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機械工学系リテラシー概要 - 東京工業大学 大学院理工学研究科 機械系

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機械工学系リテラシー概要 - 東京工業大学 大学院理工学研究科 機械系
機械工学系リテラシー
出展者
東京工業大学 第Ⅳ類
1年次創造性教育科目
第Ⅳ類では,1年次教育として
機械工学系の基礎科目「機械工学
系リテラシー」を実施し,これま
で高校で履修してきた科目とは異
なる「工学」の基礎を体験する.
ここでは今後,学習する機械工学
系科目の基礎に触れ,学生の好奇
心と工学への興味を向上させるこ
とを大きな目的としている.科学
者倫理教育を含む専門教育の導入
科目として,エンジニアリングセ
ンス養成の第1弾として位置づけ
ている.
目的
第Ⅳ類では,2年次より機械系学科(機械科学科,機械知能システム学科,機械宇宙学科,制御システム
工学科),国際開発工学科,経営システム工学科,社会工学科へ学科配属され,専門科目を履修します.
機械工学系リテラシーでは
機械工学系リテラシ
では,科学者倫理教育を含む専門教育の導入科目として位置づけて,専門科目の
科学者倫理教育を含む専門教育の導入科目として位置づけて 専門科目の
簡単な内容に触れることにより,エンジニアリングセンスを養うとともに,各学科で学ぶ機械工学を中心と
する工学の楽しさ奥深さを様々な実体験を通じて理解するとともに科学技術者倫理を身につけることがで
きます.内容は工学の極めて初歩的なものであり,工学を履修していない高校卒業直後の学生が工学と
は何かを触れてみる科目となっています.
日程
前期: 木曜日
後期: 火曜日
15:00 ~ 17:20
13:20 ~ 15:40
内容
第Ⅳ類所属学生 約240名を6つの班に分けて,次
の内容を全員が履修するようにローテーションを
組んで講義 実習を行います
組んで講義,実習を行います.
1. グループで考え,発表する
創造的問題解決の手法とプレゼンテーションの手
法を,ビジネスゲームを用いたグループワークを
通じて,グループワークの面白さと発表の楽しさを
実感して体験的に学びます.
2. ものの情報を伝える
5. ものを加工する
工学で扱う立体形状を把握方法,表現方法につ
いて図学教育を通して学びます.立体図を見て,
展開図を描くとともに,それを組み立ててみます.
加工の初歩的な技術・知識を習得することを目的
として,機械部品の作製に使用される工作機械,
測定器の操作を体験する.あわせて作業時の事
故・災害防止に関することについて学びます.
3 ものをあやつる
3.
6 ものを動かす
6.
簡単な電子回路工作によりジャイロ自転車を作製
して,メカトロニクスの楽しさと重要性を体験しま
す.機械工学に加えて回路設計,計測・制御工学
などの面白さの実感します.
4. ものの形を創る
3次元CADとFEMによるCAEソフトウェアを活用
3次元CADとFEMによるCAEソフトウ
アを活用
して,機械部品の形を自由に発想しつつ,その力
学特性や振動特性を考慮して機能を満足する設
計のプロセスを体験します.
ロウソクの炎のエネルギーを使って走る(ぽんぽ
ん)蒸気船の製作,競争を通してエネルギーにより
ものが動くことを理解するとともに,物理に即した
性能改善を体験します.
7. 科学技術者倫理教育
工学は密接に社会とつながっています.そのため
将来,科学者・技術者として持つべき倫理感を実
例を通してわかりやく解説されます.
