の減少に加えて、 2013 年 8 月に名古屋会場の新築移転を行った際に発生した消耗品費、
租税公課などの減少が増益要因となった。
オートオークション事業
(百万円)
売上高
営業利益
利益率
㻟㻜㻘㻜㻜㻜
㻞㻡㻘㻜㻜㻜
㻢㻞㻚㻡㻑
㻞㻠㻘㻞㻥㻝
㻞㻟㻘㻤㻠㻡
㻞㻞㻘㻤㻜㻞
㻢㻞㻚㻜㻑
㻢㻞㻚㻜㻑
㻞㻜㻘㻜㻜㻜
㻢㻝㻚㻡㻑
㻝㻠㻘㻠㻢㻠
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㻢㻜㻚㻡㻑
㻢㻜㻚㻣㻑
㻢㻜㻚㻡㻑
㻡㻘㻜㻜㻜
㻢㻜㻚㻜㻑
㻜
㻡㻥㻚㻡㻑
㻝㻟㻛㻟期
㻞㻽累計
㻝㻠㻛㻟期
㻞㻽累計
㻝㻡㻛㻟期
㻞㻽累計
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7
■決算概要
■
オークション出品、成約台数
(千台)
出品台数
㻝㻘㻝㻝㻥
㻝㻘㻞㻜㻜
成約台数
㻝㻘㻜㻤㻝
成約率
㻝㻘㻝㻞㻢
㻢㻤㻚㻜㻑
㻢㻣㻚㻝㻑
㻝㻘㻜㻜㻜
ユー ・ エス ・ エス
㻢㻢㻚㻜㻑
㻤㻜㻜
㻣㻞㻡
㻢㻣㻤
4732 東証 1 部
㻢㻠㻚㻡㻑
㻣㻞㻢
㻢㻜㻜
2014 年 12 月 29 日 (月)
㻢㻠㻚㻜㻑
㻢㻞㻚㻜㻑
㻢㻜㻚㻢㻑
㻠㻜㻜
㻢㻜㻚㻜㻑
㻞㻜㻜
㻡㻤㻚㻜㻑
㻜
㻡㻢㻚㻜㻑
㻝㻟㻛㻟期
㻞㻽累計
㻝㻠㻛㻟期
㻞㻽累計
㻝㻡㻛㻟期
㻞㻽累計
手数料単価の動向を見ると、1 台当たり出品手数料は 5,467 円とほぼ前年並みの水準となっ
た。手数料単価の低い大口会員の出品割合が増加したものの、一部の会場で手数料割引キャ
ンペーンを抑制したことがプラス要因となった。 また、 成約手数料も 7,858 円とほぼ前年並み
の水準となった。落札手数料に関しては 11,110 円と前年同期比で 83 円の下落となっているが、
※ネ ットワーク接続にてオークショ
ン会場外からセリに参加するイン
ターネット会員や衛星テレビ会員
による落札台数の全落札台数に
対する比率
これは外部落札比率※が前年同期の 50.5% から 48.8% に低下したことによる。 2014 年 3 月期
の下期辺りから主要な輸出代行業者がコスト削減のため直接会場に来場して落札するケース
が増えたことが、 外部落札率低下の要因となっている。 ただし、 今後の外部落札比率は現
在の水準を維持するものとみられている。
この結果、 手数料売上高は、 出品手数料が前年同期比 4.2% 増、 成約手数料が横ばい、
落札手数料が同 0.7% 減となった。
1台当たり手数料の推移
(円)
㻝㻞㻘㻜㻜㻜
出品手数料
成約手数料
落札手数料
㻝㻝㻘㻜㻣㻣
㻝㻝㻘㻝㻥㻟
㻝㻝㻘㻝㻝㻜
㻣㻘㻣㻤㻠
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㻞㻽累計
㻝㻠㻛㻟期
㻞㻽累計
㻝㻡㻛㻟期
㻞㻽累計
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㻤㻘㻜㻜㻜
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本資料のご利用については、 必ず巻末の重要事項 (ディスクレーマー) をお読みください。
8
■決算概要
■
USSの会員数と外部落札比率
現車会員
㻯㻵㻿会員
衛星テレビ会員
外部落札比率
(社)
㻡㻜㻘㻜㻜㻜
ユー ・ エス ・ エス
㻠㻡㻘㻞㻟㻞
㻠㻡㻘㻡㻣㻣
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4732 東証 1 部
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2014 年 12 月 29 日 (月)
