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○(別添)安全性審査済みの組換えDNA技術応用食品の検査方法 新旧対照表 ( ( ( 改正案 現 (別添) は追加・削除・修正をした箇所) は組換えをした箇所) は組換えをした箇所で追加・修正をした箇所) 行 (別添) 安全性審査済みの組換えDNA技術応用食品の検査方法 組換えDNA技術応用食品の検査方法 1. 検体採取方法 1. 検体採取方法 1.1. 組換えDNA技術応用食品の検体採取 1.1. 組換えDNA技術応用食品の検体採取 1.1.1. トウモロコシ及び大豆の穀粒の検体採取 1.1.1. トウモロコシ及び大豆の穀粒の検体採取 組換えDNA技術応用食品が不均一に分布しているということを前提として、ロットを代表するような 組換えDNA技術応用食品が不均一に分布しているということを前提として、ロットを代表するような 検体採取を行うため、対象となるロットの大きさ、荷姿、包装形態に応じて、以下に掲げる検体採取を 検体採取を行うため、対象となるロットの大きさ、荷姿、包装形態に応じて、以下に掲げる検体採取を 行う。検体採取に際しては、他ロットの穀粒が混入しないよう十分配慮し、使用する器具・容器包装等 行う。検体採取に際しては、他ロットの穀粒が混入しないよう十分配慮し、使用する器具・容器包装等 は使い捨てのものを使用するか、その都度、十分に洗浄等を行い使用すること。 は使い捨てのものを使用するか、その都度、十分に洗浄等を行い使用すること。 次に、検体採取した穀粒が均質になるよう十分に混合した後、この中から検査に必要な一定量*を採 次に、検体採取した穀粒が均質になるよう十分に混合した後、この中から検査に必要な一定量*を採 り、粉砕器等を用いて均質に粉砕する。 り、粉砕器等を用いて均質に粉砕する。 * トウモロコシ及び大豆の穀粒に関しては、1検体(検体採取量1kg)のうち、500gを粉砕し定量PCR検 * 安全性未審査の組換えDNA技術応用食品のうち、該当するトウモロコシ系統の検査を目的とした定性 査に用い、残りの500gは穀粒の状態で保管する。粒単位検査法の際には、その残りの500gの穀粒か PCR用試料又は安全性審査済みの組換えDNA技術応用食品を対象とした定量検査用試料として用いる ら採取する。 には、500g必要である。 1.1.1.1. 袋積みの場合 以下の表に従って検体採取を行う。 ロットの大きさ 1.1.1.1. 袋積みの場合 以下の表に従って検体採取を行う。 検体採取のための開梱数 検体採取量(kg) 検体数 ロットの大きさ 検体採取のための開梱数 検体採取量(kg) 検体数 ≦ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ≧ 2 3 5 8 13 20 32 50 80 125 200 315 500 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 ≦ 16 ~ 15 25 2 3 1 1 1 1 26 ~ 90 5 1 1 91 ~ 150 8 1 1 151 ~ 281 ~ 280 500 13 20 1 1 1 1 501 ~ 1,201 ~ 1,200 3,200 32 50 1 1 1 1 3,201 ~ 10,001 ~ 35,001 ~ 10,000 35,000 150,000 80 125 200 1 1 1 1 1 1 150,001 ~ 500,000 315 1 1 ≧ 500,001 500 1 1 16 26 91 151 281 501 1,201 3,201 10,001 35,001 150,001 15 25 90 150 280 500 1,200 3,200 10,000 35,000 150,000 500,000 500,001 1.1.1.2. ばら積みの場合 1.1.1.2.1. サイロ搬入時 サイロに搬入する際に1サイロを1ロットとして、ロット全体を代表する検体となるようオートサ ンプラー等を用いて検体採取を行うものとし、適正な時間的間隔をもって15回、計10kg以上を検体 採取したものを縮分してサイロ毎に1検体(1kg以上)とする。 既にサイロに搬入したものについては、他のサイロに移動させる時点で同様に検体採取を行う。 1.1.1.2. ばら積みの場合 1.1.1.2.1. サイロ搬入時 サイロに搬入する際に1サイロを1ロットとして、ロット全体を代表する検体となるようオートサ ンプラー等を用いて検体採取を行うものとし、適正な時間的間隔をもって15回、計10kg以上を検体 採取したものを縮分してサイロ毎に検体(1kg以上)とする。 既にサイロに搬入したものについては、他のサイロに移動させる時点で同様に検体採取を行う。 1.1.1.2.2. はしけ搬入時 はしけ(内航船を含む。)に搬入する際に1はしけを1ロットとして、ロット全体を代表する検体 1.1.1.2.2. はしけ搬入時 はしけ(内航船を含む。)に搬入する際に1はしけを1ロットとして、ロット全体を代表する検体 - 1 - となるようオートサンプラー等を用いて検体採取を行うものとし、適正な時間的間隔をもって15回 計10kg以上を検体採取したものを縮分してはしけ毎に1検体(1kg以上)とする。 となるようオートサンプラー等を用いて検体採取を行うものとし、適正な時間的間隔をもって15回 計10 kg以上を検体採取したものを縮分してはしけ毎に1検体(1kg以上)とする。 1.1.1.2.3. はしけにおける検体採取 すでにはしけに搬入したものについて検体採取を行う場合、1はしけを1ロットとして、ロット全 体を代表する検体となるよう上層、中層、下層毎に各5カ所、計15カ所から、計10kg以上を検体採 取したものを縮分してはしけ毎に1検体(1kg以上)とする。 1.1.1.2.3. はしけにおける検体採取 すでにはしけに搬入したものについて検体採取を行う場合、1はしけを1ロットとして、ロット全 体を代表する検体となるよう上層、中層、下層毎に各5カ所、計15カ所から、計10kg以上を検体採 取したものを縮分してはしけ毎に1検体(1kg以上)とする。 1.1.2. パパイヤの検体採取 パパイヤの検体採取については、対象となるロットの大きさに応じて以下の表に従い検体採取を行う こと。 ロットの大きさ 検体採取のための開梱数 検体採取量(個) ≦ 50 2 2 51 ~ 500 3 3 501 ~ 35,000 5 5 ≧ 35,001 8 8 1.1.1.3.加工食品の検体採取 加工食品の検体採取については、対象となるロットの大きさに応じて以下の表に従い検体採取を 行うこと。 1.2. 加工食品の検体採取 加工食品の検体採取については、対象となるロットの大きさに応じて以下の表に従い検体採取を行うこ と。 トウモロコシ及び大豆の粉砕加工品(コーングリッツ、コーンフラワー、コーンミール等、穀粒 を粉砕したもの。コーンスターチは検査対象外)検体採取については、1.1.1.1.の袋積みの場合に 従う。 1.2.1. トウモロコシ及び大豆の粉砕加工品(コーングリッツ、コーンフラワー、コーンミール等、穀粒 を粉砕したもの) 検体採取については、1.1.1.1.の袋積みの場合に従う。なお、安全性未審査の組換えDNA技術応用食 品のうち、該当するトウモロコシ系統の検査を目的とした定性PCR用試料には、採取した検体のうち、5 00gを均質に粉砕した試料を用いる。 それ以外の加工食品 以下の表に従って検体採取を行う。 ロットの大きさ 1.2.2. それ以外の加工食品 以下の表に従って検体採取を行う。 検体採取のための開梱数 検体採取量(g) 検体数 ロットの大きさ 検体採取のための開梱数 検体採取量(g) 検体数 ≦ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ≧ 2 3 5 8 13 20 32 50 120 120 120 120 120 120 120 120 1 1 1 1 1 1 1 1 ≦ 16 ~ 15 50 2 3 120 1 120 1 51 ~ 150 5 120 1 151 ~ 500 8 120 1 501 ~ 3,200 13 120 1 3,201 ~ 35,001 ~ ≧ 35,000 500,000 500,001 20 32 50 120 1 120 1 120 1 16 51 151 501 3,201 35,001 1.1.2. パパイヤの検体採取 組換えDNA技術応用食品が不均一に分布しているということを前提として、ロットを代表するような 検体採取を行うため、対象となるロットの大きさ、荷姿、包装形態に応じて、以下に掲げる検体採取を 行う。検体採取に際しては、他ロットの穀粒が混入しないよう十分配慮し、使用する器具・容器包装等 は使い捨てのものを使用するか、その都度、十分に洗浄等を行い使用すること。 1.1.2.1. 生鮮パパイヤの検体採取 生鮮パパイヤの検体採取については、対象となるロットの大きさに応じて以下の表に従い検体採取 を行うこと。 - 2 - 15 50 150 500 3,200 35,000 500,000 500,001 ロットの大きさ 検体採取のための開梱数 検体採取量(個) ≦ 50 2 2 51 ~ 500 3 3 501 ~ 35,000 5 5 ≧ 35,001 8 8 1.1.2.2. パパイヤ加工品の検体採取 パパイヤ加工食品の検体採取については、対象となるロットの大きさに応じて以下の表に従い検体 採取を行うこと。 ロットの大きさ 検体採取のための開梱数 検体採取量(g)*1 検体数 ≦ 15 2 120 1 16 ~ 50 3 120 1 51 ~ 150 5 120 1 151 ~ 500 8 120 1 501 ~ 3,200 13 120 1 3,201 ~ 35,000 20 120 1 35,001 ~ 500,000 32 120 1 ≧ 500,001 50 120 1 *1 果汁・飲料製品、氷菓等製品については、検体採取量を480gとする。 また、パパイヤの含有量が少ない加工品について実施する場合は、製品分類ごとに複数回の前処 理試行が可能となるよう適宜検体採取量を増やして採取する。 2.安全性未審査の組換えDNA技術応用食品の検査方法 2.1. 検査方法 2.1.1. トウモロコシ(CBH351)の検査 トウモロコシの穀粒については、ラテラルフロー法で行う。また、コーングリッツ、コーンフラワー、 コーンミール等、遺伝子組換えにより新たに発現されるタンパク質が物理化学的な変化を受けていない 粉砕加工品(以下、「トウモロコシ半製品」という。)についても、ラテラルフロー法で行う。 その他のトウモロコシ加工品については定性PCR法で行う。 なお、トウモロコシ半製品については、ラテラルフロー法で行った後、定性PCR法による確認試験を 行う。 2.1.1.1. トウモロコシ穀粒からのCBH351トウモロコシの検知 2.1.1.1.1. ラテラルフロー法 市販のTest Kitは、Strategic Diagnostics社(SDI)製Trait・Bt9 Corn Grain 5-Minute Test Kit (Part# 7000012) を用いる方法である。以下に記述する方法は、キットの説明書に記載の方法 と基本的に同一である。なお、実験室で実験を行う場合には、水は、特に断り書きがない限りすべ て逆浸透膜精製したRO水又は蒸留水を用いることを推奨する。 2.1.1.1.1.1. 実験操作 採取したトウモロコシ穀粒から無作為に800粒を採取し粉砕した後、粉砕物*を500mL容程度の 口の広い蓋付きの容器に採り、水288mLを加えた後、10-20秒間、試料が全て濡れるまでよく振 とうする。もしこの段階で上澄み液が生じなければ、少量の水を加え、試料をよく振とうし、振 とう後上澄み液が生じたかどうか観察する。振とう後、数mL程度の上澄み液が生じるまで水を加 える。次に、試料の上澄み液0.5mLをキット付属の1.5mL容試料管に移し、その試料管にTrait・B t9テストストリップを垂直に立てる。 * 通常230gを量り採り粉砕したもの(230gで800粒に満たないときは800粒の粉砕物)。 - 3 - 2.1.1.1.1.2. 結果の判定 テストストリップを試料管に立て、5分経過した時点*で、テストストリップの表示部を観察 する。赤色のラインがテストストリップ表示部に2本現れれば陽性、コントロールラインだけが 現れれば陰性と判定する。また、1本も現れなければ、その試験は無効と判定する。 * 5分間以上経過すると赤色のラインが濃くなる場合があり、正しく判定することができないの で注意が必要。 2.1.1.2. トウモロコシ加工品からのCBH351トウモロコシの検知 加工食品からのDNAの抽出精製法(2.2.3.)に従って、一試料につき2回並行で抽出を行い、得られ たDNA溶液を用い、以下の条件で定性PCRを行う。 2.1.1.2.1. 定性PCR法 定性PCR法は、抽出されたDNAの一部をプライマー対を用いてPCR増幅し、電気泳動により分離し た後に、その増幅産物を検知する方法である。 * PCR法では、鋳型DNAが微量存在しても増幅産物が検知されうる。したがって、目的外のDNA(特 にPCR増幅産物)の混入に特に注意を払う必要がある。また、DNAは、人間の皮膚表面から分泌 されているDNA分解酵素により分解されるので、本酵素の混入を防止しなければならない。これ らの点を考慮し、使い捨てのチュ-ブ、チップ等を使用し、DNA、DNase等がコンタミネーショ ンしないよう注意して用いること。また、定性PCRの際に用いる水は、特に断り書きがない限り すべて逆浸透膜精製したRO水又は蒸留水をMilli-Q等で17MΩ/cmまで精製した超純水など、DNA、 DNase等がコンタミネーションしていないものを用いること。 * また、独立行政法人農林水産消費技術センター作成のJAS分析試験ハンドブック「遺伝子組換え 食品検査・分析マニュアル コンタミネーション防止編」も参考にし、コンタミネーション防止 に細心の注意を払うこと。 2.1.1.2.1.1. PCR増幅 PCR用反応試料管に反応液を以下のように調製する。反応液は、PCR緩衝液*1、0.20mmol/L dN TP、3mmol/L 塩化マグネシウム、0.2 mol/L 5'及び3'プライマー*2 並びに0.625units Taq DN Aポリメラーゼ*3 を含む液に、10ng/ Lに調製したDNA試料液2.5 L(DNAとして25ng)を氷中で 加え、全量を25 Lにする。次に、その反応試料管をPCR増幅装置*4 にセットする。反応条件は 次の通りである。95℃に10分間保ち反応を開始させた後、95℃ 0.5分間、60℃ 0.5分間、72℃ 0. 5分間を1サイクルとして、40サイクルのPCR増幅を行う。次に終了反応として72℃ で7分間保っ た後、4℃で保存し、得られた反応液をPCR増幅反応液とする。PCRのブランク反応液として、必 ずプライマー対を加えないもの及びDNA試料液を加えないものについても同時に調製する。また、 試料からDNAが抽出されていることの確認として、DNA試料液ごとに、CBH351検出用プライマー対 の代わりに陽性対照用プライマー対*5 を用い、同様にPCR増幅を行う。 *1 PCR緩衝液 PCR buffer II(アプライドバイオシステムズ社製、塩化マグネシウムを含まないもの)又 は同等の結果が得られるものを用いる。 *2 CBH351検出用プライマー対は以下の通りである。 F-primer(CaM03-5'):5'-CCT TCG CAA GAC CCT TCC TCT ATA-3' R-primer(CBH02-3'):5'-GTA GCT GTC GGT GTA GTC CTC GT-3' *3 Taq DNAポリメラーゼ AmpliTaq Gold DNAポリメラーゼ(アプライドバイオシステムズ社製)又は同等の結果が得 られるものを用いる。 *4 PCR増幅装置 GeneAmp PCR System 9700(アプライドバイオシステムズ社製)又は同等の結果が得られる ものを用いる。 *5 陽性対照用のプライマー対は以下の通りである。 F-primer(Zein n-5'):5'-CCT ATA GCT TCC CTT CTT CC-3' R-primer(Zein n-3'):5'-TGC TGT AAT AGG GCT GAT GA-3' 2.1.1.2.1.2. アガロ-スゲル電気泳動 PCR増幅反応液をアガロ-スゲル電気泳動により分離し、PCR増幅バンドを確認する。 2.1.1.2.1.2.1. アガロースゲルの作成 必要量のアガロ-スを秤量し、TAE緩衝液*1を加え、加熱してアガロ-スを溶解する。次に 100mL当たり5 Lのエチジウムブロミド溶液*2(10mg/mL)を加え、ゲルを50℃前後まで冷やし た後ゲルメ-カ-に流し込み、室温で十分に冷やし固めてゲルを作製する*3。ゲルはすぐに 使用するのが望ましいが、緩衝液に浸して数日間保存することもできる。ゲルの濃度は泳動す - 4 - るDNAの長さに応じて決める必要があるので、目的とするPCR増幅産物のバンド長にあわせてゲ ル濃度(1.0~4.0%)を決める。 *1 TAE緩衝液 各最終濃度が40mmol/L Tris-酢酸、1mmol/L EDTAとなるように蒸留水を用いて調製したも のをTAE緩衝液とする。 *2 エチジウムブロミド溶液 2本鎖DNAの鎖の間に入り込む蛍光試薬であり、強力な発ガン作用と毒性がある。取扱いに は必ず手袋をはめ、マスクを着用すること。 *3 前染色 ここでは、前染色法を述べる。この段階でエチジウムブロミド溶液を加えず、電気泳動終 了後、2.1.1.2.1.2.3.に従って、ゲルを後染色しても良い。 2.1.1.2.1.2.2. 電気泳動 TAE緩衝液を満たした電気泳動漕にゲルをセットする。PCR増幅反応液7.5 Lと適当量のゲル ローディング緩衝液を混ぜ合わせた後、ゲルのウェルに注入する。ゲルへの試料注入に時間が かかりすぎると、DNAが拡散し鮮明な結果が得られにくくなるので注意する。次に、100V定電 圧で電気泳動を行い、ゲルローディング緩衝液に含まれるBPBがゲルの1/2から2/3まで進んだ ところで電気泳動を終了する。 2.1.1.2.1.2.3. ゲルの染色(後染色) 前染色を行った場合は本項の操作は必要ない。 ゲルが浸る量のTAE緩衝液が入った容器に、泳動後のゲルを移し入れる。次に緩衝液100mL当 たり、5 Lのエチジウムブロミド溶液(10mg/mL)を加え、容器を振とう器に乗せて軽く振とう しながら30分程度染色する。その後、TAE緩衝液のみの入った容器に染色済みのゲルを移し、3 0分程度軽く浸透しながら脱染色を行う。 2.1.1.2.1.3. ゲルイメージ解析 ゲルイメージ解析装置内のステ-ジに食品包装用ラップ*を置き、その上に電気泳動と染色が 終了したゲルをのせて紫外線(312nm)を照射する。ゲルイメージ解析装置の画面で電気泳動パ タ-ンを確認する。DNA分子量標準と比較して目的のPCR増幅バンドの有無を判定する。ブランク 反応液で対応するPCR増幅バンドが検知された場合は、DNA抽出操作以降の結果を無効として、改 めて実験をやり直す。泳動結果は画像デ-タとして保存しておく。 * ポリ塩化ビニリデン製のフィルムでないと紫外線は吸収されてしまい、像が得られない場合 があるので注意を要する。 2.1.1.2.1.4. 結果の判定 陽性対照用プライマー対を用いたレーンで157bpのPCR増幅バンドが検出され、CBH351検出用プ ライマー対を用いたレーンで170bpのPCR増幅バンドが検出された場合、新たに同一のDNA試料液 を用いPCR用反応液を調製し、確認用プライマー対* を用いPCR増幅を行う。得られたPCR増幅反 応液についてアガロ-スゲル電気泳動、ゲルイメージ解析を行い、171bpのPCR増幅バンドが検出 された場合、本検体はCBH351陽性と判定する。なお、2つのDNA抽出液での結果が異なった場合は 陽性と判定する。また、どちらか一方の抽出液において陽性対照用プライマー対で予定長のPCR 増幅バンドが検出されない場合には、再度電気泳動以降の操作を行い、それでも予定長のPCR増 幅バンドが検出されない場合には、その抽出液での結果を無効とし、もう一方の抽出液の結果だ けで判定する。2つのDNA抽出液とも陽性対照用プライマー対を用いたレーンで対応するPCR増幅 バンドが検出できない場合には、改めて3回目の抽出を行い、さらにPCR以降の操作を実施して、 判定を行う。3回目のDNA抽出液を用いた場合でも陽性対照用プライマー対でPCR増幅バンドが検 出されないときは、本試料からの安全性未審査の組換えDNA技術応用食品の検知は不能とする。 以下に判定例を示す。 判定例 - 5 - 抽出1 抽出2 試料番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 陽性対照用プライマー + + + + + + + + - 検出用プライマー + + + + - - + + / 確認用プライマー + + + + / / - - / 陽性対照用プライマー + + + - + - + - - 検出用プライマー + + - - - - + - / 確認用プライマー + - / / / / - / / 判定 陽性 陽性 陽性 陽性 陰性 陰性 陰性 陰性 / 試料番号9の例の場合には、3回目の抽出を行う。 + は陽性、- は陰性、/ は検査不要を表す。 * CBH351確認用プライマー対は以下の通りである。 F-primer (Cry9C-5'): 5'-TAC TAC ATC GAC CGC ATC GA-3' R-primer (35Ster-3'): 5'-CCT AAT TCC CTT ATC TGG GA-3' 2.1.1.3. トウモロコシ半製品(コーングリッツ、コーンフラワー、コーンミール等)からのCBH351ト ウモロコシの検知 試料について粉砕せず、そのまま230g採る他は2.1.1.1.1.ラテラルフロー法に従って行う。ラテ ラルフロー法により陽性の結果が得られた検体については、1.2.1.並びに2.2.1.に従い2回並行でDNA を抽出し、DNA試料液を用いて更に2.1.1.2.1.の定性PCRを実施し、どちらかの抽出液由来のPCR増幅 反応液において、陽性対照用プライマー対を用いたレーンで157bpのPCR増幅バンドが検出され、CBH3 51検出用プライマー対を用いたレーンで170bpのPCR増幅バンドが検出された場合、陽性と判定する。 2.1.2. パパイヤ(55-1)の検知 2.1.2.1. 定性PCR法 生食用パパイヤ及び加工食品については、検出用として207bpのPCR増幅バンドが検出される55-1検 出用プライマー対(NosC-5', CaMVN-3')及び陽性対照用として211bpのPCR増幅バンドが検出されるP apainプライマー対(papain-5', papain-3')を用いること。なお、250bpのPCR増幅バンドが検出さ れる55-1確認用プライマー対(CaM 3-5', GUS n-3')が異なる他は2.1.1.2.1.と同様の方法で定性PC Rを行う。 55-1検出用プライマー対 F-primer(NosC-5'):5'-TTA CGG CGA GTT CTG TTA GG-3' R-primer(CaMVN-3'):5'-CAT GTG CCT GAG AAA TAG GC-3' 陽性対照用(Papain遺伝子検出用)プライマー対 F-primer(papain-5'):5'-GGG CAT TCT CAG CTG TTG TA-3' R-primer(papain-3'):5'-CGA CAA TAA CGT TGC ACT CC-3' 55-1確認用プライマー対 F-primer(CaM -5'):5'-CCT TCG CAA GAC CCT TCC TCT ATA-3' R-primer(GUS n-3'):5'-TCG TTA AAA CTG CCT GGC AC-3' 2.1.2.2. GUS試験法 遺伝子組換え体作出の際、組換えの指標とするためβ-glucuronidase(GUS)遺伝子を目的とする 外来遺伝子に加えて導入する場合がある。この手法を用いて作出された遺伝子組換え体は、外来遺伝 子に加えGUS遺伝子も同時に発現するため、GUS活性を検出することにより遺伝子組換え体であること の判定を行うことが可能となる。GUSは5-bromo-4-chloro-3-indolyl-β-D-glucuronide(X-Gluc)を 基質とする。当該基質はGUS活性により脱エステル化されインドキシル誘導体モノマーを生じる。生 じたモノマーは空気により酸化されることで重合し、青色の水不溶性インジゴチン色素を生成する。 遺伝子組換えパパイヤ(55-1)においてもGUS遺伝子が導入されているため、上記原理に従い、青色 を呈することを指標にその活性を検出し、遺伝子組換えパパイヤであることの判定を行うことが可能 である。なお、本試験法における試料検体は、呈色反応の識別しやすいことを考慮し、胚を対象とす る。 2.1.2.2.1. 実験操作 あらかじめ、200mMリン酸緩衝液(pH7.0)*1 を1ウェル当たり50 Lずつ96ウェルプレートのう - 6 - ち必要数のウェルに分注しておく。試験には、パパイヤ1個体につき12個の胚を用いるため、必要 となるウェル数は(パパイヤの個体数×12)である。 採取したパパイヤ果実を縦半分に切り、種子を無作為に1粒選出する。以下の手順に従い胚を取 り出す。まず、ガラス板上で、粘性のある外皮をピンセットまたはメスの先端を利用し取り除く。 次に、メスで種子の縦中央に切れ目を入れる*2。深く突き刺さないよう留意しながら切れ目にメ スの先端を入れ、種皮を完全に取り除き、淡白色の胚珠を採取する。次に、胚珠の縦中央に観察さ れる白線に沿ってメスを入れ、胚珠を縦半分に切断する*3。切断後、切断面に露出する胚をピン セットで注意深く取り出し*4、あらかじめ96ウェルプレートに分注しておいた200mMリン酸緩衝液 (pH7.0)に速やかに浸す。この操作を繰り返し、1検体当たり12個の胚を取り出す。胚を採取する 過程において、種皮が白色の種子や胚珠が含まれない種子が観察される場合があるが、それらは試 験に用いない。ウェルに検査に用いる全ての胚を採取し終えた後、各ウェルよりリン酸緩衝液を除 去する。続いて、基質溶液*5 を1ウェル当たり50 Lずつ加える。基質溶液を添加した後、その浸 透を促すためアスピレ-タ-を用いて15分間の脱気処理を行う。脱気処理後、96ウェルプレ-ト全 体をパラフィルムで密封し、37℃、10~15時間*7 の条件で保温する。保温後、各ウェルに70%エ タノ-ルを50 Lずつ加え反応を停止する。それぞれの検体について、青色を呈した胚の数を数え、 GUS発現率*8を算出する。 *1 200mMリン酸緩衝液(pH7.0) 200mM NaH2PO4と200mM Na2HPO4を3.3:6.7(v/v)の割合で混合した溶液を200mMリン酸緩衝液 (pH7.0)とする。調製時には、ボルテックスミキサーを用いて十分に混合し、混合後、必ずp Hが7.0であることを確認する。なお、当緩衝液は、必ず試験を開始する直前に作製し、一試験 毎に使い切ること(用時調製)。 *2 パパイヤの種子は縦方向に長く、これに比して横方向に短い。このことを基準に、種子を実験 者に対して横向きになるよう配置させ、メスを左端に入れ、右端に向かって横方向に切り進め ることで切れ目を入れるとよい。メスを深く差し込むと胚を切断してしまうこともあるので注 意する。 *3 胚珠はその中心部に位置する胚とその周りを覆う胚乳で構成されている。また、全体としては 胚乳の示す淡白色をしている。しかし、胚珠表面を注意深く観察することで、淡白色とは明ら かに異なる白色の線が中央部を上端から下端にかけて走っていることが観察される。この白色 の線は胚によって示されるものである。胚珠を切断する際には、刃がこの線に対して平行とな るようにメスを入れ、胚を傷つけないよう注意しながら二分する。 *4 胚が露出しなかった場合、切断面において胚を覆っている胚乳をメスで削り取り、胚を露出 させる。その後、ピンセットを用いて注意深く取り出す。この際、胚を傷つけないよう充分注 意しながら操作を進める。傷のついた胚は非特異的に青色を呈する場合がある。 *5 基質溶液 X-Gluc溶液*6が最終濃度1mMとなるように、200mMリン酸緩衝液(pH7.0)で調製した溶液を基 質溶液とする。基質溶液調製時には、ボルテックスミキサーを用いて十分に混合し、均一な溶 液として調製する。なお、基質溶液は、必ず試験に供する胚すべてを採取し終えた後に調製し、 一試験毎に使い切るものとする。 *6 X-Gluc溶液 X-Gluc粉末20mgをマイクロ遠沈管(1.5mL)に量り取り、1mLのジメチルホルムアミドを加え溶 解したものをX-Gluc溶液とする。-20℃で保存すること。 *7 恒温器を使用して保温する。また、15時間を超えて保温した場合、非遺伝子組換えパパイヤの 胚が非特異的に染色される可能性が考えられる。この場合、正確な判定を下すことができなく なるため、保温時間については記載された時間を厳守すること。 *8 GUS発現率(%)=〔(青色を呈した胚の数)/(試験した胚の数12)〕×100 2.1.2.2.2. 結果の判定 検体が遺伝子組換えパパイヤ(55-1)の場合、理論的には75%(9胚/12胚)の割合で胚が青色を 呈する。しかし、当該試験法においては、試験に供する胚を無作為に選出するため、必ずしも上記 理論値には合致しない。一方、非遺伝子組換えパパイヤでは、青色を呈する胚は観察されない。し たがって、GUS発現率が30%以上(青色を呈した胚の数が4以上)の場合を陽性と判定し、GUS発現 率が30%未満(青色を呈した胚の数が4未満)の場合を陰性と判定する。 判定例:試料1は、試験に供した12個の胚のうち青色を呈した胚はみられない(GUS発現率 0%) ため、陰性と判定される。また、試料2は、12個の胚のうち、9個が青色を呈した(GUS発現率 75%) ため、陽性と判定される。) - 7 - 試料番号 1 2 3 陰性対照 調査した胚の数 12 12 12 12 青色を示した胚の数 0 9 4 0 GUS 発現率 0 75 33 0 判定 陰性 陽性 陽性 陰性 2.1.3. トウモロコシ(Bt10)の検査 2.1.3.1. 定性PCR法 トウモロコシ穀粒又はトウモロコシ半製品について、PCR増幅及び結果の判定を除き、2.1.1.2.1. と同様の方法で定性PCRを行う。なお、DNA抽出精製は、2.2.1.2.に示すシリカゲル膜タイプキット法 (QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit: トウモロコシに適用)を用いる。 2.1.3.1.1. PCR増幅 PCR用反応試料管に反応液を以下のように調製する。反応液は、PCR緩衝液*1、0.16mmol/L dNTP、 1.5mmol/L 塩化マグネシウム、0.6 mol/L 5'及び3'プライマー*2並びに0.8units Taq DNAポリメ ラーゼ*3 を含む液に、10ng/ Lに調製したDNA試料液5.0 L(DNAとして50ng)を氷中で加え、全量 を25 Lにする。次に、その反応試料管をPCR増幅装置*4 にセットする。反応条件は次の通りであ る。94℃に10分間保ち反応を開始させた後、94℃ 25秒間、62℃ 30秒間、72℃ 45秒間を1サイクル として、40サイクルのPCR増幅を行う。次に終了反応として72℃ で7分間保った後、4℃で保存し、 得られた反応液をPCR増幅反応液とする。PCRのブランク反応液として、必ずプライマー対を加えな いもの及びDNA試料液を加えないものについても同時に調製する。また、試料からDNAが抽出されて いることの確認として、DNA試料液ごとに、Bt10検出用プライマー対の代わりに陽性対照用プライ マー対*5 を用い、同様にPCR増幅を行う。 *1 PCR緩衝液 PCR buffer II(アプライドバイオシステムズ社製、塩化マグネシウムを含まないもの)又は 同等の結果が得られるものを用いる。 *2 Bt10 検出用プライマー対は以下の通りである。 F-primer(JSF5):5'-CAC ACA GGA GAT TAT TAT AGG GTT ACT CA-3' R-primer(JSR5):5'-ACA CGG AAA TGT TGA ATA CTC ATA CTC T-3' *3 Taq DNAポリメラーゼ AmpliTaq Gold DNAポリメラーゼ(アプライドバイオシステムズ社製)又は同等の結果が得ら れるものを用いる。 *4 PCR増幅装置 GeneAmp PCR System 9700(アプライドバイオシステムズ社製)又は同等の結果が得られるも のを用いる。 *5 陽性対照用のプライマー対は以下の通りである。 F-primer(Zein n-5'):5'-CCT ATA GCT TCC CTT CTT CC-3' R-primer(Zein n-3'):5'-TGC TGT AAT AGG GCT GAT GA-3 2.1.3.1.2. 結果の判定 陽性対照用プライマー対を用いたレーンで157bpのPCR増幅バンドが検出され、Bt10検出用プライ マー対を用いたレーンで117bpのPCR増幅バンドが検出された場合、新たに同一のDNA試料液を用いP CR用反応液を調製し、Bt10確認用プライマー対*1 を用いPCR増幅を行う*2。得られたPCR増幅反 応液についてアガロ-スゲル電気泳動、ゲルイメージ解析を行い、151bpのPCR増幅バンドが検出さ れた場合、本検体はBt10系統陽性と判定する。なお、2つのDNA抽出液での結果が異なった場合は陽 性と判定する。また、どちらか一方の抽出液において、陽性対照用プライマー対で予定長のPCR増 幅バンドが検出されない場合には、再度電気泳動以降の操作を行い、それでも予定長のPCR増幅バ ンドが検出されない場合には、その抽出液での結果を無効とし、もう一方の抽出液の結果だけで判 定する。2つのDNA抽出液とも陽性対照用プライマー対を用いたレーンで対応するPCR増幅バンドが 検出できない場合には、改めて3回目の抽出を行い、さらにPCR以降の操作を実施して、判定を行う。 3回目のDNA抽出液を用いた場合でも陽性対照用プライマー対でPCR増幅バンドが検出されないとき は、本試料からの安全性未審査の組換えDNA技術応用食品の検知は不能とする。判定例は2.1.1.2.1. 4.を参照のこと。 *1 Bt10 確認用プライマー対は以下の通りである。 F-primer(Bt10LS-5'):5'-GCC ACA ACA CCC TCA ACC TCA -3' - 8 - R-primer(Bt10LS-3'):5'-GAA GTC GTT GCT CTG AAG AAC AT-3' *2 Bt10 確認用プライマー対を用いる場合のPCR条件は以下の通りである。94℃に10分間保ち反応 を開始させた後、94℃ 25秒間、65℃ 30秒間、72℃ 45秒間を1サイクルとして、40サイクルの PCR増幅を行う。次に終了反応として72℃ で7分間保った後、4℃で保存し、得られた反応液を PCR増幅反応液とする。 2.1.4. トウモロコシ(DAS59132)の検査 トウモロコシ穀粒について、DNA抽出精製はシリカゲル膜タイプキット法(QIAGEN DNeasy Plant Min i Kit: トウモロコシに適用)(2.2.1.2.)に従って、一試料につき2回並行で抽出を行い、得られたDN A溶液を用いて以下のリアルタイムPCRを用いた定性PCR法を実施する。 2.1.4.1. リアルタイムPCRを用いた定性PCR法 トウモロコシ陽性対照用プライマー対及びプローブは、トウモロコシ(3.2.)定量PCR法(3.2.1.) と同様に、トウモロコシに普遍的に存在する内在性遺伝子として、スターチシンターゼIIb(SSIIb) 遺伝子を用い、同遺伝子を標的とするプライマー対SSIIb-3とプローブSSIIb-Taqを用いる。 2.1.4.1.1. リアルタイムPCRを用いた定性PCR法(ABI PRISMTM 7900) 2.1.4.1.1.1. PCR用反応液の調製 PCR用反応液は25 L/wellとして調製する。その組成は以下のとおりである。Universal PCR M aster Mix*1 12.5 L、対象プライマー対溶液(各プライマー、10 mol/L)1.0 L*2、対象プ ローブ溶液(10 mol/L)0.5 L*3を混合し、水で全量20 Lに調製後、10 ng/ L DNA試料液5.0 L(50 ng)を添加する。PCRのブランク反応液として、必ずDNA試料液を加えないものについて も同時に調製する。分注操作終了後、真上からシール*4し、完全にウェルを密閉する。このと き、しわが寄らないよう注意し、専用のシーリング用アプリケーターを用いて行う。最後にウェ ルの底を観察し、底に気泡がある場合は、プレートの縁を軽く叩いて気泡を抜いておく。プレー トの確認後、ABI PRISM Optical Cover Compression Pad*5を茶色の面が上になるよう、プレー トの上面にセットする。試験は、1DNA試料液当たり2ウェル並行で行うものとし、PCR用反応試薬 は2ウェル分を同時に調製する。 *1 Universal PCR Master Mix 本試薬は粘性が高いため、混合操作を行う際には、混合が確実に行われるように注意する。 不十分な場合には、PCRがうまくいかない場合がある。使う直前には必ずボルテックスミキ サーを用いて3秒程度混合した後、軽く遠心し、溶液を試料管の底に集めておいてから使用 する。また、ウェルに分注する際は、以後撹拌、遠心が困難なことを考慮し、ウェルの底に 確実に入れる。 *2 対象プライマー対 DAS59132検出用プライマー対は以下のとおりである。(各プライマーは水で溶解する。) F-primer(32f):5'-CCG CAA TGT GTT ATT AAG TTG TCT AAG-3' R-primer(32r):5'-GGT GAA TGT CGC CGT GTG T-3' なお、トウモロコシ陽性対照用試験では、プライマー対SSIIb-3(各プライマー濃度、25 m ol/L)を用いる場合には0.5 Lを加えること。 *3 対象プローブ DAS59132検出用プローブは以下のとおりである。(プローブは水で溶解する。) 5'-FAM-CAA TTT GTT TAC ACC AGA GGC CGA CAC G-TAMRA-3' *4 96ウェルプレート、シール及びシーリングアプリケーター MicroAmp Optical 96-Well Reaction Plate(Applied Biosystems社)及びABI PRISM Optic al Adhesive Cover(Applied Biosystems社)を使用する。