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貿易特化指数を用いた 日本の製造業の 国際競争力の推移

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貿易特化指数を用いた 日本の製造業の 国際競争力の推移
資料4
価値創造経済の実現に向けた
人材・雇用政策の方向性
1
価値創造経済の実現に向けた人材・雇用政策の方向性
①グローバル
需要への対応
'経営層(
企
業
海外
⑤
労働移動
の円滑化
'現場層(
②既存事業の
高付加価値化
/新事業転換
人材・雇用政策の主な課題(例)
①グローバル需要への対応
・求められるグローバル人材の在り方
・リーダーとなるグローバル人材の活用、育成
・高度外国人、留学生等の積極的受入
・若年者の海外での就業支援
②既存事業の高付加価値化/新事業転換
・ダイバーシティマネジメントの向上
・新事業創造人材の育成・活用
・社会的ニーズにマッチした大学教育
③新産業分野への進出
・新分野'※(に適応した人材の育成、社内教育
'※(ヘルスケア・子育て、新しいエネルギー産業、クリエイティブ産業等
人
材
国内
③新産業分野
への進出
④新規創業/
中小企業へのキャリア転換
④新規創業・中小企業へのキャリア転換
・ベンチャー企業等における経営人材の輩出
・若者と中小企業とのミスマッチ解消
⑤労働移動の円滑化
・積極的労働政策'転職支援、能力開発等(の在り方
・人材ビジネス、教育産業等
・兼業、デュアル'1人2職業(の在り方
・セカンドキャリア支援の充実
2
①グローバル需要への対応
・求められるグローバル人材の在り方
・リーダーとなるグローバル人材の活用、育成
・高度外国人、留学生等の積極的受入
・若年者の海外での就業支援
3
求められるグローバル人材の在り方
■企業がグローバル人材に求める要件として、若手には外国語を活用した「一般業務スキル」や「業
務遂行力」、中堅以上には海外拠点等での「マネジメント力」を求めている。
■また、海外進出して日が浅い企業では、生産現場を支援するグローバル人材も求められている。
■企業が必要とするグローバル人材は、企業の規模や海外進出の度合いに応じて異なるが、グ
ローバル人材の育成について、どのように考えるか。
若手社員のグローバル人材
における必要要件
0
20
40
60
80
中堅社員以上のグローバル人材
における必要要件
100[%] 0
20
40
60
80
外国語で現地とメールで
やり取りができる
一
般
業
務
ス
キ
ル
100 [%]
現場支援人材の
グローバル化事例
外国語で説明資料を作成
することができる
外国語で市場調査や財務
分析を行うことができる
外国人と外国語で商談や
中堅社員以上のグローバル人材
会議を行うことができる
における必要要件
業
務
遂
[%]
00
0 行 20
ル人材 能
力
外国人とチームを組み、
一般業務を行うことができる
40
60
80
100 [%]
外国人とチームを組み、
課題を発見し改善活動を行う
マ
ネ
能
100 [%] ジ
力メ
ン
ト
海外拠点の管理職として外国
人の部下を管理・育成する
複数の海外拠点を管理し日本
本社と連携しビジネス拡大
開ビ
発ジ
力ネ
ス
海外で現地拠点をゼロから
立ち上げビジネスをスタート
High
(n=47)
この中にはない
求めている要件
High
(n=47)
求めている要件
Middl
(n=44)
Low
(n=26)
もっとも求めている要件
Middl
(n=44)
Low
(n=26)
High
(n=47)
Middl
(n=44)
Low
(n=26)
High:売上2,000億円以上
Middle:売上300億円~2,000億円未満
Low:売上300億円未満
もっとも求めている要件
'出所:経済産業省「平成22年度グローバル経済に対応した企業人材の育成に関する調査」 (
○FA システムの製造・販売などを行う
求めている要件
企業A社は、2001年より、タイ、マレー
High
Middl
Low
シア、中国、ベトナムへ進出し現地生
(n=47)
(n=44)
(n=26)
産を行ってきた。
もっとも求めている要件
○積極的な海外展開により、商談での
High
Middl
Low
(n=47) 海外企業と交渉だけでなく、現地法
(n=44)
(n=26)
人における現地従業員へ技術指導
やサポートなどを行わなければならず、
英語を使用する機会が増えた。
○このため、従業員各自が英会話の勉
強に取組んでいるほか、今年度から
全社的に英語の定期勉強会を開催し
て、社員のスキルアップに取り組んで
いる。
4
グローバル人材の活用
■ビジネスのグローバル化が急速に進展し、国籍を問わずグローバルに活躍できる優秀な人材を獲
得しようとする動きが活発化。
■こうしたグローバル採用を本格化させていくためには、若く優秀な人材が能力を発揮して活躍でき
るよう、企業において、どのような変革を行っていくべきか。
株式会社ローソン
太陽化学株式会社'三重県(
事業内容:コンビニのフランチャイズチェーン
従業員規模:5703名'連結('2011年2月現在(
海外進出状況:中国に319店舗展開。
○ダイバーシティの推進
海外展開の要員としてではなく、新し
い発想や異なる価値観を取り入れる
ため、ダイバーシティの中に「外国
人」を明文化。外国人留学生を積極
的に採用。
○職務内容やキャリアパスの明確化
外国人留学生採用にあたり、キャリ
ア志向の高い学生が多いため、将来
のキャリアパスや採用目的を明確に
伝える。
○外国人社員の
意識の高さや新
しい発想により、
組織が活性化。
○キャリアパス
の明確化により、
優秀な外国人留
学生の獲得・定
着を目指す。
同社の主事業である機能性食品素材の
研究開発や営業活動をインド人副社長が
統括しており、新製品の開発や海外展開に
貢献。
また、同社では、外国人博士号取得者を
対象とするポスドク採用や独自の研修プロ
グラムを提供する等、外国人材の活用に取
り組む。
(財)中部産業活性化センター
の調査報告書より
生田産機工業株式会社'京都府(
・京都の中堅製造機械メーカーでは、97
年、日本の大学で工学博士号を取得の中
国人留学生が第1号外国人として入社。
・高学歴留学生は希有で、若手技術者の
先生のような存在となり、技術も向上。
営業部に所属する李さん'中国(
・中国進出では、商社を使わないで直接製
品を中国企業にPRできるようになり、現
地企業とダイレクトな関係を構築できるよ
うになり、信頼関係構築、情報収集が飛躍
的に向上。
蘇州の中国法人
・国籍に関わらず異文化を受容れる土壌
'出所:2011.6. 近畿経産局「事例に学ぶ中小企業の海外展開」(
が醸成。
5
グローバル人材の育成への取組
■我が国の大学は、グローバル化の進んでいないことが弱みとなっていたが、一部では、大学におけ
るグローバル人材育成に向けた先進的な動きが活発化。
大学名
国
1 California Institute of Technology
United States
