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3SFyrIPi(¥r - アドバンス国際特許事務所

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3SFyrIPi(¥r - アドバンス国際特許事務所
ADVANCE INTERNATIONAL PATENT OFFICE
3SFyrIPi(¥r
〒107-0052
東京都港区赤坂 2-5-7 NIKKEN 赤坂ビル8階
TEL 03-5570-6081
FAX 03-5570-6085
MAIL [email protected]
第49号
2014年1月6日
新年あけましておめでとうございます
Contents
1.トピックス
〔特
許〕日中韓の知財ユーザー企業等の参加を得たシンポジウムを開催………… 2
〔特
許〕PCT関連手数料改定のお知らせ…………………………………………… 3
〔四法共通〕平成25年度模倣品・海賊版撲滅キャンペーンを実施します…………… 4
2.判決情報
〔特
許〕平成23年( ワ )第21757号
職務発明対価請求事件…………… 5
〔特
許〕平成24年( ワ )第 3817 号
特許権侵害行為差止請求事件…… 9
〔著 作 権〕平成25年( ネ )第10058号
未払著作権料請求控訴事件………12
〔商
審決取消請求事件…………………15
標〕平成25年(行ケ)第10122号
3.海外情報
〔特
許〕最近の裁判事例
(アメリカ)………………………………………………18
4.コラム
知的財産権の統計
(マレーシア)…………………………………………………………20
5.特許紹介
特許第5140549号特許「住宅ローン借換え営業支援システム」のご紹介………22
日中韓の知財ユーザー企業等の参加を得たシンポジウムを開催
――概
要――
経済産業省ホームページ 2013 年 11 月 18 日更新記事によりますと、日本国特許庁(JPO)、中国国
家知識産権局(SIPO)、韓国特許庁(KIPO)は、日中韓特許庁協力の成果を広く紹介すると共に、ユ
ーザーとの意見交換を行う場として、日中韓特許庁共催として初めての「日中韓特許庁シンポジウム」
を、11 月 15 日に札幌市にて開催しました、とのことです。
なお、本シンポジウムには、日本企業関係者、大学関係者、弁理士等知財専門家、中韓等外国から
の参加者、特許庁及び北海道庁等官公庁など、合計約300名が出席しました。
――結果概要――
開催に協力いただいた高橋はるみ北海道知事のご挨拶に続いて、各国長官からの各国知財政策や審
査協力の状況に関する基調講演、実務担当官からの実用新案制度など 3 国間の制度の重要な相違点に
関する研究結果等の発表を行いました。
また、各国ユーザー代表(日本:東芝、韓国:サムスン電子、中国:京東方科技集団株式有限公司)
からの各企業の知財戦略に関する説明が行われた後に、ユーザー代表と有識者によるパネルディスカ
ッションを開催しました。
ディスカッションの中では、3 国のユーザー代表から一致して、制度・運用の調和や適時な権利取
得のための特許庁間協力の一層の強化に対する強い期待が示されました。
そして、各国のユーザー代表からは、次のような指摘・要望がありました。
・日中韓における審査実務の一層の調和(新規性喪失の例外規定)
・権利濫用防止規定の有無など制度の大きく異なる実用新案制度の改善の必要性等
――今後の展望――
なお、当該記事では今後の展望として、特許庁は、今回のシンポジウムでユーザーから指摘された
課題の解決に向け、日中韓協力の枠組みをはじめとして、国際的な協力を推進してまいります、と結
んでおります。
・上記トピックスの該当記事は下記経済産業省 URL をご覧下さい。
URL:http://www.meti.go.jp/press/2013/11/20131118001/20131118001.html
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NEWS
Vol. 49
PCT関連手数料改定のお知らせ
――概
要――
特許庁によりますと、平成26年(2014年)1月1日から、日本円−スイス・フラン間の為替
レート変動に伴い、国際出願関係手数料が下記の通り改定されます、とのことです。
1.国際出願手数料(国際出願が受理された日に有効な料金が適用されます。)
現行(2013.5.1 改定)
新(2014.1.1~)
135,500 円
142,600 円
1,500 円
1,600 円
最初の 30 枚まで
30 枚を超える用紙 1 枚につき
国際出願手数料からの減額
(1)
PCT-SAFE(EASY)出願
10,200 円
10,700 円
(2)
オンライン出願
30,600 円
32,200 円
2.取扱手数料(支払日(注)に有効な料金が適用されます。)
現行(2013.5.1 改定)
新(2014.1.1~)
20,400 円
21,400 円
(注)支払日は、㈱三菱東京UFJ銀行虎ノ門支店のWIPO-PCT, Geneva口座へ実際
に入金された日となります。他行の窓口から営業時間終了直前に振込依頼された場合等は、翌日に入
金となることがありますので御注意ください。また、予備審査請求日が平成26年1月1日以降のも
のは、平成25年12月31日以前に入金されても、新料金が適用されます。
また、平成26年(2014年)1月1日から、日本円-ユーロ間の為替レート変動に伴い、欧州
特許庁(EPO)が行う国際調査手数料が、下記の通り改定されます。
現行(2013.5.1 改定)
新(2014.1.1~)
234,800 円(1.875EUR)
246,700 円(1.875EUR)
上記トピックスの詳細は、特許庁ホームページの下記該当ページをご参照下さい。
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/kokusai/pct_tesuukaitei.htm
また、本トピックスと合わせて、次に示す特許庁ホームページ内「国際出願関係手数料」もご覧下さ
い。
「国際出願関係手数料」:http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/ryoukin/kokuryo.htm
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Vol. 49
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平成 25 年度模倣品・海賊版撲滅キャンペーンを実施します
――概
要――
特許庁によりますと、平成 25 年 12 月 2 日から平成 25 年度「模倣品・海賊版撲滅キャンペーン」
を実施します、とのことです。今年度は、若年層をターゲットに、「模倣品・海賊版を購入しない、
容認しない」という意識の向上を図るべく、特設ホームページの開設のほか、総合ポータルサイトな
どの多様な広報媒体を利用して、強力な働きかけを行います、とのことです。
――目
的――
近年、手口の巧妙化やインターネット上の取引における被害の増加など、模倣品・海賊版による被
害は複雑化・広範化しています。
一方で、消費者の側でも模倣品の購入を経済性等の理由で積極的・消極的に容認する風潮もあり、
このことが被害をより拡大させています。
※注 昨年内閣府が実施した「知的財産に関する特別世論調査」では、正規品と比べて経済的等の理
由で、模倣品の購入を容認する回答割合が約半数となっています。
このため、複雑化・広範化する模倣品・海賊版の被害が拡大しないよう、消費者の皆様方の一層の
意識向上を図る必要があります。
本年度の「模倣品・海賊版撲滅キャンペーン」では、若年層への普及啓発に重点を置き、「ホンモ
