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融資利用実態調査報告書

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融資利用実態調査報告書
平成 23 年度「融資利用実態調査事業」業務委託
千葉県県民活動促進事業
融資利用実態調査報告書
平成 23 年9月
特定非営利活動法人 ACOBA
千葉県県民活動促進事業
融資利用実態調査報告書
目
次
第1部
調 査 編
頁
第1章
調査の目的と方法
1
1. 調査の目的
1
2. 調査の方法
1
(1)県内NPOのデータ調査
1
(2)NPOへのアンケート
2
(3)NPOへの 面接調査
2
(4)金融機関等への聞き取り調査
3
第2章
県内NPO法人基礎データ分析
4
(1)収入・支出の状況分析
4
(2)資産・負債の状況分析
6
第3章
NPOへのアンケート調査結果
8
1. 融資利用実態
9
2. 融資利用実態別の状況
9
(1)融資を受けている又は受けたことがあるNPO
9
(2)今後、可能であれば融資を受けたいNPO
13
(3)融資を受ける予定はないNPO
17
3.融資に対する考え方
18
(1)融資を受けた際の相談について
18
(2)融資を受ける予定がないNPOの融資に対する意識
21
(3)融資利用における自己評価
23
(4)金融機関についての認識
24
4.潜在的な融資利用について
25
(1)今後の利用資金
25
(2)融資を利用して実現したい計画
26
(3)融資の受けることによる利点と期待について
27
(4)融資の受けて困ったこと
28
5.融資利用における要望
30
(1)金融機関への要望
30
(2)行政への要望
30
6.アンケートに寄せられた意見
31
頁
第4章
NPOへの面接調査結果
34
1.融資利用促進に関する課題
34
2.融資対象となる「団体の課題」
35
3.融資対象となる「事業の課題」
36
4.返済計画上の経験、課題、ノウハウ
37
5.要望、意見
38
(1)一般的な要望
38
(2)金融機関への要望
39
(3)行政への要望
39
(4)その他の要望、意見
40
第5章
金融機関への面接調査結果
41
1.融資の実績
41
2.融資の条件、審査基準
42
3.融資促進における課題
44
4.融資促進における対応・提案
45
第2部
課題抽出と問題解決編
第6章
潜在的な融資需要の算定
48
(1)融資利用希望対象のNPO
48
(2)融資利用需要額
49
第7章
融資利用におけるNPOの課題
50
第8章
支援方策の検討
54
参考資料
第1部
第1章
調
査
編
調査の目的と方法
1.調査の目的
千葉県には 1,600 余りのNPO法人(以下、NPOと記す)が存在し、様々な分野で
地域の課題解決に取り組み、公益性の高い事業を実施している。
これらの事業は将来にわたって息の長い自立的、持続的な活動を期待されているが、
それを支えるには資金的な基盤を固めることが不可欠になる。
限定された資金(会費等)や不定期の資金(寄附金や助成金)に依存することなく、
自己資金を投下し、収益を上げ、再投資を可能とするような事業形態が必要となる。
この自己資金には、金融機関からの融資を利用することが考えられるが、NPOが融
資を受けてまで事業を推進できる社会的な環境や、その意欲・能力があるのかという先
入観が未だ一般にあり、融資利用に関してNPOは積極的でないといわれている。
また、融資する金融機関も、多くはNPOへの理解が十分でなく、非営利な活動法人
であり、融資の対象外という意識が一部にあるといわれている。
しかし、現状どの程度、どのような形で融資が活用されているのか実態が明らかにな
っていない。そこで、先ずNPOの現状の融資利用の実態を調査し、その利用上の課題
や潜在的需要を明らかにし、今後の融資利用促進の支援方策について検討した。
2.調査の方法
調査にあたって、先ず千葉県内の全てのNPOのデータをまとめ、そのうちから 300
件のNPOを選択し融資利用実態のアンケート調査を行い、さらにそのうちから 10 件
のNPOを絞り、ここに直接訪問して面接し、聞き取り調査を行った。
一方、金融機関からも、NPOへ融資を行う上での方針や課題などについて調査する
ため、代表的な金融機関を訪問して聞き取り調査を行った。
以下にそれぞれについての具体的方法を記す。
(1)県内NPOのデータ調査
県内NPOのデータは千葉県NPO情報ネットのNPO情報検索から 2011 年 6 月末
日現在 1632 件のNPOを、NPO名、住所、主たる分野、その他の活動分野、目的、
HP情報の有無をリストアップした。
さらに、これに平成 20 年度~22 年度の 2 年度分(平成 22 年度は未提出のNPOが
あるため)の各NPOの収支計算書から資産、負債、収入、支出を読み取り追加し、一
覧表を作成した。
(NPO基礎データ入力 CD-R、別途提出)
1
(2)NPOへのアンケート調査
アンケートにあたって 300 件のNPOを選定した。NPO1632 件の年間収入総額は
228 億円余りあるが、その約9割を事業収入1千万円以上のNPO434 件が占めている。
つまり全体の 1/4 のNPOが県内の9割の経済活動を行っていることを示す。今回の融
資実態調査のアンケートを 300 件に実施するにあたって、まずその 434 件を抽出し、収
入額順で 300 件を選んでしまうと活動の17分野をまんべんなくアンケートがとれな
くなるため、かなりの数を占める福祉分野の下位団体を対象から外す作業を行った。300
件を分析することで全体の傾向を読み取るには十分な数と判断した。
アンケートの内容は融資利用の実態及び必要又は障害となっている課題について把
握し、更に、融資利用の潜在的需要を明らかにするため、先ず「融資利用経験あり」
「融
資利用希望あり」「融資利用は考えていない」の3グループに分けて質問した。
質問に関して、先ず各NPOの基本的な情報はNPO情報検索に記載されているデー
タ(流動資産、固定資産、流動負債の内訳、固定負債の内訳、会費収入、事業収入、寄
付金収入、補助金収入、事業費、管理費など)を事前に読み取り、質問は極力厳選した。
質問内容は融資の実績・計画内容、利用する資金 、融資の認識理解、今後の事業計画、
金融機関・行政への希望他とした。
(アンケート内容を参考資料1.に示す。)
調査期間 2011 年 8 月 20 日~9 月 2 日としたが、それ以降に一部届いた回答も全て集
計し分析の対象とした。
回収は送付数 300 件に対し 146 件で回収率は 48.7%であった。
(3)NPOへの 面接調査
融資利用促進に関する課題、融資利用促進対策等の検討に必要な事項をNPOから直
接聞き取るために訪問して、面接調査をした。
対象とするNPOはアンケートの回答内容を吟味し、融資に対し積極的な意見を持ち、
更に分野別、事業別等を考慮して10件を選定した。
(面接したNPOを参考資料2.に示す)
面接の内容は次のようなことを確認し、質問した。
①確認事項
・ アンケート内容の確認及び補充質問
・ アンケート集計結果についての感想、意見、解釈上等で参考となる意見
②質問事項
・ 融資利用の実態として、融資利用促進に関する課題、融資利用促進対策の検討
に必要な事項など
2
・ 特に、融資利用における課題として、融資を利用する上での問題点、融資対象
となる事業上での問題点、自己資金、担保、連帯保証等の問題点、借入れ実施
窓口における経験等
・ 支援施策の要望等(研究会、勉強会、講習会、個別指導等として、金融機関へ
の要望等、24年度支援対象団体への応募意向)
(4)金融機関への聞き取り調査
NPO等への融資に多く関係する全国的な金融機関や千葉県内外の地方銀行、信用
金庫、信用組合など9つの金融機関から、融資の実績や課題となる事項等についての
聞き取り調査を行った。(10の金融機関から聞き取り調査を行う予定であったが、1
機関で9月末までの面接が出来なかった。)
(聞き取り調査をした金融機関を参考資料3.に示す。)
聞き取り内容は次のような事項としたが、一部回答をもらえない項目もあった。
・ NPO等への融資実績の有無(有る場合:融資件数、融資額、融資率、融資条
件、融資対象事業)
・ 相談指導業務
・ 融資促進の課題、対応、提案について(可能な範囲)
・ NPO等への融資に対する基本的な考え方(理念)
・ NPO等が行う経済活動に関する認識(魅力、採算性等)
・ 審査の基準(担保・連帯保証人の要不要など)
・ NPO等に対する金融機関が望む改善点、期待・要望等、NPO支援について
行政等に対する要望等。
3
第2章
県内NPO法人の基礎データ分析
1.県内全NPOの状況
県内 1,632 件余りあるNPOの経営状況を把握するため、収入・支出の規模別件数、総額
および資産・負債の規模別件数、総額について分析したので、先ずその結果を記す。
(1)収入、支出の状況分析
NPO全データから収入規模の件数と総収入額、支出規模の件数と総支出額をまとめると
それぞれ表1および表2に示すようになる。これによると、収入・支出を得ているNPOは
1,255 件、76.9%であり、収入、支出が「0 円」のNPOは 377 件、23.1%あることが分か
った。なお、「0 円」には未報告も一部含まれている。
表1
収入規模
収入規模別の件数と総支出額
件数(件) 割合(%)
総収入額
割合(%)
1億円以上
40
2.5
77 億 2,716 万円
33.8
1,000 万円以上1億円未満
394
24.1
131 億 8,530 万円
57.8
100 万円以上 1,000 万円未満
448
27.5
18 億
1 円以上100 万円未満
373
0円
合
計
212 万円
7.9
22.9
1億 1,511 万円
0.5
377
23.1
0円
0
1,632
100%
228 億 2,969 万円
100%
表2
支出規模
支出規模別の総支出額
件数(件) 割合(%)
総支出額
割合(%)
234 万円
32.6
24.1
127 億 7,163 万円
58.6
450
27.6
17 億 8,440 万円
8.2
1 円以上100 万円未満
372
22.9
1億 1,951 万円
0.6
0 円
377
23.1
0円
0
1,632
100
217 億 7,788 万円
100%
1億円以上
37
2.3
1,000 万円以上1億円未満
396
100 万円以上 1,000 万円未満
合
計
71 億
これにより、次ページの図1に示すように収入規模が「1,000 万円以上1億円未満」と「1
億円以上」の合計のNPO件数が 434 件、全体の 26.6%になる。
一方、NPO全体の総収入額は 228 億円 2,969 万円であるが、「1,000 万円以上1億円未
満」と「1億円以上」の合計の総収入額は 209 億 1,246 万円になり、図2に示すように、
支出全体の 91.6%を占めていることがわかる。
4
図2 収入規模別のNPO総収入額割合
図1 収入規模別のNPO件数の割合
1円以上100万
円未満
0.5%
100万円以上
1,000万円未満
7.9%
0
23.1%
1,000万円以上
26.6%
100万円以上
1,000万円未満
27.5%
1円以上100万
円未満
22.9%
1,000万円以上
91.6%
また、収入・支出の内訳であるが、アンケートを依頼した 300 件のNPOを対象にして、
総収入額の内訳を分析した結果を図3に、同じく総支出額の内訳を図4に示す。これによ
ると、収入では「事業収入」が全体の 76.5%を占めていることが分かった。
図3
図4
総収入額の内訳
その他収入
8.1%
会費収入
5.7%
総支出額の内訳
その他支出
6.4%
補助金収入
8.0%
管理費
22.5%
寄付金収入
1.7%
事業費
71.2%
事業収入
76.5%
(図3、図4はアンケートを依頼したNPO300 件の収支データから分析)
次に多いのが「補助金収入」で 8.0%、「会費収入」は 5.7%、「寄付金収入」には 1.7%
と少なかった。このうち、会費収入には最高額の 2,850 万円があるために平均が高くなっ
ているが、これはスポーツクラブの会費であるため事業収入的要素が大きいと考えられる。
5
(2)資産、負債の状況分析
NPO全データから資産規模の件数と総資産額、負債規模の件数と総負債額をまとめると
それぞれ表3および表4に示すようになる。
これによると、資産規模は「100 万円以上 1,000 万円未満」と「10 万円以上 100 万円未満」
の合計件数が 815 件、全体のほぼ 50%を占めており、1 億円以上の資産も 15 件のNPOが
持っていることが分かった。一方で、資産が「0 円」は 384 件あった。
全てのNPOの総資産総額は 112 億 7,563 万円であった。
表3
資産規模別の件数と総資産額
件数(件) 割合(%)
資産規模
総資産額
割合(%)
1億円以上
15
0.9
28 億 8,232 万円
25.6
1,000 万円以上1億円未満
218
13.4
65 億 8,152 万円
58.4
100 万円以上1,000 万円未満
430
26.3
16 億 4,928 万円
14.6
10 万円以上100 万円未満
385
23.6
1億 6,177 万円
1.4
10 万円未満
200
12.3
74 万円
0.0
0 円
384
23.5
0円
0.0
1,632
100%
112 億 7,563 万円
100%
合
計
また、負債は「0 円」のNPOが 822 件で全体の 50%余りで最も多く、次に、「100 万円
以上 1,000 万円未満」が 340 件、全体の 20.9%であった。1 億円以上の負債があるNPO
も 7 件あり、総負債額で見ると 15 億 2,128 万円、平均すると 2 億円余りで、全てのNPO
の総負債総額は 66 億 6,001 万円であった。
表4
負債規模
負債規模別の件数と総負債額
件数(件) 割合(%)
総負債額
割合(%)
7
0.4
15 億 2,128 万円
22.8