2 Harvard University
United States
2 Stanford University
United States
4 University of Oxford
United Kingdom
5 Princeton University
United States
国際化に積極的な大学の例
6 University of Cambridge
United Kingdom
7 Massachusetts Institute of Technology
United States
8 Imperial College London
United Kingdom
9 University of Chicago
United States
10 University of California, Berkeley
United States
30 University of Tokyo
Japan
出所(THE World University Rankings 2011-2012
総合得点
94.8
93.9
93.9
93.6
92.9
92.4
92.3
90.7
90.2
89.8
74.3
教育
95.7
95.8
94.8
89.5
91.5
90.5
92.7
88.8
89.4
82.8
86.1
国際性
56
67.5
57.2
91.9
49.6
85.3
79.2
92.2
58.8
50.4
23
産業収入
97
35.9
63.8
62.1
81
55.5
94.4
93.1
-
62.5
76.6
研究
98.2
97.4
98.9
96.6
99.1
94.2
87.4
88.7
90.8
99.4
80.3
論文の影響力
99.9
99.8
99.8
97.9
100
97.3
100
93.9
99.4
99.4
69.1
※スコアの配分:教育30%、国際性7.5%、産業収入2.5%、研究30%、論文の影響力30%
グローバル人材育成に積極的な大学
東京大学における9月入学導入の検討
(2012年1月東京大学「将来の入学時期の在り方について(中間まとめ)」より)
立命館アジア太平洋大学
国際教養大学
'別府市・2000年設立(
'秋田市・2004年設立(
学生数:約5,800人
学生数:約760人
日・英の二カ国語教育'50%(
外国籍教員:35%
 世界78か国・地域から、
2554人の留学生を受入れ
'学生数5722人(
授業は全て英語'100%(
外国籍教員:54%
 26か国から172人の留学生
を受入れ'学生数820人(
 1年間の海外留学が必須
'留学条件TOEFL550点(
 卒業生はグローバル企業か
ら高い評価
1.国際的な学生の流動性の向上
2.学事歴の見直しによる教育の有効性の向上
3.ギャップタームを活用した学習体験の豊富化
4.社会へのインパクト'グローバル化促進(
★大学の教育力・研究力の強化
'広い視野、高い知性とコミュニケーション力を備えた「グローバル
人材」の育成など(
★日本の国際競争力向上と社会の発展、地球規模の課題解決への
6
寄与・貢献
'参考(外国人材の受入れ状況
■外国人材の活用状況は低水準。加えて、新たに入国する外国人材も減尐傾向。
■高度外国人材の受入・定着の促進を目的とした「ポイント制」による出入国管理制度上の優遇措置
が平成24年度早期に導入。
■今後、さらに外国人材にとって魅力ある雇用・労働環境や社会・生活環境を整備することが重要。
外国人労働者の割合の比較
就労可能な新規入国者の推移
'%(
※カナダは、2006年。その他は、2008年。
出典(OECD HPより作成
※就労を目的とする在留資格のうち「外交」、「公用」、「興行」は除く
※「その他」は、 「芸術」「宗教」「報道」「投資・経営」「法律・会計業務」「医療」の在留資格の合計
7
出典: 法務省「登録外国人統計」より作成
若年者の海外での就業支援
■諸外国においては自国の若者を海外で就労させるための支援を本格化。韓国やフランスでは、若
者に長期での海外就労・研修を行っているところ。
■我が国においても、若手人材に海外留学・就業の機会を提供することなどを通じ、海外での就労を
意識させることが重要ではないか。
【外国での取組例】
韓国の取組「グローバル青年リーダー育成事業」
背景
・雇用確保のための事業拡大・海外展開の重
要性増大、未就業の若者の増加。
目的
・若者の能力向上と、自国企業の海外展開へ
の支援。
実施主体 韓国産業人力公団 他'2009年から実施(
制度概要 ・目標:09~13年の5年間で5万人。
・スキームは主に下記の2パターン。
「海外就業斡旋」:海外での長期就業の斡旋
「海外就業研修」:2~3年間の海外就業研修
対象者
参加人数
派遣先
成果
・未就業の29歳以下の若者。
・海外就業数、約1,600人。うち、「海外就業研
修」約1,200人、「海外就業斡旋」約400人。
'2009年(
・中国、日本、米国、UAE、豪州、カタール、カ
ナダ 他。
・「海外就業研修」修了者の約65%が帰国後
に就業。
若者向け海外インターンシップ
○学生・若手社会人を対象に、インフラ輸出等
において今後有望な市場である新興国の現
地ローカル企業及び日本法人等へ2週間~
6ヶ月程度派遣。
○グローバルビジネスの現場を体験させること
により、海外への関心・海外で働くために必
要な能力・スキルアップへの意欲を喚起する。
事業イメージ図 ※平成24年より実施予定
若手
社会人
学生
申
し
込
み
マ
ッ
チ
ン
グ
事
前
研
修
現地ローカル企業
在外日本法人等
インターンシップ
事
後
研
修
成
果
発
表
8
②既存事業の高付加価値化/新事業転換
・ダイバーシティマネジメントの向上
・新事業創造人材の育成・活用
・社会的ニーズにマッチした大学教育
9
ダイバーシティマネジメントの向上
■多様化した市場で高付加価値化を目指すには、多様な人材の能力を最大限活用することが不
可欠。企業のパフォーマンスにつなげるためには、多様な人材を適切に人事管理する「ダイバー
シティマネジメント」が重要ではないか。
<多様化した市場>
ダイバーシティを高めた組織
<属性的な多様性>
○国籍、人種、民族
○性別
○年代 等
<背景的な多様性>
○働き方'職務・勤務地限定型正社員制度 等(
○採用'中途採用、通年採用 等( 等
・多様な価値観、能力の融合によるイノベーション → 価値創造
・リスク管理能力'ガバナンス(・変化への適応能力'柔軟性(の向上
10
外国人材の幹部登用
■外国人材を幹部候補として採用している企業は、好調な業績となっている。
■採用企業における外国人材への評価としては、外国人幹部候補の本人の高いスキルやネット
ワークのみならず、「周囲の人材への好影響」についても高く評価されている。
外国人幹部候補の採用状況
0
20
利益増加企業
(n=79)
利益横ばい企業
(n=53)
利益減少企業
(n=73)
40
46.8
60
80
外国人幹部候補の採用による効果
0
10
20
100'%(
優秀な人材故、
業績に好影響
53.2
30
35.1
60.4
広いネットワークの活用
