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本文ファイル - 長崎大学 学術研究成果リポジトリ

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本文ファイル - 長崎大学 学術研究成果リポジトリ
NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE
Title
ボランティア支援事業からみた包括的キャリア支援体制構築への論
点整理
Author(s)
新井, 友梨; 馬田, 健治; 堀内, 伊吹
Citation
教育実践総合センター紀要, 14, pp.315-329; 2015
Issue Date
2015-03-20
URL
http://hdl.handle.net/10069/35585
Right
This document is downloaded at: 2017-03-28T12:54:10Z
http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp
資料
ボランティア支援事業からみた
包括的キャリア支援体制構築への論点整理
新井友梨(ボランティア活動支援やってみゅーでスク)
馬田健治(ボランティア活動支援やってみゅーでスク)
堀内伊吹(長崎大学学生委員長・教育学部芸術表現講座)
本論は、学内において、キャリア支援の充実に向け、ボランティア活動支援を含めた包括
的な体制が議論されるなか、現状の課題、そして論点をまとめるものである。
1.昨今の就職市場
社会における少子高齢化、グローパリゼーションの進行と高度知的産業化・
1
T化、あるい
は、環境への配慮や企業の社会的責任への議論の高まりなどを主要な背景として、「終身雇
用J r
年功序列J r
企業内労働組合」の三種の神器を基本構造とした日本独自の 2
0世紀型働
き方は、根本的な変革を迫られている 10 これらの構造に基づく新卒一括採用や、職務無限
定などをはじめとする人事制度では、昨今のトレンドに必要な、高度専門職など職務・役割
ベースの雇用・報酬制度、国際競争の激化に対応し得る企業内外の人材を含む様々な流動
化、あるいは女性・外国人等が垣根なく活用され、様々な価値観の下で働くことのできる多
様性の確保等に対応することができない。新たな働き方への構造的転換の最中にある。
大学においては、少子化に伴う 1
8歳人口の減少と大学進学率の向上、留学生の積極的な
受け入れなど、学生の多様化が進むなか、大学選択のポイントとして、就職率への関心も高
い。入学前後に保護者が大学に期待することとして「専門知識の教育強化」が 6
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同(文科
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.輔、理工系 6
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目、医歯薬系 7
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世)、「就職のための支援強化」が 63.0
幅(文科系
6
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略、理工系 61
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臣、医歯薬系 31
.i)首)を順に挙げている 2。その一方で、大学卒業 3年後離
職率が 3
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出3に上るなど、就職支援をめぐっては、多岐にわたる対応が迫られている。
就職活動における全国的動向としては、 1
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年7
月1日時点)が加盟する一般社団法
人日本経済団体連合会は、 2
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年卒業予定者からの就活・採用活動時期の後ろ倒しに関する
申合せ、採用直結型のインターンシップを行わない「採用選考に関する企業の倫理憲章
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年度入社以降)J
、「採用選考に関する指針 (
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年度入社以降)
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採用規制ルールを定めている。しかし、外資系や中小企業の多くは、これに含まれないほか、
圏内企業数は、 3
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6万社(大企業1.1
万社、中企業51
.0
万社、小規模事業者3
3
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.
3万社)存在
1 経済同友会 ~21 世紀の働き方ー「ワーク&ライフインテグレーション」を目指して~
2 全国大学生活協同組合連合会 ~2013 年度保護者に聞く新入生調査報告書』
厚生労働省「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」
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する九また、就職希望学生の多くが登録する日夕ナピ等に掲載し、求人を行っている企業
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、 2015
年1
月初旬時点で 1
1,
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社前後5となっており、企業全体の O
.測に過ぎない。
しかし、リクルートワークス研究所 f
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年)によると、日本
は学生が就職先を見つける手段として、民間サービス(民間の職業紹介所・就職サイトや情
報誌・合同説明会)を利用する割合が、国際比較においても突出して高い特徴を持っており
(
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.4!粉、大学のキャリアセンターや大学就職サイト、就職情報誌の果たす役割は、それほ
ど多くない (
1
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則。加えて、進路決定要因に占めるビジネス経験・インターンシップ経験
などの職業経験が占める割合が非常に低い(日本5.4%
、アメリカ 21.刻、ベトナム 2
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.側、マレーシア 2
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目、タイ 3
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、韓国23.2%,中国5
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国)九
ンドネシア 3
また、大学入学後早期に進路決定する比率が、他国に比べて著しく低いが、大学卒業までに
進路決定している比率はいずれの国よりも極めて高い。加えて、日本における進路決定に最
も影響を与える「就職活動 J (
3
5
.
