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フェニックス法律事務所 ニュースレター2015年夏号のダウンロードはこちら
フェニックス法律事務所
News Letter
2015
夏号
<スポーツと法律①>
スポーツと法律にまつわる諸問題
P1∼P2
<損害賠償のお話シリーズ>
(導入編)第1話 どうやって賠償してもらうの?(賠償の方法)
P3∼P4
<気になる労働問題>
マタニティ・ハラスメントについて
P5
<身近な法律問題>
傘差しもイヤホンもだめ!?自転車の取締強化!!
P6
∼加害者となるリスクに気をつけよう∼
想いを込めて、
法的ニーズにお応えします
急激な変革をもたらす高度情報化社会のもと、
我々弁護士に対する法的ニーズは、
複雑化、
多様化、
高度化かつ専門化しています。
私たちは、
経験・得意分野の異なる10名の弁護士が、
常に質の高い法的サービスの提供と、
迅速かつ的確な対応を心がけ、
こうした社会のニーズにお応えさせて頂いております。
暑中お見舞い申し上げます。
昨今、組織のコンプライアンスがますます重要となっています。私も大阪市の公正職務審査委
員会の委員として、公益通報の受付処理を通じて大阪市職員の法令の遵守の確保に関与して
います。通報件数は、平成25年度は920件、平成26年度は811件と他の地方自治体と比べて一
桁多いのですが、平成27年度の通報件数は相当減少していますので、大阪市の市政も良い方向
に向かっていると思います。当事務所の弁護士メンバーも、行政委員会の委員の他様々な組織
に関与しています。
このような活動を通じて世の中に役立っていれば幸いと思います。
なお、当事務所の山田弁護士が5月29日に無罪判決をとりました。刑事判決は99%有罪です
フェニックス法律事務所
〒530-0005 大阪市北区中之島2丁目2番2号 大阪中之島ビル4階
TEL 06-4706-1550 FAX 06-4706-1560
http://www.phx-lo.jp/
ので、頑張ったと思います。
平成27年7月 弁護士 小寺史郎
<スポーツと法律①>
スポーツと法律にまつわる諸問題
弁護士 山田 尚史
1 はじめに
私は、2015年1月から3月まで、公益財団法人日本スポーツ仲裁機構という機関からアイルランドに派遣され、
ス
ポーツ法に関する研修や調査などを行ってきました。今回は、その研修や調査の内容、
また、
スポーツと法律にまつわ
る問題全般についてお話したいと思います。以下、幾つか例を挙げてお話させて頂きます。
2 スポーツ仲裁とは
(1) まず、選手選考の問題について見てみましょう。オリンピック等の世界的な大会では日本代表として選ばれた選
手が大会に参加します。選考は、通常、各競技団体が設けている選考基準をもとに行われますが、基準があるから
といって一律に決定できるものではありません。直近の大会での成績や過去の実績等様々な要素が考慮されるか
らです。
しかし、選手からすれば、直近の大会で優秀な成績をおさめたにもかかわらず、他の要素が考慮された結
果、他の選手が代表選手に選ばれ、自分は選考から漏れてしまったという場合など、選考結果に納得できない場
合もあるでしょう。
このような場合、選手は、裁判で、選考結果の取消を求めることができるのでしょうか。
二つ目の例として、競技団体が選手個人やチームなどに対し、出場停止などの処分を課すケースを考えてみま
しょう。例えば、大学や高校のクラブの部員が不祥事を起こし、競技団体がその部員やその所属チームに対し、大
会の出場停止処分等を課すことがあります。
このような場合、処分に不服がある部員やチームは、裁判で処分の取
消を求めることができるのでしょうか。
今挙げた二つのケースの回答は、
いずれも、裁判所はこれらの問題を扱ってくれない可能性が高い、
ということ
になります。裁判所は、選手選考や出場停止処分等の適否は団体内部の問題であるとして裁判所が踏み込むもの
ではないとし、その適否を判断することなく門前払いする可能性が高いのです。
(2) しかし、
スポーツ選手の選手生命は決して長くありません。
1つの大会に出場できるか否かで人生が大きく左右さ
れることもあります。
そこで、
そのような場合に選手がとりうる方法として
「スポーツ仲裁」
というものがあります。
スポーツ仲裁とは、
スポーツに関する紛争を、裁判より迅速かつ柔軟に、
しかも安価に解決することのできる制
度です。そして、先ほどあげた二つの事例のように、裁判所では取り扱ってくれない紛争についても判断を下してく
れることが多くあります。
2000年、千葉すずという水泳選手は、
シドニーオリンピックの日本代表選手の選考に漏れたことから、選考結