海外業務が拡大
37.0
(幹部候補として外国人の採用を)実施
外国人幹部候補
の採用方針
'%(
27.4
周囲の人材への好影響
39.6
40
25.8
63.0
実施無し
特段効果はない
7.1
'n=253(
採用を縮小し
ていく
(今後外国人
3.5
幹部候補を)
積極的に採
用していく,
36.6
現状程度採
用していく
59.9
'n=257(
出典:平成22年度中小企業支援調査
11
経営戦略としての女性の活躍推進
多様な市場ニーズへの対応
・グローバル市場のメインプレーヤーである女性顧客※のニーズに応じ
た商品開発、販売戦略
※我が国の家庭の「日常的な買物」における妻の意思決定割合は約74%。
'内閣府「男女の消費・貯蓄等の生活意識に関する調査」'2010年(
※世界では、家計の支出の約64%を妻が決定
'BCGの12000人超の女性に対するグローバル調査'2008年((
グローバル展開する企
業にとって、SRI'社会
的責任投資(を通じた長
期・安定的な資金調達
※「多様性」も投資判断要因
ダイバーシティ・
マネジメント
・多様な人材をフル活用し、企業のパ
フォーマンスにつなげるための人事
管理'個別化された成果主義(
・経済のグローバル化に伴い、その必
要性が高まる。
リスク管理能力
'ガバナンス(や変化
に対する適応能力
'柔軟性(の向上
「女性役員が1人以上いる企業
は、能力の範囲拡大やガバナン
ス強化等により破綻確率を20%
減らせる。」
'2008年英リーズ大 Credit Management
Research Centre による17,000社を対象とし
た調査結果に基づく(
・女性の活躍推進はそのイントロダク
ション'試金石(
子育て支援
'保育サービスの
拡充(
ワーク・ライフ・バ
ランスのための職
場環境整備
優秀な人材の
確保
'人材活用の母集
団を広げる(
12
女性の活躍推進による経営効果
ダイバーシティ推進の考え方
女性の活躍を中心とするダイバーシティ推進を、単なる「福利厚生」「CSR」の一環ではなく、「競争
優位を築くための“人材活用”戦略」として、トップのコミットメントの下、全社的に取り組むことに
より、企業収益の向上につながるのではないか。
ダイバーシティ推進の経営効果
プロセス
イノベーション
外からの
評価の向上
職場内の
効果
○車の購買決定権の6割を占める女性ニーズ
を設計に反映させるため、女性の魅力創出グ
ループが開発工程に参画し、継続的プロダク
トイノベーションを実現【日産】
○長時間労働者を業績優秀者から除外
する等により、「時間生産性」を重視す
る組織風土に変革'その結果、労働時
間を11%強削減(【リクルート】
○自らの保有能力を活かせ
ることで、女性社員のモチ
ベーション向上'その結
果、女性の平均勤続年数
も伸張(【天彦産業】
○女性による商品開発チームがエステ・美容、
女性専用住宅ローン等、「女性向けローン」を
開発【大垣共立銀行】
○補助的業務を担当していた女性社員
の能力を活かし、海外向けウェブ販売
事業を立ち上げ、海外売上高の増加に
貢献【天彦産業】
○女性活用を含め従業員の
働きがいを向上させる企
業として認知度が向上し、
新卒応募者が急増'7~8年
前20名→現在2000名(
【天彦産業】
プロダクト
イノベーション
○ 「ナチュラルローソン」の「ヘルス&ビュー
ティー」のコンセプトに合わせて女性の視点か
ら開発したヘルシー弁当がヒット【ローソン】
女性の商品開発担当者による女性向けお弁当
○女性のセンスを活かし新色に「サクラ」
と命名したマーケティング戦略が成功し
販売台数増加 【日産】
マーチ以外の人気車種セレナでも、女性が発
案した「オーロラモーヴ」という色名を採用。
○「女性の採用に積極的な
企業」としてイメージ向上
【ローソン】
○管理職・出張所長への女
性登用が、ロールモデル
となり、女性行員のモチ
ベーションが向上【大垣共
立銀行】
○地域に密着した顧客志向
の徹底の一環として、女性
ならではのきめ細やかな
接客により、顧客満足度
が向上。'「日経金融機関
ランキング」顧客満足度部
門'中部圏(で8年連続1
位(【大垣共立銀行】
○工場事務室に女性総合
職を配置したことで、女性
技術者が従来参画できな
かった業務に従事できるよ
うになり、モチベーションが
向上【帝人】
早稲田大学大学院商学研究科教授 谷口真美氏 監修 13
女性の活躍推進と企業業績の関係
■女性の活躍推進が進む企業ほど経営指標が良く、株式市場での評価も高まる。
・世界では、女性役員比率が高い企業の方が、ROE、ROS、ROICなどの経営指標が良い傾向。
・日本でも、女性の活躍推進に取り組んでいる企業'均等推進企業表彰企業(は、株式パフォーマ
ンスがTOPIX平均を上回る水準で安定して上昇する傾向がみられる。
均等推進企業表彰銘柄の
対TOPIX超過累積リターン'平均値(
企業の業績と女性役員の比率
'%(
16
14
%
+53%
+42%
12
+42%
42%
10
8
%
0
ROE
WBD
13.9% 13.7%
9.1% +66%
9.7%
4
2
9.7%
+66%
+66%
6
13.9%
13.7%
9.7%
13.7%
4.7%
4.7%
ROE ROS
'株主資本利用率(
7.7%
4.7%
7.7%
7.7%
ROS ROIC
'売上高利益率(
ROIC
'投下資本利益率(
ROS第4四分位WBD
ROIC
第1四分位WBD 第1四分位WBD
第4四分位WBD
第4四分位企業グループ:女性役員比率の低い、下位1/4企業グループ'
129社(
第1四分位WBD
第1四分位企業グループ:女性役員比率の高い、上位1/4企業グループ '132社(
'注(ROE、ROS、ROICデータは、2001~2004年の平均値。役員数は2001年及び2003
年。「フォーチュン500」企業'520社(を対象。
'注(厚生労働省'「均等・両立推進企業表彰'うち、均等推進企業部門及び均等・両立推進企業表彰。平成
18年度までは均等推進企業表彰。(」の受賞企業'表彰月の月末に上場していた152企業((及び東証
データをもとに作成。
'出所(Catalyst 「The Bottom Line : Corporate Performance and Women’s Representation
on Boards」'2007(
※Catalyst は、女性と企業分野における米国を拠点とした代表的なNPO。
'出所(大和証券キャピタル・マーケッツ'株(金融証券研究所「クオンツ情報」2011 年6
月14 日(
14
ワークライフバランスと企業業績の関係
■ワークライフバランス'WLB(に対する取組と、企業の業績は相関関係が見られる。
・育児介護支援や柔軟な職場環境推進に取り組む企業は、何もしない企業に比べ、粗利益率が
2倍以上高い。
・人材活用の観点からの積極的なWLB推進の取組は、企業の全要素生産性'TFP(向上に寄与
する傾向。
WLBに対する取組と粗利益率の関連
'「何もしない型」の粗利益率を1とした場合(
3
2.277
2.5
WLBに対する取組とTFPの関連
2.54
2