7
幅要因中 l
位)において、自身の強み・セールスポイント
として、基礎カ(人間関係能力、自己統制能力、問題発見・解決能力、論理的思考力)を高
スコアで捉える一方、学び(大学名、大学での専攻、専門的知識・技術、就業経験、職業資
格
、 ITスキル)のスコアがいずれの国より低い。これらのことから「中学、高校、大学で
の学びが将来の進路イメージを喚起、誘発することに乏しく、大学後期になって始まる就職
活動によって進路を固めていく」日本の特殊性が顕著に浮かび上がることが指摘されている
。
アジアをはじめ、国際若年労働市場では、既にグローパル・ウォー・フォー・タレント
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tといわれる競争激化が進行している。グローパル人材の育成をはじ
め
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1世紀の圏内外の潮流を担う学生のためのキャリア支援にあっては、上記のような、就
職・採用活動の国際・圏内動向を踏まえた体制整備と方策が必要となる。
2
. キャリア支援についての謹論
大学生の進路選択について、本田由紀 (
2
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9
)は、「若者が自分自身と世の中の現実とをし
っかり擦り合わせ、その摩擦やぶつかり合いの中で、自分の落ち着きどころや目指す方向を
確かめながら進んでゆくこと」吃の考えを示し、こうした擦り合わせへの必要条件とし
て
、
(1)職業人・社会人としての自分自身の輪郭が暫定的にでも一定程度定まっていること
(2) 世の中の現実についてのリアルな認識や実感9
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2年 2月時点)
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7豊田義博「日本の大卒就職市場の真の課題は何か?ーアジア主要国のキャリア選択行動比較ー J (
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9 本田由紀『教育の職業的意義一若者、学校、社会をつなぐ~
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2 9年)ちくま新書
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9年)ちくま新書
の二つを挙げ、「少なくとも高校以上の教育段階においては、特定の専門領域にひとまず区
切った知識や技術の体系的な教育と、その領域およびそれを取り巻く広い社会全体の現実に
ついての具体的な知識を若者に手渡すことが、上記のような擦り合わせを可能にする J10と
提案している。
(1)について:教育課程における検討
大学教育課程の課題としては、以下の点が指摘されている。「産業構造の転換の中で、従
来の職業とそこに要求される知識技能は変質している。他方で学術的な知識を押しつけるこ
とによって、暗黙のうちに職業能力が形成されるという説明は社会に説得性を持たなくなっ
ている。積極的に大学教育が知識能力を形成すること、またそれを明示的に示すことが求め
られる。
J12
1
1
今後の雇用環境の知的高度化と流動化を鑑みた際、学生自らが知識能力の多角化や強みを
引き出すための、専門分野を越えた単位履修等、幅と柔軟性を兼ね備えた教育課程の下で、
各カリキュラムが理論と実践の両面から定着化されることで、まず大学での学びに対する相
対的な意識・実践力の向上が図られること。加えて、職業的な選択肢を擦り合わせるサービ
ス・ラーニング 13や、インターンシップ等にパスが図られ、自己認識に基づいた、職務・役
割ベースの進路選択が可能となること。入学時から卒業までの一貫的なキャリア形成が、学
生自身に理解される一定の仕組みの中で取り組まれる必要性が指摘できる。
(
2
) について:体験的学習及び就職支援からの検討
i)ボランティア活動支援
キャリア形成において、体験的学習機会を経ることは、「世の中の現実についてのリアル
な認識や実感」にも結びつく重要な要素となる。長崎大学では、学生が社会のフィールドで
様々な経験を積み、豊かなコミュニケーションカを育むため、ボランティア活動支援事業
「やってみゅーでスク」を実施している。(事務局体制:マネージャー 1名〔常勤〕・コミュ
10本田由紀『教育の職業的意義一若者、学校、杜会をつなぐ~ P
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9年)ちくま新書
11 金子元久『大学の教育カ~ P
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7年)ちくま新書
1
2金子元久 (
2007)は、知識の爆発・知識社会化・グローバル化の進む中、大学に求められる人材育成につい
て、米労働経済学者ライシュが定義する①具体的な現象からその背後にあるものを見抜く抽象化のカ②それ
に基づいて広い視野から判断を行うための体系的思考、③常に新しい試みを果敢に実験する志向④一人だけ
で思考、判断するのではなく、文化や価値観をもっ人々をも含めて共同作業を行う能力、の 4つを兼ね備え
た人材である「シンボリックアナリスト」を例に挙げ、一般の学部卒のホワイトカラー全体の能力高度化の
必要性を指摘している。 P.