ノの大人になろう」をキャッチコピーにして、模倣品を容認しない大人になるための正しい知識を育
むことを目的に、キャンペーンを展開します。
――実施概要――
(1)実施期間
平成 25 年 12 月から平成 26 年 3 月
(2)広報媒体
①ウェブ広告(パソコン向け)
総合ポータルサイト(12 月 16 日~22 日:Yahoo! Japan の広告枠)
価格比較サイト(12 月 16 日~1 月 31 日:価格.com の広告枠)
オークションサイト(12 月 16 日~1 月 15 日:Yahoo!及び楽天オークションの広告枠)等
②ウェブ広告(スマートフォン向け)
総合ポータルサイト(12 月 16 日~1 月 15 日:Yahoo! Japan の広告枠)
価格比較サイト(12 月 16 日~22 日:価格.com の広告枠)
③キャンペーン特設ウェブサイト
特許庁ホームページ内にキャンペーンウェブサイト(※)を開設。動画の配信、模倣品・海賊版撲
滅に向けた関係団体の取組等を掲載(12 月 2 日~3 月 31 日)。上記①、②広告から下記※キャンペー
ンウェブサイトに誘導する仕組み。(※)http://www.jpo.go.jp/mohouhin/25fy/campaign/
(3)協賛
知的財産戦略本部、警察庁、消費者庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文化庁、農林水産省、
国土交通省観光庁、国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)
上記トピックスの詳細は、経済産業省ホームページの下記該当ページをご参照下さい。
http://www.meti.go.jp/press/2013/12/20131202004/20131202004.html
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平成23年(ワ)第21757号 職務発明対価請求事件
職務発明対価請求事件
――表
題――
被告の消滅時効の抗弁が認容され、原告の請求が棄却された事例。
(平成25年10月30日
東京地裁判決言渡)
――関連特許法規――
第35条第3項(平成16年法改正前)
――事案の概要――
本件は、原告が、法人Mの日本法人(以下「日本M」という。)に在職中に完成させたハードディ
スクに関する発明について、日本Mの会社分割(以下「本件分割」という。)により日本Mのハード
ディスク事業を承継した被告に対し、平成16年法律第79号による改正前の特許法(以下「平成1
6年法改正前特許法」若しくは単に「改正前特許法」という。)35条3項に基づく職務発明の相当
対価に係る支払請求として14億8500万円の一部である10億円の支払を求めた事案である。
――前提事実――
(1)原告
原告は、昭和58年日本Mに入社した者である。原告は、被告が日本Mのハードディスク事業を承
継したことに伴い、平成15年1月1日被告に移籍し、平成17年3月被告を退職した。
(2)被告
被告は、平成14年12月25日に設立された株式会社である。被告は、本件分割により日本Mの
ハードディスク事業を承継した。
(3)原告の職務発明
原告は、日本Mに在職中であった昭和62年5月頃、発明の名称を「ディスク機械のサーボ・パタ
ーンの書込み方法」とする米国特許権(以下「本件特許権」という。)に係る発明(以下「本件発明」
という。)を完成させた。原告は、遅くとも昭和63年2月頃までに、日本Mに対し、本件発明に係
る特許を受ける権利(外国の特許を受ける権利を含む。)を譲渡した。なお、本件発明に係る日本に
おける出願がされているが、特許として成立していない。
――争点――
本件の争点は次の3点である。
(争点1)職務発明の相当対価に係る支払債務の承継の有無
(争点2)消滅時効の成否
(争点3)相当対価の額
なお、争点1ないし3についての当事者の主張については割愛する。ちなみに、当裁判所は、争点
2について判断し、争点1及び3については判断をしていない。
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――当裁判所の判断――
<1>後掲の証拠等によれば、以下の各事実がそれぞれ認められる。
(1)日本Mの平成元年2月1日時点における発明報奨制度では、①発明業績賞、②ファースト・フ
ァイル賞、③発明出願賞が規定されていた。上記①の発明業績賞では、出願をした発明(考案、意匠
を含む。)には、特許の場合3点、意匠又は実用新案の場合は1点、公開した発明には1点がそれぞ
れ与えられ、これらの合計点数が12点に達したとき、その従業員に対し、賞金85万円と社長名の
賞状が授与され、上記②のファースト・ファイル賞では、発明者にとっての最初の出願(特許又は意
匠)が行われたときに、上記①とは別に、賞金37万円と表彰楯が授与され、(中略)というもので
あった。
(2)日本Mは、平成8年1月1日、発明報奨制度を改訂し、①ファースト・ファイル賞、②発明出
願賞、③発明業績賞、④発明登録賞、⑤優秀発明賞、⑥特許貢献賞を規定した。(中略)。
(3)日本Mは、昭和63年8月1日、原告に対し、本件発明について、ファースト・ファイル賞(平
成8年改訂前のもの)を授与し、その頃37万円を支払った。また、日本Mは、平成2年3月1日、
原告に対し、本件発明を含む発明について、発明業績賞(平成8年改訂前のもの)を授与し、その頃
85万円を支払った。原告は、日本M在籍時において、特許貢献賞を受賞したことはなかった。
<2>本件事案に鑑み、消滅時効の成否(争点2)について検討する。
(1)民法166条1項は、
「消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。」と規定し、
消滅時効の起算点を定めるが、ここにいう「権利を行使することができる」とは、単にその権利の行
使につき法律上の障害がないというだけではなく、さらに権利の性質上、その権利行使が現実に期待
のできるものであることをも必要と解するのが相当である(最高裁昭和40年(行ツ)第100号同
45年7月15日大法廷判決・民集24巻7号771頁参照)。
これを本件についてみるに、原告は、遅くとも昭和63年2月頃までに、日本Mに対し、本件発明
に係る特許を受ける権利を譲渡したが、その頃の日本Mの発明報奨制度において、職務発明の相当対
価につき具体的な支払時期を定めた規定は見当たらないから、本件発明に係る相当対価の支払債務は
期限の定めのない債務であったと認めるのが相当である。
そうすると、原告は、本件発明に係る特許を受ける権利の譲渡時において、日本Mに対し、本件発
明に係る相当対価の支払を請求することにつき法律上の障害があったとは認められない。また、平成
16年法改正前特許法35条4項は、「前項の対価の額は、その発明により使用者等が受けるべき利
益の額及びその発明がされるについて使用者等が貢献した程度を考慮して定めなければならない。」
と規定するが、ここにいう「受けるべき利益」とは、特許を受ける権利の譲渡時における客観的な利
益であり、使用者等が後に受けた利益ではないと解されるから、職務発明の相当対価は、その譲渡時
における客観的な価格である(外国の特許を受ける権利の譲渡に伴う対価請求についても同条3項及
び4項が類推適用される。最高裁平成16年(受)第781号同18年10月17日第三小法廷判決・
民集60巻8号2853頁参照)。同様に、本件発明に係る相当対価も、特許を受ける権利の譲渡時
における客観的な価格であり、その算定は譲渡時に可能であったから、本件発明に係る相当対価の支
払請求は、その権利の性質上、その権利行使が現実に期待のできたものである。
したがって、本件発明に係る相当対価の支払請求権は、その特許を受ける権利の譲渡時から消滅時
