...

(平成26年1月16日開催)(PDF文書)

by user

on
Category: Documents
14

views

Report

Comments

Transcript

(平成26年1月16日開催)(PDF文書)
審議会等の会議結果報告書
【担当課】パートナーシップのまちづくり推進課
会議の名称
美術品寄附等検討委員会
開催日時
平成26年1月16日(木) 午後1時30分~ 3時55分
開催場所
茅野市民館 アトリエ
出
席
者
【委員】
藤森委員長、牛山副委員長、田中委員、伊藤委員、島立委員、今井委員、
春日委員、横山委員、金井委員
【茅野市美術館】
辻野美術館長、前田主任学芸員、太田学芸員
【事務局】
田中パートナーシップのまちづくり推進課長、守矢生涯学習係長、
河西市民活動推進係長
欠
席
者
中山委員
公開・非公開の別
発 言
一部非公開
者
傍聴者の数
0人
協議内容・発言内容(概要)
1 開会
藤森委員長
藤森委員長
2 委員長あいさつ
今年度 1 回目ということで、新年早々お忙しい中お集まりいただきありがとうご
ざいます。本年も引き続きよろしくお願いします。本来もう少し早く開催する予
定でしたが、諸事情がありましてこの時期になり申し訳ありません。
この会が任されていることはいくつかありますけれども、この会の使命を自覚し
ていただき、慎重に検討しながら粛々と進めさせていただければと思っています
ので、ご協力をよろしくお願いいたします。
3 会議事項
(1)会議の公開についての確認
最初に、この会議の公開については審議事項のみ非公開で、他の部分については
公開の形で行いたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
一同
了承
藤森委員長
それでは審議事項については非公開で進めます。
(2)購入作品について
(3)寄贈申込作品の審査について
~以降の審査部分は、茅野市審議会等の会議の公開に関する要綱第3条第2項及
び第3項の規定により非公開とする~
1
○審査の結果、受入可能とした作品は以下のとおり
作家名
辻野美術館長
作品名
種別
点数
油彩
1
田村一男
無題
松澤 宥
この一枚の白き和紙の中に(白鳥の歌) プリント
1
矢﨑博信
人物 ほか
40
油彩
(4)茅野市美術館平成 25 年度事業報告及び平成 26 年度事業計画について
平成 25 年度の 12 月までの状況ですが、
美術館全体として相変わらず利用率が 85%
くらいで、ご利用いただいています。貸館等の入場者数も 12 月までで1万5千人
くらいで、現在非常に皆さんに利用していただいている美術館だと思っています。
本年もどうぞよろしくお願いします。
25 年度の報告及び 26 年度の計画を前田主任学芸員から申し上げます。
前田主任学芸員
平成 25 年度の常設展事業の紹介をします。
資料「平成 25 年度美術館常設展示事業、企画展示事業、共済事業」
「平成 26 年度美術館常設展示事業、企画展示事業、共済事業」の説明
藤森委員長
今ご説明いただいたように、平成 25 年度と 26 年度、大きくは三つ、中心になる
のは二つの柱ですが。美術館の常設展示事業、企画展示事業、共催事業という形
になっています。特に今回は信州大学の人文学部のほうからこういう形で参画し
てくるなど、いろいろ新しいことが盛り込まれています。まず 25 年度に行われた
ものについてご意見ご質問がありましたらお願いします。
横山委員
実績を表わすのに、その時の出品作品数を入れたほうがいいと思います。もう一
つは、前回も言いましたが、公立美術館として教育の事業というのはすごく大事
になっていますので、例えばギャラリーツアーというのがありますが、こういう
ものは別表にしてアピールしたほうがいいような気がします。最近活発になって
きたという印象では見ていますが、公立美術館の美術館活動というのは教育と密
接なつながりがあるということを現場からもっとアピールしていかなければいけ
ません。ギャラリートークでも何人参加ということは当然確認していると思うの
ですが、そうすると長期的な展望が見えてきて、スタッフの方々は意識すること
ができると思います。
