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古典力学

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古典力学
 古典力学
¯ これは某大学理工学部(非物理系学科)の1年生を対象として行った古典力学に関する授業の講義録である。
¯ 節
節が通年授業の後期分( 回)に相当し、座標系の運動・質点系の運動・剛体の運動・弦の運動・
解析力学の初歩について書かれている。それ以前の部分は授業では用いられていないし、あまり整理もされ
ていない。
¯ 内容の大部分は指定した教科書 に準じているが、適当にアレンジされている。
準備・用語集
単位系 物理定数 力学量の次元
用語 運動方程式の解法1(微分方程式)
単振動 定数係数の同次線形常微分方程式
運動方程式の解法 等加速度運動・単振動・抵抗を受ける落体運動
等加速度運動(自由落下問題)への応用
単振動への応用 速度に比例する抵抗力のある落下運動 運動方程式の解法3 減衰振動・強制振動と共鳴
減衰振動
強制振動
! "#$$ % &
# "#$$ % 仕事とエネルギー
'
仕事と仕事率 運動エネルギー 保存力とポテンシャルエネルギー
力学的エネルギー ポテンシャル場の例 保存力以外の力が存在する場合 極座標による記述
'
' 次元極座標 " $ $
#
"% ' 円筒 #$ #$% 座標 ' 次元極座標 " $ $
#
"% (
角運動量
ベクトルの記法 ベクトルの内積 #%・外積 )
#% ベクトルの代数・微分 角運動量 面積速度 $ "# $ *$#% 一定の法則 角運動量保存則%
座標系の相対運動()
( 復習% ニュートンの運動法則 ( 角度・角速度 ( 角速度ベクトルとベクトルの回転 ( 座標系の相対運動の一般論 ( +" , - , .$$ 変換%
(' +" , - , 座標系の相対運動()
+" , - , 遠心力 コリオリの力 座標表現 デカルト座標 2次元極座標 遠心力・コリオリ力の例 重心座標・相対座標 全運動量・全エネルギー・全角運動量
全運動量 全運動エネルギー 全角運動量 バネで繋がれた質点の運動 ケプラーの惑星運動の法則 円錐曲線 惑星 電子% の運動方程式 太陽 原子核% と惑星 電子% の運動方程式
重心運動と相対運動 角運動量の保存 第2法則の証明 第1法則の証明 第3法則の証明 2体問題
惑星の運動 '
'
'
'
(
(
'
'
(
(
惑星の運動 :保存則を用いた第 法則の証明 衝突(散乱)現象 有効ポテンシャル 有効1次元問題の積分
/0
&
+$% 散乱 実験室系と重心系 '
質点系の運動
質量中心の運動 全運動量 相対座標 全運動エネルギー
全角運動量 連続体 剛体% の物理量の表現 剛体の自由度 !
" & &
%
重心の運動方程式 全角運動量の運動方程式 てこ $*
% の原理 剛体の物理量と運動
(
(
固定軸まわりの剛体運動
'
'
'
'
自由度 角運動量の方程式と慣性モーメント 慣性モーメントに関する定理と回転半径
慣性モーメントの例 斜面を転がる円筒・円柱(固定軸を持たない剛体)
(復習)剛体の運動方程式 重心周りの角運動量 の運動方程式 斜面を転がる円柱・円筒(剛体運動の平面運動の例) コマの歳差運動(
#"" $ ) 実体振子(固定軸まわりの剛体運動の例)
(復習)単振り子 "$ 0
#
運動方程式 周期の 依存性 3次元直方体の相当単振り子 "#$$
% (
(
(
(
弦の運動 弦 弾性体 連続体% の運動方程式
力学的エネルギー 端点が固定された弦 基準振動への分解 力学的エネルギー 例:弦の中央をつまんで手を離す場合
力学():静力学 仮想仕事の原理 一般化座標を用いた表現
仮想仕事の原理の応用 '
'
(
'
'
'
'
'
'
'
'
'
力学():動力学 12$
の原理 3$
45!
! 方程式 6$ の原理 3$
45!
! 方程式の例 (
準備・用語集
単位系
78 " & 0 " " !* 0 &$$9 ! " " :0 " 0 & ' " & 0 #
" ! 0 "
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憎くなく似よ子や% & "# :0 " <$ 0 "" & 0 $ & 0 =$!
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Æ '
Æ '
(( 物理定数 ( " '' =! " ' .F % G " '( F " ( G A (' F A ' + + , 2 "% ' $ F ( F (' (' ' " %
F ' G F ( =! Æ + A
! G @ F &
2"
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2 ' $ ' # (' ' $
+ *
" $ & ' " 0 ' , ' " 0 (' "
.
!
% ' *
!% ' "
? " & 0 3
0
(( =! ' ( H H , G " % =
=! '( (( 力学量の次元
用語
%
%
%
%
保存力
空間中の2点 2I を結ぶ経路積分
'%
:$ ? " #$""#$ #0 "
? $ 78 7 "
A
#!"
J
"
"
""
J
=!
! , =!
"
# J
# , *$#
"
#
"
#" , "
$ !
"
, =! "
! #"
!
! , G , =! " ! , ! # " , G
9
, H , G"
!"
!$
!
, G"
! "
&
#
$
J
, @ , =! " , ! #" , @
<
%
$
, G
!
が経路に依らないとき を保存力という。このとき任意の閉曲線 に関して
, 保存力の定義%
%
ポテンシャルエネルギー
保存力 に対して
% , % (%
を保存力 の を基準としたポテンシャルエネルギーと呼ぶ。このとき、
% , % 保存力とポテンシャルの関係%
%
で与えられる。
力学的運動エネルギー
ポテンシャル % 中を運動する粒子に対して次の量を力学的運動エネルギーと呼ぶ
, K %
%
ポテンシャル力と、非ポテンシャル力 を受けて粒子が点 2 から I まで運動したとき、次式が成立する。
K
, 力学的エネルギーの保存%
'
%
運動方程式の解法1(微分方程式)
単振動
まず、運動方程式の例として、単振動を考える。微分方程式の解は発見的に与えられるが、一般論は後で考える。
自然長が のバネの先端に質量 のおもりが付いているとき、おもりの運動方程式は
L , %
%
であり、これを次のような初期条件の下解くことにする。
% , M % , % , % と新しい変数を導入すると、運動方程式は
L K , ,
とかける。#" と "
で表され
%
%
はそれぞれこの微分方程式を満たすことがわかる。従って、一般解はそれらの線形結合
, #" K
"
M , " K , % , , #" %
となるから、初期条件を代入して
M % , %
よって、解は
, % #" K これは、振幅 、角振動数 の単振動である。周期と振動数は
K , K % , ,
, ! ,
'%
, %
(%
定数係数の同次線形常微分方程式
定数係数の同次線形常微分方程式
L% K "M % K % , %
, %
を考える。
という形の解が存在したとすると、# は次のよう 次式を満たさなくてはならない。
# K "# K , 従って、判別式を $
, " とおく。
%
$ , のとき
" #,
" ,
#
#
%
よって、一般解は
, K %
"
%
$ , のとき
#,
, #
となり、一つしか解が得られないので、もう一つ線形独立な解を見つけなければならない。
, % %
という形の解を得られないか調べてみる(定数変化法)。
M , M K # % L , L K # M K # % '%
であるから、 % は次のように求まる。
L K # K "% M K # K "# K % %
, L , ,
%
, K
, %
(%
従って、一般解は
% , K
となる。
(
%
運動方程式の解法
等加速度運動・単振動・抵抗を受ける落体運動
等加速度運動(自由落下問題)への応用
垂直上向きを K% 方向に取ると、質点の運動方程式は
%L , , %L , %
ここで、慣性質量と重力質量が等しいことを用いたことに注意。結果として、質量が運動方程式から消え、空気
抵抗を無視したときは質量と関わらず、等加速度で落下することがわかる。
同次方程式の解を求めるにあたり、% , とおくと
,
# , # , %
% , K
%
となり重解である。従って、同次方程式の一般解は
% , K
また、非同次方程式の特解は容易に求まって
% , %
従って、非同次方程式の一般解は
% , K
%M , %
初期条件を
% % , % %M % , '%
とすると
% % ,
, % %M % , %
(%
よって
% % , % 単振動への応用
バネの支点を原点とする座標系を取り、自然長を とすると、運動方程式は
L , %
よって、同次方程式において #
,
, とおくと
K , ,
L K , #,
, &
, &
%
%
非同次方程式の特解は
, %
, K K M , &
& %
従って、非同次方程式の一般解は
初期条件を
% , M % , %
とする。すると
K , M % , & &
% , K
よって、最終的に
,
, ,
,
, %
%
K % K , % #" K %
速度に比例する抵抗力のある落下運動
速度に比例する抵抗力がある場合、" を正の定数として、運動方程式は
%L , "%M
となる。ここで、" の次元は
" ,
%L
%M
, '%
%
速度に比例する力が働いているので、際限なく速度が大きくなることはあり得ない。従って、最終的に一定の
速度に近づくはずである。その速度は簡単に評価できる。%M , , # " とすると
, " ,
, "
(%
運動方程式を解いて、実際にこうなることを確かめる。両辺を でわると、
%L K
同次方程式の一般解を求めるのに %
"
%M , , とおくと
"
# K # , ,
特解は簡単に求まり
% , %
# , "
%
"
%
よって、非同次方程式の一般解は
初期に %
"
% , K %M , "
"
, % から静かに落下を始めたとすると
% % , K
, % %M % , " , ,
"
, % K
"
%
, " %
よって、もとの運動方程式の解は
% , % K
% "
"
%
時間で微分すると速度が得られ、終端速度も求められる。
%M ,
% "
"
抵抗力のない場合も求めておくと
" %L , %M , % , K %
なので、放物線となる。それらを図 に示す。
%
'%
・
z
z
t
b=0
/
b=0
v_f
t
!