シーリングの詳細については、 製品付属のマニュアルを参考のこと。 *5 ABI PRISM Optical Cover Compression Pad ABI PRISM Optical Cover Compression Pad(Applied Biosystems社)を使用する。なお、2 0回以上の繰り返し使用は、定量結果に影響を及ぼす可能性があるため、避けること。 2.1.4.1.1.2. プレート情報の設定 反応に際しては、プレート情報の設定を行わなければならない。設定を行う項目は、検体の配 置と種類及び、プローブ特性である。具体的には新規シート上で、調製したプレートの配置に対 応するように気を付けながら、検体の種類(「UNKN」:DNA試料液)の設定を行う。また、プロー ブ特性に関しては、トウモロコシ陽性対照用、DAS59132検出用ともに、Reporterが「FAM」、Que ncherが「TAMRA」となるように設定する。なお、トウモロコシ陽性対照用、DAS59132検出用とも に、Passive Referenceを「ROX」と設定する。 2.1.4.1.1.3. PCR増幅 - 9 - 装置にプレートをセットし、反応とデータの取込みを開始する。反応条件は以下のとおりであ る。50℃、2分間の条件で保持した後、95℃で10分間加温し、ホットスタート法で反応を開始す る。その後、95℃ 15秒、60℃ 1分を1サイクルとして、40サイクルの増幅反応を行う。なお、反 応条件の設定において9600 emulationモードのチェックを入れておく。Remaining timeが0分と なっていることを確認し、反応を終了させた後、測定結果の解析を行う。 2.1.4.1.2. リアルタイムPCRを用いた定性PCR法(ABI PRISMTM 7500) 2.1.4.1.2.1. PCR用反応液の調製 PCR用反応液は25 L/wellとして調製する。その組成は以下のとおりである。Universal PCR M aster Mix*1 12.5 L、対象プライマー対溶液(各プライマー、10 mol/L)1.0 L*2、対象プ ローブ溶液(10 mol/L)0.5 L*3を混合し、水で全量20 Lに調製後、10 ng/ L DNA試料液5.0 L(50 ng)を添加する。PCRのブランク反応液として、必ずDNA試料液を加えないものについて も同時に調製する。分注操作終了後、真上からシール*4し、完全にウェルを密閉する。このと き、しわが寄らないよう注意し、専用のシーリング用アプリケーターを用いて行う。最後にウェ ルの底を観察し、底に気泡がある場合は、プレートの縁を軽く叩いて気泡を抜いておく。試験は、 1DNA試料液当たり2ウェル並行で行うものとし、PCR用反応試薬は2 ウェル分を同時に調製する。 *1 Universal PCR Master Mix 本試薬は粘性が高いため、混合操作を行う際には、混合が確実に行われるように注意する。 不十分な場合には、PCRがうまくいかない場合がある。使う直前には必ずボルテックスミキ サーを用いて3秒程度混合した後、軽く遠心し、溶液を試料管の底に集めておいてから使用 する。また、ウェルに分注する際は、以後撹拌、遠心が困難なことを考慮し、ウェルの底に 確実に入れる。 *2 対象プライマー対 DAS59132検出用プライマー対は以下のとおりである。(各プライマーは水で溶解する。) F-primer(32f):5'-CCG CAA TGT GTT ATT AAG TTG TCT AAG-3' R-primer(32r):5'-GGT GAA TGT CGC CGT GTG T-3' なお、トウモロコシ陽性対照用試験では、プライマー対SSIIb-3(各プライマー濃度、25 m ol/L)を用いる場合には0.5 Lを加えること。 *3 対象プローブ DAS59132検出用プローブは以下のとおりである。(プローブは水で溶解する。) 5'-FAM-CAA TTT GTT TAC ACC AGA GGC CGA CAC G-TAMRA-3' *4 96ウェルプレート、シール及びシーリングアプリケーター MicroAmp Optical 96-Well Reaction Plate(Applied Biosystems社)及びABI PRISM Optic al Adhesive Cover(Applied Biosystems社)を使用する。シーリングの詳細については、 製品付属のマニュアルを参考のこと。 2.1.4.1.2.2. プレート情報の設定 反応に際しては、プレート情報の設定を行わなければならない。設定を行う項目は、検体の配 置と種類及び、プローブ特性である。具体的には新規シート上で、調製したプレートの配置に対 応するように気を付けながら、検体の種類(「UNKN」:DNA試料液)の設定を行う。また、プロー ブ特性に関しては、トウモロコシ陽性対照用、DAS59132検出用ともに、Reporterが「FAM」、Que ncherが「TAMRA」となるように設定する。なお、トウモロコシ陽性対照用、DAS59132検出用とも に、Passive Referenceを「ROX」と設定する。 2.1.4.1.2.3. PCR増幅 装置にプレートをセットし、反応とデータの取込みを開始する。反応条件は以下のとおりであ る。50℃、2分間の条件で保持した後、95℃で10分間加温し、ホットスタート法で反応を開始す る。その後、95℃ 15秒、60℃ 1分を1サイクルとして、40サイクルの増幅反応を行う。なおラン モードの設定は9600 emulationモードを選択する。Remaining timeが0分となっていることを確 認し、反応を終了させた後、測定結果の解析を行う。 2.1.4.1.3. リアルタイムPCRを用いた定性PCR法(ABI PRISMTM 7700) 2.1.4.1.3.1. PCR用反応液の調製 PCR用反応液は25 L/wellとして調製する。その組成は以下のとおりである。Universal PCR M aster Mix*1 12.5 L、対象プライマー対溶液(各プライマー、10 mol/L)1.0 L*2、対象プ ローブ溶液(10 mol/L)0.5 L*3を混合し、水で全量20 Lに調製後、10 ng/ L DNA試料液5.0 L(50 ng)を添加する。PCRのブランク反応液として、必ずDNA試料液を加えないものについて も同時に調製する。分注操作終了後、真上からキャップし*4、完全にウェルを密閉する。この とき、専用のシーリング用アプリケーターを用いて行う。最後にウェルの底を観察し、底に気泡 - 10 - がある場合は、プレートの縁を軽く叩いて気泡を抜いておく。試験は、1DNA試料液当たり2ウェ ル並行で行うものとし、PCR用反応試薬は2ウェル分を同時に調製する。 *1 Universal PCR Master Mix 本試薬は粘性が高いため、混合操作を行う際には、混合が確実に行われるように注意する。 不十分な場合には、PCRがうまくいかない場合がある。使う直前には必ずボルテックスミキ サーを用いて3秒程度混合した後、軽く遠心し、溶液を試料管の底に集めておいてから使用 する。また、ウェルに分注する際は、以後撹拌、遠心が困難なことを考慮し、ウェルの底に 確実に入れる。 *2 対象プライマー対 DAS59132検出用プライマー対は以下のとおりである。(各プライマーは水で溶解する。) F-primer(32f):5'-CCG CAA TGT GTT ATT AAG TTG TCT AAG-3' R-primer(32r):5'-GGT GAA TGT CGC CGT GTG T-3' なお、トウモロコシ陽性対照用試験では、プライマー対SSIIb-3(各プライマー濃度、25 m ol/L)を用いる場合には0.5 Lを加えること。 *3 対象プローブ DAS59132検出用プローブは以下のとおりである。(プローブは水で溶解する。) 5'-FAM-CAA TTT GTT TAC ACC AGA GGC CGA CAC G-TAMRA-3' *3 96ウェルプレートおよびプレートの蓋 MicroAmp Optical 96-Well Reaction Plate(Applied Biosystems社)及びMicroAmp Optica l Caps、8caps/strips(Flat)(Applied Biosystems社)を使用する。 2.1.4.1.3.2. プレート情報の設定 反応に際しては、プレート情報の設定を行わなければならない。設定を行う項目は、検体の配 置と種類及び、プローブ特性である。具体的には新規シート上で、調製したプレートの配置に対 応するように気を付けながら、検体の種類(「UNKN」:DNA試料液)の設定を行う。また、プロー ブ特性に関しては、トウモロコシ陽性対照用、DAS59132検出用ともに、Reporterが「FAM」、Que ncherが「TAMRA」となるように設定する。なお、トウモロコシ陽性対照用、DAS59132検出用とも に、Passive Referenceを「ROX」と設定する。 2.1.4.1.3.3. PCR増幅 装置にプレートをセットし、反応とデータの取込みを開始する。反応条件は以下のとおりであ る。50℃、2分間の条件で保持した後、95℃で10分間加温し、ホットスタート法で反応を開始す る。その後、95℃ 15秒、60℃ 1分を1サイクルとして、40サイクルの増幅反応を行う。Remainin g timeが0分となっていることを確認し、反応を終了させた後、測定結果の解析を行う。 2.1.4.1.4 結果の解析と判定 トウモロコシ陽性対照用試験及びDAS59132検出用試験のいずれについても、結果の判定は、Ampl ification plot上で指数関数的な増幅曲線とCt値の確認及びmulticomponent上での対象色素由来の 蛍光強度(FAM)の指数関数的な明確な増加の確認をもって行う。第一に目視でAmplification plo t上に指数関数的な増幅曲線が確認された場合に陽性を疑う。次いでベースライン(3サイクルから 15サイクル)のΔRnのノイズ幅の最大値の上側で、安定した指数関数的な増幅曲線上で交わるTh. Lineを選択する*。そのTh. LineからCt値が得られるか否かを解析する。その後トウモロコシ陽性 対照用試験及びDAS59132検出用試験の両方において、38未満のCt値が得られた場合に陽性と判定し、 38未満のCt値が得られない場合は陰性と判定する。なお、上記判定により陽性が判定された結果に ついてmulticomponentを解析し、目視でFAMの蛍光強度の指数関数的な増加が観察でき、ROXの蛍光 強度の明確な下降やFAMの蛍光強度の緩やかな上昇がないことを確認する。 また、どちらか一方の抽出液において、トウモロコシ陽性対照用試験で38未満のCt値が得られな い場合には、リアルタイムPCRを用いた定性PCR法以降の操作を行い、それでも38未満のCt値が得ら れない場合には、その抽出液での結果を無効とし、もう一方の抽出液の結果だけで判定する。2つ のDNA抽出液ともにトウモロコシ陽性対照用試験で38未満のCt値が得られない場合には、改めて3回 目のDNA抽出精製を行い、さらにリアルタイムPCRを用いた定性PCR法以降の操作を実施して、判定 を行う。3回目のDNA抽出液を用いた場合でもトウモロコシ陽性対照用試験で38未満のCt値が得られ ない場合には、本試料からの安全性未審査の組換えDNA技術応用食品の検知は不能とする。 * 個々の機種の状態によってAmplification plot上のΔRnが変動することから、普遍的なTh. Lin eの設定の数値を示すことが困難である。従ってAmplification plot上でベースライン(3サイ クルから15サイクル)のΔRnのノイズ幅の最大値をより上側で、安定した指数関数的な増幅曲 線上で交わるTh. Lineを選択する。参考として、ABI PRISMTM 7700、ABI PRISMTM 7900及びABI PRISMTM 7500のいずれにおいても0.2-0.5の範囲であると考えられる。 - 11 - 2.2. DNA抽出精製法 DNAの抽出精製の際用いる水は、特に断り書きがない限りすべて逆浸透膜精製したRO水又は蒸留水をMil li-Q等で17MΩ/cmまで精製した超純水など、DNA、DNase等がコンタミネーションしていないものを用いる こと。 2.2.1. トウモロコシ及び大豆穀粒からのDNA抽出精製 界面活性剤セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)とフェノール/クロロホルム混合液を用 いて抽出精製するCTAB法は、応用範囲が広い上、PCR阻害物質が残存しにくく、純度の高いDNAを得るこ とができる非常に優れた方法であるが、フェノール、クロロホルムという有害試薬を用いること及び煩 雑な精製操作が必要という欠点がある。市販のDNA抽出キットを用いるとこれらの欠点を解消すること ができる。市販のDNA抽出キットには、シリカゲル膜タイプのもの、シリカベースのレジンタイプのも の、イオン交換樹脂タイプのもの、マグネット吸着ビーズタイプのものがあるが、いずれの方法を利用 しても、トウモロコシ、大豆等の穀粒からPCRに利用可能なDNAを抽出精製することができる。以上の点 を考慮して、本項では、CTAB法とシリカゲル膜タイプキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit並びにNI PPON GENE GM quicker)を用いた方法、シリカベースのレジンタイプのキット(Promega Wizard DNA C lean-up System)を用いた方法を記す。なお、シリカゲル膜タイプキット法は、使用するキット及び、 適用する試料によって操作方法が異なるため注意する。 2.2.1.1. CTAB法 均質に粉砕された試料2gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、CTAB緩衝液*1 15mLを 入れ、ホモジナイザーで組織が見えなくなるまで均一化する。遠沈管の縁とホモジナイザーの先を洗 浄するように CTAB緩衝液30mLを加え、転倒混和後55℃で30分間放置する*2。次いで放置液を撹拌し、 均質化した溶液600 Lをマイクロ遠沈管(1.5mL容)に量り採る。次いで500μLのフェノール/クロロ ホルム混合液*3 を加え、転倒混和後ミキサーで軽く懸濁し、7,500×gで15分間室温遠心後、水層(上 層)を新しいマイクロ遠沈管に移す。この時中間層に触れないように注意する。クロロホルム/イソ アミルアルコール混合液*4 500μLを加え、転倒混和後ミキサーで軽く懸濁し、7,500×gで15分間室 温で遠心後、水層(上層)を新しいマイクロ遠沈管に移す。等容量のイソプロピルアルコール(室温) を加え、転倒混和後7,500×gで10分間室温遠心し、デカンテーションで上澄み液を捨てる。500μLの 70%エタノールを壁面から静かに加え、7,500×gで1分間室温遠心し、沈殿に触れないようにできる 限りエタノールを吸い取り捨てる。その後、2~3分間真空乾燥する。このとき完全に乾燥しないよう に注意する。50μLのTE緩衝液*5を加えてよく混和後、室温に15分間放置して、時々転倒混和して完 全に溶かす。RNase A 5μLを加え、37℃で30分間放置する。200μLのCTAB緩衝液を加えた後、250μL のクロロホルム/イソアミルアルコール混合液を加え、転倒混和後ミキサーで軽く懸濁し、7,500×g で15分間室温遠心後、水層(上層)を新しいマイクロ遠沈管に移す。このとき、中間層に触れないよ うに採取する。200μLのイソプロピルアルコールを加え、転倒混和してから、7,500×gで10分間、室 温で遠心し、デカンテーションで上澄み液を捨てる。次いで、200μLの70%エタノールを壁面から静 かに加え、7,500×gで1分間室温遠心し、沈殿に触れないようにできる限りエタノールを吸い取り捨 てる。その後、2~3分間真空乾燥する。このとき、完全に乾燥しないよう注意する。50μLの水を加 えて混合した後、15分間室温に放置して、時々転倒混和して完全に溶解したものをDNA試料原液*6と する。 *1 CTAB緩衝液 ビーカーに、0.5mol/L EDTA(pH8.0)8mL、1mol/L Tris-塩酸(pH8.0)20mL、5mol/L食塩水56m Lを入れ、約150mLとなるように水を加え、撹拌しながらCTAB 4gを加えて完全に溶解する。さら に水を加え全量を200mLとし、オートクレーブで滅菌したものをCTAB緩衝液とする。 *2 ホモジナイザーを使用しない場合には、ボルテックスミキサーを用いて試料塊がないように激し く混合する。その際には、まず15mLのCTAB緩衝液を加え十分に混合した後、さらにCTAB緩衝液30 mLを加え混合する。混合後は、加温処理以降の操作に従う。 *3 フェノール/クロロホルム混合液 1mol/L Tris-塩酸(pH8.0)飽和フェノールとクロロホルム/イソアミルアルコール混合液を1:1 (v/v)で混合したものをフェノール/クロロホルム混合液とする。 *4 クロロホルム/イソアミルアルコール混合液 クロロホルムとイソアミルアルコールを24:1(v/v)で混合したものをクロロホルム/イソアミ ルアルコール混合液とする。 *5 TE緩衝液 各最終濃度が10mmol/L Tris-塩酸(pH8.0)、1mmol/L EDTA(pH8.0)となるように水を用いて 調製したものをTE緩衝液とする。 *6 定量PCRに供する際は、DNA試料液はTE緩衝液を用いてDNAを溶解し、濃度を調製したものとする。 そのため、定量PCR法を実施することを目的としてDNA抽出を行う場合には、真空乾燥させた沈殿 - 12 - に50μLのTE緩衝液を加えて混合した後、4℃で一晩保存することで完全に溶解し、DNA試料原液 とする。 2.2.1.2. シリカゲル膜タイプキット法(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit: トウモロコシに適用) 均質に粉砕した試料2gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、あらかじめ65℃に温めて おいたAP1緩衝液*1 10mLとRNase A 20μLを加え、試料塊がないようにボルテックスミキサーで激し く混合し、65℃で15分間加温する。その間2、3回、遠沈管を反転させて試料を攪拌する。AP2緩衝液 *2 3,250μLを加え、氷上に10分間静置した後、4,000×g以上、4℃の条件で20分間遠心する*3。次 いでその上清500μLをQIAshredder spin columnに負荷し、10,000×g以上で4分間遠心後、溶出液を 遠沈管(15mL容)に移す。この操作を再度繰り返した後、その溶出液の1.5倍量のAP3緩衝液*4・エ タノール混液*5を加える。その混合液500μLをmini spin columnに負荷し、10,000×g以上で1分間 *6遠心する。残りの混合液のうち、さらに500μLを同じmini spin columnに負荷し、同条件で遠心 し溶出液を捨てる。最終的に混合液がすべてなくなるまで同様の操作を繰り返す。次いでAW緩衝液* 7 500μLを負荷し、10,000×g以上で1分間*6遠心し、溶出液を捨てる。同様の操作を計3回繰り返す。 溶出液を捨て、mini spin columnを乾燥させるため、10,000×g以上で20分間遠心する。mini spin c olumnをキットの遠沈管に移し、あらかじめ65℃に温めておいた水70μLを加え、5分間静置した後、1 0,000×g以上で1分間遠心しDNAを溶出する。もう一度水を加え、同じ操作を行い、得られた溶出液を 合わせ、DNA試料原液*8とする。 *1 AP1緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit)付属のもの、あるいは別途購入 したものを用いる。 *2 AP2緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit)付属のもの、あるいは別途購入 したものを用いる。 *3 遠心後の上清 上清を確認し、澄明でない場合には、同条件での遠心操作を再度繰り返し、以降の操作を行う。 *4 AP3緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit)付属のもの、あるいは別途購入 したものを用いる。 *5 AP3緩衝液・エタノール混液 AP3緩衝液*4 とエタノール(96-100%)を1:2で混合したものをAP3緩衝液・エタノール混液と する。 *6 遠心時間 mini spin columnに負荷する液の性状により、カラムの通過に時間がかかることがある。すべて の液がカラムを通過するのに必要な遠心時間を適宜、調整する。 *7 AW緩衝液 使用する直前に、容器ラベルに記載された適量のエタノ-ル(96-100%)を混合したものをAW緩 衝液とする。 *8 定量PCRに供する際は、spin columnの乾燥以降の操作を下記のとおり変更し行う。「mini spin columnをキットの遠沈管に移し、あらかじめ65℃に温めておいたTE緩衝液70μLを加え、5分間静 置した後、10,000×g以上で1分間遠心しDNAを溶出する。もう一度TE緩衝液を加え、同じ操作を 行い、得られた溶出液を合わせ、DNA試料原液とする。 2.2.1.3. シリカゲル膜タイプキット法(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit: 大豆に適用) 均質に粉砕した試料1gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、あらかじめ65℃に温めて おいたAP1緩衝液*1 10mLとRNase A 20μLを加え、試料塊がないようにボルテックスミキサーで激し く混合し、65℃で1時間加温する。その間5、6回、遠沈管を反転させて試料を攪拌する。スイング式 遠心分離機を使用し、3,000×g、室温の条件で10分間遠心後、その上清7mLを、ポリプロピレン製遠 沈管(15mL容)に移す。AP2緩衝液*2 2,500μLを加え、ボルテックスミキサーで10秒間激しく攪拌 する。氷上に15分間静置後、スイング式遠心機で3,000×g以上、室温の条件で35分間遠心する*3。 得られた上清のうち8mLを新しい15mLチューブに移す。ボルテックスミキサーを用いて攪拌した後、5 00μLをQIAshredder spin columnに負荷し、10,000×g以上で4分間遠心後、溶出液を遠沈管(15mL容) に移す。その溶出液の1.5倍量のAP3緩衝液*4・エタノール混液*5を加える。混合液500μLをmini s pin columnに負荷し、10,000×g以上で1分間*6遠心する。残りの混合液のうち、さらに500μLを同 じmini spin columnに負荷し、同条件で遠心し溶出液を捨てる。最終的に混合液がすべてなくなるま で同様の操作を繰り返す。次いでAW緩衝液*7 500μLを負荷し、10,000×g以上で1分間*6遠心し、 溶出液を捨てる。同様の操作を計3回繰り返す。溶出液を捨て、mini spin columnを乾燥させるため、 10,000×g以上で20分間遠心する。mini spin columnをキットの遠沈管に移し、あらかじめ65℃に温 めておいた水70μLを加え、5分間静置した後、10,000×g以上で1分間遠心しDNAを溶出する。もう一 - 13 - 度水を加え、同じ操作を行い、得られた溶出液を合わせ、DNA試料原液*8とする。 *1 AP1緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit)付属のもの、あるいは別途購入 したものを用いる。 *2 AP2緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit)付属のもの、あるいは別途購入 したものを用いる。 *3 遠心後の上清 上清を確認し、澄明でない場合には、同条件での遠心操作を再度繰り返し、以降の操作を行う。 *4 AP3緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit)付属のもの、あるいは別途購入 したものを用いる。 *5 AP3緩衝液・エタノール混液 AP3緩衝液*4 とエタノール(96-100%)を1:2で混合したものをAP3緩衝液・エタノール混液と する。 *6 遠心時間 mini spin columnに負荷する液の性状により、カラムの通過に時間がかかることがある。すべて の液がカラムを通過するのに必要な遠心時間を適宜、調整する。 *7 AW緩衝液 使用する直前に、容器ラベルに記載された適量のエタノ-ル(96-100%)を混合したものをAW緩衝 液とする。 *8 定量PCRに供する際は、spin columnの乾燥以降の操作を下記のとおり変更し行う。 「mini spin columnをキットの遠沈管に移し、あらかじめ65℃に温めておいたTE緩衝液70μLを 加え、5分間静置した後、10,000×g以上で1分間遠心しDNAを溶出する。もう一度TE緩衝液を加え、 同じ操作を行い、得られた溶出液を合わせ、DNA試料原液とする。」 2.2.1.4. シリカゲル膜タイプキット法(NIPPON GENE GM quicker: トウモロコシに適用) 均質に粉砕した試料1gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、GE1緩衝液*1 6mLとRNas e A 20μLを加え、試料塊がないようにボルテックスミキサーで30秒間混合した後*2、室温で10分間 静置する。GE2緩衝液*3 750μLを加え、10~12回転倒混和し*4、氷上に10分間静置する。5,000× g以上、4℃の条件で10分間遠心*5する。次いでその上清*6 400μLを1.5mLチューブに移し、GB3緩 衝液 50μL及びエタノール(100%) 200μLを添加した後、10~12回転倒混和する*7。混合液650 μL(全量)をspin columnに負荷した後、13,000×g以上、4℃の条件で30秒間遠心し、溶出液を捨てる。 次いでGW緩衝液600μLを負荷し、13,000×g以上、4℃の条件で1分間遠心し、溶出液を捨てる。spin columnを乾燥させるため、13,000×g以上、4℃の条件で3分間遠心する。spin columnを新たな1.5mL 容チューブに移し、水 50μLを加え3分間室温で静置した後、13,000×g以上で1分間遠心し、得られ た溶出液をDNA試料原液*8とする。 *1 GEl緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(NIPPON GENE GM quicker)付属のもの、あるいは別途購入したも のを用いる。 *2 攪拌操作が不十分であると、DNAの収量が著しく減少する。ボルテックスに対して50mL容チュー ブを垂直にあて、そのまま30秒間しっかりと攪拌する。攪拌が不十分な場合はさらに30~60秒間 攪拌する。 *3 GE2緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(NIPPON GENE GM quicker)付属のもの、あるいは別途購入したも のを用いる。 *4 発生した泡がチューブ内に残っていても、続けてGE2緩衝液を添加することが可能である。抽出 液には粘性が生じているので、添加したGE2緩衝液が十分に均一となるよう混合する。 *5 使用するローター及び50mL容チューブの特性を考慮したうえで、gが最大となるように遠心条件 を設定する。 *6 沈殿や浮遊物等を可能な限り取らないように上清を回収する。また、上清は4mL程分取すること が可能であり、4℃の条件であれば、数日は安定である。その後の試験にあわせ、DNAの再抽出・ 精製が必要となった場合には、本上清を用い、それ以降の操作を実施する。 *7 GB3緩衝液を添加し、続いてエタノールを添加した後に、攪拌操作を行う。析出物が生じて白濁 している場合は、液が透明になるまで十分転倒混和する。 *8 定量PCRに供する際は、spin columnの乾燥以降の操作を下記のとおり変更し行う。 「spin columnを新たな1.5mL容チューブに移し、TE緩衝液 50 Lを加え3分間室温で静置した後、 13,000×g以上で1分間遠心し、得られた溶出液をDNA試料原液とする。」 - 14 - 2.2.1.5. シリカゲル膜タイプキット法(NIPPON GENE GM quicker: 大豆に適用) 均質に粉砕した試料1gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、GE1緩衝液*1 12mLとRNa se A 40μLを加え、試料塊がないようにボルテックスミキサーで30秒間混合した後*2、室温で10分 間静置する。GE2緩衝液*3 1,500 Lを加え、10~12回転倒混和し*4、氷上に10分間静置する。5,0 00×g以上、4℃の条件で10分間遠心する*5。次いでその上清*6700 Lを2.0mLチューブに移し、GE3 緩衝液 250μL及びイソプロパノール(100%)250μLを添加した後、10~12回転倒混和する*7。混 合液600μLをspin columnに負荷し、13,000×g以上、4℃の条件で30秒間遠心し、溶出液を捨てる。 残りの混合液全量を同じspin columnに負荷し、同条件で遠心し溶出液を捨てる。次いでGW緩衝液600 μLを負荷し、13,000×g以上、4℃の条件で1分間遠心し、溶出液を捨てる。spin columnを新たな1.5 mL容チューブに移し、水 50μLを加え、3分間室温で静置した後、13,000×g以上で1分間遠心し、得 られた溶出液をDNA試料原液*8とする。 *1 GEl緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(NIPPON GENE GM quicker)付属のもの、あるいは別途購入したも のを用いる。 *2 攪拌操作が不十分であると、DNAの収量が著しく減少する。ボルテックスに対して50mL容チュー ブを垂直にあて、そのまま30秒間しっかりと攪拌する。攪拌が不十分な場合はさらに30~60秒間 攪拌する。 *3 GE2緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(NIPPON GENE GM quicker)付属のもの、あるいは別途購入したも のを用いる。 *4 発生した泡がチューブ内に残っていても、続けてGE2緩衝液を添加することが可能である。抽出 液には粘性が生じているので、添加したGE2緩衝液が十分に均一となるよう混合する。 *5 使用するローター及び50mL容チューブの特性を考慮したうえで、gが最大となるように遠心条件 を設定する。 *6 沈殿や浮遊物等を可能な限り取らないように上清を回収する。また、上清は8mL程分取すること が可能であり、4℃の条件であれば、数日は安定である。その後の試験にあわせ、DNAの再抽出・ 精製が必要となった場合には、本上清を用い、それ以降の操作を実施する。 *7 GB3緩衝液を添加し、続いてイソプロパノールを添加した後に、攪拌操作を行う。析出物が生じ て白濁している場合は、液が透明になるまで十分転倒混和する。 *8 定量PCRに供する際は、spin columnの乾燥以降の操作を下記のとおり変更し行う。 「spin columnを新たな1.5mL容チューブに移し、TE緩衝液 50μLを加え3分間室温で静置した後、 13,000×g以上で1分間遠心し、得られた溶出液をDNA試料原液とする。」 2.2.1.6. シリカベースレジンタイプキット法 (Promega Wizard DNA Clean-up System) 均質に粉砕した試料2gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、抽出用緩衝液*1 17.2mL、 5mol/L グアニジン-塩酸2mL及び20mg/mL Proteinase Kを0.8mL加え、激しくボルテックスミキサーで 撹拌後、55~60℃で振とうしながら3時間保温する。次いで、室温まで温度を下げ、3,000×gで10分 間遠心する。上清が濁っている場合、上清の一部をマイクロ遠沈管(1.5mL容)に移し、さらに14,00 0×gで10分間遠心する。得られた澄明な上清500μLと、DNA Clean-up Resin1mLをマイクロ遠沈管(1. 5mL容)に採り、転倒混和し、混合液とする。次にmini columnの上部に注射筒を付け、マニホールド (吸引装置)に装着する。マニホールドのコックを閉じ、吸引装置内部が十分に減圧になっているこ とを確認した後、混合液を注射筒からmini columnに負荷する。直ちにコックを開け、最速で減圧吸 引して溶液を完全に除去し、次いで2mLの80%イソプロピルアルコールを注射筒から加えカラムを洗 浄する。注射筒を外したmini columnをマイクロ遠沈管(1.5mL容)に装着し、室温下10,000×gで2分 間遠心し、カラムを乾燥する。次にmini columnを新しいマイクロ遠沈管(1.5mL容)に移し、あらか じめ65~70℃に温めておいた水100 Lを滴下する*2。1分間放置後、室温下10,000×g以上で1分間遠 心し、DNA を溶出し、得られた溶出液をDNA試料原液とする。 *1 抽出用緩衝液 150mM 塩化ナトリウム、2mmol/L EDTA及び1% SDSを含む10mmol/L Tris-塩酸緩衝液 (pH7.5) *2 定量PCR法に供する際は、水の代わりにあらかじめ65~70℃に温めておいたTE緩衝液100μLを滴 下する。 2.2.2. パパイヤからのDNA抽出精製 採取したパパイヤから種子を除いた果肉部分をおよそ10mm角に切り出し、凍結乾燥を行う。次にミキ サーミル等でこれらを混合し、粉砕する。粉砕試料を用い、以下のCTAB法または、シリカゲル膜タイプ のキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit)を用いた方法に従ってDNAを抽出精製する。 - 15 - 2.2.2.1. CTAB法 粉砕試料20mgをマイクロ遠沈管(1.5mL容)に量り採り、CTAB緩衝液150 Lを入れ、マイクロミキサ ーで組織が見えなくなるまで均一化する*。ミキサーの先を洗浄するように CTAB緩衝液450 Lを加え、 転倒混和してから55℃で30分間放置する。500 Lのフェノール/クロロホルム混合液を加え、転倒混和 後ミキサーで軽く懸濁し、7,500×gで15分間室温遠心後、水層(上層)を新しいマイクロ遠沈管に移 す。このとき、中間層に触れないように注意する。500 L クロロホルム/イソアミルアルコール混合 液を加え、転倒混和後ミキサーで軽く懸濁し、7,500×gで15分間室温遠心後、水層(上層)を新しい マイクロ遠沈管に移す。等容量のイソプロピルアルコール(室温)を加え、転倒混和後 7,500×gで1 0分間室温遠心し、デカンテーションで上澄み液を捨てる。500 Lの70%エタノールを壁面から静かに 加え、7,500×gで1分間室温遠心し、沈殿に触れないようにできる限りエタノールを吸い取り捨てる。 その後、2~3分間真空乾燥する。このとき完全に乾燥しないように注意する。50 LのTE緩衝液を加え てよく混和後、室温に15分間放置して、時々転倒混和して完全に溶かす。RNase A 5 Lを加え、37℃ で30分間放置する。200 LのCTAB緩衝液を加えた後に、250 Lのクロロホルム/イソアミルアルコール 混合液を加え、転倒混和後ミキサーで軽く懸濁し、7,500×gで15分間室温遠心後、水層(上層)を新 しいマイクロ遠沈管に移す。この時、中間層に触れないように採取する。200 Lのイソプロピルアル コールを加え、転倒混和してから、7,500×gで10分間室温で遠心し、デカンテーションで上澄み液を 捨て、ピペットでイソプロピルアルコールを捨てる。次いで、200 Lの70%エタノールを壁面から静 かに加え、7,500×gで1分間室温遠心し、沈殿に触れないようにできる限りエタノールを吸い取り捨 てる。その後、2~3分間真空乾燥する。このとき、完全に乾燥しないよう注意する。50 Lの水を加え て混合した後、15分間室温に放置して、時々転倒混和して完全に溶解したものをDNA試料原液とする。 * マイクロミキサーを使用しない場合には、ボルテックスミキサーを用いて試料塊がないように激 しく混合する。その際には、まず300 LのCTAB緩衝液を加え十分に混合した後、さらにCTAB緩衝液 300 Lを加え混合するようにする。混合後は、加温処理以降の操作に従う。 2.2.2.2. シリカゲル膜タイプキット法 粉砕試料80mgをマイクロ遠沈管(2mL容)に量り採り、シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNea sy Plant Mini Kit)を用い、以下の方法に従ってDNAを抽出精製する。 試料にあらかじめ65℃に温めておいたAP1緩衝液600 Lとキット付属のRNase A 4 Lを加え、試料塊 がないようホモジナイザーを用いて混合し、65℃で15分間放置する。その間数回遠沈管を反転させ試 料を撹拌する。その後AP2緩衝液195 Lを加え、氷上に5分放置後、室温下10,000×gで5分間遠心する。 上清をQIAshredder spin columnに負荷し、室温下10,000×gで2分間遠心し、溶出液をマイクロ遠沈 管(2mL容)に移す。遠沈管に1.5倍量のAP3緩衝液・エタノール混液を加え、10秒間ボルテックスミ キサーで撹拌した後、得られた混合液のうち500 Lをmini spin columnに負荷し、室温下10,000×gで 5分間遠心し*、溶出液を捨てる。次いで、残りの混合液のうち、さらに500 Lを同じmini spin colu mnに負荷し、同条件で遠心し溶出液を捨てる。最終的に混合液がすべてなくなるまで同様の操作を繰 り返す。次いで、columnにAW緩衝液500 Lを加え、室温下10,000×gで5分間遠心し、溶出液を捨ても う一度AW緩衝液を加え、同じ操作を繰り返す。溶出液を捨て、mini spin columnを乾燥させるため、 10,000×g以上で15分間遠心する。mini spin columnをキットの遠沈管に移し、あらかじめ温めてお いた水50 Lを加え、5分間放置した後、10,000×gで1分間遠心しDNAを溶出する。もう一度水を加え、 同様の操作を行い、得られた溶出液を合わせ、DNA試料原液とする。 * 混合液中に析出物が有る場合columnが詰まりやすくなる。