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た ・ ち
単組
視ではその境目も明確ではなく、比較
サスペンションを構成する部品。スプリ
的緩やかな傾斜で変形する。へこんだ
ングの振動を緩和し収束させる機能を
部分を裏から押すと、変形した部分は
担う。衝撃や振動を吸収する緩衝材。
その形を変えながらパネル上を移動す
タンポ塗り
る。
ウエスを用いて塗る方法をいう。ウォッ
単組
シュプライマー、表面処理剤などの塗
日本自動車車体整備協同組合連合会
布で、ゴルフボール大くらいにウエスを
の各都道府県単位の組織。
丸めて、しみこませたもので塗る。
段取り
車体修理の作業においては段取りが
重要である。
「段取り八分」ということ
ばがあるが、作業前の準備をスムーズ
ち
におこなうことで、作業効率が良くな
た・ち
る。板金では、特に部品の入手タイミ
ングが大きい要素になる。滞 れば、作
業が止まってしまう。見積り時点では
再使用できると考えたが、実際にはで
チーフ EZ ライナー
【CHIEF EZ Liner】
きなくて発注、納品してもらうまで時間
米国・チーフ・オートモティブ・シス
がかかって作業進行が止まることもあ
テムズ社
(ネブラスカ州)のボデー修
る。塗装の分野はさらに様々な準備が
正装置。チーフ社は 1972 年の創業、
ある。材料管理を充分におこない、塗
1974 年 に修 正 装置を開 発、1976 年
装ブースなどを使用する順番も無駄が
に 本 格 発 売。国 内 1 号 機 は 1986 年
ないように段取り良くしなければなら
に日新機械興業が輸入、1987 年には
ない。
工研産業が総代理店となった。1991
断熱パネル
年末時点で、国内の台数は 100 基を
サンドイッチパネル。鋼板の間に硬質ウ
超えた。1971 年ごろ、板金技術者が
レタンの断熱材がある構造で、本格的
開発したものを農業機械のメーカーで
塗装ブースの外板に使用される。
あったチーフ社が販売権を得て発売。
丹刃[たんば]
1990 年発売のコンピューター計測装
丹波守小刀。漆塗装で使用された小刀
置「ジェネシス」は、1988 年にシステム
が、近代化以前の塗装現場で利用され
の発明者から製造権を買い取り、改良
ていた。木製ヘラの製作、調整、マス
して完成させたもの。
キング材の切断などに用いられた。
チェーン
【Chain】
ボデー修正で不可欠な引き作業用の
鎖。鉄の輪をつないだもの。ボデー修正
装置などには、引き能力などに適したタ
ダンパー
イプがセットされている。引きや固定で
【Damper】
装置と対象物の間に張って、一直線で
ショックアブソーバー
228
BSR-IK
ねじったりせずに使用する。
チップ
チェーンショートナー
正粘度になり、塗面になるともとの高
チェーンのだぶりを解消するツール。
い粘度に戻る。塗料は、チキソ性があ
るため吹き付け後に塗装面から垂れ落
ちない。特に水性塗料などでこの性質
は重要な要素になっている。
チキソトロピック
【Thixotropic】
チェーンプラー
レバーブロック
チキソ性
チェーンブロック
チェーンの先の鈎 にクランプなどをか
けてレバーを倒して倍力機構で引く仕
組み。レバーによりチェーンが前後す
ることで引くので、チェーンプラーが実
チゼル
【Chisel】
エアチゼル
チヂミ
リフティング
塗膜のトラブル。塗膜に縮んだような
たまりのブロックをからめた
「レバーブ
細かいシワがある状態。
ロック」や「チェーンブロック」とも呼ば
原因 上塗りの溶剤が旧塗膜や下塗り
れる。チェーンではなく、ワイヤを使っ
へ浸透、弱いところが膨潤(=ふくらん
たものなどは、
「レバーブロック」と呼ぶ
で)してそれ以外の箇所と差ができる。
ほうが適している。
ウレタン塗装で完全硬化する前に修正
ち
態に合った表現。レバーのところのか
のためなどで同じウレタンを塗装する
