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子どものいる女性労働者の「仕事のやりがい感」を

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子どものいる女性労働者の「仕事のやりがい感」を
Japanese Journal of Administrative Science
Volume 20, No.3, 2007, 325-334
経営行動科学第20巻第3号, 2007, 325−334
Research Note
研究ノート
子どものいる女性労働者の「仕事のやりがい感」を規定する要因
高 橋 桂 子
新潟大学教育人間科学部
Factors That Make Work Rewarding for Married Working Women with Children
Keiko TAKAHASHI
(Faculty of Education and Human Sciences, Niigata University)
The purpose of this research is to examine the factors that influence whether married
working women with children feel their work is worth doing.
A questionnaire was mailed
to women in 5 unions of the Japanese Trade Union Confederations in 2005.
About 90 percent of respondents were regular full-time workers.
Based on a three step regression analysis, the major findings are as follows: (1) Positive
factors are related to the level of consciousness at the workplace, that is they perceive the
possibility of promotion to a higher position, they have good relations with colleagues and
supervisors, and they work in a family-friendly environment. (2) A negative factor was that
they felt discrimination from men with the same career path. (3) Among working women
with children under three years of age, time inflexibility such as overtime work with their
coworkers is a greater negative influence compared with mothers having older children.
Keywords: work rewarding, married working women, children, full-time worker, questionnaire
従事し、仕事を通してキャリアアップができていると実
研究目的
感することができるか、といった就業意欲の観点から分
2007年、高度経済成長を支えてきた団塊の世代が定
析をすすめることも重要である。
年により労働市場から引退を始め、わが国は人口動態上、
労働の質に注目した先行研究には、仕事の満足度
大きな転換点に直面している。労働力人口が量的に縮小
(job satisfaction)をテーマとするものが多く、女性は
していくなか、生産量を維持するためには、これまであ
男性より報酬・労働条件が悪いにもかかわらず、男女間
まり活用されることのなかった女性や高齢者を十分に活
で仕事満足度の評価に差はないこと(Bokemeire, 1986)
、
用し、一人当たりの労働生産性、とりわけ、労働の質を
仕事満足度と夫婦生活の満足度には男女ともにプラスの
あげていくことが提言されている(経済同友会、2006)
。
相関があること(Rogers et al., 2003)などが明らかに
平成17年度『経済財政白書』
(内閣府)では労働者の質
