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電源Vol.2 - リニアテクノロジー

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電源Vol.2 - リニアテクノロジー
熱抵抗と電気抵抗
電源用の I C やパワーアンプを使う機器を設計する場合、デバイ
ところで、同図で、横軸を電流に、縦軸を電圧降下に置き換える
と、図中の直線の傾斜は電気抵抗を表していることになります。
スメーカの推奨回路や回路シミュレータが充実してきたことで、
このことから、電気抵抗と熱抵抗の置き換えができることに気づ
使用する回路やデバイスは比較的簡単に決定できるようになりま
くはずです。つまり、
した。ところが、実装を考える段になると、熱の問題を考慮しな
ければならず、普段パワーデバイスを扱うことがない技術者の場
合、手が止まってしまうことがあるようです。
パワー回路の熱設計では、デバイスの損失(発熱量)とジャンク
ション、ケース、周囲など各部の温度、そしてデバイスやヒート
シンクの放熱特性を元に設計を進めます。この際に、放熱の特性
を表す量として「熱抵抗」という名のパラメータが登場します。
熱抵抗は、電気量ではありませんが、電子技術者の場合は、熱抵
抗を理解することで、熱の問題を電気回路に置き換えて考えるこ
電圧降下 = 電気抵抗 × 回路電流 (オームの法則)
温度上昇 = 熱 抵 抗 × 電力損失
という対応関係が成り立ちます。電力損失という表現では電気
の問題と混同しやすいと思うならば、発生熱量と言い換えれば良
いでしょう。ちなみに、技術者のセンスとして、オームの法則を、
I = E / R と理解するか E = I R と理解するかは時と場合によりま
すが、覚える関係はひとつです。温度上昇・電力損失・熱抵抗
3 者の関係も同じことが言えます。
とができるというメリットがあります。
熱抵抗と電気抵抗
熱抵抗とは、1 W の電力で温度が何度上がるかを示した量です。
したがって、熱抵抗が小さいとは、放熱性が良く電力を加えてて
もあまり温度が上がらないことを意味し、反対に熱抵抗が大きい
とは、少しの電力ですぐに温度が上がってしまうことを意味します。
例えば、無限大の放熱板の熱抵抗はゼロです。また、小さなパッ
ケージに入ったデバイスの熱抵抗は大きくなります。この関係を
示したのが右の図です。図中の線の傾きが熱抵抗を表しています。
、LTC、LTはリニアテクノロジー社の登録商標です。
ThinSOTはリニアテクノロジー社の商標です。
︵
電
圧
降
下
[
V
]
︶
温
度
上
昇
[
˚C
]
高抵抗
低抵抗
電力損失[W]
(電流[A])
サーマル・レギュレーション装備、
モノリシック・リニアL i-Ionバッテリチャージャ
1 セル Li-Ion 用の完全なリニアチャージャ
*
過熱の恐れなく最大充電レートを実現(サーマル ・ レギュレーション)
外付けの MOSFET 、センス抵抗、ブロッキング ・ ダイオード不要
最大 1.5 A の充電電流
ガス・ゲージに有用な充電電流モニタ *
C/ 10 充電電流検出出力
L T C ® 1 7 3 3 は、L i - Ion バッテリ用スタンドアロン定電流/定
電圧リニアチャージャです。サーマル・フィードバックによって
高電力動作時や高周囲温度条件下で、チップの温度を制限
しながら高い電流で充電可能です。MOSF E T 内蔵で外付
けの電 流センス抵 抗やブロッキング・ダイオードが 不 要です。
充電電流と充電時間は、1 個の抵抗とコンデンサでそれぞれ
外部設定でき、N T C 温度検知、C/10 検出回路、A C 検出
ロジック、4.1 V/4.2 Vピン選択、バッテリ低下時の充電調節
(トリクル充電 )などの機能も搭載しています。
VIN = 5V
8
2
SEL
VCC
4.7µF
BAT
IBAT = 1A
9
4.2V
LTC1733
4
TIMER
PROG
GND
NTC
5
6
0.1µF
7
1-CELL
Li-Ion
BATTERY*
1.5k
1%
*U.S.Patent No.6,522,118
▲ スタンドアローン Li - I o n バッテリチャージャ
SOT- 23、サーマル・レギュレーション機能付き
スタンドアローンリニアL i-Ionバッテリチャージャ
プログラマブル充電電流:800 m A 最大
外付け MOSFET 、センス抵抗、ブロッキング・ダイオード不要
1 セル Li-Ion バッテリ向けの ThinSOT ™ パッケージ