と発生する。表面の割れや乾燥不充分
な塗膜には発生しやすい。対策は、劣
化している塗 膜をはく離する。
シール
性のあるプラサフを使用する。
補修 修正は不可能。塗膜をはく離し
て再塗装する。
チップ
力の 3 要素
【Tip】
力の①大きさ、②方向、③作用点。力
の数と、力の加わった順 序を追 加し
た
「力の 5 要素」もあり。損傷確認と引
10mm
き作業の基礎知識としてチェックが必
要。
チキソ性
【Thixotropy】
チキソトロピー(ドイツ語)
5mm
90∼120°
チップの先端は摩耗して傾斜がついていたり
汚れや傷がないこと
塗料の性質。液状の物質で、普 通の
英語で「先端」を意味する。溶 接機の
状態は粘度が高くとろとろしているが、
先端部分の部品を指す。
かき混ぜると粘度が下がりさらさらに
❶スポット溶接機
(電気抵抗溶接機)
なる性能。吹き付け時は混ぜられて適
では、
銅電極。カーメーカーのラインで
BSR-IK
229
チップカッター
は、スポット溶接には
「DR(ドームラジ
乾燥まで 3 時間。サンディングは #100
アス)
型チップ」を使用している。
∼ 120。続いて細地パテの砥の粉パテ
❷ミグ溶接機では、ノズルの中のコン
を付ける。ラッカーパテ 100 に対して、
タクトチップ。
地の粉 3 ∼ 8%を添加して粗地パテと
チップカッター
する。乾きが速く、肉持ちが良くなる。
スポット溶接機のチップ先端部の形状
入れすぎるとパサパサになる。
を修正するツール。①チップの先端径
砥の粉パテ
が大きくなった、②上下でかみ合わな
着色アルミ
い、③表面が汚れている、などの場合
着色メタリック
ち
に修正が必要になる。摩耗が激しく、
特 殊 顔料。アルミ粒子に顔料をコー
曲がるなど変形した溶接チップは、新
ティングしたもの。以前よりカスタムペ
品と交換する。いずれにしてもチップ
イントの材料では存在していたが、市
に不具合があれば、溶接不良の原因と
販車への採用は、1990 年代初めに日
なる。
産プレセア
(R10)の JMO ジェードグ
地の粉パテ
リーン 2EP が最初。カラー名称の末
いまでいう板金パテのような粗地パテ。
尾の記号は、
2 コートエフェクトメタリッ
米国製ボデーフィラーの普及前、1950
クパールの略。このときはグリーンの
年代の手作りパテ。キメは粗いがヤセ
アルミ顔料。トヨタでいう「クリスタル
が少なく、肉持ちが良い。
シャイン顔料」
もこの種類の一つといえ
(粘土、火山灰、素焼の粉
材料 地の粉
よう。
クリスタルシャイン顔料
状のもの。主成分はケイ酸アルミニウ
樹脂 + 有機顔料
ム)、ゴールドサイズ
(短油性ワニス)
、
松煙、溶剤
(塗料シンナー、ガソリンな
アルミ
ど)、オイルパテ。
道具 三尺定 盤、丸太ローラー、ふる
い、木ヘラ。
着色マイカ
作り方 地の粉を三尺定盤に載せて丸
特殊顔料。マイカ
(雲母)に二酸化チタ
太ローラーで均一な粉にする、80 ∼
ンをコーティングして、さらに酸化鉄を
100 番のふるいでおろして石油缶に入
コーティングしたもの。マイカ顔料のな
れる。三尺定盤に山形に盛り、上のく
かでは隠ぺい力がある。最初に採用し
ぼみにゴールドサイズを流して大きな
たのはホンダで 1985 年 6 月、アコード・
木ヘラで混ぜ合わせる。松煙粉を加え
エアロデッキの NH-503P グラナダブ
て黒く着色。さらに職人によっては、オ
ラックパール、続いてトヨタが 1986 年
イルパテを 30 ∼ 50%混ぜて、練り合
初め、ソアラの 3H1 レッドマイカに採
わせた。
保存 三尺定盤に盛り上げ濡れた雑巾
二酸化チタン
(この層がないものもある)
をかけておく。一斗缶に保管するとき
は表面に水を張っておく。
使用 硬ければガソリンまたは塗料用
シンナーを加えて、適当な粘度にする。
230
BSR-IK
マイカ
酸化鉄
中古車商品化
用した。赤系やブラウン系が多い。
活 動。
「C-NCAP」は、2006 年 同セン