質問ですが、常設展示に関しては9時から 19 時ということですが、企画展につい
てはどうでしょうか。
前田主任学芸員
企画展は 10 時から 18 時です。
横山委員
入れるか入れないか統一したほうがいいと思います。茅野市美術展の実績はどう
ですか。
前田主任学芸員
抜けていました。1,000 人を超える数だったと思います。(→1,095 名)
2
横山委員
こういう数字を大事にしていかれたほうがいいと思います。先ほど申し上げたの
は、年間を通して何人参加しているかということがわかってくれば、茅野市にさ
らに予算を要求できる可能性があるのではないかと。社会的使命を果たしていま
すと言えるのではないかと思います。私自身長野県で苦労していますのであえて
現場の方にそのような忠告をしたいと思います。
藤森委員長
公的なところに勤めていると実績とか実質的に活動をしているかという評価をき
ちんと書かないといけないということがあり、逆にそれを違う立場で言うと、利
用していただく。いわゆる学校と美術館がコラボレートしたり学生を送り込んで
企画を立てたり事業化したりというように、学生に頼むのではなくて、向こうが
来たくてそういう場を望んでいて、先生がそれをやらないといけない使命感に負
われていて、そこを逆にうまく利用して。もっと違う言い方をすると、地域で駅
の活性化などに学生が参画していく、それは学生たちの刺激になるようにいろい
ろなアイデアを出し合っていくという発想がもとなのですが、裏を返せば先生た
ちも予算のない中で実績を作らないといけない。そういうことを逆にうまく美術
館が利用していけば、外からの財源で予想以上のものを得ることができる。今回
も地元の先生に多く来ていただいている。そういうところに切り込んでいくほう
がよい形ができる。一人の若い作家を探してきて、それだけでやるのはなかなか
予算的にも難しいと思うので、やはりそういう、ある程度公のところだったりバ
ックが付いているところというのは非常に使いやすかったりとか、両者にとって
いい関係が構築できるので。もうひとつ教育と言いましたが、今どこの美術館で
も大きな柱になるのは教育普及活動をどうしていくのかということで、美術展示
よりそちらのほうが表に出るような形があるので、やはりそれは市であるとかい
ろんなところに説得していくには、数字や活動実績というものをきちんと書いて
いくことでより明確に展示とそれについてのフォローアップができる、それをど
うやって次世代につなげていくかということは明確に出てくると思います。これ
からの公的美術館にはそこがますます要求される時代だと思います。ですからこ
こは肝を入れてやっていただけるということには私も同感です。
島立委員
「茅野市ミュージアム活性化事業」で、文化庁から 1,800 万円という大きな助成
をつぎ込んでいただいているということなのですが、現実にこれをみると、蓼科
高原美術館・矢崎虎夫記念館などはほとんど人が入らないという話を聞きます。
実際に活性化事業の中でここの入館者などの実績はどうなのですか。総括してい
かないと 1,800 万円がただやりましたというだけになり非常にもったいない話だ
なという気がします。もうひとつ、ミュージアム活性化事業に関連することにな
ると思いますが、前回もお話したのですが、駅前の西口がきれいに整備されまし
たが、そこを通ってみると本当に人が少ない。あそこの店舗と道路の間のスペー
スが有効利用できるのではないかと思っています。通年とは言いませんが、この
ような一つのイベントの中でああいうスペースを使うことによって人がたくさん
あそこに行くようになる、また一般の市民にもPRできるというような、多角的
なもので企画があってもいいのではないかなという気がします。場所の活用を含
めて 1,800 万円をいい意味で使う形の事業に展開していってもらえたらと思いま
す。
牛山副委員長
ミュージアム活性化事業は 2 年目ですよね。去年も感じたことで、さらに強く思
3
うのが、各館の館長さんや学芸員さんのお考えでいろいろな事業やワークショッ
プ等をされていますが、各学芸員さんの考え方の温度差がかなりあると思います。
ミュージアム活性化事業ですから、横のつながりをとってしかるべきだと思うの