なっている。本稿は、労働の質として「職務とその周辺
を計測する指標として「ディジビア労働指数」を算出し、
要因全体を包括的・総合的に職務経験とみなし、それに
労働者数は停滞しているものの学歴という労働の質を加
対する全体的な満足感を想定する」
(宗方、2003)仕事
味した「ディジビア労働指数」は上昇していることを示
満足度ではなく、より直接的な指標である仕事のやりが
し、高等教育機関が提供する教育の質が担保される限り、
い感、仕事のおもしろさをとりあげる。内閣府「国民生
質の向上を考慮した労働力は今後も増加を続ける、と予
活に関する世論調査」では平成9年以降、理想とする仕
測している。
事内容に関する設問があるが、当初は支持割合が高かっ
確かに、学歴という人的資源の観点から労働の質を
た「収入が安定している仕事」が低下し、かわって「自
論じることも重要ではある。しかしそれ以上に、いかな
分にとって楽しい仕事」や「自分の専門知識や能力がい
る学歴をもった労働者であれ、1個の人間として、彼女
かせる仕事」をあげる割合が増加している。労働政策研
(彼)が人間としての営みの中でもっとも重要な活動の
究・研修機構(2007)も「仕事の中の幸福」という仕事
ひとつである仕事に主体的・積極的に関わることができ
の質をテーマにした特集号をくんでいる。人口減少社会
ているかという観点からの分析、具体的には、自分が従
において高い労働生産性を維持していくためにも、仕事
事している仕事に対して、やりがい感を持っているか、
のやりがい感やおもしさに影響を与える要因を明らかに
仕事そのものが楽しいと感じているか、意義ある仕事に
することは、重要な社会的課題である。
−325−
研究ノート
経営行動科学第20巻第3号
加えて、労働力人口の減少に伴い、女性労働力の活
継続している女性労働者の仕事のやりがい感に影響を与
用が期待されている今日、女性、とりわけ、家庭責任を
える要因は何か、定量的・定性的な分析を進めることは、
もつ既婚の女性労働者に焦点をあてた分析を進めること
喫緊の社会的課題の1つである1。
が重要である。従来、既婚女性の就業選択は、世帯主所
以上の問題関心に基づき、本研究の調査対象者は子
得との関係で説明することができた。確かに、1980年代
どものいる女性労働者とした。仕事のやりがいや楽しさ
までのデータを用いた分析では、ダグラス=有沢の法則
に注目した先行研究には世代別・職種別はあっても、明
が確認されている(大沢、1993;高山・有田、1995)
。
示的に、女性雇用労働者に焦点をあてて分析したものは
しかしながら、男女雇用機会均等法、育児休業法や男女
見られない。また、女性雇用労働者数が増加し、将来的
共同参画社会基本法の制定に伴い、これまでは有意にマ
にも女性労働力の有効活用が必須の今日、女性、とりわ
イナスに作用した配偶者所得が、1990年代のデータでは
け子どものいる女性たちの仕事のやりがい感に注目した
有意にならないことが大竹(2000)
、小原(2001)や阿
研究を蓄積し、改善点や課題を抽出していくことは意義
部(2001)の実証分析によって確認されている。経済変
ある試みである。本稿では、子どものいる女性労働者を
数に加えて、女性本人や配偶者の意識変数を投入した長
対象に、どのような要因が仕事のやりがい感にプラス
町(2002)
、藤野(2002)の分析からは、既婚女性の就
(マイナス)の影響を与えているのか、末子年齢によっ
業選択には、女性自身の生涯にわたる就業に関する考え
て、女性の仕事のやりがい感に影響を与える要因が異な
方が、影響力ある規定因の1つであることが報告されて
るかどうか、検討する。
いる。
他方で、出産1年前に正社員として勤めていた者の6
1 先行研究と本研究の課題
割が、第1子出産に伴い退職する、という統計事実(厚
仕事のやりがい・楽しさに注目する先行研究は、産
生労働省「第1回21世紀出生児縦断調査」(平成13年
業・組織心理学領域で多くみられる。山下(1996)は、
度)
)がある。家庭生活と仕事生活の両立を支援する環
65労働組合の20歳代男女(n=2960)の「仕事の楽し
境が整備されているにもかかわらず、なぜ、労働市場か
さ」を共分散構造分析で分析した。その結果、
「仕事の
ら退出するのか。その手がかりの1つに、大卒女性を対
楽しさ」に直接影響を与える要因は、仕事に社会的意義
象にキャリアパターンと就業環境について分析した東京
があると思えること、職場の人間関係がいいことや自分
女性財団(1999)がある。そこでは、継続就業する大卒