1.5
1
1
0.5
0
ほとんど何もしない型
全般的WLB支援型
育児介護支援成功型
○『育児介護支援成功型』=「育児介護支援」が生産性にどう影響を与えたかについ
て、人事担当者の評価により『成功型』『無影響型』『失敗型』に分類。『成功型』は、人
材活用のために取り組むという意識が高く、推進本部の設置等積極的な取組を行う
企業が多い。
○『全般的WLB推進型』=「法を超える育児介護支援」と「雇用者が柔軟に働ける制度」
のどちらも取組度合いの高い企業
○『ほとんど何もしない型』=どちらも取組度合いの低い企業
※『仕事と生活に関する国際比較調査』 '2009年経済産業研究所(の日本企業データの分析結
果の一部を用いて作成
'出典(RIETI BBL '2011年12月21日( 「企業のパフォーマンスとWLBや女性の人材活用との
関係: RIETIの企業調査から見えてきたこと」山口一男シカゴ大学教授、RIETI客員研究員。
原典:山本勲・松浦寿幸'2011(RIETI-DP.山本氏提供。
15
女性活用の国際比較
■管理的職業従事者に占める女性割合は、欧米では3割強となっているが、日本と韓国は1割前後
と低い水準。
■欧州では、企業役員についてクォーター制を導入する国も増え、管理職に占める女性割合も高い。
■韓国についても、ポジティブアクションの導入により、対象企業においては、女性管理職比率が
約1%ポイント/年のペースで上昇。
管理的職業従事者に占める女性割合
諸外国におけるポジティブアクションの取組事例
■韓国における「積極的雇用改善措置」'2006年~(
・常時勤労者が500人以上の企業と公共機関に、男女
別の雇用者数と女性管理職比率の提出を義務付
け、規模別、産業別に平均値を算定。各産業平均値
の60%に満たない企業に対して改善計画を策定し、
履行するよう指導。
・2008年の男女雇用平等法の改正により、常時勤労
者が「1,000人以上」から「500人以上」の企業と公共
機関に対象が拡大。
■オーストラリアの職場における女性への機会均等法
'1999年~(
'備考(1.日本は総務省「労働力調査」'平成 22 年(、その他の国は ILO「LABORSTA」より作成。
2.日本は 2010 年、その他の国は 2008 年のデータ。3.管理的職業従事者の定義は国によって異なる。
'出所(男女共同参画会議基本問題・影響調査専門調査会「政治分野、行政分野、雇用分野
及び科学技術・学術分野におけるポジティブ・アクションの推進方策について'中間報告(」
'H23年7月(
100人以上のスタッフのいる全ての非政府機関に
対し、男女別の雇用者比率や管理者比率、改善のた
めに行った措置やその効果について、報告及び公開
することを義務付け。'正当な理由があれば不開示に
することも可。(
16
ダイバーシティとSRI'社会的責任投資(について
■欧州では、ステークホルダー'労組(の意向を受けた年金基金がSRIに積極的。金融危機後、投
資リスク軽減のため、SRIへの関心が高まっている。
■SRI格付けにおいてダイバーシティへの取組も評価の対象となっているインデックスも出てきて
おり、グローバルに長期・安定的な資金調達を行う上でも積極的な取組が重要ではないか。
○SRIインデックス型投資
○SRI市場規模の国際比較
'Dow Jones Sustainability Assessment Criteria(
日本
欧州
米国
'2009年(
'2009年12
月末(
'2010年初(
SRI市場
規模
約7000億
円
約559兆円
約258兆円
市場シェア
約0.2%
約39%
約12%
※総資産運用
額に対する割
合
'出所(European SRI Study2010,Report on Socially
Responsible Investing Trends in the United States,
三菱UFJ信託銀行「責任投資セミナー2010」を基に
作成
欧州の約0.13%
米国の約0.27%
Dimension
'分野(
Criteria
'評価項目(
Economic
Corporate Governance ←含 Diversity -Gender
Risk&Crisis Management
Codes of Conduct/Compliance/Corruption&Bribery
Industry Specific Criteria
Environment
Environmental Reporting
Industry Specific Criteria
Social
Human Capital Deveropment
Talent Attraction&Retention ←含employee satisfaction
Labor Practice Indicators
Corporate Citizenship and Philanthropy
Social Reporting
Industry Specific
'出所(Guide to Dow Jones
Sustainability World Indexes
17
女性の活躍推進に向けた取組の方向性
企業の競争力確保のための
人材活用戦略
我が国経済、社会保障の
持続可能性
女性就労の「量的拡大」
・女性の就業継続支援
<
育児支援サービスの充実
職場におけるワークライフバランス
・雇用形態に中立的な税制、社会保障制度
・柔軟な雇用システムによる労働市場へ
の再参入の促進
女性就労の「質の向上」
活躍する女性のす
そ野を広げる
シナジー
相乗効果
・キャリアアップの
ロールモデルの
提供
・WLBの推進
・ダイバーシティ推進の取組支援'ベスト
プラクティスの発信による経営層の意
識改革(
・フルタイム=正規/パート=非正規の
二極構造から、「多様で柔軟な働き方'
短時間正社員等(」を可能とする雇用
システムへ。
・各企業の取組を比較可能な形での「見
える化」
・女子学生向けキャリア教育の充実
両者をバランスよく進めることが重要ではないか
18
「多様な社員」の活用
■正規・非正規の二極化が指摘される中、非正規の正社員転換制度や職務・勤務地限定型正社員
制度の導入・活用を積極的に進めている企業は多数。
■こうした取組は、やむを得ず非正規となった人の再挑戦の機会の提供などの働く側のメリットとも
に、企業側にとっても、非正規社員の定着率の向上や顧客サービスの質の担保など、競争力強
化につながるのではないか。
ユニクロの取組例
課題
対応
効果
・優秀な人材を長期的に囲い込み、店舗の安定的な運営に貢献し
てもらいたいが、時給制という働き方をあえて望む社員が意外に
多い。
・正社員は1~2年に1回の頻度で全国に転勤があり得るため、実
力がありながら正社員になれない・なりたくない人も多かった。
・準社員'有期契約労働者(の中で、長期に安定して地域に根ざし
た働き方を望む人を対象に、地域限定勤務で正社員になれる制
度を導入'転居を伴う異動はなく、通勤1~1.5時間以内での異
動まで(。
・地域限定社員と準社員に求める役割は変わらず、同じ役割を時
給でするか、月給でするかの相違のみ。