ですが、各館の主張がただされていて終わっているような気がしてなりません。
諏訪湖周辺も連携事業をしているので茅野も連携事業をしなければいけないとい
うような感じで無理やり 6 館にしてしまっているような気がします。そうではな
いとは思いますが、個々の館がそれぞれいろいろな事業をしていて、それはそれ
でいいのですが、せっかくのミュージアム活性化事業があまり活かされていない、
その原因はおそらく学芸員の温度差だと思います。
「博物館だから」
、
「美術館だか
ら」と、交差する部分やつながる部分がない。それではうまく連携していない、
という話になってしまう。そこが私が違和感として感じている部分ではないかと
思います。
アート×コミュニケーションは非常に良い取り組みだったと思いました。すごく
行動力があって、フットワークも軽くて、ぱっと行って教授や学生さんたちがセ
ットを作ってしっかりしたことをやってくれているのです。とてもいいと思うの
ですが、ちょっと場所を貸して終わってしまったという感があります。5万人し
かいない茅野市ですから、こういうことをやりますと言って、慣れていない市民
がいきなりどっと来るわけがないので、継続的な取り組みを部分的でもされてい
けば、信州大学は大きい大学ですし、いい取り組みができていきそうな館ではな
いかと。来た方は、こんなに自由にいろんなことやらせてもらえるところはない
と非常に感動していました。ですからいい方向で続けていってもらいたいと思い
ました。
田中委員
茅野市美術展は、専門的に高度な技術を持っている人ばかりではなくて、初心者
から参加している美術展なのですが、私の一つの考え方としては、すそ野を広げ
ようという取り組みなのです。ですから講習会等も初めての人にたくさん参加し
てもらい、たくさんの市民に興味を持ってもらおうというようなことを考えてい
ます。その中で新しい研修会とか講習会とかやっていますが、その一環でミュー
ジアム活性化事業のほうも、私も一昨年諏訪湖周辺の事業に参加して回ってみま
したが結構楽しいです。ただ茅野ではロケーション的に美術館が分散していて、
山の上からこちらのほうまでやるということになると難しいと思うのですが、と
にかく市民の興味を持つことを多くつくりたいと考えています。
金井委員
まず信州大学の件と、ミュージアム活性化事業のことに関わると思いますが、今
文化庁が大型の予算を組んでいて、我々がそれに強く関与しているというのが大
前提になると思います。その中でどれだけ実績をあげるかということは、かなり
重要な課題であると思っています。ですから、ミュージアム活性化事業も2年目
が勝負。信州大学の件も、これは流れとしては昨年までこちらでアート×コミュ
ニケーションという枠があって、それが可能性はありながらも、しかしどう展開
させるかというお話があった。その前段を受け、大学が絡んで学生がもう少し入
ってくることによって面白い展開はないかという、一つ信州大学を触媒にするよ
うなケースとして提案して、実現までこぎつけたということがあります。ですか
ら、ご意見をいただいているとおりですが、単発でやっていると面白くないので、
引き続き、文化庁の予算を活かしながら、それで企画としてはよりドリームプラ
ンに近いものを提案する努力をしたいと思っています。
4
横山委員
つまりそういうことというのは、文化庁自身も前は展覧会に予算を出していたの
で、今は地域活性化とか、他の館とのネットワーク、しかも地域住民とのネット
ワークをむしろ推奨しているのです。推奨しているということはそれがなくなっ
ているということなので、信州大学の件も、最初の会議から結果まで全部ドキュ
メンテーションとしてまとめていくというスタンスが大事なのではないかと思い
ます。そういった意味では、今回初めてだったとすれば、貸館的だったというこ
ともあるかも知れませんが、次にどうやっていくかということも含めて今後もっ
と活性化していく方法がいろいろ考えられるのではないかという気がします。ぜ
ひ頑張っていただきたい。
牛山副委員長
貸館的というと言葉が悪かったかも知れませんが、実際に学芸員さんも一緒に作
り上げるということは、ものすごく時間もかかると思うし、1回目だから、ああ
いうことができたということは素晴らしいことだと思うし、それがもう少しいい