で見通しを立てながら仕事をしているなどであり、
「仕
女性も、転職・中断・退職する大卒女性も、選択行動の
事の楽しさ」は就労意欲の強い規定因(パス係数.78)
理由の第1位にあげる選択肢は「やりがい」という。つ
であることを明らかにした。電算機関連会社に働く20-
まり、従事している仕事にやりがいが実感できると継続
59歳の正社員男性(n=1577)を対象とした田井中
就業し、逆に、やりがいを感じられないと継続就業をせ
(1999)は、
「仕事の生きがい」の促進要因は能力を活用
ず、出産というライフイベントを契機に退職を選択する
していること、逆に阻害要因は仕事に面白さを欠くこと、
のである。民間企業で正社員として継続就業している有
その仕事の面白さを損なう最大の要因は人間関係の悪さ
子既婚女性を対象にその両立戦略をヒアリング調査した
であることを明らかにした。
「仕事のやりがい」につい
小笠原(1999)は、ヒアリング対象者のほとんどが「仕
ては、自治体職員(n=529)にアンケート調査を実施し
事をおもしろい、自分にあっている」と感じており、自
た山中(2004)や看護師への半構造的ヒアリング
分を取り巻く環境を所与とするのではなく、周囲の環境
(n=10)を通して実施した松田ら(2005)がある。山中
に積極的に働きかけて、何とか継続就業できるよう工夫
(2004)によれば、自治体職員たちのやりがいは業務目
を凝らしていることを詳細に報告している。これらから、
標を明確に意識していること、専門分野を明確に認識し
仕事にやりがいを感じる、おもしろい、自分にあってい
ていることが有意にプラスの影響を与えることを明らか
ると実感することができれば、配偶者所得や家庭責任に
にし、自治体職員に目標管理制度を導入することを提言
関係なく、当事者本人が主体となり、何とか仕事を継続
している。松田ら(2005)は、看護対象と信頼関係がで
していこうと周囲に積極的に働きかけ、固有の事情に即
き、仕事を通した自己成長感を感じ、スタッフと一体
した両立戦略を練るのではないだろうか。換言すれば、
感・信頼関係があることが看護師のやりがいにプラスの
家庭責任の発生する、もしくは家庭責任を持っている女
影響を与えることを明らかにしている。
性を労働市場にひきとめるには、やりがいを感じる、お
経済学領域で労働意欲に関する先行研究には石川
もしろい仕事を保障することが重要といえる。いったん、
労働市場から退出すると、正社員としての再参入がきわ
1
めて困難な現状を直視すれば、家庭責任があって就業を
−326−
小笠原(1999)では、対象者たちの「仕事がおもしろ
い、自分にあっている」に関する分析は見られない。
子どものいる女性労働者の「仕事のやりがい感」を規定する要因
(1982)がある。多くの場合、生産活動は労働者の共同
する自信・評価や職場環境・風土といった点が、仕事の
作業として遂行される。内発的動機と外発的動機という
やりがい感に与える影響は大きいと考える。同じような
軸に加えて個人的動機と社会的動機という軸を設定し、
問題意識にたつ先行研究には黒澤(2001)があるが、そ
労働者は他の労働者より多く働くことを誇らしく感じ、
こでは使用データが1990年のもので育児休業制定前であ
逆に他の労働者ほどよく働かないことを恥と感じる競争
り、かつ配偶関係別の分析はされていない。
心(エミュレーション)という概念を用いて労働意欲を
本研究は、「基本的属性」(年齢、学歴、末子年齢な
高める外発的なエミュレーション効果について理論的検
ど)、「仕事特性」(職種、役職の有無や年収など)と
討を行っている。
『女子労働者労働実態調査』
(1990)の
「仕事意識変数」
(入社以来の仕事内容・処遇の変化、自
個票を用いて分析した黒澤(2001)によれば、正社員女
己成長感、職場環境の認識)の3つの変数を用いて分析
性の就業継続意欲に有意にプラスの影響を与える要因と
をすすめる。それぞれの効果を確認する目的で高橋・渡
して、責任ある仕事を与えること、能力が発揮できる環
辺(1995)を参考に、階層的重回帰分析を行う。作業仮
境を整備すること、職務拡大・昇進のための訓練、とな
説は次の2点である。
っている。
1)子どものいる女性労働者の仕事に対するやりがい感
社会学領域では、木本(2004)により、百貨店・総
に、
「仕事意識変数」はどの程度、影響を与えているか。
合スーパーで働く女性社員へのインタビュー調査という
2)仕事のやりがい感の規定因は、末子年齢により異な
定性的研究が行われている。木本(2004)は、長期女性
るか。