終端速度。
運動方程式の解法3 減衰振動・強制振動と共鳴
減衰振動 摩擦のない振動は単振動とよばれ前節で求めた。ここでは、速度に比例する抵抗力がある振動を求める。バネ定
数と抵抗力の大きさによって、いくつかの場合分けが必要である。
運動方程式は
L , "M
%
両辺を で割り、適当に定数を再定義すると
L K ' M K , ' ,
"
,
%
ここで、' は時間の逆数の次元を持つことに注意。
' ,
"
, , , %
" " , %
%
同次方程式の特性方程式は
# K '# K , , # , ' ' ,
判別式 $
#
#
, ' が、負・零・正によって場合分けする必要がある。
' ( のとき:減衰振動 ! このとき、判別式は負で振動数は複素数となる。
# , ' & , ' '%
よって、一般解は
, K , K % , #" K )%
これは指数関数的に振幅が減衰しながら振動する運動で、減衰振動と呼ばれる。
%
C F0mΩ02 4
3
2
1
0.5
1.0
1.5
2.0
ΩΩ0
!
強制振動の振幅。上から ' , 。
' , のとき:臨界減衰
は一つしかない
! このとき、判別式は零だから重解であり、特性方程式の解
# , #
, " ( (%
% %
従って、一般解は前節の処方を用いて
, K
である。これは一番早く減衰する場合で、臨界減衰と呼ばれる。
' * のとき:過減衰 " ! このとき、特性方程式の二つの解は負であり
# , ' ' ( %
二つの解はどちらも減衰を表す。
, K %
しかし、臨界減衰よりは減衰は遅い。これは、抵抗力が大きすぎて運動が遅くなっているからである。
強制振動 バネの支点が #" と振動する場合を考える。このような振動子を強制振動という。運動方程式は
L , #" %
$ !0 & "
!
ここで、
"M
, とすると
L K ' M K ,
#" ' ,
"
,
, %
%
同次方程式の解は減衰振動の時と同じであるから、3つの場合に場合分けすればよい。しかし、時間の経過と共
にどの解も減衰するので、ある程度時間が経過した後は特解のみを考えればよい。
特解を求めるのに当たり、#" ,
後に実部だけを取ればよい。
であることを利用し右辺の #" を に置き換えて解を求め、最
L K ' M K ,
%
次の形の解があるかどうか検討する。
, %
% K &' , '%
とおくと、 に対する代数方程式が得られる
これを について解いて、分母を実数化すると
,
% K &'
, %% K '&'
,
% K ' %
よって、特解は
,
% K ' ,
, + %
(%
とかける。ここで + % は の4次、2次を含む多項式なので、 で平方完成し、さらに でくくり、無次元量
だけで表す。
+ % , ' % K ' ' % , N' % K N' 'N % , 'N , '
%
強制振動の特解の振幅の 依存性を図 に示す。
'N ( なら、 は極値を持つ。'N * なら極値を持たない、単調減少の関数となることがわかる。
仕事とエネルギー
仕事と仕事率
ある物体が力 を受けて 動いたとき
, , %
を力 がなした仕事と呼ぶ。またそのとき、物体は力 により Æ, の仕事をされたという。Æ, を , と書かないの
は、左辺が全微分とは限らないからである。次元は , , , , 、 単位は G , O$ , @。
有限の距離動いたときは、その経路を - 個に分割し、- の極限を取れば、線積分で表わされる
Æ,
, $
,
Æ,
, $
% ,
%
単位時間あたりの仕事を仕事率という
仕事率の次元は , , , Æ,
仕事率 9
% の定義%
、単位は H , 9 , G"
%
運動エネルギー
質量 の粒子が力 を受けて点 2 から点 I へ運動したとする。運動方程式に をかけて
,
,
時刻 から まで積分すると、
. /,
, ,
, /,
, %
%
'%
となる。従って、運動エネルギーの変化は がした仕事の量に等しい。
0 0 ,
0 , , 運動エネルギーと仕事の関係%
%
保存力とポテンシャルエネルギー
力 が経路 に沿って、点 2 から I までした仕事を次のように書く。
, ,
(%
もし、, が経路 に依らず、始点 2 と終点 I の位置のみに依存するとき力 は保存力であると呼ばれる。
即ち、異なる経路 と に対して
,
¼ ,
K
¼ , %
従って、任意の閉曲線 に対して
, %
, 1 %
%
この条件はある場 1 % が存在して
とかけることと同値である(要証明)。この式を積分して、始点における値をゼロ 1 % , % とすると
1 % , %
1 % を を基準としたポテンシャルエネルギーという。定義により、この積分は経路に依らないので の関数
である。
力学的エネルギー
粒子がポテンシャル力のみを受けて運動しているとき、運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの和 力学的エ
ネルギー% は保存する。即ち、
M K 1 % , , # "
何故なら、
0 0
,
, 1 % , %
1
, 1 1%
%
ポテンシャル場の例
1次元力 全ての(積分可能な)1次元の力の場は保存力である。与えられた2点 を任意の点として
,
,
,
K
よって、, は経路に依らないと言えた。従って、
1 % , , , K , % 間の仕事 , は、点
%
'%
と定義すれば 1 % はポテンシャルエネルギーとなる。例として、バネによる力が挙げられる。自然長が 2 のバ
ネによる力は , 2 % なので , 2 を基準としたポテンシャルエネルギーは
1 % , 一様な重力場
2 % , 2 % 地上の一様な重力場は垂直上向きに % 軸を取ると
, , %
(%
と与えられる。この力による仕事が経路に依らないことは容易に示すことができる。仕事が経路に依らないこと
1 % となるポテンシャルを求めるのが手っ取り早い。
とポテンシャルが存在することは同値なので ,
1 % , , % , % , % % %
%
1 , , は明らか。従って、一様重力場はポテンシャル力である。通常は、% , 地上% と選び
1 , % と表わす。
等方的な中心力
任意の等方的 3 4 に依らない% な中心力の場
, + %
%
に関して
1 % , + %
%
という関数を考えると
1 % , + % , + %
, + %
,
%
となるので、1 % はポテンシャルであり、全ての中心力場は保存力であることが示された。
保存力以外の力が存在する場合
質点に働いている力を保存力 , 1 と非保存力 に分解すると
0 0 ,
K % , 1 1 % K
%
であるから
, K
%
従って、力学的エネルギーは非保存力による仕事の分により変化する。ただし、点 から
などが実現されていれば、力学的エネルギーは保存する。
への運動の過程で
滑らかな束縛:振り子 長さが 2 の振り子を考える。ひもが垂直下向きと成す角を 3 として、ある角度 3 から静
かに手を離す。紐の張力は常に振り子の運動と垂直であるから、仕事をしない。従って、力学的エネルギーは保存
し、任意の角度 3 にあるときの速度を とすると
K . #" 3 % , K . #" 3%
%
従って、
% ,
.#" 3% #" 3 %
'%
滑らかな束縛:滑らかな斜面を滑り落ちる質点 垂直抗力は常に質点の運動と垂直なので仕事をしない。従って、
質点の力学的エネルギーは保存する。従って、
K % , K % ,
摩擦力
% ,
K % % %%
%
摩擦力は質点の運動 と常に逆向きに働くので
( 従って、力学的エネルギーは常に減少し続ける。
'
(%
極座標による記述
次元極座標 次元極座標はデカルト座標と次のような関係にある。
, #" ) , "
これは逆に解くと、
,
K ) , )
'%
%
'%
位置ベクトル、速度ベクトル、及び加速度ベクトルは極座標では次のように書ける。
, , M K )M , L )M %
K )M %
'%
上の公式は次のように示すことができる。任意のベクトル に対して
, #" ) K " ) , " ) K #" )
'%
が成立する。従って の特別な場合として , などととり、それらのデカルト座標での成分 % を
'% に代入すればよい。 % のデカルト座標での成分 を極座標で表した% ものは
, #" )
K " )
'%
, #" )% K " )% , M #" ) )M " )%
K M " ) K )M #" )%
''%
, M #" ) )M " )% K M " ) K )M #" )% , L #" ) M)M " ) )L " ) )M #" )%
K L " ) K M)M #" ) K )L #" ) )M " )%
'%
となることに注意して、これらを '% へ代入すると '% を得る。
公式は次のよう外積を利用すると簡単に示すことができる デカルト座標を媒介しない方法%。位置ベクトル
, の微少時刻 の変化を考えると、
, )M M
, , )M '(%
であることがわかる。従って、
, % , M K M , M K )M , M K )M '%
, M K )M % , L
K M M K M )M K )L
K )M M
, L
K M )M K M )M K )L
K )M , L
K M )M K M)M K )L
)M , L )M %
K M)M K )L%
'%
円筒 座標
でかると座標と円筒座標 ) % % の関係は
, #" ) , " ) % , %
これを逆に解くと
,
K ) , である。
%
% , %
'%
'%
!
% ベクトルの内積。% ベクトルの外積。#% 角運動量が保存する運動は に垂直な平面内の運動に限
られる。% 面積速度。
次元極座標 デカルト座標と 次元極座標 3 )% の関係は
, " 3 #" ) , " 3 " ) % , #" 3
これを逆に解くと
,
K K % ) , %
(
3 , K % %
'%
'%
角運動量
ベクトルの記法
ベクトルは通常、基底ベクトルの線形結合として書かれ、基底ベクトルの係数が成分である。
, K K %
ここで、次のような略記法を導入する。
, %
, % & , %
などという書き方をする。
が出てきたら「 というベクトルの成分のどれか」と思えばよい。すると、
,
%
と書くことができる。さらに、P を省略して
, %
と書くこともできる。一般に、同じ文字の添え字が繰り返し出てきたときはその添え字について和を取るという
規則を設ける。これをアインシュタインの縮約という。繰り返して出てくる添え字のことをダミー添え字と呼ぶ。
例えば、
$ , K K %
K
K
%$
%
ベクトルの内積 ・外積 ベクトル と の内積を
, #" 3
として定義する。ここで、3
を定義する
'%
3 % はベクトル と がなす角度である。次のように A
#=
のデルタ
, & , 5 %
& ,
5%
%
, Æ
, (%
Æ
その性質は
Æ
などである。正規直交座標系の基底ベクトルは明らかに
, Æ
%
, , , Æ
, %
% , M K M
%
を満たす。従って、
これを用いると
などを容易に示すことができる。
ベクトル と の外積を
, " 3 %
と定義する。ここで、3 3 % は と がなす角で、
は であり、 から へ向けて右
ねじを回した時、ネジが進む方向を向いた単位ベクトル , %。次のように定義される 5*4+* テン
ソル 3 ! のエプシロン% を導入すると
K
& 5 % , % % %
6
, & 5 % , % % %
0
9"%
%
明らかに右手系の正規直交座標の基底ベクトルは
, 6
%
, , % , 7
, %
, 6
%
を満たす。従って、
また、外積について次の公式が成立する。
% , K % , % %
'%
%
が成立する。式 '% は
%
, 7
% , 7
M K M % , M K M %
(%
と証明される。式 % は次のようにして証明できる。5*4+* のエプシロンと A
#=
のデルタには
6
6
, Æ Æ Æ Æ
%
とうい関係があるので、
%
, 6
% , 6
6 , 6
6 , Æ
Æ Æ
Æ % , , % % %
%
%
#%
%
!