果に不服があるとして、日本水泳連盟を相手方として、
スイスにあるスポーツ仲裁裁判所(Court of Arbitration
for Sport、以下「CAS」)へ申立を行いました。
スイスの機関が利用されたのは、当時、日本にはこのような紛争を
解決する機関がなかったからです。結果は、千葉選手の申立は認められませんでした。
しかし、
この事案は日本人
がはじめてスポーツ仲裁裁判所を利用したケースして世間の注目を集めました。
その後、日本でも、2003年、東京に、このような紛争を解決する機関として日本スポーツ仲裁機構(Japan
Sports Arbitration Agency、以下「JSAA」)が設立されました。JSAAの取扱件数は近年増加しており、設立後現在
まで約60件の仲裁申立がなされています。2012年のロンドンオリンピックでは、ボート競技のアジア予選の際、
日本代表の選手選考で補欠となった選手からJSAAに仲裁申立がなされ、結果、日本ボート協会の選手選考が取
り消されました。
(3) 世界を見ると、先に述べたCASは1984年に設立されたものですが、その後、
イギリス、
カナダなどでも同様に
スポーツ仲裁を行う機関が設立されています。
アイルランドでも、2007年、Just Sport Irelandというスポーツ仲裁を行う機関が設立されており、私は2015
年1月から3月まで、JSAAからそこへ派遣されて研修を行っていました。紙面の関係で研修の細かい内容にまで触
れることはできませんが、決して大きな国ではないアイルランドでも様々なスポーツに関する紛争があり、先に挙
げた選手選考や、チーム・選手等に対する処分を巡る紛争の他、移籍を巡る紛争なども見られました。
1
Just Sport Irelandの建物外観
Just Sport Irelandのオフィス入り口
3 その他の問題について
(1) 上に挙げた二つのトピック以外にも、
スポーツにおいて法律が問題になる場面は多々あります。例えば、2015
年6月上旬、FIFA(国際サッカー連盟)幹部らの汚職が明るみになり、FBIが捜査を行うという大問題に発展してい
ますが、
これは、
スポーツ団体のガバナンスという問題と密接に関連しています。会社ではコーポレートガバナン
スという言葉が広く知られているように、内部統制が重要であることは広く認識されています。
スポーツ団体も、
利害関係者が多数存在しているものもあり、
きちんと内部統制がなされなければならないことは言うまでもあり
ません。
しかし、
スポーツ団体では、上の者の意見は絶対的という体育会系の風潮が強かったり、
もともとビジネス
目的でなく同好の仲間が集まって作られた組織であるためきちんとした運営がなされていなかったりする場合が
少なくないのです。世界最大の競技団体であると言っても過言ではないFIFAにおいても、大きな不祥事が発生し
ているのです。
日本でも、近年、
スポーツ団体が国の補助金を不正受給して処分を受けるなど、
スポーツ団体の不祥事が多発し
ています。そして、その対策として、弁護士や公認会計士などの専門家を役員のメンバーに入れる等様々な提案が
なされています。
(2) この他、
スポーツ事故、部活動などにおける体罰などの問題もあります。
また、近年、
スポーツの商業化が急速に進む中で、
ビジネスの面でも、試合の放映権、
スポンサーシップ契約、選
手の肖像権の問題など、様々な法律問題が発生し得ます。日本では2020年に東京オリンピックが開催されること
もあり、
スポーツビジネスに関連する法律問題は一層増加すると思われます。
(3) スポーツは、
これまで、法律に関する問題について正面から議論されることが少なかった分野です。
しかし、今回
見たとおり、
スポーツも多くの法律問題と背中合わせであり、今後はこれらの問題に正面から取り組む必要性が高
くなると思われます。今後も、
スポーツと法律にまつわる様々な問題についてご紹介していきたいと思います。
以下は近況報告ですが、2015年5月29日、私が担当していた刑事事件(裁判員裁判)
で、無罪判決を獲得致しまし
た(同年6月12日判決確定)。判決では、強盗殺人未遂事件等の犯人として起訴されていた男性につき、
「犯人で間違
いないということを検察官が立証できたとは認め難い」
とされ、無罪が言渡されました。男性は判決まで1年7ヶ月以
上もの間身柄拘束されており、
また、強盗殺人未遂等という重い罪名からすると有罪となった場合は長期刑となるこ
とが予想された事案であり、無罪を獲得できたことは大きな意義があったのではないかと思います。
2
<損害賠償のお話シリーズ>
(導入編)第1話 どうやって賠償してもらうの?
