Comments
Description
Transcript
インターネットの利用動向
第3部 情報通信の現況と政策動向 第4章 情報通信の現況 第 1 節 インターネットの利用動向 1 インターネットの利用動向 (1)インターネットの利用状況 第 章 4 ●インターネット利用者数、人口普及率の双方が前年 ント増)となった(図表 4-1-1-1)。また、個人がイ に引き続き増加 ンターネットを利用する際に使用する端末について 情報通信の現況 平成 22 年末のインターネット利用者数は、平成 は、モバイル端末での利用者が 7,878 万人(対前年 21 年末より 54 万人増加して 9,462 万人(対前年比 比 1.7%減)、パソコンからの利用者は 8,706 万人(対 0.6%増) 、人口普及率は 78.2%(前年から 0.2 ポイ 前年比 2.3%増)となった(図表 4-1-1-2) 。 インターネットの利用者数及び人口普及率の推移 図表 4-1-1-1 (万人) 10,000 9,000 7,730 8,000 64.3 5,593 6,000 72.6 66.0 73.0 9,091 75.3 2,706 3,000 1,694 1,155 9.2 90 78.0 78.2 80 60 50 46.3 4,000 9,408 9,462 70 70.8 57.8 4,708 5,000 1,000 8,529 6,942 7,000 2,000 7,948 8,754 8,811 (%) 100 40 30 37.1 20 21.4 10 13.4 0 0 平成9 10 11 12 13 14 15 利用者数 16 17 18 19 20 21 22(年末) 人口普及率 ※①平成9∼12年末までの数値は「通信白書(現情報通信白書)」から抜粋 ②インターネット利用者数(推計) は、6歳以上で、調査対象年の1年間に、 インターネットを利用したことがある者を対象として行った本調査の結果からの推計値。インターネット接続 機器については、 パソコン、携帯電話・PHS、携帯情報端末、 ゲーム機等あらゆるものを含み(当該機器を所有しているか否かは問わない。)、利用目的等についても、個人的な利用、 仕事上の利用、学校での利用等あらゆるものを含む ③平成13年末以降のインターネット利用者数は、6歳以上の推計人口(国勢調査結果及び生命表等を用いて推計) に本調査で得られた6歳以上のインターネット利用率を乗じて算出 ④調査対象年齢については、平成11年末まで15∼69歳、 平成12年末は15∼79歳、 平成13年末以降は6歳以上 (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 186 平成 23 年版 情報通信白書 インターネットの利用動向 図表 4-1-1-2 第 1節 インターネット利用端末の種類(平成 22 年末) パソコンからのみ 1,509万人【15.9%】 パソコンからの利用者 8,706万人【92.0%】 パソコン、 モバイル端末併用 6,495万人【68.6%】 モバイル端末からの利用者 7,878万人【83.3%】 73万人 【0.8%】 630万人 【6.7%】 ゲーム機・TV等からの利用者 715万人【7.6%】 ゲーム機・TV等からのみ 9万人 3万人【0.0%】 【0.1%】 モバイル端末からのみ 744万人【7.9%】 る(図表 4-1-1-3)。また、所属世帯年収別の利用率は、 ものの、年齢や年収間の格差はいまだに存在 2,000 万円以上で平成 21 年末より 12.4 ポイント増 平成 22 年末における個人の世代別インターネット 加しているなど、所属世帯年収の高い区分での利用率 利用率は、13 歳〜 49 歳までは 9 割を超えており、 が伸びており、低い区分との利用格差が存在している。 70 歳〜 79 歳では前年から 6.3 ポイント増加してい 図表 4-1-1-3 属性別インターネット利用状況 世代別 (%) 100 96.3 95.6 97.2 97.4 96.3 95.1 95.4 94.2 90 86.1 86.6 80 71.6 70.1 70 68.6 65.5 58.0 57.0 60 50 40 32.9 30 39.2 18.5 20.3 20 10 0 6∼12歳 13∼19歳 20∼29歳 30∼39歳 40∼49歳 平成21年末 90 80 60 60∼64歳 65∼69歳 70∼79歳 80歳以上 平成22年末 所属世帯年収別 (%) 100 70 50∼59歳 62.7 63.1 70.6 68.6 86.2 82.5 87.1 84.3 90.6 88.6 80.5 78.9 80.3 82.0 80.6 400∼600万円 未満 600∼800万円 未満 800∼1,000万円 1,000∼1,500万円 1,500∼2,000万円 未満 未満 未満 78.2 50 40 30 20 10 0 200万円未満 200∼400万円 未満 平成21年末 2,000万円 以上 平成22年末 (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 平成 23 年版 情報通信白書 187 情報通信の現況 ● 70 歳以上の高齢者層の利用率は前年より増加する 4 章 (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 第 ※ モバイル端末:携帯電話、PHS、 携帯情報端末(PDA) 及びタブレット型端末を指す。 第3部 情報通信の現況と政策動向 (2)ブロードバンドの利用状況 ●ブ ロードバンド利用率は約 5 割、世代別、年収別 また、所属世帯年収別の利用率は、400 万円以上 にみても多くの層で前年よりも増加 の世帯の層においていずれも平成 21 年末から伸びて 自宅のパソコンを使ってインターネットを利用 おり、特に、2,000 万円以上の層においては、15.4 する際にブロードバンド回線 を利用している人の ポイントの伸びを示している。自宅のパソコンを使っ 割合は、平成 22 年末時点で、6 歳以上人口全体の てインターネットを利用する人のブロードバンド利用 50.4%、自宅のパソコンを使ってインターネットを利 率をみると、最も低いのは所属世帯年収が最も低い 用する人の 88.6%となっている。これを個人の属性 200 万円未満の層で 61.2%、最も高いのは 800 万円 別に、平成 22 年末と平成 21 年末で比較すると、世 〜 1,000 万円未満の層で 94.0%となっている(図表 代別の利用率は、40 〜 49 歳を除きすべての世代で 4-1-1-4) 。 1 増加している。 