1,000 万円以上1億円未満
133
8.2
37 億 7,488 万円
56.7
100 万円以上1,000 万円未満
340
20.9
13 億 4,757 万円
20.2
10 万円以上100 万円未満
242
14.8
1億
327 万円
0.2
10 万円未満
87
5.3
301 万円
0.0
0 円
822
50.4
0円
0.0
1,632
100%
66 億 6,001 万円
100%
1億円以上
合
計
なお、負債が「0 円」が 50%余りあるが、事業でお金が動く以上、未払金や預り金等の
負債は少額でも出るはずである。複式簿記の理解不足によるものが多いと考えられるが、
6
そのことを別にしても、一般の営利法人に比べて相当に多く、これはリスクを負わない・
負えない状況、あるいは無借金経営に心掛けようとする気持ちが働いているためと考えら
れる。
7
第3章
NPOへのアンケート調査結果
今回、アンケートに応じた 146 団体の活動分野について下記の通りの結果となった。
NPOの 17 の活動分野のうち最も注力していると思う分野(1 つ回答)とその他の活動
と思う分野(複数回答可)について質問した。
その結果、NPOの主な活動分野は「保健・医療・福祉」が 95 件(65%)と圧倒的に多
く、次いで「子どもの健全育成」、「学術、文化、芸術、スポーツの振興」などとなった。
また、その他の活動分野は全体に複数にまたがり幅広く関係しているが、そのなかでも「ま
ちづくりの推進」、「社会教育の推進」、「子どもの健全育成」などは重複が多かった。
具体的な活動分野は障害者への福祉サービスが多かったもの、他に震災復興支援、児童の
デイサービス、スポーツ活動支援、海外後進国への支援、農業支援、自然環境の保全、研
究・学術大会の支援など幅広く多岐にわたっていた。
図5
回答したNPOの活動分野(設問Q1)
100 95
90
主な分野
その他分野
80
70
件
数
60
50
40
20
29
19
12
10
13
10
5
3
1
0
1
4
12
10
7
2
5
1
0
9
8
3
1
0
3
3
N P O支 援
消 費 者 の保 護
職 業 能 力 の開 発 ま た は
雇 用 機 会 の拡 充
経 済 活 動 の活 性 化
科 学 技 術 の振 興
情報化社会
子 ども の健 全 育 成
男女共同参画
社 会 の形成
国際協力
人 権 の擁 護 、
平 和 の推進
地域安全
災害救援
環 境 の保 全
学 術 、文 化 、芸 術 、
スポ ー ツ の 振 興
8
18
15
11
8
6
4
まち づく り の推進
社 会 教 育 の推 進
保 健 ・医 療 ・福 祉
0
32
28
30
1.融資利用実態
アンケートの結果、融資利用の実態は表5のとおりとなった。
①現在、融資を受けている、又は受けたことがあると回答したNPOが 50 団体 34.2%。
②今後、可能であれば受けたいと考えている」NPOが 20 団体 13.7%。③今後も、融資を
受ける予定がないNPOが 76 団体 52.1%となった。これから半数近いNPOが融資利用に
関心を示していることが分かった。
表5
回答したNPOの融資利用実態
融資の利用状況
回答件数(件)
割合(%)
① 現在、融資を受けている、または受けたことがある
50
34.2
② 今後、可能であれば融資を受けたい
20
13.7
③ 今後も、融資を受ける予定はない
76
52.1
146
100
(合
計)
2.融資利用実態別の状況
融資利用実態別3グループに分けて、融資の使途、融資の条件、借入れ先、または融資を
利用しない理由などの状況について分析した。
(1)融資を受けている又は受けたことがあるNPO
これまでに「融資を受けている又は受けたことがある」と回答したNPO50 件に対し、
借入金の使途、融資の条件、借入れ先とその理由についての設問に対し、次のような回答
結果となった。なお、設問Q4の借入希望条件以外は全て複数回答可とした。
①借入金の使途
融資金の最も高額な使途は主に「事業所の購入・賃借・増改築」、「新事業の開始の
時」、「日常の運転資金」の順に多く利用され、その他の使途として「設備・備品等の
購入」が多かった。
9
図6
借入金の使途(設問Q3)
1
その他
11
日常の運転資金
委託事業等の
つなぎ資金
7
人材育成、組織開発 0
2
設備、備品等の購入
事業所の購入、賃借、
増改築等
19
11
新事業の開始
7
組織の立ち上げ
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
件 数
②融資の条件
融資を受ける条件として、先ずこれまでに受けた融資の最も高額な金額については、
「100 万円以上 1000 万円未満」が 25 件と全体の約 53%であったが、
「1000 万円以上 5000
万円未満」の範囲も多くあった。また、「1 億円以上」の高額な借入れも3件あった。
図7
借入金額(設問Q4①)
3
1億円以上
5000万円以上
1億円未満
2
20000万円以上
5000万円未満
9
1000万円以上
2000万円未満
8
500万円以上
1000万円未満
14
100万円以上
500万円未満
11
0
2
4
6
8
件 数
10
12
14
16
融資の金利については、「2%以上 3%未満」が 20 件でほとんどこの範囲に集中して
おり、「0%」は自組織の理事や会員から借入れたものである。(10%以上が 1 件あるが
公的な金融機関からの 9 年間の借入れであり、記入ミスと考えられる。)
10
図8
借入金利(設問Q4②)
1
10%以上
4
4%以上10%未満
7
3%以上4%未満
20
2%以上3%未満
7
1%以上2%未満
1
1%未満
6
0%
0
5
10
15
20
25
件 数
借入期間は「5年以上 10 年未満」が最も多く、他は平均的に分布している。ただし、
「10 年以上」の長期間の借入れも 11 件と、少なくないことが分かる。
図9
借入期間(設問Q4④)
6
15年以上20年未満
5
10年以上15年未満
10
5年以上10年未満
4
3年以上5年未満
5
2年以上3年未満
1年以上2年未満
3
1年未満
3
0
2
4
6
件 数
8
10
12
③借入れ先とその理由
借入れを行う場合、公的な金融機関として「銀行」、「政府系金融機関」、「信用金
庫」などの順であるが、「自組織の理事・職員」、「団体の会員一般市民・知人」などか
らのインフォーマルな借入れも全体の 40%弱を占めており、自分たちで資金を捻出しよ
うという意識も強いものとうかがわれる。
11
図10
借入れ先(設問Q5)
3
その他
地域ファンド
自組織の理事、職員
団体の会員、利用者
一般市民、知人・友人
銀行以外
社団法人、財団法人等
地方自治体
NPO バンク
政府系金融機関
労働金庫
信用組合
信用金庫
銀行
0
12
7
3
1
0
0
1
10
2
3
6
12
0
2
4
6
8
10
12
14
件 数
さらに、その借入れ先を選んだ理由は、「信頼関係ができている」方が、「融資条件
が良い」を上回っている。
図11
金融機関を選んだ理由(設問Q6)
4
その他
他の団体や個人から
推薦された
6
金融機関が近隣に
存在していた
金融機関の知名度が
高かった
6
3
既に互いの信頼関係が
できていた
27
融資条件が比較的
良かった
14
0
5
10
15
件 数
20
25
借入れる際の担保・保証については代表者・理事あるいはその他の個人保証が 46 件と
圧倒的に多く、次に不動産担保も 13 件あった。
12
30
図12
融資の担保、保証(設問Q7)
12
保証・担保なし
3
不動産以外の担保
13
不動産担保
その他の個人・
団体の保証
理事の個人保証
3
11
32
代表者の個人保証
0
5
10
15
20
25
30
35
件 数
(2)今後、可能であれば融資を受けたいNPO
今後、可能であれば融資を受けたいと考えているNPO20 件に対し、融資予定の使途、
融資の希望条件、希望の金融機関とその理由などについて設問に対し、次のような回答結
果となった。なお、設問Q15の借入希望条件以外は全て複数回答可とした。
①融資予定の使途
これから予定している融資金の使途は順に「事業所の購入・賃借・増改築」、「新事
業の開始」、「設備・備品等の購入」となった。
図13
その他
借入予定金の使途(設問Q14)
1
日常の運転資金
2
委託事業等のつなぎ資金
2
人材育成、組織開発
2
設備、機器、車両等の購入
事業所の購入、賃借、
増改築等
新事業の開始
6
14
8
組織の立ち上げ 0
0
2
4
6
8
10
12
14
件 数
何れも今後、事業の拡大や事業所を大きくするためで、運転資金やつなぎ資金への使
途は意外と少なかった。これは、既に事業が軌道に乗っているNPOが多く回答したた
めと考えられる。
13
16
②融資の希望条件
融資の希望条件として、先ず借入れ希望金額は図14に示すように、「2,000 万円以
上 5,000 万円未満」が最も多く、次に「1,000 万円以上 2,000 万円未満」とこれまでに
融資を受けた金額より高額な金額を考えている。これは事業の拡大や事業所を大きくす
るために融資を利用したいと考えているとうかがえる。
図14 希望の借入金額(設問Q15①)
5000万円以上
1億円円未満
3
2000万円以上
5000万円未満
7
1000万円以上
2000万円未満
500万以上
1000万円未満
6
0
100万以上
500万円未満
2
0
1
2
3
4
件 数
5
6
7
8
予定している借入の許容できる金利については図15に示すように、「2%以上 3%未
満」がほとんどであった。
図15
希望の借入金利(設問Q15②)
5%以上
4
4%以上5%未満
1
3%以上4%未満
1
2%以上3%未満
5
1%以上2%未満
2
1%未満
1
0
1
2
3
件 数
14
4
5
6
借入期間は図16に示すように、「10 年以上 15 年未満」が5件と最も多く、あとは
「20 年以上」も2件あり、長期間の借入れを考えていると推定される。
図16
融資を受ける予定の借入期間(設問Q15③)
20年以上
2
10年以上15年未満
7
5年以上10年未満
2
3年以上5年未満
2
2年以上3年未満
1
1年以上2年未満
2
1年未満
0
0
1
2
3
4
件 数
5
6
7
8
③借入希望の金融機関と理由
図17
借入希望の金融機関(設問Q16)
その他 0
4
地域ファンド
自組織の理事、職員 0
個人(団体の会員、利用者)
1
個人(一般市民、知人・友人)
1
2
営利企業(銀行以外)
非営利法人
(社団法人、財団法人等)
地方自治体
3
7
6
NPO バンク
15
政府系金融機関
6
労働金庫
4
信用組合
5
信用金庫
14
銀行
0
2
4
6
8
件 数
10
12
14
16
融資を受けるにあたって希望金融機関は「政府系金融機関」、「銀行」、「地方自治
体」の順となった。一方で、地域との結びつきが強いと考えられる「信用金庫」、「信
15
用組合」が予想より少なかった。また、インフォーマルな借入れ希望が、これまでに借
入れたNPOの場合(図10)より相当少なくなっており、公的な金融機関への融資へ
の期待が相当にあるものと考えられる。
その借入れ先を選ぶ条件として「信頼関係がある」が最も多く、「融資条件が比較的
良い」と続いた。このようなNPOは金融機関と日常から上手に付き合っておきたいと
考えているものと推定される。
図18
希望する理由(設問Q17)
その他 0
1
他の団体や個人からの推薦
4
金融機関が近隣にある
3
金融機関の知名度が高い
8
既に互いの信頼関係がある
6
融資条件が比較的良い
0
1
2
3
4
5
件 数
6
7
8
9
借入れる際の担保・保証については図19に示すように、「不動産担保」が 11 件と最
も多く、次に「代表者の個人保証」、「保証・担保なし」となった。
図19
予定の担保、保証(設問Q18)
5
保証・担保なし
不動産以外の担保
1
11
不動産担保
その他の個人・団体の保証 0
理事の個人保証
2
8
代表者の個人保証
0
2
4
6
件 数
16
8
10
12
(3)今後も、融資を受ける予定はないNPO
融資を受ける予定がないNPOにこれまでに融資を受けることの検討の有無、受けなか
った理由とその後の対処について設問に対し、次のような回答結果となった。なお、設問
Q23の検討の有無以外は全て複数回答可とした。
①資利用の検討の有無
今後も融資を受ける予定のないNPO76 件のうち、これまでに融資を受けることを検
討したことがあるNPOは 10.5%あった。
その使途は順に「事業所の購入・賃借・増改築」が最も多く「新事業の開始」、「設
備・備品等の購入」となった。事業を立ち上げる時に検討したものと考えられる。
表6
融資検討の有無(設問Q23)
借入れ検討の有無
件
数(件)
割
合(%)
①
あった
8
10.5
②
なかった
68
89.5
合
76
100%
計
図20
検討した借入の使途(設問Q24)
その他 0
日常の運転資金
1
委託事業等のつなぎ資金
1
人材育成、組織開発 0
設備(機器、備品、車両等)の購入
3
事業所の購入、賃借、移転、増改築等
8
新事業の開始
2
組織の立ち上げ
3
0
1
2
3
4
5
6
7
8
件 数
②受けなかった理由と対処
その融資を受けなかった理由は「もっと良い対処方法が見つかった」が最も多く、次
に「融資に対する不安が強かった」となった。
17
9
図21
融資を受けなかった理由(設問Q26)
その他
2
担保や保証人を
0
用意できなかった
金利・金額等の条件が
0
合わなかった
金融機関に融資を
断られた
もっと良い対処方法が
見つかった
団体内部で合意が
得られなかった
融資に対する不安が
強かった
融資に関する情報や
0
能力の不足
2
8
2
4
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
件 数
また、融資を受けなかった後の対処としては「費用の節減」を図ったが最も多く、「他
の収入を確保」したが続いた。