(賠償の方法)
弁護士 出口 みどり
一言に損害賠償と言っても、誰が、誰に、
どんな損害を、
どのように、請求できるのか、具体的にイメージしにくいもの
5.金銭賠償のメリット
です。
法律が原則として金銭賠償での解決を定めたことは、賠償方法を明確かつ履行容易なものとし、ひいては、事件を
本シリーズでは、
まず、導入編として、基本的な損害賠償の構造を素朴な疑問を交えながら分かりやすく解説していき
少しでも早く解決することに役立ちます。
たいと思います。
報復や被害感情をエスカレートさせ、紛争が長期間継続することは、被害者側にとっても決して幸せとは言えない
でしょう。金銭賠償しか認められないのだと理解し、怒りをうまくコントロールして昇華させることも人生にとって必
1.責任をとらせる方法
要です。
世の中には、理不尽なことや、許せないことってたくさんありますね。
けしからん、責任をとってもらう!責任をとれ!
では、
どうやって責任をとらせることができるでしょうか?
責任を果たす方法にはいろいろあります。
刑事事件で裁かれる場合には、罰金を払う、刑務所に入る(懲役、禁固刑)
といった制裁が加えられますが、被害者
に対して直接何かを償う形にはなりません。
被害者に対して直接何らかの償いをする方法として、民事での損害賠償制度があります。
2.民事損害賠償方法の基本原則
では、民事上、損害を賠償してもらうにはどういった方法があるでしょうか?
民法は、損害は、特別の決まりがない限り、金銭で償うものと定めています(民法417条、722条、*1、2)。
特別に、名誉や営業上の信用を回復するための方法として、裁判所が新聞などへの謝罪広告を命じたりする場合
もありますが、非常に限定されています(民法723条、不正競争防止法14条*3、4)。
名誉や信用が傷つけられ、金銭賠償だけでは、社会的に評価が低下することによって被った無形の損害を回復で
*1 民法第417条(債務不履行における損害賠償の方法)
損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。
*2 民法第722条(不法行為における損害賠償の方法)
第417条の規定は、不法行為による損害賠償について準用する。
*3 民法第723条(名誉毀損における原状回復)
他人の名誉を毀損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、
名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。
*4 不正競争防止法第14条(信用回復の措置)
故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の信用を害した者に対しては、裁判所は、その営業上の信用
を害された者の請求により、損害の賠償に代え、又は損害の賠償とともに、その者の営業上の信用を回復するのに
必要な措置を命ずることができる。
きないための特別の措置です。
3.原状回復要求の問題点
しかし、お金で何でもカタをつけられるなんて金持ち優遇だ、相手に同じような痛い目に遭わせてやりたい、お金
で済ませられる問題ではないぞ!!と訴えてこられる方は結構いらっしゃいます。
特に、命を失ったり、後遺障害が残るような重大な被害にあった場合、家庭がむちゃくちゃになった場合、元の体
に戻してくれ、元の家庭に戻してくれ、私の人生を返せ(被害にあう前の年齢に戻せ!)等々、要求されることがありま
すが、
これらは物理的にも不可能です。
自動車などの物を損傷された場合には、元通りにすることは物理的には可能かも知れませんが、実際には、中古
だったり、
すでに経年劣化している物を元通りにするとなりますと、同じだけ古くなっているものを別に用意してくる
必要があり、広い世の中、同種同等の物を探し当てるのに要する時間や経費は半端ではなく、現実的ではありません。
だからと言って、中古の物を新品に取り替えてもらうとすれば、被害を受けた側がかえって得をする勘定になり不公
(以下予定です)
第2話 誰に請求できるの?(義務者)
第3話 裁判所が認める損害にはどんなものがある?(損害の種類)
第4話 賠償してもらえる損害賠償の範囲
(実践編)
第5話 交通事故
第6話 医療ミス(医療過誤)
第7話 個人情報流出
平です。
4.被害者と言えども要求が過ぎると犯罪になる場合も・・・
被害にあう前の状態に戻せないのなら、その代わりに、お金だけでなく、反省と誠意を態度で示せ、土下座しろ、
と
強制することも法律上認められていません。
いくら賠償を求める権利があるからといっても、脅迫したり暴力を加え
て土下座を強要した場合、強要罪(刑法223条)に該当する可能性もあります。
3
4
<気になる労働問題>
<身近な法律問題>
マタニティ・ハラスメントについて
傘差しもイヤホンもだめ!?自転車の取締強化!!