その場合、完全に溶出させるため遠心 時間を10分程度まで延ばす。 2.2.3. 加工食品からのDNAの抽出精製 平成12年農林水産省告示第517号第3条に規定する別表2の加工食品からのDNAの抽出精製は、独立行政 法人農林水産消費技術センター作成のJAS分析試験ハンドブック「遺伝子組換え食品検査・分析マニュ アル 個別品目編」に記載されている方法を準用する。タコス、トルティーヤ、コーンチップ及びコー ンフレーク(加熱加工されているものに限る。)、ジャガイモ(加工品を含む。)並びに缶詰のパパイヤ からのDNAの抽出精製は以下の手法で行う。 2.2.3.1. タコス、トルティーヤ、コーンチップ及びコーンフレーク(加熱加工されているものに限る) からのDNAの抽出精製 試料を凍結乾燥した後、ミキサーミル等で粉砕する。次いで粉砕試料1gをポリプロピレン製遠沈管 (50mL容)に量り採り、イオン交換樹脂タイプのDNA抽出精製キット(QIAGEN Genomic-tip)を用い 以下のようにDNAを抽出精製する。 試料にG2緩衝液*1 4mLを加えて、ボルテックスミキサー等で激しく混合し、さらにG2緩衝液4mL、 Proteinase K*2 100 LとRNase A 10 Lを加えて、よく振って混合した後、50℃で2時間放置する。そ の間2~3回遠沈管を反転させて試料を転倒混和する。次いで、3,000×g以上で, 低温下(4℃)15分 遠心し、得られた上清をポリプロピレン製遠沈管(15mL容)に移し、さらに軽く遠心する。次いで、 QBT緩衝液*1 1mLを用い平衡化したQIAGEN Genomic-tip 20/Gに2mLずつ数回に分けて負荷する。次い - 16 - で、チップをQC緩衝液*1で2mLずつ3回洗浄した後、チップを新しい遠沈管に移し、あらかじめ50℃ に温めておいたQF緩衝液*2を1mLずつ2回加え、DNAを溶出する。溶出液を遠沈管に移し、0.7倍量の イソプロピルアルコールを加えよく混合し、10,000×g以上で、低温下(4℃)15分間遠心し、上清を 捨てた後、70%エタノール1mLを加え、さらに10,000×g以上で、低温下(4℃)5分間遠心する。さら に上清を捨て、残った沈殿をアスピレーターを用い乾燥した後、水100 Lを加え、65℃で5分間放置し、 ピペッティングによりDNAを溶解させ、DNA試料原液とする。 *1 G2緩衝液、QBT緩衝液、QC緩衝液及びQF緩衝液はキットに付属しているが、足りない場合にはキ ットの説明書に従って調製可能である。 *2 QIAGEN社のもの又は同等の効力を持つものを用いる。 2.2.3.2. ジャガイモ(加工品を含む)からのDNAの抽出精製 試料をミキサーミル等により粉砕した後、粉砕試料200mgをポリプロピレン製遠沈管(15mL容)に 量り採る。試料中に水分が多い場合は8,000×gで15分間遠心し、上清を捨てる。次いでシリカゲル膜 タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit)を用い、以下の様にDNAを抽出精製する。 試料にあらかじめ65℃に温めておいたAP1緩衝液1.5mLとRNase A 10 Lを加え、試料塊がないようボ ルテックスミキサーで激しく混合し、65℃で15分間放置する。その間数回遠沈管を反転させサンプル を撹拌する。その後AP2緩衝液400 Lを加え、氷上に5分放置後、室温下10,000×gで5分間遠心する。 上清を別の遠沈管に移し、その内500 LをQIAshredder spin columnに負荷し、10,000×gで2分間、室 温で遠心し、溶出液をキットの遠沈管に移す。これを全量終えるまで数回繰り返す。得られた溶出液 のうち半量を別のマイクロ遠沈管(2mL容)に移し、それぞれの遠沈管に1.5倍量のAP3緩衝液・エタ ノール混液を加え、10秒間ボルテックスミキサーで撹拌し、溶解液を得る。得られた溶解液のうち50 0 Lを、mini spin columnに負荷し、室温下10,000×gで1分間遠心し、溶出液を捨てる。次いで残り の溶解液のうち、さらに500 Lを同じmini spin columnに負荷し、同条件で遠心し溶出液を捨てる。 最終的に溶解液がすべてなくなるまで同様の操作を繰り返す。 次いで、columnにAW緩衝液500 Lを加え、室温下10,000×gで1分間遠心し、溶出液を捨てもう一度A W緩衝液を加え、同じ操作を繰り返す。溶出液を捨てた後、mini spin columnを乾燥するため、10,00 0×g以上で15分間遠心する。mini spin columnをキットの遠沈管に移し、あらかじめ温めておいた 水50 Lを加え、5分間放置した後、室温下10,000×gで1分間遠心しDNAを溶出する。もう一度水を加え、 同じ操作を行い、得られた溶出液を合わせ、DNA試料原液とする。 2.2.3.3. 缶詰のパパイヤからのDNAの抽出精製 試料を水でよく洗浄し、凍結乾燥した後、ミキサーミル等で粉砕する。次いで粉砕試料2gをポリプ ロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、イオン交換樹脂タイプのDNA抽出精製キット(QIAGEN Geno mic-tip)を用い以下のようにDNAを抽出精製する。 試料にG2緩衝液7.5mLを加え、ボルテックスミキサー等で激しく混合し、さらにG2緩衝液7.5mL、QI AGEN Proteinase K 200 LとRNase A 20 Lを加えて、よく振って混合した後、50℃で2時間放置する。 その間2~3回遠沈管を反転させて試料を転倒混和する。次いで、3,000×g以上で、低温下(4℃)15 分間遠心し、得られた上清をポリプロピレン製遠沈管(15mL容)に移し、さらに軽く遠心する。次い で、QBT緩衝液1mLを用い平衡化したQIAGEN Genomic-tip 20/Gに2mLずつ数回に分けて負荷する。次い で、tipをQC緩衝液で2mLずつ3回洗浄した後、チップを新しい遠沈管に移し、あらかじめ50℃に温め ておいたQF緩衝液を1mLずつ2回加え、DNAを溶出する。溶出液を遠沈管に移し、0.7倍量のイソプロピ ルアルコールを加えよく混合し、10,000×g以上で、低温下(4℃)15分間遠心し、上清を捨てた後、 70%エタノール2mLを加え、さらに10,000×g以上で、低温下(4℃)5分間遠心する。さらに上清を捨 て、残った沈澱をアスピレーターを用い乾燥した後、水100 Lを加え、65℃で5分間放置し、ピペッテ ィングによりDNAを溶解させ、DNA試料原液とする。 2.2.4. DNA試料原液中のDNAの純度の確認並びにDNA試料液の調製と保存 DNA試料原液の適当量を取り、水あるいはTE緩衝液を用いて適宜希釈し*1、200~320nmの範囲で紫外 部吸収スペクトルを測定し、260nm及び280nmの吸光度(O.D.260及びO.D.280*2)を記録する。次いでO. D.260の値1を50ng/ L DNAとしてDNA濃度を算出する。またO.D.260/O.D.280を計算する。この比が1.7~ 2.0になれば、DNAが十分に精製されていることを示す。得られたDNA濃度から、DNA試料原液を以後の試 験に必要な濃度に水で希釈して*3DNA試料液とし、20 Lごとにマイクロ試料管に分注し、-20℃以下で 冷凍保存する。分注したDNA試料液は、融解後直ちに使用し、残った溶液は再度保存せず廃棄する。な お、DNA試料原液の濃度がPCRで規定された濃度に達しないときは、そのままDNA試料液として用いる。 *1 試験の目的により、DNA試料原液は水もしくはTE緩衝液で調製されている。希釈する場合には、DNA 試料原液の調製に使用した溶解液を用る。また、希釈倍率は、吸光度測定装置により適切な測定に 要する液量及び濃度域が異なるため、適宜とする。 *2 O.D.260がDNA由来の吸光度、O.D.280がタンパク質等不純物由来の吸光度と考える。 *3 定量PCR法に供する際は、TE緩衝液を用いて希釈する。 - 17 - 2. 安全性審査済みの組換えDNA技術応用食品の検査法 3. 安全性審査済みの組換えDNA技術応用食品の検査方法 2.1. 大豆 3.1. 大豆 これまで国内に流通する遺伝子組換え(GM)大豆に関しては、RoundupReady Soybean(40-3-2) (以下、 RRS)が唯一のものであったが、2002年に承認されているバイエルクロップサイエンス社のA2704-12系統 の遺伝子組換え大豆Liberty Link Soybean(Event A2704-12)(以下、LLS)及び2007年に承認されたモ ンサント社のRoundup Ready 2 Yield (Event MON89788) (以下、RRS2)が収穫されており、国内に流通 することが予想されている。 2.1.1. ELISA法 試料中のCP4EPSPSタンパク質を検知する手法である。CP4EPSPSタンパク質はRRSにおいて発現してい る為、同法では検体中のRRS混入率の定量が可能である。 100mesh(編み目の一目の長さ150μm)のふるいを通過した粉末試料0.5gを用いて、SDI社製GMO Soya Test Kit Ver.2.1の説明書に記載された手法に従って試験する。以下に方法について記述する。 試料又は標準品0.5gをポリプロピレン製遠沈管(15mL容)に正確に量り採り、Soya Extraction 緩衝 液 4.5mLを加え、ボルテックスミキサーを用い10秒間混合した後、2,500×gで15分間遠心し、上清を抽 出液とする。Soya Assay 緩衝液280μLに抽出液20μLを加え撹拌し希釈液とする。さらに、Soya Assay 緩衝液380μLに希釈液20μLを加え撹拌し、試料液とする。このキットで作成できる検量線の範囲は0~ 2.5%であるため、未知検体の抽出液について検量線の範囲内で定量値が内挿できるよう、別に10倍希 釈した試料液も準備しておく。ウェルに試料液を100μLずつ加え、37℃で1時間保温する。その後、Was h緩衝液で3回洗浄し、Reconstituted and Diluted Soya Conjugate Mix 100μLを加え、37℃で1時間保 温する。さらにWash緩衝液で3回洗浄する。次に、Color Reagent 100μLを加え、室温で10分間放置し た後、Stop Solution 100μLを加えて反応を停止する。反応停止後、マイクロプレートリーダーを用い、 450nmの波長でウェルの吸光度を測定し、別途購入した標準試料を用い作成した検量線より組換え体の 含有量を求める。なお、同一の実験を2ウェルで行い、得られた値を平均する。 3.1.1. ELISA法 試料中のCP4EPSPSタンパク質を検知する手法である。100mesh(編み目の一目の長さ150μm)のふる いを通過した粉末試料0.5gを用いて、SDI社製GMO Soya Test Kit Ver.2.1の説明書に記載された手法に 従って試験する。以下に方法について記述する。 試料又は標準品0.5gをポリプロピレン製遠沈管(15mL容)に正確に量り採り、Soya Extraction 緩衝 液4.5mLを加え、ボルテックスミキサーを用い10秒間混合した後、2,500×gで15分間遠心し、上清を抽 出液とする。Soya Assay 緩衝液280μLに抽出液20μLを加え撹拌し希釈液とする。さらに、Soya Assay 緩衝液380μLに希釈液20 Lを加え撹拌し、試料液とする。このキットで作成できる検量線の範囲は0~ 2.5%であるので、未知検体の抽出液について検量線の範囲内で定量値が内挿できるよう、別に10倍希 釈した試料液も準備しておく。ウェルに試料液を100μLずつ加え、37℃で1時間保温する。その後、Was h緩衝液で3回洗浄し、Reconstituted and Diluted Soya Conjugate Mix 100μLを加え、37℃で1時間保 温する。さらにWash緩衝液で3回洗浄する。次に、Color Reagent 100μL を加え、室温で10分間放置し た後、Stop Solution 100μLを加えて反応を停止する。反応停止後、マイクロプレートリーダーを用い、 450nmの波長でウェルの吸光度を測定し、別途購入した標準試料を用い作成した検量線より組換え体の 含有量を求める。なお、同一の実験を2ウェルで行い、得られた値を平均する。 2.1.2. 定量PCR法 TaqMan Chemistryを応用した定量PCR法を行う。同法では、プライマー対及び蛍光オリゴヌクレオチ ドプローブを使用する。当プローブはプライマー対により増幅される塩基配列中に相補鎖を形成するよ う設計されている。また、同プローブにはリポーター、クエンチャー両色素が結合しており、DNAポリ メラーゼによる増幅産物の伸長反応に伴い加水分解を受けると、蛍光を放射する。蛍光強度は、PCRサ イクル数に対し指数関数的に増強し、また一定の蛍光強度に達するまでのサイクル数は、鋳型DNA量に 依存する。したがって、一定の蛍光強度に達したPCRサイクル数を比較することで、鋳型DNA量が求めら れる。 組換えDNA技術応用食品の定量は、非組換え体、組換え体を問わず普遍的に存在する遺伝子(内在性 遺伝子)を内標として用い、内在性遺伝子のコピー数に対する組換え遺伝子のコピー数を求めることで 行う。本法においては、標準物質として標準プラスミドDNA溶液*1を使用する。標準プラスミドDNA溶 液に含まれるDNAの量はコピー数として規定されており、そのため、定量PCRの結果はコピー数として求 められる。 大豆を対象とした定量PCR法においては、大豆に普遍的に存在するレクチン遺伝子を内在性遺伝子と している。検査の際には、まずレクチン遺伝子を標的とするプライマー対(Le1-n02)とプローブ(Le1 -Taq)を使用し定量PCRを行い、DNA試料液中のレクチン遺伝子のコピー数を求める。また、同時に、同 一DNA試料液について、組換え遺伝子を標的とするプライマー対とプローブ*2を使用し別に定量PCRを 行い、組換え遺伝子のコピー数を求める。組換え遺伝子のコピー数をレクチン遺伝子のコピー数で除し、 その値をあらかじめ求められている係数(内標比*3)でさらに除して得られた値に100を乗したものが、 試料中に含まれる遺伝子組換え作物の%含量となる。 以下に定量PCR法の実際を述べる。定量PCRは、RRS検知法はABI PRISMTM 7700、ABI PRISMTM 5700、A BI PRISMTM 7900HT(96well及び384well)、ABI PRISMTM 7000、AB 7500並びにRoche LightCycler Sys tem、若しくは同等の性能を有する装置を用いて行う。LLS検知法及びRRS2検知法は、ABI PRISM 7900 H T(96well)及びAB 7500を用いて行う。また、使用する機種により、試薬、反応液組成、反応条件、手 技並びに解析手法が異なるため、検査に際しては、以下機種ごとに記載された各項に従い、必ず使用す る機種に適した方法を用いること。なお、PCR法で用いる水は、特に断り書きがない限り全て逆浸透膜 精製したRO水又は蒸留水をMilli-Q等で17MΩ/cmまで精製した超純水とする。 3.1.2. 定量PCR法 TaqMan Chemistryを応用した定量PCR法を行う。同法では、定性PCR法に通常使用するプライマー対に加 え、蛍光オリゴヌクレオチドプローブを使用する。当プローブはプライマー対により増幅される塩基配列 中に相補鎖を形成するよう設計されている。また、同プローブにはリポーター、クエンチャー両色素が結 合しており、DNAポリメラーゼによる増幅産物の伸長反応に伴い加水分解を受けると、蛍光を放射する。 蛍光強度は、PCRサイクル数に対し指数関数的に増強し、また一定の蛍光強度に達するまでのサイクル数 は、鋳型DNA量に依存する。したがって、一定の蛍光強度に達したPCRサイクル数を比較することで、鋳型 DNA量が求められる。 組換えDNA技術応用食品の定量は、非組換え体、組換え体を問わず普遍的に存在する遺伝 子(内在性遺 伝子)を内標として用い、内在性遺伝子のコピー数に対する組換え遺伝子のコピー数を求めることで行う。 本法においては、標準物質として標準プラスミドDNA溶液*1を使用する。標準プラスミドDNA溶液に含ま れるDNAの量はコピー数として規定されており、そのため、定量PCRの結果はコピー数として求められる。 大豆を対象とした定量PCR法においては、大豆に普遍的に存在するレクチン遺伝子を内在性遺伝子とし ている。検査の際には、まずレクチン遺伝子を標的とするプライマー対(Le1-n02)とプローブ(Le1-Taq) を使用し定量PCRを行い、DNA試料液中のレクチン遺伝子のコピー数を求める。また、同時に、同一DNA試 料液について、組換え遺伝子を標的とするプライマー対(RRS-01)とプローブ(RRS-Taq)を使用し別に 定量PCRを行い、組換え遺伝子のコピー数を求める。組換え遺伝子のコピー数をレクチン遺伝子のコピー 数で除し、その値をあらかじめ求められている係数(内標比*2)でさらに除して得られた値に100を乗し たものが、試料中に含まれる遺伝子組換え作物の%含量となる。 以下に定量PCR法の実際を述べる。定量PCRはABI PRISMTM 7700、ABI PRISMTM 5700、ABI PRISMTM 7900 HT(96well及び384well)、ABI PRISMTM 7000並びにRoche LightCycler System、若しくは同等の性能を 有する装置を用いて行う。また、使用する機種により、試薬、反応液組成、反応条件、手技並びに解析手 法が異なるため、検査に際しては、以下機種ごとに記載された各項に従い、必ず使用する機種に適した方 法を用いること。なお、3.1.2.及び3.2.1.記載の.定量PCR法で用いる水は、特に断り書きがない限りすべ て逆浸透膜精製したRO水又は蒸留水をMilli-Q等で17MΩ/cmまで精製した超純水とする。 *1 標準プラスミドDNA溶液 内在性遺伝子及び組換え遺伝子を標的とした特異的プライマー対により増幅された増幅産物をプラ スミド上に連結したもの(標準プラスミドDNA)を、ColE1/TE溶液(5ng/μL)で規定のコピー数とな るように希釈した溶液。本分析法においては20、125、1,500、20,000、250,000コピーの5段階希釈液 に加え、標準プラスミドDNAの含まれていないColE1/TE溶液(5ng/μL)をブランク試料液(NTC:no template control)とした、計6点について検量線を作成する。なお、ColE1/TE溶液とは、大腸菌由 - 18 - *1 標準準プラスミドDNA溶液 内在性遺伝子及び組換え遺伝子を標的とした特異的プライマー対により増幅された増幅産物をプラス ミド上に連結したもの(標準プラスミドDNA)を、ColE1/TE溶液(5ng/μL)で規定のコピー数となるよ うに希釈した溶液。本分析法においては20、125、1,500、20,000、250,000コピーの5段階希釈液に加え、 標準プラスミドDNAの含まれていないColE1/TE溶液(5ng/μL)をブランク試料液(NTC:no template c ontrol)とした、計6点の検量線を作成する。なお、ColE1/TE溶液とは、大腸菌由来の配列確認のされ 来の配列確認のされているプラスミド(ColE1 プラスミド)をTE緩衝液で5ng/μLの濃度に調製した 溶液である。 RRS検知:GMダイズ(RRS)陽性コントロールプラスミド LLS検知:GMダイズ(LLS)陽性コントロールプラスミド RRS2検知:GMダイズ(RRS2) 陽性コントロールプラスミド ているプラスミド(ColE1 プラスミド)をTE緩衝液で5ng/μLの濃度に調製した溶液である。 *2 組換え遺伝子を標的とするプライマー対とプローブ RRS検知:RRS-01及びRRS-Taq LLS検知:KVM175、SMO001及びTM031 RRS2検知:MON89788-F、MON89788-R及びMON89788-P *3 内標比 純粋な遺伝子組換え体の種子を対象に定量PCRを実施し、得られる組換え遺伝子のコピー数と内在 性遺伝子(大豆の場合レクチン遺伝子)のコピー数との比を求めたもの。この内標比は各組換え作物 系統に固有であり、常に一定の値を示すと考えられる。各プライマー対及びプローブを用いて測定を 行った組換え作物系統ごとの内標比は別紙に規定する。なお、内標比は定量PCR法に使用する機種に よって異なるため、混入率の算出時には必ず使用した機種につき規定されている内標比を用いること。 また、使用する試薬によっても影響を受ける可能性が考えられるため、参考にも記載のある機種に適 した試薬類を確認の上、使用すること。 *2 内標比 純粋な遺伝子組換え体の種子を対象に定量PCRを実施し、得られる組換え遺伝子のコピー数と内在性 遺伝子(大豆の場合レクチン遺伝子)のコピー数との比を求めたもの。この内標比は各組換え作物系統 に固有であり、常に一定の値を示すと考えられる。各プライマー対及びプローブを用いて測定を行った 組換え作物系統ごとの内標比は別紙に規定する。なお、内標比は定量PCR法に使用する機種によって異 なるため、混入率の算出時には必ず使用した機種につき規定されている内標比を用いること。また、使 用する試薬によっても影響を受ける可能性が考えられるため、参考にも記載のある機種に適した試薬類 を確認の上、使用すること。 2.1.2.1. ABI PRISMTM 7700及びABI PRISMTM 5700を用いた定量PCR 2.1.2.1.1. PCR用反応液の調製(ABI PRISMTM 7700及びABI PRISMTM 5700) PCR用反応液は25μL/wellとして調製する。その組成は以下のとおりである。Universal PCR Mas ter Mix*1 12.5μL、対象プライマー対溶液(各プライマー、25μmol/L)0.5μL、対象プローブ 溶液(10μmol/L)0.5μL、水9μL、20ng/μL DNA試料液2.5μL(50ng)又は検量線用標準プラス ミドDNA溶液 2.5μL、あるいは5ng/μL ColE1/TE溶液(ブランク試料液:NTC)2.5μL。試験は、1 DNA試料液あたり3ウェル並行で行うものとし、PCR用反応液は3ウェル分を同時に調製する*2。 調製の実際は、反応液の調製及びPCRで生じる誤差を減少させるため、以下の手順に従って行う。 まず、あらかじめUniversal PCR Master Mixに対象プライマー対、対象プローブを加えた溶液(マ スターミックス)を調製する。この際、対象プライマー対と対象プローブの混合溶液*3を先に調 製しておき、これとUniversal PCR Master Mixを1:1.25の比率で混合させると良い。マスターミ ックスの調製液量は余剰分を考慮し、1DNA試料液(3ウェル分)当たり81μLが適当である。混合時 にはボルテックスミキサーを用いて十分に攪拌し、攪拌後には軽く遠心する。次いで、マスターミ ックスを必要数*4の微量遠沈管に78.75μLずつ分注する。分注後、各微量遠沈管に対応するDNA溶 液を8.75μL加え、ボルテックスミキサーを用いて十分に混合した後、軽く遠心する。このように して調製した混合溶液を25μL/wellとして96ウェルプレート上のウェルに分注する。分注操作終了 後、真上からプレートの蓋*5をする。このとき、片側にゆがみがたまらないよう両側のウェルか ら交互に閉める。次いで専用ローラーを用いて完全にウェルを密閉する。最後にウェルの底を観察 し、底に気泡がある場合は、プレートの縁を軽く叩いて気泡を抜いておく。 3.1.2.1. ABI PRISMTM 7700及びABI PRISMTM 5700を用いた定量PCR 3.1.2.1.1. PCR用反応液の調製(ABI PRISMTM 7700及びABI PRISMTM 5700) PCR用反応液は25μL/wellとして調製する。その組成は以下のとおりである。Universal PCR Mas ter Mix*1 12.5μL、対象プライマー対溶液(各プライマー、25μmol/L)0.5μL、対象プローブ 溶液(10μmol/L)0.5μL、水9μL、20ng/μL DNA試料液2.5μL(50ng)又は検量線用標準プラス ミドDNA溶液2.5μL、あるいは5ng/μL ColE1/TE溶液(ブランク試料液:NTC)2.5μL。試験は、1D NA試料液あたり3ウェル並行で行うものとし、PCR用反応液は3ウェル分を同時に調製する*2。 調製の実際は、反応液の調製及びPCRで生じる誤差を減少させるため、以下の手順に従って行う。 まず、あらかじめUniversal PCR Master Mixに対象プライマー対、対象プローブを加えた溶液(マ スターミックス)を調製する。この際、対象プライマー対と対象プローブの混合溶液*3を先に調 製しておき、これとUniversal PCR Master Mixを1:1.25の比率で混合させると良い。マスターミ ックスの調製液量は余剰分を考慮し、1DNA試料液(3ウェル分)当たり81μLが適当である。混合時 にはボルテックスミキサーを用いて十分に攪拌し、攪拌後には軽く遠心する。次いで、マスターミ ックスを必要数*4の微量遠沈管に78.75μLずつ分注する。分注後、各微量遠沈管に対応するDNA溶 液を8.75μL加え、ボルテックスミキサーを用いて十分に混合した後、軽く遠心する。このように して調製した混合溶液を25μL/wellとして96ウェルプレート上のウェルに分注する。分注操作終了 後、真上からプレートの蓋*5をする。このとき、片側にゆがみがたまらないよう両側のウェルか ら交互に閉める。次いで専用ローラーを用いて完全にウェルを密閉する。最後にウェルの底を観察 し、底に気泡がある場合は、プレートの縁を軽く叩いて気泡を抜いておく。 *1 Universal PCR Master Mix 本試薬は粘性が高いため、混合操作を行う際には、混合が確実に行われるように注意する。不 十分な場合には、PCRがうまくいかない場合がある。使う直前には必ずボルテックスミキサーを 用いて3秒程度混合した後、軽く遠心し、溶液を試料管の底に集めておいてから使用する。また、 ウェルに分注する際は、以後撹拌、遠心が困難なことを考慮し、ウェルの底に確実に入れる。 *2 定量PCR用反応液の調製 冷凍庫から出した試薬類は、必要なものにつき室温で融解後、氷上で保存する。氷上で保存し た試薬につき、同一のチップを用い連続分注すると、ピペット内の空気が冷却されるため、2回 目以降、通常のピペット操作では正確に分注されないので注意する。ピペットの説明書に書かれ た、低温試料を扱う場合の操作法(通常、ふきとめと呼ばれる操作)を理解して使用すること。 *3 対象プライマー対と対象プローブの混合溶液 対象プライマー対濃度が1.25μmol/L、対象プローブ濃度が0.5μmol/Lとなるよう水で希釈し、 ボルテックスミキサーを用いて十分に混合し、調製する。また、本混合液は凍結保存が可能であ るが、凍結融解を繰り返すことは避ける。 *4 分注必要数 検量線用標準プラスミド溶液(5点)及びブランク試料液(1点)、この計6点にDNA試料液の数 を加えた数。 *5 96ウェルプレート及びプレートの蓋 MicroAmp Optical 96-Well Reaction Plate(Life Technologies社)及びMicroAmp Optical C aps、8caps/strips(Flat)(Life Technologies社)を使用する。 *1 Universal PCR Master Mix 本試薬は粘性が高いため、混合操作を行う際には、混合が確実に行われるように注意する。不 十分な場合には、PCRがうまくいかない場合がある。使う直前には必ずボルテックスミキサーを 用いて3秒程度混合した後、軽く遠心し、溶液を試料管の底に集めておいてから使用する。また、 ウェルに分注する際は、以後撹拌、遠心が困難なことを考慮し、ウェルの底に確実に入れる。 *2 定量PCR用反応液の調製 冷凍庫から出した試薬類は、必要なものにつき室温で融解後、氷上で保存する。氷上で保存し た試薬につき、同一のチップを用い連続分注すると、ピペット内の空気が冷却されるため、2回 目以降、通常のピペット操作では正確に分注されないので注意する。ピペットの説明書に書かれ た、低温試料を扱う場合の操作法(通常、ふきとめと呼ばれる操作)を理解して使用すること。 *3 対象プライマー対と対象プローブの混合溶液 対象プライマー対濃度が1.25μmol/L、対象プローブ濃度が0.5μmol/Lとなるよう水で希釈し、 ボルテックスミキサーを用いて十分に混合し、調製する。また、本混合液は凍結保存が可能であ るが、凍結融解を繰り返すことは避ける。 *4 分注必要数 検量線用標準プラスミド溶液(5点)及びブランク試料液(1点)、この計6点にDNA試料液の数 を加えた数。 *5 96ウェルプレート及びプレートの蓋 MicroAmp Optical 96-Well Reaction Plate(Applied Biosystems社)及びMicroAmp Optical Caps、8caps/strips(Flat)(Applied Biosystems社)を使用する。 - 19 - 2.1.2.1.2. プレート情報の設定(ABI PRISMTM 7700及びABI PRISMTM 5700) 反応に際しては、プレート情報の設定を行わなければならない。設定を行う項目は、検体の配置 と種類及び、プローブ特性である。具体的には新規シート上で、調製したプレートの配置に対応す るように気を付けながら、検体の種類(「STND」:検量線用標準プラスミドDNA溶液*1、「NTC」:ブ ランク試料液、「UNKN」:DNA試料液)の設定を行う。この際、同一の溶液が分注された3ウェルをR eplicateとして指定する*2。またプローブ特性に関しては、「STND」、「NTC」、「UNKN」のそれぞれ についてReporterが「FAM」、Referenceが「ROX」、Quencherが「TAMRA」となるよう設定する。 3.1.2.1.2. プレート情報の設定(ABI PRISMTM 7700及びABI PRISMTM 5700) 反応に際しては、プレート情報の設定を行わなければならない。設定を行う項目は、検体の配置 と種類及び、プローブ特性である。具体的には新規シート上で、調製したプレートの配置に対応す るように気を付けながら、検体の種類あ(「STND」:検量線用標準プラスミドDNA溶液*1、「NTC」: ブランク試料液、「UNKN」:DNA試料液)の設定を行う。この際、同一の溶液が分注された3ウェル をReplicateとして指定する*2。またプローブ特性に関しては、「STND」、「NTC」、「UNKN」のそれ ぞれについてReporterが「FAM」、Referenceが「ROX」、Quencherが「TAMRA」となるよう設定する。 *1 検量線用標準プラスミドDNA溶液の設定 検体の種類の設定に加えて、コピー数を設定する。同一の検量線用標準プラスミドDNA溶液を 分注したウェルを選択した状態で、Quantity欄にコピー数を入力する。 *2 Replicate としての指定 同一の溶液を分注したウェルに付けた名称(name欄に入力)と同一の名称を、replicate欄に 入力する。 *1 検量線用標準プラスミドDNA溶液の設定 検体の種類の設定に加えて、コピー数を設定する。同一の検量線用標準プラスミドDNA溶液を 分注したウェルを選択した状態で、Quantity欄にコピー数を入力する。 *2 Replicate としての指定 同一の溶液を分注したウェルに付けた名称(name欄に入力)と同一の名称を、replicate欄に 入力する。 2.1.2.1.3. PCR(ABI PRISMTM 7700及びABI PRISMTM 5700) 装置にプレートをセットし、装置の蓋の温度(Cover temperature)が105℃付近になったことを 確認した後、反応とデータの取り込みを開始する。反応条件は以下のとおりである。50℃、2分間 の条件で保持した後、95℃で10分間加温し、ホットスタート法で反応を開始する。その後、95℃ 3 0秒、59℃ 1分を1サイクルとして、40サイクルの増幅反応を行う。Remaining timeが0分となって いることを確認し、反応を終了させた後、測定結果の解析を行う。 3.1.2.1.3. PCR(ABI PRISMTM 7700及びABI PRISMTM 5700) 装置にプレートをセットし、装置の蓋の温度(Cover temperature)が105℃付近になったことを 確認した後、反応とデータの取り込みを開始する。反応条件は以下のとおりである。50℃、2分間 の条件で保持した後、95℃で10分間加温し、ホットスタート法で反応を開始する。その後、95℃ 3 0秒、59℃ 1分を1サイクルとして、40サイクルの増幅反応を行う。Remaining timeが0分となって いることを確認し、反応を終了させた後、測定結果の解析を行う。 2.1.2.1.4. 検量線の作成(ABI PRISMTM 7700及びABI PRISMTM 5700) 内在性遺伝子及び組換え遺伝子のそれぞれにつき以下の操作で検量線を作成する。サイクル数に 対して蛍光シグナルの増加量(ΔRn)をプロットした増幅曲線(Amplification Plot)上で、検量 線用標準プラスミドDNA溶液及びDNA試料液由来の蛍光シグナルが指数関数的に増幅しているΔRn部 を選択し、Threshold line(Th)を引く。この際、ブランク試料液(NTC)で出現することのある 非特異的増幅曲線と交差しないように注意する。また、Base Line はStartを3に、Endを15に設定 する。Thの厳密な引き方は、独立行政法人農林水産消費技術センター作成のJAS分析試験ハンドブ ック「遺伝子組換え食品検査・分析マニュアル 定量的PCR編」に記載されている方法を準用する。 Thと、検量線用標準プラスミドDNA溶液の蛍光シグナルが交差した点をThreshold cycle(Ct)値と する。次に各々の検量線用標準プラスミドDNA溶液のコピー数の対数値(x軸)に対するCt値(y軸) をプロットし、各Ctに対して得られた近似直線を検量線とする*。 3.1.2.1.4. 検量線の作成(ABI PRISMTM 7700及びABI PRISMTM 5700) 内在性遺伝子及び組換え遺伝子のそれぞれにつき以下の操作で検量線を作成する。サイクル数に 対して蛍光シグナルの増加量(ΔRn)をプロットした増幅曲線(Amplification Plot)上で、検量 線用標準プラスミドDNA溶液及びDNA試料液由来の蛍光シグナルが指数関数的に増幅しているΔRn部 を選択し、Threshold line(Th)を引く。この際、ブランク試料液(NTC)で出現することのある 非特異的増幅曲線と交差しないように注意する。また、Base Line はStartを3に、Endを15に設定 する。Thの厳密な引き方は、独立行政法人農林水産消費技術センター作成のJAS分析試験ハンドブ ック「遺伝子組換え食品検査・分析マニュアル 定量的PCR編」に記載されている方法を準用する。 Thと、検量線用標準プラスミドDNA溶液の蛍光シグナルが交差した点をThreshold cycle(Ct)値と する。次に各々の検量線用標準プラスミドDNA溶液のコピー数の対数値(x軸)に対するCt値(y軸) をプロットし、各Ctに対して得られた近似直線を検量線とする*。 * 実際はThを引いた後、「Amplification Plot」ウインドウ上にある、「Update Calculations」 ボタンを押すことで、検量線は自動作成される。この検量線は「Analysis」タブから「Standard Curve」を選択することで表示させる。検量線においては「Corr.」の値を確認し、0.990以上で あった場合に以降のコピー数の算出を行う。 2.1.2.2. ABI PRISMTM 7900HT 96well及び384wellを用いた定量PCR 2.1.2.2.1. PCR用反応液の調製(ABI PRISMTM 7900HT 96well) PCR用反応液は25μL/wellとして調製する。その組成は以下のとおりである。Universal PCR Mas ter Mix*1 12.5μL、対象プライマー対溶液(各プライマー、25μmol/L)0.5μL、対象プローブ 溶液(10μmol/L)0.5μL、水9μL、20ng/μL DNA試料液2.5μL(50ng)又は検量線用標準プラス ミドDNA溶液 2.5μL、あるいは5ng/μL ColE1/TE溶液(ブランク試料液:NTC)2.5μL。試験は、1 DNA試料液当たり3ウェル並行で行うものとし、PCR用反応液は3ウェル分を同時に調製する*2。 調製の実際は、反応液の調製及びPCRで生じる誤差を減少させるため、以下の手順に従って行う。 まず、あらかじめUniversal PCR Master Mixに対象プライマー対、対象プローブを加えた溶液(マ スターミックス)を調製する。この際、対象プライマー対と対象プローブの混合溶液*3を先に調 製しておき、これとUniversal PCR Master Mixを1:1.25の比率で混合させると良い。マスターミ ックスの調製液量は余剰分を考慮し、1DNA試料液(3ウェル分)当たり81μLが適当である。混合時 にはボルテックスミキサーを用いて十分に攪拌し、攪拌後には軽く遠心する。次いで、マスターミ ックスを必要数*4の微量遠沈管に78.75μLずつ分注する。分注後、各微量遠沈管に対応するDNA溶 液を8.75μL加え、ボルテックスミキサーを用いて十分に混合した後、軽く遠心する。このように して調製した混合溶液を25μL/wellとして96ウェルプレート上のウェルに分注する。分注操作終了 後、真上からシールし、完全にウェルを密閉する。このとき、しわが寄らないよう注意し、専用の シーリング用アプリケーターを用いて行う*5。最後にウェルの底を観察し、底に気泡がある場合 は、プレートの縁を軽く叩いて気泡を抜いておく。プレートの確認後、ABI PRISM Optical Cover Compression Pad*6を茶色の面が上になるよう、プレートの上面にセットする。 - 20 - * 実際はThを引いた後、「Amplification Plot」ウインドウ上にある、「Update Calculations」 ボタンを押すことで、検量線は自動作成される。この検量線は「Analysis」タブから「Standard Curve」を選択することで表示させる。検量線においては「Corr.」の値を確認し、0.990以上で あった場合に以降のコピー数の算出を行う。 