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峡南北部二病院の統合にかかる基本計画

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峡南北部二病院の統合にかかる基本計画
峡南北部二病院の統合にかかる基本計画
平成 25 年 3 月
峡南北部二病院統合協議会
目次
1
基本計画の構成及び位置づけ ................................................ 1
(1)基本計画の構成 ............................................................... 1
(2)基本計画の性格と位置づけ ..................................................... 1
2
統合病院の経営形態及び名称 ................................................ 2
(1)経営形態 ..................................................................... 2
(2)名称 ......................................................................... 2
3
管理運営計画 .............................................................. 4
(1)統合病院の経営方針 ........................................................... 4
(2)統合に向けた目標と具体的な取組み ............................................. 4
ア 外来・入院 ................................................................... 5
イ 手術 ......................................................................... 7
ウ 救急 ......................................................................... 8
エ 透析 ......................................................................... 9
オ 検査健診・放射線 ............................................................ 10
カ 薬剤 ........................................................................ 10
キ リハビリテーション .......................................................... 11
ク 給食 ........................................................................ 13
ケ 各種指定 .................................................................... 14
コ 在宅診療 .................................................................... 15
サ 受付 ........................................................................ 16
シ 診療体制 .................................................................... 17
ス 経営管理・経理 .............................................................. 19
セ 購買 ........................................................................ 20
ソ 医事 ........................................................................ 20
タ 総務 ........................................................................ 21
チ 地域連携 .................................................................... 22
ツ 業務連携 .................................................................... 24
テ 情報システム ................................................................ 25
ト 組織体制 .................................................................... 26
ナ 要員数・勤務体系 ............................................................ 26
ニ 会議体 ...................................................................... 27
ヌ 研修体制 .................................................................... 28
(3)統合病院の本部組織 .......................................................... 28
(4)統合病院の外部委員会 ........................................................ 29
4
人事管理計画 ............................................................. 30
(1)人事管理の方針 .............................................................. 30
(2)人事処遇制度の方向性 ........................................................ 30
(3)移行時・採用時における職員の給料決定 ........................................ 31
(4)標準的な給料水準との格差是正 ................................................ 32
(5)最高号給を上回る職員の給料調整 .............................................. 33
(6)手当の統合 .................................................................. 33
(7)就業規則の方向性 ............................................................ 33
(8)定数設定の方針 .............................................................. 34
5
財務会計計画 ............................................................. 37
(1)財務会計の方針 .............................................................. 37
(2)財務分析結果 ................................................................ 37
(3)財務シミュレーション結果 .................................................... 40
(4)病院及び老健負債を引き継ぐ場合に考えられる構成団体の出資スキーム............. 48
(5)開院直後に想定される現金不足額及び調達方法 .................................. 48
(6)開院前~開院直後の必要資金額及び調達方法 .................................... 49
(7)新たな資金調達手段としての「住民参加型市場公募債」 .......................... 49
(8)開院時の貸借対照表(想定) .................................................. 50
(9)会計処理方法 ................................................................ 50
6
移行実務計画 ............................................................. 52
(1)移行実務のロードマップ ...................................................... 52
(2)移行実務の実行体制 .......................................................... 52
(3)法的に必要な諸手続 .......................................................... 53
(4)移行実務の取組み内容 ........................................................ 53
(5)企業団例規構成(案) ........................................................ 59
資料編 ....................................................................... 61
(1)峡南北部二病院統合協議会設置及び運営要領 .................................... 61
(2)峡南北部二病院統合協議会委員名簿 ............................................ 62
(3)峡南北部二病院統合協議会協議項目 ............................................ 63
(4)峡南北部二病院統合協議会開催状況 ............................................ 64
1
基本計画の構成及び位置づけ
(1)基本計画の構成
基本計画は、
「管理運営計画」、
「人事管理計画」、
「財務会計計画」及び「移行実務
計画」の4つの計画からなる。それぞれ、統合病院の機能及び組織、人事及び就業、
財務及び経理、移行実務及び実行体制について、基本的な考え方や方向性を示すも
のである。
(2)基本計画の性格と位置づけ
基本計画は、統合病院の人事・組織・財務等にかかる基本的な方針をまとめたマ
スタープランであり、今後、統合病院の経営主体となる一部事務組合(企業団)が
策定するアクションプランとなる「経営計画」の前工程となる計画である。
また、基本計画は、統合病院のあるべき姿や望ましい経営のあり方等を示したビ
ジョンとしての性格も併せ持つが、
「経営計画」によりさらに具体化され、実践に耐
えうるものとされていく必要がある。
このため、経営計画を策定する際には、この基本計画の趣旨が十分に尊重され、
これを土台にしてさらに詳細な協議・検討を行った上で、その内容が主体的に決定
されていくことが必要である。
1
2
統合病院の経営形態及び名称
(1)経営形態
・ 統合病院開院時の経営形態は、地方公営企業法の全部適用とする。
・ 中長期的には、統合病院の経営状況や地域医療の実態などを踏まえ、地方独立
行政法人への移行も含めた検討を継続して行う。
〈背景及び根拠等〉
統合病院にふさわしい経営形態は、
「地方公営企業法の全部適用への移行」と「地
方独立行政法人化1」に大別でき、地方独法化により大きな改善効果があると考えら
れるが、現時点で最適な一つの経営形態を選択することは困難。
このような状況を踏まえ、新規開院までの残存期間等からみた移行対応の容易性
や、地域において受け入れられる可能性、さらには救急医療やへき地医療など、政
策医療を確保する必要性が高いといった地域性を勘案し、現時点においてよりベタ
ーな案となる全部適用化を選択していくことが望ましい。
しかし、将来的には、病院経営が町財政にとって過度の負担となることがないよ
う、統合病院の経営状況や地域医療の実態などを踏まえ、より適切な経営形態への
さらなる移行を検討していく必要性も想定していく必要がある。
このため、開院後一定期間が経過した時点で経営形態の評価・見直しを行うこと
とし、地方独立行政法人化も含めた検討を行っていくことが望ましい。
(2)名称
・ 団体名は、『峡南医療センター』とする。
・ 施設名は、
『峡南医療センター市川三郷病院』及び『峡南医療センター富士川病
院』とする。
〈背景及び根拠等〉
統合病院の名称は、町民などの期待や要望に応え、職員の意欲を喚起するため、
新鮮で活力のある名称とするとともに、峡南地域全体の医療拠点としての機能を兹
ね備えたものとなることを内外に示す名称とする必要がある。
さらには、統合病院の所在地域を端的に示すとともに、地域住民が親しみを持て
1
地方独立行政法人は歴史が浅く事例も尐ないため、今後の検証が必要。
2
るような馴染み深い名称とすることが望ましいことから、
「清新性」、
「拠点性」、
「地
域性」を兹ね備えた新たな名称を付与し、この名称のもと、統合に向けた気運を醸
成し、求心力の向上を図ることとする。
3
3
管理運営計画
(1)統合病院の経営方針
統合病院は、統合する2病院間の関係だけでなく、住民との関係や、他の医療機
関との関係を考慮し、次の経営方針を掲げる。
2病院が1つとなり、医療機能の強化や経営改革を進めるとともに、地域の診
療所や山梨大学などと連携を図りながら、高齢者や子育て世代への対応といった
地域の特性上期待される医療サービスを、急性期から慢性期、在宅医療支援に至
るまで一貫して提供していくことにより、地域住民との結びつきがより強い病院
となる。
(2)統合に向けた目標と具体的な取組み
統合に向けた目標と具体的な取組みは、下記の項目について整理する。
項目
診療分野
機能
項目
外来・入院
管理分野
機能
経営管理・経理
手術
購買
救急
医事
透析
総務
検査検診・放射線
地域連携
薬剤
リハビリテーション
給食
各種指定
在宅診療
業務
業務連携
業務
情報システム
体制
業務連携
情報システム
受付
体制
組織体制
診療体制
要員数・勤務体系
要員数・勤務体系
会議体
会議体
研修体制
研修体制
統合に向けた目標と具体的な取組みは、統合病院の開院時までと開院後に分けて
整理する。また開院後については、開院後一定期間を経過した時点までのものを短
期、それ以降のものを中長期として分けて整理する。
4
ア 外来・入院
【目標】
<開院時>
・
新規患者を両病院に振り分けできる状態になっている。
⇒外来:既存の診療科を維持しながら、各院でニーズにあった診療科を保有
している。
⇒入院:市川三郷病院 一般 40 床(13:1) 、療養 40 床(20:1)
富士川病院
一般 154 床(10:1) 、感染症 4 床
<開院後短期>
・
診療機能が分化できており、地域のニーズを充足でき、特長のある病床構成
となっている。
⇒外来:各院でニーズに沿った診療科を保有している。
⇒入院:市川三郷病院 一般 40 床(13:1) 、療養 40 床(20:1)
富士川病院
一般 54 床(7:1) 、一般 100 床(10:1) 、感染症 4 床
<開院後中長期>
・
両病院の診療実態に応じて、適宜見直しが行われている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・
医師、看護師、コメディカル要員再配置、異動
 各診療科目の機能、要員数を決定し、具体的な人材を当てはめ異動する。
・
山梨大学、他病院と統合病院間での役割明確化
 地域の中で、自院で行うこと、周辺病院と連携すること、外に任せるこ
とについての目安を設定する。例えば重症度が中等の脳梗塞の症例には
対応するが、多発性脳梗塞等重症度が高く、後遺症の発生しやすい症例
については、高次医療機能病院へ患者を搬送するなど。
・
統合病院内での各科目における診療対象疾患の特定
 各診療科内でどの疾患は診ることができる、どの疾患は診ることができ
ないかを「病院に対して求められる姿」と「現在のスタッフで出来るこ
と」の観点から目安を設定する。例えば、消化器科において、肝炎、肝
硬変は積極的に対応していくが、食道がんについては対応できないなど。
・
診療連携の流れ整理(資料1参照)
 特に急性期から回復期に流れる患者への診療内容について、統合病院間
の役割を明確にし、スムーズに流れる仕組み作り(地域連携室による院
内連携など)を構築する。
・
外来、入院業務の統合準備
 電子カルテシステムなど新システムへの移行、習熟、電子カルテに載ら
5
ない診療関連帳票(看護記録、リハビリ記録、薬歴簿など)の統合など。
<開院後短期>
・
(診療科目別)統合病院での症例検討会の開催
 富士川病院、市川三郷病院で重複する科目について、互いの治療事例、
取組を共有する。
<開院後中長期>
・
診療科目の見直し検討
 地域状況、病床稼働率などに応じて、必要があれば診療科目を見直す。
【期待される効果】
・
病床稼働率の上昇
・
診療報酬の増加
・
統合病院での急性期から慢性期、回復期と一連の患者の流れを確立
診療科の方向性(イメージ)
診療科
内科
方向性
両病院で実施
富士川でも入院新患の取り扱いを再開
両病院で実施
富士川でも入院新患の取り扱いを再開
市川三郷で主に実施
消化器科
人工透析科
診療科
皮膚科
方向性
市川三郷で主に実施
眼科
市川三郷で主に実施
耳鼻科
市川三郷で主に実施
市川三郷で主に実施
外科
富士川で主に実施
産婦人科
脳神経外科
富士川で主に実施
小児科
富士川で主に実施
放射線科
富士川で主に実施
救急科
富士川で主に実施
当面は市川三郷でも休日救急を実施
市川三郷で主に実施
ただし、手術は主に富士川で実施
富士川で主に実施
ただし保存的療法は市川三郷でも実施
市川三郷で主に実施
ただし急性期リハビリは富士川で実施
泌尿器科
整形外科
リハビリ科
健診科
在宅診療部
両病院で実施
市川三郷で主に開業医との連携を担当
資料1.統合病院における診療の流れ
・ 統合病院では、大きく急性期(高度急性期、一般急性期)と回復期(亜急性期、回復期)に分けて、各病院が高い専門性を持ち、
患者の病期に応じた最適な医療を提供する
・ 急性期病棟から回復期病棟へ移る場合に、病棟間の橋渡し役として地域連携室を活用し、院内連携をより強固なものとする
連携の橋渡し役が必要
(地域連携室)
診療の流れイメージ図
市川三郷病院
富士川病院
ステージ
高度急性期
一般急性期
亜急性期及び回復期
維持期
診療内容
・高度な手術が必要な重症 ・一般的な手術や急性疾患 (亜急性期)点滴等比較的重症度の低い患者への医療 ・回復した身体機能を衰え
度の高い患者への医療
対応
(回復期)日常生活動作など身体機能の回復
ないよう維持させる医療
・複数科にわたる医療
・急性期リハビリテーション (回復期)回復期リハビリテーション
・維持期リハビリテーション
平均在院
日数
対応病床
15日程度
15日程度
60日程度
180日程度
富士川 一般54床(7:1)
富士川 一般100床(10:1)
市川三郷 一般40床(13:1)
市川三郷 療養40床(20:1)
6
イ 手術
【目標】
<開院時>
・ 手術機能が富士川病院に集約されている。ただし、市川三郷病院においても手
術できる環境は確保されている。
<開院後短期>
・ 富士川病院に集約した人材を生かして、難易度が高い手術実績を積んでいる。
・ 山梨大学医学部附属病院からのがん患者等の受け入れが進み、地域の病院に患
者が戻っている。
<開院後中長期>
・ 両病院の診療実態に応じて適宜見直しが行われている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 手術を行う医師、看護師、コメディカルの再配置、異動
 富士川病院の手術機能を充実させるために必要な機能・要員数を明確
にし、具体的な人材を当てはめ(必要に応じて補充し)、異動させる。
・ 統合病院にて行う手術症例の検討
 どの症例の手術は積極的に行うかを病院に対して求められる姿」と「現
在のスタッフで出来ること」の観点から目安を設定する。例えば、消
化器科において、肝炎、肝硬変は対応していくが、食道がんについて
は対応できないなど。
・ 手術関連設備、機器の購入検討、実施
 老朽化により更新が必要な設備、機器の購入を検討し実施する。
<開院後短期>
・ 外部(山梨大学など)との勉強会開催
 手術における症例検討、先進事例などを互いに持ち寄り、医療の質の向
上に向けて研究活動を実施する。
<開院後中長期>
・ 手術対象領域の見直し検討
 地域状況、病床稼働率などに応じて、必要があれば手術症例を見直す。
【期待される効果】
・ 手術実績件数の増加
・ 高難易度の手術症例の増加
・ 病床稼働率の上昇
7
ウ 救急
【目標】
<開院時>
・ 両病院とも救急告示病院とし、基本的には富士川病院に救急を集約し、地域の
救急受け入れ要請への対応が大きく改善されている。ただし、市川三郷病院で
も休日対応は行われている(資料2参照)。
⇒富士川病院は365日夜間・休日稼動している状態、市川三郷病院は休日
輪番(年15日程度)で稼動している状態(現在も休日輪番は年15日程
度)。
<開院後短期>
・ 富士川病院の救急体制がさらに充実され、原則として地域の救急受け入れ要請
を断らない病院となっている。
<開院後中長期>
・ 峡南地域の救急医療の実態を踏まえて救急体制の見直しが適宜行われている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 医師、看護師、コメディカル要員再配置、異動
 確実に救急患者を受け入れられるために必要な要員を確保する。
・ 山梨大学、他病院と統合病院間での役割明確化(資料2参照)
 救急患者の受入について、どの症例の患者を受け入れるかについて目
安を設定する。
 現状の救急医療指定5病院との輪番制のあり方について再検討を行う。
・ 関係官庁への申請
 救急告示病院としての指定を受けるための各種申請を行う。
<開院後短期・中長期>
・ 救急体制の見直し検討
 地域状況、他病院の受入状況などに応じて、必要があれば救急体制を
見直す。
【期待される効果】
・ 峡南地域内で原則的には完結できる救急体制の確立
・ 救急対応の増加による病床稼働率の上昇、診療報酬の増加
8
資料2 峡南地域救急体制のイメージ
現状
統合後
・夜間、休日とも市川三郷、鰍沢、峡南、身延山、飯富による
5病院輪番体制
パターン2
夜間輪番体制(例)
休日輪番体制(例)
夜間輪番体制(例)
パターン1
・富士川病院は365日24時間稼動しており、峡南地域の救急医療に
おける砦となる
・市川三郷病院は休日輪番には加わるが、夜間輪番は行わない。
ただし、夜間に急患が発生した場合には、オンコールで対応できる
ようにする
鰍沢
病院
峡南
病院
パターン1
鰍沢
病院
峡南
病院
市川三郷
病院
パターン2
峡南
病院
パターン3
市川三郷
病院
飯富
病院
パターン4
飯富
病院
身延山
病院
パターン5
身延山
病院
パターン3
市川三郷
病院
パターン4
飯富
病院
パターン5
身延山
病院
峡南
病院
パターン1
パターン2
パターン2
パターン3
鰍沢病院
峡南
病院
パターン1
休日輪番体制(例)
富士川
病院
富士川
病院
飯富
病院
身延山
病院
市川三郷
病院
パターン3
飯富
病院
パターン4
身延山
病院
エ 透析
【目標】
<開院時>
・ 透析機能の提供が市川三郷病院で行われている。
<開院後短期・中長期>
・ 地域の状況や病院の実績等を踏まえ、施設改修や医療機器の買い替えを契機に
見直しが適宜行われている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 現状機能の維持
 市川三郷病院における透析機能を維持する。
<開院後短期・中長期>
・ 透析機能の見直し検討、実施
 施設老朽化に伴う改修、大型医療機器の買い替えタイミングで、地域
状況等を考慮して機能の見直しを検討し、実施する。
【期待される効果】
・ 透析患者への医療の質向上
9
オ 検査健診・放射線
【目標】
<開院時>
・ CT、MRI、レントゲン検査、検体検査、心電図やエコー等の生理学的検査につ
いては、両病院とも既存の機能を提供していく。
・ 健診については、人間ドックは富士川病院で主に実施されている。その他の健
診は両病院で実施されている。健診車による健診は富士川病院にて実施されて
いる。
<開院後短期・中長期>
・ 検査に必要な機器の買い替えが行われ、特に富士川病院については検査機能が
強化されている。
・ 健診について企業等へ積極的に PR することで、健診数が増加している。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 自治体向け健診の取り込み活動実施
 特に富士川町など関連する自治体向けの検診、人間ドック取り込みに
向けた活動を行い、必要な機器を増強する。具体的には、周辺自治体
への営業活動、検診車の増強など。
<開院後短期・中長期>
・ 検査機器の買い替え検討、実施
 機能強化を目的として、老朽化した機器等の買い替えを検討し、順次
買い替えを実施する。
・ 自治体、企業、住民に対しての PR 活動
 地域連携室が行う懇話会などの場で医師、看護師、ソーシャルワーカ
ーなどが健診、人間ドックの必要性について説明し、積極的な受診を
求める。
 企業健診の取り込みに向けて、健診担当者が企業に直接出向き自院の
企業健診サービスについてPRする。
【期待される効果】
・ 健診数の増加による医業収入の増加
カ 薬剤
【目標】
<開院時>
・ 同一の薬剤に関する仕入が、両病院で同一の仕入先から行われている。
・ 新薬の採用にあたっての承認手続きが、両病院で共通化されている。
10
・ 薬剤に関する品目情報が、両病院で共通化されている。
<開院後短期・中長期>
・ 地域の他医療機関との共同購入や、薬剤を使用時に費用計上する在庫管理方法
(SPD)の活用検討等、薬剤に関するコストの削減に向けた取組みが行われて
いる(資料3参照)。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 仕入、管理、新薬承認業務の統合
 品目マスタ、品目情報を統合し、両病院で同じ薬剤を同じシステムで
管理する、仕入れることができる仕組み作りを行う。
 新薬承認のルートを両院で統合し、薬事審議会を合同で開催する。
<開院後短期・中長期>
・ コスト削減施策の検討、実施
 他病院との共同購入や SPD(資料3参照)の採用などコスト削減につい
て、効果と弊害を検証し、最適な選択肢を実行する。
【期待される効果】
・ 薬剤費の削減による収益性向上
資料3.SPDのイメージ
SPD導入前
SPD導入後
・病院と納入業者の間で薬剤等の売買契約を行い
倉庫への納入時に支払が発生する
○○科(定数2)
院内倉庫
SPD業者
○○科(定数2)
①物品納入
病
院
・院内倉庫の管理をSPD業者に委託
・SPD業者が納入業者と売買契約
・各部門において薬剤などを使用し、消費入力をした時に支払が発生する
⇒無駄な在庫を持たない(ロスが生じない)
支払発生
(納入業者⇒病院)
払出
売
買
契
約
納
入
業
者
(倉庫の管理委託)
①物品納入
②払出
病
院
消費
③消費入力
支払発生
(病院⇒SPD業者)
業務委託契約
一括在庫管理
売
買
契
約
納
入
業
者
キ リハビリテーション
【目標】
<開院時>
・ 主に市川三郷病院で回復期のリハを中心に提供している。ただし、富士川病院
においては急性期のリハを提供している。
<開院後短期>
・ 人材の確保を行いながら、市川三郷病院の回復期リハの提供が拡大し収益の柱
となっている(回復期リハ病棟の設置も含め検討)。
11
<開院後中長期>
・ 地域の状況や病院としての実績を踏まえ、リハビリテーションにおける両病院
間の役割分担の見直しが適宜行われている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 診療対象疾患の特定
 急性期リハ、回復期リハ(資料4参照)について幅広く受けつつも、
「病院に対して求められる姿」と「現在のスタッフで出来ること」の
観点から受入できる範囲について目安を設定する。
・ 急性期から回復期リハへのクリティカルパス作成
 富士川病院(急性期)から市川三郷病院(回復期)への流れをスムーズ
にし、医療の切れ目を無くすために、パスを作成、文書化し、共有す
る。
<開院後短期>
・ (状況に応じて)回復期リハビリテーション病棟開設申請(資料5参照)
 回復期リハビリテーション病棟を開設できる病床稼働率、院内インフ
ラ(人員、能力)が揃えば開設申請を行う。
・ (回復期リハ病棟を開設する場合)スタッフの採用(資料5参照)
 施設基準、医療の質に応じた理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、
社会福祉士の採用。
・ (回復期リハ病棟を開設する場合)山梨大学、他病院と統合病院間での
役割明確化
 回復期リハビリテーション病棟開設には、重症患者の治療、回復実績、
在宅復帰が必要であり(資料5参照)、対象疾患の絞込みが必要となる
ため。
<開院後中長期>
・ 診療内容の見直し検討
 地域状況、病床稼働率などに応じて、必要があればリハビリの診療内
容を見直す。
【期待される効果】
・ 病床稼働率の上昇
・ 診療報酬の増加
・ 急性期から回復期まで統合病院で診察できる流れを作ることで地域住民の
QOL(Quality of Life)の向上
12
資料4.急性期リハビリと回復期リハビリの違い
・ 統合病院においては、急性期リハ、回復期リハいずれの機能も求められるが、それぞれ果たしている機能、役割は大きく違う
・ 高齢化の進む峡南地域においては、予後の悪い高齢者の寝たきりを防止するためにも回復期リハビリの果たす役割が大きく、
回復期リハビリを充実させることが、地域医療の面でも大きな寄与を果たす
富士川病院
市川三郷病院
急性期リハビリ
目的
急性期病棟において、安静臥床による筋萎縮などを防ぐことを
目的とするリハビリ
時期
内容
発症後1週間~1ヶ月程度
・ 「廃用症候群」を防ぎ、早期のADL向上と社会復帰を目指す
・ 筋力強化トレーニング
・ 呼吸介助
・ 立ち上がり訓練
・ 関節可動域訓練
・ 起き上がり訓練
・ 移動動作訓練
回復期リハビリ
ADLを改善し、在宅復帰を目指すことを目的とするリハビリ
* ADL:日常生活動作の略称。食事、更衣、移動、排泄、整容、
入浴など
発症後1ヶ月~9ヶ月程度
・ 認知機能、言語・摂食機能および日常生活活動能力の向上を図る
・ 運動療法(障害部位の回復を助ける運動)
・ 物理療法(電気・温熱・マッサージなど)
・ 日常生活動作訓練(食事・排泄など)
起き上がり訓練
* 廃用症候群:過度に安静にすることや、活動性が低下した
ことによる身体に生じた状態
移動動作訓練
温熱療法
摂食・嚥下訓練
入浴動作訓練
資料5.回復期リハビリテーション病棟の施設基準(平成24年度)
・ 回復期リハビリテーション病棟には医師、看護師、コメディカルの配置、患者の状態に応じて1から3までに分類される
・ いずれの場合も専任の医師と専従の理学療法士、作業療法士が必要となる
・ 回復期リハ病棟1、2に関しては患者の在宅復帰率、重症患者の割合、日常生活機能改善目標が存在する
看護師
看護補助者
医師
理学療法士
作業療法士
言語聴覚士
社会福祉士
在宅復帰率
重症患者
日常生活機能改善
病棟入院料(一日当たり)
回復期リハビリテーション病棟1
13対1以上
30対1以上
1名以上(*1専任)
3名以上(*2専従)
2名以上(専従)
1名以上(専従)
1名以上(専任)
7割以上
3割以上
重症患者のうち3割以上
1,900点
回復期リハビリテーション病棟2
15対1以上
30対1以上
1名以上(専任)
2名以上(専従)
1名以上(専従)
無し
無し
6割以上
2割以上
重症患者のうち3割以上
1,750点
回復期リハビリテーション病棟3
15対1以上
30対1以上
1名以上
2名以上(専従)
1名以上(専従)
無し
無し
無し
無し
無し
1,600点
*1専従:原則として該当する業務のみを行う
*2専任:専ら該当する業務を行うが、それ以外の業務もある程度まで行える
ク 給食
【目標】
<開院時>
・ 入院患者に対し、特に急性期の術後管理として、栄養サポートチームによる栄
養管理が行われている。
・ 業務については現状通り、市川三郷病院では直営、富士川病院では委託で行っ
ている。
<開院後短期・中長期>
・ 食材費等の状況を踏まえた上で仕入先や業務委託について見直しが適宜行わ
れている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ (市川三郷病院)栄養サポートチームの立ち上げ
 市川三郷病院において、医師、管理栄養士、看護師、薬剤師、臨床検
査技師などを中心に栄養サポートチームを立ち上げる。
13
・ (富士川病院)栄養サポートチームの本格稼動再開
 富士川病院の栄養サポート委員会の本格稼動を再開し、患者の栄養管
理を行う。
<開院後短期・中長期>
・ (富士川病院)栄養サポートチームによる患者管理の実施と加算取得
 急性期病棟において対象患者の栄養サポートを本格化し、患者の栄養
面を個別管理することで早期退院を実現させる。
 栄養サポートチーム加算の取得(200点/週1回)。
・ 給食運営方法の見直し検討
 人員配置状況、収益状況などを考慮して給食運営方法の見直しを検討
する。
【期待される効果】
・ 栄養管理の高度化による患者の早期回復と在院日数の短縮
・ (富士川病院)栄養管理加算による診療報酬の増加
ケ 各種指定
【目標】
<開院時>
・ 市川三郷病院は救急告示病院・へき地医療拠点病院として期待される機能を維
持している。
・ 富士川病院は救急告示病院・地域災害拠点病院として期待される機能を維持し
ている。
<開院後短期・中長期>
・ 地域の状況や病院の実績に応じて適宜見直しが行われている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 統合に伴う施設基準の確認
 統合後の人員配置、施設、機器等が指定の施設基準に合致しているか
を確認する。
・ 関係官庁への申請
 救急告示病院、へき地医療拠点病院、地域災害拠点病院としての指定
を受けるための申請を行う。
<開院後短期・中長期>
・ 各種指定の見直し検討
 地域状況、病床稼働率などに応じて、必要であれば指定内容を見直し、
関係官庁への申請を行う。
14
【期待される効果】
・ 開院後状況に応じた機能の見直しによる最適な医療の提供
・ 地域住民の期待に応えることによる地域住民との結びつきの強化
コ 在宅診療
【目標】
<開院時>
・ 市川三郷病院に「在宅診療部」を設置し、在宅診療支援の強化に向けた準備が
できている(資料6参照)。
<開院後短期・中長期>
・ 地域の開業医との連携を図り、市川三郷病院から退院した患者を中心に在宅診
療支援が行われている。
・ 市川三郷病院に勤務する医師が認知症サポート医の登録をすることで認知症
のサポート(初期診断と専門医への紹介)を行うことで、精神科に近い役割を
担っている。
・ 地域の状況等を踏まえ、在宅診療部の提供機能や体制について適宜見直しが行
われている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 医師、看護師の要員再配置
 在宅診療支援を行う医師、看護師の選定と異動を実施する。
・ 開業医との役割明確化(資料6参照)