過熱のリスクなしに最大充電レートを実現(サーマル・レギュレーション)
VIN
USB ポートから直接 1 セル Li-Ion バッテリを充電
4.5V TO 6.5V
トリクル充電なし( LTC 4054 X )
1µF
L T C 4 0 5 4は、1 セルの L i - Ion バッテリ用の完全な定電流/
定電圧リニアチャージャです。超小型の ThinSOT パッケー
ジで外付け部品が少ないので、LT C 4054 は特に携帯アプリ
ケーションに適しています。さらに、L T C 4 0 5 4 は U S B 電源
規 格の中で動 作 するように設 計されています。他の機 能と
して充 電 電 流モニタ、低 電 圧ロックアウト、自動 再 充 電 、そ
してステータスピンによる充電終了と入力電圧ありの表示が
あります。
4
VCC
BAT
LTC4054-4.2
PROG
3
600mA
5
GND
4.2V
Li-Ion
BATTERY
1.65k
2
▲ 600mA 1 セル Li-Ion チャージャ
T hinSOTの終了機能付き
リニアL i-Ionバッテリチャージャ
プログラム可能な充電終了タイマ
センス抵抗やブロッキング・ダイオードが不要
USB 電源からの充電に適合
プログラム可能な充電電流:200 mA ∼ 700 mA
過電流/過熱に対する自己保護機能
バッテリ低下時の充電調節(トリクル充電)
PCB ソリューションの総面積( 700 mA ):わずか 75 mm 2
VIN
4.5V TO 6.5V
L T C 4 0 5 6 は、プログラム可 能な終了タイマを搭 載した、低
コストの定電流/定電圧 1 セルL i - Ion バッテリチャージャで、
数個の外付け部品を使用するだけです。充電電流と充電時
間は 1 本の抵抗とコンデンサでそれぞれ外部設定できます。
シャットダウン・モードとスリープ・モードのどちらでもバッテリ
から流出する電流はほぼゼロです。バッテリ低下時の充電調
節(トリクル充電)
、低電圧充電電流制限、自動再充電、充電
状態出力などの機能も搭載しています。
1
8
CHARGE
STATUS
7
1µF
1µF
5
1.3k
LTC4056
VCC
ISENSE
CHRG
DRIVE
TIMER/SHDN
BAT
2
700mA
3
ZXT1M322
6
+
PROG
GND
▲ LT C 4056-4.2 標準的応用例
データシートと評価サンプルについては、当社Webサイトまたは販売代理店にお問い合わせください。
1-CELL
4.2V Li-Ion
サーマル・レギュレーション装備、
USB互換 L i-Ionバッテリチャージャ
1 セル Li-Ion バッテリを USB ポートから直接充電
外付け MOSFET 、センス抵抗、ブロッキング・ダイオードが不要
プログラム可能な充電終了タイマ
USB PORT
1 % 精度のプリセット充電電圧
4.35V TO 5.5V
C/ 10 充電電流検出出力
熱特性が改善された小型 10 ピン MSOP パッケージ
2
VCC
BAT
9
+
LTC4053-4.2
4
LTC4053 は、パワー MOSFETを内蔵し、外付けセンス抵抗
やブロッキング・ダイオードが不要です。サーマル・レギュレー
ションによって充電電流を自動調整し、中断なしに最大レート
で充電できます。充電電流と時間は 1 個の抵抗とコンデンサ
で外部設定できます。入力電源を取り外すと自動的に低電流
のスリープ・モードになり、流出電流は 5 µA 以下になります。
N T C 温度検知、C/10 検出回路、A Cアダプタ検出ロジック、
トリクル充電などの機能も搭載しています。
4.7µF
TIMER
SHDN
8
GND NTC PROG
5
6
7
0.1µF
SYSTEM
LOAD
Li-Ion
BATTERY
SUSPEND
3.74k
USB CONTROL
µC
100mA/
500mA
15k
▲ USB 給電スタンドアローン Li-Ion チャージャ
4 A、高効率、スタンドアローン・バッテリチャージャ
Li-Ion 2 ∼ 4 セル( LTC 4006 )、3 ∼ 4 セル( LTC 4007 )、汎用( LTC 4008 )
高い変換効率:最大 96 %
充電電圧精度:± 0.8 % 、プログラム可能な充電電流
A C アダプタ電流制限により、最大充電レートを実現
広い入力電圧範囲:6 V ∼ 28 V
細型 SSOP:16 ピン( LTC 4006 )
、24 ピン( LTC 4007 )
、20 ピン( LTC 4008 )
LTC4006 ・ LTC4007は、2セル、
3 セルまたは 4 セルL i - Ion バッ