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3 米国におけるサービス・ラーニングに関する連合体 c
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時四Co
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叫においては、「サービス・ラーエング
とは、地域活動をカリキュラムに組み込むことで、地域において具体的に役立ちながら、学生に現実社会に
おける学習経験を提供し、学問的な高度化を図ること。」と定義される。
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l また、圏内において、筑波大学人間学群では日本型サーピ
ス・ラー=ングとして、 「教室で学ばれた学問的な知識・技能を、地域社会の諸課題を解決するために組織
された社会的活動に生かすことを通して、市民的責任や社会的役割を感じ取ってもらうことを目的とした教
育方法」と定義している。筑波大学人間学群ホームページ記載坤:l
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ニティ・ライフ・アドバイザー 1名〔非常勤〕・スタッフ 2名〔非常勤〕・受託事業 Uーサポス
タッフ 1名〔非常勤〕計 5名
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1年(平成 2
3年)
文部科学省「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プロ
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J として、「学生が自ら育む人間関係
グラム(学生支援 G
力醸成プログラムー学生の自立的行動を大学と地域が協働
して取り組む支援ーJ採択され、学生の自主的社会活動支
援プログラム「やってみゅーでスク」事業開始。
GP事業としての取組終了
学生の自主的杜会活動支援プログラム「やってみゅーでス
ク」を、大学独自の事業として継続、現在に至る。
長崎市より「学生地域連携活動支援事業瀞学のまち deや
ってみゅーで“Uーサボ"J事業を受託。やってみゅーでス
クにおけるボランティア活動のシステムを、長崎地域の 7
大学に拡大した取組“U
ーサポ"がスタート。
本事業は主に、事業に登録を行った地域の団体より提供されるボランティアの場を、事務
局がコーディネートし、学生募集・マッチングを行うシステムである。活動を通じて学生が
積極的にキャンパスの外に出かけ、幅広い世代の社会人と交流し、現場での適応力や、ニー
ズを見つけ活動に転換する実践的な力などを磨きながら、多くの体験の中で、自らについて
の認識を深めることを目指す。現在の学生参加状況(延人数)は、下記の通りであるが、学
部・学年を間わず、学部生・大学院生・留学生まで、多様な学生が参加している。
0ボランティア参加学生数(延人数)
年度
長崎大学
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U ーサポ加盟大学
計
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学生の参加目的は様々であるが、企業が採用基準で重視する項目や、経験的要素として、
ボランティア経験がある 14。社会貢献への一助であると同時に、学生それぞれが自らの卒業
後の在り方と結びつけられるよう、コーディネートにあたっては、一定の基準の下、学生の
安全安心はもとより、学生発案による社会貢献活動の実践支援や、セミナーの実施、教育的
意義を伴ったボランティア活動の場の創出を、地域と協働で進めている。
ボランティア活動に焦点を当てたアメリカでの調査では、ボランティア活動に参加するこ
とが大学での学習、対人関係のスキル習得、地域コミュニティの一員であるという意識の萌
芽などに結びついているという結果が示された円日本の学生において、ボランティア活動
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14-採用活動・就職活動編J(
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経済同友会「企業の採用と教育に闘するアンケート調査J結果 (
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4年調査)
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4 りクルート就職みらい研究所「就職白書
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-318-
の有無によって学習にどのような変化をもたらすかといった研究は昨今始まったばかりであ
る。全国の大学生を対象としたアンケートによると、大学入学前後にボランティア活動に参
加し、かつ参加を継続している学生は、「知識・技能の習得J r
大学生活の充実感J r
将来展
望」などの項目で、そうでない学生に比べ有意にポジティブな回答を寄せた。そして、より