市川三郷病院で診る患者、開業医が診る患者を開業医と検討し、目安
を設定する。具体的には、市川三郷病院では開業医がフォローできな
い範囲(近隣に医師のいないへき地、高難易度の疾患など)を行うな
ど。

開業医が診療している患者の容態急変時には、市川三郷病院でサポー
トする体制を検討する。
・ 在宅診療部開設準備

帳票類の整理(カルテ、看護記録など)、ポスター等の作成など。
・ 在宅診療部開設

市川三郷病院に在宅診療部を開設する。
<開院後短期・中長期>
・ 認知症サポート医研修の受講
 市川三郷病院の医師の中で認知症サポート医の候補を選定し、サポー
ト医研修を受講する。
15
・ 認知症患者の在宅診療支援
 地域の開業医と連携しながら、認知症患者の在宅診療支援、在宅看護
支援を行う。
・ 在宅診療機能の見直し検討
 地域状況、人的資源の稼働状況を下に在宅診療機能、院内診療機能(身
近型認知症疾患医療センターの指定取得など)について検討し、必要
に応じて見直す。
【期待される効果】
・ 診療報酬の増加
・ 地域の独居者、病院まで通えない方に対する生活の質向上
市川三郷病院で行う在宅診療支援のイメージ
資料6 在宅診療支援の考え方
・ 在宅診療部では、峡南地域の全ての患者を対象とするのではなく、
以下の2ケースに限定して市川三郷病院が在宅診療を行っていく
開業医
開業医
ケース1.近隣に開業医のいないへき地への在宅医療
ケース2.開業医では扱えない高度な症例の在宅医療
(在宅がん患者に対する薬物投与など)
市川三郷病院
開業医
患者B
症例:末期がん
薬物療法を希望
開業医のいない
医療空白地域
患者A
症例:軽度認知症
開業医のいない
地域へ巡回診療や
在宅診療を行う
開業医では扱えない
高難易度の疾患に対応
サ 受付
【目標】
<開院時>
・ 外来・入院を問わず、両病院ともに同一の流れで患者の受付が行われている。
・ 受付業務における医事担当と看護師との役割分担が両病院で共通になってい
る。
・ 開院時までに、両病院間で患者を認識するための ID が共通化され、患者情報
が共有化されている。
・ 開院後、最初の診療までに、患者が新しい診察券を使えるようになっている。
<開院後短期・中長期>
・ 患者の受付業務について改善が行われ、効率的な受付体制が確立されている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 受付業務の共通化準備
 業務の統合、患者名簿の名寄せ、診察券更新時期の検討を行う(例え
ば、新規患者は平成 26 年 1 月から新診察券を使用するなど)。
16
<開院後短期・中長期>
・ 統合診察券の運用開始
 開院と同時に既存患者に対しても、都度統合診察券に更新する。
・ 業務改善の検討、実施
 統合後の受付業務に関する改善項目の洗い出し、検証、改善を行う。
【期待される効果】
・ 業務効率の向上
・ 統合診察券の導入、両病院間の情報共有による患者の利便性向上
シ 診療体制
【目標】
<開院時>
・ 各病院の診療機能を満たす上で必要な医師・看護師のローテーションがはじま
っている(曜日単位)。
<開院後短期>
・ 各病院の診療機能を満たす上で必要な医師・看護師のローテーションが確立さ
れている(曜日単位)。
・ 「専門医」だけでなく、「総合医」の育成を目的とした医師のローテーション
が行われている(年単位)。
<開院後中長期>
・ 高度で多様な症例に触れることができる魅力ある病院となり、医師の確保が十
分図られている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 医師、看護師、コメディカル要員再配置、異動(資料7参照)
 各診療科目の機能、要員数を決定し、具体的な人材を当てはめ、異動
する。
・ 総合医研修体制・方法の検討、研修プログラムの作成(資料8参照)
 急性期から回復期・維持期まで診ることができる総合医を育成するた
めの体制、研修内容、ローテーション方法などについて検討し、研修
プログラムを作成する。
<開院後短期>
・ 総合医研修プログラムの運用開始
 年単位での医師のローテーションを開始する。
・ トリアージによる医療連携の本格運用開始
 総合診療型病院である市川三郷病院が初期診断の窓口となり、疾患の
17
段階に応じて富士川病院や峡南病院など最適な医療機関へ患者を転院
させる。
<開院後中長期>
・ 総合医研修プログラムの見直し
 地域状況、運用開始後の状況に応じて、必要があればプログラムを見
直す。
【期待される効果】
・ 総合医育成による医師のレベルアップ
・ トリアージ実施による地域での最適な医療の提供
資料7.要員再配置(ローテーションのイメージ)
現状(○○科)
統合後(○○科)
・鰍沢病院のみ開設
・一部の医師、看護師は両病院を兼務(曜日、時間による分け)
とし、その他は現状と変わらない配置とする
鰍沢病院
外来
医師
A
入院
富士川病院
市川三郷町立病院
市川三郷病院
外来
医師A
看護師E
医師
B
医師
C
無し
看護師D
責任者の合議による
要員の振り分け
今まで通り富士川病院
専任で診療を行う
医師
B
医師
C
看護師E
富士川病院に籍を置きなが
ら両病院の診療を兼務する
入院
看護師D
診療のイメージ
午前
午後
資料8.総合医の役割
市川三郷病院で行うトリアージのイメージ
・ 急性期から回復期・維持期まで診ることができる
総合医を市川三郷病院に配置し、総合医が初期診断
を行う(トリアージ)
・ 総合医の診断の結果、急性期病院やケアミックス型
病院の方が治療にふさわしいと判断した場合は他院
への転院を促す
医師 F
(総合医)
月
富士川
富士川
火
富士川
富士川
水
市川三郷
富士川
木
富士川
富士川
金
市川三郷
富士川
初期診断を行い、疾患のレベル、
重症度などを鑑みて最適な治療を
受けられる病院へ転院を促す
診療所
総合診療型病院
総合診療型病院
(市川三郷町立病院)
(市川三郷病院)
・ 総合医の行うトリアージの結果、患者は最適な病院で
医療を受けることができ、結果として早期の退院、社会
復帰することができる
高次医療機能病院(圏域外)
基幹診療型病院
基幹診療型病院
(富士川病院)
(社会保険鰍沢病院)
ケアミックス型病院
ケアミックス型病院
(峡南病院)
(峡南病院)
福祉施設等
18
他の2次医療機関(圏域内)
ス 経営管理・経理
【目標】
<開院時>
・ 両病院とも同じフォーマットで分析できている。また、経営管理のプロセス(経
営報告資料の作成~承認までの一連の流れ)が明確になっている。
・ 地域住民への説明機会を今まで以上に増やし、住民からの理解を得た状態にな
っている。
・ 地域のための病院として、地域住民ニーズの汲み上げや統合病院の経営を外部
から見ていくための委員会を設け、統合病院に対する評価や要望を行うなど、
外部との定期的なコミュニケーションができている。
<開院後短期・中長期>
・ 経営分析を行い、経営層に報告できる人材が育成されている。
・ 経営結果が迅速に経営層に報告され、経営の目標数値の達成状況、外部環境の
変化を踏まえた軌道修正をタイムリーに行うことができている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 財務情報・経営分析フォーマットの作成
 貸借対照表、損益計算書といった財務諸表や、経営分析(例.外来平均
単価、病床利用率等)に関するフォーマットについて、両病院共通の
様式を作成する。
・ 会計ルールの設定
 統合病院として採用する会計方針や、勘定科目の体系について、両病
院共通のルールを設定する。
・ 経営報告ルールの設定

統合病院の経営実績について、幹部に対してどのような内容の経営報
告を行うかについて、ルールを設定する。
・ 地域住民に対する説明会の開催

統合病院の方針や各診療分野の目標を両町の住民に対して説明を行
う場を設ける。
・ 外部委員会の設置

統合病院の経営を外部から見ていくための委員会を設置することと
し、参加する構成員や機能を明確にする。
<開院後短期・中長期>
・ 経営分析担当者の育成

経営分析を行う上で必要となる管理会計の知識や経営分析ソフトの
運用について、経営分析担当者が習熟する。
19
【期待される効果】
・ 経理業務(財務情報収集から財務報告)の効率化・迅速化
・ 財務情報を活用した経営分析活動の活性化
セ 購買
【目標】
<開院時>
・ 物品の購入に関する申請・承認手順、及び購入後の物品の管理方法(固定資産
台帳の様式や資産管理番号のルール)が両病院で共通化されている。
<開院後短期・中長期>
・ 経費の節減を目的として物品の購入に関する申請ルールが厳格化されている。
・ 効率的な業務を行うことを目的として、物品の購入に関する申請・承認手順、
及び物品の管理方法について改善が行われている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 物品購買に関するルールの設定
 物品の購買申請から承認といった、物品購買に関するルールについて、
両病院共通のルールを設定する。
・ 物品管理方法に関するルールの設定

固定資産台帳の様式や、資産管理番号の採番ルールといった購入後の
物品管理の方法について、両病院共通のルールを設定する。
<開院後短期・中長期>
・ 物品購入及び物品管理方法の見直し検討

より効率的な業務を行うために、物品の購入に関する申請・承認手順
や、必要であれば見直す。
【期待される効果】
・ 物品の購入業務の効率化・迅速化
・ 物品管理の厳格化
ソ 医事
【目標】
<開院時>
・ 診療報酬の請求について、請求の手順が共通化されている。また、両病院で定
期的に勉強会を行い、改善策が検討されている。
・ 保険診療外の収入について、両病院で統一基準の価格体系により提供されてい
る。
20
・ 患者の診療データについて、両病院の統一 ID で管理されている。
<開院後短期・中長期>
・ 診療報酬の請求について、両病院で定期的に勉強会を行い、診療報酬の査定減
が減尐し適切な診療報酬を得られている。
・ 患者の診療データの管理等、医事業務全般において、手順や管理方法、帳票等
の改善が行われている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 審査支払機関(国保等)に対する診療報酬請求手続きの設定

国保や社保等の審査支払機関に対する診療報酬手続きについて、請求
の手順について両病院で共通なルールを設定する(ただし、請求自体
は病院毎に行う)。
・ 診療報酬請求手続きに関する勉強会の開催

診療報酬請求による査定減を減らすことを目的として、両病院の担当
者で勉強会を開催する。
・ 保険診療外収入の価格設定

差額ベッド等、保険診療外として収入になる対象について、両病院で
統一の基準による価格体系を設定する。
・ 患者の診療データ管理方法の検討

両病院として患者の診療データを共有するために必要な診療データ
の管理方法について検討する(例.ID の採番ルール)。
<開院後短期・中長期>
・ 診療報酬請求方法や診療データの管理方法についての見直し検討

より効率的な業務を行うために、審査支払機関に対する診療報酬の請
求方法や、患者の診療データの管理方法について、必要であれば見直
す。
【期待される効果】
・ 審査支払機関への診療報酬請求に関する査定減の減尐
・ 患者の診療データ管理の効率化・迅速化
タ 総務
【目標】
<開院時>
・ 勤怠管理の方法について、両病院共通の方法(手順や帳票等)で運用されてい
る。
・ 各種契約手続きについて、決裁権限の帰属が設定され、両病院共通の方法で運
21
用されている。
・ 例規等の規定が両病院で統一化され運用されている。
<開院後短期・中長期>
・ 勤怠管理の方法等、総務業務全般において、手順や管理方法、帳票等の改善が
行われている。
・ 例規等について、開院後の実態を踏まえた上で見直しが行われている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 勤怠管理に関するルールの設定