チャンネル
ターが発表した新車の安全評価規程
【U-channel】
である。日本の自動車事故 対策機構
(NASVA)と同様、毎年衝突試験をお
チャンネル加工
パネルの加工法。コの字型に曲げてある
もので、サイドメンバーなどに見られる。
こない新車の評価をしている。
自動車事故対策機構
中古自動車査定士
日本自動車査定協会の認定試験に合
格した資格者のこと。中古車の価値を
査定する場合、この資格者がおこなう
よう求められる。小型車査定士
(乗用
車、商用車、最大積載量 4 トン未満の
パテの種類。本来はワックスタイプと
貨物車の査定を担当)
、大型車査定士
ノンワックスタイプの中間という意味で
(小型車査定士が査定できない、大型
あるが、ボデーフィラー(板金パテ)と
車、バスなどの査定を担当)の 2 つの
ポリパテの中間に位置するパテとして
資格がある。
捉えられている。いまでは板 金パテ、
中古車買い取り
つまり厚付けできるパテは、このタイプ
カーデーラーでの買い取りだけでな
を指している。10 ∼ 30mm 程度のへ
く、さまざまなルートが存在するように
こみに対応する。樹脂は、空気不乾燥
なった。AA(オート・オークション)
ポリエステルに酸素で乾燥する成分を
の活発化と連動した形で、チェーン展
追加したもの。体質顔料の一部にガラ
開している中古車買い取り店が増加し
スビーズが使われているものが登場し
た。ブランド名でいえば、アップル、オ
たときは
「軽量型パテ」
(ライトウエイト
ニキス、カーセブン、カーチェンジ AI、
パテ)と呼ばれた。板金後のパネルの
ガリバー、Cow-Cow、ジェイボーイ、
へこみを埋め、ひずみを修正する。研
ラビットなどがある。
一方で、
プロトコー
磨性が良く、ポリパテに近いタイプは、
ポレーションのオークション落札価格
ポリパテでの補正を必要としないキメ
のデータブック
「オークション情報」な
の細かさがある。
どによる迅速な情報提供が、買い取り
中間管理者
価格を決める参考になっている。こう
車体修理工場にあっては、工場長、部
した情報が手厚くなったことで、買い
門長になる。他の業種と比べると仕事
取りチェーン店が存在しやすくなったと
の段取りのウエイトが高い。
もいえる。
工場
長
中古車商品化
中国自動車技術研究センター
中古車を加修し、あるいは売れる塗色
【China Automotive Technology
に塗り替えることで商品性を高めるこ
& Research Center】
と。外 観だけでなく、内装クリーニン
略称は、CATARC。1985 年、中国で
グなどもある。中古車販売業者から車
自動車産業の技術面を管理、サポー
体修理工場へ発注されるときは比較
トする機関として独立、公正な立場で
的価格の厳しい仕事が多い。古くは、
BSR-IK
ち
中間型パテ
231
中古設備リサイクルショップ
1975 年春にマツダ
(当時・東洋工業)
パーツの需要が一気に高まった経 緯
が、全国のデーラーに中古車商品化の
がある。相場によるが、新品価格の 10
指示を出し、全塗装を進めたマツダ中
∼ 50%程度。見積書では 80%の価格
古車センターの例がある。2003 年、イ
とすれば、部品利益は少なくとも 30%
ヤサカが「ユーズドカー リメイキング
となる。
ち
システム」を立ち上げたが、これは車内
カーメーカー系 日 産 部 品 神 奈 川 販
の光触媒脱臭抗菌、エアコンリフレッ
売が 1997 年 11 月より、リサイクル部
シュ、バッテリーリフレッシュ、ステッ
品「GREEN PARTS」を販売。本田技
カーはがし、ドアのゆがみ調整、車内
研工業は 1998 年よりドライブシャフト
清掃、軽補修、ポリッシュなど 11 項目
などの再生部品の全国販売をしてお
でメニュー構成していた。これらの要
り、2001 年 7 月には関東 地区で「中
素が、いまの中古車商品化に必要とさ
古部品」と新車からの