方法がないかとお互いが探り合いながら作り上げていくという、そういう関係が
持てるところまでいけばいいと思います。
横山委員
そういう出来事を全部ドキュメンテーションしていくことが大事だと思います。
田中委員
ちょっと話がそれますが、我々がこういう美術館に関わったきっかけは公民館な
のです。茅野市の場合、公民館と美術館、市民館という流れがありまして、社会
教育なのですが、こういう関係と違うものですから、それぞれの活動が別だった
ということがあります。ですからその辺の連携をうまくして、もっと最初の初歩
的な部分の教育を担って公民館では教室を開いたりしているのです。そういうこ
とをもっとやって、すそ野を広げるような活動をやってほしいと思います。
横山委員
信濃美術館では、長野県書道展を長年やってきて、昨年からギャラリートークを
始めて、これが結構好評です。美術館主催事業のときにはぜひ学芸員さんにギャ
ラリートークを定例的にやってほしいということと同時に、学芸員さんだけでは
人が足りなければ地元の作家の方にお願いするとかといったことはすごくすそ野
を広げることにつながるし、やるほうにしてみれば勉強になる、両方の面で意味
があると思いますがいかがでしょうか。
藤森委員長
その通りで、先ほどから横山委員がおっしゃったように、旧態依然に告知してそ
れを粛々と終わらせるということもありますが、今はもっとドキュメンタリー的
に、展覧会をやるにもいくつかの要因がからみだすとそこが重要で、内容もただ
の展覧会ではなくてギャラリートークをしたり、お土産をつけてあげないといけ
ない。それは何かというと、公開で描き方を教えたり、何か来てお得になるよう
なパッケージを組んだり、体験的なことも学んだり、それによってその内容を深
く感じ取るというサービス的なものが求められる。なおかつ結果がどうだったと
いうことまで求められると思います。やりっぱなしで人数だけ書いておけばいい
のではなく、それが次につながる要素として非常に求められている。だから美術
館、学芸員さんの仕事が非常に大変になりますが、それは一人で抱えるのではな
く、市であったり地域住民や関係者を含めて、やはりそうしないと、先ほどのい
くつかの館を回る企画も、一つのテーマを掲げてそれに関連したもののイベント
5
なり、きっかけはやはり来て喜んでもらって、何かきっかけになることをつかむ
ことで、そういうことを積極的に考えられるかということが重要になるので、や
はりそうではなくて静かにこの絵はきちんと見せられるというのは、内容が高度
なものだったり深いものだったり貴重なものであれば、多分何もなくても呼べま
す。今東京とかいろいろな所でも、宣伝をすればするほど人が来ます。その予算
がなくて宣伝しないのですが、そういう時はがっかりすることもあります。来場
者は年配の女性が多いので、女性はそれだけ意欲があってたくましいなと思いま
すが、やはりそれを活かせるようなPRをしている。逆に、こちらが勉強させら
れるような、絵が見たくて来ているのに、スライド、プロジェクター等で流して、
こんなことはいいのにと思うのに、日本人は必死に勉強している姿を見ると、こ
こまでやるのかということがあるのですが、そういうのを含めて、やはり多様化
してきている。それらのボリュームや内容を精査しながら美術に興味を持つには
地道なそういうことが必要かなと思います。
伊藤委員
毎回言っていることですが、最後に言っておきたいことがあります。委員会の任
期として4月から3月までの期間になっていると思いますが、今日出ている資料
は途中経過でいいのですが、3月あたりにこういう会議があればその時に1年間
のまとめができるといいと思います。以前から言っていますが、市の方で美術館
に教育委員会が関わっていないとか、また寄附等検討委員会ではなくて協議委員
会にしてほしいとか、格上げしていきながら。当然こういう資料が、予定事業は
関係なく、実際にやったものは3月末で1年間の人数や市民ギャラリーの利用率
とか。こういうものは事業報告と会計報告みたいなものがあって、先ほどの 1,800
万円の問題も私たちは聞いているだけでどこにどれだけ使われたかということ
も、全部知る必要はないのですが、ちょっと雲がかかりすぎているものですから