・準社員にはシニアを除き賞与はないが、地域限定正社員には年
二回、正社員同様の賞与を支給。
・優秀な人材の流出に歯
止めがかかり、費用対
効果は充分に見合うも
のとなった。
・顧客サービスの質の維
持が可能。
'出典((独)労働政策研究・研修機構
「Business Labor Trend 2007.6」
リンガーハットの取組例
課題
・有期契約社員を活用した効率的な店舗運営に努めたところ、サー
ビスの質の低下やスタッフの離職率の増大等の問題が発生。
対応
・有期契約社員から正社員への積極的登用を実施。地域内限定勤
務の「エリア正社員」と全国転居転勤可の「ナショナル正社員」の
2コースを設けた。
・2コースを設けたのは、有期契約社員の中には、自宅から徒歩・
自転車で通勤できることを望む労働者'地元の主婦や母子家庭
の母等(もおり、多様な人材を活用したいという意図から。
・エリア社員になると賞与が支給され、退職金制度もある。
効果
・地元の主婦等が貴重な再チャレンジの機会と捉え、やる気を発揮
知り尽くした地域・顧客情報をもとにしたユニークな営業活動を展
開するなど、評価は期待以上。
面
接
等
選
考
合格
'出典((独)労働政策研究・研修機構「Business Labor Trend 2010.7」
19
新事業創造人材の活用
■我が国企業の8割は現在の新事業創造に満足しておらず、その要因として、技術革新以上に、
マーケットニーズに基づいた製品開発や、ビジネスモデルそのものを組み立てることが出来ないと
考えている。
■我が国企業が世界に展開する新事業を作り上げるためには、これまでの技術革新に加えて、
ユーザー起点のイノベーションを牽引する人材の意図的な育成・活用が必要ではないか。
我が国企業のほとんどが、自社の新事業創造に満足しておらず、その要
因を技術革新に加えて、マーケットのニーズが把握できないこと、ビジネス
モデルが組み立てられないことと述べている。
問7. 現在の新事業創造の状況の満足度 [SA] N=330
0%
10%
20%
30%
40%
7割以上の企業が、新事業創造を牽引する人材の育成・開発を将来的には
行いたいと思っているが、現状に満足できていない。
問25. 新事業創造を牽引する人材」の意識的な育成・開発 [SA] N=330
50%
60%
0%
満足している
どちらかと言えば満足している
N=64
19.4%
どちらかと言えば満足していない
N=182
55.2%
満足していない
無回答
20%
40%
60%
N=6
1.8%
N=76
23.0%
N=2
0.6%
「新事業創造を牽引する人材」の育成・開発を行っており、効果
が上がっている
「新事業創造を牽引する人材」の育成・開発を行っているが、期
待された効果は上がっていない
わからない、該当しない
無回答
N=68
20.6%
現在は、「新事業創造を牽引する人材」の育成・開発を行ってい
ないが、将来的には行いたいと考えている
現在、「新事業創造を牽引する人材」の育成・開発を行っておら
ず、将来的にも行う意志はない
N=22
6.7%
53.6%
3.3%
13.6%
2.1%
N=177
N=11
N=45
N=7
問8. 問7で、「どちらかと言えば満足していない」または、「満足していない」を選択した方に
お伺いいたします。新事業が満足に創造できない要因について、以下の選択肢から該当
するものを最大3つまでお選びください。'○は最大3つまで( [MA] N=258
0%
20%
技術革新が起こせていない
開発した技術の活かし方がわからない
40%
N=15
5.8%
53.5%
ビジネスモデルを組み立てることができていない
80%
N=77
29.8%
マーケットのニーズに基づいた製品・サービスの開
発ができていない
60%
63.6%
N=138
N=164
11.6%
N=30
わからない、該当しない
4.3%
N=11
無回答
1.9%
N=5
その他
出所(「新事業創造と人材の育成・活用に関するアンケート調査」
•実施期間: 平成23年12月14日~平成24年1月13日回収分まで集計
•送 付 数: 2,451社'集計数330社(
•送付対象: 東証、大証、名証一部・二部上場企業代表者、
日本経済団体連合及び経済同友会会員企業'一部(代表者 20
生活者起点のイノベーション人材の育成
■国内外の高等教育機関において、「デザイン思考」をキーワードとしたイノベーション教育が生ま
れ始めており、我が国においても、産業界との協働の下、新しい事業を創造する人材の育成を強
化することが重要ではないか。
東京大学 i-school
フィンランド Aalto大学
【教育内容・手法】
○2009年秋、画期的なイノベーションの創出を目的に設
立。全学から優秀な学生を選抜し、「デザイン思考」を
キーワードにして、イノベーション創出の考え方やその技
法を、ワークショップ形式で教育。
○学生はチームを組み、テーマ毎に革新的アイデアを作り
上げる'テーマ例:「新聞の未来を作る」、「未来の農業」
等(。講師は、国内外のトップデザインチーム、海外のビ
ジネススクール教授などが担当。
スタンフォード大学 d.school
【概要】
○ドイツのソフトウェア企業であるSAPの共同設立者、Hasso Plattnerが、3,500
万USドルを寄付し、2005年にIDEO創設者兼CEO(当時)であり、スタンフォード
大学教授のDavid Kelleyがディレクターとなって設立。
○ビジネス、テクノロジー、人間の願望を融合させ、事業をデザインできる人材の
育成のため、デザイン思考を学び、実践するための場を提供。スタンフォード大
の各学部/大学院の学生がデザイン思考をここで学び、それぞれの分野で活か
してもらうことを目的としており、直接の所属はしない。
【教育内容・手法】
○デザインシンキングを学ぶための実践型の授業と、プ
ロトタイピングが行える「場」も設定。さらに、企業やVC
などが資金を低利融資するための仕組やビジネスコン
テストも用意されている。
【ケース】
○授業の一環として、学生が、ミャンマーで人々の生活を観察。「明かり」を灯油
によるランタンに頼っていたことから、電力網不要の照明としてLEDに着目。
○帰国後、デザイン、ビジネスプランを検討。コンテストで25万ドルの賞金を獲
得。これを元手に2007年6月に会社を設立。複数の投資家からも投資を受け、
現在までにアフリカ・アジアで数千個を製造。
【教育内容】
○学士課程では、ビジネス、デザイン、テクノロ
ジーのいずれかの分野について研究し、それぞ
れの分野の専門性を高める。
○その後の修士課程では学士課程で研究した分
野とは別の分野について研究を行い、ビジネ
ス、デザイン、テクノロジーを横断的に扱えるよう
に教育される。この際、修士課程では、一つのカ
リキュラムを専門分野の異なる教授2名が担当
し分野横断的な考え方や手法を養っている。 ▲Aalto大学のカリキュラムイメージ
○実際に、学士と修士課程で研究分野が異なる
人材が9割以上。学士課程の専門分野を修士で
も引き続き研究する人は全体の1割程度。
【インキュベーション支援】