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㻜㻚㻜㻑
㻝㻟㻛㻟期
㻞㻽累計
㻝㻠㻛㻟期
㻞㻽累計
㻝㻡㻛㻟期
㻞㻽累計
手数料売上高内訳
(百万円)
出品手数料
成約手数料
㻥㻘㻜㻜㻜
㻤㻘㻝㻞㻝
㻢㻘㻜㻜㻜
㻤㻘㻜㻢㻣
㻣㻘㻡㻝㻡
㻤㻘㻜㻜㻜
㻣㻘㻜㻜㻜
落札手数料
㻡㻘㻥㻤㻡
㻡㻘㻤㻢㻤 㻡㻘㻢㻡㻥
㻡㻘㻞㻠㻜
㻢㻘㻝㻝㻠
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㻡㻘㻜㻜㻜
㻠㻘㻜㻜㻜
㻟㻘㻜㻜㻜
㻞㻘㻜㻜㻜
㻝㻘㻜㻜㻜
㻜
㻝㻟㻛㻟期
㻞㻽累計
㻝㻠㻛㻟期
㻞㻽累計
㻝㻡㻛㻟期
㻞㻽累計
同社はオークション会場の競争力に関して引き続き強さをキープしている。 これは同社グ
ループのオークション会場と他社会場での成約率の差、 あるいは 1 台当たり成約車両金額の
差から見て取れる。 同社が進める 「オークション会場としての質を維持しながら、出品台数シェ
アの拡大を図る」 戦略は順調に進んでいると言えよう。
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9
■決算概要
■
オークション成約率の推移
㼁㻿㻿成約率
市場平均成約率(㼁㻿㻿除く)
㻣㻡㻚㻜㻑
㻢㻥㻚㻜㻑
㻣㻜㻚㻜㻑
ユー ・ エス ・ エス
㻢㻡㻚㻜㻑
4732 東証 1 部
㻢㻜㻚㻜㻑
㻢㻟㻚㻥㻑
㻡㻜㻚㻜㻑
㻢㻤㻚㻜㻑
㻢㻣㻚㻤㻑
㻢㻢㻚㻢㻑
㻢㻡㻚㻟㻑
㻢㻞㻚㻢㻑
㻢㻠㻚㻞㻑
㻢㻟㻚㻥㻑
㻡㻣㻚㻤㻑
㻡㻥㻚㻠㻑
㻡㻡㻚㻜㻑
2014 年 12 月 29 日 (月)
㻢㻢㻚㻟㻑
㻢㻡㻚㻞㻑
㻢㻜㻚㻟㻑
㻡㻥㻚㻤㻑
㻡㻥㻚㻞㻑
㻡㻣㻚㻞㻑
㻡㻢㻚㻥㻑
㻡㻢㻚㻡㻑
㻡㻞㻚㻟㻑
㻠㻡㻚㻜㻑
㻠㻜㻚㻜㻑
㻝㻟㻛㻟期 㻝㻟㻛㻟期 㻝㻟㻛㻟期 㻝㻟㻛㻟期 㻝㻠㻛㻟期 㻝㻠㻛㻟期 㻝㻠㻛㻟期 㻝㻠㻛㻟期 㻝㻡㻛㻟期 㻝㻡㻛㻟期
㻝㻽
㻞㻽
㻟㻽
㻠㻽
㻝㻽
㻞㻽
㻟㻽
㻠㻽
㻝㻽
㻞㻽
㻝台当たり成約車両金額の推移
(千円)
㼁㻿㻿
㻣㻜㻜
㻢㻜㻜
㻡㻜㻜
㻡㻡㻜
㻠㻝㻝
㻡㻥㻡
㻡㻤㻢
㻠㻠㻢
㻠㻞㻠
市場平均(㼁㻿㻿除く)
㻢㻜㻤
㻢㻜㻟
㻠㻢㻣
㻠㻡㻤
㻢㻟㻝
㻠㻣㻟
㻢㻠㻢
㻢㻝㻟
㻢㻝㻡
㻡㻥㻡
㻠㻡㻞
㻠㻠㻤
㻠㻠㻤
㻠㻥㻝
㻠㻜㻜
㻟㻜㻜
㻞㻜㻜
㻝㻜㻜
㻜
㻝㻟㻛㻟期 㻝㻟㻛㻟期 㻝㻟㻛㻟期 㻝㻟㻛㻟期 㻝㻠㻛㻟期 㻝㻠㻛㻟期 㻝㻠㻛㻟期 㻝㻠㻛㻟期 㻝㻡㻛㻟期 㻝㻡㻛㻟期
㻝㻽
㻞㻽
㻟㻽
㻠㻽
㻝㻽
㻞㻽
㻟㻽
㻠㻽
㻝㻽
㻞㻽
○中古自動車等買取販売事業
2015 年 3 月期の第 2 四半期累計の売上高は前年同期比 15.5% 減の 4,815 百万円、 営業
利益は同 52.7% 減の 179 百万円と減収減益となった。 このうち中古自動車買取販売事業は、
売上高が同 16.8% 減の 3,190 百万円、 営業利益が同 46.6% 減の 140 百万円に、 事故現状車
買取販売事業は売上高が同 13% 減の 1,624 百万円、 営業利益が同 66.4% 減の 39 百万円と
なった。 いずれも、 新車販売の減少による買取台数の減少が影響した。 ただし、 買取りの市
場環境は 8 月以降、 改善に向かいつつあり、 下期に関しては前年同期並みの水準まで回復
してくるものと予想される。
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10
■決算概要
■
中古自動車等買取販売事業
売上高
営業利益
利益率
(百万円)
㻢㻚㻣㻑
㻢㻘㻜㻜㻜
ユー ・ エス ・ エス
㻡㻘㻜㻜㻜
4732 東証 1 部
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㻟㻚㻡㻑