多くボランティア活動に参加することが知識・技能の習得に繋がることが明らかになった
1
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さらに、ボランティア活動を行っている学生は「自主学習・読書J r
友人との交流・クラ
ブやサークル活動」に多く時間を割いているとの結果があり、講義外での対人関係性や課題
遂行能力が養われていると結論づけられたにしかし、これらの結果は学生に対するアンケ
ートの結果から導かれたデータであり、学生が自身を肯定的に認識していることは確かだ
が、それが客観的な実力や成果(例:成績の向上等)として現れているかは不明である。
金子元久 (2007)が指摘しているように「大学在学時のサークル活動やボランティア活動、
あるいはアルバイトの経験が『社会に出てから役に立つ』といわれるのは、そうした活動に
おいてこそ、主体的参加と深い経験が得られ、それが実際的に社会的な基礎能力や、ひいて
は一定の自己・社会認識を定着させる効果をもっていることが暗黙のうちに了解されている
から "
J であるが、「学術的な知識と切り離されて形成されるために、論理的な発展の余地を
もたない 1
9
J ことも、現状ではひとつの事実である o
現在、ボランティア参加学生については、活動毎に、活動内容と意見・感想・要望点をア
ンケート形式にて調査し、一方、ボランティアを主催する団体については、実施後の報告書
(構成:参加学生名及び参加日時、活動内容、活動を終えての感想・意見、要望点)を必須
化し、事業改善に活用している。また、ボランティア活動について、学外に一定の実績を示
す必要のある学生については、大学より証明書を発行している。学生は、年間 200種類前後
のボランティア活動企画の中から自由に選択し、ボランティア活動に参加する。しかし、昨
今は、活動の目的や内容、ボランティアの位置付け等、学生の選択時の情報処理が鋭化し、
社会貢献への関心のみならず、学問専攻、将来展望等に応じ、現場体験やスキルアップを図
る学生も増えているロまた、留学生においても、文化体験や地域への関心、友人づくりのき
っかけにする等、それぞれの学生が、自分なりの省察の下で参加する印象を受ける場面が、
活動選択や現場での様子、感想等において少なくない。こうした結果として、事業継続のう
ちに、学生が多く参加する活動と、全く参加のない活動がはっきりと分離してきでおり、事
前説明・研修会から活動の一連の過程において、ボランティア活動に求められるものが高度
化し、教育的機会として形成されてきている。加えて、自らの専攻や専門性に基づく知識・
技術を、杜会貢献に積極的に活かしたサービス・ラーニングとして捉えられる自主的なプロ
ジェクト等、客観的な評価が可能な活動実践も少なくない(例:工学部学生による、地域の
親子向けロボット体験教室の企画・開催等)。現在のボランティア活動支援事業は、学生の
自由な参加による、自主的な研鎖の場として、多様な価値観をもっ学生エーズに対応し得る
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ボランティア活動への参加によって学生の学習がどう異なるのカ』可全国大学生調査の分析からー』
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-319ー
ものであり、現在の成呆を基に、今後より改善・刷新を図りながら、継続される意義がある
だろう。しかし一方で、ボランティア活動内容の質保証を明文化し、講義および実習を組み
合わせた科目とすることで、予てから議論のある単位化および活動が適切に評価される仕組
みについても、キャリア支援の見地から、今後検討の余地があると思われる(先行例:神戸
大学全学共通教育総合科目としての、キャリアセンターボランティア支援部門コーディネー
トによるボランティア講座の開講)。また、これに加え、長崎市が長崎市域の 7大学四と連携
し「瀞学のまち長崎」推進事業のひとつとして取り組む学生地域連携活動支援事業「瀞学の
まち deやってみゅーで“U サボ" Jの事務局として、他大学を含むボランティア活動支援
を推進するにあたっては、上記のような学生ニーズ及びキャリア形成支援の視点に基づくボ
ランティア活動支援体制の強化とともに、その実践の場となる地域との連携について、行政
と大学の一層の連携強化が図られることが不可欠である。これにより、高齢化をはじめとす
る地域における様々な課題について、行政のもつ視点や情報力・地域との対話力、大学のも
つ知識・技術と教育力、そして今後の社会を担う学生を、相互に有益なシステムのもとで連
動させることで、地域における課題解決・大学コンテンツの社会還元・体験的学習機会を、
地域活性化の視点から論理的に結びつけることができる。また、あわせて、現在両事業に登
録する地域の団体を、協力資源として学内よりレフアレンス可能にし、両者を繋ぐ仕組み・
役割を明確にすることで、サービス・ラーニングや新たな C
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P教育等の社会的実践に役立
つプラットフォームとして、大学から地域への新たなアプローチが創出される。学生がボラ
ンティアに参加して行っていることは、学生である自らと実社会との自発的且つ積極的な擦
り合わせ行動ともいえる。現状を基に、ボランティア活動支援事業をキャリア形成支援の一