同じ事業であれば活性化事業で上の事業に使えるのではないかと考えてしまいま
す。こういう資料を作ってしまうとそのままでいるのですが、他の美術館でも運
営委員をやっている関係で資料をいただいたりしますが、もう少し見やすい形で、
またはときどき館報というものが出て事業の報告が出たりしています。直せるも
のは直してわかりやすくしていってほしいと思います。どこか区切りのところで 1
年間のまとめというものが出てきた方がいいのではないかと思いました。
それから、田中委員の言われていた、市民の底辺を広げるということで、今やっ
ている矢島史織さんのような、一番底辺というのは諏訪でやっている前年受賞し
た人の展覧会とか、なるべく茅野市美術協会を中心とした人たちの展覧会をこう
いうところでやってあげると、集客ができるということがあります。たまには砕
けて、底辺のものも取り入れていただけるとありがたいと思います。
牛山副委員長
平成 26 年度実施予定の富永直樹展で、作品に触ることができるということ。日展
等ではタッチツアーというものをずいぶん長いことやっています。実際に視覚障
害のある方と一緒に作品を案内したことがありますが、驚くほど非常によく作品
を見てくれます。そういうことが今回できるわけです。案内役というのは勉強し
ないといけないのですが、盲学校の子供たちを、例えば茅野市のバスを使って連
れてきて触らせてあげることができたら、長野県では画期的なことだと思います。
横山委員
なかなか定例的にできないこともあります。逆にいえば今度の富永直樹展は良い
チャンスなので、説明は地元の彫刻家の方にお願いして、そういう仕掛けをされ
6
たらいいと思います。
島立委員
館の設備の問題について少し話したいのですが、昨年私どもが全館借りて展示を
するという時に、ギャラリーは二段掛けのレールがありますが、美術館の方は天
井から吊り下げたものでないとできないということで、学芸員さんにわざわざ昇
降台を使ってやってもらっているのですが、できれば両方使えるような形のもの
(二段掛け)ができないでしょうか。それがあることによって美術館の品位に関
わることはないと思うのです。美術館側も楽だろうし、使う立場とすれば自分た
ちで仕事ができる。また、これはお金の問題がありますが、火災の場合の消火設
備が水であるため、貸し出しを受けられないものもあると聞きました。美術館の
方だけでも炭酸ガスという形での設備投資を考えていますか。
横山委員
美術館には水はダメなので、いわゆるスプリンクラーは設置していないです。別
の消火装置があるかどうかということです。
伊藤委員
建設のときに、美術館というのはシャッターが下りてガスが出て消えるものだと
言ったのですが、すべてフリースペースで隙間がそこらじゅうにある。茅野の場
合は消火器です。建物全体を変えないといけない。
島立委員
場合によっては、茅野市民としては企画があればそういう高価なものも茅野で見
られる機会があってもいいと思います。美術館としても義務ではないかという気
がします。
牛山副委員長
建物自体を作り替えないといけないし、文化財どころか数千万単位のものでも貸
してもらえません。
藤森委員長
最近は消防設備の規制が厳しくなり、デパートでも展覧会は開かれなくなってい
ます。経営的にやらなくなったということもありますが。
島立委員
一つ良かったなと思うのは、最初は市民ギャラリーに仕切りがなく、広いスペー
スを個人が使えるだろうかという危惧がありましたが、3つに仕切ってもらった
ことは非常に良かったなと思います。思い切ってやっていただいて良かったと思
いますが、将来的なことを考えたときに消防設備の件も考えてもらえればと思い
ます。
牛山副委員長
(5)その他
「旅するムサビ」というのが(資料に)出ていないと思います。
前田主任学芸員
「美術館をサポートしませんか」の一環ですので、日付だけ書いてあります。
牛山副委員長
教育関係の方たちが非常に注目している「旅するムサビ」ですので、これからも
積極的に茅野の美術館が関わって、市内の学校に来ていただいて取り組んでいっ
たらどうかと思います。先日前田主任学芸員に伺ったら、ムサビの学生はなぜか
諏訪に来たがるということです。