% ベクトルの内積。% ベクトルの外積。#% 角運動量が保存する運動は に垂直な平面内の運動に限
られる。% 面積速度。
ベクトルの代数・微分
2$!
# &
$ *#
$"" , & % , & % , &%
& % , %& &%
&% % , %& % %& %
%
%
%
%
% % , 6
" 6
, Æ Æ Æ Æ % " , " " , % % % %
%
$ *#
$"" #$ ! "# **" 8 , '%
% , %
% , % Q
(%
Q , Q
%
%
90
Q , $ & *#
$"" #$ ! 8
" ** & #" 8% , 8 K 8
%
8% , 8 K 8
%
&% , %& K & % K &% K & %
%
&% , & % &%
%
&% , &% &
% K & % %&
%
3< % " " & 0 &
, " %" K " "%
%
@ &
< $ " 0 R #0 #" 0
"&$ &
$ !* & 2$$ 90 "09 0 * &
$ " & , "
&%
, 7
" 7
7
, Æ Æ Æ Æ 90 0
" $ 3 " 1" # # %
½ ¾
¾
!
!"!
¾ 角運動量
原点 E の回りの角運動量 !$
% は運動量 $ % , を用いて
, %
と定義される。角運動量は次のような運動方程式に従う。
, % , K , K , , <%
%
ここで、式 '%、 , 、運動方程式 M , を用いた。
特に、 , のとき角運動量が保存することを角運動量保存の法則という。例えば、中心力 , %
, % なら、 , となり、角運動量は保存する。角運動量が保存する運動はある平面内に限られる。
面積速度 ! 一定の法則 角運動量保存則
ある時刻 に粒子の位置ベクトル と運動量ベクトル が張る 次元面に円筒座標の )% を取ると、
, , M K )M % , )M %
微少時刻 の間に、位置ベクトル が掃く微少面積は
9 ,
よって、面積速度 9% は
% , M K )M % , )
M
9
, )M , %
%
よって、角運動量が保存する時、面積速度も保存する。特に、惑星の運動に関しての面積速度一定の法則は A$
の第 法則と呼ばれる。
座標系の相対運動()
"
復習 ニュートンの運動法則
『自然哲
ニュートンの運動法則は彼の著作、S
学の数学的諸原理』で次のように与えられた。
" $9 $9 & %
3*
" " & " &
# " *$#% $"" " # )
$ &
# :0" " 0 0 " # & 4>
&
# 0 # & "" & 0
" " *" # " " "
!0 $ $9 < & %
2 & "" "O# &
# !" ##$
0 0" 0 " # " 0
&
# ! 0 " #$ $ 0 &
# *
"$ $ 0 ""
, 2$
*$ 0 $ &
# $ " <$ 0 ** & $ & 0 $9 # 4
# $9%
:0 $ &
#" & # # 9 9 " <$ " #$$ 同一線上
にある% :0" " 0 90 *
8
" )
" &
# "# 0 "# )
" &
# 0 8
" <$ ! " # , %
" 角度・角速度
角度とは、円弧の半径に対する比である。
) ,
2
, 角度の定義%
有限角度の回転操作は非可換な操作であるため、有限角度の回転を表すベクトルを定義することはできない。
しかし、無限小角度の回転は可換であるため、ベクトルとして定義できる。すなわち、回転の向きに右ねじ
を回したときねじが進む方向に向きを持ち大きさが無限小回転 ) であるベクトルを回転ベクトル と定義
する。それを時間で微分したものを角速度ベクトルとして定義する
, " 角速度ベクトルの定義%
(%
(%
が定数のとき、周期運動と呼び、その周期(1周するのにかかる時間)と振動数(単位時間当たり何回回
るか)は次のように定義される。
, "#
!,
, 6> , " (%
" 角速度ベクトルとベクトルの回転
角速度ベクトル
で回転する任意のベクトル の微分は
と書ける。
図より、明らかに , かつ であり、
, " 3 , (%
(%
"
座標系の相対運動の一般論
ある質点を慣性系 9 から見たときの位置ベクトルを 、非慣性系 9 から見たとき とし、9 から見た 9 の原点
の位置を とすると
M , M
, , K , :
K ('%
は定ベクトル% と仮定すると、
, K K , K K K %
(%
((%
が成立する。
何故なら、('% を微分すると
, :M K M K M , :M K M K %
(%
ここで , M
, :M , M
と定義すると (% を得る。さらに、もう一度微分すると
L
, :L K L
K M M K M K M %
, :L
K L
K M % K %%
(%
L
, L
と定義すれば ((% を得る。
ここで、 , L
, :
よって、慣性系 における運動方程式 , へ式 ((% を代入すると、非慣性系 における運動方程式は
M , %
!
% 角速度
"
# $
で回転するベクトル 。
%
(%
%
% 慣性系 と非慣性系 から見た質点の位置 と % & 変換
, より、座標系 は回転していないので一般性を失わずに , & , % と基底を揃えることができる。
, より , # "
この場合の座標変換(.$$ 変換と呼ばれる)と 1 系での運動方程式を改めて書くと
, K , (%
(%
よって、ガリレイ変換に対して、@9 の運動方程式は不変である。
一般に座標変換 (% に対して、物理法則が不変であるという要請をガリレイの相対性原理と呼ぶ。すなわ
ち、ニュートン力学はガリレイの相対性原理を満たす。しかし、現代物理学では 3 " による特殊相対性原理
が正しいとされており、ガリレイの相対性原理は物体の運動速度が光速度に比べて十分小さいときについて成立
する近似的な原理である。また、重力を考慮するとより一般的な一般相対性原理が正しい。
"
% # $
この場合、運動方程式は
, 従って、非慣性形 1 では、見かけの力
れる。
(%
が働いているように見える。このちからは 狭義の% 慣性力とよば
(例)体重 の ' 君がエレベータに乗って体重計を測ったら と表示された。エレベーターの加速度を
求めよ。 慣性系から見たときのエレベーターの加速度を として、慣性系での運動方程式を立てると
, K , ' , ' K ,
'
, (%
慣性系から見たときのエレベーターの加速度を として、エレベーターのなかで運動方程式を立てると
, K , , ' K ,
'
, ('%
座標系の相対運動()
'
# $
%
遠心力
つぎのようにすると、遠心力の一般的な性質を理解することができる。
, %
, K % % %%
, %
, よって、遠心力は大きさが で回転軸に垂直で外向きのベクトル。
%
!
' ベクトルの分解と遠心力。
(例)赤道上での見かけの重力定数を求めよ。地球は自転しているので、非慣性系である。従って、赤道面上
で静止している物体に対する運動方程式は
, %
, K %
赤道面にいる観測者があたかかも自分が慣性系にいると勘違いして立てた運動方程式は
, , %
よって、両辺を等しいとおいて
K , ,
,
, ' ' " ' % ( " %
即ち、赤道上では見かけの重力定数は T 小さい。
コリオリの力
次のようにすると、コリオリの力の一般的性質が理解できる。まず、質点の速度を垂直成分と平行成分に分解する。
, %
K %
, K '
%
すると、
, , K % , '%
従って、コリオリの力には に垂直な速度成分しか寄与せず、大きさが で、(上から見て)速度の進む
向きに対して右側に働く。このことから、北半球で北上する台風は左巻きになることがわかる。
!
北半球と南半球での台風。
但し、コリオリ力は通常の地球上の物体の運動に関しては非常に小さいことが重力との比で理解できる。地球
上で質量と速さが % の物体に対して
+
$" , , !
*
' ' (
' " =0
'
座標表現
'
デカルト座標
%
この節では、角速度ベクトルが % 平面に垂直である特別な場合に関して、遠心力とコリオリ力をデカルト座標
と極座標で求めておく。
デカルト座標における質点の位置ベクトル・速度ベクトル・角速度ベクトルは
, K , M K M , (%
と書ける。ここで、 , M であることに注意(あくまで、 は観測者が乗っている系が慣性系であるかのように
定義した速度)。すると、
, K %
, %
, K %
%
, M K M %
, M M %
%
力の % 成分は % の係数として求められる(以下同様)。コリオリ力は
'
2次元極座標
% 4軸を加えた、3次元円筒座標で考える。式 '% より、質点の位置ベクトル・速度ベクトル・角速度ベクトルは
つぎのように書ける
, , M K )M , %
とかけるので、遠心力は
, %
, , %
また、コリオリ力は
, M K )M %
, M )M %
とかける。ここで、
, 6
& 5 % , ##$# ) % % を用いた。
'
%
遠心力・コリオリ力の例
慣性系 に対して角速度のおおきさ でに対して回転している円盤がある。円盤に固定された座標系を 1 とする。
!
( 回転する円板とボール
は慣性系なので、ニュートンの運動方程式 , が成立している。等速円
L , とおいて
運動をしている点の加速度は '% で与えられるから , M , L , )M , )
() 上で静止している質点の運動
, %
, , %
従って、
という、何らかの力が働いて、運動していることがわかる。これらは、例えば、紐による張力、摩擦力、重力、電
磁力などが考えられる。
%
今度は、円盤に固定された系 1 から考えてみる。円盤は慣性系でないので運動方程式は , である。質点は動いていないので
, , K よって、 , という何らかの力が働いていることがわかる。
(
'%
系からみると何も起きていない(
で回転しているように見えるので遠心力とコリオリ力が働く
( 上で静止している質点の運動
, , , )。1 系から見ると、粒子は % , 左辺 $&40 "% と右辺 !040 "% はそれぞれ
. / , / , % %
, K , %
(%
%
よって、見かけの加速度運動が見かけの力(遠心力・コリオリ力)によって引き起こされていることがわかる。
2体問題
!