○学生及びOBに対するビジネス立ち
上げ支援を政府系イノベーション支
援機関'政府組織(であるTekesと資
金提供面で連携して実施。
○単に実ビジネス化したものだけでな
く、ビジネスプランの各段階に対して
資金面の支援として知的財産保護
資金が用意されている。
四角内の数値は、2011年のケース数'推計(。
21
中間層の育成~社会的ニーズにマッチした大学教育~
■中間層の教育手法として、米国等においては、キャンパスでの学習と就業体験をサンドウィッチ方
式で組み合わせた産学協働教育'コーオプ教育(を実施しており、産業界が積極的に大学教育に
貢献。
■我が国においても、産業界との協働により人材育成を実施する大学が見られ始めているが、全国
的な広がりには繋がっていない。社会的ニーズを踏まえ、学生の人間力を高める教育モデルを全
国的に浸透させていくことが重要ではないか。
米国ドレクセル大学での取組例
○米国内では、コーオプ教育に携わっている企業等は約
1,500以上。 現在、米国28州、海外38ヶ国で、年
間4,500人の学生が参加。
○就業体験とキャンパスでの学習双方を組み合わせた
コーオプ教育を米国最大級に実施。約98%以上のコー
オプ教育を受けている学部学生が卒業直後に就職'20
10年(
'大学4年コースの場合(
'出所(ドレクセル大学'2011(「Drexel University and Career Services」
京都産業大学での取組例
○京都産業大学では、地域の10程度の企業と協働で、企業の若
手人材と学生がチームを組み、企業の課題解決に取り組む授業
'「企業人と学生のハイブリッド」(を本年度から開始。
金沢工業大学での取組例
○学生教育に重点を置いた大学改革により、入学時と卒業時の学
生の人間力の差である「教育付加価値」日本一を目指す。
○人間力を高めるために、①自立・自律、②リーダーシップ、③コ
ミュニケーション能力、④プレゼン力・論理力、⑤連携力を強化。
○チーム単位でのプロジェクト活動を重視。課外活動の『夢考房』
では、学生が自らプロジェクトを提案し、メンバーを集め、大学か
ら予算を獲得してプロジェクトを実施。
○学生を企業に3~6ヶ月派遣し、そこで得た問題意識を修士課程
で研究する「コーポレーティブエデュケーションシステム」を導入。
○過去5年の平均就職率95%強。就職者の半数は上場企業もし
くは中堅・大企業に就職。
22
③新事業分野への進出
・新分野'※(に適応した人材の育成
'※(ヘルスケア・子育て、新しいエネルギー産業、クリエイティブ産業等
23
新分野に適応した人材の育成
■今後の潜在需要が大きく見込まれる成長3分野'①ヘルスケア・子育て、②新しいエネルギー産
業、③クリエイティブ産業(による消費拡大効果は15兆円。これらの取組により、サービス業で
は新たに101万人の雇用が創出される。
■これらの新分野における雇用が見込まれる中で、具体的にどのような人材が求められると考え
るか。また、どのような方法で人材育成を行うことが有効と考えるか。
シナリオ別雇用予測
'2020年と2010年の比較(
成長3分野における新産業創出、消費拡大効果
'2020年と2010年の比較(
国内生産
額の変化
国内消費
の変化
新しいエネルギー産業
19.1兆円
4.1兆円
ヘルスケア・子育て
11.6兆円
6.7兆円
クリエイティブ産業
5.4兆円
4.1兆円
合計
36.1兆円
15.0兆円
①ヘルスケア・子育て
健康関連サービス、医療機器、子育て関連サービス
②新しいエネルギー産業
スマートコミュニティ関連機器、省エネ機器、BEMS・HEMS、
次世代自動車等
③クリエイティブ産業
コンテンツ、観光、農業・食品
空洞化ケース
成長ケース
製造業
-301万人
110万人
-192万人
サービス業等
-174万人
275万人
101万人
雇用の増減
-476万人
385万人
-90万人
失業率
6.1%
-1.5%pt
4.6%
'注(数値は四捨五入をしているため、合計値が一致しない場合がある。
'注(潜在内需を推計したヘルスケアサービスの大半は、「サービス業」に含まれる。
24
高校・大学等の卒業者の産業別就職者
■大学卒業者の多くは、製造業、卸売・小売業等に就職。
■今後、成長が見込まれる医療・福祉分野やサービス産業分野において高度な人材を必要とする
のであれば、大学卒業者の就職者も増やしていくべきではないか。
25
25
④新規創業・中小企業へのキャリア転換
・ベンチャー企業等における経営人材の輩出
・若者と中小企業とのミスマッチ解消
26
ベンチャー企業等における経営人材の輩出
■創業時の起業家の平均年齢の推移を見ると、この20年で約3歳上昇している。
■他方、近年では30歳代以下での創業が増加傾向にある。直近ではクラウド等ITの進化により、起
業に必要な初期費用が著しく低下し、特にスマートフォンやSNS向けのアプリ開発については、
大学生も含めた若年層の起業が活発化している。
創業時の起業家の年齢分布
100%
90%
2.2
9.3
2.3
11.5
2.7
21.1
80%
70%
34.1
6.4
7.7
6.6
24.1
18.9
17.7
29.2
28.4
36
31.9
60%
50%
27.7
39.8
30歳代
36.9
32.2
31.9
35.6
39.2
14.5
13.2
12.1
9.9
8.7
8.2
1991
1995
2000
2005
2010
2011
38.9歳
39.7歳
41.6歳
43.0歳
42.6歳
42.0歳
20%
10%
0%
平均年齢
50歳代
40歳代
40%
30%
60歳以上
出所:2011年度新規開業実態調査 日本政策金融公庫総合研究所
29歳以下
27
中小企業と若者のミスマッチ
■従業員規模別大卒求人倍率の推移をみると、従業員1,000人未満の企業の求人倍率は、景気
変動等に関わらず1.5倍を下回ったことがなく、ミスマッチが生じている。
■新卒採用に意欲のある中小企業の更なる掘り起こしを強化し、早期から学生と中小企業の出会
いの場等を設けることにより、相互理解を深めることが重要ではないか。
従業員別大卒求人倍率の推移
出典:リクルートワークス大卒求人倍率調査'2012年卒(
28
ミスマッチ解消に向けた取組①
<これまでの政府の取組>
○ドリームワークスタイル・プロジェクト
地域の経済界と大学等でプロジェクチームを組成。大学教育の早期段階で、成長企業の経営者等によるリレー講座や
企業への取材等を通じた魅力発信レポートの作成といったプログラムを展開することで、学生の職業観の醸成や成長
企業の魅力を発見・発信する事業。参加学生の約7割以上が就職先として中小企業を検討するようになった(事業実施
アンケートより)。
【平成23年度実績】
参加大学数40校、参加学生1404名、参加企業224社。
○ドリーム・マッチプロジェクト
費用、手間、ノウハウ不足によって新卒採用を積極化できない中小企業の求人と求職のマッチングを、インターネット求
人サイト等を活用して支援する事業。
【平成23年度実績'2月8日時点(】
参画企業数 3,099社・登録学生数 16,208名・内定者数 1,016名