立体の情報化と模型の製作
東京工業大学 第IV類
出展者
1 年次創造性教育科目
機械工学系リテラシー、「2.もの
の情報を伝える」では、 設計者と
製作者の重要なコミュニケーショ
ン手段である機械製図について、
「情報の伝え方」「情報の受け取
り方」に分けて基礎を学びます。
「情報の伝え方」では、ドラフタ
目的
を用いた製図実習を行い機械図面
の基礎を学び、「情報の受け取り
方」では基本的な作図問題、機械
図面からの形状認識、そして立体
模型を製作することで機械図面を
読み取る能力を養います。
機械製図の意義
“ もの ” を作る際には設計する人と製作する人が異なることがほとん
どです。 そのため設計者は、 自分が設計した “ もの ” の情報を製
作者が誤解しないように伝えなければいけません。 製作者は、 設計
者が伝えてきた “ もの ” の情報を設計者の意図の通りに受け取らな
ければいけません。 すなわち設計者と製作者のコミュニケーションが
重要です!本授業では機械図面の情報から紙製立体模型を製作さ
せることで機械製図全体の理解度を深める工夫をしています。
伝える
設計者
機 受け取る
械
(writing)
(reading)
図
面
製作者
授業の進め方
日程
2. 情報の受け取り方
グループ①
情報の伝え方
第1週 •機械図面の基礎
第2週 •ドラフタを用いた実習
第3週
第4週
情報の受け取り方
グループ②
与えられた三面図から展開図を作成
し、 立体模型を製作する。 展開図を作
成する際の工夫と、 できあがった作品の
美しさが重要。
情報の受け取り方
•基本的な作図問題
•機械図面からの形状認識
•課題の三次元化(紙工作)
•外形を「太線」で示します。
上面図
•破線は「かくれ線」と呼び、
見えない部分を表します。
情報の伝え方
•寸法を「細線」で示します。
•寸法の単位はmmです。
1. 情報の伝え方
定規とコンパスを中心としていろいろな形
を作図する能力を養う。
情報の伝え方 ドラフタに向って黙々と製図する
30
正面図
80
右側面図
内容
かくれ線
情報の受け取り方 課題例
情報の受け取り方 作図・工作し、美しい作品を目指す
ぽんぽん蒸気船
出展者
東京工業大学 第Ⅳ類
1年次創造性教育科目
機械系リテラシー「6.ものを動
かす」では、エネルギーと運動の
基礎について体験的に理解すること
を目的として、市販の「ぽんぽん蒸
気船」の推進原理について議論・検
討した後、船体にバルサ材、伝熱管
に銅パイプを用いた自作の蒸気船
製作を行い、タイムトライアルレ
ースを行う。効果的な加熱方法や
冷却方法、船体抵抗の低減など、
より速い船を製作するためのポイ
ントは数多く存在する。
目的
ロウソクの炎のエネルギーを使って走航する(ぽんぽん)蒸気船の製作,評価,改善,競争を通じて,
物質が燃焼することで得られる熱エネルギーが物体を動かす力学的エネルギーに変換されることを
体感します。また、動作原理に関する考察を行うこと、物理に即した工夫や性能改善を行うことで、熱
力学や流体力学の基礎部分にも実体験として触れることを目的としています。
日程
第1回:蒸気船(市販)の走航実験,走行原理・高性能化の指針検討
第2回:蒸気船の製作(エンジン部,船体)
第3回:蒸気船の製作(試運転 調整) グループ内予選
第3回:蒸気船の製作(試運転,調整),グル
プ内予選
第4回:選抜蒸気船の調整,敗者復活戦,決勝トーナメント(グループ対抗戦)
内容
蒸気船の推進メカニズムの概略
蒸気船はロウソクの炎により容器(銅管)内の水が蒸発し、その
体積膨張によりパイプ部の水が押し出されることで前進します。
噴出時
反力
加熱
膨張した蒸気はロウソクの炎から遠いパイプ部に到達すると温
度が下がり凝縮します。これにより、パイプ後端部周辺の水が
パイプ内に吸い込まれ、次の沸騰へと繋がります。
吸入時
冷却
反力
パイプに吸い込まれる水の運動量は方向が様々であるため、
先にパイプから押し出された水の運動量より小さく、結果的に
船は前進することが出来ます。
ものを加工する
出展者
東京工業大学. 第Ⅳ類
1年次創造性教育科目
機械工学系リテラシー、「5.ものを加
工する」では機械系で一般に行われ
る機械加工を実際に体験し、工作法
の基本原理、作業方法、さらに各種
計測方法を体験的に学習する.