病院職員の勤怠管理の方法や勤怠管理に使う帳票について、両病院共
通のルールを設定する。
・ 各種契約手続きに関するルールの設定

業務委託等、契約を締結する際に必要となる病院内の手続き(申請か
ら承認まで)について両病院共通のルールを設定する。
・ 例規の整備

統合病院として1つの例規を整備する。
<開院後短期・中長期>
・ 勤怠管理や契約手続きのルール、及び例規についての見直し検討

より効率的な業務を行うために、職員の勤怠管理や契約手続きのルー
ルについて、必要であれば見直す。また、開院後の実態を踏まえた上
で、例規についても、必要であれば見直す。
【期待される効果】
・ 勤怠管理業務の効率化・迅速化
・ 契約手続き等社内ルールの明確化
チ 地域連携
【目標】
<開院時>
・ 現在両病院で行っている連携方式、システム、帳票の共通化ができている。
・ 特に内科、外科、整形外科、リハビリ科、小児科、健診などで地域の開業医と
の連携が強化されている。
・ 地域の開業医からの紹介により、患者が必ず検査を受けられる。
<開院後短期>
・ 地域連携を行う専門人材を育成できており、地域連携の機能が拡大している。
・ 地域連携室が、開業医、企業、自治体、住民等に対し自らコミュニケーション
を取りに行く状態になっている。
22
・ 在宅医療支援などを中心に地域との連携が、さらに深められている。
<開院後中長期>
・ 地域内での連携が進み、山梨県内のモデル病院になっている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ ソーシャルワーカーの新規採用、もしくは内部人材の活用

地域連携を行うに当たっての必須事項ではないが、専門知識を持った
社会福祉士が外部とのコミュニケーション窓口となることで、外部の
医療機関やケアマネなどから見て相談しやすい体制を構築する。
・ 地域連携室長(医師)の決定

地域連携を行うに当たっての必須事項ではないが、医師が連携室を管
理することで診療側の抵抗感を無くし、スムーズな連携を図れるため、
医師を室長に据える。
・ 地域連携室開設準備

開業医との役割切り分け、連携方法を検討、外部活動方針の決定(懇
話会など)、外部向けパンフレットを作成するなど。
・ 地域連携室開設

地域連携室を開設する。
<開院後短期>
・ 地域連携パスの作成(資料9参照)

地域の病院、診療所などからの紹介業務をスムーズにする、退院後
の連携をスムーズにすることを目的として作成する。
・ 懇話会の開催

地域住民や開業医向けに各種分野の懇話会を開催する。

自院で開催するものと、自治体に開催してもらい講師として派遣す
るものとに層別する。
・ 病院間での情報共有

電子カルテシステム導入により山梨大学医学部附属病院や他の医療
機関との患者情報の共有を可能にする。
<開院後中長期>
・ 地域連携パスの高度化

地域連携パスの疾患対象範囲を広げる。また、連携先も、病院、診
療所だけでなく、老健や老人ホーム、ケアマネジャーにまで広げる。
・ 地域連携方法の見直し検討、充実化

地域状況、病床稼働率、診療科目の変化などに応じて必要であれば
連携方法を見直す。
23
【期待される効果】
・ 地域からの紹介数の増加による病床稼働率の増加
・ 紹介率の向上による診療加算の増加(地域医療支援病院取得時)
資料9 地域連携パスのイメージ
・ 急性期病院から回復期病院、診療所から総合病院、
老健など介護施設から療養型病院など、医療機関
同士の連携が地域連携における鍵となる
・ 施設毎の治療経過、患者の状態を明示し、スムーズ
な受入を行うためには共通したフォーマットが必要
・ 対象疾患毎に必要となる情報が異なるため、
診療科目毎に作成し、連携対象となる医療機関に
事前に配布することで、スムーズな病病連携が
可能となる
地域連携パスの例(脳卒中) 回復期リハビリテーション病棟協議会資料より抜粋
脳卒中地域連携用紙 A1(急性期 → 回復期リハ)
記載者名 Dr
記載日
病院名
患者名
住所
Ns
SW
診療科名
生年月日
□ 脳梗塞
診断名
病巣部位
発症日
入院・他院日
年齢
電話
□ 心原性
□ 多発性
PT・OT・ST
担当責任Dr
□ 男 □ 女
( □ ラクナ
□ アテローム血栓性
□ その他
(
( □ 出血性脳梗塞あり
□ 脳出血
( □ 高血圧性 □ その他
(
□ くも膜下出血 ( □ 脳動脈瘤破裂
□ 脳動静脈奇形破裂
□ その他 (
( 脳動脈瘤の部位:
( 脳血管攣縮 □ あり
□ なし
)
□ その他
(
□ 前頭葉
□ 頭頂葉
□ 側頭葉
□ 後頭葉
□ 大脳皮質下
□ 被殻
□ 視床
□ 中脳
□ 小脳
□ 橋
□延髄
発症の場所
救急車による搬入 □ あり □ なし
入院日
NIHSS
退院日
)
□ 尿路感染症
□ その他
(
□ あり
(
(
(
□ 使用なし
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
現病歴
入院中の合併疾患
手術
rt-PA
□ 肺炎
手術日:
手術日:
手術日:
□ 使用あり
□ 心不全
□ 消化管出血
術式:
術式:
術式:
( □ 著効
□ 効果あり
□ MRSA感染
□ 無効
(
□ 悪化
既往歴
□ 高血圧
( コントロール状態
□ 良好
□ 不良
□ 高脂血症
( コントロール状態
□ 良好
□ 不良
□ 糖尿病
( コントロール状態
□ 良好
□ 不良
□ 心房細動
□ その他の不整脈 (
□ その他
(
病状の安定性
□ 安定
□ 不安定 (
脈拍
体温
SpO2
体重
身長
バイタルサイン 血圧
□ 清明
□ 遷延性意識障害
□ その他
(
意識
意識レベル □ JCS:
□ GCS:
利き腕
□ 右
□ 左
□ 眼球運動障害
(
)
□ その他の脳神経症状 (
)
□ 右片麻痺
□ 両片麻痺
□ 四肢麻痺
□ パーキンソニズム
□ 左片麻痺
神経所見
□ 小脳失調
)
□ 感覚障害
□ 不随意運動 □ その他の運動障害(
□ 記銘力障害 □ 見当識障害 □ 左無視
□ 右無視
□ 半盲
□ 認知症
□ その他の高次脳機能障害
(
□ 失語症
□ 構音障害
□ 嚥下障害
□ 膀胱直腸障害
□ その他(
□ 点滴
□ IVH
□ 経鼻経管栄養
□ 経胃瘻栄養 □ 気管切開
□ 酸素吸入
□ ネブライザー
□ 喀痰吸引
□ 膀胱留置カテーテル □ 間歇導尿
特別な医療
□ 褥瘡処置 部位と方法 (
□ その他
(
移動補助具の利用 □ 杖・装具等
(
) □ 車いす (
) mRS
□ 発症時
(
CT・MRI
□ 直近
(
胸部X-p
□ 異常なし
□ 所見あり(
ECG
□ 異常なし
□ 所見あり(
ホルターECG □ 異常なし
□ 所見あり(
)
) □
心エコー
□ 異常なし
□ 所見あり(
)
) □
頸動脈エコー
□ 異常なし
□ 所見あり(
)
) □
VF
□ 異常なし
□ 所見あり(
)
) □
リスク因子
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
未実施
未実施
未実施
未実施
ツ 業務連携
【目標】
<開院時>
・ 職種別の部門ワーキングを定期的に開催し、個別課題について検討が行われて
いる。
<開院後短期・中長期>
・ 一つの組織として、公式・非公式を問わず円滑にコミュニケーションが取れて
いる状態になっている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 職種別ワーキンググループの立ち上げと個別課題の検討

各職種別(医師、看護師等)にワーキングを立ち上げ、各職種に関
連する個別課題について検討を行う。
24
・ 定期的な職員懇親会の開催

両病院の職員の親睦を深めるために、定期的に懇親会を開催する。
<開院後短期・中長期>
・ 定期的な職種別勉強会の開催

各職種別(医師、看護師等)に、各職種に関連する事項について定
期的に勉強会を開催する。
【期待される効果】
・ 病院統合に伴う職員間の障壁の最小化
・ 両病院職員の一体感の醸成
テ 情報システム
【目標】
<開院時>
・ 両病院の情報システム(電子カルテシステム、医事会計システム、財務会計シ
ステム、勤怠管理・給与計算システム、グループウェア)について、共通化さ
れている。
・ 電子カルテシステムについては、山梨大学医学部附属病院と連携されている。
・ 地域の他医療機関との間で患者情報が共有されている。
<開院後短期・中長期>
・ 開院後の日々の業務での使い勝手等を踏まえ、情報システムの改修が行われて
いる。
・ 地域の他医療機関との情報連携が拡大している(開業医との間での情報連携な
ど)。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ (特に管理分野の)情報システムの選定

財務会計システム、勤怠管理・給与計算などの各システムについて、
一方の病院の仕様に寄せるか、新規に導入するかについての検討を
実施する。
・ 導入システムへの習熟

特に電子カルテ、医事会計システムについてシステムの使い方に関
する説明会の実施、プロトタイプのテスト導入などを実施する。
<開院後短期・中長期>
・ 情報システムの改善検討、実施

システム立ち上げ後の不具合項目を洗い出し、検証、改善を行う。
25
【期待される効果】
・ 統一システム導入による管理業務の効率化
・ 電子カルテ(診療情報)が統合病院内のみならず、地域で共有されることによ
る最適な医療提供及び医療品質の向上
ト 組織体制
【目標】
<開院時・開院後短期・中長期>
・ 両病院を統括する本部機能が新たに設置され、経営状況を一元的に把握し
人員や資金をコントロールできている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 統合病院として必要となる部門の設定

統合病院を運営するにあたり必要となる部門を設定する。部門の設
定にあたっては、両病院を統括する本部機能について新たな部門と
して設定するか、若しくは両病院のどちらかの部門にその機能を持
たせるかについても検討する。
・ 各部門の役割の設定

各部門の役割と業務範囲について設定する。
【期待される効果】
・ 効率的な組織運営
・ 人員や資金の一元的な把握とコントロール
ナ 要員数・勤務体系
【目標】
<開院時>
・ 統合病院として目標とする診療機能を十分に提供できる職員数が確保されて
いる。
・ 職員が働く上で過度に負荷がかからない当直等の勤務体系が整備されている。
<開院後短期・中長期>
・ 統合後の状況を踏まえ、必要職員数について適宜見直しが行われている。
・ 統合後の状況を踏まえ、職員にとって働きやすい環境がどんな環境であるかを
把握され、働きやすい病院に向けた改善が行われている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 必要となる要員数の設定
26

統合病院を運営する上で必要となる要員数を各部門毎に設定する。
・ 配属職員の選定

各部門に配属する職員を選定する。
・ 勤務体系の設定

夜間及び休日対応の勤務体系(必要要員数、時間等)を設定する。
<開院後短期・中長期>
・ 必要となる要員数、及び勤務体系の見直し検討

各部門で必要となる要員数、及び夜間・休日の勤務体系について、
必要であれば見直す。
・ 職員満足度の把握と改善策の検討

職員に対する満足度調査などを実施して職員の職場の満足度を把握
するとともに、満足度の向上に向けた改善策を検討する。
【期待される効果】
・ 医療サービスの質の向上
・ 職員の離職率の減尐
ニ 会議体
【目標】
<開院時>
・ 法律上設置が必要な委員会(安全管理対策や院内感染対策)、及び法律上設置
が必要とされないまでも病院の運営上必要な委員会が、両病院で同一の名称、
同一の目的の上で、両病院それぞれ、もしくは両病院全体として行われている。
<開院後短期・中長期>
・ 各委員会の進め方について改善がなされ、病院運営に向けて活発な意見が出る
場となっている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 統合病院として必要な委員会などの会議体の設定

統合病院として必要な委員会など会議体について洗い出しを行い、
設定する。設定にあたっては、両病院それぞれで行うものと、両病
院全体として行うものに分ける。
<開院後短期・中長期>
・ 各会議体の運営に関する改善活動の検討

設定した会議体の運営状況を踏まえ、各会議体をより活性化するた
めに必要な改善策について検討を行い実施する。
27
【期待される効果】
・ 各会議体の目的の明確化
・ 各会議体の活性化
ヌ 研修体制
【目標】
<開院時>
・ 診療分野・管理分野それぞれで、各職種のスキル向上に向けた研修メニューが
病院内の研修及び外部研修の活用により両病院で共通のものが整備されてい
る。
<開院後短期・中長期>
・ 研修を受けた職員からの評価をもとに、研修メニューが見直されており、研修
を受けることにより職員のスキル向上につながっている。
【具体的な取組み】
<開院時まで>
・ 職員の研修メニューの設定