図22
融資を受けなかった後の対処(設問Q27)
23
その他
1
資金以外の資源を得た
6
委託料や補助金を先払い
24
他の収入を確保
29
費用の節減
4
事業の断念
0
5
10
15
20
25
30
件 数
3.融資に対する考え方
(1)融資を受ける時の相談について
①融資を受けたことがあるNPO
これまでに融資を受けたNPOが、融資を受ける際にどこかに相談したかについては
「相談していない」が 24 件で全体の4割以上あった。相談したところでは「専門家・経
営コンサルタント」、「内部の専門家」がそれぞれ 9 件、「金融機関」も 8 件あった。
18
35
図23 融資を受けた時の相談先(設問Q8)
24
相談していない
内部の専門家
9
専門家、経営コンサルタント
9
1
関連団体・上部団体
2
地方自治体、外郭団体
8
金融機関
1
中間支援組織
0
5
10
15
20
25
30
件 数
相談した内容については「会計・経理」が 18 件と圧倒的に多く、続いて「事業計画作
成」、「財務管理」、「法律」など幅広くあった。
図24 融資を受けた時の相談内容(設問Q9)
支援なし
5
その他
5
2
組織運営
6
財務管理
8
事業計画作成
5
法律
4
税務
18
会計、経理
0
2
4
6
8
10
件 数
12
14
16
18
20
②融資を受ける予定があるNPO
融資を受ける予定があるNPOが、その際に相談先として考えているのは「内部の専
門家」、「金融機関」がそれぞれ 8 件あり、続いて「中間支援組織」ほかとなった。ま
た、「相談しない」はこれまで融資を受けたNPOの場合(図23)よりはるかに少な
くなり、積極的に相談したいと考えている様子が伺える。
19
図25
融資を受ける際の相談先(設問Q19)
4
相談しない
8
内部の専門家
5
専門家、経営コンサルタント
2
関連団体・上部団体
5
地方自治体、外郭団体
8
金融機関
6
中間支援組織
0
1
2
3
4
5
件 数
6
7
8
9
その相談内容については「会計・経理」、「税務」、「財務管理」がそれぞれ 11 件あ
り、NPOにとって、融資を受ける際の最も大きな課題と考えていると判断される。
図26
融資を受ける際に相談をしたい内容(設問Q20)
支援なし
2
その他
2
1
組織運営
11
財務管理
7
事業計画作成
3
法律
税務
11
会計、経理
11
0
2
4
6
8
10
12
件 数
以上、融資利用にあたって相談したり指導を受けたりしないで融資に臨んでいるNP
Oは 24 件あったが、融資窓口での相談はしているであろう。
相談内容で見ると会計・経理に関しての相談は、融資を希望しているNPOよりも実
際に融資を受けたNPOの方が割合が増えている。これは、理解していたつもりでも、
いざ融資申請となると知識不足の部分が多いということが想像される。
20
(2)融資を受ける予定がないNPOの融資に対する意識
「今後も融資を受ける予定がない」と回答したNPOにあてた「NPO や社会的企業は、
必要があればお金を借りて事業を行ったほうが良いと考えるか」の質問では、
「一概にどち
らとも決められない」、
「できるだけお金を借りないほうが良い」、「やむを得ない場合に限
りお金を借りるべき」という順に多かった。
図27
NPOは融資を受けたほうが良いか(設問Q28)
5
その他
29
一概にどちらとも決められない
いかなる場合でもお金を
借りるべきではない
できるだけお金を借りないほうが
良い
やむを得ない場合に限りお金を
借りるべき
積極的にお金を借りたほうが
良い
5
23
14
3
0
5
10
15
20
25
30
35
件 数
更に、「できるだけお金を借りないほうが良い」
、又は「いかなる場合でもお金を借りる
べきではない」という回答者へ、その理由について質問したところ「返済できなくなった
場合、事業の存続が危うくなる」が最も多かった。NPOはボランティアであり「会費や
寄付、ボランティアなどで支えられるべき」、
「借入れてまで事業する必要はない」、「そも
そもNPO にとって融資はそぐわない」などの回答も全体の1/3ほどあった。
また、一般論として「NPO や社会的企業が融資を受けることについて、その問題点や
危険性をどのように考えているか」という質問には「お金が返せなくなったら事業の存続
が危うくなる」、「理事などのリーダーに過大な負担をかける」、「借入れによって借金返済
が自己目的化する恐れがある」、「組織の使命・目的が変わり事業が偏重になる」などの順
に多かった。やはり返済できなくなった時のことを心配していることが多いこと分かった。
21
図28 NPOは融資を受けない方が良いと思う理由(設問Q29)
その他
4
特に理由はない
3
返済できなくなった場合、
事業の存続が危うくなる
23
補助金などの前払いで
運用資金の必要をなくす
4
借入れにより借金返済が
自己目的化する恐れがある
8
お金を借りても、しょせん
返すあてがないから無理だ
7
会費や寄付、ボランティアなどで
支えられるべき
11
借り入れてまで事業する
必要はない
8
そもそもNPO にとって
融資はそぐわない
6
0
5
10
15
20
25
件 数
図29
NPOが融資を受けることへの問題点、危険性(設問Q30)
1
その他
特に問題点や危険性は
ないと思う
6
理事などのリーダーに
過大な負担をかける
29
借入れできる団体と、そうでない
団体に二極分化する
5
NPO や社会的企業が、
営利企業に取り込まれる
11
組織の使命・目的が変わり
事業が偏重になる
25
借入によって借金返済が
自己目的化する恐れがある
26
お金が返せなくなったら
事業の存続が危うくなる
45
0
5
10
15
22
20
25
件 数
30
35
40
45
50
(3)融資利用における自己評価
金融機関からNPOが融資を受けるとした場合に、
「自分たちに充分に備わっていると考
えられるもの」と、「不足していると思われるもの」を自己評価について設問した。
これによると、
「団体の目標がはっきりしていて、皆が認識している」、
「記帳できる人材」
「団体の目標」「使命感」「事業計画・予算書」などの項目が自分たちに備わっていると回
答したNPOがそれぞれ 100 件を超えている。
「組織・役割分担」「チームワーク」なども
高いポイントである。
「記帳できる人材」
「事業計画・予算書」
「組織・役割分担」などは実
務の処理能力を聞く項目であるが、かなりのNPOがその点に自信を持っており、
「団体の
目標」「使命感」「チームワーク」という精神面でもやりがいを持って活動している様子が
うかがえる。
図30
融資を受ける際に備わっている事と不足している事(設問Q33)
担保の供出や連帯保証ができる
105
25
18
事業計画書・予算書も作成できる
売り込みが得意である
109
87
31
59
63
固定客がすでに沢山いる
53
安定的な収入が見込まれる事業
ユニークな事業アイディアを持っている
66
55
資金さえあれば充分に実現可能な
事業案がある
50
人材の研修・勉強会を
定期的に行っている
49
不足している
74
備わっている
73
76
22
使命感だけは誰にも負けない
103
28
チームワークに自信がある
団体の目標がはっきりしていて、
皆が認識している
97
15
116
19
帳簿の記帳はできる人材がいる
組織・役割分担等、体制が
整っている。
114
32
0
20
40
93
60
件 数
23
80
100
120
140
逆に「不足している点」でポイントが高いのは「担保・保証」「売り込み能力」「ユニー
クなアイディア」という項目となった。「担保・保証」は避けられない課題であるが、「売
り込み能力」
「ユニークなアイディア」などは補強できる余地があるとうかがえる。
(4)金融機関についての認識
NPOが融資を受ける際の金融機関の認識について設問(複数回答可)に対し、
「労働金
庫」、「地方銀行」、「信用金庫」の順に良く知られていることが分かった。
図31
知っている金融機関(設問Q34)
2
その他
26
政府系金融機関
13
地方自治体
24
都市銀行
39
地方銀行
16
NPO バンク
23
信用組合
29
信用金庫
50
労働金庫
0
10
20
30
40
50
60
件 数
さらに、具体例として「政府系金融機関である日本政策金融公庫のNPO法人等ソーシ
ャルビジネスへの積極的な支援施策」や「中央労働金庫のNPO事業サポートローン」に
ついて質問したが、「知っている」と回答した割合がそれぞれ 18%と 38%であり、これら
の施策については未だあまり知られていないことが分かった。
表7
金融機関の施策の認識
日本政策金融公庫の施策
(設問36)
件
数(件)
割
合(%) 件
中央労働金庫の施策
(設問35)
数(件) 割
合(%)
①知っている
21
18
59
38
②知らない
121
82
92
62
24
4.潜在的な融資利用について
(1)今後の利用資金
今後、潜在的に融資利用がどのくらいあるかを探るため、まず、利用する予定の資金に
ついて「「事業の運営の場合」と「事業の開始・拡大の場合」に分けて設問した。
その結果、
「事業の運営の場合」は「事業収入から得られた資金」が全体的にも多く、以
下「補助金・助成金」、
「寄付・会費」、「自己資金」となり、
「金融機関からの借入れ」は 22
件(全体の 5.5%)であった。
図32
事業の運営に利用する資金(設問Q32(1))
同じく、
「事業の開始・拡大の場合」は同様の傾向であったが、
「金融機関からの借入れ」は
35 件(全体の 9.3%)と大きくなり、このような場合は金融機関からの融資を期待してい
ると推定される。
図33
事業の開始、拡大に利用する資金(設問Q32(2))
25
(2)融資を利用して実現したい計画
「融資が活用できれば、ぜひ実現したい計画あるか」という設問Q38に対し、
「ある」
と回答したNPOは全体の 55 件、42.3%、「ない」の回答は 75 件、57.7%であった。
実現したい活動分野では保健・医療・福祉の分野が 41 件と圧倒的に多く、次いで子ども
の健全育成が続いた。
図34
農山漁村又は
中山間地域の振興
観光の振興
実現したい活動分野(設問Q38)
0
1
1
NPO支援
消費者の保護
職業能力の開発、
雇用機会の拡充
経済活動の活性化
0
科学技術の振興
0
3
0
2
情報化社会
9
子どもの健全育成
男女共同参画社会の形成
1
国際協力
1
0
人権の擁護、平和の推進
1
地域安全
3
災害救援
1
環境の保全
学術、文化、芸術、
スポーツ振興
まちづくりの推進
7
6
5
社会教育の推進
41
保健・医療・福祉
0
5
10
15
20
25
件 数
また、その具体的な例として以下のような事業内容があげられた。
① サービス付高齢者住宅の計画、運営
② 障害者の自立を支援する。グループホーム、ケアホーム
③ 障害児・者の支援
④ 障害児の短期入所施設の設立、就労支援事業所の開設
⑤ 障害者の日中の活動の場
26
30
35
40
45
⑥ 障害福祉事業規模拡大
⑦ 小規模多機能型居宅介護
⑧ 精神障害者の自立支援(社会生活定着支援)
⑨ 老人ホームの運営
⑩ 作業所の建設
⑪ 就労継続支援事業所の建物増設
⑫ 老人福祉、障害者福祉、学童保育
⑬ シニアコミュニティ事業
⑭ 地場産品を使ったコミュニティレストラン
⑮ 就労継続支援事業所の建物増設
⑯ スポーツを中心とした講演会など
⑰ 地域住民による共同ネットワークづくり
⑱ 母親に働きやすい環境を提供する保育園運営
(3)融資を受けることによる利点と期待について
NPOが金融機関からこれまでに融資を受けたことがあるNPOに対し「融資を受けて
どのような利点があったと感じているのか」という設問に対して、
「資金繰りが安定し、事
業に専念できた」、「設備が整い、順調にスタートできた」あるいは「事業計画が立てやす
くなった」が多かった。
図35
融資を受けたことによる利点(設問Q10)
その他
1
事業計画が立てやすくなった
10
個人からの借り入れがなくなり
安心できる
自分たちの事業が評価され、
意欲が出た
資金繰りが安定し、
事業に専念できた
設備が整い、順調に
スタートできた。
7
6
27
23
0
5
10
15
20
25
30
件 数
また、この回答の「その他に」は具体的な利点について次のようなことが記入されていた。
27
① 会計面など経理全体を見直して予算を立てられるようになった
② 事業拡張により受益対象者が(利用者)増えた
③ 助成事業が安心して行うことができた
更に、融資を受ける予定があるNPOに対し「どのような利点を期待しますか」という
設問に対して全体に図35と同じような期待が多かった。
これにより、NPOの事業活動に融資利用が有効であることが実証されていると言える。
図36
融資を受けることによる期待(設問Q21)
その他 0
事業計画が立てやすくなる
7
個人からの借り入れがなくなり
安心できる
5
自分たちの事業が評価され、
意欲が出る
4
資金繰りが安定し、事業に
専念できる
13
設備が整い、順調に
スタートできる
12
0
2
4
6
8
10
12
14
件 数
(4)融資を受けて困ったこと
一方、融資を受けたあと困ったことについての設問Q11に対して以下のような意見が
出された。
28
① NPO法人会計がよくわからず、苦労した。税務署担当の方と色々あり、やっと
現在、正常な経理に近づいている
② 銀行より入所率、決算書を毎回聞かれる
③ 個人からの融資は契約通りにいかなくて(急な返済等)困った
④ 個人の融資なので、いつ、どんな事情で変化するか不安もある
⑤ 事業計画通り展開できなかった
⑥ 事業経費が想定より増え、外部からの借入れ返済は予定通りできているが、個人
からの借入れの返済が予定より遅れ、増資を断られた
⑦
同じ金融機関からの追加融資が受けにくかった
⑧
保証人となった理事の退会により保証人の代理引継者の依頼が必要になった
⑨
融資実行に際しては全て融資金額では計画実行できず、自己資金の捻出が困難で
あり、細かな設備資金等は融資対象に算入されず、開設当初の保険給付のつなぎ