勤続者の昇進意欲が低い理由は女性が家庭責任を担って
いるからだとする説明は表層的理解にすぎず、現実は男
性中心的な人事管理と労働慣行の中で仕事の全体像を見
2 調査方法と変数
(1) 調査方法とデータ
渡すことができず労働組織への「参加」意識を持ち得な
ここで用いるデータは、我々が日本労働組合総連合
いために女性社員の仕事には「飽き」と「虚しさ」がつ
会に所属する5労働組合の女性局、男女共同参画推進局
きまとうとし、職場環境が生んだ産物であることをヒア
や労働調査部に依頼して、子どものいる女性労働者とそ
リング調査を通して抽出している。
の配偶者を対象に実施した調査である2。調査票の配布
木本(2004)が明らかにした、女性労働者をとりま
は各組合に依頼し、回収は所属組合経由もしくは直接、
く就労意欲に与える構造・要因は、百貨店・総合スーパ
返送してもらった。調査時期は2005年10月下旬∼12月下
ーに限らず、他業種で働く女性たちにも該当することか。
旬、配布枚数3930組、回答票2358組(回収率60.0%)
、
彼女たちは企業が提供する職場環境・人事管理をどのよ
うち年齢、最終学歴、世帯構成(配偶者票では就業の有
うに認識し、評価しているか。それが女性本人の仕事に
無)
、雇用形態と職種の5項目すべてに欠損値がない有効
対するやりがい感や楽しさといった質的評価にプラス
回答票は女性本人票2143部(有効回答率54.5%。以下、
(マイナス)の影響を与えているのだろうか。また、末
本人)、配偶者1927部(同 49.0%)である。本分析の
子年齢別に、女性労働者のやりがい感に与える変数やそ
対象サンプルは女性本人有効票2143部のうち、多変量解
の影響は異なるのではないか。このような問題意識のも
析に用いる項目すべてに欠損値のない1396部である。
と、本稿では、経済学の枠組みに仕事や職場風土に関す
調 査 対 象 者 の 基 本 的 属 性 は 、 平 均 年 齢 37.3 歳
る意識変数を投入して、女性労働者を対象に実施したア
(SD=6.2)
、最終学歴は高卒以下56%・短大28%・大卒
ンケート調査を用いて分析を行う。すでに見てきたよう
以上15%3、末子平均年齢6.53歳(SD=6.29)でその7割
に、「仕事の社会的意義」、「有能感」、「能力活用」や
が核家族世帯である。現在の仕事は事務職6割、9割強が
「業務目標の明確さ」が労働者の仕事のやりがい感に影
正社員で、全体の8割が卒業後同一企業に継続就業し、
響を与えることは、先行研究から明らかになっている。
延勤続年数16.9年(SD=6.36)、平均年収334.0万円(中
しかしながら、それら調査対象者は、20代という若年層、
央値350万円、SD=142.6)である4。
正社員男子や看護婦、公務員であり、民間企業に勤務す
る女性労働者を対象としたものではない。出産1年前に
正社員として勤めていた者の6割が、第1子出産に伴い退
職するという事実をあわせ考えると、家庭責任に起因す
る出来事で、ある時期、突発的かつ頻繁に、職場から早
退もしくは欠勤せざるを得ない雇用労働者にとって、自
身が有能であることや業務目標が明確であることよりも、
周囲の理解・支援、入社以来の自身のキャリア形成に対
2
機械・金属、繊維、電気、流通と食品関係である。調
査名「子どものいる女性労働者の就業・子育て・交
流等の実態に関する調査」である。
3
2005年現在で37歳の、高等学校卒業後の女子の進学率
(1986年)は短大21%、大学12.5%である(文部科学
省『文部統計要覧』
)
。
4
パートタイムを含まない一般労働者の平均年収は女性
350.2万円(38.3歳、勤続9.0年)である(厚生労働省
『賃金構造基本統計調査』
(平成16年)
)
。
−327−
研究ノート
経営行動科学第20巻第3号
表1 質問項目群の主成分分析の結果
(2) 被説明変数
基準は「役職なし」である。
「仕事のやりがい感」は、「私は今、やりがいのある
仕事をしている」と「仕事そのものが楽しい」から構成
本人年収(万円・年収):税込みの年収で階級値の中
央値である。
される。この2変数の単相関係数は r=.507(p<.001)
、下
5
就業パターン(ダミー変数)
:就業パターンは同一企
位尺度の内的一貫性を示す信頼性係数αは.671である 。
業継続(同一継続)
、離職転職継続(離職継続)と中断
この2変数の回答の合計得点を被説明変数とした。
再就職に3区分した。基準は中断再就職である。
(3) 説明変数
③ 「仕事意識変数」
① 「基本的属性」