㻟㻘㻜㻜㻜
2014 年 12 月 29 日 (月)
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㻞㻘㻜㻜㻜
㻞㻚㻜㻑
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㻝㻣㻥
㻜
㻝㻚㻜㻑
㻜㻚㻜㻑
㻝㻟㻛㻟期
㻞㻽累計
㻝㻠㻛㻟期
㻞㻽累計
㻝㻡㻛㻟期
㻞㻽累計
○その他事業
2015 年 3 月期の第 2 四半期累計の売上高は前年同期比 11.5% 増の 3,482 百万円、 営業
利益は同 79.1% 増の 416 百万円と 2 桁増収増益となった。 このうち、 廃自動車等のリサイク
ル事業を手掛けるアビヅは、 売上高が同 11.2% 増の 2,536 百万円、 営業利益が同 50.0% 増
の 295 百万円となった。 廃自動車等の取扱量が増加したことに加え、 鉄スクラップの相場が
高値安定で推移したことが収益拡大要因となった。
廃ゴムのリサイクル事業を手掛けるカークエストの東洋事業部の売上高は前年同期比 1.6%
増の 593 百万円、 営業利益は同 311.6% 増の 41 百万円となった。 弾性舗装用ゴム製品のう
ち、 収益性の高いカラー着色製品の売上高が好調に推移したことが利益増につながった。 ま
た、 中古自動車の輸出手続代行サービス事業を手掛ける USS ロジスティクス・インターナショ
ナル ・ サービスも売上高が同 17.6% 増の 304 百万円、 営業利益が同 136.6% 増の 61 百万円
と好調に推移した。 輸出業者の取扱台数が増加していることに加えて、 検査業務の内製化を
進めたことが、 収益性の向上に寄与した。
その他事業
(百万円)
売上高
営業利益
㻠㻘㻜㻜㻜
㻝㻠㻚㻜㻑
㻟㻘㻠㻤㻞
㻟㻘㻡㻜㻜
㻟㻘㻜㻜㻜
利益率
㻟㻘㻝㻞㻠
㻝㻞㻚㻜㻑
㻞㻘㻣㻤㻢
㻝㻜㻚㻜㻑
㻞㻘㻡㻜㻜
㻤㻚㻜㻑
㻣㻚㻠㻑
㻞㻘㻜㻜㻜
㻢㻚㻜㻑
㻝㻘㻡㻜㻜
㻠㻚㻜㻑
㻝㻘㻜㻜㻜
㻞㻟㻞㻌
㻡㻜㻜
㻜
㻙㻡㻜㻜
㻝㻞㻚㻜㻑
㻠㻝㻢㻌
㻙㻜㻚㻝㻑
㻜㻚㻜㻑
㻙㻟㻌
㻝㻟㻛㻟期
㻞㻽累計
㻙㻞㻚㻜㻑
㻝㻠㻛㻟期
㻞㻽累計
㻝㻡㻛㻟期
㻞㻽累計
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11
㻞㻚㻜㻑
伪伪2015 年 3 月期業績見通し
中古車事業の影響で売上高下方修正だが利益据え置く
(1) 業績概要
ユー ・ エス ・ エス
4732 東証 1 部
2015 年 3 月期の連結業績は、 売上高が前期比 0.7% 減の 67,500 百万円、 営業利益が同
1.0% 増の 33,000 百万円、 経常利益が同 0.7% 増の 33,500 百万円、 当期純利益が同 6.7% 増
の 21,300 百万円が見込まれる。期初の会社計画からは売上高で 700 百万円の減額となるが、
2014 年 12 月 29 日 (月)
利益ベースでは据え置いている。 中古車等買取販売事業における上期の売上未達分を反映
させた格好となっている。
2015 年 3 月期業績見通し
13/3 期
対
実績
売上比
売上高
63,243
売上原価
24,982 39.5%
販管費
8,955 14.2%
営業利益
29,304 46.3%
経常利益
29,884 47.3%
特別損益
-57 -0.1%
当期純利益 18,346 29.0%
会社
計画
65,450
25,626
9,023
30,800
31,350
18,950
実績
67,949
26,459
8,808
32,680
33,275
-599
19,966
14/3 期
対
売上比
38.9%
13.0%
48.1%
49.0%
-0.9%