7
前田主任学芸員
そうですね、今回が2回目ですが、前の人の話を聞いてよほど楽しかったのかわ
かりませんが。
少し補足させていただきますと、武蔵野美術大学の学生の作品を小中学校に持っ
て行って対話による作品鑑賞を授業の中でしていただく。その授業の中で見てい
ただくものを講座の形式にして、申し込みいただいた方は見学いただける。案内
をするのは、ムサビの学生、また金井先生のゼミに所属している信州大学人文学
部の学生、茅野市美術館のサポーター、茅野市美術館と諏訪市美術館の学芸員。
昨年は米沢小学校でしたが、今年は諏訪市美術館と連携して、諏訪市立高島小学
校と茅野市立北部中学校に行って、最後に美術館のギャラリーに戻ってきて講座、
あと、学生の作品も旅するムサビの案内も含めて展示するというような形です。
ミュージアム活性化事業が人材育成というところに非常に関わっていて、それは
即座に結果が出るものではないかもしれませんが、そういうところに手がかかる
けれども大切なことだと思います。また先生自身は来年も来てもいいとおっしゃ
られていたので、また館長と相談しながら進めていければと思っています。
藤森委員長
彼は長野県の出身で、この話はどういうことかというと、美術教育の先生の立場
から、現在小中学校の美術の時間が非常に少なくなってきていて、今になくなる
のではないかとか、無くてもいいのではないかというような話もあり、将来的に
美術に興味を持ってもらうことは作家を作るだけではなくて美術を通しての情操
教育や、生き方みたいなものを生活の中でということがあまりにも抜けていて、
このままではいけないのでないかという思いからです。それと美術教育も二転三
転して、技術的なものは排除しようという時代があったり、もっと技術的なもの
を高めていこうとかいろいろな考え方があったり、外国の教育形態を学んで試行
錯誤をしている途中なのです。そういうものをいい形で広めて、いわゆる底辺を
広げて美術により親しみ、特に今の美術だと幅が非常に広くなっています。昔は
子供たちは外で遊んだり、いろいろな体験の中から学ぶことがあったけれども、
今は家でゲームをしたり塾に通ったり、外で遊ぶ子供がいなくなってさみしい気
がしますが、それを学校でやれと言っても先生たちもそんな時間もないし、親も
学校にお任せで、子供たちの病みそうな心を癒していくのは音楽や美術だという、
そういったいくつかの役割があると思います。そこをきちんと真剣に考えている
人たちのグループがあって、東京の多摩地区などから少しずつ初めて非常に実績
をあげて、いわゆる手が足りない先生や専門的に弱い先生が当然いるわけですが、
そういう人たちをサポートしながら一緒に取り組んでいくこと、それで生徒たち
も問題点に気付いていくと思います。そういうものもうまく利用して我々も美術
館も含めて勉強していく。というのは、自分が一から立ち上げると非常に大変だ
けれども、そういう経験値を持ったものというのはある程度定着して、その次の
プロセスへ行くということはすごく大事なことです。先ほどから金井委員や横山
委員がおっしゃっているように、美術館というのは絵を見せているだけではなく
て、そういう人たちを将来絵描きにしたり、絵を通してどういうことを学んでい
くかという一つの勉強だったり刺激であったり気づきの場と捉えているので、こ
こが公立であろうと私立であろうと非常に重要な要素なので、大いに利用して、
そういう項目は必ず一つくらいはしっかり入れて、美術館の本来の使命とは違う
と思うようなことが本当はボディブローのように効いてくることがあります。こ
こはしっかりもっと学芸員さんを含めアピールして、美術館が変わってきたなと
思われても、それは今世の中の流れというよりも、間違いなくそういう方向でし
8
かいかないので、あまり謙虚にならず、もっと大きくPRしながら打ち立ててい
く一つの柱にしていってほしいと思います。
牛山副委員長
去年は茅野市でやっただけだったのですよね。そこに諏訪美術教育研究会が見に
来て興味を持ってくれ、今年は諏訪の高島小学校でも関わるという広がりが出て
きたということです。市の方でも、こちらの管轄ではないと言わないで茅野市内
の学校等に美術館に協力してほしいという話をしてくれれば会話も生まれるし、