過去の研修に対する意見を基に、職員の研修メニューを設定する。
<開院後短期・中長期>
・ 職員の研修メニューの見直し

研修の受講状況や、職員からの意見を基に、職員の研修メニューを
見直す。
【期待される効果】
・
職員のスキル向上
(3)統合病院の本部組織
統合病院として経営戦略に基づく資源配分を行っていく必要があるもの、及び機
能を集約することでその有効性や効率性が高まるものについて、その業務を本部の
組織(統括本部)が担っていく。
〈本部の主な機能〉
・ 統合病院の事業計画や予算の策定、事業計画の進捗状況のモニタリング
・ 各施設に対する人員配置計画の策定
・ 職員の採用計画の策定
・ 職員の育成計画の策定
・ 統合病院全体の人事管理(人事評価、労務)
・ 統合病院全体の決算処理、資金調達
28
・ 統合病院全体の契約管理
・ 統合病院全体の購買管理
〈本部の権限〉
人材や資金などの機能毎に、本部が各施設を統括する。すなわち、本部は統合病
院の全体最適を念頭に置き施設間の経営資源の配分などを行い、施設は本部の方針
に基づき、各施設内の個別最適を念頭に置いた活動を行う。
〈統合病院の組織イメージ〉
企業長
本部
経営企画課
人事労務課
統括本部
経理財務課
・・・・・
施設
院長
医療部
内 ・
・
科 ・
・
・
・
・
・
・
・
看護部
外 ・
・
来 ・
・
・
・
・
・
・
・
施設長
院長
庶務部
医
事
課
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・・・・・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
医療部
内 ・
・
科 ・
・
・
・
・
・
・
・
看護部
外 ・
・
来 ・
・
・
市川三郷病院
・
・
・
・
・
庶務部
医
事
課
富士川病院
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
施設長
・・・・・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
市川三郷老健
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
富士川老健
(4)統合病院の外部委員会
地域のための病院として、地域住民ニーズの汲み上げや病院を外部から見ていく
ために外部委員会の設置が必要である。この外部委員会は議会との関係性や企業統
治の観点を踏まえると、構成メンバーは病院運営に関する識見者とし、その機能は
病院の運営についての評価及び助言を行っていく評議員会形式が最適と考えられる。
29
4
人事管理計画
(1)人事管理の方針
統合病院の職員は、統合病院の経営方針を具現化するため、役割や職種別に期待
される組織貢献を行う必要があり、そのあり方を人事管理の方針として定める。併
せて、全職員に共通して求める組織貢献を明確化する。
役割
職種
人事管理の方針(期待される組織貢献のあり方)
管理職層
経営責任者
組織の置かれた環境の変化や現場の実情を踏まえて、組織の方針を打ち出し、業績の最終責
任を負う。職員と積極的にコミュニケーションを図りつつ、組織の方針を具現化するために、組織
の改革、改善をリードできる人材。
(企業長又は理事長)
経営幹部
(院長、副院長、事務・看
護部門トップ)
現場管理職
(医長、師長、科長、課
長他)
非管理職層
組織の方針から目標を策定し、その達成の責任を負い、組織を牽引する。率先して部門間の連
携を促進させ、職員の意欲を向上させ、組織の成果につなげることのできる人材。
組織の目標の策定に携わり、担当部門における目標達成の責任を負い、担当職種の業務に関
する幅広い知識や経験を活かして組織運営を円滑化する。常に問題意識を持ち、組織全体の利
益のために問題解決に当たり、組織の一体感の醸成にも貢献できる人材。
医師職
高い専門性を有し特定の診療科で、又は幅広い知見を有し診療科領域をまたいで、高い成果を
創出する。医療の現場をリードし、状況に応じた最適な指示を行うことで、看護職、コメディカル職
をコントロールできる人材。
看護職
職員本人のキャリアの展望を踏まえて、段階的に能力を習熟させ、高い専門性又は幅広い知見
を身に付け、経験・スキルを組織に還元する。患者に最も近い立場にいる自負を持って、他職種
と連携し、医師の診療行為の効率性と患者へのサービスの双方の向上に貢献できる人材。
コメディカル職
職員本人のキャリアの展望を踏まえて、段階的に能力を習熟させ、職種の業務について一通り
の知見を踏まえた高い専門性を身に付け、経験・スキルを組織に還元する。専門的な見地から
診療の品質の向上に貢献し、協調的に他職種と連携できる人材。
事務職
事務管理分野において幅広い経験を積むことで段階的に能力を習熟させ、病院経営に精通する。
組織の方針や目標の達成を目指して、他職種の働きを管理統制するための企画、調整、実行、
検証ができる人材。
技能労務職
他職種の的確なサポートのため、互いに協調して、定型的業務を効率的に遂行し、その上で業
務遂行の改善の提案ができる人材。
(ボイラー技士、看護助
手、調理員等)
〈全職員に求める組織貢献〉
・
病院の方針や目標を理解し、それに沿った行動を具現化する。
・
本人の希望に沿った能力の向上を促し、自身の能力を組織に還元する。
・
自身の能力を他の職員との連携に生かし、組織の一体感醸成に貢献する。
(2)人事処遇制度の方向性
人事管理の方針に定める組織貢献を職員に促すため、人事処遇制度の方向付けを
行う。統合病院の人事処遇制度は、自治体病院の一般的な人事処遇制度を準用し、
職種ごとの給料表や級別職務分類表を設け、人事評価を通じて運用していく。
30
制度
人事処遇制度の方向性
採用・任免
• 病院の方針に共鳴できる人材を採用する。
• 組織目標を具現化する計画を立て、後進を育成できる人材を上位の職務に昇任させる。
格付け制度
• 成長ステップの見える職務(級)の定義を行い、職員が将来的なキャリア展望を持つことを可能にする。
• 職務の拡大と能率の向上度合を審査し、適合した者を昇格、昇任させる。
• 著しく成績不良な場合は、降格することもあり得る。
評価制度
• 職員の意欲、能力、成果を総合的に評価し、評価結果による昇給、昇格を行う。
• 評価結果は職員一人ひとりにフィードバックし、経営方針の浸透や人材育成に活用する。
• 統合病院の方針や目標を組織全体に浸透させるため、目標管理を導入する。
給与制度
• 職員の生活に配慮しつつ、組織貢献に見合った処遇を行う。
• 手当を含め、年収ベースで他の公的病院に対し採用競争力のある給与水準を目指す。
退職金制度
•効率的な運用とするため、市町村総合事務組合に加入する。
[主たる人事処遇制度の連動のイメージ]
格付け制度
給与制度
職種に応じた給料表を適用
職種ごとに級別の職務分類に応じた格付けを実施
採用競争力のある水準とするため、他の公的病院
の給料表を準用
医療職給料表(Ⅰ)(例)
看護職級別職務分類(例)
職務
職務
職務
1級 2級 3級 4級 5級 6級
1級 2級 3級 4級 5級
コメディカル職級別職務分類(例)
医師職級別職務分類(例)
医療職給料表(Ⅲ)(例)
医療職給料表(Ⅱ)(例)
1級 2級 3級 4級
1号
…
…
…
…
1号
…
…
…
…
…
1号
…
…
…
…
…
…
1級
医員
1級
一般
1級
准看護師
2号
…
…
…
…
2号
…
…
…
…
…
2号
…
…
…
…
…
…
2級
医長
2級
副主任
2級
看護師
3号
…
…
…
…
3号
…
…
…
…
…
3号
…
…
…
…
…
…
副院長
3級
主任
3級
副主任
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
看護職
3級
:
:
:
4級
院長
4級
師長・士長・技師長
4級
主任
5級
部長
5級
師長
6級
総師長
:
:
:
医師職
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
132号
…
…
…
133号
…
…
…
コメディカル職
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
…
152号 …
…
…
…
…
…
153号 …
…
…
…
…
事務職給料表(例)
:
:
:
:
:
:
:
:
:
168号 …
…
…
…
…
…
169号 …
…
…
…
…
…
事務職級別職務分類(例)
技能労務職給料表(例)
1級 2級 3級 4級 5級 6級
1級 2級 3級
1号
…
…
…
…
…
…
1号
…
…
…
2号
…
…
…
…
…
…
2号
…
…
…
3号
…
…
…
…
…
…
3号
…
…
…
:
:
:
:
:
:
:
:
:
156号
157号
事務職
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
技能労務職
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
…
176号
…
…
…
…
177号
…
…
…
技能労務職級別職務分類(例)
職務
手当
目的に応じた支給
を行う。他の公的病
院に対し、採用競
争力のある水準。
職務
1級
係員
1級
一般
2級
副主任
2級
副職長
3級
主任
3級
職長
4級
係長
5級
課長
6級
事務長
評価制度
評価に基づく昇給・昇格運用
意欲や能力、成果で評価。評価結果が標準の場合で4号、
良好の場合6~8号、不良の場合0~2号の昇給。
良好
標準
不良
評価結果
昇給号数
8
6
4
2
0
※ 上記の職務、級数、号数は仮。
(3)移行時・採用時における職員の給料決定
統合病院への移行時には、統合病院での職務に基づき職員の格付けを行う。この
際、過度のコストインパクトを避けるため、移行時点の給料は、現在の給料の直近
上位の号給とすることが適切である。しかしながら、経験年数による標準的な給料
水準との乖離が生じることがある。
31
現在の格付け
等級内での給料決定
新しい格付け
(例)2級の給与レンジ
8級
20年
6級
標準的な給料水準
7級
経験年数15年
5級
6級
15年
4級
5級
4級
乖離
移行時の給料水準
3級
3級
5年
¥
2級
現在の給料水準
2級
直近上位の号給へ
1級
1級
10年
経験年数
移行時点の給料は、現在の給料の
直近上位の号給に位置付けるので、
経験年数による標準的な給料水準
との乖離が生じることがある。
統合病院での職務に基づいて、
新制度の級に格付け。
(4)標準的な給料水準との格差是正
移行時点の給料は、現在の給料の直近上位の号給に位置づけることで、同じ級に
格付けされた同一経験年数の職員間で給料格差が生じることがあり、その格差は是
正する必要がある。
このため、一定の調整期間を設け、昇給幅の調整2を行うことにより、格差を是正
することが望ましい。
[昇給幅の調整のイメージ]
標準的な給料水準
3級の給料レンジ
・・・
26号
25号
24号
23号
22号
標準的な給料水準より上の
場合は、昇給を抑制。
¥
21号
20号
現在の給料
¥
¥
19号
18号
17号
¥
一定の調整期間で、標準
的な給料水準に収斂。
¥
16号
15号
¥
14号
13号
¥
12号
標準的な給料水準より下の
場合は、昇給を促進。
11号
10号
給料の乖離9号
同一経験年数
8号
¥
¥
7号
6号
5号
4号
¥
3号
2号
¥
1号
移行時
2
1年経過 2年経過
・・・・
標準的な給料水準より上の場合は昇給を抑制し、下の場合は昇給を促進することによる調整措置などが考えられる。
32
(5)最高号給を上回る職員の給料調整
統合病院の職務に基づく格付けを行った結果、現在の給料が格付けされた級の最
高号給を上回る場合が想定されるが、即時に給料を減額することは適切でないため、
移行時・採用時は現給を保証し、差額は手当により補填することが適切である。
その後の調整については、職員のモチベーションの維持やコストへの負荷等に配
慮しつつ、調整方法を決定する必要がある。
[給料調整のイメージ]
減額調整を行わない。
周囲の職員に不平等感。コ
スト大。
現在の給料
¥
差額は調整手当
を支給。
44号
43号
¥
調整手当
調整手当
調整手当
4級
最高号給
4級
最高号給
4級
最高号給
移行時
5年経過
10年経過
最高号給
42号
41号
40号
・・
・
・・
・・
・・
・
・・
・・
7号
6号
5号
4号
すぐに減額を開始。
モチベーション低下、離職リ
スク懸念。
調整手当
減額調整対象を限定することも可
例)
・評価が著しく不良な場合に減額
・55歳未満等に限定して減額
4級
最高号給
4級
最高号給
4級
最高号給
移行時
5年経過
10年経過
調整手当
調整手当
5級昇格
で維持
4級
最高号給
4級
最高号給
4級
最高号給
移行時
5年経過
10年経過
一定期間経過に、減額調整。
猶予期間中に本人の努力で
5級に昇格すれば減額され
ない。
3号
2号
1号
4級の給料レンジ
(6)手当の統合
2病院の手当制度を統合・一本化することとし、手当の支給対象や水準は他の公
的病院と比べ採用競争力のある内容とし、現行の手当の必要性も考慮しながら、検
討を行う。
(7)就業規則の方向性
2病院の就業規則を統合・一本化することとし、現状の2病院のいずれか又は他
の公的病院のルールに合わせることを基本として、項目によっては上記のうち最も
適切なものを採用する。
33
(8)定数設定の方針
統合病院は診療機能・管理機能を強化していくことを目標としており、その強化
に向けて必要定数の増加が見込まれる一方で、安定的な経営を行っていくためには
効率的な人員配置を考えていく必要があり、次の定数設定の方針を掲げる。
・
統合病院として目標とする診療機能や管理機能を満たすために必要な定数を設
定する。
・
統合病院として目標とする施設基準(病棟の看護配置基準など)を満たすため
に必要な定数を設定する。
・ 統合病院として黒字化を達成し長期的に安定性のある経営を行うため、両病院・
両老健を含む統合病院全体に関して、部門・業務の集約、ローテーション・兹
務、施設間の異動・町との人事交流といった効率的な人員配置の可能性につい
て検討した上で、過剰な定数は設定しない。
34
〈将来的な定数見込み:病院〉3
定数の増減見込み
職種
医師
定数
診療科の開設や診療機能強化のため、定数の増加が想定される
基本構想に基づく
看護師
准看護師
看護補助者
【病棟看護師】
富士川病院は7:1看護により定数増加が想定される。市川三郷病院は
13:1や20:1看護により定数減尐が想定されるが、回復期リハ病棟を新
設する場合は定数の増加が想定される
【外来看護師】
診療機能強化のため定数の増加が想定される
基本構想、及び看護配置基準に基づく
薬剤師
管理栄養士
既存機能の維持のため、定数は現状維持と想定される
既存職員数
富士川病院は町や企業の健診の取込など、検査健診機能強化のため
、定数の増加が想定される
既存職員数+両病院1程度と仮定
既存機能の維持のため、定数は現状維持と想定される
既存職員数
作業療法士
理学療法士
言語聴覚士
市川三郷病院はリハビリテーション機能強化のため、定数の増加が想
定される
回復期リハ病棟の施設基準に基づく
社会福祉士
地域連携機能の強化、及び2病院間の橋渡し強化のため、定数の増加
が想定される
既存職員数+2程度と仮定
調理師
仮に給食を業務委託に切り替えた場合、定数が減尐する可能性がある
既存職員数~業務委託した場合と仮定
既存機能の維持のため、定数は現状維持と想定される
既存職員数
部門・業務の集約、兼務、異動により定数が減尐する可能性がある。た
だし、経営管理を行う部門など、統合病院を統括する役割を担う部門に
ついては定数の増加が想定される
既存職員数~既存職員数2割減と仮定
診療放射線技師
臨床検査技師
臨床工学技士
ボイラー技士
洗濯
事務職
回復期リハビリテーション病棟入院料2の人員要件
作業療法士1名(専従)、理学療法士2名(専従)
【 現在 】
市川三郷病院
常勤
【 開院~平成35年度 】
鰍沢病院
非常勤
常勤
合計(職種別)
非常勤
常勤
市川三郷病院
非常勤
常勤
医師
8
41
9
42
17
83 100
看護師
43
13
59
9
102
22 124
医師
富士川病院
非常勤
10
常勤
41
看護師 40.5±4.5
合計(職種別)
非常勤
常勤
非常勤
20
42
30
83
113
13 100.5±2.5
9
141±7
22
163±7
准看護師
8
2
2
1
10
3
13
准看護師
7±1
2
3
1
10±1
3
13±1
看護補助者
2
5
1
6
3
11
14
看護補助者
2
5
1
6
3
11
14
薬剤師
3
3
6
0
6
薬剤師
3
3
6
管理栄養士
2
2
4
0
4
管理栄養士
2
2
4
診療放射線技師
3
1
5
8
1
9
診療放射線技師
3.5±0.5
1
5.5±0.5
9±1
1
10±1
臨床検査技師
3
1
7
10
1
11
臨床検査技師
3.5±0.5
1
7.5±0.5
11±1
1
12±1
臨床工学技士
3
1
1
4
1
5
臨床工学技士
3
1
1
4
1
0
0
0
作業療法士
2±1
7
0
7
理学療法士
5±1
0
0
0
言語聴覚士
0.5±0.5
3
0
3
社会福祉士
2.5±0.5
1
5
6
調理師(調理員)
0.5±0.5
1
2
1
3
ボイラー技士
2
2
0
2
2
洗濯
14
3
19
5
24
事務職
1
1
その他
108
64
196
作業療法士
理学療法士
3
4
言語聴覚士
社会福祉士
2
調理師(調理員)
1
ボイラー技士
2
1
5
洗濯
事務職
5
2
88
72
その他
合計(施設別)
3
1
160
0
172
136 332
合計(施設別)
4
2±1
4
2.5±0.5
1
9±1
9±1
0.5±0.5
0.5±0.5
2 12.5±1.5
3
1
91.5±10.5 69.5±2.5 162.5±5.5
161±13
226.5±5.5
64
5±1
0.5±0.5
2.5±2.5
3±3
2
1
3
2
4.5±0.5
5
2±1
5±1
2.5±2.5
具体的な定数については、開院までの移行実務を進める中で精査する必要がある。
35
6
17±2
2
2
5
22±2
1
1
254±16 133.5±2.5 387.5±18.5
〈将来的な定数見込み:老健〉3
定数の増減見込み
職種
医師
定数
既存機能の維持のため、定数は現状維持と想定される
既存職員数
既存職員数~老健の施設基準最小値と仮定
看護師
老健の人員要件(※)
入所者数を3又はその端数を増すごとに1人以上とし、その
2/7を看護職員、5/7を介護職員の標準とする
老健間、若しくは病院との兼務により定数が減尐する可能性がある
薬剤師
管理栄養士
栄養士
歯科衛生士
保健師
既存機能の維持のため、定数は現状維持と想定される
作業療法士
老健間、若しくは病院との兼務により定数が減尐する可能性がある
理学療法士
既存機能の維持のため、定数は現状維持と想定される
介護福祉士
老健間、若しくは病院との兼務により定数が減尐する可能性がある
既存職員数
既存職員数~老健の施設基準最小値と仮定
老健の人員要件(※)
入所者数を100で除した数以上とする
既存職員数
既存職員数~老健の施設基準最小値と仮定
老健の人員要件(※)
入所者数を3又はその端数を増すごとに1人以上とし、その
2/7を看護職員、5/7を介護職員の標準とする
介護員
介護支援専門員
社会福祉士
支援相談員
既存機能の維持のため、定数は現状維持と想定される
既存職員数
調理師
ボイラー技士
運転手
既存機能の維持のため、定数は現状維持と想定される
既存職員数
部門・業務の集約、兼務、異動により定数が減尐する可能性がある。た
だし、経営管理を行う部門など、統合病院を統括する役割を担う部門に
ついては定数の増加が想定される
既存職員数~既存職員数2割減と仮定
事務職
※厚生労働省「介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準」による
【 現在 】
市川三郷老健
常勤
鰍沢老健
非常勤
医師
1
看護師
8
【 開院~平成35年度 】
1
常勤
合計(職種別)
非常勤
1
1
常勤
市川三郷老健
非常勤
2
2
常勤
4
医師
1
看護師
8
12
20
20
1
1
1
薬剤師
1
2
2
管理栄養士
歯科衛生士
1
1
1
保健師
1
1
1
2
2
4
4
作業療法士 1.5±0.5
2
理学療法士
15
25
40
介護福祉士
薬剤師
管理栄養士
作業療法士
1
理学療法士
介護福祉士
1
介護員
介護支援専門員
9
1
9
その他
合計(施設別)
18
43
11
1
2
歯科衛生士
1
1
1
保健師
1
1
1
1.5±0.5
3±1
3±1
1
15
1
社会福祉士
3
4
4
支援相談員
1
1
ボイラ技士
1
7
事務職 2.5±0.5
1
1
その他
13
84
24 108
合計(施設別)
65
36
4
2
1
52
2
1
1
1
32
非常勤
2
1
介護員
6
1
1
1
介護支援専門員
1
1
常勤
19±1
1
3
合計(職種別)
非常勤
19±1
18
1
3
1
1
常勤
11±1
1
ボイラ技士
事務職
1
40
1
社会福祉士
支援相談員
1
富士川老健
非常勤
1
24±1
9
9
1
1
1
18
42±1
18
1
1
1
1
3
4
4
1
1
6±1
2.5±0.5
1
5±1
1
1
1
49±3
13
80±4
24
104±4
1
11
2
39±1
1
1
31±1
1
39±1
62±3
5
財務会計計画
(1)財務会計の方針
統合病院は、黒字化を達成し、長期的に安定性のある経営を行うことを財務上の
方針とし、これを達成するため次の目標を掲げる。
〈損益面の目標〉
・ 黒字が達成できる収益及び費用の水準が確保できている。
・ 他の自治体開設病院と比べて遜色のない水準を確保できている。
〈投資・資金面の目標〉
・ 設備投資の計画が策定されている。
・ 必要な投資に耐えうるだけの資金が確保できている。
・ 短期的な支払いをまかなえるだけの資金が確保できている。
・ 長期的には設立団体の支援を必要としない資金計画が策定されている。
(2)財務分析結果
〈病院:収益分析〉4
分析項目
入院単価
市川三郷病院
23年度
鰍沢病院
23年度
ベンチマーク
市町村開設
参考ベンチマーク1
市町村開設
参考ベンチマーク2
公的開設
30,198円
39 ,572円
40,907円
28,904円
41,650円
10,928円
8,206円
8,987円
8,987円
12,145円
55.4%
35.8%
68.7%以上
68.9%以上
74.6%以上
-11.9%
-15.8%
-13.2%以上
-13.2%以上
0.1%以上
300件
288.6件
476.4件
以上
271.2件
以上
404.4件
以上
患者1人入院で1日何円収入があるか
外来単価
患者1人外来で1回何円収入があるか
病床利用率
年間平均でどのくらいベットが埋まって
いるか
医業利益率
医業本業での利益率
100床当たり手術数
病床100ベットに対する年間手術件数
〈病院:費用分析〉4
分析項目
給与費率
市川三郷病院
23年度
鰍沢病院
23年度
ベンチマーク
市町村開設
参考ベンチマーク1
市町村開設
参考ベンチマーク2
公的開設
69.9%
60.8%
61.0%以下
65.5%以下
54.1%以下
24.1%
21.1%
23.1%以下
21.4%以下
23.4%以下
14.8%
13.5%
14.3%以下
14.3%以下
16.2%以下
13.8%
23.2%
17.6%以下
18.3%以下
14.3%以下
7.3%
10.9%
9.3%以下
9.3%以下
6.4%以下
医業収益に給与費の占める割合
材料費率
医業収益に材料費の占める割合
薬品費率
医業収益に医薬品費の占める割合
経費率
医業収益に経費の占める割合
委託費率
医業収益に委託費の占める割合
4
ベンチマークの出典:「病院経営分析調査報告」 社団法人日本病院協会
・ベンチマーク市町村開設:市町村開設の病院200~299床(DPC)
・参考ベンチマーク1市町村開設:市町村開設の病院100~199床(DPC 以外)
・参考ベンチマーク2公的開設:その他公的開設(社保等)の病院100~199床(DPC)
37
〈病院:安全性分析〉5
市川三郷病院
23年度
分析項目
流動比率
ベンチマーク
自治体開設
鰍沢病院
23年度
参考ベンチマーク
社保開設
106.7%