「仕事意識変数」は、①入社以来の仕事内容・処遇の
年齢(歳)
:実年齢である。最小値は23歳、最高値は
59歳、平均年齢は37.3歳である。
変化(以下、仕事の変化)
、②職場環境の認識(以下、
職場環境)から構成される。①は東京女性財団(1999)
、
学歴(ダミー変数)
:学歴は高卒以下、短卒・専門学
校(短卒)
、大卒以上(大卒)に3区分した。基準は高卒
②は財団法人連合総合生活開発研究所(1998)の選択肢
を参考にした。
である。
①、②について主成分分析(Varimax 回転)による
末子年齢(ダミー変数)
:末子年齢は3歳以下、4-6歳
と7歳以上に3区分した。基準は7歳以上である。
探索的な分析を行い、固有値の減衰状況と解釈可能性か
ら主成分数を決定した。主成分負荷は±0.40以上とした
配偶者年収(万円)
:税込みの年収で階級値の中央値
である。
(表1)
。選択肢は「そう思う」
、
「ややそう思う」
、
「あま
りそう思わない」と「思わない」の4件法である。岸
② 「仕事特性」
(2005)の考え方に準じて、配点は「そう思う」を5点、
職種(ダミー変数):職種は技能・現業職(技能)、
「ややそう思う」4点、
「あまりそう思わない」2点と「思
事務職、営業・販売・サービス職(営業職)と技術・研
わない」1点として、肯定的なものほど高得点になるよ
究・専門職(技術専門)に4区分した。基準は事務職で
うに配点した。
(イ) 「仕事の変化」
ある。
役職の有無(ダミー変数)
:係長以上の役職があるも
のを「役職あり」
、それ以外を「役職なし」と2区分した。
仕事の変化(10項目)は、2つの主成分が抽出された。
この2主成分の累積寄与率は59%である。第1主成分は、
「勤続年数に応じて、判断・企画力や責任を求められる
5
浦上昌則氏によれば、信頼性尺度は項目数が少ないと
係数が小さくなる特徴があり、10項目尺度の平均相
関係数が0.2であればα係数は.71、25項目ではα係数
は.86に上昇するという。項目が少ない場合は項目間
の相関係数を算出することが重要と指摘している。
(http://www.nanzan-u.ac.jp/~urakami/u-spss/SPSS8.html)
。
仕事が増えた」
、
「勤続年数に応じて、仕事上の裁量の度
合いが高まった」や「勤続年数に応じて、専門的知識や
より高い技能を必要とする仕事が増えた」が高い主成分
負荷量を示した。ここから第1主成分を「キャリアアッ
−328−
子どものいる女性労働者の「仕事のやりがい感」を規定する要因
表2 記述統計量(全体サンプル)
プの実感」と名づけた。この5項目で構成される信頼性
係数αは.884である。
なお、第4主成分以降は信頼性係数αが急激に低下す
る(第4主成分.376)ため、第4主成分以降は分析に採用
第2主成分は、
「同期・同学歴入社の男性より昇進・
しない。上位3つの主成分の累積寄与率は39%である。
昇格が遅れている」
、
「勤続年数を経るごとに、同期・同
学歴入社の男性と担当する仕事内容が異なってきた」や
「入社以来、単純・定型的な仕事や上司や同僚男性の補
助的な仕事に従事している」などが高い主成分負荷量を
示す。ここから第2主成分を「処遇における男女差別の
存在」と名づけた。この5項目で構成される信頼性係数
以上に述べた被説明変数と説明変数の記述統計量を
表2に、相関マトリクスを表3に示す。
3 結果
(1) 全体
「仕事のやりがい感」を被説明変数とし、「基本的属
性」
、
「仕事特性」や「仕事意識変数」の影響を詳細に把
αは.720である。
(ロ) 「職場環境」
握する目的で階層的重回帰分析を行った。
職場環境(17項目)は、5つの主成分が抽出された。
年齢、学歴、末子年齢と配偶者年収という「基本的
第1主成分は「恒常的に残業しなければ仕事が追いつか
属性」からなるステップ1では、仕事のやりがい感の説
ない状態である」
、
「予定外の仕事を突然、退社間際に指
明力(R2乗)は.018と非常に小さいが、最終学歴が四大
示されることがよくある」や「定時に退社しづらいなど
卒(β=.117, p<.001)であると女性の仕事やりがい感に
「つきあい残業」的なものがある」が高い主成分負荷量
有意にプラスの影響を与えることが示された。これは学
を示した。ここから第1主成分を「労働時間・休日の不
歴が高いほどより定型的な仕事ではない職種に従事する
自由さ」と名づけた。下位尺度の内的一貫性を示す信頼
傾向にあるため、やりがい感にプラスに作用したと思わ
性係数αは.777である。
れる。
第2主成分は「結婚・出産後も働き続ける女性が多い