会話が生まれれば活動も活発になると思います。
島立委員
「茅野市民館をサポートしませんか」とか「音風景」というのは、もう複数年や
っていますよね。
「音風景」はかなりの回数を行っていると思いますが、その実績
がどうなっているか見えないという部分もあります。せっかくこういう事業を行
うのであれば、お願いの部分もあるのですが、今の茅野市の美術の底辺を広げる
具体的な活動というのは、いわゆる洋画の講座とか、牛山副委員長のやられてい
る彫塑の講習会というものも一番手っ取り早い、美術家を育てる事業だと思いま
す。それがどちらかというと今公民館にすべてお任せだと思うのです。公民館に
言って話をすると、予算がないということが最初に出てきて、なかなかそういう
活動が活発化できないというのが現実だと思います。ですから、今までやったも
のを総括していただき、本当にそれがどうだったのか見直す中で、できれば美術
館そのものが作家を育てるという基礎的な事業を行っていただきたい。今まで具
体的な形でそういう事業がなかったと思います。そういった意味でせっかく活性
化事業を行うのであれば、そういうものも取り入れて、美術館が主体となって作
家を育てるという事業を取り入れていってもらえるとありがたいと思います。そ
ういった方向を出してもらえれば私たちはいくらでも提案するものやフォローす
る気持ちがありますので、そのような形で前向きに検討してもらえるとありがた
いと思います。辻野館長には私たちの言ったことをずいぶん引き受けていただい
ていますので、ぜひこのようなことも受け入れていただければありがたいと思い
ます。
藤森委員長
この美術館の立ち上げのとき、最初は横浜美術館のように、そういう実習等がで
きるアトリエも付随して、その中に今言われた公民館活動的な要素をつけようと
いう話が進んでいたのですが、途中から立ち消えになってしまいました。いろん
なところでいろんなことが単独で動いているというのはあまり思わしくなくて、
そこら辺がいい形で連携したり集約してやっていくと、スペースのことや人材の
問題がうまくいくと思いますので、皆さんに知恵を絞っていただければと思いま
す。
春日委員
活性化事業の諸々があるのですが、それが諸々のままで理解しているので、それ
をトータルする何かがあるとまた違うのではないかと思います。先ほどのドキュ
メンテーションではないですが、まとめもあるかもしれないし、そこから先に行
ってどうしようというような。いろいろな催し物があり、どうまとめていくかと
いうことがはっきりしていないと思います。
藤森委員長
今までのご意見を受けて美術館や事務局から何かありましたらお願いします。
9
辻野館長
今日は貴重なご意見をいただきありがとうございました。方向性としては難しい
ところもあるかも知れませんが、ビジョンに関しては私自身もそのように同意し
ていますので、皆さんと力を合わせて良い美術館になっていくように、良い機能
が果たせていけるようにこれからも一緒に考えていきたいと思っております。
もう 1 点、市の方も今日は守矢係長も同席していますので、もし公民館の関係の
こと、茅野市美術館の関係のお話があれば。茅野市民館と公民館というのは縦の
立ち位置も違ったりするので、そういう部分でも連携していく必要があるという
気はします。それを実質的にどういう形にしたら実施できるかという段階になっ
てきている気がしますので、それについて報告できるようなことがあればお願い
します。
守矢係長
実質的に公民館の持っている役割というのは、底辺の拡大と、社会教育、生涯学
習と盛んに言われていますが、多くの人にその機会を与える場というイメージで
現在公民館の活動は行われているのだと聞いています。それをより高めて発表す
る場とか、より専門的に勉強したいというようないくつかのステージの中でやは
り美術、展示とかいくつか発表の場があると思うのですが、公民館では発表の場
が少ない。そうした部分をどこかでフォローアップしなければいけないのだろう
ということは今のところ教育委員会では考えるわけですけれど、それをどのよう
に連携していこうかということは今辻野館長が言われたように、模索していかな
ければならない段階なのだろうというと思います。
辻野館長