第 章 4 属性別ブロードバンド利用状況 図表 4-1-1-4 (%) 100 世代別 情報通信の現況 91.8 92.5 88.6 90 80 50 90.2 89.9 88.4 86.3 80.8 74.0 74.2 71.1 73.8 68.8 69.0 68.1 67.8 70 60 90.7 71.7 54.2 55.5 49.3 50.4 44.0 46.3 36.2 38.0 40 30 44.5 24.2 24.8 20 13.2 8.1 10 0 6歳以上 全体 6∼12歳 2.6 3.3 13∼19歳 20∼29歳 30∼39歳 40∼49歳 50∼59歳 60∼64歳 65∼69歳 70∼79歳 80歳以上 ブロードバンド利用率 (平成21年末) ブロードバンド利用率 (平成22年末) 自宅のパソコンを使ってインターネットを利用する人のブロードバンド利用率 (平成22年末) (%) 所属世帯年収別 100 84.8 90 90.5 90.0 94.0 80 70 60 50 61.2 20 54.7 400∼600万円 未満 600∼800万円 未満 57.2 58.8 66.2 60.7 64.1 93.3 69.9 54.5 35.6 35.5 40 30 58.4 50.6 52.7 65.4 91.0 92.1 26.0 21.4 10 0 200万円未満 200∼400万円 未満 ブロードバンド利用率 (平成21年末) 800∼1,000万円 1,000∼1,500万円 1,500∼2,000万円 未満 未満 未満 2,000万円以上 ブロードバンド利用率 (平成22年末) 自宅のパソコンを使ってインターネットを利用する人のブロードバンド利用率 (平成22年末) (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 1光 回線(FTTH) 、ケーブルテレビ回線(CATV 回線)、DSL 回線、第 3 世代携帯電話回線、固定無線回線(FWA)及び BWA アクセスサービスの いずれか 188 平成 23 年版 情報通信白書 インターネットの利用動向 ●ブロードバンド契約数は年々増加しており、平成 22 第 1節 り、ブロードバンド契約数に占める FTTH の割合は 年末時点で契約数の半数以上を FTTH がしめる 57.2%となった。契約純増数の推移をみると、DSL 平成 22 年末のブロードバンド回線の契約数は、 は純減傾向が続いている一方、FTTH は一貫して純 3,459 万契約(対前年比 9.0%増)に達した(図表 増している。(図表 4-1-1-6)。また、全体に占める割 4-1-1-5) 。そのうち、DSL 契約数は 859 万契約で対 合は小さいものの、近年 BWA アクセスサービスの 前年比 15.2%減と減少傾向にある一方、FTTH 契約 契約数が急速に増加している(図表 4-1-1-7) 。 数は対前年比 14.9%増の 1,977 万契約と増加してお 図表 4-1-1-5 ブロードバンド契約数の推移 (万契約) 4,000 3,500 3,000 500 0 平成16 17 18 FTTH 19 DSL 20 CATV 1,977 1,721 1,442 1,133 793 463 243 4 1,424 1,448 1,333 1,000 1,160 1,313 859 1,013 情報通信の現況 1,500 383 357 章 2,000 1,869 3(FWA) 290 2,238 2(FWA) 325 21 FWA 22(年末) BWA 総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成 22 年度第 3 四半期(12 月末) ) 」により作成 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_01000005.html 図表 4-1-1-6 DSL と FTTH の契約純増数の推移 (万契約) 120 93.3 86.3 89.1 82.2 81.9 84.7 85.0 78.6 82.1 82.4 80 100 60 87.3 67.1 66.2 60.1 63.5 67.8 76.7 59.5 55.3 65.2 40 20 0 3.7 −2.7 −9.5 −16.0 −22.3 −21.9 −32.3 −31.1 −33.0 ー37.4 −35.0 −34.9 −36.5 −37.1 ー39.7 −42.1 ー37.1 ー39.9 −41.7 −42.2 −20 −40 −60 Ⅰ Ⅱ Ⅲ 平成18 Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ 19 Ⅲ Ⅳ 20 FTTH Ⅰ Ⅱ Ⅲ 21 Ⅳ Ⅰ 第 2,500 2,830 1(FWA) 2,574 1(FWA) 1(FWA) 3,459 53(BWA) 3,172 3,012 1(FWA)7(BWA) 1(FWA) 568 430 408 Ⅱ Ⅲ Ⅳ 22(年) DSL 総務省「電気通信サービスの加入契約数等の状況(平成 22 年 12 月末) 」により作成 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/40906.html 平成 23 年版 情報通信白書 189 第3部 情報通信の現況と政策動向 デジタル化されたケーブルテレビ施設は、テレビ BWA アクセスサービスの契約数の推移 (13 事業者の合計) 図表 4-1-1-7 ジョン放送サービスのほか、インターネット接続サー ビス及び IP 電話サービスという、いわゆるトリプル (契約) 600,000 プレイサービスを提供する地域の総合的情報通信基盤 528,853 となっている。ケーブルテレビ網を利用したインター 500,000 ネット接続サービスは、平成 21 年度末時点で 379 400,000 社が提供し、契約数は、531.4 万契約となっている(図 340,326 表 4-1-1-8) 。 300,000 216,728 200,000 152,669 100,000 0 第 章 4 6,718 8,698 平成 21年度 20年度 6月末 3月末 22,585 9月末 65,544 12月末 3月末 22年度 6月末 9月末 12月末 総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの 公表(平成 22 年度第 3 四半期(12 月末) ) 」により作成 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_01000005.html 情報通信の現況 図表 4-1-1-8 ケーブルテレビインターネット提供事業者数と契約数の推移 (事業者) 550 (万契約) 550 450 295.9 350 331.0 387.2 531.4 372 307 377 385 385 379 379 250 150 50 0 450 350 257.8 250 150 360.7 411.1 50 平成15 16 17 提供事業者数 18 19 20 21年度末 0 ケーブルインターネット契約数 ※ 平成22年3月末より、一部事業者で集計方法に変更が生じている 総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成 22 年度第 3 四半期(12 月末) ) 」により作成 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_01000005.html (3)携帯インターネットの利用状況 ●携 帯インターネット利用率は 6 歳以上全体の約 6 割を占め、高所得者の利用率が高くなっている 以上の世代においては利用率が 5 割以下であり、い まだ世代間格差が存在していることがわかる。 