効が進行すると解するのが相当である。
もっとも、前記1(3)のとおり、①日本Mは、昭和63年8月1日、原告に対し、本件発明につ
いて、ファースト・ファイル賞を授与し、その頃37万円を支払ったこと、②日本Mは、平成2年3
月1日、原告に対し、本件発明を含む発明について、発明業績賞を授与し、その頃85万円を支払っ
たことが認められ、このうち①については、被告においてこれが消滅時効の起算点となり得ることを
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主張するものであり、少なくとも上記①の支払の時点において、時効の中断があったと認めるのが相
当である。
以上に照らすと、本件発明に係る相当対価の支払請求権は、上記①の支払の時点から10年が経過
した平成10年8月頃に消滅時効が完成し、被告が平成24年4月20日の弁論準備手続期日におい
て消滅時効を援用する旨の意思表示をしたことは当裁判所に顕著であるから、消滅時効の抗弁は理由
がある(なお、上記②の支払の時点における時効中断があるとしてみても、平成12年3月頃に消滅
時効が完成したものと認められる。)。
(2)これに対し、原告は、特許貢献賞の規定によれば、特許貢献賞は年間のライセンス収入の実績
をみた上で授与されるものであるから、その性質上、特許貢献賞に関する消滅時効の起算点は、特許
貢献賞の対象となる年間の高額のライセンス収入が得られたことが判定できるような一定期間を経
過したときに、支払時期が到来し、その時点を起算点と解するのが相当であるなどと主張する。しか
しながら、原告の主張する特許貢献賞は、本件発明に係る特許を受ける権利が譲渡され、米国におい
て登録された後の平成8年に制定されたものであり、改訂後の規定や移行措置をみても、それが本件
発明についてまで適用されるのか否か明らかではない。仮に、これが本件発明についても適用される
ものとしても、平成8年改訂の法人Mの発明報奨制度をみると、特許貢献賞を含めて具体的な支払時
期は定められていないのであって、本件発明に係る相当対価の支払債務は期限の定めがない債務であ
ることに変わりはない。
原告の主張は、日本Mにおける発明報奨制度における特許貢献賞についての算定方法から、改正前
特許法35条3項に定める相当対価請求権の支払時期を導き、これを消滅時効の起算点とするもので
あると解される。しかし、発明報奨制度において支払時期についての明確な定めがないにもかかわら
ず、同制度における特定の報奨額の算定方法から相当対価の支払時期を導くことは、相当対価の支払
を受けられる時期が制限されることにもつながるものであって、そのような解釈を認めるだけの合理
的理由がない限り許されないというべきであり、本件においては、そのような合理的理由は認められ
ない。
上記(1)の相当対価請求権の法的性質に照らせば、原告の主張するような事情を法律上の障害と
も、権利の性質上その権利行使が現実に期待できない事情ともみることはできない。
よって、原告の主張は採用できない。
また、原告は、特許貢献賞の規定の創設は、消滅時効の時効中断事由である債務の「承認」に該当
する旨主張する。しかしながら、民法147条3号にいう「承認」は、時効によって利益を受けるべ
き者が権利者に対して権利の存在を認識している旨を表示することをいうのであって、法人Mが従業
員一般について適用される特許貢献賞を設けたことが、原告に対する債務の「承認」に当たるとはい
い難いから、原告の主張は採用できない。
さらに、原告は、特許貢献賞の規定を創設した後については、原告と日本Mとの間では、相当対価
の支払債務(実績報奨部分)については高額のライセンス収入が得られた段階で支払う旨の合意がさ
れていた旨主張する。
しかしながら、このような原告と日本Mとの個別の合意を認めるに足りる証拠はないから、原告の
主張は採用できない。
(3)以上のとおり、被告の消滅時効の抗弁は理由がある。
――主
文――
原告の請求を棄却する。
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――コメント
コメント――
――
本稿では、職務発明の相当対価に係る事例を取り上げてみました。
本稿では、職務発明の相当対価に係る事例を取り上げてみました。
本件事案は、端的に言いますと、原告の前職会社である日本M(若しくは法人M)内における職務
発明について、被告が日本Mの事業を一部引き継いだからといって、前記職務発明に対する対価を支
払う義務があるか否かが争われたものです。その中で、当裁判所は、1)消滅時効の成否、2)民法
147条3号に言う「承認」の解釈を基に判断しております。
本件事案のように、消滅時効の成否が争われた事件としては、上記判断で判示された
本件事案のように、消滅時効の成否が争われた事件としては、上記判断で判示された最高裁平成1
最高裁平成1
6年(受)第781号事件(「日立製作所事件」)がありますが、日立製作所事件のほかに、勤務規則
等が判断材料となった最高裁平成13年(受)第1256号事件(「オリンパス事件」)も併せてご覧
になるとよいかもしれません。
本件の詳細は、下記のURLをご参照下さい。
URL:http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20131119171057
URL:http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20131119171057
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20131119171057.pdf
メキシコ
チチェン・イッツァ
チチェン・イッツァを象徴するピラミッド「エル・カスティーヨ」
このピラミッドには、春分と秋分の日の年2回、
マヤの最高神であるククルカンが舞い降りる神秘のイベントがあります。
太陽が沈む時、階段の最下段にあるククルカンの頭部の彫刻が照らされると同時に
階段の側面にうねるような光の模様が浮かび上がり、蛇の姿が浮かび上がることから
ククルカンの降臨と呼ばれています。
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平成24年(ワ)第3817号 特許権侵害行為差止請求事件
――標
題――
特許請求の範囲(クレーム)に括弧をして符号が用いられる場合には、特段の事情がない限り、記
載内容を理解するための補助的機能を有するにとどまり、符号によってクレームに記載された内容を
限定する機能は有しないと判示され、被告製品は本件特許に係る発明の技術的範囲に属さないとする
(平成25年10月31日
被告の主張が退けられた事例
知財高裁判決言渡)
――関連特許法規――
特許法第100条第1項、第2項、
特許法施行規則第24条の4(様式第29条の2、[備考]14
ロ)
――事案の概要――
本件は、発明の名称を「端面加工装置」とする特許権を有する原告が、被告製品は本件特許に係る発
明の技術的範囲に属し、その製造等は本件特許権の侵害に当たるとして、被告製品の差止め、廃棄を
求める事案である。
原告は、本件特許出願について発せられた拒絶理由通知に対し、出願時のクレーム(請求項1)を
下記のとおり分節されるクレームに補正し、本件特許の設定登録を受けた。
本件における争点は、被告製品が本件発明の構成要件Eを充足するか(争点1)、本件特許は無効審
判により無効にされるべきものか(争点2)、差止めの可否(争点3)、の3点であるが、本稿は、とく
に参照符号を用いたクレームの補正に係る争点1について取り上げた。
――出願時のクレーム――
バリ除去用工具と,バリ除去用工具を回転するための回転機構と,金属粉を捕集する金属粉収集機構
とを有し,バリ除去用工具はトルシアボルトの中心軸方向へ移動可能に構成されていることを特徴と