○新卒者就職応援プロジェクト
新卒者や既卒三年以内の者に対して、中小企業の事業現場で働く上で必要な技能・技術・ノウハウ
を習得するため、中小企業への長期間の職場実習'いわゆるインターンシップ(を支援する事業。
実習期間中、受入企業には日額3,500円、実習生には日額7,000円の助成金を支給する。
【平成22年4月~平成23年12月月までの実績】
職場実習実施人数 のべ14,330人
このうち、平成22年度前半に実施した4,988人のうち、就職した者は1,831人'就職率36.7%(。
平成24年1月10日からは、被災地に限定して職場実習を実施中。
29
ミスマッチ解消に向けた取組②
<民間企業の取組例>
○エンジャパン
「人財育成力」や「独自力」
等の基準で選定した中堅
・中小・ベンチャー企業
のみを就職サイトに掲載。
○リクナビダイレクト
エントリーシート等書類では
伝わらない若者の魅力と、
求人情報だけでは伝わら
ない企業の魅力をお互い
に理解するため、まず会う
ことから始める就職支援
サービスを安価で提供。
<今後の政府の取組>
○地域中小企業の人材確保・定着支援事業 '平成23年度3次補正予算(
中小企業が優秀な若手人材を確保していくために、地域の中小企業団体等と大学等が連携し、日常的に顔が見える関係
構築から新卒者とのマッチング、採用・定着までを一気通貫に支援。
ステップ1 大学・学生等との恒常的な連携関係づくり
'例:中小企業経営者による大学等での出張講座、若手従業員との交流会等(
ステップ2 豊富な情報を活かしたマッチング
'例:合同就職説明会、職業紹介等(
ステップ3 地域全体での人材育成・定着支援
'例:地域単位での新人研修、地域レベルでの「同期」作り等(
30
⑤労働移動の円滑化
・積極的労働政策の在り方
・人材ビジネス、教育産業等
・兼業、デュアル'1人2職業(の在り方
・セカンドキャリア支援の充実
31
積極的労働政策の国際比較
■積極的労働政策支出の対GDP比をみると、支出の大きな北欧型、中規模の大陸欧州型、小規
模のアングロ・サクソン型に大別できる。日本の支出規模は小規模となっている。
■内訳に関しては、他国に比べ「公共職業サービス」の割合が高く、「職業訓練」の割合が低くなっ
ている。
積極的労働政策支出の対GDP比
'%(
32
'参考(地域や産業界の人材需要に応じた戦略的人材育成
■米国・ジョージア州では、①教育機関'大学等(が、労働供給が不足し労働需給の増大が見込ま
れる分野に職業訓練を提供したり、②企業誘致や既存企業の事業拡大により、新規に創出され
る雇用に対し、職業訓練を提供している。また、③個人の職業能力レベルと企業が求める職業能
力を見える化し、労働需給のミスマッチを減尐させている。
①アイキャププログラム
②ジョージア・クイックスタート
③ジョージア・ワーク・レディ
労働供給が不足しており、労働需給の
増大が見込まれる分野への職業訓練
企業誘致や既存企業の事業拡大により、新 個人の職業能力と企業が求める職業能
規に創出される雇用に対する職業訓練
力を見える化し、労働需給ミスマッチを減尐
○プログラマー不足に直面していたトー
タルシステム(TSYS)社のニーズを受
け、大学がTSYS社向けにカスタマイ
ズした訓練プログラムを策定・実施。
費用はジョージア州とTSYS社が負担
し、訓練生負担は無料とした。
○ジョージア州が雇用創出のスピルオー
○2006年にジョージア州知事とジョージア
バーが大きい業種'製造業、倉庫・流通
商工会議所が主導して導入。
業(で一定数以上の雇用創出の義務づ
けを受け入れた企業に対して、各企業に ○個人の職業能力アセスメントと企業の仕事
プロファイリングを行い、個人がのばすべき
カスタマイズした職業訓練プログラムを無
スキルや企業の採用水準の可視化に貢献。
料で提供。
○大学への入学試験'試験'数学能力、
統計、データ処理、論理的思考((は、
TSYSと大学が共同作成し、プログラ
ム受講者もTSYS社が面談で選考。
○企業の訓練ニーズを分析した上で策定さ ○2008年度、約1万3千人がアセスメントを受
け、42社70種類の仕事をプロファイリング。
れたデフォルトのプログラムでモジュール化
されており、クライアントに応じて組み合わせ
が可能。プログラム実施に当たっては、実際 図.ジョージア・ワーク・レディの基本構造 仕事に必要
なスキル
に企業の機械・設備を使用する。
○2500人のプログラム卒業生の内、
1000人をTSYS社で雇用。離職率も低
く、現在でも800人が在職。
○2008年度、クイックスタートが請け負った
プロジェクトは260'訓練人数約4万6千
人(。本プログラムによって創出された雇
用、または喪失が防がれた雇用は、約1
万8千人。効果は約5000億ドルと試算。
労働者
の現状スキル
スキル
ギャップ
出所:http://www.gaworkready.org/ より作成
※参考資料:「雇用創出と人材育成」-アメリカ・ジョージア州のヒアリング調査からー2011/05独立行政法人 労働政策研究・研修機構 33
社会人のリカレント教育の在り方について
■大学入学者のうち25歳以上の者の割合は、OECD諸国の平均では約21パーセントであるのに対
し、我が国では約2パーセントにとどまっている。受講において想定される課題では、仕事の忙し
さ、費用負担が上げられている。
■他方で、再教育を受ける社会人の人数は増加傾向。大学等への入学者は横ばいであるが、専修
学校への入学者が増えている。
■価値創造に向け、個人の能力を高める社会人教育の在り方を検討すべきではないか。
各国の25歳以上の大学入学者の割合'2008年(
社会人入学者数の推移
100000
90000
80000
70000
専修学校
60000
50000
短期大学
40000
リカレント教育において想定される課題
30000
20000
大学学部
大学院
10000
0
出所:「職業能力開
発総合大学校能力
開発研究センター調
査報告書No128」
'平成17年3月(
'出所(平成22年度文部科学白書より作成
34
'参考(人材ビジネスの活性化
■我が国の教育訓練費の労働費用'現金給与総額を含む(に占める割合は、ヨーロッパ諸国よりも
下回っている。他方、知識や経験の陳腐化がこれまで以上に早期に進行してしまう中、生涯を通
じた職業訓練や職業教育'リカレント教育含む(の機会が必要。
■また、今後の産業構造の変換の中で成長分野への労働移動が見込まれる中、人材ビジネスの一
層の活性化が必要。今国会に提出している「経済社会課題対応事業の促進に関する法律案」に
おいて、職業訓練を行う事業者を支援対象としている。
教育訓練費が労働費用に占める割合の
国際比較
'%(
2.50
人材サービス産業の規模感
2.27
2.00
1.65
1.50
0.87
1.00
0.50
0.49
0.33
0.47
0.00
日
本
英
国
ド
イ
ツ
フ
ラ
ン
ス
ス
ウ
ェ
ー
デ
ン
フ
ィ
ン
ラ
ン
ド
(備考)
・日本については2006年の数値、その他の国については2004年の数値。