質量中心と相対座標。
(
重心座標・相対座標
二つの質点が次のような運動方程式に従って運動していると仮定する。
L , K L , K %
ここで、 は外力、 は内力。二つの式を足すと
L K L ここで、ニュートンの第三法則 は重心% を次のように定義する。
, K K K , K K , K %
, % を用いた。ここで、全質量と質量中心 +,# & ""、また
K , K , %
すると、上の運動方程式は次のようにかける。
L , K %
従って、あたかも重心に全質量が局在し、合力をうけて運動しているかのように見なすことが可能である。さら
に、外力が働いていない場合には重心は等速度運動をする。ここで、; , と置くと , ; であり、
, ; K ;% , ; % K K ;% , K ;% %
従って、 は と を結ぶ直線上にあり、
, ; ; , %
'%
となるような点にある。
自由度の勘定から、もうひとつ運動方程式が必要である。それは何か探るため、次のような相対座標を定義し
てみる。
, %
このベクトルを2回微分して運動方程式を用いると
L , L L K K , K K ,
ここまでくると、次のような換算質量 #
, K (%
""% という量を定義したくなる
,
換算質量の定義%
%
ここで、 , に注意する。また、換算質量は小さいほうの質量に近い値であることに注意。例えば、
ならば
,
K ,
K , K
%
すると、運動方程式は
L , K
%
とかける。特に、外力が働いていない場合、あたかも相対位置ベクトルが示す位置に質量 の粒子が存在し、 を受けて運動しているかのように見える。
重心と相対位置ベクトルの運動がわかればいつでも、もとの二つの粒子の運動は再現できることに注意
, , K %
従って、2粒子 % の運動方程式は2粒子 % の運動にわけて考えることができる。
(
全運動量・全エネルギー・全角運動量
全運動量
粒子の運動量の和(全運動量)は重心の運動量に等しい
M
M K M , 何故なら
%
M K M K M
56 , M , K %M
, /6
M , # " なので全運動量は保存する(時間に依存しない)。
内力しか働いていない場合、
%
全運動エネルギー
2粒子の運動エネルギー(全運動エネルギー)は重心の運動エネルギーと相対座標の運動エネルギーの和に等しい
K , K %
何故なら
K
K 56 , K , K % K , /6
'%
内力しか働かない場合でも、全運動エネルギーが保存することは示せないことに注意
K , K , K , % %
この量は一般にゼロではない。失われたエネルギーは粒子の内部エネルギーに変換される。
全角運動量
2粒子の角運動量の和(全角運動量)は、重心の角運動量と相対座標の角運動量の和に等しい
K , K 何故なら
(%
K K K K , K % K , /6
56 ,
%
ただし、 % に関する角運動量は、座標原点に関する角運動量だが、相対ベクトルの角運動量は質点 を
原点とした角運動量であることに注意が必要である。
外力が働かないとき全角運動量は保存する。何故なら
K %
, K M K K M , K , % , %
ここで、 , (ニュートンの第三法則)であるあること、及び であることを仮定した。
しかも、外力が働かないときは (% において、重心の角運動量、相対座標の角運動量が独立に保存するこ
とが示せる。
M % , M M K L
,K ,
%
よって、第一項は保存し、全体としても保存するので第二項も保存する。従って、惑星の運動を相対座標で考え
る際、惑星が同一平面内で動くとして仮定してよい。
(
バネで繋がれた質点の運動
自然長 2 、バネ定数 のバネの下端に質量 、上端に質量 の重りを取り付ける。 を支えた状態から静か
に話して自由落下させたときの重りの運動を記述せよ。
まず、 が初めにあった場所を原点とした垂直上向きに % 軸を取る。つぎに、全質量、換算質量、重心座標、
相対座標を次のように定義する
, K ,
% K %
<, % , % %
K %
!
「バネで繋がれた質点の運動」に関する座標の取り方。
逆に解くと
% , < % % , < K %
%
これから重心座標と相対座標に関する運動方程式を解くが、初期条件が必要となる。それには、座標 % % %
の初期条件を求めてから < % % へ変換するのがわかりやすい。明らかに、与えられた条件から
% % , %M % , %M % , %
である。初め、伸びきったバネの力と に働く重力がつりあっていたから、 に対する運動方程式から
%L , , K % % % % 2 %
,
% % , K 2
%
である。よって、重心座標と相対座標の初期条件は
% % K % %
%M % K %M %
,
K 2 <M % , % % , % % % % ,
K 2 %M % , %M % %M % , < % ,
, '%
重心座標と相対座標に対する運動方程式は前節で得られた結果より
<L , , 3< %%
%L , % 2 % K % % , % 2 %
3< %%
%
(%
重心座標に対する運動方程式は直ぐに解けて
< % , K < % , 相対座標に対する運動方程式において % , % %
2
K 2
%
と置くと
L K , ,
%
これは、単振動に関する運動方程式だから一般解として
% , #" K
"
,
% % , #" K
"
K 2
%
% に関する初期条件から % は次のように決まる
,
, ,
% % ,
#" K 2
%
< % % を % %% に戻すと
#"
2 % % , K #" % % , %
次元のチェックをする。
, ,
, &
#
, %
を用いると
, , ,
%
であるから、#" の引数は無次元になっている。また、答えの各項は長さの次元を持っていなければならないが
, , , であり、正しい次元をもっていることがわかる。
, '%
惑星の運動 ケプラーの惑星運動の法則
* ' G A$
%
全ての惑星は、太陽を焦点の一つとする楕円軌道の上を運動している。
:0 & *
$ " $$" 90 0 & 0 9 &# &#" の複数形%
* ' G A$
%
惑星の軌道運動の面積速度は常に一定である。
2 $ O ! $ 0 "9" <$ " ! <$ *$" & * ' G A$
%
惑星の公転周期は楕円軌道の長軸の長さの 乗に比例する。
:0 "<
& 0 $ & $ " #$ $ 0 # & 0 "4O
)" 長
半径% & " 円錐曲線
定義: ある点(焦点)とその点と交わらない直線(準線)を考える。円錐曲線とはその曲線上の点から焦点へ
の距離と準線への距離の比(離心率 ## #%6)が一定となる曲線である。
極座標表示:
焦点を原点にとる。そのとき、離心率が 6 で準線が ,
, 26 となるような 円錐曲線は極座標で
2
K 6 #" )
%
で与えられる。離心率によって次のように分類される。
6,
(6(
6,
6*
円
楕円
放物線
双曲線
%
!
円錐曲線 # # #
* # # "# %。
証明: 焦点を原点とり、 , K; で準線を表す。そのとき、焦点から円錐曲線上へ引いた線分の長さを 、円錐
曲線上の点から準線への距離を とすると
; , #" ) K 6 , %
この関係式から を消去すると
,
6;
2
K 6 #" ) , K 6 #" ) 2 , 6;
2 は半通径または半直弦と呼ばれると呼ばれる。
極座標表示された円錐曲線をデカルト座標に書き換える。 %
ると
K ,
2
K 6 K %
, #" ) " )% を用いて )% を消去す
, 6 % K 62 K , 2
%
6 ( のとき、 について平方完成すると
6 %
62
K
6
K , 2 6
'%
さらに、右辺が1になるようにすると
K 6
K
"
, ,
2
6
" ,
2
6
6 ( %
%
従って、長半径が 、短半径が " の楕円である。ここで、6 を消去すると
" , 2
(%
である(ケプラーの第三法則の証明で用いる)。
6 , のとき、 について解くと、
2
, K 2
となり放物線となっている。
6 * のとき、式 % で
6%
%
6 , %
, & を用いて
"
, ,
2
" ,
6 2
6 6 * %
%
よって、
, 6
K 6
%
を漸近線とする双曲線である。
惑星 電子 の運動方程式
太陽 原子核 と惑星 電子 の運動方程式
太陽 原子核% の質量と座標を % として、惑星 電子% の質量と座標を % とする。各々の運動方程式は
L , L
, , , , '
%
ここで
,
, の次元は
!
* $ &
#%
+$ &
#%
= =
7 %
, L , , であることに注意。二つの方程式は % %% に関する6元連立非線形常微分方程式系を成す。
%
%
重心運動と相対運動
二つの運動方程式を足し算すると、
L K L , K , %
K , K , '%
L , %
よって、
を定義すると
, , K ここで、 % は積分定数。すなわち、重心は等速直線運動をする。
二つの運動方程式の引き算をすると、
L L , , K (%
相対座標と換算質量を次のように定義すると
, , K %
相対座標の運動方程式は
L , , ここで、ケプラー問題のときは , , であることに注意。即ち、相対運動は原点 の天体が固定され、その周りを質量 の天体が運動している問題に帰着する。
%
, % に質量
角運動量の保存
外力が働かないとき相対座標に関する角運動量は保存する 3< % ので、相対運動は同一平面上に限られる。
その面に , となるような 次元極座標 )% を導入し、'% を用いて運動方程式 % を成分ごとに
書くと、
L )M % , , %
)M % , , %
%
%
角運動量は
, M , M K )M % , )M %
% からも、この量は一定であることがわかる。よって
, )M , 2 2 , )M
%
とおく。この式は が小さく 大きく% なれば回転が速く 遅く% なることを示している。2 はもちろん角運動量の
次元をもつ
2 , )M , , % が解ければ % を積分することにより ) , )% がわかる。即ち、
2
%
)% ) % ,
%
'%
第2法則の証明
時刻 から K の間に、位置ベクトル % が掃く "9% 領域は三角形で近似され、その面積 9 は
, %
, M K )M % , )
M
9
よって、面積速度 9% は
9
%
, )M , 2 , # " 3< %%
(%
よって、A$
の第 法則は角運動量保存則の特別な場合にすぎない。ただし、A$
は師匠である : I
0
'4'% が得た天文データから @9 力学 '(% 以前にこの法則を発見したことに注意。
次元を確認しておく
9
, )M , 9
, 2 , , %
よって、面積速度は面積;時間の次元をもっており面積速度と呼ぶにふさわしいものであることがわかる。
第1法則の証明
% を用いて % から )M を消去すると
L , K 2 %
% を1次元の運動方程式
L , %
%
と見なすと、重力による引力 方向% と自身の角運動量による斥力 K 方向% が働いていることがわかる。こ
の式から , % が求まり、% を用いれば ) , )% が求まる。その後、 を消去すれば、軌道の式 )% が
求まる。しかし、ここでは % から , )% に関する微分方程式を求め、その式を積分する方法を考える。
2 , )
,
) )
, , )
)
(
) )
, 2 )
2 )
%
% を % へ代入して整理すると
K , 2
,
) )
%
, % % , %
ここで、 の次元は
であることに注意。> , とおくと
)
>
>
, >
, > )
)
%
これを % へ代入すると、次のような非斉次型調和振動子の形となる
>
)
K > , よって一般解は斉次型方程式の一般解と特解の和としてかける
ここで > ) % は積分定数。よって、
> , > #") K ) % K ,
,
,
'%
%
> #") K ) % K K > #") K ) %
K 6 #") K ) % 6 , > (%
最後の式で ) , を課せば ) , となり、% と見比べることにより、相対運動は円錐曲線の何れか
であることがわかる。その内、惑星とは 6 ( となっているものであり、軌道は円もしくは楕円となる。
第3法則の証明
楕円軌道が囲む面積は を周期として
9 ,
9
,
2
2
, %
よって、
, 9
2
, 2 " 楕円体の面積公式 9 , "。 "% は長軸、短軸の長さ%
, 楕円の性質 3< (%%
2
2
, の定義 3< %%
2
, & & &
A$
$%
K %
%
%
ここで、一般に を用いた !