29.4%
前年比 計画比
7.4%
5.9%
-1.6%
11.5%
11.3%
8.8%
3.8%
3.3%
-2.4%
6.1%
6.1%
5.4%
期初
計画
68,200
26,400
8,799
33,000
33,500
21,300
(単位 : 百万円)
15/3 期
修正
前期比 修正額
計画
67,500 -0.7% -700
25,868 -2.2% -532
8,631 -2.0% -167
33,000
1.0%
33,500
0.7%
21,300
6.7%
-
事業別連結売上高の推移
オートオークション事業
出品手数料
成約手数料
落札手数料
商品売上高
その他営業収入
中古自動車等買取販売事業
中古自動車買取販売
事故現状車買取販売
その他事業
廃自動車等リサイクル
廃ゴムリサイクル
中古自動車の輸出手続
代行サービス
その他
合計
(単位 : 百万円)
15/3 期予
伸び率
49,919
0.9%
12,941
5.7%
11,814
-1.2%
16,942
-1.4%
969
7.1%
7,250
0.9%
10,533
-9.4%
7,103
-9.7%
3,429
-8.7%
7,047
2.9%
5,002
3.9%
1,379
-7.9%
12/3 期
45,840
12,154
10,984
15,026
805
6,869
12,476
8,535
3,940
5,692
4,275
1,250
13/3 期
45,909
11,817
10,873
15,626
624
6,967
11,545
8,106
3,438
5,789
4,016
1,335
14/3 期
49,479
12,241
11,958
17,190
905
7,184
11,621
7,867
3,754
6,848
4,816
1,498
166
437
500
586
17.2%
64,009
63,243
32
67,949
78
67,500
143.8%
-0.7%
オークション関連データ
出品台数 (千台)
成約台数 (千台)
成約率 (%)
1 台当たり出品手数料 (円)
1 台当たり成約手数料 (円)
1 台当たり落札手数料 (円)
現車会員
CIS( インターネット) 会員数
TV (衛星) 会員数
12/3 期
2,252
1,414
62.8%
5,432
7,832
10,626
44,796
25,957
3,921
13/3 期
2,199
1,405
63.9%
5,407
7,802
11,124
45,139
27,072
3,651
14/3 期
2,305
1,541
66.8%
5,344
7,821
11,157
45,712
28,007
3,486
(単位 : 千台、 円、 社)
15/3 期予
伸び率
2,408
4.5%
1,519
-1.4%
63.1%
5,408
1.2%
7,838
0.2%
11,155
-0.0%
46,300
1.3%
28,700
2.5%
3,300
-5.3%
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12
年 3 月期業績見通し
■2015
■
セグメント別では、 オートオークション事業の売上高が前期比 0.9% 増の 49,919 百万円と微
増収となる見通し。 オークション出品台数は前期比 4.5% 増の 2,408 千台、 成約台数は同 1.4%
減の 1,519 千台を見込んでいる。 手数料単価に関しては、 出品手数料で販促施策の抑制な
どにより前期比で若干の上昇を見込んでいる以外は、 前期並みの水準を想定している。
足元の月次データを見ると、 2014 年 10 月は出品台数が前年同月比 4.3% 増、 成約台数が