ステップ1に「仕事特性」を示す職種ダミー、役職ダ
職場だ」
、
「女性は結婚・出産で退職するものという雰囲
ミー、本人年収とこれまでの就業パターンの4変数を加
気がある(*)6」や「子育てしながら働き続けやすい雰囲
えたものがステップ2である。説明力は小さいが、追加
気がある」が高い主成分負荷量を示すことから第2主成
投入した「仕事特性」変数はほとんどが有意であり、
分を「子どものいる女性労働者支援」と名づけた。この
3項目で構成される信頼性係数αは.682である。
「仕事特性」変数が「基本的属性」だけでは説明できな
い「仕事のやりがい感」を説明することを示している。
第3主成分は、
「職場には、
「いつかはあの人のように
具体的には、他の変数を一定とすると営業職(β=.062,
なりたい」と思える同僚・先輩がいる」や「職場には何
p<.05)
、技術専門職(β=.081, p<.01)に従事している
でも相談できる同僚・先輩がいる」などが高い主成分負
こと、役職(β=.094, p<.001)があることや本人年収
荷量を示す。ここから第3主成分を「上司・同僚との関
(β=.127, p<.001)が高い場合には、仕事のやりがい感
係」と名づけた。この3項目で構成される信頼性係数α
に有意にプラスの影響を与えることであり、逆に、技能
は.656である。
職(β=−.069, p<.05)に従事し、同一企業に継続して
6
就業(β=−.109, p<.001)している場合には仕事のやり
(*)は逆転項目であることを示す。
−329−
研究ノート
経営行動科学第20巻第3号
表3 重回帰分析に用いる変数・相関マトリクス
がい感には有意にマイナスの影響を与える結果となった。
ステップ2に、入社以来の仕事内容・権限や責任の変
ることは、仕事のやりがい感に有意にマイナスに影響を
与えることが示唆された。
化に対する認識、職場環境に対する評価や就業継続理由
なお、「職種ダミー(技能)」と「就業パターンダミ
といった「仕事意識変数」を加えたものがステップ3で
ー(同一継続)
」は、ステップ3において有意にマイナス
ある。説明力は.341と格段に増加し、
「基本的属性」変
の影響を与える結果となった。後者の、同一企業で継続
数や「仕事特性」変数で説明されない独自の説明力を有
して就業している場合、仕事のやりがい感には有意にマ
することが示された。具体的には、仕事やりがい感に影
イナスの影響を与えるという結果は、木本(2004)の結
響を与える変数は、勤続年数に応じて判断・企画力や責
果と整合的である。また「労働時間・休日の不自由さ」
任を求められる仕事が増えるなど「キャリアアップの実
は、単純相関係数はほぼ0であったが、標準偏回帰係数
感」
(β=.326, p<.001)があり、職場には結婚・出産後
が有意な「抑制変数」であったことが示された。
も働き続ける女性が多く、子育てしながら働き続けやす
また、正社員として就業継続している女性
い雰囲気と認識できるような「子どものいる女性労働者
(n=1171)に限定した階層的重回帰結果では、職業ダミ
支援」
(β=.096, p<.001)が充実していること、何でも
ー(営業)が有意でなくなること、役職ダミー(主任以
相談できる同僚・先輩が存在するなど「上司・同僚との
上)が有意になるのはステップ3のみという違いはある
関係」
(β=.326, p<.001)が良好であることが、仕事の
が、符号の向き・有意性は上記と同様の結果を示した。
やりがい感に有意にプラスの影響を与えていた。逆に、
職場で同期・同学歴入社の男性より昇進・昇格が遅れて
いると感じる「処遇における男女差別の存在」(β=
(2) 末子年齢別の検討
「仕事意識変数」が仕事のやりがい感に与える影響は、
−.156, p<.001)を女性本人が認識していること、予定
末子年齢別に異なることが予想される。女性労働者のや
外の仕事を突然、退社間際に指示されたり定時に退社し
りがい感を高めるために、属性別に、どの変数が影響を
づらいといった「つきあい残業」的なものがあるなど
与えているか明らかにすることも重要である。
「仕事意
「労働時間・休日の不自由さ」
(β=−.118, p<.001)があ
識変数」を構成する5変数につき、仕事のやりがい感に
−330−
子どものいる女性労働者の「仕事のやりがい感」を規定する要因
表 4 「仕事のやりがい感」を被説明変数とした階層的重回帰分析(全体サンプル)
おける末子年齢の影響を分析するために分散分析を行っ
などの「仕事特性」
(社会的変数)より、入社以来の仕