弁護士 北嶋 紀子
平成26年10月23日に最高裁判決が出され、
これを受けて厚生労働省が平成27年1月と5月に相次いで指導・強化
のための通達を出したことで、
「マタニティ・ハラスメント」
(以下「マタハラ」
と表記)
という言葉が広く話題と注目を集
めています。
今回は、
どのような対応がマタハラに当たりうるのか、事業主として女性労働者への対応について気をつけるポイン
ト等をお伝えしたいと思います。
1.
マタニティ・ハラスメントとは?
マタニティ・ハラスメントという言葉について、法令上定められた定義はありませんが、働く女
性に対して「妊娠・出産などを理由とする解雇、不利益な異動、減給、降格等の不利益取扱い」
(厚
生労働省)をいいます。
正社員からパートへの変更、契約更新を行わない行為、
また、産休・育休の取得を認めない行
為もマタハラにあたり、法律で禁止されています。
関連規定としては、主に母性保護の目的から規定されている労働基準法、そして、雇用分野に
おける男女均等な機会・待遇を求める男女雇用機会均等法・同法規則に、条文が散在して規定さ
れており、その他、厚生労働省の指針が出されており、解釈基準となっています。
2.H26.10.23の最高裁判決∼広島中央保険生協(C生協病院)事件
この判例は、管理職である副主任の職位にあった女性が、妊娠を機に、労基法65条3項に基づく妊娠中の軽易な
業務への転換に際して、渋々副主任を免ぜられ、育児休業終了後も副主任に任ぜられなかったことから、副主任を免
ずる措置が女性労働者につき、妊娠、出産、産前産後の休業または軽易業務への転換等を理由として解雇その他不
利益な取扱いを禁止した均等法9条3項に違反し、無効だと主張し、管理職手当の支払及び損害賠償を求めた事例
です。
これについて、最高裁は、均等法9条3項を強行規定とし、原則として、女性労働者につき妊娠中の軽易業務への転
換を契機として降格させる事業主の措置は、同項の禁止する取扱いに当たるとし、例外的に、①労働者が当該取扱い
に同意している場合で、事業主から適切に説明がなされる等、一般的な労働者なら同意するような合理的な理由が
客観的に存在する場合、②業務上の必要性から不利益取扱いをせざるをえず、業務上の必要性が当該不利益取扱い
により受ける影響を上回ると認められる特段の事情が存在するときは、同項の禁止する取扱いに当たらないものと
解するのが相当であると判示し、本件では、
この特段の事情の有無について十分に検討審理されていないとして原
判決を破棄し、控訴審に差し戻しました。
3.厚生労働省の動き
厚生労働省は、最高裁判決を受けて、妊娠や出産、育児休業の終了後、原則1年以内の解雇や降格を違法とみなす
という新たな考え方を示し、悪質な企業名の公表を徹底し、被害拡大を食い止めるとして指導を強化する旨の通達
をしています。
4.実務対応
最高裁判決及び厚生労働省の通達により、妊娠・出産を契機として、1年以内に解雇・降格等を行うことは、原則違
法となります(契機として行っていなくても不利益取扱いとの間に因果関係があれば違法です)。
事業主側は、最高裁判決が示す上記①、②(②の例としては、経営状況の悪化等が挙げられます)のような例外的
な特段の事情があることを事業主側が立証する必要があります。
妊娠・出産した女性への人事措置については、妊娠等の事由から1年以内でないか否か、不利益取扱いに当たる場
合は、最高裁のいう例外的な特段の事情に当たるか否かを十分に検討した上、慎重に対応してください。具体的な方
法等については、
いつでもご相談いただければと思います。
5
∼加害者となるリスクに気をつけよう∼
弁護士 竹田 大介
1. 以下の14項目が何か分かりますか?