229.7%
491.7%以上
229.7%以上
98.2%
33.4%
86.2%以下
96.7%以下
56.4%以上
23.7%以上
短期間での支払能力をみる
固定長期適合率
設備投資を長期返済猶予の資金調達
の範囲内で賄えているか
※
自己資本比率
79.1%
(63.4%)
(企業債分除く)
拠出金と利益積立で運用が賄えている
割合
-618%
※ 鰍沢病院の固定資産は病院建物が計上されていない
〈病院:資金繰り分析〉5
市川三郷病院
23年度
分析項目
運転資金
運転に必要な資金
借入月商倍率
鰍沢病院
23年度
258,391
千円
130,668
千円
5.2倍
14.5倍
月平均医業収益の何倍、借入金が
あるか
債務償還年数
現在の利益で借入金返済をすると
何年かかるか
医業利益から
の返済は不能
医業利益から
の返済は不能
※
※
ベンチマーク
自治体開設
参考ベンチマーク
社保開設
―
―
6倍以内
6倍以内
(目安値)
(目安値)
7.3年以内
7.3年以内
※ 医業利益が確保できていないため、借入返済に回す資金を拠出できない
〈結果の概況:市川三郷町立病院〉
・ 病床利用率が低く、収益力が脆弱。
・ 給与費率が高いなど、高コスト体質となっている。
・ 流動比率が低く、短期支払能力を増強するための運転資金の確保が必要。
〈結果の概況:社会保険鰍沢病院〉
・ 病床利用率が極めて低く、収益力が特に脆弱。
・ 経費率や委託費率が高く、契約方法の見直し等が必要。
・ 借入月商倍率が高く、収益と借入のバランスを欠いている。
5
ベンチマークの出典:「病院経営管理指標平成22年度」
38
厚生労働省
〈老健:収益分析〉6
市川三郷老健
23年度
分析項目
鰍沢老健
23年度
ベンチマーク
在所者単価
利用者1人在所で1日何円収入があるか
12,503円
12,399円
12,835円
通所者単価
利用者1人通所で1回何円収入があるか
10,650円
10,070円
10,487円
延在所者数
在所の年間延利用者数
23,801人
33,999人
平均入所率
1日平均入所者数の定員に対する割合
92.9%
92.9%
延通所者数
通所の年間延利用者数
1,328人
5,899人
平均通所率
1日平均通所者数の定員に対する割合
45.4%
78.9%
69.3%
事業利益率
施設運営事業活動での利益率
-5.6%
2.9%
9.5%
経常利益率
経常の施設運営事業活動での利益率
-1.3%
2.4%
8.9%
-
96.1%
-
〈老健:費用分析〉6
市川三郷老健
23年度
分析項目
鰍沢老健
23年度
ベンチマーク
給与費率
事業収益に給与費の占める割合
70%
61.8%
54.9%
材料費率
事業収益に材料費の占める割合
4.0%
3.7%
2.6%
24.4%
24.4%
19.1%
14.5%
15.7%
8.0%
0%
経費率
事業収益に経費の占める割合
委託費率
事業収益に委託費の占める割合
支払利息率
事業収益に支払利息の占める割合
-
1.8%
〈老健:安全性分析〉
分析項目
市川三郷老健
23年度
流動比率
鰍沢老健
23年度
98.7%
404.0%
100.1%
1.8%
短期間での支払能力をみる
固定長期適合率
設備投資を長期返済猶予の資金調達
の範囲内で賄えているか
※
自己資本比率(企業債分除く)
11.9%
40.1%
拠出金と利益積立で運用が賄えている割合
※ 鰍沢老健の固定資産は病院建物が計上されていない
〈結果の概況:市川三郷町立病院老人保健施設〉
・ 平均通所率が低く、収益力が脆弱。
・ 給与費率が高いなど、高コスト体質となっている。
・ 流動比率が低く、短期支払能力を増強するための運転資金の確保が必要。
6
ベンチマークの出典:「介護老人保健施設の経営分析参考指標平成 22 年度」
39
WAM 独立行政法人福祉医療機構
〈結果の概況:社会保険鰍沢病院老人保健施設〉
・ 経費率が高く、契約方法の見直し等が必要。
(3)財務シミュレーション結果
市川三郷町立病院及び同老人保健施設の流動資産及び流動負債については、平成
25年度末に市川三郷町に帰属させ、同町が特別会計を創設して別途清算すること
とし、シミュレーションを行うに当たっては、市川三郷町立病院(老健を含む)の
一時借入金をゼロとして試算を行った結果、その概況は次のとおりである。
〈想定されるパターン〉7
損益
①病院負債の扱い
②老健施設及びその負債の扱い
負債を一組が負担
パターン1
負債を一組以外が負担
パターン2
老健を引継ぐ
負債を一組が負担
パターン3
老健を引継がない
基本構想
ベース
負債を一組が負担
パターン4
負債を一組以外が負担
パターン5
老健を引継ぐ
負債を一組以外が負担
老健を引継がない
7
パターン6
負債を一組以外が負担する場合には、構成団体である市川三郷町が直接負担する場合のほか、市川三郷町からの特別
負担金を得て一部事務組合(企業団)が債務を返済していく場合も含む。
40
〈シミュレーションの前提条件(収益)〉
施設
科目
市川三郷 入院単価
病院
入院
延患者数
病床利用率
外来単価
外来
延患者数
前提条件
24,500円 一般病床40床(30,000円)療養病床40床(19,000円)の平均値
23,360人 病床数減を稼働率でカバーすると仮定(80床×80%×365日)
80%(26年度) 富士川からの転院受入で亜急性期・慢性期患者で段階的利用率向上
85%(31年度)
10,000円 透析室の稼働を現況維持して現況単価を維持する仮定
82,477人(26年度) 診療科の充実等により22年度実績68,706人から外来患者が段階的に向上
96,188人(31年度)
室料差額
17,800千円 23年度実績水準を維持
医療相談
収益
14,600千円 23年度実績水準を維持
受託検査
施設利用
収益
その他
医業収益
380千円 23年度実績水準を維持
他会計負担金等
富士川
病院
値
入院単価
入院
延患者数
病床利用率
外来単価
外来
延患者数
30,000千円 23年度実績水準を維持
258,510千円(26年度) 一般会計繰入金(交付税相当額)、県補助金(へき地医療拠点病院運営
194,197千円(35年度) 費)、患者外給食収益(23年度実績水準)、預金利息(23年度実績水準)
10:1 棟 38,000円 現状単価ベースを維持と仮定
7:1棟 42,000円 7:1病棟は31年度開設
44,968人 内科医増員による病床増
(154床×80%×365日)
80%(26年度) 救急車搬送増、大学の手術待機患者獲得により利用率向上
10:1 85%(31年度)
7:1 80%(31年度)
10,000円 紹介患者増、救急車搬送増により単価アップ
81,001人(26年度) 診療科の充実等により22年度実績68,706人から外来患者が段階的に向上
94,501人(31年度)
室料差額
13,602千円 23年度実績水準を維持
保健予防
活動収益
221,982千円 23年度実績水準を維持
医療相談
収益
25,562千円 23年度実績水準を維持
受託検査
施設利用
収益
他会計負担金等
3,521千円 23年度実績水準を維持
32,736千円(26年度) 一般会計繰入金(交付税相当額)、患者外給食収益(23年度実績水準)、
240,536千円(35年度) 預金利息(23年度実績水準)
41
〈シミュレーションの前提条件(費用)〉
施設
科目
市川三郷
病院
値
給与費
※
医師・看護師は基本構想に掲げる人数。その他職員は現状維持
(平成28年度)
医業収益比61.1%
22,806円/人 入院患者数に比例
材料費
経費
医業収益比6.9% 医業収益に比例
委託費
医業収益比7.3% 医業収益に比例
研究研修費
富士川
病院
3,300千円 23年度決算実績水準を維持
給与費
※
医師・看護師は基本構想に掲げる人数。その他職員は現状維持
(平成28年度)
医業収益比38.3%
12,348円/人 入院患者数に比例
材料費
共通
前提条件
経費
医業収益比 医業収益に比例
13.1%
委託費
医業収益比 医業収益に比例
11.0%
減価償却費
計算値 建物購入価格想定から償却費を想定計算
(建物39年定額法、建物付属設備15年定率法)
※給与について
市川三郷病院の医師給与費は22年度医師給与361,389千円を常勤換算医師数11.2人で除し、H26は12人、H31は13人の配置目
標数を乗じて算出した。富士川病院の医師、2病院の看護師についても同様に算出した。他職種はH22と同額で設定している。
〈シミュレーションの前提条件(投資)〉
項目
値
前提条件
病院買い取り
鰍沢病院
建物(建替)
市川三郷病院 2,000,000千円
市川三郷病院の病院建物を建て替える
H30年度に固定資本形成と仮定
施設改修
及び
医療機器購入
富士川病院
施設改修
50,000千円
高額機器 250,000千円
その他機器 200,000千円
富士川病院
施設改修
院内保育所
高額機器 MRI、CT
その他機器
5階病棟再開準備、腹腔鏡手術システム、整形用ハイビジョンカメラ
システム、X線テレビ装置透視台、外科外来用超音波装置、
小児救急用酸素テント等、手術室無影灯、人工呼吸器 等
救急用酸素テント等、手術室無影灯、人工呼吸器 等
市川三郷病院
療養病床の改修工事、外来診察室の改修工事、透析用監視装置、
体外結石破砕システム、デジタル一般X線撮影装置、低周波治療器
2病院
電子カルテシステム、サーバー設置、端末購入
市川三郷病院
施設改修
医療機器
診療情報システムの整備 2病院
患者利便性確保への
投資
2病院
500,000千円
26,000千円
174,000千円
200,000千円
15,000千円
仮設定値として5億円としている(病院、老健、土地を含む)
バス運行整備(車両購入、停留所設置、路面表示)
42
〈シミュレーションの前提条件(資金(既存借入))〉
既存借入
長期借入金
市川三郷
(病院)※
鰍沢
(病院)
平成25年度末残高
2億7,145万円
平均利率 2.69%
年返済額2,767万円
平成25年度末残高
7億2,356万円
平均利率 3.32%
年返済額4,650万円
平成25年度末残高
0円
鰍沢
(老健)
平成25年度末残高
0円
市川三郷
(老健)※
※市川三郷2施設の23年度借入元本返済額は7,417万円であるが、各企業債の23年度末残高を残存返済年数で均等割りしたものを合
計すると8,712万円となる。シミュレーションでは保守的に、より大きな額である8,712万円(病院分2,846万円・老健分5,866万円)を採用し
ている。
〈シミュレーション結果:パターン1〉
単位:千円
収支計算表
開院準備
25年度
-1 年目
収 医業収益計
入
収入 計
支 医業費用計
出
支出 計
減価償却費戻入
医業収支(当期本業増減額) 計
収 医業外収益計
入
収入 計
支 医業外費用計
出
支出 計
経常収支(当期経常増減額) 計
投資 鰍沢施設改修
開
院 投資 鰍沢施設買取
準 投資 市川施設改修
備 投資 鰍沢MRI、CT
投
投資 医療機器(2病院)
資
投資 電子カルテ・バス
投資 市川三郷病院建て替え
投資後収支計
返 短期借入金返済額
済 長期借入金返済額
当期過不足資金
短期借入金調達額
調資
達 金 長期借入金調達額
地域医療再生計画基金
当期発生留保金
(留保金額)現預金残高
損益
医業収益
医業費用
医業利益
医業外収益
医業外費用
経常利益
開院
26年度
1 年目
5,055,896
5,055,896
4,842,963
4,842,963
158,238
371,171
291,246
291,246
76,721
76,721
585,696
27年度
2 年目
5,144,018
5,144,018
4,918,715
4,918,715
158,238
383,541
284,653
284,653
72,980
72,980
595,214
28年度
3 年目
5,232,141
5,232,141
4,994,474
4,994,474
158,238
395,905
431,009
431,009
69,238
69,238
757,676
29年度
4 年目
5,320,263
5,320,263
5,055,331
5,055,331
143,357
408,289
431,541
431,541
53,967
53,967
785,863
30年度
5 年目
5,408,358
5,408,358
5,204,887
5,204,887
215,152
418,623
432,073
432,073
71,226
71,226
779,471
585,696
0
187,121
398,575
1,090,000
595,214
1,090,000
187,121
▲ 681,907
800,000
757,676
800,000
187,121
▲ 229,445
600,000
785,863
600,000
187,121
▲ 1,258
400,000
500,000
915,000
0
0
2,000,000
▲ 1,220,529
400,000
187,121
▲ 1,807,651
200,000
2,000,000
1,488,575
1,488,575
118,093
1,606,668
370,555
1,977,223
398,742
2,375,964
3,732,050
4,170,018
▲ 437,968
264,007
106,460
▲ 280,421
5,055,896
4,842,963
212,934
291,246
76,721
427,458
5,144,018
4,918,715
225,303
284,653
72,980
436,977
5,232,141
4,994,474
237,667
431,009
69,238
599,438
5,320,263
5,055,331
264,932
431,541
53,967
642,506
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
50,000
500,000
26,000
250,000
374,000
215,000
▲ 1,415,000
▲ 1,415,000
31年度
6 年目
5,496,502
5,496,502
5,252,607
5,252,607
175,152
419,047
432,605
432,605
67,484
67,484
784,168
32年度
7 年目
5,580,287
5,580,287
5,327,329
5,327,329
175,152
428,110
433,137
433,137
64,793
64,793
796,454
33年度
8 年目
5,664,071
5,664,071
5,312,878
5,312,878
86,009
437,202
433,669
433,669
62,428
62,428
808,444
34年度
9 年目
5,747,856
5,747,856
5,387,598
5,387,598
86,009
446,267
434,201
434,201
60,063
60,063
820,406
35年度
10 年目
5,831,641
5,831,641
5,462,295
5,462,295
86,009
455,355
434,733
434,733
56,942
56,942
833,146
784,168
200,000
87,121
497,047
796,454
0
71,523
724,931
808,444
0
71,523
736,921
820,406
0
71,523
748,883
833,146
0
149,604
683,542
392,349
2,768,314
497,047
3,265,360
724,931
3,990,291
736,921
4,727,212
748,883
5,476,095
683,542
6,159,637
5,408,358
5,204,887
203,471
432,073
71,226
564,319
5,496,502
5,252,607
243,895
432,605
67,484
609,016
5,580,287
5,327,329
252,958
433,137
64,793
621,302
5,664,071
5,312,878
351,193
433,669
62,428
722,435
5,747,856
5,387,598
360,258
434,201
60,063
734,397
5,831,641
5,462,295
369,346
434,733
56,942
747,137
・ 当パターンの資金繰りは将来的に滞ることなく回っていく。
・
病院負債を一組以外が負担する場合(パターン4)との比較では当期過不足資
金で毎年約0.12~0.36億円下回り、資金繰りに影響がある。
・
老健負債を一組以外が負担する場合(パターン2)との比較では当期過不足資
金で毎年約0.6~0.8億円下回り、資金繰りに影響がある。
43
〈シミュレーション結果:パターン2〉
単位:千円
収支計算表
開院準備
25年度
-1 年目
収 医業収益計
入
収入 計
支 医業費用計
出
支出 計
減価償却費戻入
医業収支(当期本業増減額) 計
収 医業外収益計
入
収入 計
支 医業外費用計
出
支出 計
経常収支(当期経常増減額) 計
投資 鰍沢施設改修
開
院 投資 鰍沢施設買取
準 投資 市川施設改修
備 投資 鰍沢MRI、CT
投
投資 医療機器(2病院)
資
投資 電子カルテ・バス
投資 市川三郷病院建て替え
投資後収支計
返 短期借入金返済額
済 長期借入金返済額
当期過不足資金
短期借入金調達額
調資
達 金 長期借入金調達額
地域医療再生計画基金
当期発生留保金
(留保金額)現預金残高
医業収益
医業費用
医業利益
損益
医業外収益
医業外費用
経常利益
開院
26年度
1 年目
5,055,896
5,055,896
4,842,963
4,842,963
158,238
371,171
291,246
291,246
55,275
55,275
607,142
27年度
2 年目
5,144,018
5,144,018
4,918,715
4,918,715
158,238
383,541
284,653
284,653
53,484
53,484
614,710
28年度
3 年目
5,232,141
5,232,141
4,994,474
4,994,474
158,238
395,905
431,009
431,009
51,692
51,692
775,222
29年度
4 年目
5,320,263
5,320,263
5,055,331
5,055,331
143,357
408,289
431,541
431,541
38,370
38,370
801,460
30年度
5 年目
5,408,358
5,408,358
5,204,887
5,204,887
215,152
418,623
432,073
432,073
57,579
57,579
793,118
607,142
0
128,460
478,681
1,090,000
614,710
1,090,000
128,460
▲ 603,750
800,000
775,222
800,000
128,460
▲ 153,238
600,000
801,460
600,000
128,460
72,999
400,000
500,000
915,000
0
0
2,000,000
▲ 1,206,882
400,000
128,460
▲ 1,735,342
200,000
2,000,000
1,568,681
1,568,681
196,250
1,764,932
446,762
2,211,694
472,999
2,684,693
3,732,050
4,170,018
▲ 437,968
264,007
106,460
▲ 280,421
5,055,896
4,842,963
212,934
291,246
55,275
448,904
5,144,018
4,918,715
225,303
284,653
53,484
456,473
5,232,141
4,994,474
237,667
431,009
51,692
616,985
5,320,263
5,055,331
264,932
431,541
38,370
658,103
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
50,000
500,000
26,000
250,000
374,000
215,000
▲ 1,415,000
▲ 1,415,000
31年度
6 年目
5,496,502
5,496,502
5,252,607
5,252,607
175,152
419,047
432,605
432,605
55,787
55,787
795,865
32年度
7 年目
5,580,287
5,580,287
5,327,329
5,327,329
175,152
428,110
433,137
433,137
55,045
55,045
806,202
33年度
8 年目
5,664,071
5,664,071
5,312,878
5,312,878
86,009
437,202
433,669
433,669
54,629
54,629
816,242
34年度
9 年目
5,747,856
5,747,856
5,387,598
5,387,598
86,009
446,267
434,201
434,201
54,214
54,214
826,255
35年度
10 年目
5,831,641
5,831,641
5,462,295
5,462,295
86,009
455,355
434,733
434,733
53,043
53,043
837,045
795,865
200,000
28,460
567,405
806,202
0
12,862
793,340
816,242
0
12,862
803,380
826,255
0
12,862
813,392
837,045
0
90,943
746,102
464,658
3,149,351
567,405
3,716,756
793,340
4,510,096
803,380
5,313,476
813,392
6,126,868
746,102
6,872,971
5,408,358
5,204,887
203,471
432,073
57,579
577,966
5,496,502
5,252,607
243,895
432,605
55,787
620,714
5,580,287
5,327,329
252,958
433,137
55,045
631,050
5,664,071
5,312,878
351,193
433,669
54,629
730,233
5,747,856
5,387,598
360,258
434,201
54,214
740,246
5,831,641
5,462,295
369,346
434,733
53,043
751,037
・ 当パターンの資金繰りは将来的に滞ることなく回っていく。
・
病院負債を一組以外が負担する場合(パターン5)との比較では当期過不足資
金で毎年約0.12~0.36億円下回り、資金繰りに影響がある。
・
老健を引継がない場合(パターン3)との比較では経常収支で毎年約1億円強
上回る。老健の運営により得られる現金により、資金繰りに余裕ができる。
〈シミュレーション結果:パターン3〉
単位:千円
収支計算表
開院準備
25年度
-1 年目
収 医業収益計
入
収入 計
支 医業費用計
出
支出 計
減価償却費戻入
医業収支(当期本業増減額) 計
収 医業外収益計
入
収入 計
支 医業外費用計
出
支出 計
経常収支(当期経常増減額) 計
投資 鰍沢施設改修
開
院 投資 鰍沢施設買取
準 投資 市川施設改修
備 投資 鰍沢MRI、CT
投
投資 医療機器(2病院)
資
投資 電子カルテ・バス
投資 市川三郷病院建て替え
投資後収支計
返 短期借入金返済額
済 長期借入金返済額
当期過不足資金
短期借入金調達額
調資
達 金 長期借入金調達額
地域医療再生計画基金
当期発生留保金
(留保金額)現預金残高
損益
医業収益
医業費用
医業利益
医業外収益
医業外費用
経常利益
開院
26年度
1 年目
4,248,993
4,248,993
4,083,267
4,083,267
149,968
315,694
213,129
213,129
48,698
48,698
480,125
27年度
2 年目