, !、 , !%。従って。
, # " & %
, %
惑星の運動 :保存則を用いた第 法則の証明 有効ポテンシャル
重力 とクーロン力% はポテンシャル力であるから力学的エネルギー +運動エネルギー K ポテンシャルエネルギー
は保存する。また、重力は中心力であるから角運動量は保存し、運動は同一平面内に限られる。よって、その平
面上に極座標 )% を導入すると角運動量は
, M , M K )M % , )M , 2
,
)M ,
2
%
力学的エネルギー保存則は、運動エネルギーが
M , M K )M % , M K )M %
%
であることを考慮すると
M K )M % K % , , # " % , ここで、ポテンシャルエネルギーは を作用させたら が出てくる関数であるから
, , , , %
%
%
と求まることに注意。よって、% を % へ代入して
M K % , この方程式を1次元のポテンシャル問題
% , % K
2
%
M K % , '%
と見比べると、 % は有効的に 方向のポテンシャルと見なせる。よって、 % は有効ポテンシャルと呼ばれ
る。有効ポテンシャルはニュートン・ポテンシャルと遠心力ポテンシャルの和なので ! のような曲線となる。
% の極値 を求めると
,
,
,
2
, % , , 2
%
粒子の運動範囲は
M , % , % (%
即ち、初期条件で与えられる 2 % に対して、粒子が運動する の範囲が不等式で制限される。 % , を満た
す位置を転回点よ呼ぶ。図より の大きさによって、
% , % ( ( % , *% * 円
楕円
放物線
双曲線
%
という運動が実現されると予想できる。ここから、 は円運動の半径であることがわかる。%% のような運動は
束縛運動 %、%*% のような運動は散乱運動 "#
! % と呼ばれる。束縛運動の場合
の転回点を近日点・遠日点と呼ぶ。
!
ケプラー問題における有効ポテンシャルとその極値。
有効1次元問題の積分
% より
, %% に応じて が付く%
従って、
)
) ,
, )
! ,
, を近日点として ) % , とすると
)
2
% %%
2
% %%
>
2 % K 2%> >
>
>%
,
,
,
3<" % - %%
%
%
> , とおいた%
%
ここで、 >% を平方完成すると
, K 2
> >
2
, K > > % を用いて 2 を消去%
>%
, >
, > K , K K >
K 6 % を用いて を で表わす%
%
ここで
6
, ,
% , % ( ( % , *% * 6 , ( 6 ( 6 , 6 * %
>% , は次のような近日点・遠日点を与える。
> 近日点%
, > 遠日点%
, 6%
%
% を % へ代入すると
)
, >
6% > %
, 6 % " 33 > , 6% #" 3 とおいた。3> % , に注意。%
6% #" 3%
" 3
3
,
" 3 ,
3 3 %
, 3 > , #"
,
6
,
K 6 #" )
従って、相対運動は円錐曲線のうちのどれかで、惑星の運動は % または % に相当する。即ち、
( の場合に相当し、円か楕円となる。
'%
, 2 (
衝突(散乱)現象 二つの粒子の間に未知の相互作用が働いているとき、その二粒子を衝突させ、どのように散乱されるかを観測し、
理論的計算との比較することにより相互作用についてのモデルを検証できる。例えば、衝突のエネルギーと角運
動量 またはインパクトパラメータ% を与えたとき、散乱角を理論と実験で比較することが考えられる。
)* #+ 散乱
= * % を持つ原子核に、電荷 = * % を持つ粒子を衝突させる問題を考える /0
&
散乱、または
+$ 散乱%。相対運動 , の運動方程式は
電荷
L , ==
, , 0 0 * %
7
従って、/0
&
散乱は A$
問題において でポテンシャルのかたちはケプラー問題と異なる
%
0 と置き換えればよだけなのだが、斥力を考えているの
% ,
0
2
K %
クーロン力も斥力なので、有効ポテンシャルは極小値を持たない つまり、束縛運動が存在しない%。
!
/0
&
散乱 = = * % における有効ポテンシャル。相対ベクトル の始点を原点とした座標系か
ら見た、粒子2の運動。
!
重心系における散乱角のインパクトパラメータ " と初期速度 への依存性、U , U" %
の始点を原点とする座標系で考えると、衝突係数 # % を "、粒子2の初期速度の大きさを とすると、運動エネルギーと角運動量(共に保存量)は
,
, M , "
% % , " , 2
%
ただし、水平右向きに 軸、垂直上向きに 軸を取ってあり、
は紙面を手前から貫く方向。転回点 , を図
のようにとり転回点を通る時刻を , とし、) % , と角度座標 ) の基準を取ると
, K % , K %
2
符号は に対応%
%
>
6 > K %
, )
, %
ただし、最後の等式では
2
> , ,
6 , K
0
0
とおいた。転回点は分母がゼロとなる座標で
> ,
さらに、積分で次のような変数変換 >
>K
6
, %
'%
3> % , %
3% をする
, 6 #" 3
すると
),
" 3
" 3 3 ,
%
3 , 3 , #"
となる ) は分母がゼロとなるときで
3< '%%
> K 6
,
,
6 #" ) #" ) , 6
%
) K U , %
図より、) と散乱角 U は次のような関係にある。
従って、
U , )
, ) , #"#"))
, 3< %%
6 , U , 6 & & 6 3< %%
, 0
, (%
0
"
&" & 3< % - *$" & 2 3< %%
%
これで、U , U" % が求まった。この結果より、U は " % が減少すれば、増大することがわかる。 "
ま
の極限で U たは 一般に入射エネルギーが与えられたとき、散乱角が衝突係数の関数として U , $"% と与えられたとき $"%
を偏向関数 , -. という。
実験室系と重心系
観測は実験室系で行われるので、実験室系における散乱角 U と重心系における散乱角 U の関係が必要となる。
それが得られれば U , U U" %% が得られ、実験と理論の間で比較が可能となる。
!
実験室系と重心系から見た、二つの粒子の衝突。実験室系から見た散乱角は図 におけるそれと等し
いことに注意。
衝突前 $ ,
% に粒子1が静止しているような座標系は実験室系 $
&
% と呼ばれ、
慣性系である。一方、粒子1,2の重心が静止しているような座標系を重心系 # 4&4"" &
% という。重
心は等速直線運動をするので、重心系も慣性系である。即ち、
M
K , , , , # " , %
ここで、添字 &% + % はそれぞれ $ と 8 $ を表わすものとする。
重心系における散乱角 U と実験室系における散乱角 U には次のような関係がある。
U , #" U K" U %
%
何故なら、% より
, K , , K %
ここで、衝突後 8 $ , K% の粒子2の実験室系における速度と相対運動の速度を % 成分に分ける。
図より
, #" U K " U , #" U
K " U
これと % を % へ代入し、 % 成分を比べると
, K #" U
" U , " U
%
#" U
'
'%
両式より
U ,
" U
%
#" U K %
相対運動の運動エネルギーは衝突前後で不変であるから
, , , ,
これを % へ代入すると % を得る。
, (%
従って、前節の結果と合わせれば、実験室系における散乱角がインパクトパラメータと初期速度の関数として
得られるので実験と理論の比較ができる。
U , U U" %%
%
質点系の運動
質量中心の運動
- % 個の質点があり、その一つの質量と位置ベクトルを % & , -% と表わし、その粒子に質点
系の外部から働く外力を 、内力を 5 , &% とすると、運動方程式は
L , K %
"
ここで、 は 5 に関する和であるが & だけを除くことを表すとする。 粒子系にならって、全質量と重心座標
を次のように定義する
,
,
"
%
すると、質量中心の運動方程式は
L,
3E & # & ""%
%
となる。即ち、重心は内力の影響を受けずに全ての外力を受けて運動する。% は次のように示される。
L
ここで、
,
#
'
'
'
,
'
'
$
L ,
#
$ K
%
& ,
K
%
#
(
'
(
'
(, '
(
'
( '
&
$
,
%
%
(
(
(,
(
(
&
となることを用いた。
全運動量
次のように全運動量は重心の運動量となる
M , M , '%
また、
M , 3< %%
よって、外力がないとき または合力が0のとき、全運動量は保存する(等速直線運動する)。
(
%
%
相対座標
次のように、粒子の質量中心からの相対位置というものを定義すると、質量で重みを付けた平均
% はゼロとなる。
, 何故なら
,
M , ""49!0
L , (%
,
% ,
, 3< %%
!
%
これは恒等式なので何回微分しても右辺は0。
全運動エネルギー
全運動エネルギーは質量中心の運動エネルギーと相対運動の運動エネルギーの和になる。
M
M , K
M 0 , 0 K 0 %
何故なら
$0" ,
,
,
M K M M M K M M K
M K M K M , 0"
!