する端面加工装置。
――補正後のクレーム――(【図1】参照)
A:母材(Mf)のボルト取付孔(Mh)を貫通し、そしてナット(2)で固定されたトルシアボル
ト(1)の破断面(1c)に生じたバリ(1d)を除去するための端面加工装置(100)において、
B:バリ除去用工具(10、10CA~10CK)と、
C:そのバリ除去用工具(10、10CA~10CK)を回転する回転機構(R、14、70)と、
D:円筒状のフード部(12、12A、12B)とを備え、
E:その円筒状のフード部(12、12A、12B)は金属粉収集機構(12H、16、19A、1
9B)を有しており、
F:バリ除去用工具(10、10CA~10CK)は破断面(1c)のコーナー部(E)にエッジを
形成しないように、破断面(1c)のコーナー部(E)を加工する部分(102C、103C、10
4C、41a、42a、43)は、コーナー部(E)以外の破断面(1c)を加工する部分(101
C、104C、41b、42b、43)よりも、母材(Mf)に近い側に位置している
G:ことを特徴とする端面加工装置(100)。
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【図1】
【図11】
(図1は、第1実施形態及びその要部の説明図に基づき、
(図11は、本件発明の第5実施形態
説明上、本稿筆者が加筆して作成したものである)
を示す一部断面側面図である)
――原告の主張――
(判旨に近似するため割愛する)
――被告の主張――
(1)本件出願人は、特許出願時のクレーム(請求項1)に、出願当初は付されていなかった符号を
付し、「金属粉収集機構」を「金属粉収集機構(12H、16、19A、19B)」と補正したが、
本件特許の出願経過に照らせば、本件出願人は、本件発明の技術的範囲を、符号により特定される実
施形態の範囲に意識的に限定したことは明らかであり、構成要件Eの「金属粉収集機構(12H、1
6、19A、19B)」は、これらの符号により特定される実施形態に限定して解すべきである。
(2)(本件発明の第5実施形態に係る)図11に記載のベローズ(120)の内面の凹部には「1
2H、16、19A、19B」の符号は付されていないから、(被告製品の)ベローズすなわち蛇腹
状のカバー内面の凹部は本件発明の技術的範囲に含まれない。
(3)被告製品は、使用中や使用後の装置の向きによっては凹部に切削屑がたまらないこともあり、
たまった切削屑も装置の動きによって移動することもあるから、凹部は金属粉を収集する機能を奏す
るものではない。また、被告製品の凹部は蛇腹の谷部であるから、第1実施形態におけるフード部(1
2)に設けられた凹部(12H)とは大きさが異なり、両者を同列に論ずることはではない。
(4)被告製品の凹部に金属粉の収集機能があるとしても、本件明細書には、ベローズ(120)の
凹部が金属粉収集機構に当たるとの記載はなく、また、この凹部に符号が付されていないことから、
本件出願人には、この凹部が金属収集機構に当たるとの認識がなかったことは明らかである。したが
って、認識限度論によれば、ベローズ(120)と同じく蛇腹状の構成を有する被告製品のカバー内
面の凹部が構成要件Eの金属粉収集機構の技術的範囲に含まれると解することは、本件出願人の出願
字の認識を超えるものであり、許されない。
(5)以上によれば、被告製品は、構成要件Eを充足しない。
――当裁判所の判断の要旨――
(1)クレームの括弧内に符号を記載することに関しては、特許法施行規則(注1)に「請求項の内
容を理解するために必要があるときは、当該願書に添付した図面において使用した符号を括弧をして
用いる。」と規定されているところであり、これによれば、クレーム中に括弧をして符号が用いられ
た場合には、特段の事情がない限り、記載内容を理解するための補助的機能を有するにとどまり、符
号によってクレームに記載された内容を限定する機能は有しないものと解される。
(2)この点に関し、被告は、本件出願人は、補正によってこれらの符号により特定される実施形態
以外の構成を意識的に除外したから、「金属粉収集機構(12H、16、19A、19B)」は、こ
れらの実施形態の構成に限られ、蛇腹状のカバーの内面の凹部は構成要件Eにいう「金属収集機構」
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に当たらない旨主張するが、これらの符号は補正の前から明細書及び図面中で使用されていたもので
あり、本件意見書及び補正書には、クレームを、補正により付加した符号により特定される実施形態
に限定する旨の記載はないことから、本件出願人が拒絶理由の回避のために特定の構成を除外する意
図でこれらの符号を付したとは認め難い。
(3)被告製品の蛇腹状カバー内面の凹部(図示せず)は、円筒状のフード部の半径方向に膨らむよう
にフード部の円周方向全周にわたって存在し、本件明細書に記載された構成と同様に、金属粉を収容
することによって金属粉を収集する構成であるということができる。要件Eでいう金属粉の「収集」は、
装置の向きを問わず常に金属粉を収集できることを必須とするものではなく、また、装置の向きを変
えた場合に、一端収集した金属粉が移動しないことを要件とするものでもないから、被告製品の凹部
が金属粉収集機構に該当すると解することの妨げにはならない。被告が指摘する第1実施形態の図面
(【図1】参照)は、本件発明の実施例の一つであるにとどまるから、これと凹部の大きさが異なる
としても技術的範囲の属否の判断に影響を及ぼすものではないことは明らかである。
(4)本件明細書の第5実施形態は、本件発明の一実施例であるにとどまるから、ベローズ(120)
が金属粉収集機構であり、本件出願人がその旨を認識していたかどうかは、上記の判断に何ら影響す
るものではない。すなわち、特許発明の技術的範囲はクレームの記載及び図面を考慮して解釈すべき
ものである(注2)から、技術的範囲を判断するに際しては、出願人の主観的認識ではなく、クレー
ム及び明細書の記載によって定めるべきである。
(5)以上により、被告製品は、本件発明の構成要件Eを充足するものである。
――コメント――
本件は、クレームに括弧付で参照符号が用いられて発明が記載されている場合に、クレームに記載さ
れた内容、すなわち当該発明の技術的特徴がこの符号により限定されるか否かが争われたケースです。
このように、参照符号を括弧付でクレームに記載することは、とくに物品の形状や構造に係る発明や
考案に多く見られますが、このことは、あくまでも請求項の記載の内容を理解するために必要があると
き(注1)であって、必須の要件ではありません。
なお、過去において、本件と同様にクレームに記載された括弧付参照符号について争われたケースと
して、
「地下構造物用錠装置」事件(注3)があります。このケースでも、
「請求項の記載において、実
施例に係る図面の符号が用いられたとしても、それは、単なる補助的な手段であって、請求項記載の発
明の構成が当該実施例に係る具体的構成によって、請求項記載の発明が特定されるものではない」と判
示されています。
因みに、欧州特許出願では、その施行規則において、「その出願が引用符号を含む図面を含んでいる
場合において、クレームの理解の助けとなるときは、クレームに記載する技術的特徴には、それらの特
徴に関する当該引用符号を括弧に入れて続けることが好ましい」(注4)とされており、クレームの理
解の助けとなるときは、括弧付で参照符号を用いることが推奨されています。
(注1)特許法施行規則第24条の4及び様式第29条の2の[備考]14のロ
(注2)特許法第70条第1項、第2項
(注3)平成18年(行ケ)第10126号
(注4)欧州特許庁
審決取消請求事件