部として、発展的なサイクルに組み込むことが、今後の本事業における課題のひとつであ
る。また、学生の包括的なキャリア支援という事業目標を持ち、ボランティア活動への参加
との相闘を明らかにしていくことで、今後のキャリア支援としての開発・発展も可能になる
と考える。
キャリア支援とボランティアに関する先行事例として、卒業生の専門的知識・技能を活用
し、キャリアアドバイザ一等の役割において、ボランティア募集を行う事例等が、米国大学
にて存在している。ロチェスター工科大学では、
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" といわれる制度の下、
プロフェッショナル・ネットワーク・キャリア・アドバイザー:学生をそれぞれの専
攻・専門のフィールドと繋ぎ、企業や職業分野・役割等に関する様々な情報提供や、企
業でのシャドワイングの機会を提供する
ゲスト・ブロガー:キャリアの成劫戦略や就職活動についてのアドパイス、業界やキャ
リア動向等に関する情報提供を行う同窓会ブログに、自身のキャリアを歩む中で学んだ
点やストーリーを、記事の投稿を通じて学生と共有
20長崎大学、長崎県立大学シーポノレト校、長崎総合科学大学、活水女子大学、長崎純心大学、
長崎外国語大学、長崎女子短期大学
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履歴書のレピュアー.人材に関するプロ、人事担当者等の場合
模擬面接官.卒業生および企業人事担当者
学生に向けた専門分野のトヒ。ックスや就職活動方法の提案等を専用サイトに投稿
ゲストスビーカーや、ウェピナー (
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町)スビーカー.自身の職業や、業界、専門に
ついて、クラスやグループ・学生団体・キャリア支援プログラム内に時間・場所を設
け、講演。また、就職活動や起業、キャリア管理等についてのオンラインセミナースピ
ーカーとして参加。
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nへの参加
キャリアセンターと企業の橋渡し役
等の役割を担い、活躍する卒業生ボランティアを活用している。こうした動きは、日本国内
においても、キャリア支援センターの設置・定着とともに、徐々に広がってきている。学生
が、ボランティア活動等を通して、積極的にキャンパスの外に出かけていくと同時に、こう
した卒業生や企業担当者等の協力を大学に迎え入れる、大学をめぐる人財資源を豊かにする
事業の展開が、今後の体験型学習支援の集積を活かしたキャリア支援方策のひとつと考えら
れる。
i)インターンシップ
平成 25年度、長崎大学では、長崎インターンシップ推進協議会と各学部独自のインター
ンシップ等をあわせて、 341名の学生が参加している。インターンシップ或いは α同 P教育
は、大学教育と就職とを繋ぐ基礎となる、学生の重要な職業体験機会および企業研究機会で
ある盟。現在、圏内においてインターンシップ実施・参加状況は定着する傾向にあるが、し
かし就職活動中の学生が「知りたいと,思っていた」情報のトップに、「具体的な仕事内容
(74.6
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企業が求めている具体的な能力・人物像 (
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)Jが並ぶように目、就職活動に至
るまでの準備が充分でないことがわかる。また、日本においてインターンシップが進路決定
に与える影響力は、国際的動向から見ても特に低くなっておりへ今後の展開のあり方が注
目される。 2014年 3月に発表されたリクルート調査「就職白書インターンシップ編」で
は
、 2013年度にインターンシップを実施した企業は 43.5'
匹
と
、 2012年度の 3
9
.何より 4.5ポ
イント増加。実施目的については、「住事を通じて、学生に自社を含め、業界・住事の理解
を促進させる」が最も多い結果となった汽インターンシップに参加した学生は 23.9
閣
と
、
2013年卒の 17.4%よりも 6.5ポイント増加している。企業のインターンシップの実施目的と
して「採用を意識し、学生のスキルを見極める」とした企業は 3
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固と、前回調査より 6.9
ポイント上昇していたのに対し、「内定獲得(採用直結)Jを目的とした学生は 6
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ワーキングパーソン調査特別編-)J (2012年 ) 坤J畑 町 田 k s -i
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ーンシップに参加しなかった学生において「採用選考上有利になると恩わなかった」と回答
した学生が 4
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.鍬であった280 就職則・採用側のスタンスに、違いが生じている。
インターンシップと就職の関連についての事例として、全米大学雇用者協会