この授業で修得した基礎技術は高
学年次の創造性教育で生み出され
る自分のアイデアを具体化する基礎
となる。
目的
機械加工の実体験を通じて工作法の基本原理を理解し、合
理的で安全な作業方法と各種計測方法を習得させる。習得し
た技術は高学年次 創造性教育 生 出された独創的な イ
た技術は高学年次の創造性教育で生み出された独創的なアイ
デアを具体化する基礎となる。
実施内容
A. ボール盤の基本作業
定盤、ハイトゲージ、Vブロッ
クなどを用いたけがきとポンチ
打ち作業とボール盤を用いた孔
開け作業を体験する。
B やすり、金のこ作業
B.
やすり 金のこ作業
スコヤで調べながら金やすり
による平面だし、直角だしを行
い、その平坦さを確認する。ま
た金のこによる鋼材の切断を体
験する。
C. 旋盤の基本作業
アルミニウム合金丸棒の段付き
加工で、寸法をh7公差(外径
22mmで許容誤差が0~-22μm以
内)に仕上げる体験をする。
D. フライス盤の基本作業
正六面体加工を行い,対面の平
行度と寸法 隣接面の直角度をよ
行度と寸法、隣接面の直角度をよ
り高い精度で加工することを試み
る。(ダイヤルゲージ、マイクロ
メータで加工精度測定)
航空機翼の構造最適設計コンテスト
出展者
東京工業大学 第Ⅳ類
1年次創造性教育科目
目的
日程
機械系リテラシー「4.ものの形を創る」では、建築物・機械の設計の歴史を概観し、
トラス構造、シェル構造などの基礎力学の重要性を認識します。そして基礎力学を
ベースに、ものの形を考えるCAD(Computer Aided Design)、シミュレーションして
ものの形を検討するCAE(Computer Aided Engineering)そしてラピッドプロトタイピ
ングを通じてCAM(Computer Aided Manufacturing)を体験しつつ設計コンテスト
を行います。
航空機機体および翼のトータル重量増加を制限し、1次共振
振動数を最大にするというコンテストを通じ、ものの形を自在に
つくるためのCAD、応力解析及び振動解析を通じ機能を検討
するCAE、ラピッドプロトタイピングを通じてCAMを体験します。
そして、構造の基礎力学の重要性とともにCAD, CAE, CAMの
連携により迅速に設計開発ができることを学びます。
第1週
第2週
第3週
第4週
ガイダンス,構造解析ソフトを使う
3次元デザインソフトを使う
課題に取り組む
課題を完成させ,コンテスト-
内容
ラピッドプロトタイピング
(3次元造形装置)
装
「CAD」で課題の形状を創り、「FEM」を用いて与えられた条件
の中で現構造の1次固有モ ド振動数 最大応力を求めます
の中で現構造の1次固有モード振動数、最大応力を求めます。
航空機翼の構造最適設計コンテスト初期モデル
ラピッドプロトタイピングで
製作したモデル
重量増加量、最大応力に制限条件を与え、1次固有モード振
動数を最大にする設計を行います
動数を最大にする設計を行います。
コンテスト作品例
設計変更した構造のCADデータをもとにラピッドプロト
タイピングで試作してみます。
有限要素法解析に
よる応力解析例
有限要素法解析に
よる振動解析例
ジャイロ自転車の速度制御
東京工業大学 第IV類
出展者
機械工学系リテラシー,「3.もの
をあやつる 」ではメカトロニクス
教育を目的として,ジャイロを搭
載した小型の自転車を作成し,こ
れに電子回路を組み込んで「ジャ
イロ自転車」を作成する.特にジ
ャイロ効果によるハンドルを切る
仕組みや、オペアンプやフォト
1年次創造性教育科目
ダイオードなどの電子部品の原理
を理解することと,これらの仕組
み,電子回路設計に関しての基礎
知識を習得する.