ユー ・ エス ・ エス
4.9% 増と堅調に推移している。 曜日の違いによる月間のセリ開催数の影響を除いた比較で見
4732 東証 1 部
ると、 出品台数が 1.0% 増、 成約台数が 2.2% 増となっており、 出品台数が計画よりも若干弱
めで推移しているものの、 逆に成約台数は計画を上回っており、 全体で見ると計画どおりで
推移する可能性が高い。 出品台数に影響を与える新車販売台数の動向は 11 月も前年同月
2014 年 12 月 29 日 (月)
比で 9% 減とマイナス基調が続いているが、 2013 年が高すぎた反動であり、 2012 年の水準
と比較するとほぼ同水準で推移している。 今後販売台数が一段と落ち込むことは考えにくく、
出品台数では今後も 2013 年をやや上回るペースが続くものと予想される。
㼁㻿㻿オークション出品台数、成約台数伸び率
(前年同月比)
(㻑)
出品台数
成約台数
㻞㻡㻚㻜
㻞㻜㻚㻜
㻝㻡㻚㻜
㻝㻜㻚㻜
㻡㻚㻜
㻜㻚㻜
㻙㻡㻚㻜
㻙㻝㻜㻚㻜
㻙㻝㻡㻚㻜
中古自動車等買取販売事業の売上高は前期比 9.4% 減の 10,533 百万円を見込む。 前述し
たように、 新車販売の低迷が影響して買取台数が伸びないのが要因だが、 8 月以降はやや
買取の環境も改善しつつあり、 下期については減収率が縮小する見通しとなっている。
その他事業の外部顧客に対する売上高は、前期比 2.9% 増の 7,047 百万円を見込んでいる。
このうち、 中古自動車の輸出手続代行サービスは、 円安を背景に同 17.2% 増と好調が続く見
通し。 一方、 廃自動車等リサイクル事業に関しては、 鉄スクラップ市況の軟化により、 同 3.9%
増と増収率が鈍化し、 廃ゴムリサイクル事業は同 7.9% 減と減収を見込んでいる。 いずれも、
保守的であり、 計画から上振れする可能性があると弊社ではみている。
新会場への投資で会員の利便性を向上
(2) 拠点戦略
2015 年 3 月期の設備投資額 (支出ベース) は 3,600 百万円を計画している。 このうち主
なものは 8 月にオープンした新岡山会場の建設費用となっている。 新会場は立地場所が山
陽自動車道 「山陽 IC」 出口すぐの場所にあり、 交通の利便性が向上することで、 オークショ
ン参加業者、 並びに出品台数の増加が期待されていたが、 地方拠点ということもありまだ目
立った集客増にはつながっていない模様だ。 このため、 同社では地域周辺での PR 活動を強
化しながら集客力を高め、 出品台数の増加につなげていく考えだ。
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13
年 3 月期業績見通し
■2015
■
その他の会場に関しても、 静岡、 札幌会場でオークション会場施設の建替えの検討に入っ
ている。 いずれの会場も開設してから 16 ~ 18 年が経ち、 コンピュータシステムも含めた設
備の老朽化が目立っていた。 会員の利便性向上を図ることもあって、 同一敷地内で新会場
の建替えを予定している。 収容能力は現状と変わらないが、 来場者数を増やしていくことで、
出品台数の増加を進めていく計画だ。 設備投資額としては静岡会場が 2,000 百万円、 札幌
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会場が 3,000 百万円程度とみられ、2016 年 3 月期以降に具体的な計画が進むものとみられる。
その他のオークション会場に関しても、 利便性や快適性の向上につながる設備の更新投資を
行い、 来場者数を増やすとともに、 出品台数を増加させて市場シェアの拡大につなげていき
たい考えだ。