平成 22 年末における個人の属性別携帯インター 所属世帯年収別の利用率を見てみると、600 万円 ネット利用率(PHS を含む)について、世代別にみ 未満の世帯においては利用率が減少し、600 万円以 ると、60 歳未満の世代においては、6 〜 12 歳の世 上の世帯はいずれも利用率が増加し格差が拡大してい 代を除いて 6 割以上の利用率となっているが、60 歳 る(図表 4-1-1-9) 。 190 平成 23 年版 情報通信白書 インターネットの利用動向 属性別携帯インターネット利用状況 図表 4-1-1-9 世代別 (%) 100 90 79.5 80 90.5 89.9 87.1 85.1 84.5 75.1 82.5 66.6 69.5 70 60.5 59.9 60 46.1 50 50.0 40 25.5 30 20 38.9 36.7 20.5 17.6 21.8 6.8 6.6 10 0 第 1節 6歳以上全体 6∼12歳 13∼19歳 20∼29歳 30∼39歳 40∼49歳 50∼59歳 60∼64歳 65∼69歳 70∼79歳 80歳以上 平成21年末 平成22年末 第 4 章 所属世帯年収別 (%) 80 70 60 50 40 45.9 61.8 60.5 63.2 65.0 400∼600万円 未満 600∼800万円 未満 67.9 71.4 65.1 72.9 76.5 71.9 66.5 76.1 50.9 49.0 38.9 30 20 10 0 200万円未満 200∼400万円 未満 平成21年末 800∼1,000万円 1,000∼1,500万円 1,500∼2,000万円 未満 未満 未満 2,000万円以上 平成22年末 (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html (4)インターネットの利用目的 ●パソコンでは前年同様「電子メールの受発信」 「ブ 用が伸びたのも「電子メールの受発信」であり、前年 ログの閲覧」などの利用目的が多い一方、携帯電話 から 9.2 ポイント増となっている(図表 4-1-1-10)。 では 「動画投稿サイトの利用」 「SNS への参加」など、 一方、携帯電話からの利用は「電子メールの受発信」 新たな利用目的の傾向がでている が 52.8%と最も高くなっているが、平成 21 年末から インターネットの利用目的についてみると、パソコ 最も利用が伸びたのは「動画投稿サイトの利用」であ ンからの利用は「電子メールの受発信」が 55.6%と り、2.1 ポイント増となっている。 最も高くなっている。また、平成 21 年末から最も利 平成 23 年版 情報通信白書 191 情報通信の現況 90 第3部 情報通信の現況と政策動向 図表 4-1-1-10 インターネットの利用目的(複数回答) ■パソコン ■携帯電話 0 10 20 30 40 46.5 商品・サービスの購入・取引 (デジタルコンテンツの購入を 含み金融取引を除く) 46.9 44.3 42.5 36.8 個人のホームページ (ウェブ) ・ ブログの閲覧 地図情報提供サービス (有料・無料を問わない。乗換案内、 ルート検索サービスも含む) 34.7 30.2 23.4 23.6 動画投稿サイトの利用 第 章 17.0 14.8 インターネットオークション 情報通信の現況 13.5 11.7 電子掲示板 (BBS) ・チャットの利用 12.7 11.1 金融取引 (ネットバンキング、 ネットトレード等) 11.8 10.2 アンケート回答 10.5 8.5 クイズ・懸賞応募 8.4 8.0 オンラインゲーム (ネットゲーム) への参加 8.3 6.9 就職・転職関係 (求人情報入手、採用応募等) ソーシャルネットワーキングサービス (SNS) への参加 4.7 5.8 電子政府・電子自治体の利用 (電子申請、 電子申告、電子届出) ブログの開設・更新 ホームページ (ブログは除く) の開設・更新 通信教育の受講 (e-ラーニング) 在宅勤務 (テレワーク、 SOHO) その他 無回答 デジタルコンテンツ (音楽・音声、 映像、 ゲームソフト等) の入手・聴取 29.4 26.1 13.8 14.7 14.1 14.5 動画投稿サイトの利用 5.5 7.6 電子掲示板 (BBS) ・チャットの利用 6.5 7.3 オンラインゲーム (ネットゲーム) への参加 4.8 6.4 クイズ・懸賞応募 5.9 5.7 アンケート回答 5.3 5.7 インターネットオークション 4.9 5.6 3.0 4.8 マイクロブログの閲覧・投稿 ー 3.3 ブログの開設・更新 2.5 3.2 2.4 2.8 4.5 4.5 電子ファイルの交換・ダウンロード (P2P、 FTPなど) 2.2 2.2 4.7 4.0 ホームページ (ブログは除く) の開設・更新 2.6 3.3 0.6 0.8 4.7 6.1 10.6 17.4 1.6 1.2 電子政府・電子自治体の利用 0.2 (電子申請、 電子申告、 電子届出) 0.3 通信教育の受講 (e-ラーニング) 0.1 0.2 在宅勤務 (テレワーク、 SOHO) 0.1 0.2 その他 60(%) 16.2 16.7 個人のホームページ (ウェブ) ・ブログの閲覧 就職・転職関係 (求人情報入手、 採用応募等) 平成22年末 50 17.4 17.7 メールマガジンの受信 (有料・無料を問わない) 4.2 4.7 平成21年末 40 30.1 27.4 2.8 3.1 3.8 30 54.5 52.8 金融取引 (ネットバンキング、 ネットトレード等) ー 20 商品・サービスの購入・取引 (デジタルコンテンツの購入を 含み金融取引を除く) ソーシャルネットワーキングサービス (SNS) への参加 9.0 7.8 電子ファイルの交換・ダウンロード (P2P、 FTPなど) 10 地図情報提供サービス (有料・無料を問わない。