目的
メカトロニクスとはメカ (Mechanics)と電気(Electronics) を合体させて生まれた造語です.現在 の
社会の多くはメカトロニクス製品であり,その初期技術として「ジャイロ自転車」の作成を行 い
ます.メカとしては、自転車はアルミ材とプーリーで製作し、地球ゴマをジャイロとして取り 付
け,電気部として色の濃淡を識別してモータの回転速度を変える電子回路の作成を行います.
日程
第1回:「ジャイロ自転車」(メカ)の作成(1)
第2回:「ジャイロ自転車」(メカ)の作成(2)
第3回:速度制御用電子回路の作成
第4回:メカ部と電子回路の結合と試走
内容
1.ジャイロ効果
下図左のようにこまが回転しているとき、青
矢印のようにコマを回転させるとコマの軸が
の矢印で示される方向に回転し、右図のよう
才差運動を行なう。この原理でハンドルを切
ます。
の
赤
に
り
3.速度切り替えのための電子回路
速度切り替えのための電子回路は図4のようにな
り,これを実装した基盤は図 5のようになり ま
す.
図1 転倒しないようにハンドルを切る
2.速度切り替えの原理
図4 電子回路設計図
ジャイロ自転車に取り付けられたフォトダイ オ
ードにより自転車に取り付けられたモータの 回
転速度を切り替える.フォトダイオードとは図 2
のように発光素子から出た光が受光素子で受 け
取られれば ON,受け取られない場合は OFFにな
るもので,地面が白いとき ON,黒いとき OFFと
なります.これを用いて,図 3のように地面が 明
るい所と暗い所で速度を切り替えます。
発光素子
受光素子
off
発光素子
受光素子
on
センサー
図2 フォトトランジスタ
図3 速度の切り替え
図5 基盤への実装
4.ジャイロ自転車の完成
電子回路と自転車本体をつなげればジャイロ 自
転車の完成です.
グループで考え発表する
出展者
東京工業大学 第Ⅳ類
1年次創造性教育科目
機械工学系リテラシー.「1.
グループで考え、発表する」では
グループワークの面白さ,発表の
楽しさ,他者の意見を尊重するこ
との大切さを実感することを目的
としてパソコンショップの市場を
仮想したビジネスゲームを行う.
また、その中でグループがどのよ
うに考え、意思決定を行ったかを
発表し、その発表を講師およびTA
が採点し評価する.
目的
創造的問題解決の手法とプレゼンテーションの手法を,
グループワークを通じて
体験的に学ぶ.
グループワークの面白さ,発表の楽しさ,他者の意見を尊重する
ことの大切さを実感する.
日程
第1回 ガイダンス
(グループ分け,
ウォーミングアップ)
第2回 ビジネスゲーム前半(ブレーンストーミング,計画立案)
第3回 ビジネスゲーム後半(計画修正,発表資料作成)
第4回 発表会(成果のプレゼンテーションと質疑応答)
内容
1.LEGOブロックを用いた演習
あらかじめ決めておいた14グループ
に別れ、与えられたブロックを用いて、
見本と全く同じ模型を作り、作り終える
までの速さを競う.
2.ビジネスゲーム
7グループでひとつの仮想的な
パソコンショップ市場を構成して、
その
順位を競う.基本情報をもとに、仕入
数量、販売価格、広告費、仕入価格を
決定する。計4期行い、利益の大きさで
順位を決定する.
3.発表会
各グループが,
どのような話し合いを
もとに,
どんな作戦を立てたのか,途中の
結果を見て何か修正をしたのか,
そして
最終的に何が勝因(敗因)だったのかと
いうことを,全員の前で発表する.
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