資金も含め、自己資金、つなぎ資金が難しい
⑩ 理事長が開設に多くの寄付をした事により、税金が発生し、繰越金はあるが実際
の入金が少なく事業展開ができない
以上、融資利用の展望についてアンケート結果をもとに多面的な方向から分析したが、
回答してきたNPOは、融資を利用してでも地域の課題解決に取り組むことに前向きであ
るように感じた。
29
5.融資利用における要望
(1)金融機関への要望
融資を利用するにあたって金融機関に求めたいことについて質問した(複数回答可)。
その結果、全体に幅広く要望があったが、特に、
「NPOの事情に適した融資制度の整備」、
「NPOへの理解を深める」、「融資の金利を下げる」、「NPOへの制度融資を進める」な
どの意見が目立った。
図37
金融機関への要望(設問Q39)
30
融資に関しては、特にない
11
行政機関、中間支援組織と密な連携
32
NPO への制度融資を進める
11
融資後のフォローをきめ細かく行う
10
融資制度について周知・宣伝に努める
11
融資申請に必要な経営支援をする
19
融資にかかる時間・手間を減らす
5
創業前後の段階の融資
17
融資期間の上限を伸ばす
39
融資の金利を下げる
14
融資金額の上限を上げる
41
NPO への理解を深める
49
NPO の事情に適した融資制度の整備
0
10
20
30
40
50
60
件 数
(2)行政への要望
今後、融資の利用を促進していく上で行政に対し求めたいことについて質問した(複数
回答可)。
その結果、全ての項目に要望が出されたが、特に「利子を補填しNPOの負担を減らす」、
「NPO法人を信用保証制度の対象にする」、「金融機関や融資制度の情報を提供する」な
どが多く出された。
また、アンケート中に行政に対して「NPOの運営について行政自身が研修を重ね、姿
勢を明確にしてほしい」、「借入れの個人補償の負担を減らしてほしい」という意見なども
記入されていた。
30
図38
融資に関連した行政への要望(設問Q37)
その他
融資に関しては、特にない
2
43
融資より補助金・助成金に力を入れる
33
委託事業費や補助金を前払いにする
中間支援組織、金融機関と連携を密にする
26
12
NPO 法人に出資できるようにする
市民によるNPO への融資を促す
21
13
金融機関によるNPO への融資を促す
32
NPO 法人を信用保証制度の対象にする
利子を補填しNPO の負担を減らす
39
42
政府系金融機関がより積極的に融資する
25
26
政府機関が融資するか、制度融資を行う
法律の専門家を紹介・派遣する
8
事業計画作成の講座を開く/相談にのる
会計・税務の講座を開く/相談にのる
12
18
17
経営や会計の専門家を紹介・派遣する
金融機関や融資制度の情報を提供する
融資について基本的な知識を教える
36
31
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
50
件 数
6.アンケートに寄せられた意見
今回のアンケートでこれまでに回答された内容の他にも多くの意見、要望が寄せられた
ので参考までに以下に記す。
① NPOにとって「融資制度」がまだまだ身近になっていません。NPOの活動
が市民に十分に理解され、協力(会員になる)してもらえるだけの力が不足し
ているのだと思います。将来的には融資制度が利用できるだけの事業に発展し
ていけるようNPOの横のつながりも強くしていけたらと考えます。
② 地域で連携して重複事業を調整し、無駄のない投資を行う体制を築いておく。
③ このアンケートの内容は日頃よりどこに相談すれば良いか困っていた。NPO
を立ち上げ、こつこつやってきましたが、どこにたどり着くのか先の見えない
事業展開でした。立ち上げ、その後の育成等にご指導頂きたい。
④
NPOが融資を受けることがこれほど大変だとは思わずにいました。ある金融
機関には現在大変お世話になっております。本店NPO担当の方が一生懸命サ
ポートしてくださいました。その他金融機関は相手にしてもらえませんでした。
31
正直、補助金を第一に考えますが厳しい現実です。賃貸は思うように改修出来
ず、土地・建物の自前が必要であると実感している毎日です。NPOはサービ
ス展開すれば課税となり、法人税などとてもきついです。売上げと入金のずれ
も国保連請求をこなしながら、必死のやりくりです。
⑤ 当法人は夜 10 時まで子供を預かる送迎、学習指導付き学童保育施設を運営し
ていますが、パート就労からキャリアの母親まで誰でも利用できる料金形態で
すので、なかなか多店舗展開できません。ある教室は常に定員いっぱいで近隣
地域から教室の開設をお願いされますが、資金面の目途がつかないのでお断り
しています。どこかで融資を受けて多店舗展開したいと考えています。
⑥ 3年後くらいに事業所の移転を考えております。土地を購入し、助成会、補助
金で建物を・・・と考えており、(今は借家で狭くなりました)県の入札説明
会へも出席して勉強中です。
⑦ 融資についての知識も情報も少ないのでそうした勉強会を開いていただきた
い。NPOの中でも安定的事業をしているところは評価し、融資の対象もしく
は社会福祉法人と同等で扱われるようにしていただきたい。
⑧ ボランティアとか社会貢献といった概念に固執せず又、利益を出すことを第一
にしないで、かかわる一人ひとりが”生き方・食べ方・稼ぎ方”の整合性を目
指す事業の継続を目指している。その視点から外部から融資を受けることが社
会的な責任を負うひとつの形だと感じている。
⑨ 社会福祉法人と言うことで市の土地を借りて施設を建設し、建設資金もいろい
ろの機関から借りることが出来る。NPO法人も社会福祉法人と同じ思いで施
設を立ち上げたが、市からも土地やお金も借りられるわけでもない。理事の一
人が個人的にローンを組んでお金を借り、理事に家賃として払いローンを支払
ってもらっている。出来ればNPO法人としてローンを組むことが出来、支払
って、将来はNPO法人のものとなるようになればよい。NPO法人は不安定
と言われるが何年かの事業実績を見てもらってほしい。
⑩ 今のところ融資のことは考えておりません。障害者の工賃につながる事業計画
が実現できる可能性があるならば融資も選択の一つかもしれません。
⑪ 障害者福祉の作業所です。福祉の仕事に関わるとき、借金をしてはいけないと
思う。障害者をお金で見てしまう恐れあり、現実あります。資金に余裕のない
人は福祉を仕事としてはいけないと信じている。
⑫ NPOの資金繰りが出来ないのは保証協会の保証が得られないからと考えら
れる。当法人は実績が認められたので銀行のプロパーでOKなので何とかなり
ました。社会福祉法人のように無税になるとか補助金を多少でもいただけるよ
うにして欲しい。
⑬ 資金繰りに困り、融資を受けたのは国の事業を行ったことによる。県や市は概
32
算払い申請を受け付けるところが多くなっているが、国は変わらず清算払いで
ある。全額でなくてよいので概算払いでの事業実施が出来ればと願う。
⑭
融資を受ける手軽さより、介護報酬の正当な引き上げが根本問題です。独立
行政法人等の統合整理で財源は出てくると思われます。若者が働き続けられる
夢のある仕事にしたい。
⑮ 少年野球を通して青少年健全育成をしており、年間5大会を実施し、又指導者
講習会も20年近く実施、子どもの安全指導には注意を払っています。運営費
は大会参加費、地方銀行、労金とから協賛金をいただき、また団体企業から広
告費を頂き運営しており年間予算は約1500万円です。
⑯ アンケートを読むだけでも考えることが多くあり、勉強になりました。融資に
ついてはNPO、金融機関、行政にメリットのある「成功例」が出てきて、そ
れが広く知られると活用が進むものと考えている。
⑰
当会の事業形態では融資を受ける必要性は低いですが、今後設備や施設を必要
とする事業を行う場合には、自己資金ではまかなえないため融資が必要です。
但し、一般の企業と競合するようなマーケットでは敗北の可能性が高く、競合
しないマーケットでは粗利を見込みにくい分野と考えられるので、結果として
融資を受けることはないと思います。一方でインフラ分野など巨大な資金調達
が可能な分野に出られるほど融資枠があれば話は別と思う。
33
第4章
NPOへの面接調査結果
アンケートに回答したNPOのうち融資に対し積極的な回答を寄せた 10 件を選定し、面
接調査を行った。
それぞれのNPOからヒアリングした融資の利用状況、融資を受ける上での団体の課題、
事業の課題、返済計画上の経験、課題、要望などの要点を事業分野別に次に記す。
1.融資利用促進に関する課題
融資利用における課題に関して、信用保証の対象にして欲しい、融資をもっと受けやす
くして欲しい、NPOということで断られたというような問題がある一方、計画さえしっか
りし金融機関と上手に対応すれば担保なしでも融資は受けられるというような強気な意見
も出された。
①
実績がないと認めてもらえないこと。一度失敗するとやり直しがきかない日本の
社会構造。もっとハードルを低く、チャンスを与える社会にすべき。
(学童保育)
②
これまで事務所購入の目的で銀行に融資を申し入れたが、NPOということで断
られた。(子育て支援)
③
金融機関から融資を受けるために、積極的に動いたことはない。現状は安定した
収益性も見込まれるため事業継続においては融資を受けることは考えていない。
(障害者福祉)
④
設立当初、実績(3 年分の決算書)がないから相手にしてもらえなかった。スタ
ート時にこそお金が必要なのに。福祉医療機構も信用保証協会の保証がないと門
前払いである。NPOを是非保証の対象にしてほしい。(障害者福祉)
⑤
面接者は以前に政府系金融機関に勤務していたので、このアンケートには興味を
持った。このNPOとして 6 年前に経済連の委託事業の運用資金として融資を受
けたことがあるが、当時、職員でなかったので詳細は分からない。(社会教育)
⑥
融資となると返さなくてはならない。そこまで覚悟を決めての運営はできない。
法人化する前に私募債で 50 万円ほど集めたことはあるが、融資を考えたことは
ない。(国際協力)
⑦
やる気と将来のプランさえしっかりしていれば担保なしでも融資を受けること
は可能だと思う。自分は運に恵まれたこともある。(有料老人ホーム)
⑧
信用金庫より融資は受けており、今後も受ける計画あり(1 億円)。金利は 2.5%
だが今後はもう少し低くなりそう。福祉制度そのものが将来的に不透明であり、
融資の使途として固定資産は考えていない。主として新規の事業開発費用を想定
している。(障害者福祉)
34
2.融資対象となる「団体の課題」
団体の課題はそれぞれ千差万別であるが、代表者やスタッフの高齢化が進み積極的な事
業展開がしにくいという意見がいくつかあった。また、NPOだと言うと断られるので個人
で申し込んでいるなどの話があった。
① パートの主婦でも利用できる料金体系なので単純再生産の状態。ニーズが見込め
てもなかなか多店舗経営に踏み出せない。スタッフで常勤の者はいないが、教育
関係の有資格者がほとんどで、逆に彼らもフルタイムでは働けない家庭の事情な
どがあり、それでも自分の得意分野で仕事ができている。
(学童保育)
② まず事務所を購入したい。購入できれば、法規上ケアホームサービスの展開もで
きる。必要資金は 2,000 万円程度。(子育て支援)
③ 現在、5,000 万円ほどの資金で土地を購入すべく設計士や税理士に相談し、任せ
ている。(障害者福祉)
④ スタッフは約 50 人で軌道に乗っているが、事業の拡大に伴い、だんだん顔が見
えなくなってきた。創業者である自分は、そろそろ次の世代に託したいと考え、
経営について見直しているところ。
(障害者福祉)
⑤ 総合福祉法の導入と自立支援法の廃止などの影響が出てきている。
(障害者福祉)
⑥ 学生(大学の研究室)が主体で活動している(社会教育)
⑦ 家庭を持った女性だけの団体で、高いリスクを背負っての運営は無理である。ス
タッフは 10 人で、
「有給ボランティア」と呼んでいるが、時給に換算すれば@500
円程度である。理事は 6 名で一部が役員報酬を得ている。任意団体のころから数
えると 17 年目で、自分が活動を始めたころは元気のある専業主婦が多かったが、
メンバーの高齢化(50 歳代以上、自分は 60 歳代)と専業主婦の減少(仕事を持
つ女性の増加)などを実感しており、高い理念を持ちリーダーシップのある人が
引っ張れば違ってくるのかもしれないが、今以上に拡大することは考えていな
い。
⑧ 今後は老人ホームの拡大のために融資を受けたいと思っている。これまでの実績
があるため融資は可能であると思っているが、NPOとしての融資は受けない。
なぜならばNPOという名前だけで融資側が逃げ腰になるほど、金融機関側がN
POに対して先入観を持っているからである。そもそも「特定非営利法人」とい
う名称が良くないのか?(有料老人ホーム)
35
3.融資対象となる「事業の課題」
問題意識は活動分野によって千差万別であり、取組んでいる事業に非常に自信を持って
いるNPOもあれば、一方で、慎重さが目立つNPOもあった。
いずれにしても、事業の課題を纏めるのは困難であるが、夫々から出された事業の課題
について以下に列記する。
①
当初、地域の「困った」を何でも受け入れ経営が傾いたが、料金体系をはっきり明
示することにより軌道修正、1年で持ち直した。現在、ある店舗は年間 200~300
万円の利益が出るようになった。他の店舗がまだ軌道に乗らず、その赤字を埋めて
いるところ(学童保育)
②
出張陶芸指導などは市の小中学校からも支持されており、夏休みの宿題の課題とす
る小学生なども増えている。また陶芸体験教室などを通して知り合った人たちから
も広く理解されており、これらの人々の口コミによって構築された基盤の上でケア
ホーム、グループホームなどのサービスへと発展した。このため事業の安定性、継
続性は極めて高いものと考え、大きな課題はない。その他、理事長が事業を継続さ
せるためにビジョンを追うだけでなく収支バランスをとっていく意識も強い。(障
害者福祉)
③