4,337,115
4,337,115
4,159,019
4,159,019
149,968
328,064
206,536
206,536
46,906
46,906
487,694
28年度
3 年目
4,425,238
4,425,238
4,234,778
4,234,778
149,968
340,428
352,892
352,892
45,114
45,114
648,206
29年度
4 年目
4,513,360
4,513,360
4,299,770
4,299,770
139,222
352,812
353,424
353,424
33,672
33,672
672,564
30年度
5 年目
4,601,455
4,601,455
4,449,326
4,449,326
211,017
363,146
353,956
353,956
52,881
52,881
664,222
480,125
0
128,460
351,665
911,000
487,694
911,000
128,460
▲ 551,766
800,000
648,206
800,000
128,460
▲ 280,255
600,000
672,564
600,000
128,460
▲ 55,897
400,000
500,000
915,000
0
0
2,000,000
▲ 1,335,778
400,000
128,460
▲ 1,864,238
200,000
2,000,000
1,262,665
1,262,665
248,234
1,510,899
319,745
1,830,644
344,103
2,174,748
2,925,147
3,344,417
▲ 419,270
216,596
74,034
▲ 276,708
4,248,993
4,083,267
165,726
213,129
48,698
330,157
4,337,115
4,159,019
178,096
206,536
46,906
337,726
4,425,238
4,234,778
190,459
352,892
45,114
498,238
4,513,360
4,299,770
213,590
353,424
33,672
533,342
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
50,000
500,000
26,000
250,000
374,000
215,000
▲ 1,415,000
▲ 1,415,000
31年度
6 年目
4,689,599
4,689,599
4,497,046
4,497,046
171,017
363,570
354,488
354,488
51,089
51,089
666,969
32年度
7 年目
4,773,384
4,773,384
4,571,768
4,571,768
171,017
372,633
355,020
355,020
50,347
50,347
677,306
33年度
8 年目
4,857,168
4,857,168
4,557,317
4,557,317
81,874
381,725
355,552
355,552
49,931
49,931
687,346
34年度
9 年目
4,940,953
4,940,953
4,632,037
4,632,037
81,874
390,790
356,084
356,084
49,516
49,516
697,359
35年度
10 年目
5,024,738
5,024,738
4,706,734
4,706,734
81,874
399,878
356,616
356,616
48,345
48,345
708,149
666,969
200,000
28,460
438,509
677,306
0
12,862
664,444
687,346
0
12,862
674,484
697,359
0
12,862
684,496
708,149
0
90,943
617,206
335,762
2,510,509
438,509
2,949,018
664,444
3,613,462
674,484
4,287,946
684,496
4,972,443
617,206
5,589,649
4,601,455
4,449,326
152,129
353,956
52,881
453,205
4,689,599
4,497,046
192,553
354,488
51,089
495,952
4,773,384
4,571,768
201,616
355,020
50,347
506,289
4,857,168
4,557,317
299,851
355,552
49,931
605,472
4,940,953
4,632,037
308,916
356,084
49,516
615,484
5,024,738
4,706,734
318,004
356,616
48,345
626,275
・ 当パターンの資金繰りは将来的に滞ることなく回っていく。
・
病院負債を一組以外が負担する場合(パターン6)との比較では当期過不足資
金で毎年約0.12~0.36億円下回り、資金繰りに影響がある。
・
負債を含め老健を引継ぐ場合(パターン1)との比較では経常収支で毎年約1
44
億円強下回る。老健の運営による現金獲得の機会を逸することで、資金繰りに
影響がある。
〈シミュレーション結果:パターン4〉
単位:千円
収支計算表
開院準備
25年度
-1 年目
収 医業収益計
入
収入 計
支 医業費用計
出
支出 計
減価償却費戻入
医業収支(当期本業増減額) 計
収 医業外収益計
入
収入 計
支 医業外費用計
出
支出 計
経常収支(当期経常増減額) 計
投資 鰍沢施設改修
開
院 投資 鰍沢施設買取
準 投資 市川施設改修
備 投資 鰍沢MRI、CT
投
投資 医療機器(2病院)
資
投資 電子カルテ・バス
投資 市川三郷病院建て替え
投資後収支計
返 短期借入金返済額
済 長期借入金返済額
当期過不足資金
短期借入金調達額
調資
達 金 長期借入金調達額
地域医療再生計画基金
当期発生留保金
(留保金額)現預金残高
医業収益
医業費用
医業利益
損益
医業外収益
医業外費用
経常利益
開院
26年度
1 年目
5,055,896
5,055,896
4,842,963
4,842,963
158,238
371,171
291,246
291,246
69,485
69,485
592,932
27年度
2 年目
5,144,018
5,144,018
4,918,715
4,918,715
158,238
383,541
284,653
284,653
66,485
66,485
601,709
28年度
3 年目
5,232,141
5,232,141
4,994,474
4,994,474
158,238
395,905
431,009
431,009
63,485
63,485
763,429
29年度
4 年目
5,320,263
5,320,263
5,055,331
5,055,331
143,357
408,289
431,541
431,541
49,041
49,041
790,789
30年度
5 年目
5,408,358
5,408,358
5,204,887
5,204,887
215,152
418,623
432,073
432,073
67,041
67,041
783,655
592,932
0
158,661
434,272
1,090,000
601,709
1,090,000
158,661
▲ 646,952
800,000
763,429
800,000
158,661
▲ 195,232
600,000
790,789
600,000
158,661
32,128
400,000
500,000
915,000
0
0
2,000,000
▲ 1,216,345
400,000
158,661
▲ 1,775,006
200,000
2,000,000
1,524,272
1,524,272
153,048
1,677,320
404,768
2,082,087
432,128
2,514,216
3,732,050
4,170,018
▲ 437,968
264,007
106,460
▲ 280,421
5,055,896
4,842,963
212,934
291,246
69,485
434,695
5,144,018
4,918,715
225,303
284,653
66,485
443,471
5,232,141
4,994,474
237,667
431,009
63,485
605,191
5,320,263
5,055,331
264,932
431,541
49,041
647,432
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
50,000
500,000
26,000
250,000
374,000
215,000
▲ 1,415,000
▲ 1,415,000
31年度
6 年目
5,496,502
5,496,502
5,252,607
5,252,607
175,152
419,047
432,605
432,605
64,042
64,042
787,611
32年度
7 年目
5,580,287
5,580,287
5,327,329
5,327,329
175,152
428,110
433,137
433,137
62,092
62,092
799,155
33年度
8 年目
5,664,071
5,664,071
5,312,878
5,312,878
86,009
437,202
433,669
433,669
60,142
60,142
810,729
34年度
9 年目
5,747,856
5,747,856
5,387,598
5,387,598
86,009
446,267
434,201
434,201
58,193
58,193
822,276
35年度
10 年目
5,831,641
5,831,641
5,462,295
5,462,295
86,009
455,355
434,733
434,733
55,403
55,403
834,685
787,611
200,000
58,661
528,950
799,155
0
58,661
740,494
810,729
0
58,661
752,068
822,276
0
58,661
763,615
834,685
0
138,661
696,024
424,994
2,939,210
528,950
3,468,159
740,494
4,208,653
752,068
4,960,722
763,615
5,724,337
696,024
6,420,361
5,408,358
5,204,887
203,471
432,073
67,041
568,503
5,496,502
5,252,607
243,895
432,605
64,042
612,459
5,580,287
5,327,329
252,958
433,137
62,092
624,003
5,664,071
5,312,878
351,193
433,669
60,142
724,720
5,747,856
5,387,598
360,258
434,201
58,193
736,267
5,831,641
5,462,295
369,346
434,733
55,403
748,676
・ 当パターンの資金繰りは将来的に滞ることなく回っていく。
・
病院負債を一組が負担する場合(パターン1)との比較では当期過不足資金で
毎年約0.12~0.36億円上回り、資金繰りに余裕ができる。
・
老健負債を一組以外が負担する場合(パターン5)との比較では当期過不足資
金で毎年約0.6~0.8億円下回り、資金繰りに影響がある。
〈シミュレーション結果:パターン5〉
単位:千円
収支計算表
収 医業収益計
入
支 医業費用計
出
開院準備
25年度
-1 年目
収入 計
支出 計
減価償却費戻入
医業収支(当期本業増減額) 計
収 医業外収益計
入
収入 計
支 医業外費用計
出
支出 計
経常収支(当期経常増減額) 計
投資 鰍沢施設改修
開
院 投資 鰍沢施設買取
準 投資 市川施設改修
備 投資 鰍沢MRI、CT
投
投資 医療機器(2病院)
資
投資 電子カルテ・バス
投資 市川三郷病院建て替え
投資後収支計
返 短期借入金返済額
済 長期借入金返済額
当期過不足資金
短期借入金調達額
調資
達 金 長期借入金調達額
地域医療再生計画基金
当期発生留保金
(留保金額)現預金残高
医業収益
医業費用
医業利益
損益
医業外収益
医業外費用
経常利益
開院
26年度
1 年目
5,055,896
5,055,896
4,842,963
4,842,963
158,238
371,171
291,246
291,246
48,039
48,039
614,378
27年度
2 年目
5,144,018
5,144,018
4,918,715
4,918,715
158,238
383,541
284,653
284,653
46,989
46,989
621,205
28年度
3 年目
5,232,141
5,232,141
4,994,474
4,994,474
158,238
395,905
431,009
431,009
45,939
45,939
780,975
29年度
4 年目
5,320,263
5,320,263
5,055,331
5,055,331
143,357
408,289
431,541
431,541
33,444
33,444
806,386
30年度
5 年目
5,408,358
5,408,358
5,204,887
5,204,887
215,152
418,623
432,073
432,073
53,394
53,394
797,302
614,378
0
100,000
514,378
1,090,000
621,205
1,090,000
100,000
▲ 568,795
800,000
780,975
800,000
100,000
▲ 119,025
600,000
806,386
600,000
100,000
106,386
400,000
500,000
915,000
0
0
2,000,000
▲ 1,202,698
400,000
100,000
▲ 1,702,698
200,000
2,000,000
1,604,378
1,604,378
231,205
1,835,583
480,975
2,316,558
506,386
2,822,944
3,732,050
4,170,018
▲ 437,968
264,007
106,460
▲ 280,421
5,055,896
4,842,963
212,934
291,246
48,039
456,141
5,144,018
4,918,715
225,303
284,653
46,989
462,968
5,232,141
4,994,474
237,667
431,009
45,939
622,737
5,320,263
5,055,331
264,932
431,541
33,444
663,029
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
50,000
500,000
26,000
250,000
374,000
215,000
▲ 1,415,000
▲ 1,415,000
45
31年度
6 年目
5,496,502
5,496,502
5,252,607
5,252,607
175,152
419,047
432,605
432,605
52,344
52,344
799,308
32年度
7 年目
5,580,287
5,580,287
5,327,329
5,327,329
175,152
428,110
433,137
433,137
52,344
52,344
808,903
33年度
8 年目
5,664,071
5,664,071
5,312,878
5,312,878
86,009
437,202
433,669
433,669
52,344
52,344
818,528
34年度
9 年目
5,747,856
5,747,856
5,387,598
5,387,598
86,009
446,267
434,201
434,201
52,344
52,344
828,124
35年度
10 年目
5,831,641
5,831,641
5,462,295
5,462,295
86,009
455,355
434,733
434,733
51,504
51,504
838,584
799,308
200,000
0
599,308
808,903
0
0
808,903
818,528
0
0
818,528
828,124
0
0
828,124
838,584
0
80,000
758,584
497,302
3,320,247
599,308
3,919,555
808,903
4,728,458
818,528
5,546,986
828,124
6,375,110
758,584
7,133,694
5,408,358
5,204,887
203,471
432,073
53,394
582,151
5,496,502
5,252,607
243,895
432,605
52,344
624,157
5,580,287
5,327,329
252,958
433,137
52,344
633,751
5,664,071
5,312,878
351,193
433,669
52,344
732,519
5,747,856
5,387,598
360,258
434,201
52,344
742,116
5,831,641
5,462,295
369,346
434,733
51,504
752,575
・ 当パターンの資金繰りは将来的に滞ることなく回っていく。
・
病院負債を一組が負担する場合(パターン2)との比較では当期過不足資金で
毎年約0.12~0.36億円上回り、資金繰りに余裕ができる。
・
老健負債を一組が負担する場合(パターン4)との比較では当期過不足資金で
毎年約0.6~0.8億円上回り、資金繰りに余裕ができる。
〈シミュレーション結果:パターン6〉
単位:千円
収支計算表
開院準備
25年度
-1 年目
収 医業収益計
入
収入 計
支 医業費用計
出
支出 計
減価償却費戻入
医業収支(当期本業増減額) 計
収 医業外収益計
入
収入 計
支 医業外費用計
出
支出 計
経常収支(当期経常増減額) 計
投資 鰍沢施設改修
開
院 投資 鰍沢施設買取
準 投資 市川施設改修
備 投資 鰍沢MRI、CT
投
投資 医療機器(2病院)
資
投資 電子カルテ・バス
投資 市川三郷病院建て替え
投資後収支計
返 短期借入金返済額
済 長期借入金返済額
当期過不足資金
短期借入金調達額
調資
達 金 長期借入金調達額
地域医療再生計画基金
当期発生留保金
(留保金額)現預金残高
医業収益
医業費用
医業利益
損益
医業外収益
医業外費用
経常利益
開院
26年度
1 年目
4,248,993
4,248,993
4,083,267
4,083,267
149,968
315,694
213,129
213,129
41,462
41,462
487,362
27年度
2 年目
4,337,115
4,337,115
4,159,019
4,159,019
149,968
328,064
206,536
206,536
40,412
40,412
494,189
28年度
3 年目
4,425,238
4,425,238
4,234,778
4,234,778
149,968
340,428
352,892
352,892
39,362
39,362
653,958
29年度
4 年目
4,513,360
4,513,360
4,299,770
4,299,770
139,222
352,812
353,424
353,424
28,746
28,746
677,490
30年度
5 年目
4,601,455
4,601,455
4,449,326
4,449,326
211,017
363,146
353,956
353,956
48,696
48,696
668,406
487,362
0
100,000
387,362
911,000
494,189
911,000
100,000
▲ 516,811
800,000
653,958
800,000
100,000
▲ 246,042
600,000
677,490
600,000
100,000
▲ 22,510
400,000
500,000
915,000
0
0
2,000,000
▲ 1,331,594
400,000
100,000
▲ 1,831,594
200,000
2,000,000
1,298,362
1,298,362
283,189
1,581,550
353,958
1,935,509
377,490
2,312,999
2,925,147
3,344,417
▲ 419,270
216,596
74,034
▲ 276,708
4,248,993
4,083,267
165,726
213,129
41,462
337,393
4,337,115
4,159,019
178,096
206,536
40,412
344,220
4,425,238
4,234,778
190,459
352,892
39,362
503,990
4,513,360
4,299,770
213,590
353,424
28,746
538,268
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
50,000
500,000
26,000
250,000
374,000
215,000
▲ 1,415,000
▲ 1,415,000
31年度
6 年目
4,689,599
4,689,599
4,497,046
4,497,046
171,017
363,570
354,488
354,488
47,646
47,646
670,412
32年度
7 年目
4,773,384
4,773,384
4,571,768
4,571,768
171,017
372,633
355,020
355,020
47,646
47,646
680,007
33年度
8 年目
4,857,168
4,857,168
4,557,317
4,557,317
81,874
381,725
355,552
355,552
47,646
47,646
689,632
34年度
9 年目
4,940,953
4,940,953
4,632,037
4,632,037
81,874
390,790
356,084
356,084
47,646
47,646
699,228
35年度
10 年目
5,024,738
5,024,738
4,706,734
4,706,734
81,874
399,878
356,616
356,616
46,806
46,806
709,688
670,412
200,000
0
470,412
680,007
0
0
680,007
689,632
0
0
689,632
699,228
0
0
699,228
709,688
0
80,000
629,688
368,406
2,681,405
470,412
3,151,817
680,007
3,831,824
689,632
4,521,456
699,228
5,220,685
629,688
5,850,373
4,601,455
4,449,326
152,129
353,956
48,696
457,389
4,689,599
4,497,046
192,553
354,488
47,646
499,395
4,773,384
4,571,768
201,616
355,020
47,646
508,990
4,857,168
4,557,317
299,851
355,552
47,646
607,758
4,940,953
4,632,037
308,916
356,084
47,646
617,354
5,024,738
4,706,734
318,004
356,616
46,806
627,814
・ 当パターンの資金繰りは将来的に滞ることなく回っていく。
・
病院負債を一組が負担する場合(パターン3)との比較では当期過不足資金で
毎年約
・
0.12~0.36億円上回り、資金繰りに余裕ができる。