・日本は、本社の常用労働者が30人以上の民営企業から、産業、規模別に層
化して抽出した約5,300社の調査結果。日本以外の国は、労働者10人以上
の民営企業を対象とした調査結果。
(資料) 厚生労働省「賃金労働時間制度等総合調査」、Eurostat「Labour
Costs Survey 2004」より作成。
35
'参考(人材ビジネス産業の事例
■昨今、労働移動の円滑化や人材能力開発の担い手となるベンチャー企業が増加している。
株式会社ウイングル
株式会社リブセンス
村上代表取締役社長
1986 生まれ
【企業概要】
事業内容
設立
資本金
従業員数
長谷川代表取締役社長
安井代表取締役社長
1985生まれ
1965生まれ
【企業概要】
:インターネットメディア運営事業
:2006月2月
:21,993万円
:正社員40名、アルバイト19名
事業内容
設立
資本金
従業員数
株式会社ヒト・コミュニケーションズ
:障害者就労支援及び障害児教育事業
:2005年12月
:4,900万円
:社員423名
【事業概要】
【事業概要】
・村上社長が早稲田大学在学中に創業。平成23年
12月、史上最年尐25歳で東証マザーズに新規上
場。
・成果が出て初めて広告掲載企業に費用を請求する
「成功報酬型」のインターネットメディアを求人'アル
バイト・正社員・派遣(・不動産・中古車の3領域5媒
体を中心に運営。
・運営サイトを通じて採用された利用者には、成功報
酬の一部を「祝い金」として還元する仕組みを構築。
・高い集客力の背景には、SEO'検索エンジン最適
化(を中心とした高いWebマーケティング技術・サー
ビス開発力が寄与。
・サービス利用企業社数は、2011年12月末現在、約
13,200社。
・障害者自立支援法に基づく就労移行支援事業所
'障害者の職業訓練(と、発達障害児療育施設を全
国展開。平成24年2月現在で全国38事業所。
・就職者1人当たり経費は約250万で、業界平均に比
べ1千万円以上のコストダウンに成功。
・社会福祉経験者と企業経験者を組み合わせたス
タッフ構成による、受け入れ先企業とのコミュニケー
ション能力の高さに加え、障害者の特性・強みを踏
まえた就職支援が、高い就職率の秘訣。就労困難と
言われる精神障害者が就職者の約70%を占めるこ
とも特徴。
・就学前幼児から成人までを対象にした、療育、就労
支援のワンストップサービス提供が強み。
【企業概要】
事業内容:販売・営業・サービス分野等の専門請負業
設立
:1998月2月
資本金 :73,781万円
従業員数 :正社員199名'稼働スタッフ数 約6,000名(
【事業概要】
・某大手家電量販店100%子会社から平成17年に
MBOにより独立。 平成23 年8月、JASDAQに上場
を果たす。
・単なる派遣ビジネスから付加価値ビジネスへの転換
をテーマに、販売・サービス・営業の分野を中核とし
て直接雇用による アウトソーシング事業を展開。
・明確な目標を成果として設定し、現場運営の責任を
持ち、セールスプロモーションの企画から販売員の
研修、売場調査や運営管理までトータルでの営業支
援を行う。
・各カテゴリーにおけるマーケティングのプロの人材
育成に励み、現場の担い手として成果で応える「成
果追求型営業支援企業」 を事業モデルとして販売・
サービス・営業分野での本格的なアウトソーシング
時代を切り拓く。
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兼業・副業の在り方
■仕事を持っている者のうち、副業者の割合は8.1%。今後、副業をしたいと思う者は約半分。
■企業で副業が禁止されている場合でも、会社に知らせずに副業をしている者は約3分の2。
'※ 「不正な競業、営業秘密の不正使用等やむを得ない事由がある場合を除き、副業禁止の規約は無効」との見方もある(
■個人の能力発揮、ベンチャー、セカンドキャリア支援の観点から、兼業・副業の在り方を見直す必
要があるのではないか。
副業者の割合
'単位:%、n=133,522(
'出所:Business Labor Trend 2009.7 「特別企画-仕事を複数持つ人「副業者」の実情」労働政策研究・研修機構(
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セカンドキャリア支援
■我が国が直面する高齢社会においては、高齢者の蓄積したノウハウを活用して、高齢者が欲する製品・サー
ビスの開発等を実施していくことが有効であり、高齢者が希望する短時間勤務等の働き方を提案し、積極的
に高齢者を雇用していくことが重要ではないか。
■また、高齢者にやりがいを提供しつつ、地域で高齢者を雇用する仕組みも必要ではないか。
■企業としては、ミッドキャリア以降の社員に対してセカンドキャリアセミナー等を積極的に実施することにより、
社員のエンプロイヤビリティを高めていくことが重要ではないか。
(株)高齢社
○高齢社に登録された60歳以上のOB社員
を、派遣 先の依頼に応じて派遣し、業務
を行う登録型の人材派遣システム。
○高齢者の希望や適正を踏まえて就労先を紹
介。ワークシェアリング方式も導入し、年金
併用等無理のないペースで就労できる。
○新しい仕事には、必要に応じて事前研修会
も開催し、「謝恩会」や「業務別ミーティング」
等の社員交流の機会も提供。
○利用する企業にとっても、即戦力となる熟練
スタッフを、必要な期間だけ、活用できる。
○登録スタッフ数約490名'平成24年度1月末
時点(
(株)ナガホリ
○上尾市近辺の耕作放棄地を利用し、国・自治
体の支援を受けながら全国一の規模で小松
菜を生産'52ha、年間約1,200~1,300トン(。
○農業に興味のある就農希望の若者を農場管
理を行う社員として採用。農作業については、
定年を迎えた高齢者を活用しており、大半が
農業に関係のない仕事に勤めていた元サラ
リーマン。
○「働けなくなった時が定年」という社長の信念
のもと、①年齢制限なし、②能率給、③給与
支払いは現金、④休むのは自由、というルー
ルで、約180名がパート・アルバイトで勤務。
平均年齢約70歳前後、最高齢者は79歳。
NEC
○セカンドキャリア支援策・制度の内容
①最長2年間の能力開発休暇を取得可能。そ
の間、月収相当額100%支給。
②社内外への転身を希望する者に、関連会社
への公募や、再就職支援会社のサービス利
用支援を実施。退職時の年齢に応じて退職
金に上乗せして支給。
③能力開発研修費補助・研修受講・資格取得
に必要な費用の一部を補助。
④節目でのワークライフバランス研修、55歳に
到達する年度に退職金・年金等の情報を
「ライフデザインセミナー」として、e-ラーニン
グで提供。
○能力開発休暇の取得者は、定年前の対象
者が多く、資格取得等'介護関連等(の第二
の人生を切り開くためのスキルアップとして
活用している場合が多い。
○研修内容を、現実的に一歩踏み出す'考え
るだけでなく、行動に移すレベル(ものへと
改善していく必要がある。
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