①信号無視
②通行禁止違反(右側通行禁止)
③歩行者専用道での徐行違反等
④通行区分違反
⑤路側帯の歩行者妨害
⑥遮断機が下りた踏み切りへの進入
⑦交差点での優先道路通行車妨害等
⑧交差点での右折車妨害等
⑨環状交差点での安全進行義務違反等
⑩一時停止違反
⑪歩道での歩行者妨害
⑫ブレーキのない自転車運転
⑬酒酔い運転
⑭安全運転義務違反
近年の自転車事故の増加を受けて、取締強化のため改正された道路交通法が平成27年6月1日より施行となり
ました。上記の14項目は、道路交通法において自転車の違反行為として明示されているものです。そして、違反者に
対しては、いわゆる「青切符」
(反則金)の制度が導入されることとなりました。そのため、今まで見過ごされてきた軽
度な違反についても摘発されることが考えられます。
例えば、
「傘を差しながら」、
「音楽を聴きながら」、
「携帯を操作しながら」などの「ながら運転」は、⑭の安全運転義
務違反として摘発される可能性があります。⑭の安全運転義務とは、
「車両等のハンドル、
ブレーキその他の装置を確
実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転す
る」義務と規定されています。
「ながら運転」はまさに「ハンドル等を確実に操作する義務」に違反していると考えられ
ます。
まだ施行されて間もないことから、今後どのような自転車の運転行為が摘発されるのか警察の運用が固まってい
ないと思いますが、自転車に乗る際は、自転車の違反行為が明示され取締が強化(青切符)
されていることを忘れな
いようにしなければなりません。
2.さて、今回のコラムで改正道路交通法を取り上げたのは、
14項目の違反行為をお知らせすることの他、自転車の運
転によって加害者となることのリスクもご紹介したかったからです。
「自転車運転者に数千万円の損害賠償を命ずる!
!」
、
このような報道を耳にされたことがあるのではないでしょうか?
近年、自転車が加害者となる事故が急増しています。軽微な事故だけでなく、被害者が死亡するなどの重大な結果
が生じているケースもあります。そのような被害結果が重大なケースでは、裁判所において自動車事故なみの賠償
金の支払いが命じられるのです。
しかも、自転車の場合、自動車のように保険制度が浸透していないため、賠償金の
全額を自腹で・・・といった事態にもなりかねません。
3.自転車は免許がなく誰でも気軽に乗ることのできる便利なものですが、一歩間違えれば、加害者になり、多額の賠償
義務を負うことになりうるのです。
道路交通法で規定された違反行為は、自転車の運転者が被害者及び加害者の両面で事故に遭わないようにする
ために禁止されているものです。私自身14項目の中に身に覚えがあるものが複数あることから、今後の自転車運
転には気をつけたいと思います。皆様も、被害者にも加害者にもならないように自転車運転の際には、今回紹介させ
て頂いた14項目を思い出して運転しましょう!!また、仮に加害者となった場合のリスクも考えて保険に加入するの
も良いと思います。
編 集 後 記
いつも、弊所レターに目を通していただきまして、ありがとうございます。
より多くの情報を的確にお伝えできるよう、今号より、頁数を増やし、小冊子形式にしてみました。
今後も、
「わかりやすく、役に立つ」
レターとなるよう改善を加えていきたいと思いますので、
ご感想等を所属弁護士
(編集担当:北嶋)
にお伝え頂けますと幸いです。
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