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7年からの調査に
より、学生のインターンシップ(あるいは C
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)への参加と、卒業時のフルタイム就職先の
獲得、またより高いポジションへの就業配置とが、プラスの相関性を持っていることを示し
ている。このプラスの相関が、すべてのタイプのインターンシップにおいて補償されるの
か、という点については、議論の余地があるとしながらも、 2
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4年就職状況では、インター
ンシップへの参加学生 5
2
.1
%に対し、インターンシップ非参加学生 3
8.側が卒業後にフルタ
3
.珂の差が生じているへ
イムで就業しており、 1
圏内に翻って、リクルート調査においては、インターンシップを実施した企業において、
実施する際の苦労や懸念点は、「社内協力者の巻き込み」が最も多く、次いで「プログラム
の企画・設計」となっている。大学キャリアセンターから企業に向け、インターンシップの
実施メリットを具体的に示し、プログラムの設計および開発方法を提案する優れた実践例も
存在する却。インターンシップ等の職業体験については、企業が求める人材について、職業
に必要な知識能力や技術、資質等が明確にされ、リアルな企業・職業実態について、情報提
供すること。また大学においては、専門教育において学生が身につける知識・技術につい
て、学生のキャリアパスにユーティリティーの高い情報として随時取りまとめ、各学部等及
び全学のキャリア支掛目織で情報共有し、国内外の採用市場に認知可能な形で対外発信が図
られること。そして、企業と大学の双方が、現実要素を照らし合わせながら、両者のベネフ
ィットを引き出す、組織的な職業体験の場を創出し、プログラムの相互開発を行うこと。こ
うした仕組みの下で、学生自身が、現場にて自身の実力との擦り合わせを行い、目標を設定
するとともに、終了後のフォローアップを通じ、キャリア形成支援の 1ステップとして、就
職活動や進路決定に連続性をもっ実質的な職業体験機会となること、等について、今後より
検討される必要があるだろう。
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) 就職活動支援
5年度における、全国の大学卒業者の就職率は、 94.4% (
約3
8万 3千人)。大学卒
平成 2
業者全体に占める就職者の割合は、 67.5%である盟。
5年度学部卒業生の就職率は 9
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% (卒業生に占める割合は
長崎大学における平成 2
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っている 31。
長崎大学では、これまで全学的な対応として、学生支援課就職支援室(事務局体制:室
長・主任・非常勤職員各 1名計 3名)および各学部の就職支援室が、それぞれ支援を行っ
てきた。学生支援課就職支援室では、現在下記の就職サポートを行っているが、キャリア形
成支援体制や、進路未決定の卒業生・修了生等に向けた継続的な支援体制、就職動向につい
ての情報取得と分析等が、全学的な連携の在り方とともに課題となっている。
[学生向け】
-求人案内
-インターンシップ等就職関連情報、
就職関連資料の提供(掲示・閲覧・貸出)
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i就職情報総合支援システムの運営
-就職ガイダンス等の就職関連セミナーの開催
-各種企業説明会の実施
I
P:外部委託)
-就職ガイドの提供(冊子.I
-就職なんでも相談(キャリアアドバイザー、
ハローワーク職員が対応。 1人 1時間、予約制)
-情報閲覧用 PCを有するスペースの提供
-長崎大学ラウンジの提供
(東京・大阪・広島・福岡)
[企業・採用担当者向け]
-求人票受付
-学内会社説明会受付
神戸大学の事例
早期よりキャリアセンターを設置し、各学部等との機能的ネットワークを形成している神
戸大学の事例がある。センターは、学内のキャリア支援体制を、各学部・研究科や各種委員
会・センター・育英会・同窓会・大学生協等を含むネットワークの構築により連携させなが
ら、全学的な窓口として情報の一元的な発信・支援機能を担う組織となっている。また、就
職部門とともにボランティア部門を擁し、兵庫県・神戸市等機関や各種 NPO/N
ω、都市安全
研究センター等とも連携しながら、全学共通教育から課外活動まで、包括的に学生主体の社
会貢献活動支援をキャリア形成にも活かす取組みを行っている。
就職部門では、年聞をとおし、全学に向けた 300回に上るキャリア・就職ガイダンスを開
講し、 8,
000人規模の学生(保護者含)が参加する。この要は、センター長(併任)と常時
5名の事務職員で運営されるキャリアセンター事務局のもつネットワークであり、同窓会組
織や 08&∞就職先企業、大学生協組織等に広く実施委託が行われ、事務局はそのコーディネ
ートを担う。こうしたガイダンスや、学生から留学生・大学院生までを対象に、それぞれの