模索していかなければならないのだという機運が出てきたのは今年度くらいから
です。これからどのように展開していくかみなさんにぜひ見守っていただきたい
という気がします。
田中課長
以前の会議には教育委員会の者は出席していませんでした。去年からそのような
話もさせていただいて、そもそも生涯学習課の中に文化活動芸術活動に関するこ
とという分掌があるのですが、たまたまこの市民館を造ったいきさつというのが
あり、市民館を管理する㈱地域文化創造の窓口をパートナーシップのまちづくり
推進課で一本化するということがあって、教育委員会との関係が薄れたわけです。
昨年あたりからその見直しをし、もちろん教育委員会が文化芸術に関することを
所管する部署でもあるので、ソフトの中では当然こういうところに参加して連携
を図り、事業の中でも図って行こうということで、こういう会議にも出てもらう
ようにしました。そして、これから文化芸術指針的なものを作っていくのですが、
そういうところも中心になってもらい、もっと関わりを深くしていくということ
が先日の会議の中でもでていますので、これからどんどん改善されたいい関係に
なっていくのだろうと思っています。
藤森委員長
ありがとうございました。話を聞いていると、半分くらい出始めているかなと思
います。学校等との連携は美術館と学校だけでは簡単にはいかず、やはり教育委
員会が絡んでくるし、公民館活動にしても公民館と美術館だけではうまくいかな
いし、そこをうまくリンクしながら活性化して利用し合うというのが一番いい形
なので、なんとなくチームを組んだのではなく、そこをより実現するためにどう
していくかということを皆さんも含めて前向きにやっていただけるというような
発言がありましたので、我々も真摯に受け止めて、いい形で見守りながら提案し
10
ていけるような立場に立てればと思っています。
他にご意見はありませんか。
金井委員
今日はとても美術館の活動のアクティブな部分が強調されていい議論だったと思
っているので、あえて今日のスタートのところに戻りたいのですが、いろいろ考
えると、博物館法に照らして修復予算がゼロになるかもしれないというのは一体
何なんだろうという自問がわいてきました。今日一通り聞いた上で本当にそれで
いいのだろうかということなのです。教育普及活動もぜひやりたい、展示も賑や
かにやりたい。しかしそういったものの前提として、まず管理保存という根幹が
ありますので、非常にシンボリックな意味で、1点だけ2点だけというレベルで
もいいかもしれません。その年の修復予算がゼロというのは異常事態なのだとい
う認識のもとで、うまく予算を工夫していただければと思います。
藤森委員
その予算が取れないにしても、修復のプロセスみたいなものを展示していくとか
いうことはよくやります。こんなひどい絵がこんなになるのかとか、こういう絵
になるのかというものを2,3点ケースを見せてやると教育にもなりますし、美
術館というのはこうやっているのだと、陽が当たらないけれども我々が見ても楽
しいし、為になります。
横山委員
信濃美術館の場合、修復は毎年しているのですが、変なのは修繕費の中でやって
います。一般の修繕と美術品の修繕をすみ分けながらやるのですが、修繕費とい
うことでやればできると思います。その辺の一つの工夫として。逆に行政的には、
最初から壊れたものをなぜ買うのかということがあると思います。ぜひ毎年1点
でも2点でも少額でも修復するという癖は付けないといけないと思います。
藤森委員
非常に白熱した議論でした。新年ということで皆さん期待を持ってこの場に臨ん
でいただけたと思います。いろいろな意見が非常に有意義な形で出てきました。
言うのは簡単ですが、これを実現するのは市の皆さんや美術館の皆さんが当然一
番ご苦労されることだと思いますが、それも含めて良い形で美術を通して市民の
皆さんの中にどういうふうに残していくことができるかということで、今日はこ
ういう場が持てたということが本当に良かったと思います。
時間が非常に長くなって申し訳なかったと思いますが、他に皆さんのご意見等が
なければ、以上でこの会は閉会とさせていただきます。どうもありがとうござい
ました。
閉会(午後3時55分)
11
Fly UP