2014 年 12 月 29 日 (月)
なお、 2013 年 8 月にオープンした名古屋の新会場は当初の計画どおり、 来場者数の増加
によって出品台数も増加している。 利便性が向上したことに加えて、 社員の接客マナーを向
上する取り組みを強化したことも来場者数の増加につながったとみられる。 また、 セリの同時
進行を可能とするレーンの増設によって、 オークション時間が短縮し、 生産性の向上にもつな
がっている。
設備投資と減価償却費
(百万円)
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ネット活用で遠隔地顧客を取り込む
(3) ネットワーク戦略
同社はネットワーク戦略として、 インターネット会員や衛星テレビ会員など外部落札会員の
拡大を進めており、 2015 年 3 月期の第 2 四半期においてもキャンペーン施策によって、 半
期ベースでは 780 件のインターネット会員数を獲得した。 オークション会場に直接足を運べな
い遠隔地の顧客を取り込むことで、 成約率のアップにつなげている。
また、 これとは別に同社グループ以外のオークション事業者にもインターネットや衛星テレ
ビのネットワークを接続し、 相互の会員の成約 ・ 落札機会の増大に向けた取り組みを行って
いる。 現在、 インターネット、 衛星テレビともに同社グループ以外では 13 会場とネットワーク
接続しているが、 新たに業界第 3 位の JAA グループと業務提携契約を締結し、 JAA (東京
都) とは 2014 年 11 月から、HAA 神戸 (兵庫県) とは 2015 年 5 月から衛星テレビのネットワー
ク接続を行うことになった。 今回の提携により、 衛星テレビでの中継シェア (全オークション出
※2014 年 1 月 -6 月の各オークショ
ン事業者の市場シェアを基に算
出 (JAA2.1%、 HAA 神戸 6.2%)
品台数のうち、 同社のネットワーク上で取引可能な出品台数の比率) は 47.0% から 55.2% ※
へ拡大することになる。
本資料のご利用については、 必ず巻末の重要事項 (ディスクレーマー) をお読みください。
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年 3 月期業績見通し
■2015
■
オークション事業者間でネットワーク接続するメリットは、同社の衛星テレビ会員から見れば、
JAA グループのオークションにも参加することができ、 欲しい車を落札する機会が拡大するこ
とが挙げられる。 こうした外部のオークション会場にも参加できるというメリットを打ち出すこと
で、 インターネット会員や衛星テレビ会員の囲い込みにつながるだけでなく、 新規会員を増や
すための施策ともなる。
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また、 同社にとっては出品台数に応じたネットワーク接続料や、 同社の会員が提携会場に
おいて落札した際の手数料などが入ることになる。 今回、 JAA グループが参加することによ
る収益への影響額としては、年間で 160 ~ 180 百万円程度と試算されている。 これら外部オー
クション事業者から得られる収入は、 その他営業収入のなかに含まれている。
2014 年 12 月 29 日 (月)
ネットワーク接続することによるデメリットとして同社の会場内での成約台数が減る可能性が
考えられるが、 その影響はほとんどない。 なお、 他の事業者とのネットワーク接続に関して、
今後増やす予定はないとしている。
伪伪中期戦略
既存会場でシェア引き上げ、 更に M&A 活用も
中期戦略として、 同社はオークション市場の出品台数シェア拡大を目標として掲げている。