事業全体の収入は2億円以上で規模は大きいが、「利益を残す」という習慣がない
ので、一般企業の損益判断からみると全く優良とは言えないだろう。
(障害者福祉)
④
国保連からの入金があるまでに2か月のタイムラグがあり、その間の資金繰りには
苦労している。一番は人件費であるが、300 万円程度の余裕が欲しい。(障害者福
祉)
⑤
利用者が多く、地域ニーズにマッチしていること、事業者のプランが明確であるこ
となどから事業の継続性は極めて高いものと思われる。とりあえずは事務所を持つ
ことが優先される。(障害者福祉)
⑥
我々は市民生協が母体の法人で、事業は独立しているが、生協店舗内の一室を家賃
だけ(敷金礼金無し)で借りているので継続できている。毎年、事業を継続するか
どうか理事で話し合い、大変だが大切な事業であることを確認しながら続けてき
た。(国際協力)
⑦
地元における住民や金融機関などから一定の評価を受けているため、事業の継続性
に関しては問題ない。ただし利用希望者の中に特別養護老人ホームなどのサービス
を受けられない人も多いため、今後も事業を拡大していく予定である。従って、今
後も金融機関の融資を受けることを考えている。(有料老人ホーム)
36
4.返済計画上の経験、課題、ノウハウ
返済計画にあたって、いろんな経験、ノウハウについて聞き取ることが出来たが、返済
に特に困ったと言うような例はなかった。融資を受けるために銀行とうまく信頼関係を醸成
している経営者もあり、参考になると考えられた。
以下に、これらの内容について列記する。
①
将来の融資を念頭に置いて地方銀行で 3 年間積み立てを行っている。また、この銀
行の中でも陶芸教室等をおこなうことにより、銀行とのコミュニケーションを深め
る努力している。(障害者福祉)
②
理事たちは法人の事業に理解があり、大変協力的だが、融資の連帯保証はできない
と言われている。(障害者福祉)
③
今までの担保はすべて理事長個人が提供してきた(預金担保、不動産担保)。政府系
金融機関、大手銀行、信用金庫などで融資実績あり。(障害者福祉)
④
税理士に同行してもらったが、ある地方銀行はけんもほろろだった。
(障害者福祉)
⑤
必要資金は 2,000 万円程度であるが、余り心配していない。融資に関しては事業意
欲(真に人の役に立ちたいという意欲)と自分がどのように事業展開したいか、そ
れについてどのようなことをすればよいか、などの方向性を明確に示せれば融資を
受けることができると思う。ただし自分の場合、よい担当者に恵まれたこともあり、
実態としてはNPOだから融資したくない、という金融機関も多かった。
(障害者福
祉)
⑥
融資を受ける必要が生じれば、その前に理事や会員に呼びかけて寄付なり私募債を
集めるだろう。他の法人での経験だが、融資の申請準備をするだけでも手間がかか
り、かなりの負担である。結局、理事が立て替えてしのいだ。(国際協力)
⑦
日常的なコミュニケーションの中で信頼関係が醸成されていた。具体的には経営者
の能力への信頼、収益性と返済能力への確信に加え、信金としても地域へ貢献した
いという使命感も感じられた。日常の付き合いは主として支店との間であるが、融
資の実行に当たっては本店の決済となっている。この時に支店の強力なサポートが
得られスムーズに実現した。高額の生命保険に加入していることも評価されたので
はないか。(障害者福祉)
37
5.要望、意見
(1)一般的な要望
一般的な支援施策として、融資利用の指導、アドバイスを求める要望が多く、他に事例
紹介や他団体との交流を求める声があった。以下に、それらの要望を列記する。
① 事務員の教育(きっちりと収支計画を立てれば収支改善できると思う)と税務に
ついての指導をお願いしたい。
② 自分たちは福祉の専門家で組織された「福祉バカ」であるから、経営面は不得手
である。しかしここまで大きくなってしまった以上、止まるわけにはいかない。
いろいろな勉強の機会を与えてもらっているが、立ち上げ時のアドバイス等が中
心で物足りない。次の展開を目指す法人が将来像を描けるような話が聞きたい。
③ NPOへの理解を深め、継続性がある事業であれば融資額の上限をあげる、金利
を下げるなどのサポートを望む。また自分がかつて受けたような経理、会計上の
指導なども要望する。
④ NPOとして資金繰りを含めて、どのように運営してよいのか迷っている。いろ
んな事例情報が欲しい。
⑤ 起業したい若者が大勢いる。空き店舗もたくさんある。国や役所に頼らずにNP
Oの連携でこれらをうまくつないでいくことはできないか。
⑥ 融資関連の要望はないが、他団体との交流をしてもっと情報を仕入れたい。
38
(2)金融機関への要望
NPOの活動の社会的貢献を理解して、よく相談にのって欲しいという要望が多く、他
に金利を下げて欲しいというような意見が出された。以下にそれらの要望を列記する。
①
目に見える数字だけでなく、NPOが地域経済に果たしている役割、例えば我々
の事業があることによって働く女性が仕事を続けられ、税収のアップ、GDPの
底上げに貢献していることなどを評価してほしい。
②
信用を得るまでに 3 年はかかるのはその通りだと思う。ただ、NPOというだけ
で門前払いにするのではなく、内容を見て一般企業と同じ土俵に立たせてほしい。
前年度実績の何割かを自動的に運転資金として融資してもらえたら嬉しいのだ
が。
③
NPOについて理解をして欲しい。親身に検討してくれそうな金融機関があれば
融資を頼んでみたい。
④
金利を下げて欲しい。事務手続きを簡素化して欲しい。
⑤
もっと金融機関側が金融機関や融資制度・融資サービスの内容等を提供し、NP
Oに対する負担を減らすため低金利で融資するなどの制度を設けてほしい。
(3)行政への要望
面接調査では行政への要望は比較的少なく、委託事業の先払いの要望や基金を原資とす
る融資をして欲しいなどの意見も出された。以下に、これらを列記する。
① 委託事業を受けても、全額後払いなのでとても苦しい(他の法人での経験から)
。
資金繰りを考えると結局あきらめるしかなく、せめて半額先払いにでもしてもら
えたら、もっと積極的になれると思う。自分たちの事業はお金があればいいとい
うものではないと考えている。
② 県の基金を銀行に預けて、それを融資の財源にすればどうだろうか。県は融資など
不慣れであろうが、銀行なら絶対取りはぐれることはない。
39
(4)その他の要望、意見
その他、さまざまな要望や意見が出されたので、参考に以下に記す。
① 政策金融公庫が検討してくれるのであれば、融資を頼んでみたい。
② NPOは十羽ひとからげで認識されているが、団体の実情はピンからキリまであ
る。盆踊りをするためのNPOやレクリエーションだけの NPO などと同じレベル
で見られることが非常に残念である。介護サービスには第三者評価があり、社団・
財団には公益認定がある。NPOにも認定制度があるがハードルが高すぎる。認
定制度とは別にNPOにお墨付きを与えるような格付け制度があるといい。
③ 政府系金融機関や某地方銀行などのようなNPOへの融資に積極的な機関がある
ことを知らずに、断られることばかり憂慮してなかなか融資の申し入れができな
いところが山ほどある。
④ 一般論として、NPOはお金に甘い面が見られる。社会性だけでは世の中は通ら
ない
⑤ 金融機関に行っていきなり融資をお願いしてもうまくはいかないだろう。まずは
NPOの事業展開ビジョンなど、話を聞いてもらうことが重要と思う。
⑥ 今回は調査ということだが、次のステージに是非つなげてほしい。中間支援団体
として、県内のNPOの活力をコラボレートするコーディネート力に期待する。
⑦ 住宅地の中で精神障害者が出入りする場所を運営してこられたのは、企業でなく
NPOとしてやってきたからと考える。地域の理解を得ることができてこそ、成
り立つ事業だ。携帯電話の分解作業はやりがいがあり是非拡大したい。その時は
融資が必要かもしれない。
40
第5章
金融機関への面接調査結果
今回の聞き取り調査はNPOへの融資に関係の深い、日本政策金融公庫、中央労働金庫、
県内の地方銀行・信用組合、県内外の信用金庫など9件の金融機関を対象とした。
この調査結果をもとに、NPOへの融資の実績や審査基準、条件などの状況と課題につ
いてまとめ、その対応を検討した。
1.融資の実績
NPOへの融資の実績に聞き取りを行ったが、過去の全ての実績を把握することは金融
機関としても困難なようであり、現時点での残高が示された。また、NPOの活動でありな
がら代表者などの個人で借りるケースもあるそうで、そのような融資についてはこれには含
まれていないと言うことであった。以下に各金融機関の融資の実績について列記する。
日本政策金融公庫
①
新成長戦略に対応する方針としており、特に中小企業の創業や経営革新、経営安
定のため貸付制度を設けている。
②
平成 22 年度NPO融資の実績は、全国で金額は 27 億円余り、融資件数は 384 件。
分野として医療・福祉関係が 254 件、全体の 66.1%を占めている。
③
平成 22 年度千葉県内NPOへの融資金額は 1 億 4800 万、融資件数は 19 件で、
分野としては医療・福祉、サービス業(他に分類されないもの)、教育・学習支援
事業などが多かった。
中央労働金庫
①
新たな公益の担い手として期待されるNPOを応援するため、NPO事業サポー
トローンを準備している。
②
平成 22 年度末の残高は 7,571 万円で、サポートローンが始まった平成 12 年から
11 年間の実行累積は 94 件、金額にして 5 億 3,555 万円である。
③
融資分野は高齢者・障害者等福祉事業、児童養護施設、環境保護等である。
県内地方銀行
①
全体に占める割合は非常に尐ないようである。県内2行の実績の総数は、融資残
高 2.5 億円、件数は 19 件で、融資内容は運転資金、設備購入、事業所改装、補
助金のつなぎ資金で、分野としては主として医療、介護事業関連であった。
41
県内信用金庫・信用組合
① 最も融資件数の多い某信金は融資残高 1 億 7,000 万、9 件、介護施設が多い。他の
信用金庫、信用組合はどこもNPOへの融資は年間で数件のようであった。
② 融資の内容は、ほとんどが創業から補助金などが交付までの 3~6 カ月程度のつな
ぎ資金、事務所改修・購入費、設備購入資金であった。
県外信用金庫
① 東京都下の某信用金庫の融資実績は 500 件以上、融資残高は 55 件、60 億円に達し
ており、注目された。ここは事業方針として「ソリューション型」事業を経営方
針として永年、展開してきたことであり、NPOの融資促進に当たって参考にな
る。
② 融資対象の多くは事業立ち上げ 3 カ月~6 カ月程度のつなぎ資金である。
2.融資の条件、審査基準
融資の条件は金融機関や融資内容によって開きがあるが、概ね融資額 500 万円~2,000 万
円位、多くは金利 2~3%、元利均等 60 回(5 年支払い)である。
各金融機関から聞き取った融資の条件、審査基準の要点を以下に列記する。
日本政策金融公庫
①
融資には次のような条件がある。
a. 融資制度に適合すれば、通常より低い金利を利用できる場合がある。
b. 創業時の無担保無保証の融資の場合、金利の上乗せがある。
c. 創業時の無担保無保証の融資の場合、一定の自己資金の準備が必要である。
②
審査基準は NPO 以外の融資案件と差はないが、主に次のようなことを基準として
いる。
a. 融資資金の使途の妥当性、および今後返済が可能かどうかを判断する
b. 社会性、公益性については評価するが、そのことのみで融資が可能となるわけ
ではない。
c. 審査の際は、事業内容や今後の事業のみとおし(事業計画)、また創業時の場合
は創業計画に加え、自己資金の蓄積や経験の有無等にもポイントを置いている。
42
中央労働金庫
① 原則、任意団体を含めて 3 年以上の実績と法人格取得後 1 事業年度の決算が
必要。
② 無担保の場合、融資枠は 500 万円、金利 2.475%、返済期間は 5 年以内。
③ 有担保の場合、融資枠は 5,000 万円、金利 1.975%、返済期間は 10 年以内。
④ 個人保証人が 3 人以上必要。
⑤ 組織(沿革、代表者、理事会、職員状況)
、事業概要(NPOの活動内容、サ
ービス等の内容)、財務分析(損益状況、財政状況損益)、借入金の使途、事
業計画・資金計画、返済能力、担保および保証人などを審査する。
県内地方銀行
① 融資の条件は基本的には企業等への融資と同じ考え方であるが、事業の社会的意
義など活動の中身は見る。医療や介護分野は日銀の方針にもある成長分野であり
注目している。
② 返済能力は当然であるが、事業計画、財務諸表、キャッシュフロー、事業ビジョ
ンは出してもらい、担保能力(第三者保証人は認められなくなった。)などを審
査することになる。
③ 融資はケース・バイ・ケースであり、標準メニューだけではない。
④ 具体的に相談する中で最適な融資メニューを提案することも可能。
県内信用金庫・信用組合
① それぞれの金融機関で基本的に大きな違いはないが、その内容を列記する。
a. 融資条件として創業支援、運転資金等の区別はしていなく、まずは「事業計画」
ありきである。
b. 融資先としてNPOと企業を区別したりはしない。地域貢献を第一に考えている
ため、NPOへの融資先を増やすことは重要項目として取り上げている。金利を
下げる相談などにはむしろ積極的に乗っていきたい。
c. 地域密着型の信用金庫の使命は地域活性化に貢献することである。このためNP
O融資に関して貸し渋りをしているわけではない。第三者保証などは基本的に必
要と考えていない。
43
②
審査基準は次のように考えていることが分かった。
a.支店で受け付けられたものも全て本店で審査するので基準にぶれることはなく、
審査の手順は次のようなことを見て事業計画、返済計画がしっかりしていれば融
資対象とする。
・法人の目的にある事業か
・ 融資の使途は何か
・ 事業計画が現実的なものか、無理がないか
・ 事業計画を裏付けるものは何か
b.資産購入資金の場合は保全(担保)の内容により利率や返済期間が決まってく
る。その物件の耐用年数も目安となる(耐用年数より長い返済期間はあり得な