3.1.2.2. ABI PRISMTM 7900HT 96well及び384wellを用いた定量PCR 3.1.2.2.1. PCR用反応液の調製(ABI PRISMTM 7900HT 96well) PCR用反応液は25μL/wellとして調製する。その組成は以下のとおりである。Universal PCR Mas ter Mix*1 12.5μL、対象プライマー対溶液(各プライマー, 25μmol/L)0.5μL、対象プローブ 溶液(10μmol/L)0.5μL、水9μL、20ng/μL DNA試料液2.5μL(50ng)又は検量線用標準プラス ミドDNA溶液2.5μL、あるいは5ng/μL ColE1/TE溶液(ブランク試料液:NTC)2.5μL。試験は、1D NA試料液当たり3ウェル並行で行うものとし、PCR用反応液は3ウェル分を同時に調製する*2。 調製の実際は、反応液の調製及びPCRで生じる誤差を減少させるため、以下の手順に従って行う。 まず、あらかじめUniversal PCR Master Mixに対象プライマー対、対象プローブを加えた溶液(マ スターミックス)を調製する。この際、対象プライマー対と対象プローブの混合溶液*3を先に調 製しておき、これとUniversal PCR Master Mixを1:1.25の比率で混合させると良い。マスターミ ックスの調製液量は余剰分を考慮し、1 DNA試料液(3ウェル分)当たり81μLが適当である。混合 時にはボルテックスミキサーを用いて十分に攪拌し、攪拌後には軽く遠心する。次いで、マスター ミックスを必要数*4の微量遠沈管に78.75μLずつ分注する。分注後、各微量遠沈管に対応するDNA 溶液を8.75μL加え、ボルテックスミキサーを用いて十分に混合した後、軽く遠心する。このよう にして調製した混合溶液を25μL/wellとして96ウェルプレート上のウェルに分注する。分注操作終 了後、真上からシールし、完全にウェルを密閉する。このとき、しわが寄らないよう注意し、専用 のシーリング用アプリケーターを用いて行う*5。最後にウェルの底を観察し、底に気泡がある場 合は、プレートの縁を軽く叩いて気泡を抜いておく。プレートの確認後、ABI PRISM Optical Cove r Compression Pad*6を茶色の面が上になるよう、プレートの上面にセットする。 *1 Universal PCR Master Mix 本試薬は粘性が高いため、混合操作を行う際には、混合が確実に行われるように注意を要する。 不十分な場合には、PCRがうまくいかない場合がある。使う直前には必ずボルテックスミキサー を用いて3秒程度混合した後、軽く遠心し、溶液を試料管の底に集めておいてから使用する。ま た、ウェルに分注する際は、以後撹拌、遠心が困難なことを考慮し、ウェルの底に確実に入れる。 *2 定量PCR用反応液の調製 冷凍庫から出した試薬類は、必要なものにつき室温で融解後、氷上で保存する。氷上で保存し た試薬につき、同一のチップを用い連続分注すると、ピペット内の空気が冷却されるため、2回 目以降、通常のピペット操作では正確に分注されないので注意する。ピペットの説明書に書かれ た、低温試料を扱う場合の操作法(通常、ふきとめと呼ばれる操作)を理解して使用すること。 *3 対象プライマー対と対象プローブの混合溶液 対象プライマー対濃度が1.25μmol/L、対象プローブ濃度が0.5μmol/Lとなるよう水で希釈し、 ボルテックスミキサーを用いて十分に混合し、調製する。また、本混合液は凍結保存が可能であ るが、凍結融解を繰り返すことは避ける。 *4 分注必要数 検量線用標準プラスミド溶液(5点)及びブランク試料液(1点)、この計6点にDNA試料液の数 を加えた数。 *5 96ウェルプレート、シール及びシーリングアプリケーター MicroAmp Optical 96-Well Reaction Plate(Life Technologies社)及びABI PRISM Optical Adhesive Cover(Life Technologies社)を使用する。シーリングの詳細については製品付属の マニュアルを参考のこと。 *6 ABI PRISM Optical Cover Compression Pad ABI PRISM Optical Cover Compression Pad(Life Technologies社)を使用する。なお、20回 以上の繰り返し使用は、定量結果に影響を及ぼす可能性があるため、避けること。 *1 Universal PCR Master Mix 本試薬は粘性が高いため、混合操作を行う際には、混合が確実に行われるように注意を要する。 不十分な場合には、PCRがうまくいかない場合がある。使う直前には必ずボルテックスミキサー を用いて3秒程度混合した後、軽く遠心し、溶液を試料管の底に集めておいてから使用する。ま た、ウェルに分注する際は、以後撹拌、遠心が困難なことを考慮し、ウェルの底に確実に入れる。 *2 定量PCR用反応液の調製 冷凍庫から出した試薬類は、必要なものにつき室温で融解後、氷上で保存する。氷上で保存し た試薬につき、同一のチップを用い連続分注すると、ピペット内の空気が冷却されるため、2回 目以降、通常のピペット操作では正確に分注されないので注意する。ピペットの説明書に書かれ た、低温試料を扱う場合の操作法(通常、ふきとめと呼ばれる操作)を理解して使用すること。 *3 対象プライマー対と対象プローブの混合溶液 対象プライマー対濃度が1.25μmol/L、対象プローブ濃度が0.5μmol/Lとなるよう水で希釈し、 ボルテックスミキサーを用いて十分に混合し、調製する。また、本混合液は凍結保存が可能であ るが、凍結融解を繰り返すことは避ける。 *4 分注必要数 検量線用標準プラスミド溶液(5点)及びブランク試料液(1点)、この計6点にDNA試料液の数 を加えた数。 *5 96ウェルプレート、シール及びシーリングアプリケーター MicroAmp Optical 96-Well Reaction Plate(Applied Biosystems社)及びABI PRISM Optical Adhesive Cover(Applied Biosystems社)を使用する。シーリングの詳細については製品付属 のマニュアルを参考のこと。 *6 ABI PRISM Optical Cover Compression Pad ABI PRISM Optical Cover Compression Pad(Applied Biosystems社)を使用する。なお、20 回以上の繰り返し使用は、定量結果に影響を及ぼす可能性があるため、避けること。 2.1.2.2.2. PCR用反応液の調製(ABI PRISMTM 7900HT 384well) PCR用反応液は20μL/wellとして調製する。その組成は以下のとおりである。Universal PCR Mas ter Mix*1 10μL、対象プライマー対溶液(各プライマー、25μmol/L)0.4μL、対象プローブ溶 液(10μmol/L)0.4μL、水7.2μL、20ng/μL DNA試料液 2μL(40ng)、又は検量線用標準プラス ミドDNA溶液2μL*2、あるいは5ng/μL ColE1/TE溶液(ブランク試料液:NTC) 2μL。試験は、1D NA試料液当たり3ウェル並行で行うものとし、PCR用反応液は3ウェル分を同時に調製する*3。 調製の実際は、反応液の調製及びPCRで生じる誤差を減少させるため、以下の手順に従って行う。 まず、あらかじめUniversal PCR Master Mixに対象プライマー対、対象プローブを加えた溶液(マ スターミックス)を調製する。この際、対象プライマー対と対象プローブの混合溶液*4を先に調 製しておき、これとUniversal PCR Master Mixを1:1.25の比率で混合させると良い。マスターミ ックスの調製液量は余剰分を考慮し、1DNA試料液(3ウェル分)当たり66μLが適当である。混合時 にはボルテックスミキサーを用いて十分に攪拌し、攪拌後には軽く遠心する。次いで、マスターミ ックスを必要数*5の微量遠沈管に63μLずつ分注する。分注後、各微量遠沈管に対応するDNA溶液 を7μL加え、ボルテックスミキサーを用いて十分に混合した後、軽く遠心する。このようにして調 製した混合溶液を20μL/wellとして384ウェルプレート上のウェルに分注する。分注操作終了後、 真上からシールし、完全にウェルを密閉する。この時、しわが寄らないよう注意し、専用のシーリ ング用アプリケーターを用いて行う*6。最後にウェルの底を観察し、底に気泡がある場合は、プ レートの縁を軽く叩いて気泡を抜いておく。 3.1.2.2.2. PCR用反応液の調製(ABI PRISMTM 7900HT 384well) PCR用反応液は20μL/wellとして調製する。その組成は以下のとおりである。Universal PCR Mas ter Mix*1 10μL、対象プライマー対溶液(各プライマー, 25μmol/L)0.4μL、対象プローブ溶 液(10μmol/L)0.4μL、水7.2μL、20ng/μL DNA試料液2μL(50ng)、又は検量線用標準プラス ミドDNA溶液2μL*2、あるいは5ng/μL ColE1/TE溶液(ブランク試料液:NTC)2μL。試験は、1DN A試料液当たり3ウェル並行で行うものとし、PCR用反応液は3ウェル分を同時に調製する*3。 調製の実際は、反応液の調製及びPCRで生じる誤差を減少させるため、以下の手順に従って行う。 まず、あらかじめUniversal PCR Master Mixに対象プライマー対、対象プローブを加えた溶液(マ スターミックス)を調製する。この際、対象プライマー対と対象プローブの混合溶液*4を先に調 製しておき、これとUniversal PCR Master Mixを1:1.25の比率で混合させると良い。マスターミ ックスの調製液量は余剰分を考慮し、1DNA試料液(3ウェル分)当たり66μLが適当である。混合時 にはボルテックスミキサーを用いて十分に攪拌し、攪拌後には軽く遠心する。次いで、マスターミ ックスを必要数*5の微量遠沈管に63 Lずつ分注する。分注後、各微量遠沈管に対応するDNA溶液を 7 L加え、ボルテックスミキサーを用いて十分に混合した後、軽く遠心する。このようにして調製 した混合溶液を20μL/wellとして384ウェルプレート上のウェルに分注する。分注操作終了後、真 上からシールし、完全にウェルを密閉する。この時、しわが寄らないよう注意し、専用のシーリン グ用アプリケーターを用いて行う*6。最後にウェルの底を観察し、底に気泡がある場合は、プレ ートの縁を軽く叩いて気泡を抜いておく。 *1 Universal PCR Master Mix 本試薬は粘性が高いため、混合操作を行う際には、混合が確実に行われるように注意を要する。 不十分な場合には、PCRがうまくいかない場合がある。使う直前には必ずボルテックスミキサー を用いて3秒程度混合した後、軽く遠心し、溶液を試料管の底に集めておいてから使用する。ま た、ウェルに分注するときは、以後撹拌、遠心が困難なことを考慮し、ウェルの底に確実に入れ る。 *2 検量線用標準プラスミドDNA溶液 ABI PRISMTM 7900HT 384well を用いた試験においては、反応液に添加する検量線用標準プラ スミドDNA溶液の液量を2μLとしている。このため、対応するコピー数は、16、100、1,200、16, 000、200,000となる。コピー数の設定を誤ると、正確な測定が行えないため、注意する。 *3 定量PCR用反応液の調製 冷凍庫から出した試薬類は、必要なものにつき室温で融解後、氷上で保存する。氷上で保存し た試薬につき、同一のチップを用い連続分注すると、ピペット内の空気が冷却されるため、2回 目以降、通常のピペット操作では正確に分注されないので注意する。ピペットの説明書に書かれ た、低温試料を扱う場合の操作法(通常、ふきとめと呼ばれる操作)を理解して使用すること。 *1 Universal PCR Master Mix 本試薬は粘性が高いため、混合操作を行う際には、混合が確実に行われるように注意を要する。 不十分な場合には、PCRがうまくいかない場合がある。使う直前には必ずボルテックスミキサー を用いて3秒程度混合した後、軽く遠心し、溶液を試料管の底に集めておいてから使用する。ま た、ウェルに分注するときは、以後撹拌、遠心が困難なことを考慮し、ウェルの底に確実に入れ る。 *2 検量線用標準プラスミドDNA溶液 ABI PRISMTM 7900HT 384well を用いた試験においては、反応液に添加する検量線用標準プラ スミドDNA溶液の液量を2μとしている。このため、対応するコピー数は、16、100、1,200、16,0 00、200,000となる。コピー数の設定を誤ると、正確な測定が行えないため、注意する。 *3 定量PCR用反応液の調製 冷凍庫から出した試薬類は、必要なものにつき室温で融解後、氷上で保存する。氷上で保存し た試薬につき、同一のチップを用い連続分注すると、ピペット内の空気が冷却されるため、2回 目以降、通常のピペット操作では正確に分注されないので注意する。ピペットの説明書に書かれ た、低温試料を扱う場合の操作法(通常、ふきとめと呼ばれる操作)を理解して使用すること。 - 21 - *4 対象プライマー対と対象プローブの混合溶液 対象プライマー対濃度が1.25μmol/L、対象プローブ濃度が0.5μmol/Lとなるよう水で希釈し、 ボルテックスミキサーを用いて十分に混合し、調製する。また、本混合液は凍結保存が可能であ るが、凍結融解を繰り返すことは避ける。 *5 分注必要数 検量線用標準プラスミド溶液(5点)及びブランク試料液(1点)、この計6点にDNA試料液の数 を加えた数。 *6 384ウェルプレート、シール及びシーリングアプリケーター ABI PRISM384-Well Clear Optical Reaction Plate with Barcode(Life Technologies社)及 びABI PRISM Optical Adhesive Cover(Life Technologies社)を使用する。シーリングの詳細 については製品付属のマニュアルを参考のこと。 *4 対象プライマー対と対象プローブの混合溶液 対象プライマー対濃度が1.25 mol/L、対象プローブ濃度が0.5μmol/Lとなるよう水で希釈し、 ボルテックスミキサーを用いて十分に混合し、調製する。また、本混合液は凍結保存が可能であ るが、凍結融解を繰り返すことは避ける。 *5 分注必要数 検量線用標準プラスミド溶液(5点)及びブランク試料液(1点)、この計6点にDNA試料液の数 を加えた数。 *6 384ウェルプレート、シール及びシーリングアプリケーター ABI PRISM384-Well Clear Optical Reaction Plate with Barcode(Applied Biosystems社) 及びABI PRISM Optical Adhesive Cover(Applied Biosystems社)を使用する。シーリングの詳 細については製品付属のマニュアルを参考のこと。 2.1.2.2.3. プレート情報の設定(ABI PRISMTM 7900HT 96well及び384well) 反応に際しては、プレート情報の設定を行わなければならない。設定を行う項目は、検体の配置 と種類及び、プローブ特性である。まず、プローブ特性の設定を行う。プローブ特性はDetector M anager画面上でReporterが「FAM」、Quencherが「TAMRA」となるよう設定する*1。設定したDetec torをSet upタブに登録した後、同じプライマーとプローブのセットを用いて測定を行うウェルす べてを指定する。次に検体の配置と種類を指定する。具体的には、調製したプレートの配置に対応 するように気を付けながら、検体の種類(「Standard」:検量線用標準プラスミドDNA溶液*2、「NT C」:ブランク試料液、「Unknown」:DNA試料液)をTask欄において指定する。この際、同一の溶液 が分注された3ウェルを選択した状態で、名称を入力しておく。またPassive Referenceを「ROX」 と設定する。 3.1.2.2.3. プレート情報の設定(ABI PRISMTM 7900HT 96well及び384wel) 反応に際しては、プレート情報の設定を行わなければならない。設定を行う項目は、検体の配置 と種類及び、プローブ特性である。まず、プローブ特性の設定を行う。プローブ特性はDetector M anager画面上でReporterが「FAM」、Quencherが「TAMRA」となるよう設定する*1。設定したDetec torをSet upタブに登録した後、同じプライマーとプローブのセットを用いて測定を行うウェルす べてを指定する。次に検体の配置と種類を指定する。具体的には、調製したプレートの配置に対応 するように気を付けながら、検体の種類(「Standard」:検量線用標準プラスミドDNA溶液*2、「NT C」:ブランク試料液、「Unknown」:DNA試料液)をTask欄において指定する。この際、同一の溶液 が分注された3ウェルを選択した状態で、名称を入力しておく。またPassive Referenceを「ROX」 と設定する。 *1 Detector の設定 Detectorは各プライマー、プローブのセットに対して設定しておくと良い。 *2 検量線用標準プラスミドDNA溶液の設定 検体の種類の設定に加えて、コピー数を設定する。同一の検量線用標準プラスミドDNA溶液を 分注したウェルを選択した状態で、Quantity欄にコピー数を入力する。2.1.2.2.2.項に記載した ように、96ウェルを使用する場合と、384ウェルを使用する場合では、液量の違いから、コピー 数が異なるため注意する)。 *1 Detector の設定 Detectorは各プライマー、プローブのセットに対して設定しておくと良い。 *2 検量線用標準プラスミドDNA溶液の設定 検体の種類の設定に加えて、コピー数を設定する。同一の検量線用標準プラスミドDNA溶液を 分注したウェルを選択した状態で、Quantity欄にコピー数を入力する(3.1.2.2.2. 項に記載し たように、96ウェルを使用する場合と、384ウェルを使用する場合では、液量の違いから、コピ ー数が異なるため注意する。)。 2.1.2.2.4. PCR(ABI PRISMTM 7900HT 96well及び384well) 装置にプレートをセットし、反応とデータの取り込みを開始する。反応条件は以下のとおりであ る。50℃、2分間の条件で保持した後、95℃で10分間加温し、ホットスタート法で反応を開始する。 その後、95℃ 30秒、59℃ 1分を1サイクルとして、45サイクルの増幅反応を行う。なお、反応条件 の設定において、9,600 emulationモードのチェックを入れておく。また、96ウェルと384ウェルで は反応液量が異なることから、それぞれにあった液量での設定を行う。Remaining timeが0分とな っていることを確認し、反応を終了させた後、測定結果の解析を行う。 3.1.2.2.4. PCR(ABI PRISMTM 7900HT 96well及び384well) 装置にプレートをセットし、反応とデータの取り込みを開始する。反応条件は以下のとおりであ る。50℃、2分間の条件で保持した後、95℃で10分間加温し、ホットスタート法で反応を開始する。 その後、95℃ 30秒、59℃ 1分を1サイクルとして、45サイクルの増幅反応を行う。なお、反応条件 の設定において、9,600 emulationモードのチェックを入れておく。また、96ウェルと384ウェルで は反応液量が異なることから、それぞれにあった液量での設定を行う。Remaining timeが0分とな っていることを確認し、反応を終了させた後、測定結果の解析を行う。 2.1.2.2.5. 検量線の作成(ABI PRISMTM 7900HT 96well及び384well) 内在性遺伝子及び組換え遺伝子のそれぞれにつき以下の操作で検量線を作成する。サイクル数に 対して蛍光シグナルの増加量(ΔRn)をプロットした増幅曲線(Amplification Plot)上で、検量 線用標準プラスミドDNA溶液及びDNA試料液由来の蛍光シグナルが指数関数的に増幅しているΔRn部 を選択し、Threshold line(Th)を引く。この際、ブランク試料液(NTC)で出現することのある 非特異的増幅曲線と交差しないように注意する。また、Base LineはStartを3に、Endを15に設定す る。Thの厳密な引き方は、独立行政法人農林水産消費技術センター作成のJAS分析試験ハンドブッ ク「遺伝子組換え食品検査・分析マニュアル 定量的PCR編」に記載されている方法を準用する。Th と、検量線用標準プラスミドDNA溶液の蛍光シグナルが交差した点をThreshold cycle(Ct)値とす る。次に各々の検量線用標準プラスミドDNA溶液のコピー数の対数値(x軸)に対するCt値(y軸) をプロットし、各Ctに対して得られた近似直線を検量線とする*。 3.1.2.2.5. 検量線の作成(ABI PRISMTM 7900HT 96well及び384well) 内在性遺伝子及び組換え遺伝子のそれぞれにつき以下の操作で検量線を作成する。サイクル数に 対して蛍光シグナルの増加量(ΔRn)をプロットした増幅曲線(Amplification Plot)上で、検量 線用標準プラスミドDNA溶液及びDNA試料液由来の蛍光シグナルが指数関数的に増幅しているΔRn部 を選択し、Threshold line(Th)を引く。この際、ブランク試料液(NTC)で出現することのある 非特異的増幅曲線と交差しないように注意する。また、Base LineはStartを3に、Endを15に設定す る。Thの厳密な引き方は、独立行政法人農林水産消費技術センター作成のJAS分析試験ハンドブッ ク「遺伝子組換え食品検査・分析マニュアル 定量的PCR編」に記載されている方法を準用する。Th と、検量線用標準プラスミドDNA溶液の蛍光シグナルが交差した点をThreshold cycle(Ct)値とす る。次に各々の検量線用標準プラスミドDNA溶液のコピー数の対数値(x軸)に対するCt値(y軸) をプロットし、各Ctに対して得られた近似直線を検量線とする*。 * 実際はThを引いた時点で検量線は自動作成される。検量線においては「Corr.」の値を確認し、 0.990以上であった場合に以降のコピー数の算出を行う。 2.1.2.3. ABI PRISMTM 7000を用いた定量PCR 2.1.2.3.1. PCR用反応液の調製(ABI PRISMTM 7000) PCR用反応液は25μL/wellとして調製する。その組成は以下のとおりである。Universal PCR Mas ter Mix*112.5μL、対象プライマー対溶液(各プライマー, 25μmol/L)0.5μL、対象プローブ溶 液(10μmol/L)0.5μL、水9μL、20ng/μL DNA試料液2.5μL(50ng)、又は検量線用標準プラス ミドDNA溶液2.5μL、あるいは5ng/μL ColE1/TE溶液(ブランク試料液:NTC)2.5μL。試験は1DNA - 22 - * 実際はThを引いた時点で検量線は自動作成される。検量線においては「Corr.」の値を確認し、 0.990以上であった場合に以降のコピー数の算出を行う。 3.1.2.3. ABI PRISMTM 7000を用いた定量PCR 3.1.2.3.1. PCR用反応液の調製(ABI PRISMTM 7000) PCR用反応液は25 L/wellとして調製する。その組成は以下のとおりである。Universal PCR Mast er Mix*1 12.5μL、対象プライマー対溶液(各プライマー, 25μmol/L)0.5μL、対象プローブ溶 液(10μmol/L)0.5μL、水9μL、20ng/μL DNA試料液2.5μL(50ng)、又は検量線用標準プラス ミドDNA溶液2.5μL、あるいは5ng/μL ColE1/TE溶液(ブランク試料液:NTC)2.5μL。試験は1DNA 試料液当たり3ウェル並行で行うものとし、PCR用反応液は3ウェル分を同時に調製する*2。 調製の実際は、反応液の調製及びPCRで生じる誤差を減少させるため、以下の手順に従って行う。 まず、あらかじめUniversal PCR Master Mixに対象プライマー対、対象プローブを加えた溶液(マ スターミックス)を調製する。この際、対象プライマー対と対象プローブの混合溶液*3を先に調 製しておき、これとUniversal PCR Master Mixを1:1.25の比率で混合させると良い。マスターミ ックスの調製液量は余剰分を考慮し、1DNA試料液(3ウェル分)当たり81μLが適当である。混合時 にはボルテックスミキサーを用いて十分に攪拌し、攪拌後には軽く遠心する。次いで、マスターミ ックスを必要数*4の微量遠沈管に78.75μLずつ分注する。分注後、各微量遠沈管に対応するDNA溶 液を8.75μL加え、ボルテックスミキサーを用いて十分に混合した後、軽く遠心する。このように して調製した混合溶液を25μL/wellとして96ウェルプレート上のウェルに分注する。分注操作終了 後、真上からシールし、完全にウェルを密閉する。このとき、しわが寄らないよう注意し、専用の シーリング用アプリケーターを用いて行う*5。最後にウェルの底を観察し、底に気泡がある場合 は、プレートの縁を軽く叩いて気泡を抜いておく。プレートの確認後、ABI PRISM Optical Cover Compression Pad*6を茶色の面が上になるよう、プレートの上面にセットする。 試料液当たり3ウェル並行で行うものとし、PCR用反応液は3ウェル分を同時に調製する*2。 調製の実際は、反応液の調製及びPCRで生じる誤差を減少させるため、以下の手順に従って行う。 まず、あらかじめUniversal PCR Master Mixに対象プライマー対、対象プローブを加えた溶液(マ スターミックス)を調製する。この際、対象プライマー対と対象プローブの混合溶液*3を先に調 製しておき、これとUniversal PCR Master Mixを1:1.25の比率で混合させると良い。マスターミ ックスの調製液量は余剰分を考慮し、1DNA試料液(3ウェル分)当たり81 Lが適当である。混合時 にはボルテックスミキサーを用いて十分に攪拌し、攪拌後には軽く遠心する。次いで、マスターミ ックスを必要数*4の微量遠沈管に78.75 Lずつ分注する。分注後、各微量遠沈管に対応するDNA溶 液を8.75μL加え、ボルテックスミキサーを用いて十分に混合した後、軽く遠心する。このように して調製した混合溶液を25μL/wellとして96ウェルプレート上のウェルに分注する。分注操作終了 後、真上からシールし、完全にウェルを密閉する。このとき、しわが寄らないよう注意し、専用の シーリング用アプリケーターを用いて行う*5。最後にウェルの底を観察し、底に気泡がある場合 は、プレートの縁を軽く叩いて気泡を抜いておく。プレートの確認後、ABI PRISM Optical Cover Compression Pad*6を茶色の面が上になるよう、プレートの上面にセットする。 *1 Universal PCR Master Mix 本試薬は粘性が高いため、混合操作を行う際には、混合が確実に行われるように注意を要する。 不十分な場合には、PCRがうまくいかない場合がある。使う直前には必ずボルテックスミキサー を用いて3秒程度混合した後、軽く遠心し、溶液を試料管の底に集めておいてから使用する。ま た、ウェルに分注するときは、以後撹拌、遠心が困難なことを考慮し、ウェルの底に確実に入れ る。 *2 定量PCR用反応液の調製 冷凍庫から出した試薬類は、必要なものにつき室温で融解後、氷上で保存する。氷上で保存し た試薬につき、同一のチップを用い連続分注すると、ピペット内の空気が冷却されるため、2回 目以降、通常のピペット操作では正確に分注されないので注意する。ピペットの説明書に書かれ た、低温試料を扱う場合の操作法(通常、ふきとめと呼ばれる操作)を理解して使用すること。 *3 対象プライマー対と対象プローブの混合溶液 対象プライマー対濃度が1.25μmol/L、対象プローブ濃度が0.5μmol/Lとなるよう水で希釈し、 ボルテックスミキサーを用いて十分に混合し、調製する。また、本混合液は凍結保存が可能であ るが、凍結融解を繰り返すことは避ける。 *4 分注必要数 検量線用標準プラスミド溶液(5点)及びブランク試料液(1点)、この計6点にDNA試料液の数 を加えた数。 *5 96ウェルプレート、シール及びシーリングアプリケーター MicroAmp Optical 96-Well Reaction Plate(Life Technologies社)及びABI PRISM Optical Adhesive Cover(Life Technologies社)を使用する。シーリングの詳細については製品付属の マニュアルを参考のこと。 *6 ABI PRISM Optical Cover Compression Pad ABI PRISM Optical Cover Compression Pad(Life Technologies社)を使用する。なお、20回 以上の繰り返し使用は、定量結果に影響を及ぼす可能性があるため、避けること。 *1 Universal PCR Master Mix 本試薬は粘性が高いため、混合操作を行う際には、混合が確実に行われるように注意を要する。 不十分な場合には、PCRがうまくいかない場合がある。使う直前には必ずボルテックスミキサー を用いて3秒程度混合した後、軽く遠心し、溶液を試料管の底に集めておいてから使用する。ま た、ウェルに分注するときは、以後撹拌、遠心が困難なことを考慮し、ウェルの底に確実に入れ る。 *2 定量PCR用反応液の調製 冷凍庫から出した試薬類は、必要なものにつき室温で融解後、氷上で保存する。氷上で保存し た試薬につき、同一のチップを用い連続分注すると、ピペット内の空気が冷却されるため、2回 目以降、通常のピペット操作では正確に分注されないので注意する。ピペットの説明書に書かれ た、低温試料を扱う場合の操作法(通常、ふきとめと呼ばれる操作)を理解して使用すること。 *3 対象プライマー対と対象プローブの混合溶液 対象プライマー対濃度が1.25μmol/L、対象プローブ濃度が0.5μmol/Lとなるよう水で希釈し、 ボルテックスミキサーを用いて十分に混合し、調製する。また、本混合液は凍結保存が可能であ るが、凍結融解を繰り返すことは避ける。 *4 分注必要数 検量線用標準プラスミド溶液(5点)及びブランク試料液(1点)、この計6点にDNA試料液の数 を加えた数。 *5 96ウェルプレート、シール及びシーリングアプリケーター MicroAmp Optical 96-Well Reaction Plate(Applied Biosystems社)及びABI PRISM Optical Adhesive Cover(Applied Biosystems社)を使用する。シーリングの詳細については製品付属 のマニュアルを参考のこと。 *6 ABI PRISM Optical Cover Compression Pad ABI PRISM Optical Cover Compression Pad(Applied Biosystems社)を使用する。なお、20 回以上の繰り返し使用は、定量結果に影響を及ぼす可能性があるため、避けること。 2.1.2.3.2. プレート情報の設定(ABI PRISMTM 7000) 反応に際しては、プレート情報の設定を行わなければならない。設定を行う項目は、検体の配置 と種類及び、プローブ特性である。まず、プローブ特性の設定を行う。プローブ特性はDetector M anager画面上でReporterが「FAM」、Quencherが「TAMRA」となるよう設定する*1。設定したDetec torをWell Inspectorに登録した後、同じプライマーとプローブのセットを用いて測定を行うウェ ル全てを指定する。次に検体の配置と種類を指定する。具体的には、調製したプレートの配置に対 応するように気を付けながら、検体の種類(「Standard」:検量線用標準プラスミドDNA溶液*2、「N TC」:ブランク試料液、「Unknown」:DNA試料液)をTask欄において指定する。この際、同一の溶液 が分注された3ウェルを選択した状態で、名称を入力しておく。またPassive Referenceを「ROX」 と設定する。 3.1.2.3.2. プレート情報の設定(ABI PRISMTM 7000) 反応に際しては、プレート情報の設定を行わなければならない。設定を行う項目は、検体の配置 と種類及び、プローブ特性である。まず、プローブ特性の設定を行う。プローブ特性はDetector M anager画面上でReporterが「FAM」、Quencherが「TAMRA」となるよう設定する*1。設定したDetec torをWell Inspectorに登録した後、同じプライマーとプローブのセットを用いて測定を行うウェ ルすべてを指定する。次に検体の配置と種類を指定する。具体的には、調製したプレートの配置に 対応するように気を付けながら、検体の種類(「Standard」:検量線用標準プラスミドDNA溶液*2、 「NTC」:ブランク試料液、「Unknown」:DNA試料液)をTask欄において指定する。この際、同一の 溶液が分注された3ウェルを選択した状態で、名称を入力しておく。またPassive Referenceを「RO X」と設定する。 *1 Detector の設定 Detectorは各プライマー、プローブのセットに対して設定しておくと良い。 *2 検量線用標準プラスミドDNA溶液の設定 検体の種類の設定に加えて、コピー数を設定する。同一の検量線用標準プラスミドDNA溶液を 分注したウェルを選択した状態で、Quantity欄にコピー数を入力する。 *1 Detector の設定 Detectorは各プライマー、プローブのセットに対して設定しておくと良い。 *2 検量線用標準プラスミドDNA溶液の設定 検体の種類の設定に加えて、コピー数を設定する。同一の検量線用標準プラスミドDNA溶液を 分注したウェルを選択した状態で、Quantity欄にコピー数を入力する。 2.1.2.3.3. PCR(ABI PRISMTM 7000) 装置にプレートをセットし、反応とデータの取り込みを開始する。反応条件は以下のとおりであ 3.1.2.3.3. PCR(ABI PRISMTM 7000) 装置にプレートをセットし、反応とデータの取り込みを開始する。反応条件は以下のとおりであ - 23 - る。50℃、2分間の条件で保持した後、95℃で10分間加温し、ホットスタート法で反応を開始する。 その後、95℃ 30秒、59℃ 1分を1サイクルとして、45サイクルの増幅反応を行う。なお、反応条件 の設定において、9,600 emulationモードのチェックを入れておく。Remaining timeが0分となって いることを確認し、反応を終了させた後、測定結果の解析を行う。 る。50℃、2分間の条件で保持した後、95℃で10分間加温し、ホットスタート法で反応を開始する。 その後、95℃ 30秒、59℃ 1分を1サイクルとして、45サイクルの増幅反応を行う。なお、反応条件 の設定において、9,600 emulationモードのチェックを入れておく。Remaining timeが0分となって いることを確認し、反応を終了させた後、測定結果の解析を行う。 2.1.2.3.4. 検量線の作成(ABI PRISMTM 7000) 内在性遺伝子及び組換え遺伝子のそれぞれにつき以下の操作で検量線を作成する。サイクル数に 対して蛍光シグナルの増加量(ΔRn)をプロットした増幅曲線(Amplification Plot)上で、検量 線用標準プラスミドDNA溶液及びDNA試料液由来の蛍光シグナルが指数関数的に増幅しているΔRn部 を選択し、Threshold line(Th)を引く。この際、ブランク試料液(NTC)で出現することのある 非特異的増幅曲線と交差しないように注意する。また、Base LineはStartを3に、Endを15に設定す る。Thの厳密な引き方は、独立行政法人農林水産消費技術センター作成のJAS分析試験ハンドブッ ク「遺伝子組換え食品検査・分析マニュアル定量的PCR編」に記載されている方法を準用する。Th と、検量線用標準プラスミドDNA溶液の蛍光シグナルが交差した点をThreshold cycle(Ct)値とす る。次に各々の検量線用標準プラスミドDNA溶液のコピー数の対数値(x軸)に対するCt値(y軸) をプロットし、各Ctに対して得られた近似直線を検量線とする*。 3.1.2.3.4. 検量線の作成(ABI PRISMTM 7000) 内在性遺伝子及び組換え遺伝子のそれぞれにつき以下の操作で検量線を作成する。サイクル数に 対して蛍光シグナルの増加量(ΔRn)をプロットした増幅曲線(Amplification Plot)上で、検量 線用標準プラスミドDNA溶液及びDNA試料液由来の蛍光シグナルが指数関数的に増幅しているΔRn部 を選択し、Threshold line(Th)を引く。この際、ブランク試料液(NTC)で出現することのある 非特異的増幅曲線と交差しないように注意する。また、Base LineはStartを3に、Endを15に設定す る。Thの厳密な引き方は、独立行政法人農林水産消費技術センター作成のJAS分析試験ハンドブッ ク「遺伝子組換え食品検査・分析マニュアル定量的PCR編」に記載されている方法を準用する。Th と、検量線用標準プラスミドDNA溶液の蛍光シグナルが交差した点をThreshold cycle(Ct)値とす る。次に各々の検量線用標準プラスミドDNA溶液のコピー数の対数値(x軸)に対するCt値(y軸) をプロットし、各Ctに対して得られた近似直線を検量線とする*。 * 実際はThを引き、「Analyze」ボタンを押した時点で検量線は自動作成される。検量線において は「Corr.」の値を確認し、0.990以上であった場合に以降のコピー数の算出を行う。 * 実際はThを引き、「Analyze」ボタンを押した時点で検量線は自動作成される。検量線において は「Corr.」の値を確認し、0.990以上であった場合に以降のコピー数の算出を行う。 2.1.2.4. Applied Biosystems 7500(AB 7500)を用いた定量PCR 2.1.2.4.1. PCR用反応液の調製(AB 7500) PCR用反応液は25μL/wellとして調製する。その組成は以下のとおりである。Universal PCR Mas ter Mix*1 12.5μL、対象プライマー対溶液(各プライマー、25μmol/L)0.5μL、対象プローブ 溶液(10μmol/L)0.5μL、水9μL、20ng/μL DNA試料液2.5μL(50ng)、又は検量線用標準プラ スミドDNA溶液2.5μL、あるいは5ng/μL ColE1/TE溶液(ブランク試料液:NTC)2.5μL。