負債を含め老健を引継ぐ場合(パターン4)との比較では経常収支で毎年約1
億円強下回る。老健の運営による現金獲得の機会を逸することで、資金繰りに
影響がある。
46
〈シミュレーション結果:経常収支〉
(単位:千円)
850,000
800,000
750,000
パターン1
700,000
パターン2
パターン3
650,000
パターン4
600,000
パターン5
パターン6
550,000
500,000
450,000
26年度
27年度
28年度
29年度
30年度
31年度
32年度
33年度
34年度
35年度
〈シミュレーション結果:病院の負債について〉
・ 損益計算について基本構想をベースとした場合、既存の病院負債について一部
事務組合(企業団)が引き継いだとしても、将来的に資金は回っていく。
・
なお、一部事務組合(企業団)が既存の病院負債を負担する場合、負担しない
場合に比べ、当期過不足資金で年最大3,600万円尐ない状況になる。
・
この結果、病院負債を引き継いでも将来的に資金は回るが、一概に一部事務組
合(企業団)が負担すべきとは言えないため、両町で協議する必要がある。
〈シミュレーション結果:老健施設の扱いについて〉
・
老健の負債を含めて引き継いだ場合、引き継がない場合に比べて経常収支が毎
年約1億円大きくなり、キャッシュの獲得能力が高まる。
・
さらに、老健を引き継ぐと、損益以外のメリット(経営管理の効率化、患者サ
ービスの向上など)も大きく認められるため、一部事務組合(企業団)として
老健を引き継ぐことが望ましい。
・
なお、一部事務組合(企業団)が既存の老健負債を負担する場合、負担しない
場合に比べ、当期過不足資金で年最大8,000万円尐ない状況になる。
・
この結果、老健施設は一部事務組合(企業団)が引き継ぐことが望ましいが、
負債については一概に一部事務組合(企業団)が負担すべきとは言えないため、
両町で協議する必要がある。
47
(4)病院及び老健負債を引き継ぐ場合に考えられる構成団体の出資スキーム
仮に一部事務組合(企業団)が病院及び老健の負債を引き継ぐこととした場合、
負債の円滑な処理と自己資本の充実を両立させるためには、市川三郷町立病院及び
老健施設の固定資産と固定負債の差額を市川三郷町が一部事務組合(企業団)に現
物出資し、これと同額(等価)を富士川町が金銭出資することとすることが望まし
いものと考えられる。
一部事務組合
市川三郷町が
現物出資
富士川町が
金銭出資
富士川町
企 業 団
市川三郷町立病院及び老健
固定資産
固定負債
約
億円
約 10.0 億円
差額
約
億円
(実質的な自己資本分)
*固定資産額の算定に当たっては、資産形成にかかる町の寄与分として補助金相当額を差し引いた資産価値を算
出するため、不動産鑑定評価額に一定の歩掛率を乗じる方法を採用することなどが考えられる
(5)開院直後に想定される現金不足額及び調達方法
開院直後、約3ヶ月に渡って保険審査機関からの入金が無い状況で病院運営を行
う必要があり、想定される現金不足額を円滑に調達していく必要がある。
開院直後(平成26年4月~6月)に想定される現金不足額
現金収入
1.79億円
市川三郷
現金収入
0.61億円
現金不足額
10.9億円
富士川
現金収入
1.18億円
構成団体の
出資金
+
一時借入金
で対応
現金支出
12.69億円
市川三郷病院
3か月分支出推計
4.26億円
市川三郷老健
3か月分支出推計
0.98億円
48
富士川病院
3か月分支出推計
4.85億円
富士川老健
3か月分支出推計
2.60億円
(6)開院前~開院直後の必要資金額及び調達方法
開院前に必要となる施設設備整備に必要な資金、及び開院直後に必要となる運転
資金に対しては、地域医療再生基金・起債・町からの出資金・一時借入金などによ
りまかなっていく。
開院前~開院直後までに必要な資金と調達方法
金額(千円)
項目
市川三郷町立病院改修
26,000
鰍沢病院買い取り(RFOから)
500,000
電子カルテ整備
200,000
バス運行整備
設備整備(当初予定分)
調達方法(原資)
地域医療再生基金(9.15億円)
+α
15,000
374,000
※基本構想時の想定分
設備整備(追加協議分)
起債(一般単独事業債)
300,000
小計
1,415,000
運転資金
1,090,000
総計
2,465,000
出資金 + 一時借入金
(7)新たな資金調達手段としての「住民参加型市場公募債」
住民参加型市場公募債を発行することにより、必要な資金を調達できることに加
え、住民の行政への参加意識の向上や統合病院のアピールにもつながり、今後の資
金調達の有効な手段であると考えられる。
公募債発行のイメージ
公募債
(証券)
峡南医療
センター
①発行委託
③払込
公募債
(証券)
民間金融
機関
お金
②発行
③払込
お金
公募債の発行により
集まったお金を医療
機器等の設備投資に
充てる
④新しい医療機器を使った
良質な医療サービスの提供
医療サービスの質の
向上、及び収益の
向上を図る
⑤元本・利息の支払
お金
49
住民・企業など
(8)開院時の貸借対照表(想定)
貸借対照表
平成26年4月1日現在
【流動資産】
資産の部
(単位:億円)
10.9
一時借入金
棚卸資産
(市川三郷病院・老健分)
0.2
【固定負債】
棚卸資産
(富士川病院・老健分)
0.2
現預金
負債の部
【流動負債】
10.9
9.95
市川三郷既存企業債
【固定資産】
一般単独事業債(他会計借入金)
土地・建物
(市川三郷病院・老健分)
**
土地・建物
(富士川病院・老健分)
**
その他固定資産(既存器具・車両など)
(市川三郷病院・老健分)
**
繰延収益
その他固定資産(既存器具・車両など)
(富士川病院・老健分)
0.76
新規購入医療機器
6.24
資本の部
バス運行整備(車両、停留所、路面表示)
**
出資金(富士川町)
【資本剰余金】
2
診療情報システム
9.15
※1
【資本金】
**
2病院施設改修
**
受贈財産評価額
0.15
**
※2
※1 固定資産の購入に充てた補助金をその対象固定資産の減価償却費計上に対応して将来にわたり順次収益計上するために、経過的に負債として計上する
※2 土地建物等の時価鑑定評価額のうち、実際購入額を上回る部分は贈与を受けたものとして資本の部に計上する
(9)会計処理方法
2病院の会計処理方法を統合・一本化することとし、現状の2病院のいずれかが
採用している方法、又は別の方法(公営企業会計基準に基づく方法など)に合わせ
ていく。
〈会計処理方法に関する検討項目〉
具体的な取組み(開院時まで)
検討項目
会計基準
会計方針
勘定科目
目標(開院時)
開院後の経営形態を踏まえつつ、会計監
査上指摘を受けない会計基準が採用され
ている。
統合病院の経営成績をより適切に反映で
きる会計方針が採用されている。
採用した会計基準に準拠しつつ、経営成
績データの集計の便宜も考慮した、統合
病院として共通の科目体系となっている。
取組み項目
取組み内容
採用する会計基準へ
の変更
企業団の経営形態を踏まえ、地方公営企業会
計に鰍沢の会計基準を合わせていく。市川三郷
についても平成26年4月の改定に合わせ、準備
を行っていく(例.キャッシュフロー計算書を新た
に作成する(現在は作成していない))。
採用する会計方針の
検討
たな卸資産の評価方法(例.先入先出法、平均
法)や、減価償却資産の償却方法(例.定額法、
定率法)など、統合病院として採用する会計方
針について、統合病院の実態を考慮して確定す
る。特に地方公営企業会計の見直しにより義務
付けられているものについては地方公営企業会
計に従う(例.退職給付引当金の計上義務付)。
勘定科目の設定
平成26年4月改正の地方公営企業会計に則っ
た勘定科目体系を統合病院として設定する(例.
市川三郷の「借入資本金」を「他会計長期借入
金」と表示する) 。また、設定した勘定科目体系
を貸借対照表や損益計算書、残高試算表など
の帳票に反映させる。
50
具体的な取組み(開院時まで)
検討項目
目標(開院時)
取組み項目
取組み内容
補助科目
データ集計の簡便性と入力作業の煩雑性
回避を両立した、統合病院として共通の
科目体系となっている。
補助科目の設定
統合病院として設定する勘定科目体系に対して
、現在両病院が使っている補助科目を考慮しつ
つ、補助科目の目的を明確にした上で統合病院
としての補助科目を設定する(例.勘定科目「旅
費」を目的で分けるために補助科目「通勤手当」
「出張派遣」を設定する)。
帳簿体系
データ集計やデータ入力に支障のないよ
うな書式設定となっている。
帳簿体系と運用方法
の検討
窓口現金集計表や医業未収金台帳、買掛帳と
いった会計帳簿の種類や書式、及びその記載
方法などの運用方法について統合病院としての
統一のルールを作る。
財産目録
統合病院の保有する財産の詳細が一元
的に管理され、職員間で共有されている。
財産目録の作成
両病院から統合病院に引き継がれる財産の明
細(例.建物や医療機器など)を整理し、目録とし
て一表にまとめる。一表にまとめるにあたっては、
財産の種類別に分類して記載する。
資産管理番号の付与
統合病院として統一された番号体系により、統
合病院として保有する固定資産(例.医療機器や
車両など)に番号を付与する。例えば、市川三
郷で保有する固定資産については番号の最初
に「I」を、富士川で保有する固定資産について
は番号の最初に「F」を付与を行う。
データ集計単位の
設定
(集計部門の設定)
各病院や各老健といった施設別での損益状況
の集計や、内科、外科といった診療科目別での
患者数の集計など、データ集計を行う際の集計
単位を設定する。集計単位を設定するにあたっ
ては、企業長をはじめとする経営層が経営状況
を把握するために必要な情報を提示できる単位
で設定を行う。
採用する財務会計
システムの検討
統合病院として財務会計情報を集計する財務
会計システムを検討する。現在、市川三郷は医
療大臣、鰍沢はICSシステムを採用しているが、
それぞれの機能や保守運用コストを精査した上
で、統合病院として採用するシステムを決める。
会計監査人の選定
現行の委託実績を考慮した上で、統合病院とし
て委託する会計監査人を選定する(現行、市川
三郷は町の監査委員による会計監査(例月監
査、決算監査)、鰍沢は新日本監査法人による
会計監査を受けている)。
資産管理番号
固定資産を一元的に管理できるような管
理番号が各固定資産へ採番されている。
集計単位
経営陣が部門別等の観点で経営成績を
効率良く把握できるデータ集計単位の設
定ができている。
財務会計
システム
会計業務を効率的に行うことができる統
合病院として統一の財務会計システムが
採用されている。
会計監査
統合病院として大きな混乱無く会計監査
を受けられるような会計監査人が選定さ
れている。
51
6
移行実務計画
(1)移行実務のロードマップ
平成26年4月の開院に向け、下記の計画・実務・コミュニケーション・手続に
ついて協議・検討を行っていく。
開院準備
企業長 のための
候補者 一部事務 企業長
の選任 組合設立 の内定
企業団
設立
平成24年度
第4四半期
実行体制
統合協議会
(本協議会)
平成25年度
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
峡南北部二病院統合事務組合(開院準備のための一部事務組合)
両町・両病院職員によるワーキンググループ
経営計画
計画
実務
検
討
事
項
基本計画
(マスタープラン)の
策定
・「人事管理計画」
・「管理運営計画」
・「財務会計計画」
人員配置計画
開
院
施設・設備整備計画
人事管理に関する具体的な取組み
管理運営に関する具体的な取組み
財務会計に関する具体的な取組み
コミュ
ニケ
ーシ
ョン
職員への説明会
職員面談 採用内示
住民への説明会
配属内示
外部有識者などから成る経営管理委員会(仮称)設立準備
企業団設立手続
病院開設許可手続
手続
各種専門認定手続
(2)移行実務の実行体制
統合病院の開院に向けた協議・検討体制は下記のとおりとする。
実行体制
統合協議会
(本協議会)
峡南北部二病院
統合事務組合
(開院準備のための
一部事務組合)
両町・両病院
職員による
ワーキンググループ
役割
山梨大学等の外部との交渉や、出資等、一部事務組合では解決
が難しい事項について検討を行う。統合病院に対しては第三者
的な位置付けとなり、中立の立場で判断を行う
(開催頻度:四半期に1回程度、及び必要に応じて)
企業長内定者を中心に、統合病院の経営計画、人員配置計画、
施設・設備整備計画の策定、両病院職員への説明会や面談、両
町の住民への説明会、統合病院の開業に必要な諸手続を行う
人事管理、管理運営、財務会計における両病院の実務に関する
取組みを計画し実行する
52
(3)法的に必要な諸手続
統合病院の開院にあたり、法的に必要な諸手続きとして主に企業団設立手続・病
院開設許可手続・各種専門認定手続がある。
企業団設立手続
病院開設許可手続
企業団規約案の検討
「病院使用許可申請書」の
作成・提出
各種専門認定手続
指定医療告示や学会認定施設の認定に
ついて、各所管に対して申請手続を行う
※両病院の現在の指定・認定は下記の
通り
指定医療告示
「病院開設許可申請書」の
作成・提出
企業団規約案の合意
両町議会での議決
【市川三郷】
· 救急告示病院
· へき地医療拠点病院
【富士川】
· 救急告示病院
· 地域災害拠点病院
「病院開設届」の作成・提出
学会認定施設
山梨県知事への設立許可申請
【市川三郷】
· 日本外科学会外科専門医制度修練施設
· 日本消化器外科学会専門医制度関連施設
· 日本消化器病学会専門医制度認定施設
· 日本大腸肛門病学会専門医制度修練関連
施設
医療機器(診療用X線装置等)の
備付届の作成・提出
※ 各申請書、及び届けは
山梨県知事宛に提出する
【富士川】
· 日本整形外科学会認定医研修施設
· 日本外科学会外科専門医制度関連施設
· 日本大腸肛門病学会関連施設
山梨県知事の設立許可
[ 標準的な所要期間:3ヶ月程度 ]
[ 標準的な所要期間:2ヶ月程度 ]
[ 標準的な所要期間:2ヶ月程度 ]
(4)移行実務の取組み内容
〈統合事務組合の取組項目〉
分類
経営計画
取組み項目
単年度予算の策定
4
月
取組み内容
開院初年度の単年度予算を策定する。予算策定にあたっては市
川三郷、富士川の両病院それぞれについて策定した上で両病院
分を合算して統合病院の予算を決める。また、地方公営企業会計
の平成26年4月改定に合わせた会計処理方法(勘定科目の設定
など)を踏まえて予算を策定する。
開院後3ヵ年を計画期間とし、統合病院の全体計画及び事業別計
画(病院事業と老健事業、市川三郷病院と富士川病院に分ける)
を策定する。計画を策定するにあたっては、市川三郷町、富士川
町の基本計画を踏まえる。また、年度別にテーマを設定し、統合協
議会の基本計画で定めた目標について優先順位付けを行い、具
体的な取組みの精査及び優先順位付けや収支計画に反映させ
る。
計画実現に向けた進行管 策定した中期経営計画の達成に向けた着実な推進を図るための
進行管理の方法について検討を行う。進行管理の具体例として
理方法の検討
は、統合病院幹部による月次定例会議や各部門長主催の部門会
議等にて、本計画の進捗状況の共有を行う、また定期的な自己評
価を行っていく方法が考えられる。
中期経営計画の策定
人員配置計
画
部門の設定
統合病院において必要となる部門を設定する。部門を設定するに
あたっては、統合協議会の基本計画で定めた目標を実現する上で
必要となる部門を検討する(例.在宅診療部、経営管理本部など)。
また、両病院を統括する部門と各施設毎に必要な部門を明確にす
る。
※一部事務組合(全部適用)においては、部門や診療科の設置な
どの組織変更については、管理者(企業長)が決定する。
職務分掌の設定
統合病院における組織設計の方針(本部集権又は施設分権)を明
確にした上で、各部門の職務分掌を定める。事務部門を例にする
と、本部集権の場合は、本部の権限・責任を重くし、各施設の権
限・責任を軽くする。その逆に施設分権の場合は、各施設の権限・
責任を重くし、本部の権限・責任を軽くする。
※職務分掌とは、部門が担当する仕事の内容や権限、責任の範
囲を指す。
人員配置数及び配属職員 設定した部門それぞれに何人配置するかを検討する。配置を考え
るにあたり、常勤・非常勤の割合についても検討する。また、配置
の選定
する人員数に合わせ、配属する職員を選定する。
53
5
月
6
月
7
月
8
月
平成25年度
1
1
9
0
1
月
月 月
1
2
月
1
月
2
月
3
月
分類
取組み項目
施設・設備整 現在保有する施設・設備
備計画
の確認
統合病院の施設・設備の
検討
追加購入が必要な施設・
設備の検討
職員とのコ
職員への説明会
ミュニケーショ
ン
4
月
取組み内容
現在の市川三郷町立病院、及び社会保険鰍沢病院が保有する施
設・設備について確認する。両病院それぞれの資産管理台帳にあ
る施設・設備について機能別に分類し、一覧化する。その際、各施
設・設備の残存利用年数についても改めて精査し、必要に応じて
更新する。
統合病院として必要となる施設・設備を検討する。具体的には、統
合病院として提供していく診療機能別に、各診療機能の目標を達
成するにあたって必要となる施設・設備を洗い出す。次に、機能別
に洗い出した施設・設備について、全体最適の観点から内容を精
査し、統合病院として必要となる施設・設備を確定する。
統合病院として必要となる施設・設備を充足させる上で、現在保有
する施設・設備では足りないものについての洗い出しを行う。これ
についても統合病院として提供していく診療機能別に整理し、機能
別に洗い出したものを全体最適の観点から内容を精査するととも
に、追加購入の優先順位付けを行い、購入計画を策定する。
統合病院の経営方針、診療分野・管理分野の各機能に関する目
標等について、両病院の職員に対して説明を行う。職員に対する
説明は個別に行うのではなく、日々の診療や業務に支障をきたさ
ないように両病院の職員をそれぞれ複数のグループに分けて説明
会を開催する。
複数回の説明を各病院で実施し、統合病院の人事処遇制度、労
統合病院の人事処遇制
度・労働条件・福利厚生に 働条件・福利厚生に対する理解を醸成する。統合病院の制度・
ルールの概要設計、詳細設計、制度移行方法のそれぞれについ
関する説明会
て、人事WGのメンバーによる説明を実施する。
職員面談・採用内示
両病院の職員に対して、統合病院への就職に関する意向を確認
する。職員面談は各職員に対して個別に実施する。統合病院への
就職を希望する職員に対しては採用に関する内示を提示する。
配属内示
職員面談・採用内示により確定した統合病院の人員数をもとに各
職員の配属先の検討を行い、採用内示を提示した職員に対して、
統合病院での配属先を内示する。また、配属先の内示を行うにあ
たっては、各職員の配属先での役割も伝える。
評価者への研修
目標管理を含む人事考課の実施に当たり、職員の安心感を醸成
するために評価者に対する研修を実施する。評価制度を含む人事
処遇制度の理解の醸成だけではなく、評価者(管理職層を想定)と
しての心構えや留意点についても気付きが得られる内容を目指
す。
住民とのコ
住民への説明会
ミュニケーショ
ン
統合病院の経営方針、診療分野・管理分野の各機能に関する目
標、及び峡南北部地域における統合病院の今後の役割等につい
て、市川三郷町、富士川町の両町の住民に対して説明を行う。ま
た、地域の協力が必要な事項(例.外部有識者などから成る経営管
理委員会(仮称))についても住民へ説明していく。
外部有識者などから成る 地域のための病院として、地域住民ニーズの汲み上げや統合病
経営管理委員会(仮称)設 院の経営を外部から見ていくことを目的とした、外部有識者などか
ら成る経営管理委員会(仮称)の設立準備を行う。設立にあたって
立準備
は、委員会の体制、メンバー、委員会での検討事項、委員会の権
限、委員会の開催頻度を明確にする。
法的に必要な 企業団設立手続
諸手続
病院開設許可手続
各種専門認定手続
統合病院(企業団)の設立に必要な手続きを行う。手続きを行うに
あたっては、企業団の規約案を検討し、市川三郷町、富士川町の
両町議会での議決を受ける。その後、可決された規約案につい
て、山梨県知事へ提出し、設立許可申請を行う。
統合病院を開設するにあたり必要な手続きを行う。まず、「病院使
用許可申請書」を作成し、山梨県知事へ提出する。申請が下りた
後、「病院開設許可申請書」を作成し、山梨県知事へ提出する。申
請が下りた後、「病院開設届」を作成し、山梨県知事へ提出する。
また、医療機器(診療用X線装置等)の備付届についても作成し、
山梨県知事へ提出する。
指定医療告示(例.救急告示病院、へき地医療拠点病院)や学会
認定施設(例.日本外科学会外科専門医制度修練施設)の認定に
ついて、それぞれの所管団体に手続きを確認し、申請手続を行う。
労働組合(又は職員代表) 人事処遇制度及び労働条件・福利厚生に関し、各病院の労働組
合(又は職員代表)を対象に、内容の説明を行い、必要な調整を実
との調整
施する。統合病院の制度・ルールの概要設計、詳細設計、制度移
行方法それぞれについて、WGでの検討を行い、事務組合の了解
が得られた段階で調整を行う。
労使協定等の締結、届出 時間外労働、育児・介護休業者の除外等について労使協定を締
結し、労働基準監督署に届出を行う。併せて企業職員の給与の種
類及び基準に関する条例、関連する企業管理規程も届出を行う。
現状の救急医療指定5病院との輪番制のあり方について再検討
を行う。
救急
地域救急体制の検討
診療体制
医師、看護師、コメディカル 各診療科目の機能、要員数を決定し、具体的な人材を当てはめ、
異動する。
要員再配置、異動
職種別ワーキンググルー 各職種別(医師、看護師等)にワーキングを立ち上げ、各職種に関
プの立ち上げと個別課題 連する個別課題について検討を行う。
の検討
業務連携
定期的な職員懇親会の開 両病院の職員の親睦を深めるために、定期的に懇親会を開催す
る。
催
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〈人事 WG の取組項目〉
分類
人事処遇制
度全体
取組み内容
取組み項目
人事処遇制度全体の概 人事処遇制度全体について、各制度間の連動性を踏まえて、
全体の概要を他の公的病院の人事処遇制度をモデルに考え
要設計
格付け制度
各職級の職務対応の設 統合病院の組織体制と各職務の責任・権限を踏まえて、職務に
応じた級の格付けを行うが、その級数及び組織貢献の内容を
定
る。
例えば、国立病院機構の人事処遇制度に準拠する場合、給料
表は原則そのまま使用するが、評価制度は独自に設計する
等。
検討する。(組織体制未定時は仮定で実施)
例えば、看護職の場合、1級が准看護師、2級が一般看護師、
副主任の准看護師、3級が副主任の看護師等。
昇格・昇任(降格・免職) 昇格・昇任(降格・免職)の基準を検討する。
例えば、決定基準は、人事考課の結果、一部事務組合の企業
要件の定義
長の決定等、を級によって使い分けることが考えられる。
モデル昇格パターンの設 統合病院のモデルケースとして、標準的な昇格・昇任モデルを
設定する。
定
例えば、看護師の場合、新卒採用時に2級に格付け、10年後に
3級に昇格等。(実際の運用では、人事考課の結果等により、昇
格・昇任のスピードは異なる。)
評価制度
給与制度
評価の仕組みの設計
評価のサイクル、評価者と被評価者の体系、評価のプロセスを
設計する。
例えば、1事業年度中の半期ごとに評価を行う、1次評価者は直
属の上司、2次評価者は各病院の経営層、評価プロセスでは1
次評価後に同職種の1次評価者が集合して評価調整を行う等。
評価の要素の設定
能力、業績(目標管理)、態度等、職員を評価する要素、その要
素の人事考課結果への反映方法を職種、級ごとに検討する。
例えば、看護職3級の場合、態度と能力、目標管理により、それ
ぞれ評価を行い、態度を30%、能力を30%、目標管理40%で人
事考課に反映させる等。
評価項目の設定、評価
シートの策定
評価要素を踏まえ、詳細の評価項目について検討を行い、評価
シートの策定を行う。
例えば、看護職3級の場合、態度の評価項目として、患者への
接遇、周囲との連携、能力の評価項目として、臨機応変な対応
を可能とする幅広い基礎知識・スキルを評価対象とする等。
給料表の設計
他の公的病院の給料表に準拠する場合、詳細部分も含めてそ
のまま利用するのか、手を加えるのかを検討する。併せて、人
事考課結果の給料への反映方法についても検討する。
例えば、看護職4級の場合、4級の給料の幅は国立病院機構の