「取り外し部品」
れている項目であろう。
を
「Honda Recycle Parts」
として販売。
中古設備リサイクルショップ
中古部品はフェンダー、バンパーなど
か つては、
オートサプライヤーなど が
を品目にしている。
間に入って車体修理工場同士の中古
中古部品商
設備機器の斡旋がおこなわれていた
中古部品を扱う商社。当初の電話や
が、この業界で本 格的な中古設備機
ファックスの問い合わせだけでなく、
器の買い取り販売のビジネスモデルを
インターネットでの在庫検索もできるよ
確立したのは、1999 年のジェイワン
うになっている。1 社での在庫よりも
プランニング
(広島県福山市)が最初の
グループでの対応が発注する立場の
ようである。バブル経済崩壊後、折か
修理業界側にとっても便利である。グ
らのリサイクル時代に合致して受け入
ループさらに各グループ間での在庫情
れられた。ただし、同社はのち経営が
報の共有化が進んでいる。
行き詰ったものの、いまでは全国に同
種の業者が増えている。
同友会」
をルーツに、在庫データ共有の
中古部品
ためのネットワーシステムを確立、
「ビッ
リサイクル部品
グウェーブ」が設立された。NGPグルー
解体部品、
リビルド部品を含めた再使
プは、1985 年に 3 社で「西日本グッド
用可能なパーツの総 称。狭い意味で
パーツグループ」として誕生、1987 年
は外した状態のもののみを意味する。
に
「NGP グループ」として福岡に本部を
ユーパーツでは、中古部品ということ
開設。別に IT と企画戦略を受け持つ
ばのイメージが良くないと
「リファイン
「スーパーライン」を 1990 年に設立し、
パーツ」
と名づけた。
232
グループ 1979 年に
「自動車解体部品
全国の解体業者をネットワーク化した。
米国 リサイクルパーツの使用率が 高
「 サッポロ・システム・グループ」は、
い。1920 ∼ 1930 年 代に個人の 企 業
1986 年コンピューター管理システムを
家によって米国自動車再 生利用セン
開発、1987 年に SSG(2001 年に「エ
ターが設立され、保険会社が参入する
ス・エス・ジー」)を発足。1989 年に東
ことでパーツの供給も進み、1940 年
北地区で誕生した「システムオートパー
代は戦 争で 新車が生産されず、中古
ツ」は、20 数社でスタート。1990 年発
BSR-IK
調色
足の
「部友会」は九州を中心に西日本
色を発する。透明で純度の高いクォー
の会員で構成。1995 年に設立された
ツ
(石英)管の内部にニクロム線を配
「日本自動車リサイクル部品販売団体
して発 熱、これが赤外 線を発してい
協議会」
(JAPRA)は関連 9 団体を横
る。まぶしいので管の表面にはフィル
断する組織として通商産業省
(当時)の
ターもかかっている。ヒーターは 800
支援も得てスタート。1999 年には
「リ
∼ 900℃で、塗膜加熱温度は 80℃くら
サイクル総合研究所」が生まれた。九
いになる。近赤外線乾燥機と同様に、
州を中心に生まれたグループ、
「シーラ
1980 年代終わりに、外資系メーカーの
イオンズクラブ」は JAPRA に加入後、
ベースコートシステム塗料への注目の
同システムに一本化。豊田通商を親会
高まりに合わせて、外国製品が輸入さ
社に 2001 年 4 月に設立された「エコ
れ、のち 1990 年代初めには国産品も
ライン」は、同年 6 月にはビッグウェー
登場した。性能的には近赤外線乾燥
ブと提携、
さらに 2002 年 1 月にはスー
機と遠赤外線乾燥機の中間タイプ。
遠赤外 線乾 燥 機
近 赤外 線乾 燥
NGP グループから退会したメンバーが
機
4月に
「エスピーエヌ」を発足させた。
中目
ほかにも、車協を窓口にボデーショッ
コンパウンドの研磨粒子、メタリック顔
プが持つ新・中古部品の流通を図る
料の粒子などの大きさを表現するため
「イルカネットワーク」