試験は1D NA試料液当たり3ウェル並行で行うものとし、PCR用反応液は3ウェル分を同時に調製する*2。 調製の実際は、反応液の調製及びPCRで生じる誤差を減少させるため、以下の手順に従って行う。 まず、あらかじめUniversal PCR Master Mixに対象プライマー対、対象プローブを加えた溶液(マ スターミックス)を調製する。この際、対象プライマー対と対象プローブの混合溶液*3を先に調 製しておき、これとUniversal PCR Master Mixを1:1.25の比率で混合させると良い。マスターミ ックスの調製液量は余剰分を考慮し、1DNA試料液(3ウェル分)当たり81μLが適当である。混合時 にはボルテックスミキサーを用いて十分に攪拌し、攪拌後には軽く遠心する。次いで、マスターミ ックスを必要数*4の微量遠沈管に78.75μLずつ分注する。分注後、各微量遠沈管に対応するDNA溶 液を8.75μL加え、ボルテックスミキサーを用いて十分に混合した後、軽く遠心する。このように して調製した混合溶液を25μL/wellとして96ウェルプレート上のウェルに分注する。分注操作終了 後、真上からシールし、完全にウェルを密閉する。このとき、しわが寄らないよう注意し、専用の シーリング用アプリケーターを用いて行う*5。最後にウェルの底を観察し、底に気泡がある場合 は、プレートの縁を軽く叩いて気泡を抜いておく。 3.1.2.4. Applied Biosystems 7500 Systemを用いた定量PCR 3.1.2.4.1. PCR用反応液の調製(Applied Biosystems 7500 System) PCR用反応液は25μL/wellとして調製する。その組成は以下のとおりである。Universal PCR Mas ter Mix*1 12.5μL、対象プライマー対溶液(各プライマー, 25μmol/L)0.5μL、対象プローブ 溶液(10μmol/L)0.5μL、水9μL、20ng/μL DNA試料液2.5μL(50ng)、又は検量線用標準プラ スミドDNA溶液2.5μL、あるいは5ng/μL ColE1/TE溶液(ブランク試料液:NTC)2.5μL。試験は1D NA試料液当たり3ウェル並行で行うものとし、PCR用反応液は3ウェル分を同時に調製する*2。 調製の実際は、反応液の調製及びPCRで生じる誤差を減少させるため、以下の手順に従って行う。 まず、あらかじめUniversal PCR Master Mixに対象プライマー対、対象プローブを加えた溶液(マ スターミックス)を調製する。この際、対象プライマー対と対象プローブの混合溶液*3を先に調 製しておき、これとUniversal PCR Master Mixを1:1.25の比率で混合させると良い。マスターミ ックスの調製液量は余剰分を考慮し、1DNA試料液(3ウェル分)当たり81 Lが適当である。混合時 にはボルテックスミキサーを用いて十分に攪拌し、攪拌後には軽く遠心する。次いで、マスターミ ックスを必要数*4の微量遠沈管に78.75 Lずつ分注する。分注後、各微量遠沈管に対応するDNA溶 液を8.75μL加え、ボルテックスミキサーを用いて十分に混合した後、軽く遠心する。このように して調製した混合溶液を25 L/wellとして96ウェルプレート上のウェルに分注する。分注操作終了 後、真上からシールし、完全にウェルを密閉する。このとき、しわが寄らないよう注意し、専用の シーリング用アプリケーターを用いて行う*5。最後にウェルの底を観察し、底に気泡がある場合 は、プレートの縁を軽く叩いて気泡を抜いておく。 *1 Universal PCR Master Mix 本試薬は粘性が高いため、混合操作を行う際には、混合が確実に行われるように注意を要する。 不十分な場合には、PCRがうまくいかない場合がある。使う直前には必ずボルテックスミキサー を用いて3秒程度混合した後、軽く遠心し、溶液を試料管の底に集めておいてから使用する。ま た、ウェルに分注するときは、以後撹拌、遠心が困難なことを考慮し、ウェルの底に確実に入れ る。 *2 定量PCR用反応液の調製 冷凍庫から出した試薬類は、必要なものにつき室温で融解後、氷上で保存する。氷上で保存し た試薬につき、同一のチップを用い連続分注すると、ピペット内の空気が冷却されるため、2回 目以降、通常のピペット操作では正確に分注されないので注意する。ピペットの説明書に書かれ た、低温試料を扱う場合の操作法(通常、ふきとめと呼ばれる操作)を理解して使用すること。 *3 対象プライマー対と対象プローブの混合溶液 対象プライマー対濃度が1.25μmol/L、対象プローブ濃度が0.5μmol/Lとなるよう水で希釈し、 ボルテックスミキサーを用いて十分に混合し、調製する。また、本混合液は凍結保存が可能であ るが、凍結融解を繰り返すことは避ける。 *4 分注必要数 検量線用標準プラスミド溶液(5点)及びブランク試料液(1点)、この計6点にDNA試料液の数 を加えた数。 *5 96ウェルプレート、シール及びシーリングアプリケーター MicroAmp Optical 96-Well Reaction Plate(Life Technologies社)及びABI PRISM Optical *1 Universal PCR Master Mix 本試薬は粘性が高いため、混合操作を行う際には、混合が確実に行われるように注意を要する。 不十分な場合には、PCRがうまくいかない場合がある。使う直前には必ずボルテックスミキサー を用いて3秒程度混合した後、軽く遠心し、溶液を試料管の底に集めておいてから使用する。ま た、ウェルに分注するときは、以後撹拌、遠心が困難なことを考慮し、ウェルの底に確実に入れ る。 *2 定量PCR用反応液の調製 冷凍庫から出した試薬類は、必要なものにつき室温で融解後、氷上で保存する。氷上で保存し た試薬につき、同一のチップを用い連続分注すると、ピペット内の空気が冷却されるため、2回 目以降、通常のピペット操作では正確に分注されないので注意する。ピペットの説明書に書かれ た、低温試料を扱う場合の操作法(通常、ふきとめと呼ばれる操作)を理解して使用すること。 *3 対象プライマー対と対象プローブの混合溶液 対象プライマー対濃度が1.25μmol/L、対象プローブ濃度が0.5μmol/Lとなるよう水で希釈し、 ボルテックスミキサーを用いて十分に混合し、調製する。また、本混合液は凍結保存が可能であ るが、凍結融解を繰り返すことは避ける。 *4 分注必要数 検量線用標準プラスミド溶液(5点)及びブランク試料液(1点)、この計6点にDNA試料液の数 を加えた数。 *5 96ウェルプレート、シール及びシーリングアプリケーター MicroAmp Optical 96-Well Reaction Plate(Applied Biosystems社)及びABI PRISM Optical - 24 - Adhesive Cover(Life Technologies社)を使用する。シーリングの詳細については製品付属の マニュアルを参考のこと。 Adhesive Cover(Applied Biosystems社)を使用する。シーリングの詳細については製品付属 のマニュアルを参考のこと。 2.1.2.4.2. プレート情報の設定(Applied Biosystems 7500 System) 反応に際しては、プレート情報の設定を行わなければならない。設定を行う項目は、検体の配置 と種類及びプローブ特性である。まず、プローブ特性の設定を行う。プローブ特性はDetector Man ager画面上でReporterが「FAM」、Quencherが「TAMRA」となるよう設定する*1。設定したDetecto rをWell Inspectorに登録した後、同じプライマーとプローブのセットを用いて測定を行うウェル 全てを指定する。次に検体の配置と種類を指定する。具体的には、調製したプレートの配置に対応 するように気を付けながら、検体の種類(「Standard」:検量線用標準プラスミドDNA溶液*2、「NT C」:ブランク試料液、「Unknown」:DNA試料液)をTask欄において指定する。この際、同一の溶液 が分注された3ウェルを選択した状態で、名称を入力しておく。またPassive Referenceを「ROX」 と設定する。 3.1.2.4.2. プレート情報の設定(Applied Biosystems 7500 System) 反応に際しては、プレート情報の設定を行わなければならない。設定を行う項目は、検体の配置 と種類及び、プローブ特性である。まず、プローブ特性の設定を行う。プローブ特性はDetector M anager画面上でReporterが「FAM」、Quencherが「TAMRA」となるよう設定する*1。設定したDetec torをWell Inspectorに登録した後、同じプライマーとプローブのセットを用いて測定を行うウェ ルすべてを指定する。次に検体の配置と種類を指定する。具体的には、調製したプレートの配置に 対応するように気を付けながら、検体の種類(「Standard」:検量線用標準プラスミドDNA溶液*2、 「NTC」:ブランク試料液、「Unknown」:DNA試料液)をTask欄において指定する。この際、同一の 溶液が分注された3ウェルを選択した状態で、名称を入力しておく。またPassive Referenceを「RO X」と設定する。 *1 Detector の設定 Detectorは各プライマー、プローブのセットに対して設定しておくと良い。 *2 検量線用標準プラスミドDNA溶液の設定 検体の種類の設定に加えて、コピー数を設定する。同一の検量線用標準プラスミドDNA溶液を 分注したウェルを選択した状態で、Quantity欄にコピー数を入力する。 *1 Detector の設定 Detectorは各プライマー、プローブのセットに対して設定しておくと良い。 *2 検量線用標準プラスミドDNA溶液の設定 検体の種類の設定に加えて、コピー数を設定する。同一の検量線用標準プラスミドDNA溶液を 分注したウェルを選択した状態で、Quantity欄にコピー数を入力する。 2.1.2.4.3. PCR(Applied Biosystems 7500 System) 装置にプレートをセットし、反応とデータの取り込みを開始する。反応条件は以下のとおりであ る。50℃、2分間の条件で保持した後、95℃で10分間加温し、ホットスタート法で反応を開始する。 その後、95℃ 30秒、59℃ 1分を1サイクルとして、45サイクルの増幅反応を行う。なお、反応条件 の設定において、RUN Modeを9,600 emulationに設定する。RUNの終了を知らせる「The run comple ted successfully 」の表示を確認し、反応を終了させた後、測定結果の解析を行う。 3.1.2.4.3. PCR(Applied Biosystems 7500 System) 装置にプレートをセットし、反応とデータの取り込みを開始する。反応条件は以下のとおりであ る。50℃、2分間の条件で保持した後、95℃で10分間加温し、ホットスタート法で反応を開始する。 その後、95℃ 30秒、59℃ 1分を1サイクルとして、45サイクルの増幅反応を行う。なお、反応条件 の設定において、RUN Modeを9,600 emulationに設定する。RUNの終了を知らせる「The run comple ted successfully 」の表示を確認し、反応を終了させた後、測定結果の解析を行う。 2.1.2.4.4. 検量線の作成(Applied Biosystems 7500 System) 内在性遺伝子及び組換え遺伝子のそれぞれにつき以下の操作で検量線を作成する。サイクル数に 対して蛍光シグナルの増加量(ΔRn)をプロットした増幅曲線(Amplification Plot)上で、検量 線用標準プラスミドDNA溶液及びDNA試料液由来の蛍光シグナルが指数関数的に増幅しているΔRn部 を選択し、Threshold line(Th)を引く。この際、ブランク試料液(NTC)で出現することのある 非特異的増幅曲線と交差しないように注意する。また、Base LineはStartを3に、Endを15に設定す る。Thの厳密な引き方は、独立行政法人農林水産消費技術センター作成のJAS分析試験ハンドブッ ク「遺伝子組換え食品検査・分析マニュアル 定量的PCR編」に記載されている方法を準用する。Th と、検量線用標準プラスミドDNA溶液の蛍光シグナルが交差した点をThreshold cycle(Ct)値とす る。次に各々の検量線用標準プラスミドDNA溶液のコピー数の対数値(x軸)に対するCt値(y軸) をプロットし、各Ctに対して得られた近似直線を検量線とする*。 3.1.2.4.4. 検量線の作成(Applied Biosystems 7500 System) 内在性遺伝子及び組換え遺伝子のそれぞれにつき以下の操作で検量線を作成する。サイクル数に 対して蛍光シグナルの増加量(ΔRn)をプロットした増幅曲線(Amplification Plot)上で、検量 線用標準プラスミドDNA溶液及びDNA試料液由来の蛍光シグナルが指数関数的に増幅しているΔRn部 を選択し、Threshold line(Th)を引く。この際、ブランク試料液(NTC)で出現することのある 非特異的増幅曲線と交差しないように注意する。また、Base LineはStartを3に、Endを15に設定す る。Thの厳密な引き方は、独立行政法人農林水産消費技術センター作成のJAS分析試験ハンドブッ ク「遺伝子組換え食品検査・分析マニュアル 定量的PCR編」に記載されている方法を準用する。Th と、検量線用標準プラスミドDNA溶液の蛍光シグナルが交差した点をThreshold cycle(Ct)値とす る。次に各々の検量線用標準プラスミドDNA溶液のコピー数の対数値(x軸)に対するCt値(y軸) をプロットし、各Ctに対して得られた近似直線を検量線とする*。 * 実際はThを引き、「Analyze」ボタンを押した時点で検量線は自動作成される。検量線において は「Corr.」の値を確認し、0.990以上であった場合に以降のコピー数の算出を行う。 * 実際はThを引き、「Analyze」ボタンを押した時点で検量線は自動作成される。検量線において は「Corr.」の値を確認し、0.990以上であった場合に以降のコピー数の算出を行う。 2.1.2.5. Roche LightCycler Systemを用いた定量PCR 2.1.2.5.1. PCR用反応液の調製(Roche LightCycler System) PCR用反応液は20μL/キャピラリーとして調製する。その組成は以下のとおりである。LC- FastS tart DNA Master Hybridization Probes*1 2μL、対象プライマー対溶液(各プライマー,25μmo l/L)0.4μL、対象プローブ(10μmol/L)0.4μL、水 9.8μL、MgCl2溶液(25mM)2.4μL、10ng/ μL DNA試料液 5μL(50ng)、又は検量線用標準プラスミドDNA溶液 5μL*2、あるいは5ng/μL C olE1/TE溶液(ブランク試料液:NTC) 5μL。試験は、検量線用標準プラスミドDNA溶液、及びNTC に対し1キャピラリー、1DNA試料液に対し2キャピラリー並行で行うものとし、DNA試料液に対するP CR用反応液は2キャピラリー分を同時に調製する*3。 調製の実際は、反応液の調製及びPCRで生じる誤差を減少させるため、以下の手順に従って行う。 まず、あらかじめLC-FastStart DNA Master Hybridization ProbesにMgCl2溶液、水並びに対象プ ライマー対、対象プローブを加えた溶液(マスターミックス)を調製する。この際、対象プライマ ー対と対象プローブの混合溶液*4を先に調製しておき、これとLC-FastStart DNA Master Hybridi zation Probes、MgCl2溶液、水の混合液を8:7の比率で混合させると良い。マスターミックスの調 製液量は余剰分を考慮し、1キャピラリー当たり19.8μLが適当である。混合時にはボルテックスミ キサーを用いて十分に攪拌し、攪拌後には軽く遠心する。次いで、マスターミックスを必要数*5 の微量遠沈管に分注する。分注の液量は検量線用標準プラスミド溶液及びNTCに対し18μL、DNA試 料液に対し36μLとする。分注後、各微量遠沈管に対応するDNA溶液を6μL (検量線用標準プラス 3.1.2.5. Roche LightCycler Systemを用いた定量PCR 3.1.2.5.1. PCR用反応液の調製(Roche LightCycler System) PCR用反応液は20μL/キャピラリーとして調製する。その組成は以下のとおりである。LC- FastS tart DNA Master Hybridization Probes*1 2μL、対象プライマー対溶液(各プライマー,25μmo l/L)0.4μL、対象プローブ(10μmol/L)0.4μL、水9.8μL、MgCl2 溶液(25mM)2.4μL、10ng/ μL DNA試料液5μL(50ng)、又は検量線用標準プラスミドDNA溶液5μL*2、あるいは5ng/μL Col E1/TE溶液(ブランク試料液:NTC)5μL。試験は、検量線用標準プラスミドDNA溶液、及びNTCに対 し1キャピラリー、1DNA試料液に対し2キャピラリー並行で行うものとし、DNA試料液に対するPCR用 反応液は2キャピラリー分を同時に調製する*3。 調製の実際は、反応液の調製及びPCRで生じる誤差を減少させるため、以下の手順に従って行う。 まず、あらかじめLC-FastStart DNA Master Hybridization ProbesにMgCl2 溶液、水並びに対象プ ライマー対、対象プローブを加えた溶液(マスターミックス)を調製する。この際、対象プライマ ー対と対象プローブの混合溶液*4を先に調製しておき、これとLC-FastStart DNA Master Hybridi zation Probes、MgCl2溶液、水の混合液を8:7の比率で混合させると良い。マスターミックスの調 製液量は余剰分を考慮し、1キャピラリー当たり19.8μLが適当である。混合時にはボルテックスミ キサーを用いて十分に攪拌し、攪拌後には軽く遠心する。次いで、マスターミックスを必要数*5 の微量遠沈管に分注する。分注の液量は検量線用標準プラスミド溶液及びNTCに対し18μL、DNA試 料液に対し36μLとする。分注後、各微量遠沈管に対応するDNA溶液を6μL (検量線用標準プラス - 25 - ミド溶液及びNTC)あるいは12μL(DNA試料液)加え、ボルテックスミキサーを用いて十分に混合 した後、軽く遠心する。このようにして調製した混合溶液を20μL/キャピラリーとして分注する。 分注操作終了後、真上から蓋をし、完全にキャピラリーを密閉する。最後に遠心操作*6を行い、 混合液をキャピラリーにしっかり充填する。 ミド溶液及びNTC)あるいは12μL(DNA試料液)加え、ボルテックスミキサーを用いて十分に混合 した後、軽く遠心する。このようにして調製した混合溶液を20μL/キャピラリーとして分注する。 分注操作終了後、真上から蓋をし、完全にキャピラリーを密閉する。最後に遠心操作*6 を行い、 混合液をキャピラリーにしっかり充填する。 *1 LC-FastStart DNA Master Hybridization Probes LC-FastStart Enzyme(1a red cap)とLC-FastStart Reaction Mix Hybridization Probes(1 b colorless cap)とを混合し、調製する。調製したLC-FastStart DNA Master Hybridization P robesは、4℃で一週間の保存が可能である。また、本試薬は粘性が高いため、混合操作を行う際 には、混合が確実に行われるように注意を要する。不十分な場合には、PCRがうまくいかない場 合がある。 *2 検量線用標準プラスミドDNA溶液 Roche LightCycler Systemを用いた試験においては、反応液に添加する検量線標準プラスミド DNA溶液の液量を5μLとしている。このため、対応するコピー数は、40、250、3,000、40,000、5 00,000となる。コピー数の設定を誤ると、正確な測定が行えないため、注意する。 *3 定量PCR用反応液の調製 冷凍庫から出した試薬類は、必要なものにつき室温で融解後、氷上で保存する。氷上で保存し た試薬につき、同一のチップを用い連続分注すると、ピペット内の空気が冷却されるため、2回 目以降、通常のピペット操作では正確に分注されないので注意する。ピペットの説明書に書かれ た、低温試料を扱う場合の操作法(通常、ふきとめと呼ばれる操作)を理解して使用すること。 また、Roche LightCycler Systemを用いた定量PCRにおいては、試験を検量線用標準プラスミ ドDNA溶液、及びNTCに対し1キャピラリー、1DNA試料液当たり2キャピラリー並行で行う。装置に かけられるキャピラリーの総数、及び1度の反応につき内在性遺伝子並びに組換え遺伝子の両方 を測定することから、1回の測定当たり測定可能なDNA試料液の最大数は5となる。 *4 対象プライマー対と対象プローブの混合溶液 対象プライマー対濃度が1.25μmol/L、対象プローブ濃度が0.5μmol/Lとなるよう水で希釈し、 ボルテックスミキサーを用いて十分に混合し、調製する。また、本混合液は凍結保存が可能であ るが、凍結融解を繰り返すことは避ける。 *5 分注必要数 検量線用標準プラスミド溶液(5点)及びブランク試料液(1点)、この計6点にDNA試料液の数 を加えた数。 *6 遠心操作 遠心操作は、キャピラリーの破損を避けるため、専用のカローセル遠心機を使用し行うか、あ るいは汎用の遠心機を使用する場合には700×g以下、フラッシュの条件で行う。なお、遠心操作 の如何に関わらず、装置本体にセットする前にはキャピラリーをカローセルに装填する。この際 も、キャピラリーの破損に十分注意しつつ、しっかりとセットすること。 *1 LC-FastStart DNA Master Hybridization Probes LC-FastStart Enzyme(1a red cap)とLC-FastStart Reaction Mix Hybridization Probes(1 b colorless cap)とを混合し、調製する。調製したLC-FastStart DNA Master Hybridization P robesは、4℃で一週間の保存が可能である。また、本試薬は粘性が高いため、混合操作を行う際 には、混合が確実に行われるように注意を要する。不十分な場合には、PCRがうまくいかない場 合がある。 *2 検量線用標準プラスミドDNA溶液 Roche LightCycler Systemを用いた試験においては、反応液に添加する検量線標準プラスミド DNA溶液の液量を5μLとしている。このため、対応するコピー数は、40、250、3,000、40,000、5 00,000となる。コピー数の設定を誤ると、正確な測定が行えないため、注意する。 *3 定量PCR用反応液の調製 冷凍庫から出した試薬類は、必要なものにつき室温で融解後、氷上で保存する。氷上で保存し た試薬につき、同一のチップを用い連続分注すると、ピペット内の空気が冷却されるため、2回 目以降、通常のピペット操作では正確に分注されないので注意する。ピペットの説明書に書かれ た、低温試料を扱う場合の操作法(通常、ふきとめと呼ばれる操作)を理解して使用すること。 また、Roche LightCycler Systemを用いた定量PCRにおいては、試験を検量線用標準プラスミ ドDNA溶液、及びNTCに対し1キャピラリー、1DNA試料液当たり2キャピラリー並行で行う。装置に かけられるキャピラリーの総数、及び1度の反応につき内在性遺伝子並びに組換え遺伝子の両方 を測定することから、1回の測定当たり測定可能なDNA試料液の最大数は5となる。 *4 対象プライマー対と対象プローブの混合溶液 対象プライマー対濃度が1.25 mol/L、対象プローブ濃度が0.5μmol/Lとなるよう水で希釈し、 ボルテックスミキサーを用いて十分に混合し、調製する。また、本混合液は凍結保存が可能であ るが、凍結融解を繰り返すことは避ける。 *5 分注必要数 検量線用標準プラスミド溶液(5点)及びブランク試料液(1点)、この計6点にDNA試料液の数 を加えた数。 *6 遠心操作 遠心操作は、キャピラリーの破損を避けるため、専用のカローセル遠心機を使用し行うか、あ るいは汎用の遠心機を使用する場合には700×g以下、フラッシュの条件で行う。なお、遠心操作 の如何に関わらず、装置本体にセットする前にはキャピラリーをカローセルに装填する。この際 も、キャピラリーの破損に十分注意しつつ、しっかりとセットすること。 2.1.2.5.2. キャピラリー情報の設定(Roche LightCycler System) 反応に際しては、キャピラリー情報の設定を行わなければならない。具体的にはサンプルリスト 作成画面上で、調製したキャピラリー(カローセル上)の配置に対応するように気を付けながら、 検体の種類(「Standard」:検量線用標準プラスミドDNA溶液*1、「Negative」:ブランク試料液、「U nknown」:DNA試料液)をType欄において指定する。この際、同一の溶液が分注された2キャピラリ ーについてはReplicateであることを指定する*2。また、Seek Temperatureを30℃と設定し、Maxi mum Positionにはカローセルに装填したキャピラリーの最大位置番号を入力する。 3.1.2.5.2. キャピラリー情報の設定(Roche LightCycler System) 反応に際しては、キャピラリー情報の設定を行わなければならない。具体的にはサンプルリスト 作成画面上で、調製したキャピラリーの配置(カローセル上の配置)に対応するように気を付けな がら、検体の種類(「Standard」:検量線用標準プラスミドDNA溶液*1、「Negative」:ブランク試 料液、「Unknown」:DNA試料液)をType欄において指定する。この際、同一の溶液が分注された2キ ャピラリーについてはReplicateであることを指定する*2。また、Seek Temperatureを30℃と設定 し、Maximum Positionにはカローセルに装填したキャピラリーの最大位置番号を入力する。 *1 検量線用標準プラスミドDNA溶液の設定 検体の種類の設定に加えて、コピー数を設定する。各検量線用標準プラスミドDNA溶液を分注 したキャピラリーに対し、Concentration欄にコピー数を入力する。対応するコピー数は、40、2 50、3,000、40,000、500,000である。 *2 Replicateの指定 例えば、キャピラリー位置番号の7と8に同一の溶液を分注した場合、まず番号7に関する情報 を設定し、その後、番号8は番号7のReplicateであることを指示する。具体的には番号8のReplic ate欄において「7」を入力することで指示を行う。 *1 検量線用標準プラスミドDNA溶液の設定 検体の種類の設定に加えて、コピー数を設定する。各検量線用標準プラスミドDNA溶液を分注 したキャピラリーに対し、Concentration欄にコピー数を入力する。 *2 Replicateの指定 例えば、キャピラリー位置番号の7と8に同一の溶液を分注した場合、まず番号7に関する情報 を設定し、その後、番号8は番号7のReplicateであることを指示する。具体的には番号8のReplic ate欄において「7」を入力することで指示を行う。 2.1.2.5.3. PCR(Roche LightCycler System) 装置にカローセルをセットし、反応とデータの取り込みを開始する。反応条件は以下のとおりで ある。95℃、10分間の条件で加温したホットスタート法により反応を開始した後、95℃ 15秒、59 ℃ 30秒(1℃/秒)*1を1サイクルとして、50サイクルの増幅反応を行う。増幅反応終了後、40℃ 30秒の条件で保つ。データの取り込みは、増幅反応の各サイクル終了時に行わせるよう設定する* 2。 - 26 - 3.1.2.5.3. PCR(Roche LightCycler System) 装置にカローセルをセットし、反応とデータの取り込みを開始する。反応条件は以下のとおりで ある。95℃、10分間の条件で加温したホットスタート法により反応を開始した後、95℃ 15秒、59 ℃ 30秒(1℃/秒)*1 を1サイクルとして、50サイクルの増幅反応を行う。増幅反応終了後、40℃ 30秒の条件で保つ。データの取り込みは、増幅反応の各サイクル終了時に行わせるよう設定する *2。 *1 加温、冷却速度 ここに示している以外、加温、冷却の速度は20℃/秒とする。 *2 データの取り込み設定 データの取り込み設定の実際は、サイクルプログラムデータ画面において、59℃ 30秒と設定 したカラムについて「Acquisition Mode」を「Single」と設定する。 *1 加温、冷却速度 ここに示している以外、加温、冷却の速度は20℃/秒とする。 *2 データの取り込み設定 データの取り込み設定の実際は、サイクルプログラムデータ画面において、59℃ 30秒と設定 したカラムについて「Acquisition Mode」を「Single」と設定する。 2.1.2.5.4. 検量線の作成(Roche LightCycler System) 反応が終了していることを確認した後に、解析を行う。解析は「Fit Point法」を用いて行う。 内在性遺伝子及び組換え遺伝子のそれぞれにつき以下の操作で検量線を作成する。Base LineはPro portionalとし、Number of Pointsは2とする。解析する検体のみを選択した状態にし、Noise Band を0.1に設定する。上記条件にて検量線を作成させ、Error値*が0.2以下であった場合には、その 際に得られた数値を解析値とする。 * 3.1.2.5.4. 検量線の作成(Roche LightCycler System) 反応が終了していることを確認した後に、解析を行う。解析は「Fit Point法」を用いて行う。 内在性遺伝子及び組換え遺伝子のそれぞれにつき以下の操作で検量線を作成する。Base Lineは Pr oportionalとし、Numberof Pointsは2とする。解析する検体のみを選択した状態にし、Noise Band を0.1に設定する。上記条件にて検量線を作成させ、Error値* が0.2以下であった場合には、その 際に得られた数値を解析値とする。 検量線のError値が0.2以上になる場合には以下の検討を行う。Crossing Lineの調整幅(Cross ing Lineを移動させる範囲)を0.1から0.2の間とし、手動でCrossing Lineを移動させる。移動 させながら検量線のError値が最小となるようなCrossing Lineを設定し、その時点で得られる数 値を解析値とする。上記解析を行ってなお検量線のError値が0.2以上になる場合には、検量線か ら大きく外れている検量線用標準DNA溶液1点を解析対象から外し、同様の解析を行う。以上の解 析を行ってもError値が0.2以上になる場合にはその解析条件下での最小Error値を示した時点の 数値を解析値とする。 * 検量線のError値が0.2以上になる場合には以下の検討を行う。Crossing Lineの調整幅(Crossi ng Lineを移動させる範囲)を0.1から0.2の間とし、手動でCrossing Lineを移動させる。移動さ せながら検量線のError値が最小となるようなCrossing Lineを設定し、その時点で得られる数値 を解析値とする。上記解析を行ってなお検量線のError値が0.2以上になる場合には、検量線から 大きく外れている検量線用標準DNA溶液1点を解析対象から外し、同様の解析を行う。以上の解析 を行ってもError値が0.2以上になる場合にはその解析条件下での最小Error値を示した時点の数 値を解析値とする。 2.1.3. 試料の組換えDNA技術応用食品含有率の計算 未知DNA試料液につき検量線作成で用いたThを使用してCt値を求め、内標遺伝子及び組換え遺伝子に つき、それぞれの検量線から各3ウェル*とも内在性遺伝子のコピー数を内挿し、それにより得られる 値の平均を内在性遺伝子のコピー数及び組換え遺伝子のコピー数とする。次に次式に従って、対象組換 えDNA技術応用食品含有率を求める。 3.1.3. 試料の組換えDNA技術応用食品含有率の計算 未知DNA試料液につき検量線作成で用いたThを使用してCt値を求め、内標遺伝子及び組換え遺伝子に つき、それぞれの検量線から各3ウェル*とも内在性遺伝子のコピー数を内挿し、それにより得られる 値の平均を内在性遺伝子のコピー数及び組換え遺伝子のコピー数とする。次に次式に従って、対象組換 えDNA技術応用食品含有率を求める。 対象組換えDNA技術応用食品含有率(%) [組換え遺伝子のコピー数/(内在性遺伝子のコピー数×内標比)]×100 * = 対象組換えDNA技術応用食品含有率(%) [組換え遺伝子のコピー数/(内在性遺伝子のコピー数×内標比)]×100 大豆の場合、現在のところ市場に流通している遺伝子組換え大豆はRoundup Ready Soybeanのみであ り、Le-1とRRS遺伝子のコピー数から算出された値は、遺伝子組換え大豆の含有率を示している。 Roche LightCycler System を用いた場合には、1DNA試料液当たり各3ウェルではなく、2キャピラ リーで実施するので、2.1.2.4.3.項で得られた2キャピラリー分のデータの平均値を内在性遺伝子の コピー数及び組換え遺伝子のコピー数とする。 * 2.1.4. 結果の判定 3試料につき各1回の抽出を行い、ELISA法又は定量PCR法により得られたRRSの含有率にLLSの含有率と RRS2の含有率を加えた値が5%を超えた試料については、不適切な分別生産流通管理が行われていた可 能性がある。 2.2. トウモロコシ検査法 トウモロコシでは、異なった発現タンパク質をもつ組換え系統が存在する上、同一の発現タンパク質が 発現する組換え系統であっても、組換え系統毎にタンパク質の発現量が異なるため、多種の遺伝子組換え トウモロコシが混入している穀粒では、遺伝子組換えトウモロコシの含有率を求める目的でELISA法を用 いることはできない。したがって、定量PCR法が有効な分析手法となる。また、今般、トウモロコシ穀粒 の一粒中に複数系統の組換えDNA配列が存在するスタック品種が多種開発されていることから、トウモ ロコシ穀粒を一粒単位で検査する必要がある。 これらスタック品種が混入した場合、2.2.1.項の定量PCR法では実際の混入率よりも高い数値となるた め、分別生産流通管理を行っている非遺伝子組換えトウモロコシにおいて混入率が5%を超え、スタック 品種の混入が疑われた場合は、2.2.2.項の粒単位検査法を実施する。 なお、本法により混入率が5%以下である結果が判明した場合、当該トウモロコシは分別生産流通管理 が適切に実施されたものとして取扱うこととする。 Roche LightCycler System を用いた場合には、1DNA試料液当たり各3ウェルではなく、2キャピラ リーで実施するので、3.1.2.4.3.記載の解析の結果得られた2キャピラリー分のデータの平均値を内 在性遺伝子のコピー数及び組換え遺伝子のコピー数とする。 3.1.4. 結果の判定 3試料につき各1回の抽出を行い、ELISA法又は定量PCR法により得られた値の平均が5%を越えた試料 については、不適切な分別生産流通管理が行われていた可能性がある。 3.2. トウモロコシ トウモロコシでは、異なった発現タンパク質をもつ組換え系統が存在する上、同一の発現タンパク質が 発現する組換え系統であっても、組換え系統毎にタンパク質の発現量が異なるため、多種の遺伝子組換え トウモロコシが混入している穀粒では、遺伝子組換えトウモロコシの含有率を求める目的でELISA法を用 いることはできない。したがって、定量PCR法でのみ分析が可能である。 2.2.1. 定量PCR法 上述のように、トウモロコシでは分析対象が複数系統存在するため、まずスクリーニングを実施し、 得られた結果に基づき、さらに系統毎の分別定量を行い、組換え系統毎の定量値を合計して、結果の判 定を行う。なお、トウモロコシの場合、トウモロコシに普遍的に存在する内在性遺伝子として、スター チシンターゼIIb(SSIIb)遺伝子を用い、同遺伝子を標的とするプライマー対SSIIb-3とプローブSSIIb - 27 - 3.2.1. 定量PCR法 上述のように、トウモロコシでは分析対象が複数系統存在するため、まず一次スクリーニングを実施 し、得られた結果に基づき、さらに系統毎の分別定量を行い、組換え系統毎の定量値を合計して、結果 の判定を行う。なお、トウモロコシの場合、トウモロコシに普遍的に存在する内在性遺伝子として、ス ターチシンターゼIIb(SSIIb)遺伝子を用い、同遺伝子を標的とするプライマー対SSIIb-3とプローブS SIIb-Taqを使用して得られた同遺伝子のコピー数と、分析対象となる組換え遺伝子を標的とするプライ -Taqを使用して得られた同遺伝子のコピー数と、分析対象となる組換え遺伝子を標的とするプライマー 対とプローブを使用して得られた対象遺伝子のコピー数を大豆の場合と同様に算出し、2.1.3.項で示し た式に基づき対象遺伝子組換えトウモロコシの含有率を求める。 2.2.1.1. スクリーニング 2.2.1.1.1. Cauliflower mosaic virus由来の35S promoterが組み込まれた組換え系統の定量 組換えトウモロコシ系統Event176、Bt11、T25、NK603、MON863、TC1507及びMon810には、共通し てCauliflower mosaic virus由来の35S promoter(P35S)配列が組み込まれているため、同配列含 量を指標として、これらの系統の混合物については、大まかな含量を推定することが可能である。 分析方法は、用いるプライマー対、プローブを除き大豆の定量PCR法で示された方法と同一である。 内在性遺伝子として、スターチシンターゼIIb(SSIIb)遺伝子を用い、同遺伝子を標的とするプラ イマー対SSIIb-3とプローブSSIIb-Taqを使用する。対象遺伝子のプライマー対とプローブはP35S-1 とP35S-Taq*であり、別紙に規定された内標比を用いて、最終的にP35S配列が組み込まれた遺伝子 組換えトウモロコシの含有率を算出する。 