「欧州特許の付与に関する条約の施行規則」規則43「クレームの形式及び内容」(7)
なお、本件訴訟の詳細は、下記のURLをご参照下さい。
URL: http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20131107172117.pdf
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平成25年(ネ)第10058号 未払著作権料請求控訴事件
――表
題――
被告との間でプログラムの著作物の使用許諾契約を締結していた原告が、被告が原告に無断で、訴
外A社に当該プログラムを使用させていたとして、被告にその使用料の支払いを請求したものの、当
該使用許諾契約の後になされた本件合意により、本件合意以前の当該使用料については支払いを要し
ない旨が定められたものと解されるとして、その請求が認められなかった事案。
(平成25年11月27日
知財高裁
第1部)
――関連法規――
著作権法第2条第1項10の2号、著作権法第63条第1項、民法95条
――事案の概要――
(1)本件は、プログラムの著作物の使用許諾契約に基づく使用許諾料の支払いを求める訴訟の控訴
審です。
本件の原告(控訴人)P1は,被告(被控訴人)の取締役でしたが、P1と被控訴人との間で,P
1を著作権者と,被控訴人を使用者とし,P1は被控訴人に対し,P1が著作権(P5との共有)を有
する電子計算機用のプログラムであるDSP(プログラムの著作物)の使用,複製,販売等を許諾する
こととし,他方,被控訴人はP1に対し,DSPの使用,複製,販売等につき使用許諾料を支払う旨
の契約(本件使用許諾契約)を締結しました。
しかし、その後,被控訴人が訴外A社に対して,同社のコンピュータにDSPを複製し,使用をす
ることを許諾しました。
そこで、P1の成年後見人が法定代理人として,被控訴人に対し,本件使用許諾契約に基づき,使
用許諾料及びこれに対する遅延損害金の支払を求めたものが本件訴訟です。
本件訴訟については、原審における訴訟係属中にP1が死亡したため,P1の相続人である控訴人
らがP1の訴訟上の地位を承継し,被控訴人に対し控訴人らがそれぞれ使用許諾料及びこれに対する
遅延損害金の支払を求めています。
これに対して,被控訴人は,被控訴人がP1に技術顧問料として月額50万円を支払い,また被控
訴人が有する診療支援知識ベースの著作権をP1に譲渡することとし,その代わり,P1は,被控訴
人が訴外A社へDSPを貸与したことに関する過去分の請求を不問とすること等を内容とする合意
(本件合意)が成立したから,P1の被控訴人に対する請求権は消滅したなどと反論しています。
本件訴訟について、原審は,P1と被控訴人との間で本件合意が成立したことにより,訴外A社へ
のDSPの貸与に関し,P1の被控訴人に対する請求権が存在したか否かにかかわらず,その請求は
できないものとなったと判断して,控訴人らの請求をいずれも棄却しました。
そこで、控訴人らは,原判決の取消し等を求めて,本件控訴を提起し、本件控訴にあたり、本件合
意に係るP1の意思表示には要素の錯誤があり本件合意は無効である旨を追加して主張しています
――本件の争点――
本件では次の点について争われました。
(1) 使用許諾料の発生 (争点1)
(2) 使用許諾料の額 (争点2)
(3) 紛争解決に係る合意の成立及びその効果(争点3)
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――裁判所の判断――
裁判所では次のように、一部原審の判決を引用して、原審の判断を維持しました。
(1)使用許諾料の発生(争点1)及び使用許諾料の額 (争点2)について
P1と被控訴人とが平成9年にした本件使用許諾契約は,DSPをインストールした電子計算機の
所有者は,DSPを永続的に使用できることを前提とするものでした。
その一方、平成16年から平成19年までの間,被控訴人が訴外A社のコンピュータ数十台にDS
Pをインストールした事実は認められるものの,このインストールは,被控訴人が,訴外A社から委
託された開発業務の実施のため,それに必要な期間に限定されたものであること,及び、被控訴人は
訴外A社から金員の支払を受けているものの,名目上,役務の提供に対する報酬が大部分であると認
定されており、これが訴外A社に対する上記インストールに適用されるかは必ずしも明らかではない、
とされています。
こうした事実認定の下で、裁判所は原審の判断を引用し、「結局のところ,本件使用許諾契約及び
本件基準表によっても,被告が訴外A社のコンピュータにDSPをインストールし,ルールベースフ
ァイル作成業務に使用した際に,被告のP1に対する対価の支払義務が発生するか否か,またその額
がいくらであるかは明確ではないといわざるを得ないが,そうであるが故に,開発に使用するための
一時的な貸出しの場合に多額の使用許諾料を支払うことはできないと考える被告と,DSPを第三者
のコンピュータに複製し,使用させることで被告が対価を得ている以上,使用許諾料を支払うべきで
あると考えるP1との間に,紛争が生じたものと解される。」としています。
(2)本件合意の成立(争点3)等について
本件合意の成立については原審で認められていましたが、控訴人らは、本件合意に係るP1の意思
表示には、要素の錯誤があったと主張しました。
これに対して裁判所は、「P1は,前記認定のとおり,N社を設立して,被控訴人の取締役を辞任
する一方で技術顧問の地位に就き,平成19年12月19日には,ソフトウェア使用許諾等契約と年
間ライセンスに関する合意をして,これに基づき被控訴人から顧問料及び使用許諾料を受領している。
これらはいずれも本件合意の成立を前提とするものであるから,仮に,本件合意に係るP1の意思表
示に錯誤があったのであれば,本件合意が実施されているいずれかの過程で異議を述べるのが自然で
あるが,P1が,そのような行動を示した事実はないことに照らすと,本件合意を締結するに当たり,
P1の意思表示に錯誤があったと解することはできない。」と判断しました。
また、控訴人らは、他に4つの理由を挙げて、本件合意に係るP1の意思表示に錯誤があった旨を
主張しましたが、「いずれも採用の限りでない」と裁判所で判断されています。
そして、本件合意の効力については、「本件合意の内容が記載された書面(乙1文書)には,AL
ADINプロジェクトのためのDSP貸出しについて,平成19年7月以降,受託開発費用の10%
を使用料として支払う一方,過去のDSPの使用料については,診療支援知識ベースの版権の譲渡と
相殺する旨の記載がある。これは,DSPの使用料を支払う理由はないとする被告(当時の代表取締
役はP6)と,使用料の支払いを求めるP1との間で紛争となり,それを解決する一内容として,本
件合意以前のDSPの使用料については,支払うことを要しない旨を定めたものと解されるから,相
殺という言葉は使われていても,民法上の契約である和解の一種と考えられ,その効果はP1及び被
告に帰属したものといえる」と判断しました。
更に控訴人らは、「知識ベース」に経済的価値はなく,本件合意があったとしても,被控訴人の支
払義務を消滅させる効果は生じない旨などを主張していましたが、何れも裁判所で否定されています。
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以上の結果、裁判所では、原審の判決を引用し「これまでに検討したとおり,本件合意が成立した
と認められ,これを無効とする理由が認められない以上,P1が,本件合意以前に,訴外A社へのD
SPの貸与に関し,使用許諾料の請求権を有していたか否かに関わりなく,本件合意成立後は,被告
にその支払を求めることはできなくなったというべきであり,P1の地位を承継した原告らについて
も同様である。」との判断を示しました。