乗換案内、 ルート検索サービスも含む) 22.2 20.0 メールマガジンの受信 (有料・無料を問わない) 55.8 0 電子メールの受発信 (メールマガジンは除く) 企業・政府等のホームページ (ウェブ) ・ブログの閲覧 25.3 23.6 デジタルコンテンツ (音楽・音声、 映像、 ゲームソフト等) の入手・聴取 マイクロブログの閲覧・投稿 60(%) 55.6 企業・政府等のホームページ (ウェブ) ・ブログの閲覧 4 50 46.4 電子メールの受発信 (メールマガジンは除く) 平成21年末 平成22年末 2.7 3.0 無回答 26.4 30.4 ※「マイクロブログの閲覧・投稿」は平成22年末に新たに調査した項目である (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 192 平成 23 年版 情報通信白書 インターネットの利用動向 第 1節 (5)インターネットによる商品・サービスの購入経験 ●ネットでの商品・サービスの購入経験は全体の約 5 取引した商品・サービスをみると、男女ともに約 4 割で、購入した商品・サービスをみると、デジタル 割がデジタルコンテンツを購入しているが、デジタル コンテンツ以外では男女で異なる傾向がある コンテンツ以外については、男性では「趣味関連品・ インターネットにより商品等の購入や金融取引をし 雑貨」(39.2%)、女性では「衣料品・アクセサリー類」 たことのある人の割合は、49.6%と平成 21 年末より (48.5%)が特に多い(図表 4-1-1-12) 。 3.7 ポイント減少している(図表 4-1-1-11) 。購入・ 図表 4-1-1-11 0 インターネットによる商品等購入・金融取引経験 10 20 30 40 50 60 70 53.3 平成21年末 80 90 100(%) 39.1 7.6 第 章 4 37.5 経験あり ※ 対象はインターネット利用者 図表 4-1-1-12 経験なし 情報通信の現況 49.6 平成22年末 12.9 無回答 (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html インターネットにより購入・取引した商品・サービス(平成 22 年末) (%) 60 48.5 50 41.9 40.7 39.3 40 30 20 10 0 34.8 37.0 32.3 25.4 24.7 39.2 36.0 17.1 33.0 22.1 18.5 26.2 25.7 26.9 24.0 21.6 20.3 20.7 20.5 27.2 22.2 27.1 22.2 16.2 16.4 8.2 パソコン関連 (デジタルコン テンツは除く) デジタル コンテンツ 書籍・ CD・ DVD等 衣料品・ アクセサリー類 食料品 全体 趣味関連品・ 各種チケット・ 雑貨 クーポン・ 商品券 男性 旅行関係 金融取引 その他 女性 ※ 対象は15歳以上の商品・サービス購入経験者及び金融取引経験者 (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 平成 23 年版 情報通信白書 193 第3部 情報通信の現況と政策動向 2 安心・安全なインターネットの利用に向けた課題 (1)インターネット利用で感じる不安や情報通信ネットワーク利用上の問題点 ●世帯では個人情報保護への懸念、企業ではセキュリ また、企業におけるインターネットや企業内 LAN ティ対策の確立が困難、といった問題点が最も高い 等の利用上の問題点についてみると、「セキュリティ 少なくとも 1 人はインターネットを利用したこと 対策の確立が困難」が 60.8%と最も多く、次いで「ウ がある世帯について、インターネットを利用して感じ イルス感染に不安」が 56.7%、 「従業員のセキュリ る不安をみると、71.6%の世帯が「個人情報の保護に ティ意識が低い」が 41.6%となっており、平成 21 年 不安がある」を挙げており、次いで、 「ウイルスの感 末と同様にセキュリティ関連が上位を占めている(図 染が心配である」が 69.6%、 「どこまでセキュリティ 表 4-1-2-2)。また、「運用・管理の人材が不足」が 対策を行えばよいか不明」が 61.9%等となっている 37.3%、 「運用・管理の費用が増大」が 33.5%等、人材、 (図表 4-1-2-1) 。 第 図表 4-1-2-1 章 4 コスト面の問題点を挙げる企業も多い。 世帯におけるインターネット利用で感じ る不安(複数回答) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 (%) 情報通信の現況 個人情報の保護に不安がある 69.9 71.6 ウイルスの感染が心配である 70.6 69.6 58.6 61.9 どこまでセキュリティ対策を 行えばよいか不明 40.4 42.4 電子的決済手段の 信頼性に不安がある 33.3 38.4 セキュリティ脅威が難解で 具体的に理解できない 32.5 29.3 違法・有害情報が 氾濫している 15.4 17.3 認証技術の信頼性に 不安がある 知的財産の保護に 不安がある 7.8 8.0 送信した電子メールが 届くかどうかわからない 6.9 6.9 その他 2.1 2.0 無回答 0.2 0.2 図表 4-1-2-2 企業におけるインターネットや企業内 LAN 等を利用する上での問題点(複数回答) 0 40 50 40.2 41.6 35.9 37.3 36.6 33.5 26.1 27.6 運用・管理の人材が不足 運用・管理の費用が増大 障害時の復旧作業が困難 導入成果の定量的把握が困難 通信料金が高い 導入成果を得ることが困難 通信速度が遅い 認証技術の信頼性に不安 電子的決済の信頼性に不安 その他 特に問題点なし (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 30 従業員の セキュリティ意識が低い 著作権等知的財産の 保護に不安 平成22年末 20 ウイルス感染に不安 無回答 平成21年末 10 セキュリティ対策の 確立が困難 60 70 (%) 57.9 60.8 56.8 56.7 15.2 12.6 16.9 12.4 7.8 9.2 9.7 7.6 6.4 4.8 5.0 4.0 3.9 3.0 2.2 2.8 4.2 4.4 1.9 3.3 平成21年末 平成22年末 (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html (2)インターネット利用に伴う被害経験 ●世帯ではパソコン、 携帯電話とも迷惑メール受信(架 経験は、「迷惑メールを受信(架空請求を除く) 」が 空請求を除く)による被害経験が最も多く、企業で 34.0%で最も多く、次いで、「コンピュータウイルス はコンピュータウイルス関係の被害経験が突出して を発見したが感染はしなかった」が 19.1%、 「コン いる ピュータウイルスに 1 度以上感染」が 9.9%となって インターネット利用に伴う過去 1 年間の被害経験 いる(図表 4-1-2-3)。また、携帯電話等での被害経 について世帯に尋ねたところ、自宅パソコンでの被害 験も、「迷惑メールを受信(架空請求を除く)」が最 194 平成 23 年版 情報通信白書 インターネットの利用動向 第 1節 も多く 29.7%、次いで、 「架空請求メールを受信」が 対しても同様に尋ねたところ、「コンピュータウイル 10.1%となっており、メールによる被害が多い傾向が スを発見したが感染はしなかった」が 31.3%、「コン あることがわかる。 ピュータウイルスを発見し、少なくとも 1 回は感染 また、情報通信ネットワークを利用している企業に した」が 16.5%となっている(図表 4-1-2-4) 。 