い)
。
c.保証人は理事長、副理事長が保証人となっていれば基本的に融資可能であると
いうことであるが、実質的な代表者にお願いしているケースもあった。
県外信用金庫
NPOの融資に積極的に取組んでおり、融資条件や基準については次のように明確にさ
れていた。
①
融資条件としてNPO事業支援ローンがあり、1 法人当たり 500 万円内、5 年返済、
担保・保証人は役員 2 名、金利は固定金利 3.0%が上限(国または地方公共団体
等からの委託事業は 1.0%)としている。
②
審査基準は事業計画、返済計画がしっかりしていれば基本的に融資し、保証人は
理事長、副理事長が保証人となっていれば基本的に融資可能である。基本的につ
なぎ資金に関しては希望者にはほとんど融資している。
3.融資促進における金融機関内部の課題
以下に、各金融機関から出されたいくつかの課題について列記する。
日本政策金融公庫
① 融資担当者は、活動が多様なNPOの実態を把握することに苦労をしている。
② NPOに関する専門的な融資担当者の育成にはいたっていない。
44
中央労働金庫
①
実績が 3 年以上必要なため、起業資金・新規事業資金に対応していない。
②
営業店はNPOの実態を熟知する機会が尐ないので、本部のフォローが不可欠と
なる。
③
審査・決裁に時間がかかる(相談から実行まで順調にいって約 1 カ月)
。
県内地方銀行
①
NPOの現状がよくわからない。
②
融資はあくまでも返済がベースであり、
「創業」はいわば投資であり、NPOの場
合は寄付に近く、融資にはなじまない。
県内信用金庫・信用組合
① 金融機関とのつきあい方、相談の仕方があり、実績や信頼関係が必要。
② 社会の環境も大きく変わっていく。介護保険の分野も、一昔前はこれほど大きい
市場になるとは予想されていなかっただろう。当時は認知されていなくて融資を
受けられなかったケースもある。未知の分野の事業は分からないので、逆に理解
させてほしいし、説得してほしい。
③ 相談指導業務は行っていない。NPOがどこでどのような活動をしているのか、
またどこに行ったら融資の勧めなどができるのか、分からない。
県外信用金庫
NPOへの融資に対し本質的な課題は出されなく、融資促進のため多くの対応、施策を
進めている。
4.融資促進における対応・提案
各金融機関からNPOへの融資促進に対する提案・対応を列記する。
45
日本政策金融公庫
①
NPOへの融資促進を進めていることが未だ知られていないようであるので、
一般にPRも兼ねた講習会などへの講師の派遣は前向きに考えたい。
②
国の政策に関連する融資については注力していく。
③
行政のNPO関連事業などでPRを実施していく。
④
中間支援組織の勉強会などには参加して情報交換する。
中央労働金庫
① 市民活動支援センターなどで、NPOを対象とした資金セミナーや意見交換会
をするのも有効ではないか。
② 取り扱い金融機関を増やすためには金融機関にとって何らかのインセンティブ
が必要ではないか。
③ つなぎ資金の相談も多いが、自治体の委託金が前払いになれば解決するケース
もあるはずだ。
県内地方銀行
①
補助金のバックアップなどあれば前向きに考えられる。
②
保証協会のようなバックアップがあればやりやすい。(創業支援も考えられる)
③
商工会議所のような地域経済団体との連携も意味がある。
④
NPOの事業内容は理解が難しいので、分かりやすい情報が欲しい。
県内信用金庫・信用組合
①
金融機関とうまくつきあって上手に利用してほしい、まずは相談に来てほし
い。
②
事業計画の中で「補助金」が支給されるか否か、返済可能かの判定に苦労した
ケースがあり、このような点は明らかにするようにして欲しい。
③
第三者保証人などを必要としているわけではない。事業計画、返済計画がしっ
かりしていれば融資対象になるので工夫して欲しい。
④
NPOが県の信用保証協会の融資対象外となっていることなども融資に踏み
切れない大きな理由となっている。こうした点を改善してもらいたい。
⑤
ビジネスのターゲットをしっかり絞ってほしい
46
県外信用金庫
この信用金庫は当該地域に根ざしたビジネスを展開するために、NPOなどの事業も活
性化して地域の新しい産業として発展することを目指し、地域を巻き込んだ各種の活動を行
っており、その支援は大きく次のような内容である。
① 啓発活動
地位住民に個々の課題に応じた地域のコミニュテイ活動や事業者の取組みを
紹介する情報誌を、募集した市民レポータに編集、発行させている。
② 営業支援
相互に WIN-WIN の関係が出来るように、適切な情報提供を行うための経営セ
ミナーや相談会を随時実施している。
③ ネットワーク構築
当該地域の広域的な連携支援と市域内の連携支援、あるいは課題別ネットワ
ーク支援などを積極的に行っている。
④ 中堅企業のソーシャル化支援
中堅企業の本業や得意分野を活用して地域の課題解決を行いたいというニー
ズに、このような支援活動を通じて得られたNPO等の情報を提供し対応して
いる。
47
第2部
課題抽出と問題解決編
第6章
潜在的な融資需要の算定
県内NPOの融資利用を予測するにあたって、先ずアンケートで回答された今後の融資
利用予定をまとめると表8に示すようになる。
表8 回答されたNPO(146 件)の融資利用予定
今後の融資利用予定
利用実績あり
計
利用実績なし
団体
合計金額
団体
合計金額
団体
合計金額
16
3 億 1,500 万円
20
3 億 5,100 万円
36
6 億 6,600 万円
予定額記載のあった
予定額記載のあった
13 団体合計
15 団体合計
予定額記載のあった
28 団体合計
回答件数 146 件のうち融資利用予定は、「利用実績あり」のNPOが 16 団体で、その利
用予定金額記入が 13 団体、合計は 3 億 1,500 万円、「利用実績なし」のNPOが 20 団体、
その利用予定金額記入が 15 団体、合計は 3 億 5,100 万円であった。
これら合計件数は 36 団体(回答の 24.6%)
、合計金額は 6 億 6,600 万円(ただし予定金
額記載のあった 28 団体分)となる。
次に、上記はアンケート回答のあった 146 団体を基にしたものであり、収入額 1,000 万
円以上の団体、434 団体に換算する。
なお、収入 1,000 万円以上のNPO総事業費(209 億 1,219 万円)はNPO全体の総事業
費(228 億 2,969 万円)の 91.6%を占めており、前記換算による数値はNPO全体の潜在的
な融資需要額を算定するものとみなす。
(1)融資利用のNPO団体数推計
アンケートによる融資を受ける予定のある団体数
融資利用実績あり
16団体
融資希望あり
20団体
(計)
36団体
1,000 万円以上のNPOの潜在的な融資希望団体数を推計する。
36団体 × 434 ÷ 146 = 107団体
48
(2)融資利用需要額推計
ア
融資希望額を記載した団体(28 団体)の合計額
融資実績ありG
13団体
予定額
3 億 1,500 万円
融資希望ありG
15団体
3 億 5,100 万円
(計)
28団体
6 億 6,600 万円
※融資予定額の記入があった団体を合計。
イ
融資希望はあるが予定額未記入団体(8団体)の推計額
6 億 6,600 万円
ウ
×
8/28
=
1 億 9,028 万円
1,000 万円以上のNPOの潜在融資需要額の推計
(6 億 6,600 万円+1 億 9,028 万円)×434÷146=25億4,538万円
この金額が、そのまま融資の利用申請になるかどうかは分からないが、少なくとも融資
を受けたいという潜在的な融資需要額と言えよう。
<参考>
※試算2
アンケート回収数146団体以外の、未回答154団体は融資について関心がないとみ
なす場合の試算
1,000 万円以上のNPOの潜在的な融資希望団体数と融資希望需要額を推計する。
(1)団体数
36団体 × 434 ÷ 300 = 52 団体
(2)需要額 (6 億 6,600 万円+1 億 9,028 万円)×434÷300= 12億3,875万円
49
第7章
融資利用におけるNPOの課題
NPOが今後、融資を積極的に利用していくにはどのような課題があるのか、これまで
のアンケート調査や面接調査においてから明らかになったNPOの課題は以下の通りであ
る。
課題1
融資利用による事業発展の意識が低い
年間事業費(収入ベース)1,000 万円超の団体においては、約 3 割強の団体が融資
実績を有し、約 1 割強の団体が今後の融資利用を考えている。しかし、現在も約 5 割
を超える団体では融資利用の予定を持っていない。まして、事業費 1,000 万円未満の
団体においては、さらにその傾向が強いと推測される。
今後、全ての団体において、融資利用を事業発展の柱としていくためには、次のよ
うな課題が考えられる。
(1)融資の効果についての認識
アンケート調査Q10及びQ21の結果を、グラフ化すると図35と図36の結果
が得られた。この対比からは、融資利用を行った結果(効果)と融資についての期待
度が、一致した曲線を描いており、融資利用における期待を裏切らない実効性が示さ
れており、こうした認識を深める必要がある。
(2)融資に対する拒否感
NPOが融資を利用すべきではないと考える団体は、アンケートQ28によれば、
図27に示すように「できるだけお金を借りない方が良い」等の回答が35%に達し
た。
これらの理由は、図28、図29に示すような理由から、もっともな危惧であるが、
更なる地域課題の解決のためには、これらのマイナス事由を克服できないものか考え
る必要がある。
課題2
融資担保の手当てが出来ない
NPOの融資が進まない大きな理由の一つに、融資についての担保の提供や連帯保
証の問題がある。アンケート調査Q7によれば、図12に示すように、これまでは、
ほとんど代表者や理事の個人保証であることが分かる。一方、これから融資を受けよ
うとする団体では、Q18による図19に示すように、個人保証の割合は少なく、実
際の融資に当たっては障害となることが予測される。
また、融資実行後の問題としても、アンケートのなかで「保証人となった理事の退
会によって、保証人の引き継ぎの件で困った」例があげられている。
50
(1)基本的な取り組み姿勢
金融機関にとって、最後の関門は担保をどう確保するかであることから、この問題
は避けて通れないが、団体内部で、始めから先入観をもって判断しないことが肝要と
思われる。金融機関からの聞き取り調査において指摘されたように、事業計画、返済
計画についてしっかりと検討されていることが、先ず問われることを念頭に置く必要
がある。(報告書P.44)
(2)団体の総意による対応
融資そのものの問題以前に、担保については個人的な問題として、代表一任のよう
なケースが今回のヒアリング等でも聞かれたが、建設的な議論がし易い事業計画の検
討等と同様に、融資担保についても団体総意の課題としていく必要がある。
課題3
資金面は個人的な手当てに負う
NPOにおける資金の融通について、日常的にも個人(代表や理事等)に依存する
傾向が見られる。融資における保証についてはQ7による図12に見られるように個
人保証が多いことから、日常的な資金手当ても個人に負っていることが推測される。
基礎データ上位300件の短期借入金をみても、その総額は9億400万円に上っ
ていることが確認できる。(参考:長期借入金は17億9,000万円)
(1)地域社会を支える主体として、透明性の高い運営を求められるNPOにおいては、
日常的な資金手当てにおいても団体として金融機関を利用した資金管理が、今後
一層必要と考えられる。
(2)融資を受けた実績のある団体に、融資先を聞いたところ(Q5、図10)では、
現実には団体の理事、職員、会員、利用者、知人、友人からの借入れが多く、融
資を受ける予定団体の意向(Q16、図17)と照らしても不本意なものと思わ
れる。今後は、金融機関の利用が必要と思われる。
課題4
事業具体化への力量不足
融資を利用して、事業の具体化を図るためには、前提として金融機関のシビアな審
査を経ることになる。地域課題解決への想いが現実に実を結ぶためには、こうした関
門を通ることにより、計画内容、実施体制の高度化、堅実化が促進されることが期待
され、積極的な取り組みが期待される。
(1)事業計画の実戦的、具体的な展開について
融資利用に当たってNPOに備わっているもの不足しているもののアンケート(Q
33、図30)では、事業計画書作成、予算書作成、団体の目標共有、使命感につい
ての自負等は極めて高い自己評価をしているのに対し、売り込み、ユニークな事業ア
51
イデア、固定客の確保等については、自信の無さが現れている。今後は、これらの実
戦的、具体的な事業展開が必要になるのではないか。
(2)事業目的達成への積極性
融資を受けることへの意識についての各アンケートについてみると、
Q28
NPOは融資を受けたほうが良いか(図27)
・いちがいにどちらとも決められない
・できるだけ借りない方が良い
・やむをえない場合に借りるべき
Q29
NPOは融資を受けない方が良いと思う理由(図28)
・返済できなくなった場合、事業の存続が危うくなる
Q30
NPOが融資を受けることへの問題点、危険性(図29)
・返済できなくなった場合、事業の存続が危うくなる
・理事などのリーダーに過大な負担をかける
・借金返済が自己目的化する
等の回答が多い。
いずれも、重要な問題意識ではあるものの、反面慎重さが目立ち、事業目的達成の
取り組みとして、積極的な詰めが必要ではないかと考えられる。
課題5
融資相談・指導の機会に恵まれない
NPOが、融資利用を検討するに当たり、相談・指導の機会はどのような状況にあ
るかをアンケートしたところ、以下の状況が明らかとなった。
(1)融資利用実績団体も事務的、経理的な相談が中心
相談については、受けていないケースが圧倒的に多く、内部の専門家が次いでい
る。(Q8、図23)
相談内容については、会計・経理が圧倒的に多く(Q9、図24)、いわば融資の
事務的な処理に関する相談であり、事業の内容、組織の発展等のいわゆる長期的、