――コメント――
本件のDSPというソフトウェアは、P1を中心とした研究グループが研究開発した知識記述型の
第四世代言語というもののようですが、本件は当該P1の成年後見人が法定代理人として提起した訴
訟です。
本件では、「被告の代表取締役であった訴外P6と取締役であったP1との間で、被告の経営方針
に関する他の事項でも紛争が生じ、両者の信頼関係は次第に失われていった」という背景事情があっ
たようです。そこで、そうした紛争解決のために行われた経営会議で本件合意がされたものの、その
後、P1が脳溢血となり後見開始の決定がされ、成年後見人に選任されたP3が本件訴訟を提起し、
P1が死亡した後は控訴人らが原告の地位を承継して訴訟を継続していました。
本件合意の無効の理由として控訴人から主張された「要素の錯誤」は、民法95条の「意思表示は、
法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、
表意者は、自らその無効を主張することができない。」との規定を根拠とするものです。
控訴人側としては、上記合意を無効としなければ勝訴の見込みは低かったわけですが、裁判所では
上記のように本件合意は有効と判断しています。
要素の錯誤による無効が主張された裁判例は、民事訴訟では多いようで、古伊万里の陶磁器の売買
に関して、売主が信義則上の義務を果たしていなかったとして、要素の錯誤が認められた事件(売買
代金返還等請求事件
東京地裁
平成22(ワ)37045号
(判例時報2162号86頁)))
などが昨年話題になりました。一方、著作権関係では、本件とは事案の内容が異なりますが、著作権
移転登録の基本合意が錯誤無効と主張された事案(東京地裁判
や、チョコエッグ事件(大阪高裁
平成21年(ワ)第35164号)
平成16(ネ)3893号)など、いくつかが知られています。
このうち、チョコエッグ事件では応用美術の著作物性(各種フィギュアの模型原型の著作物性)が
大きな争点となっていましたが、同事件では、使用許諾された数以上の上記各種フィギュアの模型原
型の複製を権利者に無断で販売した被告が、抗弁として、上記各種フィギュアの模型原型の著作物性
について錯誤があったとして、著作権の使用許諾契約の無効を主張していました。しかし、裁判所は、
上記契約では、上記著作物性は契約の要素ではなかったとして、その主張を認めませんでした。
なお、本件(未払著作権料請求控訴事件)判決文の詳細は下記URLをご参照下さい。
【判決文URL】http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20131128114744.pdf
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平成25年(
平成25年(行ケ)
行ケ)第10122号 審決取消請求事件
――標
題――
本件は、特許庁が平成25年4月15日にした不服2012-7131事件についての審決の取消
を求めたものです。詳細につきましては、裁判所HPにてご確認ください。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20131002100157.pdf#search='%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%83%88
%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC+%E5%88%A4%E6%B1%BA
――事案の概要――
原告は、平成23年6月8日付で本願商標の商標登録出願を行い、平成23年11月25日に指定
商品の補正を行ったが、平成24年11月30日に4条1項10号(未登録周知商標による拒絶)を
理由に拒絶査定を受けたので、これに対し拒絶査定不服審判を請求した。
特許庁は、平成25年4月15日「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし、平成25
年4月26日に原告にその謄本を送達しています。
――本願商標――
オルトリリー(標準文字)
指定商品(平成23年11月25日付け補正後のもの)
第20類 クッション,座布団,まくら,マットレス
――引用商標――
【引用商標(引用商標1及び引用商標2)】
[引用商標1]
イタリア国所在のファベ社(Fabe S.r.l.〔ファベ ソチエタ ア レスポンサビリタ リミタータ〕)が,
イタリア国において,本願商標の登録出願前から商品『まくら』について使用する商標『Ortol
ily』
[引用商標2]
ファベ社が,我が国において,本願商標の登録出願前から商品『まくら』について使用する商標『オ
ルトリリー』
――争
点――
本件の争点は以下の2つになります。
1.引用商標の周知性の認定の誤り
2.誤認混同の恐れの有無
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――裁判所の判断――
1
争点①(引用商標の周知性の認定の誤り)について
知財高裁は、本願商標出願日前の周知性については「①引用商標2を付して電磁的方法により広告
が提供されていたファベ社製の枕は,本願商標出願日前から,相当数のウェブサイトで高い人気を得
た売れ筋商品として取り上げられていたことが認められ,これによれば,引用商標2は,これらウェ
ブサイトを通じて多数の需要者の目に触れられたものと推認され,また,②引用商標1を付された同
枕は(乙1,2),原告以外の大手通販業者内で販売される寝具類の中での販売ランキングで上位を
占め多数の者がこれを購入したものと認められ,これによれば,引用商標1は直接多数の需要者の目
に触れられたものと推認される。したがって,引用商標は,遅くとも本願商標出願日までにはファベ
社製の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されていた商標である
と認めるのが相当である。」と判事しました。
本願商標出願日後の周知性については、「ひとたび周知性を得た商標は,短期間のうちにその周知
性を喪失することはないのが通常であるところ,上記(1)ウのとおり,引用商標を付されたファベ社
製の枕は,本願商標出願日後も相当数のウェブサイトで高い人気を得た売れ筋商品として取り上げら
れ続け,また,大手通販業者内で販売される寝具類の中での販売ランキングでも上位を占めている。
したがって,引用商標は,現在においてもファベ社製の業務に係る商品を表示するものとして我が国
の需要者の間に広く認識されているものと認められる。」と判事しました。
また原告が引用商標1、引用商標2の周知性の寄与者が原告であってファベ社の寄与によるもので
はないと主張した点については、「周知性とは,結果として需要者の間に広く認識されていることを
いい,広く認識されたことが何に起因するかが引用商標の周知性の認定に影響を与えるものではな
い。」と判事しました。
原告が引用商標を使用していると認識されるのは商品製造者のファベ社ではなく、原告又は原告の
関係者等の国内販売業者である旨を主張している点については、「前記1(1)イに説示の項番号[1]~
[12][22][23][28]の各ウェブサイトは,いずれも,引用商標2を『ファベ社』製の枕の商標又は商品
名と明示しているのであり,そして,実際に同枕を購入した者も,これに付されたタグ,ラベルなど
により同枕がファベ社製であることを容易に認識できるものと認められる(乙1,12)。したがっ
て,需要者は,引用商標をファベ社の業務に係る商品を表示する商標であると認識するのであり,原
告又は原告の関係者等の業務に係る商品を表示する商標と認識するものとは認められない。」として
原告の引用商標の周知性の認定の誤りの主張について退けています。