もある。
に、粗目、細目に対応した形で使われ
る。バフもある。中目は中間サイズにな
チューニング
【Tuning】
る。
車だけでなく一 般にも使われること
超高張力鋼板
ば。英語の意味は
「調律」である。日常
高張力鋼板のなかでもより引っ張り強
の整 備もチューニングといえるが、部
度の高いものをいう。明確な定義はな
品の追加や交換、改造によって車の性
いが、鉄鋼メーカーは 780MPa 以上と
能を高めること。チューニングが施さ
している。ただし、カーメーカーによっ
れた車は
「チューニングカー」
。チュー
ては 590MPa 以上または 980MPa 以
ニングをメインに仕事をしている専門
上を超高張力鋼板と呼ぶ例もある。
ショップもある。
高張力鋼板
中破
調色
中損。修理工場によって異なるが、修
修理している実車の塗色について、上
理金額 30 ∼ 50 万円程度のものをい
塗り原色等を調合して同じ色をつくる
うことが多い。作 業内容では外 板取
こと。厳密性が要求される外板の塗色
替。
だけでなく、内板や下塗りなどでも調
小破
ち
パーラインとも提携した。2003 年には
大破
中波赤外線乾燥機
色は必要になる。方法には、①手(目
中波赤外線を照射する乾燥機。中波
測)調色、②計 量調色、③コンピュー
赤外線は、可視光線の外にある赤外
ター調色がある。いまでは、塗料メー
線のなかでも波長が 2.0 ∼ 3.5μm と、
カーが提供する配合データが調色には
短波
(近赤外線)と遠赤外線の中間に
欠かせない。訓練や経験で色を見る能
位置する。ヒートエレメントはオレンジ
力は高まるが、塗装技術者によって向
BSR-IK
233
調色カップ
き不向きはある。また、海 外では、わ
てカップの使用が多い。
が国ほど厳密な色合わせをしていない
場合もある。
手順 ①塗色コードを確認する、②配
合データに基づき原色を計量してよく
撹拌する、③試し塗り板に塗装、④乾
燥後比色する、⑤色に差があれば微調
色する、⑥色が合うまで比色と微調色
を繰り返す。コンピューター調色の場
合は、①実車塗色を測色、②コンピュー
計量調色器
ち
ターや塗料メーカーのデータバンクに
補修塗装では、求める塗色について必
よって適切な配合データを表示、③配
要な量を原色の組み合わせで調合し
合データに基づき原色を計量してよく
なければならない。調色作業で原色を
撹拌する、④試し塗り板に塗装、⑤乾
量りこむための計量器が最初に登場し
燥後測色して色差を確認、⑥修正配合
たころは、容量式で、いわゆる専用機
に基づき原色を計量、⑦色が合うまで
であったため
「調色器」または
「計量調
繰り返す。
色器」と呼んだ。いまでは、調色用の
ポイント 調色で 苦しんだ塗色は記 録
計量器としてデジタルの秤が使用され
を残す。原則としてデータに記載の原
ているので、
「調色用計量器」、あるい
色で微調色する。調色時と同じ塗装条
は単に
「デジタル計量器」と呼んでい
件で実車塗装する。メタリックの調色
る。
では、色相→明度→彩度の順で合わせ
経緯 調色に使用する計量器は、1965
る。初めは明度は明るめ、冴えは高め
年秋に日本ペイントが「ユニカラース
にする。
カッター」を発売したのが最初。1967
調色時間 どの程度の精度を求めるか
年にはロックペイントが重量式の
「ミ
で変わるが、アンケートの平均値では、
キシングスケール」
、関西ペイントが容
ソリッドで 30 分
(4.4 回)、メタリック
量式の計量器、1968 年にはイサム塗
で 44 分
(5.6 回)、3 コートパールで 55
料がイタリア製のはかりを出すなど、
分
(6.2 回)。後のカッコ内は微調色回
1969 年には各社とも出揃った。このこ
数。1950 年代は 20 分くらいとされて
ろは、重量式と容量式が混在していた
いるので、特殊顔料色の増加もあり、
時代である。その後、デジタル計量器
調色はますます時間と知識や知恵のい