%
ここで、(% を用いた。
注意
外力がないときも、全運動エネルギーは保存するとは限らない。何故なら
L
M ,
M M ,
,
"
M M % , %
%
失われたエネルギーは系の内部エネルギー(熱・振動)などに変換する。最後の等式は行列形式にして書くと明
らかである # 参照%。
全角運動量
全角運動量は質量中心の角運動量と質量中心まわりの角運動量の和でかける
M , M K M , K %
何故なら
$0" ,
K % M K M %
, M K M K M , 0"
M K
%
全角運動量の変化は
M , M ,
%
で与えられる。従って、(内力の有無に関わらず)外力が全てゼロの またはトルクが打ち消し合う とき全角運
動量は保存する。% は次のようにして示せる。
$0" ,
,
M M K
#
$ K
L %
& 3< %%
,
K % , 0"
"
,
K
'%
ここで、第二項がゼロであることは次のような行列形式で書いてみるとわかる
#
' '
' ,
'
'
$
#
' '
' ,
'
'
$
,
% , %
(
(
(
(
(
&
"
%
(
(
(
(
(
&
%
最後の等式では であることを用いた。
相対運動と重心運動の角運動量の時間変化は
M , M , (%
何故なら
M ,
,
,
M ,
L ,
L
L %
#
% $ K & 3< %%
K % "
,
%
M M
M , ,
3<"% - %%
,
,
% , %
従って、外力がないとき と は独立に保存する。
外力が一様重力場 , だとすると
M , ,
,
M , , ,
M , よって、一様重力場による全角運動量の変化は質量中心にかかる重力のトルクに等しい。
%
%
剛体の物理量と運動
質点とは広がりのない理想化された物体であるが、現実の物体は有限の広がりを持つ。広がりを持つ物体は連続
体と呼ばれる。剛体とは物体中の任意の2点間の距離が変化しないという理想化された連続体の一種である。
剛体 の物理量の表現
連続体 連続体にのみ定義できる量として、体積と密度がある。これらの物理量は連続体を - 個のセルの集合と見なし、最後
の極限を考えると考えやすい。即ち、& 番目 & , -% のセルの位置・体積・質量を Q
Q
%
にとすると、密度と全体積は次のようにかける
,
Q
?
% ,
Q
$
# Q
%
ただし、や Q
という極限をとると、原子・分子の大きさに達するため密度は不連続な関数となっ
という極限操作の後にも Q
には十分多数の粒子が入っているものと考える 粗視化の
てしまうので、Q
概念%。
連続体のその他の物理量は質点系のそれの連続極限として構成できる。質点系を記述する際、次のような物理
量が現れたことを思いだそう。
"
, , M 0 , M , M , , %
,
これらの量をもとに、連続体の物理量を定義するには次のような2段階の置き換えを行えばよい。まずは、ステッ
プ セル分割% は
?
%Q
%?
%Q
ステップ 質量と力のセル分割%
%
ここで
, ?Q , , %
に注意。ステップ (連続極限)は
Q
ステップ 連続極限%
%
体積については は終わっているので、 だけおこなうと
,
Q
,
'%
その他の物理量に関しても、ステップ1・2を順次施すと
ここで、相対座標 ,
?
%Q
,
?%
"
"
?
%Q
) ?%
, , ,
, M , ?
%Q
M , M ?%
?%M 0,
M ,
?
%Q
M ,
, M , ?
%Q
M , M %?%
, , %?
%Q
, %?%
, , %?
%Q
, %%?%
%
(%
%
%
%
%
%
, に関する公式 (% に付いても同様の操作を行うと
,
,
,
?
%Q
,
?% , %
剛体の自由度 一つの剛体の位置を完全に指定するには、剛体中の任意の異なる3点を指定すればよい。しかし、その3点間の
距離が一定というのが運動中常に保たれるので、自由度は3つ減る。従って剛体の自由度は
, '
%
この6つの自由度に対する運動方程式を解けば、剛体の運動がわかる。一般的には、重心の運動方程式と全角
運動量に対する運動方程式が用いられる。
重心の運動方程式
一様重力加速度 をうけて運動する、総質量 の剛体の質量中心 が従う運動方程式は
L
, K
剛体の質量中心に関する運動方程式%
'%
とかける。ここで、 は重力以外の力 4!
* $ &
#% 全てを表す。
証明 1粒子の運動方程式 % の和をとると % が得られるのであった。この式は剛体にも成立する。そ
こで、剛体をセルに分割し、力を重力とそれ以外の力に分けると
, K , ?
%Q
%
これらを % の右辺に代入し、-
(ステップ2)を施すと '% を得る。即ち
L
,
,
,
?
%Q
K ? K
,
K K
(%
全角運動量の運動方程式
一方、一様重力加速度 をうけて運動する、総質量 の剛体の質量中心の全角運動量 が従う運動方程式は
M , K 剛体の任意の点回りの角運動量の時間変化%
証明
% において、力を重力とそれ以外にわけると
M ,
,
,
K %
?
%Q
K
,
?% K
,
K % ?% K
, K
%
3< %%
てこ ! の原理
支点 を原点、垂直上向きを % 軸、おもり 9!0% の方向を
軸に取るようにデカルト座標を取ると
$ , 2
, % , K2
, $ , 2
, , , L , M , 。重心の運動方程式 '% より
全ては止まっているので , L , K K , K %
,
%
, K %
%
角運動量に対する運動方程式 % より
, M , K K % , 2 % % K K 2 %
, 2 2 %
, , 22 よって 2
* 2 なら ( の力で持ち上げることができる。
!
' てこの原理
%
固定軸まわりの剛体運動
自由度
剛体が固定軸のまわりで運動するとき、剛体(または剛体と共に運動する座標系)の2点が指定される。その2
点間の距離は運動中も変わらないという条件がつくので2点を指定することは ' , % 個の条件を課すことと
なる。従って、全く自由な剛体の運動の自由度は ' であることを考えると、固定軸周りの剛体の運動の自由度は
' ' % , ' , '%
この自由度は、軸周りの角度に相当する。
角運動量の方程式と慣性モーメント
!
固定軸をもつ剛体。
運動方程式は軸周り % 軸にとる% の角運動量の時間変化の式を用いるのが便利である。即ち、
M % , %
'%
ここで、角運動量とトルクは剛体の広がりが2次元的、1次元的であるときも含めると
,
"
¼ "
?
%Q
M M , "
@
%Q9
M , K
)
% ¼ )# M %?%
% , )& M %@%9
#
%Q2
M %
M %#%2
'%
'%
とかかれる。従って、3次元剛体の場合に成分をかくと
,
M % ?%
,
M M %?%
,
A #" ) A )M #" ) K A "
,
A ?% )M
) A )M " )%?%
% , A #" ) A " )% AM , %
,
K %?% )M
, B )M
'%
'
B を % 軸まわりの慣性モーメントという。同様に 軸、 軸周りの慣性モーメントは
B ,
K % %?%
B
, % K %?%
''%
次のように、ステップ1・2を逆に使って、質点系に対する式へ戻すと意味が明瞭になる。
B
, K %?% ,
K %?
%Q
,
K %
'%
従って、慣性モーメントの次元は
B , K %
, '(%
であり、物理的には剛体の各セルに含まれている質量に、軸からの距離の二乗を掛けて足したものである。従っ
て、計算するときは剛体に固定された座標系で計算してよい。また、剛体が2次元、1次元の広がりを持ってい
る場合も考慮すると次のように書ける。
B
,
"
"
K %?
%Q
¼
K %
, "
K %@
%Q9
)
% ¼ ) K %?%
% , ) K %@%9
K
%
#
%Q
2
K %#%2
%
'%
慣性モーメントを用いると運動方程式は
B )L , %L , に酷似。%
'%
慣性モーメントに関する定理と回転半径
%
%
!
( % 定理1と定理2。% 回転半径の意味。
定理1:平行軸周りの慣性モーメント 重心を通る軸周りの慣性モーメントを
行で重心からの距離が である軸周りの慣性モーメントは
B
, B' K B' とする。そのとき、その軸に平
'%
で与えられる。このことから、軸の方向が与えられたとき、B' は慣性モーメントの最小値である。何故なら
. /
,
K %?%
,
: K % K C K % ?%
, : K C %
(
,
?% K: ?% KC ?% K K %?%
/
!
3< %%
)
'%
定理2:2次元剛体の慣性モーメント 2次元剛体に垂直な軸周りの慣性モーメントは、剛体中を通り互いに垂
直な2軸の周りの慣性モーメントの和となる。
B
. /
, B K B
'%
,
K %@%9
,
K %@%9 K K %@%9
, B K B
回転半径
'%
回転半径 を次のように定義する。
B
, ,
B
'%
与えられた B に対して、
は質量が の単振子の半径を与える。
慣性モーメントの例
以下で、密度(体積密度・面密度・線密度)が一様で、対称性が高い、いくつかの剛体に関して対称軸に関する慣
性モーメントを求める。
1次元の棒
#,
B ,
K % %#2 , #
B
, % K %#2 , #
B
, K %#2 , #
2 , %
(
''%
(
K % %% , # % ( , # , (
(
(
(
(
'%
% K %% , B '(%
K %% , '%
(
!
慣性モーメントの例。
2次元長方形
@,
B ,
K % %@9 , @
9 , "
*
*
*
K % , @ K % , @ B
, % K %9 , @
B
, K %@9 , B K B , K " % *
'%
"
"
,
",
'%
'%
'%
3次元直方体
?,
B
,
,
,
"
, %
'%
K % %?
?
*
*
? % K % %
"
% K " %
" , "
" K % , "K %
K %
K " %
B ,
B ,
'%
''%
1次元リング
#,
B
2 , )
+
, K %#2 , #
B , B , B , '%
) , # , '(%
'%
2次元ディスク
@,
B
9 , )
, K %@9 , @
B , B
, B , +
)
*
'%
, @ ,
'%
'%
2次元シリンダー /0
@,
B
B
, K %@9 , @
9 , )%
2 %
+
'%
) , @ 2 , '%
, B % を求めるには、% , % にあり厚みが % のリングの慣性モーメントの和として求める。
B , B
,
,
,
,
,
B "
2
B
B %' K % :0
%
K %
3< '%%
%
K
%
, 2 % %
2
2
2
2
K , " 3< '%%
B '
K
2
2
'%
'
"
2
" 3< '%%
''%
3次元シリンダー (
/0
?,
B
B
2
, K %? , ?