2
争点②(誤認混同の恐れの有無)について
原告は、真正商品にのみ本願商標を使用すれば出所の誤認混同を生じない旨を主張していますが、
それに対して知財高裁は、「当該真正商品を扱う複数の者がその商品についての同一又は類似の商標
を自己の商標として使用すれば,特段の取引事情のない限り,誤認混同を生じるおそれが生じ,商標
の出所識別機能が害されることは明らかであるところ,そのような特段の取引事情のあることについ
ての主張立証はない。」と判事しました。
また原告は「真正商品を取り扱っている業者に対しては権利行使をしない旨を明らかにすれば商標法
4条1項10号の非登録事由が回避されると解される主張をするが,独自の見解であって採用するこ
とはできない。引用商標1と引用商標2とを二段に併記して成る商標の登録出願をしたファベ社と本
願商標を登録出願した原告との間では,現に深刻な紛争が生じている(甲19~21)。」として誤認
混同の恐れがないとする原告の主張を退けました。
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――
――コメント――
――
4条1項10号の周知性の判断は、
① 実際に使用している商標並びに商品又は役務
② 使用開始時期、使用期間、使用地域
③ 生産、証明若しくは譲渡の数量又は営業の規模(店舗数、営業地域、売上高等)
④ 広告宣伝の方法、回数及び内容
⑤ 一般紙、業界紙、雑誌又はインターネット等における記事掲載の回数及び内容
⑥ 需要者の商標の認識度を調査したアンケートの結果
に基づき判断がされます。
本件についても、楽天やYahoo!等の大手通販サイトで相当数の販売実績があったことなどが
考慮されて、周知性が認められています。出願前に4条1項10号、15号、19号の対象になりそ
うな他人の商標を抽出するのは中々難しいものではあります。しかしながら、こ
うな他人の商標を抽出するのは中々難しいものではあります。しかしながら、この判決からも特許庁
の判決からも特許庁
においてインターネットで周知性の調査をしているのは明らかですので、調査前にインターネット等
で他社が使用している実績がないかは確認しておいたほうが良いと言えるでしょう。
また、原告は周知性の寄与者は自分であることと、
また、原告は周知性の寄与者は自分であることと、オルトリリー
オルトリリーは原告の商標として周知である旨
は原告の商標として周知である旨
を主張していますが、原告等はオルトリリー
を主張していますが、原告等は オルトリリー枕をファベ社製の枕である旨をネットに掲載しています
枕をファベ社製の枕である旨をネットに掲載しています
ので、ファベ社の名声を利用しているのは明らかであり、このような主張には無理があると言えるで
しょう。
マルタ島・バレッタ
島・バレッタ
世界一ネコが住みやすいといわれているマルタ島。
一説によると人口の倍近くのネコが住んでいるそうです。
そしてこの島のネコの特徴といえば、エサの食べ方。
前足を器用に使いエサを口に運んで食べるそうです。
他のネコに餌をとられないように身に着けたネコの知恵ですね。
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最近の裁判事例
(アメリカ)
――事例1――
Synthes USA, LLC 及び Depuy Synthes Products, LLC と Spinal Kinetics との間で争われている
裁判において、CAFCは、Synthes 社の主張しているクレームが明細書記載要件を欠いているため
無効である、という地方裁判所の判決を支持しました。
Synthes 社は、Spinal Kinetics 社の製品が、Synthes 社の所有する米国特許番号 No. 7,429,270 の
クレーム 29-31 を侵害しいている、と主張していました。主張されているクレームには、一部に、”
複数の開孔を備えている・・・1つの・・・プレート”と記載されています。地方裁判所は、主張さ
れている特徴が、”溝”を設けたプレートが、単に記述されているだけの ’270 特許の明細書による
裏付けを得られておらず、”複数の開孔”が ’270 特許で開示されているいずれかの種(species)よ
りも広い概念であるとすることはできない、という判決を下しました。 ’270 特許には、プレート
の外装によってのみ覆われていて、もう一方の側面にまでは延伸していない”溝”が記述されていま
す。
CAFCは、Synthes 社による”溝”という記述が、”開孔”という明細書の記載の構成要素となっ
ているかどうかを審理しました。Spinal Kinetics 社は、Synthes 社の”溝”と開孔、すなわち訴え
られている Spinal Kinetics 社の製品にある ”内部スロット”の間には、著しい生化学的な相違が
存在していることを立証している専門家証言(expert testimony)を公判の中で提示していました。
CAFCは、機械的な技術については概して予測可能であるものの、Spinal Kinetics 社の専門家
証言による生化学的な相違から、’270 特許は、”溝”に関して”開孔”の全ての種をクレームに記載
することができるほど十分に幅広い明細書の記載を提供していない、という判決が導き出されたと述
べました。結論として、本技術分野における当業者は、非開示である種(開孔)が開示されている属
(genus)(溝)と同様に作用し、このような判定は、ケース・バイ・ケースの原則により下されなけ
ればならないことを認識可能であると考えられます。
(CAFC Nos.2013-1047, -1059)
――事例2――
Intellect Wireless, Inc.と HTC Corporation 及び HTC America, Inc. との間で争われている裁
判において、CAFCは、実施化されていない発明のサブジェクトマターをクレームに記載したこと
並びに虚偽記載をそれぞれが含んでいる多重宣言(multiple declarations)を提出したことの両方に
関する不正行為のために、 Intellect 社の米国特許番号 No. 7,266,186 が法的強制力を有さないと
した地方裁判所の判決を支持しました。
Intellect 社は、クレームに記載されている装置の発明実施化に関する虚偽記載が、最初の宣言に
含まれていたことを認めました。しかしながら、Intellect 社は、後に行われた宣言で、この虚偽記
載が訂正されているため、初めの虚偽記載は”不注意による錯誤(inadvertent mistake)”となって
いる、と引き続き主張しました。
後に行われた宣言について調査した結果、CAFCは、発明実施化の宣言が削除されておらず、後
に行われた宣言で用いられている言葉遣いが、この誤認をより一層悪化させているように見受けられ
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るという判決を下しました。
Intellect 社は、また、後に行われた宣言の時点で、発明実施化を思い付いており、同時に審査官
は宣言の変更について知っていたと主張しました。しかしながら、CAFCは、後に行われた宣言の
提出時点における発明実施化、並びに誤りを含んでいる宣言について、審査官が具体的に知っていた
という記録について、証拠が一切存在しないという判決を下しました。その結果、地方裁判所の判決
が支持されました。
この判決の中で、CAFCは、誤りを含んでいる宣言の仲裁付託に関して、以下のような助言を与
えました:すなわち、この宣言は、訂正されなければならず、また、審査官はこの誤認について並び
にこの誤認に関し、何らかの訂正が行われている理由について知っていなければなりません。
(CAFC No.2012-1658)