DCIN
0V TO 28V
テリ用、L T C 4 0 0 8 は汎用の完
3A
全な定電流/定電圧チャージャ・
VLOGIC
コントローラです。このPWMコン
CHG
トローラは同期整流式、準固定
ACP
周波数、一定オフタイム・アーキテ
CHARGING
CURRENT MONITOR
クチャを採用しており、セラミック・
コンデンサを使用した場合でも
THERMISTOR
可聴ノイズを生成しません。充電
10k
NTC
電流は1 本のセンス抵抗とプログ
ラミング抵抗を使用してプログラ
ムできます。外付け抵抗でプロ
グラムされるタイマによって総充
電時間を設定します。
INPUT SWITCH
0.1µF
5k
32.4k
309k
TIMING
RESISTOR
(~2 HOURS)
CHG
CLP
ACP/SHDN
CLN
IMON
TGATE
NTC
BGATE
ITH
6k
0.033Ω
15nF
20µF
10µH
0.025Ω
BATTERY
PGND
RT
0.0047µF
0.47µF
INFET
DCIN
100k
LTC4006
20µF
CSP
BAT
GND
0.12µF
▲ 4A Li-Ion バッテリ
T hinSOTのUSBパワー・マネージャ
USB 周辺機器とバッテリチャージャ間の総電力を管理
最小の電圧降下( 500 mA で 100 mV )
超低バッテリ流失:1 µ A
逆電流ブロッキング・ダイオードが不要
弊社リニア・バッテリチャージャとの互換性
高さの低い( 1 mm )ThinSOT パッケージ
L T C 4 4 1 0 は、U S B ポートに接続されているU S B 1 . 0 および
2.0 準拠の携帯機器を動作させたまま、そのバッテリを充電
することが可能です。L T C 4 4 1 0 は U S B 周辺負荷の増加に
比例してバッテリ充電電流を低減し、MOD Eピンの状態に
応じて、総電流を500mAまたは 100mA 以下に抑えることが
できます。逆電流防止、サーマル・シャットダウン、U S B 一時
停止モードによる低消費電流( 500mA モードで 80µA)があり
ます。
100mA 500mA
4.35V TO 5.5V
FROM
USB
VIN
4.7µF
GND
4.7µF
LTC4410
CHP
USBP
IRLML6401
1Ω
OFF ON
SYSTEM POWER
SUPPLY
VOUT
MODE
3.4k
1%
SHDN
PROG
VCC
TIMER
1M
BAT
NTC
LTC4053
GND
1-CELL
Li-Ion
0.1µF
USB
LTC4410
MODE
MODE
500mA
1
100mA
0
SUSPEND
1
LTC4053
SHDN
1
1
0
▲ USB 給電バッテリチャージャおよびパワー・マネージャ
www. linear -tech.co. jp/
TIMELY NEWS
ここに掲載した技術情報は一部です。
リスト内の情報や製品のデータシート、その他の技術資料は、すべて当社のWebサイトよりご覧いただけます。
www. l i near - tech.co. j p/
DN 320
USBからのバッテリチャージを簡単にする 新しいIC
DN 283
Li-Ionリニアチャージャによる、PC
DN 250
実装面積と外付部品点数が少ない低コスト SOT-23 Li-Ion バッテリチャージャ
DN 242
PWMスイッチャにインタフェースする Li-Ion 充電終了 IC
DN 239
Li-Ion バッテリ用 超小型低損失バッテリチャージャ
ボードの温度を85˚Cに制限した高速、全電流充電
Linear Technology Chronicle 2003 年 6月 Vol. 12 No.6
ハンドヘルド・アプリケーション向け パワーマネージメントおよびワイヤレス・ソリューション
Linear Technology Chronicle 2003 年 3月 Vol. 12 No.2
バッテリチャージャ
Linear Technology Magazine 2002 年 12月 Vol. 12 No.4
英語
理想ダイオードコントローラが電力ORアプリケーションで ダイオードのエネルギー損失を解消
Linear Technology Magazine 2002 年 5月 Vol. 12 No.2
英語
LTC1733:サーマル・レギュレーションによる オーバヒートの心配がない最大レート でのLi-Ion 充電
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