図表 4-1-2-3 世帯におけるインターネット利用に伴う被害経験(複数回答) ■自宅のパソコン 0 10 20 30 40 50 60(%) 52.1 47.1 何らかの被害を受けた 40.1 36.7 特に被害はない 7.8 無回答 1.1 1.0 フィッシング 平成22年末 1.4 スパイウェアなどによる 個人情報の漏洩 0.9 0.7 ウェブ上(電子掲示板等) 0.6 での誹謗中傷等 0.3 その他(著作権の侵害等) 0.2 40.3 35.4 34.1 29.7 14.5 10.1 ウイルス発見したが感染なし 1.9 1.4 ウイルスに1度以上感染 1.1 0.5 フィッシング 0.5 0.3 不正アクセス 0.3 0.3 0.1 スパイウェアなどによる 個人情報の漏洩 0.2 0.2 ウェブ上(電子掲示板等) 0.2 での誹謗中傷等 0.0 その他(著作権の侵害等) 0.1 4 平成21年末 平成22年末 (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 図表 4-1-2-4 企業におけるインターネット利用に伴う 被害経験(複数回答) 0 20 40 何らかの被害を受けた 49.5 34.8 特に被害はない 無回答 60 80(%) 62.6 47.5 2.5 3.0 36.2 31.3 コンピュータウイルスを発見 したが感染しなかった コンピュータウイルスを発見し、 少なくとも1回は感染した 16.5 25.8 スパムメールの 3.5 中継利用・踏み台 1.9 不正アクセス 1.9 1.6 DoS (DDos) 攻撃 1.0 1.4 故意・過失による情報漏洩 1.3 0.8 ホームページの改ざん 0.3 0.4 平成21年末 0.9 その他の侵害 0.7 平成22年末 (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 平成 23 年版 情報通信白書 195 情報通信の現況 平成21年末 50(%) 40.2 章 不正アクセス 1.3 1.2 40 第 4.5 5.0 迷惑メールを受信(架空請求) 19.5 迷惑メールを受信(架空請求) 11.9 9.9 30 31.6 迷惑メールを受信 (架空請求を除く) 23.0 19.1 ウイルスに1度以上感染 20 32.9 無回答 34.8 34.0 ウイルス発見したが感染なし 10 何らかの被害を受けた 特に被害はない 16.3 迷惑メールを受信 (架空請求を除く) ■携帯電話 0 第3部 情報通信の現況と政策動向 (3)迷惑メール対策 ●自宅パソコンについては、迷惑メール受信頻度が携 第 章 4 ルの受信頻度は携帯電話より自宅パソコンの方が多い 帯電話より多い上、迷惑メール対策を行っていない 傾向があることがわかる(図表 4-1-2-5) 。 世帯も約 4 割に上っている また、迷惑メールへどのような対策を行ったかにつ 世帯において被害経験が多い迷惑メールについて、 いて尋ねたところ、自宅のパソコンでは、 「メール指 過去 1 年間に迷惑メール及び架空請求メールを受信 定受信拒否機能を使用」が 14.8%と最も多く、次い したことのある世帯に対して、受信の頻度を尋ねたと で「メールアドレスを複雑化」が 10.2%、「メール指 ころ、自宅パソコンでの受信は、 「1 日に 10 通以上」 定受信機能を使用」が 3.0%であった。また、携帯電 が 25.8%と最も多く、次いで「1 日に 2 〜 4 通」が 話でも、「メール指定受信拒否機能を使用」が 24.3% 20.5%、「1 日に 5 〜 9 通」が 16.6%となっており、 と最も多く、次いで「メールアドレスを複雑化」が 6 割以上が 1 日に複数の迷惑メールを受信しているこ 16.7%、 「メール指定受信機能を使用」が 9.7%であっ とがわかる。また、携帯電話での受信は、 「1 日に 10 た。一方、 「何も行っていない」のは、自宅のパソコ 通以上」が 19.2%、 「1 日に 2 〜 4 通」が 18.3%、 「1 ンで 42.9%、携帯電話で 24.1%となっており、自宅 日に 5 〜 9 通」が 11.3%と、自宅パソコンでの受信 のパソコンでは迷惑メール対策を行っていない世帯が と比較すると、 その割合は小さくなっており、 迷惑メー 4 割以上になっている(図表 4-1-2-6) 。 情報通信の現況 世帯における迷惑メール受信頻度 図表 4-1-2-5 自宅のパソコン 0 10 携帯電話 20 30 1日に10通以上 25.8 40 (%) 31.0 1日に2∼4通 7.1 7.4 1日に1通程度 3日に1通程度 1週間に1通程度 15.4 12.0 1週間に1通未満 40 (%) 平成21年末 平成22年末 1週間に1通未満 6.0 5.3 無回答 9.6 7.3 5.1 5.1 6.3 7.1 1日に1通程度 平成22年末 30 17.3 18.3 1日に2∼4通 5.7 6.5 1週間に1通程度 20 15.3 19.2 10.1 11.3 1日に5∼9通 平成21年末 3.4 5.9 3日に1通程度 10 1日に10通以上 14.2 16.6 17.2 20.5 1日に5∼9通 0 27.0 4.6 4.7 無回答 31.8 (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 世帯における迷惑メール対策(複数回答) 図表 4-1-2-6 自宅のパソコン 0 20 何も行っていない メール指定受信 拒否機能使用 48.2 23.9 平成21年末 平成22年末 11.1 メール指定受信 機能使用 アドレスを 一定期間で変更 その他 60 (%) 24.1 53.9 30.7 15.4 33.8 27.6 24.3 アドレスを複雑化 3.3 3.0 6.8 40 42.1 何も行っていない メール指定受信 拒否機能使用 12.9 10.2 2.0 1.2 20 無回答 16.4 14.8 アドレスを複雑化 0 何らかの対策を実施 42.9 15.4 無回答 その他 60 (%) 36.4 33.2 何らかの対策を実施 メール指定受信 機能使用 アドレスを 一定期間で変更 携帯電話 40 16.7 24.5 12.4 9.7 3.5 2.7 2.2 1.7 平成21年末 平成22年末 (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 196 平成 23 年版 情報通信白書 インターネットの利用動向 第 1節 (4)セキュリティ対策 ●不正アクセス禁止法違反事件(検挙件数)が減少し、 イルス対策プログラムを導入」を挙げており、次い 世帯では約 8 割、企業では約 9 割が、ぞれぞれ何 で、「サーバーにウイルス対策プログラムを導入」が らかのセキュリティ対策を実施している 62.6%、「ID、パスワードによるアクセス制御」が 平成 22 年中の不正アクセス行為の禁止等に関する 法律(以下「不正アクセス禁止法」という。 )違反事 件の検挙件数は、前年から 933 件減少の 1,601 件と なっており、前年から大幅に検挙件数が減少している (図表 4-1-2-7) 。 世帯におけるセキュリティ対策の実施状況について 53.9%等となっている(図表 4-1-2-9) 。 図表 4-1-2-7 (件) 3,000 みると、何らかのセキュリティ対策を実施している世 2,500 帯の割合は、71.3%となっており、平成 21 年末と比 2,000 較し 11.6 ポイント減少している。主な対策としては、 ファイル、HTML ファイルを不用意に開かない」が また、情報通信ネットワークを利用している企業に おけるセキュリティ対策の実施状況についてみると、 何らかのセキュリティ対策を実施している企業の割合 は 94.4%となっている。主な対策としては、80.9% 1,500 1,601 1,000 500 0 4 703 105 145 142 平成14 15 16 277 17 18 19 20 21 22 (年) 国家公安委員会・総務省・経済産業省「不正アクセス行為の発生状況 及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況」により作成 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu03_01000003.html の企業が「パソコン等の端末(OS、ソフト等)にウ 図表 4-1-2-8 世帯におけるセキュリティ対策の実施状況 (複数回答) 0 20 40 60 何らかの対策を導入 何も行っていない 無回答 10.4 10.0 6.7 18.7 80 100 (%) 82.9 71.3 52.2 46.5 36.5 知らない人からのメールや添付ファイル、 30.1 HTMLファイルを不用意に開かない 25.4 プロバイダ等が提供する 22.1 ウイルス対策サービスの利用 24.7 ファイアウォールの使用 21.6 22.4 OS、 ブラウザのアップデート 19.3 15.4 スパイウェア対策ソフトの導入 12.9 11.9 ファイル等のバックアップ 10.7 6.5 メールソフトのアップデートや変更 5.6 プロバイダ等が提供する 5.7 ファイアウォールサービスの利用 5.6 アカウントごとに 4.5 パスワードを複数使い分け 4.0 4.1 パスワードの定期的な変更 3.3 6.1 その他 4.0 ウイルス対策ソフトの導入 平成21年末 平成22年末 (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 図表 4-1-2-9 企業におけるセキュリティ対策の実施状況 (複数回答) 0 20 何らかの対策を実施 特に対応していない 2.1 40 60 80 100 (%) 96.1 94.4 2.9 無回答 1.8 2.7 パソコンなどの端末 (OS、 ソフト等) に ウイルス対策プログラムを導入 サーバにウイルス対策プログラムを導入 84.3 80.9 68.9 62.6 62.0 ID、 パスワードによるアクセス制御 53.9 57.1 ファイアウォールの設置・導入 45.4 45.6 OSへのセキュリティパッチの導入 36.6 46.7 セキュリティポリシーの策定 32.9 39.3 社員教育 29.4 39.7 アクセスログの記録 28.2 37.1 プロキシ (代理) サーバ等の利用 22.0 29.0 外部接続の際にウイルスウォールを構築 18.6 23.6 セキュリティ監査 14.6 23.7 データやネットワークの暗号化 14.4 20.5 認証技術の導入による利用者確認 12.5 18.0 ウイルス対策対応マニュアルを策定 10.1 11.9 セキュリティ管理のアウトソーシング 9.1 17.6 回線監視 8.8 ー Webアプリケーションファイアウォール 8.3 の設置・導入 平成21年末 13.4 不正侵入検知システム (IDS) ・ 不正侵入防御システム (IPS) の設置・導入 6.8 平成22年末 その他の対策 4.0 3.5 ※「Webアプリケーションファイアウォールの設置・導入」は、平成22年末からの調査 項目 (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 平成 23 年版 情報通信白書 197 情報通信の現況 30.1%等となっている(図表 4-1-2-8) 。 1,740 1,442 章 げており、次いで、 「知らない人からのメールや添付 2,534 第 46.5%の世帯が「ウイルス対策ソフトの導入」を挙 不正アクセス禁止法違反事件検挙件数 の推移 第3部 情報通信の現況と政策動向 (5)個人情報保護対策 ●個人情報保護対策を実施している世帯の割合が全体 用を控える」が 22.6%等となっており、世帯におい の 6 割弱、企業についても全体の 8 割弱となって ては、専門知識がなくても実施できる対策を講じて個 いる 人情報の保護に努めていることがわかる。また、何ら 何らかの個人情報保護対策を実施している世帯の割 かの個人情報保護対策を実施している企業の割合は、 合は、平成 21 年末から 9.6 ポイント減少して 59.7% 77.3%と平成 21 年末より 6.0 ポイント減少している となっている(図表 4-1-2-10) 。主な対策としては、 (図表 4-1-2-11) 。主な対策としては、 「社内教育の充 「掲示板等のウェブ上に個人情報を掲載しない」が最 実」が最も多く 44.4%、次いで「個人情報保護管理 も多く 39.6%、次いで、 「軽率にウェブサイトからダ 責任者の設置」が 34.6%、「プライバシーポリシーの ウンロードしない」が 32.8%、 「懸賞等のサイトの利 策定」が 27.8%等となっている。 図表 4-1-2-10 世帯における個人情報保護対策の実施 状況(複数回答) 0 20 40 60 第 章 4 情報通信の現況 無回答 7.7 37.4 32.8 26.7 22.6 懸賞等のサイトの 利用を控える 25.0 20.8 クレジットカード番号の 入力を控える 19.0 18.9 スパイウェア 対策ソフトを利用 その他 2.0 1.3 平成21年末 60 80 100 (%) 83.3 77.3 15.0 19.4 無回答 1.7 3.3 46.7 39.6 軽率にウェブサイトから ダウンロードしない 40 何らかの対策を実施 19.2 掲示板などのウェブ上に 個人情報を掲載しない 20 特に実施していない 23.0 21.1 何も行っていない 企業における個人情報保護対策の実施 状況(複数回答) 0 80 (%) 69.3 59.7 何らかの対策を実施 図表 4-1-2-11 平成22年末 52.2 44.4 社内教育の充実 47.9 34.6 個人情報保護 管理責任者の設置 35.3 27.8 プライバシー ポリシーの策定 32.9 22.0 必要な個人情報の 絞り込み システムや体制の 再構築 プライバシーマーク 制度の取得 外注先の選定要件 の強化 (プライバシー マーク取得の有無等) その他の対策 25.7 18.0 11.9 8.5 11.2 7.2 8.3 9.7 平成21年末 平成22年末 (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html (6)青少年のインターネット利用 ●フィルタリングソフト・サービスの認知・利用状況 ングソフト・サービスの認知状況をみると、「よく知っ は低調であるものの、出会い系サイトによる 18 歳 ている」「聞いたことはある」を合わせると、パソコ 未満の被害状況は前年に引き続き大幅に減少 ンでは 79.6%(前年から 3.0 ポイント減) 、携帯電話 出会い系サイトによる 18 歳未満の被害件数は、平 では、74.4%(前年から 5.4 ポイント減)となってい 成 19 年までは 1,100 件前後で横ばいであったもの る(図表 4-1-2-13) 。 