の登場により重量式が増え、1972 年
る作業となっている。
に外 国の容量式調色システムを紹 介
調色カップ
した日本アールエムも、1989 年 7 月か
塗料の調色、配合に使用する。使い捨
ら重量式計量器の販売と同時に重量
てタイプ
(紙製、PP 製)
、何回も利用
配合データとの併記を開始している。
できる金属製、目盛り付き、保存性を
234
調色器
デジタル計量器
考えたフタ付きなど各種ある。いまで
調色コンピューターシステム
はデジタル計量器に載せた重量式の
調色について、測色機
(分光光度計)
と
計量をおこなうため、PP 製の使い捨
演算機能のあるコンピューターを組み
BSR-IK
調色用乾燥機
合わせ、さらにデジタル計量器を連動
ティーチシステム」を発売している。外
させたシステム。核になる部分が必ず
国ではこの時期、1988 年にイタリアの
しも既存のパソコンではなく、データ
マックスメイヤーが、ドイツのアウトメ
端末機の場合もある。調色の機械化
カニカで分光光度計とコンピューター
の最先端機器として位置づけられる。
と計量器をセットにした調色システム
実車を測色して、その配合データを機
を展示している。こうして、国内、外資
械が提 示する。つまり、塗色コード検
を含め塗料メーカーの多くがいまでは
索の手間が省ける。微調色についても、
調色コンピューターシステムを揃え、し
試し塗り板を測色して、方向やデータ
かもそれは進化し続けている。
を指示してくれる。デジタル計量器は
測色機
デジタル計量器
分光
光度計
間が省ける。原色を調色カップへ入れ
調色システム
る作業まで完全自動化できればシステ
調色システムという考え方は、1972 年
ムとして完結するが、原色数が多い自
に外資系塗料メーカーのリンシッドメー
動車補修では、そこまでは無理である。
ソンがわが国に初めて持ち込んだ。
「容
経緯 大同興業が 1979 年にコンピュー
量式計量器」、
「アジテーターカバー」、
ター調色表示機と銘打った
「ユニグラ
自動撹拌する
「ミキシングマシーン」
、
フ」を発売。色差を示し、調色の方向
「塗色配合データ」
、
「濃度を薄めた原
性をアドバイスするものであった。パソ
色」
(トーナーあるいは 1/10 原色)の
コンで調色データを検索する機能は、
セットである。計量器は重量式になっ
1983 年 3 月のイサム塗料のトータルコ
たが、このシステムの基本的な組み合
ンピューターシステム
「アルタス」
に搭載
わせは、いまでも調色に欠かせないも
されていた。これは見積書作成、塗色
のである。
検索、財務管理の機能を持っていた。
調色ブース
1988 年 12 月に関西ペイントは VAN
調色時の試し塗り板
(テストピース)を
通信網を使った調色オンラインシステ
吹き付ける際に、ミストを吸い込んで、
ム
「Van-Van」を稼働。調色データを検
フィルターを通してきれいな空気にし
索表 示させるターミナルとデジタル計
て出す機能を持ったブース。局所排気
量 器 のセットだった。1990 年 1 月に
装置の一種。
ち
データを取り込み、数字を打ち込む手
関ペは VAN と測色機を組み合わせた
「カラーセンサーシステム」をスタート。
同年 8 月にはメタリック測色も可能に
(世界初とされた)
。1991 年 8 月には
パール測色ソフトの追加。1993 年夏
にはノートパソコンを使った可搬式「ミ
ニカラーセンサー Z システムベストバー
ジョン」を発売。1994 年にはカーデー
ラーを中心にカラーセンサーシステム
の 普及は 1,000 台に到達した。1991
年初頭、日本ペイントは
「ニッペ・カラー
調色用乾燥機
試し塗り板乾燥 機
テストピース
BSR-IK
235
調色用クリヤー
乾燥機
メーカーではパッケージタイプを用意し
試し塗り用の板
(テストピース)を乾燥
ているところが多い。
させるための小型乾燥機。内部には、
超微粒子コンパウンド
ヒートエレメント