キャリア特性を担保しながら網羅的な情報発信を行う事業と並行し、 1年生から全学共通教
育科目として、卒業生や各種機関・企業の声を聴くキャリア支援科目が開講されている。ま
た常時 4名(登録 14名)のキャリアアドバイザーが常駐し、学生の就職嗣談・面接対策に
対応する(申込み制)。インターンシップ支援体制の充実化を図るとともに、東京オフィス
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1長崎大学就職支援室就職関係資料「平成
25年度就職状況(大学院修士・博士前期課程)
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等でもアドバイザーが常駐し、就職試験前の学生スポットとして機能化、また卒業生所属企
業のネットワーク開拓を推進している 320
3. キャリアセンター概観
上述の現状と課題を踏まえ、キャリア支援の充実に向けた包括的な体制が目指される中、
大学機能のひとつとして、キャリアセンターの設置について検討が進んでいる。
キャリア・サーピスは、教授または指導教員がその学生指導の一部として、学生の才
能を見出すとともに助言し、職業に導くことが基本であった時代を経て、 1899年、オッ
クスフォード大学にコミティー・オン・アポイントメントが設置され、アメリカでは 19
19年にイエール大学においてオフィスが開設される。この事務局は、学生に職業教育を
提供し、学期中または夏季の数ヶ月、そして卒業後の雇用をマッチングする業務を担い、
キャリアセンターの原型として、全米に普及するこ kになる 33。萌芽から 100年後、日本
においては、 1999年に立命館大学にキャリアセンターが設置され、国立大学では、 2001
年京都大学、 2004年一橋大学、 2005年東京大学、 2006年信州大学、 2007年神戸大学、山
梨大学と、以降も設置状況は拡大へそして、平成23年 4月の大学設置基準・短期大学
設置基準の改 E により、すべての大学で「キャりア教育」が義務化され、学生が卒業
する前に、社会人としての資質や能力を備えるとともに、生涯を通じた持続的な就業
力を身につけることが目標として掲げられた。国立大学86大学では、現在 39大学がキャ
リアセンターを、 28大学が課・室を設置している。
キャリアセンターの役割は、進化してきた。初期の職業斡旋型から、社会的ファクターに
応じて改修と適応を遂げ、現在の国際市場を見据えた米国におけるキャリアセンターの在り
方は、 21世紀型の働き方とも合致する、国際的な企業動向に対応するものとなっている。ま
た、圏内のグローバル人材育成は、国際人材市場と直結するものと想定されるだろう。
0米国キャリアセンターの変遷35
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(受動的)
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受動的)
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非常に能動
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就職活動
スキル開発
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附)より筆者構成
特徴的な点は、カワンセリングが中心であったキャリア支援のあり方が、教育の場とし
て、質的に変化していること。またそれに伴い、職員もカウンセラーからエデュケーター
に、役割が変化している点が挙げられる。
全米大学雇用者協会 (NACE)の 2013-2014年調査によれば、キャリアセンターの構造とし
て
、 5分の 4のキャリアサーピスオフィスが、集中型運営を行っており、回答者の半数以上
は、オフィス名称に「キャリア・サーピス」を含めている叱また、キャリア・サービス運
営の半数以上は、全学システムにおける学生支援部門に配置されている。尚、キャりアサー
688平方フィート (
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)であり、中央値は 1,
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各カレッジ等における)アドバイザー
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0集中型オフィスよりもカスタマイズされた
サービス提供
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イスを受けることができる
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雇用者から見た場合39
集中型
0費用効果
0多様な学生へのアクセス
0ワン・ストップ・ショップ
0データベース管理の簡易化
非集中型
0分野にフォーカスした求人
0個々人への配慮
0教員へのアクセス
0カリキュラムへの影響力
学生においては、各カレッジ配置型キャリアセンターを好む一方で矢雇用主の多くが、
中央オフィスを持つ大学キャリアセンターにて、採用活動を行うことを好む点が米国では指