戦略的な取り組みについては後回しと思われる。
今後は、事業、団体の発展につながる相談・指導の機会が必要と考えられる。
(2)融資利用予定団体への対応が必要
融資利用予定団体の相談・指導の希望は、金融機関、内部外部の専門家、中間支
援団体、行政機関等にと幅広く積極的に希求している。(Q19、図25)
相談内容は、会計・経理、税務、財務管理が同じ割合で高く、事業計画作成が続
く。(Q20、図26)
こうした結果から、相談・指導について、要望に応えることと同時に、将来を見
据えた長期的、戦略的な取り組みを啓発する内容の相談・指導メニューを提供する
必要があるものと考える。
52
課題6
金融機関とのつながりが希薄
融資利用に当たって肝要であるのは、当事者であるNPOと金融機関のつながり
を強化することである。この関係は、中小企業等と比較すると極めて立ち遅れてお
り、NPOが地域社会の主体として存立するためにも金融機関との交流は必要なも
のと考える。
(1)金融機関についての情報不足
NPOを融資対象として制度化を図っている日本政策金融公庫及び中央労働金庫
の融資制度についての認知度を聞いたアンケートでは、知っている金融機関では上位
にランクされながら、融資制度そのものは知らないと答えた率が、82%、62%で
あり、極めて不本意な結果となった。(図31、表7)
(2)地域金融機関での相談窓口
地域の金融機関の窓口は、身近な存在であり融資の相談をしたいとこであるが、
各種聞き取りからは、中小企業とは異なり、事業形態が各種各様であり、融資相談
や審査に手間取ること等から、実際上、十分な対応が出来ない実態がみられた。
こうした問題を解決するには、集約した説明会等の機会を創出することが必要で
あると考えられる。
課題7
NPO等の融資利用促進につながる制度改正について
NPO等の融資利用促進については、金融機関や行政に対する制度的な支援が期待
されている。
(1)アンケートによれば(Q39、図37)、金融機関に対する要望として、第1に
はNPOの事情に適した融資制度の整備が挙げられ、第2のNPOへの理解を深
めるに続き、第3には融資の金利を下げるとの要望も高い。
(2)行政に対する要望は(Q37、図38)、①利子補給の実施、②NPO等に対す
る信用保証制度、③補助金(助成金)に力を入れる、④委託事業(補助事業)を
前払いとする等が上位の要望となった。
これらの要望は、NPOの直截な要望ではあるが、全てがただちに具体化が期待できる
ものではなく、NPO等の総意として息の長い取り組みが求められる。
53
第8章
支援方策の検討
NPOの融資利用についての課題を第7章でまとめたので、これらに対する支援方策に
ついて以下に検討した。
支援方策1
融資担当者や融資利用者を招いての講習会・セミナー開催
<課題1に対応>
NPO等に対する融資に関する正確な情報を、各種の金融機関から直接伝えることや、
融資を受けたNPO等からの活用例を紹介することにより、融資制度の総体的、一体的な理
解促進や、NPOの中にある融資利用に対する、いわゆる“食わず嫌い”の状況を変えるこ
とが期待される。
また、金融機関担当者に講師を依頼することにより、NPO等に対する理解促進の場と
しても期待される。
支援方策2
融資利用促進シンポジウムの開催
<課題1に対応>
NPO等に対する融資については、多くの金融機関では審査基準等は一般的な中小企業
等と格差を設けているわけではないとされている。ただし、NPOに対する情報不足や事業
内容が多様であること等、融資以前の日頃の理解促進が必要と思われることから、金融機関
とNPO等が意見交換を中心として、相互の交流を促進するシンポジウム形式での場づくり
が期待される。
支援方策3
NPO等による融資利用検討会の開催
<課題2に対応>
融資利用に関するNPO等の内部での検討に際し、融資に関する専門家を派遣し研究会
を開催するための支援を行う。外部から専門家が加わることにより、融資に関する正確な情
報とアドバイスにより、事業計画の充実と団体内部の意思形成が促進されることにより、融
資利用が、代表個人や一部の役員の問題から団体全体の問題となることで、融資担保なども
団体の総意での検討が期待される。その結果、仮に代表の個人的な保証となっても、発展的
な課題として扱われることが期待される。
支援方策4
NPO等による融資利用グループ研究会の開催
<課題3、課題6に対応>
日常的に金融機関を利用することで、NPO等が資金繰りを行える環境づくりを目的と
して、地域の金融機関を招いて、地域の複数のNPO等が融資利用研究会を開催することを
支援する。
54
NPO等の資金面でのやりくりが、代表又は担当役員の個人的な手当てに負うことから
脱却することの一助となることが期待される。特に、地域経済への貢献を指向する金融機関
との交流は、今後、地域課題の解決を担うNPO等にとって大変に有益と考えられる。
支援方策5
NPO等に対する個別指導の実施
<課題4、課題5に対応>
融資利用を必要とする事業実施を検討しているNPO等に対して、各種の専門家を派遣
し、事業の実施に必要な総合的な体制づくりを支援する。資金手当てが可能ならば、新たな
事業を立ち上げる意思を有するNPO等も少なからずみられることから、融資利用を視野に
入れた事業計画や実施体制の検討に専門家の参画を支援することにより、地域課題解決の促
進を図るものとしたい。
支援方策6
NPO等に対する融資ガイドブックの作成
<課題全般に対応>
多くのNPO等における融資需要は、数年に一度といった状況がある。その際に融資利
用経験のない資金担当者が、金融機関からの融資について、初歩的な段階から検討が行える
ようなガイドブックを作成する。
また、各種セミナーや研究会等の第一次資料としても活用できるものとする。
内容的には、各種金融機関、融資制度、融資の基礎、融資の活用例などを紹介し、金融
機関へ足が向くようなガイドブックとしていきたい。
支援方策7
NPO等の融資利用促進につながる制度改正について
<課題7に対応>
NPO等の融資利用促進については、アンケートや聞き取り調査において、金融機関や
行政に対する制度的な支援が期待されている。
制度的な支援については、直ちに実行性のある対応は期待できないものの、NPO等の
要望を受け止め、担当部門から関係方面へ要望を伝達していくことは可能と考えられる。
なかでも、行政からの委託事業等における、概算払い、前金払いの促進は、既に制度化
されたものであり、より幅広く適用を要望することは可能と思われる。
金融機関に対しても、より有利な条件での融資を要望することは、意味のあることと思
われ、NPO等の総意として要望を集約していくことが求められ、金融機関との交流の機会
等を要望伝達の場としていくことが考えられる。
55
千葉県県民活動促進事業「融資利用実態調査報告書」
参考資料
NPO等「融資利用実態調査」のアンケート内容
<回収結果数値入り>
参考資料 1
NPO等「融資利用実態調査」のアンケート内容
<回収結果数値入り>
NPO等「融資利用実態調査」アンケートのお願い
2011年8月
本調査は千葉県の平成23年度「融資利用実態調査事業」(担当部局:千葉県環境生活部県民交流・
文化課)の業務委託を特定非営利活動法人ACOBA(千葉県我孫子市)が受託して行うものです。
調査へのご協力のお願い
千葉県県民活動促進事業(国の新しい公共支援事業)は、本年度から2か年にわたって、集中的にNPO等の活
動強化につながる事業を実施することになっていますが、その中で「融資利用支援事業」については、初年度はN
PO等の融資に関する実態調査を行うことになりました。
このたび県内のNPO法人を対象に、規模別・分野別・事業内容等を踏まえて、合計300団体にアンケートをお
願いし、この調査を通して、NPO活動における融資の利用実態や必要性を調査・検討することといたしました。
今後、NPO等が地域を支える主体として発展するために、融資及び融資を通した金融機関との連携も大きな力
となるのではないかと考えられますので、率直なご意見を承りたいと存じます。
ご多忙のところ誠に恐縮ですが、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
千葉県環境生活部 県民交流・文化課
調査内容等について
① 本アンケート先は千葉県NPO情報ネットから、選定させていただきました。
② 本調査以外の目的でアンケート回答の情報を利用することはありません。
③ 本調査の結果は、千葉県NPO情報ネットに掲載いたします。この際には、回答は統計的に処理
し、個票データは一切公表いたしません。
④ 回答数は最大21問です。ご回答に際しましては、該当する回答項目欄に質問毎に指示しています
記号、または具体的な数字や文章をご記入ください。
⑤ 回答者の氏名・連絡先は、調査票の内容について、後ほど確認が必要な場合のためにご記入を
お願いします。
⑥ 本調査票を返信用封筒に封入のうえ、恐れ入りますが9月2日(金)までに投函をお願い致します。
(切手不要)
【本調査に関するお問い合わせ】
特定非営利活動法人ACOBA 〒千葉県我孫子市本町3-1-10 TEL04-7181-9700
担当 豊田 email:[email protected] , 木川 email:[email protected]
貴法人名、代表者の氏名、貴法人のご連絡先、本調査票ご回答者の氏名をご記入下さい。
貴法人名
代表者
事務所住所
調査票ご回答者
〒
-
TEL
メールアドレス
ホームページ
FAX
1
1.貴法人の活動状況について
全ての法人の方へ
Q1. 貴法人の活動で以下の「法で定める17の活動分野」のうち、もっとも注力していると考え
る分野に○(1つ)、その他に活動している分野にも○(複数可)をご記入下さい。ただ
し、定款に記載のある分野でも実施していないものは省いて下さい。
最も注力してい
る分野(1つ)
その他の分野
(複数可)
95
12
② 社会教育の推進
3
28
③ まちづくりの推進
5
32
10
19
⑤ 環境の保全
4
13
⑥ 災害救援
0
6
⑦ 地域安全
1
8
⑧ 人権の擁護、平和の推進
1
11
⑨ 国際協力
4
7
⑩ 男女共同参画社会の形成
2
10
15
29
⑫ 情報化社会
1
12
⑬ 科学技術の振興
0
5
⑭ 経済活動の活性化
3
8
⑮ 職業能力の開発または雇用機会の拡充
1
18
⑯ 消費者の保護
0
3
⑰ NPO支援
3
9
特定非営利活動分野
① 保健・医療・福祉
④ 学術、文化、芸術、スポーツの振興
⑪ 子どもの健全育成
※このうち、最も注力している分野の具体的な活動内容をご記入下さい。
Q2. 貴法人の金融機関などからの融資の利用状況について、あてはまる項目に○をご記入下さ
い。その後、該当項目に記入した質問番号へお進み下さい。
① 現在、融資を受けている、または受けたことがある
50 ⇒Q 3(2頁)へ
② 今後、可能であれば融資を受けたい
20 ⇒Q14(4頁)へ
③ 今後も、融資を受ける予定はない
76 ⇒Q23(6頁)へ
2
2.融資の利用状況について
Q2で「現在、融資を受けている、または受けたことがある」と回答された方へ
Q3. これまで借り入れた借入金で最も高額な使途に○、そのほかは△をご記入下さい。(複数可)
○ △
○ △
7
1 ⑤ 人材育成、組織開発
0
0
① 組織の立ち上げ
② 新事業の開始
11
2 ⑥ 委託事業等のつなぎ資金
③ 事業所の購入、賃借、移転、増改築等
19
3 ⑦ 日常の運転資金
④ 設備(機器、備品、車両等)の購入
2
7 ⑧ その他(
7
2
11
4
1
0
)
Q4. これまでに受けた(受けている)融資の最も高額なものについての借入金額、金利、借
入期間についてご記入下さい。
① 借入金額
万円 ③ 借入開始時期
年 月
② 金利(年間)
%
年 カ月
④ 借入期間
Q5. 融資を受けた金融機関などに○をご記入下さい。(複数可)
① 銀行
12 ⑧ 非営利法人(社団法人、財団法人等)
0
② 信用金庨
6 ⑨ 営利企業(銀行以外)
1
③ 信用組合
3 ⑩ 個人(一般市民、知人・友人)
3
④ 労働金庨
2 ⑪ 個人(団体の会員、利用者)
7
⑤ 政府系金融機関
10 ⑫ 自組織の理事、職員
⑥ NPO バンク
1 ⑬ 地域ファンド
⑦ 地方自治体
0 ⑭ その他(
12
0
)
3
Q6. この借入先を選んだ理由に○をご記入下さい。(複数可)
① 融資条件が比較的良かった
14 ④ 金融機関が近隣に存在していた
6
② 既に互いの信頼関係ができていた 27 ⑤ 他の団体や個人から推薦された
6
③ 金融機関の知名度が高かった
3
⑥ その他(
)
4
Q7. この借入れの担保・保証についてお聞きします。該当項目に○をご記入下さい。(複数可)
① 代表者の個人保証
32 ④ 丌動産担保
② 理事の個人保証
11 ⑤ 丌動産以外の担保
③ その他の個人・団体の保証
3 ⑥ 保証・担保なし
13
3
12
Q8. 融資を受ける際にどこかに相談をしたり指導を受けましたか。該当項目に○をご記入下さ
い。(複数可)
① 中間支援組織
1 ⑤ 専門家(外部)、経営コンサルタント
9
② 金融機関
8 ⑥ 専門家( 内部の理事・顧問など)
9
③ 地方自治体、外郭団体
2 ⑦ 受けていない
④ 関連団体、上部団体
1
3
24
Q9. この際、どのようなことについて相談をしたり指導を受けましたか。該当項目に○をご記入
下さい。(複数可)
18 ④ 事業計画作成
① 会計、経理
8 ⑦ その他
5
5
② 税務
4 ⑤ 財務管理
6 ⑧ 支援なし
③ 法律
5 ⑥ 組織運営
2
Q10. 融資を受けたことによってどのような利点がありましたか。該当項目に○をご記入下さ
い。(複数可)
① 設備が整い、順調にスタートできた。
23
② 資金繰りが安定し、事業に専念できるようになった。
27
③ 自分たちの事業が評価され、会員の目的意識が明確になり意欲が出てきた。
6
④ 個人からの借り入れをしなくてもよくなり安心できる。
7
⑤ 事業計画が立てやすくなった。
10
⑥ その他(
)
1
Q11. 融資を受けたあと、困ったことはありましたか? ご自由にご記入ください。