(赤外線ランプなど)
非常に微細な研磨材を配合したコンパ
が 1 個ないしは複数設置され、試し塗
ウンド。微粒子よりさらに細かく、仕上
り板を網 棚の上において乾燥させる
がり性を重視したもの。クリヤー表面
ボックス。3 コートパールのように試し
についた浅い傷を消したり、最終磨き
塗り板を複数用意するなどの場合、特
作業で使用する。
に重宝する。
チョーキング
【Chalking】
白亜化
直間比率
経営指標の一つ。直接の入庫
(一般客)
ち
と間接の入庫
(デーラーや整備工場な
ど)との比率。台数と売上額での見方
調色用クリヤー
がある。工場運営上、4:6 あたりが安
試し塗り板にも、2 コート、3 コート塗
定しているところといわれるが、むろ
色の比色にはクリヤーの塗布が必 要
ん、直需 100%も、下請け 100%の工
であるが、それをエアゾール缶に入れ
場もある。一般的な用語としては、直
て作業を簡素化するもの。調色用エア
接費と間接費などの比率をいう。
ゾール缶入りクリヤーは、1994 年夏、
直需
石原薬品が
「調色用マッチングクリヤー
直接客
970」を発売したのが古く、いまでは塗
「直接的な需要」の短 縮語。客からの
料メーカーからも用意されている。塗
直接的な受注。法人を含む。カーデー
料メーカーでは濡れ状態を作り出すだ
ラーや整備工場
(モータース)、ガソリ
けなので、最終確認はクリヤー塗装す
ンスタンドや中古車業者などからの下
ることを推奨している。
請け受注と対比して語られる。
調色ルーム
直接作業時間
調色室
実際に作業をしている時間
(正味作業
調色作業場を別に独立した部屋にし
時間)と部品や工具の用意、移動、段取
たもの。塗装ブースに隣接させたタイ
りの時間
(準備時間)を合計した時間。
プや採光や塗料庫との位置関係を考
直接損傷
えて離れた場所に作っているケースも
ある。内部は危険物貯蔵庫としての防
直接損傷
波及損傷
爆設備で、調色ブース、試し塗り板乾
燥機、ミキシングマシーン、計量棚、調
間接損傷
色データの資料棚など必要なものがま
とめて設備されている。1996 年、栗
田工業が発売した調色ルーム
「プチ・
パレット」をはじめ、内外の塗装ブース
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BSR-IK
入力
誘発損傷
チラシ
損傷の分類において、衝撃力を直接受
貯蔵安定性が良いということになる。
け止めて損傷した箇所。
缶を開けなければ半永久的というもの
間接損傷
直線距離寸法
から水性塗料のように比較的短いもの
ボデー寸法の表 示法。ボデー骨格の
まで、それぞれの製品によって異なる。
計測基準位置同士の間をまっすぐな直
貯蔵安定性の悪い製品は、早く使い切
線で測ったときの長さ。トラムゲージ
るか、大量の在庫を持たないことであ
などで測定できる。カーメーカーのボ
る。
デー寸法図でアッパーボデーはこの方
チラシ
式を採る。アンダーボデーは直線距離
リーフレット
(Leaflet)
寸法図と平面投影寸法図の両者があ
日本語の
「散らす」ことからの転化のよ
る。単位は mm。
うで、英語では
「リーフレット」である。
平面投影寸法
紙1枚
(A4 判か B4 判が一般的。片面
保険代理店を通さず、電話やインター
または両面)で、広告宣伝を目的に撒
ネットなどを介して直接、損保会社が
き散らされ るもの。1 色、2 色、4 色
販売する保険商品。自動車保険の通
刷り
(カラーになる)など色の種類があ
販というべきもので、英国のダイレク
る。少量枚数であれば、コピー機ある
ト・ライン保険が 1985 年に突 破口を
いは簡易印刷業者で間に合うが、多量
開いた。日本では保険業法改正以降、
の枚数になれば印刷会社に依頼した
1997 年 9 月よりアメリカンホーム保険
ほうが安くなる。数ページのものは、
「パ
が販売を開始したのが最初。アメリカ
ンフレット」や「カタログ」と呼ばれる。