摘されているほ治活l 、 2010 年のワ ;t ~1レ・ストリート・ジャーナルの調査では、コスト削減
のため、多くの雇用主は複数かっ小さな機関ではなく、 1つの大規模な公立大学に焦点を絞
り、より深い採用関係を形成することに努力を集中することが明らかになっている竺日本
においても、新卒採用予算は現状維持が大半を占めており、また新卒採用支援サービスの選
択に際しては、「価格」が重要な要素となっているほか、中小企業においては、採用予算規
模が小さい企業も多い“。また、新車採用における課題について、「大学止の関係を強化した
い」という企業が過半数に上っている“点から、キャリア支援体制の全学的な基盤づくり
と、窓口機能の重要性の高まりを見出すことができる。
4. 今後のキャリア支援のあり方について
キャリア支援をめぐる様々な課題と成果から、全米大学雇用者協会的A
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)では、学生に影
響力を発揮することのできるキャリア・サーピスの在り方として、学生個々が有する能力・
資質を最大限に引き出すことに重心を置き、入学時から卒業までの支援において、社会の理
想的なポストと適合させることを基本とした、下記の点をガイドライン化しているへ
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0各学生の能力や興味、価値観、性格的特性を特定し、評価し、理解することにより、職業選
択やワーク・パフォーマンスに結びついた学生自身の自己認識を発展させること。
0学生のキャリアや学習計画を修正し、就業理解を深めるため、教育的・職業的情報を取得す
ること。
0将来の教育的あるいは職業的選択肢を最大限に活かすため、個々の学生に合ったアカデミッ
ク・プログラム及び体験的な学習機会を選択すること。
O学生のキャリア決定、大学院や専門学校への進学計画、ジョブサーチ・コンピテンシーの
開発に際して、責任をもつこと。
0学生が適切な職を得るため、ジョブサーチ・スキル、志願者としての主張を効呆的に表現す
る技術開発とともに、職業及び仕事に必要とされる条件と、自身の能力や適E についての理解
を適合させておくこと。
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(学生は)学生活動や、地域ボランティア活動、学生雇用制度、研究プロジェクト、就業体
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の他の機会を通して、様々な経験を積んでおくこと。
0同窓生や雇用者、専問機関など、仕事や専門的な関心や能力を高め、アカデミックな研究と
仕事を結びつけ、将来におけるキャリアの可能性を探索する機会を提供する人物と、リンクし
ておくこと。
0キャリア開発を強化するため、テクノロジーを活用すること。
0各学生の望まれた就職機会や、彼らに適した教育的な大学院・専門プログラムへの参加を探
し求めること。
0卒業後のキャリア運営について、準備すること。
キャリア支援センターの根本的な特徴であり強みは、大学において、アカデミックな文化
と実社会の文化の 2つの文化を有することである。そのミッションは、大学における教育的
成果と学生の資質が発展的に活かされるよう、実社会へとつなぐ役目を果たすことであると
いえる。今後のキャリアセンターの役割においては、雇用の流動化、多様化に伴い、杜会・
企業に対して、インターンシップや就職・採用等すべてのプロセスにおいて、効果的・実質
的な就業体験の実践方法の提案と実現、また適切なレビューが行われ、学生の適正な雇用環
境・待遇等について、学生の人財保護と人的成長の観点から、明確なガイドラインを示す必
要性も一層高まると考えられる。
現在 3割台で推移している新規大学卒業 3年後の離職状況舗や高水準の若者層における完
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神・身体・費用ともに過多な、一部就職活動の在り方を抑制し、早期離職を防ぐ一助となる
可能性がある。また、キャリアセンターの機能的発展に際しては、学生の就職支援へのニー
ズの定期・定量的な調査が、先行研究からも今後対応の必要な課題となるだろう。
キャリア支援プロセスの全体を通じて、最大限に活かされた卒業生人財の豊かさは、大学
教育の評価を高め、プランティングに寄与し、質の高い学生確保につながるサイクルとし
て、競争的環境において、大学全体の質向上の原動力となるものである。本稿は、国内外の
就職動向・実地調査に際しての準備資料に過ぎないが、今後のキャリア支援体制構築への具
体的な議論が発展する材料となれば幸いである。
引用文献及びウェプサイト
経済同友会 W21 世紀の働き方ー「ワーク&ライフインテグレーション」を目指して~ (
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全国大学生活協同組合連合会 W2013年度保護者に聞く新入生調査報告書』
厚生労働省「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」
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