マー対とプローブを使用して得られた対象遺伝子のコピー数を大豆の場合と同様に算出し、3.1.3.で示 した式に基づき対象遺伝子組換えトウモロコシの含有率を求める。 3.2.1.1. スクリーニング 3.2.1.1.1. Cauliflower mosaic virus由来の35S promoterが組み込まれた組換え系統の定量 組換えトウモロコシ系統Event176、Bt11、T25及びMon810には、共通してCauliflower mosaic vi rus由来の35S promoter(CaM)配列が組み込まれているため、同配列含量を指標として、これらの 系統の混合物については、大まかな含量を推定することが可能である。分析方法は、用いるプライ マー対、プローブを除き大豆の定量PCR法で示された方法と同一である。内在性遺伝子として、ス ターチシンターゼIIb(SSIIb)遺伝子を用い、同遺伝子を標的とするプライマー対SSIIb-3とプロ ーブSSIIb-Taqを使用する。対象遺伝子のプライマー対とプローブはP35S-1とP35S-Taq*であり、 別紙に規定された内標比を用いて、最終的にCaM配列が組み込まれた遺伝子組換えトウモロコシの 含有率を算出する。 * * P35S-1とP35S-Taqを用いた際の内標比はMon810を対象として算出されたものを用いる。同系統 は組換え遺伝子中に35S promoterが1コピーしか存在しないことから、遺伝子組換えトウモロコ シの含有率を過小評価する可能性が低い。なお、P35S-Taqは、他のプローブの半分の濃度(終濃 度:0.1μmol/L)で使用するため、反応液の調製の際には留意する(定量機器にRoche LightCyc ler Systemを用いる場合には、これに当たらず、他のプローブと同濃度で使用する)。 2.2.1.1.2. GA21の定量 組換え系統GA21は、P35S配列が組み込まれていない。したがって、本系統の含有率を確認するた め、P35S配列を分析するものと同一のDNA試料液について、別にGA21に特異的なプライマー対GA213とプローブGA21-Taqを用い、2.2.1.1.1.項と同様の方法でGA21遺伝子のコピー数を算出し、GA21 の含有率を求める。 2.2.1.1.3. 結果の判定 3試料につき、各1回の抽出を行い、得られたDNA試料液について定量PCR行った結果、P35S配列が 組み込まれた遺伝子組換えトウモロコシの含有率にGA21の含有率を加えた値が4.5%を越える場合、 さらに、別に2回の抽出を行い、計3回の抽出より得られたDNA試料液について、それぞれトウモロ コシ組換え系統特異的定量を行う。 2.2.1.2. トウモロコシ組換え系統特異的定量 2.2.1.2.1. Event176、Bt11、T25及びMon810の定量 GA21については、2.2.1.1.2.項と同様の方法で行う。組換え系統Event176、Bt11、T25及びMon81 0については、定量用プライマー対とプローブとして、それぞれE176-2とE176-Taq、Bt11-3とBt11Taq、T25-1とT25-Taq及びM810-2とM810-Taqを用い、2.2.1.1.1.項と同様の方法*1 *2でEvent176、 Bt11、T25、Mon810の各遺伝子のコピー数を算出し、Event176、Bt11、T25、Mon810の系統別含有率 を求める。 3.2.1.1.2. GA21の定量 組換え系統GA21は、CaM配列が組み込まれていない。したがって、本系統の含有率を確認するた め、CaM配列を分析するものと同一のDNA試料液について、別にGA21に特異的なプライマー対GA21-3 とプローブGA21-Taqを用い、3.2.1.1.1.と同様の方法でGA21遺伝子のコピー数を算出し、GA21の含 有率を求める。 3.2.1.1.3. 結果の判定 3試料につき、各1回の抽出を行い、得られたDNA試料液について定量PCR行った結果、CaM配列が 組み込まれた遺伝子組換えトウモロコシの含有率にGA21の含有率を加えた値が4.5%を越える場合、 さらに、別に2回の抽出を行い、計3回の抽出より得られたDNA試料液について、それぞれトウモロ コシ組換え系統特異的定量を行う。 3.2.1.2. トウモロコシ組換え系統特異的定量 3.2.1.2.1. Event176、Bt11、T25及びMon810の定量 GA21については、3.2.1.1.2.と同様の方法で行う。組換え系統Event176、Bt11、T25及びMon810 については、定量用プライマー対とプローブとして、それぞれE176-2とE176-Taq、Bt11-3とBt11-T aq、T25-1とT25-Taq及びM810-2とM810-Taqを用い、3.2.1.1.1.と同様の方法*でEvent176、Bt11、 T25、Mon810の各遺伝子のコピー数を算出し、Event176、Bt11、T25、Mon810の系統別含有率を求め る。 * *1 Roche LightCycler Systemを用いてBt11を対象とする測定を行う場合は、反応液組成(MgCl2 濃度)が異なるため、注意する。組成を以下に示す。 LC-FastStart DNA Master Hybridization Probes 2μL、対象プライマー対溶液(25μmol/L) 0. 4μL、対象プローブ溶液(10μmol/L)0.4μL、水 11.4μL、MgCl2溶液(25mM)0.8μL、10ng/ μL DNA試料液 5μL(50ng)、又は検量線用標準プラスミドDNA溶液 5μL、あるいは5ng/μL Co lE1/TE溶液(ブランク試料液:NTC) 5μL *2 AB 7500を用いてトウモロコシ組換え系統特異的定量試験を行うことはできない。 2.2.1.3. 結果の判定 2.2.1.1.項で得られたGA21、及び2.2.1.2.項で得られたEvent 176、Bt11、T25及びMon810の含有率 について、1DNA試料液ずつ総和を算出する。それらの平均が5%を超えた試料については、不適切な 分別生産流通管理が行われていた可能性がある。 2.2.2. 粒単位検査法 トウモロコシ穀粒試料から92粒をランダムサンプリングし、以下の手順に従って遺伝子組換え穀粒を 検知する。試験有効粒数90粒におけるその粒数を定量し、遺伝子組換え穀粒の混入率を求める。 なお、遺伝子組換え穀粒の粒数が92粒(試験有効粒数90粒)中に3以上9以下の場合はさらに2回目の9 2粒の粒単位検査法を行い、1回目と2回目の総和184粒(試験有効粒数180粒)における遺伝子組換え穀 - 28 - P35S-1とP35S-Taqを用いた際の内標比はMon810を対象として算出されたものを用いる。同系統 は米国で最も作付け面積が広い組換え系統であること、組換え遺伝子中に35S promoterが1コピ ーしか存在しないことから、遺伝子組換えトウモロコシの含有率を過小評価する可能性が低い。 なお、P35S-Taqは、他のプローブの半分の濃度(終濃度:0.1 mol/L)で使用するため、反応液 の調製の際には留意する(定量機器にRoche LightCycler Systemを用いる場合には、これに当た らず、他のプローブと同濃度で使用する。)。 Roche LightCycler Systemを用いてBt11を対象とする測定を行う場合は、反応液組成(MgCl2 濃度)が異なるため、注意する。組成を以下に示す。 LC-FastStart DNA Master Hybridization Probes 2μL、対象プライマー対溶液(25μmol/L)0. 4μL、対象プローブ溶液(10μmol/L)0.4μL、水11.4μL、MgCl2 溶液(25mM)0.8μL、10ng/ μL DNA試料液5μL(50ng)、又は検量線用標準プラスミドDNA溶液5μL、あるいは5ng/μL ColE 1/TE溶液(ブランク試料液:NTC)5μL。 また、ABI PRISMTM 7500を用いてトウモロコシ組換え系統特異的定量試験は行うことができない。 3.2.2. 結果の判定 3.2.1.1.2.で得られたGA21、Event 176、Bt11、T25及びMon810の含有率について、1DNA試料液ずつ総 和を算出し、それらの平均が5%を越えた試料については、不適切な分別生産流通管理が行われていた 可能性がある。 粒の粒数を定量し、混入率を求める。 本法の適用機種はABI PRISMTM 7900、ABI 7500である*。 * その他のリアルタイムPCR機器として、ABI PRISMTM 7700、ABI PRISMTM 7000、LightCyclerTM 480 等が適用可能であると考えられるが、使用する機器によって、操作、条件、感度等が異なるので、粒 単位検査法用標準プラスミドDNA溶液を用いて事前にPCR用反応液の調製法、PCR条件、解析方法を最 適化する必要がある。 2.2.2.1. マルチプレックスリアルタイムPCRを用いた定性検知法 トウモロコシ陽性対照用プライマー対及びプローブは2.2.1.1.項と同様である。ただし、スターチ シンターゼIIb(SSIIb)遺伝子検知用プローブは蛍光色素としてVICを標識したプローブSSIIb-TaqV を用いる。 各粒由来DNA試料液につき1ウェル(92試料、92ウェル)、またPCRのブランク反応液として、必ずD NA試料液を加えないものを2ウェル分、粒単位検査法用標準プラスミドDNA溶液として2ウェル分、の 合計96ウェルで分析を行う。 2.2.2.1.1. PCR 用反応液の調製 PCR用反応液は25μL/wellとして調製する。その組成は以下のとおりである。 Universal PCR Master Mix*112.5μL、対象プライマー対としてSSIIb-3(25μmol/L) 0.5μL *2、GA21-3(25μmol/L) 0.25μL*2、P35S-1(25μmol/L) 0.25μL*2、対象プローブとしてS SIIb-TaqV(10μmol/L) 0.5μL*3、GA21-Taq(10μmol/L) 0.25μL*3、P35S-Taq(10μmol/L) 0.25μL*3、を混合し、水で全量22.5μLに調製後、粒由来各DNA試料液2.5μLを添加する。分注 操作終了後、真上からシール*4し、完全にウェルを密閉する。このとき、しわが寄らないよう注 意し、専用のシーリング用アプリケーターを用いて行う。最後にウェルの底を観察し、底に気泡が ある場合は、プレートの縁を軽く叩いて気泡を抜いておく*5。 *1 Universal PCR Master Mix 本試薬は粘性が高いため、混合操作を行う際には、混合が確実に行われるように注意する。不 十分な場合には、PCRがうまくいかない場合がある。使う直前には必ずボルテックスミキサー を用いて3秒程度混合した後、軽く遠心し、溶液を試料管の底に集めておいてから使用する。 また、ウェルに分注する際は、以後撹拌、遠心が困難なことを考慮し、ウェルの底に確実に入 れる。 *2 対象プライマー対としてSSIIb-3、GA21-3、P35S-1を用いる。 *3 対象プローブとして、蛍光色素としてVICを標識しているSSIIb-TaqV、蛍光色素としてFAMを標 識しているGA21-Taq、P35S-Taqを用いる。 SSIIb-TaqVは以下のとおりである。(プローブは水で溶解する。) 5'-VIC-AGC AAA GTC AGA GCG CTG CAA TGC A-TAMRA-3' *4 96ウェルプレート、シール及びシーリングアプリケーター MicroAmp Optical 96-Well Reaction Plate(Life Technologies社)及びABI PRISM Optical Adhesive Cover(Life Technologies社)を使用する。シーリングの詳細については製品付属 のマニュアルを参考のこと。 *5 ABI PRISMTM 7900の場合は、プレートの確認後、ABI PRISM Optical Cover Compression Pad (Life Technologies)を茶色の面が上になるよう、プレートの上面にセットする。なお、20 回以上の繰り返し使用は、定量結果に影響を及ぼす可能性があるため、避けること。 2.2.2.1.2. プレート情報の設定 反応に際しては、プレート情報の設定を行わなければならない。設定を行う項目は、検体の配置 と種類及び、プローブ特性である。具体的には新規シート上で、調製したプレートの配置に対応す るように気を付けながら、検体の種類(「UNKN」:DNA試料液)の設定を行う。またプローブ特性に 関しては、SSIIb-TaqVは、Reporterが「VIC」、Quencherが「TAMRA」、P35S-Taq及びGA21-TaqはRep orterが「FAM」、Quencherが「TAMRA」、となるように設定する*。なお、Passive Referenceを「R OX」と設定する。 * 蛍光色素のDetector を登録する際に、 「SSIIb」は「VIC」、 「GA21&P35S」は「FAM」に設定する。 2.2.2.1.3. PCR 装置にプレートをセットし、反応とデータの取り込みを開始する。反応条件は以下のとおりであ る。 50℃、2分間の条件で保持した後、95℃で10分間加温し、ホットスタート法で反応を開始する。 その後、95℃ 30秒間、59℃ 1分30秒間を1サイクルとして、45サイクルの増幅反応を行う。なお反 - 29 - 応条件の設定において9600 emulationモードのチェックを入れておく。Remaining timeが0分とな っていることを確認し、反応を終了させた後、測定結果の解析を行う。 2.2.2.1.4. PCR結果の解析 各粒由来DNA試料液のいずれについても、結果の判定は、Amplification plot上で指数関数的な 増幅曲線の確認及びmulticomponent上での対象色素由来の蛍光強度(FAM)の指数関数的な明確な 増加の確認をもって行う。 第一に目視でAmplification plot上で15サイクル以降に指数関数的な増幅曲線が確認されたDNA 試料液を遺伝子組換え穀粒(由来)と判定する。一方、15サイクル以降に指数関数的な増幅曲線が 確認されないDNA試料液を非遺伝子組換え穀粒(由来)と判定する。 なお上記判定により遺伝子組換え穀粒と判定された結果についてmulticomponentを解析し、目視 でFAMの顕著な増加が観察でき、ROXの蛍光強度の明確な下降やFAMの蛍光強度の緩やかな上昇がな いことを確認する。 また、各DNA試料液のSSIIbのAmplification plot 上で15サイクル以降に指数関数的な増幅曲線 が確認されない場合には、当該DNA試料液に対してマルチプレックスリアルタイムPCRを用いた粒単 位の定性検知法以降の操作を行い、それでも同様の結果の場合には、そのDNA試料液での結果を無 効とする。SSIIbの増幅曲線が確認されるDNA試料液における試験は有効と判断され、92粒のDNA試 料液中で90粒のDNA 試料液以上におけるSSIIbの増幅曲線が確認される場合は、本試験は成立する。 その後、SSIIbの増幅曲線が確認されたDNA試料液の結果から遺伝子組換え穀粒と非遺伝子組換え穀 粒の数を測定する。89粒のDNA 試料液以下におけるSSIIbの増幅曲線が確認された場合は、本試験 は不成立として、改めて92粒のランダムサンプリングを行い、1.の粒単位粉砕から試験を実施する。 なおマルチプレックスリアルタイム PCRを用いた粒単位の定性検知法では、ABI PRISMTM 7900及 びABI 7500以外のリアルタイムPCR機器として、ABI PRISMTM 7700、ABI PRISMTM 7000、LightCycl erTM 480等が適用可能であると考えられる。使用するリアルタイムPCR機器によって、操作、条件、 感度等が異なるので、粒単位検査法用標準プラスミドDNA溶液を用いて事前にPCR用反応液の調製法、 PCR条件、解析方法を最適化する必要がある。 2.2.2.2. 結果の判定 2.2.2.1.4.項で得られた結果において、92粒(試験有効粒数90粒)中における遺伝子組換え穀粒の 粒数が2以下であれば、適切に分別生産流通管理が行われたと判断する。 遺伝子組換え穀粒の粒数が3以上9以下で、2回目を行った場合は、1回目と2回目の総和 184粒(試 験有効粒数180粒)中における遺伝子組換え穀粒の粒数が9以下であれば適切に分別生産流通管理が行 われたと判断する。 1回目の結果における遺伝子組換え穀粒の粒数が10以上の試料、あるいは1回目と2回目の総和184粒 (試験有効粒数180粒)中における遺伝子組換え穀粒の粒数が10以上の試料については不適切な分別 生産流通管理が行われていた可能性がある。 2.2.2.3. 参考検査法 参考検査法として遺伝子組換えトウモロコシ系統判別マルチプレックス定性PCRの検査法を示す。 2.2.2.1.4.項において遺伝子組換え穀粒と判定したDNA試料液について定性PCRを行い、系統を判別 する。 2.2.2.3.1. PCR増幅 PCR用反応試料管に反応液を以下のように調製する。反応液は、PCR緩衝液*1、0.2mmol/L dNTP、 1.5mmol/L塩化マグネシウム、プライマー対混合液*2並びに1.25units Taq DNAポリメラーゼ*3 を含む液に、2.3.4.項で調製したDNA試料液2.5μL(25ng)*4を氷中で加え、全量を25μLにする。 次に、その反応試料管をPCR増幅装置*5にセットする。反応条件は次のとおりである。95℃に10分 間保ち反応を開始させた後、95℃ 30秒間、65℃ 60秒間、72℃ 60秒間を1サイクルとして、10サイ クルのPCR増幅を行う。続けて95℃ 30秒間、60℃ 60秒間、72℃ 60秒間を1サイクルとして、27サ イクルのPCR増幅を行う。次に終了反応として72℃ で7分間保った後、4℃で保存し、得られた反応 液をPCR増幅反応液とする。PCRのブランク反応液として、必ずプライマー対混合液を加えないもの 及びDNA試料液を加えないものについても同時に調製する。 *1 PCR緩衝液 PCR buffer II(ライフテクノロジーズジャパン社製、塩化マグネシウムを含まないもの)又 は同等の結果が得られるものを用いる。 *2 プライマー対混合液の各プライマー対最終濃度及び塩基配列は以下のとおりである。 NK603 F-primer(M810 1-5'):0.2μmol/L:5'-GAG TTT CCT TTT TGT TGC TCT C-3' R-primer(NK603 1-3'):0.2μmol/L:5'-GCT GCT TGC ACC GTG AAG -3' - 30 - Event176 F-primer(Event176 1-5'):0.05μmol/L:5'-GTA GCA GAC ACC CCT CTC CAC A-3' R-primer(cryIA 1-3'):0.2μmol/L:5'- TCG TTG ATG TTK GGG TTG TTG TTC-3' T25 F-primer(T25 2-5'):0.1μmol/L:5'-GGC ATG ATG TTG GTT TTT GGC AAA G-3' R-primer(T25 2-3'):0.1μmol/L:5'-AAT TCG AGC TCG GTA CCC CT-3' GA21 F-primer(GA21 1-5'):0.1μmol/L:5'-ACG GTG GAA GAG TTC AAT GTA TG-3' R-primer(GA21 1-3'):0.1μmol/L:5'-TCT CCT TGA TGG GCT GCA-3' MON863 F-primer(M863 1-5'):0.2μmol/L:5'-GAT GAC CTG ACC TAC CAG A-3' R-primer(M863 1-3'):0.2μmol/L:5'-GCA CAC ACA TCA ACC AAA TT-3' MON810 F-primer(M810 1-5'):0.2μmol/L:5'-GAG TTT CCT TTT TGT TGC TCT C-3' R-primer(cryIA 1-3'):0.2μmol/L:5'- TCG TTG ATG TTK GGG TTG TTG TTC-3' ssIIb F-primer(ssIIb 1-5'):0.045μmol/L:5'-CTC CCA ATC CTT TGA CAT CTG C-3' R-primer(ssIIb 1-3'):0.045μmol/L:5'-TCG ATT TCT CTC TTG GTG ACA GG-3' TC1507 F-primer(TC1507 1-5'):0.1μmol/L:5'-TTG ACA GGT TTG AGT TGA TTC CAG-3' R-primer(TC1507 1-3'):0.1μmol/L:5'-CCA AGA ACT CAT GTT AGT CGC AA-3' Bt11 F-primer(Bt11 1-5'):0.2μmol/L:5'- CCA TTT TTC AGC TAG GAA GTT C-3' R-primer(cryIA 1-3'):0.2μmol/L:5'- TCG TTG ATG TTK GGG TTG TTG TTC-3' *3 Taq DNA ポリメラーゼ AmpliTaq Gold DNA ポリメラーゼ(ライフテクノロジーズジャパン社製)又は同等の結果が得 られるものを用いる。 *4 DNA試料液の濃度は10ng/mLに調製して使用する。 *5 PCR増幅装置 GeneAmp PCR System 9700(ライフテクノロジーズジャパン社製)又は同等の結果が得られる ものを用いる。 2.2.2.3.2. 系統判別 ブランク反応液を除く全てのレーンでSSIIb(151bp)のPCR増幅バンドが検出されていることを 確認する。次にDNA分子量標準を基に、SSIIb以外の検出されたPCR増幅バンドの予定長を概算する。 検出されたPCR増幅バンドの遺伝子組換えトウモロコシ系統を判別する*。ブランク反応液を除く 全てのレーンでSSIIbの増幅バンドが検出されなかった場合は、電気泳動以降の操作をやり直す。 再度、同様の結果が得られた場合は、改めてPCR増幅以降の操作を実施して判別を行う。 * 各遺伝子組換えトウモロコシ系統のPCR増幅バンドの予定長 - 31 - Targetted GM NK603 Event176 T25 GA21 MON863 MON810 ssIIb TC1507 Bt11 Name M810 1-5' NK603 1-3' Event176 1-5' cryIA 1-3' T25 2-5' T25 2-3' GA21 1-5' GA21 1-3' M863 1-5' M863 1-3' M810 1-5' cryIA 1-3' ssIIb 1-5' ssIIb 1-3' TC1507 1-5' TC1507 1-3' Bt11 1-5' cryIA 1-3' Amplicon (bp) 444 343 311 270 234 199 151 131 110 2.3. DNA抽出精製法 DNAの抽出精製の際用いる水は、特に断り書きがない限り全て逆浸透膜精製したRO水又は蒸留水をMilli -Q等で17MΩ/cmまで精製した超純水など、DNA、DNase等がコンタミネーションしていないものを用いるこ と。 2.3.1 トウモロコシ及び大豆穀粒からのDNA抽出精製法 界面活性剤セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)とフェノール/クロロホルム混合液を用 いて抽出精製するCTAB法は、応用範囲が広い上、PCR阻害物質が残存しにくく、純度の高いDNAを得るこ とができる非常に優れた方法であるが、フェノール、クロロホルムという有害試薬を用いること及び煩 雑な精製操作が必要という欠点がある。市販のDNA抽出キットを用いるとこれらの欠点を解消すること ができる。市販のDNA抽出キットには、シリカゲル膜タイプのもの、シリカベースのレジンタイプのも の、イオン交換樹脂タイプのもの、マグネット吸着ビーズタイプのものがあるが、いずれの方法を利用 しても、トウモロコシ、大豆等の穀粒からPCRに利用可能なDNAを抽出精製することができる。以上の点 を考慮して、本項では、CTAB法とシリカゲル膜タイプキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit並びにNI PPON GENE GM quicker)を用いた方法、シリカベースのレジンタイプのキット(Promega Wizard DNA C lean-up System)を用いた方法を記す。なお、シリカゲル膜タイプキット法は、使用するキット及び、 適用する試料によって操作方法が異なるため注意する。 2.3.1.1. CTAB法 均質に粉砕された試料2gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、CTAB緩衝液*1 15mLを 入れ、ホモジナイザーで組織が見えなくなるまで均一化する。遠沈管の縁とホモジナイザーの先を洗 浄するようにCTAB緩衝液 30mLを加え、転倒混和後55℃で30分間放置する*2。次いで放置液を撹拌し、 均質化した溶液600μLをマイクロ遠沈管(1.5mL容)に量り採る。次いで500μLのフェノール/クロロ ホルム混合液*3を加え、転倒混和後ミキサーで軽く懸濁し、7,500×gで15分間室温遠心後、水層(上 層)を新しいマイクロ遠沈管に移す。この時中間層に触れないように注意する。クロロホルム/イソ アミルアルコール混合液*4 500μLを加え、転倒混和後ミキサーで軽く懸濁し、7,500×gで15分間室 温で遠心後、水層(上層)を新しいマイクロ遠沈管に移す。等容量のイソプロピルアルコール(室温) を加え、転倒混和後7,500×gで10分間室温遠心し、デカンテーションで上澄み液を捨てる。500μLの - 32 - 70%エタノールを壁面から静かに加え、7,500×gで1分間室温遠心し、沈殿に触れないようにできる 限りエタノールを吸い取り捨てる。その後、2~3分間真空乾燥する。このとき完全に乾燥しないよう に注意する。50μLのTE緩衝液*5を加えてよく混和後、室温に15分間放置して、時々転倒混和して完 全に溶かす。RNase A 5μLを加え、37℃で30分間放置する。200μLのCTAB緩衝液を加えた後、250μL のクロロホルム/イソアミルアルコール混合液を加え、転倒混和後ミキサーで軽く懸濁し、7,500×g で15分間室温遠心後、水層(上層)を新しいマイクロ遠沈管に移す。このとき、中間層に触れないよ うに採取する。200μLのイソプロピルアルコールを加え、転倒混和してから、7,500×gで10分間、室 温で遠心し、デカンテーションで上澄み液を捨てる。次いで、200μLの70%エタノールを壁面から静 かに加え、7,500×gで1分間室温遠心し、沈殿に触れないようにできる限りエタノールを吸い取り捨 てる。その後、2~3分間真空乾燥する。このとき、完全に乾燥しないよう注意する。50μLの水を加 えて混合した後、15分間室温に放置して、時々転倒混和して完全に溶解したものをDNA試料原液*6と する。 *1 CTAB緩衝液 ビーカーに、0.5mol/L EDTA(pH8.0)8mL、1mol/L Tris-塩酸(pH8.0)20mL、5mol/L食塩水56m Lを入れ、約150mLとなるように水を加え、撹拌しながらCTAB 4gを加えて完全に溶解する。さら に水を加え全量を200mLとし、オートクレーブで滅菌したものをCTAB緩衝液とする。 *2 ホモジナイザーを使用しない場合には、ボルテックスミキサーを用いて試料塊がないように激し く混合する。その際には、まず15mLのCTAB緩衝液を加え十分に混合した後、さらにCTAB緩衝液30 mLを加え混合する。混合後は、加温処理以降の操作に従う。 *3 フェノール/クロロホルム混合液 1mol/L Tris-塩酸(pH8.0)飽和フェノールとクロロホルム/イソアミルアルコール混合液を1: 1(v/v)で混合したものをフェノール/クロロホルム混合液とする。 *4 クロロホルム/イソアミルアルコール混合液 クロロホルムとイソアミルアルコールを24:1(v/v)で混合したものをクロロホルム/イソアミ ルアルコール混合液とする。 *5 TE緩衝液 各最終濃度が10mmol/L Tris-塩酸(pH8.0)、1mmol/L EDTA(pH8.0)となるように水を用いて 調製したものをTE緩衝液とする。 *6 定量PCRに供する際は、DNA試料液はTE緩衝液を用いてDNAを溶解し、濃度を調製したものとする。 そのため、定量PCR法を実施することを目的としてDNA抽出を行う場合には、真空乾燥させた沈殿 に50μLのTE緩衝液を加えて混合した後、4℃で一晩保存することで完全に溶解し、DNA試料原液 とする。 2.3.1.2. シリカゲル膜タイプキット法(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit:トウモロコシに適用) 均質に粉砕した試料2gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、あらかじめ65℃に温めて おいたAP1緩衝液*110mLとRNase A 20μLを加え、試料塊がないようにボルテックスミキサーで激し く混合し、65℃で15分間加温する。その間2、3回、遠沈管を反転させて試料を攪拌する。AP2緩衝液 *2 3,250μLを加え、氷上に10分間静置した後、4,000×g以上、4℃の条件で20分間遠心する*3。次 いでその上清 500μLをQIAshredder spin columnに負荷し、10,000×g以上で4分間遠心後、溶出液を 遠沈管(15mL容)に移す。この操作を再度繰り返した後、その溶出液の1.5倍量のAP3緩衝液*4・エ タノール混液*5を加える。その混合液500μLをmini spin columnに負荷し、10,000×g以上で1分間 *6遠心する。残りの混合液のうち、さらに500μLを同じmini spin columnに負荷し、同条件で遠心 し溶出液を捨てる。最終的に混合液が全てなくなるまで同様の操作を繰り返す。次いでAW緩衝液*7 500μLを負荷し、10,000×g以上で1分間*6遠心し、溶出液を捨てる。同様の操作を計3回繰り返す。 溶出液を捨て、mini spin columnを乾燥させるため、10,000×g以上で20分間遠心する。mini spin c olumnをキットの遠沈管に移し、あらかじめ65℃に温めておいた水70μLを加え、5分間静置した後、1 0,000×g以上で1分間遠心しDNAを溶出する。もう一度水を加え、同じ操作を行い、得られた溶出液を 合わせ、DNA試料原液*8とする。 *1 AP1緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit)付属のもの、あるいは別途購入 したものを用いる。 *2 AP2緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit)付属のもの、あるいは別途購入 したものを用いる。 *3 遠心後の上清 上清を確認し、澄明でない場合には、同条件での遠心操作を再度繰り返し、以降の操作を行う。 *4 AP3緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit)付属のもの、あるいは別途購入 - 33 - したものを用いる。 *5 AP3緩衝液・エタノール混液 AP3緩衝液*4とエタノール(96-100%)を1:2で混合したものをAP3緩衝液・エタノール混液と する。 *6 遠心時間 mini spin columnに負荷する液の性状により、カラムの通過に時間がかかることがある。全ての 液がカラムを通過するのに必要な遠心時間を適宜、調整する。 *7 AW緩衝液 使用する直前に、容器ラベルに記載された適量のエタノ-ル(96-100%)を混合したものをAW緩 衝液とする。 *8 定量PCRに供する際は、spin columnの乾燥以降の操作を下記のとおり変更し行う。 「mini spin columnをキットの遠沈管に移し、あらかじめ65℃に温めておいたTE緩衝液 70μLを 加え、5分間静置した後、10,000×g以上で1分間遠心しDNAを溶出する。もう一度TE緩衝液を加え、 同じ操作を行い、得られた溶出液を合わせ、DNA試料原液とする。」 2.3.1.3. シリカゲル膜タイプキット法(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit: 大豆に適用) 均質に粉砕した試料1gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、あらかじめ65℃に温めて おいたAP1緩衝液*1 10mLとRNase A 20μLを加え、試料塊がないようにボルテックスミキサーで激し く混合し、65℃で1時間加温する。その間5、6回、遠沈管を反転させて試料を攪拌する。スイング式 遠心分離機を使用し、3,000×g、室温の条件で10分間遠心後、その上清 7mLを、ポリプロピレン製遠 沈管(15mL容)に移す。AP2緩衝液*2 2,500μLを加え、ボルテックスミキサーで10秒間激しく攪拌 する。氷上に15分間静置後、スイング式遠心機で3,000×g以上、室温の条件で35分間遠心する*3。 得られた上清のうち8mLを新しい15mLチューブに移す。ボルテックスミキサーを用いて攪拌した後、5 00μLをQIAshredder spin columnに負荷し、10,000×g以上で4分間遠心後、溶出液を遠沈管(15mL容) に移す。その溶出液の1.5倍量のAP3緩衝液*4・エタノール混液*5を加える。混合液500μLをmini s pin columnに負荷し、10,000×g以上で1分間*6遠心する。残りの混合液のうち、さらに500μLを同 じmini spin columnに負荷し、同条件で遠心し溶出液を捨てる。最終的に混合液が全てなくなるまで 同様の操作を繰り返す。次いでAW緩衝液*7 500μLを負荷し、10,000×g以上で1分間*6遠心し、溶 出液を捨てる。同様の操作を計3回繰り返す。溶出液を捨て、mini spin columnを乾燥させるため、1 0,000×g以上で20分間遠心する。mini spin columnをキットの遠沈管に移し、あらかじめ65℃に温め ておいた水 70μLを加え、5分間静置した後、10,000×g以上で1分間遠心しDNAを溶出する。もう一度 水を加え、同じ操作を行い、得られた溶出液を合わせ、DNA試料原液*8とする。 *1 AP1緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit)付属のもの、あるいは別途購入 したものを用いる。 *2 AP2緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit)付属のもの、あるいは別途購入 したものを用いる。 *3 遠心後の上清 上清を確認し、澄明でない場合には、同条件での遠心操作を再度繰り返し、以降の操作を行う。 *4 AP3緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini Kit)付属のもの、あるいは別途購入 したものを用いる。 *5 AP3緩衝液・エタノール混液 AP3緩衝液*4 とエタノール(96-100%)を1:2で混合したものをAP3緩衝液・エタノール混液と する。 *6 遠心時間 mini spin columnに負荷する液の性状により、カラムの通過に時間がかかることがある。全ての 液がカラムを通過するのに必要な遠心時間を適宜、調整する。 *7 AW緩衝液 使用する直前に、容器ラベルに記載された適量のエタノ-ル(96-100%)を混合したものをAW緩衝 液とする。 *8 定量PCRに供する際は、spin columnの乾燥以降の操作を下記のとおり変更し行う。 「mini spin columnをキットの遠沈管に移し、あらかじめ65℃に温めておいたTE緩衝液70μLを 加え、5分間静置した後、10,000×g以上で1分間遠心しDNAを溶出する。もう一度TE緩衝液を加え、 同じ操作を行い、得られた溶出液を合わせ、DNA試料原液とする。」 2.3.1.4. シリカゲル膜タイプキット法(NIPPON GENE GM quicker: トウモロコシに適用) 均質に粉砕した試料1gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、GE1緩衝液*1 6mLとRNas - 34 - e A 20μLを加え、試料塊がないようにボルテックスミキサーで30秒間混合した後*2、室温で10分間 静置する。GE2緩衝液*3 750μLを加え、10~12回転倒混和し*4、氷上に10分間静置する。5,000× g以上、4℃の条件で10分間遠心*5する。次いでその上清*6 400μLを1.5mLチューブに移し、GB3緩 衝液 50μL及びエタノール(100%) 200μLを添加した後、10~12回転倒混和する*7。混合液 650 μL(全量)をspin columnに負荷した後、13,000×g以上、4℃の条件で30秒間遠心し、溶出液を捨てる。 次いでGW緩衝液600μLを負荷し、13,000×g以上、4℃の条件で1分間遠心し、溶出液を捨てる。spin columnを乾燥させるため、13,000×g以上、4℃の条件で3分間遠心する。spin columnを新たな1.5mL 容チューブに移し、水 50μLを加え3分間室温で静置した後、13,000×g以上で1分間遠心し、得られ た溶出液をDNA試料原液*8とする。 *1 GE1緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(NIPPON GENE GM quicker)付属のもの、あるいは別途購入したも のを用いる。 *2 攪拌操作が不十分であると、DNAの収量が著しく減少する。ボルテックスに対して50mL容チュー ブを垂直にあて、そのまま30秒間しっかりと攪拌する。攪拌が不十分な場合はさらに30~60秒間 攪拌する。 *3 GE2緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(NIPPON GENE GM quicker)付属のもの、あるいは別途購入したも のを用いる。 *4 発生した泡がチューブ内に残っていても、続けてGE2緩衝液を添加することが可能である。抽出 液には粘性が生じているので、添加したGE2緩衝液が十分に均一となるよう混合する。 *5 使用するローター及び50mL容チューブの特性を考慮したうえで、gが最大となるように遠心条件 を設定する。 *6 沈殿や浮遊物等を可能な限り取らないように上清を回収する。また、上清は4mL程分取すること が可能であり、4℃の条件であれば、数日は安定である。その後の試験にあわせ、DNAの再抽出・ 精製が必要となった場合には、本上清を用い、それ以降の操作を実施する。 *7 GB3緩衝液を添加し、続いてエタノールを添加した後に、攪拌操作を行う。析出物が生じて白濁 している場合は、液が透明になるまで十分転倒混和する。 *8 定量PCRに供する際は、spin columnの乾燥以降の操作を下記のとおり変更し行う。 「spin columnを新たな1.5mL容チューブに移し、TE緩衝液 50μLを加え3分間室温で静置した後、 13,000×g以上で1分間遠心し、得られた溶出液をDNA試料原液とする。」 2.3.1.5. シリカゲル膜タイプキット法(NIPPON GENE GM quicker: 大豆に適用) 均質に粉砕した試料1gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、GE1緩衝液*1 12mLとRNa se A 40μLを加え、試料塊がないようにボルテックスミキサーで30秒間混合した後*2、室温で10分 間静置する。GE2緩衝液*3 1,500μLを加え、10~12回転倒混和し*4、氷上に10分間静置する。5,0 00×g以上、4℃の条件で10分間遠心する*5。次いでその上清*6700μLを2.0mLチューブに移し、GE3 緩衝液 250μL及びイソプロパノール(100%) 250μLを添加した後、10~12回転倒混和する*7。混 合液600μLをspin columnに負荷し、13,000×g以上、4℃の条件で30秒間遠心し、溶出液を捨てる。 残りの混合液全量を同じspin columnに負荷し、同条件で遠心し溶出液を捨てる。次いでGW緩衝液600 μLを負荷し、13,000×g以上、4℃の条件で1分間遠心し、溶出液を捨てる。spin columnを新たな1.5 mL容チューブに移し、水 50μLを加え、3分間室温で静置した後、13,000×g以上で1分間遠心し、得 られた溶出液をDNA試料原液*8とする。 *1 GEl緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(NIPPON GENE GM quicker)付属のもの、あるいは別途購入したも のを用いる。 *2 攪拌操作が不十分であると、DNAの収量が著しく減少する。ボルテックスに対して50mL容チュー ブを垂直にあて、そのまま30秒間しっかりと攪拌する。攪拌が不十分な場合はさらに30~60秒間 攪拌する。 *3 GE2緩衝液 シリカゲル膜タイプのキット(NIPPON GENE GM quicker)付属のもの、あるいは別途購入したも のを用いる。 *4 発生した泡がチューブ内に残っていても、続けてGE2緩衝液を添加することが可能である。抽出 液には粘性が生じているので、添加したGE2緩衝液が十分に均一となるよう混合する。 *5 使用するローター及び50mL容チューブの特性を考慮したうえで、gが最大となるように遠心条件 を設定する。 *6 沈殿や浮遊物等を可能な限り取らないように上清を回収する。また、上清は8mL程分取すること が可能であり、4℃の条件であれば、数日は安定である。その後の試験にあわせ、DNAの再抽出・ 精製が必要となった場合には、本上清を用い、それ以降の操作を実施する。 - 35 - *7 GB3緩衝液を添加し、続いてイソプロパノールを添加した後に、攪拌操作を行う。析出物が生じ て白濁している場合は、液が透明になるまで十分転倒混和する。 *8 定量PCRに供する際は、spin columnの乾燥以降の操作を下記のとおり変更し行う。 「spin columnを新たな1.5mL容チューブに移し、TE緩衝液 50μLを加え3分間室温で静置した後、 13,000×g以上で1分間遠心し、得られた溶出液をDNA試料原液とする。」 2.3.1.6. シリカベースレジンタイプキット法(Promega Wizard DNA Clean-up System) 均質に粉砕した試料2gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、抽出用緩衝液*1 17.2mL、 5mol/L グアニジン-塩酸2mL及び20mg/mL Proteinase Kを0.8mL加え、激しくボルテックスミキサーで 撹拌後、55~60℃で振とうしながら3時間保温する。次いで、室温まで温度を下げ、3,000×gで10分 間遠心する。上清が濁っている場合、上清の一部をマイクロ遠沈管(1.5mL容)に移し、さらに14,00 0×gで10分間遠心する。得られた澄明な上清500μLと、DNA Clean-up Resin1mLをマイクロ遠沈管(1. 5mL容)に採り、転倒混和し、混合液とする。次にmini columnの上部に注射筒を付け、マニホールド (吸引装置)に装着する。マニホールドのコックを閉じ、吸引装置内部が十分に減圧になっているこ とを確認した後、混合液を注射筒からmini columnに負荷する。直ちにコックを開け、最速で減圧吸 引して溶液を完全に除去し、次いで2mLの80%イソプロピルアルコールを注射筒から加えカラムを洗 浄する。注射筒を外したmini columnをマイクロ遠沈管(1.5mL容)に装着し、室温下10,000×gで2分 間遠心し、カラムを乾燥する。次にmini columnを新しいマイクロ遠沈管(1.5mL容)に移し、あらか じめ65~70℃に温めておいた水100μLを滴下する*2。1分間放置後、室温下10,000×g以上で1分間遠 心し、DNA を溶出し、得られた溶出液をDNA試料原液とする。 *1 抽出用緩衝液 150mM 塩化ナトリウム、2mmol/L EDTA及び1% SDSを含む10mmol/L Tris-塩酸緩衝液 (pH7.5) *2 定量PCR法に供する際は、水の代わりにあらかじめ65~70℃に温めておいたTE緩衝液100μLを滴 下する。 2.3.2. DNA試料原液中のDNAの純度の確認並びにDNA試料液の調製と保存 DNA試料原液の適当量を取り、水あるいはTE緩衝液を用いて適宜希釈し*1、200~320nmの範囲で紫外 部吸収スペクトルを測定し、260nm及び280nmの吸光度(A260及びA280*2)を記録する。次いでA260の 値1を50ng/μL DNAとしてDNA濃度を算出する。またA260/ A280を計算する。この比が1.7~2.0になれば、 DNAが十分に精製されていることを示す。得られたDNA濃度から、DNA試料原液を以後の試験に必要な濃 度に水で希釈して*3DNA試料液とし、20μLごとにマイクロ試料管に分注し、-20℃以下で冷凍保存す る。分注したDNA試料液は、融解後直ちに使用し、残った溶液は再度保存せず廃棄する。なお、DNA試料 原液の濃度がPCRで規定された濃度に達しないときは、そのままDNA試料液として用いる。 *1 試験の目的により、DNA試料原液は水もしくはTE緩衝液で調製されている。希釈する場合には、DNA 試料原液の調製に使用した溶解液を用る。また、希釈倍率は、吸光度測定装置により適切な測定に 要する液量及び濃度域が異なるため、適宜とする。 *2 A260がDNA由来の吸光度、A280がタンパク質等不純物由来の吸光度と考える。 *3 定量PCR法に供する際は、TE緩衝液を用いて希釈する。 2.3.3. トウモロコシ粒単位のDNA抽出精製法 2.3.3.1. 粒単位の粉砕 トウモロコシ穀粒500gから92粒をランダムサンプリングし、各粒の表面に付着している他の穀粒由 来の破片を洗浄する。ランダムサンプリングした検体試料92粒を、蒸留水で洗浄後、次いで1% SDS 水溶液で洗浄除去する。再び蒸留水で洗浄する。SDSを完全に洗い流すために、最後の蒸留水による 洗浄は繰り返して行う。40℃の恒温槽で40分間乾燥させる。各粉砕用チューブ*1に検体試料1粒とメ タルコーン*11個を順に入れ、しっかりふたをして粉砕器専用ラック*1にのせ、粉砕器*2を用いて 粉砕(2,500rpm、60秒間)する。均一に粉砕するために専用ラックを反転させて再度粉砕操作を行い、 粉砕試料とする。 *1 粉砕用チューブはST-0350F-O(安井器械社製)またはその同等品、メタルコーンはMC-0316(安 井器械社製)またはその同等品、粉砕器専用ラックはTR-348FPP(安井器械社製)を用いる。 *2 粉砕器はMULTI-BEADS SHOCKER? MB701(安井器械社製)またはその同等品を用いる。 2.3.3.2. 粒単位のDNA抽出 以下のシリカゲル膜タイプキット法A(QIAGEN DNeasy96 Plant kit)またはシリカゲル膜タイプキ ット法B(NIPPON GENE GM quicker 96)に従って、92粒毎の粉砕試料からDNA抽出を行う。 2.3.3.2.1. シリカゲル膜タイプキット法A(QIAGEN DNeasy96 Plant kit) - 36 - 粉砕試料の入った各粉砕用チューブにBuffer AP1 Premix 1mLずつ添加する*1 *2。各粉砕用チ ューブを粉砕器専用ラックに移し、粉砕器にセットする。粉砕器専用ラックを固定するため、カバ ーを取り付け、両端の固定ネジを締めた後、室温、2,000rpm、15秒間の条件下で粉砕試料とBuffer AP1 Premixを混合する。その後、粉砕用チューブをチューブ用ラック*3に移し、65℃の恒温層(ま たはWater Bath等*4)で30分間、保温する。保温中は10分毎にラックごと10回反転させ、混合す る*5。 各粉砕用チューブにBuffer AP2を、170μLずつ添加し*6、フタを閉めた後にチューブ用ラック ごと5回反転させ、混合する。チューブ用ラックを-20℃の冷凍庫で30分間静置する。 各粉砕用チューブを粉砕器専用ラックに移し、遠心機*7にセットする。室温下、2,900rpmで20 分間の遠心*8の後、沈殿物の浮遊を防ぐため、慎重に粉砕器専用ラックを取り出す。各粉砕用チ ューブ内の上清を、マイクロピペットを用いて600μL、事前にラベルしておいた1.5mL容チューブ に採取する。上清の入った1.5mL容チューブを更に微量高速冷却遠心機で4℃、10,000×g 以上、5 分間の条件下で遠心する*9 *10。再度その上清400μLを、マイクロピペットを用いて、事前にラ ベルした2mL容チューブに採取する。 次いで、バキュームポンプ、Vacuum Regulator、QIAvacをホースで連結し、QIAvac内にCollecti on Microtubesを、QIAvac上にDNeasy 96 Plateをセットする*11 *12。 Buffer AP3 600μL*13を、上清の入った2mL容チューブに添加する*14。これをAP3 混合液とす る。Vortexで3秒間混合した後、DNeasy 96 Plateの各ウェルにAP3 混合液を、マイクロピペットを 用いて1mLずつ添加し*15、シールで密閉する*16。バキュームポンプの電源を入れ、Vacum Regul atorの弁を閉めて吸引を行う。全てのAP3 混合液がカラムを通過したことを確認したら、逆流を防 ぐため端からシールを慎重にはがし、Vacuum Regulatorの弁を開け圧力を開放してから、ポンプの 電源を切る。Collection Microtubesに溜まった溶出液は廃棄する*17。DNeasy 96 Plateの全ウェ ルにBuffer AWを800μLずつ添加する*18。先の操作と同様にシールをして*16吸引を行う。 全てのBuffer AWがカラムを通過したことを確認したら、逆流を防ぐため端からシールを慎重に はがし、Vacuum Regulatorの弁を開け、ポンプの電源を切る。吸引後、Collection Microtubesに 溜まった溶出液は廃棄する*17。 DNeasy 96 Plate各ウェルに99.5%エタノール(特級)を800μLずつ添加する*19。添加後、先 の操作と同様にシールをして吸引を行う。全てのエタノールがカラムを通過したことを確認したら、 逆流を防ぐため端からシールを慎重にはがし、Vacuum Regulatorの弁を開け、ポンプの電源を切る。 吸引後、Collection Microtubesを取り出し、溶出液ごと廃棄する。新しいCollection Microtubes をセットし、DNeasy 96 Plateは再度シールをして密閉し、30分間吸引してカラムを乾燥させる*2 0。乾燥後、端からシールをはがし、Vacuum Regulatorの弁を開け、ポンプの電源を切る。その後、 Collection Microtubeは取り除く。 DNA採取用のElution Microtubesを取り付け、DNeasy 96 Plate各ウェルに予め65℃に保温してお いたDWを75μLずつ添加し*21、シールして密閉する*16。室温で5分間、静置した後、先の操作と 同様に吸引を行う。全てのDWがカラムを通過したことを確認したら、逆流を防ぐため端からシール を慎重にはがし、Vacum Regulaterの弁を開け、ポンプの電源を切る。吸引後、Elution Microtube sに溜まった溶出液はそのままにしておき、再度、予め65℃に保温しておいたDWを75μLずつ添加し *21、シールして密閉する。室温で5分間、静置した後、吸引を行う。この溶出液(150μL)をDNA 試料液*22とする。 *1 予め65℃に温めておいたBuffer AP1 1mLに対してRNase A 1μLを加え、Buffer AP1 Premixを 必要量調製する。Buffer AP1 Premixを添加する際には、マイクロピペットまたは専用チップ (10mL容)を装着した連続分注機(マルチペットプラスまたはその同等品)を用いる。マルチ ペットプラスで溶液を添加する際、2押し目以降からチューブに添加する。10mL容専用チップ コンビチッププラスは1回の充てんで10回までの連続分注が可能である。 *2 粉砕チューブは事前に全てのフタを緩めておき、Buffer AP1 Premixを加える直前にフタをあ け、1本添加する度にフタを閉めるとコンタミネーションを極力防止できる。以後の操作も同 様に行う。また、フタに粉末試料が付着している場合、フタをあける際に粉末試料が飛散する ことが考えられる。飛散を防ぐため、ベンチ台で軽くタッピングして試料を落とす。Buffer A P1 Premixを添加する際にも、粉末が飛散するのを防ぐため、慎重にチューブの壁に添加する。 この時、チップの先が壁に接触した場合はチップを交換する。 *3 チューブ用ラックはTR-03(安井器械社製)またはその同等品を用いる。 *4 Water Bathを用いる場合、紙ラックごとチャックつきのビニール袋に入れて密閉し、水の混入 やラベル消失を防ぐ。 *5 粉末試料がチューブの底に溜まらないようになるまで混合する。 *6 Buffer AP2を添加する際には、マイクロピペットまたは専用チップ(1mL容)を装着した連続 分注機(マルチペットプラスまたはその同等品)を用いる。マルチペットプラスで溶液を添加 する際、2押し目以降からチューブに添加する。1mL容コンビチッププラスは2回の充てんで5回 までの連続分注が可能である。 - 37 - *7 遠心機はMETALFUGE? MBG101(安井器械社製)またはその同等品を用いる。 *8 遠心中に、番号(No.1~No.92)をラベルした1.5mL容チューブ及び2mL容チューブを用意して おく。 *9 上清を採取する際は、沈殿物や上層の膜状の物ができている場合もあるので、それらを取らな いように慎重に行う。 *10 回転数は14,000×gを推奨。 *11 バキュームポンプはDA-60D(実効排気速度:60L/分、到達圧力:3.3kPa)(ULVAC社製) またはその同等品を用い、Vacuum Regulatorは(キアゲン社製)またはその同等品を用いる。 *12 DNeasy 96 PlateはA1のウェルが左上にくるようにセットする。DNeasy 96 Plateの排出口と Collection Microtubesの注入口がしっかりと連結するよう、Collection MicrotubeとQIAvac の間に専用の板等を挟み底上げする。また、QIAvac内が密閉できないと溶出が正確に行われな いため、隙間ができていないか確認しておく。 *13 採取できた上清が400μLに満たない場合は、実際に採取した上清量に対して1.5倍量のBuffer AP3を添加する。 *14 Buffer AP3を添加する際には、マイクロピペットまたは専用チップ(10mL容)を装着した連 続分注機(マルチペットプラスまたはその同等品)を用いる。マルチペットプラスで溶液を添 加する際、2押し目以降からチューブに添加する。10mL容コンビチッププラスは1回の充てんで 16回までの連続分注が可能である。 *15 添加する際、DNeasy 96 PlateはQIAvac上にセットされた状態で行う。またA1ウェルにNo.1 のAP3混合液を添加し、A2にNo.2、A3にNo.3となるよう左上から右下に向かって順にAP3混合 液を添加する。 *16 シールで各ウェルが密閉されていない場合、コンタミネーションや低収量の原因となるため、 しっかりと密閉できていることを確認する。 *17 チューブをビニールテープで束ねておく、または指で固定しながら廃棄するとチューブの離 脱を防げる。溶出液を廃棄する際は、Collection Microtubesごとデカンテーションで廃棄す る。この際、廃液がCollection Microtubesに付着するが、キムワイプ等でふき取る。 *18 Buffer AWを添加する際には、マイクロピペットまたは専用チップ(10mL容)を装着した連続 分注機(マルチペットプラスまたはその同等品)を用いる。マルチペットプラスで溶液を添加 する際、2押し目以降からチューブに添加する。10mL容コンビチッププラスは1回の充てんで12 回までの連続分注が可能である。 *19 エタノールを添加する際には、マイクロピペットまたは専用チップ(10mL容)を装着した連 続分注機(マルチペットプラスまたはその同等品)を用いる。マルチペットプラスで溶液を添 加する際、2押し目以降からチューブに添加する。10ml容コンビチッププラスは1回の充てん で12回までの連続分注が可能である。 *20 エタノールの残存は、2.2.2.項に記述のPCR法への反応阻害が考えられる。その阻害を防ぐた め、乾燥操作前にDNeasy 96 Plateの排出口をキムワイプに押さえつけてよく拭き取る。十分 に乾燥を行うことが望ましい。 *21 DWを添加する際には、マイクロピペットまたは専用チップ(2.5mL容)を装着した連続分注機 (マルチペットプラスまたはその同等品)を用いる。マルチペットプラスで溶液を添加する際、 2押し目以降からチューブに添加する。2.5mL容コンビチッププラスは1回の充てんで33回まで の連続分注が可能である。 *22 DNA試料液は、各チューブにCollection Microtube capsを取りつけ、2.2.2.項の検査法に使 用するまで4℃で保存する。 2.3.3.2.2. シリカゲル膜タイプキット法B(NIPPON GENE GM quicker 96) 粉砕試料の入った各粉砕用チューブにGE1 Buffer Premix 1.5mLずつ添加する*1 *2。各粉砕用 チューブを粉砕器専用ラックに移し、粉砕器にセットする。粉砕器専用ラックを固定するため、カ バーを取り付け、両端の固定ネジを締めた後、室温、2,000rpm、15秒間の条件下で粉砕試料とGE1 Buffer Premixを混合する。その後、粉砕用チューブをチューブ用ラック*3に移し、室温で10分間、 静置する。 各粉砕用チューブにGE2-K Buffer を、180μLずつ添加し*4、フタを閉めた後に粉砕器専用ラッ クに移し、粉砕器にセットする。カバーを取り付け、両端の固定ネジを締めた後、室温、2,000rpm、 15秒間の条件下で混合する。 各粉砕用チューブを粉砕器専用ラックごと遠心機*5にセットする。室温下、2,900rpmで10分間 の遠心の後、沈殿物の浮遊を防ぐため、慎重に粉砕器専用ラックを取り出す。各粉砕用チューブ内 の上清を、マイクロピペットを用いて400μL、96穴プレートに採取する*6。GB3 Buffer/Isopropa nol 250μLを、上清の入った96穴プレートに添加する*7。これをGB3混合液とする。ピペッティン グで混合した後、コレクションプレートを取り付けたカラムプレートの各ウェルにGB3混合液を、 マイクロピペットを用いて650μL(全量)ずつ添加し、室温下、2,900rpmで20分間の遠心を行う。 コレクションプレートに溜まった溶出液は廃棄する*8。カラムプレートの全ウェルにGW Bufferを - 38 - 650μLずつ添加する*9。先の操作と同様に室温下、2,900rpmで10分間の遠心を行う。コレクショ ンプレートに溜まった溶出液を廃棄後、再度、室温下、2,900rpmで20分間の遠心を行い、カラムを 乾燥させる*10。乾燥後、DNA採取用のコレクションプレートを取り付け、カラムプレートの各ウ ェルにDWを50μLずつ添加し*11、室温で3分間、静置した後、室温下、2,900rpmで10分間の遠心を 行う。この溶出液をDNA試料液*12とする。 *1 GE1 Buffer 1.5mLに対してRNase A 5μLを加え、GE1 Buffer Premixを必要量調製する。GE1 B uffer Premixを添加する際には、マイクロピペットまたは専用チップ(10mL容)を装着した連 続分注機(マルチペットプラスまたはその同等品)を用いる。マルチペットプラスで溶液を添 加する際、2押し目以降からチューブに添加する。10mL容専用チップコンビチッププラスは1回 の充てんで6回までの連続分注が可能である。 *2 粉砕チューブは事前に全てのフタを緩めておき、GE1 Buffer Premixを加える直前にフタをあ け、1本添加する度にフタを閉めるとコンタミネーションを極力防止できる。以後の操作も同 様に行う。また、フタに粉末試料が付着している場合、フタをあける際に粉末試料が飛散する ことが考えられる。飛散を防ぐため、ベンチ台で軽くタッピングして試料を落とす。GE1 Buff er Premixを添加する際にも、粉末が飛散するのを防ぐため、慎重にチューブの壁に添加する。 この時、チップの先が壁に接触した場合はチップを交換する。 *3 チューブ用ラックはTR-03(安井器械社製)またはその同等品を用いる。 *4 GE2-K Bufferを添加する際には、マイクロピペットまたは専用チップ(1mL容)を装着した連 続分注機(マルチペットプラスまたはその同等品)を用いる。マルチペットプラスで溶液を添 加する際、2押し目以降からチューブに添加する。1mL容コンビチッププラスは1回の充てんで5 回までの連続分注が可能である。 *5 遠心機はMETALFUGE? MBG101(安井器械社製)またはその同等品を用いる。 *6 96穴プレートは、各穴容量1mL以上の製品を用いる。上清を採取する際は、沈殿物や上層の膜 状の物ができている場合もあるので、それらを取らないように慎重に行う。 *7 GB3 Buffer/IsopropanolはGB3 Buffer 125μLに対してIsopropanol 125μLを加え、必要量調 製する。GB3 Buffer/Isopropanolを添加する際には、マイクロピペットまたは専用チップ(10 mL容)を装着した連続分注機(マルチペットプラスまたはその同等品)を用いる。マルチペッ トプラスで溶液を添加する際、2押し目以降からチューブに添加する。10mL容コンビチッププ ラスは1回の充てんで40回までの連続分注が可能である。 *8 溶出液を廃棄する際は、コレクションプレートごとデカンテーションで廃棄する。この際、廃 液がコレクションプレートに付着するが、キムワイプ等でふき取る。 *9 GW Bufferを添加する際には、マイクロピペットまたは専用チップ(10mL容)を装着した連続 分注機(マルチペットプラスまたはその同等品)を用いる。マルチペットプラスで溶液を添加 する際、2押し目以降からチューブに添加する。10mL容コンビチッププラスは1回の充てんで15 回までの連続分注が可能である。 *10 エタノールの残存は、後に行うマルチプレックスリアルタイムPCRを用いた粒単位の定性検知 法への反応阻害が考えられるため、十分に乾燥を行うことが望ましい。 *11 DWを添加する際には、マイクロピペットまたは専用チップ(2.5mL容)を装着した連続分注機 (マルチペットプラスまたはその同等品)を用いる。マルチペットプラスで溶液を添加する際、 2押し目以降からチューブに添加する。2.5mL容コンビチッププラスは1回の充てんで50回まで の連続分注が可能である。 *12 DNA試料は、各チューブにコレクションプレートキャップを取りつけ、マルチプレックスリア ルタイム PCRを用いた粒単位の定性検知試験に使用するまで4℃で保存する。 2.4. パパイヤ検査法 (55-1系統) 2.4.1. 検査原則及び試料調製法 当検査は、生鮮パパイヤ及び種々の加工食品が検査対象検体として想定されるため、その性状により 測定結果は変動する。これらを縮小するための原則について記す。 ・検査対象検体は、一検体数を一単位とする。 ・検査対象検体の食さない部分を廃棄した可食部を試料とする。生鮮パパイヤについては種子・果皮 を除いた果肉部分を試料とする。 ・試料中の成分は、不均一に分布すると考えられるため、検査に供する前に試料全量を粉砕器等*1 で十分に粉砕し、均質混和して調整試料とする。 ・検査に供する調製試料は固体や液体の性状に関わらず、重量測定にて一定量を採取する。 ・試料調製を含む検査全般は、空気の動きがなく温度・湿度の変動が少ない区切られた空間で行い、 コンタミネーションを防ぐよう実施する。 ・微量測定のため、粉砕用器具*1容器、秤量用器具、凍結乾燥瓶は中性洗剤等で洗浄後、アルカリ 洗剤に一晩浸け置きする。あるいは超音波洗浄器を用い、30分間の超音波処理を行う。 - 39 - *1 レッチェGM200(レッチェ社製)、Millser(Iwatani社製)、磁製乳鉢・乳棒及び同等の結果が得 られるものを用いる。 2.4.2. GUS試験法 遺伝子組換え体作出の際、組換え体の指標とするためβ-glucuronidase(GUS)遺伝子が目的とする 外来遺伝子に加えて導入される場合がある。この手法を用いて作出された遺伝子組換え体は、外来遺伝 子に加えGUS遺伝子も同時に発現するため、GUS活性を検出することにより遺伝子組換え体であることの 判定を行うことが可能となる。GUSは5-bromo-4-chloro-3-indolyl-β-D-glucuronide(X-Gluc)を基質 とする。当該基質はGUS活性により糖加水分解され、インドキシル誘導体モノマーを生じる。生じたモ ノマーは空気により酸化されることで重合し、青色の水不溶性インジゴチン色素を生成する。遺伝子組 換えパパイヤ(55-1)においてもGUS遺伝子が導入されているため、上記原理に従い、青色を呈するこ とを指標にその活性を検出し、遺伝子組換えパパイヤ(55-1)であることの判定を行うことが可能であ る。なお、本試験法における試料検体は、呈色反応の識別しやすいことを考慮し、胚を対象とする。 2.4.2.1. 実験操作 あらかじめ、200mMリン酸緩衝液(pH7.0)*1を1ウェル当たり50μLずつ96ウェルプレートのうち 必要数のウェルに分注しておく。試験には、パパイヤ1個体につき12個の胚を用いるため、必要とな るウェル数は(パパイヤの個体数×12)である。 生鮮パパイヤ果実を縦半分に切り、種子を無作為に12粒選出する。12粒それぞれについて、以下の 手順に従い胚を取り出す。まず、ガラス板上で、粘性のある外皮をピンセットまたはメスの先端を利 用し取り除く。次に、メスで種子の縦中央に切れ目を入れる*2。深く突き刺さないよう留意しなが ら切れ目にメスの先端を入れ、種皮を完全に取り除き、淡白色の胚珠を採取する。次に、胚珠の縦中 央に観察される白線に沿ってメスを入れ、胚珠を縦半分に切断する*3。切断後、切断面に露出する 胚をピンセットで注意深く取り出し*4、あらかじめ96ウェルプレートに分注しておいた200mMリン酸 緩衝液(pH7.0)に速やかに浸す。胚を採取する過程において、種皮が白色の種子や胚珠が含まれな い種子が観察される場合があるが、それらは試験に用いない。ウェルに検査に用いる全ての胚を採取 し終えた後、各ウェルよりリン酸緩衝液を除去する。続いて、基質溶液*5を1ウェル当たり50μLず つ加える。基質溶液を添加した後、その浸透を促すためアスピレ-タ-を用いて15分間の脱気処理を 行う。脱気処理後、96ウェルプレ-ト全体をパラフィルムで密封し、37℃、10~15時間*6の条件で 保温する。保温後、各ウェルに70%エタノ-ルを50μLずつ加え反応を停止する。それぞれの検体に ついて、青色を呈した胚の数を数え、GUS発現率*8を算出する。 *1 200mMリン酸緩衝液(pH7.0) 200mM NaH2PO4と200mM Na2HPO4を3.3:6.7(v/v)の割合で混合した溶液を200mMリン酸緩衝液(p H7.0)とする。調製時には、ボルテックスミキサーを用いて十分に混合し、混合後、必ずpHが7. 0であることを確認する。なお、当緩衝液は、必ず試験を開始する直前に作製し、一試験毎に使 い切ること(用時調製)。 *2 パパイヤの種子は縦方向に長く、これに比して横方向に短い。このことを基準に、種子を実験者 に対して横向きになるよう配置させ、メスを左端に入れ、右端に向かって横方向に切り進めるこ とで切れ目を入れるとよい。メスを深く差し込むと胚を切断してしまうこともあるので注意する。 *3 胚珠はその中心部に位置する胚とその周りを覆う胚乳で構成されている。また、全体としては胚 乳の示す淡白色をしている。しかし、胚珠表面を注意深く観察することで、淡白色とは明らかに 異なる白色の線が中央部を上端から下端にかけて走っていることが観察される。この白色の線は 胚によって示されるものである。胚珠を切断する際には、刃がこの線に対して平行となるように メスを入れ、胚を傷つけないよう注意しながら二分する。 *4 胚が露出しなかった場合、切断面において胚を覆っている胚乳をメスで削り取り、胚を露出させ る。その後、ピンセットを用いて注意深く取り出す。この際、胚を傷つけないよう充分注意しな がら操作を進める。傷のついた胚は非特異的に青色を呈する場合がある。 *5 基質溶液 X-Gluc溶液*7が最終濃度1mMとなるように、200mMリン酸緩衝液(pH7.0)で調製した溶液を基質 溶液とする。基質溶液調製時には、ボルテックスミキサーを用いて十分に混合し、均一な溶液と して調製する。なお、基質溶液は、必ず試験に供する胚全てを採取し終えた後に調製し、一試験 毎に使い切るものとする。 *6 恒温器を使用して保温する。また、15時間を超えて保温した場合、非遺伝子組換えパパイヤの胚 が非特異的に染色される可能性が考えられる。この場合、正確な判定を下すことができなくなる ため、保温時間については記載された時間を厳守すること。 *7 X-Gluc溶液 X-Gluc粉末20mgをマイクロ遠沈管(1.5mL)に量り取り、1mLのジメチルホルムアミドを加え溶解 したものをX-Gluc溶液とする。-20℃で保存すること。 *8 GUS発現率(%)=〔(青色を呈した胚の数)/(試験した胚の数12)〕×100 - 40 - 2.4.2.2. 結果の判定 検体が遺伝子組換えパパイヤ(55-1)の場合、理論的にはヘテロ品種同士を掛け合わせた組換え体 の場合75%(9胚/12胚)、ホモ品種同士を掛け合わせた組換え体の場合100%の割合で胚が青色を呈 する。しかし、当該試験法においては、試験に供する胚を無作為に選出するため、必ずしも上記理論 値には合致しない。一方、非遺伝子組換えパパイヤでは、青色を呈する胚は観察されない。したがっ て、GUS発現率が30%以上(青色を呈した胚の数が4以上)の場合を陽性と判定し、GUS発現率が30% 未満(青色を呈した胚の数が4未満)の場合を陰性と判定する。 判定例:陰性対照は、12個の胚のうち青色を呈した胚はみられない(GUS発現率0%)。試料1は、 試験に供した12個の胚のうち青色を呈した胚はみられない(GUS発現率0%)ため、陰性と判定される。 試料2は、12個の胚のうち、9個が青色を呈した(GUS発現率 75%)ため、陽性と判定される。試料3 は、12個の胚のうち、4個が青色を呈した(GUS発現率 33%)ため、陽性と判定される。 試料番号 調査した胚の数 青色を示した胚の数 GUS発現率 判定 1 12 0 0 陰性 2 12 9 75 陽性 3 12 4 33 陽性 陰性対照 12 0 0 陰性 2.4.3. リアルタイムPCRを用いた定性PCR法 本法では生鮮パパイヤおよびパパイヤ加工食品を検査対象とし、DNA抽出精製には、以下の陰イオン 交換樹脂タイプカラム(QIAGEN Genomic-tip 100/G)を使用したDNA抽出精製キットの改変法を用いる。 1検体から2併行でDNAを抽出し、各抽出DNA試料液を用いてリアルタイムPCRを用いた定性PCR法を実施 する。生鮮パパイヤおよびパパイヤ加工食品は以下の7種類の製品に細分類し、 「2.4.3.1. 試料前処理」 に示したそれぞれの試料前処理プロトコルに従ってDNA抽出精製前の試料調製を行う。 生鮮および調味漬け製品 (生鮮パパイヤ、缶詰、漬物など乾固されていないある程度パパイヤの原 型を保持している試料) ① 乾物製品 (乾燥パパイヤ) ② 砂糖漬け乾燥製品 (ドライフルーツ) ③ 乾燥製品 (健康食品、お茶など) ④ 果肉含有ゲル状製品 (ジャム、ピューレなど) ⑤ 果汁・飲料製品 (フルーツミックスジュース、ドリンク剤など) ⑥ 氷菓等製品 (アイス、シャーベットなど) 2.4.3.1.試料前処理 ① 生鮮および調味漬け製品 製品から目視でパパイヤと判断されるもののみを全て取り出し(生鮮パパイヤについては種子・ 果皮を除いた果肉部分)、その重量の2倍以上の滅菌蒸留水で3回洗浄した後、よく水分をきり、Mil lser等で粉砕する(生鮮パパイヤに関しては果肉を洗浄せず粉砕する)。粉砕した試料10 gをポリプ ロピレン製遠沈管(50 mL)に量りとり、G2緩衝液*1 30 mLを加え、よく転倒混和して均質にする。 次いで、以下の「2.4.3.2.パパイヤ試料からのDNAの抽出精製」に従いDNAを抽出精製する。 なお、生鮮パパイヤについては、平成13年3月27日付食発第110号「組換えDNA技術応用食品の検 査方法について」の2.2.2.に示す方法によりDNA抽出精製を行うことも可能である。 ② 乾物製品 製品から目視でパパイヤと判断されるもののみを全て取り出し、Millser等で粉砕する。粉砕し た試料2gをポリプロピレン製遠沈管(50 mL)に量りとり、G2緩衝液*1 30 mLを加え、よく転倒 混和して均質にする。次いで、以下の「2.4.3.2.パパイヤ試料からのDNAの抽出精製」に従いDNAを 抽出精製する。 ③ 砂糖漬け乾燥製品 製品から目視でパパイヤと判断されるもののみを全て取り出し、その重量の2倍以上の滅菌蒸留 水で3回洗浄した後、等重量分の滅菌蒸留水を加え、Millser等で粉砕する。粉砕した試料10 gをポ リプロピレン製遠沈管(50 mL)に量りとり、G2緩衝液*1 30mLを加え、よく転倒混和して均質にす る。次いで、以下の「2.4.3.2.パパイヤ試料からのDNAの抽出精製」に従いDNAを抽出精製する。 - 41 - ④ 乾燥製品 Millser等で粉砕し均質にした試料2 gをポリプロピレン製遠沈管(50 mL)に量りとり、G2緩衝 液*1 30 mLを加え、よく転倒混和して均質にする。次いで、以下の「2.4.3.2.パパイヤ試料からの DNAの抽出精製」に従いDNAを抽出精製する。 ⑤ 果肉含有ゲル状製品 Millser等で粉砕し均質にした試料10 gをポリプロピレン製遠沈管(50 mL)に量りとり、G2緩衝 液*1 30 mLを加え、よく転倒混和して均質にする。次いで、以下の「2.4.3.2.パパイヤ試料からの DNAの抽出精製」に従いDNAを抽出精製する。 ⑥ 果汁・飲料製品 開封前によく転倒混和して均質にした製品100 mLをメスシリンダーで量りとり、凍結乾燥用容器 (500 mL)に移し、傾けた状態で-80℃冷凍庫中で2時間凍結させる。その後、凍結乾燥機にセット し、24時間乾燥後、試料*2 30 gを乳鉢に量りとりG2緩衝液*120 mLに乳棒を用いて懸濁させる。次 いで全量をポリプロピレン製遠沈管(50mL)に移し、乳鉢と乳棒の残存試料を新たにG2緩衝液*1 1 0 mLを追加し遠沈管に洗いいれ、よく転倒混和して均質にする。次いで、以下の「2.4.3.2.パパイ ヤ試料からのDNAの抽出精製」に従いDNAを抽出精製する。 ⑦ 氷菓等製品 試料100 gを凍結乾燥用容器に量りとり、24時間凍結乾燥する。その後、試料*2 10 gを先にG2 緩衝液*1 30 mLを入れたポリプロピレン製遠沈管(50 mL)に少しずつ加えながら懸濁させ、よく 転倒混和して均質にする。次いで、以下の「2.4.3.2.パパイヤ試料からのDNAの抽出精製」に従いD NAを抽出精製する。 *1 G2緩衝液はQIAGEN社Genomic DNA Buffer Set(Cat. No. 19060)に付属しているが、足りない 場合には単品で購入するかキットの説明書に従って調製可能である。 *2 凍結乾燥後、提示量に満たない場合は採取できる量からスタートし、その後に使用する試薬の 量は変更しない。 2.4.3.2. パパイヤ試料からのDNAの抽出精製 2.4.3.2.1. DNAの抽出精製 「2.4.3.1.試料前処理」を行った試料に、RNase*2 20 μL、cellulase*3 500 μLを加えて(な お⑤果肉含有ゲル状製品のジャム製品に限り、α-Amylase*4 20 μLも同時に加える)、転倒混和 して均質にした後、50℃で1時間放置する。その間2~3回遠沈管を反転させて試料を転倒混和する。 次いで、Proteinase K*5200 μLを加え50℃で1時間放置する。その間も2~3回遠沈管を反転させて 試料を転倒混和する。酵素処理終了後、その遠沈管を3,000×g、低温下(4℃)、20分間遠心する*6。 その間、あらかじめポリプロピレン製遠沈管(50mL)上にQIAGEN Genomic-tip 100/GをセットしQB T緩衝液*7 4 mLを通して平衡化させておく。遠心終了後、得られた上清(約25 mL~35 mL)を、平 衡化したQIAGEN Genomic-tip 100/Gに負荷する*8。この時の溶出液は捨てる。次に、QIAGEN Genom ic-tip 100/GをQC緩衝液*7 で7.5 mLずつ3回洗浄した後*8、あらかじめ50℃に温めておいたQF緩衝 液*7 1mLを負荷し、溶出液は捨てる。