た 。 そ の 結 果 、「 処 遇 に お け る 男 女 差 別 の 存 在 」
事内容・処遇、職場環境の認識といった「仕事意識変
(F(2,1393)=6.178, p<.01)、「労働時間・休日の不自由
さ」(F(2,1393)=3.066, p<.05)、「上司・同僚との関係」
(F(2,1393)=19.815, p<.001)の3変数において、末子年齢
数」の影響を受ける(心理的変数)であることが確認で
きた。また「勤続年数に応じて、判断・企画力や責任を
求められる仕事が増えた」とする仕事内容に関すること
や「職場には「いつかあの人のようになりたい」と思え
の効果は有意であった。
そこで、ステップ3に、これら3変数と末子年齢ダミ
る同僚・先輩がいる」、「職場には何でも相談できる同
ーの交互作用変数を順次、投入して、回帰分析を行った
僚・先輩がいる」といった職場の人間関係、
「結婚・出
ところ(ステップ4)
、
「労働時間・休日の不自由さ」と
産後も働き続ける女性が多い職場だ」といった女性労働
末子年齢の交互作用変数のみが、有意に仕事のやりがい
者を支援する職場環境に関する変数は、プラスの影響を
7
感に影響を与える結果となった 。交互作用変数に注目
与え、逆に、同期同学歴入社の男性との間で処遇に差別
すると、「労働時間・休日の不自由さ」×末子ダミー
があるという「処遇における男女差別の存在」の認識は、
(3歳以下)は有意(β=−.062, p<.1)であるが、
「労働
仕事のやりがい感に有意にマイナスの影響を与えること
時間・休日の不自由さ」×末子ダミー(4-6歳)は有意
が確認できた。同時に、交互作用変数を投入した分析か
でない(β=−.020, n.s.)
。ここから、末子が3歳以下の
ら、仕事のやりがい感に影響を与える変数は、末子年齢
女性は、労働時間や休日の不自由さが、仕事のやりがい
別に異なり、末子年齢が3歳以下の女性労働者にとって、
感を低下させることが確認できた。
予定外の仕事を突然、退社間際に指示されたり定時に退
4 まとめと今後の課題
社しづらいといった「つきあい残業」的なものがあると
いった「労働時間・休日の不自由さ」は、仕事のやりが
子どものいる女性労働者を対象に、仕事のやりがい
い感に有意にマイナスの影響を与える結果となった。
感に影響を与える要因について探索的な分析を行った。
ここで、「就業パターンダミー(同一継続)」や「職
その結果、子どものいる女性労働者の仕事に対するやり
種ダミー(技能)
」は、多くの変数が仕事意識変数に効
がい感に大きな影響を与える変数は、年齢、学歴、末子
果を吸収される中、ステップ3においても、仕事のやり
年齢といった「基本的属性」や職種、役職の有無や年収
がい感に直接的なマイナスの効果を持った点について検
討する。データを確認するために、女子労働者の勤続年
7
VIF 値は最大でも2.830(
「上司・同僚との関係」
)で
あり、変数間の多重共線性の発生は確認されなかっ
た。
数・就業パターン別に、やりがい感の主成分得点を示し
たものが図 1である。勤続年数は『賃金センサス』の勤
−331−
研究ノート
経営行動科学第20巻第3号
7
6.5
全体
6
同一継続
離職継続
5.5
y = -0.056x2 + 0.377x + 5.664
R² = 0.683
再就職
5
多項式 (全体)
4.5
2年以下
3-4年
5-9年
10-14年
15-19年
20-24年
25年以上
図 1 勤続年数別にみた「仕事のやりがい感」
:就業パターン別
続年数区分を参考に9区分8した。子どものいる女性労働
子どものいる女性労働者を対象とした実証分析から
者全体でみると、仕事のやりがい感は、勤続3-4年をピ
は、仕事のやりがい感という質に影響を与える要因は大
ークとして以降は、なだらかに低下する、マイナスの二
別して2つの経路、具体的には職場における人事管理・
次曲線を描くことが確認できた。木本(2004;74)は、
育成における企業の姿勢と、就業者本人のキャリア展望、
百貨店勤務のキャリア5年の女性の「上の人が仕入れた
があることが判明した。職場における人事管理・育成の
商品を売るだけでは、おもしろ味に欠ける。全体の流れ
あり方とは、具体的には社員の仕事上の成長段階に応じ
がわかってくるとおもしろい。
・・・。しかし、最近は
たロールモデルとなる人物を従業員各自に配置し、適切
少し飽きてきた」という話を紹介している。決定権が希
なメンターを導入し、女性労働者に対し体系的な教育・
薄で、自由裁量の余地が乏しい仕事に従事している場合、