給料表に準拠するが、昇給のスピードについては、給料の幅を
3分割して、下位ではより早く、上位ではより遅くする等。
給料モデルの策定
格付け制度のモデル昇格パターンを元に、統合病院の給料表
に当てはめた場合の給料モデルを策定する。
諸手当(期末・勤勉手当 他の公的病院の手当内容に準拠することを前提に、詳細部分
を検討する。
以外)の設定
期末・勤勉手当の検討 期末・勤勉手当の水準、人事考課結果による査定幅(職種によ
る差異を含む)を検討する。
退職金制度
社保鰍沢病院職員の山 社会保険鰍沢病院の職員の退職金について、山梨県市町村総
梨県市町村総合事務組 合事務組合への移行方法の検討を行う。併せて、社保鰍沢病
院の退職金制度が変更されることによる不利益変更の程度を
合への移行方法
確認し、必要に応じた移行緩和措置の検討を行う。
制度移行
移行後の経過的な措置
の検討(期間・方法)
両病院間の給料格差の是正や給料水準の適正化への対処方
法、その実施期間について詳細の検討を行う。実際の職員を統
合病院の給料表に当てはめ、標準的な給料水準との乖離の状
況を鑑みた上で実施する。
また、評価制度については、考課結果の給与への反映につい
ては、暫定的に未実施の期間を設ける等、移行準備期間の必
要性を検討する。
給与シミュレーションの実 統合病院での職務・職責に応じて、現行の職員を格付けし、給
与制度の設計、経過的な措置の内容を踏まえて、今後10年程
施
度の人件費シミュレーションを中期経営計画との関連性も踏ま
えて実施する。
労働条件・福 労働条件・福利厚生の
利厚生
ルール検討
労働条件・福利厚生について、項目ごとに検討を行い、現行の
2病院のいずれか又は他の公的病院の水準に準拠する。その
際、ルールの性格に応じて、方向性を定めて検討する。(例え
ば、休業・休職期間中の給与保障は、コストを鑑みつつ現行の
最高水準とする等)
併せて、新ルールに基づくコストインパクトの検証も行う。
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月 月 月
月 月 月
〈診療 WG の取組項目〉
分類
外来・入院
取組み項目
4
月
取組み内容
医師、看護師、コメディカル 各診療科目の機能、要員数を決定し、具体的な人材を当てはめ、
異動する。
要員再配置、異動
山梨大学、他病院と統合 地域の中で、自院で行うこと、周辺病院と連携すること、外に任せ
ることについての目安を設定する。例えば重症度が中等の脳梗塞
病院間での役割明確化
の症例には対応するが、多発性脳梗塞等重症度が高く、後遺症の
発生しやすい症例については、高次医療機能病院へ患者を搬送
するなど。
統合病院内での各科目に 各診療科内でどの疾患は診ることができる、どの疾患は診ること
おける診療対象疾患の特 ができないかを「病院に対して求められる姿」と「現在のスタッフで
出来ること」の観点から目安を設定する。例えば、消化器科におい
定
て、肝炎、肝硬変は積極的に対応していくが、食道がんについて
は対応できないなど。
特に急性期から回復期に流れる患者への診療内容について、統
合病院間の役割を明確にし、スムーズに流れる仕組み作り(地域
連携室による院内連携など)を構築する。
外来、入院業務の統合準 電子カルテシステムなど新システムへの移行、習熟、電子カルテ
に載らない診療関連帳票(看護記録、リハビリ記録、薬歴簿など)
備
の統合など。
診療連携の流れ整理
診療体制
総合医研修体制・方法の 急性期から回復期・維持期まで診ることができる総合医を育成す
検討、研修プログラムの作 るための体制、研修内容、ローテーション方法などについて検討
し、研修プログラムを作成する。
成
手術
手術を行う医師、看護師、
コメディカルの再配置、異
動
統合病院にて行う手術症
例の検討
富士川病院の手術機能を充実させるために必要な機能・要員数を
明確にし、具体的な人材を当てはめ(必要に応じて補充し)、異動
させる。
どの症例の手術は積極的に行うかを病院に対して求められる姿」
と「現在のスタッフで出来ること」の観点から目安を設定する。例え
ば、消化器科において、肝炎、肝硬変は対応していくが、食道がん
については対応できないなど。
手術関連設備、機器の購 老朽化により更新が必要な設備、機器の購入を検討し実施する。
入検討、実施
救急
給食
医師、看護師、コメディカル 確実に救急患者を受け入れられるために必要な要員を確保する。
要員再配置、異動
山梨大学、他病院と統合
病院間での役割明確化
救急患者の受入について、どの症例の患者を受け入れるかにつ
いて目安を設定する。
(市川三郷病院)栄養サ
ポートチームの立ち上げ
市川三郷病院において、医師、管理栄養士、看護師、薬剤師、臨
床検査技師などを中心に栄養サポートチームを立ち上げる。
(富士川病院)栄養サポー 富士川病院の栄養サポート委員会の本格稼動を再開し、患者の
トチームの本格稼動再開 栄養管理を行う。
検査健診・放 自治体向け健診の取り込 特に富士川町など関連する自治体向けの検診、人間ドック取り込
みに向けた活動を行い、必要な機器を増強する。具体的には、周
射線
み活動実施
辺自治体への営業活動、検診車の増強など。
リハビリ
在宅診療
診療対象疾患の特定
急性期リハ、回復期リハについて幅広く受けつつも、「病院に対し
て求められる姿」と「現在のスタッフで出来ること」の観点から受入
できる範囲について目安を設定する。
急性期から回復期リハへ
のクリティカルパス作成
富士川病院(急性期)から市川三郷病院(回復期)への流れをス
ムーズにし、医療の切れ目を無くすために、パスを作成、文書化
し、共有する。
医師、看護師の要員再配 在宅診療支援を行う医師、看護師の選定と異動を実施。
置
市川三郷病院で診る患者、開業医が診る患者を開業医と検討し、
開業医との役割明確化
目安を設定する。具体的には、市川三郷病院では開業医がフォ
ローできない範囲(近隣に医師のいないへき地、高難易度の疾患
など)を行うなど
開業医が診療している患者の容態急変時には、市川三郷病院で
サポートする体制を検討する。
在宅診療部開設準備
帳票類の整理(カルテ、看護記録など)、ポスター等の作成など。
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〈薬剤 WG の取組項目〉
分類
薬剤
取組み項目
仕入、管理、新薬承認業
務の統合
取組み内容
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品目マスタ、品目情報を統合し、両病院で同じ薬剤を同じシステム
で管理する、仕入れることができる仕組み作りを行う。
新薬承認のルートを両院で統合し、薬事審議会を合同で開催す
る。
〈経営管理・経理 WG の取組項目〉
分類
取組み項目
取組み内容
経営管理・経 財務情報・経営分析フォー 貸借対照表、損益計算書といった財務諸表や、経営分析(例.外来
平均単価、病床利用率等)に関するフォーマットについて、両病院
理
マットの作成
共通の様式を作成する。
経営報告ルールの設定
会計基準
統合病院の経営実績について、幹部に対してどのような内容の経
営報告を行うかについて、ルールを設定する。
採用する会計基準への変 企業団の経営形態を踏まえ、地方公営企業会計に鰍沢の会計基
準を合わせていく。市川三郷についても平成26年4月の改定に合
更
わせ、準備を行っていく(例.キャッシュフロー計算書を新たに作成
する(現在は作成していない))。
会計方針
採用する会計方針の検討 たな卸資産の評価方法(例.先入先出法、平均法)や、減価償却資
勘定科目
勘定科目の設定
補助科目
補助科目の設定
帳簿体系
財産目録
産の償却方法(例.定額法、定率法)など、統合病院として採用する
会計方針について、統合病院の実態を考慮して確定する。特に地
方公営企業会計の見直しにより義務付けられているものについて
は地方公営企業会計に従う(例.退職給付引当金の計上義務付
け)。
平成26年4月改正の地方公営企業会計に則った勘定科目体系を
統合病院として設定する(例.市川三郷の「借入資本金」を「他会計
長期借入金」と表示する) 。また、設定した勘定科目体系を貸借対
照表や損益計算書、残高試算表などの帳票に反映させる。
統合病院として設定する勘定科目体系に対して、現在両病院が
使っている補助科目を考慮しつつ、補助科目の目的を明確にした
上で統合病院としての補助科目を設定する(例.勘定科目「旅費」を
目的で分けるために補助科目「通勤手当」「出張派遣」を設定す
る)。
帳簿体系と運用方法の検 窓口現金集計表や医業未収金台帳、買掛帳といった会計帳簿の
種類や書式、及びその記載方法などの運用方法について統合病
討
院としての統一のルールを作る。
両病院から統合病院に引き継がれる財産の明細(例.建物や医療
財産目録の作成
機器など)を整理し、目録として一表にまとめる。一表にまとめるに
あたっては、財産の種類別に分類して記載する。
資産管理番
号
資産管理番号の付与
集計単位
データ集計単位の設定
(集計部門の設定)
会計監査
会計監査人の選定
統合病院として統一された番号体系により、統合病院として保有
する固定資産(例.医療機器や車両など)に番号を付与する。例え
ば、市川三郷で保有する固定資産については番号の最初に「I」
を、富士川で保有する固定資産については番号の最初に「F」を付
与を行う。
各病院や各老健といった施設別での損益状況の集計や、内科、外
科といった診療科目別での患者数の集計など、データ集計を行う
際の集計単位を設定する。集計単位を設定するにあたっては、企
業長をはじめとする経営層が経営状況を把握するために必要な情
報を提示できる単位で設定を行う。
現行の委託実績を考慮した上で、統合病院として委託する会計監
査人を選定する(現行、市川三郷は町の監査委員による会計監査
(例月監査、決算監査)、鰍沢は新日本監査法人による会計監査
を受けている)。
〈購買 WG の取組項目〉
分類
購買
取組み項目
取組み内容
物品購買に関するルール 物品の購買申請から承認といった、物品購買に関するルールにつ
いて、両病院共通のルールを設定する。
の設定
物品管理方法に関する
ルールの設定
固定資産台帳の様式や、資産管理番号の採番ルールといった購
入後の物品管理の方法について、両病院共通のルールを設定す
る。
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〈医事 WG の取組項目〉
分類
取組み項目
取組み内容
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業務の統合、患者名簿の名寄せ、診察券更新時期の検討を行う
(例えば、新規患者は平成26年1月から新診察券を使用するな
ど)。
受付
受付業務の共通化準備
医事
審査支払機関(国保等)に 国保や社保等の審査支払機関に対する診療報酬手続きについ
対する診療報酬請求手続 て、請求の手順について両病院で共通なルールを設定する(ただ
し、請求自体は病院毎に行う)。
きの設定
診療報酬請求手続きに関 診療報酬請求による査定減を減らすことを目的として、両病院の
担当者で勉強会を開催する。
する勉強会の開催
保険診療外収入の価格設 差額ベッド等、保険診療外として収入になる対象について、両病院
で統一の基準による価格体系を設定する。
定
患者の診療データ管理方 両病院として患者の診療データを共有するために必要な診療デー
タの管理方法について検討する(例.IDの採番ルール)。
法の検討
〈総務 WG の取組項目〉
分類
総務
取組み項目
取組み内容
勤怠管理に関するルール 病院職員の勤怠管理の方法や勤怠管理に使う帳票について、両
病院共通のルールを設定する。
の設定
各種契約手続きに関する 業務委託等、契約を締結する際に必要となる病院内の手続き(申
請から承認まで)について両病院共通のルールを設定する。
ルールの設定
例規の整備
会議体
統合病院として1つの例規を整備する。
統合病院として必要な委 統合病院として必要な委員会など会議体について洗い出しを行
員会などの会議体の設定 い、設定する。設定にあたっては、両病院それぞれで行うものと、
両病院全体として行うものに分ける。
研修体制
職員の研修メニューの設
定
過去の研修に対する意見を基に、職員の研修メニューを設定す
る。
〈地域連携 WG の取組項目〉
分類
地域連携
取組み項目
取組み内容
ソーシャルワーカーの新規 地域連携を行うに当たっての必須事項ではないが、専門知識を
採用、若しくは内部人材の 持った社会福祉士が外部とのコミュニケーション窓口となることで、
外部の医療機関やケアマネなどから見て相談しやすい体制を構築
活用
する。
地域連携室長(医師)の決 地域連携を行うに当たっての必須事項ではないが、医師が連携室
を管理することで診療側の抵抗感を無くし、スムーズな連携を図れ
定
るため、医師を室長に据える。
地域連携室開設準備
開業医との役割切り分け、連携方法を検討、外部活動方針の決定
(懇話会など)、外部向けパンフレットの作成するなど。
〈情報システム WG の取組項目〉
分類
取組み項目
取組み内容
情報システム (特に管理分野の)情報シ 財務会計システム、勤怠管理・給与計算などの各システムについ
て、一方の病院の仕様に寄せるか、新規に導入するかについての
ステムの選定
検討を実施する。
導入システムへの習熟
特に電子カルテ、医事会計システムについてシステムの使い方に
関する説明会の実施、プロトタイプのテスト導入などを実施する。
58
(5)企業団例規構成(案)
整理
番号
例規名称
種別
(条例、規則等)
第1章 総規
整理
番号
例規名称
種別
(条例、規則等)
30
職員の定年に係る勤務延長及び再任用に関する要綱
告示
1
峡南医療センター企業団規約
規約
31
職員の退職勧奨に関する要綱
告示
2
峡南医療センター企業団公告式条例
条例
32
公益的法人等への職員の派遣等に関する条例
条例
3
企業長の職務を代理する職員を定める規則
規則
33
公益的法人等への職員の派遣等に関する規則
規則
4
峡南医療センター企業団情報公開条例
条例
34
峡南医療センター企業団医師等派遣要綱
告示
5
峡南医療センター企業団情報公開・個人情報保護審査会規則
規則
35
峡南医療センター企業団職員の懲戒の手続及び効果に関する条例
条例
6
峡南医療センター企業団情報公開・個人情報保護調整委員会規
程
訓令
36
峡南医療センター企業団職員分限懲戒諮問委員会規程
訓令
7
峡南医療センター企業団個人情報保護条例
条例
8
峡南医療センター企業団個人情報保護条例施行規則
規則
第3節 服務
第2章 議会・監査
37
職員の服務の宣誓に関する条例
条例
38
職員の職務に専念する義務の特例に関する条例
条例
9
峡南医療センター企業団議会定例会条例
条例
39
営利企業等の従事制限に関する規則
規則
10
峡南医療センター企業団議会会議規則
規則
40
地方公営企業法第39条第2項の規定に基づく職の指定に関する規則
規則
11
峡南医療センター企業団議会傍聴規則
規則
41
峡南医療センター企業団職員就業規則
規則
12
峡南医療センター企業団監査委員に関する条例
条例
42
峡南医療センター企業団職員の心身の故障による休職の取扱規程
訓令
13
峡南医療センター企業団監査委員の職務執行等に関する規程
訓令
43
峡南医療センター企業団職員希望降任制度実施規程
訓令
44
職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の臨時特例を定める条例 条例
第3章 事業の設置管理
14
峡南医療センター企業団病院事業の設置等に関する条例
条例
45
峡南医療センター企業団職員の育児休業等に関する条例
条例
15
峡南医療センター企業団介護老人保健施設設置条例
条例
46
峡南医療センター企業団次世代育成支援対策推進法の特定事業主等を定める規則
規則
16
峡南医療センター企業団介護老人保健施設施行規則
規則
47
峡南医療センター企業団職員人事考課規程
訓令
条例
17
峡南医療センター企業団介護老人保健施設運営規程
規程
48
峡南医療センター企業団企業職員の自己啓発等休業に関する条
例
18
峡南医療センター職員宿舎管理規則
規則
49
峡南医療センター企業団職員の自己啓発等休業に関する規則
規則
50
職員服務規程
訓令
51
峡南医療センター企業団企業職員被服等貸与規程
訓令
第4章 組織・庶務
19
峡南医療センター企業団組織規則
規則
20
峡南医療センター企業団処務規程
訓令
第6章 給与
21
峡南医療センター企業団庁用自動車管理規程
訓令
第1節 報酬・費用弁償
第5章 人事
52
特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例
条例
第1節 定数・任用
53
議会の議員の報酬及び費用弁償に関する条例
条例
22
峡南医療センター企業団職員定数条例
条例
23
職員の任免発令規程
訓令
第2節 給料
54
峡南医療センター企業団企業長の給与及び旅費に関する条例
条例
条例
24
峡南医療センター企業団人事行政の運営等の公表に関する条例
条例
55
峡南医療センター企業団企業職員の給与の種類及び基準に関す
る条例
25
峡南医療センター企業団の任期付職員の採用に関する条例
条例
56
峡南医療センター企業団企業職員の給与に関する規程
訓令
26
峡南医療センター企業団の任期付職員の採用に関する規則
規則
57
職員の初任給、昇格及び昇給等の基準に関する規程
訓令
第2節 分限・懲戒
第3節 諸手当等
27
職員の分限に関する手続き及び効果に関する条例
条例
28
臨時的に任用された職員の分限に関する条例
条例
29
職員の定年等に関する条例
条例
58
職員の管理職手当等の特例に関する条例
条例
第4節 旅費
59
59
峡南医療センター企業団旅費支給規程
訓令
整理
番号
例規名称
種別
(条例、規則等)
整理
番号
第7章 財務
72
60
峡南医療センター企業団○○基金の設置に関する条例
条例
73
61
峡南医療センター企業団財務規則
規則
74
62
峡南医療センター企業団病院事業の業務に係る出納事務の一
部を取扱わせる金融機関の指定
告示
75
63
峡南医療センター企業団公金管理委員会設置要綱
告示
76
条例
77
65
峡南医療センター企業団長期継続契約を締結することができ
る契約を定める条例
峡南医療センター企業団長期継続契約を締結することができ
る契約を定める条例施行規則
種別
(条例、規則等)
第10章 雑則
第1節 財務通則
64
例規名称
規則
第2節 使用料及び手数料
66
峡南医療センター企業団病院事業料金徴収条例
条例
67
峡南医療センター企業団病院事業料金徴収規程
規程
第8章 奨学金
68
峡南医療センター企業団看護師修学資金貸与条例
条例
69
峡南医療センター企業団看護師修学資金貸与条例施行規則
規則
第9章 防災
70
峡南医療センター防災管理規程
訓令
71
峡南医療センター非常災害服務規程
訓令
60
峡南北部二病院統合事務組合の規約の全部改正に伴う峡南北
部二病院統合事務組合条例の整理に関する条例
職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例及び職員の旅費
に関する条例を廃止する条例
峡南北部二病院統合事務組合を峡南医療センター企業団とす
ることに伴う条例の整理に関する条例
峡南北部二病院統合事務組合規則等を廃止する規則
峡南北部二病院統合事務組合を峡南医療センター企業団とす
ることに伴う規則の整理に関する規則
峡南北部二病院統合事務組合を峡南医療センター企業団とす
ることに伴う規程の整理に関する規程
条例
条例
条例
規則
規則
訓令
資料編
(1)峡南北部二病院統合協議会設置及び運営要領
(設置)
第1条
市川三郷町立病院及び社会保険鰍沢病院の経営統合に向けた協議を行うため、峡
南北部二病院統合協議会(以下「協議会」という。)を設置する。
(所管事項)
第2条
協議会は、市川三郷町立病院及び社会保険鰍沢病院の経営統合に関し必要な事項
について協議する。
(構成)
第3条
協議会は、別表に掲げる委員をもって構成し、知事が委嘱し、又は任命する。
(役員等)
第4条
協議会の役員として、会長1人、副会長1人を置く。
2
会長は、委員の互選によって、これを決める。
3
会長は、協議会を代表し、会務を総理する。
4
副会長は、会長が指名することとし、会長を補佐し、会長に事故があるときはその職
務を代行する。
5
委員の任期は、委嘱又は任命にあった日から平成26年3月31日までとする。
6
前項の委員に欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会議)
第5条 協議会は、会長がこれを招集し、議長となる。
2
協議会は、必要に応じて委員以外の者の出席を求めて、意見を聞くことができる。
(事務局)
第6条
協議会に事務局を置き、庶務は、山梨県福祉保健部医務課において処理する。
(その他)
第7条
この要領に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、会長が定める。
附 則
61
この要領は、平成24年11月30日から施行する。
(2)峡南北部二病院統合協議会委員名簿
所 属 名
役 職 名
氏
名
町長
久 保 眞 一
町議会議長 内 田 利 明
町議会地域医療を守る特別委員長
秋 山 詔 樹
町議会議員
松 野 清 貴
学識経験者
深澤新次郎
町長
志 村
町議会議長 芦 澤 益 彦
町議会地域医療を守る特別委員長
齋 藤 正 行
町議会議員
井 上 光 三
学識経験者
今 村 辰 夫
院長
河 野 哲 夫
事務長
伊 藤 正 己
総看護師長
穂坂さち子
院長
中 島 育 昌
事務局長
大 間 辰 雄
看護局長
保坂ひろみ
山梨大学医学部附属病院
副病院長
佐 藤
山梨県
福祉保健部長
三 枝 幹 男
市川三郷町
富士川町
市川三郷町立病院
社会保険鰍沢病院
62
学
弥
備 考
会
長
副 会長
(3)峡南北部二病院統合協議会協議項目
№
1
分野
協議項目
協議内容
設置に関するこ 病院の経営形態
望ましい経営形態の詳細について協
と
議する。
2
病院の名称
統合病院及び各医療施設の名称につ
いて協議する。
3
開院準備
統合病院の開院に向けた手順及び工
程等について協議する。
4
人事管理に関す 役職員の処遇
職員等の身分の移管又は採用等の方
ること
針について協議する。
5
給与及び定数
職員等の給与及び定数の設定等の方
針について協議する。
6
就業条件
職員等の就業条件の設定等の方針に
ついて協議する。
7
管理運営に関す 例規の整備
統合病院の規程等について協議する。
ること
8
情報システムの整備
統合病院の情報システムの整備等に
ついて協議する。
9
業務管理
業務執行等の方針について協議する。
10
施設管理
施設管理等の方針について協議する。
11
関連施設
介護老人保健施設の取り扱いについ
て協議する。
12
13
財務会計に関す 財産の管理及び処分
既存施設の資産及び負債の処理方針
ること
について協議する。
会計処理
統合病院の会計処理の方針等につい
て協議する。
14
資金管理
統合病院の資金管理の方針等につい
て協議する。
63
(4)峡南北部二病院統合協議会開催状況
開催日
第1回
平成24年11月30日
検討項目
○協議会の協議項目について
○統合協議の手順及び工程について
○統合病院の経営形態に関する基本的な考え
方について
○統合病院の名称に関する基本的な考え方に
ついて
○統合病院の情報システム整備の方向性につ
いて
-
平成24年12月21日
○先行事例視察
〈視察先〉
さんむ医療センター(千葉県山武市)
公立長生病院(千葉県茂原市)
第2回
平成24年12月25日
○統合病院の経営形態について
○統合病院の名称について
○統合病院の情報システム整備について
○人事管理・管理運営・財務会計に関する計画
について
第3回
平成25年
1月31日
○経営形態について
○名称について
○情報システム整備計画について
○管理運営計画について
○人事管理計画について
○財務会計計画について
第4回
平成25年
2月28日
○移行実務計画について
○人事管理計画について
○財務会計計画について
○管理運営計画について
第5回
平成25年
3月28日
○管理運営計画について
○人事管理計画について
○財務会計計画について
○移行実務計画について
○基本計画のとりまとめについて
64
65
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