の、22 年は 251 件と 20 年、21 年に続き減少してい フィルタリングソフト・サービスの世帯における る。また、被害者に占める 18 歳未満の割合は 64.0% 利用状況については、パソコンでは前年から 4.5 ポイ と、前年から 18.7 ポイント減少している(図表 4-1- ント減の 15.4%となっている一方、携帯電話では前 2-12)。 年から 20.1 ポイント減の 32.1%となっている(図表 18 歳未満の子どもがいる世帯におけるフィルタリ 4-1-2-14) 。 198 平成 23 年版 情報通信白書 インターネットの利用動向 図表 4-1-2-12 出会い系サイトによる 18 歳未満の被害 状況 (%) 100 83.7 1,200 38 83.1 84.8 39 38 85.0 82.7 80 900 1,114 1,023 1,062 714 300 0 40 3 3 450 平成17 18 19 20 20 251 携帯電話で 利用する フィルタリング サービス 600 20 40 60 80 100 (%) 平成21年末 28.1 54.5 14.6 2.8 平成22年末 27.6 52.0 15.8 4.5 46.2 17.4 2.7 60 64.0 10 フィルタリングソフト・サービスの 認知状況 0 パソコンで 利用する フィルタリング ソフト (人) 1,500 図表 4-1-2-13 第 1節 平成21年末 平成22年末 33.6 29.0 45.4 18.7 6.9 0 22(年) 21 聞いたことはある 無回答 (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 警察庁広報資料「平成 22 年中の出会い系サイト等に起因する事犯の 検挙状況について」により作成 http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h22/pdf02.pdf 図表 4-1-2-14 フィルタリングソフト・サービスの 利用状況 0 20 パソコンで 利用する フィルタリング ソフト 平成21年末 19.9 携帯電話で 利用する フィルタリング サービス 平成22年末 利用している 無回答 60 80 100 (%) 78.6 平成22年末 15.4 平成21年末 40 1.5 76.7 52.2 32.1 7.8 46.8 52.3 1.0 15.6 利用していない ※ 対象は、パソコン又は携帯電話でインターネットを利用する18歳未満の子どもが いる世帯 (出典)総務省「平成 22 年通信利用動向調査」 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 平成 23 年版 情報通信白書 199 情報通信の現況 ※ 対象は、 18歳未満の子どもがいる世帯 4 章 よく知っている 知らなかった 第 出会い系サイトを利用して犯罪被害にあった18歳未満のうち、 出会い系サイトへのアクセス手段として携帯電話を利用した被 害者数 出会い系サイトを利用して犯罪被害にあった18歳未満のうち、 出会い系サイトへのアクセス手段としてパソコンを利用した被 害者数 出会い系サイト被害者全体に占める18歳未満の割合 第3部 情報通信の現況と政策動向 3 行政情報化の推進 (1)電子政府の推進 ●国の行政機関が扱う手続のオンライン化率は減少傾 化率は 46.7%(オンライン化件数は 6,791 件)となっ 向だが、オンライン利用率については 1 年間で 5 ている(図表 4-1-3-1) 。 ポイント以上上昇 また、オンライン利用状況について、全申請・届出 国の行政機関が扱う行政手続のオンライン化状況 等手続のオンライン利用率は 39.5%(オンライン利 について、平成 21 年度における申請・届出等行政手 用件数は 180,670,085 件)となっている(図表 4-1- 続のオンライン化率は 52.5%(オンライン化件数は 3-2) 。 7,584 件) 、申請届出等以外の行政手続のオンライン 図表 4-1-3-1 第 章 4 国の行政機関が扱う手続のオンライン化 状況の推移 (%) 100 80 60 95.0 93.6 64.0 61.5 図表 4-1-3-2 情報通信の現況 年度 年間申請等 件数(件) オンライン 利用件数(件) オンライン 利用率(%) 52.5 平成21年度 457,168,585 180,670,085 39.5 46.7 平成20年度 469,611,207 159,983,207 34.1 平成19年度 768,953,875 168,602,476 21.9 91.6 62.2 40 国の行政機関が扱う申請・届出等手続の オンライン利用状況の推移 20 0 平成18 19 申請・届出等手続 対象手続 (件) 申請・届出 実施手続 (件) 等手続 オンライン化率 (%) 対象手続 (件) 申請・届出 実施手続 (件) 等以外 オンライン化率 (%) 平成18 14,149 13,448 95.0 16,111 10,312 64.0 20 21 (年度) 申請・届出等以外 19 14,014 13,116 93.6 14,967 9,201 61.5 20 14,327 13,129 91.6 14,676 9,127 62.2 21 (年度) 14,452 7,584 52.5 14,531 6,791 46.7 ※ 年間申請等件数は、 オンライン化している手続の件数 総務省報道資料 「平成 21 年度における行政手続オンライン化等の状況」により作成 http://www.e-gov.go.jp/doc/facilitate/announce.html ※ オンライン化実施手続の割合の減少については、 「オンライン利用拡大行動計 画」 (平成20年9月12日IT戦略本部決定) に基づき、 オンライン利用が極めて低 調で、今後も改善の見込みがない手続のオンライン化についてシステムの停止 等の見直しが行われたことによる 総務省報道資料 「平成 21 年度における行政手続オンライン化等の状況」により作成 http://www.e-gov.go.jp/doc/facilitate/announce.html (2)電子自治体の推進 ●地方公共団体が扱うオンライン利用促進対象手続の 利用率は昨年に引き続き上昇 地方公共団体が扱う行政手続のオンライン利用率は 平成 21 年度で 36.1%となっている(図表 4-1-3-3) 。 