――事例3――
2007 年に、Accenture 社は、Guideware 社を相手取って、保険関連業務を取り扱うコンピュータ・
プログラムに関する米国特許番号 No. 7,013,284(”’284 特許”)の侵害訴訟を起こしました。
Guideware 社は、 ’284 特許が 特許法第 101 条 に基づき無効であり、また”機械又は変換”テスト
を通っていないと主張して、これに反訴しました。地方裁判所は、Guideware 社の主張を支持し、’284
特許のクレームは特許法第 101 条に基づき不適格であると判示しました。地方裁判所は、’284 特許
のクレームが、”具体的な装置又はシステムというよりも、データを体系化するための概念を対象と
したものであり、また、このクレームを保険業に限定していることにより、このクレームの存続を許
容するために十分なほど当該クレームが特定されているとはいえない”と結論づけました。
Accenture 社は、’284 特許のシステムクレーム1-7及び方法クレーム8に関して、CAFCに控
訴訴しました。Accenture 社は、自社のソフトウェアが、従来の保険金請求処理方法よりも素早く正
確であって、従来の保険金請求処理方法とは異なる方法論を用いているため、このソフトウェアは特
許により保護されるべきであると主張しました。Guidewire 社は、Accenture 社が、特許の排他性に
値しないような自明の保険取引慣習に対して、コンピュータ技術を単に追加しただけである、と主張
しました。
2-1の判決により、CAFCは、地方裁判所の判決を支持しました。Lourie 判示により示され
た多数意見の中で、同判事は、”・・・方法クレームは、抽象的なアイデアを定義している。・・・特
許適格性のない方法クレームに対して、システムクレームは有意義な限定を何ら与えていない・・・”
と述べました。Rader 判示により示された少数意見の中で、同判事は、”
・・・クレームに記載されて
いるシステムは、特許適格性を有するサブジェクトマターを提示している。このクレームは、コンピ
ュータ構成部品の特定の組み合わせを要件とし・・・全ての発明は、抽象的なアイデアをある程度ま
で具体化しており、クレームからその全ての実体的な限定を解剖するように細かく分析することは、
切り口からはみ出している特許法に近づく一歩である。”と述べました。
(CAFC No.2011-1486)
(上記3例は、いずれもワシントンの Sughrue 事務所からのレターに拠る)
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知的財産権の統計 (マレーシア)
――2012年
マレーシア及びシンガポールの知的財産権の統計――
――マレーシア国内における模造品のTOP5――
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Vol. 49
――2011年及び2012年
知的財産権統計比較――
(マレーシア RamRais & Partners 事務所からのレターに拠る)
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特許第5140549号特許「住宅ローン借換え営業支援システム」のご紹介
本件特許は、銀行等の金融機関における住宅ローンの借換え業務の推進において、住宅ローン借換
えの可能性ある顧客を客観的な基準で確実に検索若しくは調査して借換えの営業支援を行うことが
できるシステムです。特に新旧住宅地図を処理対象として、過去の旧住宅地図と現在の新住宅地図の
中からその異なる差部分を抽出し、その差部分から新築建物や宅地の変化を抽出して住宅ローン借換
えの可能性ある顧客を選定し、金融機関が所有している既存顧客情報等の外部データベースとの連携
技術により、顧客の絞込みを行って、住宅ローンの借換え適否の与信判断やランク付けを行い、有力
営業先候補を抽出して金融機関の営業活動を支援し得るようにしたコンピュータ応用技術です。
金融機関の流れとしては図1に示すように、「見込客抽出」→「有力営業先選定」→「営業活動」
→「成果集計」の業務を行いますが、本件特許では、「見込客抽出」→「有力営業先選定」でランク
付けした有力営業先の一覧表を作成する業務までを対象としています。見込客抽出では、旧住宅地図
と新住宅地図とに対して市町村名、建物種類等の抽出条件を指定して新築建物や宅地の変化を求め、
これによって見込客を抽出します。見込客が抽出されると、自行が既に住宅ローンの融資を行ってい
る先を、見込客から除外する処理を行って予備的営業先を選定し、その後、登記簿を調査すると共に、
現地調査を行って調査結果を入力して営業先候補を選別し、更にランク付けを行って有力営業先を選
定するようになっております。
図2は本件特許のシステム構成例を示しており、例えば2年前の旧住宅地図データベース1A及び
現在の新住宅地図データベース1Bが用意されており、旧住宅地図及び新住宅地図が地図表示手段2
に表示されるようになっています。旧住宅地図データベース1A及び新住宅地図データベース1Bは
いずれも建物に対する識別番号と、建物の種類(「個人住宅」、
「事務所」、
「名称付き建物」、
「目標物」)
等とを保持しています。地図表示手段2に表示された旧住宅地図及び新住宅地図から異なる部分の差
部分(例えば新築建物)を抽出し、その位置を表示する差部分抽出/位置表示手段3が設けられてお
り、新築建物等の経年的変化部である差部分データから、金融機関が運用している洗替システム10
及びインタフェースとしての連携手段11を介して取引先データTDを差し引くことにより、自行の
貸出先を差部分から消去して営業できる範囲(予備的営業先SB)を特定する既存取引先消去手段4
が設けられています。
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(特許権者:株式会社伊予エンジニアリング)
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図1
図2
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後記
新年おめでとうございます。旧年中は格別なご高配を賜り、誠に有難くそして厚く御礼申し
上げます。
当IPニュースも創刊から4年が経ち、今号から5年目に突入します。また、来月号は創刊
から節目の50号目になります。
本年も、より一層のご支援を賜りますよう、所員一同心よりお願い申し上げます。
アドバンスIPニュース第49号をお届け致します。
さて、当IPニュース第49号が皆様のお手元に届く1月で思いつくものの1つと言えば、
年賀状であるかと思います。年賀状の賀詞(がし)と言いますと、冒頭に述べた「新年おめで
とうございます」や「明けましておめでとうございます」などの文章調のものや、
「謹賀新年」
や「恭賀新年」などの四字熟語、「迎春」や「賀正」などの二字単語、そして「福」などとい
った一文字単語などが用いられます。ちなみに、目上目下関係なく使用可能なのは文章調のも
のらしいです。また、先述の「謹賀新年」などの四字熟語は目上の方に、二字単語や一文字単
語などは、友人や職場の同僚等又は目下の人といった関係の方に使うとのことです。小生も漠
然としか知りませんでしたが、年賀状を出すときはこの辺のことにもきちんと気を配りたいと
思います。
そして、年賀状、正月を過ぎますと、1 月中旬から大寒に入り、いわゆる真冬となります。
アドバンスIPニュースでは、本年も皆様に有益となる情報を発信していく所存です。何卒、
改めて宜しくお願い申し上げます。
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