QIAGEN Genomic-tip 100/Gを新しいポリプロピレン製遠沈管 (50 mL)上にセットし、再度50℃に温めておいたQF緩衝液*72 mLを負荷し、DNAを溶出する。DNA 溶出液にイソプロピルアルコール2 mLを加えよく混合する。マイクロ遠沈管(1.5 mL)1本当たり1 m L程度ずつ、混合した溶液を移し、10,000×g以上で、低温下(4℃)15分間遠心する。上清を捨て る。この際、上清を極力除去する*9。次いで、各遠沈管当たり70%エタノールを1mLずつゆっくり 加え、さらに10,000×g以上で、低温下(4℃)5分間遠心する。上清を捨て*9、残った沈殿を風乾 させる。マイクロ遠沈管(1.5 mL) 4本分の沈殿を、予め50℃に温めた滅菌蒸留水50 μLに溶解し、 DNA試料原液とする*10。 *1 *2 *3 *4 *5 *6 *7 *8 実験を通して、液体を分注するピペットやチップをサンプルごとに交換したりするなど、サン プルへのコンタミネーションが起こらないように十分注意する。 ニッポン・ジーン社(Cat. no. 318-06391)のもの又は同等の効力を持つものを用いる。 Sigma-Aldrich社(Cat. no. C2730-50ML)のもの又は同等の効力を持つものを用いる。 ニッポン・ジーン社(Cat. no. 316-04751)のもの又は同等の効力を持つものを用いる。 QIAGEN社(Cat. no. 19133)のもの又は同等の効力を持つものを用いる。 遠心機のローターはスウィング式、アングル式のどちらを用いてもよい。 QBT緩衝液、QC緩衝液およびQF緩衝液は、QIAGEN社Genomic DNA Buffer Set(Cat. No. 19060) に付属しているが、足りない場合には単品で購入するかキットの説明書に従って調製可能であ る。 液体の流速が著しく減少した場合には、カラム上方から10 mlテルモシリンジ(コード番号: S - 42 - S-10SZ)のプランジャーなどを用いて穏やかに加圧させ、流速を増加させる。プランジャーを 利用する場合には、プランジャーをカラムに1cm程度挿し込んでは抜く操作を繰り返す。この 際、プランジャーを挿し込む操作は、プランジャー先端のゴム部分とカラム内壁を密着させ、 空気が漏れないように行う。一方、プランジャーを抜く操作は、逆流を防ぐために、プランジ ャーを斜めにしてプランジャー先端のゴム部分とカラム内壁との間に隙間を空け、カラム内へ 空気を入れながら行う。 *9 沈殿物が見えない場合でも、遠沈管内の底部付近にはできるだけ触れないように、上清を完全 に除去する。 *10 溶解操作の際には、まず1本のマイクロ遠沈管に50 μLの滅菌蒸留水を入れ、沈殿したDNAを溶 解する。次いでそのDNA溶液を次のマイクロ遠沈管に入れ、沈殿したDNAを溶解する。この操作 を繰り返し、最終的に各検体から得られるDNA溶液を50μLとなるようにする。 2.4.3.2.2. DNA試料原液中のDNAの純度の確認並びにDNA試料液の調製と保存 DNA試料原液の適当量を取り、滅菌蒸留水を用いて適宜希釈*1し、200~320 nmの範囲で紫外部吸 収スペクトルを測定し*2、260 nmおよび280 nmの吸光度*3(A260およびA280)を記録する。次いで A260の値1.0を50 ng/μL DNAと換算し、DNA濃度を算出する。またA260/A280を計算する。この比が 1.7~2.0になれば、DNAが十分に精製されていることを示す*4。得られたDNA濃度から、滅菌蒸留水 でDNA試料原液を10 ng/μLに希釈して調整し、DNA試料液とする。DNA試料液は50 μLごとにマイク ロ遠沈管に分注後、-20℃以下で冷凍保存する。分注したDNA試料液は、融解後直ちに使用し、残 った溶液は再度保存せず廃棄する。なお、DNA試料原液の濃度が10 ng/μLに達しないときは、その ままDNA試料液として用いる。 *1 希釈倍率は、使用する吸光度測定装置により適切な測定に要する液量および濃度域が異なるた め、適宜とする。 *2 紫外部吸収スペクトルを測定する機器がない場合には、260nmおよび280nmの吸光度の2点を測 定する。 *3 A260がDNA由来の吸光度、A280がタンパク質等不純物由来の吸光度と考える。 *4 A260/A280の比が1.7~2.0の範囲外であっても精製等の更なる操作は要さない。 2.4.3.2.3. リアルタイムPCR法(Applied Biosystems 7900HT, Applied Biosystems 7500) 遺伝子組換えパパイヤ(55-1)の検出は、遺伝子組換えパパイヤ(55-1)検知試験用のプライマー、 プローブを用いたリアルタイムPCRとパパイヤ陽性対照試験用のプライマー、プローブを用いたリ アルタイムPCRの2試験を行う。遺伝子組換えパパイヤ(55-1)検知試験用として、パパイヤゲノム配 列とPapaya Ringspot Virus coat protein (PRSV-cp)遺伝子発現用プラスミド・ベクターの境界 領域を検知するプライマー、プローブを用いる。また、パパイヤ陽性対照試験用として、Chymopap ain (Chy) 遺伝子配列を検知するプライマー、プローブを用いる。各プライマー、プローブは滅菌 蒸留水に溶解する。プライマー、プローブの塩基配列は以下のとおりである。 遺伝子組換えパパイヤ(55-1)検知試験用プライマー対およびプローブ PRSV-cp F: 5'-CAG CCT TAG ATG CTT CAA GAA AAG A-3' PRSV-cp R: 5'-TCC GCC TCC ATC CAG TCT ATT-3' PRSV-cp P: 5'-FAM-TCT TCT AGC TTC CCG GCA ACA AT-TAMRA-3' パパイヤ陽性対照試験用プライマー対およびプローブ* Q-Chy-1F2: 5'-CCA TGC GAT CCT CCC A-3' Q-Chy-2R: 5'-CAT CGT AGC CAT TGT AAC ACT AGC TAA-3' Q-Chy-P: 5'-FAM-TTC CCT TCA T(BHQ1)CC ATT CCC ACT CTT GAG A-3' * Q-Chy-Pプローブのクエンチャー(消光物質)は、T-baseのBHQ1(black-hole quencher 1)を使 用する。 PCR用反応液の調製 PCR用反応液は25μL/wellとして調製する。組成は以下のとおりである。TaqMan Gene Expre ssion Master Mix*1 12.5 μL、対象プライマー対溶液(各プライマー、50 μmol/L)各0.4 μL、対象プローブ溶液(10 μmol/L)0.25 μLを混合し、DNA試料液5 μLを添加し滅菌蒸留 水で全量25 μLに調製する。DNA試料液あたり遺伝子組換えパパイヤ(55-1)検知試験用リアル タイムPCRとパパイヤ陽性対照試験用リアルタイムPCRをそれぞれ2ウェル並行して行うものと する。Non-Template Control(NTC)として、必ずDNA試料液を加えないものについても同時に 調製する*2。分注操作終了後、真上からシール*3し、完全にウェルを密閉する。密封する際、 専用のシーリングアプリケーターを用いて、ウェル上のABI PRISM Optical Adhesive Coverに - 43 - しわが寄らないよう注意する。最後にウェルの底を観察し、底に気泡がある場合は、プレート の縁を軽く叩いて(またはプレート用の遠心機が使用できる場合は、遠心操作にて)気泡を抜 いておく。プレートの確認後、ABI PRISM Optical Cover Compression Pad*4を茶色の面が上 になるよう、プレートの上面にセットする。 *1 TaqMan Gene Expression Master Mix 本試薬は粘性が高いため、混合操作および採取を行う際には注意が必要である。混合操作 を行う際には、混合が確実に行われるように注意する。不十分な場合には、PCRがうまくい かない場合がある。使う直前には必ず軽く攪拌後、遠心し、溶液を試料管の底に集めてお いてから使用する。また、ウェルに分注する際は、以後撹拌、遠心が困難な場合は、ウェ ルの底に確実に入れる。遠心が可能な場合は、シールした後に遠心操作を行う。 *2 Non-Template Control(NTC) DNA試料液の添加の際、NTCにはDNA試料液の代わりに滅菌蒸留水を5μL添加する。 *3 96ウェルプレート、シールおよびシーリングアプリケーター MicroAmp Optical 96-Well Reaction Plate (Life Technologies社)およびABI PRISM Op tical Adhesive Cover (Life Technologies社)を使用する。シーリングの詳細について は製品付属のマニュアルを参考のこと。 *4 ABI PRISM Optical Cover Compression Pad ABI PRISM Optical Cover Compression Pad (Life Technologies社)を使用する。Applie d Biosystems 7500では使用しない。 プレート情報の設定 反応に際しては、プレート情報の設定を行わなければならない。設定を行う項目は、検体の 配置と種類およびプローブ特性である。具体的には新規シート上で、調製したプレートの配置 に対応するように気を付けながら、検体の種類(「NTC」:Non-Template Control、「UNKN」:DN A試料液)の設定を行う。またプローブ特性に関しては、ReporterがPRSV-cp P、Q-Chy-Pとも に「FAM」、QuencherがPRSV-cp Pでは「TAMRA」、Q-Chy-Pでは「Non Fluorescent」となるよう に設定する。また、Passive Referenceは「ROX」に設定する。なお、ランモードの設定は9600 emulationモードを選択する。Sample Volumeは25 μLに設定する。 PCR増幅 装置にプレートをセットし、反応とデータの取り込みを開始する。反応条件は以下のとおり である。50℃、2分間の条件で保持した後、95℃で10分間加温し、ホットスタート法で反応を 開始する。その後、95℃ 15秒間、60℃ 1分間を1サイクルとして、50サイクルの増幅反応を行 う。Remaining timeが0分となっていることを確認し、反応を終了させた後、測定結果の解析 を行う。 2.4.3.2.4. 結果の解析と判定 遺伝子組換えパパイヤ(55-1)検知試験とパパイヤ陽性対照試験のいずれについても、結果の判定 はAmplification plot上で指数関数的な増幅曲線とCt値の確認及びmulticomponent上での対象色素 由来の蛍光強度(FAM)の指数関数的な明確な増加の確認をもって行う。 遺伝子組換えパパイヤ(55-1)検知試験でまず目視でAmplification plot上に指数関数的な増幅曲 線が確認された場合には、遺伝子組換えパパイヤ(55-1)陽性を疑う。次いで、ベースライン(3サ イクルから15サイクル)のΔRnのノイズ幅の最大値の上側で、安定した指数関数的な増幅曲線上で 交わるThreshold line (Th. line)を選択する*1。そのTh. lineからCt値が得られるか否かを解析 する。 2併行抽出より得られたDNA試料液(1抽出あたり2ウェル並行で測定)の合計4ウェルすべてを用 いて判定する。 パパイヤ陽性対照用試験のすべてのウェルにおいて48未満のCt値が得られ、かつ遺伝子組換えパ パイヤ(55-1)検知試験のすべてのウェルにおいて48未満のCt値が得られた場合は、当該試料を遺伝 子組換えパパイヤ(55-1)陽性と判定する。パパイヤ陽性対照用試験のすべてのウェルにおいて48未 満のCt値が得られ、かつ遺伝子組換えパパイヤ(55-1)検知試験のすべてのウェルにおいて48未満の Ct値が得られない場合は、当該試料を遺伝子組換えパパイヤ(55-1)陰性と判定する(図1参照)。 パパイヤ陽性対照用試験のすべてのウェルにおいて48未満のCt値が得られ、かつ遺伝子組換えパ パイヤ(55-1)検知試験のどちらか一方だけで48未満のCt値が得られた場合は、粉砕・均質後の当該 試料から改めて2回目*2のDNA抽出精製を行い、さらに「2.4.3.2.3. リアルタイムPCR法」以降の操 作を実施して、判定を行う。2回目のDNA試料液を用いた場合でも陽性または陰性の判定が得られな い場合は、当該試料を遺伝子組換えパパイヤ(55-1)陰性と判定する(図1参照)。なお、上記によ り陽性と判定された結果についてmulticomponentを解析し、目視でFAMの蛍光強度の明確な下降やF AMの蛍光強度の緩やかな上昇がないことを確認する。 - 44 - また、パパイヤ陽性対照試験のすべてのウェルで48未満のCt値が得られないDNA試料液について は、再度、粉砕・均質後の当該試料から改めて2回目*2のDNA抽出精製を行い、さらに「2.4.3.2.3. リアルタイムPCR法」以降の操作を行い、それでもパパイヤ陽性対照試験のすべてのウェルで48未 満のCt値が得られない場合には、本試料からの検知は不能とする(図1参照)。 *1 個々の機種の状態によってAmplification plot上のΔRnが変動することから、普遍的なTh. lin eの設定の数値を示すことが困難である。従ってAmplification plot上でベースライン(3サイ クルから15サイクル)のΔRnのノイズ幅の最大値の上側で、安定した指数関数的な増幅曲線上 で交わるTh. lineを設定する。本実験法の場合は、Th. line = 0.2と設定する。ただし、Th. l ineがノイズや指数関数的でない増幅曲線と交わる場合は、それらと交わらないようTh. lineを 適宜設定する。 *2 DNA抽出精製を行うために必要な試料量が不足している場合には、「2.4.3.1.試料前処理」から 実施する。 - 45 - - 46 - (別紙) 内標比 (別紙) TM TM ABI PRISM 7700 及び ABI PRISM 食品名 対象系統 内標比 ABI PRISMTM 7700 及び ABI PRISMTM 5700 5700 内標比 備考 食品名 対象系統 内標比 備考 大豆 Roundup Ready Soybean 1.04 Le1-n02 と Le1-Taq 及び RRS-01 と RRS-Taq を使用 大豆 Roundup Ready Soybean 1.05 Le1-n02 と Le1-Taq 及び RRS-01 と RRS-Taq を使用 トウモロコシ 特定せず(スクリーニング) 0.39 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び トウモロコシ 特定せず(スクリーニング) 0.39 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び P35S-1 と P35S-Taq を使用 P35S-1 と P35S-Taq を使用 トウモロコシ GA21 2.01 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び GA21-3 と GA21-Taq を使用 トウモロコシ GA21 2.01 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び GA21-3 と GA21-Taq を使用 トウモロコシ Event176 2.02 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び トウモロコシ Event176 1.99 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び E176-2 と E176-Taq を使用 E176-2 と E176-Taq を使用 トウモロコシ Bt11 0.44 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び Bt11-3 と Bt11-Taq を使用 トウモロコシ Bt11 0.44 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び Bt11-3 と Bt11-Taq を使用 トウモロコシ T25 0.34 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び T25-1 と T25-Taq を使用 トウモロコシ T25 0.34 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び T25-1 と T25-Taq を使用 トウモロコシ Mon810 0.38 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び トウモロコシ Mon810 0.38 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び M810-2 と M810-Taq を使用 M810-2 と M810-Taq を使用 ABI PRISMTM 7900HT 96well ABI PRISMTM 7900HT 96well 食品名 対象系統 内標比 食品名 備考 対象系統 内標比 備考 大豆 Roundup Ready Soybean 1.04 Le1-n02 と Le1-Taq 及び RRS-01 と RRS-Taq を使用 大豆 Roundup Ready Soybean 1.04 Le1-n02 と Le1-Taq 及び RRS-01 と RRS-Taq を使用 大豆 LL Soybean 0.98 Le1-n02 と Le1-Taq 及び トウモロコシ 特定せず(スクリーニング) 0.38 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び P35S-1 と P35S-Taq を使用 Le1-n02 と Le1-Taq 及び MON89788-F, MON89788-R と トウモロコシ GA21 1.99 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び GA21-3 と GA21-Taq を使用 MON89788-P を使用 トウモロコシ Event176 2.02 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び P35S-1 と P35S-Taq を使用 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び E176-2 と E176-Taq を使用 トウモロコシ Bt11 0.40 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び GA21-3 と GA21-Taq を使用 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び Bt11-3 と Bt11-Taq を使用 トウモロコシ T25 0.34 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び E176-2 と E176-Taq を使用 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び T25-1 と T25-Taq を使用 トウモロコシ Mon810 0.36 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び M810-2 と M810-Taq を使用 KVM175,SMO001 と TM031 を使用 大豆 トウモロコシ トウモロコシ トウモロコシ Roundup Ready Soybean 2 特定せず(スクリーニング) GA21 Event176 1.32 0.38 1.99 2.02 トウモロコシ Bt11 0.40 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び Bt11-3 と Bt11-Taq を使用 トウモロコシ T25 0.34 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び T25-1 と T25-Taq を使用 トウモロコシ Mon810 0.36 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び M810-2 と M810-Taq を使用 - 47 - ABI PRISMTM 7900HT 384well 食品名 大豆 対象系統 Roundup Ready Soybean ABI PRISMTM 7900HT 384well 内標比 1.00 備考 食品名 Le1-n02 と Le1-Taq 及び 対象系統 内標比 備考 大豆 Roundup Ready Soybean 1.00 Le1-n02 と Le1-Taq 及び RRS-01 と RRS-Taq を使用 RRS-01 と RRS-Taq を使用 トウモロコシ 特定せず(スクリーニング) 0.39 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び P35S-1 と P35S-Taq を使用 トウモロコシ 特定せず(スクリーニング) 0.39 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び P35S-1 と P35S-Taq を使用 トウモロコシ GA21 2.06 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び GA21-3 と GA21-Taq を使用 トウモロコシ GA21 2.06 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び GA21-3 と GA21-Taq を使用 トウモロコシ Event176 2.12 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び E176-2 と E176-Taq を使用 トウモロコシ Event176 2.12 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び E176-2 と E176-Taq を使用 トウモロコシ Bt11 0.43 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び トウモロコシ Bt11 0.43 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び Bt11-3 と Bt11-Taq を使用 Bt11-3 と Bt11-Taq を使用 トウモロコシ T25 0.37 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び T25-1 と T25-Taq を使用 トウモロコシ T25 0.37 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び T25-1 と T25-Taq を使用 トウモロコシ Mon810 0.38 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び M810-2 と M810-Taq を使用 トウモロコシ Mon810 0.38 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び M810-2 と M810-Taq を使用 ABI PRISMTM 7000 ABI PRISMTM 7000 食品名 対象系統 内標比 食品名 備考 対象系統 内標比 備考 大豆 Roundup Ready Soybean 0.95 Le1-n02 と Le1-Taq 及び RRS-01 と RRS-Taq を使用 大豆 Roundup Ready Soybean 0.95 Le1-n02 と Le1-Taq 及び RRS-01 と RRS-Taq を使用 トウモロコシ 特定せず(スクリーニング) 0.35 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び P35S-1 と P35S-Taq を使用 トウモロコシ 特定せず(スクリーニング) 0.35 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び P35S-1 と P35S-Taq を使用 トウモロコシ GA21 1.83 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び GA21-3 と GA21-Taq を使用 トウモロコシ GA21 1.83 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び GA21-3 と GA21-Taq を使用 トウモロコシ Event176 1.93 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び トウモロコシ Event176 1.93 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び E176-2 と E176-Taq を使用 E176-2 と E176-Taq を使用 トウモロコシ Bt11 0.41 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び Bt11-3 と Bt11-Taq を使用 トウモロコシ Bt11 0.41 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び Bt11-3 と Bt11-Taq を使用 トウモロコシ T25 0.40 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び T25-1 と T25-Taq を使用 トウモロコシ T25 0.40 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び T25-1 と T25-Taq を使用 トウモロコシ Mon810 0.38 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び M810-2 と M810-Taq を使用 トウモロコシ Mon810 0.38 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び M810-2 と M810-Taq を使用 - 48 - ABI PRISMTM 7500 ABI 7500 食品名 大豆 対象系統 Roundup Ready Soybean 内標比 1.02 備考 食品名 Le1-n02 と Le1-Taq 及び 対象系統 内標比 備考 大豆 Roundup Ready Soybean 1.02 Le1-n02 と Le1-Taq 及び RRS-01 と RRS-Taq を使用 RRS-01 と RRS-Taq を使用 大豆 LL Soybean 0.98 Le1-n02 と Le1-Taq 及び KVM175,SMO001 と TM031 を使用 トウモロコシ 特定せず(スクリーニング) 0.46 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び P35S-1 と P35S-Taq を使用 大豆 Roundup Ready Soybean 2 1.33 Le1-n02 と Le1-Taq 及び MON89788-F, MON89788-R と トウモロコシ GA21 2.13 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び GA21-3 と GA21-Taq を使用 MON89788-P を使用 トウモロコシ 特定せず(スクリーニング) 0.46 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び P35S-1 と P35S-Taq を使用 トウモロコシ GA21 2.13 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び GA21-3 と GA21-Taq を使用 LightCycler System LightCycler System 食品名 大豆 対象系統 Roundup Ready Soybean 内標比 1.01 食品名 備考 Le1-n02 と Le1-Taq 及び 対象系統 内標比 大豆 Roundup Ready Soybean 1.01 Le1-n02 と Le1-Taq 及び RRS-01 と RRS-Taq を使用 トウモロコシ 特定せず(スクリーニング) 0.53 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び P35S-1 と P35S-Taq を使用 RRS-01 と RRS-Taq を使用 トウモロコシ 特定せず(スクリーニング) 0.53 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び 備考 P35S-1 と P35S-Taq を使用 トウモロコシ GA21 2.63 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び GA21-3 と GA21-Taq を使用 トウモロコシ GA21 2.63 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び GA21-3 と GA21-Taq を使用 トウモロコシ Event176 2.60 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び E176-2 と E176-Taq を使用 トウモロコシ Event176 2.60 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び E176-2 と E176-Taq を使用 トウモロコシ Bt11 0.63 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び トウモロコシ Bt11 0.63 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び Bt11-3 と Bt11-Taq を使用 Bt11-3 と Bt11-Taq を使用 トウモロコシ T25 0.31 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び T25-1 と T25-Taq を使用 トウモロコシ T25 0.31 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び T25-1 と T25-Taq を使用 トウモロコシ Mon810 0.49 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び トウモロコシ Mon810 0.49 SSIIb-3 と SSIIb-Taq 及び M810-2 と M810-Taq を使用 M810-2 と M810-Taq を使用 (参考) (参考) (1) 2.3.1.2.項、2.3.1.3.項、及び2.3.4.2.1.項の記述のシリカゲル膜タイプキット法(QIAGEN DNeasy Pl (1) 2.2. DNA抽出精製法のうち、2.2.1.2.及び2.2.1.3.のシリカゲル膜タイプキット法(QIAGEN DNeasy Plan t Mini Kit)に用いられるAP1及びAP2緩衝液及びRNase Aは、キットに含まれるものとは別にキアゲン(〒104 ant Mini Kit)に用いられるAP1及びAP2緩衝液及びRNase Aは、キットに含まれるものとは別にキアゲン(〒1 -0054東京都中央区勝どき3-13-1 Forefront Tower II. Tel. 03-5547-0811 Fax. 03-5547-0818)から購入 04-0054 東京都中央区勝どき3-13-1 Forefront Tower II. Tel. 03-5547-0811 Fax. 03-5547-0818)から 可能である。 購入可能である。 (2) 2.3.1.4.項、2.3.1.5.項、及び2.3.1.2.2.項に記述のシリカゲル膜タイプキット法(NIPPON GENE GM qui (2) 2.2. DNA抽出精製法のうち、2.2.1.4.及び2.2.1.5.のシリカゲル膜タイプキット法(NIPPON GENE GM qui cker)に用いられるGE1及びGE2緩衝液及びRNase Aは、キットに含まれるものとは別にニッポンジーン(〒930 cker)に用いられるGE1及びGE2緩衝液及びRNase Aは、キットに含まれるものとは別にニッポンジーン(〒930 -0982 富山市問屋町1-29. Tel. 076-451-6548 Fax. 076-451-6547)から購入可能である。 -0982 富山市問屋町1-29. Tel. 076-451-6548 Fax. 076-451-6547)から購入可能である。 (3) 2.1.2.項に記述の検量線の作成に用いられる標 (3) 3. 安全性審査済の組換えDNA技術応用食品の検査方法のうち、3.1.2.記載の検量線の作成に用いられる標 準プラスミドDNA溶液(GMダイズ(RRS)プラスミドセット-ColE1/TE-;GM Soybean(RRS)Detection Plasmid 準プラスミドDNA溶液(GMダイズ(RRS)プラスミドセット-ColE1/TE-;GM Soybean(RRS)Detection Plasmid - 49 - Set-ColE1/TE-、GMダイズ(LLS)プラスミドセット-ColE1/TE-;GM Soybean(LLS)Detection Plasmid SetColE1/TE-、GMダイズ(RRS2)プラスミドセット-ColE1/TE-;GM Soybean(RRS2)Detection Plasmid Set-Col E1/TE-、GMトウモロコシプラスミドセット-ColE1/TE-;GM Maize Detection Plasmid Set-ColE1/TE-)は、 ニッポンジーン(〒〒930-0834 富山市問屋町1-8-7. Tel. 076-451-6548 Fax. 076-451-6547)、ファスマ ック(〒243-0041 厚木市緑ヶ丘5-1-3. Tel. 046-295-8787 Fax. 046-294-3738)から購入可能である。 (4) LLS及びRRS2検知プライマー及びプローブ情報はJRC Validation Method protocolに記載のものである。 (5) 2.1.2.1.項、2.1.2.2.項、及び2.1.2.3.項に記載のPCR用反応液の調製に用いられる対象プライマー対、 対象プローブは、ニッポンジーン、ファスマックから購入可能である。 (6) 2.1.2.5.項に記載のLight Cycler Systemを用いた定量PCRにおいて使用する試薬類はロシュ・ダイアグノ スティック(〒105-0014 東京都港区芝2-6-1. Tel. 03-5443-5287 Fax. 03-5443-7098)から購入可能であ る。 (7) 独立行政法人農林水産消費技術センター作成のJAS分析試験ハンドブック「遺伝子組換え食品検査・分析 マニュアル」は下記ホームページから入手可能である。 http://www.maff.go.jp/j/jas/hyoji/qa.html (8) 2.2.項に記載のPCR用反応液の調製に用いられる対象プライマー対、対象プローブ(SSIIb-TaqV以外)お よび粒単位検査法用標準プラスミドDNA溶液は、ニッポンジーン、ファスマックから購入可能である。 (9) 2.2.項に記載のPCR用反応液の調製に用いられるSSIIb-TaqVは、ライフテクノロジーズジャパン(〒104-0 032 東京都中央区八丁堀4-5-4 ダヴィンチビル Tel. 0120-477-392 Fax. 03-5566-6538)から合成依頼に よる購入が可能である。 (10) パパイヤ55-1系統のプライマー・プローブ及び標準プラスミドは,ニッポンジーン(〒930-0834 富山市 問屋町1-8-7. Tel. 076-451-6548 Fax. 076-451-6547)、ファスマック(〒243-0041 厚木市緑ヶ丘5-1-3. Tel. 046-295-8787 Fax. 046-294-3738)から購入可能予定である 。 Set-ColE1/TE-、GMトウモロコシプラスミドセット-ColE1/TE-; GM Maize Detection Plasmid Set-ColE1/TE-) は、ニッポンジーン(〒930-0982 富山市問屋町1-29. Tel. 076-451-6548 Fax. 076-451-6547)、ファスマ ック(〒243-0041厚木市緑ヶ丘5-1-3. Tel. 046-295-8787 Fax. 046-294-3738)から購入可能である。 (4) 3. 安全性審査済の組換えDNA技術応用食品の検査方法のうち、3.1.2.1.1.及び3.2.1.記載のPCR用反応液 の調製に用いられる対象プライマー対、対象プローブは、ニッポンジーン、ファスマックから購入可能である。 (5) 3. 安全性審査済の組換えDNA技術応用食品の検査方法のうち、3.1.2.4.1.記載のLight Cycler Systemを 用いた定量PCRにおいて使用する試薬類はロシュ・ダイアグノスティック(〒105-0014 東京都港区芝2-6-1. Tel. 03-5443-5287 Fax. 03-5443-7098)から購入可能である。 (6) 独立行政法人農林水産消費技術センター作成のJAS分析試験ハンドブック「遺伝子組換え食品検査・分析 マニュアル」は下記ホームページから入手可能である。 http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/jas/manual00.htm - 50 -