例)事業計画通り展開しなくて困った。など
Q12. 今後も融資を受ける予定はありますか。
① ある
16 ② 特にない
32
①ある場合の方は借入金額、借入期間、許容できる金利などについてご記入下さい。
① 借入金額
万円 ③ 借入期間
② 許容できる金利(年間)
年 カ月
%以下
④ 目 的
Q13. この場合の借入希望先に○をご記入下さい。(複数可)
① 銀行
10 ⑧ 非営利法人(社団法人、財団法人等)
1
② 信用金庨
8 ⑨ 営利企業(銀行以外)
0
③ 信用組合
1 ⑩ 個人(一般市民、知人・友人)
0
④ 労働金庨
1 ⑪ 個人(団体の会員、利用者)
0
⑤ 政府系金融機関
8 ⑫ 自組織の理事、職員
1
⑥ NPO バンク
3 ⑬ 地域ファンド
1
⑦ 地方自治体
0 ⑭ その他(
⇓
Q32(8 頁)へお進み下さい
4
)
1
Q2で「今後、可能であれば融資を受けたい」と回答された方へ
Q14. 予定している借入金の使途に○をご記入下さい。
① 組織の立ち上げ
0 ⑤ 人材育成、組織開発
2
② 新事業の開始
8 ⑥ 委託事業等のつなぎ資金
2
③ 事業所の購入、賃借、移転、増改築等
④ 設備(機器、備品、車両等)の購入
14 ⑦ 日常の運転資金
2
6 ⑧ その他(
)
1
Q15. 融資を受ける場合の借入金額、借入期間、許容できる金利についてご記入下さい。
① 借入金額
万円 ③ 借入期間
② 許容できる金利(年間)
年 カ月
%以下
Q16. 借入希望先に○をご記入下さい。(複数可)
① 銀行
14 ⑧ 非営利法人(社団法人、財団法人等)
3
② 信用金庨
5 ⑨ 営利企業(銀行以外)
2
③ 信用組合
4 ⑩ 個人(一般市民、知人・友人)
1
④ 労働金庨
6 ⑪ 個人(団体の会員、利用者)
1
⑤ 政府系金融機関
15 ⑫ 自組織の理事、職員
⑥ NPO バンク
6 ⑬ 地域ファンド
⑦ 地方自治体
7 ⑭ その他(
0
4
)
0
Q17. この借入先を希望する理由に○をご記入下さい。(複数可)
① 融資条件が比較的良い
6 ④ 金融機関が近隣に存在している
4
② 既に互いの信頼関係ができている
8 ⑤ 他の団体や個人から推薦されいる
1
③ 金融機関の知名度が高い
3 ⑥ その他(
0
)
Q18. この借入れの担保・保証の予定に○をご記入下さい。(複数可)
① 代表者の個人保証
8 ④ 丌動産担保
② 理事の個人保証
2 ⑤ 丌動産以外の担保
1
③ その他の個人・団体の保証
0 ⑥ 保証・担保なし
5
5
11
Q19. 融資を受ける際にどこかに相談をしたり指導を受ける予定はありますか。該当項目に○をご
記入下さい。(複数可)
① 中間支援組織
6 ⑤ 専門家(外部)、経営コンサルタント
5
② 金融機関
8 ⑥ 専門家(内部の理事・顧問など)
8
③ 地方自治体、外郭団体
5 ⑦ 受ける予定はない
4
④ 関連団体・上部団体
2
Q20. どのようなことについて相談をしたり指導を受ける予定ですか。該当項目に○をご記入下さ
い。(複数可)
① 会計、経理
11 ④ 事業計画作成
② 税務
11 ⑤ 財務管理
③ 法律
3 ⑥ 組織運営
7 ⑦ その他
2
11 ⑧ 支援なし
2
1
Q21. 融資を受けることによってどのような利点を期待しますか。該当項目に○をご記入下さ
い。(複数可)
① 設備が整い、順調にスタートできる。
12
② 資金繰りが安定し、事業に専念できるようになる。
13
③ 自分たちの事業が評価され、会員の目的意識が明確になり意欲が出てくる。
4
④ 個人からの借り入れをしなくてもよくなり安心できる。
5
⑤ 事業計画が立てやすくなる。
7
⑥ その他(
)
0
Q22. 融資を受けるにあたって、困っていることはありますか? 自由にご記入ください。
例)事業の見通しが分からない、担保・保証をどうするか困っている。など
⇓
Q32(8 頁)へお進み下さい
6
Q2で「今後も、融資を受ける予定はない」と回答された方へ
Q23. これまでに借入れの検討をしたことはありますか。該当項目に○をご記入下さい。
① あった
11 ② なかった
73
①と回答された方は以下順次、②と回答された方はQ27から以下順次へお進み下さい。
Q24. どのような場面で検討されましたか。該当項目に○をご記入下さい。(複数可)
① 組織の立ち上げ
3 ⑤ 人材育成、組織開発
0
② 新事業の開始
2 ⑥ 委託事業等のつなぎ資金
1
③ 事業所の購入、賃借、移転、増改築等
8 ⑦ 日常の運転資金
1
④ 設備(機器、備品、車両等)の購入
3 ⑧ その他(
)
0
Q25. 借入先を探す際に、金融機関に相談されたことはありますか。
① 相談したことがある
3 ② 相談したことはない
15
Q26. 実際に金融機関で借り入れを行わなかったのは、どのような理由によるものですか。該
当項目に○をご記入下さい。(複数可)
① 融資に関する情報や能力が丌足していた
0 ⑤ 金融機関に融資を断られた
2
② 融資に対する丌安が強かった
4 ⑥ 金利・金額等の条件が合わなかった
0
③ 団体内部で合意が得られなかった
2 ⑦ 担保や保証人を用意できなかった
0
④ もっと良い対処法が見つかった
8 ⑧ その他(
2
)
Q27. 資金が丌足した場合どのように対処しましたか。該当項目に○をご記入下さい。(複数
可)
① 事業を断念した
4 ④ 委託料や補助金を先払いにしてもらった
6
② 費用を節減した
29 ⑤ 資金以外の資源(丌動産、現物など)を得た
1
③ 他の収入を確保した
24 ⑥ その他(
)
23
Q28. NPO や社会的企業は、必要があればお金を借りて事業を行ったほうが良いと考えます
か。最も近い項目を1 つだけ選んで○をご記入下さい。
① 積極的にお金を借りたほうが良い
②
やむを得ない場合に限りお金を借りるべき
③ できるだけお金を借りないほうが良い
3 ④ いかなる場合でもお金を借りるべきではない
14 ⑤ 一概にどちらとも決められない
23 ⑥ その他(
5
29
)
5
④または⑤ と回答された方は以下順次、それ以外の方はQ30から以下順次お進み下さ
い。
7
Q29. お金を借りるべきではないと考える理由は何ですか。当てはまる項目に○をご記入下さ
い。(複数可)
① そもそもNPO にとって融資はそぐわない
6
② お金を借りてまで事業する必要はない。今あるお金の範囲で事業をすればよい
8
③ 会費や寄付金、現物寄付、ボランティアなどによって活動が支えられるべき
11
④ お金を借りても、しょせん返すあてがないから無理だ
7
⑤ お金を借りることによって、借金返済が自己目的化する恐れがある
8
⑥ 委託事業や補助金などは前払いにさせて、つなぎ資金の必要をなくすべき
4
⑦ お金を返せなくなったら事業の存続が危うくなるので、リスクが大きい
23
⑧ 特に理由はない
3
⑨ その他(
)
4
Q30. NPO や社会的企業が融資を受けることについて、その問題点や危険性をどのように考え
ていますか。該当項目に○をご記入下さい。(複数可)
① お金が返せなくなったら事業の存続が危うくなる
45
② お金を借りることによって、借金返済が自己目的化する恐れがある
26
③ 組織の使命・目的が変質して、事業が偏重になる恐れがある
25
④ NPO や社会的企業が、営利企業に取り込まれてしまう
11
⑤ お金を借りられる団体と、借りられない団体との二極分化が起きる恐れがある
⑥ 理事や事務局長などのリーダーに過大な負担をかけてしまう
5
29
⑦ 特に問題点や危険性はないと思う
6
⑧ その他(
)
Q31. どういう場合に融資を受けることを考えますか。 ご自由にご記入ください。
⇓
Q32(8 頁)へお進み下さい
8
1
3.融資利用の促進についてのご意見
全ての法人の方へ
Q32. 今後、事業の運営や事業の開始・拡大に当たってどのような資金を利用していきますか。そ
れぞれ利用予定の資金の上位3項目を順に1, 2, 3とご記入下さい。
(1)事業の運営
1
2
3
1
2
3
① 自己資金
26 14 16 ⑤ 金融機関からの借入
4
5 13
② 寄付・会費
22 35 35 ⑥ (擬似)私募債 ※
1
1
4
③ 補助金・助成金
39 41 29 ⑦ その他借入金
0
1
0
④ 事業収入
62 26 24 (
(2)事業の開始・拡大
1
2
)
3
1
3
① 自己資金
40
② 寄付・会費
18 35 22 ⑥ (擬似)私募債 ※
1
5
3
③ 補助金・助成金
40 27 28 ⑦ その他借入金
0
1
1
④ 事業収入
46 28 22 (
※
7 17 ⑤ 金融機関からの借入
2
10 12 13
)
(擬似)私募債は独自の債権を発行して市民、知人などから借入れる方法
Q33. これから金融機関から融資を受けると仮定して、自分たちに充分備わっていると思われ
るものに○、丌足していると思われるものに△をご記入下さい。(全ての項目にご記入
下さい)
○
△
93
32
② 帳簿の記帳はできる人材がいる
114
19
③ 団体の目標がはっきりしていて、皆が認識している
116
15
97
28
103
22
⑥ 人材の研修・勉強会を定期的に行っている
76
49
⑦ 資金さえあれば充分に実現可能な事業案がある
73
50
⑧ ユニークな事業アイディアを持っている
55
66
⑨ 安定的な収入が見込まれる事業である
74
53
⑩ 固定客がすでに沢山いる
63
59
⑪ 売り込みが得意である
31
87
109
18
① 組織・役割分担等、体制が整っている。
④ チームワークに自信がある
⑤ 使命感だけは誰にも負けない
⑫ 事業計画書・予算書も作成できる
⑬ 担保の供出や連帯保証ができる
25 105
9
Q34. NPO や社会的企業に融資する金融機関について、ご存知のものを○をご記入下さい。ま
た、具体的な金融機関名をご存じの場合は、その名前を挙げて下さい。(複数可)
金融機関の種類
① 労働金庨
50
② 信用金庨
29
③ 信用組合
23
④ NPO バンク
16
⑤ 地方銀行
39
⑥ 都市銀行
24
⑦ 地方自治体
13
⑧ 政府系金融機関
26
⑨ その他
具体的な金融機関名
知っている
2
Q35. 中央労働金庨にNPO事業サポートローン(① 運転資金 ②つなぎ資金 ③ 設備資金)が
あるのをご存知ですか。○をご記入下さい。
① 知っている
56 ② 知らない
92
Q36. 日本政策金融公庨がNPO法人等ソーシャルビジネスを積極的に支援していて、その実
績が年々増えていることをご存知ですか。○をご記入下さい。
① 知っている
27 ② 知らない
121
Q37. 融資に関連して、行政機関に対して求めたいことはありますか。もしある場合、具体的
に該当項目に○をご記入下さい。(複数可)
① 融資について基本的な知識を教える
31 ⑩ NPO 法人を信用保証制度の対象にする
39
② 金融機関や融資制度の情報を提供する
36 ⑪ 金融機関によるNPO への融資を促す
32
③ 経営や会計の専門家を紹介・派遣する
17 ⑫ 市民によるNPO への融資を促す
13
④ 会計・税務の講座を開く/相談に乗る
18 ⑬ NPO 法人に出資できるようにする
21
⑤ 事業計画作成の講座を開く/相談に乗る 12 ⑭ 中間支援組織、金融機関と連携を密にする
12
8 ⑮ 委託事業費や補助金を前払いにする
26
⑥ 法律の専門家を紹介・派遣する
⑦
行政機関自身が融資するか、制度融資を行う
26 ⑯ 融資より補助金・助成金に力を入れるべき
33
⑧
政府系金融機関がより積極的に融資を行う
25 ⑰ 融資に関しては、特にない
43
⑨ 利子を補填しNPO の負担を減らす
42 ⑱ その他( 10
)
2
Q38. 融資が活用できれば、ぜひ実現したい計画ありますか。
① ある
55 ② 特にない
75
①ある場合の方はその主な分野に○をご記入下さい。また、できればその事業内容をご記入
ください。
① 保健・医療・福祉
41 ⑪ 子どもの健全育成
9
② 社会教育の推進
5 ⑫ 情報化社会
2
③ まちづくりの推進
6 ⑬ 科学技術の振興
0
④ 学術、文化、芸術、スポーツの振興
7 ⑭ 経済活動の活性化
0
⑤ 環境の保全
1 ⑮ 職業能力の開発または雇用機会の拡充
3
⑥ 災害救援
3 ⑯ 消費者の保護
0
⑦ 地域安全
1 ⑰ NPO支援
1
⑧ 人権の擁護、平和の推進
0 ⑱ 観光の振興を図る活動
1
⑨ 国際協力
1 ⑲ 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
0
⑩ 男女共同参画社会の形成
1 ⑱⑲は平成24年4月1日から追加される予定の活動分野
事業内容
Q39. 融資に関連して、金融機関に対して求めたいことはありますか。もしある場合、該当項目に
○をご記入下さい。(複数可)
49 ⑧ 融資申請に必要な経営支援をする
11
② NPO への理解を深める
41 ⑨ 融資制度について周知・宣伝に努める
10
③ 融資金額の上限を上げる
14 ⑩ 融資後のフォローをきめ細かく行う
11
④ 融資の金利を下げる
39 ⑪ NPO への制度融資を進める
32
⑤ 融資期間の上限を伸ばす
17 ⑫ 行政機関、中間支援組織と連携を密にする
11
①
NPO の事情に適した融資制度を整備する
⑥ 創業前後の段階でも融資する
5 ⑬ 融資に関しては、特にない
⑦ 融資にかかる時間・手間を減らす 19
以上でアンケートは終了です。お疲れ様でした。ご協力感謝申し上げます。
通信欄:ご自由にご記入ください。
11
30
平成 23 年度「融資利用実態調査事業」業務委託
融資利用実態調査
平成 23 年 9 月
委託者
千葉県環境生活部
県民交流・文化課
〒260-8667 千葉市中央区市場町1番1号
TEL 043-223-4133
受託者
FAX 043-221-5588
特定非営利活動法人 ACOBA
〒270-1151 我孫子市本町 3-7-10 ABIKOs2F
TEL 04-7181-9701 FAX 04-7185-2241
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