当面は既存会場だけで 35% まで引き上げ、 その後は M&A を活用しながら、 更なるシェア拡
大を目指していく戦略だ。
シェア拡大施策としては、 成約率の高い良質のオークション会場であるという魅力を維持し
ていくと同時に、 来場者の増加に向け、 会場内設備などの利便性向上に寄与する設備投資
を継続して行っていく方針だ。 また、 主要会場においては適時、 キャンペーン施策を行いな
がらシェアの拡大を進めていく。
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(㻑)
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㻞㻜㻝㻝
出所:(株)ユーストカー
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伪伪株主還元策
配当性向 45%、 株主優待制度も拡充
同社は株主還元策に積極的な企業として評価されている。 配当金に関しては連続増配を
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続けており、 連結配当性向基準で 45% 以上を基本方針として掲げている。 2015 年 3 月期の
1 株当たり配当金は 37.00 円を予定している。 連結配当性向で 45.0% の水準であることから、
今期業績が計画を上回るようであれば、 更なる増配も期待されることになる。
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㻝株当たり配当金と連結配当性向の推移
(円)
㻝株当たり配当金(左軸)
㻠㻜㻚㻜
配当性向(右軸)
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㻝㻜㻚㻜
㻟㻜㻚㻣㻡㻌
㻟㻠㻚㻣㻜㻌
㻟㻣㻚㻜㻜㻌
㻠㻜㻚㻜㻑
㻞㻠㻚㻠㻜㻌
㻝㻥㻚㻞㻜㻌
㻠㻝㻚㻜㻑
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㻜㻚㻜
㻟㻣㻚㻜㻑
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㻝㻞㻛㻟期
㻝㻟㻛㻟期
㻝㻠㻛㻟期
㻝㻡㻛㻟期予
注:㻝株当たり配当金は株式分割(㻞㻜㻝㻟年㻝㻜月㻝日効力発生日)を遡及修正して表示
また、 個人安定株主の拡大を目的に株主優待制度も 2015 年 3 月期から表のとおり拡充し
た。 株主数では前期末の株主数 6,455 名を、 10,000 名程度まで増やすことを目標としている。
なお、 現在保有している自己株式 (発行株数の約 17%) に関しては、 消却や M&A での活
用を想定している。 オートオークション市場における圧倒的な競争力を維持し、 シェア拡大に
よる収益の成長余地が見込めるなかで、 今後も安定配当成長銘柄として注目されよう。
株主優待制度
所有株式数
100-500 株未満
変更前
( 新設)
500-1,000 株未満
( 新設)
1,000-10,000 株未満
10,000 株以上
USS オリジナルグルメギフト
3,000 円相当 (年 2 回)
USS オリジナルグルメギフト
10,000 円相当 (年 2 回)
変更後
500 円のクオカード (年 2 回)
三井住友 VJA ギフトカード
2,000 円分 (年 2 回)
USS オリジナルグルメギフト
5,000 円相当 (年 2 回)
(変更なし)
注 : 対象は 9 月末、 3 月末の株主
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