%
, )%
+
)
*
'%
, ? 2 ,
'(%
, B % を求めるには、% , % にあり厚みが % のディスクの慣性モーメントの和として求める。
B
,
,
,
,
,
B
B %' K % 3< '% :0
%
K%
, K%
K
2
K % 3< '%%
%
2
, 2 % %
'%
'
実体振子(固定軸まわりの剛体運動の例)
(復習)単振り子 * 極座標を導入して、運動方程式を書くと
下の式で、
, 2 M , L , とすると
L )M % , #" ) 9
M )M K )L% , " )
2)L , " ) )
, )L K , ) , , ,
%
%
&
) %
2
%
%
よって、一般解は
)% , #", K
)% , ) )M % , という初期条件を課すと
, ) , ,
%
%
)% , ) #" , 周期は
,
, K , % , , K ,
, , ,
'%
2
従って、振幅が小さいとき、単振り子の周期は振幅や質量に依存しない(単振り子周期の等時性)
。
2 は導出できることに注意。
次元解析から ,
- . 2 , - %. , - . . , よって
, 2 ,
2
, D E ' % , %
& %
%
(%
%
無次元因子 は運動方程式を解いて初めてわかる。
運動方程式
回転軸を % 軸にとり、軸上の任意の点を原点とする空間に固定された座標系を考える。すると、重心の位置 : C < %
は
: % C % < % , #" )% " )% < % , : K C , # "
%
とかける。角運動量に関する運動方程式 M , % を用いて、)% に関する方程式を求める。剛体が軸から受け
る抗力のトルクを とすると
, B )
M
%
, % K
%
, : C < % % K
, C K , " )
%
% %
%
'
%
%
!
% 単振り子。% 実体振り子。 は重心で は重心を % 平面に射影した点。
よって、角運動量に関する運動方程式は
B )L , ) ) &
) %
, )L K ) , ,
B
,
"
従って、微少振動は角振動数が で周期が
K % , K ,
, , B
, %
%
%
の周期運動となる , !%。
即ち、実体振り子の周期は
% の関数となる。ただし、決まった軸の向きのみを考えている限り も
関数 % , B , B' K % % だから は のみの関数である。
周期の
の
依存性
与えられた実体振り子と同じ質量と同じ周期をもつ単振り子を相当単振り子 S<*$
$
V% と呼ぶ。すなわち
, ここで、2 の具体形は
2 % ,
,
,
,
2
, , ,
2 % , %
"$ 0
# "#$4
'%
B B' K '
K
'
K :0
%
' ,
B' 重心の回転半径%
%
グラフを図 % のように描けば、2 % には下限があり、
で 2
となることがわかる。即ち、実体振
り子では軸の位置を重心に近づけることによって、
(小さい装置で)いくらでも大きな周期が得られる。下限は相
" &
" * 0 <$ 0$" 90 , " より
加相乗平均の定理 K "%
2 '
, '
'
(%
等号は
!
2
, ' のとき成立する。また、与えられた相当単振り子の長さ 2!
(
与えられた周期)に対して、
, 2 % は の2次方程式なので、解は二つある場合もある。
%
!
% 実体振り子の周期の
%
依存性。% 3次元直方体の周期。
3次元直方体の相当単振り子
3辺の長さを " 2
" 2% として、点 2 に軸を取ったとき相当単振り子の長さは
B K 2 , '
,
K 2 %
K
K 2 K 2% 2
, 2 K 2 2 ,
3< ''%%
, 2%
2%
%
すなわち、この剛体は長さが 2 , 2 ( 2 の単振り子の周期に等しい。
前節の考察から、点 2 とは異なる点で同じ周期を実現する点 I が存在するはずである。
% を書き換えると
この方程式の解が 2 K ' , %
% であるから、解と係数の関係より
K , 2
, , 2 2 2 , ' 2 '2
%
また、重心周りの回転半径 ' を求めておくと
'
,
B'
K 2
3< ''%%
2
, K 2
2 (2%
,
よって、各点の位置関係は図 % のようになる。
'
%
斜面を転がる円筒・円柱(固定軸を持たない剛体)
"
(復習)剛体の運動方程式
固定軸周りの運動ではない剛体の運動の例を学ぶ前に、剛体運動の運動方程式について復習しておく。剛体運動
の方程式の一つは重心の運動方程式で
L
, K
3< '%%
であった。もう一つは、角運動量の運動方程式で
M , K 3< %%
"
重心周りの角運動量 の運動方程式
上の角運動量の運動方程式の左辺は重心と相対運動の角運動量による寄与を含んでいるので実用的ではない。従っ
て、角運動量を重心と相対運動のそれらに分ける。質点系の全角運動量とその時間変化は、% と (% より
, M K M , ! K M ! , M
と分解できたことを思いだそう。
M , の式において、外力を重力とそれ以外の力にわけると
M ,
K %
,
K %
(%
M , 重心周りの角運動量に関する運動方程式%
(%
,
この式で連続極限 -
K
,
% を取れば
を得る。
"
斜面を転がる円柱・円筒(剛体運動の平面運動の例)
斜面を転がり落ちる円柱・円筒の運動を解析するが、その前に斜面を滑り落ちる質点の加速度を求めておこう。
L , " 3
,
'
L , " 3
(%
%
%
!
% 斜面を滑り落ちる質点。% 斜面を転がり落ちる円筒・円柱。
斜面に平行に : 軸を取り、剛体の回転角を ) とすると、'% と (% より
:L , " 3 B' )L , / % 0 % , 1 1
: , ) 滑らないで転がる条件%
, (%
(%
('%
ここで、 は静止摩擦力であり、最後の式は、剛体が滑らないで転がる事実を表わす幾何学的な拘束条件である。
と ) を順次消去すると
:L
,
,
,
,
B
" 3 ' )L
B' :L
" 3 " 3 ' :L ' , B' :重心の回転半径%
" 3
:L ,
K ' % ( " 3%
(%
従って、転がり落ちる剛体の加速度は滑り落ちる質点の加速度よりも小さい。
剛体が円柱 0、中空の円筒 0 の場合
'% と '(% より
円柱と円筒の回転軸に関する慣性モーメントは
, '" , #
,
'
,
((%
(%
:L # , " 3
従って、同じ質量で同じ寸法の場合、円柱 "$ #$ % の方が速く転がる。
(%
B'" , B'# ,
なので
:L " , " 3
''
%
%
!
% 斜面を滑り落ちる質点。% 斜面を転がり落ちる円筒・円柱。
"
コマの歳差運動( )
軸対称コマは自転と歳差運動をする。問題を単純化するために、垂直に垂れた紐の下端にコマの支点を吊り下げ
て、軸を水平方向に寝かせ、角速度 で自転する場合を考える。すると、全角運動量は
と分解できるはずである。ここで、
, K (%
% の方向に % 軸をとると
, B' (%
とかけるはずである。さらに、紐の下端を原点とすると、支点に働く紐の張力 で、% は
% はトルクに寄与しないの
, , Q , %Q
(%
微少時刻 Q 間の の回転角を Q8 とすると、図より
Q8 Q , %Q 3< (%%
' Q , %
, '
B ,
,
'
' Q
'
' Q
'
' ,
B' %
(%
よって、歳差運動の角速度は
W , 8
, ' (%
装置の典型的なスケール%
('%
'
と表わされる。ここで、W
' '
,
のおおよその大きさを見積もるために
' ' , 2
'
と仮定すると
2
(%
と書ける。これは長さが 2 の単振り子の角振動数であり、コマの自転の角振動数より小さいと考えるのが自然であ
%。従って、
る W , すなわち、歳差運動の角振動数 W
よりさらに小さい(大きい)。つまり、
W 2
((%
(周期)は
'(
(%
弦の運動 '
弦
弾性体
連続体 の運動方程式
線密度が # # , %、張力が , # " の微少部分に対して 変位 % の運動方程式
, , % の弦を考える。微少区間 K % にある弦
, %
を立てる。微少部分の質量と加速度は
, #% FF
%
微少部分に働く力は
F
3% , F
3 %
%
と書くと、
,
" 3 K % " 3%
3 K % 3%
F
F
F F F
F F
K
K F
F F F F %
従って、% は波動方程式 二階線形双曲型偏微分方程式% となる
F
F
F
, F
,
#
%
% , '%
ここで、 の次元は速度の次元を持つことに注意。
, # , !
運動する弦の微少部分。
'
'
力学的エネルギー
微少部分の運動エネルギーは
F
0 , , #%
F
%
よって、弦全体での運動エネルギーは、積分して
0 % , 0 , #
F
F
(%
微少部分の位置エネルギーは、張力が単位長さ当たりのエネルギーであることから
1
,
,
K K FF% F F
%
ここで
K %- ,
DD % D - K %
X
( %
を用いた。弦全体に蓄えられるエネルギーはこれを積分して
1 % ,
1
, F
F
%
よって、弦の力学的エネルギーは
% , 0 K 1
'
#
,
F
F
K F
F
%
端点が固定された弦
基準振動への分解
次のような境界条件と初期条件の下で波動方程式 % を解く。
% , % , % , % M % , % !* & # %
%
%
まず、次のような解の形を仮定する(変数分離法)
% , %: %
%
L
, , '%
波動方程式 % に代入すると
: :
ここで、左辺は空間だけの関数、真ん中は時間だけの関数であるので、両辺は定数でなければならないので、そ
れを とおいた。よって、二つの常微分方程式を得る。
: K : , L K , , %
(%
ここで
, , , %
に注意する。上記の二つの常微分方程式は簡単に積分できて
, " % K #"
% , $ #" K )%
但し、 $ )% は積分定数で $ , $ , ) , 。
:
%
初期条件より
M % , $ " )% , ,
) , %
" % , %
一方、境界条件 % より
: % , 従って、
, : % ,
, であるから
, -
,
- , ,
-
-
, ,
- , #
%
という、離散的な値しか許されない。整数 - に対応する解を
: % , " % % , $ #" %
%
と書くことにする。固有振動に対応する弦の変位は
% , " % #" % , $
%
とかける。 % のことを弦の固有振動という。
、 は固有振動の波数、角振動数に対応している。また、固
有振動に関して、周期、波長は
,
# ,
'%
となる。
一般の解は、固有振動の和として表わされる。
% ,
% ,
" % #" %
は初期条件の残り % , % から決まる。
%
!
弦の基準振動。
力学的エネルギー
波動方程式 % の解 % に対する、力学的エネルギー % は
#
, F
F
, #
2
#
K
F
F
" % " % " % " %
K #"
% #"
% #" % #" % , " % " % " % " % K #" % #" %
2
, # " % " % Æ K #" % #" % Æ
2
, # , # "%
, , # , %
$ , $ ""% #
#"
% #"
%
(%
固有振動のエネルギーの和として書かれ、各固有振動のエネルギーは振幅の二乗と振動数の二乗に比例する。
'
例:弦の中央をつまんで手を離す場合
例題として、弦の中央を高さ まで引っ張って、手静かに手を離す場合を考える。そのとき、
% ,
( %
% %
%
問題は、上記のように与えられた % について
% ,
" %
%
を求める問題に帰着される(関数 % のフーリエ分解をすればよい)。両辺に " % を掛けて、積分すると
/
,
,
. /
" % " %
Æ
, ,
% " %
" % K
,
, "
, %
% " %
%
よって
,
( "
,
% ,
( "
- - !