図表 4-1-3-3 地方公共団体が扱うオンライン利用促進 対象手続の利用状況の推移 (%) 40 35 36.1 30 25 20 27.6 17.5 23.8 平成18 19 15 10 5 0 年度 平成18 19 20 21 20 21 (年度) 年間総手続件数 (件) オンライン利用件数 (件) オンライン利用率 (%) 364,100,000 63,624,506 17.5 329,080,000 78,273,475 23.8 336,360,000 92,828,507 27.6 291,010,000 36.1 104,953,699 (371,660,000) (28.2) ※ 対象手続は、電子自治体オンライン利用促進指針において、 オンライン利用促進 対象手続に選定した手続 ※ 21年度の年間総手続件数(推計) は、当該手続を既にオンライン化している団体 に係る年間総手続件数を人口により按分して推計した数値。 ( )内は団体数によ って按分して算出した数値 総務省報道資料 「平成 21 年度における行政手続オンライン化等の状況」により作成 http://www.e-gov.go.jp/doc/facilitate/announce.html 200 平成 23 年版 情報通信白書 インターネットの利用動向 第 1節 大阪府箕面市の「Linux を活用した中古パソコン再利用」プロジェクト ●プロジェクトの概要 大阪府の北西部に位置する箕面市は、滝と紅葉に代表される関西有数の観光地であるとともに、豊かな自 然環境を持つ住宅都市である。この箕面市で進められているのが、「Linux を活用した中古パソコン再利用 プロジェクト」というユニークな取組である。 箕面市では、平成 21 年度、市立小中学校 20 校のコンピュータ実習室におけるパソコンの入れ替えに伴っ て、500 台もの中古パソコンが発生することとなった。当初、これらの中古パソコンは教職員室に配備し、 教職員用端末として活用することが予定されていた。 しかしながら、OS などの再セットアップ費用や、中古パソコンであるがゆえのパワー不足や故障の発生 といった様々な課題が浮上。その後検討を重ね、同年夏、これらを解決する打開策として、オープンソース 第 の OS である Linux を活用して中古パソコンを再利用するプロジェクトに取り組むこととなった。 4 章 このプロジェクトの大きな特徴として、 「シンクライアント」の仕組を採用したという点が挙げられる。 「シンクライアント」とは、サーバーがアプリケーションやファイルなどを管理することで、端末側は必 要最低限の機能しか持たないというものである。 担当者によれば、この仕組を活用することで、 「10 年前に導入された中古パソコンであっても、サーバー の能力によってパワー不足を補えた」 、 「劣化しやすいハードディスクを使用しないためメンテナンスの手間 を削減できた」 、 「端末それぞれにソフトウェアのセットアップ作業を行う必要が生じなかった」といったメ リットが生まれたとしている。 現在、中古パソコンを管理するサーバーとして各小中学校にノートパソコンが 2 台ずつ配置されており、 一般的な性能であるが 1 台で中古パソコン 20 台を管理し、オフィスソフト(OpenOffice.org)、ウェブ閲覧、 印刷、共有フォルダといった様々な機能を一手に提供しているという。 ●「サポーター団体」の公募 今回の取組に当たっては、テスト環境の構築には成功していたものの、実際に運用していくことは初めて のチャレンジであり、様々な課題やトラブルが発生することも想定されていた。 しかし、 「厳しい財政状況の下、課題やトラブルの対応にコストをかけることは非常に難しい状況だった」 という。そんな中で、今回のプロジェクトにボランティアで技術的にアドバイスをしてもらう「サポーター 団体」を公募するというアイデアが浮上したという。 そして平成 21 年 10 月に報道発表を行ったところ、この取組は注目を集め、応募は 42 件に達した。そ れを受けて同年 11 月に「サポーター団体」が決定され、企業 12 社と2団体がプロジェクトを支援した。 ●行政と民間のコラボレーション 実際に、システムの構築作業において様々な技術的課題に直面することになり、「サポーター団体」のア ドバイスで解決できた事例が非常に多いという。 たとえば、システムの日本語化、印刷時のトラブル対応、複数台の端末のセットアップの効率化、保守作 業に必要な遠隔操作ソフトウェアの導入など、多岐にわたる。これらが解決されなければ、「プロジェクト 自体が頓挫してしまっていた可能性すらあった」という。 このような行政と民間のコラボレーションは、これからの ICT 利活用や地方情報化の取組に一石を投じ るものではないだろうか。 平成 23 年版 情報通信白書 201 情報通信の現況 ●「シンクライアント」という仕組の活用 第3部 情報通信の現況と政策動向 ●「失敗事例」も情報公開 また、今回のプロジェクトで工夫された点の一つとして、取組のスタート時点からの徹底した情報公開が 挙げられる。 「 『OS やオフィスソフトのバージョンアップのためにパソコンの買い換えが必要となり苦慮している』と いう企業や地方自治体は多く、そのような団体の参考になれば」という思いで、成果だけでなく途中経過や 失敗事例なども含めて、担当者がブログで赤裸々に公開した。 ブログ「箕面市役所 Edubuntu 日記」1 は、1 年強の間に 30 万アクセスを超え、高い関心を集めている。 ●課題と今後 今回のプロジェクトは、平成 22 年春にシステム構築が一段落し、現在でも大きなトラブルはなく安定し て稼働しているという。一方で、利用者からは「オフィスソフトの使い勝手や互換性、フォントの少なさ」 といった利活用段階での意見や要望が多くなっているようである。 ICT は一度導入して終わりというものではなく、利活用を進めつつ、より大きな効果を生み出す仕組づく 第 章 4 りが重要である。そういった点で、箕面市の今後の取組が注目される。 図表 1 学校で設定の確認を行う市役所職員 情報通信の現況 (出典)大阪府箕面市役所資料 図表 2 システムのイメージ 学校間 LAN センター施設 校内 LAN ① ActiveDirectory サーバー 理 管 元 一 ザ ー ユ 再利用 市立小中学校 全 20 校 配 再利用 OS 配布 再利用 ネットワーク プリンタ 20 台 ※Linux 用ドライバなし S 新規購入 ②OS 配布サーバー 40 台 布 ③ノート端末 240 台 O 再利用 ④液晶一体端末 240 台 (出典)大阪府箕面市役所資料 1 参考: 「箕面市役所 Edubuntu 日記」: http://blog.goo.ne.jp/minoh_edubuntu/ 202 平成 23 年版 情報通信白書