訓練を施して仕事能力を養成し、
「同期・同学歴入社の
仕事のやりがい感やおもしろ味が減少する時期は、勤続
男性より昇進・昇格が遅れている」
、
「勤続年数を経るご
5年目前後のようである。参考までに職種別(技能・現
とに、同期・同学歴入社の男性と担当する仕事内容が異
業職、事務職、営業・販売職と研究・専門職)に仕事の
なってきた」ため従事している仕事に「虚しさ」を感じ
やりがい感に関する分散分析を行ったところ、職種によ
させることがないよう人事管理を行うことが重要である。
ってやりがい感は有意に異なること(F(3, 1392=17.475,
他方、本人のキャリア展望の経路に関して、学校教育や
p<.001)
)
、多重比較からは技能・現業職(n=225)が最
社会教育などの場で、生涯を通して仕事生活、家庭・地
も 低 く 、 つ い で 事 務 職 ( n=848 )、 営 業 ・ 販 売 職
域生活といかに関わっていくのか、将来生活能力を養成
(n=123)<研究・専門職(n=200)の順で高くなった。
していくことも必要である(高橋、2005;高橋、2006)
。
なぜ、やりがい感は一定期間をすぎると加齢とともに低
最後に、本研究の限界と今後の課題について述べる。
下するのか、これは女子に特有の現象なのか、それとも
本研究に用いたデータは労働組合加入者という特定集団
男子も同様の形を描くのか、といった点に関する検討は、
を対象としたものであり、安易にこの結果の一般化をす
今後の課題として残っている。
ることはできない。異なる集団を対象に同様の調査を実
施し、結果を積み重ねていくことが必要である。また、
8
『賃金センサス』の区分は、勤続0年、1-2年、3-4年、
5-9年、10-14年、15-19年、20-24年、25-29年と30年以
上である。今回の対象のサンプル数はそれぞれ80、
154 、111 、222 、339 、256 、144 、34 と38 (合計
1378)である。
調査対象者が、就業女性であり、非就業女性を含んでお
らず、サンプルセレクション・バイアスの可能性も否定
できない。
「やりがい感」の低いサンプルが排除されて
いる場合は、真の関係に比べて観察される関係は弱くな
−332−
子どものいる女性労働者の「仕事のやりがい感」を規定する要因
る。就業者と非就業者を含むデータで本結果を確認する
motivations for working. In Barbara Schneider and
作業が必要である。また、本稿では被説明変数と説明変
数との間の直接的な影響を推定する回帰分析を用いてお
Linda J. Waite. Eds. Being Together Working
Apart. 79-101, Cambridge University Press.
り、基本属性と仕事特性、仕事特性と仕事意識変数、さ
水野朝夫 1989 女子労働と経済社会. 女子労働の新
時代,133-138,東京大学出版会.
らには基本属性が仕事意識変数に与える間接的な影響に
関する分析は改善の余地があり、パス解析や共分散構造
宗方比佐子・渡辺直登 2003 キャリア発達の心理学,
川島書店.
分析手法により、間接的な影響も含めて検討することが
今後の課題として残っている。
長町理恵子 2002 既婚女性の就業選択における妻と夫
謝辞
内閣府 2005 経済財政白書(平成17年度) 内閣府.
の意識の影響 生活社会科学研究,9,29-41.
本アンケート調査実施には多くの方のご協力を賜り
内閣府 2007 国民生活に関する世論調査(平成18年10
ました。調査にご回答いただきました雇用労働者の皆様
に心より御礼申し上げます。また、本論文に対し、大変
月調査) 内閣府.
小笠原祐子 1999 女性の昇進とキャリア形成 働き続
貴重なコメントをいただきました2名の匿名査読者の先
生方に記して感謝申し上げます。
ける女性たち 東京女性財団.
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(平成19年2月5日受稿,平成19年10月4日受理)
Appendix.
本研究は科学研究費補助金(『デュアル・キャリア・カ
ップルの就業状況・家計管理と育児支援に関する調査研
究』平成17-19年度、研究代表者:高橋桂子、研究分担
者:久保桂子・倉元綾子・草野篤子、課題番号
17510218)の助成を得て行われた。
−334−
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