' 弦の初期状態。
" % #" %
%
力学():静力学 古典力学の形成に貢献した代表的人物。
"# @9 '4 3 !$ % S0#$ D
#$" & @
$ D0$"0 %V '(%
, %* 12
G 4I" $ / 12$
4( #% S:
<V %
5 0
3$
4( 9""% S2 0 &
8 ! #
* $ " O ! " & )
"$ & "
# $" 0 " ## " "V %
G"045" 5!
! '4( .
# $% S2 $# #0 #"V ((%
, 12
H$$ /9 6$ (4(' $ % :9 " # #$ 0 O
$ SD0$"04
#$ :
"# "V (4(%
, 3 12 , 4.. 12
(
仮想仕事の原理
- 個の質点からなる質点系を考える。この系が平衡状態にある条件は、 & 番目の質点 & , -% に働いてい
る力の合力 がゼロとなればいいので、
, & , -%
とかける。今、力を重力などの力 !!
にわける
%
- と張力や垂直抗力などの拘束を表わす拘束力 -
, * K %
ここで、仮に一定の力 を受けたまま、粒子が拘束と無矛盾に動いたとする。ただし、拘束とは無矛盾に動くと
するのでそれを Æ 仮想変位 ". !% と書き
Æ
, %
とすると、力が系にした仕事 仮想仕事
". * % は
Æ, ,
Æ
,
,
* K % Æ
* Æ
%%
%
従って、% を考慮すると釣合の条件は
Æ,
,
* Æ
, 仮想仕事の原理 5! - 6. 7 %
%
とかかれる。平衡条件をこの式のように書くと スカラーの式である。 未知の拘束力 を考慮しなくて
よいという長所がある。しかし、拘束条件があると、全ての Æ
は独立ではないので、この式はこのままでは有
用ではない。そこで次節で一般化座標を導入する。
(
一般化座標を用いた表現
拘束条件がある場合や系に対称性がある場合、デカルト座標よりも系の自由度と合致した数の適切なパラメータ
を導入した方が便利である。そのようなパラメータを一般化座標と呼び、
=3 , +
, - '%
とかく。ここで は拘束条件の数である。ここで、=3 の次元は長さの次元である必要はないことに注意。各質点
の位置は、一般化座標を用いて次のように書けるはずである 点変換%
, = = = %
%
一般化座標を用いると、仮想変位は
Æ ,
と書かれる。従って、仮想仕事の原理は
, Æ, ,
,
,
,
F Æ=3
3 F=3
* Æ
F Æ=3
3 F=3
* F F= Æ=3
3
3
G3 Æ=3
(%
* 3
%
Æ=3 は全て独立だから、この式が成立するには全ての Æ=3 の係数はゼロではなくてはならず、仮想仕事の原理は
G3 ,
* FF=
, 3
一般化座標を用いた書いた仮想仕事の原理%
%
%
と書ける。G3 は一般化力と呼ばれる。但し、G3 の次元は =3 の次元に応じて、力の次元である必要はないことに
注意する。
(
仮想仕事の原理の応用
!
二つのリングの平衡状態。
度をなす2本の滑らかな針金に、2つのリング 質量を 合の位置を求めよ。
図のような角度 3 を一般化座標に選ぶ = , 3% と、点変換は
とする% が長さ の針金で繋がれている。釣
, , " 3 K #" 3% , " 3 , " 3
%
仮想仕事の原理より
, Æ, ,
,
* Æ
, % Æ
Æ
, #" 3 " 3% Æ3 K #" 3 Æ3
, #" 3 " 3% K #" 3 Æ3 , G Æ3
よって G
, より
3,
,
K K K K %
, , K K K %
, , %
%
まず、上の問題を解くのに、仮想仕事の原理を用いたことにより拘束力が現れなかったことに留意せよ。通常
の釣合の式 % を用いて解くとき、拘束力の導入(今の場合、針金による垂直抗力)は避けられず、この垂直
抗力も同時に解かなければならない。また、一般化座標を用いたことにより拘束条件 間の関係 が現れなかっ
た事にも留意せよ。デカルト座標を用いたときには、次のような拘束条件が課される。
% K % , %
従って、独立な仮想変位は Æ Æ Æ Æ % のうち一つしかなく、% を解く際に、従属な仮想変位3つを消
, , 去しなければならず、非常に煩雑になる。(それを回避するのが の未定定数法であるが、ここでは割愛
する。)
'
力学():動力学 @9
,-+ の原理
の運動方程式を次のように書き、第 項を力の一種と見なす 慣性抗力と呼ぶ%。
* K , %
すなわち、釣合の式とみなす。仮想変位を考えると、これらの「力」が系にした仕事は
,
Æ,
* K Æ
,
* Æ
%
よって、% を考慮すると @9 の運動方程式は
Æ,
,
*
Æ
, %
とかくことができる。これをダランベールの原理と呼ぶ。仮想仕事の原理同様、スカラーの式であること、拘束
力が消えている点に留意せよ。ただし、Æ が全て独立でない場合は上記の式はあまり有用でない。従って静力
学のとき同様、次節で一般化座標を導入する。
./0 方程式
拘束条件が時間を陽に含んでいる場合、点変換は次のように書ける
% , = % = %Y %
%
F F
=M3 K F=
F
3
3
'%
すると、デカルト座標における速度は
, ,
, = =M % %%
とかける。最後の等号は今後 を =3 =M3 % の関数と見なすということを意味する。その時、次のような、あまり
自明ではない関係式を示すことができる。
F F =M3
F F=3
, FF=
, 3
F F=3
%
(%
'% を =M4 で微分すると
F F , F= Æ34
F =M4
3 3
, FF=
4
%
%
¾ 例としては、半径が時間の与えられた関数として変化する球面に拘束された場合
#! などが考えられる。ここで の部分が に陽に依存する部分であり、 が一般化座標である。
$
となり % は示される。次に、'% を =4 で微分すると
F F=4
,
,
,
F F =M3 K
F=4 F
3 F=4 F=3
F
F F F =M3 K
F F=4
3 F=3 F=4
F F=4
%
となり、(% が示される。
これらを用いると、12$
の原理は次のように変形できる。
, Æ, ,
*
Æ
FF=
Æ=3 (%%
3 3
F Æ=3 %%
G3 F=3
3
F F G3 K F= Æ=3 + , +% + %
F=
3
3
3
F
F
G3 K
Æ=3 % - (%%
F =M3
F=3
3
*
F F G3 K F=
Æ=3 % , %
F
=
M
3
3
3
F0
F0
G3 K F= Æ=3 0 , = =M %
%
F
=
M
3
3
3
,
,
,
,
,
,
*
よって
F0
F0
F=
F =M3
3
を得る。特に、 *
%
, G3 , Y % によってもたらされる場合は
, * F , F , F
がポテンシャル G3
F=3
F=3
F=3
%
とかけるので、
F
F
F=
F =M3
3
, = =M % , 0 = =M % = %
8.9 方程式%
%
は と呼ばれる。
一般に、5!
である。
!
が一般化座標 =3 を含まないとき、一般化運動量を次のように定義すると、それは保存量
;3 ,
F
F =M3
, # "
となる。
(
'%
1 の原理
!
( 変分。
いま、ある時間間隔 % の間の = % =M%% が与えられたとして、5!
考える。
B = ,
!
を用いて、次のような積分を
= % =M% %
%
これを、作用積分と呼ぶ。このように関数を決めると値が決まるものは、数学的では汎関数と呼ばれる。いま仮に
= % という経路で B = が最小値を取ったとしよう。その時、任意の微少な Æ= % を用いて、経路を = % = %K Æ= %
と変更したとき、B = は Æ= のオーダーで変化しないはずである。ただし、Æ= は次の条件を満たすとする。
Æ= % , Æ= % , (%
すなわち、
, ÆB ,
,
,
,
,
B = K Æ= B = F
F
K
Æ=3 K
Æ =M3 F=3
F =M3
F
F Æ=3 K
Æ=3 F =M3 F=3
F
F
F
Æ=3 K
Æ= Æ=3 F =M3 3
F =M3
F=3
F F F
Æ=3 F= Æ=3 F =M3
3
F =M3
F F F= Æ=3 (%%
3
F =M3
%
Æ= % は任意なので、各時刻で
F
F
F=
F =M3
3
,
%
が成立していなくてはならない。従って、35 方程式は作用積分 % が極値をとるという条件と同等である。
これを 3 の原理と呼ぶ。
これが、5!
! 力学の基礎となる 35 方程式であり、つぎのような特徴を持つ。
どんな力学変数を選んでも、運動方程式が不変である。
拘束条件について解く必要がない。
さらに、6$ の原理に移行すれば、「作用積分が極値をとる」という形式で、古典力学だけでなく、電
磁気学・ゲージ理論・一般相対論などを表現できる。
力学系の対称性と、それに関連した保存量が容易に見つけられる(! 循環座標に対する一般化運動量の保
存則)。
./0 方程式の例
中心力を受けて 次元面を運動する物体の 5!
,0 方向の運動方程式は
!
は、極座標を用いると
, , M K )M % %
F
F
,
M % , L
F M
F
, )M %
%
より
L )M % , ) 方向の運動方程式は
+
,
F
, )M F
F )M
F)
%
,
%
より
)M , #
これは、角運動量保存則に他ならない。
(
"
%
兵頭俊夫著、『考える力学』、学術図書出版。
2$
:0" I
@ :$
(% @: #$ D$# ( S. &
0 " & 0
$ " & " %V @ $ " & " :#0 $!
D G 0
I @ :$
7 I @9$$ S+E72:2 /# F$" & 0 $ D0"#$
+ " " 'V /* D0" ' (% Z*(( 0"#"40
市村宗武著、『朝倉現代物理学講座 :力学』、朝倉書店。
有山正孝著、『基礎物理学選書8:振動・波動』、裳華房。
(
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