ンホームはそれ以前から他の分野で
配布方法 ①新聞折り込み、②ダイレ
実績を挙げていた。1998 年 1 月チュー
クト・メール、③ポスティング
(郵便受
リッヒ、2 月ウインタートウル・スイス、
けに投げ込む)、④自社事務所・知り
4 月オールステート、5 月ゼネラリとア
合いの店舗に置く、などの手段がある。
クサダイレクト、10 月ソニー、12 月セ
ポイント ① 製作目的とするテーマを
コム東洋とセゾンが発売。1999 年に
絞る。せっかくの機会と、何もかもを入
はチューリッヒとアメリカンホームが、
れると、結局何を知ってほしいのかが
インターネットでの保険料見積りサー
見えなくなる。②デザインでは、メイン
ビスを開始。2000 年代に入り、ダイレ
コピーとアイキャッチャーを考える。メ
クト・ラインも合弁で参入したが後年、
インコピーはやはり注目を集める語句
オールステートなどと同様に撤退した。
にしたい。アイキャッチャーは目を引く
ダイレクト損保
ち
直販自動車保険
ところの意味である。最初に目がいく
貯蔵安定性
ところ
(メインの宣伝語句か、写真やイ
塗料をはじめ液体やペースト状の材料
ラスト)
、次に目がいくところ、そこから
の特性。溶けた状態もあるものの、い
さらに誘導していって小さな字の説明
ろいろな物質が混ぜられて製品化され
文のかたまりへ、というような流れを
ていることが多く、放置状態で構成物
作る。文字の大きさがみんな同じ、色
質同士の分離や劣化、夏・冬の温 度
もみんな同じでは、最初にどこを見た
差による変質が起こりうる。長く保管し
らいいのか、どこをアピールしているの
ておいても性能が変わらない製品は、
かが分からなくなってしまう。メリハリ
BSR-IK
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チリ合わせ
をつけることで注目度が高まる。
顔料を使ったものは分離しやすい。沈
チリ合わせ
澱は塗料トラブルの一つともなってい
「チリ」とは、パネルのすき間や段差な
る。樹脂と分離して底に顔料分が完全
ど。漢字では
「塵」。
「わずかなもの」の
に固まったものは使用できない。通常
意味で使われている。チリに機能
(たと
の範囲内で軟らかい沈澱はよく撹拌し
えばドアの閉まり具合など)
を調整する
て使用する。
ことが「たてつけ」
。
沈澱防止剤
たてつけ
塗料の添加剤成分。顔料の沈澱を防
ぐ。成分は、脂肪酸アマイド系、酸化
ポリエチレン系などで、分子が広がり
顔料粒子を支えることで安定化を図っ
ている。
狭い
広い
広い
ち・つ
狭い
つ
通電時間
サイドラインのずれ
スポット溶接機の溶接条件。電気を流
すき間
している時間。単位はサイクル。通電
段差
時間の最適管理が溶接の品質を左右
する。
チルト
【Tilt】
ツールカート
ツールキャリア
英語で「傾き」の意味である。台式のボ
デー修正装置およびキャリアカーで、
車載のために斜めに台を傾けるのが
「チルト台」
。
「チルトタイプ」は傾けられ
る機能を持つもの。
沈澱[ちんでん]
液体などで、構成物質の一部が底に
沈むこと。たとえば塗料原色は、大な
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り小なり比 重
(それぞれの重さ)の異
工具や材料を保管し、運ぶためのキャ
なる物質を混ぜ合わせた状 態になっ
スターつきのかごやボックス。技術者
ている。この場合は、顔料が缶の下へ
一人ずつがそれぞれ管理して、作業前
降りて溜まることが多い。なかでも顔
に必要な機材をカート
(Cart、
「手押し
料粒子の大きいものが沈澱しやすく、
車」
)
に集めて作業箇所の近くに運び置
MIO、マイカ、アルミ
(粗目など)、無機
くことで、作業効率の向上と整理整頓
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